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19回国会衆議院1954/11/25

大蔵委員会 第81号

発言数
18
登壇者
8
会派数
4
開催日
1954/11/25

会議録

千葉三郎日本民主党

○千葉委員長 これより会議を開きます。  税制に関する件、金融に関する件の両件を一括議題として審査を進めます。質疑の通告がありますので順次これを許します。まず井上良二君。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 この際大蔵大臣に二、三質問をいたしたいのですが、吉田内閣も新聞によると余命幾ばくもないということでございますから、長い間御苦労さまでございました大蔵大臣に、一つは置きみやげ、一つはかりに大臣をやめなければならぬことになりましても、やはり大政党の有力な国会議員、政治家として今後いろいろな面の発言が大きいと考えますので、特に現職大臣として在任中に編成されました補正予算案について二、三伺つておきたいのであります。  政府は最初は補正予算は絶対組まないという方針を堅持して参つたのであります。ところがその後災害がたび重なつて巻き起り、かつ予算執行に伴う諸般の情勢から、やむなく補正予算を組まなければならぬ事態に追い込められたのでありますが、この補正予算編成の重要な大蔵当局としての考え方は、一兆円を堅持する、こういう建前に立たれておるようであります。補正予算を組まなければならぬということと、それから一兆円というわくをもつて臨むということとの間に、非常に無理が起つておりはせぬか、こう私どもは見ておるのであります。つまり補正予算を要求する現実の事態が起つておりますのに、一兆円というわくでこれを圧縮する、こういう含みが非常に強く働いて、せつかくの補正予算の要請というものが、このわくのために犠牲になつておるという点を私どもは非常に重要視しなければならぬと考えております。ただ計数的には一応一兆円のわくで押えた、あと一億円で一兆円になろうといたしておりますが、どうにか一兆円のわくで押えたとは言えますが、しかし防衛庁の持つております昨年度からの使い残りの経費というものは全然問題にしておりません。防衛庁の昨年度の予算で使い残りになつたものが、現在どのくらい政府にはありますか、それをまず明らかにしていただきたい。  それからいま一つは、政府は今年の春の通常国会に非常な勢いをもつて、与党の協力のもとに繊維消費税を八十五積計上して提案をいたして参りました。予算は通過をいたしたのでありますが、この税制案が本委員会で審議未了になつた。これは政府を支持する与党自由党としてはまつたくなつてない政治的な行為でありまして、予算を通しました以上は、当然これに付随する繊維消費税は何が何でも審議を促進して、これが通過をはかる努力をすべきであるにかかわらず、かような努力をせずに、これを審議未了に付した。そうして今度これが損金として予算から姿を消そうということになつておるのでありますが、これに対する政府の政治的責任はどうお考えになるか。  それからわれわれは専売公社のピースを中心とする値上げがデフレ下における現状から絶対当を得たものにあらずという意見で、全面的にこの値上げに反対をいたして来たのにかかわらず、政府はこの値上げを強行いたしたのでありますが、しかるところわれわれの予想違わず、専売局のピースを中心にする高級タバコの売上げは月々減少の一途をたどつて来て、ただいま補正予算として出されております分だけでもここに五十二債収入減として見積つておるのであります。この繊維消費税の八十五億、さらに専売公社の五十二億という金額は、税収及び納付金の上から考えますと、相当大きな比率を占める税収であり、納付金であります。かような見込み違いをいたした責任は一体だれがおとりになりますか、この点を明らかにしていただきたいと思います。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 補正予算は一応閣議の決定を経したが、今まだ数字も整理中であり、また閣議決定にも計数整理のことは若干異動を生ずることあるべしということで閣議決定を経ておるのでありまして、ごく大要だけを決定したことは御承知の通りであります。さらにまだ国会にも提出いたさないのですから、提出いたさないものについてあまり詳しく申し上げることは——実はその機会を見て国会に提出のときに予算案の内容についてお話を申し上げたいと考えておるのでありますから、大体今お尋ねの点について少しく申し上げれば、これは私どもがこの前二十九年度予算を編成しますときに、今後は補正を組まないということは、その通り補正予算を計上しないことを申し上げたのでありますが、その後十九国会で予算案が三党共同修正を受けたり、また今お話しのごとくに、予算関係の法律案のうちで、たとえば繊維消費税のごとき、こういった不成立になつたものもあれば、あるいは入場税等のごとき修正を受けたものもある、そういつたこと等で若干それらのことを今日補正しておく必要を感じて参りましたのと、それからまた本年度に非常に災害が発生しておる。この発生した災害の復旧を促進することが必要でもあり、また御承知の、これは井上さんあたり一番関係深い緊縮財政を進めて行く上に、失業者、そういつた社会保障的の諸費を相当計上しなければならぬということの実情等から、そういう社会保障関係費の充実をはかろう、こういうようなことで実は必要最小限度の経費に限つて今回補正のことをとりきめて補正予算を数日前閣議決定をした次第であります。けれどもまだ今計数その他整理中でありますから、そのことについてはいずれ国会提出後詳しく申し述べることにいたします。  なおお尋ねのうち防衛庁の何か使い残り云々、これは繰越し明許ではつきり国会の承認を得たものもあり、金額はちよつと私記憶しておりませんが、ここに主計局長も出席しておりますから、あとから数字的な御説明はいたしますが、去年は大体二百億見当あつたのではないかと思いますが、今年はその後使う方が進行いたしておりますので、従つて年度末にならなければわからぬが、そう大きくはならぬであろうと私ども見込んでおります。  それから今の一番最後のお尋ねのピース等の問題でありますが、これは当時一般の要望が奢侈を少しでもとめるということが一つ、もう一つは小額所得者の減税を行う減税財源の必要ということで、これはそろばんではじき出したものでありまして、むろんピースの売行きを一々責任を持つわけには何人も参らぬだろうと思います。