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19回国会衆議院1954/05/19

大蔵委員会 第57号

発言数
76
登壇者
12
会派数
4
開催日
1954/05/19

会議録

内藤友明改進党

○内藤委員長代理 これより会議を開きます。  本日はまず金融に関する件を議題として調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。春日一幸君。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 第一番に開発銀行にお伺いをいたしますが、仄聞するところによりますと、今月末にあなたの方が中小企業金融公庫に引継がれるかつての復金の貸付、その他見返り資金等の貸付にかかるところの債権があると思いますが、この引継ぎにあたりまして、現在これを取扱つております金融機関にどういう通達を出しておられるか、まずこの一点をお伺いをいたしたいと思います。

乾信日本開発銀行理事

○乾説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。通達といたしましては、引継ぎに関しまする手続上の通達を出しておるのでございますが、管理上の内容を有します通達は今のところ出してございません。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 それでは具体的にお伺いをいたしたいのでありますが、たとえば中小企業向けに貸し与えておりますかつての復金資金、あるいは見返り資金等に関係するものでありますが、本日までこれがなお貸出しの残高となつて残つておりますことは、やはりこれは償還期限内において償還することのでき得なかつたものを対象にすることになると思うのでありますが、こういうような場合におきまする利子並びに延滞利子の処理方法は、この引継ぎにあたつてどういうような処理をなすべきものであるか、これについて何らかの基準通達が行われておると思いますが、それについてひとつお伺いをいたしたいのであります。

乾信日本開発銀行理事

○乾説明員 ただいまの延滞しております利子の取扱いにつきましては、これは全然日常の管理と同じような取扱いを各代理店にお願いしてあるのでありまして、引継ぎに関しまする事務以外には、特別にそれに関しての通達を出してございません。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 今回中小企業金融公庫に引継がれまするところの債権は、元金プラス利子という形になつて引継がれるわけであろうと思うのであります。そういたしますとその利子は、通常の利子とそれから延滞利子とこの両様のものがあろうと思うわけでありますが、この場合元金プラスその利子は、延滞日歩によつて計算されたものを引継ぐように指示されておりますか、あるいはまた法定日歩によつて引継ぐように指示されておられましようか、この点河野銀行局長からひとつお伺いをいたしたいと思います。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 引継ぎました場合におきましては、過去において開発銀行において持つておりました権利義務をそのまま引継ぐわけでありますから、たとえば延滞になつておりまして、延滞日歩は現在四銭とらしておりますが、この四銭とることになつておる権利がそのまま中小公庫に引継がれる、こういうことに相なるわけであります。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 わが党に寄せられておりまするこれら関係中小企業者からの陳情によりますと、次のごときことが訴えられておるわけであります。それは現在償還が渋滞をいたしておりまするところのこれらの貸付について、この五月一ぱいにその利子を納められる分については今までの法定日歩でよろしい、しかしながら五月一ぱいにその利子の納入がない場合においては、元金プラス延滞日歩四銭の割合で計算をして、そうしてそれを開発銀行が保有しておるところの債権として引継ぐからさよう御承知を願いたい、こういうことでその債務者に対しての交渉が行われておる様子でありますが、この事柄につきまして、開発銀行はどういう理由によつてそういう通達をなされており、さらにどういう主張に基いてそういう処理をなされておるのであるか、この点について開銀当局より御答弁を願いたいと存じます。

