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19回国会衆議院1954/03/10

地方行政委員会 第27号

発言数
199
登壇者
14
会派数
4
開催日
1954/03/10

会議録

中井一夫自由党

○中井委員長 これより会議を開きます。  昨日に引続き地方税法の一部を改正する法律案を議題として質疑を続行いたします。質疑の通告がありますので、順次これを許します。北山愛郎君。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 きのうに引続きまして、きようは塚田長官もお見えになつておりますので、今回の地方税法の改正案に関連いたしまして、総括的な点についてお伺いをしたいと思います。  第一に今度の改正法によりまして、本年度の地方財政の計画というものが立つておるわけでありますが、この前にも御指摘申し上げました通りに、地方税の税収見積りというものが非常に過大ではないかという点について、非常に納得の行かないものがあるのであります。たとえば政府がその意見を徴しておると言われております税制調査会の見積りと比べて参りましても、国税と地方税に相当な開きがあるのであります。国税の見積りにつきましては、税制調査会の見積りよりも政府案の方は約二百七十億円も低く見積つておるわけであります。これは現行法というものをそのまま踏襲するといたしました場合に、税制調査会の見積りと比べてみますと、本年度の政府の見積りというものが二百七十億も減つておる。ところが地方税につきましては逆に税制調査会の見積りよりも自治庁の方の見積りが多くなつておるわけであります。私の計算によりますと、これは都道府県税、市町村民税、地方税と合せまして、約二百十八億円も多く見積りをいたしておるわけであります。税制調査会の計算もそれぞれの相当的確な資料に基いてやつておられる。また政府もその意見を徴しておるわけでございます。ところが今回の地方財政計画なりあるいは地方税法改正の基礎をなしておる税収の見積りにおきまして、国税においては見積りを低くいたし、地方税におきましては税制調査会のものよりも二百十八億も多く見積つて、自然増収を四百十一億見積つておるという点は私はどうしても納得ができない。この点についてひとつ塚田長官から明確なお答えが願いたいと思うのであります。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 いろいろ御意見があり、ことに大体これくらいの過大見積りじやないかという数字をあげられての御意見なのでありますが、どの税がどれくらい過大になつておるのか、個個の数字の内容をお伺いして、また私どもが算定をいたしておりますのと比較して、よく検討してみたいと思うのでありますが、ただ全体論として申し上げますならば、私は地方税の方は相当大きな部分が前年度の国税の実績というものを基礎に置いてやつておりますので、国税の場合と同じような見積りの結果が出て来るということはないのじやないか、私はこういうふうに考えておるわけであります。また一部分当年度の国税の見積りを基礎にいたしておりますのは、これは実際の徴収の結果が余分にとれて来れば、また当然増収が出て来るのでありまして、そういう面におきましては、むしろ北山委員が御指摘になりましたように、国税の方はもう少し見積りがあるのを相当堅実に見積つていられるのじやないかという感じを持つております。ただ私どもが心配をいたしておりますのは、固定資産税におきましては、若干土地の値上りというものを考えておりますので、前年度よりもかなり大きな税収を見込んでおります。この面に若干困難があるかという感じをいたしておるだけでありまして、全体といたしましては御指摘のような地方税の見積りが実情に即さない、非常に過大なものであるというような感じはいたしておりませんので、むしろ着実に見積つてある、堅実に見積つてある、こういうふうに考えておるわけであります。  なお国税の場合には、見積りを予算面で非常に堅実にいたしましても、現実に徴収の結果それ以上の収入があれば、当然増収としてそこに出て参りますので、やはり税はどこまでも税法を確実に、正確に適用して、なるべく百パーセントに近く徴収するという考え方であるべきが至当と考えておるわけであります。  なお個々の税目につい御不審の点があればお示しを願つて、内容を詳細に検討いたしてみたい、こういうふうに考えるわけであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 地方税につきましては昨年度の所得を基準にいたしておるからして、そこでこのような自然増も出て来るというようなお話でございますが、しかしこれは現在の徴税のやり方がそうなつておるから、そうなのでありまして、地方税をとる場合の一つの政策を立てる上においては、ただそれだけではいかぬのじやないかと思うのです。大臣の提案理由説明要旨にもその点は事業税について述べられてあるわけであります。「経済情勢や租税体系の変遷等に伴い、常に税負担の合理化及び均衡化をはかつて参りますことは当然のことでありますが、上昇を続けた物価がむしろ下降の傾向をたどろうといたしますときに、前年所得を課税標準とする個人事業税の現行税率による負担は重きに過ぎます。」云々と書いてあるのでありまして、やはりこの趣旨に従つて、今年度の事業税についても、税率において若干の軽減を提案されておるわけだと思うのです。要するにたといこの課税標準が昨年の所得を基準といたしましても、実際に納税する納税義務者というものは今年の所得から出すことは当然でありまして、これを経済的に、国民経済という立場から見ますれば、やはり今年の担税力というものを加味しなければならないということは、租税の政策といたしまして、国税につきましても、地方税につきましてもやはり同じ理論じやないか、こういう趣旨が今のこの説明要旨の中に入つておるわけです。そういう趣旨から申し上げるのであります。そこでこの地方税につきまして、現行法で行けばそれだけの自然増収があると、かりにいたしますならば、なぜ事業税のみならず、いろいろ負担が重いと言われております市町民税、あるいは固定資産税につきましても、減税の措置に出られないで、そして単に自然増収があるんだというふうに思われたかどうか、ここが問題だと思うのです。国税については、先ほど指摘をいたしましたように、単に税制調査会の児積りよりも、政府が見積りを低くしておるというばかりでなく、今年の国民所得というものを比較的低く見ておつて、また相当の減税もしているというような取扱いをしておるわけであります。地方税につきましては、その措置を多少事業税等においてしているわけでありますが、一方においては新税――不動産取得税のごときものを創設し、またその他の税についても自然増収一五%を見ておるというようなことなのでありまして、その点の矛盾を指摘したいのであります。従つてこれが現実に国からの平衡記交付金なり、あるいは起債なり、そういうようなものに影響いたしますので申し上げるわけであります。無理な税の見積りをし、また無理な地方財政の計画を立てましても、結局国民の担税力がそれに伴わないということになれば、結局税の徴収率が悪くなつたり、その結果として地方財政に赤字をふやして行くということになるわけであります。また同時に、今年は御承知の通りに補助事業、あるいは単独事業におきましても、相当額の節約が見込まれておるわけであります。三百六十五億という節約が見込まれておる。そういたしますと地方団体としては、一方においてはサービスを減らして、そして税金をふやしてとらなければならぬという矛盾した結課に陥る。これは地方自治のほんとうの姿からいえば、サービスはするんだ、しかしその費用は税金としてとるんだということでなければならぬのに、事業の方はさつぱりできない、税金の方だけは余計とるんだという結果になりまして、地方団体が非常に苦しい立場に追い込まれる。それがまたまわりまわつて、税の徴収率を悪くするということになるわけであります。そういうことから、私は地方団体の本年の財政計画というものの基本をなす、その主要な部分を占める税収見積りにおいて、非常に無理な見積りをしているのじやないかという点を指摘したいのであります。その点、単に従来の行き方であれば、これはとれるはずだというようなお答えでなしに、もつと高い立場から地方団体の財政、あるいはその仕事というものが成り立つて行くか行かないかという点からひとつお答えをいただきたいのであります。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 いろいろ御意見を伺つておつて、ごもつともな節も多々あるのでありますが、ただ私、問題は二つ要点があると思うのであります。御指摘のように、住民負担が非常に重いという点は、たしかに私どもも絶えずそう感じておるのでありまして、なるべく下げたいということを感じ、また景気が今年は幾らか悪くなるからというような考慮も含めて、事業税などの減税をいたしたということも御指摘の通りであります。ただ住民負担が重いという点は、ただ地方税だけについて考えるべきでなしに、地方税と国税を通じて考えて、そうしてその中から地方税に割振られる部分というものを考えて、それでもつて地方の財政がどういうぐあいにまかなわれて行くかということであると思うのであります。もう一つ、一旦そういう観点から立つて、それで地方税はこれくらい、それから国税はこれくらいという税法自体の考え方がきまりますれば、その税法に従つてどういうぐあいな税収見積りを立てて行くかということは、これはおのずからその基礎になる所得がどれだけあるかということと、それをどの程度に徴収率を見て行くかということできまつて来るはずでありまして、住民負担が困難であるから見積りを下げておくという考え方は、これは税を扱う行政といたしましてはできがたいわけであります。ですから御指摘の負担の重いという点は、どこまでも税法自体で考える。しかもその場合には国税と地方税を通じて考える。私はむしろ地方税の方でよけいとられるということは――今まで国税でよけいとつておつたものを、国税と地方税を通じて負担は増にならないが、しかし地方税の方は幾らか負担増になつているということは、地方がそれだけ独自財源をもらつたということになるのでありまして、今までの形からすれば、かえつて私は地方財政の立場からは堅実になり自主的になつて、よくなつたのではないかと、こういう感じを持つているわけであります。税法でそういう考え方が一旦きまつた以上は、その線に従つて私ども事務当局といたしましては、妥当な線の徴収率を見込み、そうして妥当な線の税の基準になる課税の標準価額というものを見込んでここで出して来るというのが、当然税収の見積りであるべきでありまして、そういう意味において私どもは見積りが決して過大であるとは考えておりませんということを、先ほど申し上げたのであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 ただいまの説明では、私どもは十分納得は行かないのであります。国民負担の関係からいたしましても、国、地方を通ずる増税約五百六十八億ですか、その増税の大半というものは地方税の増税に見込しまれている。国の方ではわずかに百五十一億です。ところが実際にはおそらくそれ以上、いわゆる自然増収とか何とかいうて、国税の上で五百億、あるいは千億という人もありますが、そのような税の伸びがあるということになれば、これは国民にさらに税負担を増すことになりはしないか、こういうふうに考えます。またそのしわ寄せがどこが一番こうむるかといえば、おそらく地方団体じやないかと思うのであります。そこで次に、ただいまの塚田長官のお話でございますが、地方団体に独立の財源を与えて、そうして自立体制を強化する、こういう趣旨でやつたんだというようなお話でございます。これは都道府県民税あるいは不動産取得税のようなものをさすのだろうと思いますが、ところがこの道府県民税というものは一体ほんとうの独立財源であるかどうか、むしろこれは一つの付加税じやないか、市町村民税付加税といつてもいいくらいなものだ。ですから独立財源といいましても、一応名前を、この府県民税という名前をつけただけであつて、実際にはこれを各市町村に割当をするのであります。そうして市町村がそれを地区内の住民に一定の比率でもつてこれをわけて、同じ切符でとる、その徴収の事務を町村長に命じてある、そのようなかつこうの税金でございまして、これはほんとうの意味の独立財源とは認めがたい。それから不動産取得税にいたしましても、これは固定資産税にくつついたようなものでありまして、昨日ですか、税務部長からお話がありましたが、固定資産税の前取りであるというような御説明もあつたわけでありまして、これは税目はなるほど独立財源のようでありますが、結局固定資産税の増徴である、そこれに付加したものであるというふうな解釈も成り立つのであります。またタバコの消費税にいたしましても、これは今回地方に一部委譲になつたわけでございますが、独立税というよりはむしろ国の方から専売益金を一部委譲した方が簡単なくらいでありまして、ただ名前としてタバコ消費税という名前で道府県あるいは市町村に別個にこれをめんどくさい手続をやらしてとらせるにすぎないというふうにも解釈されるのでありまして、私どもは、独立財源を与えて自立態勢を強化したというようなただいまの御説明は、どうも今度の改正では受取りがたいのでありますが、この点についての説明をいただきたいのであります。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 この点は御指摘のように、完全な意味の独立税ということでありますならば、それぞれの自治団体が自分で賦課をし、自分で徴収をするということになると思うのであります。ところがシヤウプ勧告に基いた今の税制がそういう行き方である結果、非常に徴収面においてむだな手数や費用をかけており、そのことがまた地方財政の経費増にもなつておるというような点を勘案いたしまして、なるほど完全な意味の独立税ではないが、しかし独立税にずつと近寄つたものを考えたというのが今度の税制改革の構想であります。このように別途の面に考慮を加えたために御指摘のような完全な意味の独立財源ではないという点は、私どもも了承いたしますけれども、しかしそれで全然その独立財源という実が上つておらないということではないのではないか、こういうふうに私どもとしては考えておるわけであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 次に道府県民税でございますが、これについては私どもはいろいろ疑義を持つておるわけであります。今まで市町村民税でとつておつたものを一都道府県の方に委譲して、特別な道府県民税というような名前をつけて、そうしてとることはやはり市町村にとらせるというようなめんどうくさいことをなぜやらなければならぬのか、しかもその総体の税収が百七十五億にすぎないというような点から考えてみましても、いろいろこの新しい制度には疑問を持つのでありますが、その第一点としまして、この基本方針の第四に、道府県に対して住民が広く負担を分任する税金を与えるというようなことが書いてあります。県民に対して広く負担させるということ、同時にこれは分任させるという以上は公平でなければならぬわけであります。県民として同じ条件の考であれば、同じ程度の生活をする者であれば、同じような基準によつて道府県民税を負担させるということでなければならぬ。ところがこの制度によりますと、一応市町村に割当をして、そうして市町村民税をとる方法に従つてとるわけでありますから、市町村ごとに、個々の人については不公平になる場合があるわけであります。同じ所得の人が市町村を異にすることによつて県民税が違つて来るわけであります。同じ県民としてそういうことが一体許されるか、どうか。これは租税の公平の原則に反するのではないか。これは市町村民税であれば、その市町村を異にするごとにサービスも違うし、いろいろな方針も違うでありましようから、違つてもいいでしようが、同じ道府県内にある人が同じ所得でもつて別個な県民税をとられるということはどういうことであるか。要するに租税公平の原則に反するのじやないかと思うのです。どうも今度の制度によりますとこの原則を蹂躙しているように思うのですが、いいがでしよう。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 この点は、御指摘のような感じも私ども一部分ありますので、ずいぶん検討を加えた結果、この制度が一番現実的でしかも公平の考え方もある程度入れられるということで、こういう結論におちついたわけでありまして、どうしてこの県民税というものを市町村民税から抜いて行つたかということでございますが、私どもはこの負担分任の考え方を県という自治団体に考える趣旨は、やはり今までの市町村民税と同じように、相当たくさんの人たちが府県民税を負担するという形が一番いいのじやないかという感じを持つたのであります。従つて最初に考えましたことは、市町村民税はそのままにしておいて、府県足税を同じ人たちに背負つてもらうという考え方であつたわけでありますが、その場合における負担増というものを考えるとやはりそれはできない。そうすると次の段階には、市町村民税をそれだけ減らして府県民税に持つて行くという考え方に行つたわけであります。従つて市町村民税のそれだけの減額は別の面でもちろん補わなければなりません。その措置をいたしまして、これを県民税に持つて行く。その場合に、ただいま御指摘になりましたような、市町村によつて府県民税の負担が、同じ条件でありながら違う、同じ所得の人が、たとえばある町村では一万円の負旦をする、他の町村では一万百円の負担をするというように、若干その程度の差が出て来ると思いますが、その点は私どももずいぶん考えた結果、課税の便宜ということもいろいろ考えて、少くとも市町村単位においては不公平は生じないようにする。それから県税を各市町村に側当てる場合においては、市町村を標準に置いて、絶対に不公平がないようにする。ただそれぞれの市町村団体の中で、それをどういうふうに割当てるかということは、これは市町村の独自の考え方で、その総額のわく内において市町村の実情に即したと考えられる方法があるならば、市町村によつて別の方法を考えられても、それはその面においては、その市町村内における公平というものが十分に保たれておるはずであるから、その方がむしろ妥当なんじやないか、かりに妥当と言えないまでも、忍んでもらえる程度の不公平さであるのではないか、こういう考え方がこういう案にいたしました理由であります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 ただいまのお話のようでありますと、あるいは今度の改正案のようでありますと、これは性質上は県の経費を各市町村に負担させるという賦金みたいなものならばわかるのですが、しかし今度は、末端の一々の納税義務者、県民としての納税義務者を考えた場合には、先ほど申し上げたように、負担の公平の原則を無視するならば、租税の根本原則――ここにも書いてある広く分任させるのだということの中には、やは公平にやらせるという意味も含んでおるわけでありますから、そうでなければ県民としては納得が行かないわけであります。同じ県民として同じ所得のある者が、市町村によつて県民税が違うということはおかしいと思います。地方税法の第六条にはいわゆる不均一課税の規定がありますが、その裏にはやはり課税の公平の原則というものがあるはずです。だからしてその条文を蹂躙しておるのだ、こういうような理由から、このようなやり方の道府県民税は成り立たないと思いますが、いかがですか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 お話のように厳密に申しますと、市町村間におきまして、所得割の額が若干相違して来るだろうと思うのであります。ただその場合におきまして、今おつしやいますような点を重点的に考えて行くか、あるいは市町村内における負担の公平といいますか、あるいは市町村内の平和といいますか、そういうことを重点的に考えて行くか、やはり相互関連した問題じやないだろうかと思います。もしこれを非常に厳格に申しますならば、所得税額そのものと市町村民税の所得割相互間にも不均衡があるということは、国全体で負担の均衡を考えて行かなければならない場合において、これもまた困つた問題じやなかろうかというようなことも言えるのじやないかと思います。しかし市町村内におきまして、所得税額を基礎にして考えました場合の市町村住民相互間の負担の割合というものと、市町村民税の所得割をとりました場合の納税義務者相互間の負担の割合とは、現行制度においては違えるという建前をとつております。また私たちは、違えるという建前をとつた方が市町村内の実質的な負担の均衡が保たれ、あるいは平和が保たれるというような考え方を持つておるわけなのであります。そういう意味から言いますと、ある程度市町村相互間において違いがあつてもさしつかえないのじやないか。しかしそれが著しい金額になりますならば、ここにやはり一つの問題を提供するだろうと思うのでありますけれども、現在の個人所得割におきましても、所得の額に均衡がなくなつて来てあるいはまた所得額についてひずみになつて来ているけれども、大体そう大体そう大きな差がないものでありますから、その程度の差は大体市町村内の平和といいますか、税務行政の円滑化といいますか、そういうことからがまんできる程度のものじやないだろうか。それが五割も違う、十割も違うという大きな差が至るところに起きて来るということなら非常な問題でありますけれども、大体その差というものは容認できる程度の問題じやなかろうかとういうふうな考え方を持つておるわけであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 それは国税に限らず、地方税でも現実の税の不公平ということはあり得るわけなんです。しかし制度として考えた場合に、県民税なら県民税というような一つの制度として考えた場合に、初めから市町村ごとにそういう差異が出て来ることをわかり切つているような制度をつくることはどうかということなんです。理論的な租税というものは、単に法律で個々の規定をつくればいいというのじやなくて、やはり大きな原則があるのじやないか。税金というのはただとればいいのじやない。一方ではサービスをやらなければ、やはりとれないということになるわけであります。このようないろいろな租税上の法文の中にはないような原則の上に立つたものでなければ、一応実施されましても悪税になつてしまう。そういう意味からすれば、ここに書いてあります県民税というものを創設する趣旨は、広く県民の県の経営を負担させるという趣旨から行つておるのですから、従つてこれは建前上少くとも公平でなければならぬので、初めから市町村ごとにかわるかもしれぬという建前のもとでは、理論構成の上で成り立たぬじやないかということを申し上げ石わけなんです。現実に所得税においてもその他の税においても不公平が存在するということは私も認めるのです。しかし税制を立てる上からいつて、初めから不公平が多少ほかにも現実にあるのだから、このくらいの差異は制度的にいつてもいいのじやないかというようなお考えはどうかと思うのですが。いかがでしようか。

