地方行政委員会 第30号
- 発言数
- 81 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/03/13
会議録
○中井委員長 これより地方行政委員会を開きます。 地方税法の一部を改正する法律案を議題として質疑を行います。なお本日は事業税を中心として質疑の進行を願います。質疑の通告がありますので、順次これを許します。中井徳次郎君。
○中井(徳)委員 本日午前中の大蔵委員会との合同審査の質疑の中で、入場税の問題についてちよつとお尋ねしたいと思つておつたのでありますが、大蔵省の政府委員が見えておりませんので、事業税の関係で三、三基本的なことにつきまして、政府委員の御意見を伺いたいと思いますが、現在の日本の税体系のうちに、率直に申しまして国民の一番不平不満の的になつておる大きな問題が三つあると思うのであります。一つは勤労者の源泉所得の問題であります。もう一つは今議題になつております事業税の問題だ、かように思うのであります。それで勤労者の源泉所得は百パーセントとられまして、ここ数年非常に零細なる企業の勤労者の皆さんが非常に困つておる。そこでそれについて中小企業に比べて、非常につらいというふうなことを申しますと、政府の答弁は、中小企業については事業税というものがあるというふうなことで、逃げておられるのであります。今度は中小企業の側から見ますと、自分たちは所得税だけではなくして、事業税がかかつておる。それでもつて全国各地で陳情その他をいたしますと、しかしあなた方は所得税において勤労者よりも実はかなり大目に見られておるというふうなことで、当事者は逃げておるというような形になるのであります。おつかけごつこをいたしておるのでありますが、その事業税のうちで最も問題になりますのは、法人に対する事業税じやなくして個人に対する事業税、中小企業の人たちの事業税なのであります。さらにもつとだんだんと考えて参りますと、これのうちで一番問題になりますのは、その課税標準がはなはだでこぼこであるということだと思うのであります。しかもそれは中小企業の中でもかなり大きな仕事をしている人ではなくて、せんべい屋さんだとかお菓子屋さんだとか、大工、左官の人たちとか、そういう人たちに今非常に問題が多いのであります。今回の改正におきましてそういう意味から基礎控除を多少上げられたということでありますけれども、実際はそのでこぼこの是正というふうなことに重点が置かれねばならぬと思うのでありますが、今のこの改正案によりますと、その根拠となるものは、所得税の査定の場合の所得額が、事業税の課税基準になるということになつておりますが、それでもつてはたして公平な、実際事業に相応する事業税が現状において課せられると考えておられるかどうか、その辺のところを伺つておきたいと思います。
○鈴木(俊)政府委員 今回の事業税の改正案につきましては、先般申し上げましたように、ただいま中井委員から御指摘のありましたような事業税の負担が相当高い、また業種間の均衡を必ずしも得ていない面があるというようなことを考慮いたしまして、一面において税率を三分の一ないし四分の一引下げまするとともに、また半面この基礎控除を引上げるというようなことをいたしたわけでございますが、同時にこの業種間の不均衡を是正する意味において、従来非課税あるいは税率の軽減になつておりましたものにつきまして、税率を引下げましたのに関連をいたしまして、さようなものの均衡をとるような措置をいたしたわけでございます。このクリーニング業でございますとか、湯屋業でございますとか、あるいはめん類食を提供する業といつたようなものにおきましての問題、そういうようなものにつきまして業種間の調整をいたしたわけでございます。ただいま御指摘のように、この国税の所得税の算定の基礎になつておりまするものを使うことに一面また今回いたしたわけでございますが、それはねらいといたしましては、徴税事務の簡素化ということと、また同時に、納税をされる側におきましても、国税と地方税と両方から調べられるという煩を避けるという両方の面を考えまして、所得税の算定の基礎になつておりまする不動産所得あるいは事業所得というものを押えることにいたわけであります。しからばそれによつて公正な所得の決定が得られるかどうかということでございますが、この点につきましては、もちろんこの国税の所得の決定自体がすべて適切であるとは言いかねるわけでございまして、そういう場合の措置といたしましては、当該の市町村から国税の上級の徴税官署に対しまして不服の申立てと申しますか、異議の申立てと申しますか、そういう事情を具して、さらにその上級の官署において再審査をするように請求する、それでもなお納得が行かぬ場合には、国税庁にその旨の請求をするというような措置をとつて、ある程度調整をいたす方法を考えておるわけであります。しかし事業税の税を納めまするものの中には、相当数やはり国税の所得の決定によらないものがあるわけでございまして、そういうようなものにつきましては、府県が自主的にこれを決定する、こういうような形にいたしておるわけでございます。まあ府県自体が決定いたしますものにつきましても、過去の経験の累積によりまして、決定はだんだんと公正を得るようになつて来ておると思いますが、なおこれらの点につきましては、国税の分に関しましては、これは国税庁と協力をいたして改善をはかるほかはございませんが、地方が自主的に決定いたします分につきましては、これからいろいろさらに関係の当局を督励し、指導をするようにいたして参りたいと思うのであります。
○中井(徳)委員 ただいまの御答弁のうちで、自治団体が自主的に決定をするというふうなお話がありましたが、そういうお話を聞いて私心配になりまするのは、自治庁の皆さんは今事業税をとつている実態について、少し御存じない面があるのではないかと思うのであります。実情は各府県ともほとんど税務署の一応の査定を基礎にいたしております。その場合に、事業税で一番問題になりますのはこういう点であるのであります。それは零細な所得の人たちでありまして、税務署が中小企業の所得を調査いたしますに際しまして、たとえば二十万円なら二十万円と査定をいたします。ところが所得税には基礎控除があります。それから扶養控除その他の控除がありまして、大体税務署で調査をいたしましたものの中の半数あるいはそれ以上のものは調査しました結果、所得税を納めなくてもいいというふうな状態になるのが非常に多いのであります。納めなくてもいいというふうな状態になつたものの所得額の決定につきましては、もちろん調査をされました対象の皆さんは、もう所得税を納めなくてもいいわけでありますので、異議の申立てとかそんなことをする必要はない。従つて所得の小さい面におきまして、現在の税務署がやつております所得の調査は非常なでこぼこがある。でこぼこがあるといたしましても、所得税に関する限りは、それは全部ゼロになるものでありますから、だれも申告をしない。一方府県においては、そのでこぼこをそのまま書き取つて、それで今度は事業税の対象にするというふうな状態が非常に多いのであります。事業税に対する異議の申立ての三割から四割は実はそれなのであります。そこで私はその点を今度の改正案のように一応所得税の課税標準をそのまま当てはめるということにいたしますれば、よほどその点はいわゆる国税庁の方で厳格にやつてもらいませんと、依然としてこの紛争は解けない、かように考えております。基礎控除は事業税の場合にも多少は上りましたけれども、それではとても追いつきません。いわゆる所得税の対象にはならないけれども、事業税の対象にはなるというこの間の階級の人たちの所得の調査が、はつきりと言えば、今の税務署はかなりずさんである。しかもずさんであつてもこれまではかまわなかつたが、今後この点が非常な問題となつて来るのであります。その点をどういうふうにして解決されるのであるか、伺いたいのであります。
○鈴木(俊)政府委員 ただいま御指摘になりました点は、まことに重要な点でございまして、国税の方ではいわゆる控除失格になつて、従つて所得税はかからないというようなものにつきましての算定の問題が、確かに御指摘のように安易に流れて、正確な調査をしないというのが実情なのでございます。今回の案におきましては、さような控除失格になる分については、所得税の所得の計算の例にならつて、先ほど申し上げましたように道府県が自主的に決定をする、こういうことになるわけでございます。
○中井(徳)委員 そうしますと、所得税の対象にならない人たちについての資料は、全然税務署には間合せをしないということになるのですか。
○鈴木(俊)政府委員 これは相互協力関係がございますから、場合によつては問合せをするような場合もあろうかと思いますけれども、しかし建前としましては、これは自主的に道府県の徴税当局が決定をするこういうことになるわけであります。
○中井(徳)委員 その点をどうぞこの際はつきりとしていただきたいと思います。 それからもう一つ、これにも関連はあるわけでありますが、現在全国の中小企業者は、そろつて個人から法人へ組織の組みかえをやつております。このことはもう天下周知の事実であります。このことは、私法人組織のすなおな形からいつて、決して好ましい状態ではないと思うのであります。にもかかわらず、そういう形がどんどんと蔓延をいたしておるということは、これはかかつて税体系に欠陥があるからなのであります。従つて非常に小さな中小企業は、法人にするのには経費がかかる、といつてまたそれをしないと税金が非常に高くなる、こういうことなのでありまして、その境の人たちが非常に困つておるわけであります。こういう形を考えて行きますと、法人になれば、御案内の通り店主その他も従業員として経費のうちから引かれる。個人であるとそれがないというそれに対する見合いとして今回五万円とか六万円というふうな基礎控除をなさつたのでありましようけれども、私どもが考えまして、とうていそんな金額ではそれを防ぐには足らない、かように思います。従つてどうも結論のことを申すようでありますが、事業税の所得の計算におきまして、店主その他の給料に相当する、自分の労力に相当するもの、そういうものをどうして今度の法案では経費として認められなかつたかということについての政府の見解をただしたいのであります。