乾信日本開発銀行理事

○乾説明員 ただいまお話の通達の件でございますが、開銀といたしましては、そういつた意味の通達は出してございません。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 河野銀行局長にお伺いをいたします。先般中小企業金融公庫法を関連して当委員会で審議をいたしたのでありまするが、その場合、この中小企業金融公庫が継承するところの債権は元金だけでありますか、それともそれらの延滞日歩をも債権として継承することに相なつておりましようか、この点の経緯についてひとつ御説明を願いたいと思います。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 これは先ほどお話申し上げました通り、元本だけじやございません。元本に関連する権利一切を引継ぐということになつております。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 そこでこの延滞日歩の処理という問題をめぐつて政治的な配慮を加えて参らなければならない段階に至ると思うのであります。申し上げるまでもなく、この復興金融金庫が当時新しい機関として設定されましたいきさつ等をいろいろ当時の資料等によつて調査いたしてみますると、これはいずれにいたしましても、当時各種の戦時補償が打切られてしまつた。従つて一方不健全な債務はそれによつてたな上げをされた形であるが、しかし中小企業において論じまするならば、彼らはその債務というものは当時はほとんどなかつたであろう。戦時補償に関する限り、彼らは債務というものはなくして、大部分の債権が打切られた形になつておると思うのであります。たとえば中小企業者は戦時中下請けの仕事に協力会社として参画しておつたのでありましようが、実は親会社がその支払い義務を戦時補償の打切りによつて打切られてしまつたので、その代金を受取る道が杜絶したのであります。あるいは戦災によつて家や工場が焼かれたのでありましようが、これも戦時補償の打切りによりまして再建資金が得られなかつたわけであります。しかしながら当時の国内情勢といたしましては、消費物資等も含めて、いずれにしても物資がない、だからこれを急速に生産しなければ当時の国家経済が弁じ切れないという立場にあつたと思うのであります。従いましてこの復興金融公庫の制度を通じて、中小企業にも重点的に相当額の資金を流して行つて、そうして中小企業の持つところのこの生産力を動員して、やはり消費資材等の生産をもとにかくまかなわしめるということにあつたと思うのであります。そこで問題は、結局当時一切の戦時補償を打切られてしまつて、新規に生産の資金を得られない中小企業者に対して、ここに国は、復金を通じて設備資金を供給するという形になつたのであります。ところが彼らはその当時、一応その資金を得ることによつて設備を新しく復興いたしまして、当時必要とする生産必需物資を供給して参りました。しかしながら幾ばくもなくしてその生産が飽和状態に至り、やがては過剰状態になつて、それで中小企業の危機という問題、経営の困難という問題が胚胎して今日に至つておると思うのであります。これはやはり中小企業者が当時受取るべき債権がいろいろな形において制約を受けて、しよせんは放棄せざるを得ない状態にあつたということ、そして当時設備資金を受入れて生産復興に貢献したことは貢献したのだが、石炭だとか鉄だとか電力だとかいう基幹産業とは違つて、ある程度の生産が復興いたしますと飽和状態になる、そうすると、その間に借金を償還できたものはよろしいわけでありますが、当時の情勢といたしまして、それだけの設備の償却のでき得なかつた企業体は、すべてこれらの借金が今日に持ち越されておるわけであります。現在その残額はどの程度のものがございましようか、ただいま資料を配付願いましたので、これは調査しなければわかりませんが、おそらくは三十億か四十億程度あるのではないかと思います。これらの債権がなおここに残つておるということは、結局彼らが償還でき得なかつた、すなわち当時国家目的に従つて一応の貢献はしたんだが、その後中小企業の持つておる本質的な一つの力というものでは、その後において国から借りた金を返すだけの余剰プロフイツトを得ずして今日に持ち越されておる。この事柄をわれわれは重視せねばならぬと思うのであります。一方政策はいろいろな他の政策との権衡をはかつて参らなければならぬのでありますが、たとえば炭鉱住宅、労務者住宅に対する利子の補給、これなどは河野さんの御答弁を速記録でちよつと勉強してみますと、これは当時国家目的に従つて急速にその必要を満たした設備に対して、国が責任を負うことはやむを得ないことであろうというので、これまたさかのぼつて二十三億何がしというものの補償が行われております。あるいはまた現在の海運造船事業等に対する利子の補給等につきましても、これまたやはりその国家的な目的、要請に従つてそれぞれ立ち働いて参りました産業に対する国家の投融資が相当額にわたつて行われておるわけでございます。そこで私が主張いたしたいことは、これらの考え方は、この中小企業に対する復金の融資の面についてもやはり同じように均霑せしめる、あるいはこの考え方を踏襲せしめる、このことが私は必要なことではないかと思うわけでございます。具体的に申しまするならば、かりに当時百万円借りた諸君は、今日まで七、八年を経過いたしまして、現在その利子が延滞日歩によつて計算されるといたしますと、これは百七、八十万円になるのではないかと思うのでありますが、経営がさらでだに困難である中小企業に対して、しかもこの復金が当時新しい機関として発足をいたしましたのは、各種の戦時補償が打切られて、中小企業においてとるべきところの債権を全部放棄するの余儀なきに至つた事情等を考え合せまして、少くともこの延滞日歩については格別の措置を講じなければならない段階にあるのではないかと考えるのでありますが、これに対して河野銀行局長はどういう考え方を持つておられるのであるか、なずこれが一点であります。  それからもう一つは、やはり当時早急にいろいろの審査が行われ、なべとか、かまとかの生活必需物資につき早急に生産を行わなければならないというものについて、当時その資金が流されました。ところがその後経営がいろいろな面で齟齬を来して、破産をしてしまつておる面も相当あると思うのであります。問題は、すでに復金の方で回収不可能になつているものが相当あると思いまするし、同時にまた苦しい中からそれを償還して来たものもあると思うのであります。貸倒れになつたものもあるし、償還したものもある。他のものは現在これを償還し得ないで、これを経営の大きな負担として、その利子の面にも苦労しておるわけでありますが、結局これが不公正にならないように、しかしながらやはり中小企業の現在の窮乏せる実態に即して、何らかの政治的な措置を講じなければならない段階にあると思うが、これに対して政府はどういう考え方をしているのであるか、ひとつ河野銀行局長から御見解を承りたい。  同時にこの問題は、現在の中小企業が当面しております各種の経営の困難性を打開して参る上におきます一つの方法であると考えておりまするし、これはしよせん解決をはからなければならないところの中小企業の懸案の一つであると考えております。中小企業庁はこの問題について、当然深く研究されておるだろうと思うのでありますが、本日までにおいて検討されておるところ、さらにこれをいかに処理すべきであると考えておられるか、これは通産省の御見解を承りたいと思うのであります。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 お答え申し上げます。ただいまのお話の復金から融資を受けておつた中小企業者というものが、政府における戦時補償の打切り、あるいはそういつた非常に気の毒な立場に置かれた方々が、少くとも中におられたことは事実であろうと思います。しかしながら春日委員もよく御承知の通り、戦時補償の打切りということは、必ずしも中小企業者だけではなしに、ことに最近問題になつております海運業者等におきましては、非常に大きな打撃を受けておりますことは御承知の通りであります。特に中小企業者だけについてこれらの問題についての処置を考えるということは、私としては必ずしも適当でないのではないかと考えております。しかしながらそういつた事情もあり、しかも日本が急速に敗戦後における経済の建直しを行つて参らなければならぬ、そのためにできた復金というものが、やはり中小企業に対する融資ということに重点を置いて来たということは当然でありましてその範囲におきましては、金融というもののわく内において、できるだけこういつた気の毒な中小企業者の立ち直り、あるいはそれらがさらに設備を改修し、つくつて行くだけの資金の金融的バツクを与えて行くということをいたして参つたのであります。しかしあくまでその範囲におきましては、金融のわく内と申しますか、範囲内においてこの問題を片づけて行くということでありまして、現在におきましても、その限りにおきましては私どもは特にその方針をかえる必要はないのではない小と考えております。ただいま春日委員からも御指摘のありました通り、いわゆる炭住という問題につきましては特別な措置をとつたのであります。もちろんこれは同じような事情は中小企業者に対する貸出しにつきましてもありますが、要は私は程度の問題であろうと考えます。炭住につきましては、先般の国会でもいろいろ御議論がありまして、その際御説明申し上げました通り、あの成立から見まして、特に政府は、閣議の決定において何らかの措置を講ずるという態度をはつきりきめておつたような関係もございまして、ああいうことになつたのでありますが、この中小企業に対する復金の貸出しの処理にあたりましては、そういつた一律の特別措置ということは、これは現在のところでは私どもとしては考えておりません。しかしながら個個の事情によつては、それぞれ特別な事情がありましようし、非常にそれが苛酷になるようなことのないような措置をとらなければならぬ場合もあると思います。そういつた問題については、個々の事情に即して適当な措置をとつて参ることがいいのではないかと考えますので、一律な特別措置、たとえば炭住についてとつて参りましたようなそういつた一律の特別措置ということは、この際として私どもは考えておりませんし、また今後におきましても、そういつたような考え方でこの問題を解決することは適当でないと私は考えております。要は金融のわくの中でできるだけ個々の事情に即した善処をいたして行く、こういう方針で参りたいと考えております。

