地方行政委員会 第24号
- 発言数
- 50 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/03/06
会議録
○中井委員長 これより会議を開きます。 警察法案及び警察法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案の両案を一括して議題といたします。昨日に引続き逐条説明を聴取いたします。本日は第四章都道府県警察、第二節都道府県公安委員会、第三十八条以下からであります。柴田国警総務部長。
○柴田(達)政府委員 引続きまして逐条の説明を申し上げます。第二節都道府県公安委員会のところであります。 第二節の都道府県公安委員会の職制は、ほとんど現行法の都道府県公安委員会の規定とかわりのない点が多いのでございます。特に逐条の条文の比較表をごらんいただきますれば、その点はここが一番比較しやすいと思うのであります。 第三十八条は、府県公安委員会の組織及び権限を定めておるのでございます。都道府県知事の所轄のもとに公安委員会を置くことも、三人の委員をもつて組織することもまつたく現在と同様でございます。ただ現在は御承知の通り国家地方警察と市町村自治体警察との両方にわかれておりますので、都道府県公安委員会の方は現行法におきましては都道府県国家地方警察の運営管理のみを行うことになつておりまして、都道府県国家地方警察の行政管理は管区本部長が行うということになつているのでございますが、今回はかねがね御説明申し上げておりますように都道府県警察ということになりまして、まつたく都道府県というものが一本建でその警察の責めに任ずることになりますので、第三項では都道府県公安委員会は都道府県警察を管理するということにいたしまして、ひとり運営管理のみならず、行政管理につきましても全面的に都道府県警察を公安委員会が管理するということにいたしたのでございます。都道府県公安委員会に関します限りは、現行法と比べまして、その管理権の範囲は非常に広がつているわけでございます。それから第四項に、都道府県公安委員会の規則制定権を認めたのであります。これは地方自治法によりまして、委員会は法律の定むるところにより規則を制定する権限を持つておりますが、現行法はその規定の明文がございませんので、その権限に属する事務に関しまして法令または条例の特別の委任に基いて公安委員会規則を定めることができることといたしたのであります。第五項は、これは国家公安委員会のところにもございました規定と見合いまして、都道府県公安委員会は、国家公安委員会その他他の都道府県の公安委員会と常に緊密な連絡を保たなければならない旨を規定いたしたのであります。 第三十九条は、委員の任命に関する規定でございます。これは国家公安委員会のときの任命資格の制限を緩和したというのと見合いまして、現在は任命前十年間官公庁における職業的公務員の前歴のない者、こういうことになつておるのでございますが、これを撤廃いたしまして、警察と検察の職務行う職業的公務員の前歴のない者のうちから任命することといたしましたとは、国家、公務員法の資格の制限を和いたしたことと同様であります。二項の欠格事由の中に現行法では準禁治産者というものが入つておりませんが、公職選挙法の改正によりまして準禁治産者は被選挙権を有することになつていますので、これも国家公安委員同様に準禁治産者、破産者で復権を得ない者、これをいずれも欠格の事由といたしたのであります。禁治産者を載せてありませんのは、これは都道府県公安委員は、第三十九条の一項にございますように都道府県の議会の議員の被選挙権を有する者でなければならないので、この被選挙権を有する方の資格の中に禁治産者についてはすでに制限があるからでございます。過半数つまり二人以上が同一の政党に所属することになつてはならないという規定は現行と同じで、公安委員会の中立性を保つことにいたしたのであります。 第四十条は、任期の規定でございます。これは現行法の通り三年といたしまして、全然かわりはございません。 第四十一条は、委員の失職及び罷免に関する規定でございまして、これまた現行法と全然かわりはございません。欠格事由に該当いたすようになりました場合、それから特別の事由が生じた場合、あるいは同一政党に属する者が二人以上になつた場合に、都道府県議会の同意を得て罷免するということにいたしているのでございます。 第四十二条は、委員の服務に関する規定でございます。現行法によりますと、地方公務員法の第三章六節の規定に準じて都道府県規則でこれを定めということにいたしてございます。他方公務員法の六節の規定というのは、地方公務員全体の服務に関する規定でございますが、これ全体に準ずると申しましても、その規定の内容によりましては多少疑義のあるものもございます。そういう関係からいたしまして、今度ははつきりと地方公務員法の一定の規定を列挙いたしまして、その規定については準用するということにいたしたのであります。都道府県公安委員の場合におきましては、但書にございますように、営利企業の役員となつたりあるいはまた常利企業を営んだり報酬を得て事業や事務に従事するというような場合におきましては、現行法は委員の勤務に支障があると認める場合のほかこれを行わないということになつておりますのを、同様に今度は「委員の職務の遂行上支障があると認める場合の外は、同項に規定する許可を与えるものとする。」という、書き方の整理をいたしましたが、同一趣旨の規定を加えているのでございます。委員は常勤の職員と兼ねることができないとか、あるいは政党その他の政治的団体の役員となり、または積極的に政治運動をしてはならないということにつきましては、これも条文の整理はいたしましたが、現行法の精神とかわりがないのであります。 第四十三条は委員長に関する規定でございます。これも現行法とかわりはございません。委員長は会務を総理する、これだけに現行法はなつておりますのを、国家公安委員会の委員長と同様に会務を総理し、都道府県公安委員会を代表するということを明示いたしたのであります。 第四十四条は、都道府県公安委員会の庶務は、警視庁または道府県警察本部において処理すること。 第四十五条は、都通府県公安委員会の運営につきましては、この法律に定めるもののほか、必要な事項は都道府県公安委員会が自律的にこれを定めることができる規定を設けたのであります。 第四十六条は、方面公安委員会、これは北海道の場合におきましては、今回の法案においては北海道は道警察として一つの警察になるのでございますけれども、現在も実際におきまして五つの方面隊にわかれているのでございます。北海道の地域が広大であるというような特殊事情からいたしまして、府県警察の組織におきましても方面本部を設けることにいたしておるのでございます。この方面本部に現在も公安委員会がございますので、この公安委員会は依然として存続いたしまして、方面本部を管理する機関として、方面ごとに方面公安委員会を置くという規定を設けたのであります。そういたしまして、二項におきましてこの方面委員会の組織なり権能というものが、府県公安委員会と同じように三人の委員であり、そての他同様の規定の準用を受ける旨を明記いたしたのでございます。 次は第三節。都道府県警察の組織に関する規定であります。 第四十七条は警視庁及び道府県警察本部の規定でございます。都道府県警察というものは、その全体を管理する機関として都道府県公安委員会がございまして、その下に警察の万般の職責を執行いたします都道府県警察の執行組織があるわけでございます。その都道府県警察の本部といたしまして、首都は特にこの本部の名称を、警視庁という伝統の名称を尊重いたしました。他の道府県におきましては、道府県警察本部ということにいたしたのであります。今回の警察制度の単位が府県警察ということに、一本になつておりまして、府県警察が万般の責務に任ずるわけでございますので、本部という名称は、府県警察の本部という意味におきましてここに用いたのでございます。警視庁と府県警察本部は、それぞれ公安委員会の管理のもとに、その事務をつかさどるのであります。そうしてその本部の位置は、警視庁の場合は特別区の区域内、道府県本部の場合は道府県庁所在地に置くということにいたしました。それからこの本部の内部組織は、府県という自治体のことでございますので、条例で定めることにいたしました。ただ政令で定める一定の基準に従うことにいたしたのであります。 第四十八条は、警視総監及び警察本部長に関する規定でございます。都警察には警視総監を置きまして、道府県警察には、道府県警察本部長を置くことといたしておるのであります。第二項は、これらの警視総監及び警察本部長の職務を規定いたしたのでございます。これらは、都道府県警察の執行の長でございます。しかしながら、その仕事の遂行にあたりましては、全面的に都道府県公安委員会の管理に服するということを規定いたしました。都道府県公安委員会の管理に服し、そうして執行の長としてその事務を統括し、並びに所属の警察職員を指揮監督することといたしたのであります。 第四十九条は、そのうちの警視総監の任免に関する規定でございます。警視総監は、首都の警察の長という重要な地位でございますので、特にこれは内閣総理大臣が国家公安委員会の意見を聞いて任免することといたしております。反面におきまして、都公安委員会は、管理機関であるところの立場からいたしまして、任命権者であるところの内閣総理大臣に対しまして、警視総監の懲戒または罷免に関し、必要な勧告を行うことができることといたしたのでございます。 第五十条は、他の道府県警察本部長の任免に関する規定でございます。警察本部長は、警察庁長官が、国家公安委員会の意見を聞いて任免する。国家的な事務を円滑に遂行することができますように、長官が特に国家公安委員会の意見を聞いて、任免することといたしたのであります。また警視総監の場合と同様に、管理権者でありまするところの道府県公安委員会は、任命権者でありまするところの長官に対しまて、警察本部長の懲戒または罷免に関しまして、積極、消極いずれについても、必要な勧告をすることができる権限を与えることによりまして、任免の適正を期したのでございます。 第五十一条は、方面本部に関する規定でございます。これは先ほどの北海道におきまするところの方面公安委員会の規定と見合う規定でございまして、北海道の広域であるところの特殊事情からいたしまして、これを五つ以内の方面にわかちまして、その方面ごとに方面本部を置きまして、その区域内の警察の事務の処理に当らしめることといたしたのであります。方面本部には方面本部長を置きまして、この方面本部長の職責は、道警察の中の下部組織であるということを除きましては、各道府県本部長とまつたく同様に、その方面本部の事務を、方面公安委員会の管理に服しつつ統括いたしまして、部下の警察職員を、道警察本部長の命を受けまして指揮監督することといたしたのであります。方面本部長の性格、方面本部長の地位と申しますか、これは特に重視いたしまして、道府県の警察本部長と同様に、第四項におきまして、第五十条の警察本部長の規定を準用することにいたしまして、北海道警察本部長の任免ではなく、警察庁長官が国家公安委員会の意見を聞いて任免する、こういうことにいたしたのでございます。この場合におきますところの懲戒、罷免の勧告権だけは、これはこの方面本部長を管理いたしておりまするところの方面公安委員会が勧告権を持つことといたしたのであります。方面本部の数、名称、位置、管轄区域は、これは北海道警察の一つの内部組織になりますので、この法律に定めております五つ以内の範囲においてどうするかというようなことは、北海道において条例で定めるべき事項となりまして、条例で定めることといたしたのでございますが、しかしながらこれは北海道の方面本部の重要性にかんがみまして、国家公安委員会の意見を聞いて――まつたくかつてに条例で幾つかの区域をわけられるというようなことがあつては困りますので、意見を聞いて条例で定めることといたしたのでございます。方面本部の内部組織につきましては、道府県警察本部の場合と同様に条例で定めることといたしたのでございます。 第五十二条は、警察署等に関しますところの規定であります。都道府県の区域をわかちまして、各地域に警察署を置く。そうして警察署に署長を置き、署長の職責については第三項に規定をいたしたのでございます。警察署の名称、位置、管轄区域、これもまた都道府県警察におきます重要な事項でございますので、特にこれは政令で定める基準に従いまして、条例で定めることといたしておるのでございます。警察署の下部機構として派出所、または駐在所を置くことができるようにいたしております。 第五十二条は府県警察学校等に関する規定でございます、これは現行法のもとにおきましても、それぞれ警察学校を持つていたのでございますが、今回は北海道の場合には管区警察学校が設けられないことになつておりますので、道警察学校は他の地域におきます管区警察学校と同様の仕事をすることにいたしまして、幹部としての必要な教育訓練その他所要の教育訓練をいたしますほかは、警視庁警察学校、府県警察学校、それから北海道におきましては方面警察学校が、警察職員に対しますところの、新任者に対するところの初任教養とか、その他必要な現任教養を行うことといたしておるのであります。 第五十四条は都道府県警察におきますところの職員に関する規定であります。都道府県警察には警察官、事務吏員、技術吏員その他所要の職員を置くことにいたしておるのであります。警察官という名称を用いましたのは、後に警察職員の章にございますように、警察官というのは一定の職権を持ちました者の集合名称として用いましたので、持に警察官、警察吏員という名称上の制限をやめまして、都道府県警察の場合にも、身分は地方公務員でございましても、警察官という名称で、一般に使われる名称でございますので、踏襲することにいたしたのでございます。警視総監、警察本部長、方面本部長、警察署長というような執行の責任者は、いずれも警察官をもつて充てるということを明記いたしました。