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19回国会衆議院1954/05/24

地方行政委員会 第67号

発言数
57
登壇者
6
会派数
3
開催日
1954/05/24

会議録

中井一夫自由党

○中井委員長 これより会議を開きます。  地方公務員法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。質疑の通告がありますから、順次これを許します。北山君。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 それでは地方公務員法の一部改正案について若干質問をいたします。  この改正法の中の附則の第三項ですか、これは地方公務員におきましても国家公務員の例に準じて臨時待命をすることができるという規定になつておるようでありますが、これが例のこれでもつて首切りをやるということに関連があるだろうと思う。そこでお伺いしたいのは、たしかことしの二月でございましたか、政府は地方公務員の行政整理の基本的な方針を決定した。その整理案というのは、地方公務員五万八千五百七十八名を整理するという案であつたようであります。このうち府県については何パーセント、市町村については何パーセントというような整理の平均率というものを出して計画を立てられておるようでありますが、これはどのような形で府県、市町村の方へ指示されたか、その後この基本方針をどういう形で地方に流しておるのであるか、これをひとつ具体的にお伺いしたい。

小林与三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(与)政府委員 今お尋ねの点でございますが、これはことしの二月二十日、自治庁次長の名で各都道府県知事に対して、地方公務員の人員整理についてという意味の通牒を出しておるのでございます。これにつきまして府県に流しまして、市町村に対してもその趣旨を通知するようにあわせて触れておきまして、そこで一般職員、警察職員、教育職員等についての整理の閣議決定できまつた内容と趣旨を連絡いたしておるのでございます。ただこのうちで特に教育の問題につきましては、なお別途文部省の次官と自治庁の次長が連名で、二月の二十三日に知事及び各都道府県の教育委員会に対しまして、小、中学校教育職員の取扱いについて通牒を発しまして、国の方針に従つて、地方におきましても地方の財政計画上、地方公務員について閣議決定に準じて所定の人員整理が行われるものとしてつくつてあるので、地方の実情に即してしかるべく措置されるとともに、行財政の運営上遺憾なきを期せられたい、こういう趣旨の通牒を出しております。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 今の通牒は、いわば政府がそういうふうな中央の方針であるから、地方もそれにならつたらよかろうという程度のものであつて、実際の整理そのものについては、各地方々々の実情に応じて整理をしなくても済むところはしなくてもよろしいというようなことは、これは当然自由だろうと思うのでありますが、その点についてはどういうふうにお考えになつておりますか。またこれについて、こういう程度ならば整理をしなくてもいいというような、何か地方のそれぞれの団体の計数の基準といいますか、そういうものがあつてそれによつて整理をするとか、あるいはそういうものがなしに、ただ自主的にやれというのであるか、それらの関係をもう一ぺんお伺いしたいと思います。

小林与三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(与)政府委員 自治庁といたしましては、今申し上げました通牒を出した以外には、特別の具体的な今おつしやいましたような事柄は全然申しておりません。ただみな自治団体が自主的にこの問題を考えて、処理することを期待いたしておるのであります。こちらといたしまして府県に何パーセントという基準が一応ありますが、これも現在員を基礎にして何パーセントとか、現定員を基礎にして何パーセントという趣旨と言うよりも、むしろこういう基準を基礎にして地方財政計画において財政計画を定めた、それを念頭に置いてそれぞれの自治団体の実情に応じまして処理するように、これだけを申しておる次第であります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 この整理は、この改正案の最後にもあります通り二十九年度でも、あるいは三十年度でもよろしいというようなことになつておりますので、実際問題として地方財政計画を作成の上において、この人件費等についてはおそらく具体的な数字が出なかつたのではないか、一般的な節約というようなパーセンテージの数字は出たかもしれませんが、特に人件費についてこれこれを節約するというような基礎に基いて、二十九年度の地方財政計画が組まれたものでない、そういうことは実際上としてはむずかしいことである、こういうふうに考えられるのですが、その点はいかがなものですか。

小林与三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(与)政府委員 今お話の通り一応財政計画上はこういう建前で、この二十九年度と三十年度の問題も、大体国の建前に準じて都道府県ならば二十九年度は三・五%、三十年度は二%、市は三%と三十年度二%、こういう形によつてよろしいということもあわせて申したのでございますが、財政計画の実際の数字では、この退職金がどうせいりますから、そういうものとパーパーになるという考え方で、数字は特に上げ下げはいたしておりません。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 私ちよつと不勉強で、今実際上この規定の意味がよくのみ込めないといいますか、説明をいただきたいのでありますが、そのほかの問題で条件付採用及び臨時的任用です。これは昇任の場合を除いて、条件付採用の場合だけこの条件をつけるというようなことに改めた。これの実際上の効果というものは一体どこにあるか、ねらいはどこにあるか、これをひとつ御説明願いたいのです。

小林与三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(与)政府委員 実際上の扱いは、条件付採用の規定は二十二条にございますが、要するに現行法によりますと、新しく採用する場合もそれから上級のクラスに昇任する場合も、すべてます六箇月の間は条件付となつております。その際には、条件付ということにいたしますと、つまり正式任用でありませんので、身分上の保障がこれではその間はないのであります。  それとともに、もう一つは、採用の場合に正式採用の手続をするためのいろいろな任用上の条件というようなものもないことになつておるのであります。主として身分上の保障があるかないかということが基本であります。六箇月の間は自由の分限の規定が働かずにしまう、こういう建前になつているのであります。しかしながら実際の場合は、新しく採用する場合は実際使つてみなければ人がわかりませんけれども、昇任の場合は長らく使つておる者を昇任させるのでありますから、昇任だから六箇月の間に妙だからといつてどうこうするということを考えるのが大体常識には合いませんので、昇任の場合には条件付ということをやめまして、すぐに正式採用になるということで分限規定は当然にみな働く、こういう建前にしたのであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 そうしますと今までの規定がちよつと常識に合わない規定だつたということなんですか。なぜそんな常識に合わない規定を今まで置いておいたのかちよつと了解に苦しむわけですが、何か当局としては別にこういう規定を置くつもりはなかつたか、ほかの事情で置かなければならなかつたというふうな事情があるのか。今お話の通り今度の改正がむしろ常識に合つておる。今までの規定が常識に合つておらないということならば、とうの昔に改正すべきじやないかと思うのです。その点をもう一ぺんお伺いしたい。

