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19回国会衆議院1954/05/20

大蔵委員会 第58号

発言数
42
登壇者
8
会派数
3
開催日
1954/05/20

会議録

千葉三郎改進党

○千葉委員長 これより会議を開きます。  本日は、まず補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律案を議題として質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許しますが、本日御出席の政府委員といたしましては、植木政務次官、それから主計局次長の正示さんと、主計官の小熊孝次君、さらに会計検査院から検査第三局長小峰保榮君、それから同じく官房総務課長の白木康進君が御出席になつております。  それでは第一に大平君にお願いします。

大平正芳自由党

○大平委員 先日の本委員会におきまして政務次官に対しまして若干質疑をしておきましたが、少し残つておりますので、二、三引続いて御質疑を申し上げたいと思います。  私がこの法律案を拝見した場合にまず考えましたことは、先日も申し上げました通り、予算を適正に編成するというようなことは、この法律を出すことよりも大事なことである。だから予算を適正に編成されるようなことに障害を与えるような事情があるとすれば、まずそういうことを除去してかかる方が先ではないかというようなことを申し上げたのであります。またそういうことにつきまして政府側にいろいろな御用意がありますれば、本委員会としてもこれに御協力を申し上げて、できるだけ実態に合つた、そして円滑にかつ適正に施行ができるような予算をつくるということをまず考慮に入れなければならぬのじやないかということを申し上げたのであります。その際私が申し上げようと思つておつたのですが、われわれが痛感しております一例をごひろう申し上げて、政府側の見解を伺いたいと思うのでございますが、それは災害復旧費でございます。災害復旧費というのは、御承知のように一般の改良事業、維持補修事業等と補助率が違つております。災害が非常に例外的に起つて、その規模、頻度というようなものが戦前におけるように少い、小さいということでございますれば、補助率を別にいたしまして、そうしてこれを優遇するということは考えられぬわけですが、しかし戦時中から戦後にかけての事態は、これは非常に私はかわつているのじやないかと思うわけです。戦時中に公共土木施設につきまして維持補修を怠つたがために、戦後におきまして非常な大規模な災害が、しかも年々歳々起つておるということでございますし、一般の改良事業にいたしましても、これはどちらかといえば、もう戦時中の荒廃を追つかけてやつておると思うのであります。言いかえれば、災害の予防事業ということになるわけであります。わが国の土木事業、公共事業というものは、災害を離れて考えられない。つまり災害が一般原則になつたというてもさしつかえなかろうと思うのでございます。ところがこの災害復旧費というものは、従つて年々歳々ふくれて来ておりますし、その頂点は去年の災害であつたと思うのです。去年の災害のときに国会がとりました措置というものは、かつてない措置であつたと思うのでございまして、これは財政に非常な脅威であつたことも御承知の通りでございます。そこで私どもが申し上げたいのは、この災害を特別に異例な措置として予算上考えるべきかどうかということでございます。このように災害が一般化して参り、規模が大きくなり、頻度が多くなつて来たという段階におきましては、もう災害も一般の改良事業も何らかわりがない、むしろ災害の方が原則だとすれば、災害についてもう少し真剣に検討してみないと、予算の適正な施行ができないのではないかということになりはしないかと思います。  そこで一番根本の欠陥は何かというと、結局災害復旧事業に対する補助率が高く、改良事業と違つておることです。ここに全部のかぎがあるわけでございます。補助率が違いますから、どういたしましてもいわゆる災害便乗ということが行われるわけです。また補助率が違つて優遇を受けますがために、災害復旧費というのは、地方にとりまして非常な魅力でございます。従つてこれだけの災害を受けたというその見積りにつきましても、決して厳正に見積られておるものとは思いません。問題は補助率が高いということに結局帰するわけでございます。のみならず、災害というのは、起りましたら即座にこれは応急の手当をしなければなりませんので、地方の行政官庁において機動的に処置しなければいかぬというような事情もありますためか、中央における災害復旧事業そのものに対する把握か非常に弱いと思します。各省におきましても、その所管の災害復旧事業につきましては、まず地方からの報告を求めて、そうしてそれに対して一定の金額を白紙委任的に渡しております。そうしてどんどん実行いたしておるわけでございます。普通の改良事業のように、一定の計画が立つて、十分な積算を固めて行つて、そうして事業をやるというようなことがないのでございます。災害がこのように特例でなくて一般になつた場合には、災害も一般の原則に落してしまつて、改良事業も災害復旧事業も同じベースにおいて一貫した計画で考えるというようなことにしないと、災害復旧事業にからまる予算の不適正な使用ということはなかなか跡を断つことができない。こういう事態になつた以上は、政府において思い切つて予算編成にあたりましては、改良事業であろうと災害復旧事業であろうと同じ補助率で、そうして中央の厳正な監督のもとに、一定の計画に基いて復旧して参るというようにすれば、予算の不適正なる使用ということの大半は救われるのではないかと思いますが、そういつたことについて大蔵省、それからまた具体的に批難事項を処理されております会計検査院側から、今申し上げた私の意見に対してのお考えを承りたいと思います。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 補助の使用の状況が、近年ややもすれば不正な申請がありましたり、あるいは不当な使用がひんぴんとして行われまして、そのために何らかの措置をここで講じなければならないかというふうに考えまして、この法律案の御審議をお願いしておる次第であります。こうした近年における不正不当な使用の増加の原因が、ただいま御指摘になりましたように、戦後において災害が非常に多い、しかも規模が大きく、連年である。しかもそうした災害の場合におきまする補助率が一般の改良事業に比較して高くなつておる。これがややもすればこうした不正不当な使用の原因になつておりはしないかという御質問でございますが、そうしたことも確かに一つの原因になつておると思います。しかし私は、その点につきましては、なるほど災害に便乗して、そうしていわゆる水増しの要求をするとか、あるいは本来は改良でやるべきものを災害で適当にごまかしてやつて行こうというような場合においては、仰せのような事例がこれに該当するのであると考えるのでありますが、かりに災害復旧事業そのものにいたしましても、やはり忠実にそれこそ正当なる補助金の要求を出し、その使用もまた適正に行われるということでなければならぬと考えるのであります。しかるに、それがややもすればどうもいいかげんな使用がひんぴんとして発見せられることは、これはいろいろ原因があると思います。たとえば戦後における一般の思想的な悪化の問題もございましよう。あるいはまた公務員——これは公務員と申しましても、国家公務員、地方公務員通じての問題といたしまして、綱紀の弛緩の問題もあるのではないかと考えるのであります。あるいは一般の風潮として、予算の積算の仕方にも、非常なインフレが年々高進して行く、しかもそれに対してインフレの情勢に応じた適実なる予算が組み得なかつたということなども、不正を誘発する一つの原因にはなつておつただろうと思うのであります。しかしながら幸いにしてだんだんと経済界も安定の状況になつて参りました今日といたしましては、どうしてもひとつこの際こそ何らか適正な手続をきめて、規矩準縄を定めたところに官も民も一緒になつてついて行つていただいて、正しい補助金の使用をやつていただきたい、かようなところを政府はねらつておるのであります。なおこの点の詳細につきましては他の政府委員からも申し上げますが、私といたしましては、今のお話のような災害が非常に多い、従つて災害復旧のものを改良事業とひとつ考え直して一緒にしてしまつたらどうかという御意見に対しては、一つの御意見とは考えますが、必ずしもそれがただちにいいというふうには考えられないのであります。と申しますのは、改良事業といたしますと、やはりこれはある程度の平時的な施設といわなければなりません。従つてこれに対しては、当該補助事業を行うところの公共団体にいたしましても、個人にいたしましても、相当の負担をしてもらう必要がある。国はほんとうにこれに対してその趣旨に賛成し助長するという、さし水的な勧奨的な立場さえとればいいのでありまして、爾余の分はやはり当該公共団体なり個人がみずから自発的に仕事を進めて、これに国は援助の手をさし述べるというふうでなければならぬ。従つて補助率は比較的低くてもいいのではないか、かように思うのであります。ところが災害復旧の事業になりますと、災害の程度にもよりますけれども、多くの場合は、当該公共団体なり、あるいは個人なりの罹災者の財政状態というものは、非常な窮迫の状態に置かれる場合がほとんどすべての場合に見られるのでありまして、かような場合におきましては、相当補助率を厚くしてやらなければ災害復旧ができないという状態にありますので、この点は災害の場合に補助率が高いということはやむを得ない、かように考えるのであります。しかしながら御指摘のごとく、今日日本の財政力というものが、災害復旧のために非常な多額の金がいる、一方改良事業のためにもできるだけの投資をしなければならぬという情勢にあるときに、両方に一体平分的に金を使つていいのかという問題になりますと、私自身も非常にこの点疑問を感じております。たとえば昨年のごとき大きな全国的な災害がありましたときに、平時的な改良事業をやつておつていいのだろうかということには疑問があるのであります。なるほど将来のために国が大きな改良事業に力を尽すということは、これは非常に必要であります。しかしながら本年あるいは明年ただちに生産力に関係があるこの大きな災害復旧の仕事に国が十分なる手を尽すことができなくて、そのために本来三年間でぜひともやりたい災害復旧工事が五年になり六年になるという今日の状況は、これはたいへんなことじやないか、かように感じております。そういうように考えて参りますと、こういう際には、あるいは改良事業等にはでき得る限り国費の支出を圧縮いたしまして、もつぱら災害復旧の方に重点を置くというのも一つの方法かと考えるのでありますが、これは何しろ大蔵省だけでその方針をただちにきめるわけにも参りません。相手の省もあることであり、あるいは国会の皆様の御意見等も十二分に参酌いたしまして、今後の態度をだんだんと研究して参りたい、かように存ずる次第でございます。

