地方行政委員会 第36号
- 発言数
- 63 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/03/30
会議録
○中井委員長 これより会議を開きます。 本日の午前中の理事会において、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案に対する質疑、及び町村合併促進に関する問題についての質疑を行うことになりましたので、これについて順次議事を進めることといたします。 まず国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。本案につきましては、すでに提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより本案に対する質疑を行います。床次徳二君。
○床次委員 この機会に自治庁当局に伺いたいと思いますが、今、国会におきましても、選挙法の改正についてそれぞれ研究中でありますが、自治庁当局におきまして、これらの選挙法の改正に対するいろいろ御意見もあろうかと思います。特に選挙公営等に関係した事柄について、改正案として今日考えられておるもの、あるいは論議されておるものにつきましての何か御意見があつたら、この機会に伺つておきたいと思います。なお一般的な選挙法の改正につきましても、あわせてひとつお願いしたいと思います。
○鈴木(俊)政府委員 公職選挙法の改正の問題につきましては、衆議院の選挙法改正特別委員会から、自治庁において政府関係の各機関の意見をとりまとめたものを、参考のために公職選挙法の改正意見として提出してもらいたい、こういう要望がございまして、自治庁といたしましては法務当局、国警当局等の取締り当局の意向も徴しました上で、先般公職選挙法の特別委員会に選挙法の改正の意見を提出いたしております。ただ自治庁といたしましては、選挙法の根本的な改正に関します問題につきましては、さような事務的の見地から意見を公式に提出いたしますことにつきましてはいかがかと考えまして、選挙執行の職責にあります関係から、選挙執行の経験を通して、この点はこういうふうに改正をしてもらつた方がよろしい、こういう点に中心を置きまして意見を出しております。 それからいま一点は、公明選挙を推進すると申しますか、選挙の公明化を徹底いたしますことは、自治庁といたしましても、先般予算等にもその一端を具現をいたして提案しておるわけでございますし、さような見地から、これはぜひ選挙の粛正のために推進をしたいという考え方で、選挙の公明化を徹底する趣旨の改正意見も出しているのであります。要するに選挙執行の経験にかんがみて改正していただきたいという点と、選挙の公明化を徹底するために、ぜひやつていただきたいという二つの項目にわけまして、意見を提案しております。 その他の根本的な、たとえば選挙区制の問題でございますとかいう問題に関しましては、いろいろと事務的な研究は進めておりますけれども、これらの点につきましての見解を公式に提案をいたす段階でもないように考えておりまして、これは特に提案をいたしておりません。ただ今回の国会におきましては、教育委員会の選挙につきまして、半数交代の選挙の方法を現在とつておるわけでございますが、これを任期四年にいたしまして、一回の定例選挙という形でこれを実施するようにいたしたいということから、別途公職選挙法の委員会の方に、ただいま公職選挙法の一部改正法律案が提案になつておりまして、その関係の事項を御審議願つておるわけであります。 なおいま一点は、先般の選挙制度調査会の答申に基きました学生の選挙権あるいは保安官、警備官等の選挙権の関係の問題でございますが、住所の解釈につきましていろいろ論議がございましたので、この点を公定をして紛議を絶つような意味での改正法律案を別個提案をいたしております。 大体そういうような関係のものを今回の国会におきまして、御審議願うように提案いたしておる次第であります。なお具体的の内容につきまして、どういう意見であるかということにつきましてさらにお尋ねがございますならば、選挙部長から申し上げたいと思います。
○床次委員 おもな項目だけ御説明願いたい。
○金丸政府委員 ただいま国会へ出しております自治庁の意見の第一は、ただいま次長から申しあげましたように、選挙の執行の手続の合理化に関するものでございますが、昨年衆議院の公職選挙法改正委員会におきまして採用せられて審議の途中、国会解散のために成立しなかつたものが大分ございます。 あるいは御承知かと存じますけれども、項目だけ簡単に申し上げますと、名簿の調製の規定でございますとか、あるいは同一の氏名の候補者に対する得票の按分の場合に端数を切り捨てるというようなことがございますが、他の関係規定においては端数を切り捨てないことになつておりますので、これらと同様に端数まで計算することにいたしますとか、あるいは立候補の辞退も、届出の期限が現在いつまでということがございませんので、当日でも辞退をし得るのかし得ないのか疑問がございます、いろいろ扱い上困つておりますので、選挙の期日の前日まででなければ辞退ができないようにいたしますとか、それから現在立候補のできない公務員が立件補いたしました場合には、五日以内に公務員たることを辞し得るという規定がございます。これを届出と同時に退職したことにする、またあわせまして、兼職のできない人が当選をいたしました場合、当撰の告知がございまして五日以内に退職をしなければならないことになつておりますけれども、これはただちに退職をしたことにする。但し、繰上げ補充の場合につきましては、すでに衆議院に立候補して、その後教育委員の選挙に当選をしておるというような事態にも繰上げされますと、後に当選をしておる公職まで失うおそれがございますので、そういう繰上げ補充等の場合には、現在通り五日間の猶予期間を認めるようにいたしますとか、また公務員になつたために公職の候補者を辞退したとみなされますような場合に、供託金を現在没収しないことになつておりますが、他との権衝上やはり没収することにするのがよいのじやないか、そういう事項でございます。 なお同時選挙が行われます場合に、投票所の三町以内の区域におきましては、当日全然選挙運動ができないことになつておりますのを、他の選挙の関係で現在それが禁止されておりませんので、他の選挙についても選挙運動が行えないようにする、選挙の当日に他の選挙の選挙運動に名をかりて選挙運動を行うことを封ずる必要があるという意見でございます。 それから、選挙運動の関係におきまして、選挙事務所を表示いたしますために表示板を交付いたしますようにした方が、はつきりと数の制限が励行されるというので、表示板を交付するようにしてほしい、それから選挙運動に使用いたします自動車、拡声機、船舶には証明書をいつも持つていなければならないことになつております。そのほか選挙管理委員会から交付いたします表示板を表示いたすことになつております。従いまして、表示板を表示してあれば、一々証明書を携帯している必要もないし、紛失等のおそれもございますので、証明書はいらないようにいたしました方が、選挙運動の実情に合うのではないかというような趣旨の改正をいたしてほしいという意見でございます。 なお現在公営住宅等におきましては全然選挙運動ができないことになつておりますが、最近公営の住宅が非常にふえて参りまして、そこに居住いたしております人が、やはり演説等を聞きたいという希望がありますので、かような場所におきましても選挙運動ができるようにする。それから立会演説会は、厳密に申しますと、現在班別編成の方法では行い得ないのであります。従いまして、個別に立会演説会に申し込むという方法の開催の仕方もできるし、班別編成をして立会演説会を開催することもできるように規定を整備いたしたいというのでございます。それから候補者が個人演説会を開催するために使用することのできます施設に公民館を加えてほしい。現在公民館が整備されて参りましたので、これを明確に法律に掲げていただきたいという点でございます。 それから立会演説会の開催当日におきましては、その市町村におきましては、全然演説等ができないことになつておりますので、立会演説会の開催の前後二時間に限つてできないということにいたしまして、同時に連呼もできないようなふうにいたしました方がよろしいのではないかというのでございます。 それから現在候補者の氏名や党派別を投票所の中と投票所の外と両方に掲示することになつております。その掲載の順序が各別にくじできめることになつておりますのを、両方どちらかに合せるように統一をしていただきたい。それから参議院の全国区の氏名掲示につきましては、現在各市町村ごとにいたさなければならないことになつておりますけれども、これをできますならば、府県ごとに統一できるような法的な措置を講じていただきたいというのでございます。 それから選挙運動の費用の収支の規定に、条文によりまして出納責任者がどういうふうな行為をすることができるという規定がございます。特に出納責任者に事故がございます場合に職務を代行するという規定がございます。場所によりまして、出納責任者と職務代行者が規定をしてございますが、そうでない規定がございますので、出納責任者の職務代行者が条文に掲げられていない場合に、職務代行者がそのような行為ができるのかできないのかという疑問がございますのと、罰則の方に、出納責任者というだけの規定がございます関係で、出納責任者がかりに欠けておりました場合、職務代行者がいたしました違反行為について罰則の適応があるのかないのか、非常に疑問がございますので、そういう規定を明確にしていただきたいというのが一つございます。 それから出納責任者が帳簿を備えなければならない規定がございます。また収支がございました場合は、これを記載しなければならないようになつておりますけれども、その時期が明確でございませんので、時期を明確にしていただきたい。 なお選挙運動に要します費用の基準額が、物価等の値上がりもございますし、また一般の意見からいたしまして若干低いように思われますので、実情に即するように改訂をしていただきたい。これは昨年の衆議院を通過いたしました改正案では、すでにこの点は若干採用されておつたのでございます。 それから選挙運動に使用いたします自動車の費用は、法定費用の中に加算をいたさないことになつておりますけれども、同じような事情にある船につきましても、やはり法律上認められております隻数の船の費用だけは、法定費用に加算しないようにいたした方がいいのではないかというのでございます。 若干こまかい点は落して申し上げましたけれども、おもなものは以上でございます。 第二は、選挙の公明化を推進するための改正の要望として出しているのでございますが、一つは、いわゆる連坐制につきまして免責条項を削除していただきたいというのでございます。これは選挙運動の総括主宰者の場合、出納責任者の法定費用の超過の場合、あるいは報告書を提出しなかつた場合、この三者を通じてでございます。もう一つは、出納責任者が買収等の行為をいたしました場合も、総括主宰者の買収と同じように連坐するというようなふうにしていただきたいという意見でございます。なお出納責任者が報告書を提出しなかつた場合にだけ、現在連坐することになつておりますけれども、帳簿に虚偽の記入をしてあるとかいうような記載関係の違反の場合にも、やはり連坐するようにするのが適当ではなかろうかというふうな意見でございます。 なおいま一つは、選挙違反によりまして刑に処せられました場合、五年ないし十年の期間選挙権及び被選挙権を停止し得ることになつております。これは裁判所の認定によりまして、全然選挙権、被選挙権を停止し得ないこともできますけれども、やはり六箇月なり一年なり、一定の期間は必ず停止するというふうに改めていただきますと同時に、選挙権は必ずしも停止する必要がないのではないか。むしろ国民の基本的な権利でございますから、選挙権は停止しないことにいたしまして、一定期間以上は被選挙権を必ず停止しなければならないことにする。あわせまして、その期間は選挙運動に従事することができないようにいたしました方が、この規定の趣旨がもつとはつきりと生かされて、選挙界の浄化ということにも役立つのではないか、こういう意見も出しております。 なお現在選挙違反の罪の時効が二年、一年、半年というふうに三つになつておりますけれども、若干理論的な根拠もはつきりいたしませんし、また六箇月では短か過ぎるという意見も強くございますので、罪の時効はすべて一年ということに統一をいたしまして、犯人が逃亡いたしました場合には二年にする、こういうふうにしていただきたいという意見を出しております。 以上申し上げましたのが要望の条項でございます。