それから職員の任免に関する規定でございますが、警察本部長や方面本部長の任免はすでに前に出ておりますが、それ以外の職員の任免につきましては警視正以上の階級にあるところの警察官は、一般職の国家公務員たる身分を有せしめることといたしておりますので、これは長官が国家公安委員会の意見を聞いて任免いたします。その他の一般の警察官並びにそれ以外の職員の大部分は、警視総監または警察本部長が、それぞれの場所におきまして、それぞれ都道府県公安委員会の意見を聞いて任免することといたしたのであります。この場合におきましても、今までの本部長の任免の場合と同様に、管理権者でありますところの公安委員会は、それぞれ長官あるいは警察本部長に対しまして、懲戒、罷免の勧告権を有することといたしてあるのであります。 第五十五条は、都道府県警察職員の人事管理に関する規定であります。都道府県警察職員のうち、警視正以上の階級にある警察官は、これは一般職の国家公務員といたしております。これは国家的な警察事務を遺憾なく円滑に遂行せしめる目的をもちまして、最小限におきまして地方的な性格あるいは国家的な性格の両面を持ちますところの警察事務を総括いたしますところの首脳幹部だけに、国家公務員の身分を持たしめることによりまして、府県警察が国家的な要請にも十分沿い得る態勢を整えることといたしたのであります。この職員の数は、定員におきましては一応の予定といたしまして二百五十名を予定しております。第二項がそれ以外の一般の警察官並びにその他の警察職員、都道府県警察の職員の全体でございまして、その数はおおむね十二万五千人でございます。警察官の数が約十一万、それ以外の一般職員の数が約一万五千人とお考えいただきたいと思うのでございます。この大部分の十二万五千人の都道府県警察の職員は、当然これは地方公務員ということに相なりまして、地方公務員法の適用を受けることは当然でございますが、ここにはその地方公務員の適用を受けるにあたりまして、いろいろこまかいことを条例や府県の人事委員会規則で定めることといたしております。それらの事項につきまして警察という職務の特殊性を考慮いたしまして、その定め方にあたりましては第三十四条第一項に規定する職員すなわち警察庁の国家公務員たる職員の場合の例を基準といたしまして、その地方公務員法に基いて条例や人事委員会規則を定めるという旨を規定いたしたのであります。その規定する内容のおもなることは、ここに書いてございますように、「職員の任用及び給与、勤務時間その他の勤務条件、服務並びに公務災害補償」等に関しまして、国家公務員の例を基準として定める旨を規定いたしたのであります。 第五十六条は、府県警察職員の定員に関しまする規定でございます。警察庁の職員は行政機関定員法によつて定めるわけでございますが、府県警察におきまする警視正以上の職員は、国家公務員の身分をなるほど持ちますけれども、これはしかしながら国の行政機関に属する職員ではございませんので、自治体であるところの府県警察に属する職員でございます。そういうことからいたしまして、この地方警務官、すなわちこれは警視正以上の階級にある警察官の名称をかりにつけたものでございますが、その定員は都道府県の警察を通じまして、政令で定めます。これが先ほど申し上げましたように、約二百五十人と予定いたして、おります。その都道府県警察ごとの階級別定員は、警察庁の職員と同様に総理府令で定めることにいたしております。その他の約十二万五千人に当ります大部分の地方警察職員の定員は、これは地方公務員法の適用を受ける者でございますので、条例で定めることといたしております。ただこの場合におきまして警察官の定員、これは階級別にでございますが、警察官の階級別、府県別の定員につきましては、政令をもちまして一定の基準を定めまして、それに従わなければならないということにいたしまして、特に警察官については条例で定めますけれども、その全国的な均衡に遺憾なからしめるようにいたしているのでございます。 第五十七条は、組織の細目的規定は、都道府県公安委員会規則で定められるということを規定いたしたものであります。 次は、第四節、都道府県警察相互間の関係についての規定でございます。現行法におきましても国家地方警察、市町村警察にわかれておりますけれども、この市町村警察相互間あるいは国家地方警察と市町村警察とは「相五に協力する義務を負う。」という規定が、現行法の五十四条にあるのでございます。今度は府県警察ということになりますけれども、その府県警察相互は協力する義務を持つものであるということを明文として現わしたのであります。なお現行法にはそのほか「相互に、犯罪に関する情報を交換するものとする。」といつたような規定がございますが、これは相互協力義務の精神の現われとして具体的に特記したことでございますので、今度は五十八条の「相互に協力する義務を負う。」という一本の規定にとりまとめたのでございます。 第五十九条は、都値府県警察におきまするところの援助の要求に関する規定でございます。現行法におきましても援助の要求というものがございまして、国家地方警察、市町村警察間がそれぞれ援助の要求をなし得ることになつておるのであります。府県警察になりましても、府県警察相互間、また特別の場合におきましては警察庁の専門的な技能を持つ者に対して援助の要求をするという場合がございますので、第五十九条は警察庁または他の都道府県警察に対しまして都道府県公安委員会が援助の要求ができることにいたしたわけであります。援助の要求が公安委員会と警察本部長に区々にわかれることがありませんように、援助の要求の主体になるものは、あくまで公安委員会ということにいたしたのでございます。二項はそのような場合におきまして都道府県公安委員会が、他の都道府県の警察に援助の要求をする場合においては、「あらかじめ必要な事項を警察庁に連絡しなければならない。」旨を規定したのであります。都道府県警察というようなかなり大きな警察というものが、他の都道府県の警察に応援を求めなければならぬというような場合は相当重大な場合でございます。警察庁といたしましてはそういう場合におきましては、調整の必要が起る場合が多かろうと思いますので、特に連絡義務を課したのでございます。第三項はこの援助の要求によりまして他の府県警察の警察官が応援派遣され、あるいは警察庁の職員が派遣されましたような場合におきまして、その派遣された警察官は援助の要求をした府県におきまして、その府県公安委員会の管理のもとに職権を行うことができるということを規定いたしました。これは現行法の援助の要求の場合におきましても、援助の結果派遣されました警察官は自己の主体性においてではなく、その援助の要求をいたしました公安委員会の管理のもとに服しまして、援助の目的に沿つて職権を行使するという規定の趣旨にならつたのでございます。なお現行法におきましては援助の要求の場合におきましての費用の負担関係が、こまかく規定いたした点がございますが、現行法におきましては国家地方警察、市町村警察にわかれております関係上、費用負担の規定をはつきりさせる必要がございましたし、特に国家的な要請において出動いたします場合には、国が負担しなければならないような規定の必要がございましたが、昨日経費の規定のところで申し上げましたように、相当広域にわたりますような出動といつたような経費は、おおむね国庫が支弁することになつておりますので、まず費用負担の問題は大部分の場合問題がないと思います。それから国庫が支弁しないような仕事の性質のものにつきまして応援関係ができましたような場合においては、これは当然に両者の協定によるのでございますが、協定の性質は当然援助を要求したところが負担するように解釈すべきであると思います。これは現行法におきましても市町村警察相互間の費用の負担は特に明記してございませんので、一応要求者が費用の負担をするのが本則であるという解釈になつておるのでございます。 第六十条は府県警察の管轄区域外においての権限の行使に関する規定でございます。これも現行法におきましては第五十八条において非常に詳細な規定があるのでございます。法案の第六十条におきましては「その管轄区域内における犯罪の鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕その他公安の維持に関連して必要がある限度においては、その管轄区域外にも、権限を及ぼすことができる。」これは現行法の五十八条の規定と書き方こそ違いますけれども、その管轄区域外におきますところの権限の行使の範囲、限界につきましては、おおむれ同様の考え方であります。ただ現行法は、市町村警察が国家地方警察の統制に服しないといつたような厳格な条項がございます関係上、犯罪をめぐりまして、その区域内で行われた犯罪、その区域内に始まつた犯罪、その区域内に及んだ犯罪並びにこれに関連する犯罪というような犯罪を中心といたしまして、やかましく規定いたしておるのでございますが、府県警察だけになつておりますので、これはここに掲げてございますような警察の責務につきまして、関連して必要がある限度において、管轄区域外においても権限を行使することができるという規定によりまして、実際はそれぞれ具体的には話合いによりまして、これがいたずらに府県間に紛争の的となることがないように留意せしめたいと考えるのでございます。二項はその場合におきまして、管轄区域外に権限を及ぼす場合におきとましては、その区域を管轄している警察との緊密な連絡義務を規定いたしたのであります。 次は第五章の警察職員につきまして御説明を申し上げます。今回の法案におきましては、特に警察職員という章を設けまして、警察職員について通則的に規定すべき事項を単独の章として網羅せしめたのでございます。 筋六十一条は警察官の階級に関する規定でございます。これは現行法におきましても、国家地方警察、市町村警察おのおのそのところに規定があるわけでございます。現行法におきましては、国家地方警察の場合におきましては、長官、次長というものが階級名の一つになつておりまして、それ以下警視長から巡査までの階級があるわけでございますが、今度の場合におきましては、長官は階級を特に保有せしめないで、それ自体がこの法案の立場から地位はおのずから明瞭であるということにいたしまして、警察官ではございますけれども、これは階級を持たせないで、長官がすなわちそれ自体が警察官であるということにいたしました。警察官の階級といたしましては、警視総監と警視監を加えまして、現在と同じように階級といたしましては九階級にわけているのでございます。警視総監は首都警察の長でありますものについての階級であり、警視監といたしましては、新たに大きな警察でございますとか、特に重要ないすに対しまして、約九人ばかりを警視監の定員に定員上は予定をいたしている次第であります。 第六十二条は警察官の職務に関する規定でございまして、これはおおむね現行法にもこのような規定が国家地方警察、自治体警察ともにあるのでございます。 第六十三条は警察官の職権行使、これは職権行使と書いてございますが、その管轄区域を明瞭ならしある意味の規定でございます。この法律はすべて警察の組織法でございまして、職権行使のあり方を規定する法律ではございません。この六十三条の場合におきましても、都通府県警察の警察官は、当然には自己の管轄区域内において職権を行う。ただこの法律において特別の定めがある場合を除くほか――特別の定めというのを申し上げますと、先ほどの援助の要求のあつた場合、応援に行つた場合、それから管轄区域外に職権行使が及んだ場合、それから次の二箇条がございますように、現行犯人に関しまする場合、それから移動警察の協議が整いました場合、それから後の緊急事態の場合にこれまた遠くへ派遣された場合、こういうことが、特別の例外の場合でございます。 第六十四条は現行犯人に関する職権行使の規定でございます。御承知の通り刑事訴訟法の二百十三条によりまして、現行犯人につきましては、普通の私人でございましても何人といえども逮捕状なくしてこれを逮捕することができるという規定かございます。警察官には自己の警察の管轄区域という職権行使の制限がございますので、従いまして自己の管轄区域内におきまして現行犯人を逮捕いたしました際には現在でも問題はございません。しかし自己の管轄区域外のところにおきまして現行犯人の逮捕に当りますような場合におきましては、警察官としての職権行使というものは区域外でございますからないということになりますので、もちろん逮捕状なしに一般の人同様に逮捕することはできるのでございますけれども、これは警察官としての職権行使ではなくて、一般の人と同様の刑訴二百十三条の権限でしかないということになつておりますために、非常に困る問題が現在においても多々あるのでございます。そういう場合におきまして警察官が現に犯罪を行いつつある犯人を逮捕する場合におきましても、公務執行妨害が成立いたしませんとか、あるいはそれによりまして警察官が負傷いたしましても、公務災害補償の支給につきましての疑義があるというような障害がございますので、かねがねこれは問題になつており、全国の公安委員会からも非常な要望が年々歳々出ておつた問題でございます。これは現行法に規定がないからでございますので、管轄区域におきます職権行使の多多例外の場合があるのでございますが、その一つといたしまして、この場合は警察官は現行犯人の逮捕に関しましては、いかなる地域においても警察官としての職権を行うことができる旨を規定いたしたのでございます。 第六十五条は移動警察に関する職権の行使でございます。これはずつと昔から警察は移動警察というものをやつております。現行法におきましては、この移動警察は一つの援助の要求の組合せといたしまして、十県なら本県の範囲で移動警察をやります場合には、それぞれの援助要求を根拠といたしましてやつておりますが、いかにもその援助の要求は移動警察の場合は恒常的なものであり、かつ非常に複合的なものであります関係上、特に今回は移動警察に関する職権の行使という規定を設けまして、二以上の都道府県警察にまたがりますところの交通機関においての移動警察については、関係都道府県警察の協議によつて定められた管轄区域内において職権行使ができる。