小林与三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(与)政府委員 今申し上げましただけの理由で、ほかに特別に具体的に、事件があつたからどうこうということを考えたわけではありません。ただりくつだけを申しますと、ともかくも公務員法は採用、昇任、全部厳重な試験をやつてとるという建前をとつていますから、昇任の場合でも下級のクラスとしてならば適当だけれども、上級のクラスに採用してみれば、やはり適当か不適当かしばらくの間使つてみないとわからぬじやないか、こういうりくつはあろうと思うのであります。そこでそういうりくつが基礎になつて、全部これは条件付というので公務員法もそういう制度がつくられておるわけであります。しかしりくつはそうでありますが、現実の運用といたしましては、そういうことを必ずしも考える必要はないのでありまして、実際使つて、そしてほんとうに適任だということで昇任になる。その間の六箇月、身分を不安定にしておくということならば、今まで何を見ておつたかと、こういうことにもなりまして、実際問題といたしましてこの扱い方が妥当だ、こういうことで国の公務員法におきましても、全般的な制度の改正は別として、技術的な修正としてこの問題だけは早く妥当にしたらどうだろうということで、歩調を合して直すことにいたしたのであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 その点はわかりました。その次の四十九条の第二項、「その意に反して不利益な処分を受けたと思うときは、」その下に、「その処分を受けた日から十五日以内に、」その不利益処分の事由書の交付について請求をすることができるということが規定のようであります。しかしこれも常識的に考えますと、この前段のところと、その下に期限を切るということは矛盾するのじやないかと思うわけであります。すなわち意思に反して不利益な処分を受けたということを自覚したときはですから、そしてそのあとの方は処分を受けた日から起算して十五日以内ということになつておつて、極端な場合を言えば、不利益処分を受けたと思うときは実は十五日以後である場合もあり得る。むしろ前段と後段を結び合せるということは、何かしら言葉の筋としては矛盾するのではないか、たからほんとうから言えば、純理から言えば、「その意に反して不利益な処分を受けたと思うとき」いわゆる本人がそれを自覚して、あるいは調べてみて、これは一概に簡単にすぐわかると言えばそれまでのことでありますが、実際は「受けたと思うときは」ということか非常に風味があると思うのでありまして、不利益処分を受け、当然理由を聞かなければならぬと決心する間は、これは必ずしも簡単にきまらないと思うのであります。そういうものがここに含まれておると考えておりますので、それをむしろ尊重する方がほんとうなんで、その下の「処分を受けた日から十五日以内」というような短かい期限を切るということは、むしろ前段の方の含みを消してしまう、むしろ極端に言えば、矛盾するのじやないかというような感じがするわけでありまして、期限をつけることは適当でないような気がするのでありますが、その点を重ねて伺います。

小林与三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(与)政府委員 今のお尋ねでございますが、これは不利益処分、普通の場合に任命権者が不利益処分をやる場合は、四十九条の第一項に書いてあります通り説明書を交付しなくてはならぬのでありますから、必ず説明書をつけて懲戒その他の処分をやることになつておるわけでございます。ところか今の任命権者といたしましては、特別にそういう意図がない、普通の人事の異動をやつたという場合に、本人が異動だけれどもちよつとおかしいじやないか、こういうのが二項に当るわけでございます。  さらにかりに本人が不利益処分になつたとしてでも、人事委員会に対してほんとうに懲戒処分の再審査を要求するかせぬかということが、また別の段階の問題になつておりまして、これにつきましては今おつしやいました通りほんとうに文句を言うて出るか出ぬか、訴訟を起すか起さぬかということに類することでありますが、これは相当ふん切りもいれば決心もいるのではないかと思うのであります。それで、現行法では四項に三十日以内にやれるという規定が実はあるわけであります。それでありますから、今残つていましたところの問題になつている点は、ともかくも処分を受けた理由がわからぬ。理由がちよつと意に満たないという場合、腑に落ちないというときにどういうわけか聞くだけの問題でありますから、これはやはりかりに処分を受けた場合十五日と書きましても、本人みずからの身分の問題でありますし、直接の問題でありますから、少しもおかしいことはないじやないか、そこへこの規定をかりに入れておきませんと、それこそいつまでたつてもこの不利益処分についての審査の請求ができまして、かえつてこの行政処分についての安定性を欠きますので、やはりそれぞれ文句があるならば、しかるべき機関において事のけりをつけておくという態勢をとることが適当であろうと思つて、この規定を入れたのでございまして、特に二項の問題につきましてはそういうわけでございますので、何にも理由がない処分があつたときに、その理由を聞かしてくれというだけの問題でありますから、特に本人に対してはそれほど心配になる結果にはならない、こういうふうに考えておるのでございます。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 それは事態の安定性という意味からすれば、一週間でも早い方がよろしいということになるかもしれませんが、実際問題としてみると、やはり職員の心理的なあれということは、はたしてそれが不利益処分として審査を請求するほどの程度のことであるかどうかということは、必ずしも初めからぱつとわかる問題ではないと思うのであります。いろいろ考究した結果、そういう必要があると考える場合もあるでありましようし、その間には案外時間を要するのじやないか、こう思いますので、私どもは何としても十五日というものを区切る必要がないばかりでなくて、むしろそれは不当に当事者の気持をはかつておらない。また利益を考えておらない規定じやないかと思うのであります。  それからまた同時に人事上の安定性と言いますけれども、これは必ずしも無期限に長いということは困るでありましようが、ある程度これらの問題を必ずしも十五日以内に処理しなければ重大な結果が起るのだ、それぞれ影響が大きいということではなくて、やはりある期間を置いてもそれほどの実害がないじやないか。何かそれとも実害があるというなら、そういう例を示していただきたいし、私どもはそれほど安定性——取引とは違うのじやないか。ものの取引でありますと、それぞれ波及するところが大きいのでありますが、その当事者だけの問題でありますし、時間の余裕は十分与えておいた方が本人のためになるし、またそうなつても実害がないじやないか。なぜ十五日に処理しなければならないという積極的な理由が乏しいと思われるのでありますが、もう一度御答弁願いたいと思います。