石井由太郎通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○石井説明員 復金から中小企業金融公庫が承継いたしました債権の回収について、中小企業庁として考えておりますところをお答え申し上げますと、まず公庫の使命そのものが、中小企業の振興に必要なる長期資金を供給する、こういう使命を持つておるのでありまして、回収されたることをもつてよしとするわけではないのであります。しかしながら、ただいま銀行局長からもお答え申し上げました通り、金融ベースでございますので、貸したものは必ず回収することを必要といたすわけであります。われわれといたしましては、復金の承継債権の中には、借主の業態がいろいろなものがあるわけでございますが、これに対しまして、中小企業の振興施策として行つております診断制度によつて、個々のケースにわたつて当該企業を診断いたしまして、事業を運営し、まわして行くことによつて、その収益で弁済できるかどうかということについての見きわめをつけまして、極力その中小企業者自身の更生、再建をはかりまして、その中から回収して参るということをもつて最良の策と考えているわけであります。しかしながら大分古いインベストメントでございますから、業者の意思あるいは事業能力というようなものによつても、これは法的強行措置を講じなければならぬような場合もあるかと存じますけれども、最良の策は、業者の経営内容をしさいに診断いたしまして、必要とあれば追加融資等も加えて再建をはかつて、その事業収益からの回収をはかるということを方針として回収を進めて参りたいと、こう考えている次第であります。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 その理論としては、おそらくはそうでありましよう。しかしながら復金なるものは、これは金融機関ではあるが、しかし普通の金融機関ではなし得ないところを、国家的見地からその金融の任務を分担して行くという金融機関であるのたから——金融ベースで処理しろという形になれば、当時金融機関に扱わせればそれでいいわけです。ところが金融機関は金融ペースで処理できない。そのできない分を特に復金で国家的見地からこれを処理したということでありますから、今日その残津がいろいろ中小企業の問題となつております以上は、国家的見地においてこれを処理するということは、これは当然その責任を果す事柄でありまして、万事を金融ベースで処理するという河野さんの御答弁はこれは間違つていると思う。当時の復金の質疑応答等を通じて明らかにされておりますことは、金融ベースで金融のできるものは復金では取扱わない、むしろ復金そのものがあつせんをして金融機関をして融資に当らしめるのだ。いろいろな危険が中にあつて、担保もない、とうてい金融ベースで処理できないというものこそ、この復金で取扱つているのでございます。従いましてこの問題が、ただいま石井さんがおつしやつたように、あまりにも古いインブエストメントであつて、今日どういうふうになつているか、その後の紆余曲折も非常なものであつて、今その責任を金融ペースの形で追究し、これを処理することについてはやはり実情に即した処理が必要ではないかと思うのであります。  そこで私が申し上げたいことは、国家的見地において融資をした以上は、その回収についてもやはり国家的見地でこれを回収せなければならない。炭住問題については、国家的見地で利子の補給が行われておる。しかもそれは長期にさかのぼつて、すでに決算の済んだ分に対してまでもこの返済が行われておるこの事柄は、すなわち他の産業に対しても当然そのことを及ぼしてさしつかえない問題だと思う。しかしながら他の産業と申しましても、電力とか鉄とか、その他いろいろな基幹産業等もありますが、私はそれを申し上げておるのではない。今や中小企業がどんどん倒れて行つて、非常に経営の困難が問題となつて来ておる。しかしそれらの問題は一つ一つの要素、要因を取上げてこれを処理して行かなければならないのであるけれども、当面この復金の承継関係分として二十四億五千七百万円ですか、この分は非常に古いことなのであります。しかもこれはその後において融資が行われておる。見返り資金の分だとか、あるいは開銀資金関係分とは大分性格も違つておる事柄でありますから、少くとも復金投資の分だけでも国家的高い見地からこれを中小企業問題として処理をして行つてはどうであろうか、こういう事柄であります。私の主張の骨子はここに胚胎をいたしております。  そこで、ではどういう具体的政策をとつたらいいであろうかという問題になるわけでありますが、それはあなたの方でいろいろ専門的に御検討でありましようが、私どもが当事者たちの陳情を受けておりますことを参考のために申し上げまするならば、現在この失律は、その償還を受けるにあたつてはまず利子を先に持つて来い。元金は利子を受取つてからでなければ受取ることはできない、こういうような状況にある様子でございます。従いましてその利子たるや資本の額を越えた、百万円を借りたものは百五十万円から、あるいは百八十万円もの額がこの延滞利子で計算をいたしますと累積をいたしております。従つてずいぶん苦労をしてお金を持つて行つたとしたところで、これは利子に償還されてしまいまして、しばらくすればまた同じような利子としての債務がそこに重い負担として加わつて来ておる。こういうような処理の仕方に放置しておきましては、いつまでたつたところで、かつてこの復金の金を借りた諸君は、この重き負担からとにかく離脱することができない、解放されることができない。これは気の毒だとは思いませんか。他の大きな産業が、たとえば炭住などの問題は、当時の総司令部と閣議決定が何とありましようとも、これは予算委員会での質疑応答にいろいろ疑義がさしはさまれておりますが、はなはだしく機会均等を欠くのではないかという批判もずいぶん行われておる。すなわち総司令部の考え方と閣議の決定とが、どうだこうだというような批判もずいぶんここで交えられております。これは政府の考え方を国民が釈然と納得していない証左であります。私は金融のベースであるから万事そのベースのわくの範囲内において処理するのだという考え方はお改め願いまして、全般的な政治問題として、十分その実情に即した処理を必要とするのではないかと思う。ただいま申し上げましたように、その一つの方法は、まず元金を先へとるという特例を考えられて、そうして利子が著しく発生して行くというこの負担から彼らを救済する方法が一つ、それからもう一つは、特に必要な事柄は、今度は開発銀行なり興銀なり、それの代理店がいずれにしても中小企業金融公庫へ債権を譲り渡すわけでありますが、そのときにおけるその債権の記録の方法、延滞日歩によつて計算して渡すというのではなくして、やはり元本プラス普通の法定日歩、これをしよせん延滞日歩によつて計算をせなければならないときにおいては、後日中小企業金融公庫においてケース・バイ・ケースに従つた処理を行う、こういうことで五月末日に、その債権承継に伴つてのその画期的段階におきまして、延滞日歩によつて全面的な計算が行われ、それが中小企業に大きな負担になる、こういうことはできるだけ回避して、そうして少しでも中小企業のこの困難が救済できる措置を講じられる必要があると思うのでありますが、これらの事柄について銀行局長並びに通産省はどういうふうにお考えになつておりますか、重ねて御答弁をお願いいたしたいと思います。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 まず私から先へ御答弁申し上げます。第一段のいわゆる金融ベースという問題でありますが、私が申し上げておる金融ベースということは、民間の金融機関における金融ベースということと、政府金融機関における金融ベースということと、おのずから程度の差異があることは当然だと思います。ただしかしそれがあくまで金融である、しかもその元が国民の血税からなつておるということになりますならば、これはやはり補助金ではない、従つてとれるものはとつて行くということにしなければならぬと思うのであります。それがまた政府機関として国民の血税をお預かりしておるという建前からいいましても、責任上当然そうあるべきではないかと私どもは考えております。従つて特別にお気の毒な御事情もありましようが、一律にこれらの問題について国の政策に従つて金融というらちを越えた特別措置をとるということは、私は適当でないと考えております。しかしこれはあくまでも先ほども御答弁申し上げた通り、個々の実情によつて私は適宜に措置をとつて参らなければならぬと思うのでありまして、今御提案になりましたように、たとえば充当時に元本を先にするか、あるいは利子を先にするかといつたような問題につきまして、これも実情につきましては、開発銀行当局者から聞いていただけばおわかりかと思うのでありますが、私はそういう点については、個々の事情によつて適宜の措置はとられておると思います。たとえば元本に先に充当した方がいいという場合には、先にこれを充当するという措置が例外的にとられておるものと私は考えます。しかしこれは、私が先ほど申し上げましたように、あくまで国民の血税をお預かりしておるという政府機関の立場、その責任を逸脱するようなことはできないという点を大きなわくとして私どもは考えて参らなければならぬと思うのであります。  また第二の点の延滞日歩等を、便宜な措置で、それをとらないような措置をとるべしというようなお話でありますが、これらの点についてもやはり個個の事情によつて適宜の措置をとるべきであつて、一律に中小企業者に対する貸出について延滞日歩はとりませんという措置をとることも、私は適当でないと考えております。要は今申し上げましたようなことで、金融のわくを越えた一律なる特別措置ということはとるべきでないので、個々の問題について実情に即した適宜の方策をとつて行く、こういうことに尽きるかと考えます。  なおこれは余談になりますが、先ほどお話のありました、五月末までに何か特別きつい処置を開銀から通達をしてやらしておるようなお話もありますが、私の承知しておりますところでは、そういう事実はないようであります。何か誤解に基く点があるのじやないかと思います。ただ中小公庫に引継ぐにあたりまして、開発銀行としては、その引継者としての責務を果すために、少くも帳簿上はつきり整理をつけて行きたいという態度から、整理のつくものについては整理を促進したという事実はあるかもしれませんが、特別に苛酷な処置をとるようなことを開銀の本部から通達をしたという事実はないように承知いたしております。   〔内藤委員長代理退席、坊委員長代理着席〕 なお詳細は開発銀行当局からお聞き取り願いたいと思います。