協議ということにいたしまして、この協議によつて定められた管轄区域内におきましては、個々の警察官の所属する管轄区域外においても職権行使ができるという管轄区域についての本則の例外としての規定を設けたのでございます。 第六十六条は、小型武器所持に関する規定でございます。「警察官は、その職務の遂行のため小型武器を所持することができる。」これは御承知の通り警察官等職務執行法におきまして、武器の使用は一定の厳格な制限のもとに認められておるのであります。しかし現行法におきましては、警察官のこの所持に関する規定の明文を欠くのでございまして、いろいろの点におきまして明文の根拠がないということは困る点がございますし、それから他の鉄道公安官でございますとか麻薬取締官というようなものにおきましても、小型武器の所持は規定されておるのであります。なおこの小型武器というのは現在におきましては拳銃のことを称するものであると御了解いただきたいのでございます。 第六十七条は被服の支給等に関する規定でございまして、これは警察官が被服の支給を受けましたり、それから装備品の貸与を受けるのでございます。被服は御承知の通りでありますが、装備品といたしましては、いわゆる手帳でございますとか、あるいは警棒でございますとか、手錠でございますとか、警笛でございますとか、また先ほどの拳銃、帯革といつたような装備品があるのでございます。被服の支給は、給与の一つとして見られる点もございまして、はつきりした法律の根拠がないと不都合なのでございます。現行法におきましては、巡査給与品及び貸与品規則という古い勅令が警察法の附則によりまして生きております。しかし今度は警察法が全文的に改正せられますので、この古い生きている勅令が根拠を失いますので、この法律の中において、国は警察庁の警察官に対し、県は都道府県警察の警察官に対しまして、それぞれ政令、条例の定めるところによりまして被服の支給、装備品の貸与をすることができる旨を規定いたしたのであります。 第六十八条は皇宮護衛官の階級等についての規定でございます。皇宮護衛官の階級は、現行法におきましては警視長から皇宮巡査までとなつておりますが、警察官の場合に警視監というものを加えましたので、ある場合におきまして警視監たる者を任命すべき必要が起る場合も予想されますので、警視監を加えまして、皇宮警視監以下の八階級にいたしたのでございます。第一項、三項は、皇宮護衛官について警察官と同様の規定を準用すべきものを規定いたしたのでございます。 第六十九条は、警察職員の礼式、服制、表彰に関し必要な事項を国家公安委員会規則で定めることを規定いたしたのでございます。これも現行法におきましてそれぞれ公安委員会規則で定めることができるようになつております。礼式とか、服制とか、表彰とかいうことは、警察職務の特殊性からいたしまして、全体的に一つの秩序規律をあらしめるために必要なる事項であり、しかもこれは単なる内部的なことである場合が多いので、国家公安委員会規則で定めることといたしたのであります。 次は第六章におきまして、緊急事態の特別措置に関する規定を御説明申し上げます。現行法におきましては、第七章におきまして、国家非常事態の特別措置の規定が存するのでありますが、今回はこの国家非常事態という名称を改め、緊急事態ということにいたしましたほかは、その特別措置の内容としては現行法の規定するところと何ら趣旨においてかわりはないのでございます。むしろ警察組織全体に一つの変更が加えられますので、現行法の場合よりはその効果というものが比較的少いものになつている場合が多いのであります。現行法におきます国家非常事態、今回の法案におきます緊急事態というものは、一つの治安が相当乱れたような場合におきまして、警察官が平常の警察組織ではどうも完全に職務の遂行ができがたいというふうに認められる場合におきまして、この組織のあり方が非常のあり方にかわる規定でございます。国家非常事態という現行法の名称は、いかにも何か非常に関する国民の権利義務に関係のある、実体的なことが予想される事態のような感じを受けますが、この緊急事態の特別措置はそういう実体的なものではなく、あくまで警察の組織法の範囲においての特例の措置であることにすぎないものでありますので、緊急事態という名前にかえたのでございます。ことに現行の保安庁法におきましては、出動の場合に「非常事態に際し」ということを規定いたしておるのであります。保安隊か出動するような場合は、一般的に申しまして警察力では十分仕事がで、きないといつた、よほどの事態でなければなるまいかと思うのであります。その場合が非常事態ということになつておりますので、警察の中で組織がかわるというだけの事態の際におきまして国家非常事態というのは――後に保安庁法ができました関係上、その均衡上のことにつきましても配慮をいたしたのであります。 第七十条は、この緊急事態を布告いたします場合と、その内容を規定いたしたのでございます。「内閣総理大臣は、大規模な災害又は騒乱その他の緊急事態に際して、治安の維持のため特に必要があると認めるときは、国家公安委員会の勧告に基き、全国又は一部の区域について緊急事態の布告を発することができる。」と規定いたしておるのであります。その布告を発する場合の書き方が、現行法におきましては、「国家非常事態に際して、」となつておりますのと、「大規模な災害又は騒乱その他の緊急事態」ということにして、その程度をはつきりいたしたのであります。しかしながらこれは第五条におきまして、警察庁が平素大規模な災害、騒乱というような国の公安にかかる事案については警察運営に当つておりますので、事態がさらに大きなものになりまして、緊急事態とも称し得るような、一つの治安の撹乱した状態になりました際におきましては、内閣総理大臣がこの布告を発する、しかもこの布告は現行法同様に国家公安委員会の勧告に、あくまで基いてやるものであるということを明記いたしておるのであります。なおその布告は全国の場合もございますし、地方的な一部の区域の場合もあるのでございます。 七十一条、七十二条は、この緊急事態の布告が発せられた場合の布告の効果とでも申すべきものでありますか、この特別措置の場合の内容を規定いたしたものでございます。現行法におきましては、この布告の効果といたしましては、おおよそ二つの意味があつたのでございます。つまり警察の単位自体が非常にたくさんなものにわかれております。しかもそれが市町村自治体警察といたしまして、平素におきましてはまつたく独立的な地位を持つておるものでありますので、国においては何らの権限がなかつたわけであります。この現行法におきましては国家非常事態の布告の場合に初めて、独立しておる、府県公安委員会のもとにあるたくさんの国家地方警察や市町村自治体警察に対しまして、総理大臣が統制できるという意味が一つあつたのでございます。いまひとつの意味は、公安委員会制というものがそれぞれしかれておりますが、この場合長官や警察管区本部長が、現行法におきましては公安委員会を通じないで、直接に執行の職員同士がそれぞれの指揮命令関係に立つたという、つまり国家公安委員会がこの限りにおいて横にはずれるという意味を持つておるのでございます。こういう二つの意味を持つておるのが現行法の規定でございますが、今回の法案におきましては、たくさんの警察がばらばらにあるのを統制するという意味におきましては、いわゆる大規模な災害、騒乱というような事案のさらに緊急化したものでございますが、第五条によりまして一応警察庁長官が指揮監督権を持つておるわけでございますので、第一の意味は失われておるのでございまして、国家公安委員会や府県公安委員会が、ある限度において、つまりこの事態の収拾を可能ならしめる限度において横にのきまして、そうして総理大臣がこの場合初めて直接に長官を指揮監督する関係に立つのでございます。平素におきましては、総理大臣は長官、総監の任免権しか持つていないわけでございますが、この場合におきましては職務上も長官を指揮監督するということになり、また長官や管区警察局長は府県公安委員会を通ぜずしてこの布告の区域内におきましては、直接に警察本部長というようなものに対して、諸般の必要な指揮命令ができることにいたしておるのでございます。それがこの布告の効果の内容でございます。第七十一条はこれを明記いたしまして、内閣総理大臣はこの布告が発せられた場合におきましては、本章の定めるところによりまして一時的に警察を統制する。現行法におきましては一時的に全警察を統制するとありましたが、先ほどのような意味におきまして「全」という字をとりました。それからこの場合におきましては、内閣総理大臣はその緊急事態を収拾するため必要な限度において、長官を直接に指揮監督するものとする。国家公安委員会がこの限りにおきましては面接長官を指揮監督しておるのを、今度は緊急事態の場合には初めて総理大臣が直接に長官を指揮監督することになりまして、国家公安委員会は最後にございますような助言義務を持つという立場に置かれるのでございます。 第七十二条はやはり布告の効果といたしまして、先ほど申し上げましたように、この布告が発せられました場合には、長官は今度は公安委員会を通せず布告の区域内の府県警察の警察本部長に対しまして、管区警察局長も同様に、必要な命令を発したり、また必要な指揮をすることができることになつておるのでございます。これも現行法にあるところと、その関係においては同様でございます。それから第二項は、今度は布告の区域外に対しましても、布告の区域内に対する応援のために派遣をすることを命ずることができるのでございまして、これも現行法に規定がある通りでございます。ただこの場合におきましては布告の区域外というのは一応平穏に警察事務が行われている場所でございますので、布告区域外に対する場合には府県警察に対してと、こういうふうに規定いたしてございまして、当然その管理者であるところの府県公安委員会というものがあるわけでございますので、府県公安委員会を通じましてその応援派遣の命令はなされるというふうに区別いたしているわけでございます。第三項は、このような場合におきまして布告区域に派遣された警察官、あるいは布告区域外に派遣された場合を含めまして、その警察官は府県の管轄区域というものを離れまして、その区域内におきましては、いかなる地域においても職権を行うことができるということにいたしてあるのでございます。これも応援派遣の場合の例外の職権行使は現行法の規定するところであります、 第七十三条は、この緊急事態の布告につきましての国会の承認及び布告の廃止に関する規定でございます。これも現行法に規定する通り、このような警察の組織が非常の態勢に移るということは重要なる事項でございますので、国家公安委員会の勧告に基いて布告を発しますが、その発した日から二十日以内に国会に付議してその承認を求めなければならないというのは、現行通りの規定でございます。ただ現行法は、この場合に六十五条におきまして、もしも衆議院が解放されているときは日本国憲法の規定によつて緊急集会による参議院の承認を求めなければならないということでありまして、必要な場合には国会を召集したり、また緊急集会によりますところの参議院の承認を求めるほかないような規定になつておりましたが、これはその後出ました保安庁法の出動に関しまする規定と同じように、国会が閉会中、または衆議院が解散されているような場合には、その後最初に召集される国会においてすみやかに承認を求めなければならないということで、保安庁法の出動の場合よりはさらにむずかしく規定をつくつてあるのを、均衡上保安庁法の出動の場合と同じような規定にいたしているのでございます。 第七十四条は国家公安委員会の助言義務でありまして、この条章によりまして、総理大臣が諸般の職権をこの場合持つのでございますが、この場合国家公安委員会が直接長官を指揮監督する必要がなくなつた場合におきましても、絶えず必要な助言をしなければならないということを規定しているのでございます。 第七章は雑則についての規定でございます。 第七十五条は検察官との関係に関する規定でございまして、これは現行法の規定と同じであります。ただ「別に法律の定めるところによる。」というのを、はつきりと「刑事訴訟法の定めるところによる。」ということを明記いたしましたことと、それから検事総長と緊密な連絡を保つものといたしまして、国家公安委員会のほかに、国家公安委員会のもとに権限を持つことになつておりまする長官を加えたのでございます。 第七十六条は恩給に関する規定でございます。今度のこの改正案によりまして府県警察の職員となる者のうち、いわゆる地方公務員法の適用を受ける者については、黙つておれば恩給法の適用がなくなるわけでございますが、特に地方警察職員となりましても、その全体につきましては恩給法の規定を準用することといたしました。人事の交流が行われましたような場合でありますとか、あるいは警視の階級の者が警視正になるとかいうことによつて身分がかわりました場合に、恩給法上別の体系になりまして、そこに非常に支障が生ずるということがないようにいたしてあるのでございます。これは警察職員としても非常な恩恵であると存ずるのであります。この場合におきまして七十六条の規定は恩給法の規定を準用することと、その場合に権利の裁定や負担者や恩給の納金の際の読みかえの規定を書きまして、さらに第二項におきまして、いわゆる恩給法の中に警察監獄職員――これは警部補以下の者は特に十二年で普通の恩給がつくようになつておりますが、警部以上のものは文官という恩給法上の用語でありますが、それにわかれておりまして、その区別を明確にいたしているのでございます。さらに第三項におきまして、今後地方警察職員が、国家公務員たる者が府県警察の職員になりましたり、あるいは府県警察の職員が他の府県警察の職員になりましたような場合におきまして、それぞれ恩給法の準用を受ける、つまり雇用人は恩給法上入りませんけれども、雇用人を除く恩給法上の適用ないし準用のある者については、それらの転任についてはこれを勤続ということに見なすということにいたしまして、一々それが退職と見なされない、こういうことにいたしまして、先ほど申し上げましたような人事の交流について遺憾なからしめ、かつ本人の利益というものをはかつているのであります。 