小林与三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(与)政府委員 今のお尋ねでございますが、実は現行法のままにしておくかどうかということに結局北山委員のお話によるとなるのでありまして、現在でも第四項に一応説明書の交付を受けたときには三十日以内、こういう期間の制限があるわけでございます。それで一応こうした不利益処分などは訴訟などと同様に、ある程度の期間内において事の始末をつけた方がいいという建前に、現行法もなつておるわけであります。ただそれの起算点が説明書の交付を受けた日からというふうに計算しておるものですから、その説明書の交付を受けた日がいつであるかというところに問題があるのでありまして、通常の場合は第一項に明瞭に不利益処分をやる場合には、必ず説明書をつけて任命権者が処分をするわけでありますが、そうでない普通の人事異動のつもりで任命権者がやつた場合に、本人にしてみれば少し気に食わぬ、不審だという場合があり得るわけであります。その場合にそれが一年たつても半年たつても自分が妙だつたと思つて、そうして元へ出もどつてということになると、わざわざ四項を設けた趣旨からいつてもおかしいですし、それから不利益処分であつたかないかということは、半年や一年たつてからまたあばき出すということが、はたして適当かどうかわかりませんので、やはりある期間でこの問題はけりをつけた方がよかろうという考え方に立脚いたしておるわけでございます。そこで十五日が長いか短いかという問題になるのでございますが、われわれといたしましては、四項にさらに三十日の請求の期間がありますし、これを考えれば十五日くらいでどうであろうというふうに考えたのでございます。しかし国の方の国家公務員につきましては、処分を受けた日から三十日以内ということに実はなつておりまして、今度もその関係の規定が国家公務員法の一部がかわつたのでありますが、処分を受けた日から三十日、こちらの方はいわば中間の期間が十五日ありますので、全体に四十五日ということになるのでありまして、この程度で適当ではないかと考えるのでございます。     〔委員長退席、加藤(精)委員長代理着席〕

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 どうものんべんだらりといつまででもいいというわけではありませんが、期間としてやはり許される限りの期間を与えておいた方がいいのではないか。ことに説明書を出すほどのはつきりとした理由のないような、ついうつかりと不利益処分が行われるというような場合であればこそ、やはり本人が不利益処分を受けたのだというふうに思う。それで多少の時間的な余裕も置かなくてはならないのではないか。それだけに私は十五日は短いと考えるわけであります。  それからもう一つお伺いしたいと思いますことは、臨時待命でございます。国家公務員の例に準じてとございますから、大体国家公務員と同じような処置が臨時待命においてもとられるというふうに規定上は考えられるわけであります。しかし地方団体にはいろいろな種類といいますか、やり方がありまして、行き過ぎる場合も中には少くないわけであります。国家公務員の場合、国の人事という場合には、これは全体としての見通しなり、あるいは人出をつかさどつておる人の広い見識といいますか、そういう考え方もございまして、行き過ぎるようなことはある程度は防いでおるのではないかと思うのです。ところが地方団体には、たとえば一つの整理基準を与えると、それをオーバーしてやる。あるいは行政整理をやつてもいいのだということになると、勢いそれに便乗してぐんぐんやつてしまう。あるいはまたこのようにその意に反して臨時待命を命ずることができるということになれば、今度はそれを最高度に活用、悪用して、不当に職員に対する不利益な条例をつくつてしまうというような場合があることは、おそらく御承知の通りだと思うのであります。でありますから規定の上ではこうありましても、自治庁としては地方公共団体が職員の意に反する臨時待命をするというような制度は、むしろ削除していただきたいと思うのでありますが、少くともこれを濫用してはならないのであつて、まずもつて本人の職員の申出に基いてやる臨時待命、これをまず第一に考えて、しかる後に前段の方の処置がとられるというようなことを自治庁としては期待し、かつ地方にそういう考え方で指導なさつておると私は思つておるのですが、そういう考えでありますかどうかお伺しておきたい。

小林与三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(与)政府委員 ただいまお尋ねの通りでございまして、当該団体のやむを得ない事情で行政監理を行わなければならない場合があつたといたしました場合に、どういう方法でそれをやるか、こういう問題でございまして、特に臨時待命制度は、新しくできたものでも何でもないのでありまして、一般の現行法のままでも十分制度としてはやり得ることでありますから、この方法は従来の方法よりは被退職者にとつてはきわめて有利な方法でございまして、その有利な方法を国が採用することにいたしましたので、地方公共団体にも同様な道を開いた方がいいのではないか、こういうことで一応開くことにいたしたのであります。しかしながらやり方はおつしやいましたように強制的にやることは策の下の下でありまして、なるべく本人の意思を基礎にして、これを円満にやることが策を得たものでありますから、われわれとしてはそういう方針でできるだけ事が円満に運ぶように指導いたしたいと考えております。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 臨時待命という制度が、本人にとつてむしろ有利な制度であるというようなお話であつたのでありますが、どうもその点は私どもはそう了解しないのです。むしろその職員の意思に反してもやり得る臨時待命という制度を、新たに打立てたということによつて首切りの機会をふやしたのです。法律の上でそういう手を教えてやつたわけでありまして、それがなければ普通の方法でやり得るとしましても、やはり整理ということはそうむやみやたらには起らないのではないか。むしろこういう場合には、国の方針に基いて、地方公共団体においても臨時待命という方法を用いて、首切りをやつてもよろしいということを教えてやるようなものでありまするからして、臨時待命というこのやり方は、広く見れば決して職員に対して有利な制度であるなどということは言えないと思うのであります。ともかく条例や法律によつてこの制度の改正なり何なりをやつて、そうして首切り、整理をするという場合には、職員としてはその利益を主張するような方法がない。ここに私どもは何かしら非常に割切れないものを感ずるわけであります。ことに注意していただきたいと思いますのは、この前ここで問題になりました例の昇給ストップのことにいたしましても、条例でさえやれば何でもできるのだというような指導、そこまで行かなくても不可能ではないというような指導がなされるとするならば、私どもは非常に危険じやないかと思うのであります。普通の処分でもつてやられる場合には、先ほどの不利益処分に対するいろいろな対抗措置、訴えができる。しかし法律や条例でもつてやる場合には、それに対抗する道がない。それだけに、法律をつくり、あるいは地方に条例をつくるような指導をする場合には、よほど注意深くやつてもらわなければいろいろ気の毒な結果が出て来る、またそこに行き過ぎが出て来ると思うのであります。  この際ひとつ聞いておきたいと思いますのは、この前岩手県の教職員の昇給ストップのことについて、委員会で質問をいたしたのでありますが、あれと同時に、岩手県においては、一般職の職員に対しまして別な形の一つの昇給ストップといいますか、そういうことをやつておる。それは条例によつて昇給は一号なら一号する。しかし実際はそれよりも一段下の金を渡すというやり方です。一万円なら一万円という辞令を出して、九千円の金を渡すというのは一体どういう意味なのか。その際一万円の書きつけというのは何の意味も持たないのじやないか、どういう意味なのだろうか、法律的にはどういうことになるのだろうか、一万円の書きつけを出して九千円しか金を出さないぞという条例のきめ方は、それ自体が、どの法律に触れるか知りませんが、どうしても法律的に見て穏当でない、そう思うのであります。その点についてどういうお考えでおられるかお伺いしておきたいと思います。