○鈴木(俊)政府委員 法人と個人と比較いたしまして、法人の方がいろいろの積立金その他の経費控除が行き渡つておつて、従つて法人組織に切りかえた方が有利であるというところから、法人になるものがふえて来ておるという御指摘は、まことにその通りであります。ただ今回の事業税の関係におきましては、これは国税、地方税を通じて考えなければなりませんが、地方税といたしましては、個人事業税の税率は、法人の場合に比較いたしまして三分の一ないし四分の一下げておるわけでございまして、法人の方は五十万円以下の所得についてのみ一〇%で、個人の場合は二%だけ下げておるわけでありますから、その関係では今御指摘になりましたような傾向に対して、若干調節的な作用を営むことができると思うのであります。また同時に基礎控除の点につきましての御指摘でございますが、これは先ほど申し上げましたように徴税事務の簡素化と納税者の便宜ということから、やはり基礎控除の額を、前年の所得をとつておりますので、前年所得の際に用いられました、すなわち昭和二十八年度の基礎控除額の六万円というものを今回はとるということにいたしたのであります。これはもちろん基礎控除をさらに上げるべきである、御指摘のような勤労控除的な性格のものをさらに加えて、必ずしも所得税の基礎控除に歩調を合せないで、それ以上に基礎控除をすればいいじやないかという御意見は、確かに研究に価する意見と思うのでございますが、今までの段階といたしましては事業税が物税である点等にもかんがみまして、今のところ所得税の基礎控除と歩調を合せるというにとどめたのでございます。しかし御意見の点は、これはやはり政府としても十分今後研究してみなければならぬ点だというふうに考えておるのであります。この点は税制調査会等におきましても御見解と同様な御意見がやはり相当あつたのでございまして、今後の研究課題として私どもも考えておるのであります。
○中井(徳)委員 今の問題ですが、私はこの際内容ははつきりとどこから見ても個人企業を、ただ税金を軽くするために法人になしたというふうなものと、それから個人の事業税というものの間に差等を絶対つけるべきでないという考え方を、実はいたしておるのであります、大いに研究して、だんだん近づくということでありますが、こんな形でほつておきますと、いま四、五年たつと中小企業で個人営業はなくなりますよ。全部法人になります。まことに奇妙な形が出て来ると私は思うのであります。この点についてもう少し政府は積極的な打開策をやつていただきませんと。ほんとうに善良な中小企業がいつまでも不平不満をもつてこの税金を納めておるというふうな事態になる。今ももちろんそうでありますが、この形を今度これだけ大改正をやるに際して、どうして取上げられなかつたか、私ははなはだ残念に考えております。 それからもう一つ、去年地方行政委員会におきまして、クリーニングだとか、何だとか特殊な事業について課税の率を百分の十三から百分の八にいたしました。今度は全部十二が八になつたからということで、その面だけはすえ置くということになつておりますが、やはりわれわれが考えたあの精神は八でよいというのではなくて、他が十二ならば八にしろというのである。従つて一般が八になつた場合には、やはりもつと下げて六にするというふうなことが、委員会の意思にも沿うゆえんであろうかと思うのでありますが、にもかかわりませず、また元へもどつたということにつきましては、どういうお考えであるか。絶対額も大したことはなかろうと思いますが。政府の見解をただしておきたいと思います。
○鈴木(俊)政府委員 ただいま御指摘のクリーニング業、それから公衆浴場業と申しますか、湯屋業あるいはもつぱらめん類を提供する業などにつきましては、御指摘の通り従来の百分の十二という税率を百分の八に下げるということであり、さらにそのためにそれを事業税の方から特別所得税の方にまわすという国会の御修正があつたわけであります。この点に関しましては、私どもも十分研究をいたしたのでありますが、たとえばクリーニング業にいたしますれば、結局これは要するに物品の洗濯をして、それを元にもどすという一種の請負業でありますが、そういう業態を他の物品販売業とかいうものと、比較いたしますると、それだけをさらに八%からたとえば五%に下げるということは、やはり業種間の負担の均衡を失するのではないかというふうに考えるわけでございます。従来の請負業と物品販売業に同じ税率で第一種事業と考えておりました考え方というものの中には、やはり業種相互間の均衡を考えておつた面があるように思うのでありまして、国会の御修正の御趣旨もやはり中で最も不適当であると思われる点について、さきがけて税率を下げられたのが修正の本意であるというように私ども考えましたので、他のものも、いわばそのさきがけたものに追随いたしまして、今回は税率をその線までおろすこういう考え方に立つたのであります。
○中井(徳)委員 非常に上手な御答弁でありますが、その下げました精神はそうではございません。私はこのことをこまかく御質問いたすのではありませんけれども、今回の全体の修正案を考えますと、たとえば固定資産税の減免をするに際しましても、電力だとか、あるいは電気軌道だとか大企業のものにつきまましては国策という大きな命題のもとに、非常に親切な減免をやつております。たとえば五年間は三分の一だとか何だとかそのことについては非常に事こまかく規定をつくつておる。そしてこういうクリーニングだとかなんとかいうものについては、簡単にさきがけてやつたのだというふうな内閣の方針がそのまま出ておつて、どうもあまりつれない処置だと私は考えるのであります。この点は私たち委員会においても、これは大いに修正をしなくてはいかぬと思つておりますが、今の自治庁のお話はどうも少しこじつけのように承りました。 それから一つ、最後にお尋ねしたいのですが、この事業税でいつも実は問題になつておりますが、大工だとか左官だとかいうふうな人たちが、実は請負業だというような考え方で、いまだに全国で事業税が課せられておるのであります。こういう点につきまして政府は思い切つてそういうものの認定を大幅に府県その他に委譲しまして、府県において大幅にこれを課して行つてさしつかえないというふうな線をお出しになる意思はないかどうか、ちよつと伺つておきます。
○奧野政府委員 大工や左官に積極的に事業税を課するという規定になつていないわけでありますけれども、請負業と思われるような形態において作業しておりまする場合に事業税を課しておるのであります。その結果がどちらかといえば請負業的な色彩が非常に少いものについてまで事業税を課している向きが非常に多い、こういうものは思い切つてやめたらどうか、こういうふうな御趣旨だと思います。先日大矢さんが仕出し課税について非常に無理がある点を御指摘になりましたが、同じような問題だと思つております。私たちはお二人の委員の考え方に賛成なのでありまして、そういう方法において今後の指導方針を持つて行きたいというふうに考えております。
○中井(徳)委員 今の御答弁非常にけつこうですからどうぞその通りにやつていただきたいと思います。
○中井委員長 北山君。
○北山委員 中井さんの質問に関連するのですが、先ほど御指摘の個人と法人の事業税の関係というものは私は重大であるばかりでなく、新しい問題でなく非常に古い問題だと思うのです。ですから私どもはこの問題をできれば今度の機会に直さなければならぬという事態になつておるのではないか、こう思うのですが、そこで個人と法人の事業税においてもその他の税においても、個人企業の方が非常に不利であるということは明らかなことなんです。そこで先ほど中井君が御指摘の通りに、個人から法人へどんどん企業形態というものがかわつて行つている。ある人は東京都内においても一箇年に数千軒の企業が法人化しておるというふうに指摘されておりますが、これは全国的に見ると相当な数字ではないかと思うのです。そこでお尋ねをするのですが、個人の営業から法人化したその移動状況をどういうふうに数字的に自治庁では捕捉をされておりますか。毎年毎年移つて行つたその数、あるいはその所得の関係というものをどういうふうに把握しておるか、これを数字的にお示し願いたい。
○奧野政府委員 法人化の分は今質疑応答の間に書類を探しまして、お答えするようにいたしたいと思います。 なお法人と個人の負担の均衡をはからなければならないという問題、まつたく同様に感ずるのでありますけれども、理論的な点につきまして一言、中井さんの御質問もございましたので、お答えをしておきたいと思います。御承知のように法人と個人とは本質的にはまつたく別なものだという建前に立つておるわけであります。従いまして、所得がありましても、個人の所得はこれをどう使おうと、もはや所得としては課税の対象にならない。法人の所得はこれを分配されますと、受けたところで再び所得税が課されることになつて参るわけであります。また法人と個人とをまつたく同じように扱つて行くということになりますと、法人税の比例税率をやめまして所得税と同じような累進税率にして考えなければならないということにもなると思うのでありまして、法人と個人とをまつたく同一に税法上律して行くということは、その本質が若干違つているものでありますので、いささか困難ではなかろうかというように思うものであります。ただ事業税というような性格の税におきまして同じような扱いに持つて行く、これはまことにごもつともなことだと思いますが、それはどういうふうなやり方をすれば同じように持つて行けるかということになつて参りますと、やはり附加価値額を課税標準にいたしますとか、あるいは売上額を課税標準にいたしますとかいうような方法をとらなければならないのでありまして、所得を課税標準にするという以上は、法人と個人との間におきまして、本質上の相違がありますので困難ではないかと思うのでございます。かりに附加価値税を実施して行きました場合には、相対的に考えました場合に、法人の負担が重くなりまして、個人の負掛が軽くなつて参ります。こういうような実態がやはり御指摘になつておるような事柄とも関連を持つておるものでありまして、このたびは附加価値税を実施しないことにいたしまして事業税を徴収することにしたのでありますけれども、これらの事情もございますので、一面には基礎控除を引上げ、他面には個人と法人の間におきまして税率の区分を設け、個人の方を法人よりは軽くするというような方式を採用したわけであります。従いましてまた法人と個人との間におきましては、事業の規模その他によりまして、どちらの方が軽い、どちらの方が重いと一概には言い切れないのではないかというふうには思うわけであります。ただ実際的には御指摘になつているような傾向が強いのではないだろうかというふうにはわれわれも感じております。