第七十七条は国有財産等の無償使用等に関する規定でございます。これは国有財産法や財政法によりまして、国の財産というものは無償で貸付をするというようなことの制限や禁止の規定があるのでございます。ことにこの場合の警察庁の財産は、行政財産たる性格のものが多いわけでございましようが、この場合におきまして教養施設や通信施設や犯罪鑑識施設等については、国がこれを管理することになつておりますけれども、実際におきましては府県以下にあるものにつきましては、府県警察に無償で使用させる場合がございますので、国有財産法、財政法の規定との関係上これを明記いたしたのでございます。第二項は警察通信施設の使用でございまして、これまた警察の性格がそれぞれ府県という自治体でやるところの警察ということになりますので、専用の電話線にいたしましても他のものに転用してはならないという公衆電気通信法とか、有線電気通信法の規定がございますので、その関係上、警察庁と専用者となるところの都道府県警察とが相互に警察通信施設を使用し得る旨を規定いたしておるのであります。現行法におきましてもこれは第四条に同様な規定がありまして、それにかわるものであります。 第七十八条は「この法律に特別の定がある場合を除く外、この法律の実施のため必要な事項」たとえば緊急事態の布告の実際の手続でありますとかこまかいことにつきましては、必要の範囲において政令で定めることにした規定でございます。 最後に附則についての御説明を申し上げます。附則は二十八項からなつておりますが、その中のおもなるものにつきまして概略だけを御説明いたしたいと思います。施行期日でございますが、この法案の施行期日は七月一日から施行することになつております。但し条項によりましてこの法律の施行のための必要な準備行為に類するようなものは、公布の日から施行することといたしております。おおむね前の警察法の場合には三箇月を越えない期間というのがございましたけれども、ある種の期間を設けまして、それによりまして諸般の準備行為を可能ならしめるという見地から、七月一日という日をきめました次第であります。 第三項は現在の国家公安委員会と府県公安委員会というものは一応生れかわるという規定であります。この法律によりまして新しくなりますので、一応廃止して新しく委員を選任し直すということを念のために規定いたしたのでございます。第三項はその場合の公安委員の選任のための必要な手続、国会の同点というようなことを、七月一日から公安委員が厳として管理者としていなければならない関係上、そういうような準備行為をすることを、この法律の施行前においても行うことができる旨を規定いたしたのでございます。第四項、第五項は最初の国家公安委員会の委員の任命に関する規定でございまして、最初の任命の場合だけ、五人のうち任期を任期は五年でございますが、全部一斉に五年といたしますと、いつも五人ずつ改選されるということになりまして、公安委員会としての継続性というものがなくなりますので、一人は一年、一人は二年、三年、四年、五年というふうに、最初の委員に限りまして任期の差別をいたしたのであります。第五項はその任期は内閣総理大臣が定めるということにいたしたのであります。 第六項はこの任命の場合におきまして、本省の中にございますのと同じように、もし国会の閉会等の場合におきましての処置につきまして、事後承認の手続ができることを規定いたしておるのであります。第七項、第八項は、今度は府県公安委員会の委員の任命につきまして、先ほど国家公安委員につきまして申し上げたと同じように、一年、二年、三年という最初の任期につきましての例外の規定を設けているのでございます。 第九項と第十項は、従前の警察職員に対する身分の継続の規定でございます。一応国家地方警察、市町村警察ともに廃止されるのが、今回の法案の建前でございますので、国家地方警察本部におきましても、これは廃官廃庁ということになるわけでございます。市町村自治体警察もなくなるということになるのでございます。組織は確かにそうなりますが、その職員につきましては、別に辞令を発せられない限り、それらの職員というものの身分継続の規定を設けまして、継続的に新しい警察の職員となることができるようにいたしたのでございます。第十項の場合におきましては、ここに掲げてございますように、その都道府県の国家地方警察の職員も、その都道府県の区域内にあるところの自治体警察職員も、その都道府県に置かれるところの今度の都道府県警察の職員になるということを規定いたしたのであります。この規定によりまして、国家公務員法上もし新規採用ということになりますと、六箇月が条件付の採用期間という非常に仮の身分になるわけでございますが、この身分継続の規定によりまして、条件付採用ということではなく、身分が普通の状態において継続されるということになりまして、職員に不安をなからしめたのでございます。それからその場合の定員につきましては、ただ五十六条の都道府県警察職員の定員の規定によりまして、警視正以上の者につきましては政令で、それから大部分の地方公務員である者につきましては条例で、定数をきめることになつておりますが、今回定員整理の問題がございますので、その政令や条例におきましてそれぞれ定数を定めますけれども、現在おりまする人間よりは、その定数の方が少いということになるかと思うのでありまして、その余りの部分、つまりそれを越える数につきましては、政令や条例の定むるところによりまして、その期間の間は定員外としておくことができる。これは国家公務員の方の行政整理につきましても、近く国家に行政機関定員法が提案されると聞いておるのであります。その場合に定員を越える者は一定の期間定員外とされるのに見合うのでございまして、これは府県の機関でございますから、国の行政機関定員法の定めるところではございませんので、政令や条例で同様の規定を設けまして、地方公務員につきましては、この提案理由の説明にもありますように、四年間の期間内にこの整理をするということにいたしておるのでございます。それから国家公務員につきましては、この政令で定める方の警視正以上の者につきましては二年間の範囲で、他の国家公務員同様に二年間で整理をするということにいたしておるのでございます。 第十一項から第十四項までの規定は、警察用財産の処理に関する経過規定でございます。警察の組織が国家地方警察から府県に移る、それからまた市町村警察からも府県に移る。二重の関係におきまして、国と市町村から警察が府県に移るわけでございます。それに伴いまして、行政財産としての財産が、警察組織の変更に伴いまして新たな団体に移つて参るということは、当然のことであると存ずるのであります。ただその場合におきまして、どの財産が必要であり、どの財産をどういうふうに移転するかということは、今までの改正の際のような機会におきましても、物件的にその財産がたちまちある日をもつて移転するというような書き方ではなくて、やはり地方自治法の規定なり地方財政法の規定によりまして、その地方公共団体の議決によりまして移転をしておるのでございます。それから必要な物、不必要な物というような認定がございまして、事実上は協議によるという扱いであつたと思うのでありますが、これにつきましては、特に今度は市町村という団体から府県に移る――二十三年は府県という団体から市町村に移つたのでございますが、今度は逆になりますので、広い方の上級の団体に移る場合もございますので、この関係を特に協議によるということを明瞭ならしめたのでございます。財産の移転関係につきましては、先ほど申しましたように、国から府県に行くものと、市町村から府県に行くものと、市町村から国に来るもの、こういう三つのコースがあるのでございますが、それらにつきましては、十一項は土地を除き、それぞれこれこれの間においてあらかじめ協議するところに基き、かつ第三十七条に規定する経費の負担区分に従つて、それぞれその三つの関係において譲渡するものとするということを規定いたしたのでございます。協議によるのでございますが、この経費の負担区分については、たとえば通信、鑑識、教養といつたようなものについては国に移るわけでございます。それから一般庁舎とか校舎とか、被服といつたような装備品についてはこれは府県に移るわけでございます。その関係をはつきりいたしておるのでございます。 第十二項は、この場合におきまして、他の機関と共用している場合の、国または地方公共団体所有の財産についての使用の規定をきめたのでございまして、これも以前、二十三年等にあつたのと同様な規定でございますが、これまた同様に協議によりまして使用するということを明瞭ならしめたのでございます。 十三項は、この十一項、十二項の譲渡または使用の場合の無償有償の関係でございまして、前一項の規定による譲渡使用は原則としては無償といたします。これは先ほど申し上げましたように、行政財産が新しい一体に、組織の変更に伴つて移るわけでございますから、ことに二十三年におきましては、府県から市町村が無償で取得しておるものが大部分でございます。それからその際に国から創設の補助金が出ておるものも、かなりあるのでございます。こういうような、もしその取得の過程が無償で取得しているものについては、新たな団体に対しまして行政財産として無償で譲渡されるのが原則であるのが当然であると存じます。しかしながら例外といたしましては、起債によりあるいはその他市町村住民の負担によりまして、その財産が取得されておるというような場合もあるのでございまして、こういう場合におきましては、無償とすることが非常に不適当であるというような場合もあるかと存じます。そこで当該譲渡または使用にかかる財産に伴う負債がある場合、その他政令で定める特別な事情がある場合においては相互の協議によりまして、当該負債を処理し、またはこれを譲渡もしくは使用を有償とするため、必要な措置を講ずることができるということにいたしたのであります。詳しくは、政令で定めるとここに書いてございますように、政令で定める特別の事情がある場合として、政令で定めることになると思うのでございますが、大体この財産が起債によりまして負債となつているような場合におきましては、その負債を継承することが原則であるのが当然であると思います。しかし場合によりましては、これを有償ならしめる場合も必要であると思います。それから起債による場合以外におきまして、その財産が組織の変更後におきまして、その公共団体の市町村の区域内の警察用途以外の用途に用いられるような場合も起るかと思うのであります。警察署が警察本部の一部になる、市の警察本部であつたのが、県の警察本部の一部になるといつたような場合もあるかと思います。あるいはその財産の規模が非常に一般の市町村の負担以上にわたるような場合がございまして、市町村財政に支障が及ぶというような場合もあるかと思いますので、そういう場合につきましては有償の措置を講ずることができるようにいたしたのであります。 十四項は、これらの財産の移転はすべて協議によるわけでございます。しかしながらその最終的な決定は、その協議がもしととのわず争いになりました場合におきましては、申立てによりまして内閣総理大臣が政令の手続によりまして裁定することにいたしているのでございます。最終的にはこの関係は裁定できまるものであると思います。もちろんその裁定に際しましては、これは一般の民事手続によりまして争うことができることは当然であるのでございます。 以上のような関係で、この財産の移転につきましては、それぞれ本則に定めるところによりますけれども、その根本といたしましては、決して財産が強制的に移転されるものではなく、自治法なり地方財政法の規定によりまするところの団体の議決によりまして、自律的に相談づくめで移転するという精神を取入れているのでございます。 第十五項は、給与に関する経過規定でありまして、現在の給与についてはいろいろの団体におきまして非常に開きがあります。ことに国に比較いたしまして都市、ことに大きな都市の警察職員の給与が非常に高いのは御承知の通りであります。その調整の規定といたしまして、この法律の施行の際に地方警察職員となる者の受ける給与は、前の規定によりまして地方公務員法の適用を受けるわけでございますから、条例で新しい給与かきまるわけでございます。それでその条例で新しい府県警察の職員としての給与がきまりますと、そのきまつた給与が元の市町村警察の場合、あるいは法律上は国家地方警察の給与の場合も理論上はあり得るわけでありますが、その元の給与に比べて低くなつている場合、その額に達しないような場合におきましては、その差額につきまして調整のため、政令の基準に従つて条例によりまして調整額とも称すべき手当を支給し得ることにいたしたのであります。従つてこの手当は前の給与と新しい給与の差額についての支給でございます。その基準につきましては政令で詳しく基準をきめまして、実際問題として詳細にこれを規定いたしますのは、条例によりまして各府県がきめる問題であると思うのであります。ただ国はこれに対しまして、予算の上におきましても、地方財政計画の方について、一定の財源をこの趣旨通りに準備をいたしておくということでございます。ただこの調整額に当る手当というものは、永久に支給されて行くというわけには参りませんで、その差額かなくなるまでの間支給するというふうに私どもは考えています。これも政令の基準できめるところになると思うのでありますが、将来昇給等によりまして、この差がだんだん減つて来る場合におきましては、昇給はいたしますけれども、その昇給に当る額の分を手当の方から落して行くということにいたしまして、結局元の俸給額に達するまでの問はこれを見てやる、こういう精神で、要するに今までの給与が急激に減ることによりまして警察職員の生活に非常な打撃を与えない、今までの生活を維持することができるようにするための経過的な配慮の趣旨であります。 