○北山委員 私も選挙権のことに関連いたしまして、例の学生の選挙権の問題についてお伺いしたいのですが、選挙の場合に学生等の住所をどこにするかという問題につきましては、すでにこの委員会におきましても前に問題になりまして、その際におきましては、自治庁はあらためて立法措置も必要で、ないようなことを言つておられまして、例中通達が正当であつて、それによつて民法上の住所に従うことが正しいというような御見解で終始答弁をされておつたわけであります。 〔委員長退席、灘尾委員長代理着席〕 その後昨年の十二月に選挙制度調査会の答申に基いて、政府の方におきましても、学生学徒の選挙権は現住地、いわゆる修学地にある。また本人の意思によつては郷里に置いてもよろしいというように、非常に選挙をやりやすくするという趣旨に沿つたいい法案を出されたわけでありますが、しかし聞くところによりますと、選挙法改正の特別委員会におきましては、この政府案がこの問題について難航を続けている。自由党や改進党の委員の方々は、今の政府案に対して反対の意向を持つておられる人が少くないというふうに伺つているわけであります。そこで一体政府はこの法案を出すという際に、やはり与党の意向というようなものも十分くみ入れて、そうして御決定になつたと思うのでありますが、そういうふうにあとで委員会で与党の人たちが反対をするというようなことが、普通から考えればあり得べきははないのでありますが、その間の関係がどうなつておるか。またこの法案を提案されたのにつきましては、今申し上げたようないろいろな経過を経ておるのでありますが、やはりこのような立法措置をすることが正しいと、自治庁は現在お考えになつておるかどうか。これらの点について説明をいただきたいと思います。
○鈴木(俊)政府委員 学生の選挙権の問題につきましては、ただいま御指摘のように、昨年の選挙人名簿調整の際以来、いろいろ問題があつたわけでございますが、根本には仙台高等裁判所の判決等がございまして、それと従来の行政実例との間の齟齬をいかにして調整をするか、その辺の調整ができませんと、現実に名簿調整に当つておりまする市町村の選挙管理委員会等において、非常に困難をするというようなことがございまして、自治庁といたしましては、従来出しておりました通達をないものとして、要するに事実に従つて判定をしてもらいたいということで、大体高等裁判所の判例の趣旨に沿つた扱いにいたしたわけでございますが、それにつきましていろいろ議論があつたわけでございまして、そこで政府といたしましては、内閣に設けられておりまする選挙制度調査会に諮問をいたしまして、その結果選挙制度調査会におきましては、昨年の十月以来約二箇月にわたつて審議をいたしまして、十二月の十七日に「現在における学生、保安官等の生活の実態にかんがみ、公職選挙法中に「修業のため寮、下宿等に居住する学生生徒又は営舎内若しくは船舶内に居住する保安官若しくは警備官の住所は、その居住地又はその官舎若しくは定けい港の所在地にあるものと推定する。但し、郷里を住所として申し出た場合は、この限りでない。」という趣旨の規定を設け、」云々という答申があつたわけでありまして、その答申の趣旨を政府としては尊重いたしまして、今回公職選挙法の一部改正の法律案を、別途提案いたしておるわけであります。この公職選挙法の内容は、この答申の線に沿つて提案いたしたものでございまして、政府といたしましては、この提案をいたしました原案、すなわち「引き続き三箇月以来修学のため同一市町村の区域内にある寮、下宿その他これらに類するものに居住する学生生徒については、引き続き三箇月以来その市町村の区域内に住所を有るものと推定する。」こういう原則をとつておるわけでございまして、私どもといたしましても、この原則をとるということが適当であろうという最後の結論に到達いたしたのであります。ただそういう推定に対して、当該の学生生徒が、父母その他の親族が現に居住しておる市町村に住所を有するものであるということを、選挙管理委員会に申し出たならば、それはその地に住所がある、こういうことにいたしております。この点につきまして原則を、要するに郷里の方に住所があるものとするか、それとも現に引続き居住をしておる居住地に住所があるというふうに推定するか、この両説があるわけでございまして、この点は選挙制度調査会でも両説があつたのでございますが、政府といたしましては、やはり一応居住地にあるもの、こういう建前に立つた案を提案いたしたわけであります。公職選挙法の特別委員会におきましては、この点議論がわかれておりましてまだ最後の結論に到達しておりませんが、政府といたしましては、このような案が適当である、かように考えておるのであります。この案の成立にあたりましては、政府としては連絡すべき方面にはそれぞれ連絡はいたしておりますが、しかしこれは内閣の責任をもつて提案をいたした案でございますから、内閣といたしましては、この案を通過するようにしてもらいたいということで、今日までいろいろと説明を申し上げておる次第であります。
○北山委員 大体了承いたしますが、かりに今提案されておるこの改正案が、この国会で否決されるというようなことになりますと、実際問題としてのいろいろな困難がやはり起つて来るのじやないかと思うのであります。というのは、この法律によつて修学地、居住地を住所と推定するというような規定がもしなければ、学生生徒あるいは保安官というようなものについては、一々個々のものについて訴えをされれば、郷里に住所があるか、あるいは修学地の方に住所があるかということは、これは個々の人の事情によることでありますから、裁判をされると一件々々違うのじやないか。厳密に言えばそういう一戸になるのであります。従つて、実際にそういう裁判も行われておるようなわけであります。そこで単にこの法律がなければ当然郷里にあるのだというようなことは、必ずしもそうは言えないのであつて、結局学生というようなものの選挙権がどこにあるかということは、はなはだもつて不明確になると私は考えるのであります。従つて、このような推定規定の法律がなければ、選挙の執行上非常に困る事態になるのじやないかと思うのでありますが、自治庁してはどういうふうにお考えでありますか。
○鈴木(俊)政府委員 住所がどこにあるかということをきめますのは、やはり選挙管理委員会が名簿を調製いたします際に、個々にわたつて調べなければならぬわけでございますが、御指摘のように、選挙管理委員会として非常に多数の有権者について、一々現地について具体的に調査をするということは、なかなか困難であります。そういうことでありますから、もし一般のものさしといいますか、ある一定の基準に上つて推定できますならば、なるべくそういう基準に従つて調製する。ただその基準と違うというものについては、特別に申出をしてもらうことによつて調節をして行くということが、選挙名簿調製の能率の上から申して便宜であると思うのであります。今回提案をいたしました案も、本来は選挙管理委員会が住所を認定する責任があるのであります。その際に法律をもつて一応の推定の解釈規定を置いて、その趣旨に従つて推定をしたならば、それだけ一応そこにあるものと推定されますから、そうでない場合には反証は有権者の方から、これをあげなければならぬことになるわけでございます。そういう意味から申しますと、名簿調製の上では当局者としては非常に助かるわけであります。従つてまた実際問題といたしましても、いずれに住所があるかということを認定いたすことは困難なわけでございまして、実際の事務処理上から申しますならば、このような推定規定が設けられることが望ましいというふうに考えておるわけであります。
○北山委員 ただいまの御説明のように、この規定は選挙の執行を技術的に見ても非常に便宜にするものである。同時にまた選挙権を有する学生生徒等につきましても、選挙が非常にやりよくなる。ある場合には本人の意思によつて郷里にも置かれるということでありますから、非常に選挙全体がやりよくなつて、その住所等の事情によつてそれが妨げられることのないように、非常に進歩的というか、適正な措置であろうと思うのです。従つてこれに反対をするようなことは、私どもとしてはどうしても納得が行かないわけです。この選挙というものを純粋に考えないでこの問題を判断する場合に、何らかの別の都合というものを口実にして、そしてこの法案の審議をむしろ妨害をするというようなものでない限りは、この正しい原案に対して反対をするというようなことは考えられないのでありますが、そういうような反対論については一体自治庁としてはどういうふうにお考えであるか、それを承りたいのであります。
○鈴木(俊)政府委員 反対論につきましては、先ほど申しあげましたように、選挙制度調査会の審議の際におきましても、これは父母その他の親族が現に居住しておる市町村の区域内に住所があるのだ、こういうふうに見ることがむしろ至当である。それは従来の住所に関する行政判例、行政実例等の解釈あるいは先般の仙台の高等裁判所の判決というような趣旨から申せば、そういうような意見もももちろん成り立つわけでございます。また同時に学生あるいは保安官、警備官の実際の住所がいずれにあるかということを部抽出的に調査いたしましたものによりますと、現実の姿としてはそう大きな違いがないようでありますが、しかしいずれかと申せば、やはり現居住地に住所があるという方が多いのではないかと私ども考えております。そういう事実の問題と理論上の問題と、両方から、ある方はこれはいわゆる郷里にあるのだと言い、ある方はこれは現住所にあるのだ、こういう二説にわかれるわけであります。昔から住所につきましてはなかなか議論が多いわけでございまして、反対論は反対論としての立場が十分あろうと私ども考えておるのでありますが、ただ政府といたしましては、先ほど来申し上げましたように、諸般の事情を考慮いたしました結果、提案をいたしました原案が適当であるというふうに考えていることにはかわりがないのであります。
○北山委員 その問題を離れまして、今度出ました国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案に関連してお尋ねいたします。今度物価の値上り等を勘案して、多少経費の基準を改められたわけでございますが、一体地方の市町村なりあるいは府県というようなものが、国会議員等の選挙の仕事をやつた場合の実際の経費と、今度きめました基準によつて国が負担する経費とは、大体において一致するのが当然でございますが、それらの関係はどうなつておるか。今度の業準によつてやりますとどういうふうな計算になり、そして今まで地方団体等において負担をした実際の国の選挙の関係の経費と、国から交付された経費とはどういうふうな違いがあるか、あるいは合致しているかというようなことを、実際の数字についてひとつ御説明を願いたいと思います。