加藤精三自由党

○加藤(精)委員 関連。北山委員からたびたび同一問題について、ことに租税理論上の御質問がありましたので、なかなかわれわれとしても研究の余地のあることだとは思いますけれども、どうも租税原則の中に公平原則しかほかにないというような御議論は、北山さんは租税原則の中で租税理論上の法則や地方税法の原則や、百も千もたくさんの原則のあることを御承知の上で、租税原則の中には公平原則以外に全然ない――公平原則をもし押し通すなら、十五人乗りのバスと十六人乗りのバスと十七人乗りのバスと十八人乗りのバスと、全部の税率をかえなければならないことになるのであります。そういうようなことはとうてい行われないことで、ある程度公平原則は犠牲にしても、全般の徴税費がべらぼうにかかるならば、これは徴税費の原則等をも考えなければならぬ場合がたくさんあるのであります。またこれは個々の人から見ますと、従来もオプシヨン三でそれぞれとつている税額を何も差異はないので、単に観念上府県民税でとるか、市町村民税でとるか、それを強調して当局も住民税というものを一体としての租税として考えてほしいと言つておるのでありまして、住民の側からいえば公平の点から見て一つも違つたことはない。ただ府県税の面からだけ見るとおかしい形になると言いますが、ある村でオプシヨン一をとつて税をかける、ある村でオプシヨン二でもつて総所得にかける。そういつた差があつても、これは市町村民税の側からいえば、府県民税でいつただけ非社会政策的なオプシヨン二が、今度はその弊害が少くなつて来るわけであります。そういう面からみまして、われわれ市町村を経営した経験のあるものは、これを別に賦課税徴収することはとうていその煩にたえられないと思うのであります。おそらく町村の経営をされたことのある北山委員におかれましても、その点はよく御了解なんだろうと思うのでありますが、そういう点について公平原則以外の諸原則を十分に御考慮になつた上で、こういう立法をしたということではないかということをお尋ねする次第であります。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 今お話になりました点は大臣からもお答えになりましたように、われわれ府県民税を創設するにあたりまして一番苦心をした点でございます。その際に昨日も申し上げましたように、農業や林業にも事業税を課するか、いや、それよりは府県民税だけで、府県の住民全体でこれを育てて行くような段階に打つて行きたい。それでは府県民税をつくつて――先ほどおつしやいましたように、従来のような府県税の観念で持つて行きましたのでは、莫大な徴税費を必要とするようになつて来る。今回は徴税費というようなものはできる限り少くしたいという方向で制度改正を考えて行きますのに、府県民税において逆な結果を生じて来る。これはおもしろいことではないじやないか。というふうに考えたわけであります。そこで従来の観念にとらわれませんで、府県の実態というものをも考え、また今後あるべき府県税の一つの姿をつくり出そうじやないか。こういうことが今回の立案の考え方の基礎になつて問題であります。昨日も門司さんから指摘されたのでありますが、均等割の点につきましても所得割と同じような方向をとる道もあるのであります。しかしながらこれにつきましては、やはり全体を通じまして百円と一率な金額を定めたわけであります。所得割の点につきましては、国と府県と市町村とが共同関係に立とう。従いましてある部分については国から通知をする。ある部分については府県や町村の側から国に対して更正を求める。そういう形をとりながらも、一体公平というのは何が公平であるか。たとえば所得税額をきめます場合の累進税率が公平なんだ、いや、市町村が個々にきめておる累進税率が公平なんだ。これはいろいろな見地があるだろうと思いますが、府県と市町村との共同関係を強く打出したい。同時にまたそれが容認できないものでありますならば、ある部分においては、これらの共同関係を通じて是正されて行くのではないだろうか。たとえば市町村民税の所得割が不当に高過ぎます場合、あるいはまた不当にその負担の公平を欠いております場合には、これらの府県民税の課税の決定を通じまして、むしろ一つの新しい問題点を表に出して行くのではないか。それらを通じまして市町村民税の課税の是正にも役立つて来るのではないかということも考えたのでありまして、まつたく総合的な見地からこういう結論を出したのであります。言いかえれば新しい一つの行き方をしたい、こういう考え方が基礎になつております点を御了解願いたいと思います。従来の観念だけで行きましたら一つの矛盾ではないかとおつしやられるだろうと思いますが、私たちはむしろこういう姿を今後なお一層研究して行きたい、こういう気持を持つておるのであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 私も租税の原則の中に公平の原則以外のいろいろな原則があることはもちろん承知しております。しかし公平の原則は非常に大事なものであるということもよく承知しておるわけであります。また同時に委員会の審議の場合におきましても、ほかの委員の質問の関連質問と称して、政府委員の答弁のごとき質問をなさることは、あまりよいことでないということも常識として知つておるわけであります。しかしながら私は、この税の建前としてやはり公平の原則が一番大事であるということを、先ほど加藤委員が御指摘のようなことを自分の体験上痛感しておるわけでありまして、特にこの点を強く申し上げたわけであります。  そこで徴税費々々々というようなことを先ほど来言われておるわけでありますが、なるほど市町村に道府県の県民税の徴税の事務をやらせれば金はかからぬかもしれない、しかし市町村はこの事務のためにたまつたものじやない、なるほどこれを見ると同じ切符で出すようなことを言つておりますけれども、しかし一体どういうふうにこれをなさるのか、あとで詳しくお聞きをしたいのでありますが、異議の申立てはやはり市町村長が受けなければならぬ、県民税の異議の申立てを市町村長が受けて、滞納処分だとか、徴税上にいろいろな関連のある煩瑣な仕事を市町村がやつてやらなければならぬ、この点はなるほど徴税費の節約にはなるかもしれぬけれども、市町村の事務の上では莫大な負担をかけておるわけなんです。現在固定資産の評価事務並びに市町村角税の事務それ自体でいかに市町村の徴税の吏員なりそういうものが膨脹しておるかということは御承知のはずなんです。さらに府県の県民税の徴収の仕事まで負わされて、そして金がかからぬからいいのだ、全体それで済ませるものかどうか、しかも先ほど税務部長が言われましたように、これは協同関係である、国と府県と市町村がお互いに助け合うのだということは、これは言葉の上では非常にきれいでございますが、実際は仕事の押しつけなんです。おそらく市町村はこの仕事を、よその府県の税金までとることを喜んでやるわけじやないと思うのです。その点は十分考えなければならぬ。単に徴税費が安上りで済むなどということを単純に考えたら自治庁の仕事としては間違いだと思う。しかもこれに税法の上でははつきり書いてあるのです。第二十一条に府県は税の徴収の事務を市町村なんかにやらしてはいけないという原則が書いてある。今度のは例外なんです。今度の県民税だけは例外にしてある、原則が二十一号に書いてあるのです。そういう余分な仕事をやらしてはいかぬと書いてある、だから地方税法のほんとうの原則というものを今度は踏みにじつて、協同関係だとかないとかいつたつて実際は市町村に余分の仕事を負担さして、そして安上りに都道府県税を取立てろ、これがこの税金のねらいなんでありまして、どうも先ほど来の答弁では私は納得が行かない。お答えを願います。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 この点は残念ながら私は北山委員のお考えと全然違うように感じておるのであります。私は住民の立場からすれば、一番国の費用が安く上るということは望ましいのであつて、同じだけの税金が国民の手から離れておりながら、それが自分のところへ帰つて来る利益という面になつて、その途中でロスの部分が多いということは国民としては耐えがたいことだろうと思うのであります。最もロスになる大きなものは私どもは徴税費がその一つのものであると考えます。従つて徴税費は最も安くということは、税というものを考える場合に最も注意をしておかなければならないわけであります。もちろんそういう考え方ばかりで税を考えるというわけには行きませんので、やはりそれぞれの自治団体の今の負担分任という考え方から、また独立税というような考え方からも考えなければならぬ面もありますが、そういういろいろな面の考え方を総合いたしましても、やはり一つの税をとるときにどこかでまとめてとつてもらうということができて、それが他の原則にそう大きく支障を来さないということであるならば、それが最もいい方法じやないだろうか、ことに府県と市町村というような間柄におきましては、おれは知つたことではないというような考え方が市町村にあることは、同じ自治団体の考え方としても適当でないのであつて、府県が市町村のためにやられることがあれば大いにやつてもらう、また市町村が府県のために代行して、それで住民に喜ばれることがあれば、市町村も仕事を押しつけられるというような考え方でなしに、大いに協力される方が最もいいのではないか、私どもはこういうように考えておるわけであります。現行税法には御指摘のような考え方が確かに一つ載つておるのでありますが、私どもはこの考え方も、自体府県と市町村というような間柄におきましては、これは直す方がしかるべきであるという考え方になつておりますので、その点は今度の改正にもこの点を改めるというように規定をいたしておるわけであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 私も大臣の言われる観念的な趣旨といいますか、気持は別に反対ではない。税金は安上りにとるということは私も賛成なんです。それならばなぜそういうふうな制度改革をしないか、今でも国税事務所、地方事務所、市町村と別個にとつておる。そういう建前だけはそのままにしておいて、そうして今度は市町村民税をわけて、道府県民税と二つにわける。とる方のことは市町村でやらせる。要するに機構を単純化しているのではない。国税であろうが、府県税であろうが、市町村税であろうが、末端の市町村でみなとつてわけてやる。府県にわけてやる。それが一番いいでしよう。しかし実際にはその方向ではなくて、税目をわけて――ずたずたにわけて、そのとることについては協力関係、それでは私は大臣の言われる趣旨に合わぬと思う。かえつて事務を錯綜させて、その錯綜によつて生ずる経費を節約するために市町村に無理をさせるという結果になる。だから趣旨は私は賛成でありますが、その通りなつていない。むしろ反対の方向を行つておるということなんです。ですから私はこの県民税については徴税上についてもあるいはその公平原則とか、そういうことについてもいろいろ疑点があるのですが、一方納税義務者の立場からいえば、県民税はやはり県の仕事に使う。県に納めるものなんですから……。市町村民税は市町村の仕事に使う。市町村民税は市町村に納めるものだというような考え方、ところが同じ切符で片方だけ納めるというわけには行かない。市町村民税を納めるときには県民税も一緒に納めろということになつては、それでは納税義務者の自由ということも阻害しているのではないか。片方だけ納めるわけには行かないというような納税義務者の自由そのものも縛つておるような態勢で、はたしてほんとうの独立税であるということが言えるかどうか、こんなことまでして百七十五億の税収をやつて一体府県にどのくらいの収入が上るか、これを見積りがあると思うのですが、一番少い府県はどのくらい、一番多いところはどのくらいになるか、それをお聞かせ願いたい。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 今の府県別の数字は調べまして後刻お答えをいたします。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 私はまたあとでやります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 せつかく大臣がおいでになつておりますから、税金のことはあとで係の方に聞くといたしまして、いきさつだけを聞いておきたいと思いますが、今度の税法改正については地方制度調査会の答申が一応考えられる。さらに税制調査会の答申が考えられる。それが大体その基礎をなしておるというふうに私自身は考えております。問題はその中でたとえば遊興飲食税は国税に移管するということが、大体あの地方制度調査会あるいは税制調査会でもきめられておつたと思う。これは一応政府が取上げたが、どういう事情であつたか知らぬが、とにかく依然として昔の通りになつておる。ところが入場税だけは国に移管して、その一割を国が手数料としてとつて、あとそのまま払い下げる、こうなつておる。このいきさつは一体どうなんです。遊興飲食税といつても入場税といいましても地方税であることには間違いない。税の沿革から調べてごらんなさい。日本に市町村制がしかれて、たしか明治十二年ごろだと思いますが、明治十二年ごろは税法を読んでみても入場税というものは地方税になつておる。こういう歴史的な沿革を持つたものを、どういう理由でこれだけ同税に取上げられるのか、そうして自治庁はこれに対してどういう態度をとられるのか、その点を大臣から聞いておきたいと思う。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 この点は入場税にいたしましても、遊興飲食税にいたしましても、税の性格からすれば当然地方税であるべきものであるという考え方は税もまつたく同感であります。私もそういう考え方でいるのでありますが、ただ今日税、ことに地方税として考えられておりまする税は、どの税をとりましても、非常に偏在がはげしいものでありますから、今までの地方税源というものの上から来る偏在是正ということに非常な苦労をいたしておつたわけであります。そこへさらに今年の緊縮財政という考え方が出て参りまして、少しでもむだが出ないようにという考え方からやつてみますと、この偏在はどうしてもできるだけ是正をしたいという考え方が強く出て参りまして、その偏在の是正に何がしか役に立つ――もちろん入場税を国税に移管をし、今の九割を地方に返すという考え方、それだけで偏在是正ということを考えたわけではないのであります。その他今度の改正全般に出ております偏在是正の考慮を総合的に考えまして、入場税はやはり国税に持つて行つて、今度のような措置にするということが、考えられる偏在是正の一番いい措置じやないだろうか、こういう考え方で、入場税を国税に持つて行つたわけであります。従つて入場税な国税に持つて行つたということは、入場税そのものの性格から来るのではなしに、まつたく今申し上げたような別個の考慮からそこへ出て参つたのであるというふうに御了承願いたいと思います。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 そうすると、ちよつとおかしいのです。それなら、遊興飲食税も大体調査会等の答申はそういうことが理由になつているのであるから、当然これもやはりやればいいということになる、ところが一方はやらないで、一方はやつておつて、ただそれだけの答弁では私は承知しかねますが、さらにそれから先について聞いておきたいのは交付税の問題であります。交付税の算定の基礎というものは、一体どういうわけで今度提出されているようなああいう割合になつているかということであります。これは非常に大きな問題でありまして、一方においてこういう入場が国税に取上げられて、そして偏在を是正するという形で、従来地方税であつたものによつてこれがある程度地ならしがされて、そして地ならしから来る次のでこぼこを少くしておいて交付税をきめたということは、私は非常に遺憾だと思つている。われわれは少くとも従来地方税であり、また地方税の性格の強いものはやはりそのまま依然として地方税に置いて、なおかつでこぼこがあるならば、それは交付税によつて埋めるべきであると思う。ところがこれを一応取上げて、これで地ならしをしたことによつて税源の偏在が少くなる、その偏在が少くなつたことにおいてこの交付税がきめられるということになると、これは国の予算は助かるかもしれないが、地方の予算はそれだけ減ると考える。これは自治長官としてこの間からもいろいろと文句を言つておりますけれども、これは自治庁の長官としてはどうかと思う。だから、そういう議論は別にして、これを大体酒税それから所得税あるいは法人税の二〇%にきめられた交付税算定の基礎はどういうところに置かれたのか、この点を聞いておきたい。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 私も自治庁長官としては地方財政の財源、ことに独立財源がなるべく多くなるように努力いたしたわけであります。またそれと同時に、国民の立場からいたしますならば、地方税や国税を含めて、税金がなるべく安くなるように、従つてそういう意味におきましては、地方のいろいろな富裕府県と貧弱府県、貧弱市町村と富裕市町村との間にロスがないということの方が望ましいと私どもには考えられますので、それはそれでできるだけ是正をして、むだのないようにする、そうして一応考えられる地方財政規模というもので、需要と収入というものを勘案をして、われわれの今度考えたこの考え方で行くならば、交付税の形でこれくらいの額があるならばやつて行けるだろう、なお非常にやつて行けない段階が来るならば、それはそのときにいろいろ別個の考慮をすればいいじやないか、大体こういう考え方で、ことしの財政計画と、ことしの新しい税制度の改革というものを総合勘案した結果、交付税の税率というものは、大体二〇%程度で行けるのじやないかというふうに数字を出して参つたのであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 そうすると、これはほんとうの腰だめであつて、そこに数字的な根拠は何もないというように、われわれは解釈してもさしつかえないと聞えるのですが、その通りですか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 腰だめでなくて、ことしのいろいろな税制、財政制度の改革と、それからことしいろいろ是正をいたしました地方財政規模というものを勘案した結果、こういう数字が考えられるということになつたわけであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 そうなりますと、法律としてこういうものが出されるということは、私は非常に遺憾だと思うのです。なぜ私がそういうことを言うのかといいますと、御存じのように、地方財政には三百六十億くらいの赤字があるということを最近言われておる、あるいは五百億と言う人もある。これについては再建整備法がぜひ必要だとも言われておる。再建整備法をこしらえて参りましても、これは過去の赤字に対する再建整備であつて、現実に三百六十億足りないというならば、これは何かで補わなければ、いつまでたつても再建整備法によつて地方の自治体が苦しめられなければならない。私はそういうことを考えて参りますと、交付税の制度というものは、この三百六十億の赤字を将来出させないという一つの方針がやはりここに打出さるべきだと思う。それがなければ、ただことしの財政がこれくらいだからこれでよかろうというようなことでは、非常に心もとない。少くともこの交付税をきめられる算定の基礎というものは、そういうものが一つ考えられて、そうして現実に今地方財政というものにどのくらいの赤字が出て来るのか、税法上ではどのくらいの地方財政の赤字が出て来るのかということが考えられて、これが算定さるべきである。これは私が言うよりもむしろ長官の方がよく御存じだと思いますが、地方財政平衡交付金であつたときの考え方と同じようなことであつて、いろいろのものをはじき出してみて、結局これくらいことしの赤字といいますか、財政支出が必要であろうからということで、逆算されて二〇%をきめられたと私は思う。何も根拠がなかつたと思う。これでは地方財政は助からぬと思う。従来の地方財政平衡交付金が、平衡交付金それ自体は非常に自主的なものにでき上つておるが、実際はいつも逆算されておつて、きわめて非現実的なものができておつたが、これと同じで、この轍を踏んでおる。もし長官のようなお考えであるとするならば、以前の平衡交付金の方がまだりくつだけでも通つておると思う。今度の交付税というものはりくつも通らない。何が基礎になつているのかちつともわからない。このくらいあつたらよかろうということでやられると、私はちよつとわけのわからないものが出て来ると思う。大臣としてはこれは腰だめではない、しかもことしの財政はこれくらいであるからというなら、この交付税の算定の基礎になつております二〇%というものは、その年々の地方財政の関係で動く性質を持つておるというふうに解釈してよろしうございますか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 結論から申し上げますと、これはそうみだりには動かさない、またみだりにこれが動いて行くというようであるならば、私が意図いたしました平衡交付金の算定をめぐつて毎年々々国と府県市町村との間においてはげしい争いをするということをなくして、従つて市町村も府県もこれだけまかなうのだという物の考え方がなかなか出て来なくなつて、いけない。今度の改革におきましては、私はその税に相当重点を置いたつもりであります。ただそれをいたしますためには、今までのように、だれが考えても非常に無理があるという地方財政計画を基準にしてやつたのではいかぬから、そこで全体の府県、市町村に通じてあり得ると考えられる財政規模の是正をしなければならぬ面は是正をいたしたわけであります。従つて国が相当締めておるという段階におきましても、御承知のように、地方財政は幾らかふくれておるわけでありますが、むしろ予算委員会などにおいて、ある意味において国との歩調が合つておらないのではないかという御意見さえ出たくらいに、地方財政の方はこの機会に是正したのであります。ただこの地方財政の赤字々々という問題は、私は実は年来とつ組んで非常に悩んでおるのでありますが、全体が同じように赤字が出て来るということであるならば、非常に措置も楽であり、どこにその原因があるかということの突き詰めも楽なのでありますが、今の制度のもとにおきましても、赤字でないところがある。また赤字であつても、その額に非常に違いがある。もちろんその中には、先ほど申し上げましたように、全体の府県、市町村を通じての原因があるわけでありますが、そういう面をある程度是正した上で、もし赤字が出て来るということであれば、もう一つ考えられるのは、配分の面に考え両さなければならぬ面があると思う。そこで配分をもう一度考え直す、その上で赤字が出て来るということであるならば、相当程度これは当該自治団体の自粛、緊縮にまつという行き方で行くのでなければ、ほんとうに堅実な建直しというものはできない、私はむしろこういう感じを持つておるのであります。そこでそういう感じで、ことしはいろいろな手を打つて、その上で出て来た数字というものを基礎に賢いて交付税のある率というものを考えて、今度はこの率でよくよくこれが実情に即しないという事情が出て来ない限りは、これは直さないのだ、こういう考え方をいたして、ひとつ地方もそれでまかなうという考え方でやつてもらいたいというような気持でおるわけであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 あとの質問君もございますので、この問題だけを私はここでやかましく言わないのですが、ただ私どもが考えて参りますと、偏在の是正をするということで、一方には従来地方税であるべきものが国税として徴収される。そうしてこれが配分される。その反面に従来の平衡交付金の額が減らされて、そうしてこれが交付税として今日出されておる。私はもし今日の交付税がやはり従来の平衡交付金と同じような建前でできておるなら、ある程度是正するに役立つと思う。まだ入場税を国税に移管したことについても話が合うと思う。しかしこの数字がことしはかなり減つております。しかもその算定の基礎というものも、さつきお聞きいたしますと一向わからない。地方財政がどうして赤字になつているかという議論は、いろいろあると思います。あると思いますが、それはおのおのの見方で違うと思います。大ざつぱに言うなら、地方財政というものについては、相当個々の公共団体で違うのがあたりまえであります。同じようなものができるはずがない。ただ同じようなもので責任をとらなければならぬのは、国税事務がどれだけあるか、これが地方の事業その他をどれだけ圧迫しておるかということは、これは私は言えると思う。だからそういう議論をここで長くしておるとどうにもならぬと思います。  最後にもう一つ聞いておきたいと思いますことは、そうなつて参りますと、この交付税と、それからその次に揮発油の譲与税が出て来ておる。それからさらに入場税の譲与税というものが出て来ておる。この揮発油の譲与税というものは、何か説明によりますと、ひもつきのようなことをわれわれは聞いております。通路の維持管理にこれを使うということを聞いております。そうすると、これは目的税のような形であつて、現行の揮発油税の考え方がこの前の議会ではそういうことにひもをつけられて附帯金がついている。そうすると、この税金は何も現行制度であつても、地方の自治体の道路の維持管理というものに使われるということに間違はないのであつて、もしこの法律がうまく行つていないのであるなら、そつちの方を直せばいいのであつて、何がゆえに三分の一をここへ持つて来て、いかにも地方に財源をよけいこれだけ与えたような錯覚を起させるようなことを政府はしておるか、これは自治庁は非常に弱いと思う。国で取上げられるものは平気で取上げ、平気というと塚田さんは怒るかもしれませんが……。当然国が地方に支給すべき筋合いのものを少しばかり、三分の一ばかりこつちへわけてもらつて、そうしてそれで何とか地方の財源をこやしたような顔をするということは、私は地方財政に対して自治庁長官としてあまり親切ではないと思う。この税金について自治庁長官は一体どうお考えになつておるか。私は現行法を修正した方がいいと思うが、これをこつちに持つて来て、ひもをつけなければ悪いのですか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 この点は交渉の経過におきまして若干私の方が意に満たなかつた点で、最終的な結論をつけざるを得なかつた事情が確かにあるのであります。従つて私どもはこの制度は今年限りで、来年は考え直すという強い考え方をいたしておるわけであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 税金をきめるのにことし限りだというような不都合な話はない。こんな財政で一体地方財政がやつて行けますか。ことし限りで来年はどうなるかわからぬというような不安定なことで、私は大臣の答弁は不謹慎だと思う。正直でいいかもしれぬが、私は納得できない。  それからもう一つだけぜひ長官に聞いておきたいと思いますが、今は小さな問題でありますが、将来大きな問題になると思うのでひとつ伺つておきたい。今北山委員からも言われました都道府県民税というところの都という文字が抜けておるわけであります。都は大体道府県と同じような立場であるから、それでいいというお話だろうと思いますが、東京都の現実は、現在ですら市町村民税は区が市に準ずるということで区がとつております。こういう法律ができて来て、そうしてこれが法律に書いてあるように施行されて参りますと、今度は都がその道府県民税をおれの方によこせと必ず私は言うと思う。そうなつて来ると、また都区の間にけんかが始まつて、これの仲裁になかなか骨が折れると思うが、一体この調整はどういうふうにおとりになるお考えなのか、この点を明確にしておいてもらわぬと、東京都の諸君はこれでは困ると思う。あまり大きな問題でございませんが、特に大臣から、どう調整されるか、どつちに采配を上げられるか、この機会にはつきりしておいてもらいたいと思う。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 どうもこの問題は、私も説明を聞いて十分まだ考えておりませんでしたので、税務部長からお答えいたさせます。なお、将来の問題といたしましては責任を持つて考えるようにいたしたいと思います。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 現在の二十三区の区域内におきまする市町村民税につきましては、都の条例の定めるところによりまして特別区に譲れると書いてあるわけでございます。その結果御承知のように個人分は全面的に二十三区に譲り、法人分は全面的に都が課税をしておるわけであります。今回の道府県民税につきましても従来の市町村民税と同じ扱いにしたい、言いかえれば市町村民税の課税限度額を二十三区の区域内におきましては町村民税と道府県民税とを合せた額にする、そうしてその全部または一部を東京都の条例の定めるところによつて特別区に譲れるようにいたしているわけであります。従いまして従来の市町村民税分を特別区が従来通り課税をして行く、この建前は動かないだろうと思います。今御心配になりましたのは道府県民税相承分を都が取上げるのではないか、こういう御意見のようであります。しかし、一体道府県民税を今回創設いたしました趣旨から申し上げますと、二十三区のそれぞれ区民もやはり都としての一体的な感覚を持つ意味においては都民税を一応納めた方がよろしい、こういう考え方も立つわけであります。しかしながら都と特別区の関係につきましてはいろいろむづかしい問題もございまして現在都のお考え方としては、むしろ個人分は全面的に特別区に譲つた方がいいのではなかろうか、こういう考え方を持つておられるようであります。そういう場合にはむしろ特別区の方から反撃があることは全然あり得ないわけであります、しかしこの点につきましては、特別区民でありましても都民としての一体的な感覚を持つてもらうという意味からは、そうでない方が望ましいということも言えるのであります。しかしながら現在のところこれにつきまして特に心配するようなことになるということはあり得ないのではないだろうか、現在までの東京都とわれわれとが話合いをしております限りにおいてはあり得ないのじやないだろうか、法律上は従来と同じように都の条例にゆだねる、こういう方針をとつております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 私はむろんそれは都の条例にゆだねなければ解決がつかぬと思う。しかし今のお考えのように都との今までの話合いでは大した問題でないと言われるが、都はもはやもらう方の側に立つているから、法律的な根拠ができているからというので、強い方の側に立つているのだから問題ないと思う。問題は区なんです。区の財政が今日――東京都の条例をごらんになるとわかるようにその中には吸上げ条例という条例がある。そうしてこれは今日でも問題を起しておる。富裕区から都が取上げて、それを配布税のような形で配布しておるだけなんです。ゆえにこういうように都に特殊な権限を与えるような形に持つて参りますと、私は必ずこれは今の吸上げ条例をされに強くここへ持つて行く可能性が出て来ると思う。単に条例でこれをきめるなと言われても、条例できめる以外に方法がないからきめるのでありますが、これはもう少し自治庁としてもこの辺については明確な線を出してもらいませんと、東京都は御承知のように非常に大きいのですから、小さければ大した問題でもないということですが、二十三区というものはおろそかにできないものでありまして、従来この市町村民税をどう配分するかという今の条例ができまするまでにも、非常に長い間抗争を続けておつたのであります。またこの問題を持つて行つては争いの種をまくようなものであつて、単なる条例でこれを定めるからそれでいいだろうというような今の答弁では、私どもも、おそらく都の諸君も安心できないだろう。自治庁もこの点についてはもう少しつつ込んだこれに対する回答を与えておいていただきたい。そうして処置をしていただきたいということを希望いたしておきます。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 御意見の点よく考えて参りたいと思います。ただざつくばらんに経過だけを申し上げてみたいと思います。先ほどもちよつと申し上げましたように、道府県民税をつくる趣旨から考えれば、その部分は東京都が課税したらいいのじやないか、その分を二十三区に移すのはいかがであろうかというふうな気持も若干持つておつたのであります。ところが東京都側からは逆に個人分は区にとらすようなこともできるように書いておいてもらいたいという希望がございまして、ただいま申しましたような規定になつておるわけであります。御意見の点につきましては、今後もなおよく考えて行きたいと思います。  なお北山さんの御質問で、府県民税の県分がどのくらいになるか、一番小さい団体はどうだろうかというお話でございます。一番小さい団体は鳥取県であります。六千万円たらずでありますが、五千八百万円。その次に小さい山梨県が七千八百万円、それから御指摘の山形県が一億五千四百万円、東京都はちよつと性格が違いますので、一番大きい団体の大阪府に例をとりますと、十六億三千六百万円、こういうことになつておるわけであります。大体現在徴収しておりますその府県の税額の関係からいいますと、比例がとれているのじやないかというように思つております。二割くらいになるのじやないかというように思つております。

中井一夫自由党

○中井委員長 門司さんの御質疑は午後引続きこれをいたすことにいたしまして、午前中の委員会はこれをもつて終ることにいたしますが、この際皆さんの御準備の御都合もあろうと思いますので、本委員会の法案審議の方針について、本日の理事会において決定せられたところを申し上げます。そなわち本委員会におきましては、地方税制の一部改正案や警察法案等の重要なる法案を、連日審議いたしているわけでありますが、地方税法の一部改正案は、その施行時期の関係から、これが審議を促進する必要がありますのと、連合審議をなす他の委員会の都合等を勘案いたしまして、過日来の理事会の申合せと本日の理事会において、大体次の審議方針で行くことになりましたのでこの点御報告を申し上げます。すなわち本日より今週の金曜日十二日までは地方税法改正案を連日審議し、土曜日の十三日は、入場譲与税法等について大蔵委員会と連合審議会を開き、時間があれば引続き単独の本委員会を開会して、地方税法改正案の審議を進めます。来週の月曜日十五日は、地方税法改正案と揮発油譲与税法案について建設委員会と連合審議会を開会し、時間があれば単独の本委員会を開会して審議を進めます。十六日及び十七日は警察法案に対する公聴会、十八日は地方税法改正案等に対する公聴会を開きます。十九日金曜日は地方税法改正案を審議し、二十日土曜日にはできるならば地方税法改正案の討論採決を行う。大体以上の順序予定によりまして進めることに各党の申合せができましたので、何とぞ各位におかれましても、右順序予定が実行できますよう、格別御準備をくだされたくお願いを申しておきます。     〔「大臣が来なければだめだよ」と呼ぶ者あり〕