小峰保榮会計検査院事務官(検査第三局長)

○小峰会計検査院説明員 大平委員の御質問にお答えいたします。会計検査の結果、最近非常に不当工事というものがたくさん見つかつて来ましたことは、御承知の通りであります。私どもといたしましても、その原因がどこにあるか、また対策はどうしたらいいかということは、いろいろ考えつくだけのことはまとめまして、各御当局に御注意申し上げている次第であります。ただいま仰せのように、改良工事を災害復旧と同じに扱つてはどうかという点でありますが、御意見としては大いに傾聴しなければいけない御意見と思いますが、現在の法律も、御承知のように相当程度今の御意見に近づいておるのであります。昔の原形復旧主義というのは相当程度緩和されまして、たとえば再度災害防止とか、あるいは農林関係でいいますと、効用の復旧とか、こういうような要素が取入れられまして、相当程度改良に近いものが現在の法律でもすでに認められているのでございます。ただ著しく程度を越えたようなもの、完全に便乗的なもの、こういうようなものが現在の法律、制度で排除されるわけであります。そこでこれも含めて、同じ高い補助率で扱つていいかどうか、こういう問題になると思うのでありますが、御承知のように災害復旧は非常に国庫の負担率が高いのでありまして、これに全部しわ寄せすることはいろいろの観点からどうだろうか、こう考えるわけであります。繰返して申しますが、現在の制度でも、再度災害防止とか効用復旧というようなもので、ある程度の改良——原形を超過する分とか、あるいは原形のないものについても若干の例外は認められているのでございまして、それ以上のものにまで高い補助率で一緒に扱うという点につきましては、財政上とかいろいろな観点から申しまして少しどうだろうか、こう考えているわけであります。