○鈴木(俊)政府委員 公職選挙法に基いて行います選挙のうち、国会議員の選挙とかその他国費をもつて負担いたすべき選挙の経費につきましては、この基準法の基準によつて従来やつて来ておるわけでございますが、昨年ベース・アツプがありまして、このベース・アツプに伴うり所要の調整を行い、あるいは紙の値段が下つて参りましたのでそういう面は下げるとともに、半面木炭等の値上りをいたしましたものについては、その点を見込むというようなことをいたし、また従来非常に実情に即しないと言われておつた立会人の単価も引上げるということもありましたし、また北海道等のいわゆる燃料費を見るべき期間が三月三十一日までになつているのを、四月一ぱいまで一箇月延ばすというようなことを、今回はしておるわけでございますし、なおそのほかに立会演説会の会場で使いますマイクロフオンの費用などにつきましても、これを見ておるというようなことで、今回の改正をもし御容認いただきますならば、これによつて行います選挙は、まず実際の選挙費用を十分に満たし得るというふうに私どもは考えておるのでありますが、なお数字の点につきましては選挙部長から御説明申し上げます。
○金丸政府委員 具体的の数字というお尋ねでございますけれども、どういう費目について申し上げてよろしいかちよつとわかりかねますので、法案で説明させていただきたいと存じます。 この改正案で参りますと、総額は衆議院の費用に約十六億要することになります。そのうち自治庁の選挙部で直接運輸省なり郵政省に支払いますような経費を差引きまして、府県、市町村に交付いたしますものが約十二億程度になる見込みでございます。従来総体といたしましては、国会議員の選挙の執行に要します経費は府県、市町村とも余分には支出をいたしておらぬと思います。ただ御承知のように一番要望がごさいましたのは、立会人の経費であります。これは従来の倍以上に今回は引上げたのでございますが、そのほか御承知のように大都市に特別な考慮をいたしまして、この法律案でも、府県と大都市と区と一般の市と町村とにわけまして、いろいろな経費がやはり都市ほどかかりますので、交付をいたすようにいたしておるのでございますが、一番要望がございますのは超過勤務手当でございます。これは実は国の予算といたしましては、平衡交付金に見てございます公務員の平均の給与ベースで支給いたしております。ただ大都市は実際のベースが高かつたりいたしまして、超過勤務手当の現実の支給の単価が予算よりも上まわつておつたりいたしますが、その点は事務に従事いたします人員等を十分に考慮いたしておりますので、そういう範囲内でなるべくまかなつてもらうように、今回は一月の公務員のベース・アツプに伴いまして、そういうような超過勤務手当につきましても、また労務者の費用につきましても、できるだけ大都市においても実情に即応いたすように配慮したつもりでございまして、選挙の執行につきまして、府県や市町村はできるだけ持ち出すようなことがないようになつておると考えております。
○大石委員 今途中から入つたので詳しいことはわかりませんけれども、大都市には超過勤務手当が多くて、農村に勤務しておる者には超過勤務手当が少い、こういうことをおつしやいましたが、さようでございますか。
○金丸政府委員 全体に配付いたしますものは、平衡交付金で給与を算定いたします場合に基準のものがございます。それによつて配付をいたしますけれども、大都市は現実には一般の市町村よりも高くなつておる関係で一人当りの費用が多くかかります。そういう点で私どもの方にいろいろと陳情があるのでございますが、予算といたしましてはそういう区別をつけかねるのでございます。ただ大都市の方にはできるだけゆとりのある従事の人員を見るようにいたしておりますから、予定された金額の範囲内で、事務の職員の事務処理の仕方を能率的に考えてもらうことによりまして、できるだけ予算の範囲内でまかなつてもらうように措置をしておるつもりでございます。町村の方では、これは予算措置でございますから、たとえば都市の職員の給与が月一万で町村が八千円ということになりますと、現実にその人のもらいます超過勤務手当の額というものは当然に薄くなつて参る。予算措置としては、必要な金額は支給できるように措置してございます。
○大石委員 そうすると都会に住んでおる人は超過勤務手当は非常によろしい、それから農村方面におります人は超過勤務の手当が少い、こう解釈してよろしゆうございますか。私途中から入りましたものですから、その辺がちよつとわからぬのです。かえつて都会の方がすべて非常に整備されておつてたとえば都会の住民は電車は十円で行けるけれども、いなかは三十円というふうに、今はいなかほど物が高いのです。その現実はどのように御解釈くださいますでしようか。それを私は聞きたいのです。
○金丸政府委員 実質的な支給につきましては、都市と農村で不公平にならないようにしてあるわけでございます。ただ予算上は平均の給与ベースによりまして、事務に従事する人の人数を考慮して配付いたしてございます。これは予算上の措置でございまして、現実に私が都市で一万円もらつております場合と、農村で八千円の俸給をもらつております場合には、同じ時間だけ、たとえば三時間だけ超過勤務をしたといたしましたら、これは当然都市で一万円もらつておる人の方が、額としてはよけいな超過勤務手当をもらうことになつて参りますけれども、これは現実の給与が一万円と八千円というふうに違つておるからでございます。従いまして別に農村と都市で差等を設けたことにはならないと思います。
○大石委員 私はすべてが都市中心になつておるように思うのです。というのは、今あなたがおつしやいますように都会で一万円もらつておる人といなかで八千円もらつておる人がある場合、いなかで八千円もらつておる者の方が都会の生活者よりも苦しいのです。それはいなかの方が物が非常に高いからです。その点を今後考慮していただきたいと私は思うのです。いなかは道が悪いから、歩いたつてくつが減るのです。都会は道がいいからくつが減らない。皆さん方はすべて都会に重点を置いてお考えになりますが、こういう点も御考慮をくださいまして、どうぞ何事につけ農村方面にも重点を置いていただきたいということを、ここで重ねてあなたにお願いいたします。
○金丸政府委員 都市だけでなく農村等にも十分意は用いておるつもりでございますけれども、今後はできるだけ実情に即した基準額をきめますように注意いたして参ります。
○門司委員 ここでちよつと聞きたいと思います。この法律自身に疑問があるのは、「憲法第九十五条の規定による投票」と書いてあるところです。これはどういうわけでこれだけ含まなければまずいですか。これは要するに選挙と見なくて、一つの投票であつて——選挙といえば選挙といえるが、選挙でないことは間違いないですね。住民の意思決定であることは間違いない。そうすると憲法九十五条の意思決定もありますし、そのほかの住民の意思決定にはリコールがある。これも住民の意思決定であると思う。一体この憲法の九十五条だけ入れてあつて、住民の意思決定としてのリコールその他が含まれていないのはどういうわけですか。その点ひとつはつきりしておいていただきたいと思います。
○鈴木(俊)政府委員 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律と申しますものは、国の経費をもつて執行いたすべき選挙等の執行経費の基準の法律でありまして、選挙等という中には、たとえば最高裁判所の裁判官の国民審査でありますとか、あるいは将来憲法改正の国民投票法案ができますならば、そういうものもやはりこの中に含まれることになろうかと思うのであります。ただいま御指摘の憲法第九十五条の、一の地方公共団体に適用される法律について住民の賛否を問う投票でありますが、これはやはり町村長や町村会議員のリコールの投票と違いまして自治体の選挙ではなく、国の費用をもつて行うべき投票であります。要するに国が法律を制定いたしますときに、特定の地方団体に適用される法律は、その住民の投票できめなければならぬと書いてあるものですから、それでやるわけでありまして、それは団体自体の意思決定ではなくて、国会が議決をされて最終的に法律を制定になります際の必要な付随行為でありますから、そういう意味でこれはやはり国が負担しなければならない経費であります。そういうことで今まで都市建設法等の投票が行われる際におきましては、かような基準で投票を執行いたしたわけでありますし、それに要する経費は国から出したわけでありますが、自治体のリコール等の経費は本来自治体の所管財源をもつてまかなう、こういうことになるのであります。
○門司委員 大体の趣旨はわかりますが、そうするとこれは「等」という文字を使つておるからそれでいいのだ、決定的にはこういう解釈になると思うのであります。そういたしますとこれはきわめてあいまいなものであつて、選挙でないことは私は事実だと思うのです。単なる住民の意思決定であることには間違いないと思う。裁判官の問題も意思決定であるといえば意思決定であるが、これはもし規定の数に達しなければ認められないのであるから、やはり選挙といえると思う。必ずしも意思決定だけではない。あるいは選挙の方が強いかもしれません。そういうことでこれの費用をこの選挙法の中に一緒に入れられておるということについては、私は今の「等」だけではまだ何か割切れないものが出て来るのであります。この意思決定のの場合には国が行うとは言つておりますが、しかし事実上の問題としてはやはり市なり、あるいは当該公共団体の経費がこれには相当かかる。要するに投票を行う行為をさせるものが当該公共団体であることは間違いないのであるから、そうなつて来るとそのための費用がこの中に含まれなければならないのではないかということが、私には一応考えられるのであります。これもやはり国会議員等の選挙と同じであつて、選挙を行う国会議員が、自分の費用と目されるものは違うものであつて、それと何もかわりはないということは、答弁では言えると思うが、その関係は個人の意思あるいはその他で自分の行う選挙の費用の負担と、公共団体が憲法のこの条項に基いて行う行為は、必ずしも同一の趣旨でないのではないかというような考え方が私にはできるのです。そうするとこれを拡大解釈して行けば、単に一つの地方の公共団体が行う投票の行為だけでなくして、選挙費用の一切というものもやはり国がめんどうを見ることが勢い必要ではないか。具体的に言うならば、一つの公共団体がポスターを張つたりあるいは演説会等を催したりするような費用も、やはり国が見るべきじやないかというような考えの公共団体の選挙の場合の個人の行為と同じようなことに見ておられますか。
