地方行政委員会 第8号
- 発言数
- 49 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/01/29
会議録
○中井委員長 これより開会をいたします。 昨日に引続き二重橋事件について調査を進めます。本日は福永官房長官の出席を求めましたので、本問題につき質疑を許します。 なお本日出席の当局は瓜生宮内庁次長、斎藤国警長官、山口国警警備部長、それに内閣官房長官福永健司君であります。西村君。
○西村(力)委員 本委員会としましては一月二日に起つた二重橋事件を取上げまして、時も時、場所も場所というか、こういう点から警察の民衆保護の点についての手抜かりがなかつたかどうかというようなことを中心として、今まで委員会を継続して来たわけでございますが、この事件の処理について政府側としては官房長官の官邸にお集まりになつて寄り寄り御相談の結果、政府として代表を犬養法相に定めて、犠牲者の見舞をせられた、その不慮の災害にあつた人々の上を思えば、その爾後の救援の手というものはどこまでも最大、しかもあたたかい手で、守つてやらなければならないということについては、われわれも当然のことと思うのでございますが、ただ政府側としてこの問題を取上げて、政府の代表を見舞としてさしつかわしたというか、そういう点について、私としましてはその収上げる根底が、少し考えが強くなり過ぎているではないかというような気持がするのです。地方なんかでは代議士の候補者になる人なんか、まま話に聞くのですが、全然見も知らない家で不幸があつたというと、ひよつこりそこへ出かけて行つておくやみを言つて云々というようなことがありますが、これは一つの事件を押えて、かえつて意図的なものになつて悪い印象を与えるものです。そこまで行かないにしましても、政府としてこういう代表をきめて、見舞うという態度をとられたということは、相当の検討がなされていると思うのです。それで政府のこの問題に対するそういう最終的な立場をとられるまでのお話合いの状況とか、考え方とか、こういうものについてお話を願いたいと思います。
○福永政府委員 一月二日の二重橋におけるああした事態が起りましたことは、まことに遺憾なことに存ずるわけでございますが、ただいま御指摘の官房長官のもとで何人か集まつたという点でございますが、正月のことでもございますし、どこに集まるといいましても、地理的に見てちようど私が官舎にもおりましたし、便宜であろうかということで、場所はたまたま私の官舎にちよつと集まつてもらつたというわけでございます。別に官房長官の官舎に集まる必要があつたというわけではございません。本来からいたしますれば、国警の関係するところでもございますので、犬養国務大臣は御承知のごとく国警の事務を担当いたしておりまする国務大臣でございまするから、そのとき集まりました一人でもございます。たまたまあの事態が起りました場所の関係から申しまして、店内庁にも関連することでもございますが、御承知のごとく、宮内庁は総理大臣の管理下にありますいわば総理府の外局のような形のものでございます。従いまして官房長官も職責上当時一緒にお話を伺う等のことをいたしたわけでございます。もとより総理大臣との連絡等のこともございまして、私がその席にともにおつた次第でございます。犬養国務大臣が見舞等に行かれたのは、ただいまも申し上げましたような理由に基くものでございます。つまり国警を担当いたしております国務大臣であるということで行かれたわけでございます。当時政府を代表してとかどうとか、特にそういう表現を用いましたかどうか、私は犬養氏が見舞などに行かれてどう言われたか、それはよくわからないのでございますが、今申し上げましたような、そういうことを担当されるがゆえに犬養氏が行かれた、こういう次第でございます。私のところでお集まりいただいたということは、そのときの便宜上のことであります。官房長官のところに集まりましたから、関係の閣僚等が特に大勢集まつて、どうこうというような印象を与えたかもしれませんが、それほどの意味ではなかつたという実情でございます。御了解をいただきたいと思います。
○西村(力)委員 そのことで集まるように発議せられた方、それからそのとき集まられた方々はどういう方々ですか。