小林与三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(与)政府委員 今の岩手の条例の話でありますが、私もちよつとうすぼんやり記憶いたしております。私の記憶によりますと、今北山委員のおつしやいました通り、一応昇給の発令はする。しかしながら現実の支絆額は従来のままにくぎづけにしておくという趣旨の条例でございます。そこでこれが条例としてできがいいか悪いか、妙であるかないか、これはいろいろ意見があり得るだろうと思うのであります。ただ向うの意図しておりましたのは、条例としての妙、不妙は別といたしまして、その方法でやると、普通の昇給ストップよりも、むしろより合理性のある面もある、こういうことを考えたようであります。と申しますのは、そのかわりに、一定期間が過ぎればとたんに本給へ行きますから、一ぺんストップになつた場合ならば、その次上げればもとのまま一号上るだけですが、今の条例で行きますと、その期間が過ぎますと、二号俸上つてしまうわけです。それですから、一年か二年後には普通のままで行つたと同じようなコースに入る、こういうふうな点が一つと、それから恩給の通算などは普通の計算でやる、こういうこともあわせて考えておつたようでありまして、実質的には、単にストップするといううよりも、むしろ正常なコースに最も近い方法であるようでございます。まあ規定の仕方といたしましては、確かにふに落ちぬといいますか、妙だという点がありますが、その実質に着目すればあれも一つの方法で、たいへん考えたものだなあと、正面に申してこういう気がいたしている点もあるのでございます。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 どうも自治庁がそんなへんな条例を感心してほめたりしたんではちよつと困ると思うのです。少くとも辞令というものは、やはりその役所なら役所、団体なら団体の職員に対する、厳粛といえばなんですが、これだけはやるぞというはつきりとした約束でなければならぬと思うのです。特に役所だからそこに将別なありがたさを加えるというわけではないにしても、はつきりとした証文だと思う。それを金の方はそれよりも一段下のものをやるなどということを堂々と条例でもつてきめるということは、これは巧みな方法だかなんだか知りませんが、ほかのものと比べた場合にそうだというだけであつて、やはり条例というものにはおのずから一つの形があると思うのです。そういう角度から見て、あるいは法律的根拠から見て、一体条例でそういうことをやることがはたして正しいものであるかどうか、また適当であるかどうか、ほかの場合よりもこの方が実質的によいとかいうことは、また別問題だろうと思うのです。そんなインチキなやり方を地方公共団体ともあろうものがやつてもよいかどうか。高利貸の証文なら、利子は天引いておくが証文だけは別だということもあるかもしれませんが、少くとも公務に従卒しておる職員の辞令が、そんなふうに扱われるような条例を自治庁としてほめてよいものかどうか、私は法律的にもう少しその根拠をお伺いしたいと思うのです。実は私不勉強でよくわからぬのですが、どうもこういう条例は適当でない、どこかに抵触する、しないはずはない、かように確信しておりますが、あまり感心しないで、もう少し批判的な立場で自治庁としては見てもらわぬと、今度府県の方では、何でもかでも非常に巧みなインチキ条例を次から次へとつくつてしまつて、これでは自治庁としての正しい指導にはならぬと思うのです。法律的な根拠とか、もう少しまつ正面からとつ組んだ考え方をお伺いしたい。

小林与三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(与)政府委員 条例といたしましては、法律的に違法だということは考えておりません。つまり今の昇給ストップ条例がつくれるかつくれぬかという問題になりまして、その昇給ストップの条例をつくることが、必ずしも適合性を欠かない場合もあるわけであります。それと同様に、昇給はストツプするが、ああいうやり方以外にもつとやり方があつたろうと思うのであります。それでありますから、あの条例を特別ほめるつもりも全然ございませんが、よう考えたなと思つている程度でありまして、ほめる意思はごうもありませんが、あの条例自体は違法だということは私は言えぬだろうと思うのであります。要するに、普通のストップになるとそこで一号だけ永久に遅れる、しかしあるときその一号だけ落して、あとで元にもどすのだという条例をつくればそれで済む。また恩給の場合も、退隠料の計算については、こういうやり方をやるのだという規定の仕方をすれば、それでも実は済むのでありまして、ああいうやり方をやらなければならぬというりくつは一つもないのでありますが、形式的にいえばちよつと妙なところは確かにあると私も思うのであります。しかし条例で一応そういう方法をきめるのでありますから、すぐにこれはインチキだというわけにも行かぬのでありまして、本人をだますわけじやなく、一般の条例に基いての発令でございますから、それをもつてただちにインチキの処分だというわけにも参らぬと思うのであります。でありますから、結局あの条例のつくり方が技術的に上手であるか下手であるか、こういう問題は一つ残ると思います。それとともに、北山委員などの考えておられますようにむしろ根本的に、そういうストップをすること自体がいいか悪いか、こういう問題と両方あるだろうと思うのでございます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 関連して。今の答弁ですが、これは明らかに違反なんです。違反でなければ違法ですよ。それは二十四条にはつきり書いてあるんですよ。二十四条の一項には明らかに、「職員の給与は、その職務と責任に応ずるものでなければならない。」と書いてある。この規定を設けておりますのは、結局職員の給与にそうしたことでごまかしがあつてはならないという意味であることには間違いがないのであります。かりに一万円の辞令を出して九千円しか払わなかつたという場合、恩給その他の通算のときには一万円で勘定するのだから損はない、その次の昇給にもそれが土台になるのだから損はない、こういうお話でありますが、それならば二十四条の二項の規定は何を意味するかということです。現実に一万円とここに書いてありますのは、その仕事の分量と責任というものが明確になつて、それによつて給料が定められておるのである。もしその人の職務の分量と責任が一万円の価値があるとするならば、当然一万円を支給すべきである。それを九千円しか支給しないのは明らかに違法でしよう。立法の趣旨はそういうばかばかしいものではない。いわゆる給与の基準をここにきめておるのである。その給与の基準を無視して、ただ便宜だけでそういうことをするのは、私は明らかに二十四条の違反だと思う。自治庁はそんなものを認めて——あるいはこれを認めるというのじやなくて、そういう示唆を与えていると私は思うのだ。だからそういうことでごまかしていると思うのだ。これは明らかに二十四条の違反だと思う。二十四条の第一項はどういう意味なんです。