○鈴木(俊)政府委員 この法律が制定されましたことは、御案内のごとく、従来自治庁と大蔵省との間で、衆議院議員あるいは、参議院議員の選挙の予算を定めます際に、非常に各種の紛雑がございまして、地方の選挙管理委員会で、この程度の経費ではとうていやつて行けないというようなことが数回繰返されました結果、やはり一定の費用の基準をきめておいて、それだけのものは大蔵省は必ず予備費なりあるいは補正予算において出す、あるいは一般予算において出す、こういう基準をきめておこうというところから出て来たわけでございまして、従つて、これは国費をもつて支弁をいたすべき選挙または投票あるいは国民審査というようなものに対して、すべて適用せられなければ、この法律の制定になりました趣旨が全うせられないわけでございます。またこの法律自体はそういうところに意義があると思うのであります。これに反して、地方団体自体が執行いたしまする、たとえば知事選挙、県議会議員、市町村議会議員の選挙あるいはリコールといつたようなものは、当該地方の選挙でございますから、国が負担金というような形において出す筋のものではないわけであります。従つて、それに必要な財源は、これは一般の財政計画の中で一般の財政需要として見られるべきものでありまして、従つて通常選挙が地方についてあります場合には、これは当然それだけのものが普通交付金の算定の基礎になつておりますし、また特別にある地方団体でリコールの投票の費用が必要であるとかあるいは知事がなくなつたために特別にそこで選挙があるといつたような場合におきましては、その特別需要に対しては特別平衡交付金で見るということを従来して来ておつたわけであります。従つて、個々の地方において行いまする選挙等にはこれは適用にはならない。しかし、実際地方がそれぞれの地方予算で計上いたします場合には、こういうものがその基準になつて計上せられておるということでございまして、実際の地方の選挙なり投票の執行の経費の基準にも事実上はなつておるというふうに考えております。
○門司委員 私の質問が悪かつたと思いますが、私が、先ほど、一般の議員の選挙と、この憲法九十五条から来る投票の趣旨が違うと申し上げましたのは、憲法九十五条の投票というものは、いわゆる次の法律をこしらえる一つの予備行為だというように一応解釈ができると思うからで、従つて、国がめんどうを見るべきものだという筋合いになると思う。そうなつて参りますと、地方の公共団体が行うすべての選挙費用というものは、当然国が見るべきではないかと考えられるのであります。従つて地方の公共団体があるいはポスターを張つたり、あるいは自動車で何か呼びかけをするというような費用までも、これは国が負担をすべきではないかというように私には解釈される。その点が、さつき申し上げましたような個人の選挙運動と異つた運動であつて、いわゆる憲法の九十五条で言う特殊の法律を施行することの、制定されるまでの、法律をこしらえる一つの前段における予備行為であつて、明らかにこれは国が総額を負担すべきものではないか、憲法の解釈からいえばそうではないかと私は考える。従つてさつきから質問をしておるのでありまして、もしそうだとすればこの法律だけでは不十分で、あつてもう少し、経費の全額を国が持つというようにならなければ、執行が困難ではないかと私は思う。ただ通り一ぺんの、オーバー・タイムをどうするとか、あるいは会場の費用をどうするとかいうことだけでは済まされないのではないかというようなふうに考えておるのであります。どうせこれは条文を見ますると、きわめてわずかしかありません。これだけしか書いてないのであつて、あとは条項によつてこれを適用するというようになつておりますけれども、この条項はいずれも職員の給与その他の規定が書いてあるだけであつて、そういう面がちつとも含まれていませんので、質問を申しあげておるのでありますが、そういう解釈でいいのか悪いのかということを御答弁願つておきたいと思います。
○鈴木(俊)政府委員 今の、憲法九十五条の、一の地方公共団体に適用される法律の投票の経費は、この基準法によつてすべて算定せられます。ただいま御指摘のような、周知徹底をいたしまするような、そういう趣旨のものにつきましてもそれぞれ基準があるわけでございまして、従つて、御指摘のような経費もこれによつていずれも包含せられておるということでございます。
○門司委員 いずれも包含されると言つておりますが、どうも私にはその点がよくわからないのであります。たとえば、ポスターを張るとかなんとかいうような問題が出て来る。個人演説会のポスターは大体一人当り幾らくらいの費用だということが九条に書いてあります。ところが、ああいうものはやはり憲法九十五条の規定によつて投票する経費の額の中に当然なければならないと思いますが、そういうものがこの中にないから私は聞いているのであつて、そういう点をもう少し明確にしておいていただきたいと思います。
○金丸政府委員 御指摘の場合はこの法律の第十六条に規定してございまして、たとえば、憲法九十五条の投票が広島市で行われるといたしますと、ただいまの法案の掲示というようなことが選挙の際に行われることになつて参ります。その費用を基準にいたしまして、第十六条の規定によつて選挙費として算出した経費の額の二分の一に相当する額になり、そういうふうに、この法律の趣旨に従つて計算した額を交付するわけでございます。そうして、憲法九十五条の投票につきまして住民に周知をはかるに必要な、いわば選挙公営とでも申しましようか、そういうような費用は、十六条の規定によつて算出される額の中に当然入つておるのでございます。
○門司委員 大体十六条にそう書いてありますが、問題になるのは、たとえば十六条をそのまま読んでみますと、十三条の規定を適用すると書いて、ある。十三条の規定は、いわゆる諸経費の中で、啓蒙宣伝等に使う費用が大体十三条に書いてあるのであります。従つてそれの費用の二分の一までは使つてもいいというような解釈にすれば、今の御答弁のようなことになると私は思うのであります。今のような私の解釈から行けば十三条がそうだ、いわゆる啓蒙宣伝の費用というものの算定の基礎は十三条に書いてあるから、それの半分は使えるのだというように解釈すればそれで済むのでありますが、ただ問題は、十三条に規定しておりまするもののすべてが、一切の都市にあてはまるかどうかということについては、私どもには多少の疑問があるのであります。同時に、これが半額でいいか、どうかということについても疑問があるのであります。この啓蒙宣伝に使われる費用がこの基準で一体いいのか、あるいは、特別の場合にこれより以上の費用がいりはしないかというような疑問がやはりその次に出て来るのであります。こういう問題については、投票であることには別に間違いがないのでありますが、選挙ではない、住民の意思決定であるということになつているし、同時に、次の法律をこしらえる一つの予備行為であることにも間違いない。だから私は、いわゆるこういう前文を適用するというようなことでなくしてこの十六条にはもう少し丁寧にそういうものを書くべきではなかつたかというようなことを、最初から懸念しておつたのであります。それで今までの質問をしたのでありますから、もし自治庁がこれで懸念がないのだ、これでやれるのだというならば、それで私はいいと思う。しかし実際は国から行われた——お調べになればわかると思いますが、広島あるいは長崎もそうでありましようし、京都もそうだと思いまするが、観光都市の問題等で住民投票を行うとか、あるいは軍港都市の転換等がこれに入るのではないかと思うのだが、それらの問題を一応調査してもらえば、市費がどれくらい持出されておるかということが私はわかると思うのです。そういうものについては、やはり国が全額を出すという一つのものの考え方が、この場合は必要ではないか。個々の演説会、個々の選挙を行います場合は、これも一応国の選挙であるからと言えば、言えないわけではありませんが、いろいろな問題も付随するでありましよう。しかしこの憲法九十五条の規定は、何度も申しますように、明らかに国が法律をこしらえる一つの予備行為であることに間違いないのであつて、そのことのために地方の公共団体に負担をかけるというようなことは、私はできるだけ避けた方がいいと思うのです。そこで次に聞いておきますことは、この法律で定めたより以上のものについては、国はめんどうを見ないということがはつきり言えるかどうかということです。
○金丸政府委員 御質問の趣旨がよくわかりました。規定といたしましては、仰せの通り、あるいは別に詳しく書くべきであつたかと思いますが、この法律をつくりますには、従来の選挙の執行の際に実際に要しました金額、また十六条の規定の根拠といたしましては、御指摘のように、広島市とか長崎とか、そういう九十五条の特別法の投票を行つたような都市において現実に要した経費、そういうものを基礎にしてこれをつくつたのでございます。ただ手続が選挙に非常に似ておりますので、このような形をとつたのでございます。二分の一の額が適当かどうかということにつきましては、御意見もあろうかと思いますけれども、なるほど広島市とか横須賀市等で余分の金を使つておるかもわかりません。これはその市が希望してあのような立法をしてもらいました関係上、相当に熱心にいわゆる宣伝がされたのは事実でございます。そういう意味におきましては、あるいは市費の持出しがあつたかもしれませんけれども、この法律では各市それぞれの要望に沿うような宣伝をいくらやつてもよろしいというのでは、とても基準がつくれません。だから国といたしましては、選挙の執行が間違いなくやれる、啓蒙宣伝に必要にしてかつ十分だという程度の金額を、基準法として掲げておりますように、特別法の投票に要しました経費も、やはり周知宣伝に必要かつ十分であるという経費を支給するという建前でなければならないというような考えで、従来の経費の実際の額を基準にして、二分の一ということになつたわけでございます。規定の経費としては御意見のような点もあろうかと思いますが、そのような事情でこのような規定をいたしておるわけでございまして、私どもといたしましては、従来の経験上この額でまかない得るというふうに考えておる次第でございます。
○灘尾委員長代理 他に本案に対する質疑もないようでありますので、これにつきましては、本日はこの程度といたしたいと存じます。 —————————————
○灘尾委員長代理 次に、町村合併促進に関する問題につきまして調査を進めたいと存じます。質疑の通告がありますので、順次これを許します。北山愛郎君。
○北山委員 町村合併促進法の問題につきましては、当委員会としても、合併の小委員会をつくりまして、現在進行中の町村合併という問題について調査をいたしたいのでありますが、いろいろな地方税法その他の重要な案件がございますので、ついそれが思うように行かないでおる状態でございます。そこで、せんだつて実は自治庁の方から非公式に、今回町村合併促進法の改正案を出さなければならないいろいろな問題がある、ぜひその点については四月一日から実施をするような運びにいたしたいというようなお話がございましたので、実はこの委員会で機会を得て、それらの諸点について自治庁の方から御説明いただきたい、かように申し上げておいたわけであります。つい機会がなくて今日まで延びたような事情になつております。その後聞くところによりますれば、これは参議院の方で議員立法の形でやりたいというので、参話院の方に交渉をなさつておられたようであります。 従つて私のお伺いしたいのは、それらの経過、さらに自治庁が現在の町村合併促進法のうち、どういう点についてさしあたり改正をしなければならぬとお考えになつておるか。それらの点について自治庁の方から御説明いただきたいと思います。 〔灘尾委員長代理退席、加藤(精)委員長代理着席〕