当時多少違算を生じたことはお示しの通りでありますが、しかしそれがためにこういうことを財源として小額所得者の減税が行い得たという当時の事情等を御勘案くだされば、まあ功罪相償つて余りがあるだろうと私は考えておるのであります。これは井上さんですから率直なことを申し上げておるのですが、そういうふうに私は考えておる。  なお一兆円のわくをわずか一億ばかりで堅持しておる、一億ちよつと残すくらいで堅持しておる云々とありますが、私どもは今申し上げたような意味で、必ずしも一兆円というのは一の下に零が十二ついたものとは考えない。しかし零を十二つけたものが一兆であるということにかわりはないが、この数字は厳格にするのでなく、この一兆円の予算が盛り込んでおる意味は、繰返し申し上げておるのでありますが、ちようど一兆円という数字で出すとその思想が完全に織り込まれる、その意味を申しておるのであります。今日もそういうぐあいで、今度百十数億を社会保障その他のものに計上し、また災害についても予備費を合せると百十数億からのものを計上し、相当の巨額のそれぞれ必要な費用を計上しておるにもかかわらず、なお私どもは財政規模一兆円というわくを堅持し得たことは、皆さんとともにまつたく日本財政のために喜ぶべきことだ、かように考えておる次第でございます。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永説明員 大百臣からお答えもございました通りでありますが、補足して若干申し上げますが、昨年度から本年度への防衛庁費の繰越しは、正確な数字は記憶いたしておりませんが、二百億ちよつと上まわつております。この分は契約が締結されまして、その支払いが本年度に繰越されたもの並びに繰越し明許に基いて繰越しをいたしましたものでございまして、率直に申しましてこの数字は昨年私ども考えておりました数字よりも若干多かつたのは事実でございます。本年度は物価の引下げに伴いまして、まず四十五億円を節約をいたしまして、この節約は今度の補正で修正減少いたしましてそれだけ落しておるわけでございますが、それ以外の要素として、わりと防衛庁の調達状況は順調に推移いたしております。目下のところは契約の締結も大分進んでおりますから、来年度への繰越しは本年度への繰越しよりも相当減少するのではないかというふうに考えておりますが、何分にもまだ四箇月を余しておるわけでございますので的確なことはちよつとお答えできないわけでございます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 防衛庁の使い残りの二百億、これは使い残りではないといえばいえるかもわかりませんが、当然本年度にこの金が支払われるわけでありますから、これを加えますと一兆円ははるかに突破する、一兆二百億円になるということになつて、一兆円というわくはすでにこのことによつて破られてしまつておるということを私どもは考えなきやなりません。同時にこの補正予算から考えまして来年度予算に対する考え方ですが、一応大蔵当局では来年度予算の編成について、各省からの所要の要求額をそれぞれ査定をされて、骨格をすでにつくられておることと存じます。そこで問題は、いろいろ新聞やその他の情報等によつて伺いますると、一兆円という本年の財政規模を踏襲して行くという一つの考え方と、それではとてもまかないきれぬから一兆一千億円なりあいるは一兆一千五百億円くらいのわくに広げなければまかなえぬじやないか、こういうようないろいろな意見が伝えられております。問題は、われわれ日本の経済の自立という点から考えまして、日本の円レートを一体どう堅持するか、この円レートを堅持するために国際収支をどう均衡をはかるか、そのために一体物価はどの程度下げるべきか、下げた場合国民の全体の収支がどういうことになつて行き、またその関係においてはわが国の生産力をどう維持して行くか、これに伴う国民経済力を一体どうつじつまを合わすかという、原則的な問題が検討されなければならぬと考えておりますが、政府の方では現在の円レートはあくまで維持できるという確信を持ち、それを維持するための貿易規模は明年度一体どの程度を目標としており、それに伴う国内の物価の引下げはどの程度を来年度予想されておるか。本年政府のデフレ政策によりまして、物価は七、八パーセント下つたということを政府の方では盛んに申しておりますが、なるほど卸価格の方面におきましては重要産業であります石炭、あるいはまたは造船等の不況によります結果から、鉄鋼関係全体に非常な不況が巻き起つて参りまして、さような方面におきましては、相当卸価格の面において下つたことは事実であります。しかしこれが小売面になつて、消費価格の面では一向物価は下つておらぬ、逆に値上げになつたものさえありまして、政府の申しておりますのは、国民生活の部分に全然響いて来ておりません。また輸出が非常に振興したということが言われておりますし、またその数字もときどき発表されておりますけれども、輸出の振興の跡を検討してみるといずれもが出血輸出によるリンク補償によつて輸出が振興しておるのであつて、このことが海外の各国にいろいろな影響を与え、刺激を与え、日本に対する不信の声がいろいろな面が高まつて来ておるという点を考えて、やはりこのリンク制による出血輸出というものがもうこれ以上強行できない事態になつておるときに、一体これからの貿易の振興をどういう方法によつてやろうとするか。これらの問題が基本的に解決されない限り、明年度予算の編成の大きな大黒柱というものが考えられないのじやないかと私どもは考えておりますが、そういう点について大蔵当局といたしまして、特に所管大臣としまして円レートの問題、貿易のいわゆるわくの問題それからそれに伴う国内物価の問題、それに伴う輸出産業その他の問題についてどうお考えになつておりますか。この点一応明らかに御答弁を願いたいと思います。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 井上委員のお尋ねの問題は、通常国会等で御説明申し上げる方が適当な問題かと実は考えるのであります。まだ三十年度の予算の編成も終つておりませず、また今その途上でございますので、むしろ今日ここで申し上げるのは時期ではないと思うのでございますから、一応ごく大ざつぱな考え方だけについてお答え申し上げようかと思うのでございます。  