小林与三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(与)政府委員 自治庁がかような条例について、とかくの指示とか何とかをしたことは全然ありませんから、その点だけは誤解のないようにひとつお願いいたします。そういうものができたがどう考えるかということで、ちよつと考えを言つてみただけでございます。  それから今の、二十四条一項違反であるかないかという問題になりますと、私は必ずしも一項違反だとは考えないのでございまして、これは今申しました通り、給与をストップすること自体が違反かどうかというのと同じ問題になると私は思うのであります。つまり本人にその程度のものだとして発令するのでありますから、発令の仕方そのものが適当であればこれはいいのでありまして、ただちに違反だということにはならぬと思います。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 そういうごまかしをやつてはいかぬ。法律の審議をする場合においては、悪いところは悪いようにただしておかなければしようがない。今のような答弁は当てはまらぬと思う。一万円というのは、結局二十四条の一項のこれが基準になつておることに間違いがないということである。従つてこの基準によつて支払わなければならぬという規定がその次には書いてある。「前項の規定の趣旨は、できるだけすみやかに達成されなければならない。」と書いてある。その次には、「職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなければならない。」というふうに、ずつと給与を定める一つの基準が書いてある。従つてこの基準をずつと読んでみると、その基準に当てはまつた給与の辞令を出すことが私は正しいと思うのであります。しかもその辞令は正しいが、給料は支払わないというようなことでは、明らかに二十四条に抵触すると思うのだが、当局の今の答弁は、私はどうしても納得するわけには行かない。だから自治庁としては、そういう問題についておそらく取消しを命ずることの方が正しいのではないかというように考えるが、そういう条例は方々にあります。岩手県だけではない。どこでもそういうものをこしらえておる。だから事実上の昇給のストップでなければ、与えた辞令の、いわゆる給料の不払いと言つても、私はちつともさしつかえないと思う。もしこれを厳密に言うならば、不利益処分にひつかかると思う。これは条例でこしらえれば何でもいいと言いますが、このごろの政府は、そういうばかなことを考えておるのであつて、法律でこしらえれば何でもいいということで、地方公務員を国家公務員が任命して、給料は地方で払うという警察法みたいなばかばかしいものをこしらえておる。そういうものの考え方ではいけないと思う。これは岩手県だけではありませんで、御承知のように京都も、たとえば舞鶴でもこういうものをこしらえかけておるのでありますが、こういうものについて自治庁としては、もう少し明確に指示をされる御意思があるかどうかということを、私は重ねて聞いておきます。

小林与三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(与)政府委員 岩手のようなああいうやり方を考えておるのは、私たちはほかに例を聞いておりません。それで条例ならば何をつくつてもいいか、そういうことはもちろん考えておらぬのでありまして、条例はもとより法令に違反しては相ならぬことは明瞭であります。特に給与に関する条例は、地方公務員法に対して通反があつてはならないのでありまして、ただいま門司先生の列挙されましたような給与の基準に関する規定に準拠してのみ、条例が適法性を持つのでありまして、あの条例が違法であるかどうであるかという問題は、結局これらの条文に合つておるか、合つておらぬかということで、具体的に決定すべき問題だと考えるのであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 その場合に私はもう一つ聞いておきますが、不利益処分の申請が必ずできると思いますが、不利益処分の申請はできますか。

小林与三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(与)政府委員 不利益処分は条例そのもののつくり方の問題でありますから、私は不利益処分は無理ではないかと思うのであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 不利益処分は無理だと言うが、私は不利益処分ができると思う。条例で定めたからと言うが、条例は一つの条例であつて、地方公務員法にいう一つの不利益処分に確かに該当すると思う。だからおそらく不利益処分の申請ができると解釈するのが正しいのではないか。それはいわゆる二十四条の規定に当てはまつた給料が一万円であるということになつて、事実上九千円しか支給しない場合には、明らかに不利益処分に該当すると思う。これは二十四条の規定がなければいいのですが、二十四条の規定を設けて、そうして事務内容並びにその責任の限度において給料をきめると書いてあるのだから、この限度に当てはまつたものが一万円であるとすれば、九千円は明らかに不利益処分に該当するということは間違いないと思う。

小林与三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(与)政府委員 今門司先生がおつしやいましたが、条例に単に一万円やると書きつぱなしにしてあつて、それを行政処分でかつてに九千円をやつたとすれば、明らかな条例違反でありますが、岩手の場合はそうではなしに、九千円だけやるという意味の条例なのであります。そういう意味におきまして、先ほど申しました通り、条例の規定の仕方のよしあしの問題はありますが、そういう条例でありますから、それに従つて任命権者が発令をすることは条例違反にはならないのであります。それでありますから、普通の場合には不利益処分になりようがない。条例そのものの当否を争うことは不利益処分にはならない、私たちはこういうふうに考えておるのであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 どうもその点は、私は確かに不利益処分に該当せざるを得ないと思う。条例で定めたからというが、条例自身が違法だというように解釈せざるを得ないのであります。  それでまず出ております法律について聞いておき」たいと思いますことは、先ほど北山君からもいろいろ議論がありましたが、四十九条の二項の問題でありますが、これを受けております例の附則の三項であります。附則の三項の場合は、「その意に反して臨時待命を命じ、又は職員の申出に基いて、」こう書いてありますが、この臨時待命を受けた場合には、本人の意思に反した場合は、ここにもやはり不利益処分の申請をすることができるのかどうか、それを先に聞いておきたい。

小林与三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(与)政府委員 これは普通の免官を発令した場合と同じような事例でありますから、不利益処分をやれるのであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 そういたしますと、もう一つその先に、さらにその意に反して不利益処分を受けたということが一応解せられる。ところがこの臨時待命の場合には、その申請をしないで、そうしていよいよほんとうの首切りのときに、不利益処分の申請をするという場合があり得ると考えるのだが、その場合の不利益処分は有効であるかどうかということです。

小林与三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(与)政府委員 今の臨時待命と関係のない普通の……。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 これは私の質問がおかしかつたと思う。前段の場合は、十五日以内なら十五旧以内に不利益処分の申請をすることはかりにできる。ところが十五日以内という日にちは非常に短かいのでございますから、その場合にさつき北山君から質問いたしましたように、これが不利益処分であるかどうかということの十分な自己判断ができなかつた。しかし日限が切れてしまつたというような場合には、勢いこれがほんとうに首切りの発生する時期まで待たなければならないかどうかということであります。従つてそういう場合には、ほんとうに首切りになつたときに不利益処分の申請をすることができるのかどうか。