○小林(与)政府委員 ただいまお尋ねの点について簡単に御説明申し上げます。実は町村合併促進法につきましてはその後の運用の状況を考えまして、多少問題が生じたような点もあります。従来当委員会また参議院の委員会でもいろいろ問題として提出された点がありましたので、一応そういう問題点を拾つておつたのでございます。それでできましたならば、そういう点について必要な改正をお願いしたらいいのではないかと考えておつたのでございます。特に今度の合併は四月一日あるいは三月三十一日を現在として行われる件数が非常に多い。これは御参考に、最終の統計がまとまつたので、先ほどお配りしておきましたのが、三月三十一日並びに四月一日施行の合併件数が多いのでございます。そこでできましたら、その合併によつて起る支障も取除けるものならば、その場合にこの合併についても適用したらいいじやないかというような問題もありましたので、四月一日までに改正できぬものだろうか、こういう希望を持つておつたのでございます。 参議院の方におきましても、従来この促進法を扱つていただきました関係上、この問題を取上げたいというので、今各党の方で寄り寄り御協議中でございますが、御案内の通り、いろいろな方面でお忙しい模様でございまして、ちよつときようあすというふうにも参りかねる、少し余裕ができたら取上げようというので、御協議中の段階でございます。当委員会におかれても小委員会を設けておられますので、御意向の点もおありでありますれば、それもまとめてひとつ参議院の方でも考えていただいたらどうか、こういう気持で私どもの方としても内々御相談申し上げておつたのでございます。今あげましたのは、大体一応の問題点としてあげたのでございまして、今申しました通り、参議院の方でもまだ正式に御決定になつておりませんので、こういうことが問題になつておるということで御承知おき願いたいと存じます。 その一は、教育委員会の選挙の問題であります。御案内の通り、現在の促進法におきましては、議会の議員につきましては合併を促進するために暫時任期を延長する特例が設けてあるのでございますが、教育委員会についてはそういう特例がありませんので、町村長は別問題でありますが、合併後ただちに選挙をやらなければならない、こういう事態に立ち至つておるのでございます。 それで実は一方では教育委員会の選挙の執行も全般的に延期しようというふうなことで、政府の方から案も出ておる際でもありまするので、かたがた教育委員会の選挙が教会委員の存立そのものに支障のないような形で問題が考えられるならば、その委員の身分の継続等について問題を考えることができるのではないか、こういうので教育委員会の身分を引続いて継続する措置を考える。それがために従来合併町村の教育委員のうちから、合併町村の数だけの人を互選して、そうして引続いて新町村の教育行政を担当する、こういう問題が考えられぬだろうか、これが一点でございます。 それからその次はそれと似たような問題で、農業委員会の問題でございまして、農業委員会は合併によつて必ずしも統合されるとは限らぬのでありまして、それぞれの地区農業委員会として存置される場合が、実は相当多いのであります。その場合に現行の農業委員会法の解釈上多少疑義もありまして、地区農業委員会として農業委員会が残る場合は、農業委員会の身分がそのまま継続するということをはつきりさせるとともに、かりに統合が行われたような場合におきましては、今の教育委員会と同じふうに従来の農業委員会のうちから委員の互選によつて残るということを考えたらどうだろうか。農業委員会も御承知の通り現在の任期が、ここで二回延期されて従来参つておりますので、そういう延期されておる趣旨にもかんがみまして、その期間だけはやはり合併の場合も引続き延ばし得るということを考えた方がいいのじやないだろうか、これが第二点でございます。 それから第三点といたしまして都道府県の選挙区が、町村の合併についていろいろ重大な影響をこうむることがありますので、それでこの前の促進法の改正で、郡市の境界にわたる町村合併が起つた場合には、選挙区を従前通り置くことにしたい、あるいは選挙区を合せて一選挙区をつくるというような特例の道を開いていただいたのでありますが、それはいわゆる促進法の適用のある合併についてだけ適用がありまして、促進法の適用のない、たとえば大都市、大都市と申しましても十万以上の市に町村が入る場合、あるいはちよつと規定が十分読めなくて、現に合併して一応町村になつたものがその後市になる場合、そういうふうな場合にはこの選挙区の特例が、ちよつと現行法では読みがたい点がありますので、県会議員の選挙区というものは、やはり全県が統一的にこれは問題を考えるべき性質でありますので、少くともこの選挙区の特例だけは今回の合併に伴いまして同様な特例措置を全合併について適用する、あるいは町村が市になる場合に適用するという必要があるのじやないかと考える。これは現実にその必要を痛感しておる事例もありますので、これはぜひ考えていただきたい問題点だと存じておるのであります。それからいま一つは、町村の一部が合併に際しましてその町村全体の意向とは別に一部落が他の町村に入りたい、こういう場合の措置が、実は促進法にもあるのでありますが、その促進法の規定によりますと、一部落がこの町村会の議決と反対の立場で、住民投票の結果、他の町村に行こうとする場合は、合併が行われる事前にいわゆる県の勧告というものと一致した場合に行われる、こういうことになつておるのであります。そこで実際の合併の実情を見ますと、合併前に円満に部落がわかれておるという事例も、実は少くないのでありまして、きわめて円滑に事が運んでおるというところもありますが、他の一部分におきましては、あるいはその方が大分だと思いますが、まずまず一応はまとまるだけまとまつてそのあとから調整するというような事例もきわめて少くないのであります。ところが一応まとまつてしまうというと、その後部落の人たちが隣へ行こうといたしましても、現行法では法的な保障がないために、まとまつてしまうと、もうこれは知らぬぞというような形で、新しい議会ががえんじないという事例が、しばしばあるのでありますので、それがいろいろ問題を起しておる。これはよろしくないと考えられますので、合併後においても部落の一部の人たちが、その区域を調整するために部落住民の意思によりまして隣の町村に行き得る、こういう道を開いておく方が、万事円滑に進むのじやないだろうか。こういう考え方でその規定を入れたいと思うのであります。しかしながらその場合に単に一部落の人たちが、いつでも反対だと言えば隣に行けるという形にしては、かえつて全体の秩序が保たれぬ場合がありますので、これは全体の立場からやはり合理的だと思われるような場合に限つた方がよいと思うので、それは特に町村合併促進審議会の審議を経て、知事の方で合併の際の話合いその他条件の点から考えても妥当だというような場合に、一部の住民の意思によつて、町村会の議決が反対であつても隣の町村へ移り得る、この道を実は確保したいと思うのであります。この規定を現実に必要とする事例は、私の聞いておる方でも全国的に相当あるのでありまして、とりあえず合併してその後地域的に再調整をやる、その道を確保して行く、その方が合併も円滑に行けば、どの問題の処理も円滑に行く、こういう考え方でおるのでございます。 それからいま一つは、都道府県の境界にわたつて、市町村の一部が住民投票によつて隣の県へ行き得るという道も、現行法で開かれておるのでありますが、これはやや規定が不備でありまして、これもある一県につきまして合併計画があつた場合に、隣の全然関係のない県の一部の人がそれに乗り移つて自分たちがその県へ行きたいというふうな道を開かないと、ちよつと規定が不備な点がありますので、その場合に自由に境界にわたる区域の一部の変更が、可能なような道を設ける規定を整備したい、こういうことが一つでございます。 それから第六の問題は、実は町村合併によつて先ほど申しました通り議会の議員の任期の延長の規定が設けられておるのでありますが、ところがその合併によつて新しく市ができたところへもう一度ほかの町村が編入されるという場合があるのでございまして、そういう場合には現行法では、この任期延長の特例が働かないのでございます。そうすると、あたかも市ができたときに数町村の議員が全部任期延長をされておるのに、その後いろいろな都合であとから入つて来るだけ、自分の議員を一人も送れぬということはいかにも不均衡でありまして、こういう事例も現に問題になつておるところがありますので、そういう場合も均衡上議員の身分継続の特例をあわせて開いておいたらどうだろうか、これが第六点でございます。 それから第七点は、これは全体新しい問題でありまして、もうすでに新聞にも載つておつた事件で御承知かもしれませんが、組合町村をつくつている町村が合併をやる場合に、たいていの場合は組合町村がそのまま一体になるのが通常の形でありますが、やはり組合町村が一部はAの村へ行き、他のものはBの村へ行く、あるいはそのまま残るという場合がしばしばあるのであります。その場合にその一部事務組合の始末をどうするかというので、従来いろいろ紛争の種になつておる事例がありまして、現にわかれわかれになつたものですから、組合も当然これで消滅だ、それで児童はその組合学校に行けるとか行けぬとかというふうな紛議があります。これは非常に遺憾なのでありまして、いわば親たちのけんかに子供を犠牲にしておるようなかつこうでありまして、こういうことは事前に良識をもつて解決さるべきものだと、従来われわれは考えておつたのでありますが、現実にそういう問題が起りつつありますのでやはり何とか法的に道を解決しておいた方がよくないか、これは関係地元の方でも強い要望を持つておる問題でもあり、国会においてもそういう点を何か考えた方がいいのではないかということは、われわれも聞いたこともある問題なのでございます。そこでそもそも組合というものは新しい町村が廃置分合されてでも、従前の町村の地位をそのまま新町村が引継げるのがあたりまえでありますから、もし合併の際に事前に協議してうまい方法があれば格別、協議が整わなかつたならば、同じ地位をそのまま新町村が引継ぐ、これを法律的に明らかにした方が、問題の妥当な解決策じやないだろうか、こういうのが第七点でございます。これは全然新しい問題でありますが、この問題だけは現実の問題として起つておりますので、ぜひ解決をしてやりたい、こういうふうに考えております。 それから第八点といたしまして、これはいろいろ従来から議論がある問題でありますが、現在促進法の適用があるいわゆる市への編入は、人口十万までの市でありまして、これを十五万に上げた方がいいじやないかというような御意見が一部に非常に強い、また外部にもそういう意見も相当あるのであります。しかしながら促進法はもともと町村の区域を再編成する問題であるから、大都市への編入はそう奨励までする必要がないじやないか、それはほつておいても事実行けるじやないか、むしろそこに行き過ぎがあるのじやないかという他の面の批判もある問題でありますが、これも人口十万以上の市への合併が、全国相当な範囲で行われつつありますので、この際この問題の何らかの解決をはかつていただけたらどうか、これもとるかとらないか、ぜひこの機会に一ぺんそれぞれ御判断を願つて、御決定を願つたら仕合せだというふうに存じまして問題を取上げておるのであります。 第九点は、これはちよつと話がこまかいのでございますが、実は国有鉄道の職員は、御案内でございましようが、国有鉄道法によりますと、町村会の議員の身分と兼ねられることにはなつておりますが、市会議員の身分とは兼ねることができないようになつておるのであります。そこでその制度自体について根本にいろいろ問題がありましようが、そういう問題には全然かかわりなく、現に町が市になつた場合において、議員の身分の継続が一般的に認められておる。しかるにたまたまその人間が国有鉄道の職員であつた場合には、その者だけが身分が断絶する。これだけはいかにも不均衡じやないか。そこで身分が継続している間だけ、せめて同じように机を並べた者は、そのまま市会議員としての身分を継続できるようにしてやつたらどうだろうか。こういう御意見を持つておられる方も参議院側におありになりまして、それではその問題もあわせてお考え願つたらどうだろうか、われわれとしてもその程度の暫定的な措置ならば、十分促進法の問題として考え得べき問題ではないか。現にこういう職員で今度市になるという事例の場所もありまして、その地方でも気にしておりましたので、実はこういう問題を、四月一日から施行になるならば、できるだけ四月一日までに、はつきりしてやりたい、こういう気があつたのでございます。大体問題点はそういう程度の問題でありまして、かりに法律の制定がこういう事情で遅れましても、あるいは遡及適用してさしつかえないようなものは遡及さしてもらつて、そしてかりに改正に御賛同を得るならば、その改正の趣旨を今度大幅に、この四月一日から行われるものについても、さかのぼり得るような道もあわせて考えていただいたらどうだろうかと思つておるのであります。 大体こういう問題を骨子にいたしまして、参議院の方で法制局で法文を練つておりまして、大体もう案も固まつておるはずだと思いますが、全体としての問題につきまして、今各部の方で御意見をまとめておられる段階でございます。 以上が概要でございます。