○福永政府委員 集まりました顔ぶれは、今申しました犬養さんはもちろん来られました。犬養さんのほかに国警長官、武末当時の皇宮警察本部長、国警の山口警備部長、それから警視庁の方から、たしか小金井総監議長が参つたと記憶いたしております。だれが集めたと申しますか、いろいろに関係いたしまするので、だれ言うとなく集まろうということでございまして、集まつた方がいいだろうということは、別にだれがどうということではなかつたように記憶いたしております。そういうふうな国警、警視総監あるいは皇宮警察というような関係の人々が集まるのに、ちようど場所がいいからというようなことで、おのずから私のところへ集まつたことと記憶いたしておりますが、ある意味においてそれぞれの責任を持つておられる立場の方々でありますが、特にだれが集めた、また性質上だれが集めるべきものであるというものでもないように存じます。私の記憶ではみなの意見が一致して集まつたように思つております。
○北山委員 関連して……。福永長官にお伺いいたします。昨日この二重橋事件について国警、警視庁並びに宮内庁の方から、いろいろ当日の事情をお伺いしたわけでありますが、国警の方でも、また警視庁の方でも当日の警備は、十分でなかつたというようなことも申されておるわけであります。なおこれはまだ十分な調査をいたしておりませんし、また実地調査をすれば、なお明らかになると思うのでありますが、あの当日集まつた一般の参賀者の人たちの行列が、自然に流れて行けば、それほどの問題はなかつたでありましようが、それが途中でせきとめられておる。それは鉄橋の前の記帳所の付近であり、もう一つは宮内庁の庁舎の前、すなわち陛下が出御せられるところのたまりのところにたまるんだ、そういうように二箇所に行列をせきとめる一つの原因があつたわけであります。そういう点が大体あの当日の行列をとめてしまつて、うしろが詰まつて来た大きな原因である。そういう状況に対する処置あるいは連絡というものが、十分でなかつたというふうに考えられるわけであります。そこで宮内庁の次長もこの出御のやり方については、いろいろ将来の問題としても考えてみたいということを言つておられるんですが、要するに、昨日のわれわれの調査によつて、結局これは一般参賀の受入れ計画全体、人民の生命の安全に対する十分な配慮がなされてなかつた、こういうところに原因があるのじやないか、こう思われるのでありますが、それに対して政府はどういうお考えを持つておるか、責任を感じておるか、それをお伺いします。
○福永政府委員 ただいまお話に出ました具体的の状況等につきましては、これはいろいろの見方もあろうと思うわけでございます。とめたからそうなつたというようなお話もございますが、全然とめなかつた方がよかつたかどうかということにつきましては、いろいろ調査も必要であろうと思うわけであります。私直接にこれを担当いたしておる責任ある立場でもございませんので、どうこうと言うことは遠慮いたしたいと思うわけでございます。またこの責任については、もとよりかくのごとき事態が起りましたことは遺憾な次第であります。そういう意味から政府としてももちろんこれを等閑視しておるわけではないわけであります。しかし責任をどうするかというようなことについては、私としましてただちに私がこの事態に処して、具体的に責任の所在等についての言及をするのも、いかがかと存ずるわけでございます。これを担当する大臣等もおられるわけでございますので、その点については御了解いただきたい。
○北山委員 さらに詳しく申し上げると、たとえば鉄橋の手すりが腐つておつた。であるからして、あそこには十二メートルくらいの幅があるものを、実際には歩道だけ六メートルほどの幅しか使えなかつたということが、行列をせきとめる大きな原因になつておる。また宮内庁庁舎の前の出御のたまり、その付近にも土手に上つて非常に危険であつたというような事態が起つておる。でありますから、要するに、そこの場所では事故が起らなかつたから、問題にならなかつたようなものでありますが、しかし一般参賀を受けるというような計画をする場合に、そのような危険な設備なり計画をしておいて、事故が出て来れば、あとは警備上の責任だというのは、私は間違つていると思う。もちろん警備の方にも不十分な点があるということは警察の方でも認めておる。しかし参賀を受けるやり方、このやり方に問題があるのじやないか、そういう点については政府としては調査をするつもりかどうかというような点を伺いたい。