中井一夫自由党

○中井委員長 この際政府に申し上げますが、右様の順序で参りたいと思いますから、政府におかれては地方税法改正案の重要性にかんがみられ、参議院の関係等もありましようけれども、特別繰合せ、勉強して本委員会に毎日、しかも引続き御出席せられんことを要望いたします。  それでは午後一時半より開会することとし、午前中はこれにて休憩いたします。     午後零時二十六分休憩      ――――◇―――――     午後二時二十二分開議

中井一夫自由党

○中井委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  この際お諮りをいたしますが、町村合併促進に関する問題につきましては、去る五日の理事会におきまして、今週早々塚田国務大臣が出席されたときに、町村合併促進状況について説明を聴取し、質疑を行うよう申し合せたのであります。つきましては、地方税法一部改正案に対する質疑の前に、この問題についての議事を進めることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中井一夫自由党

○中井委員長 御異議なしと認め、さようにいたします。  それではまず町村合併促進状況について政府より説明を聴取することといたします。小林自治庁行政部長。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 その後の町村合併の状況を簡単に御報告申し上げます。  大体今まで私の方でまとめました資料は、できたものから逐次委員会の方にお配りしておいたものでございますが、町村合併のその後の実情とこれからの見通しについて申し上げます。前に「町村合併見込数調」という資料をお配りしておいたことがございますが、これは大体今月に入つてから三月三十一日までに行わるべき市町村の廃置分合の計画を地方からとりましたものをまとめたのでありまして、これによりますと、市の設置また市への編入、それから町村相互の廃置分合、そういうものを詳しく各県別に内訳を示しておきましたが、大体関係町村で六百四十九、減少町村で四百九十九、こういう数字が参つております。それから四月一日施行予定のものは、関係町村で七百九十、減少町村で六百十五、これが本年度内における大体年度計画として遂行しようというものに基く実際の見込数でございます。本年度は大体全体計画の十五%をやるという考えでございましたが、数字の上から申しますと、それを上まわるような数字になつておるのでございます。現在まで行われております状況は、現在は手続中のものが多いのでございまして、促進法施行後今日までに減つた町村数の合計は、三月一日現在では百五十三、こういう数字が山て参つております。  そこで最近の町村の合併の状況での問題は、市の設置が中心になつている傾向が多いのでございまして、それとともに市への編入も一部でございます。もつとも町村だけのものもかなりの数に上つております。数全体から申せば、もちろん町村相互のものも多いのでございますが、最近市の基準が引上げになるというので、その前にやらなければ間に合わないというふうな空気もありまして、市の設置が非常に目立つておるというのが実情でございます。これにつきましては、われわれの手元の方に、大体この表にも載せておきましたが、三月三十一日まで三十、それから四月一日の見込みで三十四、合計六十ほどの市をつくりたいという意向が現地にあるのであります。しかし実際話がまとまつているものもあり、まとまつていないものもあるのが実情でありまして、はたしてその通り行くか行かぬか、今日の段階ではまだ見通しのつかぬ問題が多々あろうと考えておるのでございます。市の問題につきましては、当委員会におきましてもいろいろ御議論がありましたが、われわれといたしましては現行の町村側、自治法の解釈の許容する範囲内において、地元がそれぞれみな一致してそういうものを希望するならば、それに従つて措置しようという考え方で今日まで進んで参つておるのでございます。それから一方われわれといたしましては、むしろ合併は県全体の総合計画を基礎にして進めることが一番大事でありまして、個々の町村がばらばらに選びとれといつたら語弊がありますが、そういう形で結びつくということには、残された町村があつたり、それから町村全体としての均衡がとれなかつたり、そういう例がありますので、その点は前々から繰返しそういうことのないように注意をいたして参つておるのであります。それで県の合併計画の作成というものを、しきりに慫慂して参つておるのでありまして、今日の段階は県におきましてその合併計画をつくりつつあるのでございまして、われわれの方に正式に報告の参つておるものも多少ありますが、全体といたしましてはほんとうに審議会の議を経てきめたのは島根県だけでありまして、その後審議会の方でいろいろな形で試案を発表しておるものは十県余りあるのが今日の状況でございます。そういう県の計画は大観いたしますと、これはおおむね妥当な線で計画を立てられておるのじやないかと思いますが、そういう計画と必ずしもかかわりなく、市の設置等が行われつつあるというのも、これは現実の姿でございます。しかし総合的な計画に基いて全体として均衡のとれた合併が進むことをわれわれとしては一番希望いたしておるのであります。  年度内は大体そういうかつこうで、おおむね計画通り進むと思いますが、来年度の問題になりますと、実は正直に申しまして、県によつて非常な食い違いが生ずるのではないか、一部の県はもうほとんど来年度中に大半の目的を速成してしまう、一部のものは必ずしもそうは行かない。それは一つは来年の県会議員の選挙というものがありまして、県会当局自身がどう動くかという問題が一つ、県当局自身の考え方の強弱というものもそのことに影響があるように考えておりますが、これはともかくも四月一日あたりでの実情を見なければ、ほんとうの数はわからないと思います。  大体今までの概況を大ざつぱに申し上げますと、以上になるわけであります。

中井一夫自由党

○中井委員長 北山君。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 ただいま自治庁の方から町村合併の現状について御説明があつたわけでありますが、この町村合併の問題は、今地方におきましては最大の問題といつてもいいくらい地方住民の関心を集めておる問題でございます。これはこの町村合併の勢いというものが、数年来相当強くなつて参つたことがこの原因であるということは事実でありますが、さらに昨年議員立法として出ました町村合併の促進法、これが大なな推進力となつて、最近におきます町村合併の勢いというものが非常な盛上りを示しておるということも事実だろうと思うのであります。ところでこの合併には非常にいい面もありますが、また地方によつてはいろいろな副作用といいますか、どうかと思われるような現象も起つておるようでございます。  まず最初に問題となります点は、先ほども行政部長さんからお話がありましたように、町村合併というよりはむしろたくさんの市がこの機会に誕生するということ、四月一日までに六十幾つかの市が簇生、急造されるというふうな情勢についてでございます。先日当委員会の町村合併小委員会におきまして、いろいろ説明を聞き、また意見を交換したのでございますが、その際に三月の末までにたくさんの市ができるということは、これは一面においては今政府がお考えになつておる自治法の改正によりまして、自治法第八条の市の人口要件が三万から今度は五万に上るのだというような情勢でありますので、五万にならない前に合併を促進して、早く市をつくつてしまおうということが一つの原因になつておるのじやないか。さらにまた自治庁の指導におきましても、今のうちならば人口要件としてはもちろん三万でよろしい、その上にそれ以外の要件であります例の連檐戸数の問題であるとか、あるいは都市的業態の人口というものが、六割以上を占めておらなければならないというような条件につきましても緩和をされておる。これが将来になりますと、なかなかそうは行かないようになるのだというような、いわば合併を促進するのあまり、市が簇生されることを自治庁が指導なさつておるのが一つの原因ではないかという意見も出たわけであります。結果としましては副作用のいろいろな面がございますが、たとえば今度の促進法の議員の任期の特例によりまして、新しい市の市会議員は、百人あるいは百四十人というようなたくさんな者を擁するような市ができる、こういうようなことも起つておるわけであります。もちろん促進法としてはそれを初めから考えて、あのような特例をつくつたに違いありませんけれども、住民の意思によつて新しい合併された市をつくるということになれば、できるならばそこで新規巻直しに選挙をして市会議員をつくるということが正しいのであつて、それができないのはやはりそこに時間的な余裕がない、住民が十分市制、市会という問題について検討する余裕がないというところから、そのようなたくさんの市会議員を擁する市ができるという現象も出ておるのではないか。それから境界の紛争があちこちに起つておるようであります。要するに村の取合い、あるいは部落の取合いというものが起つておる。これもそれぞれのその土地の事情によりまして、分村をしてもその帰するところに行くのが自然の成行きでございますが、それを急ぐのあまり議会やあるいは町村長の方で、かつてに事を運んでしまう。住民の意思が無視されるというような現象が起つて、各地に紛争を越しておるというようなわけで、とにかくこの短かい間にたくさんの市が簇生をする。それが十分住民の意思の反映を欠くとか、あるいは十分にその趣旨が住民に浸透しておらないといつたようた現象が出ておるのではないか、このような点を小委員会では心配されたわけでございます。そこで塚田長官にお伺いをいたしたいのは、現在の市の要件である連檐戸数の問題であるとか、あるいは都市的業態の個々の条件を緩和するということ自体と、将来市の人口要件を五万に上げるということとは、矛盾をするのではないかということが一点であります。それからまたもし今のようないろいろな事情、副作用が地方に起つておるといたしますならば、これはやはり住民に合併ということの趣旨をよく納得させるということを願う意味におきまして、もう来年度すぐ五万になるぞというふうでなく、将来は五万になるのだが、その実施時期はそれらの事情を勘案して、十分な余裕を置くのだという措置を そのような副作用が起らないためにとられる御意向があるかどうか、この点を確かめておきたいと思います。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 お尋ねの第一の点は、私も考え方としては若干矛盾がある、こういうふうに感じておるわけであります。ただ今度の合併促進法でありますが、町村の合併は大いに促進をしたいというわけでありますけれども、今問題になつておるようにこれだけの町なり村なりが一緒になつて市になるということは、私どもとしてはそんなに強く希望しておるわけでもなし、従つてまたごうあるように推進するという考え方は持つてもおらぬし、また現実にそのように推進はいたしておらぬのであります。ただ今御指摘になりましたように、今度自治法が改正になりますと五万になるということが明らかにされてから、今まで市になりたいという考え方があつたのだけれども、いろいろな他の事情でもつてうまく行かなかつた、そういうところがこの機会にやらないと、永久に市になる機会を失するというので、地元から非常に強い要望が出て参つて、自治庁といたしましても、いささか裁量に困難をするという状態になつておると申し上げる方が適切だと思うのであります。そういうように非常に強い要望があるものでありますからして、先ほど御指摘になりましたように、今まで市をつくる場合の内規としていろいろ考えております連檐戸数の問題、その他もしんぼうのできる範囲では、住民の御希望がそれだけ強いものであればひとつ考えようというような方針で、多少これをゆるめておるという場合もないではないが、但しそれも、どこまでも今の法律、それに基いて考えております今までの内規、そういうものはなるべくくずさないという原則で、しんぼうできる範囲のものをしんぼうしておるというような行き方でやつておるわけであります。従つてそういう無理ができませんためには、今御指摘になりましたようにどうしても四月からすぐにそうなるのだということであつてはいけないということで、今のところ自治法の改正では地方制度調査の御意向を尊重いたしまして、今度は三万から五万に引上げようという方針は確定いたしておりますけれども、その時期をどういうぐあいにするか。大体今度のこの自治法の改正は、おそらく法律公布の日から施行するというわけには行かないだろうと思います。三箇月くらいの期間を置いて、その間に政令の指定する日ということになると思うのでありますが、そうなりますと、おそらく実施は四月からではないということになると思います。その面で多少調整ができると思うのであります。  それからその法律自体の施行時期の関係を別にいたしましても、なおそのほかにこういうような考え方の経過規定を入れたらいいのではないかということを実は考えておるわけであります。一つは、その法律が施行になりますときまでに関係市町村の間において、もうすでに議決が済んでおるというものは、そのあとの手続が済んでないものでも、今までの基準で許すことにしようじやないか。それからもう一つは、府県におきまして町村合併促進審議会の新語を経て決定されましたところの全体の町村合併計画によつて、これは市になるのだということになつておるものであれば、実際の合併手続などがまだ済んでないものでも、これは経過的に今までの法律によつて市になることを認めよう、こういうようないろいろなことを考えておるわけであります。これはぜひそのように実現することにして、そうして今急に盛り上つて、非常にあわてて市になりたがつておるものが、そういうことのために十分な審議か尽されず、また十分な住民の意思か反映されずに変なものができないようにということをぜひ注意をしたい、こう考えておるわけであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 その問題は確かに自治庁としてもなかなか取扱いに微妙な考慮を要する点だろうと思うのですが、たとい人口五万としましても、その際にやはり今やつておられるような、先ほどお話があつたよりな八条の人口要件以外のいろいろな要件をやわらかく解釈をして、そうしてできるだけ住民の意向を受入れるようにしようという方針をお続けになるならば、名前は市であるけれども、従前の市とは違つた別の形の市らしからざる市が簇出することになりはしないかという点をおそれるものでございます。同時に現在全国的にいろいろな合併の方向がありますが、その中で思い切つて一郡を一市にしようとか、一町にしようとかいう考え方が相当あつちこつちにあるようであります。それはもちろん今の自治法における市ではない、また町でもない、村でもないといつたような一つの新しい方向を示しておるのじやないか。自治庁は一体そのような動きに対して、どういうふうにお考えになつておられるか、その点を次に承りたいと思います。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 これは先ほど申し上げましたように、地元に非常に熱望があるならば、多少は今までの基準に達しないものでも考えようということは、どこまでもやむを得ない場合のきわめて例外的な考え方でありますが、しかしそういう考え方で御指摘になりましたようにまつたく市の体裁をなさないようなものを市に認めるということは、これは避けなければならない、そういう方針でおるわけであります。たとえば一郡一市というような実例があるということでありますが、これも具体的にどの事例ということでありませんと、適切な御回答も申し上げかねるわけでございますけれども、しかし普通に考えられる一つの郡を一つの市にということが、また御指摘になりましたように全然今までの市というような観念と違うというものは、これは私としても許すわけに行かぬのじやないか、こいう考え方をしております。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 これは許すわけには行かぬということはわかるのですけれども、結局はやはり地元の要望で、たとえば一つの郡の中で数箇町村が一つの町を中心にして市を、つくつたところが山の方にある村、ずつとへりの方の村が残されて、これを合併しようにもしようがない非常に不便な貧弱な村がそのまま残されてしまうというような事態が出て来るわけです。それも先ほど、残された町村がないようにするというようなお話がございましたが、しかしこれは単に地図の上でこの村とこの村は隣だから一緒になれと言うわけには、交通不便なところでは行かないわけです。そういう村をどうするかという問題と関連して、今の一郡一市というような動きをあわせ考えることが、将来の一つの方向であろうかと思うのですが、その点についてさらに御検討願うようなお考えはないかということをお伺いするわけです。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 今の点はきわめてごもつともな問題でございまして、まことに町村の単位が各種各様で、これを具体的に扱う場合に非常に苦労が多いと思うのでございます。大体市の考えは今大臣から答弁があつたような考え方で行つておるのでありますが、それとともに弱小町村が取残されてはいかぬという考え方は、われわれとしましてはもつと強く持つておるのでありまして、それぞれの町村がどこにもくつつけようがないとすれば、市の区域が多少広くなつてもこれはやむを得ないのではないか。市に入れるよりほかに方法がないということであれば、たといそこに山があつても海があつてもしようがない、こういう考えでありまして、それは結局やはり具体的な事情に即しまして、全体としてそれ以外に方法がないかどうかという考え方で、全体がうまく行くような方針で当りたいと考えておるのでございます。

加藤精三自由党

○加藤(精)委員 関連質問。北山委員からいろいろ御意見がありましたが、私はその北山委員と当局とも全然違つた意見を持つておるのであります。数箇町村集まつて、今までたんばのどぶのような水を飲んでいたのがきれいな水を飲みたい、それは山の上の村から一貫して共同公営企業をやつて、そうしていい水を飲むようにして大いに住民の生活文化の向上をはかる、それにはよほど強力な自治体をつくつてやらなければならぬ。一郡の半分でも一部全部でも、一つの川筋なんかにある場合には、これは合併した方がよかろう。     〔委員長退席、西村(力)委員長   代理着席〕 その事務なんかは地方事務所をすべて経由してやるということはやらなくても、より相当強力になる。商工連檐戸数があるとかなんとかいうことは問題でないので、それがほんとうの住民の希望であるなら、これは合併して市という名前をつけても一向さしつかえないじやないか。市という名前が町村とそう大して違うものだとも私には思われない。そういう意味から言いまして、今度の合併促進法というのは住民の体験から盛り上つて町村を動かし、国を動かしたのでありまして、文字通り議員立法で輿論立法であります。輿論立法を実施するときには輿論の帰趨を考えて、大いに市の安売りをしていただきたい。そうして地方自治法第八条の要件は町村合併促進法の改正案を出して、同時に政府当局もできるだけこの際安売りをして、そうして住民は生活文化の向上のために市という名前にあこがれているのですから、――市という名前にあこがれるということは意味があるのですよ。これは市に行けばあらゆる文化施設が農村よりもよけいそろつておるのですから、そういう意味におきまして地方自治法第八条の市の成立要件を改正されまして、ある程度緩和する御意思があるかどうか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 御意見はもつともな節も多々あるのでありまして、私どももそういう気持も取込まなくちやならないと思うのでありますが、しかしやはりそうは申しましてもおのずから市というものを町村と別なものと概念しておる今までの自治庁の考えからいたしましても、やはり市として許されるある程度の様子、形、規模というものがなくてはいかぬのじやないかというような感じもあわせて持つておるわけで、私どもは、おそらくお尋ねになつた北山委員と加藤委員の中間くらいの感じでおるというふうに御理解願いたいと思います。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 私、次の人に譲ろうと思つておつたのですが、質問を受けたようなかつこうですから若干関連して申し上げてみたいと思います。それは、大きな市に合併するとか、あるいは新しく強力な市をつくれ、そうすれば水道その他の文化施設をやるというが、私もそうなればたいへんけつこうだと思うのでございます。しかし、それならば自治庁の方にお伺いしますが、これはこの前にもちよつと聞きましたけれども、議員立法である促進法の二十九条に、今いろいろ話があつたような文化施設、学校であるとか、あるいは保育所であるとか、病院であるとか、役場であるとか、道路であるとか、そういうものをやる際に、政府は予算の許す限り財政的な助成をする、優先的な措置をする、そう書いてある。ところが二十九年度の予算には何らその措置をしておらない。これは約束違反でございます。前にこの法案を審議する際に、この点は議員立法として心配であるから、改進党の床次委員から政府委員にはつきりと念を押されておる。当時の愛知大蔵政務次官も、青木政務次官も、責任を持つてやります、プラス・アルフアの予算をつけますということをはつきり言つておる。ところがちつともついておらぬ。逆に減つておるのです。ですから私は、むしろ今後二十九条というものを政府が実施する見通しがあるかどうかということを聞きたい。その自信があるかどうか、なければ二十九条などは絵に描いたもちでございます。かえつて地方の合併町村にへんな妄想を与えるだけの話、新町村建設計画をつくらせて合併して市をつくれば、水道が通る、学校ができるという夢を与えて、実際は一向予算的措置をしておらぬ。だからその点について、はたして政府はそういうことをやる誠意があるかどうか、またやれる見通しがあるかどうか、それをはつきりお答え願いたい。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 合併の新町村建設計画の中で、御指摘のような水道とかその他各種の住民の福祉になるような施設を設けるための財源を優先的に考えるという二十九条の根本の考え方は、政府としてはもちろん尊重いたしておるのでございますが、今年度におきましては、起債の配分の上におきましてあとう限りの運用上の考慮をいたしまして、その趣旨が実現できるように努力いたしたいというふうに思つておるわけであります。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井(徳)委員 町村合併について北山さんからいろいろ御質問がありましたが、私ちよつと関連して、また違う問題もありますが、一、二聞いてみたいと思うのですが、あの法案をつくりましたときにはこれはあくまで住民の自由意思を尊重するという建前でありました。そこで県において町村合併促進審議会というものをつくる。一方合併をする町村の側で町村合併協議会というものをつくつて、その間に調節をとりながら町村の合併々推進して行くという形であつたと思うのでありますが、どうも数県におきましては、そういう形でうまく行かないと考えたか、県の町村合併促進審議会に下部機構を持つております。そうして各地区において推進委員会というものをつくりまして、それで推進をやつて行く。従つて法のほんとうの趣旨であります町村の住民の自由な意思による協議会というものは、いつまでたつてもなかなかできて来ないというような状態の箇所もあるのでありますが、この問題について、自治庁は、この下部機構をつくつてもよいとか、つくるべしというような指令をお出しになつたことがあるかどうか、ちよつと伺います。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 今のお尋ねは、おそらく町村合併促進審議会のある県の中で、その審議会の手足というか、専門員というか、そういう形の下で地方事務所長ごとに単位をつくつておることを指しておられるのだと思うのであります。自治庁といたしましては、審議会をつくることと、審議会の構成等につきまして促進法の趣旨を明らかにしましたが、そうした下部機構をつくれともつくるなとも別に申しておりません。しかし今お話の通り、現実の計画を県全体において立てる場合におきましては、なるべく現実に即して計画を立てる必要もあるというので、それぞれの部門、地区にわけて、その地域における関係の町村長なり団体の長なりそういう人もお集まり願つて、そういう案を下から積み上げて、それを全体の県でまとめる、こういう形をとつておるところもあることは聞いておりまして、われわれといたしましては、そういうやり方自体が特に悪いとかよいとかいう問題ではないのでありまして、所によつてはそういう方法もやむを得ない、必要な場合もあるだろう、こういうふうに考えておるのでございます。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井(徳)委員 所によつてはやむを得ないし、そういう場合もあるということでございますが、現実の面は、どうも官制の町村合併になりそうであります。その下部機構に地区選出の県会議員が全部入つております。これが問題なのであります。われわれが法をつくりましたのは、県会議員はそういうものから離れて県が大局においてやるというので、県の本部においてのみ議員として入る。これが下部機構に入りました結果、今や住民といろいろと錯綜いたしまして、町村合併の推進どころか、大いに阻害になつておるという事実があるのであります。そこでこの点について、もう少し自治庁の方で御調査をいたたきたい。現在の情勢においてはむしろつくらない方がよい。内面指導はよろしい。しかしそういう下部機構の中に、県会議員が入るということはいけない。これはえらいりくつになりますが、府県の境界の変更であるとか、そういうことになつて参りますと、そのりくつから言えば、国会議員も各府県の選出委員になけなければならないというようなことになつて参ります。そういうようなことはわれわれ全然考えておりませんが、どうぞそういう面を十分に調査をしていたたきたいと思います。それと関連をいたしまして、その結果、県会議員が非常に都合が悪いというので、県会議員の任期を延ばしてくれというような運動を今起しつつあります、ここに至つては、おつたく本末転倒の感があるのでありますが、自治庁は県会議員の任期を延ばすおつもりがあるかどうか、これをお伺いいたします。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 これはよく実情を調査いたしたいと思うわけでありますが、県会議員の任期を延ばしてほしいというような話は、私は全然聞いておりませんし、またそういうような意思もございません。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井(徳)委員 どうぞそういうことで、かえつて法の精神が曲げられるようなことがないようにひとつお願いをいたしたいのと、先ほど加藤先生と北山先生の議論の中にあつたと思うのでありますが、私はもつとこの問題を素朴に考えて行つたらどうかと思うのでありまして、地方行政というのは、その地区々々の地勢によつて非常に政治の内容が違つて参ります。従つて三万だから市であるとか五万だからどうだとか、あるいは市の体形をなしているとかなしていないとかいう前に、こういう形でありますると、市とか町とか村とかいう名前にこだわらずに、できれば一つの新しい単位をつくつてもいいと思うのであります。郡なら郡という名前でもいい、それが将来日本の内政をきれいに掃除をする一つの大きなねらいだと思います。府県の統合というような問題も、市町村の合併の促進促がなくしてはできない。その合併の促進は地理的な情勢によつて非常に各地区で違つております。私は幾ら多くても情勢によればいいと思うのであります。そういう意味において市になりたいとかなりたくないとかいう問題よりも、何かその奥にあるものの研究をもう少しお願いいたしたいと思います。私は郡というような地方団体の最低の単位をつくつてもいいと思います。そういうことについて、ひとつ率直な見解を大臣に伺いたいと思います。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 私も御意見は今伺つておりながら傾聴いたしたわけであります。今のように市、町、村というように三つの自治団体の形というものを考えて、それにある一つの規格を与えて、それ以外には出られないということは、これは必ずしも長くそういう考えでおるべきものでないと考えますので、今後の自治団体の情勢、また今度の合併の上から出て来るいろいろな動きなどから見まして、なお十分検討いたしたいと考えます。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員長代理 田川委員