十六項、十七項、十八項は、特別な処分等につきましての経過規定でございまして、十六項は休職、特別待命、懲戒処分をすでに受けておる者、休職と特別待命をすでに受けている者については、引続き従前の例によりましてそのまま効果が継続する。それから懲戒処分につきましては、施行前の事案にかかる懲戒処分について、まだそれがきまつておりません者につきましては、従前の例によりまして、前の懲戒処分を行う権限のある者にかわる懲戒処分権者がやつて行くことができるように規定いたしているのでございます。 不利益処分につきましても、これも国家公務員、地方公務員ともに同様の経過規定でございます。 十八項公務災害補償につきましても、本来ならば公務災害補償というものは、その災害が確定したときの使用者が補償をし、支給すべきものが本則でありますけれども、この身分切りかえは単なる転任や退職とは違いまして、全面的にすべての職員の身分が切りかわるわけでございますから、補償を受ける職員の便宜も考えまして、七月一日以降におきましては、この新しい給与を支給すべき国または都道府県の負担者が継続して公務災害補償の負担をするということにいたしたのであります。 十九項は、この場合古い組織がなくなるものがございますので、すでに施行前に退職した警察職員に対するところの公務災害補償について疑問がございますので、その点はやはり従前の例によることを明記いたしたのであります。 第二十項から第二十二項までは退職手当に関する経過規定でございます。これは一口に申しますと、二十項は国家地方警察職員が地方警察職員になつた場合、二十一項は自治体警察の職員が引続いて府県警察の職員となつた場合、二十二項は市町村自治体警察の職員が国家公務員たる警察職員になつた場合でありまして、この三つの場合、いずれも身分が継続されます関係上、特にその切りかわりにおきましてそれぞれ退職手当を支給しない、そうしてその期間を通算するということにいたした規定でございます。これは一度に多数の者が身分がかわりますので、国家財政においても、あるいは市町村財政においても、全部に退職手当を支給するということになれば、財政上重大な影響がございますし、かつ本人の利益も考えまして、この身分の切りかわりにあたりまして退職手当は支給しないで、在職期間を相互に通算するという規定にいたしたのでございます。 第二十三項から第二十六項までは恩給に関する経過の規定であります。恩給については、地方警察職員となつた者につきましても、恩給法の規定を準用するということは将来長きにわたる問題でございますので、本章の中に規定いたしまして、附則の中には今までに特例がついております関係を、この制度の経過規定といたしましても同じようにその特例を継続させるという趣旨の規定であるのであります。現在の警察法の附則の七条それから前回の改正の附則の四項によりまして、二十三年以前の府県警察時代の職員は、恩給法の準用を受けておるのであります。それから町村が住民投票をもつて廃止いたしました場合に国警へ編入されております場合においても、恩給法の規定の適用を受けているのであります。この二つにつきましては、今度の制度の改正におきましても、その当時から継続して恩給法の適用なり準用を受けている職員については、なおその効力を有するということで、その特例の継続を認めておるのが第二十三項でございます。 それから第二十四項は、こういう特例がなくて、今まで市町村警察の職員であつて、つまり二十三年以後初めて市町村警察に採用されましたところの職員についても、その者が今度府県警察に移ります場合において、退職年金や退職一時金のいわゆる恩給法に準ずべき退職給付を受けないで来ました場合においては、その者が市町村警察の職員として在職した期間を、恩給法の公務員としての在職期間とみなしまして通算する旨の規定を設けたのであります。 二十五項は、その場合の警察監獄職員と文官との区別に関する規定であります。要するにこれらによりまして、恩給についてはいろいろの警察法の切りかえ、将来またいろいろ府県警察間の交流等によります身分の切りかえ等につきまして、要するに恩給関係が継続するというふうにお考えいただきますれば、それで正しいのでございます。 二十六項は恩給法の一部を改正する法律によりまして、昨年若年停止の条項の改正が出ております。これは本年の四月一日から適用されることになつておりますが、ちようど七月一日からの警察制度改正の前におきましてこれが適用されますと、相当長期にわたつて継続しておる職員が、この若年停止でさらに年齢が延長されないうちにやめてしまうという傾向が非常に強く起りつつあるのでございまして、そういうことになりますと非常な混乱が予想されますので、特にこの恩給法の一部を改正する法律の施行の際に在職しておつた国家地方警察及び自治体警察の職員についてだけは、八箇月の期間を一年間に延長いたしまして、つまり四箇月その適用を延期する特例を設けたのであります。 二十七項は警察の共済組合に関する経過規定でありまして、これは非常に複雑な規定でございますけれども、要するに自治体警察の雇用人のうち特別なものが、今まで自治体警察の共済組合に入つておりましても、これが恩給法に準ずるような退職年金や退職一時金の条例の適用を受けておつたために、今度は共済組合の職員としては継続いたしますけれども、全然新しく共済組合員としてその期間が出発するようになることになる。これは雇用人だけに限りまして、ほかの職員に比べまして非常な不利益なことになるのであります。これをその職員が退職給付を受けない場合に限りまして、市町村警察自体の共済組合としての組合員であつた期間を組合員の期間としてずつと通算いたしまして、将来その雇用人が退職する場合におきましても、ほかの職員が恩給法の適用を受けますので、恩給法によりまして救済されるのと同様に、共済組合の退職金に当るものとして救済を受けることができるように規定いたしたものでございます。なお本項の中には責任準備金の金額だけは納めなければならないということも規定いたしております。 二十八項は、この法律の施行のための必要な経過措置を以上掲げましたもののほかに必要があれば政令に委任するという規定でございます。 以上はなはだ概略な説明でございまして、御理解を願うには不適当であつたかとも思いますが、また御審議の際に御質疑によりましてお答えを申し上げることにしたいと思います。 ―――――――――――――
○中井委員長 大分時間がたちましたけれども、この際特にお諮りいたします。警察法両案に対する質疑は、午後の会議において行うことといたしまして、去る四日本委員会に付託されました昭和二十九年度の揮発油譲与税に関する法律案につきまして、その提案理由の説明を聴取することといたしたいと存じますが、よろしゆうございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中井委員長 御異議なしと認め、昭和二十九年度の揮発油譲与税に関する法律案を議題とし、まず政府よりその提案理由の説明を聴取いたします。塚田国務大臣。
○塚田国務大臣 ただいま議題に供されました昭和二十九年度の揮発油譲与税に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明いたします。 本法律は、さきに提案いたしました地方税法の一部を改正する法律案及び入場譲与税法案と同様に今次地方税制改正に伴う措置として立案されたものでありまして、おおむね地方制度調査会及び税制調査会の答申の趣旨に準拠しているものであります。 御承知のごとく、揮発油の大部分を使用して運行される自動車が道路を損傷いたしますことから、揮発油税は、道路整備の財源に充てられるべぎであるとの論はつとになされていたのであり、昨年道路整備費の財源等に関する臨時措置法が制定され、揮発油税相当額は道路整備五箇年計画の財源に充てるべきものとなされたゆえんもここにあるものと考えるのであります。 しかしながら、自動車の利用度の多い都道府県道はもちろん、国道も管理責任者は都道府県及び五大市またはその長であり、その道路の管理に要する費用は都道府県及び五大市の負担となつております関係上、揮発油税を道路損傷負担の一部であると考えますならば、その収入の一部は都道府県や五大市に帰属させることが相当と思われるのであります。かりに国がこれらの道路の全部を道路整備五箇年計画の対象に取入れ、従つてまた揮発油税相当額をもつてその改築または修繕の費用を負担しまたは補助するとしても、なおその負担金または補助金に伴う地方負担分の財源が必要であります。ところが道路整備五箇年計画は国道及び政令で定める都道府県道その他の道路の改築及び修繕に関する計画でありますので、この計画に取上げられた道路の維持に関する費用及びこの計画に取上げられない一般の都道府県道その他の道路の維持、改築及び修繕に関する費用は、いずれも都道府県や五大市において負担しなければならないのであります。 他面、地方団体において負担する道路費の財源に充てるという意図もあつて、別途揮発油税法を改正して四月から揮発油税を二割程度増徴しようと計画されていますので、少くともこの部分の揮発油税収入は道路整備五箇年計画の財源には予定されていなかつたものということができるのであります。 さらに都道府県道の改築または修繕につきいずれの箇所を優先的に取上げるかについては、むしろ当該都道府県の意思決定にゆだねる方が実態に即することを思えば、これに必要な財源は一定の客観的な基準に基いて各都道府県に与えることが、自主財源の効率的な使用の面から適当であるばかりでなく、補助金交付に伴うもろもろの弊害を除去することができると考えるのであります。このような趣旨において、揮発油税の収入額の三分の一をもつて揮発油譲与税とし、これを地方団体の道路財源としてその道路面積に按分して配賦することといたしたのであります。 しかしながらすでに揮発油税の収入額に相当する金額を道路整備五箇年計画の実施に要する国の負担金または補助金の財源に充てなければならないとする道路整備費の財源等に関する臨時措置法も成立していることでありますので、この揮発油譲与税の制度を恒久の制度といたしますには、その間に相当の調整をはかる必要があるのでありまして、このような事情から揮発油譲与税の制度は、さしあたり昭和二十九年度の措置とするにとどめ、昭和三十年度以降のことは今後なお十分研究して参りたいと考えているのであります。 以下この法律案の具体的内容を簡単に御説明申し上げます。 第一は揮発油譲与税の額でありまして、すでに御説明いたしましたように揮発油税の昭和二十九年度における収入額の、三分の一に相当する額を都道府県及び五大市に譲与することといたしております、しかしながら、昭和二十九年度における揮発油税の実際の収入額は、その翌年度にならなければ経理上明かにならないわけでありますから、昭和二十九年度におきましては、昭和二十九年度における揮発油税の収入見込額に基いて算定した額で予算に計上された額を譲与するものとし、予算額と決算額との差額は、昭和三十年度または昭和、三十一年度において精算することといたしておるのであります。 第二は、譲与の基準でありまして、揮発油譲与税の総額のうち四十八億円は、道路整備五箇年計画に定められた都道府県道の面積に按分して譲与するものとし、残額は国道と道路整備五箇年計画に定められた都道府県道以外の都道府県道との面積に按分して、譲与するものといたしているのでありますなお、この道路の面積につきましては、各部直府県の道路の実面積と、それに要する経費は必ずしも正比例いたしませんので、改築の要否による道路の種別、自動車一台当りの道給の延長等により、これを補正することができるものといたしておるのであります 第三は揮発油譲与税の使途であります御説明申し上げました理由により譲与するのでありますから総額のうち四十八億円につきまては、道路整備五箇年計画に定められた都道府県道の改築または修繕に充てなければならないが、残額は広く道路に関する費用に充てればよいものといたしておるのであります。 最後に譲与時期につきましては道路事業施行の季節を考慮いたし、五月、八月、十一月の三回といたしたのであります。 以上昭和二十九年度の揮発油譲与税に関する法律案につき、その提案の理由並びにその内容の概略を御説明申し上げたのでありますが、これらのほか揮発油譲与税の会計につきましては一般の歳入歳出と区分して経理する必要がありますので、特別会計を設置し、経理区分を明確にいたすべく、別途法案を用意いたしております。 何とぞ慎重御審議の上すみやかに本法律案の成立を見ますようお願いいたす次第であります。
○門司委員 この機会に大臣にちよつとお聞きをしておきたいと同時に、要求をしておきたいと思いますが、それはこの国会に自治法の改正案が提案されるやに聞いておるのであります。この問題は今審議いたしておる警察法その他とも密接、不可分な問題であると私は考える。従つてもし出されるならできるだけ早く、要綱だけでもよいから、ひとつ委員会に示してもらいたいということを一応要求しておきます。
○塚田国務大臣 関連のある諸法案が延び延びになつておつて、まことに恐縮いたしておるわけでありますが、ようやく自治庁としての大体の案がまとまりましたので、なるべく早く政府部内の経べき手続を経まして、委員会に御説明申し上げるようにいたしたいと存じます。
○中井委員長 それでは、午後二時より再開することとし、暫時休憩をいたします。 午後零時五十四分休憩 ――――◇――――― 午後三時四十二分開議
○中井委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 午前に引続いて、警察法案及び警察法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案の両案を一括して議題といたし、質疑を続行いたします。北山君。