○北山委員 自治庁がお考えになつている改正案の骨子を、今お伺いしたわけでありますが、この内容について、この際いろいろ審議をするということじやなくて将来の問題となることであろうと思いますが、お伺いしておきたいと思いますのは、参議院の方の議員提案にされるという御方針のようであります。しかし今お話の内容をちよつと承りましても、はたしてこの内容のある点につきましては、参議院の地方行政委員の各派が共同して、この前と同じように提案するというのには、この話をまとめるのに困難ではないかと思うような事項もあるわけでございます。従つて、いつまでも自治庁としては議員提案の形でこれを折衝して行くということにいたすつもりであるか。あるいはまた思い切つて、——思い切らなくてもこれは当然のことでありますが、内閣の責任において提案されるということにした方がいいか。それらのお考えが一体いつきまるものであるか。私どもとしては現在そのように各地でいろいろ問題になつていることに関連した改正案であれば、やはり政府といたしましてもなるべく早い機会にこれを提案することにしなければならぬと思うわけであります。従つてそれらの関係のはつきりした御見解を承つておきたい。まず一点その点をお伺いいたします。
○鈴木(俊)政府委員 この促進法のただいま行政部長の説明いたしました意見でありますが、これは自治庁が実務に当つておりますところから、各方面、各地方団体からの意見がございましたものをとりまとめて、こういうようなことをしてもらいたいということで、意見として出したわけでございます。そもそも町村合併促進法自体が国会で直接御制定になつた法律でございますし、またその発案が当初参議院の地方行政委員会でなされました経緯にかんがみまして、自治庁といたしましては、やはりこれの修正につきましては、同様な方式を踏んでいただくのが一番穏当ではないかというような考え方から、かようなことを参議院の委員会の方にも連絡をいたしているわけであります。 〔加藤(精)委員長代理退席、西村 (力)委員長代理着席〕 従つて原案かでき、その後の先般の国会の修正案の出たときと同じような手続を踏みまして、処理をしていただくことが望ましいと考えているのであります。御意見の調整ができませんようなところは、なるべくひとつそれぞれ折合いをしていただいて、すみやかに参議院の地方行政委員会の提案として固まることを希望いたすのでございます。しかしその際には、同時に当衆議院の地方行政委員会の御意向も十分立案の上に反映いたすようなことにしていただくことを、私どもといたしましては希望をいたしている次第でございます。
○北山委員 自治庁の今のお考えは、この促進法というものが初め議員立法であつたというような関係からして、なるべくだつたらばそのようにいたしたいという気持はわかるのでありますが、一面から考えますと、やはりこの責任を国会の方に持ち込んで来るというふうに悪く考えられないものでもないわけであります。先ほど御説明があつたような傾向でございますならば、これはやはり政府提案として一向さしつかえない問題ではないか、かように考えるのでありまして、いつまでも国会の方の意見の調整というものを待つているということではなくて、ある程度でまあ見切りをつけてといいますか、ひとつ政府としても責任を持つて出すべき案は出すということに決意をしていただきたい。この点を要望しておきます。 それからなお町村合併についてはいろいろな問題がございますが先ほどお話があつた改正の事項にもありましたように、自治庁としてはなるべく選挙というものを避けようというふうな、非常に便宜的な考え方があるのじやないかと思うのであります。教育委員会あるいは農業委員会というようなものの選挙もなるべく避けて行きたい、そうして暫定措置をとつて行きたいというような気持があるのでありまして、これは私どもとしてはやはり賛同ができない点であります。関連しまして、実は例の合併促進法においても合併町村の議員の任期延長の特例をやつておるわけであります。今度八十ばかりの市ができまして、その市会議員は前の町村会議員がそのまま市会議員として一年任期が延長されるという場合が、きわめて多いのではないかと思うのでありますが、これは方々の結果を見ますと、私どもがあの法案審議の際におそれておりましたように、各関係町村の議会の協議といいますか、関係町村の協議でこの任期特例をやるかやらないかをきめるという規定になつておりますが、大半の場合はやはり現在の議員というものが一年間は市会議員になつておりたいという気持の結果だろうと思うのですが、どうも百人とかあるいは百何十人というような市会議員の市会が各地でできておるようであります。こういう状態を長いこと続けて行くということはあまり適当じやない、前の町村会の議員が新しい市会に百何十人というような市会を開くといたしますならば、これは学校の講堂でも借りて、マイクでもすえ付けて市会をやらなければならぬというようなかつこうにもなるでありましようし、また地元の住民から見ましてもこつけいな、ナンセンスな感じがするのではないかと思うのです。こういうようになつたのはやはり今度の合併についての住民の意思というものを十分に浸透し、かつ反映をされて来るということになれば、あるいはそのような措置が避けられたのではないかと思いますが、何しろ政府の方の意図も非常に急いでやるというような方向へ持つて行かれたために、そういうような住民の意思によつて調整をするということができなかつたのではないか、その結果今のようなことが行われておるのではないかと思うのです。そこでお伺いしたいと思いますのは、現在の規定では関係町村の協議によつて任期特例を適用することができるとなつておりますが、一旦任期を延長するということにきめて、そうして新しい市会なら市会が成立をする、そうしてその途中において議会の議決によつて選挙しようじやないか、一年を待たないで途中で選挙をしようというようなことができるかどうか、私も規定をよく調べてみませんが、できれば途中で選挙し直すというような機会をなるべく与えてやつた方がいいんじやないかと思いますので、そのようなことが現在の法律の解釈上できるかどうか、その点を伺つておきたいと思います。
○小林(与)政府委員 ただいまのお話、これは非常にごもつともでございまして、実はこれはちよつと話がそれますけれども、私の方でもどの程度のものが、そういうふうに任期を延ばしておるかどうかという資料をまとめておりますから、結果がわかればただちに御報告申し上げたいと思います。それで大体見ておりますと、多くのものは延ばしておりますが、最近は住民の批判も逐次強くなつておるし、一般の輿論の批判も強いので、市によりましてはもちろん全然延ばしていない市も相当に出て来つつあるのであります。それでありますから私は大勢といたしましては次第にそういう市が減つて行くのじやないだろうか、こういうふうに考えております。そこで今の一度きめたものをまた議会の議決でもどせるかどうかという問題でありますが、われわれは実は一年間のことだからということで、そこまでの規定をはつきり書いてないのであります。しかし新しくできた議会で協議をまたかえ得るというふうなことは、条例はかわらぬわけでありますから、ものごとの筋からいつて、そうあるべきものだと思われます。ただ現行法でそれがすぐに読めるか読めないかということになると、私もちよつと研究させていただきたいと思いますが、当然そういうふうにし得る道を開かなければ、これは筋が通らぬ問題じやないかと考えております。現行法はそこまでの手続を書いてありませんので、多少は疑問があると思いますが、場合によつて立法的な解決が必要ならば、そういう問題も考えていい問題の一つじやないかと存じております。
○北山委員 その点はなお御研究を願つた上でひとつ御答弁が願いたいと思います。 なおこれは町村合併とはちよつと離れるのでありますが、教育委員会のことが出ましたのでお伺いしますが、実は先般地方自治法の改正案を出すか出さないかという問題につきまして、この委員会で質疑が行われたわけであります。その際に地方教育委員会の例の助役兼任の教育長の任期は、昭和二十九年の三月三十一日までとなつております。その後自治法の改正も御提案にならぬようであります。従つて四月一日以降は助役兼任の教育長は資格がないものとなる、教育長としては仕事ができない、教育長をやめなければならぬというように解釈をされるのですが、そのように解釈してさしつかにないわけですね。
○鈴木(俊)政府委員 ただいまの点については先般も御質疑があつたわけでございますが、法律上の問題としては御指摘のように三月三十一日までの間兼任を許されておるわけでございますから、四月一日以降は兼任という形ではこれは不可能であると思います。ただ、昨年も同じような問題があつたわけでございますが、ややこれは異例の措置ではございましようが、所によりましては不可能になつたからといつて、ただちに教育長は得られない、しかし教育長の助言に基いて教育委員会も仕事をするわけでございますから、教育長がおらぬと実際問題としては動かないというようなことで、教育長の事務取扱いといいますか、そういうようなごく異例な措置をやつて実際の処理をしておつたという例はあつたようでございます。しかし法律論としては仰せの通りだと考えます。
○北山委員 お話のようだと異例の措置として教育長事務取扱いで助役兼任というか、助役が教育長の仕事をするということ、そういうやり方を認めておられるようでありますが、一体そういうことがいいことかどうかですね。助役が教育長の仕事を兼任してはならぬということは、これは教育委員会法の精神といいますか、市町村長がやつてはならぬと同じ趣旨であつて、教育と政治というものを分離するというような考え方から来ているのだろうと思うのです。従つてたとい事務取扱いにいたしましても、助役が教員委員会の教育長の仕事を実際に行うということ自体がよくないのじやないか、私はそう思うのですが、その点はいかがなものですか。
○鈴木(俊)政府委員 御指摘の点は、本質的な問題としては教育委員会制度のあり方から考えて、助役が教育長を兼任するという恒久的な体制をつくることは、これはもちろん不適当だと思いますが、暫定の便法といたしましては、そのようなことをやることも、あながち一概に絶対いかぬということにはならないかと思うのであります。昨年そういう趣旨をもちまして、助役が暫定的に教育長を兼ねる、こういう法律案を出したわけでございまして、その考え方は御指摘のような面もありますけれども、市町村教育委員会の基礎が確立するまでの間、さような実際上の便法を講じて行くということは、反面教育委員会と市町村長との間が、従来とかく円滑を欠くというような面もありますので、そういう面から言うと、全然いい点がないということでもないのではないか。また実際教育長の資格を持つておる者が、それぞれの市町村にすべて得られるということが困難でもあつたわけでございまして、そういうような点から、このような便法を認めるということは、一概にいかぬという結論にはならない、こう考えておつたわけでありまして、かような考え方を今日も持つておるわけであります。