藤田義光改進党

○藤田委員 これは私の郷理の問題で非常に恐縮でございますが、熊本はこの四月一日を期して三つの市が新設されようとしております。それから町村が約五十ばかり減ろうとしております。日本一の成績を収めつつありまして、われわれ町村合併促進法をつくりました一人としまして非常に喜んでおります。塚田自治庁長官は御夫人が熊本でありまして、小林行政部長は熊本に相当長く在任されておりまして、向うの情勢を非常によく知つておられますので、この機会に特にお伺いしたいのでありますが、実は三つの新しい市がでぎるうちで、玉名町というところを中心に十一箇町村が合併して新市をつくろうという計画があります。御存じの通り玉名町からは大麻唯男という代議士が出ております。それからその合併予定町村の中に伊倉町というのがありまして、ここからは元厚生大臣の黒川武雄という人が出ております。そこで黒川元厚生大臣が、先週の金曜日と記憶いたしますが、目下開会中の熊本県議会に対しまして、全員に伊倉町の合併は阻止しろという命令的な電報を打つたのであります。これは国会議員みずから町村合併促進法の精神を没却いたしました非常にまずい電報だつたと思いますし、現に県議会は、全会一致ではございませんが、合法的に可決して、書類を小林部長のところに提出しておるのであります。そこで政党的な横やりやいろいろ入りまして、御存じの通り松野参議院議員、あるいは大麻衆議院議員等が介在いたしまして、非常にむずかしい問題になつておる。私はことさらにこの問題には介入しておりませんからお伺いしたいのでありますが、自治庁としましてこの問題をどういうふうに処理される予定でありますか。八日、あるいは九日に延びたかしれませんが、大体三十三対二十くらいで無事に県議会で通つておる予定でありますが、こういう通つた場合とそれから県議会で態度をきめない場合との解決方針が多少違うかもしれませんが、ひとつこの際塚田長官の御意向、特に向うの情勢に詳しい方に、これは日本の町村合併促進問題の一つのサンプルだろうと思いますのでお伺いしておきます。私は非常に喜んでおることは塚田自治庁長官はこの問題等に関連しましてわざわざ熊本まで長距離電話で知事の意向を確かめられておる。私は町村合併促進法をつくられた国会の趣旨が、大臣の行動で非常に力強く反映されておることを国家のために喜んでおりますが、そういう事実もありましたかどうですか、この機会に簡単にお伺いしておきます。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 実は具体的な問題でありますが、お尋ねでありましたので、今までの私が承知しております経過、それからその経過に基いて私が考えておりました考え方をちよつと申し上げたいと思うのでありますが、初めのころ伊倉町を含んが三名市の計画というものが、成規の手続を経て自治庁に出て来たということを私も説明を聞きまして、今この計画は妥当であるとこういうよりに考えておつたわけであります。従つてそのような形で市が許されるということは大体考えられておつたのでありますが、その後御指摘のような伊倉町の住民に反対があるということ、それに関連して熊本県出身の国会議員の方にそれぞれの立場からいろいろな御意見があるということで、私も両方の意見を詳細に伺いました。結論といたしましては、今日の段階においては、やはり私どもとしては、県議会が最終の結論を出すことが最も望ましい。県議会が今御指摘のように、昨日の県会でもつてその通り可決したということであれば、当然その線に従つて許可をすべきであると考えておるのであります。ただどうしても県議会がまとまらない場合には、私は必ずしも伊倉町がすぐに入らないでも、市になるという条件に欠けるというほどではないようでありますから、とりあえず第二の段階に見送るとして伊倉町を除いた三名市というものも考えてもいいのじやないか。その線でもまとまらないということであれは、これだけ混乱をしておる状態であるならば、もうしばらく見送ることに考えるべきであるかというようにだんだんに考えておつたわけであります。従つてもう県議会がまとまつたということであれば、一応自治庁としての結果は出せるのじやないかと思うのであります。なおそういうようないきさつでありまして、非常に微妙なものでありますから、一度私が東京から櫻井知事に県の情勢はどうなつておるのか、また知事の意向はどうであるかというようなことを確かめた事実はございます。

藤田義光改進党

○藤田委員 これは自慢話になりまして恐縮でございますが、私の生れました国立公園のあります熊本の阿蘇郡というところは二十五箇村ありますが、今年中にはわずか五箇村になることが確定的で、とりあえず四月一日を期して九箇村が二箇村になります。全県民が町村合併の本質を理解いたしまして、沸き立つておるのでありますが、この出鼻をくじくというようなことがありますと、地方行政上も非常に不利な結果になりますので、三名市制の成行きに私重大な関心を抱いておるわけであります。ただ大臣の御答弁でありますが、実はこの問題に対しまして伊倉町から反対に上京しましたのは、タバコ耕作組合の代表と、ある一人の商店の主人と、つまり町民代表の資格に適正を欠いた人二人が来まして、それにある党所属の議員が二人もつき添いまして自治庁に陳情をした。これは政党政派を超越いたしまして非常にまずいことをやつてくれたというふうに感じまして、その後一回もこの自治庁等に出頭しませんで、私はこの問題から努めて介入を避けておつたのであります。ただいま塚田自治庁長官としましては立場はいろいろ苦しいところもありましよう。しかし非常に慎重な御答弁がありましたが、私はもし何なら国会の意思という形式にしてもけつこうでございますが、押し切つてもらいたい。そうしませんと、結局このくらいのことで市制ができなかつた、あるいは伊倉町は二人が上京したために市に編入ができなかつたという悪例を残すということになりますと、熊本県には三百七箇村もありまして、小さい町村で困つている町村の合併に今後非常な支障を来す、これはおそらく櫻井知事も同様なことを言われたと思いますが、今朝参りました向うの新聞によれば、七日夜の現在では大体うまく県会かまとまりそうではありますが、まとまらない場合においても、町村合併促進法の裏づけとして、ひとつ何とかこれを押し切つてもらいたい。法律上の手続としては、それによつて何も支障はないわけでありますが、この点はひとつ善処をお願いし、何かお考えがありましたら、お答えを願いたいと思います。大体参議院の元厚生大臣の黒川氏のごときが、実情を知らないで、しかもみずから町村合併促進法に賛成しながら、ああいう不見識の電報を打つということは、国会議員の適格を疑われると私は確信したいのであります。自由党の大臣であつたような人が、ああいう不届きな電報を打つたということ自体、私はけしからぬというふうに考えておるのでありまして、塚田長官の態度は、至公至平、私は非常に敬服しております。ここは委員会の席上でありますので、もし県議会の手続がとれなかつた場合も、何かひとつ考えてもらう、脱落させぬ方策をしてもらうというお約束ができますかどうですか。非常にむずかしいところでありますが、お答えを願いたい。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 現在の段階におきましては、今のこの市を許すという行き方は、当該の関係自治団体と県議会の意見がまとまつたというところにおいて、自治庁長官がこれを許すという形になつておりますので、もしそれがどうしてもまとまらなかつたということであるならば、町村合併促進法に基いて、成規の手続をふんで内閣総理大臣の決裁を求めるという形に出て来れば、自分としてもこれは考えなければならぬということは考えているのでありますが、しかし今の段階では、県議会の意思がきまるのでなければいかぬ。もちろん県議会の意思において、反対の者があつても、賛成多数でもつて県議会の意思がきまれば、その線に沿つて私としては許して行くということは当然のことであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 長官の今の話と逆の話なんですが、町村合併が非常に無理をされておつて、そうして産業構造の上からよろしくないという議論が相当出て来ております。これは私はもつともな話だと思う。なり得るからといつて、むやみに多くして行くことによつて、農村行政と都市行政とごつちやになつたようなことをすると、自治体の行政というものが非常にむずかしくなつて行く、そうして将来に災いを残す原因をつくることになる。だから、単に町村を減らすのだというような考え方だきではいけないと私は思う。この点については、自治庁としては何か指示をされたようなことがありますか。あるいは確固としたお考えをお持ちですか。私はこれは非常にむずかしい問題だと思いますが、そうしておいていただかないと、郡をなくして市にしてしまうということは、一つの考え方かもしれぬ、しかしそれはただ大きくなつたというだけであつて、あるいは地方事務所がなくなるから便利だというだけであつて、自治体の行政自体の上から、非常に大きな禍根を残す原因となると思う。これらの問題について、自治庁は今まで指示をされたことがあつたのか、あるいは何らかの処置をとるお考えがあるのか。その点なひとつ聞いておきたい。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 合併につきまして自治庁が今まで地方に申したことを申しますと、これは多分お手元にお配りしてあると思いますが、町村合併促進関係資料の中に載せておきましたが、実は町村の個々の合併方針をどう立てるかという問題はきわめて重大な問題でありますので、これは現地の実情によつてだんだん考えを進めて行かなければならぬ面がたくさんありますが、最初合併の基本計画をつくる場合に、その当時中央で考えられます一応の考え方だけをきめておく必要がある。そこで町村合併基本方針というものを、町村合併推進本部――この本部には各方面の代表の方々がお入りになつておりますが、推進本部にかけまして、そこでおきめを願つて、それを閣議で決定をして、地方に流したものはございます。それがわれわれとしてきめました基本的なものでございます。しかし実際具体的な問題になつて来ますと、それぞれいろいろ問題がありますが、大づかみの考え方は、それを示しまして、それに基いて、地方において合併計画を立てる参考の資にしているわけでございます。その場合にも、今おつしやいました通り、農村と都市というような、対立と言い切るのはまた語弊があるかもしれませんが、そういうような場合につきましても、町村の合併計画というものをつくらなくてはならぬ事情をここへいろいろ書き並べます。それは社会的、経済的、文化的な一体性と申しますか、そういうものが考えられるということが必要でありましようし、それから人情、風俗、習慣というふうな社会的な一体性ということも必要でありましようし、それから今の山間都市計画だけでなしに、水利、土木といつた経済構造というものも中心に考えなければならぬだろうし、そういうふうないろいろな点に、つきましての考え方を示したものは一応ございます。それによつて一応考え方を進めて参つているのであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 そういうことが指示されているとすれば、今のようないろいろな問題は起らぬと思うのです。これは特に農村関係にはそういう声が多少ある。問題は、そういう声が比較的外に現われて来ませんのは、ほんとうにそういうことを心配している諸君は、案外町村の議員になつておらない人が多いのでありまして、町村議員あるいは市会議員あるいは市の理事者というような人たちにあつては、一つの合併促進に関する法律が出て参りますと、それをどう具体化して行くかということについていろいろ関心をもたれている。しかしその場合には、多くその理事者の立場、あるいは議員としての立場であるから、当然住民の意思が代表されていなければならないはずであるが、案外そうではなくして、やはり村が町になることを希望し、町が市になることを希望する一つの優越的な観念というか、そういうものにとらわれた合併が多くなされているじやないか、そこに無理があるじやないか。ほんとうに考えて行けば、農村は農村行政のあり方、産業構造の上から見れば、どうしても農村として置きたい。しかし町じやぐあいが悪い、市になつた方がいいというようなつまらない観念が出て来て、市にするにはこの辺まで広くした方がいいじやないかというところに無理があるじやないか。だから、最近では市の地域をどのくらいにするかということは、いろいろ議論はあろうかと思いますが、たとえば過去の合併の状況を見て参りましても、五大市だけの市の区域を拾つてみますと、比較的人口の少いところで非常に大きな地域を打つているのは、割合から行けば、京都が山城を一つにしてしまつたのがかなり大きいと思う。その次に横浜が人口の割合に大きい地域を持つている。こういう問題についても、よかつたか悪かつたかということについては多少反省されている。町村の合併というものが、そういうごく一部の理事者、あるいはその衝に当つている人の概念的な名誉欲というようなことからなされては、さつき申し上げたように、将来に大きな災いを残し、近いうちにまた分裂騒ぎが起る、これは町の経済というものが最も大きな問題であつて、これを離れた形式的な町村合併については、政府はやはり何らか手を打つべきじやないか、ただ基本を示したというだけではいけないじやないか、もう少し強い考え方がなさるべきではないかというように私どもは考える。その一つの方法として現行法でも都道府県のこれに対する推進委員会ができているから、これは誤りはないであろうという考え方があるかもしれないが、この中には先ほど言われたような県会議員さんがお入りになつておつて、なかなかそううまいわけには行かない。そこで自治庁としてはいま一段とそういう産業構造を破壊するような、ただ名目だけの町村合併に対しては、私は多少の警告なりあるいは示唆を与うべきではないかというように実は考えるのでありますが、この点について大臣の御意見をこの機会に承りたいと思います。     〔西村(力)委員長代理退席、委員   長着席〕

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 この点は、私も御意見はほんとうにもつともだと思うし、その点は実は私も心配をしておる問題点の一つなんでありまして、ただ大きくさえなればいい、また市になるとかいう便宜のためにまとまつてしまうということは、私もどうかという疑惑を持つておるわけであります。ただ今の合併促進法の建前といたしましては、やはり行き方としては基本方針だけは国で示す、あとはその方針に基いてこれはそれぞれの段階において計画をし、それをまとめて出していただくということにならざるを得ないのでありまして、御指摘のような具体的な問題としてどこそこにそういう問題があるということになれば、なおそういう事情も調査をいたしまして、個々に具体的に意見をその場合について申し上げるということもあり得ると思うのでありますが、まあ全体計画としてはやはり基本方針を示し、なおそういう点に問題点があるならば、そういう問題点も特に留意されるようにという方針を示して行くということで、その懸念をなるべく少くする、こういうことにいたしたいと思つております。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員 先ほど藤田委員からいろいろ実情に基いて長官の意見をお聞きになつたのですが、私もひとつ具体的な問題についてこれの問題をどう考えておるかということをお尋ね申し上げたいと思います。御承知の五大都市が絶えず特別市制を中心として相争つている。これはまた特別市制として府県の独立の性格を持つという建前でありながら、どうもそのことが具体化しないために絶えず問題が起つておることは御承知の通りです。この争いは、これは一応地方制度調査会に持ち込んで、それの判決を待とうということで休戦状態になつたことは御承知の通りであります。ところが今度これの答申によりまして、またしばしば塚田さんからこの委員会においても意見を発表されましたが、自治体の原則というものはやはり市町村である。それで国の八割までの委任事務をやつておる府県という性格のものとは、ちようど中間にあるものだということを言う。そういう建前から知事も公選でなくして官選が望ましいということをしばしばここで言われ、また総理大臣も出先で何回も新聞記者に問われてもそういうことを言つている。ところが実際を見ると逆に今度は税法改正その他についても、警察法の改正にしても府県を強くしようとしておる。どうもそのやり方が……。それでほかの問題については関係のときに質問を申し上げますが、今具体的な問題として例の大阪の七箇町村の市の編入合併ですか、その問題は市町村もこれは望ましいと言つて決定し、大阪市会の方もよろしいと言つて決定しておりながら、今度は特別市制にからまつて府の力でこれはいかない、大阪の府で議決はどうしてもとれない、いまだに実現されない。それで大都市になることはいいとか悪いとか、大都市制度というものに対してはいろいろ批判のあることはよくわかる。しかし大阪の実情から行きますと、十五万、二十万という隣りに八尾市があり、布施市があり、それから大阪市、まん中に小さい町村がはさまれている。これはどつちかにつかなかつたならば、水道とかあるいは道路交通、一切の産業の上でも非常な不便を来す。それで、せつかく住民が希望し、そうしたにかかわらず、大阪市を大きくすると大阪府に不利だというので、これはどうしてもならない、ああいうことは今度自治法の改正なりいろいろな批判が出ている場合には、最終の決定として、どうしてもその自治体での意思が一致しない場合には総理大臣がこれを決定するか何かしなければ、せつかく住民が希望し、そうなくちやならぬとたれも考えているのが、そういうことのためにひつかかつて来る。感情的にこれをどうすればいいか。最近どうも、これはよけいなことか知りませんが、どうしたつて府県の方が強い。前の内務官僚や役人の人たちはどんどん衆議院へ出て来るが、それらの政治的のバツクもある。そうして一町村あるいは一市のことなんかあまり多く考えられていない。こういうことからして、せつかく地方が希望し、両方の議決が行われているにかかわらず、そういうことにひつかかつて、どうしてもこれがうまく実現できない、こういう具体的な問題に対して、一体自治庁はどうしているのか。これは一つの例でありますが、現に建築基準法によつて市として必要な場合には復興に欠くべからざる建築の問題で建築主事を置くことができる、こう規定してあるが、その際にやはり知事と協議しなければならぬということで、知事はなかなか権限として放さない。やつているところもあるが、ほとんどやつていない。こういうことはしばしば実際の問題として起きて来るのですが、それは今申しました性格というものを明かに規定していない、あいまいにして、そのときどきに絵を描いているからです。はつきりした一つの決定をすれば、おのずからそこに判断も生れて来ますけれども……。しかも一方では自治と称して住民の意思を尊重するという民主主義の建前をとるかと思えば、官吏制度の上からの命令でそれは絶対的にやる、これははなはだ言い過ぎかもしれませんが最近の自治庁なんか、権限を多くしようとしておる。しかし財政的にそれを握つて絶えず居すわりたいのが地方の自治体である。私は実例をあげれば幾らもありますが、そういうようなことはほんとうの自治にまかすという民主主義の主権在民の原則に基いて、もつと思い切つて新しい考え方に進んだらどうかと思います。どうもその点が自分らの都会のいい説明ばかりして、一般国民のことについてあまり考えておられないようですが、この機会にこの争いは何かの問題に必ずひつかかつて来る。私は、これは大石さんもそうですが、われわれは忍びない。同じ府県民であり、同じ市民であつてこの争いの渦中にいつも引きずり込まれて、しかも正しい意見を述べること、それすら通らないということ、これはもつと超然とした立場に立つて自治庁は自治の発展のために、実情に即したほんとうの指令なり意見を率直に述べてもらいたい。どうもいつもあいまいな態度をとつている。今のような具体的な問題で、大都市になることはいいとか悪いとかいうことはありましようけれども、実情としてそういうふうにはさまれて実に迷惑しているのはそこの住民ですから、その人たちが合併しようあるいはまた編入しようという意思が決定しておるにかかわらず、一府県の議会で、あるいは知事の意見によつて、それが実現されないということでは、自治はめちやくちやになる。こういう具体的な問題について一体大臣とう考えておるか。実際の処置として、あるいは法的不備があるならば、その不備をどうして直そうとする御意思があるか。自治法も改正になるそうですから、それと今度非常な問題に大つておる合併問題と連繋しまして、この際明らかに答弁してもらいたいと思います。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 関連して質問させていただきたい。ただいま大矢さんがおつしやいました通り、私と大矢先生とは同じ党なのです。そして赤坂の宿舎に隣に住まつておるのです。庁方は特別市制をやろうと言うし、私は反対である。そういうようなことで仲のよいものがくちやくちやになるのです。ほんとうに今おつしやつた通りなのです。私たち実際このために非常に悩まされておるのです。この際にこんなけちな市町村合併というようなものは、塚田大臣にお願いしますが、これはやめて、いつそのこと北海道なら北海道ステート、中国なら中国ステート、近畿なら近畿ブロック、そうして九州なら九州、四国なら四国、こういうふうなブロックの大きいものにして、町村合併というような、こんなけちなことはやめてもらわぬと、大矢宣誓も私も実は困るのです。どうですか、大臣はつきり言うてください。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 現在の自治制度というものが私の考え方からすれば非常に徹底しないものであり、不合理でありますために問題が多々出ておると思うのでありますし従つて私どもとしましては基本の考え方としては、やはり先ほど大矢委員も御指摘になりました通り、私は自治団体というものは一段階、市町村だけが自治団体でいいのじやないか、府県は別な形のものこういう構想をいたしております。しかしただ何にいたしましても、こういうぐあいに伝統を持ち、沿革を持つておるものでありますからして、現実の制度の上にそれを実現いたしますのには相当検討も要しますし、時間もかかるわけでありまして、現在の段階を頭に置いていたしますと、今度の税制改革、また警察制度の改革というのも出て来るわけであります。しかし私としましては、基本の構想としましては逐次そういう方向に持つて行つて、すつきりしてそういう問題も解決をしたいという考え方でおる。その考え方をずつと押し進めて行きますれば、大石委員の御指摘になりましたような道州制というところまで、また行く時期もあると思うのでありますが、しかしそれもまだ相当時間を貸していただきませんと、急速には実現は困難かと思うのであります。なお当面の問題につきましては政府委員から答えさせることにいたしたいと思います。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 大都市制度の問題に関連をして明確な解決が制度的にもなされていないために、いろいろ関係の団体の間、あるいは関係の団体の職員の人たちの間に、おもしろからぬ紛争が起るということは、私どもも確かに遺憾なこととは思つておるのであります。今回地方自治法の改正法律案を立案中でございますが、その案の中には先般地方制度調査会において答申をいたしましたような形の解決案を考えたいということで、目下鋭意立案をいたしておる次第であります。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員 実は法務大臣と一緒のときにお聞きした方がいいかと思いますが、そうなかなか二人とも大臣がそろつて見えないので、この機会にひとつお尋ねしたいのですが、過日新聞によりますと、知事を官選にすることについて閣議で問題になつて、それは憲法違反だ、自治体の長はこれを公選するという憲法に違反するじやないか、しかしそれは自治法さえかえれは違反しないのだ。しかしそれにしても精神的に現在あるのたから、問題になるから、これは一時中止しようというようなことを新聞でちよつと見たのです。なせこれを私が尋ねるかと申しますと、今御承知のように警察法を審議しております。この警察法が通つた後において私ども反対だから、できるだけ通したくないが、通つた後に知事の官選が来て、知事の官選のもとで公安委員の任命、推選というものの性格が非常に違つて来る、そこでこれはただ架空な、あるいはまだ決定しないものの上に立つて私が質問するのではなくて、現に今言つたような意思表示が現われた。それが新聞に載つていたのです。内閣がかわれば別でしようけれども、そういう考え方を総理みずから持ち、自治庁長官が持つている限りは、これは大体近き将来実現するものと仮定して――単なる仮定でなく、そういう方向に行くと思うのです。そうした場合に警察法の審議も重大な一つの問題であると思うのであります。それで犬養さんも一緒に聞いてくれるといいのですが、そうも行きませんから、この場合そういう閣議で問題になつたのかどうか。それから自治法を改正すれは自治体ではないのだから、憲法にある通り長は必ずしも公選でなければならないということはない。それが今御答弁なさつたように、それはそう思つておけれども、なかなか簡単に行かない。それはその通りでしよう。しかしそれが今の警察法との係関というようなことで、どの程度に具体化した意見があるのか、これは閣議の内容で言つていいことと悪いこととあるかもしれませんが、新聞に出たくらいのことだから、できるだけのことをこの機会にお聞かせ願いたいと思います。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 これは閣議で問題になつたかというお尋ねでありますが、正式な意味において閣議では一度も問題になつておらぬのであります。これはどこかの省が――この問題でありますれば、当然私が所管大臣として閣議決定として、あるいは閣議了解として閣議に案を出して、それに基いて議論をするということになると思うのでありますが、そういう意味の閣議で問題になつたことは全然ないのであります。ただ何かの話のはずみに、そういうことが座談的に話になつたということは、いつのことだつたか、それはあります。そこで私がこの問題を考えますのは、私は知事官選論だということが今伝えられておるけれども、何かの機会には非常にわかりやすい意味において官選という言葉を使つておることもあるわけでありますけれども、私の気持は今の形の公選はやめたい、やめるのでなければとても地方財政というものも持つて行かないし、また中央地方を通じての機構という意味からもいろいろ問題点がある。それから二度やつて今度で三度することになるわけでありますが、実際の状態から見ても、これがほんとうの民意を体した自治のやり方になつているかどうかというと、かなりの問題点がある、同じ民意を体するにしても、別な方法があるのではないかという、いろいろな点からして、俗に知事官選と言われておりますのは、今の形の知事の公選はどうも適当でないのではないかという意味において、今の府県の現実の状態から出て来た結論としての判断、もちらん私個人の判断でありますが、従つてそういう考え方でありますからして、今警察制度でありますとか、そういうものと私の考えております知事公選制の廃止というものとは、つながりはついておらぬのであります。しかし私は警察制度のあり方自体として見れば、やはり警察制度も今までのやり方をやつてみて適当でなかつた。それから考えられる行き方としては、政府が今御提案申し上げて御審議願つている形が一番いいのではないか、こう思つておるわけであります。そこで別々に府県の制度はそういうように、また警察の制度はそういうようにして出て来て、また今ここまで警察制度が具体化した問題になつて来ているわけでありますから、従つて府県制度をどうするかという場合には、多分に今の政府が実施しようとしている警察制度というものを頭において、そうしてほんとうに民意を体した警察というものが、かりにわれわれの考えるように公選の知事制度というものがなくなつても、どこで実現できるかという面においては、相当くふうをこらした調和をとる考え方をしなければならぬのじやないかとは思つておるわけであります。そういう状態でありますから、むしろどこに中心を置いて考えるかと言われるならば、今の警察制度はどうしてもこういう形でなければならぬから、それに頭を置きながら、府県制もかえるならばそこへ入つて行かなければならぬ、こういう感じを持つておるわけであります。

中井一夫自由党

○中井委員長 お諮りをいたしますが、大矢さんの御質問もきわめて大切な問題でありまするので、ぜひこの点は政府の意見も、また委員会の意見もはつきりと、とどまするところへとどめるということに行かねはならぬと思います。ただ何分税制の問題はきわめて日が切迫いたしておりますから、あなたの御質問はいずれこの後は警察法の問題に入りますからそのときまで留保していただいて、本日は税法改正の問題へひとつ本筋をおもどしいただいてやつて行くことができるならば非常に幸いだと思いますが、御留保願えませんか。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員 けつこうですが、こういうことを希望しておきます。警察法を審議する場合には大臣にぜひひとつ出席願いたい。私はなぜ大臣の出席を要望するかといいますると、特に地方行政というものは警察に大きな関係がある。これはそのとき申しますけれども、おそらく警察の九割までが自治行政に関係があるのですから、警察法の関係はこれと関係がない、それは犬養さんだということでなしに、ぜひひとつ出て来ていただきたい。それを希望して私は打切ります。