大平正芳自由党

○大平委員 私はお二方の御意見を伺いましてますます信念を深くするのです。と申しますのは、すでに在来の原形復旧主義が部分的に修正されつつある、これはその通りだと思うのです。もうすでに今までの単なる原形復旧主義では、将来の災害予防に役立たぬというくらい災害の実態が魔力的になつて来ておるということなんです。従つて改良的なものも、災害予防というようなかつこうで災害のカテゴリーに入りつつあるということは、つまり災害の方がもう一般化しつつあるということなんです。今の改良事業にいたしましても、あるいは災害の予防というような観点からやつておる、あるいは災害の跡始末ということでやつているので、日本の土木事業というのは災害から切り離すことはできないものだろうと思うわけでございます。ところが原形復旧主義というのはもう古典的なもので、山が非常に荒れていなかつた平和な日本の昔の財政原理であつたわけですが、これがだんだんと事態に押されて改訂を余議なくされているということ自体が、すでに今の災害復旧費の取扱い方をかえなければならぬことになつて来ておることを示すものではないかと思うのです。  そこで問題は、私は災害復旧事業の補助率にまで一般も引上げろというのじやないのです。一般まで引下げたらどうか。一般と同じベースで考えたらどうか。今政務次官が指摘されたように、なるほど罹災地域の地方の負担の問題がございますが、これは地方によりまして、府県の財政との関連においてそういつた操作が可能なんであります。問題は、適正に、一定の計画に基きまして効果的に工事をやるということに適した財政制度を考えたらいいのだ。そのことが重点になろうと思うのでありまして、費用負担の問題は、中央と地方との財政の交流計画で私は何とか片がつくと思います。この点は私もかねがねからそれを考えておるのでございますが、十分政府の方でも御注意願つて、御検討願いたい。事態が非常にかわつて来ているのですから、これに応じたように、在来の原則はあまり死守しないでお考えを願いたいと思うのであります。ほかに用事もございますので、本日はこれだけを希望申し上げまして、私の質疑を終ります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 政府次官に伺うのですが、ただいま大平君からも御指摘がございましたが、補助金の不正な申請や使用等を抑制するという、このこと自身には何人も反対はないと思います。問題は、国の補助金政策をどうするかという全般的な基本対策の問題であろうと思います。ごらんの通り、政府みずからの説明によつても、総予算の約四割近いものが、補助金、負担金、交付金等の金額で占められております。そのウエートの上から考えてみましても、いかに補助金政策というものが重要であるかということを私は考えますとともに、それだけの大きな国の支出を見通しておりながら、それが最初申請通りの適正な効率的な効果をあげておるかどうか、補助金がほんとうに効果的に使われておるかどうかということについての報告といいますか、あるいはそういうことを確実に把握をいたしまして国民の血税を有効に使うということが、あなた方にまかされた仕事であります。しかるに会計検査院の検査報告によりまするならば、恐ろしき不正が至るところに指摘されているが、一体これはどういうことですか、その点をあなた方はどうお考えになるかということです。つまり、何でもかんでも補助金を言うて来たら許可する、そうして実際にやらしてみたら、それがとんでもない方面に不正に支出されたり使用される、結局はいろいろな問題をそのことで起している、こういうことでは、この責任は一体どこが負うことになりますか。事業主体を、責任を持つておりますそれぞれの各省庁が責任を持つことになりますか。それともこれは大蔵省が責任を持つことになりますか。一体どこが責任を持つのですか。不正に使用した、不正な申請をしたという末端の事業申請をしましたものだけにただ責任を負わして、その補助金の支出を認めたところの政府の責任は一体どこがお負いになりますか。もちろん、不正申請をし不正使用をした当該の事業者団体そのものは、それだけいろいろな形において責任を負わされるでありましようが、そういう不正な申請であるということを知らずに補助金をやつたということに対する責任はどこが一体お負いになりますか。その点をまず伺いたい。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 補助金の不正な使用、不当な使用についての責任の所在の御質問でございますが、この点は、当該の具体的な案件ごとにいろいろな場合があろうと考えます。もちろん、直接的な責任につきましては当該補助事業者の場合もございましようし、あるいはこれに補助指令を与えた公務員側に不正な事実がある場合もあるだろうと思いますが、その場合には、当該公務員なり事業者が直接責任の衝に当るべきことはもちろんであります。しかしながら、これに対して監督の責めにあるところの当該省の上司も、法律上の責任はないかもしれませんが、政治的な責任もございましようし、また政府全体といたしまして、そういう補助金を認めたということについての政治的な責任はやはり政府が負わなければならぬと考えるのであります。大蔵当局が予算の査定にあたりまして、その審査が十分でなかつた、あるいは十分やつたつもりであるけれども、能力が不十分であつたがためにその詳細にわたつての実情を把握することができなかつた、それが補助金の不正、不当な使用の原因をなしているというような場合には、これまた非常に間接ではございましようが、やはり間接的な責任は大蔵省側にもあると認めなければならぬと思います。かような意味におきまして、やはり政府全体の責任であり、大蔵省も財務の総括省としての責任がございますから、こうした補助金使用の適正化に関する方法として一つの法案を試みに作案いたしまして、皆様の御審議をお願いしておる次第であります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 すでに会計検査院から昭和二十六年、二十七年と、毎年かくのごとき厖大な決算報告に基く不正及び不当な支出が指摘をされて来ておるにかかわらず、本年の予算を見ましても、われわれが考えてみても、こういうものに補助しても一体効果的な結果が現われるかどうかと思われるがごとき費目に多数補助がされております。私厚生省、文部省、建設省、農林省と、特に補助の要求を多くしておりますこれら各省庁の補助金の予算額、補助率、補助の根拠法令を調べてみましたが、これを一ぺん政務次官はごらんになつてください。あなたが今おつしやるようなまじめな気持で一体これが検討されておるかどうか。また予算執行の結果、適正に使われていないという会計検査院の指摘を再び受けるような項目がこれにないとあなたはお考えになりますか。実際これは相当検討を要する項目がたくさんございます。だから、補助金に対する政府の基本的な対策をもつと検討してみる必要があろうと思う。そうでないと、昨日も質問をいたしたのですが、まつたく補助金額が小額で、しかも年度にわたつている関係もあつて、ほとんど大部分が人件費に消えてしまつて、事業の実際効果というものが現われない結果をわれわれは至るところに見るのです。そういう点について、単に従来しきたりでずつとやつて来ておるからというようなことで、依然としてこれを続けて行くつもりですか。補助金の各項目に対して相当検討を加えて、政府が責任を持つて支出する補助金については、末端においてもこの国の意思を十分尊重して、不正不当の支出のないように注意してやつてもらいたいということにしなかつたら、実際仕事ができぬような金をくれておつて、末端の方だけに負担ばかりさせやがつて、こういうことになつて、これでは実際補助的効果というものはあり得ないですよ。だから、各省とも補助項目に対してあなた方の方でもつと重点的な補助方針に建て直すというようなことにやれませんですか。どうですか。もつと具体的な露骨な例を申し上げますると、この補助金をもらうことによつて、特別な省においては、自分の一つの命令系統の勢力範囲にこの補助金を使つておるというような何がたくさんわれわれうかがわれるので、そういうことであつたのでは、これはまつたく官僚の自己のなわ張りを温存するだけに補助金が活用されて、国民は少しも利益を得ることができ得ないということになりますから、われわれはさような補助金の使い方を見のがすわけには参りません。そういうことについてどうお考えになりますか。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 補助金の実際の効率の問題、あるいはその目的の問題等につきましては、予算の策定に際しまして各省と十分に審査し合いまして、法律のあるものにつきましては、当該法律の精神を十分翫味咀嚼をして、そうしてお互いに協議の上で適正なところにきめることに各省とも十分な努力を払つておるつもりでございます。しかしながら遺憾にも、それが時にはただいま御指摘のごときまずい事態を生じておることがありますので、この点われわれ財務当局としては非常に遺憾に存じておるのでございます。本年度のたくさんのこの補助金、予算総額に対してその三割ないし四割にも当つておると思えるこの補助金が、適正に、何らの不正不当がなく使用されるかどうかについて自信を持つておるかと言われますと、そうあることを期待いたしておることは申し上げられますが、全然そういう間違いがないということを保証することは、どうも私の立場として、過去の会計検査院の御調査の結果等にかんがみても言い得ないのではないか、遺憾ながらさようにお答えするよりほかないのであります。  しかしながら補助金の使用の問題に対しましては、ことに適正にやつてもらいたい、また今御指摘のごとく、補助金がほんとうに効果を発揮するように、これは国民の税金のかたまりによつて支出されるものでございますから、それがほんとうに効力を発揮するようにというような意味においては、十分意を用いておるつもりであります。しかしたくさんの補助金の中で考えてみますと、効果がどうも疑わしいと思えるものもなきにしもあらずでありましたので、本国会におきましても、御承知のごとく、補助金の整理に関する法律案を提出いたし、御審議をお願いいたしまして、予算の方にもそれと関連をして同様な取扱いをして、御審議を願つたのであります。その御審議の経過によつてわれわれ考えてみますと、ただいま井上委員の非常に正義に燃えたお言葉でございましたが、遺憾ながら必ずしもそうしたお考えだけでない。私は、財務当局として今国会における補助金の整理に関する法律の御審議の模様を拝聴いたしておりましても、もつともつと補助金というものを厳格に考えていただいて、そうして国会で補助金というものについて、ただいま非上委員の御指摘になつたような厳正な意味で御審議が願えたらなあというような感想さえ抱かされたのでございます。  今後の問題といたしましては、今国会で補助金整理に関する当該委員会での御要望もございましたので、しかるべき時期に、しかるべき方法をもつて、補助金全体にわたつて来年度の予算編成までにまた十分検討をいたしまして、次の国会にまたあらためて皆様の御審議を仰ぎたい、かように考えておる次第であります。  以上簡単でございますが、お答えをいたします。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 次に伺いますが、各種民間団体へのいろいろの指導、奨励といいますか、そういう形の補助金が相当出ているようでございますが、こういうものは将来整理する方針ですか、それともさらに国会の方で必要な法律をつくつた場合には、その法律に基いて補助を認めるつもりでありますか、はなはだ抽象的でございますけれども、一応それを伺つて、その次に私から具体的に質問いたしますから、そのことについて一応政府の所信を伺いたい。