石井由太郎通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○石井説明員 開銀承継債権を中小企業公庫に承継いたします時分の記録、あるいは債権の額面と申しますか、これは元本額をもつて法律第三十三条の債権額として引継いでおる次第でございまして、延滞利子その他附帯的な債権は、これはいわば経由上の処理ということになるわけでございまして、法律に基いて引継ぐ債権は元本であるというように御了承願います。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 開銀からの御答弁は後ほどいただくといたしまして、当時公庫法が本国会で審議されておりまするときに、この延滞日歩の問題にも触れて私は質問をいたしておきました。当時たしか岡田長官であつたと思いますが、その御答弁によりますと、大蔵省の所管に置いておきますと、これはやはり中小企業に対する理解が薄い、同情がない、従つてむしろその債権を一切通産省が引受けるというこのことは、やはり後日これに対して十分手心を加えられるというその含みもある事柄でございますという答弁があつたと思うのでございます。そこで私は、この際特に通産省に聞きたいし、さらに御答弁を願いたいことは、ただいま御説のように、元本を債権として一応引継がれると思いますが、当時それに対する日歩はやはり計算の上計上されて参ると思うのでありますが、後日この日歩は、おそらく現在のそれぞれの代理店からは、元不在これこれ、延滞日歩四銭ということで計算した額をあなたの方へ、この中小企業金融公庫へ引継いで参ると思うのであります。帳簿上の処理であるということにいたしましても、しよせんそういう数字が示されて債権となつて計上されて参ると思うのでありますが、問題は八箇年間も返済できないというこの事柄は、これはよほどのことでなければならぬ。横着な者があるということならは——これはむろんケース・バイ・ケースで、余剰の資力を十分に貯えつつ、なおかつ横着で返さないという人について私は論じておるわけではありません。けれども現実にまじめにやつても税金は払えぬ、集金をしようと思つても入つて来ない、つくつた品物も売れない、それで返そうと思つても返すことができない、遂に八箇年の長きにわたつてその償還が不能の状態にあるという、こういう困難なる経営のうちにある中小企業の面について論じておるわけでありますが、こういうものに対して、この承継した延滞日歩四銭によつて計算されたこの利子については、将来中小企業庁はどういう御方針によつてこれを取立てて行こうと考えられておるのであるか。これは単なる一つの構想だけであつてはならぬと思うわけでありますが、中小企業庁において信念を持つておられるところの方針、これをこの機会にひとつ伺つておきたいと思います。