○北山委員 それでは今の資料はあとでお出しを願いたいと思います。これはやはり大事な資料でございまして、今度の新しい改正法による地方税の収入見込みのこの資料を見ましても、個人事業税については相当の減税をしているように一見見えるのです。しかし先ほど来お話があつたように、個人から法人の方へどんどん移行しているのだとすれば、これはそのうちの相当部分がこの移行によつて法人事業税の方に移つていることから生ずる個人所得税の減少もあるのではないかというような点も考えられますので、その点はひとつ資料としてぜひお出しを願いたい。 そこでただいま奥野さんのお答えもありましたが、事業税が物税であるというような原則から、どうもやるとしてもある限界があるのだというようなお話でございますが、しかしそこに矛盾があるのではないか、現在の取扱いが法人については物税ではないではないか。法人税附加税みたいなかつこうに法人の場合にはやつて、そうして個人の場合には物税的なものにしてやつている。そこに大きな矛盾があるのではないか、こう思われるのでありますし、また現実にはとにかく個人企業の方がもう非常な不利を見ているという現実なんですから、さしむきこれを是正するということが当面の目途でなければならぬと思うのであります。問題はそこが今度の改正によつて、はたして是正できるかどうかということだと思うのです。この事態が非常にいろいろな現象面で現われているということは、この自治庁のお出しになつた地方税に関する参考資料の中でも——地方税の徴収実績の調べが出ておりますが、昭和二十八年十一月末現在でございます。それを見ますと事業税、法人の場合におきましては徴収の収入の率ですか、それが七二・五%、個人の場合は二九・三%というように徴収の成績において大きな開きがあるのです。これは確かにある程度今までも毎年々々こういうふうな状態であつたのじやないか、こう思うのですか、ここにはただそれだけの資料しかございません。これをもう少し補つていただきたい。法人の事業税と個人の事業税の徴収の実績というものが、どういうふうになつているか、昨年あるいは一昨年というような点について自治庁のわかつておる範囲内で、ひとつお答えを願いたいのです。
○奧野政府委員 事業税の法人分の調定額と申し上げますのは、これは事業年度が経過いたしましてから二箇月以内に納期限が来るわけであります。その納期限の来たものにつきまして、事業年度の間におきまする所得額に対する事業税額をここに用いているわけであります。従いまして法人事業税の場合の調定済額と言いますのは、これは十一月三十日現在でありますので、大体九月三十日に事業年度が終了したもの、この前のものにつきましての事業税額がここにあがつている額でありまして、今後なお十月以後に事業年度の終了いたすものでありまして、二十八年度の事業税として制定されるべき部分が加わつて来るわけであります。事業税の法人分は申告納付の形をとつておりますので、こういう形になつて参るわけであります。それに反しまして事業税の個人分は、前年度の所得を課税標準にするわけであります。従いましてここにあがつておりまする調定額というものは、二十八年度中に課税せらるべき事業税額の全額であります。しかも納期が大体は八月と十一月ということになつておりますし、あるいは若干それよりも遅れている県もあろうかと思うのであります。従いましてあと非常に配分が困難というわけじやありませんで、納期限が来てないというような、あるいはそういうようないろいろな関係から年度内には当然入るのだ。そういう部分が相当あるわけであります。それだけでは個人分が非常に悪いのだということにもならないわけであります。ただしかしながら御指摘になりましたように、個人分の事業税の徴収実績というのは、大体八〇%前後であります。それに対しまして法人事業税の徴収実績はおそらく九五%内外でまなかろうかというふうに思つております。こういう点はございますけれども、ここにあがつておりまする資料をただちにそういう判断に用いることは適当ではないと思います。
○北山委員 そうしますと、この資料で伺いますが、この最後の七二・五%それから二九・三%、これはパーセントですね。これはどれのどれに対する比率ですか。
○奧野政府委員 収入済額を調定済額で割つた数字であります。
○北山委員 とにかくこれを大ざつぱに見て、やはり法人と個人との関係に大きな開きがあるということは私はわかると思うのです。ことに問題なのは、そこに予算現額の欄がございます。予算現額と、それから調停済額がございますが、この予算現額と調定済額との開きを見ますと、法人においては大体において同じなのです。予算現額の方は四百八十三億幾らになつておりますが、調定済額の方は四百四十一億なのです。ところが個人の方は予算の方は三百十七億に見ておる。調定の方は四百五十五億に見ておるのです。従つて予算よりも調定が五割も多い。これはどういうことを示しているかというと、個人事業税の方の徴収率が悪いものですから、都道府県としましてはどういう操作をするかというと、予算の方はできるだけ低く見積つて、調定額をなるべく広げるわけです。要するに個人の負担すべき調定額というものをできるだけふくらましておる。どうせ徴収率は悪いのだから、調定額の方をふくらませておくんだ。そうして最後に行つて収入額で行くと逆の結果になる。収入済みは法人の方が三百二十億、個人の方が百三十三億と逆になつておる。この表を見ると、個人と法人との事業税についての不公平から来る地方団体の徴税上のいろいろな問題がそこに現われているのではないか。要するに無理な調定をするのです。個人についてはどうせ年度内の徴収率は悪い。予算の方はなるべく低目に見ておく。だから大体予算額に近いものは結果から行くととれる。しかし実際に個人事業者は多くのものを附加される結果になる。そういう傾向をこの表が示しているのではないかと思いますが、いかがですか。
○奧野政府委員 この資料にはこまかい計釈を書いておりませんので、いろいろ誤解を与えているのでありますが、この調定済額の四百五十五億四千百万円といいますのは、滞納を見越して来ている部分も含んでおるわけであります、前年度分だけの認定済額を申し上げますと、三百二十一億四千四百万円であります。従つてその差額の百三十数億円というものが滞納で繰越されて来ている部分であります。非常に個人事業に盛衰がございましたので、なかなか法規通りの徴税が困難でありまして、やむを得ず強制手段を用いないで、数年にわたつてそのまま繰越して来ているという部分が、個人事業には割合に多かつたのでありまして、その部分がこのような大きな開きになつて出て来ているわけであります。
○北山委員 そうしますと、ただいまのお話はむしろ私の申していることをますます裏書きする資料じやないかと思うのであります。それには前年度の分を含んでおるということは、単に調定ばかりではなくて、予算現額においても、収入済額においても含んでいると思うのです。ですから当年度だけのものではなくて相当繰越しがあるという話だけで、傾向としては同じことであります。その当年度だけの現象ではなく、毎年度の現象もその中に含んでいるということであると思います。とにかくそんなことで個人専業の滞納が多いということ、これは数字的には確実な資料と言えないかもしれませんが、一つの傾向を示しているのではないかということですから、実際に町の個人事業者たちがいろいろな不平不満を言い、また一つの団体をつくつてこの是正を声を大にして、政府や国会に向つて陳情するということも、こういうふうな資料の中にもはつきりと現われて来ているのではないかと思うわけです。 そこで問題は今度法人と個人との差を多少取扱いを違えた。その結果一体どの程度の数字上の具体的な結果を予定して、ああいう百分の八なり百分の十なりという数字を出しておるのであるか、それから個人事業者との比較において公平を期するということが、どの程度数字的に貫かれておるかということをひとつお聞きいたしたい。
○中井委員長 今北山さんが一番初めに言われた点を特に御説明願いたい。
○奧野政府委員 先ほど御説明いたしましたように、個人卒業税の調定済み額のうちで、現年度分というのが三百二十一億四千四百万円、その三百二十一億四千四百万円と予算現額の三百十七億九千五百万円というのが大同小異であります。この三百二十一億四千四百万円は、二十八年度分の調定済み額でありまして、二十九年度になりましてから、三十八年度に調定すべきものを落しておつた、だから追加して調定するというふうな部分はまずないのであります。大体毎年度この調定額がそのまま収入になれば一番よいわけであります。ところがその差額の百三十四億円程度のものが滞納繰越しで繰越されて来ておる。これは一年度だけの繰越しではありませんで、過去の分が全部ここに上つておるわけであります。従いましてこの程度のものが毎年々々予算現額の上にプラスされて調定済み額として現われて来る、こういう傾向になつて参るわけでありますので、この点は御了承願つておきたいと思うのであります。 それからあとの法人と個人においてどのような軽減になつているかという御質問でございます。これにつきましては、地方税に関する参考計数資料の四十三ページにあげてありますが、個人事業税で減税になります部分の金額が、基礎控除額を一万円引上げましたのと、税率を三分の一程度軽減いたしましたのと、それからあんま、はり、きゆう業等のうち視力喪失者に対る課税免除をいたし先のを合せまして百十二億二千万円であります。これに対しまして法人事業税の方は、四十二ページでありますが、法人税改正による減、輸出免税所得による減、外形標準課税の改正による減、所得金額五十万円以下の税率軽減による減を合せまして三十一億三千五百万円、特に所得五十万円以下のものにつきまして軽減税率を用いましたのは、八億八十七百万円、法人につきましては、実質的には八億八千七百万円程度の軽減に対しまして、個人に対しましては百十億円を越える軽減をしておるという結果になつておるわけであります。