中井一夫自由党

○中井委員長 ただいま大矢委員の御要求のありました通りでありから、そのときは大臣もぜひ出席して、徹底したる討議に応ぜられんことを望みます。西村委員。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 この町村合併法案の審議の際、私たちの基本約な立場は、自然に行わるべきである、あるいは経済的な交流圏をひとつ考えてやらなければならぬというような点にあつたのですが、参議院関係とのいろいろな折衝で、現在のような法律になつたわけですけれども、現在進行中の町村合併を見ますと、合併促進法の第三十七条の一項の第五号ですか、ここのところをもう少し引上げることが必要ではないか、かように強く思われる。十万をちよつと越した都市が合併を欲し、また付近の町村がどうしてもこういう都市に編入になつた方がしごく自然であるという場合においても、この制限があるためになかなか思うように行かない、しかもこういう制限をたてにして県議会方面がいろいろ働いても思うように参らない、それがためにむしろ畸型的な合併が進められようとしておる事例がたくさんある、かように思われる、私としましては、都市の人口の面から言いまして大体十五万くらいに引上げることが一番妥当ではないか、十五万を越せばずつとまたその幅が大きくなるし、それ以上のものは経済的な基礎も強い、十万から少し越しただけであつては、基礎の強いところも十万以下と比べて何ら差があるわけじやないし、またもう一つは、近く自治法が都市の人口を三万から五万に引上げるというような考え方を持つという点から言いましても、当然これは十五万程度までに引上げることが必要ではないか、そりしなければ自然の姿の合併が行われない状態が出て来る、かように思われる。その点に関して、自治庁側としてはどういう見解を持たれるか。やはりなかなか困難であるするならば次善、三善の策として何らか考えておるか、そういう自治庁側の見解をひとつこの際お聞かせ願いたいと思うであります。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 町村合併促進法の第三十七条の町村合併促進に関する各種の規定を準用いたします場合の中で、人口五万以上十万未満の市に町村を編入するというような場合に準用するというのが御指摘のごとく現行法でございますが、これをさらに十五万ぐらいに引上げたらどうかというような御議論のように伺いました。その点は御承知のごとく当地方行政委員会並びに参議院の地方行政委員会でいろいろ御議論のありました点でございまして、私どもといたしましてもさらにこの点について、もしも何らかの一致した結論が出まするならば、さような結論に従つてけつこうと存ずるのであります。ただ相当大きな規模の市ができることか促進することになるわけでございますが、その際に、先ほど来若干御議論のございましたような農村地区の編入というようなところに、あるいはいろいろ議論があろうかと思います。しかし反面そういうこともよろしいのだという御議論もあつたわけでございまして、この点につきましてはさらに私どももとくに研究をいたしますが、当委員会におかれましてもさらに研究の上、何らか一致した結論が出まするならば、私どもそれに従つて善処するよりほかないと考えております。     ―――――――――――――

中井一夫自由党

○中井委員長 町村合併問題はこれをもつて一応質疑を中止し、午前に引続き地方税法改正問題につき門司君に質疑の御進行を願いたいと存じます。門司委員。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 税法についての具体的な案に入る前に、自治庁の長官がせつかくおいでになつておりますから、もう一つ、二つ伺いたいと思うのです。ことしの税法の全体を見て参りますと、従来われわれが考えておつた税法の建前から非常に離れた方がしてあるような気がするのであります。一つは、午前中の北山君の意見にもありましたが、たとえば市町村民税の中から都道府県民税を徴収する、しかもその徴収の仕方はやはり平等にこれが課せられておる。その結果、これはきのうの委員会で相当聞いたのでありますが、結果として同じように百円ずつをとるということは、県の責任を分担するという形から言えば一応百円でいいかもしれない、しかし町村財政に及ぼす影響からすれば必ずしも画一でないというので、こういう画一的な方法がいいか悪いかという問題、さらにその次に問題になつて考えられるのは狩猟免許税の問題です。これは狩猟免許税がなくなつて狩猟者税とかわつておつて、従来これには業とする者と遊ぶ猟をする者との関係でこの税金がわけられておつた。この税金をわけた原因はやはり一つの目的税であるというような考え方――というよりも、むしろこれは一つの行為税であるというような考え方、しかし行為税ではあるが、その行為に対してはおのずからそれを生業とするものであつて、単なる行為とは思われない業者がある、一方においては単なる遊ぶ猟であつて、一つの行為とみなしもさしつかえがないというような複雑な段階にあつたものであつて、これを一まとめにして三千六百円かけておつたときにいけないというので、これを三千六百円と千八百円にわけたのである。ところがまたことしは一本になつておる。一体税制を考えるのに、午前中も私は大臣に小言を言つたのでありますが、こういうふうにまるで猫の目がかわるよりもつとはなはだしく税制のものの考え方がかわつて来ておる。役人はそれでいいかもしれない。机の上で考えるのだからいいかもしれないが、とられる身になるとこれではかなわぬ。毎年毎年税の基本方針が違つて来ては、納める方は一体ことしはどうなるのかということで理解も納得もする間のないうちに税法がかわつて行く、こういう行き方では、私はこれはいたずらに役人が自分の仕事をもてあそぶことだと思う。ことに税金に関しては、こういう方針を立てられては困ると思う。大臣はどうしてこういう無方針な税制をきめられるのか、私はその点をはつきり聞いておきたいと思う。お昼前の、税金が悪いというならやめるということは、話はわかりますが、この狩猟者税というものは、ここ三、四年間のうちに三転していますよ。こういう基本方針であつては国民は迷惑すると思う。これに対して大臣は一体どういうふうにお考えになつているのか、一体税金というものをどういうふうにお考えになつているのか、これを伺いたい。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 この点は私もおしかりを受けて、もつともだと思うのでありますが、私も国民の一人としては、いつもそう感じておるわけであります、ただ申し上げますならば、実は終戦後の日本の大幅な税制改革、ことに地方税の面お七けるシヤウプ勧告に基く税制改革自体に、多少無理があつたということで、その無理を今までは姑息的に少しずついじつて来たということで、毎年々々あつちをちよつといじり、こつちをちよつといじるということであつた。ところが税というものは全体として一つの体系をしておるものでありますから、いじつたことによつて、また他の面にもいろな障害が出て来るということで、結局これは一度本質的な大規模な改革をしなければならないというのが、今度の改革になつたわけであります、個々のものにつきましては、また後ほど政府委員から御説明申し上げますが、国全体の計画としては、従つて今度は相当大幅に、しかもある一つの考え方に基いて、大きな改革をいたしたのでありますから、今度はちよこちよこいじるとはいうことをしない、そういう考え方をしておるわけであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 これは私はそう答弁されるよりほかに方法はないと思う。ちよいちよいいじりまわすということになると、なお困ると思うのであります。私の聞いておりますのは、先ほどから申し上げておりますように、大臣はそういうような答弁をされておるけれども、お昼前は、悪い税金は来年はやめたいということを言つておる。しかしこの狩猟者税、譲与税というものをまた来年やめられるということになると、これも困る。私は地方財政というものと同時に、税金というものは、個人の納めるものであつて、納める者の身になつて考えてもらいたい。たといその税金が多少の悪税でありましようとも、非難のある税金でありましようとも、やはり一つの税金として定められた以上は、――それを改めることは決してやぶさかではございませんが、しかしこの狩猟者税のごとき税金は、これは最利はそういうことをちよつとも考えないで、一つの行為税としての取扱いをしておつた。その次には、行為税ではあるが、さつき言つたように、どうも一律、一体の行為税と見なすわけには行かない。それを業としている者がある以上は、単なる行為税として取扱うわけに行かぬということで、税制が改められて、これが一年か二年続いております。これがまたことし画一的の行為税として現われて来ておる。こういう確信のない税制改革はやめてもらいたいと思う。大臣は今税金というものはなるべく恒久性のものにしたいと言われたが、それはものの考え方であり、理想はその通りであります。しかし理想を理想としないで、現実はそれにまつたく反した税制改革が行われておる。従つて私はこの機会に聞いておきたいと思いますことは、この税制改革にあたつて、政府としては一体どれだけの用意と、どれだけの範囲にこれか諮問されたかということである。税制調査会はむろんあります。同時に地方制度調査会の財政部会で多少の議論がなされておる。従つてこの問題については、政府は一体どの程度答申案を取入れ、どの程度一般に対して諮問されたかということを聞きたいのであります。きわめて不用意の間にこういうことが行われといるのではないか。税金だけは不用意の間に行わないようにして、悪ければそれを順次是正することはけつこうでありますけれども、新税は悪税なりという例もあります。この税金の中には新しい税金が四つか五つございますが、悪税を四つ五つふやしたと思うのです。こういう確信のない税制改革はぜひやめてもらいたいと思う。この税制改革をなされるにあたつて、政府のとられた態度を、この機会に、せひお聞かせを願いたい。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 あとで大臣から御説明があると思いますが、私は狩猟者税の問題について、一言御説明さしていただきます。実は御承知のように、昨年の国会で、狩猟者税の税率一本できめられておつたものを、業とする者と業としない者との二本建にするというふうに修正されたわけであります。従つて政府当局といたししましては、この修正の趣旨をできる限り尊重して行ぎたい、こういう考え方でおつたわけであります。ことろがその後狩猟者団体から非常に強い要望がございまして、また課税の実際に当つておりまする府県から非常に強い要望がございまして、要するに業とする君と業としない者とに区分をするということは、実際問題として区分ができないのだ、こういうふうなことでごさいました。たとえばある県におきましては、どうしても振りわけができない。いたし方なしに、狩猟者団体と県と話合いをいたしまして、狩猟免許状をとる者の半数は業とする者である。半数は業としない者である。その振りわけは狩猟者団体自身でやる。いたし方ないものだから、その平均の税額でまとめて納めてもらう、こういうふうな税法の適正な実施ともつかないような、不穏当なという言い方もできると思うのでありますが、そういうやり方もせざるを得ないようなかつこうになつたようであります。そういうような経過にかんがみまして、やむを得ずあえて――国会に対してはたいへん失礼だと考えたのでありますが、今回こういうような一本化にもどすというふうな案を提出せざるを得なくなつたわけであります。まつたく政府自身積極的にこういうふうに旧にもどすという案を考えたのではありませんで、狩猟者団体、あるいはまた徴税当局、あるいは国会においても同様な考え方を強く表明された方々もありますので、最終段階にこれらの意見を総合いたしまして、狩猟者税の税制一本化の案を出したわけであります。門司さんのよく御承知のように、この狩猟者税をどういうふうに観念して行くか。これはいろいろな経過をたどつております。ただいまは免許税というふうな考え方に立つておるわけでありますが、ある場合においてはそこに奢侈度を加えて行く。そういう意味においては、所得の段階に応じて税率をかえるというふうなやり方をやつておつた時代もあるわけでありますが、今日の状態から考えてみますと、むしろ一本化にして、できる限り税額は低い方がよろしいのじやないか、こういうふうな見地から、この程度の税率を採用するように参つて来ておるわけであります。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 全体の今度の税制改革につきましては、御指摘のように地方制度調査会、それから税制調査会、その意見を頭に置いてやつたことは、もちろんであります。しかし個々の問題につきましては、大体できるだけそれぞれの関係団体の意向を聞く。それから最終的に案がまとまりますまでに、御承知のように、閣内におきましていろいろ意見の調整があるわけであります。たとえば中小企業者の立場は通産省が代弁をして、いろいろと意見を申し出る。それに対してこちらの立場を、説明してそこで調和をとる。また自動車税などの場合におきましては、業者の立場を運輸省が代弁をしてわれわれと折衝するというようにいたして、そうして最終的な結論を出したわけでありまして、関係の団体、関係の人たちの意見というものを、私どもとしてはできるだけ最大限に取入れてつくつた、こういう考え方をいたしておるわけであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 今の奥野君の答弁ですが、私の聞いておりますのは、経過を実は話されたのですが、少くとも税金というものは、納める者は納税義務者なんです。今狩猟者団体と言われたけれども、狩猟者団体というものの実態が何か御存じですか。ほんとうに業としておるような山の中におる狩猟師は、この組合なんかに発言権もなければ――ほとんど私はないと言つていいくらいだと思う。狩猟者団体で発言権を持つておるのは、遊ぶ猟をやる諸君なんです。従つてこういう税制をきめる場合に、国会として、そういう意味で修正されておる。税金は本来の姿にもどすべきものであるということになつておる。一面行為税ではあるが、また行為税とは言い切れないものがある。しかもそれを一つの行為税として、府県が徴税しやすいから、徴税しやすくさえすれば、納める者はどうでもかまわないというような考え方で、税金をきめられてはかなわない、徴税も必要ではありますよ。しかし税金である以上は、納める者の身になつて考えてもらいたい。猟銃を肩にかついで遊びに行く諸君が、納める二千四百円は大したことはありますまいが、きじ一ぴき、うさぎ一ぴきで生活しなければならぬ者の二千四百円、これを同一に見るものの考え方が間違つておる。それからまだほかにもあるでしよう。固定資産税の中に使用者課税というものが入つておる。従来使用者課税というのは不都合だというので、やめられているはずであつたが、またことし使用者課税が出て来た。ここに使用者に課税すると書いてある。こういう税の一つの体系の中といいまするか、その中で種々当局の意見がかわつて来るということについて、私はさつき長官に申し上げたのでありまして、従つて今の長官の答弁は、単にいろいろ考えたというお話でありますが、少くとも税金についてはもう少しはつきりした態度で臨んでもらつて、一ぺんきめた税金というものは、やはり相当の期間それが保ち得る制度をひとつぜひつけておいてもらいたいということが考えられるのであります。  従つて次に長官にひとつお尋ねしておきたいと思いますことは、この税法によつて国と地方の財政規模の問題について、どういうバランスになるかということは、ここの説明書の中に多少書いてあるようであります。従来三〇%ないし三二%のものが、大体五〇%くらいは税でまかなえるのじやないかというようなことで、非常に礼讃されて書いてあるのでございますが、実際は先ほど申し上げましたように、この税制の中にはかなり無理な税金がだんだん出て来ているのではないか。従つてお伺いしておきたいと思いますことは、いわゆる自然増を除いて、税制改革によつてどのくらいの増税がこれに見込まれておるかということ。これは財源を与えると言つておりますが、法律で財源をきめるのでありまして、与えられて納めるのは住民でありまして、よけいとられる勘定になるのであります。従つて自然増を除いて、どのくらいの税額が大体徴収されるのであるか。それが国税の方でどのくらいのものが一体住民のふところに対して減税になつておるのか。そのバランスがもしおわかりならば、ひとつこの機会に聞かせておいていただきたいと思います。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 第一点は、従来の方式を簡単にかえ過ぎるというふうな御意見でありましたが、その中に、固定資産税について、再び使用君課税を復活しているじやないかという御説があつたわけであります。しかしこれは少し誤解されているようでありますので、簡単にこの点に触れておきますが、現行法の三百四十三条の五項や六項におきまして、形式的にはまだ台帳の名義がかわつていないから国のである。しかし実質的には所有権が移つているのだ、そういう場合においては使用者あるいは所有名に課税し得る道を開いているのであります。この規定が若干不備なところがございますので、これを是正したい、そういう程度の改正でございます。すでに国有鉄道その他の持つておりまするものでありましても、本来の事業の用に供しないもの、これは従来は使用課税をやつておつたのですが、昨年国会修正によつて国有鉄道その他に直接課税をする道を開いていただいたわけでございます。従いまして思想的に変更を加えているわけではございません。  なお狩猟当団体の意見を聞いただけでは狩猟者全体の意向を必ずしも反映していないのだ、こういうお話、私どももその点を実は非常に心配したわけであります。ただ先ほども申し上げましたように、狩猟者団体自体において負担を均分し合うという形になつてしまつていますし、あまりにも旧に復してもらいたいという意向が強かつたものですから、それらの意向を総合的に判断してこのような改正を立案したわけであります。今後においても門司さんの御意見は、十分われわれとして考えて行かねばならぬ重大な点であろうと思います。  なお今回の制度改正によつて、どれくらい実質的に国民負担がふえて来るのたろうかというような意味の御質問であろうと思います。大臣の説明にもありましたように、自然増収が四百二十九億円、減税による減収が二百五十八億円、税源拡充に当ります部分が四百五十三億円、しかしこれもタバコ消費税をつくります等の関係がございますので、実質的な今回の負担増といえば、不動産取得税ではなかろうかというふうに思うのでございます。もちろん他面には固定資産税の減税等もやつているわけでありますが、この不動産取得税の本年度の収入見込額は四十四億五千三百万円であります。もう一つは自動車税を増徴している点でございまして、この金額が二十四億九千九百万円ということになつております。それ以外には特に実質的に国民負担をふやしておるというふうな問題はございません。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 私の聞いているのはそれではなく、国税と地方税と比較してとれだけふえているかということです。国税の方は所得、税が減つております。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 ただいまのお尋ねは、計数を整理してお答えいたしたいと思います。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 最後にもう一つだけ聞いておきたいう思います。これは長官の説明書の中に書いてありますが、やはり固定費産税をきめる、あるいは不動産の取得税でありますか、それらの問題をきめることのためにここに「不急の建築などが抑制されるならば、幸いであるということなどを考えているのであります。」こういうふうに書いてございます。このことは前からずつと読まなければわかりませんので前から読んでみますと、こういうことが書いてある。その四です。「これは土地又は家屋の取得に対しまして、その土地又は家屋の所在する道府県において課するものであります。これを設けようといたしますのは、不動産を取得するという比較的担税力のある機会に相当の税負担を求め、反面、当該不動産に対する将来に亘る固定資産税の負担を緩和したいということ、とくに、固定資産税の税率を引き下げることによつて償却資産一般に対する固定資産税の負担を軽減したいということ、不動産取得税の課税にあたつての不動産の評価を通じて市町村相互間の固定資産評価の均衡化をはかつて行きたいということ、さらにまたこの税を通じて不急の建築などが抑制されるならば、幸いであるということなどを考えているのであります。こう書いてあるのであります。この場合の不急の建築でありますが、不急の建築という言葉は、一体何をさして大臣は言われたのか、私は大臣の説明書を読んだだけではわからぬのでありますが、もし大臣が御説明ができるならば、この点をひとつ御説明していただきたい。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 不急の建築というのは、ここではどういうものを考えておるかというお尋ねでありますが、これはよく問題になつております都市に非常に高層のビルなどがどんどん立つ。そういうところが幾らかでもこれで押えられるということになればという考え方でおります。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 私は奥野さん、あなたに聞きます。入場税と遊興飲食税は地方税です。それが入場税は国税になつている。そうして遊興飲食税だけ残つた。これはどういうわけなんですか。先日もちよつと尋ねましたが、あなたは留守の間でした。ここで詳しく説明していただきたい。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 この問題につきましては、大臣からも先刻御説明があつたわけでありますが、これはどちらも地方税に残しておきたい、こういう考え方がございます。またそういう主張をする人たちもございます。またどちらも国税にして人口按分で返した方がよろしいのではないか、こういう意見もございます。まつたく相反した意見が交錯しておつた問題てございまして、結論が遊興飲食税は地方税に残り、入場税は国税に移るというふうな結果になつたわけであります。しかししいてりくつをつけて考えますならば、遊興飲食税の方が課税事実を把握するのに困難ではないだろうかというふうに私たちには思われます。従いましてまた能率一本で徴収するということになりますれば、客観的に事実のはつきりしないものにつきまして、徴税する側と納税する側との間の摩擦が拡大する、そういう意味においてはなるたけ民主的な運営をして行かなければならないし、中央の命令で能率一本でやるよりは、区域ごとの自治団体がその衝に当る方かいいのではないだろうか、こういう言い方もできるのではないかというふうに思うわけであります、ただどちらの考え方もわれわれとしては成り立ち得ると思つておるのでありまして、それが結果としてこの折衷案におちついたということになるわけであります。折衷案にりくつをつけますれば、私がただいま申し上げましたようなことも言えるんじやないかというふうに思つております。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 しからば入場税がもし国税に移管されましたら、「人口にあん分して」とありますが、そこでその入場税が政府に移管されると、またまた国会に陳情が多くなります。あなたも御承知の通り、平衡交付金の係をなさつておられまして、われわれ代議士も平衡交付金及び地域給のために非常に悩まされております。ところがまたこれが国家へ移管されると、地方から続々として陳情に参ります。日本は陳情亡国だ。こういうふうなものは、地方の現状のままにしておいたらよいのになぜいらうのか、私は合点が行かない。この通りまたしても陳情々々。陳情亡国です。(「人口割ですよ」と呼ぶ者あり)人口割でも、その他とある。その他とあつたら、やはり陳情に来て、その他でたくさんとつた方がよろしいわ、そういうようなことをしてもらうと私たちは非常に困るのです。その点奥野さん詳細に――私は詳細でないと承知せぬ。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 入場譲与税はまつたく人口だけで按分するというふうに立案いたしておりまして、お手元にそういう法案として出してあります。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 人口だけで按分する言うたつて、そこにまた抜け道があつて……(「ないさ」と呼ぶ者あり)いやありますよ。やはりあるある。陳情に来たものにはたくさんあれをやります。そうして代議士をたさん使つて――われわれじやんじやん使われる。あなたの方へ陳情に行つた、ところがこの入場税というものはたくさんもらう、こういうような法案をつくつてもらつたらわれわれは困ります。これはやはり地方に現状のままに置いておくのが私はよいと思います。あなたの考えはどうですか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 地方自治の立場から考えましたならば、国でとつてもらつて、国から財源の配分を受ける、それは少し親切心が行き届き過ぎる。やはり自分で徴収した方が自まかないの精神が出て行きまして、独立精神を涵養するためにはいいだろうと思うのであります。ただしかしながら、他に独立財源を増額したいというような関係もございますし、御承知のような義務教育費国庫負担法のような経緯もございますので、やむを得ずこのような処置をとるわけでございます。まつたくこれはやむを得ない措置だというふうに考えておるのでありまして、やむを得ないという意味において政府としてもこの案を提案申し上げているわけであります。ただ配分にあたりまして陳情が多くなり過ぎるというふうなきらいがある点がございましたら、どんどん国会で法律をおつくりいただくわけでありますから、そういうおそれのないようにしていただけばいいのではないだろうか、またわれわれとしてはそういうおそれのないように心がけて立案しておるつもりであります。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 人口割とおつしやいますけれども、平衡交付金もそういうふうになつております。けれどもそこに抜け穴があつて、陳情がたくさんあつて、そうしてあなた方のところへ頭を下げに行つた者のところは平衡交付金が多い。それと同じようにこの入場税もなると私は思う。それは法律をつくつても抜け穴は何ぼでもあります。だからこれもまた陳情亡国の上つの種になることが私は非常に悲しいのであります。  それから先日後藤さんが入湯税――すなわち温泉に入る者は金持の人と貧乏の人とあるけれども、税金は一般に一人入湯したら一日二十円とるんだとおつしやいました。しかしこれをもし業者が全部着服して、間接税ですから納められなかつたときに、こういうものは一体どうであるか。その意味において私はこうしたばかな入湯税というものはとらないようにしてほしい。あのときあなたはいらつしやいませんでしたが、こういうものを金持であるか、貧乏であるか、どういうようにして区別するか、何人入湯したか。それをどういうようにしてあなたの方は徴収なさいますか。幾らでも業者はごまかしておる。こういうごまかしの法案をおつくりになることは、国民のごまかすことを助長する意味になると思つて、私はそれを非常におそれる。その意味において奥野さんに重ねて伺います。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 お説にありますように、入湯税は非常にいい税だから、これを積極的に推進して行きたいというほどの考えも持つていないのでありますけれども、ただそういう鉱泉浴場の所在地にとりましては相当な財源でございます。総体においては少いかもしれませんけれども、特定の団体においては相当な財源でございます。これを基礎にまた鉱泉浴場に対しましていろいろな施設も講じておるだろうという考え方で、これを存置しておるわけであります。お話のように湯治客等に対しまして、さらに余分の負担をさせますことは、なるたけ避けた方がよろしいと思うのでありまけれども、鉱泉浴場への入湯客の全体を考えてみました場合には、多少そういう機会に担税力を見出した方がよろしい人たちが多いのではなかろうか。総体的にはそういうことが言えるのではなかろうかというふうに思うわけであります。これは標準税率をきめておるだけでありまして、もつぱら湯治客を相手にするような地域の入湯税につきましては、町村自身が低い税率を定める。ある場合には奢侈的な地域におきましては、若干高い税率を定めておるというやり方もいたしておるようでございます。入湯客が正確にわからないじやないかというお話でございますけれども、できる限り正しく入湯客の数を申告していただきますように、業直の方々にお願いをしておかなければならぬ。またそういう気持を持つていただかなければ税務行政全体が軌道に乗らないじやないか。これがわからないようでは所得税も正確でなくなるし、事業税も遊興飲食税も正確でなくなるわけでありまして、やはり全体に関連した問題ではないだろうかというふうに考えております。お説の点につきましてはなお将来研究してみたいと思います。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 それから遊興飲食税で「宿泊及び前号の飲食以外の飲食」これはどういうことなんでしよう。この意味をちよつと教えてください。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 お話の点は百十五条の規定の解釈であろうと思います。「前号の飲食以外の飲食」と申しますと、料理店とか貸席とかカフエーとか比較的遊興的とみなされますような度合いの強い場所における飲食以外の飲食ということでございます。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 そうすると宿屋にとまつても芸者をあげたり、お酒を飲んだりしたらとられるけれども、宿泊するだけだつたら課税されないと解釈してよろしゆうございますか。どういうふうに解釈したらよろしいですか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 その場合は百分の二十の税率ではなしに、百分の十の税率が適用される。低い方の税率が適用になる、かようになるわけでございます。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 宿泊だけだつたら百分の十の税率が課せられるのですね。そうですか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 その通りであります。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 そうしたら料理店、貸席、カフエー、バーそれからその他というたらこういうものですか。ダンスホールもあるしキヤバレーもあるし、その他というたらどういうものですか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 お示しになりましたようなキャバレーなどが一番適例だろうと思います。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 そうするとバーとキヤバレーはどういうふうに違うのですか。奥野さんあなたはよく知つておられるでしよう。(笑声)