○北山委員 今の御答弁ですと、教育委員会設置の趣旨というものを没却した便宜的な考え方に立つておる。事務を便宜だれがやつてもいいというような考え方だけで進むということになれば、教育の仕事を市町村長がやつて一向さしつかえないのである。少くとも地方教育委員会を設置するという建前を国の方針として貫いておる以上は、その精神を守つて行かなければならぬ、やはり自治庁であろうが、どこであろうが、その精神は尊重して行かなければならぬのじやないかと思うのです。ですから、今回の場合も私どもは便法ですか、異例ですかわかりませんが、事務取扱いというような方法でなく、事前に自治法の改正なり、関係法令の改正をやれば、この異例の措置をとらなくて済んだわけである。従つてこの前自治法の改正問題が出ましたときに、この点は十分御指摘を申し上げておる。それをわかつておつて、今お話のような異例の措置を、前例があると称しておやりになるということは、私どもとしては納得ができないのです。この問題について一体どういうふうにおやりになるのであるか。こうこうこういうわけでまだ法律ができないから、地方の市町村に対して、事務取扱いで行けと自治庁は御指示をなさるのか、どういうふうに処理されるのでありますか。また助役兼任の教育長がやつた仕事は無効になると思うのですが、もし実際の仕事をやつた場合、それは当然無効として考えていいかどうか、それらの点について自治庁の今後の措置についてお伺いしたいと思います。
○鈴木(俊)政府委員 自治庁といたしましては、すみやかに関係法案の用意をいたしまして提案をいたし、御審議を願いたいと考えておりますが、それまでの間の問題といたしましては、先ほども申し上げましたように、昨年も同じような事態があつたわけでございまして、教育長が得られない間は、事務取扱いというような形で処理して行くよりほかないのではないか。またそういうようなことになつて参りますれば、その結果、教育委員会が処理いたした行為が無効になりはせぬかという御指摘でございますが、そういう形で行われましたものは、必ずしも無効ということにはならないというふうに私は考えておるのであります。
○北山委員 昨年の例をおとりになるのですが、私も昨年のことはこまかい事情はわかりませんが、おそらく衆議院の解散の結果一つの空間ができたのじやないか、そういうふうなことが原困じやないかと思うのです。従つてそれはあるいはやむを得ない事態だつたかもしれませんが、しかし今年はそれとは全然違うのです。国会が現に開かれておつて、こうして活動しておるわけでありますから、その間において昨年の例をたてにとつて、今年も同じような措費をそのまま認めて行くということは、それ自体からも私は適当じやない、昨年の例に、ほんとうのやむを得ない例じやないか、かように考えるのですが、昨年の例はどういうふうな原因によつて起つたのですか。
○鈴木(俊)政府委員 私今はなはだ記憶が正確でございませんで恐縮でございますが、たしか選挙の関係がございまして、選挙後の特別国会に地方自治法の改正法律案を提案いたしまして、その附則で今の兼任の措置を講ずるようなことにいたしておつたと思うのでありますが、御指摘のように、解散という事情の有無は、確かに具体的な事情としては違うのでありますけれども、しかし法律論といたしましては、昨年の場合と今年の場合とにおいては違うことはないのじやないかと思つております。
○北山委員 どうもこの問題について私は納得が行かない。しかも今度の町村合併促進法の改正の要点を見ましても、教育委員会の選挙も暫定的な措置、農業委員会の方も、現在の地区農業委員会の互選によつて暫定的な措置をするというような、このような委員会の根本精神を部分的に崩壊させて行つてしまうような措置を次から次へと便宜的にとつている。これは例の合併促進法の議員の任期延長も大きな例でございますが、そういうような措置を次から次にとつて行くということにつきましては、私どもは賛成することができないわけであります。従つてこういうような点について、平常の自治庁の指導としてあまりに便宜主義に堕しているのじやないか、かように考えているわけでありますが、これに関連をいたしまして、実は先だつてもこの席でもつて質疑が行われまして、自治庁の方では、調べてあらためて答弁をなさるというお答えがございましたが、実は先般岩手県の県の一般職員あるいは教職員に対しましての昇給ストツプの条例の問題でございます。これなども、教育委員会法なり、あるいは教育公務員特例法なり、あるいは地方公務員法なり、そういうようないろいろな法規を見てみますと、明らかに違法のように考えられるのであります。ところが、その違法のような条例を設置することについて県の説明は——これは新聞によりますけれども、違法になることはまつたくない、自治庁にも当つて十分念を押しているというような答えを県の総務部長がやつているわけです。そこでこの前自治庁の方では、よくその間の関係を調べてお答えをするということでございましたが、一体岩手県がこのような昇給ストツプ条例をつくる際に、事前に自治庁の法規的な解釈なり、あるいは了解を得て来たかどうか、自治庁はそれに対してどういうふうな答えをしているかというような点について、お答えを願いたいのであります。
○鈴木(俊)政府委員 ただいまの岩手県の例でございますが、これにつきまして岩手県の当局の方から草案を持参しまして、それについての意見を求められた事実があるのでございます。これにつきましては、自治庁といたしましては、先般の鶴舞の問題等もございまして、慎重に検討したのでございますが、結局問題は地方公務員法の関係と財政上の関係等から、いかようにこの問題を扱うかということになるわけでございますが、地方公務員法の問題はあとから申し上げるといたしまして、まず財政上の問題といたしましては、本年度の地方財政計画においては、昨年のベース・アツプを平年度化いたしますための所要の財政需要を新たなるものとして計上しておるわけでございまするし、また昇給の財源としては二・五%のものを昇給財源としてベース・アツプに関連して見込んでおるわけでございます。そういう点からいいますると、財政計画の趣旨に合つたような運営を給与政策の上においてとつておりまする県においては、そのような措置が可能であるはずであるわけでございます。それ以外の、要するに財政計画上とつております措置と異なつた措置をやつておる。あるいはまた具体的に申せば財政計画の算定の基礎になつておる給与よりも高い給与を現にとつておる。あるいは職員の構成がさような平均的な構成よりも、非常に年齢の高いものが多いとか、家族の構成数が非常に多いとかいつたような平均的な構成要素の点で異なつておるというような場合においては、やはり財政計画上のそういうようなものと比較すると、所要の給与財源としてはきゆうくつになつて参るわけであります。しかし自治庁といたしましては、一般的な建前で考えておるわけでありますから、かような財政措置をいたしておりまする以上は、そういう財政措置の趣旨に基いた給与政策が、当該地方公共団体においてとられることが望ましいし、またそういうことができるという考え方に立つておるわけでございます。ただしこれは平衡交付金として交付されますものは、御承知のようにひもつき財源ではございませんから、その県なり市町村の考え方によつて、給与財源のあるものをほかの方にまわすということもできないことではないわけでございます。そういう点から、財政上だけの理由から申しますならば、適当不適当という問題はございますが、特に法律上の違法、不法という問題は出て来ないわけであります。 これに反して第二段の地方公務員法の関係のものにおいては、地方公務員の職員の給与というものが、法律上どういうふうにやるべきかということが定められておるわけでございますから、給与を定めております地方公務員法の関係の規定に違反することは、地方団体はできないわけでございます。そういう点から申して、地方公務員法の中で今の昇給の関係を調整するというようなことは、どういう規定と関連を持つかということを考えて行かなければならぬわけでございますが、その一つは、十四条の情勢適応の原則、「この法律に基いて定められた給与、勤務時間その他の勤務条件が社会一般の情勢に適応するように、随時、適当な措置を講じなければならない。」ということになつておりますし、また二十四条におきましては「職員の給与は、その職務と責任に応ずるものでなければならない。」「前項の規定の趣旨は、できるだけすみやかに達成されなければならない。」第三項に「職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定めなければならない。」こういうふうにあり、第六項には「職員の給与、勤務時間その他の勤務条件は、条例で定める。」こうなつておるわけであります。そこで給与を定める場合には、社会一般の情勢に適応するという第十四条の原則に違反してはならぬことになるわけであります。この社会一般の情勢という解釈は、これは非常に抽象的な表現ですからむずかしいと思いますが、岩手県でありますならば、東北六県の地方公務員の給与あるいは国家公務員の給与というような問題、あるいは岩手県と同様類似の規模の必ずしも東北地方に限らず、その他の団体の給与、こういつたようなものも考えて行かなければならないのではないか。半価物価とか、そういつたものかどういう状況であるかということも考えて行かなければならないと思うのですが、そういう点からいつて昇給を調整するということが、一般の情勢に適応しなくなるということはないといえるかどうかということが、一つの問題であろうと思うのであります。 いま一つは第二十四条の原則から行きまして、ことに第三項でありますが、給与は生活費なり、国やその他の地方団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮しなければならないとなつておりますから、ただ財政上の理由だけで給与を下げるということは、やはり第三項の趣旨からいうと問題があるわけです。要するにここに書いてありますようなものを総合的に判断をして、はたして具体的な給与がきめられたかどうかということが問題になつて来るわけであります。そして、これらのことを最後的にきめるのは、要するに条例できめる。これは第六項にありますが、法律がそういうふうな趣旨で規定をしておりましても、それを具体的に県または市町村が条例できめるということが、やはり一つの大原則だろうと思うのであります。 そういう考え方からいたしまして、岩手県の場合においては、はたして教育公務員について、あるいは地方公務員について昇給の期間を調整するという措置をとろうとしたわけでありますが、それは具体的にさような事情を判別しない限りは、いちがいに違法とか不法とかいうことはいえないのではないかということを、私どもの方としては申したわけであります。要するに給与は自主的に決定するというのが大原則でありますがゆえに、岩手県においてはその辺の事情を十分慎重に考慮して給与を決定してもらいたい、こういうことを私どもの方としては申したのであります。具体的の条例案につきましては、若干技術上の助言はいたしたわけでございますが、はたしてそのような条例案が第十四条なり第二十四条に違反するかしないかということは、よほど慎重に検討しないと、ただ短い時間で持つて来た資料だけで判定することは困難であるという考え方を私どもは持つておるわけであります。
○北山委員 ただいま鈴木次長は財政的な点、それから地方公務員関係の給与の原則というような点だけをお話になつたのでありますが、そのような条例が違法であるかどうであるかというようなことについては、何らかの助言をなさつたわけでありますか
