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19回国会衆議院1954/04/21

地方行政委員会 第49号

発言数
21
登壇者
7
会派数
2
開催日
1954/04/21

会議録

中井一夫自由党

○中井委員長 これより会議を開きます。  昨日に引続き警察法案及び警察法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案の両案を一括議題として、質疑を続行いたします。中井徳次郎君。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井(徳)委員 総体質問で先般来犬養国務大臣に私お尋ねをいたしました。あと二、三問題を保留いたしておいたわけでありますが、本日はその問題と、昨日新しく警察担当になられました小坂さんの回答、そういうものに関連をいたしまして、公安委員会の問題についてお尋ねをいたしたい、かように思うのであります。  さきに犬養さんにお尋ねをいたしましたときに、私は公安委員会の委員になります資格について、今回この資格を緩和されたことについてはけつこうなことであるというふうに申し上げておいた記憶があるのであります。現在でもその気持でおるのでありますが、やはりそれにも制限がございます。それは今度出されました法案の第七条に、「委員は、警察又は検察の職務を行う職業的公務員の前歴のない者のうちから、」ということになつておるのでありますが、こういう制限を設けられました趣旨について大臣の御見解を伺いたい、かように思います。

小坂善太郎自由党国務大臣

○小坂国務大臣 御指摘のように第七条に「警察又は検察の職務を行う職業的公務員の前歴のない者のうちから、」ということご制限を設けておりますが、この趣旨は、私どもの考えをもつていたしますれば、公安委員会というものは、広く一般の良識を代表する人たちをもつて構成したいというのが主眼になつていまして、専門的知識を持たれる方につきましては、他にも人が多いのでございますから、特に専門の知識を持たれる人はむしろこの際御遠慮をいただいた方がよろしくはないか、こういう気持でおるわけであります。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井(徳)委員 今の御答弁でありますが、現在の日本の政治機構の中に各種の委員会がありまして、行政委員会もたくさんあるわけでありますが、そういうものはむしろ逆の専門の知識を持つている人が多数任命されておるようであります。特に公安委員につきましてそういう制限をつけておくということについては、大体の趣旨において今の大臣の回答でけつこうであろうと思うのであります。ただそういう性格からいつて、なぜ公安委員になつてはいけないか――チエツクしているという形でありますが、これは、やはり権力の座に長くすわつておると、それになれつこになつてしまう。個々の警察官につきましては非常にりつぱな方もありますし、反省をされておる方もありますし、きのう他の委員からもお話がありましたように、他の職業についておられるりつぱな人もあるし、また過去の内務官僚の中には教育行政をやつておられる、あるいは経済行政をやつておられるという意味で必ずしも不適任でない人があるにもかかわらず、この制度を設けたというのは、やはり警察の持つ特殊性である、今の大臣の御答弁も、そういう意味で私は了解するのであります。そこでそういう面から考えてみますと、現行法にはこの制限以外にたくさんの制限がある。それを見ますと私は少し疑問とするところがありますのでお尋ねをするのであります。現行法によりますと、たとえば第五条の②に「委員は、警察職員又は官公庁における職業的公務員(昭和二十年九月二日以後において公選され又は公選若しくは国会、その両院若しくはその一院又は地方議会の選挙若しくは議決によつて選任された者を除く。)の前歴のない者の中から、両議院の同意を経て、内閣総理大臣が、これを任命する。」というふうになつておる。またその④の三には「日本国憲法施行の日〔昭和二二年五月三日〕以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者」というふうにもなつております。こういう点から考えますと、このうちで「警察職員又は官公庁における聴業的公務員」というのは、あまり広過ぎる、また現行制度ができました当座は、追放解除の問題がございませんでした。そういう公安委員の選任に苦慮したという意味において、私は今回の制度はけつこうだと思うのであります。ただこの精神から行きますと、「警察又は検察の職務を行う職業的公務員の前歴」というだけでは、どうも十分でないように思うのであります。たとえば今読み上げました第五条の④の三のいわゆる暴力団体に関係のあつた者というふうな問題についてまで削つてしまつたということになりますと、これは制限を設けた精神からいいまして非常にちぐはぐな問題ではないか、かように考えるのでありますが、その辺についての大臣の意見を伺いたい。