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 これは別に法律的な定義がございませんで、いろいろな名前を使つておりますが、ただこれらに類する場所といいますのは、大体女をはべらせて飲食をするというふうなことを常態とするような、比較的遊興的とみなされるような場所における飲食をさすわけでございます。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 それではダンスホールもこれに入るのですれ。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 ダンスホールの施設を利用いたしまする場合には、現行法では入場税の対象になつております。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 ダンスホールには入場税がかかるのですか、何割の入場税ですか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 入場税は百分の五十ということになつております。チケツトの代価を課税標準にするわけでございます。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 そうすると、このごらダンスホールヘみんな行かずに、ダンスの教翌所に行きますが、あれは安くついておるらしい。そうするとこれは入場税がいりませんね。これは脱法行為です。これはあなたはどういうふうにお考えになつておりますか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 お話のように純然たる教習所におきまする施設の利用につきましては、入場税は課しておりません、ただ教習所という名前だけれども、そこに楽団を置きしまして、そうして、ダンスの用に利しているというふうな場合には、一般のダンスホールの利用の場合と同じように入場税を課しておるわけでございます。名称のいかんではなしに、実態によりまして課税の可否を決定いたしております

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 ダンス教習所というものは、大方そういうふうなダンサー兼いろいろなものを置いてやつておる。そういうところこそ完全に税金を徴収したらいいじやありませんか。そういうものを抜いておつて、こういうことをなさることは私はどうかと思うのです。この点はあなたはどういうふうにお考えになりますか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 税法の上ではそういうものも課する建前に、地方税法の入場税のところで規定いたしておるわけでございます。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 しかし京都あたりやその他では、ダンスホールには入場税はかかつておりませんです。ダンスホールそれから教習所、そういうところへおどりに行く人こそ入場税をとつたらよろしいのにとつておりません。この点が私はおかしいと思うのです。それこそ今度の改正案に入れて、そうしてそうした入場税をとつたらよろしい。それをとらないでおる、そういうようなところは私は非常に不合理に思う。  それから貸席というたらどういう所なんですか。中川のようなところが貸席なんですか。貸席の御意見を拝聴したいと思います。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 京都府におきしましてダンス教習所の施設の利用に対しまして入場税を課していないというお話でございますが、実態が単なる教習所でない場合には入場税を課しておるはずだとわれわれは考えておりました。もしそうでございませんければ、よく調査をいたしたいと思います。京都府にはそれを課さないような余裕はないだろうと思つております。地方税法の上では課さなければならぬ建前になつております。第七十五条の第四項の第一号には「舞踊場」という言葉をあげております。さらに四号には「前三号に掲げる施設に類する施設」ということを掲げております。だからどちらか課税対象になつて来るはずだというふうに思つております。  それから貸席は、お話になりましたようなものが貸席に当るわけであります。座敷を提供いたしまして飲食物は大体原則として注文してよそから持つて来させる。また芸妓もそこにはんべつて来るというふうな場所でございます。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 そうしたら目下造船疑獄で問題になつておる中川のようなところが貸席であると解釈してよろしゆうございますね。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 その通りでございます。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 私はダンスホールへときどき行くのですが、入場税をとつておるところはありません。そういうようなところは、もつと自治庁から通達してほしい。教習所も入場税を、京都ばかりではございません、どこもとつておりません。あなたは踊りにおいでにならぬのですか。こういうところこそ、あなた方ごらんになつて入場税をとつてほしい。どういうふうにお考えでございますか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 よくお教えをいただきましたので今後よく勉強して行きたいと思います。ただ舞踊場に参りますと、チケツトを購入するわけでありますが、そのチケットの中には、純然たる料金と入場税とを一緒にいたしましてお客から金をもらうというふうなことになつておるのが通例じやないだろうか、料金だ税金だというように区分して徴収しないところが相当あるのじやないかというふうに思つております。しかしこれらの点につきましてはせつかくお教えをいただいたわけでありますから、よく研究してみたいと思つております。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 これはほんとうにとつておりません。だからこういうものこそ税金を課する必要があると私は思います。これは私が体験しておるのですから、ぜひとも課税していただきたい。  それから遊興飲食税に「芸者その他これに類する者」とあるが、その他とは何でございますか、教えてください、私は女ですからわかりません。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 芸者とは何ぞやということは、別に定義がないのでございます。地方によりまして芸者とも呼び与し、またやとなとか、いろいろ違つた名前をつけて呼んでおるわけでございます。特に戦後におきましてあまりはつきりしたものもないわけであります。ただ花代をとつておるか、とつていないか、花代をとつておるような女の客席にはべる種類のものを称しまして一号で代表させておるというふうに考えておるわけでございます。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 芸者はわかります。私があなたにお尋ねしておるのは、「その他これに類する者の花代」とある、「その他これに類する者」がわからぬのです。これを教えてちようだい。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 「その他これに類する者」の名称ということになりますれば、町村によつて非常に違つているのじやないだろうかというふうに思つております。実態は何か、こうお尋ねになりますならば、花代を時間その他によりましてお客から領収しますような種類の者を言うのだというふうにお答えをいたしておるわけであります。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 あなたも御承知の通り、私たち婦人議員団で売春禁止法を出そうとしています。それで、その赤線区域の税金のとり方は、一人幾らで税金をとつております。そうすると、日本の国に公娼というものがあるというふうに私たち解釈してよろしゆうございますね。赤線区域、吉原、鳩の町、ああいうところでは女一人に幾らというように人頭割でとつておる。京都でもそうです。そうすると、これは国家が明らかに公娼制度というものを是認しておることになる。私は婦人の立場から、国家がこうしたものから税金をとつておるということは、公娼制度を明らかに認めておることであると思う。芸者ならいざ知らず、これは一体どうであるか。この点いつも私は声を大にして言うのです。公娼制度を認めておる、じや売春禁止法を出す必要はないじやないか。あなたの方では、公娼制度をお認めになつておるのであるかどうであるか、それを婦人の立場から聞きたい。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 もちろんこの地方税法の中には、売春行為に対して課税をするのだというふうなことは書いておりません。またおつしやいましたような種類のものが花代だとも書いてありません。課税をします場合に、これが部屋代であり、これが飲立代であり、これはいろいろの容器の代だというような区分もないものでありますので、一定の場所において時間を費した、正確に言えば遊興したということになるかもしれませんが、その際支払つた代金が課税標準になつて遊興飲血税が課せられている場合が多いだろうと思います。大体お話になりましたような問題につきまして争いになりますのは、第二号の問題じやないかと思います。「料理店、貸席、カフエー、バー、喫茶店、旅館その他これらに類する場所における遊興、」の料金、これが遊興であるか遊興でないかという議論になるのかと思いますが、売春自体に課税しておるのではないのであつて、遊興の料金を課税標準にしておるのだ、こういう形になるのだろうと思います。どうすべきであるかという議論は別にいたしまして、地方税法のこの規定が課税の根拠になつているのじやないだろうかというふうに思つております、

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 私はいつも言うのですが、人頭割で税金をとつておる、また遊興飲食税もそうしてとつております。そういうようなことは、今まさに売春禁止法が出されようとしておるときに相矛盾すると思う。この税金のために、青森、福島その他貧農の子供が身売りして来ておるところがたくさんあります。ところがこの税金を彼らが負担しておる。彼らをかかえておる者がこの遊興飲食税を払つておるのではない、結局はそのおなごが払つておる。客からとつたらいいじやないかといつても、客からとつているのではなくて、その婦人が支払つております。せんだつて私は吉原を見て痛切に感じた一人です。それでもここで遊興飲食税をおとりになるというのであれば、あなた方は婦人の権利を踏みにじつていらつしやる。これをどういうふうにお考えになつていらつしやるか、鈴木さんから御意見を聞きたい。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 だんだんと公娼廃止の問題に関連をせられて御質問でございますが、先ほど来税務部長からお答え申し上げておりますように、売春行為それ自体を課税の対象としているということではなくして、やはり遊興と申しますか、そういう者のサービスを受ける、そういう遊興を課税の対象といたす、従つてそれが課税標準となつて税がかかつて来る、こういう考え方でありまして、これが公娼といいますか、娼妓の制度を公認しているというふうな考え方ではないのであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 関連して。今の答弁はそれでいいと思いますが、実際は今大石さんの言つている通りだと思うのです。だから、税法できめた遊興飲食をした者に課税されて、それが納めているならけつこうだが、そうでなくして、かかえているというか、あるいは使用しているというか、それらの人たちが結局弱い女に税金を負担させているというのが実態だが、そういう実態については、もう少し突き進んだ答弁が必要じやないかと私は思う。公娼制度を認めておらないというなら、それらの諸君にそういう税金が転嫁されるような制度にして、この際はぜひ強い力で強制してもらわぬと困る。今のようなことで、ただ税金をそういう者にかけていないからとつているはずはないという通り一ぺんの答弁であつたが、実態はそうでないから大石さんの質問が出て来ると思う。これはどういう処置をとられるか、その点をはつきりしておいてもらいたい。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 この税法上の問題といいますか、徴税の問題と、娼妓の境遇と申しますか、実情につきましては、ただいま門司委員なりまた大石委員の御指摘になりましたような非常に気の毒な境遇であろうと思うのであります。税法としましては、ただその実態をそのまま受けて書いているだけでありまして、かりに売春禁止とか、公娼というか、私娼といいますか、とにかくそういう娼妓制度を全部やめるということになつて、社会の実態においてそういうものがなくなれば、これは自然適用されるものがなくなる、こういうことでありまして、要するに税法自体がそういうものを認めているとか、認めていないとかいうことにはならぬと思うのであります。こういうことを申しましては、今の実情についてのお話に対する答えにあるいはならぬかと思いますが、これは社会問題として解決するほかない、これを税制の上におい、解決するということは困難であろうと思うのであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 そんなことではだめだ。これは鈴木さん考えてもらいたいのだが、税金は単に書いただけが税金じやありませんで、徴税して、収納されるまでが税金のすべてだと思う。そこで、一応書類には別に女の子に税金をかけるようになつていないことは私も知つている。しかし実際は女の子に転嫁されているのだということになつて参りますと、納税義務者が自分のところから当然徴収して出さなければならないものを、むろん客からも徴収せず、自分も負担しないでおいて、納税義務者にあらざる女にかけて来るということは、納税義務者の詐欺行為になると思う。これをあなた方認めているかどうかということなんです。それをあなた方が認めておられるなら、鈴木さんの答弁でもいいが、認めておらないとするならば、そこに何らかの処置が講ぜられなければならないと思う。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 お話になつておりします件、われわれも確かに問題だと思つております。これをどう解決するかということにつきまして、ただいまのところ成案はございません。しかしながらお説をよく考えまして、いい方法を研究して行きたいと思います。と申しますのは、おつしやいますような売春行為を主体にしてやつているところがございます。そういう場合には、一体場所の所有者が経営者であるかというと、経営者は、われわれは何も関係していないのだ、女がやつているのだ、こういうような態度をとるようであります。結局女が客を呼びました員数に応じ、あるいはまた受取りました金額に応じまして、四割とか六割とかいうものを主人といいましようか、あるいは場所の提供者といいましようか、そういう者に納めているようであります。従いまして、その辺がむずかしいわけで、料理店の実体的な経営者といいますか、あるいは所有者といいますか、そういう者は、徴税の面になつて参りますと、自分は何も関係はないのだというふうに逃げるようであります。しかもその結果はおつしやいましたように、女に対して徴収の義務を負わしているものですから、徴収をしなければならない。その負担が実質的にかかつて来る。また場所の提供者に対して相当多額の金を支払わなければならぬ。今二重に苦しめられている実態を私たちも若干聞いております。徴税上やむを得ずそういう措置をとつているようでありますけれども、これは一つの問題であろうと思います。またそういう実態をそのままほつておくこと自身が非常に問題だと思うのでありまして、その結果大石さんが売春行為に課税してけしからぬとおつしやるようであります。この売春行為の問題だけではなく、飲み食いも行われているようでありまして、その辺すつきりした形に持つて行かなければならない。むずかしい問題を包蔵しておるようでありまして、私たちも今後積極的にいろいろの意見を聞きながら、いい方法を見出して行きたいと思います。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 さつき鈴木さんが性行為、公娼、こういう言葉をお使いになりました。あなたの頭には、日本にはやはりそうした公娼制度があるということを考えていらつしやる。いわゆる旧体制依然たる頭であると思う。そこで四分六分で向うの方はとつております。主人が六分で女が四分であります。そして結局はこの遊興飲食税はだれがかけておるか、私たちが調べたのでは、みな婦人がかけております。そしていくらかせいでもかせいでもしまいには五万、六万、多いのになると五十万の借銭を負つて、銘他の着物一枚買つても、一万円のものが三万円と帳面につけられておる。それでも泣きながら彼女らはおります、そして税金もそこの楼主は払つておらず彼女らが払つておる。少くとも婦人が参政権をもらつて、この衆議院には婦人の代議士が九人もおります。それにもかかわらず、いまなおこうした遊興飲血税が彼女らにかけられておる。それをわれわれは同性の立場から黙つておられるでしようか、あなたどういうふうにお考えですか。あなたは先ほど公娼とおつしやつた。いつの世になつても、この性を売買する者はなくならない。私も先ほどヨーロツパに行きまして、このセツクスの問題について、よく研究て参りましたが、それは男対女で関係して、そして一つも仲介者がない、だれも搾取しない。日本の国だけです、全世界に日本の国だけ婦人が男の人、しかも楼主に搾取されている。しかもその上に遊興飲食税の名をかりて国家が彼女らを搾取しておる。こういうような税金を置いて、そうして婦人が男女同権と言われるでしようか、どうですか、この点を私ははつきり聞きたい。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 根本の考え方につきましては、私も大石さんの考え方とまつたく同じであります。ただ現在の情勢が――情勢と申しますのは、実際の地方の財政の上でかようなものになるまで財源を期待しなければならぬ、そういう情勢から現行法においても、こういうような制度があると思うのでありまして、将来かようなものにまで税を求める必要がないような事態になりますことが、一番いいことだと思うのであります。根本の公娼の問題等につきまして、先ほど私がいかにもそういうものを国家の制度として公認をしておるかのごとき発言をいたしたといたしますならば、その点は私は取消ししておきます。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 鈴木君はそんな答弁をしたら困るよ。まるきり公娼を認めているような答弁をしている。そんなものに税金をかける必要はないと思う。要するに今問題になつておりますのは、女のいわゆる性行為というものの自体が遊興であるか、飲食であるかということが一つの問題だと思う。これが一体遊興の中に認められておるかどうか、今日の遊興飲食税の中には私はそれは認められていないと思う。あなたはそれを認められているのですか。売春行為は、今禁止法というはつきりした法律がなくても、一応禁止せられていることに間違いはない、許された一つのものじやない。しかるに今の答弁を聞いておると、そういうものにかけないようにするということは、かけておるということが裏から考えられるのです。だからそういう税金をかけていないところの一つの行為に対して、いかにもそれが税金を負担させられておるところに矛盾があるのであつて、私は自治庁のとるべき態度としては、遊興に対して、あるいは飲食に対してはかけてもいいが、少くともこの場合の遊興というのは、公の場所の法の許した範囲における遊興であつて、私は婦人の性行為を遊興と考えていないと思うのです。従つてそういうものに対してはそういう税金をかけてはならぬ。たとえばカフエーであるかあるいはどいうところであるか知らぬが、そういうところで遊んだにいたしましても、そこには必ず飲食が伴う。その遊興というものについては税金をかけても私はいいと思う。これはりくつからいえば禁止せられておる行為でありますから、婦人がかつてに自由に行う自分の行為だということになれば、これは法律で禁止するわけに参りません。ただそこに代償を得てやつておるということが一つの問題になつておるのである。代償を得ておるということについて、もし今日の遊興飲食税がかかつておるとすれば、それは問題だと思う。われわれの解釈においてはそういう行為に対して遊興飲血税をかけていないはずである。少くとも公に認められた遊興の範囲内においてのみ遊興飲食税はかけるべきものであつて、公に認められていない売春行為に対して税金をかけておるということになれは、これは一つの問題ですよ。一体政府の遊興飲食税の解釈というものにそれは入つておるのか、売春行為というものが一つの遊興であるというのか、その点をひとつはつきりしておいてもらいたい。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 今私が申し上げましたことを、何か制度上の問題として認めておる、こういうふうにおとりになつたようでございますが、そういう意味で私は申したのではないのであつて、こういうようないろいろ問題を起しますような遊興に対してまで税金を求めなければならない、しかも相当高率な税金を求めなければならぬということに問題がある、こういう意味で申し上げたわけであつて、一般の飲食税と申しますか、そういうようなものについてこれをすべて否定をするという意味で申したのではないのであります。  それからこの遊興の中にどだい性行為が入るか入らないかという問題でありますが、これは先ほども申し上げましたように、遊興ということは結局さような婦人のサービスを受ける、その際は酒なりその他のいろいろのサービスがあるわけでございますから、そういうような総体を遊興というものと思うわけであります。これは今日の建前として、実際の料金として出て参りますもの、その辺の区分が先ほど来いろいろお話がございましたように、特別徴収義務者というようなかつこうに、当該の婦人がなつておるような場合が相当あるようでございます。従つてそういうような際の具体的の問題になると思うのでありまして、これはやはり実際の慣例が、こういう徴収の際におきましては実際の徴収の基準になつておるものと思うのであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 どうもおかしいのです。それは遊興の場合のサービスというものの範囲に私は性行為が入るとは考えない。もしこれがサービスであつたならば、これは問題ですよ。これは自由なる意思における相対の合意であつたら、これはどうか知らない。少くとも法律で遊興飲食税をきめようとするときに、性行為は一つのサービスとみなすなんというばかげたことは、われわれにはどう考えても考えるわけには参りません。この遊興飲食税の中におけるサービスというのは、いわゆる芸者その他は当然サービスする機関でありますからこれは認めてあるが、しかしその行為の中には私は性行為というものは入つていないと思う。性行為というものは、少くとも今日の法律の範囲で認めようとすれば、やはり合意の上の性行為でなければならぬ。それを逸脱したものはこれは認めてはならないということになる。認めないものに税金がかかつておるということは、私は非常に大きな誤りであると思う。従つて、それから来る経営状態というものは、四分六分であるというおかしな問題が出て来るが、私はそれがはつきりして来れば、四分六分という問題は出て来ないと思う。それは下宿代なら下宿代として一箇月幾ら、一日幾らという間代をとればいいということになる。もし婦人が料理その他を自分のところで出せばこれは遊興飲食税を課税するということも私は認めるのですが、しかし今対象になつておる婦人の場合は、自分の方でそうした飲食物を提供する方はないと私は思う。飲食物を提供する人はほかにあつて、そうしてそれに付随したそういう一つの行為が含まれたものの代金として取上げられて、その中で本人が四割もらうか楼主が六割とるかそれはわかりませんが、そこで按分されて来ている。私はそういう不合理な経営状態というものがそういう結果を生んでいると思う。従つて、遊興飲食税は明確にする必要がある。する必要があるとするならば、それはやはりそういう業態に対して、いわゆる遊興というものはここまでだ、飲食というのはこれまでだという範囲を明確に知らせるべきだと思う。たとえばもし二千円なら二千円という金をそこにおいて払つたとしても、そのときの遊興あるいは飲食に値する代価がどれだけであつたかということである。私はそれが一つの問題だと思う。それに課税するならそれはけつこうだと思いますが、それ以上の性行為があつたとしても、これはサービス機関であるから、それに税金をかけるということを政府が認めるということになれば、これは現実にその行為を認めていることになる。だから、その辺の見解はどういうことになりますか

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 御説につきましてはなおよく研究しなければならない問題があるのであります。ただ、現在のところでともかく御説明させていただきますと、百十五条の第二号で、「料理店、貸席、カフエー、バーその他当該道府県の条例で定あるこれらに類する場所における遊興又は飲食の料金」、結局この中に入るか入らないかという問題になるのだろうと思います。ここに書いてありますような場所というものは、単なる下宿を想定しているのではないのであつて、料理店、貸席、カフエー、バーというふうに、大体飲食物を提供する場所だろうと考えております。こういう場所における遊興、その遊興とはどの範囲か、これは非常にむずかしい問題でございます。でございますので、税法の百十三条の第二項でもつて、料金を課税標準とするのだが、その料金とは「何らの名義をもつてするを問わず、」こういう考え方をとつているわけであります。こういう段階における一つの問題は、大石さんも先ほど御指摘になりましたように、だれを特別徴収義務者にするかということが問題になつて来ると思います。この点につきましてわれわれは今後なおもう少しよく実態を研究してみたいと思います。  もう一つは、第二号に類する場所ではないんだ、そういう場所でないところでまつたく性行為だけが行われている、それが課税の対象にされていいのであろうかどうであろうか、それは私たちは課税の対象にならないのじやないだろうかというふうに思つております。この辺の実態もよく考えて行かなければならぬのでありまして、この二つに問題があるのじやないかと思います。われわれは研究不足でありますので、なおよく鳩の町等についても勉強したいと思います。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 私はひとつ資料をお願いしたいと思うのです。今度のこの税法の結果、地方税の増税される分というのは、固定資産税であるとか自動車税であるとか、そういうふうな物件税が非常に多いわけなんです。そこで固定資産税については減税をしておる。今まで百分の一・六の標準を一・五にしたと、こういうふうに言われておりますが、その課税標準になる不動産等の価格、それがこの参考資料の中にあるわけでありますが、これの耕地や宅地その他の固定費産の推計単価を見ますと、昨年と比べまして非常に高く見ておるのじやないか。たとえば田につきましては昨年は二万一千六百七十二円であつたものが、ことしは二万八千九十三円と見ておる。畑については昨年は八千七十三円がことしは一万百二十四円というふうに、二割ないし三割程度この基準単価を上げて考えておる。そういう結果、税率の方は下げても九十何億かの固定費産税の増収になるような計算になつているわけです。そこで今申し上げたような耕地、宅地その他の個々の推計単価、それから家屋等の推計単価、そういうものがどうしてこういう数字が出て来たか、その基礎資料をひとつ資料としてお出し願いたい。非常にこれは重要な点でありますので、どうぞできるだけこまかく願いたい。

中井一夫自由党

○中井委員長 ただいまの資料の御要求に対しては、できますか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 提出いたします。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 そうしたら奥野さんに尋ねますが、私たちは芸者が枕金をとつたということを聞きます。これは明らかに売淫行為じやありませんか。なぜこれに対して課税なさらないのですか、旦那が何人もある、中川へでも入つている芸者だつたら、これに遊興飲食税をかけたらいい。それなのに、赤綿区域でいつまでおつたつて借金ばかりになる。それで逃げると警察は彼女らを詐欺としてつかまえる、これは矛盾しているじやありませんか。これはどういうようにあんた、お考えになりますか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 お話にありますような貸席遊興といいますか、そこで支払われます料金は課税されて参ります。妾宅における問題については遊興飲食税の対象になつていないわけであります。先ほど来問題になつている点は、先ほど申し上げましたような線に沿いましてよく研究して、すみやかに具体的な解決方針を示したいと思います。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 売春禁止法が今まさにわれわれの手によつて出されんとしておりますが、具体的にそれを示したいとは、何日くらいまでにその具体的なことを御教示くださいますか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 近く県の税務課長の会合もございますので、その際によく意見を聞きまして、できれば今月中にでもその方針を検討して出すようにしたいと思つております。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 私は自分の郷里のことを引例しますけれども、郷里の貸席の人人はもうそうした遊興飲食税はよう払わぬ、婦人からもらつてくれという。そうすると府庁の方では婦人を対象とせねばならぬ、そうすると私たちと同じ同性がその税金を払わねばならない、結局そこの楼主はうまく言うて逃げる、これが現在の遊興飲食税の課税の方法なんです。あまりにもこれはかわいそうである。ゆえは私はこれを強調するのですが、さつそく全国のその方の課長さんをお呼びくださいまして、この点について御研究をくださいまして、この席上で御返事をいただきたいと思いますが、よろしゆうございますね。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 いろいろお教えをいただきましたので、そういうようにはからつて行きたいと思います。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石委員 それから奥野さんに聞きますが、事業税の非課税の範囲に現行法では教科書の供給事業が入つていたのでありますが、これが今回の国会で修正されております。これは何ゆえに教科書販売業者の非課税を課税なさることになつたのでございますか、これを聞かしていただきたい。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 大臣の説明にもありましたように、今回の改正にあたりましては、原則として非課税規定を整理したい、こういうような方針のもとに立案をいたしたわけでありますが、その結果今お話になりましたようなものも課税をするという建前をとつたわけであります。ただ明治時代からずつと新聞紙法による出版業に対しましては、営業税あるいは事業税を課しておりませんので、その関係のものだけはなお非課税ということにいたしております。従いまして教科書の出版に対しましても課税はいたしません。ただ教科書の売買は、他の雑誌その他の学術書等と同じように課税はいたします。書籍の売買のうちで、一体教科書が幾らあつたのだろうか、これはなかなかわからぬことじやないだろうか。また売買がありました場合に、もとより損失があります場合には課税をしないのであります。純益がありました場合にだけ、この純益を課税標準にするわけであります。一般の売買であるにかかわらず、なぜ教科書だけは非課税にしなければならないだろうか。そうしますと、もつと非課税の規定をふやさなければならないことにもなるのではないだろうか、そういう意味でやむを得ず非課税規定を整理して税制をすつきりしたものにしたい、そういう考え方から今回から課税するようにいたしたい、かように考えたわけであります。