私どもはもちろん三十年度も一兆円予算のわくを堅持する所存でございます。従いましてあくまで一般会計は一兆円の予算内にとどめたい、かように考えております。ところが一兆円予算内にとどめるとしますと、御承知の社会保障的な費用が、来年二百億くらい常識的に考えてふえると思うのでございます。さらに小学校の児童数がふえて参りますので、その学級の増加に伴う教育費の半額国庫負担、これが六十数億ふえるだろうと思います。それからちようど地方交付金の分が、率が二〇から二二に直されておるので、これに伴う分が百三十数億ふえるのではないかと思います。さらにビルマの賠償等の話がもう進んでおりますので、これは国会の承認を得れば実行しなければならぬ、国会の御承認があるものとしますと、これに基くもの、あるいは平和条約に基いて出さなければならぬもの、それからフランスの仏貨公債等が裁定が下されますと、これによつて支払いを開始しなければなりません。そのほかにもたとえばよく言われておるガリオアなどの問題がありまして、相当対外債務が増加することと考えるのでございます。従いまして一兆円のわくを堅持して、これらの諸費用についてのあんばいをいたすことは相当困難を感ずるのであります。困難を感じますけれども、特に三十年度は二十九年度に行つた諸般の政策の延長であり、しかもこれが地固めの年としてぜひともこれを貫く必要があると私どもは考えております。従つてそういう線で持つて参りたい。従つて防衛費等についてもいろいろお話がありましたが、本年の千三百七十三億ぐらいの限度までにこれをとどめたいという考えでございます。  それから為替レートは、もちろんこれを堅持する所存でございます。これは日本のように輸入の方が多くて、輸出の少いところは為替レートを堅持するということはたいへんな問題でありますが、為替レートはいかなる場合でも堅持いたします。また堅持することができます。従つて為替レートの問題はいつも申し上げる通りでございます。  そこで貿易の規模はというお話でございますが、貿易規模は、昭和二十九年度において大体輸入が二十億ドル、輸出が十二億七千万ドルというのが当初の規模でございます。ところがその後輸出の方が——あとから詳しく言いますが、だんだん好調になつて参りまして、おそらく今のところでは十四億ドルから十四億五千万ドルのものが、さらに十五億ドル近くになるのではないかと見込まれます。そういたしますと、三十年度に予期した数字がそこに現われて来ることにも相なるのでありまして、来年度は特需等もございますので、私どもが当初三十年度で若干黒字に持つて行きたいと考えたところに参ります。それから輸入の規模は——これも申すまでもなく、輸入する物は原材料、食糧等に限つておりまして、そういつたこともございますから、大体の規模は今の程度でいいんじやないかというふうに考えておるのであります。ところで輸出の中身について見ますと、これは井上さんがちよつと言われたように、そのうちにはもちろん利益をあげておるもの、また十分世界と競争力を持つて輸出をしておるものもございますけれども、しかし相当出血をしたり、あるいは金融のために投売りをしたりするものがあつてみたり、あるいは今お話のリンクによる分等もあることは事実であります。けれども貿易関係がこの程度ならば国際競争力を持つということがはつきり言えると考えております。従つてこれに対する対策はおのずから立つて来ると思います。従つてこの輸出規模をずつと継続して参り、さらにこれを伸ばして参る、こういうことに政策の重点を置く、それには、これは昨年からも言われておりますが、特に生産性向上ということを強く今度取上げまして、たとえば機械を近代化することによつてコストが下るものは機械の近代化をはかる、経営の合理化をはかることによつてコストの下るものはそれによつてコストの低下をはかる、さらに金利その他ではからざるを得ないものについては、また別途のことを考えてみる、あるいは税制面等でやれば国際競争に持つて行けるものなら持つて行くということでできます。言いかえますと、三十年度を私どもは地固めの年として、すべての政策をそこへ集中して、二十九年度と三十年度とでやつた事柄の結果をずつとそこに出して参りますことで、国際競争力をつけてそれで三十一年度からは日本の本然の姿に置かれるべきである。小さい島にたくさんの人間がおるのでありますから、拡大均衡、つまり輸入をもう少し入れて国内産業を盛んにする、そのときには原材料を入れましても、もう十分によそへ出て行くだけの国際競争力を生産品が持つておるのでありますから、それでやり得るので、三十一年度からはその方に持つて参りたい、かような考え方のもとに実際の三十年度の予算編成にあたり、また金融方策等をとつて参りたい、かように考えておる次第でございます。  まことに失礼でございますが、きようやむを得ざる事情がございまするので、また他の機会に伺つて申し上げまするから、本日はこの程度でごかんべんを願いたいと思います。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 ちよつと一言だけ非常に大事な問題について、特に有力な大蔵大臣の発言を要するのでありますが、防衛庁の経費について、これが実はわが国一兆円予算の上においては非常に大きな負担になつておるわけであります。ところが防衛自身の問題は、日本だけの問題ではなしに、アメリカも相当この問題については関心を深めておる。特に日本の立つております国際的な地位から、日本が一兆円の予算のうちでかほど大きな負担を背負わなければならぬかどうかという点を考えますときに、今お話になりました社会保障費の増額、あるいは校舎の増築、または教職員の増加、その他賠償等のどうしてもやらなければならぬ問題が控えておりますときに、何と申しましても、来年度予算におきましては、防衛経費を大幅に削減するよりほかに道はないと考えます。これは外務当局との話もありますが、予算を守りますあなた方といたしましては、この防衛経費を大幅に削減するということを強く打出してもらいませんと、他の一切の施策に重安な影響を持つて来ますので、この点に対しては特に財政当局としては御考慮を私は願つておきたい。いずれまた正式な話が出たときに問題になりましようが、しかしそつくり数字が出て来て、きちんとつじつまの念うたやつを直すということになると、これまたたいへん国際的に問題になつて来ますので、予算を仕上げます間において十分慎重に御検討を願いたい。