○北山委員 企業の数として法人に移つた個人の企業の数、それを自治庁で押えておられると思うのですが、これを、別の機会でよろしゆうございますからお願いいたします。 それから私先ほど申し上げた点は、やはり今度の修正と言うか、今度の改正は非常に不十分じやないかと考えられるのでありますが、今度の改正によつて個人事業者に対する控除というものは六万円なのです。これは一体どういう計算の基礎によつて六万円という数字が出るのですか。
○奧野政府委員 六万円という金額は、所得税の場合の基礎控除額の数字と合せたわけであります。私たちは個人事業税の負担を考えて行きます場合に、従前どの程度の負担を個人事業が行つておつたのだろうか、こういうことを常に考えておつたわけなのでありまして、個人事業の負担の一番軽減された当時、昭和十五年の税制改正において一番軽減されたと思いますが、この際における国税、府県税、町村税を通じた負担が所得の六%であります。しかしながらこの当時は基礎控除の制度は置いておりませんでした。これからの個人事業の負担を考えます場合に、物税だといいましても、所得の少いところの負担はでき得る限り軽くしたいのであります。そういう意味で基礎控除の制度を個人事業税について用い出したわけなのであります。税率を今度は一二%から一躍八%に下げております。その結果は、ただいま申し上げました戦前の負担とどういう関係になつておるかということを申し上げますと、所得が一十八万円以下である場合には、六%課税の行われておつた戦前の負担よりも軽くなるのであります。半面二十八万円を越える所得の場合は、戦前の負担よりも重くなつて来るわけであります。そういうことを総合的に考えまして、このたびの改正案を立案いたしたわけであります。
○北山委員 今のお話は、事業税もとの営業税そのものについてだけのお話でございますが、それとも所得税、固定資産税、家屋税、地租といつたようなものもみな加味して、この二十八万以下のものは戦前と比較して安くなる、こういう御答弁ですか。
○奧野政府委員 事業税と常業税とを比較しての話であります。その他の要素は全然考慮しておりません。
○北山委員 これはやはり私どもはそれを考慮する場合には、単に事業税と営業税というふうな比較ではいけないと思うのです。今日固定資産税というものは相当大きくなつておる。あるシヤウプ勧告の際に固定資産税が生まれる前には、家屋税あるいは地租あるいはそれの附加税というような形でとられておつて、そうしてそれははなはだしく不公平でございましたが、しかしその当時は家屋税や地租のことは問題が出なかつた。今よりもずつと不公平だつた。なぜ問題になつたかというと、固定資産税が何倍も上つたからです。この固定資産税が個人営業をやつておる人たちにはやはり非常に重くなつて来ておる。それから御承知のように、所得税の方が戦前と戦後を比較すれば、小さい事業あるいは勤労者に対して広くずつとかかつておる。何でも一人当り二万二千円ですが、そういうふうに重くかかつておるというようなことをあわせ考えて行かなければ、事業税だけにおいては計算が合うというようなことでは、どうも税の立て方を考える人としては非常に不十分じやないかと思うのですが、いかがです。
○奧野政府委員 固定資産税が昔の地租や家屋税より負担が遠くなつたのではないかという御意見でございます。これはごもつともなことだと思います。ただ、個人事業の場合における地租や家屋税、あるいは固定資産税の分量というものは、業態によつて非常に違つて来るだろうと思います。ただ負担が重くなつておる点について御指摘がございましたが、負担が軽くなつておるものもあるわけでありまして、総合的に考えますことはかなり無理じやないかというふうに思つております。たとえば負担が軽くなつておるものを申し上げますと、個人事業の所得を計算いたします場合に、青色申告をしておる人に限つてはおりますけれども、いわゆる専従者控除、今度は配偶者もこの中に入れるようにしておりますが、子供さんたちが手伝つておる、そういう場合には七万円にその人数を乗じた額だけは所得から差引いて行く、残つたものを課税標準に用いるというようにいたして来ておるわけなのでありまして、そういうような関係もありますので、簡単に比較できないのではないだろうかと思つております。所得税の問題は、やはり全体に通ずる問題でございまして、事業に対する負担という角度からは、事業に対するものについてだけの特別な税をもつて比較いたしたいというふうに思うわけであります。
○北山委員 ただいま前よりもよくなつたという例で、青色申告を採用している人のいわゆる家族専従者の控除というようなお話があつたのですが、これはああいうことをやろうと思つても、中小企業でちよつと店を打つておるという程度のところではなかなかそういうことはできないのです。できるならばそんなめんどうくさい、計理士を頼んだり、専門家を頼まないでも青色申告と同様の利益が受けられるような程度のことはお考えできないでしようか、それがいいことであるというふうなお話でございますから、その制度を一般的に行うようなことをこの際考えられないかどうか名案がないかどうかお伺いいたします。
○奧野政府委員 これは所得税の場合所得をどう計算するかということになりますので、所得税法の問題だと思つております。私も個人的には実は北山さんと同じような考え方を持つておるわけであります。しかしそれではそういうやり方をしたらいいじやないかということになつて参りますと、青色申告をしていない人の所得をどのように正確に算定しているだろうか、帳簿も何もない、どのような取引が行われたかという実績をどうやつて測定しているだろうか、おそらく権衡調査で額を決定しておるという仕方が大部分じやないかと思うのであります。そうするともともとの決定所得額というものが、はたして正確であるかどうかということはわからない、引くものだけをはつきり書いて行く、そういうことが適正なあるいは均衡のとれた税務行政の運営になるかどうかということについて、国税当局も迷つておるのじやないかというふうに私は想像しておるのであります。
○北山委員 これは事業税の問題でもありまた市町村民税の問題でもあるのですが、事業税あるいは市町村民税における一つの大きながんは、基礎になる所得というものの基準を税務署の決定するものを基準にしている、ここに非常に難点があるのです。国の権威ある税務署が決定するからといつて、それに従えば簡単に行くんじやないかということで、実は市町村民税なり今度の都通府県民税あるいは今度の事業税でも、大体今まででもその通りそれを標準にして行つておつたのです。ところが実際は難点はそこにあるので、税務署の決定するのはきわめて不公平なんです。もちろんこれは技術的に考えても、昔と違つて非常に納税義務者の数がふえたものですから、こまかいものなどを一々詳しく調査する手が税務署でもまわらないのです。中には気のきいたやつはしよつちゆう税務署に日参して、うまく立ちまわつて、青色申告であろうが何であろうが、あらゆる手段を尽して自分の税を下げて行く、それについてはうまく行くでしようが、しかし全体としては私ども実際に事業税なりあるいは市町村民税などを何とか合理的にしたいと考えた場合の一番の難点は、原則として税務署の決定に従わなければならぬ、そこに難点がある。そこから独立をしたいわけです。ですからただいまちよつとお考えをお漏しになつたんすが、事業税について制度の上である程度の独立をするというような名案を、自治庁の税務当局は考えるべきじやないか、これがほんとうに難点なんです。市町村民税を直そうと思つてもやはり所得税そのものが不公平だから、これを直さなければならぬと前の後藤部長も言つておられました。ひとつこの事業税については思い切つて国税の方を、もちろんそれは考慮しなければならぬでしようが、その間の個人と法人の間、あるいはまた個人事業者に対するいろいろな税が非常に重くなつておるということ、あるいは現在の中小企業の業態、そういうものの状態をあわせ考えて、何とか現在においてもう少し早く問題を解決するということを考えていただきたい。これは要望でございますし、また当委員会としてもあとでまた委員の間でも御相談があると思いますからこの程度にいたしておきますが、この際ついでにというか、午前合同審査があつて入場税の問題が出ましたので、それにも若干関連があるのですが聞いておきたいのです。 それはこういうことなのです。今度入場税が国税に移管する、そうして地方にまた配分をされる、ところが一割、十九億だけは国が手数料にとる、あの入場税の譲与税の理由を見ると、これは国税を徴収する意欲を失わせないためということと、それから徴税費をまかなうということが書いてある。それで一〇%とるわけなのです。そこで私は変に思うわけなのですが、国が自分でそういう制度をつくつて入場税を徴収してやつて、そうしてこれを地方に配分するのだが、手数料をとらないとどうも徴収の意欲が出て来ないらしいのです。ところがこの前に審議をした市町村民税、都道府県民税の徴収を市町村にやらせるときには、たしか百分の二プラス・アルフアなのです。おそらくあの計算では百分の五にはならないと思うのです。ですから国の方では地方の分をとつてやつて、入場税をとつてやつて、配分する際には一割だけは手数料でいただかなければとても徴収はできません、しかし市町村に対しては百分の二かそこらで間に合せておけ、協力をしろということなのですが、その点について一体自治庁はあの制度については事前にお話合いをしたと思うのですが賛成をしておるのですか。