小林与三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(与)政府委員 大体お話の趣旨はわかりました。結局説明書の交付を申請することを忘れて、十五日経過した後に不利益処分の申請がやれるか、こういう趣旨だろうと思います。私は四項の趣旨から考えまして、説明書の交付を受けなかつた職員は、その期限経過後三十日以内にそれぞれできる。この規定によつて期限後三十日以内ならば、自由に不利益処分の審査の請求ができます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 そうすると、大体四十五日というものが一応ある、こういう計算になるわけでありますが、もう一つ聞いておきたいと思いますことは、四十五日がたとえばもう一つ過ぎて、いよいよ別項に書いてありますような国家公務員法を採用すると考えておりまするが、国家公務員の場合は六箇月勤務した者が幾ら、あるいは三箇月勤務した者が幾ら、あるいは三年以上の人の臨時待命の期間が幾らという、期間がずつと書いてあります。要するに行政機関職員定員法の一部を改正する法律案には、そういうことがずつと書いてある。従つてかりに三年以上勤めた人で五年未満の人は、二箇月しか待命期間がないわけである。この中には、四十五日の中にもし不利益処分をしなかつた場合に、この二箇月後に、いよいよ臨時待命の期間が切れて首になるときに、あるいは首になつてから、そういう請求をすることができるのかどうか。

小林与三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(与)政府委員 これはわざわざ法律で審査の請求期間を書いてありますので、その期間経過後審査の請求をやつた場合には、適法な審査だという扱いにはならないと思います。それは普通の訴訟、訴願その他の期間と同様な扱いに解するのが至当でないかと存じております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 もう一つ元へもどりますが、例の三十日の請求の期間でありますが、この三十日の請求の期間は法律のそのままの解釈をずつとして参りますと、待命処分の場合に、この附則をそのまま読んで見ると、この事項は適用ができないんじやないかというように実は考えられる。ここの十五日というのは、そういう請求権というものが重複したものというようにはわれわれには解しがたいのでありますが、今の部長の答弁のようにほんとうにこれは四十五日あるんだというように解釈しておいてよろしゆうございますか。

小林与三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(与)政府委員 これは私の解釈の通りと存じております。この四項をごらん願えば、「説明書の交付を受けた職員は、その日から三十旧以内に」、それから「説明書の交付を受けなかつた職員は、その期限経過後三十日以内に、」こういうことになつておりまして、その説明書の交付を受けなかつたがためにその次の日一日たつて、十六日目に一体審査の要求ができるかできないか、こういう問題になればこれは同様にやり得る、こういうふうに解釈するのが妥当だろうと考えております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 私はそれを聞いておりますのは、もしそうだとすれば、四十九条の二項に「十五日以内」というようなものを設けなくてもいいじやないですか。これを設けたという趣旨は、要するに四十九条の四項を削ることが、この特別の待命を受ける場合には、大体その目的ではないですか。四十九条の規定は一般的な場合に適用するが、この場合は適用しないというものの考え方から来ているのじやないか。

小林与三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(与)政府委員 この問題と特別待命の規定とは全然関係がないと存じております。今のは不利益処分だけの規定でございます。特別待命は別でございます。全然関係はございません。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 どうもその点が明確になつていないと将来これは問題を起すと思うのですが、これは北山君からも言つたように、十五日は非常に短かい。ところが今度はこの四項の場合の三十日というのは、ほんとうに首切りが発生した後における三十日でしよう。特別の今度の待命の場合だけを十五日にするのであつて、これはつながらないのじやないですか、不利益処分にこれが全部使えるのですか。

小林与三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(与)政府委員 これはきわめて明瞭でございまして、附則と本文は全然関係はありません。四十九条そのものの改正でありまして、一切の不利益処分についてこの問題は適用あるわけでありますから、附則ではただ今度だけこういう特別の制度をとり得るということを書いたのでございまして全然関係はございません。これはきわめてはつきりいたしております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 どうもその点がはつきりしないのでもう一度聞くのですが、四十九条の二項には、「職員は、その意に反して不利益な処分を受けたと思うときは、任命権者に対し処分の理由を記載した説明書の交付を請求することができる。」こう書いてある。そうしてそれを受けているのが四項であつて、四項には第三項の、いわゆる二項によつて請求のあつた場合は、三項においては「説明書を交付しなければならない。」という義務規定を設けておる。その義務規定々設けている項をここに三十日という一つの期限を切つておる。どこまでも私はこの場合にこの四十九条の二項に「「その処分を受けた日から十五日以内に、」を加える。」といつて、これを加えるのはあくまでもこれは法の正しい解釈からいえば今回新たなる事件、いわゆる待命制度ができたからこういうものが付加されたのであつて、決してこれを普通の不利益処分と解すべきでないというように私は解釈しておりますが、すべてこれは普通の不利益処分と解釈するのですか、普通の不利益処分の上にこんなものがくつつくのですか。

小林与三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(与)政府委員 その通りでございまして、四十九条は普通の現行法の本文をそのまま無期限、無条件に改正するわけでございます。それでありますから一切の不利益処分について今後こういう扱いになるわけでございます。附則の三項はここに書いてあります通り、二十九年度と三十年度における特別の扱いでありまして、これは三十年度過ぎればこの条文も失効いたします。しかしながら本文はもちろん残りまして、本文は全然関係はございません。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 本文が全然関係ないということになると、これはやはり別のものだと解釈すべきじやないかというふうに私は解釈せざるを得ない。この点はもう少し自治庁も考えてもらいたいと思う。さつきから北山君も心配しておりますように、どう考えても現行のこの法律に対して十五日を加えたものとは考えられない。待命処分のみをこの法律において規定するようにわれわれには考えられるのであります。従つてこれが四十五日に延びたとはわれわれは考えるわけに参らぬのであります。  それから次に聞いておきたいと思いますことは、二十二条の問題でありますが、二十二条において問題になつております臨時的任用、これは字句がこう改められておりますが、字句の改め方は別に改めるだけだと規定いたして参りましても、現在の地方公務員のあり方というものは、地方の自治体の事業内容によつて、おのおのその性格が非常に違つて来る。これは個々の自治体がおのおの別個な立場に立つて処置して行かなければならない問題でありまして、これが定員条例によつて今日非常に大きな問題を起しておることは御存じの通りであります。従つて私はここで聞いておきたいと思いますことは、いわゆる地方の自治体で予算定員というものがある。この予算定員と定員条例に基く定員というものの食い違いがある。これが往々にして問題を起す一つの原因ではないかと思う。従つて当局はこの予算定員に対して、どういうふうにお考えになつておるか、その点を一応聞かしておいてもらいたい。