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 お答え申し上げます。ただいまのごとき一般的な御質問に対する財務当局の意向といたしましては、補助金というものはなるべく少くして参りたい、ことに民間団体に対する補助金等のごときもでき得るだけ避けて参りたい、かように考えておる次第であります。ただ具体的な案件によりましては、どうしても国が補助する必要があると認められた場合には、やむを得ず最小限度に認めて参りたい、かような考え方でございます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 ただいま隣の農林委員会において、農業協同組合法の一部改正の法案が審議されております。この法案は、御存じの通り、農業協同組合の中央会をつくりまして、農業協同組合内部のいろいろな指導または適正な運営を統一してやろうという考え方に立つておるようであります。これは自由党の議員が中心になつて、従来政府案で提出しておりましたものを、議員提出として国会に提案をされて来ております。そして今審議中でございます。この中央会の創設にあたりまして、伺うところによると、政府の方でこの中央会の運営の年間予算として八千万円の補助金を交付するということの話合いができた上に立つて、この法案が審議されておるということですが、さような事実がありますか。また議員提出として予算の伴うこの法案が可決された場合、政府は一体どうこれを処置しようとしますか。この点に関して伺いたい。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 ただいまのは、農業団体再編成に関連する問題であろうと考えますが、その問題についての八千万円の予算的な補助云々につきましては、今回は大蔵省といたしまして何ら交渉も受けておりませんし、あるいは聞き及んでもおりませんので、その場合に一体補助金を出すかどうかという次の御質問に対しましては、わが国の農業政策の上でいわゆる農業団体というものがいかなる地位を占め、ぜひともわが国の農業指導、食糧増産等々の上においてその団体が必要があるかどうか、しかもその団体の維持経営のために、現在の下部の農業団体機構がその経費を負担することができるかどうかというような問題等々を十二分に勘案の上で善処すべき問題であろうかと考える次第でございす。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 私の聞いておりますのは、法律でそういう農業団体再編成の一環として農協の中央会をつくる、この中央会を運営するのには年間これだけの経費がいる、また今あなたが御説明になりましたように、わが国農業の重大性よりして、農協の負う任務のきわめて大きいという点から、法律の規定で国の補助を規定いたしました場合、もうすでに本年は予算は成立しておりますから、本年は無理かわかりませんが、次の補正予算その他の関係で補助を出す意思があるかどうかということが一つ。  それからいま一つは、やはりこの農業団体再編成の関係から、農業委員会の法律を改正をいたしまして、中央農業会議所、府県団体における農業会議所という二つの会議所をつくりまして、そこで農政運動を中心にやろう、こういうことでありますから、この団体に対してもそれぞれの補助の増額を要求されて来ると思います。この農協及び農業委員会のそういう新しい角度に立つ運動に対して法的に規定しました場合、補助金を出すだけの自信があなた方におありになるか、これを伺いたい。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 お答え申し上げます。ただいまの御質問に対しましては、当該議員提出法律案の内容をまだ私承知いたしませんので何とも申し上げかねますが、ただ抽象的に申し上げますならば、私ども財務当局といたしましては、当該法律の規定で国が補助しなければならないというような義務的な規定をおつくりになることは、なるべくならば避けていただきたい、やはり穏当な規定としては、補助することができるというような規定にしていただきたいという考えを持ちます。しかしながらもし国会全体の御意思で国が補助しなければならぬというような義務的な規定をおつくりになり、しかもその法の精神が来るべき適当な機会、すなわち補正予算をもしつくることがあるとすればかかる機会、あるいは明年度の予算編成の機会というようなときでもよろしいのであるという前提での国会全体の皆様の御意思であるとするならば、その規定の趣旨を十分尊重して参りたいと考える次第であります。しかしながら、これは私の個人的な意見を申し上げますが、近年いわゆる国会の予算についての増額修正権等の問題もいろいろ論議されておりますし、あるいは法律しただちにそれが国の予算を伴うような議員立法についての議論も世上いろいろに論議されておる状態でございます。かような際でございますから、国会としても、こういう点には十二分の意を用いて御善処相願いたいと考える次第でございます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 私は、さいぜんあなたが私の一般的な質問の際にお答えになりましたその考え方が正しいと考えております。あなた方政府みずからが、日本の当面しております財政の緊縮をになう現在から考えて、できるだけ不要不急の支出は抑制する、そうしてできるだけ効率的な適正なものだけを認める、こういう基本方針を貫くことが今日ほど大事なときはないと考える。そういうときにかりに議員提出で国会で法律がつくられましようとも、その法案が提出されて、まだ政務次官がそれに対して何ら法案自身もごらんになつてないということでございますが、一応それを一ぺんごらんくださつて、義務づけの規定が設けられたり、あるいはまたは補助を云々の国の負担に関する規定が設けられる場合は、当然あなた方が政府をおつくりになつて、あなた方の党が中心になつてそれを推進しておる現状から、その点はもつとお互いが話合いをすべきじやないか。そうでないと、これは先般もここで政府当局に質問をいたしましたが、昨年の風水害等によります特例法がたくさん出ましたが、これらはいずれも予算の伴う立法であつて、しかもそれは予算の範囲内であるということが規定されてありますのに、小額の災害補助についてはことごとく打切つてしまつて、予算的措置がしてありません。災害復旧のような重大な国の補助を要するものでありましても、政府の予算の都合から打切られておるわけです。そうしてごく限られた災害復旧の予算の中から、一時あとまわしするにしても小額のものでやむを得ないものはその中でひとつ何とか始末をせよというくらいまでにあなたの方ではきゆうくつな割当を各県にしておるわけです。そういう事実から考えてみて、国の予算を伴う議員立法がされます場合は、財務当局としては国の今置かれておる財政の規模の現状から、ことに国民負担を軽減しなければぬなら。そしてまた実際納めてもらつた税金が最大限に有効に活用され、使われなければならぬということがあなた方に課せられた責任でございますから、そういう意味から、これら団体の持つところの任務は非常に重要であり、かつわれわれもこの団体の拡大強化を要求するものでありますけれども、それは団体自身の内部において最大限の努力を払つてもらつて、その上どうしても国としてやらなければならぬ必要がある部分に限つては、これはまた政府の方で御検討願つて必要な措置を講ずるということが、適当ではないかとわれわれは考えます。そういう意味からも、すでにこの法案が成立するかわからぬというときでもあるのですから、よほど政府の方で慎重にひとつ御検討願うとともに、また国会としても、せつかく法律はできたわ、補助金はもらえないわ、法で規定してある活動はできしないわということになつたのでは国会の面目まるつぶれです。そういう点から、これは国会と政府当局との間に無理のない御解決をするように、ひとつ政務次官の任務を果されるように私はお願いをします。  さらにもう一つ伺つておきたいのは、補助問題につきましては、補助金、負担金、利子補給等の問題についてはきわめてきゆうくつな、まつたくがんじがらめの規定を設けて末端に適正に効率的に使うように御指導されようというのでございますが、一体起債はどうするのです、起債に対しては何ら規定はありませんが、一体起債はこれでいいとお考えになつておりますか。補助金の方はえらいきゆうくつなものが来るが、起債は野放しにしますか、これはどういたすつもりですか。起債の認可、許可を見ておりましても、相当おかしなものがたくさんある。また目的通りに使われていないものが至るところにわれわれには見受けられるのですが、それによる地方財政の負担及びこの金利の支払いのために非常に困つておる実情を見受けるのです。この起債の許可もみなあなた方の方でおやりになるのですが、一体この方はそのままほつておくのですか、これはどうするつもりですか。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 前段のお言葉はまことにごもつともでございまして、私非常に心強く感ずる次第であります。先ほどの法律案の問題につきましては、できる限りよく調査いたしまして、善処いたします。  次に起債の問題についての御質問でございますが、起債の問題につきましては、大蔵省、自治庁等が十二分に連絡をとりまして、各地方団体等が申請して参りましたその起債の内容を十二分に審査し、かつそれそれ所管の各省に関係あるものにつきましては各省の行政方針ともにらみ合せまして、そうしてでき得る限り厳正に許可をする方針をとつております。しかしながら今日、この起債の許可につきましての特別な法令、規定等はございませんので、今後ともこうしたことについて、いかなる方途を策すべきかについてはなお一層研究をしてみたい、かように存じております。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 実は補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律案を審議するにあたりまして、今申しました起債に対する許可、認可の条件についても、やはりこれに右へならえの一応の政府の指導的な方針をお立てになつて、そうして各地方団体等の間に協力をしてもらうということに持つて行くべきではないか。そういう点について、その当該理財局の資金課ですか、ここらとよく御相談されまして、どうやつたら一体そういう不正が防げるのかといことについて一応御検討されて、所要の政府の方針を本委員会へお示し願うような御処置を私は要求いたしておきます。  それから時間が大分迫つて来ましたから、会計検査院に一応お伺いをいたします。いろいろ会計検査院は御苦労にも予算執行について、特に補助金、交付金等の適正な使用について決算の検査の上から御指摘をされて、国会にもいろいろ報告がなされておりますが、さきに大平君の質問に対しまして不正不当の支出についての原因がどこにあつたか、どうやつたらそういうことが防げるかというようなことについて、それぞれの当該各省に必要な検査の結果に基く意見というものをつけて報告をしてある、こういう御答弁がござましたが、それはその報告のしつぱなしですか。あなた方が、不正の使用が行われ、不当な支出が行われておる、しかもこれはこういう原因に基くことであるからこういうぐあいに善処する必要があるということを当該省庁に申し入れて、報告なされておるのでありましようが、それは報告のしつぱなし、申入れのしつばなしで、相手からこれに対してこれはこういうふうに直して行きますとか、ここをこういうふうに改めますというようなことがありますか、それは全然ないのですか。そこの責任の所在をもう少し明確にしていただきたいと思います。