○鈴木(俊)政府委員 入場税の国税移管に関連をいたしまして、一〇%だけを国税としてそのまま留保いたして、これを一般会計に繰入れるという制度を今回とつておるわけでございますが、これにつきましては地方制度調査会あるいは税制調査会におきましても、この割合を一〇%にするか二〇%にするか両論あつたわけであります。地方の立場を重視する考えといたしましては、これは九〇%でも九五%でもいいではないか、そういう主張が非常に強くあつたわけでありまして、私どももそういうような考え方に立つておつたわけでありますが、反面国税の側の方の考え方といたしましては、かりに一〇〇%地方に行くのだということになると、国税の徴税の者としては、どうせこれは地方に行く税金だからそう一生懸命とつてもというふうなことで、そういうことがかりになかつたといたしましても、そういう痛くもない腹を探られることになるというようなところから、国税のような考え方で考えまする向きでは二〇%がいいというような説があつたのであります。結局最後の結論といたしましては一〇%を留保する、こういうことになつたのでございまして、その考え方をとつたのであります。もちろん徴税費と申しますれば、入場税は多くは特別徴収義務者としてとつたものを納入するわけでございますから、直接税のような意味の徴税費はかからぬと思いますし、一割などとかかるはずはもちろんないと思いますが、そういうような意味もございまして、一〇%というようなことになつたわけであります。
○北山委員 それと、もう一つの面はいいんですが市町村に対してこの道府県民税を徴収させる、そつちの方は安くてもいいと自治庁はお考えになつたんですが、どうもその百分の十を大蔵省の方でとられることの方には賛成なさつて、そうして市町村の立場、今度は市町村がめんどうくさい仕事を請負うというようなことに対しては、さつぱり理解がないようなんです。その考え方について私は聞きたいのです。ことにまた大蔵省のそういうふうな百分の十をほしいなどというふうな案はけ飛ばしてしまうべきだと思うのです。なぜならばこの税務署でわざわざこの入場税をやらぬでも、もつともつと所得税の基礎になる所得額の算定をよく調査をしてやつてくれればいい。そして一〇%の手数料を差上げなくてもいいと思うのです。その点百分の十を御承認になつたということはまことに遺憾でございます。同時にまた百分の二の方も私は残念に思うのです。百分の二と、それから徴税令書一枚について二十円ですか、これではどうも百分の十にはどうにもなりそうにないのですが、その点についての御意見もあわせて承つておきたいと思います。
○鈴木(俊)政府委員 今回道府県民税を創設いたしますのに関連いたしまして、市町村の方で道府県民税を実際徴収してもらつて、それに対する対価として府県から市町村に交付いたしますいわゆる徴収取扱費につきしましては、昨日税務部長からお話申し上げましたように、通知書一通について二十円ないし三十円、また税額に対して百分の二あるいは百分の三ぐらいになるかもしれませんが、そういうようなこと一応現在予想いたしておるのでございますけれども、これはさらによく精査をいたしまして、実際の徴税の費用等を十分研究をいたした上で、政令で通知書の枚数に乗ずべき二十円、三十円という額をさらに再検討してはつきりしたところを出し。また政令で、微収してもらつた税額に対してかけ合せる率を、三%というのがどういうふうになるかということを、さらに検討して参りたいと考えておるのでございまして、そつちの方はもうとにかくかぶせておけというような意思は全然ございません。特にその点は昨日来各委員から御心配の御発言もございますので、自治庁といたしましては、市町村の関係の当局とも十分懇談をいたしまして、御心配のないような処置を講ずるようにいたしたいと思うのであります。
○中井(徳)委員 今北山君が聞きました入場税の割もどしというか手数料の問題、この問題については大蔵省の関係官にお尋ねをしたいと思いまして、午前中に関連質問を要求したわけであります。ですから、この地方税の一部改正法案が上りますまでに、ぜひ大蔵省の関係官にこの委員会に出席を求めたいと思います。
○中井委員長 了承いたしました。
○中井(徳)委員 それから、それと関連をいたしまして、地方税を今とつておりますが、この徴税の経費は平均して、何%ぐらいになつておるか、われわれの了解するところでは大体四%程度と記憶いたしておるのでありますが、現状はどうであるか、ちよつと奥野君に御答弁を願いたい。
○奧野政府委員 徴税費に関する問題は、地方税に関する参考計数資料の厚い方の百五十九ページ以下に書いてあるわけでありますが、東京都の場合には、百六ページの上から三段目でありますが、三・八%であります。その他の道府県が、百六十二ページの上から三段目に書いてありますが、七・二%であります。それから市町村の方は市、町村それぞれわけて書いておりますが、五大市にありましては六・一三%、その他の市にありましては五・六一%、町村にありましては八・二六%となつております、固定資産税の評価の問題がございますので少し高くなつておる、こういうふうに見ております。
○中井(徳)委員 毎年大体漸増しておる傾向に思いますが、そう了解していいですか。
○奧野政府委員 むしろ下つて来ていると思います。
○門司委員 事業税の考え方でちよつと一つ聞いておきたいと思います。これは純益課税をするということに大体なつておるようですから、結局住活を基準にものを考えるべきだ、私はこう考えるのだが、それに間違いありませんか。
○奧野政府委員 事業税が、国税じやありませんで府県の独立税になつたことから考えて参りますと、やはり事業の分量に応じて府県の経費を分担する、こういうところに事業税の意味があるのだろうと考えております。
○門司委員 そう書いてあればよいのだが、純益課税を標準にするように書いてあるから聞いておるのです。大体純益課税ということは、結局人間が純益で生活していることに間違いはないのだから、生活というものをやはり一応基準にしてものを考えるべきだ、こう私は考える。そのことを聞いておるのです。
○奧野政府委員 生活費ということになりましたならば、あるいは扶養控除をするとか、あるいはいろいろな人的事情を見て行くということになるのでありましようけれども、事業税の課税標準は収入金額または所得を使うのだ、その所得というのは総収入金額から必要な経費を控除したものだ、こういうことにいたしておるのでありまして、生活費という観念とは別な形になつておるつもりであります。
○門司委員 こまかな問題ですが、それでは純益課税じやないのじやないか。所得課税といいますけれども、所得税の課税方式というのは、一応人間の生活するに必要なものを基準として差引いている。基礎控除もあれば扶養控除もある、しかしそれで生活のできないことはわかり切つておるが、形式だけはそうなつておる。その次に来る事業税も、これはいわゆる事業税であります関係から、所得税の方だけでは十分の生活をカバーすることができないのだから、これも純益課税という言葉を使う以上は、純益によつて生活するということになると、生活費というものはこれから除かれるということが一応税の建前としては正しいのじやないかと考える。そこに基礎控除というものを設けているのじやないか。奥野君のようなりくつで言えば、基礎控除はいらない。基礎控除をなくして税率をうんと安くする方があるいはよいかもしれません、その方がりくつに当てはまるかもしれません。純益課税ということを考えているから基礎控除を設けられているのだと思う。この観念をはつきり聞きたい。どつちなんです。
○奧野政府委員 事業税の性格をどう見て行くかということにつきましては、実定法を基礎にして考えるよりいたし方ないだろうと思うので、あります。その際にやはり事業税は府県の経費分担だという思想を出しながらも、特に零細な事業につきましてはそこに多少負担の緩和をはかつて行かなければならない、こういう考え方をとつておるというふうに見るべきだろうと思うのであります。ただ、御趣旨のような生活費を差引いた純益というのでありましようか、そういう形ではなしに、税率も標準税率をとつておりますし、すべての事業に課税するという建前をとつているということから考えて参りますと、やはり事業をして行く場合には、事業に対する地方団体の施設もあることなんだから、その分量に応じて経費を負担して行くのだ、しかしながら、課税標準をどうするかということについては、税金を緩和しなければならぬとかいろいろな関係があるものだから、ある種のものについては収入金額をとる、ある種のものについては所得をとる、しかしながら、零細なものについてそこに若干の考慮を払う、こういうような姿になつておると言わざるを得ないのじやないかと思つております。
○門司委員 話が妙にそれて来たのですが、そうするとこの税の本質というものは、やはり府県の応益税的性格と言つてさしつかえないのですか。
○奧野政府委員 府県の経費を分担するという建前で、事業税というものは初めて意味があるんだというように考えております。
○門司委員 そうだとすると、法人が非常に免れるということがしばしば言われておるのですが、法人の方が県にはよけい迷惑をかけておると思う。個人の事業を営む場合には、県には大した迷惑をかけないが、法人の名前のついておるものは、とにかく県にそれだけ迷惑をかけておる。また応益税という性格から言えば、なぜ法人にもう少しかけないかというような議論が出て来る。それは税の本質から言えばおかしいじやないか。もう少し税の本質をはつきりさせれば、おのずから問題は解決するのではないのですか。
○奧野政府委員 おつしやいますように、所得を課税標準に使つて行きました場合には、そういう問題が起きて来るわけであります。従いまして、収入金額課税をとつておりますのも、法人についてだけに限つております。同時にまた個人につきましては、基礎控除の制度を採用するとか、あるいは税率を若干引下げるとかいうふうな特別なやり方をいたしまして、総体的にはあまり均衡を欠かないというような配慮をこの間に加えておるつもりであります。しかしながら、もちろんおつしやつたような問題もありますので、不徹底のそしりは免れないと思います。これを徹底してやろうとすれば、形はやはり課税標準にいたしまして、あるいは売上げ全額を課税標準にいたしますとか、別途な課税標準を用いる方がいいのではないかというふうに思うわけであります。