○北山委員 私は今度の警察法の法案の内容に入る前に、やはりこれを提案された考え方について、まだいろいろお聞きしなければならぬと思つて、おりますので、今まで実は大臣のおいでを待つておつたわけです。その点について若干お伺いをいたします。 まず第一に、この警察法の機構の改革の結果、警察官を三万人ばかり整理をするというような案になつておるわけであります。ところが伝えられるところによりますと、自治庁の塚田長官は警察官の三万人整理を主張した、しかし犬養法務大臣はこれに反対をしたというふうに伝えられておるわけでありますが、はたしてその通りでございましようか、
○犬養国務大臣 行財政整理というのは現内閣の根本政策の一つでございまして、私も、国務大臣とましては、できるだけ国民の税金を軽くするという方面からま――それもできないものまで減らすということも、行政担当大臣としてどうかと思いますので、ここにおります国警長官と相談いたしまして、行財政整理の根本精神にもかない、またそう無理しないでもよいという線はどこだろうというので、最後に整理三万人という数をきめたわけでございます。
○北山委員 そうすると、法務大臣としては三万人の警察官の行政整理には反対したということはない、行革本部の方の意向を取入れて、そうして警察法の施行と同時に行政整理案にもマツチするようにやつたのだというふうなことになりますか。
○犬養国務大臣 つまり、かりのお話になりますが、塚田長官の方から五万人減らせとか、四万五千人減らせというお話がかりにありますれば、そこに意見が食い違いまして、三万人以上はむずかしいだろうという話になりますが、初めから、警察が無理をしないでどのくらい行くだろうかというようなお話で、それで、こまかくなりますが、初年度に一万人、二年、三年で一万五千人、四年目に最後の五千人を減員できる、こういうふうに申し上げたので、一年間という内閣の方針とそこがちよつと違うのでありますが、なるほど三万人は三年間に無理だ、五千人はみ出てもそれはいたし方があるまいという塚田長官の同意を得まして、合計整理三万人、こういうふうに最後にきめた次第でございます。
○北山委員 その点はそれでいいとしまして、次に、今までの犬養さんの御答弁をいろいろ聞いてみますと、現行の警察法というものは、終戦後占領当局のの指示によつてやつたものであるけれども、日本の国情には合致しない、幾らか行き過ぎがある、それで、これを若干調整するというような趣旨で、今度の警察法の改正をやるのだという御説明であり、その際に、終戦の際の占領連合国のアメリカあるいはソ連の政策というものは、日本を弱化する政策であつて、その一環として、警察権の地方分権化といいますか、こういう現行の警察法というものが、日本弱化政策としてとられたのだというようなお話でございましたが、そういうことをさように仰せられるような根拠が、はたしてどこにありますか、ひとつお伺いします。
○犬養国務大臣 これも今日ではほとんど定論になつておるのでございますが、御承知のように当時の米ソ関係というものは、この前も申し上げましたように、ハリー・ホプキンスがルーズベルトの代理特使としてモスコーへ入り、両方で、百パーセント資本主義と共産主義の主張をしないように、外交上考慮をすれば米ソ両陣営は円満に行けると考えておつた時代であります。それから日本の問題は、弱くするということが語弊がありますならば、少くとも、フイリピン、濠州、その他東南アジア諸国、隣邦中国に対して再び脅威を与えるような強い国にならないようにという方針をとつておつたことは、北山さんも十分御承知と思います。私もいろいろのもので読んだり、あるいは戦後あちらへ参りまして、当時の占領政策をやつていた人と語り合つたこともございますが、だれがいつ言つた、どの雑誌の何ページに書いてあつたかということになりますと、即座には申し上げられませんが、これは今日では常識になつていると思います。そういう政策の結果、警察単位の非常にこまかい分轄化ということが行われたということを申し上げても、私の独断ではないと信じておる次第でございます。要するに、当時の世界情勢、並びに日本をどのくらいの強い国あるいは弱い国にするかという一つの対日本政策というもの、これが警察法に響いて来ているということを申しても、過言ではないというふうに考えておる次第でございます。
○北山委員 その際、日本の国ということを、国家及び国民を全部含めた観念としてお話になつているようでありますが、私どもの了解しているのは、従来日本の国民を不当に抑圧した国家権力というものを弱めるという趣旨で、教育あるいは経済の分野においてもとられたようないわゆる民主化ですね。今まで、日本の軍国主義的な勢力あるいは財閥というようなものの力によつて、それが不当な国家権力を握つて、それで民衆をいじめて来たのだ。だから日本の民衆に対して日本の国家権力というものを弱めるというような趣旨で、いわゆる民主化の線でもつて新しい警察制度が勧告されたというふうに私どもは理解して、いるのですが、それは間違いでございましようか。
○犬養国務大臣 お答え申し上げます。それも確かに真理であると存じます。戦争前、戦争中における治安維持法の用、あるいはこの席でもしばしばお話が出ますような警保局が指揮をとるところの警察制度、こういうものが日本の民主化に害があると考えた当時の占領政策は、私は正しいと思うのであります。ところがその弊害をため直す角度がどこまで行つているか。これはやはりもう一つの面の真理、すなわち日本があまり強い国家として――警保局としてではなく、国家としてあまり強くならないようにという配慮が行われていたことも真理でございまして、半面の真理は確かに北山さんのおつしやる通りであり、この点は私は今日もこの席でそれを真理と思つている次第でございます。
○北山委員 どうも日本を弱くするというように表現されますと、日本あるいは国民の立場から見ても、外国から日本全体としての力を弱くするという不当なる政策であるというふうに受取られるので、それは間違いであつて、強いといつても、従来のほかの民族を侵略するというような意味の強さではいけないのでありまして、単に強い弱い、日本の弱化政策であるといいますと、何か、アメリカとソ連が当時たくらんで、日本に対して悪い政策を行つたのだ、その一環が今の警察法であるというふうな御説明になつてしまうのですが、ただいまも大臣が、言われました通り、今のような日本の民主化ということ、戦争まで長い間、国家権力の不当なる抑圧に苦しんで来た日本の民衆を解放するのだという趣旨にとられるならば、また日本の国の力というものが、今までのような観念の強い弱いということではなくで、国民の生活なり総合的な力として強くなるならば、それならばまたかえつて日本を強くする政策であるとも言えるのだからして、私はこの点において、単に大臣が日本弱化の政策であるというような表現は適当だないと思うのですが、この点について重ねて御答弁をいただきたい。
○犬養国務大臣 たびたび申し上げますように、あなたのおつしやる御心配、これは同感でございます。確かに過去における日本の権力集中の行き過ぎ、国家観念の行き過ぎ、日本だけが偉い民族であつて、東亜のほかの民族は偉くない、素質も悪いと見下した時代の誤つた認識、こういうものを是正するという方針をとつた、その面は私は正しかつたと思うのでございます。またお言葉ではございますが、米ソ両陣営が互いにはかり合つて日本をこうしたと申してはおりません。米ソ両陣営ともに、今日のごとき南朝鮮にまで戦争が波及するとか、さらに仏印に波及するとかいうような事態を予想しないで、アメリカの資本主義とソ連の共産主義が互いに外交上話し合つて、おのおの自省すれば世界の平和は至るところに保ち得るという、一つの理想主義的観念に燃えている状態であつた。従つて日本はスイスのように平和にして行けば、アメリカが占領軍の力で守つて行けば事足りるのだというような考えを持つていた、この方針は、アメリカのいかなる今日の指導者も率直にその当時の政策の方向を述べておることは、幾多の文献がそれを証明しているのでございます。ただその場合において、日本の過去の誤れる治安維持法的な警察組織、こういうものをためるときに、やはり別の観念から日本を再び東南アジア諸国、フイリピン、遠くは濠州まで脅威を与えるような国にしまいという配慮、そこに行き過ぎがあつて、アメリカ自体が、その行き過ぎの政策を日本に向つて、今日率直に間違いであつたと言わざるを得なかつた、ニクソンなどはその一人でありますが、そういうところにこの警察制度の、過度の警察単位の分化が現われた、こういうふうに申したのでありまして、日本を弱くことが反対だとか間違つたとか、そういう簡単な子供らしい言葉で言つているのではないのでありまして、日本が、誤つた、自分は強いと思う自意識をため直そうとした当時の占領政策の半分、一半は今日も正しかつた。ただその心配が過度であつて、当時の世界情勢からも影響されたでありましようが、その心配が過度であつて、その過度の部分だけ少し処置を間違つたのではないかということは、私の主観ではなく、アメリカの今日の指導者が率直に認めてこう申したのでありまして、言葉が簡単で誤解を招いたかもしれませんが、分析すれば以上の通りでございます。
○北山委員 ちよつと問題が警察法からそれて行くようでありますが、ただいまのお答えの中で、それは犬養さんだけの考えでなくて、アメリカのニクソン、そういう人たちもまた当時の行き過ぎというものが誤つておつたということを今告白をしておるのだ、こういうお話でございますが、しかしアメリカの人たちが誤つたというのは、日本を利用したいと思つた、そういう立場を強くしたからこそ、その当初にはなかつたようなあるいは薄かつたようなそういう気持が、だんだん日本をいろいろな意味で利用しようというふうな考え方にかわつて、その考え方に立つて来ると、どうも少し日本に対してはやり過ぎたということが言えるのでありまして、私はそのような考え方はこれはアメリカ人としてはあるいは適当かもしれない、しかし犬養さん自身がそのアメリカの考え方と同様に考えるということは、私はど、も納得が行かないのですが、もう一ぺん二の点を御説明を願いたい。アメリカの立場ならわかるのです、しかし犬養さんの立場で誤つたということはちよつと受取りがたい。
○犬養国務大臣 北山さんのお立場から言うと、アメリカの政策の変化、アメリカがしまつた、利用価値がなくなつたので利用方法をかえた、それにすぎないじやないか、世界政策の転換にすぎないのじやないか、こういうふうな御主張と思うのであります。その御主張の中にも私は真理があると思います。アメリカの主張することを全部うのみにする必要はちつともないのでございます。しかし事警察法に至りましてはそうではないのでありまして、私の承知しておる限りでは、当時は日本をずつと占領政策でやつてか行こう、日本自体が警察組織や何かを自分であまりやらなくてもいいのだ、それはかえつて危険なんだという考えから、今度は占領政策はどんなによくても結局占領政策であつて、違う民族がほかの民族のところで統治のようなことをすると弊害が起る、だから日本に独立を早くさせて日本自体が治安を守るようにしなければならぬ。それには占領政策をずつとやつて行けると思つた時代の警察制度では少しまずいのじやないか、こういうふうに考えて来たのであつて、つまりアメリカの帝国主義の手先にするべくやつておつた過去が誤つておつたというだけでは、私はちよつと納得できないのであります、しかし北山さんのおつしやる御心配の点は私も理解できると存じております。
○北山委員 今の論争といいますか、それは発展して行けばいろいろまた議論もあるかと思いますし、今立場の相違ということをおつしやつたのですけれども、立場の相違ということになれば、犬養さんはわれわれがどういう立場に立つておるとお考えか、犬養さんは、どういう立場に立つておるかということをむしろお伺いしたいと思うのですが、これはまたあとでそういう機会もあるかと思いますので、それはその程度にいたします。私は実はそういう立場の相違でなく、常識的な、たれもが民主主義の立場に立つならば、普通に受入れられるような共通の広場というか、そういう点から実は御意見を伺いたいと思うのです 次に、私は今まで破壊的な暴力的な騒擾であるとか、そういうことの危険ということを再々大臣からお伺いした。しかし国家権力によろ暴力、こういう点については、私どもも暴力という意味においては同じだと思う。むしろこれは刑事訴訟法によりますと、法務大臣犬養さんは死刑の執行を命ずる力がおありになる。昔でいえば、首切り浅右衛門の親分みたいなものである。それだけの、人の命を奪うという命令を下す権力を持つております。これは一つの暴力なんです。ただ法律によつて合理的にされておるだけである。非合法の暴力と合法的な暴力とがあるわけです、但し国家権力が単に法律で認められておるというだけで、やはり根本的には暴力である。これは政治学的な、あるいは社会学的な見地からみれば、やはり国家権力の暴力というものを、大きな立場からいえば見なければならぬと思う、だから極端にいえば、国家権力による暴力というものの最大のものは原子爆弾じやないか。つまりトルーマンが何十万の命を一瞬にして奪つた。これはおそらく地上最大の暴力である。但しそれはアメリカの法律なりそういうものによつて単に認められたというだけにとどまる。そのような考ええ万が出て来ると思うのです。 そこでお伺いしたいのは、今まで人間の歴史上国家権力による暴力の方が、人類にとつて大きな弊害を起したか。民衆の騒乱であるとか、あるいは革命であるとか、それによる被害の方が大きいか、それを比較してどちらが大きいとお考えになるか、ひとつ大臣の広い立場に立つたお考えを承りたい。