小峰保榮会計検査院事務官(検査第三局長)

○小峰会計検査院説明員 会計検査院では二、三年前から全国的に、特に公共事業関係の補助について検査をやつておるわけであります。その結果、昨年あたりになりまして、大体不当工事の生ずる原因がどこにあるか、この対策としてはどういうものが考えられるかということを孝究中に、たまたま昨年のあの大災害が起きたわけであります。また従来通りの轍を踏みまして、あとで検査院がまわりますとぞろぞろといろいろな不当の事実が出るというのでも非常に困るわけでありまして、何とかそういうのを未然に防止したいという一つの考えといたしまして、先ほど申し上げましたように昨年の夏、関係各省に対しましていろいろな意見の表示をしたのであります。検査院の二十七年度の検査報告の百六十六ページに大体の項目だけは書いてございます。これは相当種類が多かつたのでありますが、これに対しまして各省からはそれぞれ回答をいただきまして、この一部についてはすでに実現の運びになつたものもございます。大部分はなかなか私どもが考えておるほど早くは実行に移されないのでありますが、一部につきましてはすでに改善の運びになつたものもございます。たとえば最近衆議院を通つて参議院にまわりまして、昨日参議院も通つたと思いますが、農林水産業の暫定措置に関する法律案、こういうふうなものもその一つの現われかと考えておる次第であります。     —————————————

千葉三郎改進党

○千葉委員長 出資の受入、預り金及び金利等の取締りに関する法律案、証券取引法の一部を改正する法律案の両案を一括議題として質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許します。  この際お諮りいたします。ただいま議題となつておりまする両法案中、出資の受入、預り金及び金利等の取締に関する法律案につきましては、去る四月二十八日の委員会におきまして、自由党の藤枝泉介君より修正案が提出せられ、提出者から趣旨の弁明を聴取いたしたのでありますが、本日提出者よりこの修正案を撤回したいとの申出がありますので、委員会といたしましてこれを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 御異議なしと認めます。よつてこの修正案の撤回はこれを許可するに決しました。  次に、改進党内藤友明君より、あらためて各派共同提案にかかる修正案及び自由党、改進党、分自党の三派共同提案にかかる修正案がそれぞれ提出されておりますので、この際両修正案につきましてそれぞれ提出者から趣旨弁明を聴取いたします。提出者内藤君。