大石ヨシエ日本社会党(右)

○大石(ヨ)委員 公共性のあるラジオ、新聞は非課税になつております。それと同じように教科書の販売業者というたら零細なものです。これに対して課税するというたら私はあまりひどいと思うのです。もつと考えたら脱税しておるものが幾らでもあるのです。出版業者はたくさんもうけております。それにこの教科書を販売するような零細な業者からこういうものをとるということはどうかと思う。これはあたなはどういうふうにお考えになつておりますか。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 先ほど申し上げましたように、教科書を製作、販売する段階には課税いたしません。ただ売買だけを業にしている、こういうものにつきましては、一体販売している中で、たとえば野菜は課税してはいけないのだ、あるいは菓子は課税してもよろしいのだ、こういうような線になると非常にむずかしいのであります。零細な業者てありますれば、自然純益も少いのじやないだろうか、純益が上つた場合にだけその純益を課税標準にするわけでありますから、そのところにひとつ府県の経費を分担していただけぬものであろうか、かように考えているわけであります。

中井一夫自由党

○中井委員長 大石さんどうでしよ。本法案に対する質疑はこれをもつて終りにするのではありません。あなたの御質問は税目別に入つてから最も適当な御質問だと思いますから、そのときに譲られたらいかがでございましようか――それでは少し時間が遅れましたけれども、皆さんの御勉強をお願いいたします。中井君。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井(徳)委員 きようは一般的なことについての質疑だということでございます。

中井一夫自由党

○中井委員長 どうぞその点誤解のないように願いたいと思います。税目別の質疑はこれから続けるのですから、ただいまは一般的問題のみについて進めておるわけであります。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井(徳)委員 私は二、三長官にお尋ねをいたしたいと思うのであります。  まず第一は特別会計の問題なんであります。今回政府は新たに交付税及び譲与税配付金特別会計をおつくりになりました、これはどういう理由でおつくりになつたのか、私にはどうもよく納得できないのであります。これをおつくりになつた基本的な理念を聞かしていただきたい、かように思うのであります。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 これは、私どもか考えております今度の制度を運営いたして参ります場合の最も便宜な方法として、特別会計にするのが一番いいのではないか、こういう考え方をいたしておるわけであります。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井(徳)委員 今の御答弁では私どうもわからないのですが、特別会計というのは、御案内の通り造幣局だとか印刷局だとか林野局だとか、たくさんあります。それはおのおの一つの事業をしておるとか、あるいは資金を貸しつけるとかいうふうなものであります。地方財政に助成金を出すというために特別会計が必要であるならば、明治の初年から私は必要だつたと思うのであります。なぜことしに限つてそういうのが突如として現われたか、これをひとつお尋ねいたしたい。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 特別会計の大体のものは、御指摘のように事業をしておるとか、たとえばまた金を貸すとかいうことになつておると思うのであります。しかし特別会計というものは、その他のものについて設けても別にさしつかえないと考えられますし、この場合に特別会計によりましたのは、御承知のように、年度間において清算をしなければならないものがあるわけであります。そこで、入つて来ましたものは一応別個の会計にしておきまして、そうし過年度の分の清算などもそこのところへ入れて、絶えず経理を明らかにして、国の分と地方の分をはつきりとわかるようにするという便宜的な方法としてはこれが一番いい方法ではないか、こういうふうに考えておるわけであります。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井(徳)委員 どうも大臣の御答弁が実は私しつくり行つておりません。一応国税で一般会計へ入れて、出すならまた出せばいいのでありまして、この点はどうも婆は私非常にひねくれて解釈せざるを得ないのでありますが、それは内容を見ると、そういうことが出て来るのであります。その前にこういう特別会計をおつくりになつて、ずつとこのままお続けになるつもりであるかどうか、それをちよつとお伺いしたい。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 今ほどお答え申し上げましたふうに考え方でおりますか、今の交付税制度、それから譲与税制度がある限り、これは続けて行きたいと考えております。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井(徳)委員 まあ考え方としては、別に事業も何もしていなくてもこういうものを置くとはつきりとするという見方もありましよう。そこでその内容に入つて私拝見をしたのでありまするが、非常に奇妙な立て方をいたしておるのであります。たとえば収入の面におきまして、ガソリン税におきましては一応全額を一般会計に計上されておる。そしてこの特別会計にはその三分の一だけを計上しておる。しかるに入場税においては、全額を特別会計の中へ計上されておる。ガソリン税と入場税とは同じ国税であります。これは今度国税になさろうとしておるですが、どうして一方は三分の一上げて一方は全額上げられたか、私には納得行かない。これはいつでも入場税をまた地方税に返そう、返してもかまわぬというそのときの用意のために特別会計をおつくりになつたのかと、私は実はひねくれたのですが、どうですか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 私も実はまだそういう特別会計法が出ておるかどうか承知しないのでありまして、これがもし出ておるとすれば、おそらく大蔵委員会にかかつておるのではないかと思うのであります。大体特別会計法の構想としてはそういうものになるということは私も承知しておりますが、やはり所管の大臣からお聞き願う方がいいと考えられます。ただ私の関係いたしておりまする部分といたしましては、あの考え方が、入場税をいつでもまた地方税に返してもいいという考え方ではないかという点だけですが、それはそういう考え方ではございません。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井(徳)委員 どうも私にはわかりません。所管大臣とおつしやいますが、これははつきりしておる。地方税あるいは地方財政計画を立てる上の基本なのです。ですから所管大臣が大蔵大臣だというのじやなくて、こういうまずい特別会計をおつくりになつたことについて、もう少しはつきりした御答弁をいただきたい。入場税は百九十二万円全額上げている。私今度一般会計で国税になつたかと思つて少し調べてみましたら、入場税は一文も計上されておらぬ。どこにあるのかと思つたら雑収入の中にある。入場税は一割ばかり雑収入として政府が納めておるが、これはまことにおかしな予算である。そこで私は、入場税は一年たつたらまた地方税に返すというように実は解釈せざるを得なくなつた。ガソリン税の場合はまつたくおかしいのです。一応全額を一般会計に上げておる。そして三分の一をここに計上しておる。それならば入場税も全額上げて、九割ここへ計上すべきだと思うのです。この辺のところをもう一つひねくれて解釈しますと、理論的には入場税はあくまで一般会計の中へ入れなければならぬ。そういたしますと、今回の政府の予算は一兆百七十億になるから、それをごまかすためにこれをやつた、まあそういうことだろうと思います。私の申したいのはこれからのことなのですが、いつも最後のしわ寄せのときに、ごちやごちやとやつてそのしわを地方財政の方へ持つて行つてしまえというふうな物の考え方をせられる。これはひとつ断固として自治庁長官にがんはつて改めていただかなければならぬ。こんな弱いことでは何ともならない。ことに知らないということはなかろうと思うのです。この点は、予算委員会などでやる問題かもしれませんが、地方財政に関連の部分として私は強く要望しておきたい。特別会計をおつくりになるなら、もつとすつきりしたものをおつくりなさい。こういうことをひとつ要望しいのです。  それからもう一つお尋ねをいたしたいのは、府県民税ですが、府県民税につきましては、先ほどから住民税の一種であるから、市町村民税の一部をさいて府県民税の方にまわした、こういうのであります。しかし全国の市町村は財源がゆたかにあるわけじやありません、できればそんなものをとられたくないのであります。むしろ政府はそれよりも、なぜ率直に所得税の附加税として府県民税をとらなかつたか、またこのことを御研究になつたことがあるのかないのか、ひとつお尋ねいたしたいと思います。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 府県民税をつくるにあたりまして、市町村民税の一部をさかないで、むしろ所得税源をもつてつくるべきではないか、まさに一つの意見だと思います。またそういう主張を多年にわたりまして地方財政関係者からいわれておつたこともあるわけであります。にもかかわらずあえて今回そのような行き方をいたしませんで、市町村民税から持つて来る建前をとりましたゆえんは、国民負担が全体として重いものでありますから、比校的恵まれたとこんは、なるべくがまんをしていただきたい、むしろ非常に恵まれているところはその財源を窮迫しておる団体に譲つてもらいたい。そして全体としてやりくりがつくような財源配分をしたい、こういう考え方がかなり強く出て参つて来ているわけであります。そういう意味で、市町村の税源構成を見て来ました場合に、比較的偏在度合いの強いものが市町村民税であります。その次に償却資産に対する固定資産税であります。こういうようなところから、市町村の税源構成をそのままにしておいて、タバコ消費税を持つて行くよりは、むしろ市町村民税の一部をさいて府県民税を起す、反面市町村に与えますタバコ消費税の額を多くした方がいいじやないか、こういうような考え方が起つたわけであります。さらに言いかえてみますれば、国から税源委譲を受けたい、その税源の委譲を受ける場合に、所得税の税源委譲を受けるか、タバコ消費税の税源委譲を受けるかという場合に、やはりタバコ消費税の方がいいじやないか、タバコ消費税の方が普遍的じやないか、こういうような考え方から結論といたしましては、府県民税は市町村民税の一部を譲つていただく反面に、その穴埋めは国からタバコ消費税を譲つてもらつて埋める。こういうような方法をとつたわけであります。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井(徳)委員 今の御答弁は、タバコ消費税とか、そういうことに脱線されましたが、実際は御案内の通り今の府県は何の仕事を持つておるか、こういうこともやはり考えてもらいたいと思うのであります。市町村の手伝いをして赤字になつておるのか、国の手伝いをして赤字になつておるかということなのです。今の府県はおもに国家事務をやる、市町村の世話は最近地方課というような一課に押し込められて、しかも昔のような権限もありません。仕事をしておるといいましても、地区的には同じ地区なのでありますが、国の事務をやつているところと比べると非常に小さいのであります。また自分の下部機関でないけれども、管轄内の市町村のぴんをはねるというふうな考え方は、どうも私わからない、理論的にいつてあくまでやはり所得税の附加税である。そうして地方交付税は、それだけ下げても私はいいと思います。それだけ下げればいいのであります。と申しますのは、この間も最初は地方交付税についてはそのパーセンテージがはつきりとしなかつたのですが、きようの御答弁では二〇%、これは当分動かさないということなのでありますけれども、何としても平衡交付金的なにおいがするのであります。所得税の附加税でありますと、率がはつきりいたします。一応法令になりますと、各府県市町村において、予算が立てやすいのであります。地方交付税というようなものよりも確実性がある、私はその意味からいつて現在のやり方が大蔵省の方針に押えられてしまつて、自治体内部で細工をするというような形に出ておるということを非常に残念に思うのであります。その点についてもう一ぺんお伺いいたします。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 中井さんの御質問の趣旨を取違えておつたようでございます。府県民税の課税方式を所得税の附加税方式にしたらどうだろうか、こういう課税形式の問題が中心だつたのじやないかと思います。もし所得税の附加税にいたしますと、どういうような徴収方法をとるか。現在国が徴収しておると同じような方法をかりにとるといたしました場合に、御承知のように申告納税の形式をとつておるものもございますれば、特別徴収の方法をとつておるものでございます。特別徴収のには給料所得だけではございませんで、原稿料のような所得もございます。こういうようなものをどの府県の収入に帰属させるか、非常にむずかしい問題であります。もし徴収地の帰属にいたしてしまいますと、東京や大阪に不当に収入が片寄つてしまいます。やはり住所地別に、その人たちの所得税額を課税標準にとるべきじやないかと思います。そういう方法をかりにとるといたしますれば、府県が独自の課税をして行かなければならぬ、府県が独自の課税をして行くということになりますと、また非常に徴税費を要することになつて参ります。従いましてこの方針をとりながら、徴税費用をできる限り少くして行きたい、そういうことから結局所得税額を課税標準にしたような形で、市町村間に配分をするわけであります。しかしそのあとは、市町村民税の所得割額が課税標準になるわけであります。その最後の段階で違つておるわけであります、昔の府県民税でございますと、配分するのは、所得税額で配分いたしませんで、家屋の賃貸価格でありますとか、あるいは土地の賃貸価格でありますとか、いろいろなものを集めまして、それによつて按分しておつたわけであります。これよりははるかに今回は合理的なものになつているのではないか、こう思うわけであります。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井(徳)委員 今のお答えで、所得税の附加税にすると非常にとりにくいということでありますが、しかし今は市町村税は、やはり実質上は所得税を基本にしまして、国が調査しました所得が基本になつて課税をいたしておるのであります。実際問題として市町村が現にやつていることでありますから、私はそうむずかしいとは思いません。むしろ国の税務署においてその区わけをするという手数さえ考えていただけば、府県はそれをもらえばいいというような形で行けば、私はやつて行けると思うのであります。この点は見解の相違でありましようが、私は将来はぜひ府県の性格というものを考えていただいて、市町村の税務吏員が府県税をとるというよりも、国の税務署の官吏がとつて分割するという方が、どうも簡単に摩擦なしに行けるように考えております。     〔委員長退席、加藤(精)委員長代理着席〕 十分この点は研究していただきたいと思うのであります。  それからもう一つ伺いたいのですが、今自転車税、荷車税というものがございます。これは総額三十五億のようでありますが、このうちに原動機をつけた自転車というふうなものがあります。そういうものを除きました昔からの自転車、荷車税だけでどれぐらいになりますか、ちよつとお聞かせいただきたいと思います。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 最初の点につきましては、現在市町村が市町村民税の所得割につきまして、所得税額をそのまま課税標準に使つておりますのは、大体一二%ぐらいであります。大多数が所得税額をそのまま使つておりませんので、やはり徴税上非常に煩瑣になるのじやないだろうか。もう一つは、やはり広く負担を分任していただくということで、国税とは違いまして、均等割的な思想を入れてあります。こういう思想も府県民税に現在あわせて考えているわけであります。  第二の原動機付自転車は、今数が非常に少いようでありまして、今手元に数字を持つておりませんが、大体全部が従来の自転車税、荷車税だとお考えになつていただいていいのじやないかと思います。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井(徳)委員 この自転車、荷車について特に長官にひとつ意見を伺いたいと思いますのは、実は先ほど申しましたように、地方財政の税収入総額三千五百億、そのうちで自転車、荷車税というものはわずかに一%であります。現在の自転車、荷車の状況を見ますると、これはもう日本人一軒家を持つておればみんな持つておる。明治の初期の自転車税、荷車税と違うと思うのです。すつかり本質はかわつておる。これは中小企業にとつては荷物を運ぶ道具でございますし、サラリーマンにとつては通勤用のものであり、農民にとつてはいろいろな種を運んだりなんかする道具であります。いわゆる昔の天びん棒に相当すると思う。昔から天びん棒に課税をする殿様なんというものは、一番悪い殿様になつておる。ただ昔からあるからというので、また地方財政が困難であるからといつて、三億といえども二億といえども、これは残して行く。これはこの場のやりとりの答弁としてはそれでいいだろうと思いますが、政治家としてもう少し大局から見て、自転車税、荷車税のごときは、もう廃止する時期にあると私は判断しているのですが、率直に大臣の見解を承りたい。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 これは私も率直に申し上げますが、もうこれは廃止の線にすれすれのものじやないか、こういうぐあいに考えておるのであります。今後考えるとすれば、そういう考え方で検討いたしたいと思うのでありますが、現在の段階では、まだいろいろ申し上げましたような事情でもつて、なお存続をしておるというだけのことであつて、今後十分御意思を体して検討したいと思います。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井(徳)委員 私どもは実はことしからでもやめてしまいたいと思います。これは今後の問題でありますが、政府におかれても、最も近い機会にこの問題は真剣にぜひ考えておいていただきたいと思います。  それからもう一つ、これは新聞に出ておつたことでありますが、最初入場税、遊興飲食税が全部国税になる、そのときに遊興飲食税を国税にすると、税率を下げてもいいというふうなことを大蔵当局が言うておる。ところが今回元のままになりましたが、一向税率は下つておらぬ。この点はどうでありますか。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 遊興飲食税につきましては、もう少し率を下げるという場合におきましては、御指摘のような考え方が私とももあるわけであります。大体今日の遊興飲食税につきましては、常識化された考えとして、どうも正確にとられていない、こういうことであるようであります。また実情も、やはりその言葉、そのうわさを全面的に否定するようには行つておらぬと私ども考えておるのであります。従つて私は税法通りなかなか徴収しにくいこの税法そのものに、問題点があると思うのであります。そういう状態でありまして、またそのように正確にとれないということ自体が、非常に税率が高いという面もあるようでありますから、これはむしろ税率を下げて徴収率を上げて、正確に捕捉して、税総収入額が減らないようにするということで、税率を下げるという方向に持つて行つたらいいのじやないかという考え方を絶えず持つております。そういう考え方で検討いたしておるわけでありますけれども、今まで通り地方税になつたということで、今度の場合にはそこまでは行かなかつたわけであります。

加藤精三自由党

○加藤(精)委員長代理 中井委員に御相談いたしますが、先ほど大石委員からの質問も、自治庁当局にお尋ねになるよりは、むしろ大蔵当局にお尋ねになつた方がいいような問題が多いので、大蔵当局の、国税に移管するならば下げるということに関してでしよう。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井(徳)委員 大蔵省は、自分の方でやると税率を下げて幾らでもやつてみせるが、府県に行つたらできないというのは、私はおとなしく聞いておりますが、はつきり言えば、自治庁の政治力の不足なんですよ。税率を積極的に下げて、どんどんやかましく言えばいい。そんなことさえできないのはどういうことだということを尋ねているのだ。何も関係ないことはないですよ。こういう問題はことしはそこまで行かないなんて言わずに、私どもは大いに修正するつもりでありますが、これは委員会においても、もう少し研究しなければいかぬと思うのです。どうしてもやはり私は自治庁の行政上の指導力の欠如だ、こう思わざるを得ないのです。そこでお尋ねをするわけですが、二十九年度から下げる意思があるか、もう一度伺つておきます。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたように、考え方としてはそういう考え方は確かにあり得ると思うのでありますが、私ども理想としては、そういうぐあいにしたいと絶えず努力して行かなければならないと思いますけれども、急速にはなかなかそこまで行きかねるという考え方をいたしております。従つて本年度中にこれを下げるという考え方は、今のところ持つておりません。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井(徳)委員 これで最後にいたしますが、今の問題などは今後大いに委員会において研究をしたいと思います。私は財政計画を変更する必要はないと思う。率をどんどん下げてがんばつて行くということでやりたいと私は思つております。

加藤精三自由党

○加藤(精)委員長代理 床次君。

床次徳二改進党

○床次委員 すでに各委員から御質問があつたと思うのですが、残つておつたものについてあらためて御質問申し上げたいと思います。今日いろいろ質疑があつたのでありますが、地方税制というものは結局地方財政計画によつて縛られる。しかも地方財政計画というものは、予算審議においてすでに縛られておるという結果であります。こういう審議の行き方が、地方自治の基礎となつておりますところの地方財政の基本である税制をきめるのに、適当なものかどうか。どうも今の形ではきわめて漠然としたもので、国の予算という形において総わくがすでにきまつしまつている。その中において地方税の各部門の振りわけをしておるというのが今の実情ではないか。われわれいかに審議いたしましても、十分余裕のある財源と申しますか、適正な財源は、制限された範囲内で議論しておるだけであつて、実はきわめて遺憾なことだと思つておりますが、いつまでもこういう形式の地方財政制度、地方税制を大臣は予想しておられるかどうか、この機会に承わりたい。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 その点は私も同じ考え方であります。ただしかし、地方が国の制約を財源の上で受けるということは、なくて済めはないに越したことはないのでありますけれども、現在あまりいろいろな制度の上で、たとえば交付税の場合でありますれば調整をするという機能、また個々の補助金でありますならばそれぞれの目的を持つて存在をしておるわけであります。それを全部独自の財源に切りかえるということになれば、国の予算との関係を断ち切ることはできるのでありますけれども、そういうような事情でありますので、この考え方で行く限りは、やはり今までの行き方というものは踏襲せざるを得ないのではないか。と申しますことは、やはりこの行き方で行つて、ある程度は地方財政の間の相互の調整もするという機能を果させるということでないと、別の面の要請において欠けるところが出て来るのではないかと考えますので、私としては今の考え方で相当の間はやつてみて、なおその上でどうしてもいかぬ、また適当な方法が見つかれば、それで考えるというようにいたしたいと思います。

床次徳二改進党

○床次委員 大臣の御答弁がありましたが、その前提となります問題といたしまして大事なことは、地方財政というものは、地方自治団体としてどの程度の仕事を行うべきかということが大きな問題になつておると思う。今回政府が提案せられました地方財政のわけはきわめて小さい。このわくを見ておられたということに対しましては、今日までたびたび議論があつたところで尽きておる。すでに経済白書も出しておられまして、地方財政に非常に無理があるということが言われておりますが、その原因をつくつておりますのは、何と申しましても地方財政のわくで、予算の審議の際、われわれは十分審議しておるひまがなかつた。むしろ自治庁が大蔵省と予算折衝をせられて、その結局があそこに現われておつたという形になつておるようであります。この点に対しましてははなはだ私どもは遺憾に思います。自治庁の考えというものを、第一の予算の折衝におきまして十分に反映する方法をとるべきではないか、国会といたしましても、むしろ予算審議の際におきまして、地方財政も考慮するような審議方針をとるべきでありましよう。これは国会自体も責任があるわけでありますが、今のような苦しい状態においては、むしろその前提として、自治庁が大蔵省に対して十分な予埠的措置を講ずるだけの努力をしなければいけない。今日自治庁におきましてそれができないということは、いろいろ機構の関係もあろうかと思いますが、結局はやはり自治庁の責任に帰するのじやないか、私はかように考えております。     〔加藤(精)委員長代理退席、委員長    着席〕  今のような制度を続けます間は、地方財政というものは中央に従属する。さらに税制においては、より従属的な立場において組むわけでありまして、国民としては非常に迷惑な現象を呈しておる。なおこの問題につきましては、提案になつております平衡交付金制度におきましても同じことが言えると思います。平衡交付金の額がすでにきまつておるその範囲内におきまして、残された地方財源の問題を論ずる場合におきましても、常に私ともきわめてあき足らないことを感じておるのであります。この点将来におきましては、やはり地方財政の自主性という立場におきまして、中央依存ということから若干解放すべきじやないか、調整を受ける分はもちろんあつてよろしいのでありますが、二割とか三割とかいう分は余裕があつてしかるべきだと思います。すでにこれはたびたび繰返されておる議論でありますが、あまりに地方財政が苦しいので、この点に関しまして、将来も現在のような状態であつてはいけないということを私強く感じておるので、大臣に重ねてお尋ねするのであります。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 その点になりますと、私どもも若干御意見には疑念を持たざるを得ないのでありまして、もちろん今年の地方財政計画の総わくをきめます場合には、最終的の決定になりますまでは、相当長い間大蔵省といろいろな面で折衝いたしたのであります。そうして今まで地方財政に当然見るべくして見ておらないというようなものがあつて、それに何がしかの是正をいたしたことも御承知の通りでありますが、ただしかし、今年の予算を見てもおわかりのように、非常に緊縮財政でやつて行くというような場合におきまして、地方財政だけが、ぎりぎりに考えた線の上において、何がしかのゆとりを見ておくというような考え方をとるわけにも行かないのじやないか、やはり地方財政としては、りくつの上で考えられる不足分はできるだけ是正をするにいたしましても、その線でやはり国と歩調を合せて最大限の緊縮をして行くというような考え方で行くのでなければ、いかぬのじやないかというような感じを持つております。しかしそうは申しましても、最終的の決定をしましても、その後のいろいろな過程におきまして、もうすでにきまつた総額のわくの中で、いろいろ地方の負担の増加になるような措置が行われておつて、私どももこれは非常にまずいということを絶えず痛感をし、従つてそういう問題が閣議で問題になる段階におきましては、しばしば地方財政の困難であるということを強く主張して反対をいたしたのでありますが、全体的の動きとしてやむを得ないということで、ある程度のんだという場合もあり得るわけであります。そういう面におきまして、確かに御指摘のように、今の地方財政の考え方、組み方自体に今後検討しなければならない面も残つておる、こういうふうには考えますけれども、全体としては、今年の地方財政計画の考え方くらいで、ぜひひとつ地方も協力してやつていただきたい、こういう考え方を持つておるわけであります。