○福永政府委員 当日の直接警備のほかに、ただいま御指摘のような点につきましても、もとよりこれは注意すべきものであろうと存じます。さような趣旨によりまして調査もいたし、また今後に処する方途を考えなければならぬものと考えております。
○西村(力)委員 私は新聞その他で犬養法務大臣が政府代表として行つた、こういうぐあいに承知しておる。まあ、犠牲者に非常にお気の毒だという気持を持たれるのはいいのですけれども、政府代表というような立場で取上げるということは、これはあまりにも大げさ過ぎるではないか、すなわちそこには宸襟を悩まし奉つて申訳ないということから、死んだ人に対するお気の毒だという気持以上に、それだけが働いてそういうことを取上げているのではないか、そういうことを感ずるのです。そういう点から……。先ほどのお話では政府代表云々は明確でないということでございますので、その点ははつきりと政府代表ではなく、警察関係の主管大臣として行かれたというようなことである、そうするならば、官邸に集まるということは意味のないことであるということになるが、どちらがほんとうですか、はつきりしていただきたい。
○福永政府委員 政府の中で国警を担当するがゆえに、犬養法務大臣が参りましたわけでございます。担当大臣として参つたと了承いたします。ただあのときは正月の二日でもございまするし、率直に申しまして総理官邸等も小使その他も休んでおりまして、比較的近いし、私はおりますので、便宜上あそこに集まりましたわけでございまして、従つて集まつた場所の者が、こうした打合せにつきまして特に皆を集めたとか、主導的な立場にあつたとかという意味ではございません。たまたま地理的に申しましても便宜であるし、皆が集まりいいというわけであるので、集まりましたわけでございます。大した意味がなかつた。この点は当時集まる場所について、特にどうこうというようなことを深く論じていたしたわけではないのです。都合がいいから、それじや集まろうというので、あそこに集まつたわけでございます。御承知の通り警視庁、国警、宮内庁、いろいろ関係の方がありまするし、なお総理大臣の方にも連絡をとるといいますか、報告といいますか、それをいたします都合もありまして、こういう次第だというようことを、たまたまそれぞれの担当の諸君から、私の方へ連絡をしてもらいましたので、そういうような便宜から、ちようどそれじや集まろうというような程度であつたというわけでございます。
○西村(力)委員 私の心配するのは、さつきも申したようなぐあいに、考え方の基礎が、ウエートがどつちに置かれるかということは、これは非常に大事なことだと思う。戦時中、あのときはああいう情勢でありましたので、空襲があつたという場合にある小学校の校長なんかは、自分の子供を避難させようと努力している先生に向つて、子供よりも御真影が大事だと、こう叱咤したというくらいまでに行つているのです。ああいう方向にゆめゆめ行かしてはならない。そういうことから、政府代表として見舞を出されること、その気持そのものに対して、私は何もとやかく言うのではない、そういう方向に一歩進めるというような形で出されるということだけは、ぜひやめて、やつて行かなければならない問題である、さように考えて質問するわけなんです。ところで所管大臣である犬養法務大臣が行かれて、国家公安委員会の方は全然それにタッチしないとか、われ関せず焉のような状態にある。そこに私は非常にふしぎなことを感ぜられるのですが、こういう場合の法務大臣の立場と国家公安委員会の立場、これは法的にどういうぐあいになるか、斎藤国警長官にひとつ解明していただきたいと思います。
○斎藤(昇)政府委員 国家公安委員会は御承知のように皇宮警察の方の責任を持つておりますが、それをひつくるめて犬養大臣が、政府担当大臣としておられるわけです。国家公安委員会も総理大臣の所轄のもとに置かれておりますので、総理大臣の事務を犬養大臣が担当しておられる、犬養大臣にやつていただきますればこれに越したことはない、さような見解で、われわれはおつたのです。