○門司委員 そういうことが結果になつて、御承知のように、たとえば東京都の例を見ても、最近個人が法人になるのが、二十五年、六年、七年から見ると、八年は三倍くらいふえておる。これは法人組織にすることが結局税が安くなるということでやつておる。これは今の奥野さんのお話のように、応益税という考え方から行けば、そういう現象が必ず生れて来る。逆な結果が出て来る。だから応益税であるならば、やはり個人に対しては相当考えて行くべきではないかということが考えられる。これは所得税のところでよく問題になるのでありますが、かりに取益で生活するごく最底の基準をどこに置くかということになれば、生活扶助費だと考えられる。生活扶助費の規定におきましても、大体ひとりものについては、一箇月三千三百円くらいと見ておるが、二人の場合には、これが二千三百円くらいになつており、三人家族については大体一人三千円見当になつておる。そうすると、一年に三人家族としても七万二千円くらいのものが支給されておる。これは生活扶助費でありますから、最底の基準である。これには何らの税金をかける必要はない。こういうことになつて、所得税の基礎控除その他のときによくこの問題は使われるのでありますが、やはり事業税もそういう性格から考えるなら、純益であるということが考えられて来れば、そういうこともある程度考えないわけに行かないのじやないかというように考えられる。もしそれが考えられるとすれば、無理にこれが法人になる必要はだんだんなくなつて来る、こういうようにわれわれは考えおる。だからこの事業税の推移というものが、少額所得者は、要するに統計から見てもそういう数字が現われておりますが、年額大体五十万円以上の仕事をしておる諸君が、法人に切りかえる率が非常に多いということである。これはその程度の人であれば、法人組織になり得る可能性を持つておるということになる。ところがそれ以下の年額収入者にあつては、これを法人組織にしようとしても道がない。八百屋さんとか、魚屋さんとか、小さな洋服屋さんとかいう小さな店が法人組織にかえようとしても、しようがないというようがないというようなものが含まれておる。これが実情であり、全国で約二百三十万と言われておる零細な事業者の不満だと思う。だからこれを緩和するということになれば、さつき申し上げましたようなもう少し純益課税を中心として考えるなら、生活というものを考えて、基礎控除を引上ぐべきではないか。そうしてそういう弊害を一方になくすべきではないかというようにわれわれは考える。この点についてのお考えをこの機会にもう一回聞いておきたい。
○奧野政府委員 今度の地方税制の改正を行いますにあたりまして、非常に頭を痛めました問題の一つが、門司さんの指摘された問題であります。基礎控除をもつと引上げたい、しかしそうしますと、相当な減収になりますので、勢い税率を三分の一も軽減するということはできなくなつて参るわけであります。いずれを選ぼうかということが、一つの大きな問題であつたのであります。しかしこの問題につきましては、先ほど中井さんがるる指摘されておりましたように、所得が均衡を欠いておる。国税の所得税の場合における所得が均衡を欠いておる。この所得が均衡を欠いておる一つの理由は、事業税の負担が重いからだ、所得税の所得の決定を受けた場合に、それがまた事業税の課税標準になつて来る。そういうこともあるものだから、必要以上に所得税を免れようとする努力をする。その結果は納税者と徴税官との間の軋轢というものが非常に深くなつて来る。自然その結果また必ず均衡な所得決定がなし得がたいというような実情にもなつておるようであります。そういうことも考えまして、思い切つて事業税の税率は下げたいというような道を選んだわけであります。将来の問題としまして門司さんの指摘されたような問題を、私たちも本質的な問題として非常に頭を痛めておるわけであります。これらの解決方法としては、私個人の考えでありますけれども、法人になるのは否定すべもものではないないのでありまして、個人の生活の安定を考えて行つた場合には、事業については法人形式をとつて行く。これは別に否定すべきものではないのであります。しかしそういうような傾向がだんだん加わつて参りますと、法人と個人との間における実質的な差というものはなくなつて来るのではないか。そうなれば事業所得を計算いたします場合に、法人の場合には支払い給与をみんな控除して行く。個人の場合には控除されない。ここに一つ問題があると思うのでありまして、北山さんがおつしやいましたように、青色申告者に限らず、全面的に専従者に対する控除を認むべきではないか。こういう議論に発展して行くべきではないかというふうに私は思うのでありまして、事業所得というものをどう押えて行くか、この辺に将来研究すべき問題が残つておるのではないか。もちろん納税者の道義を一層高揚することによりまして、法人の所得も正確に見れば、個人の所得も正確に見るというふうな形が望ましいのでありますけれども、方向としましては事業所得の範囲をどう決定して行くか、ここに法人と個人の間の均衡を得る問題として一つの大きな問題が残つておるのではないかというふうに思つております。
○中井委員長 門司委員に申し上げますが、まだ西村さんの質疑が順序として残つておりますから、どうかその程度でひとつ御終了を願いたいと思います。
○門司委員 あまり長くやらないで、適当なところで終りますから……。この問題は非常に重要な問題でありまして、税の性格から行けば、当然この基礎控除というものをもう少し上げて行つて、そうして法人との間に無理のないようにして行きたい。単に法人々々と言つておりますけれども、さつき申したように五十万円ぐらいの、要するに最低の法人になり得る資格と申しますか、企業の形を持つておるものは、これはだんだん法人に切りかえて行く。そうするとおやじさんが一箇月に三万円の報酬を得れば、年三十六万円というものは差引かれるのです。そうして事業収入から来る黒字がなくなれは、事業税はかからぬということに結論はなつて来る。実体はちつとも事業内容はかわらないが、ただ名称だけが法人になつたことだけで、この事業税がのがれられるということが一面にある。これに一つの矛盾がある。同時に今度はそれの逆から行けば、大工であるとか左官であるとか、先ほど言われたような事実上は請負と言つておるが、それはほんとうの工賃の問題であつて、何もそこに大きな資材を持つて行つて請負うわけではない。個人の一つの事業にすぎないものであると目されるようなものでも、これが大工さんである以上、ほかで雇われて仕事をしたからといつて個々の事業主、雇い主から証明なり、あるいは雇い主から源泉課税というものが差引かれる仕組みになつておれば別であるが、それがない以上は、これは一つの税金としてとられる。ここに私は一つの無理があると思う。だからこの税金については、ぜひこれをコントロールして行こうとすれば、現在の立場から行く方法としては、結局この基礎控除をもう少し上げて、そういう隔たりを縮めて行くこと以外にはないと私は思う。この間がずつと縮まつて行けば今のような不平もなくなるし、確かに納税もある程度やれるのじやないかという気がする。従つて、先ほどの奥野君の答弁ではこれは応益税だという話でありますが、応益税なら逆に法人によけいかかるような仕組みにしなければならないことになります。当局はこの点についてどういうふうにお考えになつておるかということを聞きますと同時に、この税金は内部にそういう矛盾を包蔵いたしております関係から、将来この税金はやめたらどうかと考えます。他に方法はないかと考えます。八百二、三十億の地方財政の中の一つの大きなウエイトを占めておりますこの税額をなくすということはなかなか困難ろう思いますが、方向としてはやはり将来廃止すべき方向に持つて行くことが、正しいのじやないかというふうに考えられる。そこでさつき申し上げましたような税金から来る社会の軋轢なりあるいは世の中の不平なりをなくするために、やはり基礎控除を上げて、そして法人との距離を縮めて行くのが、現在の一つの大きな課題ではないかと考えるが、これに対する当局の意見と、将来に対するこの税金の見通しをひとつ聞かせていただきたい。
○奧野政府委員 基礎控除を引上げて行くという考え方、もちろん専従者控除をもつと広げて行くという考え方にも相当していると思うのでありますが。そういう考え方の方向はまつたく賛成であります。将来の財政状況、その余裕とにらみ合せましてそういう方向に持つて行くべきだろうと思つております。 第二の、事業税は将来廃止の方向に持つて行くべきではないか、こういう御意見につきましては賛意を表しがたいのでありまして、やはり事業を行います場合に、何らかの形において地方団体の行つております——あるいは国の行つておりますでもよろしゆうございますが、経費を持つてもらいたい。これを売上税の形で行くか、間接税の形で行くか、ただいまとつております雪新得課税の形で行くか、いろいろ形はございましようけれども、何らかの事業の負担というものはしてもらいたい、かように考えているわけであります。ただ御指摘になりましたような方向において、これを矛盾なく通常上て行くためには、いろいろなくふう、改善を加えて行かなければならないと思つております。
○中井委員長 石村英雄君。