内藤友明改進党

○内藤委員 ただいま議題となりました出資の受入、預り金及び金利等の取締に関する法律案に対する五派共同の修正案につきまして、修正趣旨を弁明いたします。  修正案の案文につきましては、お手元に配付してある印刷物をごらん願うことにいたしまして、この際朗読を省略させていただきます。  まづ修正案の第一点は、政府の原案におきましては、後日出資金の全額もしくはこれを越える金額を支払うというような誤解を生じさせるような仕方を用いてする出資金の受入れをも禁止しているのでありますが、この点を削除することといたしたのであります。その理由といたしましては、「誤解を生じさせるような仕方を用いて、」という表現の意味がはなはだ不明確というべきでありまして、実際の取締りにあたり、これが不当に拡張解釈され、または濫用されるおそれがなきにしもあらず、これがため単に直接人権を侵害するばかりでなく、間接に信用を毀損し、社会的に及ぼす影響と犠牲も少くはないと考えるのであります。もちろん法律の盲点をついて脱法行為をあえてしようとする悪質の知能犯を漏れなく取締るためには、あらゆる不測の事態をカバーできるような完全な規定の仕方が必要であるということにつきましては、了解するにやぶさかでないのでありますが、一面いやしくも厳罰をもつて臨む取締り法規の建前といたしましては、取締り対象についてそのものずばりを明確に規定することが望ましく、かつ正しいと考えるわけでありまして、かたがた第八条には、出資金受入れの禁止に対する脱法行為をも処罰する規定も設けられているのでありますから、これらの理由によりまして、以上削除を行うことといたしたのであります。  次に修正の第二点は、政府の原案におきましては、貸金業法は廃止するということになつているのでありますが、貸金業は質屋営業と相並んで、町の金融機関として相当庶民金融に貢献しているところも少くないのでありまして、全然これを野放しにするということは、取締りあるいは実態把握の必要からいたしましても適当でないと考えるのであります。そこで貸金業を行う者は大蔵大臣に届け出なければならないこととし、大蔵大臣は、これに対し必要があるときは業務報告を徴し、または立入り調査をすることができることといたしたのであります。但し大蔵大臣のこれらの権限は、都道府県知事に委任することができることといたしておるのであります。  なお、これらの規定に関連して軽微な罰則を設けることといたしますとともに、法律の題名をこれに即応するように改めるごとといたしました。  以上が本修正案の理由及び内容の概要であります。  次に、三派共同修正案について修正の趣旨を説明いたします。  政府の原案におきましては、第五条中日歩三十銭を越える利息を禁止しているのでありますが、これを三十五銭に修正することといたしたのであります。すなわち、現在貸金業に対する指導金利は日歩五十銭以下となつており、また質屋営業におきましても、高いところは月一割二分という利息もないわけではありません。このような庶民金融の実情から考えますとき、これを一挙に、または一律に日歩三十銭ということに制限いたしますことは、あまりに現実を飛躍し、しかも違反者に対しては厳罰をもつて臨もうというのでありますから、やや苛酷に失するきらいを免れません。のみならず名実ともに法律の実効性ないしは法律効果を確保するという点から考えましても、適当ではないと思われますので、若干これを引上げることといたしたのであります。  以上、何とぞ御賛成あらんことを希望いたします。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 これにて修正案の趣旨弁明は終りました。

淺香忠雄自由党

○淺香委員 動議を提出いたします。ただいま議題となつております両法案につきましては、大体質疑も尽され、またただいま提出になりました両修正案につきましても、たびたび論議をいたした点でありますので、この程度にて両案の質疑は打切り、ただちに討論、採決に入られんことを望みます。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 ただいまの淺香君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 御異議ないようでありますから、ただいまの両案及び修正案に対する質疑は以上をもつて打切り、これより討論に入ります。討論は通告順によつてこれを許します。内藤君。

内藤友明改進党

○内藤委員 私は、出資の受入、預り金及び金利等の取締に関する法律案に対しまして、附帯決議を出したいと思うのであります。案文を朗読いたします。    出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律案に対する附帯決議案   第二条第二項の不特定且つ多数の者という中には、株主といえども特定できるものはこれを包含しない趣旨であるから、本条の運用に当つては、不当に検察権を発動することのないよう、十分に慎重適切を期せられたい。 というのであります。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 次に、井上良二君。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 私は両派社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました証券取引法の一部を改正する法律案及び出資の受入、預り金及び金利等の取締に関する法律案に対し、修正案のうち、各派共同提案にかかる部分及び同部分を除く政府原案に賛成するものでありますが、特に修正案中、自由党及び改進党並びに日本自由党の提出にかかる金利引上げの部分については、絶対反対の意思を表明するものであります。  吉田内閣が、過去数年にわたり、国力をまつたく無視した財政、経済政策を強行して来た結果は、インフレの高進となり、国民生活の破綻と金融難はここ数年来激化の一途をたどつて来たのでありますが、この国民の生活難と金融梗塞に当面をいたしますや、金融法規の不備欠陥を利用し、一部町の金融業者の中には、まつたく誇大な宣伝や広告によつて、不特定多数の者から高金利をえさにして出資をさせ、あるいは預かり金類似行為を行うなど、いわゆる特殊金融機関なるものが雨後のたけのこのごとく続出して来たのであります。私どもは、これらの町の金融機関が現行各種金融法規を無視し、広告宣伝とまつたく相反する不健全な運営を行つていることを指摘し、あるいはこれを放任することは、厖大なる大衆に不測の損害を与えるのみならず、正常なる金融を擾乱することも予想されるので、政府に対して幾たびか警告を重ねて来たにもかかわらず、政府はその指導取締りについて何らの対策を講ぜず、遂に保全経済会、日殖事件を引起し、さらに政府のデフレ政策による金融引締めによつて、これらの町の金融機関が続々と閉店、休業を始め、しかもそのために犯罪を構成することが判明しただけでも、その会社の被害者は今日まですでに十一万九千余人に上り、その被害は実に二十二億一千百万円に及ぶという事態になつて、この事態に驚いた政府は、初めてこれらの町の金融機関を取締る法律を提出して来たのであります。ところが、この両法案の審議にあたつてきわめて遺憾な事態が起つたのであります。すなわち一部業者の猛運動があつたとかなかつたとかいわれておりますが、この政府提出法案に対し、与党の自由党は、いろいろな修正を企図し、さなきだにおそきに失する法案の成立を一層遅延せしめ、審議未了に追い込もうとするがごときは動きを見せることは、与党として政治責任きわめて重大であるといわねばなりません。特に自由党が改進党に呼びかけ、金利取締りの規定を日歩三十銭から三十五銭に引上げる修正案を提出いたしましたことは、断じて承服しがたいのであります。(「ヒヤヒヤ」)このことは、政府が現にとりつつある財政、経済政策に対し、与党みずからが反対するというゆゆしき問題となるのであります。すなわち、今国会冒頭に行われた政府の施政方針演説において、総理大臣、大蔵大臣、経審長官は口をそろえて、国力を無視した財政規模の膨脹がインフレを助長し、日本商品の国際市場における競争力を失わしめ、国際収支を悪化せしめておるのであるから、今日わが国の財政政策にかけられた最も重大な課題として、財政投融資を極力抑制するとともに、金融の引締めを行い、物価引下げをはかり、国際輸出の振興をはかり、収支の均衡をはからねばならぬことを国民に訴えたのであります。政府が強調するまでもなく、物価引下げのためには、商品コストを構成する原料、金利を引下げなければなりません。特に低金利政策の必要は今日常識となつておるのであります。政府みずからが、町の高金利の最高が日歩三十二、三銭であるということを説明し、しかも政府原案は、この最高に近い日歩三十銭としておるのでありますが、この政府原案を忠実に支持すべき与党が、これを三十五銭に引上げを画策するがごときは、まつたく政治責任を無視した恥知らずの態度であるといわなければならないのであります。聞くところによりますと、この金利引上げの修正をめぐつて、一部業者が策動したとか、あるいは自由党議員のところに数万円の金を届けたとか、そんなことがうわさされておるのであります。私は、名誉ある国会議員が国民全体の奉仕者であることを忘れ、一部業者の策動によつてこのような国民経済再建のための重要法案が曲げられようとは考えないのでありますが、現に町の金融機関が一部検察当局の取調べを受け、またこれらの事案に議員が関係したということが報道されて、国民に大きな疑惑を招いているときに、このような修正を行わんとするがごときは、国民一般にさらに疑惑を与えるのみならず、国政審議上にも重大な汚点を残すものでありまして、はなはだ遺憾とするものであります。  さらに私は、政府の責任もまた重大であろうと思います。政府みずからが低金利政策を主張し、この協力を国民に求めておるとき、その政府を支持する与党の手によつて修正され、政府原案が否定されたこの事実に対して政府はいかなる責任をお負いになりますか。われわれ両派社会党は、わが国の今日置かれております立場から、財政上課せられた最も重要な課題が、非生産的財政支出を抑制して、産業の近代化のための重点的投融資を行い、低金利政策を断行して初めて国民経済の安定と勤労意欲の増大が可能となり、生産力の増強、輸出の振興を通じて、国際収支の改善を積極的にはかることができると考えております。  以上の立場から、私どもはこの金利三十銭を三十五銭に引上げようとする修正案には断固反対をいたすつもりであります。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 次に、山本勝市君。