○西村(力)委員 警察の責任の直接的なところは法務大臣に行くのか、国家公安委員会に行くのか、どちらが直接の責任を負うべき立場になつておるかというと、私はやはり国家公安委員会が直接の責任の立場に立つべきではないか、そうでなければ国家公安委員会を存置した意味がないではないかというふうな気持がするのです。国家公安委員会を完全に骨抜きにしてしまつて、飾り物にしてしまつて、実権を政府が握るということは、まだそれほどはつきりとしておるものではないのではないか、かように考えるのです。そういう点は、これに越したことはないというようなぐあいに言われるけれども、そうすれば最高はやはり吉田総理大臣が出られるに越したことはないと思うのですが、いずれにしましても、直接そういう民衆保護とか治安確保とかいうような責任の場は、国家警察においては国家公安委員会においてとるのが正しいのではないか、かように思つておるのです。そういう点はいかがなものでございましようか。
○斎藤(昇)政府委員 犬養大臣がお見舞に行かれましたのは、これは責任があつたからという意味ではないのであります。皇宮警察の責任という意味で大臣が行かれたというわけではございません。当日も、ただいま官房長官からお話もございましたが、あれだけの惨事が起つて、それの救援とか見舞とかいうようなことは、一体どうなるのだろうかというお話が自然に出て参りました。そのときに出た話でありますが、前に両国の川開きでああいつた惨事が起つたことがあるのであります。あのときはどうしたか、あるいは国の法律で何か救護するような道があるだろうか、非常にお気の毒であるがその救護の方法はないだろうか、ところが現在の法律ではああいう場合に救護、見舞をするとか、そういう規定がございません。川開きのような場合には、あれは花火協会の主催の事業で、花火協会が手厚く見舞をされた。今度の参賀のことは政府の関係の宮内庁の行事として行われたものであるという意味で、宮内庁を中心として善後措置を講ずるのが適当ではなかろうか、そういう意味でお見舞をしたのであります。そこで宮内庁としても行かれますが、警察関係の事柄もあるから、そういうような意味で、犬養大臣がお見舞に行かれたという次第でございます。従いまして国家公安委員会の責任あるいは警察の責任があつたからというような趣旨ではないのであります。
○北山委員 関連して。そうすると、今の国警長官のお話だとたいへんおかしいのです。きのうあたりは責任があるというか、警備について手落ちがあるというふうなことを認めておる。しかも現に皇宮警察本部長は責任を感じて辞職をしておられる、警視総監も慰留されましたけれども辞表を出しておる。これらのことと今のお話とは、まるきり矛盾するのではないか。やはり警備なり何なりに不十分な点があつたから、それらの人たちが責任を感じてやめるというようなことにもなつたのだろうと思うのです。ところが今のお話でありますと、政府や警察には何ら責任はないが、お見舞をしたのだということで、まるきり矛盾するのです。どうも話が食い違つておかしいのですが、その点を明らかにしていただきたい。
○斎藤(昇)政府委員 もし私の申しましたのを、さようにお聞取りでございましたら、私の言葉が足りませんでしたので、まことに申訳ありません。皇宮警察としては十分責任がございます。それは昨日も一昨日も申し上げた通りでございます。ただいま申しましたのは犬養大臣がお見舞に行かれたのは、責任者として行かれたという趣旨ではありませんということでございます。国家公安委員会ももちろん責任がありましよう。皇宮警察本部長の辞表を受理するということについても、公安委員会でも一応審議を願つたわけであります。そういう意味における責任は、十分痛感をいたしておるのであります。ただいま申しましたのは、なぜ公安委員会がお見舞に行かなかつたかというお話でございましたから、それで申し上げた次第でございます。
○西村(力)委員 斎藤長官のお話をお聞きしますと、政府の立場から言つて責任を感ずることはあるでしようけれども、犬養法相には直接責任はない、そうすると国家公安委員会が直接の責任だということを表明せられておるというぐあいにお聞きしたのですが、それではこの問題の処理について国家公安委員会を正式に開いて、あるいは皆さんから直接いろいろ連絡をされて協議せられたことがございますか、どのようなぐあいになされましたか、それをお聞きしたい。