小川豊明日本社会党(左)

○小川(豊)委員 大臣に簡単に一点だけ。これはずつと前の新聞で私は見たのですが、大蔵大臣が先般アメリカへ出発に際して日米石綿に関する外資は認可する意思である、こういうことを発表されておる。もちろんこれに対しては個人としてという付言がされておるわけですけれども、この問題は目下賛否にわかれて真剣に論議されておる最中でもあり、しかも認可すべきでないという民間側の意見も相当あるということを私は聞いておる。そういう中で外資委員会の最も重要なメンバーである大蔵大臣がこういう言明をすることは、公正であるべき委員会に対して威圧を加えるのじやないか、こういう感じをわれわれも持つし、またそういう意識がなかつたとしても、大蔵大臣としてはこの発言はきわめて不用意な言明ではなかつたか、こういうふうに私は思うのですが、この新聞の報道が事実であるかどうか、さらに事実であるとするならば、どういうお考えであの際そういう発言をされたか、伺いたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 防衛庁費の関係その他につきましては井上さんの御意向をよく承つておきます。なお私は総額において二十九年度より増加せしめないということにぜひいたしたいと考えております。  今の日米石綿の問題ですが、だれかそういうことを私に聞かれたから、ぼく個人はそう思うがねと言つたことがそうなつておるので、そういうことが不用意かどうか、それは御解釈だと思うのでありますが、私は内地の日米石綿のことはよく存じませんが、向うの研究所を見て来てそのりつぱなのに、また非常によく行き届いているのに感嘆したものでありますから、それでこういう技術が日本に入つて来ることは非常に望ましいということを自分で思つたのであります。念のために申し上げておきますが、外資委員会には私は出席をいたさないのであります。従来の慣例に基きましてすべて委員会の意見を尊重して、その決を私の名前でやるというだけでありまして、いまだ一回も出席いたしておりませんので、私の意見がそこへ強く反映するというようなことはございません。これは率直に申し上げておきます。ぼくが会長だから出るべきじやないかと言つたことがありますが、そういう慣例ですということですから、この慣例を尊重して私はいまだかつて出たことはございません。すべて民間その他の委員の意見を尊重しておりますから、その点はさよう御了承願います。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 特に来年度予算編成に関して主計局長に二、三御意見を承つておきたいと思います。  ただいま大蔵大臣からも来年度予算の編成において大体一兆円を堅持すると言われたのですが、わが国経済全般の情勢から考えてみると、一兆円を堅持することに非常に無理があるようでございます。てこで率直に申し上げますが、かりに一兆円を堅持するということになりますと、来年度において、財政収入のうち特に税収において減税をする意思がありますか。特に小額所得者に対して減税をするということを政府はたびたび発表いたしており手が、来年度においても減税の余地がどの辺にあろうと見ておるか。また現在の税制の上においてどの程度公正にこれを直したらいいと考えるか。特に税制審議会が答申をいたしておりますように、直接税から間接税、特にぜいたく税に移行して行こうという方向を来年度は強く打出そうとするか、この点であります。  それから社会保障費のうち最近戦没者遺族に対して支払つております扶助料を減額するような意見が政府にあるる。一般文官に対比して戦没者の遺族の実情から、これの減額は絶対反対という陳情の手紙やはがきが地方からたくさん参つております。かようなことを政府は一体考えておるのかどうか。  それからさきに私が問題にいたしました防衛庁の経費でございますが、大蔵大臣は大体本年度の千三百七十数億のわくからはみ出さないようにしたいというお話でございますが、単にわれわれはそれだけでもつて事足れりとはいたしません。少くともこれを大幅に削減する必要ありといろいろな実情から考えて、われわれはこれを来年度に強く主張しなければならぬと考えておりますが、これが削られない限り、食糧増産対策の経費にいたしましても、災害復旧の経費にいたしましても、社会保障の経費にいたしましても、あるいは災害国に対する賠償あるいはその他国家負担にいたしましても、財源の捻出に非常に困つているという点から、いずれの内閣ができましようとも、この防衛費に対してもつと科学的に実際の実情に応じた経費の計上を私ども強く要望し検討する必要を考えるわけでありますが、これに対してどうお考えになりますか。  それからその次は本年度の経費のうちでやむにやまれぬ経費はしかたがないが、さようでない補助金、交付金等の性質のうちで、相当多岐にわたつており、かつ効果の上らぬものもたくさんあることから、補助金、交付金に対して相当の整理を加える、その反対にそれらの面に対してはできるだけ金融によつてやろう、こういう方向が非常に強く打出されておるようにわれわれは感じるのでありますが、政府はそういう方向をとろうとしておるのかどうか。これらの点について主計局及び主税局においてお考えになつておる点を御説明を願いたいと思います。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永説明員 減税の問題は、これは主税局長の方の関係でございますので、私からはそれに触れませんが、一兆円予算をぜひ堅持上なくちやならぬ、それはそう簡単に行くわけじやないわけでございまして、非常な困難があるということは大臣からお話がございました通りでございます。そこでどうしてもふえなくちやならぬ社会保障その他の経費をまかつて、なおかつ一兆円以内に収めるためには、他の経費につきましてよほど重点的に予算の編成をやらなければならぬわけでございましてことしお願いいたしました補助金の整理等につきましても、これはやはり引続き来年度においても堅持する。さらに根本的にこの補助金の問題も検討しまして、特に問題がございますのは、地方財政との関係において幾多の問題があるわけでございますが、根本的に検討も必要になつて来るというわけでございまして、これは単なる予算編成の問題としてでなくて、もつと大きな根本的な問題として取上げなければならぬのじやないかと考えておる次第でございます。予算を金融に追いやるのではないかというようなお話がございましたが、財政投資を相当額計上いたしておりますが、民間の資本蓄積がだんだん進んで参りますに従いまして、政府みずからが財政投資に大きな力を持つという状態にだんだん縮小されて行くべきであるということは、基本的な方向としては私ども異存がないわけでございますが、今日ただいまの段階におきまして、この方針を大幅に打出すことができるかどうか、これはいろいろ問題があるわけでございまして、慎重に検討しなければならぬのじやないか、私どもといたしましても、まだ結論が出ていないわけでございます。  次の問題は一兆円に収めるというようなことから、遺族扶助料みたいな社会保障的な経費を削るということを言われておるがどうかというお話でございます。この遺族扶助料は法律でちやんと金額がきまつておるわけでございまして、今私どもそれを法律を改正して縮減するというようなことは全然考えておりません。ただおそらく誤解を生んだ原因と申しますか、軍人恩給の総額、これはことしの予算には年金以外に一時金的な要素が若干入つておりました。その一時金の要素がなくなる、あるいは軍人恩給をもらつておられる方々、これはもう人数はふえないで減る一方でございますので、そういつた関係から軍人恩給費の金額そのものは若干減少して行く、しかしあくまでも個々の単価を切り下げるというようなことは、私どもとしては今のところ全然考えておりませんので、御了承願いたいと思います。  防衛庁費の問題でございますが、大臣から繰返しお話がございましたように、本年度の防衛庁費と防衛支出金とを合わせました金額が節約で四十五億減らしたのでございますが、それを私どもといたしましては、ふやさないようにいたしまして、その中で最小必要限度の自衛力が充実できるようにということで考えておるわけでございまして、これをさらに減らすということはなかなか困難ではないか。しかしふやさないということにつきましては、私どもといたしましては、十二分に努力をいたすつもりでおるわけでございます。大体私の方の所管の問題は以上でございます。

渡辺喜久造大蔵事務官(主税局長)