○石村委員 結局昨日私の聞いた税額が違うではないかというのも、個人事業税はなるほど物税である、しかし、法人の場合も収入金額にかける場合は現在物税でしようが、普通法人事業税の方は物税ではなくなつているのじやないかということことを聞いたわけなのです。先ほどからの御答弁を聞きましても、そういう事実はお認めになつているわけです。将来考えなければならぬじやないかというようなお話なのですが、この問題は、もう将来だとかなんとかいつて延ばし得る状態にはないと思う。大きな法人なんかの場合にはあるいは取立て得ることもあるでしようが、現在の町の小さな業者がどんどん法人にかえておるというのは、結局自分たちの勤労に対して事業税をとられることに耐えかねてやつて来ているわけなのであります。また一方、法人にもし得ない人もあろう。こういう人たちは、物税だからとるのだと言われましても、朝から晩まで、労働基準法もなければ超過勤労手当も何もなし、親も子も女房もみんな一緒になつて働いて、やつと飯が食えるか食えないかというもうけしかない。これを物税でとるのだといつてやられたのでは、どうにもならない。一方何とかして法人にしてしまえばそうしたものは抜ける。先ほどの御説明では、法人にすれは配当があるとか、配当に対して税金をかけるとかいうようなお話もあつたのですが、このごろどんどん法人にかわつている小さな業者の法人は、配当なんというものは全然頭に入れておるわけではない。ただ自分たちの生活費に事業税がかからないようにしよう。またそれしかできない収益しかないわけです。これはごもつともだが考えて行こうというのんきな状態では、こうした中小企業者の現状はないわけなのです。事情をよく御承知だと思うのですが、結局今のところこのままとらなければならぬ。百分の十だが、片方は官分の大だというような説明では、実際問題は解決つかないのだということをひとつお考えになつて、先の問題にしないで、現在の問題としてこの解決をはかつていただきたい。またそれに対してはどういうふうにお考えになつておるか、やはり三十年、三十一年の先で解決をつけるとあくまでもお考えか。もう現在、非常に困つておる個人業者の生活の問題になつておるわけなのであります。利益の問題ではないわけなのです。そこを聞かせていただきたい。
○奧野政府委員 物税であるか人税であるかという議論から、個人事業税は物税的な取扱いをしておつても、法人事業税においては違うのではないかというふうな意味の御質問が一つございました。物税だ人税だと言うだけではこの間の解決にはならないのでありますが、別に法人につきましては人税的な取扱いをしておるというわけでもございません。個人事業税の場合と法人事業税の場合と、物税だ人税だという考え方からいたしますならば、同じ取扱い方をしておるわけであります。個人事業の所得を計算いたします場合にも、人を雇つております場合にこれに支払いました給与は、経費として控除して行きます。法人の場合とその点は同じであります。反面また法人の所得を計算して参りまする場合に、法人税でありましたならばその法人が配当所得を受けます。配当所得を受けました場合に、配当所得につきましては三〇%の源泉徴収が所得税として行われております。従いまして二〇%の源泉で徴収された所得税額は、法人税を計算します場合吉にやはり差引くのであります。また同じような問題としまして、減税国債を買いました場合にも控除されます。そういうものは、法人事業税の課税標準を計算いたします場合に一切控除するわけであります。個人とまつたく同じように考えて参るわけであります。でありますから法人だけを特別な取扱いはしていないのだということを御了承願つておきたいと思うのであります。 次に私たちはこの事業税を物税だ、人税だということを申し上げますよりも、もうけのうちから払われる税金であるか、あるいはまた経費のうちから払われる税金であるか、こういうことで考えて行きまするのが最も正確ではないかというふうに思つております。そうしますと、事業税は経費のうちから払わるべき税金だという建前をとつておるわけであります。従いまして法人税や所得税の計算をいたします場合に、支払いました事業税額は、全部経費として控除して行きます。そうして幾らもうけがあるかという計算をするわけです。ところが市町村民税とか府県民税とかいいますものは、これは控除しないのであります。もうけのうちから払わるべき税金だという建前をとつておるのでございます。なぜこういう形になつて参るかと言いますと、事業をやつて参ります、そこに国民所得というものが生み出されて参るのだろうと思います。その国民所得を生み出す場合に地方団体も一役買つておるのではないか、だからその場合には、地方団体の一役買つています部分も、その事業に対価を払う人たちに負担してもらう、一応は転嫁を考えておるのであります。従いましてもうけを計算します場合には、この金額は経費として控除して参ります。要するに経費のうちから払わるべき税金なのであつて、それだけの経費はやはりその事業の対価を受けた場合に常に控除してもらいたい。すなわちそこからできた品物を買つて行く人がありましたならば、買つて行く人たちに一応それだけのものは背負わして行きたい、こういう考え方をとつておるのであります。もちろんそういうつもりであつても、今の所得を課税標準にする行き方ではうまく行かないのじやないか、こういう点は先ほど門司さんから指摘されていた議論であります。これはわれわれも同感であります。特に言われます問題は、法人と個人の均衡をどうしてはかつて行くかという問題だろうと思います。附加価値税の場合は、支払い給与分も課税標準にとつて行くのであります。だから個人であろうと法人であろうと、あまり差がなかつたのであります。そういう意味では法人の負担が重くなり、個人の負担がむしろ軽くなつたのであります。そこで事業税を踏襲するにあたつては、先ほど来申し上げましたように基礎控除の制度をとる、またその額を若干上げる、同時に税率におきましても、個人の方は若干引下げる、こういう方式を採用しながら、その間の負担の均衡をはかつて行こうという努力をして参つておるわけであります。この間の均衡をはかる問題を将来に延ばそうとしているのじやないのでありまして、あるいは不満足と思われるかもしれませんが、一応われわれとしましては、この程度において解決したいという気持を持つているわけであります。
○大矢委員 どうも私先ほどから説明を聞いておつても納得できない。われわれ皆同様ですが、党を問わず、帰つたならば必ず今度の改正について、こういう法人と個人との非常なギヤツプのあることを、説明を求められる。ところが相手を得心さすだけの説明をわれわれはできぬ。現に私ども今説明を開いても、どうしても納得できない、いつでもわれわれの言われることは、あんたたちがきめて来たんだと言われる。だから相手をなるほどと納得させる説明ができない以上——これは今いろいろ個人と法人との違いを説明がありましたけれども、どうしても納得できぬことは、一方には当人並びに家族はちやんと落す。こつちはそのまま置いておく。その落したかわりにそれはひとつ給料として払つているから所得税を払つているじやないか。こつちは払つてない。それを計算して持つて来る。その場合にどうなる。結局そうしたことが個人の方はうんと負担が多くなるの百ですから、何とかこれは簡単にそうじやない、お前らは損はないのだ、一緒だというので、われわれが地方で説明できるようにしてもらわないと困る。説明ができぬのに、なぜ承諾して来たか、これは党を問わず必ずやられるのです。これをひとつできれば文書で数字的にわれわれが説明できるようにしてもらわないと困る。
○伊瀬委員 これはちよつと簡単に聞いておきたいのですが、従来農業協同組合並びに農業協同組合連合会は非課税にするということに特例がなつている。ところが今度の法律でそれが出資協同組合として課税するということになるのですが、協同組合に対する考え方はどういうふうに考えておりますか。
○奧野政府委員 今度事業税につきまして改正を行いますにあたりまして、非課税規定と整理する、あるいは税率にいろいろな差異を設けているものはこれを整理する、こういう考え方が非常に大きな点であつたわけであります。その際にできる限りそれをなくするについては国税の所得税や法人税とはずを合うそうじやないか、そういう方向において非課税規定の整理等を行いたいというふうな方針をとつたわけであります。そうしますと、農業協同組合に対しまする法人税におきましては、積立金額が出資総額の四分の一になるまでは積立金に繰入れた金額が損金として課税の対象になりません。それではずを合せるとすれば、こういう方式をとるということになる。しかしながら農業協同組合というものは、今日なお育成の段階にあるのじやなかろうか、それなら積立金に繰入れたものだけを損金に入れるというよりは、とにかく何に使つても一応将来基礎の強化に使われたと見ようじやないか、しかし出資に応じて配当されたものは、基礎の確立に使われたと見ることは、これはちよつと当を欠くのではないだろうか、そこで出資に応ずる配当に使われた以外のものは、全部事業税の課税の対象にしない。さらに言葉をかえて申せば出資に応じて配当された金額だけは課税標準として事業税を課して行く、こういう考え方をとつたわけであります。
○大矢委員 ちよつと先ほどどなたか言われましたが、去年この委員会で各党一致して修正した例のクリーニング業、めん類食、これはあなたの解釈と大分違う。クリーニングは、特に厳重な監督を受けるし、まためん類食は、主として米が足りないために粉食の奨励をしておる。そういう意味でめん類はそうしよう。そのときに。パンをどうするかということを問うたところ、相当価格が税に影響を及ぼすから、次のときに考慮しようという説明があつて、そうしてそういう特殊に扱うことにした。だからあくまでもほかの事業と違う扱いをしなければならぬ。今度改正しようとするのには特に粉食奨励——これは政府特に自由党の最近強く言われておる粉食奨励なんだ。こういう意味で、これは別に扱うという前々からの考え方でこう修正されたのが、先ほどちよつと答弁を聞いていますと、何か同じように扱つておつたのだから、先にやつただけで差異がないのだというような説明があつたのですが、その解釈は私どもの決定した当時と非常に違うということを、ひとつこの機会に再認識をしてもらいたい。
○鈴木(俊)政府委員 先ほど私が御説明申し上げましたクリーニング業、めん類食提供業というようなものについての国会の御修正の趣旨が違う、こういうような御指摘でございますが、それは国会の御修正あるいは御可決になつたものでございますから、大矢委員の仰せになりますことは、私もその通り受取るべきものと思いますし、もし先ほど申し上げましたものが御修正の趣旨に沿わないならば、そういうふうに考えたいと思うのでありますが、たださようなめん類食の普及あるいはクリーニング業については、非常に規則が多くてなかなかもうからないというようなところから、特に税率を引下げられたということでございますれば、その目的もこの八%に引下げることによつてすでに達成せられている。従つてこれ以上に特に他の業種よりも下げる必要はないのではないか。むしろこの段階においては他の業種との間の均衡をとる、こういう意味において、むしろ他の業種をすでに引下げられているクリーニング業ないしめん類食の提供業の線まで引きおろして来る、こういう考え方で今回は立案に当つたわけであります。