小坂善太郎自由党国務大臣

○小坂国務大臣 今回七条におきまして特にこうした制限を書きましたことにつきましては、前段にお答え申し上げました通りでございますが、現在の警察法におきまして官吏であつた者がいかぬという規定がございますのは、警察制度、警察行政そのものの持つ特殊性からいたしまして、特に官僚化を防ぎたい、こういう趣旨であつたことは御承知の通りであります。しかし官吏であつた者と申しましても、非常にこれは範囲が広いのでございまして、特に専門的な学識を持つた方もおる。あるいは外国に使いして、海外の問題等についての非常に専門的な知識を持つた方もあるし、そういう意見が、将来行政に反映することが望ましいという面もあるのでございますので、この規定はあまりに広汎に過ぎるのではないかということで、ここに七条にございますように、しぼつて制限を置いた次第でございます。もとより第五条の三にございますような禁止規定というものは、これは当然のことでございまして、前警察法ができましたときの状態と今日におきましては、相当年月も経過しておりますし、国民一般の良識が、かかるものについての批判が十分に譲成されておるという情勢下にあると考えますので、特にこの規定を置くまでもない、こう考えた次第であります。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井(徳)委員 今のお話でありますが、私、暴力団的なもの、暴力行為をもつて政治に干渉しようというものについては、あくまでこれはやはり在置さるべきものであるというふうに考えます。  それからこれに関連をいたしまして、先ほど官公使の話がありましたが、旧職業軍人であります。これについても私は現行法は制限をしておつたと思うのであります。今回これを排除いたしました意味を伺いたいと思います。

小坂善太郎自由党国務大臣

○小坂国務大臣 第七条に、ただいまのお話のように、国会の同意を得て任命するという項目がございますので、今御指摘のようなものは特に設けませんでも、広く国民から選ばれる国会議員の良識というものが、この同意を与えるという点において、十分な防止的役割、チエツクする役割を持つている、私はかように考えております。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井(徳)委員 大臣は非常に上手に答弁をなさいますが、この問題は、ちよつと良識で同意をしないだろうとか、良識でそういう者を選任しないだろうということになりますと、極端に言えば法律は非常に簡単なものでいいのであつて、たとえばきのうも問題になりましたような新法案の十一条のごときは問題にならぬ、そういうものを書かぬでもいいじやないかというふうなことも言えると思うのであります。警察の職にあつた者あるいは検察の職にあつた者さえ遠慮をしておるという意味において、これはあくまで前の職業軍人――これは応召の軍人を言うのでありません。職業軍人、特にそのうち私は憲兵をさすのだが、どうですか。戦争前の憲兵の日本国民に対する権力行為、こういう行為が現在やつておられる警察官の行為よりも非常に生ぬるいものであつたと思うのであります。この点についてひとつ伺いたい。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 ただいま大臣がお答えになりましたように、この欠格の条項というものは現行法におきましては警察の官僚化を防止するという趣旨で掲げておるのでございますが、しかし御意見にもありますように、公安委員にできるだけ適格の人を得たい、適当なりつばな人を得たい。そこで範囲をあまり狭く制限しておりますと、適当な人を選任しがたい。できるだけ選任の範囲を広めたいという声が市町村、府県を通じましてありますことは御承知の通りであります。そこでわれわれといたしましてはむしろ今後留意して行かなければならないのは、警察が官僚化しないようにということが、一番の大事な点だと考えておるのであります。一般の官公吏、これは御指摘のように、官吏あるいは地方の公吏は非常に範囲が広いわけでありますから、これはあまりに広きに失しておる。警察を官僚化するということは非常に困るわけです。警察職員あるいは警察とほとんど親類の状態である検察、これの官僚化というものを防止をするということが民主警察の確保上非常に大事でありますから、警察を管理いたすものといたしましては、そういうおそれのない良識を持つた人たちに限つたらいいのじやないかということで、警察、検察に限つたわけであります。一般軍人につきましては、これは別に軍人の方が入られたからといつて警察官僚化というわけでもございません。選任の際に非常に適当だということで、国会なり都道府県会の同意を得られるというりつぱな人であるならば、今申しました趣旨からはさしつかえないのじやないかということで、ここからのけたわけであります。  憲兵はこれはやはりこの警察の職務を行う者の中に入りまして、これは資格から除外されます。それから現在の第五条のいわゆる暴力団体を結成したり、それに加入した者を除いたのはどういうわけかというお尋ねでありますが、これは普通良識上考えましても、こういう人たちを国会や都道府県会の同意を得て任命されるということは、これは考えられないことであります。また警察職員、これは公安委員も同様でありますが、その服務の宣誓等におきまして、他の団体の規律に優先して従わなければならないようなそういう団体に加入することは、これは禁ぜられておりますので、もしそういうことになれば、職務違反ということで、国家公安委員であるならば総理大臣が罷免する、府県であれば知事が罷免するということに相なるわけでありますから、ここに書いておく必要はないであろう、かようなことから削つたのであります。