床次徳二改進党

○床次委員 中央の緊縮方針に対して地方も緊縮方針をとることは当然でありますが、地方財政の緊縮に対しまして、中央といたしましては従来どれだけの措置をして来られたか、予算におきまして非常に小さな地方財政計画のわくをつくつて、これをあてがい扶持にしておくという程度で済むかどうか。平素の地方自治体の経費の支出の面につきましては、まだまだ指導と申しますか、これに対して十分政府の意向を伝える余地があるのではないかと思うのでありますが、この点に関しましていかように考えておられるか。地方といたしましては、中央の方針をさることながら、若干自主性というものを狭い範囲内においてやはり持つべきである。国の方針によつて、節約を行うべきは当然であります。しかし節約を行いながらも、残された範囲内において自主性を持つことがいいのでありますが、今日の場合は、節約することは、全部自主性を失つて、中央のわくにひつくるめられて、影響を受けておるというふうに感じられるのでありまして、この点、特に地方の歳出の節約ということに対してどういうふうに考えておるか。節約の余地があるかどうかということについても議論はありますが、長くなりますから省略いたします。この節約ということに対する大臣の考え方をこの機会にひとつ御答弁いただきたいと思います。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 中央が地方財政を考える場合には、総体のわくとして考えるだけでありまして、個々の地方自治団体の財政計画というもの自体に対しては、予算を組む場合に別に干渉いたしておるわけではないわけであります。ただ節約という問題をどういうぐあいに考えておるかということでありますが、私は、先般も、先ほども申し上げたのでありますけれども、今地方は赤字だ赤字だと言いながら、実は必ずしも全部の地方自治団体が赤字ではない。また赤字であつても、同じような率において赤字ではないのでありまして、個々の団体の間に、もう少し検討してもらう余地がやはり相当あると思つておるのであります。そこで私どもの立場といたしましては、絶えず個々の団体について、ことに赤字を非常に多く出しておる団体につきましては適当な調査をいたしまして、欠陥のあると認められる部分は指摘をしており、そういうところを直してもらうというようにして、なお財政を合理的にし、緊縮をするという方向に指導して参つておるわけであります。

床次徳二改進党

○床次委員 地方で、節約する余地があるにかかわらずしておらないものがある。なるほどそういうものもあろうかと思いますが、こういうものに対して、中央は今までその指導の責任と申しまするか、それを十分果していないということを感ずるのであります。議会の経費とか、あるいはよく世間で、陳情に対するむだな濫費があるというようなことを言われておりますが、これに対しましては、中央でむしろその原因をつくつておつたんじやない。もとよりこの点に関しましては、なかなかむずかしいことではありますが、しかし中央がほんとうに歳出の節約、冗費節約ということを考えますならば、もつともつと地方に対して強く要望するなり、する手段があつたと思うのであります。むしろ、今日私ども地方財政計画を見ますと、一応中央並の節約を見ながら、さらにそれ以上の無理な削減が行われているんじやないか、従つて節約をしようといたしまする前に、無理な圧縮に対する反動としての力も働いておりますので、節約が自主的に行いがたいという状態に入つているのではないかと思うのであります。ほんとうに地方の財政を節約し、中央の方針に協力せしめるためには、単に財政計画のわくを押えただけでは効果がない。まだまだ中央といたしましては、地方団体とそれぞれ連絡いたしながら、努力実行すべき事柄がたくさん残されておると思うのでありますが、この点に関して御意見を伺いたい。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 その点は、だんだんと調査をいたしまして、注意すべき点は、注意して参つておるわけであります。ただ手不足の関係などもありまして、毎年々々全部の自治団体、少くとも赤字を出しておる自治団体をみな見るというわけには行きかねておるわけであります。しかし御指摘のような方針て指導をしておることはしておるわけであります。ただしかし、指導をしながらも、やはりそこのところは、自治団体の自治というものは残しておかなければならぬのでありまして、あまり干渉がましくなることは、かえつて自治の本質に背反するようになるのではないか。むしろ一般的な方針として、注意をし、それから先は自分で考えてやつていただくというのが本来の自治のあり方ではないか、そういうふうに考えておりますので、あまりに干渉がましいところまでは行かないという考え方でおるわけであります。

床次徳二改進党

○床次委員 ただいまの御答弁は、地方団体に対して非常に理解のあるお言葉のようでありますが、表面上は理解がありながらも、実はわずかの金を与えるだけで、その理解が死んでおるように感ずるのでありまして、ほんとうはもつと親心のある指導があつていいじやないかという気持がいたします。しかしこれは意見の相違かもしれませんから、この程度にいたします。  なお今回各種の税制が改正せられておりますが、将来においては、地方団体におきます財源の増加、歳出の増加に伴いまして、伸長性のある税としてどういうものをこの中において多く期待しておられるか、この点を伺いたいと思います。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 今度は、一応中央との連絡を相当断ち切りましたのであります。たとえば交付税にいたしましても、二〇%というように率できめましたのでありまして、非常に伸びというものがなくなつたように感じられますけれども、かえつてその方が伸びがあるのだ、私はこういうように考えるわけであります。あるいは交付税の財源になつております所得税にいたしましても、法人税にいたしましても、酒税にいたしましても、それ自体基本の国税の総額が伸びることによつて当然伸びて参ります。また今までの事業税にいたしましても、これらのものは皆所得を基準にしてありますからして、今までの平衡交付金の考え方よりは、かえつて自然の伸びに従つて地方の収入も伸びて行く。従つてそういう収入の伸びのあるときには、必ず歳出の増加というものもそのうらはらにあり得るわけでありますからして、歳出の増加のあるときには、大体において収入も伸びて行くというように今度税制上はなつたのではないかと、こういうように考えているわけであります。なおそういう画がだんだんとずれて行つてどうにもならないときには、制度の改正または税制の改正、あるいは交付税の率の改正というようなことも、長期間にわたつてのものは予定をされておるわけであります。

床次徳二改進党

○床次委員 各税に対して相当伸長性が認められておるというふうな御意見のようでありますが、私の見るところによりますならば、従来一つの税でありましたものが二つにわかれた。たとえば市町村民税が今度は府県民税、住民税にわけられているという形になりまして、一つのものが二つになつたために、ある一面において伸びが多いけれども、その伸びは、結局地方の負担の増加になるのではないかというふうに見られるのであります。固定資産税がさらに不動産取得税等にわけられましたのも同じことになるじやなかろうかとおそれておるのでありまして、伸長性が増税という形によつて行われるならば、地方財政としてはそれは望ましくない現象だとおそれておる次第であります。これはあるいは意見の相違かもしれませんが、さように考えておるわけであります。  次にもう一つお尋ねいたしたい。今回遊興飲食税等の問題、同時に入場税の問題が、地方財政の偏在ということから取上げられておるのでありますが、遊興飲食税につきまして見ますると、富裕府県におきましては、所定の標準税率をはるかに下まわつておるのが実情であつて、そのために不公平を来しておるのであります。これを国税に移管しますとそういうことがなくなるのだということが一つの強い理由として言われておるのでありますが、実際においてはこれは実施せられないことになつたのであります。しかし富裕府県としからざる府県との間に、税の実施方法において非常に差があるということがこの税の欠陥であるということを政府も明らかにしておられるのでありますが、私はこの機会に、かかる不公平な徴収が行われておるのに何ゆえこれを放任するのか、これを改善するには国税に移管する以外方法がないのかどうかということについて伺いたいと思います。政府は、かかる不公平を是正するために国税に移管するのがよいのだという考えを頭に持つておられるようでありますが、富裕府県につきましても、他の府県と同じように、公平な限度におきまして、とるべきものはとつて財政をまかなうようにしなければいけない。そういう仕組みが行われていないとすれば、それは中央において不公平の偏在を容認しているのだと思うのであります。簡単な例として、適切であるかどうか知りませんが、富裕府県に対しまして、やはりとるべきものはとるように、補助金その他において調節して行くということが考えられる。過般議論のありました義務教育費国庫負担のごときものも、そういう調節の役割を果すわけであります。そういうことに努力をいたさずして、富裕府県において、他の府県と非常に不公平があるというようなことが今日容認されておることは、はなはだ地方財政上望ましくないことと思うのでありまして、でぎ得る限り負担の公一をはかるところの努力をせられたい。これに対する政府の御意見を伺いたいのであります。  なおこれに関連して、もう一つ不公平が生ずると思いますのは、今回入場税か国税になつておりますが、入場税のうちの第三種――一例を申し上げますと、パチンコの税金のごときものも、今度の国税移管から漏れておりますが、これは各地方におきまして、それぞれ課税いたします場合におきましては、非常な不公平が出て来ると思う。財源の豊富なところはそういうものまではとらない、あるいは低率でとるということになるのではないかと思うのでありまして、これは国民に対す負担の均衡ということを害することはなはだしいと思うのです。この点に関しましてもいかように考えられるか承りたい。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 この遊興飲食税を国税に持つて行こうという考え方があつたのでありますが、しかしその考え方は地方では十分とれないから国税に持つて行こうということではありませんで、むしろその偏在の是正ということの一つの手段として持つて行こうという考え方をしたわけであります。しかしいろいろな面で偏在をいたしまして、遊興飲食税まで持つて行かないでもいいということになつて、遊興飲食税は本来の性格通り地方に残つたわけでございます。ただしかし地方に残つております場合に、過去の実例からいたしまして、府県によつて非常に違いがあることは御指摘の通りなんでありますが、ただそういう違いができること自体がどこから出て来るかというと、やはり富裕な府県は富裕であつて、ほかからとれてここから必ずしも強くとらなければやつて行けないということでないために、そういうことができるのでありますから、その面はなるべく富裕府県の偏在はいろいろな方法で今度は是正をして、従つてもうこういう種類の税金もやはり正確にとらなければならないというような環境をつくることに努力をしたわけであります。なお財政計画の上ではもちろんそういうものが正確にとれるということが前提になつて考えられておることは申すまでもないわけであります。

床次徳二改進党

○床次委員 ただいまの遊興飲食税の徴収の問題でありますが、富裕府県にありましては財源があるからとらないのが実際だというお話のようでありますが、いわゆる富裕府県等にいたしましても、なすべき仕事を十分になしていない向きがあるのじやないか。現在の仕事で十分であるという前提でありますならばお話はごもつともだと思います。富裕府県にいたしましても、なすべき仕事が山積をしている。しかも当事者におきましては財源難を嘆じておつて、しかもかかる現象が起るということにまことに私は不合理があると思うのであります。この不合理を直すということに対しまして、地方におきましてはいろいろな機会があろうと思います。その機会を利用いたしまして、直されるようにすることが国民の負担均衡を達するゆえんじやないか。とうも不均衡を放任してあるために、やはり偏在の是正ということを行いましても、これをとなえられましても実は国民の頭にぴつたり来ないというのが、今の状態ではないかと思うのであります。さらにこの点につきましては別の機会にお尋ねをいたしたいと思います。  次にお尋ねいたしたいのは、入場税と固定資産税との偏在の是正が取上げられたのでありますが、この入場税あるいは固定資産税は、いずれも地方財政と密接な関係を持つたものが少くなかつた。一例を申しますと、入場税にありましては、たとえば運動場、競技場等の問題で、当該自治団体が相当の経費を出してつくつておるものがある。また固定資産税におきましては長間の沿革をもちまして、工場誘致あるいはダムが建設されておる。それに伴いまして今日、それぞれ長期にわたるところの、財源計画が立てられておつたわけでありますが、これが今回はある程度まで根底をゆすぶられるということになつて来るのであります。反面におきましてその偏在是正のために効果は上げますが、逆に相当迷惑も生じておるものが少くない。従つて結論的に申し上げますと、すでにきまつております税源を軽々しく動かすということ、特に地方税から国税に移るというようなことがありますと、その間の調整が非常に困難になつて来る、無理の生ずることが大きいのであります。その無理とあるいは移管に伴う利益をてんびんにかけて見ますと、これがいずれかということにつきましては、すこぶる問題があると思うのであります。この点につきまして、従来から密接な関係のありました地方自治体に対して、迷惑のかからぬ方法をもう少し考えられる余地がないか。固定資産税におきましてはある程度まで考えられておるようでありますが、入場税につきましてはその点きわめて配慮がされていない。隠れた犠牲としてこれが残されておるように思いますが、この点の所感を伺いたいと思います。

奧野誠亮総理府事務官(自治庁税務部長)

○奧野政府委員 今お話になりました点は確かに一つの問題点でございます。ただ入場税をとりつぱなしにしておるということではございませんで、入場税を国税に移すかわり、反対にタバコ消費税を持つて来る。こういうふうな建前をとつたわけでございまして、これも先ほど来大臣からいろいろお話がありましたように、やむを得ない措置としてこういうやり方をして参つておるわけでございます。

床次徳二改進党

○床次委員 ただいま政府委員からお言葉がありましたが、入場税とタバコ消費税の振りかえになります分、それによつてカバーされない損失を各地方団体は持つて来るということを私は指摘したのでありまして、かかる損害は鍵は案外大きな数字になつておるのではないかと思うのでありまして、この点政府がどの程度まで考えておるだろうかということについて質問した次第であります。なおおそくなりましたから簡単に次の問題を一つお伺いしたいと思いますが、地方財政の再建整備の問題であります。  すでに経済白書も出しておられまして地方の財政の困難なことは政府も重重認識しておられると思いますが、明年度の予算におきまして、再建整備に関しまして政府としては相当の努力を払うことを期待しておつたところ、残念ながら予算においてこれが措置せられなかつたのでありますが、しかし再建整備に関しましては、政府から資金の供与という形におきましてその目的を達することができるのだと思う。今日政府資金をすでにほとんど財政投資によつて使い尽しておつて、地方団体に対して余地がないというお話でもありますが、しかし地方団体といえども他の産業と比べまして、重要性において決して劣るものではないと思う。現在の資金計画をできるだけ按配いたしまして、この再建整備に対して必要な融資をすることが、何としても急務だと私は考えておるのであります。いわんや今後この政府資金の問題におきましては、国民の貯蓄増強運動その他によりまして、政府資金の充実をはかることは決して困難ではない。今日郵便貯金あるいは簡易保険等の最高限の引上げ等が、国会において論じられておりますが、かかる措置が講ぜられましたならば、簡易保険等においても政府資金の充実が期待できる。なお明年度におきましては、いわゆる緊縮財政ではありますが、国民の貯蓄増強も大いにやらなければならぬのでありまして、この点に関しましては相当政府資金を充実することは可能である、しなければいけい。これが地方財政の再建整備の資金としてまわることは不可能でないと思うのでありまして、当院におきましても再建整備に関しましては、すでにしばしばその成案を得べく努方をしておりまして、今日もなお懸案として残されておるのでありまして、この点に関して政府の御所見を伺いたい。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 再建整備に対する資金の需要につきましては、私どもも二百億ということを絶えず頭に置きながら努方をいたしたのでありますが、一つは今御指摘のようないろいろな資金総計画の上からの要請で、もう一つは今度相当大幅な税財政の改革をいたしましたので、今までの赤字と様相がかわつて出て来るであろうということで、かわつて出て来る様相を見きわめた上で検討してもおそくないのではないかということもありまして、今度はとうとうできなかつたのでありますがしかし御指摘のように今年はいろいろな面でもう少し貯蓄を増強しなければならないということは、確かに私ども同感であります。私が所管をしております郵政省の面におきましても、その線でいろいろな施策を進めております。従つてその面でさらに資金需要に余裕が出て参りましたならば、その線に向つて努方をしたいと考えておるのでありますけれども、しかしこの点もおそらく御期待くださるほどのことは実はできないのではないか。実は今簡易保険の制限額を現在の八万円から十三万円に上げるという政府案を出しておるのでありますが、これだけ引上げることによつて、どれくらい簡保の資金の増加が見込まれるかというと、概算四十四、五億ということのようであります。さらにかりに二十万円まで引上げられてもどうかということでありますが、二十万まで上げても六十億をちよつと越えるということでありますので、地方財政の再建整備に必要だと考えられる二、三百億の金というところには、はるかにほど遠いということを考えまして、非常に頭を痛めておるわけであります。しかし考え方としては、そういう資金が出て参りました際には、ぜひとも再建の面にも何がしかを必ず振り向けたいこういう考え方でおります。

中井一夫自由党

○中井委員長 今の床次委員からの御質問中に、入場税の欠陥に対してタバコ消費税をもつてカバーする、それが足らぬのではないかという御質問がありましたが、その点についての御答弁を承りたい。

鈴木俊一自治庁次長

○鈴木(俊)政府委員 先ほどの床次委員の御質問の点は、確かに問題の点であると思うのであります。入場税が市町村から府県に参り、今度はまた国に参るというような場合に、入場税が自分の団体でとれるということで施設を設けたような団体が確かにあつたわけでありますが、そういうような関係の補償は、端的にそれに見合うような補填ということは困難でありますけれども、先ほど税務部長から申し上げましたようなタバコ消費税の問題、あるいは最後的な補償というものは、結局一般財源による調整以外にないと思います。特にそのための穴埋めというような方法は、遺憾ながら考えられないのであります。     ―――――――――――――

中井一夫自由党

○中井委員長 大分時間がたちまして、まことにお疲れのこととは存じますが、本日本委員会に付託されました地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案を日程に追加し、これを議題として、これよりその提案理由の説明だけを聴取いたしたと思いますが、御異議、ございませんか。     〔「提議なし」と呼ぶ者あり〕

中井一夫自由党

○中井委員長 それではさように決定いたしました。よつて、本案について政府より提案理由の説明を述べられんことを望みます。

塚田十一郎自由党郵政大臣・行政管理庁長官・自治庁長官

○塚田国務大臣 ただいま議題になりました地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概略を御説明申し上げます。  御承知のごとく、現行地方財政平衡交付金制度は、昭和二十五年、いわゆるシヤウプ勧告に基く地方税財政制度改革の一環として創設せられたものでありまして、爾来その機能を通じ、地方行財政の計画的な運営の保障に果して来た役割は、まことに大なるものがあるのではありますが、いまだ制度の安定が見られぬままに、毎年度その総額の決定をめぐつて国と地方団体との間に争いが絶えず、とかく政治的な解決を求めがちであつたこと、地方財源の窮乏とも相まつて、地方団体はその財政運営の結末を、すべて地方財政平衡交付金の交付に求める風潮を醸成し、結局において、地方財政平衡交付金本来の理念とは逆に、とかく地方財政の自主自律性をそこない、安定性を減じ、地方団体をして中央依存の風潮を招きがちであることは認めざるを得ないのであります。  このことは、もとより地方自治本来の姿ではなく、すみやかに矯正すべきものでもあり、またその原因も各般の分野にわたつているのではありますが、このような風潮を招来した原因の一として、理想はともあれ、現行地方財政平衡交付金制度の中にも、欠陥が存在していることを肯定せざるを得ないのであります。  このような観点から、政府は、さきになされた地方制度調査会及び税制調査会の答申の趣旨を尊重しつつ、現行地方財政平衡交付金制度に検討を加えた結果、地方財政平衡交付金を改めて地方交付税とし、その総額を国税である所得税法人税及び酒税の一定割合として、その地方独立財源である性格を明らかにし、地方財政の自律性を高め、安定性を確保する一方、その交付の基準は現行地方財政平衡交付金制度のそれによることとし、地方税収入と相まつて、地方団体がひとしくその行うべき行政を遂行することができるために必要な財源を補填することを目途とし、その交付基準の設定を通じ、地方行政の計画的な運営を保障することとし、本法律案を提案して各位の御審議を煩わすことといたしたのであります。換言すれば、地方交付税制度は、基本的には現行地方財政平衡交付金制度と同じく、地方団体に対しその必要な財源を保障することを目的とするものではありますが、地方財政平衡交付金とは異なり、その保障の仕方は、単年度ごとにではなく長期的であり、旧地方配付税と同じく地方団体の独立財源とす方ことによつて、地方財政平衡交付金制度に比し、より一層地方財政の自律性及び安定性を高めようとするものであり、いわば、地方財政の現況において、地方財政平衡交付金制度の長所に、旧地方配付税の長所を取入れ、両者の調和をはかろうとするものにほかならないのであります。  次に、本法案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。  第一は、地方交者税の性格とその機能に関するものであります。地方交付税は、所得税、法人税及び酒税の一定割合の額で、地方団体がひとしくその行うべき事務を遂行することができるように国が交付する税であります。すなわち、まず地方交付税は、所得税、法人税及び酒税の一定割合の額であり、旧地方配付税と同じく地方団体の独立財源と観念されるものであります。  次に、地方交付税は、その交付の基準の設定を通じて地方行政の計画的な運営を保障することを目的とし、財政需要額が財政収入額を越える地方団体に対し、その超過額を補填することを目途とするものであります。さらに地方交付税は、地方団体がひとしくその行う事務を遂行することができるように国が交付するものであり旧地方配付税及び地方財政平衡交付金と同じく地方団体の調整財源であります。換言すれば、地方交付税はいわば地方団体の共有財源でありますが、その交付基準の設定を通じ、地方団体が、ひとしくその行うべき事務を合理的かつ妥当な水準において遂行することができるように、地方団体に対し、地方税収入とあわせ必要な一般財源を保障することを本来の基本理念とし、地方団体間の財源調整を行う機能を持つものであります。  第二は、地方交付税の総額に関するものであります。その一は、毎年度分として交付すべき交付税の総額であります。地方交付税は所得税、法人税及び酒税の二〇%でありますが、毎年度分として交付すべき地方交付税の総額は、予算技術上、所得税、法人税及び酒税の収入見込額の二十%に、当該年度以前の年度において収入見込額によりすでに交付した額と決算額との過不足分を加減した額といたしたのであります。その二は、交付税の種類であります。交付税の種類は、地方財政平衡交付金におけると同様、普通交付税と特別交付税との二種類でありますが、交付税の総額が一応自動的に建つて参りますために、その額は従来と異なり、交付税の総額の百分の九十二を普通交付税と、百分の八を普通交付税と、百分の八を特別交付税とすることといたしたのであります。その三は、普通交付税の総額と各地方団体の基準財政需要額が基準財政収入額を越える額の合算額との調整であります。普通交付税の総額は、一応法律上、自動的に定まるのでありますが、その総額は、交付の性格上、本来各地方団体の基準財政需要額が基準財政収入額を越える額を補填することを究極の目標といたしております結果、各地方団体について現実に算定した基準財政需要額が基準財政収入額を越える額の合算額が、引続き普通交付税の総額と著しく乖離することとなつた場合においては、あるいは地方行財政制度等、制度の改正を行い、あるいはまた交付税の所得税、法人税及び酒税に対する割合を変更することによつて調整をいたすこととしたのであります。ただこの差額が計算上の誤差とも考えられるようなわずかなものである場合においては、地方財政自体において処置することとし、交付税の総額が基準財政需要額が基準財政収入額を超過する額の合算額を超過する場合は、その超過額は特別交付税に繰入れて配分し、不足する場合は交付税総額の二%の額までは特別交付税を減ずることによつて処置し、さらにそれを超過する額については、現行地方財政平衡交付金法の場合と同様、基準財政需要額を調整することによつて処置することといたしたのであります。なお財源不足額の合算額を越えて、地方交付税を交付いたしました場合においては、地方団体自体において財政調整の措置をとることを建前とし、別途御審議を願います地方財政法の一部改正法案において所要の改正を準備いたしております。  第三は、交付税の交付方法に関するものであります。交付税の交付方法は、交付税本来の性格上原則として、現行地方財政平衡交付金の交付方法によるものとしたのでありますが、先般行われました給与改訂の平年度化等、諸状況の変化にかんがみ、若干の変更を加えることといたしました。その一は、給与改訂の平年度化等に伴い、単位費用に所要の改訂を加えたことであります。その二は、測定単位の数値、補正係数及び基準財政収入額の算定方法を法定いたしたことであります。地方財政平衡交付金の場合と同様、地方交付税の算定にあたりましても、極力恣意の介入を排撃すべきことは言うまでもありません。この意味において、測定単位の数値、補正係数等の算定方法を法定いたしまして、その算定方法を明確にいたしたのであります。  以上が本法律案の内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに可決なられんことを希望するものであります。

中井一夫自由党

○中井委員長 なおこの機会にちよつと申し上げておきますが、警察法に関する公述人の選定は、明日せねばならぬことになつております。それについて、どうぞ各派におかれましては、それぞれ候補者をお持ち寄りを願いたいと存じます。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後六時十三分散会

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