小林与三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(与)政府委員 今お尋ねの事実上予算定員と定員条例による定員と食い違つておることは、これは現実にあり得るのであります。それからまた自治法の建前から申しましても、予算に上つておるものを全部定員条例に載せるべきか、載せるべからざるかということになれば、定員条例には臨時的なものとか、非常勤のものは載せぬことになつておるから、そういう意味でも実質的な食い違いがあるわけであります。そこでお尋ねの御趣旨は、おそらくは単に予算定員に載つておるものが、予算定員が削減されたというような場合に、いわゆる分限上の問題がどうなるか、こういう御趣旨ではなかつたかと思うのでありますが、その場合の問題は、もつぱら地方公務員法二十八条の一項の四号に「職制若しくは定数の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合」こういう分限の規定がございまして、予算定員も後段の場合がそれに該当するのでございまして、その規定の適用があると現行法の上においては解釈せざるを得ないと存じております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 今地方の各自治体のいわゆる予算定員と称するものと、定員条例で定められた定員との開きは非常に大きいのであります。従つてこの予算定員の中には大体臨時と思われるような諸君がたくさん入つている。ところが実際上の問題としては臨時が臨時ではなくして、大都市におきましては、おそらく二年あるいは三年、はなはだしいのは四年も五年もそのままこれが臨時のような形で使われておるものがたくさんある。幸いにして今度は健康保険が適用され、さらにそれらの諸君に対しても職員共済組合の法が一応適用されることになつておるのですが、しかし身分上の問題としては依然として解決はしておらないのであります。この際自治庁がもし公務員法を改正しようとするならば、この辺もやはり明確にすべきではなかつたか。そこで予算定員と定員条例による定員というものの開きをできるだけ少くして行くということ、これは町村に参りますと、実際は大して関係はないのであります。ところが大都市におきましては、実際上の問題として学校の建築なども予算の面から見れば、何も年々予算の中でこれが食つて行くのであつて、大した仕事じやないように見えるが、しかし実際上の問題としては、毎年その事業というものは予算の上では切つておつても継続される性質を持つておる。事業内容がそうなつておる。従つて粟業内容と定員というものが一致するような定員条例をこしらえるということが、今日のそうした臨時職員の問題を解決する一つの大きな原則だと思うのだが、その点に対して自治庁は今日までどういう指示を与えられておるのか、あるいはもし指示、通達等がされておるなら、この際示していただきたいと思います。

小林与三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(与)政府委員 ただいまお尋ねの臨時職員でありながら、事実上継続的に働いているいわゆる常勤的非常勤とでも申しますか、この問題をどう扱うかということは地方公務員法上の非常に大きな問題の一つになつております。これは地方だけではなしに国においても同じ状態があるのでありまして、単に現業職員だけでなしに、本省あたりにおいてもしばしばそういう形の職員がおりまして、これは今門司委員もおつしやいました通り、何らかすつきりした形ではつきりさせるということが望ましいのでありまして、われわれとしてもできるだけその方向に事を持つて行きたいのでございます。今度の国の公務員制度の調査会におきましても、そういう問題も大きな問題の一つとして取上げられるのでありまして、われわれとしてもできるだけほんとうに常勤の者なら常勤の者として定数をはつきりさせる。露骨な言葉でいえば、定数をもぐるために臨時という形になつておるのが、現に中央にも地方にもしばしばあるのでありますが、こういう点は定数を合理化する建前からいつても適当じやない。それとともに逆にいえば、ほんとうに常勤とちつともかわらない職員のためを考えても、必ずしもこれは適当じやないのでありまして、同じ勤務の実態に即するような身分を保障してやるということも考えなくちやいけない。しかし事実上仕事によつてはほんとうに有限的な仕事も現にあるわけでありまして、そこらの辺をなるべくふるいわけて実態に即するように合理化して行くということは、われわれとしてもできるだけ考えたいのでありまして、実はきようも全国の人事課長諸君を呼んでありますが、その問題について地方の実情に即してできるだけ方向をはつきりさせたいというつもりで、会議をやつておるわけであります。ただ実際上の問題といたしましては、予算の問題があつたり、それこそまた今の逆にいえば、定員の問題などがあつて、なかなか一挙に右左ということはできないと思いますが、逐次そういうふうにすつきりした形に人を具体的にふるいわけて持つて行きたい、こういうのがわれわれの気持でございます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 これは小林行政部長に聞くことは幾らか無理かと思います。が、こういう問題が出て来るのは、今度改められた交付税、いわゆる地方の準準財政需要額と収入額との関係が、やはりある程度災いをしていやしないかというふうに考えられる。あの中には人口その他の問題がずつと書いてありますが、この人口その他にしてもこれの基準になつておりますのは、やはり事務事業の内容であつて、これが基準を定める場合にほとんど大都市もなければ中都市もない、あるいは町村もない。多少のしんしやくはしておるようでありますが、実際問題としてはほとんど自治庁は市町村あるいは都道府県というものを一本の姿で考えてああいう交付の仕方を私はやつておると思う。これらの問題が必ず定員に関係を持たざるを得ない今日の情勢に追い込まれております。従つて定員条例においてはできるだけそれらの問題を少くして、あとは事業予算の方でこれをまかなつて行く、しかもそうなつて来れば一応の言い訳も立つ。今の部長のお話のように、事業は必ずしも永続性があるとは言えないのであつて、実際の同順は年々やらなければならない仕事であるが、しかしりくつの上から行けば、ことに土木関係あるいは衛生関係というような仕事は年々切れば切れるのであつて、また予算も年々切つてある。これが永続的に一つの事務分母として見るわけには行かないというようなりくつは一応成り立つのでありますが、しかし現実の問題としてはこれを切ることができないのが今日の現状である。従つてそこに先ほどから申し上げておりますような問題が起つて来ておる。年々歳々この臨時の問題を繰返しておるのであつて、自治庁も手を焼いておれば実際地方の公共団体も手を焼いておるのである。払うものは公然とやはり定員の中に入れて払うのが正しいのである。しかしそれを入れれば自治庁の方が金を使い過ぎるとかなんとか小言を言うから、結局定員の中にはできるだけ少くしておく。そうしてごまかすというと言い世ぎかもしれませんが、実際はごまかして人間を使つておる。そのことのために自治庁あるいは大蔵省の考えておるより以上の人件費その他で、赤字を出して行かなければならない。こういう形が今日の地方財政の苦しい一つの大きな原因である。やむを得ざる実態に追い込まれた今日の地方の状況だと思う。それを解決するために、この辺で地方公務員法の改正案を出されるにあたつては、単にこれだけのものを出していいかげんにものをごまかすということでなく、私はこういう機会に政府はもう少しはつきりした定員条例に対する考え方を法律の上に現わすべきだと思う。そうしなければ二十二条の採用とかあるいは十七条の任用とかいうようなことで、いつまで議論しておつても始まらぬと思う。だからもしここで英断を下すならば、地方の財政はある程度ふくらむかもしれないが、しかし働いております者の身分を保障しようとするなら、一年以上あるいはそれ以上の期限にわたる仕事に採用されております者は、これを一般職員と同等の取扱いをすることができるというような規定を、やはりここに入れるべきじやないかというように考えられる。しかしその場合においても、すでに年齢が満期になつて退職金をもらつて、また来ておるという人もあるのですけれども、それらの問題はそれらの問題として私は常識的に解決つくと思う。そういたしませんと、今日では若い技術者であつて、しかもその技術を持つておることのために、実際は現場の監督をやらしておる。しかし定員条例で縛られておつてその人を入れることができないという関係でいつまでも臨時で置いておく。いわゆる臨時職員の監督のもとに普通職員が仕事をしなければならないような妙な形を出しておる。これらを解決することのためには、やはりそうした条文をこの際改正条文として入れられることが妥当であると考え、またそういうことが必ず行われるものと考えておつたが、出て来た地方公務員法というものは何が何だかわからない。ただ「任用」を「採用」とかえるということで、字を少しばかりかえただけで、内容はちつともかえてない。従つてこの点についての政府の意見を一応はつきり聞いておきたいと思う。