○伊瀬委員 協同組合に対して課税するということになると、これは事業税等をかける性質のものではないと思うのですが、実際にこの農業協同組合は御承知のように、今再建整備で非常に苦心しておる段階であつて、これは当然従来通り非課税としてやるべきものだと思うのですが、この考え方が私は大体納得できないのです。
○奧野政府委員 御承知のように現行法では積立金の出資総額の四分の一に達するまでは、事業税を課さないということになつております。そういたしますと、四分の一に積立金がなりそうであれば、それを越える部分はどんどん出資に応じた配当をして行くという方針もとり得るわけであります。これではせつかく協同組今日の基礎を確立しようと考えているのに、税法がそれをじやましているじやないかという見方もできるわけであります。もし事業税を納めたくなければ、出資に応ずる配当をいたしませんで協同組合本来の精神に従いまして、事業の分量に応じてそれを割もどしていただければいいじやないか。そうすれば農業協同組合品に事業税がかかるということはあり得ないじやないか。これがむしろ農業協同組合本来の行き方じやないか。出資に応じて配当することが本来の行き方じやないか、もしそれならば株式会社とかわりがないじやないか、こういうような考え方を持つておるわけであります。
○門司委員 ちよつと関連して……。共済組合のような出資組合でないものは、非課税にしますか。
○奧野政府委員 出資組合であろうと非出資組合であろうと、別にそういう意味では区別は設けておりません。
○門司委員 その点はおかしいと思うのです。出資組合の場合は、今のような議論が一応成り立つと考えられるが、非出資組合はそういうふうには成り立たぬということが考えられる。それは、私法案の内容には触れたくないのだけれども、内容には水産業協同組合の共済会が入つておる。これが非課税となつておらない。この組合は大体出資組合じやないのですか。そこはどうなのです。
○奧野政府委員 非出資の組合でありますならば、剰余金が出ました場合に、原則として事業の分量に応じて割もとして行く以外に方法がないのではないかと思います。ただその場合に、積立てをして行く。現に相互保険の生命保険事業がそういう形式をとつておりますために、事業税額が上つて来ない。だから今度は第二課税をとろうとしているわけであります。そういうふうに非出資の組合でありましても、積立てるという方式はとれるわけであります。その場合にはやはり一種の出資に応ずる配当といいますか、それが将来の組合員の利益になつて行くという意味でありましようか、事業の分量に応じてではなしに、そういう意味の利益になつて行くという面が生じて来るのじやないか。そうしなければもちろん課税はされないのでありますが、そうした場合は課税の対象になつて来る、こういうことはあり得ると考えます。
○門司委員 この点は明確にしておかないと疑義が起ると思う。その事業の実態の内容について税金をかけて行くというようなあいまいな税法であつてはならぬ。この非出資の組合というものは、原則的には積立ては、あるいはあるのかもしれませんが、積立てというものは、一つの便宜的なものであつて、何も組合の利益というのでなく、組合員自身の利益に還元される一つの性質を持つていると思う。また一つの性質としては当然事業収入を得る組織になつておりませんので、従つて事業収入とみなして税金をかける事業税の対象には私はならぬと思いますので、原則的には少しおかしい。原則的のものはやはり守るべきじやないですか。原則的のものでない非出資組合までに、現実がそうだから税金をかけるということになると、さつき伊瀬さんのお話にあつたように、農業協同組合その他についてもやはりいろいろな議論が出て来る。農業協同組合に税金をかけるという趣旨は、結局出資組合であるからだある場合においては、その組合は利益団体とみなすために税金をかけていると思う非出資組合の場合には、利益団体と見るわけには行かぬじやないか。この点だけはやはり税法の上で明確にすべきであると思う。
○奧野政府委員 原則的には門司さんのおつしやつたような体系をとつておるのであります。ただ御指摘になりました水産業協同組合共済会、これに課税をしている、これは非出資の組合であるのに制度上は課税をする建前に書いているのはけしからぬ、こういう点に疑問を持つたのではないかと思いますが、実は事業内容を法律に基いていろいろ検討して参りますと、「会員がその事業の用に供する建物、工作物その他省令で定める物件又はその事業場の取扱に係る物品につき、火災、水災又は風災に因つて生じた損害について、会員に対し共済金を交付する事業を行う、」こう書いてあるのであります。一般の損害保険の事業と大同小異なのであります。そうすると一般の損害保険につきましては、課税をしておるものでありますし、またほかの農業協同組合あるいは水産業協同組合本来の仕事から、ちよつと離れた仕事を主目的にしておるように見受けられるので、あります。そこで従来事業税を課さないという規定にして置きましたのは、少し行き過ぎじやないか、だからこれをはずしまして、特別法人に持つて行く、しかしながらもちろんこういう団体でありますから、事業の分量に応じて剰余金を割りもとして行く場合には、これを損金とみなして課税の対象に入れないわけであります。ただそういうような事業の実態が、他の協同組合本来の仕事とちよつとかけ離れておるように思われますので、かような取扱いにいたしたわけであります。
○石村委員 もう六時だからやめたいと思つているのですが、さつきの個人事業税の経費の問題です。後藤さんなどは、経費として引かれるというお話で、その通りだと思うのですが、会社にいたしますと社長、主人は社長になつて、社長の給料も引かれるし、家内は専務か何かになり、子供が常務になり、皆引かれるのです。個人事業の場合には、よそから、雁つて来た小僧さんというものの給料は引かれるでしようが、主人は引けといつても引けないでしよう。妻だとか子供なども、やはり従業員として経費を引くことができるように認めているのですか。
○奧野政府委員 法人の場合には、支払いました給与は全部損金に落してしまいます。そのかわり先ほどもおつしやいましたように、支払われた給与を受ける人に対しまして所得税が課せられて参ります。反面個人事業税の場合には、配偶者でありますとか子供さんでありますとかが事業を手伝つています場合には、七万円ずつ所得から差引いて行きます。これはもちろん所得税の対象にはなつて参らないわけであります。そういうふうな点に扱いを異にしておるわけでありますが、実態が個人とまつたくかわりがありません場合には、同族会社といたしまして所得税の対象にし、あるいはまた個人事業税の対象にするというような建前はとられておるわけであります。しかしながらいずれにしましても所得税の段階になつて参りますと、法人の場合には四二%であります。個人の場合には一五%から漸次累進して参るわけであります。そういうように法人と個人とは税額がまつたく別だという建前をやはりとつておるわけでありまして、税額の計算におきましてはどちらが有利であるかということは、簡単には律しされないのじやないだろうかというふうに思つておるわけであります。
○石村委員 今の七万円というのは、七万円ずつ引くのですか。法人と個人とどちらが利益かわからないという御説明なのですか、実際は、大きな法人などについてはそういうことが言えると思う。現在も昨年の国会で、企業組合とか同族会社というのを認めないというようなことになつて、非常に問題を起したのですが、いろいろやつて、結局小さな業者はやはり法人にかえた方が有利だということに、実際には計算してみるとなるようなんです。そうして、個人の事業がもうかる場合ならいいのです。また法人にもかえ得るのですが、もうからない、やつと飯が食えるか食えぬか、朝から夜おそくまで働いて飯が食えるか食えぬかという個人業者の事業税が、一番問題になつておるわけです。その点の現実の実態を御認識になつて、個人事業税については考えていただきたいということを申し上げておきます。
○奧野政府委員 お述べになりましたような考え方も持つておりますので、第一には不十分かもしれませんけれども、法人事業税には基礎控除の制度をとらないけれども、個人事業税につきましては基礎控除の制度をとりまして、所得から平年度七万円を控除した金額を課税標準にして、この金額を若干上げております。これが第一点であります。第二には、法人事業税の場合には、一〇%ないし一二%の税率を用いるわけでありますが、個人事業税の場合には、八%に税率を引下げているわけであります。これも今回採用いたしました新しい方式であります。第三には、これは事業所得の計算にあたりましてでありますけれども、専従者控除を配偶者にまで広げて行くという方式が、所得税法の改正において別途とられているわけであります。こういうように、今回におきましては相当思いきつて個人の負担を緩和する措置がとられようとしているわけであります。 —————————————
○中井委員長 この際お諮りしたいことがございます。すなわち、去る十一日の委員会におきまして、来る十六日及び十七日に開会することになつております警察法案に対する公聴会の公述人を選定いたしましたが、そのうち十六日に出席を求めた主婦連合会副会長船田文子君、及び十八日に出席を求めた早稲田大学教援矢部貞治君より、それぞれ都合により出席し得ざる旨の申出がございました。つきましては、この両君のかわりに、主婦連合会総務藤田孝子君、及び一橋大学教授田上穰治君の両君を公述人として意見を求めることにいたしたいと思いますが、これに御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中井委員長 御異なしと認め、さように決定いたしました。 本日はこれをもつて散会をいたします。 午後六時三分散会