石井由太郎通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○石井説明員 先ほどもお答え申し上げたわけでございますが、当時復金の金を借りて設備等をいたしました中小企業者が、八年を経過してなお返せないという事態は、これはただこれらに対しまして単なる金融機関的態度だけで臨んだのでは、これはとうてい解決できないわけでございまして、それに積極的に中小企業を指導する、あるいは再建するという意図をこめた診断を行いまして、中小企業庁あるいは金融公庫自身も中小企業者の相談に乗つて、もし従来の経営方針あるいは事業計画というようなものに対しまして修正あるいは検討せなければならぬものはどんどん検討いたしまして、もし必要とありますれば追加融資等も行いまして、そして事業を再建することによつて回収を円滑ならしめるというのが基本的な考え方でございます。従来診断制度は、単に業者の申請に基いて行われておつたのでございますが、今回はこういういわば再建整備という立場にも政府みずからが当ることになつたわけでございますので、その立場をも加味した診断を行いまして、業者の内容を再建して参るということに努力しておるわけであります。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 そういうことを伺つてるのじやないのです。あなたの方は追加融資をしたり、あるいはいろいろの補導育成をしたりして、あくまで延滞日歩を取立てようという考え方であられるのか、あるいはまた後日検討を加えて、これはすでに当時におけるいろいろな政治的な含みもあり、あるいは他の産業との関連等もあり、この四銭の日歩をいかに最終的に処理を行うかということについては、これはもつと検討をしようというお考え方なのか、この点をひとつお伺いをしたいと思うのであります。

石井由太郎通商産業事務官(中小企業庁振興部長)