山本勝市自由党

○山本(勝)委員 提案されております法案の二つの修正案に賛成またその修正を除く政府原案に賛成の討論をいたします。  結論を申しますと、賛成でございますが、ここで誤解のないようにはつきりと申し上げておきたいので、今日は法務当局が出席されていないようでありましてまことに遺憾でありますけれども、ひとつ大蔵当局もよく聞いておいていただきたい。  最初に、ただいま井上委員の討論の中に、業者の運動の結果われわれ自由党が行動したというようなことがございましたが、これは世間の疑惑を招くがために、まことに遺憾に存じます。われわれはこの出資の受入、預り金及び金利等の取締に関する法律案は、政府原案がまことにずさんであるということを認めざるを得ない。およそ経済の実際を無視し、また理論を無視した点で、これほどずさんな法案というものはあるまいと思うのであります。大蔵省がイニシアチーヴをとつたものか、法務省がとつたものかは存じませんけれども、われわれ自由党といたしましては、最初から、罰則を伴つた法律をもつて金利を規定するということに対しては反対の意思表示をしておつたのであります。  御承知のごとく、戦時中におきまして、各種の物資に公定価格をきめて参りました。これが次々にふえて参りまして、ほとんどすべての物資に公定価格をきめた。そこに従来なかつたやみ取引というような言葉や現象が現われて来たのでありますが、そのようにほとんどあらゆる物資の公定価格がきめられたような時代でも、なおかつ金利を罰則を伴つた法律で押えようというようなことは実行できなかつたし、しなかつたのであります。あらゆる物資に公定価格をきめる時代でありますから、もとより世の中には金利を法律で公定せよという意見がありました。ありましたけれども、なおかつ、その時代ですら金利というものは法律で公定できない。もしこれを公定すれば非常に経済界の混乱を来すという理由で、これは実行されなかつたのであります。先般のこの委員会における法務当局の説明によりましても、現在の経済界における金利の実際の実情というものを精密に調べてみたところが、安いのは二銭である、高いところは一円まである、しかしながら、最も多いのは三十銭ないし三十三銭である、こういう説明であります。しかもこの場合の説明によりますと、それならなぜ一円にきめないのか、あるいは三十三銭にきめないのかという議論があるかもしれないけれども、これは法律をもつて利子を下げて行こうというねらいなんだという説明である。そうして利率は結局いなかと都会は違う、時と場合によつて違うということも十分知つておられる。この時と所とによつて千種万態であるところの金利を、一定の数字をもつて、しかも厳重なる罰則を伴う法律でもつて、実際の需要供給の均衡点以下に押えて行こうというようなこと、これがいかなる結果をもたらすかということは火を見るよりも明らかであります。すなわち、一段の実際に行われている均衡点よりも以下に罰則を適用した場合におきましては、必ず資金の需要はふえて供給は減るのであります。そこで金を借りたい人が従来よりも借りられなくなる。しかも農村方面におきましては、二銭から二十四、五銭のところだということは認めておられるのである。これらをかりに三十銭ときめました場合には、必ず三十銭まではよろしいのだということで、かえつてこれをつり上げるような若干の働きをして来る。また三十銭以上でなければ借りられないし、貸すこともできないという経済上の実情のもとにおきまして、もし三十銭を励行いたしました場合どうなるかというと、それ以上のものはやみにもぐり込んで、文字通りやみ金融となつてしまうか、そうでなければその仕事をやめてしまつて、借りたい者も借りられないという事態が起つて来ることは明らかであります。かつてこういう同じことを企てたときに、金を借りたいという人々の猛烈なる反対にあつて法案がつぶれたことがあるのです。われわれは決して高利貸しを保護しようなどという考えではない。金を借りたい者全体を考えて、金利はどの程度がいいか、安ければ、借りられる人は安い方がいいにきまつておる。しかし実情以下に安くなれば、借りられた人はよいけれども、借りられない人が従来より多くなつて来る。少数の借りられた人たちだけが安い金利で得をするという結果になつて、多数の資金需要者はかえつて被害を受け、しかもやみ金融にたよるということになりますと、従来よりもはなはだしい、ほとんど無制限ともいうべき金利を払わなければならぬ事態が生じて来るのでございます。これは理論だけではありません。実際もその通りであります。先般学者たちをここに呼びまして、参考人として意見を聞きました場合にも、参考人の意見は大体私の考えと同じような考えであつた。私は当然のことだと思うのであります。こういう意味において、実は先般藤枝君から、わが党は金利は法律をもつて押えようというようなことはよくない、あるいは法律をもつて上げようということもよくないと提案したのです。利息制限法のことを法務当局が説明して、これは先般改正が行われたのは、国家意思がこのように表現されたものだというような大げさなことを言つて、すでに国家意思が一方にきまつておる以上は、ここでこれをきめなければ国家意思の分裂を来すと言わんばかりの答弁をしておりましたけれども、利息制限法というものは、これは御承知のごとく罰則を伴つていない、罰則を伴つていないものでありますから、裁判になつたときだけ一定の効力を発生するものでありますから、御案内のごとく明治十年に制定され、明治三十一年に改められて、大正八年まで経済界の幾多の変動にもかかわらず無修正で来られた。さらに大正八年から今日まで三十幾年の間無修正、しかもその条文を見ますと、百円以下の貸し借りの金利は幾ら、百円以上は幾らというふうな、今日世の中にあり得ないような百円という単位で金利を定めておるような、そういう法案であのインフレーシヨンの時代、インフレによつて貨幣価値が下落した時代になおかつ修正されないで今日まで来られたということは、これが罰則を伴わない法律であり、事実裁判になつたときだけある程度ものをいう法律でありまして、いわば先般私が申しましたように、二階の片すみにほうり込んでおかれたような法律であるから、三十幾年の間無修正で来られた。ところが今度の法律はそうではない。厳重な罰則を伴つておる。しかもそれは法務当局の説明のごとく、法の力で、権力でもつて金利を実際の相場よりも下げようというねらいを持つておるのでありまして、私はこれほど理論を無視し、実際を無視した法案はないと申し上げる理由であります。ただしかしながら、何ゆえにそれほどずさんな法律に賛成をするかという問題でありますが、簡単に申しますと政治情勢、われわれは先般われわれの方の藤枝君から出しましたように、利息は法律できめない方がよろしい、二十銭のところは二十銭、十銭のところは十銭、四十銭のところは四十銭、五十銭のところは五十銭で貸し借りをさせるべきだ、暴利の方は別に取締れるところがわれわれの考えをさらに貫こうといたしますと、改進党の同調を得ることはできない。改進党はあくまでも法律の数字で規定するという考え方に賛成をしておられる。それでは本会議で再び先般のごとき事態を引起すことをおそれるので、改進党の諸君が同調される三十五銭の線で、われわれは正直に申しますと先般の修正案を撤回いたしまして、あらためてこの共同修正案に賛成したのであります。三十五銭がいいのかということでありますが、三十銭よりも三十五銭の方が幾らか被害が少いことは間違いありません。ですから、せめてこの被害を少くする、そうして政治的に保守各党の賛成を得られるという線で同意をしたのであります。しかしながら総務会におきましても、このような法律はこの次には撤廃すべきだという意見が相当強く現われておるのであります。かような意味におきまして、いわば政治情勢からこの修正案並びに修正案を除く原案に賛成をいたしますけれども、この運用にあたりましては十分な注意をして、零細金融によつて仕事をし、生活をしておる人たちがこの法律によつて逆な苦しい立場に追い込まれるようなことのないように御留意を願いたい。そのような場合には、政府が進んでまたこれが改正の案を出してもらいたいということを私は申し上げて、賛成の討論を終りたいと思います。