○斎藤(昇)政府委員 国家公安委員会には、即日私から御報告いたしました。三日にも公安委員会の方々と協議いたしました。それから三、四日いたしまして、公安委員会全員集まりまして御報告をいたし、そして責任について御協議を願いました次第でございます。
○西村(力)委員 いろいろ手を尽されたようでございますが、最後的にはやはり国家公安委員を除いて、政府側とそれぞれの国警側の立場の人々との会合を持たれた。そういうことから言いまして、国家公安委員会は、どうもおいてけぼりを食つておるような状況になつておる。こういう傾向を察知せざるを得ないのでございますが、警察法本来の精神からいいまして、そういう行き方はこれは相当考え直さなければならぬことじやないか、かように思うわけなのでございます。 次いで話は別になりましてこれは風聞なので、ほんとうであるかどうかということについての責任を持つた発言ではございませんけれども、福永官房長官におかれては、あの事件を取上げまして、だから警察法改正をやつて、国警一本に持つて行くことを必要とするのだ、こういうことを言われたということをお聞きしておるのです。こういうことを政府はよく言うのです。去年の九州水害のときたは保安隊が活動した。だから保安隊は必要だというふうなまるではき違えた意見を言われるのでございます。そういうことはおそらくないだろうと思うのですが、念のためにひとつお聞きしたいと思うのです。
○福永政府委員 ただいまお話のようなことは、私は申した覚えはございません。私から聞いたという人もおそらくないと思います。私が言つたというふうに伝えられているといううわさも、実は今初めて伺つた次第であります。
○中井委員長 なおこの機会に御報告をいたしておきますが、本委員会が始まる前に理事会が開催せられまして、この理事会の決定によりますと、この委員会の質問が終り次第ただちに現場に出張いたしまして、現場の実情を親しく当局から説明を聞く、これによつて従来皆様のされておりました調査の確実を期したい。さらに進んではその原因のあるところを一層明らかにいたし、将来再びかくのごときことのないようにしたい。こういう趣旨において現場の検証というものをすることになりましたから、皆様におかれましてはこの質疑の終了次第、ただちにお集まりをいただきまして、一緒に現場に参ることにいたしたいと思いますから、あらかじめ注意を願つておきます。
○田嶋委員 議事進行について申し上げます。実は私理事会のオブザーバーもいたしておりますし、今委員長から理事会の報告を受けまして、その意味において了承したのでございますが、ただいままで委員会で政府当局並びに警視庁関係者に対する質疑が行われて参りましたが、この政府並びに政府的なものに対する質問だけでは、本件の目的を達することができないような気がいたします。報道機関の種々の報道を総合いたしてみましても、この問題は政府の責任を追究しなければならぬこともさることながら、大衆自体が非常にやじうま的であつて、大衆に今後の反省を促し、大衆自体にこうした面に対して大いに研究してもらわなけれぱならぬ点が、示唆されたような気がいたすのでありまして、検証まことにけつこうでございますが、このけつこうな検証以後、やはり大衆を目的とした、集会者を目的とした調査、これも本委員会においてお取上げくださいまして、本委員会の本調査に対する最終の最善なる結論を、生み出すように御努力を願いたい。こういうふうに思うわけでございます。
○中井委員長 御意見につきましてはいずれ理事会に諮つて、理事会の御決定にまちたいとも思いますが、今の御意見を具体的に申しますと、どういうことに進むということでありますか。
○田嶋委員 私は結局、証人の喚問が、ここに必要になつて来るのじやないかと考えるのであります。証人といたしましては、結局当時整理にあたりました具体的な警官並びにその当時の被害者、また目撃者、これらの証人を当委員会に喚問して、そのときの状況を調べるのが適当である、こういうように思うわけです。今日の段階では政府に対する一方的な調査のみに終つておりますので、へんぱ的になるのではないか、こう思います。