○渡辺説明員 今お話がありました明年度小額所得者を中心とした減税を考えているかどうか、さらにそれと関連しまして、間接税の増税によつて直接税を下げるというようね、一応税制調査会でやつたような方向を、さらに明年度において推進することを考えているかどうかというような点につきましてお答えいたします。現在におきまして、われわれの方としましては、まだ検討の過程にございますので、はつきりした態度をきめておるというわけのものではございませんが、一応各種の資料をずつと集めて参りますと、明年度の歳入につきましては、一兆円予算という歳出がもつと切り込めない限りにおきましては、困難な事情に当面するのではないかということを考えております。大体の見通しとしまして一番やはり大きく動きそうなのが法人税でございます。法人税につきましては、本年の三月の決算がわれわれが予想しましたよりも比較的よかつた、それから九月の決算は三月の決算に比べますとやはり一割ないし一割五分下つておるようでございます。従いまして、三月の決算がわれわれの予想よりもよかつたということによりまして、本年度の歳入としましては、当初見積りましたよりも若干の増収を見込めるのではないか、これが実は補正予算の中の一つの項目になつておるのでございますが、明年の法人税を考えて参りますと、やはり今年の九月の決算の横ばいよりやや悪いぐらいのところを見通して行くべきじやなかろうか、いろいろ伺つて見ますと、今社によりましては、九月決算まではいろいろ公表利益あるいは申告利益それを何とかもたせ得たが、三月になると減配といいますか、その方向にある程度向わざるを得ないじやないかというような会社もままあるように聞いておりますので、横ばいよりもやや悪いというくらいを見通さざるを得ない。そうしますと本年度補正予算でもつて若干の増収を見た分は、来年度におきましてはちよつとむずかしい、ことしの当初予算よりも減になるのではなかろうか、法人税の利益一割二割動くのは割合に簡単に動きますし、しかも千八百億、二千億近い金が法人税で得ておりますので、二割動けば四百億、一割動いても二百億といつたような大幅なそこに動きがあるわけであります。  それから所得税につきましては、源泉所得税は今のところ何とか予算に見合つててずつと順調に入つて来ておりますが、去年は、御承知のように、一月以降におきましてベース・アップがありましたり、先ぶとりになつておる、ことしはそういうことはちよつと予想するのは無理じやないかということも考えられます。  それから申告所得税の方は、農業所得が昨年の凶作と違いまして、平年作よりやや悪いくらいになつておりますし、米価もある程度引上げになつた関係もありますが、営業所得の方の課税というものは、これはよほどどういうことになりますか、予想通り行くかどうか疑問に思つております。そんな関係で来年度の所得税というものは、そう大きく増収は期待できない、結局法人税の減収を何によつてまかなうか、酒の税金関係などが割合に——順調に酒米をどれだけいただけるか、そんな問題と結びつきますが、ある程度期待できるんじやなかろうか、ただ物品税などは頭打ちして、むしろ減になつておりますし、関税も最近十九億ベースになつております。どうも来年度は本年予算通りくれないんじやないか、彼此いろいろ増減はございません、結果的に見まして本年の八十五億の繊維消費税を埋めるといいますか、大体現行税制でもつて当初予算程度の歳入を見込むことが一ぱい程度ではないか、さらに検討してみたいと思つております。ただ雑収入の方でもつて相当の減、それから専売益金がやはり本年の当切予算に比べると滅、こういった幾つかの減のフアクターが出ております。従いまして、そういうことを考えて参りまずと、われわれの方でもう少し資料を整備しまして歳入の見積りにつきましてもさらに精査したいと思つておりますが、もし税の方でもつて本年度の当初予算程度しか組めないということになりますと、雑収入と専売益金の減だけへこむ。従つてむしろ歳入の面から一兆円予算というものが縛られて来ているというような事情になるのじやないか。もちろんわれわれとしましてはこういう時期にさらに増税するということは考えるべきことではありませんし、非常にむずかしいことだと思つております。従いまして、歳入の方にしましてもそう多きを期待できないのじやないか。ただ先ほど主計局長もちよつと触れたのですが、歳出の面を一兆円にとめるということは、いろいろな増のフアクターを考えて参りますと非常な困難がある、こういうような非常に苦しい台所の姿になつて来るのじやないかということが一応予想されております。従つてわれわれ税を扱つておる者のそうした見地だけから申しますと、せめて税制調査会の案のような程度くらいまでは何とか考えて行きたいという希望を持つておりますが、今言つたような歳入の事情、歳出の事情を考えて行きますと、非常にむずかしい問題じやないか、ほとんど期待できない問題じやないだろうかということをおそれておりますが、最終的な結論を出すのはもう少し先にして行きたいと考えております。それから間接税の増税によつて直接税を下げることは、本年やつた手でありますが、考えられないか、奢侈品についてもつと増税しろという御意見、これはわれわれも基本的には同じような考え方をもちましてずいぶん検討し、本年におきましても実はかなり種は出し尽したというような状態だつたと思うのでありますが、何分にも奢侈品の方は対象が狭うございますし、特にこういうようなデフレの時期になりますと、この消費はそれでなくても減つて行くという傾向にございますので、これによつて大きな増収を得るということはとても考えられないのじやないか。本年ずいぶんいろいろなものをあさりまして当言会に御提案申し上げ、御採用になつた分もあれば御採用にならなかつた分もありますが、ああいうようなわけでありまして、必ずしもそこにあまり大きなものは期待できない、ほとんど種が出尽した姿ではないかと私は思つておりますりなお繊維の問題につきましては当委員会でもずいぶん御批判がございまして、結局審議未了に終つた、そういうような事態でございますので、間接税を増徴して直接税を減税するというのも抽象論としてはずいぶん伺うのですが、具体的な案になりますと、それがいつでも増税の方におきましていろいろな支障にぶつかるというところで、これも明年は非常に困難じやないか、よく慎重に検討したい、かように考えておる次第であります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 大体全体の構想が説明をされたのでありますが、問題は政局の動向がかわつて参りまして、昨日来衆議院の構成分野は、現内閣を支持する者はたつた百八十五人ということになつてしまつて、あとは全部政府とは反対の方向になつておる。そういうことから考えますと、来年度の財政規模なりまた税の立て方においても相当かわつて来ようとわれわれも見ておりますが、そういう面から今度できました日本民主党の政策を見ておりましても、あるいはまたわれわれ両派社会党の主張の点を考えてみましても、どちらもが小額所得者の減税を主張しておるのであります。従つて当然来年度予算では小額所得者の減税ということが必至の問題になつて来る。そこでどのくらいの減税を予想しますか、計数的にはまだ明確にされておりませんが、少くともここに二、三百億の小額所得者に対するさしあたりの減税を断行するとして、それを穴埋めする税収をどこで見つけるかということがあなた方の協力と努力によつて実現をしなければならぬことになろうと考えますが、そういう面から特に税収の上で案外上手にやれば増収になり得るものが酒の税金であるとにらんでおるのです。これは今お話になりましたように来年度の酒造米を一体どれだけ確保できるかということに関係をして来るのでありますけれども、日本の食糧事情の現状から酒造米がそう大幅に増石され得るとはわれわれは考えられません。そこで問題は現在のいわゆる清酒を、特級、一級というような高級酒だけをつくるという行き方よりも、二級、三級酒の売れ行きをもつと拡大して行く、そしてやみの酒を押えて行くという手を政府はもつと積極的に考えるべきだ。たとえて申しますと、さつまいもからとれます澱粉によつて、これを米の方の澱粉と混合してりつぱな酒ができておるのでありまして、この面をもつと努力いたしますならば価格は下げてももつと売れ行きは伸びて行く、こういうことを私どもは考えておりまして、あの合成酒という名前をやめてしまつて——合成酒とか清酒とかいう名前にするから合成酒の売れ行きが悪いので、もう飲んでもほとんど見わけのつかぬような合成酒がたくさんできて来ております。従つてお互いの口に入る酒は全部同じ名前にして、単に等級だけを改めるということでいいじやないか、そういう面でもう少し米によらぬ、さつまいもその他の原料を活用することによつて、それに米を大幅にまぜて、そして安い酒をうんとつくる、そうすればやみの酒が大幅に征伐できる。今日一時やみ米によつて、あるいはやみ取引によつて生活しておつた一部の人々はヒロポンとやみ酒、やみタバコ、この三つで従来のやみ取引による利益をこれに肩がわししておる形勢が最近非常に強まつて来ております。まつたく政府の政策のよろしきを得ない結果でありますから、この点に対して一段のくふうをされたらどうか、こう考える。  それから入場税が政府に移管をされまして以後の徴収成績は、地方税としてありました時代と一体どう成績がかわつて来ているか。それから政府は何か、これはだれがどう言つたということは申しませんが、輸入関税のうちの石油類にかかります関税を引上げる、新しく今度設定する、こういうことが非常に流布されておりますが、そういう検討をされておりますか。これは多分石炭界が異常な不況を呈している現状から、わが国の重要な動力源となり非常な生産源となつております石油類に対して関税をかけることによつて、炭価の維持をはかるという政治的謀略が行われていはせぬかということもいわれておりますが、主税局としてはそういう点についてどうお考えになつておりますか。これは依然として免税の措置で行こうという腹で駆りますか。事務当局としてそういうことについてどう御検討されておりますか。これをもし一〇%あるいは二〇%とりました場合の税収はどのくらいの見込みになつておりますか。それらの点もあわせて御説明を願いたいと思います。