○犬養国務大臣 伺つておりますと、私の若い時分いろいろ聞いたアナーキズムの理論の闘争に入りそうな気もいたしますが、国家権力というものは、ほつておくとなかなか思わざるところに走りやすい、私もそれは十分認めるのでございます。そこでこの警察法の本来のお話に立ちもどれば、実は公安委員というものの組織が、日本人に向いているか向いていないかというような根本も議論もしばしばありました。これは当局でなく、外部のいろいろな知識人からありまして、私もそう思わないでもない節がありますけれども、しかしやはり国家権力というものは、いくら善意でも人間に欠点がある限り思ざるところに走りやすいという意味で、やはりそれを制約するものは置いておかなければならぬ。それが公安委員会制度でありますが、それは骨抜きにしてあるという御議論になるのじやないかと思いますが、とにかくそれが骨抜きになつているかいないかは別の御議論でまた伺うとして、そういう意味で私もあなたと同じように国家権力を、そのままほつておくと思わざる方へはみ出得る場合が少くないということは認めておるのでございます。それからお立場の相違というのは、あなたの個人の御議論をたびたび伺つていないのにそう申し上げるのは僭越で失礼を重ねたとも思いますが、大体社会党の方の御心配は、アメリカ帝国主義の立場から日本を利用しようとしておるという御議論をしばしば伺いますし、私もアメリカ人はなかなかいいところもあるが、若い民族で、率直で自分の思うことをどんどん言う癖がありますから、ときどき言い過ぎもあるし、自分本位の点もある。しかしまたすぐ誤つていたと思い直すところがアメリカの美点でもありますが、われわれとしては、アメリカは友好国であるが、日本の事情を知らずして言い過ぎた点は率直に、それはできませんということが正しいと思つているのであります。吉田総理大臣がアメリカの代表的な政治家から尊敬されているのは、いやなことはいやとはつきり言うという点で尊敬されているということを、私は国務省でみずから聞いて来たことがあるのでありまして、アメリカの言うことだから、一から十まで承知するというのは私の主義でございません。そういう意味で申し上げた次第でございます。
○北山委員 どうも私がお伺いしたお答えにはさつぱり触れないで、アナーキズムであるとか、公安委員であるとか、あるいは私の立場がアメリカの帝国主義反対の立場であるとか、そんなことばかりをお話になるのですが、やはり私のお聞きをしておる点にお答えを願いたいのです、しいて簡単に言うならば、私の今お聞きをしておる立場は、一個の人間としての立場から申し上げておるのです。従つて人間を尊重、する民主主義の立場、警察法の前文のところのある人間を尊重するという立から申し上げておるのであります。それだからこそ国家とか、あるいは暴力についても、単に法律できめてあるから国家がどんな暴力を振つてもいいのだというようなことは、ときには否定しなければならぬ。戦争とか、あるいは原子爆弾とか、あるいは警察権力によつて人民の自由を抑圧すあということが、歴史上しばしば起つておるのじやないか。それがいわゆる民衆の破壊的の暴力行為、あるいは百姓一揆であるとか、米騒動であるとか、そういうものと比較してどちらが大きいかということです。今まで歴史上どういうふうにお考えになりますか。民衆のいろいろな反乱、革命が起つておりますが、私はそれとりも国家権力による戦争なり、そういうものの破壊力の人類に対する弊害の方が大きいのではないか、こう思うのですが、その点をお伺いしたいのです。
○犬養国務大臣 それはせつかくのお尋ねでございますが、一々のケースをはかつてお答えしなければならないことでありまして、合計何点国家権力の弊害の方が多いというふうには申し上げられない。両方の弊害があるということを、当局として忘れないということが大事なのではないかと思うのです。
○北山委員 それでは一つの例だけについてお伺いしますが、原子爆弾というようなものは、あれが不幸にして前の大戦の際にはトルーマンという人の命令によつて落下したのです、しかしこれをやはり警察権と同じように、あの原子爆弾みたいな非常に危険なしろものでございますからして、こういうものを扱うのにはもつと民主的な方法――できれば世界各国の国会がかぎでも預かつておつて、どの議会でもみな一致してこれを使うべしというような議決をしたときに、初めて原子爆弾倉庫からそれを出して使うのだというようないわゆる民主的な管理、そういうものか、ああいう大きな破壊力を持つておるものについては、これは人類の立場からいつて必要じやないか、こういうふうに考えるわけですが、その点についてはいかがお考えですか。
○犬養国務大臣 それは御同感でございます。私も、最近のことになりますが、方々の国で代表者が出て、初めて原子力というものを国際間で管理しようと言い出したということは、世間はどう思つておるか知りませんが、少くとも私は非常に意味の深いことであり、原子力というものをあやまつて使つた人聞みずからの文明に対して反省している最初の兆候だと思つております。私はああいう会議がますます発展し、具体的になることを心から祈つて、おるものでございます。 どつちの弊害が大きいかといいますと、原子力の不正使用なんということは、一度使うとばかに範囲が広く深刻でございますが、それと比べまして、また別の社会の平和に対する脅威といものが、あると思うのでございます。つまり議会主義ならば、あなたと私が両方で信ずることを言い合つて、こうやつて皆さんが聞いていて、そうして判断してもらう、この主義でない、とにかく刀だのピストルでやつつけようという主義が地下運動的に行われておることを、原子力の脅威よりも薄いからといつてほつておけない、両方心にとめなければならないということを、私どもは考えておる次第でございます。 〔委員長退席、加藤(精)委員長代 理着席〕
○北山委員 そこで問題は警察のところへ返つて来るわけですが、警察権、要するに国家の権力の一部でございます、そういうようなものが軍隊と同じようにやはり過去において相当行き過ぎが起り得た、実際あつたのです。日本であつたし外国でもあつた。従つてやはり民主主義理念からいえば、その権力は制度上地方に分散した方がいいのだ、これは警察というものは部落を守るというような自衛隊と申しますが、部落の自衛隊というようなものから出たという発生論的な意味もあるでしようし、また同時に近代国家においても、やはり申し上げたような国家権力が、この警察権を使つて非常に悪いことをするおそれがあるから、従つてこれは能率の上からいうと、いろいろどうかと思われる点もあるでしようが、やはり分散して、地方分権にししておく方が制度として民主義を守る、民衆を守るという上から安全であるという考え方が、やはり自治体警察なり警察権の地方分権とおうものの中にあると思うのですが、大臣はどうお考えでありますか。
○犬養国務大臣 これも発生論的には全然御同感でありまして、警察というものは政府を守るためにできたものじやなくて、初めは自分の家を守るためにでき、近所隣共同して守るということから発生したものでありまして、そういう発生論的な伝統というものは、やはり尊重すべきものたと思つております、ただしばしば申し上げますように、近代国家におきましてはことにマルキシズムがレーニン主義になり、スターリン主義になつて来ますと、最終的な将来の人類の平和のためには過渡的には血を流してもいい、暴力も肯定してよろしいという国際的な一つの非常に強い組織と通勤が行われますならば、それに処する道も警察行政には考えなければならない、それを本法案の第五条に明記して皆様にお約束して、幅は狭くしてあるが、やはり国家的義務の部分がある、こういうふうに考えておりまして、警察というものがそもそもどうやつて社会に発生したかという点については、北山さんの御議論に同感の意を表している次第でございます。
○北山委員 ところで民間の破壊的、暴力的ないろいろな陰謀、あるいはそういうふうな危険というものがどこから起つて来るかという問題なんです。共産党のああいうふうな暴力的、破壊的な行動というものは、何か左翼的な主義によつて組織された陰謀的なものであるというふうに想定されておられるようでありますが、しかし過去において私どもはたくさんの農民一揆、百姓一揆というものを経験しておる。また大正七年の米騒動というようなものも経験しておるわけです。ああいうものを見ましても、必ずしも思想的なものは少いのではないか、要するにその時代の為政者というものが追い込んだのではないか、だから大臣といえども、封建時代あるいは明治初期における農民一揆というものが破壊的、暴力的なものであるからけしからぬというて、当時の政府のやり方というものを庇護するそつちの方がよかつたので、農民の方が悪いのだというふうにはおつしやらないと思う。やはり当時の農民を極度に圧迫しておつた封建的な大名のやり方の方を非難されるのではないかと思う。それから大正時代の米騒動にいたしましても、何も凶悪なものではなく、あれは米が当時一円で二升買えなかつたというので、台所を守つておる家庭の主婦が米屋に押しかけた。それが全国にどつといわゆる同時多発的に憂延して行つた、軍隊まで出動したということなんです。従つて民間の暴力的、破壊的な活動というものの基盤といいますか、温床といいますか、そういうものは単にそういう国家に対する破壊的な陰謀というよりももつと別のところにあつて、政府の政策にあるのではないか、こう思うのですが、ただいま申し上げたような百姓一揆なり、あるいは米騒動なり、そういうものと相関連して、民衆の中におけるそういうふうな活動の温床について、ひとつ大臣の御見解を承りたい。
○犬養国務大臣 徳川時代にしばしば発生いたしました百姓一揆は、別に国際共産党がおだてたとは思つておりません。芝居で見ましても佐倉宗五郎の方が正しく、圧迫した佐倉の殿様の方が悪人になつておるということは、民衆の偽わらざる批判だと思います。また富山の有名な大正の米騒動も国際的な破壊主義的な暴力運動がうしろでおだてたとは思つておりません。これはやはり為政者に対する素朴な不満から起つたものと思うのであります。擾乱事件にはそういう種類のものもありましたし、今後もありましよう。しかしそれだからといつて吹田事件、大須事件その他が全部政治が悪いために民衆の素朴な心から起つたものという断定はいたしかねるのでありまして、二つの種類の擾乱がある、その近代的、国際的に生れて来たあとの擾乱に対しては、警察行政としてはおのずから備えなければならない。前の素朴な擾乱事件については、為政者が社会福祉施設とかその他心を使うことが必要である。私は二つにわけておるつもりでございます。
○北山委員 時間もたつておりますので、いいかげんにしてあとに譲りたいと思うのですが、社会保障のお話を大臣この前もお話になつた。私は聞いてみたいと思いますが、いわゆる権力による治安維持というものの機能、それと並行してそういう民衆の暴動なり、そういうものが起きないようなための社会福祉を並行して行かなければならぬというようなお話、ところがそれではなぜ今の政府はこの警察法をお出しになるのと並行して二十九年度の予算案において、当初計画されました――あとで修正になりましたけれども、予算案においては大幅な社会保障費の削減をされようとしておるか、それはどういうわけでしよう。だからむしろ私どもはそういう両方ひつくるめた政府のやり方から見ると、むしろ社会保障の費用は節約をして、そうして社会不安が起つて来るであろう、それに対処するためには警察権力なりあるいは思想の抑圧なり、そういう権力的な手段によつてこれを押えつけようというふうな政策をおとりになつているのではないか、かように印象づけられるのですが、その点いかがでしよう。
○犬養国務大臣 この点もお答え申し上げたいと思います。ちようど国警長官も当時相談の相手になつたのですが、警察法を出すために同時に社会福祉制度の予算をふやそうと言つたことは私はございません。ただデフレ予算を組むならば、それと並行して社会福祉の予算というものは十分に心にとどむべきである。またちようど風水害でお米の収穫量が減りそうだということに対しましても、国警長官も進言いたしましたが、ただこれを警察力で圧迫することなく、多量な料理屋なんかに米が行かないように措置をすると同時に、やはり社会福祉としてあるいは職業紹介所とか、その他失業関係の費用をふやすべきてあるということは、私も閣議で公々然と議論をいたしたわけでございます。これに対して大蔵当局は一兆円以内の緊縮予算で押えるということが物価を上げないことであつて、物価を上げるような予算であつては、結局社会福祉政策の対象となるべき人々が、物価高で困るから、まず一兆円以内の緊縮予算をとろう、これにはあなた方も御異論はごさいましよう、しかし内閣がそういう方針、緊縮予算を組んで行つて、そのわくの中で社会保障制度の予算を組んだわけでありますが、これは最初の案でも異論がいろいろありまして、与党の手によつてもこれはふえて行つたわけでございます。しかし心持としては今申し上げましたように、つまり力でもつてただ社会を押えるばかりでなく、総合政策でやはり社会の人の心をやわらげることが大事だという考え方を、私どもも持つている次第でございます。
○北山委員 一人で長時間やつては申訳ありませんから、次の機会にまた質問させていただきます。
○藤田委員 私は前回簡単に総括的な質問をいたしておきましたが、まだ大分残つておりますから、本日はその一部についてお尋ねいたしたいと思います。 犬養法務大臣は、本日の本会議におきまして重荷がおりたところでありますから、きようはひとつざつくばらんに御答弁願いまして、なるべく今回の改正の真相をお示し願いたいと思います。重復するようで非常に恐縮でありますが、この大臣の提案理由の説明、これによつてわれわれは今回の改正の趣旨を伺うほかにあまり大した資料もございませんので、昨日門司委員からも質問がありまして、多少重複するかもしれませんが、お伺いしたいと思います。 まず第一に、この提案理由の御説明の初めのところで、町村を管轄する国家地方警察は国家的性格を帯び過ぎている、都市を管轄する自治体警察は完全自治に過ぎて国家的性格が欠けておる、こういうことを言われております。これは一応作文ではあろうかと思いますが、どういう趣旨のことをここで言われたのでありますか。憲法の前書きを見るまでもなく、とにかく国政の権威というものは国民の厳粛な信託を受けておるのでありまして、ただその権力の奉仕は国民の代表がこれに当るということで、警察のごときややもすれば権力に及ぶ行政は、すべて完全自治の建前から運用することが理想ではないか、かように考えておりますが、従来の警察を簡単にここに批判されましたが、その趣旨をいま少しくお示し願いたいと思います。 〔加藤(精)委員長代理退席、委員長着席〕