○佐藤(親)委員 いろいろお話を伺つておりますと、そのお言葉の中に責任責任という言葉がたくさん出ますが、その責任とは要するにだれの直接の責任なりやということが、結論づけられないのだと思うのであります。要は大勢の人がその場所に入つて、その場所が狭かつたとか、人がたまつておるというので、遂にかような不祥事ができてしまつた。それで徳義上まことに恐縮だという趣旨における責任ととつていいのかどうか。もちろんそういうふうにとりたいのが私の意見でありますが、国警長官並びに瓜生次長、それから福永官房長官にも、その責任とは実際私の問いたいような道義上まことに相済まぬ、こういう趣旨における責任責任とお答えになつておるのかどうかということを、最後に政府に確かめておきたいのであります。
○斎藤(昇)政府委員 ただいまの佐藤委員の御意見よくわかりました。私たちが、少くとも私が責任を痛感しておる、かように申しますのは道義上と申しますか、やはりほんとうの責任でありまして、一切の責任を負うという、そういう大それた意味じやありませんが、われわれの方としまして警備の点から道義的責任を負いたい、かように考えております。ただ事件の起りましたのは、いろいろな原因が幅湊して起つたでありましようが、われわれ側としてはわれわれ側としてこういう責任を痛感しておる、かように申し上げたのであります。
○瓜生政府委員 宮内庁といたしましても、今斎藤国警長官が言われたと同じような趣旨であります。いわゆる司法的な意味においての法律的な責任とか、むずかしく考えますればいろいろ疑問もありましようが、ああした機会に、ああした場所で、ああしたことを起したことについて相済まぬ、今後もかようなことを起さないようにはからなければならぬということを考えておりますので、そういう意味において責任を感じております。
○門司委員 この事件が起つたためにお集まりになつて、善後処置等についてお考えになつたということは、これは行政の責任者としての政府が一応考えられることなんです。しかしこの事件、ばかりではありませんが、いろいろ国内に事件も起つておりますので、これは官房長官に聞くことがいいか悪いかは別の問題で、むしろ法務相の犬養さんに聞いた方がいいんじやないかと思いますが、内閣の方針だけ聞きたいと思うのであります。 たとえばこの問題につきましても、斎藤国警長官の答弁によりますと、警備の目的が、陛下の御身辺の安泰に大体主力が置かれておつたというような考え方であつたように、答弁をされております。従つて群衆に対する考え方というものが、第二義的に考えられておつたように、われわれ印象を強く受けているわけであります。こういうことと思いあわせて考えますのは、たとえば箱根に吉田さんがおいでになりましても、そのまわりに、鉄条網を張つたというのですが、これは当局に言わせますと、あれは壁がこわれておつたから修理したので、ことさら鉄条網を張つたのではないという答弁をしておるようでありますが、こういうことがあります。それからさらに福岡に総理がおいでになりますと、多数の警察官で警備をしたということ、かつて天皇陛下がおいでになつても、ああいうことはしなかつただろうというような警備をしている。一体それほど国家の治安というものが乱れているかということは、後ほど聞きたいと思うのでありますが、かりに乱れている、乱れていないということを別にして考えてみましても、内閣総理大臣が地方に出るのに、非常に警備しなければならないというような物の考え方が、もし政府にありとするならば、これは今の社会の人の物の考え方からかけ離れた事大主義的な考えではないか。こういうところにやはりいろいろな問題が起つて来る一つの原因を、こしらえているのではないかと考えられる。従つてこの問題と関連して、そういうことを私ども論争いたして参るのでありますが、一体政府は今の治安状況というものについて、それほど厳重にしなければならないというようなお考えがあるかどうか。同時に将来もやはりそういう方針で進まれようとするのかどうか、こういう点を聞いておきたいと思います。