○鈴木(俊)政府委員 ただいま申しましたように第十四条とか、第二十四条とか地方公務員法の規定との関連では、総合的にこれを判断しなければならない問題でありますから、立案者の意図ももちろん承知しなければなりませんが、同時にその意図に基いて、具体的にいかなる資料が基礎になつて、そのようなことになつたかということがやはり詳しくわかりませんと、情勢適応の原則なり給与決定の原則に違反しているかどうかは明らかにできないということで、私どもといたしましてはこの点についての違法行為というものを、あの場合ただちに申すことは困難であるということを申したわけであります。
○北山委員 その点地方公務員法の条項にある諸原則に、はたして抵触するやいなやということはわからないのであるから、違法であるかもわからぬし、また適法であるかもわからぬというふうな結論であり、技術的な助言ができないという方がほんとうなのであつて、その範囲についても条例をきめればさしつかえないという助言はできないと思いますが、いかがでございますか。
○鈴木(俊)政府委員 ただいまの御質問の趣旨はちよつと……。
○北山委員 今の鈴木さんのお答えの通りかと、岩手県の場合具体的な事情がわからないのであるから、先ほどお話があつたような地方公務員法の諸原則が、はたしていかような事態になつておるか、自治庁としてはわからぬのであるから、一体その結果としてそのような条例が地方公務員法のそれぞれの原則にあてはまつておるか、あるいは反しておるかということは助言ができない。先ほどの鈴木次長のお答えでありますと、私どもはそう了解するのであります。従つてそのような条例を出してもいいという助言は、その範囲内においてもできないのじやないかと思います。従つて自治庁としては、ただいまの鈴木さんのお話のようであれば、地方公務員法の関係につきましても、それがいいか悪いかということは助言することができない、こう了解していいのですか。
○鈴木(俊)政府委員 ただいまそのような条例案を提案すべきかいなかについては、自治庁としては何も助言をいたしておりません。提案をせよというようなことはもちろん言うていないのであります。
○北山委員 そういたしますと、先ほど申し上げた県の総務部長の話——違法になることはまつたくない、自治庁にも当つて十分念を押し研究もし、昇給昇格等はすべて条例できめているので、新しい条例を設定すればこれに基くから、違法でも何でもない、というのはこれはうそでございますか。今のお話とはちよつと違うようです。この総務部長の話は、これは新聞の記事でございますから、信憑性は検討してみなければわからぬのですが、そのようなことを自治庁に念を押し、そして研究した結果、違法でも何でもない、条例できめればいいんだ、こういうふうに総務部長が話をしたのは間違いでございますか。
○鈴木(俊)政府委員 新聞の報道は私も今初めて伺いましたので、よくわかりませんが、私どもの方で申し上げました趣旨は、先ほど来申し上げている通りでございまして、給与の決定というものは条例で定める。要するに給与は自主的に決定をするのだ、ただそれを決定する場合には、情勢適応の原則なり給与決定の原則に違反をしてはならないというのが地方公務員法の趣旨でございますから、従つて自治庁といたしましてこの点について具体的に当該の条例案を提案せよとか、するなとか、あるいは条例案をこういうふうに直せなどと申したことは、従来とも例がないのでございます。今回の場合におきましても、あの関係の条例案を違法でないということをその場で言い、またそれをさらに提案をしてよろしいのだ、こういう意味のことをもうしたのではないのであります。ただ自治庁といたしましては、あの案について今持つて来た資料だけでは、それが違法であるか違法でないかということについての結論を出すことは困難である、こういうふうに申し上げておるのであります。
○北山委員 自治庁は教育委員会法の六十三条の三と教育公務員特例法との関係について意見を求められたりしなかつたか。問題は教職員については、御承知の通りこのような給与関係の条例を出す場合には、原案を教育委員会の方から出すというのが常例になつておるわけです。それが普通なわけであります。そのように教育委員会法の六十三条の三には、はつきりと書いておるわけであります。ところが今回は教育委員会から原案を出さないで、県当局が一方的にこれを出してしまつた。それも二日くらいで出してすぐ翌日これを議会で決定した。しかも県当局が条例案を出す場合には、県議会の方から相当強い圧力があつたというような事態になつておるわけでありますが、その問題については、県当局の方から意見を求められたり、あるいは向うの事情を県の方から聞いて、それに対して何らか助言をなさつたということがありますか。
○鈴木(俊)政府委員 教育委員会法第六十三条の三の関係、いわゆる教育委員会の原案送付権の問題に関連をして、今回の教育公務員の昇給を調整する条例案は、まさに教育委員会が原案をつくるべきものであるからして、その送付をまつて県側としては処理をするということが当然ではないか、その点について何か助言をしたか、こういうお尋ねのようであります。御指摘のように、教育公務員の給与に関する条例を定めるにあたりましては、教育委員会法六十三条の三の規定によりまして、原案の送付を待つて行うというのが常例であります。従つてこれが原則であると私どもも考えております。ただ、常例という言葉を使つておつて、「提出するものとする。」というふうに例外を許さない規定の仕方ではない。常例であるから、異例の措置としては知事が給与に関する条例を出すということも、法律上は不可能ではないわけであります。従つてこの点については、別に今回の問題に関して自治庁が特に所見を明らかにしたというのではなくて、従来からこの六十三条の三の解釈といたしましては、常例とあるのであるから、異例ではあるが知事が教育公務員の給与に関する条例その他教育委員会の所管に属する条例を、議会に提案するということは法律上不可能ではない、ただしかしこれは異例の措置であるから、なるべくそういうことはないことが望ましい、こういう解釈をとり、またそういう指導をしております。
○北山委員 私は非常に残念ですが、今時間がないようでありますから簡単に切り上げて、またあとの機会にやりたいと思うのです。実は県の教育長の方から内閣法制局の見解を聞いたところが、このように「常例とする。」と定めたのは、非常事態などのため手続が不可能であつた場合は、異例としてやれるのであつて、そういう場合をさすのだ。従つて今回のような場合に知事がかつてにやるということは、教育委員会法六十三条の三の違反となる、こういうふうな見解を示しておるわけであります。従つてこれらについてはさらに自治庁の御見解を承りたいと思うのでありますが、法律上不可能でないという御指導をなさることが適当であるかどうか。先ほどもお話があつたようでありますが、自治庁としては地方公務員法の第五十九条に、「自治庁は、地方公共団体の人事行政がこの法律によつて確立される地方公務員制度の原則に沿つて運営されるように協力し、及び技術的助言をすることができる。」と書いてあるわけなのであります。だから地方公共団体の人事行政につきましては、地方公務員制度の精神、原則を破らないように、地方団体が人事行政をやるような指導をしなければならぬ。ただ法律的にそういう場合知事がそういうことをやるのは、不可能でないというような単なる法律解釈をもつて臨むということは不適当だと私は思う。こういう際にもやはり常例に従つて県が人事行政を行うような指導をしなければならぬ、そういうことがやはり今申し上げた地方公務員法の五十九条の趣旨じやないかと思うのであります。もちろん法律は違いますけれども、そこにやはり一般的な自治庁の任務があるのじやないかと思う。単に法律解釈上、常例と書いてある以上は、全然その道を封じておるのではないのだから、やればやれる場合もあるのだというふうな、いはば三百代言的な指導をなさるということは、私は適当じやないと思うのですが、これらについてひとつ鈴木さんの見解を承りたい。
○鈴木(俊)政府委員 もちろん御指摘のように、自治庁といたしましては地方公務員法の定めておりまする原則に従つて、地方団体の人事行政が行われるように、技術的に助言をし協力をするということは、本来の自治庁の使命でございます。従つて先ほど来私が申し上げておりますことは、そういう原則を無視して、ただ教育委員会から送付して来ないのに、給与に関する教育公務員の条例をどんどん提案してよろしいという意味で申し上げておるのではないのであります。それはもちろん教育委員会法の定める「常例とする。」ということは、教育委員会法の趣旨から申しまして、教育委員会法が原則として定めておるわけでございますから、教育委員会の所管に属するものは、その送付を待つてやるというのが、教育委員会法の立法の大原則であろうと思うのであります。その教育委員会法の大原則と、地方公務員法の第五十九条の大原則というものとは、これはもちろん相反してはならぬものであろうと思うのでありまして、今の常例とするという大原則は、多くその送付を待つて行うことが第五十九条の原則にも合致することになると思いますけれども、しかし府県の理事者なりあるいは市町村の理事者が、教育公務員なりその他の一般職員に属する地方公務員、あるいは警察に属する地方公務員というようなものとの間の給与の全体の権衡を保つて、案の処理をするという一つの考え方を持つておりました場合に、教育委員会から送付して参りました原案とそれとが非常に違うという場合においては、これはやはりどうしても二者いずれかをとらなければならぬ、調整のできるものは調整するにいたしましても、調整しがたいものがあり得るわけであります。そういう場合において、どうしても教育委員会から送付して参つた条例の原則に従うとするならば、一方その基礎になつておる予算との間の調整がとれないというような場合においては、やはり心ならずも送付されました条例案と異なつた案を提案をして、予算と調整のとれた条例を提案するというようなことも、地方によつてはあり得ないことではないと思うのであります。そういう事例も従来あつたわけであります。その事例を一概に絶対にいかぬのだというふうに考えることは、これは予算について、もし原案を修正したらば、それを附記できるというようなあの教育委員会の制度から考えましてもやはり考えられることではないかと思うのであります。そういうことを何も指導し奨励をするという意味はもちろんございませんが、調整をするためにやむを得ずそのような結果になるということもあろうかと思うのであります。
○北山委員 皆さんの御迷惑にもなりますから、これで終つておきますが、違法かどうかという問題は、先ほども内閣法制局の見解もあるようでありますから、この点についての質疑はあとに譲りますが、ただ今回の問題は県当局の方は、原案を出すことを教育委員会に話したのですが、教育委員会が出すひまがない。何しろ二十四日に提案をして二十五日に議決をするというような非常に一方的なやり方であります。教育委員会のそれに対する検討の余地がないうちに強行してしまつたということは、これははたして常例ではない、異例なりと認められるような事態に属するかどうか、その点も実際の事態を、もう少し詳しく話をしなければわからぬと思いますから、この次の機会にやらしていただきます。
○西村(力)委員長代理 ちよつと速記をやめて。 〔速記中止〕
○西村(力)委員長代理 速記を始めてください。 それでは質問者である中井徳次郎君からの強い要請もありますし、また北山君の質疑保留の立場もありまするので、次会も継続してやることにいたしたいと思います。 本日はこれをもつて散会いたします。 午後四時七分散会