○犬養国務大臣 逆に申し上げると、御了解を得ると思うのでありますが、今度府県の警察にする。そういう場合に、今の国家地方警察と違いまして、府県議会の洗礼を受けます、批判を受けます、論議も受けます。従来こういう批判を受けるのは、国会で受けるだけで、地方の根をはやした地方の議会での批判の対象になつていない国警が、今度は地方の根をはやした議会の批判、論議の対象になる。そうすると、逆に申し上げた次第でありまして、国家的性格に過ぎていたのが地方的要素がまざつて来る。また自治警察におきましては、実によくやつておられますが、たとえば長崎県のある市の警察は、同じような犯罪が青森県のあるところにあるということはなかなか御存じになりにくい。御存じになつても、時がおそい場合もある。これを中央の警察長官の指示によつて自治的要素に過ぎたものに国家的要素を加える、こういう意味であります。
○中井委員長 藤田委員に御相談しますが、今刑事局長が見えて、大臣との問で緊急に相談したいことができたので、二、三十分大臣を貸してもらいたい、こういう話でございます。どうでしようか――それではどうぞ。 ―――――――――――――
○中井委員長 それではその間に、警察法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案につき政府の説明を聴取いたします。
○柴田(達)政府委員 警察法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案の逐条につきまして、御説明を申し上げます。 これは整理に関する法律案でございますので、警察法案の改正に伴いまして、当然改正を、要する関係法令をその制定順に掲げまして、必要な整理改正を行つているものにすぎないのでございます。関係法令の数は非常にたくさんにまたがりますので、お手元に警察法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案に関する資料といたしまして、ここに引用いたします各種の法令を参考資料としてお配りいたしてございますので、改正部分につきましては、その各法令の改正部分について傍線を引いてございますので、それによりまして御承知を願いたいと思います。そういう関係上、単純なる整理に属する事項につきましては、説明を簡単にして進みたいと存じます。 まず第一条におきましては、この警察法案に基きまして当然廃止を要するところの法律を明らかにいたしたのであります。廃止をいたしますところの法律は、都道府県の所有に属する警察用財産等の処理に関する法律、それから第二番目は、市の警察維持の特例に関する法律、第三番目は、町村の警察維持に関する責任転移の時期の特例に関する法律、以上の三つの法律であります。都道府県の所有に属する警察用財産等の処理に関する法律は、二十三年のただいまの警察法に移行いたしました際においての府県の所有に属するところの警察用財産を、市町村に移すための処理に関する法律でございまして、過去のものに属するのでありますが、今まで生きておるのであります。ちようど今度の警察法案の附則に加えてございます、市町村から府県あるいは国から府県に移る財産の処理に関する規定に見合うものでございます。必要がなくなりますので、廃止をいたすのであります。 二番目、三番目の、市の警察維持の特例に関する法律、町村の警察維持に関する責任転移の時期に関する法律も、警察組織の改正に伴いまして、この警察法案の関係上、市町村自治体警察が認められないことになつておりますので、必要がなくなるわけでございます。 第二条、第三条は単なる字句の整理ございます。これ全体を通じまして、そういう単なる字句の事務的な整理がたくさん出ますが、これを一括して御説明いたしますれば、警察法案の御説明の際に申し上げましたように、現在は国警の方は警察官、市町村警察の場合は警察吏員ということを言つておりますが、警察官という集合名称を一般に使われております関係上、これを用いまして、一々警察官、警察吏員ということを府県警察の場合は用いないことにいたしまして、字句の整理を行うことにいたしました。従いまして、今までの法令の中で警察吏員とあります字句を全部削除いたしております。そのほか公安委員会や府県警察本部長というようなものが今までの国家地方警察の隊長や市町村警察長というものがなくなります関係上、読みかえの規定をしている部分が非常に多いのでございます。二条、三条はそれでございます。 第四条は遺失物法の一部を改正するものでありまして、現在は遺失物で交付を受ける者のないものにつきましての所有権が、国または地方公共体に帰属することになつております。が、今度は国家地方警察という国の警察がなくなりますので、「同又ハ」を削りまして、すべて地方公共体に帰属する、府県に帰属するということにいたしたのであります。 第五条から第八条までは警察吏員を削るといつたような整理の規定でございます。 第九条も単純なる警察官とかあるいは警察本部長といつたような読みかえの規定にすぎません。 第十条は道路交通取締法の一部改正でございまして、その中には単なる読みかえの警察吏員を削るという規定がございます。それからそれ以外にちよつと御説明をいたしたいと思いますのは、道路交通取締法の第二十六条第一項第四号中に都道府県知事とありますのは、公安委員会に改めている部分でございまして、これは道路交通取締法の二十六条二項で示しておりまするような道路の使用に関する事柄は、今は一つの府県の中で市町村の公安委員会という市町村警察で単位がたくさんにわかれておりますので、それぞれの市町村の公安委員会でやるということは適当でないということから知事にいたしてございますが、これは本来公安委員会が行うべき仕事であると存じます。従いましてそういう性格のものであると存じますので、ただ便宜上知事にいたしてあるという関係上、今度は府県一本に警察法案の方でなつておりますので、これを都道府県の公安委員会に改めることにいたしました。それから手数料の関係におきまして、国家地方警察がなくなります関係上、当然廃止すべき事項を廃止いたしました。それから道路の使用に関しまして、第二十六条の三の規定を、その廃止されましたかわりに一つ入れているのでございます。これは地方自治法で当然に手数料の徴収ができますので、手数料を徴収することができるという規定はとりましたけれども、「その額は、千円をこえることができない。」ということを入れるために二十六条の三は入れてあるのであります。 第十一条から第十二条、第十三条、第十四条、ここまではいずれも先ほど申し上げましたような単純なる整理の規定でございます。 第十五条は風俗営業取締法につきまして当然必要がなくなる規定を削除して読みかえをいたしまして、そうしてただ古物営業や質屋画業にならいまして、今度は府県になりますので、当然に手数料を徴収することができるわけでございますが、「その額は、千円をこえることができない。」という規定だけを、他の営業法にならいまして規定いたしたものであります。 第十六条の刑事訴訟法の関係も単純なる読みかえの規定だけでございます。 第十七条の警察官等職務執行法の吏員という読み方をいたさないことにいたしましたので、題名も警察官職務執行法に改めまして、その条文の中で警察法案を引用しております「国民の生命」というのを、今度の警察法案では「個人の生命」といたしておりますので、これを改めているだけであります。 第十八条からずつと第三十三条に至りますまでは、これも先ほど申し上げましたような単純なる読みかえの規定でございます。 第二十四条の古物営業法におきましても、市町村が手数料を徴収する場合の規定は、市町村警察がなくなりますので削除いたしただけであります。 第二十五条から第三十四条までは、いずれも単純なる、先ほど来申しておりますような整理読みかえの規定でございます。 第三十五条の質屋営業法におきましても、市町村警察がなくなります関係上、市町村の手数料に関しますところの規定を削除いたしただけでございます。 第三十六条から第四十三条までは単純なる読みかえの規定でございます。 第四十四条の警察官等に協力援助した者の災害給付に関する法律の一部改正も、警察吏員がない関係上題名を警察官に協力援助した者の災害給付に関する法律に改めたほかは整理の読みかえの規定でございます。 第四十五条から第四十八条までは整理の読みかえの規定でございます。 第四十九条、第五十条の有線電気通信法と公衆電気通信法の一部改正は、警察法案の際に御説明申し上げましたように、今度は新しい警察法案で警察庁または都道府県警察が相互に警察通信施設を使用することができるという規定になりましたので、現行法の引用を改めまして、その法案の文章を引用しておるのであります。 第五十一条から第五十二条、第五十三条に至りますまでは、いずれも単純なる読みかえの規定ないし市町村警察の廃止に伴いまして、必要のなくなりました規定を削除いたす次第であります。申し落しましたが、第五十三条の交通事件即決裁判手続法の一部改正だけは、ただいま国会に提案のものでございまして、その附則におきまして道路交通、取締法の一部改正を行うことにしておりますので、この改正条文中用語の整理を行つたのであります。 次に附則でありますが、第一項におきましては、この法律は警察法の施行の日から、但し五十三条の規定だけは、ただいま申し上げましたように交通事件即決裁判手続法の施行の日から施行することとしたのであります。 第二項はこの法律の施行の際、現在ありますところの府県の公安委員会や市町村の公安委員会等が行つております許可、免許等の処分で現に効力を持つておりますものを、改正後の相当規定によりましても引続いて、有効な処分とするために必要な経過規定を設けたものであります。 第三項におきましては、同じくこれらの公安委員会に対してなされました許可免許等の処分の申請を、やはり改正後の相当規定によつてなされたものとみなす旨の必要な経過規定を設けたのであります。 第四項では、先ほど御説明申し上げましたように、道路交通取締法の第二十六条第一項に基く道路における禁止行為の関係の都道府県知事の定めの効力が、今度は公安委員会ということになりますけれども、その効力を有する旨を規定いたしたのであります。 第五項、第六項の最後の災害給付に関する経過規定は、警察官に協力援助した者の災害給付に関する改正前の法律がございますが、これに基きまして施行前から引続いて行われております給付について、なお従前の例によりましてその給付が行われるということを規定いたしましたことと、それからこの法律の施行前に給付の原因が発生いたしておりまして、この法律の施行の日以後において実施すべきものにつきましては、今までの負担区分によつて国が行うべきものに相当するものについては国が、都や市町村が行うべきものに相当するものについては、都や市町村が行うということの必要な経過規定を設けたのであります。 附則は大体そういうように今までの法令によりますところの許認可、その申請、その他の処分の効果に関しますところの経過規定を設けたものでございます。 以上が警察法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律案につきましての逐条によります概略の説明でございます。
○中井委員長 ちよつとお等ねしますか、ただいま御説明のうちに、この法案に関連する法律案で、現在この国会に何か出されているものがあるのですか。それは交通事件即決裁判手続法だけですか。
○柴田(達)政府委員 さようでございます。五十三条の交通事件即決裁判手続法の一部改正だけであります。
○中井委員長 なお質屋営業に関する問題で別にお出しになつてはいないのですか。
○斎藤(昇)政府委員 それはただいま提出する手はずになつておりまして、もう提出になつているかいないかという状況だと思います。しかしこの関係は整理を要する部分がございませんから、この整理法には関係はございません。
○中井委員長 そうすると、さしあたり関係のあるのは交通事件即決裁判手続法だけでございますね。
○斎藤(昇)政府委員 さようでございます。
○中井委員長 ほかに御質疑はございませんか。
○藤田委員 議事進行。目下当委員会におきましては地方税法の一部改正法律案という重要な法律案が出ております。この法律案は四月一日から施行を予定されておりまして、先般可決になりました二十九年度予算にも重大な関連があります。また提案理由の説明があつただけでありまして、このまま放任すれば四月一日からの実施は不可能な状態であります。警察法に非常に真剣に審議を集中される委員長の態度は一応了承しますが、税法の審議はいつごろ始めていつごろまでに終る予定ですか、もし委員長に腹案でもあればこの際お聞きしておきたいと思います。
○中井委員長 お答えいたします。ただいまの御発言は、各委員諸君が先般来非常に心配しておるところなのであります。何分四月一日から施行の必要があり、これが国会を通過するやいなやは、その他の方面にも非常に関係がございますから、皆さんとともに委員長も非常に心配しておるのであります。それゆえこの委員会が終りましたら理事会を開いて、各派で御相談の上しかるべく御決定をいただきたいと思います。
○藤田委員 本日は、犬養法務大臣も緊急な要件で退席されることを委員会としても了承しておるのでありますから、この程度で散会していただきまして、月曜日からの委員会の運営に関してじつくり御相談をする機会をつくつていただきたいと存じます。本日はこの程度で散会しませんと、審議がだらけて効果はないと思います。即時散会していただきますように動議を提出いたします。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中井委員長 皆さんの御意向はさように見受けますから、本日はこの程度で散会いたします。 次会は月曜日午後一時から開会いたします。 午後四時四十七分散会