渡辺喜久造大蔵事務官(主税局長)

○渡辺説明員 第一の酒の点でございますが、酒税は確かに現在の税におきまして、歳入の面からいいましても非常に注目すべき額をあげております。われわれとしましてこれによつてできるだけの歳入をあげたい。ただお話のように現在の食糧事情からしますと、そう多くの米を酒につぶすことも困難である。その間をいかに調整して行くべきか、これはわれわれも大いに検討すべき問題であると思いまして、実はいろいろやつて来ております。消費者にこういうお話を聞かれると困るので、われわれもちよつと言いにくい点もあるのですが、御承知のように、現在普通醸造といわれているものは、米一石使いまして酒が一石できております。戦争前に普通やつていたのは、米一石に対して酒が一石一斗から五斗、これが米だけの時代で、今申しましたように、現在におきましては普通醸造といわれておるものが、実はお話のようにいもからできましたアルコールを醸造の過程で入れまして、それを二石にのばしている。同時にいわゆる三倍醸造ということをやつておりますが、三倍醸造の方は米一石でもつて酒を四石つくります。それで結局二倍になる普通醸造と、四倍になる三倍醸造、これの割合でございますが、昨年凶作のゆえに米の割当が九十四万石から八十四万石に減つた、この機会におきましてやはり三倍醸造の割合をふやして行こうじやないか。まあ酒屋さんの方におきましても三倍醸造の技術が大分手なれて参りました。従いましてそれまではたしか三割くらいを三倍醸造やつておつたのでありますが、昨年は五割五分まで三倍醸造にした。従いましてそれで大体平均倉元から出ますときには、二倍醸造のやつと、三倍醸造のやつとまぜて出している。ただ技術がうまくなるに従いまして、三倍醸造の分をそのままで出すとかあるいは普通醸造の分をまぜ方を少くしても市価が保ち得ると思いますが、技術がそこまで行きませんと、三倍醸造をやることが清酒の評判といいますかその値打を落す、そこに苦労のたねがございます。昨年は三倍醸造を五割五分まで伸ばした。本年は今食糧庁と相談中でありますが、相当の米をふやしていただきましても、大体三倍醸造の割合というのは昨年程度はこれを保持したい。そういうことにしますと、米のふえた分だけが相当酒の造石に資するんじやないか、こういうことで現在考えております。それ以上に、さらにアルコールをどんどんふやして行つたらいいかどうかという点につきましては、これまた合成酒が、一つは名前のゆえと思いますが、同時に、私の近まわりの者の話を聞いてみましても、やはりかんをするとどうも合成酒の方はアルコールのにおいがぷーんと来るとか、実際生で、冷で飲んでみますと——実は私もこの間合成酒と普通の酒との鑑定をやらされまして、これが合成酒だといつてマルをつけたやつが見事違つておりまして、笑われたんですが、やはりどうもかんをすると必ずしもそうでもないようでございます。これは一面、合成酒の方の技術がだんだんよくなつて来たことは確かでございますが、さらに検討すべき問題が残つているということを意味するものと思つております。そんなわけでございまして、われわれも、米をなるたけ使わないで、同時に酒をたくさんつくるという方向にはできるだけ考えて参りたいと思つておりますが、やはり合成酒の売れ行きというものは、清酒の方がどんどん伸びて行きましても、それがなくなつて初めて合成酒べ行くというような事態、どうも私は名前だけの問題じやない、やはりもう少し検討すべき問題があるんじやないかと考えております。現在の状況は、特級、一級の方にたくさん米をやつて、それでつくり方を少くしておるのではないかとお考えになつておるかのような御質問のように聞えたのでありますが、一級、二級の場合におきましても、特級に割当てている米と率は同じなんです。特級の方は値段も高いし、もう少し米を余分に割当ててくれという要請はございますが、米の少い現在なかなかそういうわけに行きませんので、結局二級をつくる場合の米の割当と特級、一級をつくる場合の米の割当は、一石当り幾らという率が同じになつております。従いまして特級酒をつくるのを二級酒にまわしたらもつと造石がふえるというような事情ではないと思つております。しかし灘とか伏見に行きましては、昔からの名前もございますので、一応特級、一級をつくつている。特級、一級をつくる場合におきましては、値段の方で、公定価格をきめるまでは多少マージンをよくしておるということでめんどうを見ておりますが、原料の方では別に特殊扱いはしておりませんので、特級、一級にまわす分を二級にまわしてみても、そこで特に造石がふえるという事情ではないじやないかと考えております。ただ全体の点におきまして、酒はタバコと違いまして、消費がまだ割合に順調に伸びております。特に清酒においてそうなんですが、清酒におきましては、すぐに市況が崩れるような状況にまだございませんので、この点についてはわれわれも何とか考えて行きたいと考えております。それから名前の点につきましては、どうもわれわれはまだ名前だけで問題が片づくとは思つておりません。お話の清酒三級は合成酒にしろという要請もございますが、清酒三級とは昔の合成酒だということになつてしまいますから、結局合成酒は飲まないという言葉のかわりに、清酒三級は飲まないということになるだけじやないかと思います。そんな関係でございまして、もう少し基本的に問題を考えて行きたいと考えております。  第二の御質問の入場税の点でございますが、これはさきの通常国会で税率が引下げられましたときにおきまして、いろいろ御覧がございまして、あの税率をもつてしても百九十二億とれるはずだというような御意見もあつたのでございますが、われわれはその点については実はちよつとむりじやないだろうかということは申し上げておいたわけですが、結果的に見て参りますと、こういうことになつているようでございます。課税の対象になつております入場人員、こまかい数字は今持つておりませんが、これは地方税時代に比べますと、五割程度ふえておると言つております。それから料金も値下げがありましたが、これも入場税時代の課税標準の額と比べますと、五割程度ふえております。この入場税の時代におきましてはごちやごちやした平均的な税率で四割九分、普通の場合は五割税率でございまして、それで特殊な音楽会とかいろいろなものに二割の税率が適用になつたのですが、それを全部総合しましての平均税率が四割九分だつたのです。ところがこの間の改正後におきましての税率は二割二分になつております。平均税率がそのような関係でございまして、税収は大体月十億見当のところで推移して来ております。