○福永政府委員 斎藤長官がどういうように答弁されたか私聞いておりませんが、おそらく民衆を軽く見ておられるというようなことを言われたのではなかろうと思いまするし、私どもは決してさようなことを思つているわけではございません。なお総理大臣等が出かけますような場合に、箱根ではどう、福岡ではどうというようなお話がございましたが、たとえば箱根で鉄条網等が張つてありました実情を、私もよく承知しておりますが、ああいうことは総理大臣の欲するところではないのであります。私自身も行きまして、こいつはどうもちと大げさではないかと率直にそう思つておつたわけでございます。また福岡等に出かけました状況等も、警察側では大事をとつてああいうことをしてくださつたのだろうと思いますが、その心事に対しましては私どもどうこうということはない、感謝しなければならぬのでございましようが、そう大げさにいろいろのことをしなければならぬような事態であると私は考えておりませんし、さようなことを政府は要求しておるわけではないのでございます。
○中井委員長 官房長官に対する御質疑は、これで終了したと承知してよろしゆうございますね。——それでは田嶋君。
○田嶋委員 刑事責任についての捜査が進行しているように承つておりますが、この点についてお聞きいたしたいと思います。 それからサンデー毎日の一月十七日号に、天皇陛下の御寝所が侵されたというような記事が、大々的に報道されております。これはどうも具体的に人物も上つておりますし、具体的に記事も書かれておるようでございますからほんとうじやないかと思いますが、こういう事実があつたかどうか。この事実に対して皇宮警察本部としては、いかような責任をおとりになつたか。また斎藤国警長官はこれに対して、いかような責任をお感じになつておるか。これが第二点。 第三点は、斎藤国警長官は、本委員会に参りまして御答弁を承つている中に、責任があるようなことをお述べになり、きようも皇宮警察としては責任があるんだ、こういうことをはつきりおつしやつておりますが、自分に対しての責任は一言も当委員会で触れていないようでございます。国警長官としての責任を感じたことがあるかどうか、これが第三点。 それからきのう大石委員から質問がありまして、お答えになつたようでございますが、とにかく今問題になつておりますように担当大臣はお見舞に行つた。それから皇宮警察本部長官も見舞に行つた。警察で最も大切と思われるところの斎藤国警長官はお見舞に行つていない、こういうような事実がございますが、私は少くともこれらの点に対しては、やはり斎藤国警長官が中間に抜ける必要はないのであつて、むしろこうしたことに対しては、私は皇室という問題を離れて、大衆に対して自分の責任があるないは別にいたしまして、見舞くらいは、上と下とが行つておるのに、わざわざ自分だけが行かないと言つておる必要はないのであつて、やはり上と下とが行つており、責任の直接の所在ある長官であつてみれば、行つた方がいいと思いますが、これに対してどういう心境でありますか、この四点を伺つておきたいと思います。
○斎藤(昇)政府委員 刑事責任の点につきましては、検察庁においてただいま御調査をしておられると聞いております。いまだ結論が出されていないように聞いておるのであります。 それからサンデー毎日ですかの事件に対しましては、当時の皇宮警察本部長以下関係者に譴責、罰俸その他の懲戒処分をいたしております。 私の責任問題につきましては、私この席からも申しておりますように、まことに相済まない次第であると責任を痛感いたしておる次第であります。お見舞に私が参らなかつたのは、どういう心境であるかというお話でございましたが、警視庁、皇宮警察それから担当大臣等のおられるところでお打合せをいたしまして、現場の統轄をしておりまする者として警視総監と武末皇宮警察本部長、これが一緒になつてお見舞をし、それから最高の者として犬養大臣がお見舞をされる、そういうことにしようという申合せに相なりましたので、私はじかには参つておりませんが、心の中では非常にお見舞の気持が一ぱいでございます。
○田嶋委員 昨日資料の御提出を願いました資料が出たようでございますからお問いいたしますが、この資料で見ますと石橋の所に十七名の警察官を立たした、それから石橋から鉄橋までの所に十八名となつておりますが、これはいかような配置でしよう、待機させておつたのでしようか。そうでなくしてやはり間隔を置いてずつと整理に当つておつたわけでございましようか。
○斎藤(昇)政府委員 何と申しまするか、この区域を受持つ者といたしまして、適時にこの区域内において整理に当つておつたということでございます。
○中井委員長 田嶋君、ただいまの問題等は、現地でひとつお聞きを願いましよう。それからもう時間が参りましたから……。