淺香忠雄自由党

○淺香委員 各派からの討論がただいま終つたようでありますが、先ほど社会党の右派井上良二氏からの討論の言葉の中に、わが党の委員の中で十万円もらつたかのような、もちろん言葉のしりをうまく言われましたけれども、何かこういつた黄白がばらまかれたことによつて三十銭の政府原案を三十五銭にするという修正案に同調したかのようなお話がありましたことは、私はこれは非常に誤解を生む大きな原因であろうと考えるのでございます。私ども三十銭を三十五銭に修正いたしましたことにつきましては、ただいまわが党から山本委員がるる述べました通りでありまして、これがために、実はこういう風評が飛びましたがために、わが党におきましては大蔵委員全部集まりまして、その真偽を確めましたところが、委員一人として業者から黄白を見せつけられたり、あるいはそういう誘惑によつて今度の修正に同調した人はもちろんございませず、同時にまたそういつた金をももらつた人は一人もないことを私はここに断言いたしますとともに、こういう言動につきましては、ややもすれば世上誤解を招くおそれがありますので、委員長におかれましては、もし井上委員の討論の中に不穏当の言があるとお思いになりました場合には、これをひとつお取消しを願うように、委員長において善処されますことを望みます。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 井上君の……(井上委員「井上という名前が出た以上は発言を許さなければいけません」と呼ぶ)井上委員の発言について、後刻速記録を取調べた上で善処いたしたいと思いますから、さように御了承願います。   〔井上委員「いや善処する必要はありません。それはやめてください」と呼ぶ〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 それでは発言を許します。井上君。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 私はそういう誤解の生じるようなことは言つたことはありません。もつと露骨に言えば、新聞に報道されておりまするあらゆる問題を出して来て言いたいのですけれども、それはお互い議員の立場もありましようから、できるだけ私は遠慮して申し上げておるのです。しかし私の言うておる事実がそれほどお気に召さなければ、原稿をここに持つておりますから、原稿を見た上で言うていただきたい。私は決して自由党さんの立場のないようなことは言うてありません。名誉ある国会議員が、一部業者の運動によつて国全体の経済に及ぼす重大な法案を曲げるようなことは断じてないと私は考えると書いてあるのだ。そういう討論をしておるのです。そこのところは、淺香さんの発言は誤解です。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。まず証券取引法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の御起立を願います。   〔総員起立〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。  次に、出資の受入、預り金及び金利等の取締に関する法律案について採決いたします。  まず、内藤君提出にかかわる各派共同提案の修正案について採決いたします。これに賛成の諸君の御起立を求めます。   〔総員起立〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 起立総員。よつて本修正案は可決いたしました。  次に、内藤君提出にかかわる自由党、改進党、日本自由党の三派共同提案の修正案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 起立多数。よつて本修正案は可決いたしました。  次に、ただいま議決いたしました両修正案のそれぞれの修正部分を除いた原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 起立総員。よつて本案は内藤君提出の両修正案のごとく修正議決いたしました。  次に、出資の受入、預り金及び金利等の取締に関する法律に対する内藤君提出の附帯決議について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔総員起立〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 起立総員。よつて本附帯決議は決定いたしました。  なおただいま議決いたしました両法案に関する委員会報告書の作成、提出手続等につきましては、委員長に御一任を願つておきたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 御異議なしと認めます。よつて委員長に御一任をいただくものと決しました。本日はこの程度で散会いたします。    午後零時三十五分散会

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