○石井説明員 その点につきましては、延滞日歩も原則としてとれるような再建をするというのがねらいでございまするが、診断等を慎重に行いまして、なお事情によりまして、どうしても延滞日歩という大きな負担を背負つておつたのでは事業が再建できないという場合等につきましては、それぞれの事案に応じまして、あるいは軽減するという場合もあつてさしつかえないと考えておる次第であります。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 そこで、これはひとつ単なる政治論ではなく、まつたく企業診断的なことでなければならぬと思うのでありますから、私は具体的な事例を述べて御検討の資料にされていと思うのでありますが、当時はなければならなかつたところのなべとか、かまとか、いろいろ生活必需物資がりました。これをつくるために工場をつくつた。ところがその後全面的な生産復興がなつて、そんなものをつくつても売れないからつくらないという形になつておる。当時百万円なら百万円を借りて工場をつくつた。ところが今は工場が全然遊休施設になつて、稼動していないというものがあるだろうと思う。ところがこれは担保に入つておるから売ることもできない、売ろうとすれば二束三文にしか買手がないというような不良資産となつて、これが中小企業の負担になつておるものがあるだろうと思う。こういうようなものは、あなた方が将来企業診断をされて、結局これは借りた金でつくつたのだが、当時は大いに役に立つたが、現在は使命を果して遊んでおる、こういうようなものは、なるほど河野さんのおつしやつたように、国民の血税による貴重なお金でありますから、棒引きするわけには参らぬが、そうかといつて、あくまでも現金でなければならぬということでなく、やはりその実情に即して、そのつくつたものがいらぬというようになつたとすれば、経済の自然の推移に従つてこういうことが生じて来たのだから、そごは国家が責任を負うとか政治的な配慮を加えるという立場において、そういうような施設をやはり債権の見返り該当額としてこれを償却するの措置、こういうようなことも私は必要ではないかと思うわけであります。いずれにしても二十四億五千七百万円というもの、件数にいたしまして四千件近いものが、中小企業に対して現在重苦しい問題になつておる。ほうつておくとだんだん借金がたまつて行く、早急に償還できるものもあるでしようが、当分望みのないものもあるだろう、そういうものに対してもやはり政治の恩典を与えて行くということは、これは当然考えられていいと思う。今河野銀行局長は血税だ血税だと言われておりますけれども、われわれも血税の認識において、あなたに劣るものではない。けれどもその同じ血税が他の業者にはずいぶん有利に償却されておるもの少しとしないのです。一つ二つ同じようなケースを申し上げれば、造船融資の問題がそこにあり、造船等利子補給の問題がそこにある。また炭住の利子補給の問題があるわけです。このことは法律が現在こういう形になつておりますから、この法律の範囲内において、この程度の答弁しかあなた方からは願えないかもしれないが、法律などというものは、毎日われわれはつくつたり直したりしている。何もそう大したものではない。だから国民全体が必要であればいつでも改正できるのだが、いかにこれを改正し、実情に即したものにして行くかということは、やはりその衝に携わるあなた方の御意見とわれわれの実際の調査と合致しなければならぬと思う。そこで私が申し述べたいことは、ただいま河野さんは、元本を先にとつておるケースも皆無ではないとおつしやつておりますが、私はそういうことはないのではないかと思う。現在これに関係する法律の中では、利子を先にとる、それからでなければ元本の償還には充当しないという政令か何かあるのではないかと思うのでありまするが、開眼当局からお伺いしたいことは、元本はどういう場合に先にとるのであるか。現にとつておる実例があるのであるか。あるのであればその大体の件数というものは相当の数に上つておるかどうか。この点ひとつこの機会に御答弁願いたいと思います。