○田嶋委員 ちよつと一点だけ、実は現地でお聞きするのが適当と言おうと思つておつたのですが、委員長から言われたのですが——。報道によりますと石橋の所には、国警は二人しか出ていなかつたというのですが、これは十七名間違いないのですね。これだけ確かめておきます。
○斎藤(昇)政府委員 これは駒寄せから正門の所まで全部含めてでございます。
○門司委員 私一つだけ忘れておりましたからお伺いしますが、この行事は一体どこの主催で、だれの責任で行われたのか、宮内庁の行事として行われたのか、あるいは天皇御一家の行事として行われたのか、国の行事として行われたのか、その点は一体どうなのですか。
○瓜生政府委員 これは役所の関係から申しますと、宮内庁が所管をする行事として行われました。
○門司委員 そうすると、これは全部やはり宮内庁の責任において行われ、宮内庁の責任ということに考えて間違いございませんか。
○瓜生政府委員 行事の取進め方につきましては、宮内庁の責任でございます。
○石村委員 この調査に入る前に、ちよつと報告についてお聞きしたいのですが、警視庁の報告と国警の報告とで、事故の発生当時のロープの問題に食い違いがあるのですが、警視庁の方ではこれは高く上げた、皇宮警察官の方の合図があつたと思うから上げたとあるのですが、国警の方では群衆の力に突破されたとあるように思うのですが、これはどちらがほんとうなのですか。
○後藤田説明員 警視庁の報告は、ただいま御指摘のように、皇宮警察側の合図があつたと思つたので上げた、こういうように報告になつております。事実警視庁の現場員はそう思つたようであります。これを皇宮警察側について調べてみますと、皇宮警察側では当時その合図をした者が実はないのであります。その点が若干の食い違いがあることは事実であります。ただ皇宮警察側の現場の者も、やはり綱を上げたのであります。それは鉄橋の方からの合図ではなくて、現場で後方から押して来る群衆のために、綱が弓なりに前に押されて行つた。そこで前面の人が非常に苦しくなつて悲鳴を上げ出したというので、それを前におつた警察官が下をくぐらしたという処置をしたのであります。その後その綱がまた後から押されて来るということで、いよいよ前の人が苦しくなつて上に上げて、それで一旦出たわけです。ところがその綱があとの人に首にひつかかつて来たということで、これは見ておれないということで綱を上げた、つまり現場の警察官が緊急処置として綱を上げたということが、皇宮警察側において調べた実情のようであります。この点については警視庁の報告にも、若干その点が触れてあるように私記憶しておりますが、警視庁側から提出した報告書を詳細記憶いたしておりませんので、何とも言えません。問題は合図があつたかなかつたかというところに、若干の食い違いがありますけれども、当時の現場の綱の上げ下げについては、相互にそう開きはないように、私は調査の結果承知いたしております。
○石村委員 今のようなことは書いてあるからわかるのですが、問題は警視庁の方では遮断線を上げたのだ、意識的に取上げたのだ、群衆を前に行かせるために上げたのだということに対して、皇宮警察の方では突破されたのだ、してみるとそこに食い違いがあるのでお聞きしたわけです。
○後藤田説明員 私突破と響いてあるのは、実は記憶いたしておりませんが、そうじやないので、緊急処置として綱を上げたのだというのが、私の方の報告の要旨じやないかと記憶しております。突破というのはどういう意味か、ちよつとわかりかねます。
○石村委員 突破というのは、結果的に上げざるを得なくなつたというように、皇宮警察の方では考えられるわけですが、警視庁の方ではそういうことがはつきり書いてなくて、合図によつて進行させる目的で上げたというようにとれるから、そこの食い違いをただしたわけであります。
○後藤田説明員 その点は、警視庁側は合図によつて上げたと、たしか書いてあるように、私さつき申し上げたように記憶しておりますが、現実に後方からたくさんの人に押されて、綱の前面にはさまつておつた人が、非常に苦しみ出したという現実の事態は、やはり警視庁側においても、これまた報告いたしておるように私は承知いたしております。
○中井委員長 それではこれよりただちに現場の検証に参ります。 本日はこれをもつて散会をいたします。 午後零時二十四分散会