加藤精三自由党

○加藤(精)委員 私は中井委員からの質問のございました点は、今度の警察法の警察民主化を推進する部分の問題として非常に緊切な、基礎的な問題だと考えますので、中井委員が聞かんとしておる部分の一部分を構成する部分を、御質問したいと思うのであります。今度の改正によりまして、公安委員の非適格者の規定は、ちようど軍隊におけるシヴイル・コントロールのような形になつておると思うのでございますが、この点につきまして元は官僚化を是正する、官僚化の色彩をなくするという考え方でおつたのが、今度は警察の特殊な型から、より公平な考え方をさせるという意味だろうと思うのでございまして、そういう意味からいいますと、この制度をシヴイル・コントロールにも匹敵して考えたらどうかというふうに考えているのであります。これに対しては有力なるいろいろな修正案がありまして、警察官であつても警察を離れてしばらくした者は入つてもいいのじやないか、半年くらいたつたらいいのじやないか、公職選挙法の高級官吏の立候補くらいの期間でいいのじやないかという議論もいろいろあると思うのであります。これは私たちといたしましては非常に反対なのでありますが、シヴイル・コントロールの場合、ことにアメリカ等の軍部に対するシヴイル・コントロールの場合におきまして、元陸海軍の軍人であつた者が陸軍長官等になれるものかどうか、そういうことについてもし御当局で御研究になつたことがございましたらお知らせいただきたいのであります。  同時に、公安委員会については、この前の法案では公安監理会というものがあつて、内閣に直属して、そして警察の中枢機関と並行して監察機能も働かせるように承つたのであります。そういうことがあれば、今度の警察制度に対しましてのいろいろの危惧の念というものが払拭されると思いますが、今度の警察制度におきましての監察制度に対する構想が御当局にありましたら、それもあわせて承りたいと考えております。