乾信日本開発銀行理事

○乾説明員 ただいまの元本の返済の順位の問題ですが、開銀といたしましても、復金からの承継分の貸付は、これは国家資金でございますので、その取扱いは慎重に扱つてはおりますが、債務者の事情としましては、非常に誠意をもつて、しかも経済上の内容が非常に誠意があり、一生懸命にやつておりながら、しかもどうしても回収金額が元本並びに利息に満たないというようなごく特殊な場合に限つてやつております。件数につきましては、ただいま私ここでは記憶がございませんので、また詳細調べた上でお答えいたしたいと思います。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 中小企業が誠実に経営しておるものについては云々という御答弁でございますが、中小企業みたいなものでふざけて経営をしておるものはありません。労働者より働くくらいに一生懸命に働いておる。そうしてやりくりができないで、借金が返せないというのが偽らざる現状なんです。そこで誠実にやつておるかやつていないとかいう認定は、あなた方が立てられるはずはない。しよつちゆうあなた方がその企業体を調査されるとかなんとかいうことであれば何でありましようが、さらでだに忙しい銀行業務の中で、しかも八年間、渋滞しておる企業体の責任者が誠実であるか不誠実であるか、勤勉であるか怠惰であるか、そんなことはわかるはずがない。だからそういうような場合には、元本を優先して償還に充てるなどというようなことを今言つておられるけれども、あれはうそである。そんなことはやり得るはずがない。そんな監督ができるはずがない。そんな裁量は、末端の窓口代理店においては私は許されていないと思う。やはり一つの基準の要綱に基いての処理がなされておると思うのであります。そこで私は河野銀行局長に最高の責任者として特にお答えをいただきたいことは、現実に八箇年も返せないという事柄は、こすいとか横着なのもあるかしらないが、大体において返し得ないのである。それだけの余剰の利益を生むことができなかつたと見るのが至当である。中小企業の動態調査については、先般本会議においても私は訴えたところでありますが、中小企業の困窮は、手形交換所においての不渡りという現実の姿となつて現われております。しよせんはこの問題をもあわせて処理しなければならないとするならば、やはりこの際返す気のあるものは返し得るの方策を立ててやる必要があると思う。返そうという意思のあるものには返し得るの窓口を開いてやらなければならない。だからそのためには、まず返そうと思うならば、ひとつ元金を先に受入れてやろうじやないか、新しく利子の発生することをここで防いでやろうじやないか、こういりような国家的見地からいつて、高度の政治的視野に立つたところの処理がなされていいと思うのであります。従いまして、この際何らかの新しい通達を発せられて、復金融資の分については、早急に償還の見込みの立たないものについては、特に元本を優先償還することができるという通達を発せられて、この問題を少しずつでも解決の方向へと押し寄せて行かれる御意思はないか、この点お伺いしたいと思います。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 同じお答えを繰返すことになりまして恐縮であるということを、あらかじめお断りいたしておきます。たびたび申し上げております通り、個々の実情に応じて措置はいたしたいと私は考えております。しかしながらこれらの問題を、八年間払えないような状態にあるのだから、これはもう一律に元本を先にとれ、利子は負けてやれといつたような措置をとることはできないのでありまして、個々の事情によつてこれらの問題については措置をいたして行くということを、同じことをお答え申すようで恐縮ですが、そう申し上げざるを得ないのであります。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 私は利子を負けろというのではないのです。とにかく国家の資金を国民に融資しておるのだから、損とか得とかいう問題ではないのです。現在では利子を先にとらなければ元本を受取らないのです。だからだんだん新しい利子が発生して行くのです。だから当該債務者においてこれを償還したいという熱意があつても、その熱意が現実にはそがれてしまつて、結局返すこともならず、ほかの方面に利子が流用されております。だから元金を先へ返すという事柄は、やはりこの問題の解決を促進する上において欠けることのできないところの一つの方策であると考える。だからこの際新しい何らかの示達を発せられて、この復金の渋滞債権については、相当の理由のあるものについては、その元本を優先受入れることを認める、こういう措置を講じて、今までの利子は利子として逐次残されては行くけれども、利子についてはまた新しい利子を発生して参りませんから、従つてその負担がだんだんふえて行くということが一応せきとめられるのです。具体的にはそれだけでも償還意欲をそそり、償還を可能ならしめる、こういう形で私は貢献するところが大きいと思う。一つは国で債権を回収し、一つは中小企業者がその負担から回避できるというこの二つの成果が収められると思うのだが、そういうような方法をおやりになることはできませんか。できないとすれば、なぜそんなくらいのことができないのか。他の問題ではずいぶん思い切つた措置が講じられておるが、今ほんとうに破綻にあえいでおる中小企業者に対してのはなかなかその鉄則をゆるめることができないということは、国民の側からして納得できないと思うのだが、この問題について利子を負けろと言うのではない。新しい利子の発生を防ぐために、こういうような方法をおとりになつてはどうか、このことを申し上げておるのでありますから、ひとつその点について重ねて御答弁をお願い申し上げます。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 同じことをお答え申し上げることになりますが、私はやはりそういつた問題は、個々の事情によつて解決すべきものだと考えております。先ほどの御質問に対して開銀当局からもお答え申し上げましたが、現にそういう措置がとられておるものがあるのです。これは春日委員のお話によれば、そういうことは判断できやせぬじやないかというお話でありますが、個々に判断できるものもあると私は思います。個々において、これは元本を先に入れさせることの方が再建上非常にいいのだというものについては現にやつております。資料がありませんので、実は開発銀行当局もはつきりしたお答えができなかつたと思いますけれども、やつておりますことはうそではありません。そういつたことで、個々の事情によつてのそういう措置の方が、全体的に再建をやつて行くためにいいのだということであれば、そういう措置は今後といえどもとつて行く。なおどうしてそういうことを一律にやらないのだというお話でありますが、これは私どもとしては、やはり金融のらち内で問題を解決する限りにおいては、そういう一律的の措置をとるべきでない。非常に冷酷なようなお話を申し上げて恐縮でありますけれども、これは必ずしも中小企業者だからといつて、そういつた金融のらちを越えたような措置をとるべきでないのであつて、延滞をしておるもの、しかも非常に苦しい状態にあるものは、やはり大企業においても同じようにあると思う。そういうものについても同じような考え方をするかどうかということは、金融のらちを越えた措置をするかしないかの問題です。金融のらちの範囲内においてこれを措置する限りにおいては、私はやはり個々の問題としてこの措置をいたして行くよりしかたがない、かように考えている次第であります。