今年度はまだ数箇月ございますし、特に正月という月は特殊な異例な月でございますので、どういうことになりますか、もう少しはつきりした見通しは御猶予いただきたいと思います。百九十二億はもちろんのことでありますが、これは施行が遅れた点も考慮に入れなければなりませんけれども、われわれがこの税率ならばこのくらいと申し上げたものより、やはりもうちよつと収入額としては成績は落ちているようでございます。いろいろ国税庁の方もあまりめちやくちやにならぬように、できるだけ適正な企業をするように非常に努力しておりますが、今申しましたような事情でございまして、もう少し年間を通じての実績につきましては御猶予いただきたいと思います。かなり収入としては減つているということは以上申した通りであります。最後に御質問のございました石油関税の問題でございます。これは御承知だと思いますが、関税定率法におきましては、一応石油関税は課税するようなことになつておりまして、毎年政府におきまして従来法案を出しまして、一年限り一応免税して来たわけでございます。明年度どうするか、この問題につきましては、通産省の方からはこれを課税したらいいじやないかという要請のあることはおつしやつた通りでございます。与党内部の方にもいろいろ御意見があるようでございます。われわれとしましてはいろいろな御意見をよく伺いまして、最後的に慎重に検討した上で結論を出したいということでもって、現在としましてはまだ結論的なものは出しておりません。ただ技術的に申しますと、ある種の用途に使つた場合におきましては免税するけれども、ある種の用途に使つた場合は免税しないということは、技術的に困難じやないか。それに対して片方では漁船用とか船舶用には免税しろ、これは通産省の案にも実は入つておりますが、なかなか技術的にこなし切れないむずかしい点もあると思います。それをはたしてこなし切れるかどうかという点に、もう少し検討してみる必要があると思います。同時にそれをやるかやらないか、事務的な問題と同時に、いろいろな産業政策的な要請もございますので、全部見合いました上で最後の結論を出したい。現在としましては実は結論が出ておりません。検討中でございます。そのへんで御了承願いたいと思います。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 渡辺主税局長に、退職積立金についてちよつとお伺いをいたしたいと思うのであります。現在は、企業が従業員の退職金を積立てる場合には、法人税法によりまして、退職引当金に対する損金算入制度というのがあるわけでありますが、この場合、損金に算入される限度を、大体自己の都合によつて退職する額、これを基準といたしておるのであります。ところが問題は、最近企業が吉田政府の悪政の所産といたしまして、大分行き詰つて参りまして、随所に企業整理が行われ、雇い主からの解雇というような事柄が続出して参つておると思うのであります。この場合、団体協約に基く退職金規定の中で、自己の都合による退職の場合の退職金、これだけを対象として損金に算入するということでは、現実には結局不十分である。従いましてこの際企業自体にそういうような余剰資本がないので、退職する場合十分の退職金を支給できないということから、これが労働者の労働不安となつて参つておると思うわけであります。従つてこの際、一つは団体協約に基く退職規定そのものを対象といたしまして、別に事故退職というものだけにその限界を置かないで、この退職積立金損金算入の限度率をもう少し拡張して、減税の対象にすべきではないか、こういう意見が非常に関係労働組合の中から、強い要望となつて高まりつつあるのでありますが、これに対する主税局長の御見解いかん。  それからもう一つは、さらに進めまして、特に役務特需の関係産業、これなんかはその会社自体の資産というものがない。企業設備はほとんど借受けであり、しかも特需の注文がある場合はこれによつて作業ができるが、アメリカさんの都合でこれがなくなつてしまうと、それですつかりそのまま企業というものが解散しなければならないわけであります。御承知の通り最近アメリカ予算によつて修理予算というものが大分削減されて参りました。こういうことから、日本国内におきまする修理産業というものをだんだんと整理をして参り、昨年なんかでは日本製鋼の赤羽工場、日野ヂーゼル、小松製作所、三菱重工、その他二万数千名の大量解雇がございましてこの場合等は、雇い主の一方的都合による解雇ではないために、退職金は自己の都合による退職の場合とこれはそれぞれ同率で支給されるべきでありますけれども、これは退職金積立がない。従つて支給の場合いつも大きな紛争のもとに相なつておるわけであります。従つて退職金の損金算入の積立制度というものを、こういうような特別な、なかんずくサービス修理というものについては、できるだけ義務づけておくことによつて、企業内容の健全化をはかり、さらに関係労働者の生活の安定をはかつて行くということが、特に必要であろうと思われるわけであります。こういう問題について、この要望にこたえるの道がないかどうか、こういうような主張の上に立ちまして、当然いろいろな問題が派生的に考えられるわけであります。それが当局においては、そういうようないわば最低限度を上まわるところの損金算入というようなものが企業内部に留保された場合、これがやはり企業の流動資産として活用されるような場合がなくもない。これは減税の本旨にたがえるというようなことから、最大限度率が認められておるのではないかという見解も下さざるを得ないのじやないかと思うのであります。そういうような場合には、特別会計というものをつくりまして、政府部内においてこれを一応の制限を加えて行くような方法も考えられないことはないと思うわけであります。具体的には組織も指摘せられております一つの考え方は、退職積立信託預金あるいは軒別預金制度の創設、あるいは政府管理下の退職金積立中央会とか何とかいうもので、労働者の退職積立金というようなものを企業の流動資産から隔離して、独立の基金としてこれを別途にこれだけの資金として活用して行く、こういうようなこと等も考えられる。そうすれば、これは今冒頭に申しました二つの要望にこたえて行き、なおかつその金自体を労働者並びに国家的目的に大きく活用できることと考えられるのであります。いまや産業が全般的に危機に直面をしており、特に特需産業等においては大量解雇等も続出いたしております折柄、退職金をめごるところの関係組織労働者の要望にこたえていただく意思はないかどうか、この点をひとつ主税局長からお答え願いたいと思います。