斎藤昇国家地方警察本部長官

○斎藤(昇)政府委員 アメリカのシヴイル・コントロール、ことに軍隊のシヴイル・コントロールの点につきましては、ただいま私の方で資料を持つておりませんので、調査をしてわかりましたらお答えいたしたいと思います。  この前の警察法安の公安監理会のことに触れられまして、警察の監査の点について御意見がございましたので、その点を申し上げます。昨年の公安監理会の構想では、公安委員会というものを警察の管理責任者とはしないで、直接国務大臣が警察の長官になる。それに対して民主的に監視し助言をする機関として公安監理令を置いたのでございます。このたびの法案では、公安委員会そのものを現在のまま警察の管理責任者ということにしてありますので、従つて昨年のようなさらに民主的な監視助言の機関は必要がないであろう、かように考えておるのでございます。と申しますのは、民主的に選ばれた公安委員会、そうして警察の専門家というよりは、むしろ民間の良識を持つておられる人で構成をされる公安委員会が警察の管理の責任者なのでありまして、これらの方々が警察長官なり、都道府県ならば警察本部長以下の職員のやる行政をみずから監督し、指揮をせられるわけでございますから、もう一つ別にそういつた意味のものを設ける必要はなかろう、かように考えております。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員 議事進行……。今ちよつと話を聞きますと、労働行政担任の労働大臣が取締り方面の警察法審議の主管大臣になつたということでありますが、これは重大な影響があるということで、法務委員会で特に労働大臣の出席を求めるそうです。そのことがあつたかどうか私はよく知りませんが、その法務委員会の審議を終つてから、さらにこの委員会を継続してもらいたい。  それから、けさ新聞を見ますと、検察庁の決定に対して、逮捕許諾を法務大臣の権限をもつて拒否したということが載つておる。政府はそういうクーデターにひとしいことをやつておる。この警察法を審議して、もし政府がこれだけの権限を持つとすれば、何をするかわからない。われわれは非常な危惧を持つておる。私は実はきのうも副総理に聞きたかつたのでありますが、時間がありませんでした。一体今の総理というのは、解散権を持つておる。また一つの軍隊にひとしい――軍隊でないといつておりますが、今度の自衛軍の統帥権を持つておる。また警察権を握る。世界にこれだけの権限を持つた総理大臣というものはどこにもないのです。特に吉田総理のものの考え方、今日までの経過を見ておると、何をしでかすかわからない。従つてこういう重大な権限を政府に与える警察法の審議は、法務委員会の審議を終えて、その結果を見て継続すべきだと思う。ほかの委員会は全部休んでおる。ここだけであります。全部中止しております。ここだけする必要はないから、ここで一時休憩して、法務委員会の決定をまつて審議を進められたい。もし応じられないならば私は退場いたします。

中井一夫自由党

○中井委員長 大矢君にお答えをいたします。大矢君仰せのごとき要求は、法務委員会より受けてはおりません。  なお労働大臣が法務大臣にかわつて警察の担当大臣となられたことにつきましては……。     〔離席する者あり〕

中井一夫自由党

○中井委員長 加藤君、自席に帰られんことを希望いたします。     〔大矢委員「今言つた一時休憩する   ことはできませんか」と呼ぶ〕

中井一夫自由党

○中井委員長 ただいま委員長は発言中でありますから、委員長の話を聞かれた上で御発言あらんことを希望いたします。――法務委員会から何らの要求を受けていないことは先ほど申した通りでありますが、なお法務大臣にかわり労働大臣が警察法案に関する担任大臣に、内閣より指名さしたることにつきましては、昨日緒方国務大臣その他よりだんだん御説明があつたところであります。そうして本日この審議を進めますることにつきましては、他の委員会の進行の状況がどうありましようとも、本委員会は本委員会独自の見解をもちまして、しこうして先ほど理事会の御決議によつてこれを進行することになりましたから、さよう御承了を願います。中井徳次郎君、質疑の進行を望みます。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井(徳)委員 委員長のお話ではありますが、一応私どもの立場としましては、そういう事態において質問を継続するというわけには参りませんので、はなはだあなた方の意に沿わぬかもしれませんが、本日はこの程度で質問を保留いたしまして、午後あるいは明日にでも譲りたい、かように思います。

中井一夫自由党

○中井委員長 中井君の御質疑の保留につきましては、あるいはこれを質疑をなさざることに、質疑権の放棄と承認いたしてよろしゆうございますか。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井(徳)委員 きようはわれわれが退場しますと定足数にも満ちません。これは保留いたします。     〔「保留々々」と呼ぶ者あり〕

中井一夫自由党

○中井委員長 大石さん、質疑をお進めになりませんか。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 保留や保留、質疑は打切りません。

中井一夫自由党

○中井委員長 暫時休憩をいたします。     午前十一時四十二分休憩      ――――◇―――――     〔休憩後は開会に至らなかつた〕

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