小林与三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(与)政府委員 門司委員の今の御発言はまことにごもつともでございまして、われわれとしてもその問題は何らかの形で、ぜひ解決したいと思つておるのでございます。ただ先ほど申します通り、これは国及び地方を通ずる公務員における最大の問題の一つでありまして、しかもきわめて解決の困難な種々雑多な態様、種類がございます。ぜひ今政府の考えております公務員制度調査会の議題の一つとしてでもいい案を考えてもらつて、実現をいたしたいと思つておるのでございます。今度のものはほんとうにさしあたりの技術的な修正だけで、根本的な問題には触れない、こういう考え方で改正法案を出したのでございまして、今後至急検討して、そうした方向で立案をいたしたいと存じております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 もう一つ、これについては現在実際上の問題があるのでありますが、それはたとえば衛生関係のいわゆるごみとりの人夫というような諸君、あるいは衛生に関係した例のDDTみたいなものを、各便所とか家庭とかどぶに散布するような仕事、こういうものに従事しております諸君は、往々にして失業対策関係の諸君がここに使われておる例がたくさんあるのであります。従つて市が当然行うべき仕事であるにもかかわらず、これが失対事業として行われて来ておる。そこに失対事業を市や町村が事実上食つて来ておるという形が出ております。これを全部市で雇われる場合は、それだけの余分な人員を収容ができるはずである。ところがそういうことはなさらないで、現実の姿としてはそういう仕事にまで失対を食わなければ、事実上の事業の施行ができないような窮状に追い込まれておる。しかもそれらの仕事も、なくていいかというと、決してそうではないのであつて、やはりなければならない。だからこの失対の諸君の費用を、市あるいは町村がそういう形で食つて行く。この言葉はどうかと思いますが、事実上これを消耗しておるのでありますが、そういうことについて自治庁は何らかお考えになつたことがあるかどうか、一応この機会に聞かしていただきたい。

小林与三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(与)政府委員 今のお尋ねの通りでありまして、失対の事業は特に衛生部面だけでなく、道の掃除にしたつて、考えてみれば地方公共団体としては、当然市内の道路をいい状態に保持すべき責任があるはずだと思うのでございます。それが地方の全般的な財政の問題なり何なりで十分に手がまわらぬ。そこへこうした失対事業が一部あるものですから、失対事業としてまたふさわしい仕事を選ばなければならぬというので、今お尋ねのような形で行われておるのであります。これが理想的な姿であるかないかというと、もちろん問題があるだろうと思うのでございます。しかし結局地方公共団体の仕事全般、財政全般の問題としてこの問題も解決されなければ、即急に事がきまらぬと存じておるのであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 失対についてもう一つ当局で考えておいていただきたいと思います。これは実例がありますのではつきり申し上げておきますが、かつて横浜で失対の諸君に支払うべき給料を役所にとりに行つて、その帰りにその人はいなくなつてしまつた。その金をどうするかということが非常に問題になつた。幸いにしてこれは事件にならないで実際は片づいたのであります。この場合に身分の関係を調査してみると、金を受取つて支払う人は実際は失対の人であつて、市には何にも関係ない人である。これらのことは当然責任のある市の職員がそれに当るべきである。しかし費用がないとかあるいは定員その他の関係で人間がないということで、全然責任のない失対の人夫に当然市の費用で支払うべき仕事をやらしておる。これらの問題は明らかにさつき申し上げました実例よりもむしろ悪質な、失対に食い込んで行つておるという一つの実例であります。そういう問題等についても臨時職員を使わない、いわゆる失対ですべてまかなつておるということになつて参りますと、臨時職員の問題が、単にこれを数の上で普通の職員に採用するということでなくして、現在の実態はそこまで来ておると思う。従つて先ほど申し上げたように、予算定員の中にもなおかつそういう苦しいものがある。現実の定員条例からこれを考えて参りますと、ますます想像のつかないようなことが今日の地方の実態だと思う。これらの問題を解決するにはやはり自治庁は——今の交付税制度がありますことのために、これらの問題を非常にきゆうくつに地方の自治体では考えておるのではないかというように考えられる。従つてあなたの受持でないかもしれないが、一体交付税の算定の基準になつておりますものの中には、そういう実態に即した地方公共団体の姿というものが、現在の法律を見たままでは現われていないと思う。こういうものを財政需要とみなして交付税の交付の基準の中に織り入れるというような御意思があるかどうかということを、この機会に聞いておきたいと思います。

柴田護総理府事務官(自治庁財政部財政課長)

○柴田説明員 現在の失業対策費の算定につきまして、不合理な点があるのではないかというお尋ねでございますが、これは確かに現在の測定の方法が実態に適合していないではないかという点につきましては、私たちも今の方法が一番いいのだというふうに思つておりません。なおそれらの点につきましては、実際を検討いたしまして、測定単位の数字のとり方、あるいは測定の方法等につきまして、今後改善を加えて行きたいというふうに考えております。

加藤精三自由党

○加藤(精)委員長代理 ちよつと速記をとめてください。     〔速記中止〕

加藤精三自由党

○加藤(精)委員長代理 速記を始めてください。  それでは本日はこれをもつて散会いたします。     午後三時五十二分散会

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