渡辺喜久造大蔵事務官(主税局長)

○渡辺説明員 退職金の積立金を非課税積立金にします制度は、これは二十六年からつくられたわけでございますが、現在の制度でずつとやつて参りまして、だんだんとこれは積立てがふえて行くわけですが、大体現在の産業規模におきまして、おそらくフルに積み立てられますと、今の制度で大体四千億くらいの積立金が優に積み立てられるのじやないか、これは全般的な問題です。そういうふうに考えられまして、相当大きな積立金になるように思つております。従いまして一般産業におきましても、確かに企業の景気の上り下りによりまして、人員整理とかいろいろなことがございますが、ただ全部の人が全部やめるということは、これはまあ普通の場合にはちよつと考えられないことでございまして、やはり企業というものの永続性ということを基本にしてものは考えられて行くべきじやないか、そういうふうに考えておりますので、たまたまそうした会社の都合によりまして余分な解雇手当を出すといつた場合がありましても、大体現在の制度で積み立てられる範囲でもって、一応その辺の処理は十分じやないだろうかというふうに一般的には考えております。  ただわれわれの方にもお話がございまして、実は今検討を続けているのですが、それは春日委員の最後のお言葉にありました特需産業、特に修理とか何かを請負つている人たちの問題であります。これはわれわれの伺いましたところでは、一応調弁価格の中に退職金に見合う若干の金額がコストに入つている。ところがこの若干の金額というのは、途中で事業が早晩なくなるということを予想しての金額、従つてアヴアレツジで入つておりますが、その間におきましても自己都合でやめる人については低い額、将来会社都合でやめる場合におきましては、自己都合でやめた人に支給されなかつた分まで加えて、それの将来に備えて行きたい。それをまあ会社の労務政策としてぜひ考えたい、こういったようなお話のように聞いております。同時にそういう意味だから、その金額は全部預金するとか何とかいうような特殊なひもをつけることによりまして、労務者の支給が確保されるという制限があることは、それはまあかまわないから、それで考えてくれないか。われわれの方でも実は今検討しておりますが、労務者のためからいえば、われわれの方でもつてやつておりますことは、積み立てたら税金をまける、損金に算入するといいますか、課税の対象に入れない、これだけのことでありまして結局会社が積み立てるか積み立てないかということは、会社の意思にまかせてあるわけであります。従いまして労務者の方の立場からいえば、労働協約もある、従つてぜひとも会社に積み立てろ、こういう別途の制限的な、あるいは法令がなければほんとうの意味の保障はできない、こういうことになるのかもしれません。そういう問題にまでおそらくこれは発展して行く問題かと思つておりますが、現在としましては、そこまでまだ問題を持つて行きませんで、われわれの方の損金算入の問題だけを一応取上げられておるようでございます。一応そうした特需関係の、特に請負関係の場合におきましては事情がわからないでもないのですが、他の一般の場合とのバランスはどうなるのであろうかというような問題をもう少し検討した上で、何か一つの結論を出して行きたい、こういうふうに考えております。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 大分御検討願つておるようで、たいへん期待しておりますが、御指摘の通り、私どもの強く主張いたしておりまするのは、役務特需の関係の産業体でございまして、これは後ほど資料をお手元にお届けしたいと思うのでありますが、いわば全員解雇の目にあいました者が、実績によりましても少くないのでありまして、昨年度から本年にかけまして日野ヂーゼル、小松製作所等は全面解雇になり、なかんずく半数解雇とか七割解雇とかいうようなものが続出しておるわけであります。従いまして関係労働者が不安に耐えかねて、かくのごとく要望して来ることは当然でございまして、そこで今御指摘の通り、他の法令によつて退職準備金の積立てを強制して行くというようなことも、いずれ政府部内のいろいろな協議によりましてその担当者にそういう法的措置も講じていただきたいと思うのでありますが、いずれにいたしましても、あなたの所管といたしましては、そういうような積立ては、強制であろうと自発的であろうと、とにかく労働者の生活の安定という立場から、解雇時におけるそれぞれの補償措置が講ぜられました場合には、ひとつ一歩進んで、これに対しては損金算入の特別の措置を講じていただけることのために一層の御努力を煩わしたいことを強く要望いたしまして私の質問を終ります。

内藤友明日本民主党

○内藤委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は追つて公報をもつて御通知申し上げます。本日はこれをもつて散会いたします。    午後零時十七分散会

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