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 問題が一つ明らかになつたと思うのでありますが、そういたしますと、現実の問題としては、元来優先償還の道はある、しこうしてそれは個々の事情によるわけであるが、すなわち債務者はやはり自分の経営状態の実情を申し述べて、そうして元本の優先償還の申請をそれぞれの機関に発し得るということに理解してさしつかえありませんか。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 現にお答え申し上げた通りでありまして、現在の取扱いを私は今詳細に記憶いたしておりませんが、金額の割合小さいものにつきましては、代理店限りにおいてそういう措置が行い得るようにしてあるわけであります。詳しいことは開発銀行当局からお聞き取り願いたいのでありますが、個々の事情によつて元本に先に充当する道は開かれておる。しかし先ほど来たびたび申し上げますように、これは金融の原則ではありませんから、大事な政府資金を預かつている立場もありますし、そういうことを非常にゆるやかにはやれない。個々の事情によつてやむを得ない措置としてそういうことが許される場合には、例外的にそういう措置をとつて行く、こういうことでありますので、非常にルーズにそういう措置をとつて行くということは、適当でないと私は考えております。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 ただいまの御答弁は、われわれの訴えんとするところの主張に答えておりません。私はルーズとかなんとかいう問題は、やはり問題の発端にさかのぼつて検討されなければならぬと思います。これは私が冒頭に申し上げました通り、やはり戦時補償が打切られてしまつたということ、特に中小商工業者は、それで打切られたところの債務というものはないのであります。たとえばその当時の中小企業というものは、ほとんど軍の工場の下請工場になつておるのであります。従つて親工場から金をもらうという債権は相当あつたのだが、戦時補償が打切られてしまつておる、従つて債権は打切られたが、債務というものは何も打切られてはいない。しかも債権は大きいものが打切られております。たとえば火災保険なんというものは、打切られてしまつてもらえない。だから中小企業と大企業は戦時補償の打切りにおいて、はなはだしく不均衡な立場に置かれておる。大企業においては債権、債務、両方とも持つておつたのを、打切られてしまつたのでありましようが、中小企業は払わなければならぬものは当然払わなければならぬ。たとえば下請工場、材料屋さんだとか、工賃だとか、これは当然支払いの義務をやはりずつと持続してその責任を果して参つた。ところがもらわなければならぬところの親工場からは、戦時補償の打切りによつて、請求したつて金をもらえなかつた状態です。燃えた工場を再建しようと思つたつて、保険金はもらえなかつた。こういう状況下において、中小企業に対しては特別の措置を講じなければならないということは、復金法の審議の中においてつまびらかにされておる事柄なんです。しこうして大きな信用もほとんどないようなものは、とても金融ベースでは融資の対象にならないから、従つて国家的見地において政策融資を行うのだということを明確にされておる。そしてこれはあくまで金融ベスーで手きびしく苛酷に取立てて行くというあなたの考え方というものは、ほんとうの本法の精神というものは何ら御理解になつていない証左であります。法律の精神というものは、条文を尊重すると同じように、やはり尊重しなければならないと思います。そこで申し述べたいことは、やはりこの精神の上に立つて物事を処理しようと思えば、金融ベースによつてルーズに取扱うとかなんとかということでなくて、八年間も返済ができないような状態は、これははなはだ苦しい状態であると断定して誤りがありません。従つてこういうような苦しい対象に対していかに措置するかということになれば、温情ゆたかな処理ということについてだれも国民として怒る者はありません。そこで温情ゆたかな処理という形になりますれば、ちやらんぽらんであつてはならないが、ただいま申しますように、中にはつぶれてしまつて、とろうと思つてもとれないものもある。そういうものを追究しようと思つても今は相手がいないのですからできないのです。それくらい危険な融資であつたのです。金融機関が貸そうと思つても貸せないものに、あえて危険を冒して貸して来た。従いまして、やはりそういうような全然とれないものもあるし、誠実に払つたものもあるのだから、その中間をとつて、残存分に対する処理ということになつて参りますならば、やはり返し得るような、可能なあらゆる道を開いてやるということに政策が帰一しなければならないと思います。そこで特に私が先ほど来質問しておることは、そういうような全体的な立場からこれを考えて行くならは、元本を優先償還に充てるということは決して行き過ぎでもないし、また国民の血税をみだりに私するものでもないのです。従つてさ小な金額ということを言つておられるが、この小さな金額というものは大体どの程度のものが小さい金額であるのか、あるいはまた誠実に企業を行つておるというその誠実の度合いというものは、大体どの程度の内容を持つものであるか、そういうような事柄は、このあなたと私の質疑応答ではなかなか明確になりません。従つてこの委員会の質疑応答を通じて、これらの人々に対してやはり希望を持たせて行きたい。私の考えておる事柄は、やはり元本を返そうという意思があるならば、その利子をまとめて今払うことはできませんが、ほつておけばだんだんと利子がかさんで行つてさらに償還が苦しくなりますから、とりあえず元本を受取つていただきたいという申請書をその当事者から出して来たならば、それに対してやはりそれぞれの窓口機関は審査を行つて、しかもこれはやむを得ないものと思うならば、元本をどんどん受入れて行つたらそれでよろしい。そういう措置を開銀が指導されて、一つはこの二十四億何がしかの回収を能率的に処理して行くと同時に、現在中小企業者の負担となつておるところの利子発生を阻止して行くというような一挙両得の効果を収め得る事柄でありますから、そういうようなことからひとつ特例をつくつてもらいたいのであります。これがどうしても行かなければ法律によつて改正しなければならないが、法律なんというものは、きようといえばきようできるのですけれども、そんなことをしなくとも、物事というものは、われわれよこしまの主張をしておるわけではないのでありますから、大体みんなが納得できる範囲内において、その公約数に基いてこそ行政措置というものは可能だと思います。ひとつこの点について、ルーズとかなんとかいうことじやなしに、元本を優先償還したいという者がその理由を付して申し出でた場合においては、それを審査の上、適当と認めるものについては元本優先償還に充当することができる、こういうぐあいにひとつお願いしたいと思うのだが、どうでありますか。もう一ぺんひとつ誠意ある御答弁をお願いしたいと思います。私が声をからして同じようなことを言わなくとも、大体物事というものは、ほかの事柄とも関連して、あまりひどくないことは、困つておる人たち、あえいでおる人たちに対しては、大体のところにおいて政府のあたたかさを示してやられなければこれは政治になりませんよ。まるで高利貸しみたいなことになつてしまう。この問題についてはつきり願つておきたい。どうしてもいけなければ、何らかの措置を講じて、とにかくこの中小企業の政策問題として、一般的な法律の基準を打出して行かなければならぬと思うわけでありますから、これについてひとつ御答弁を願いたい。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 今の春日さんのお話と私が申し上げているところはそう違つていない、開きはないと思います。私もそういう取扱いは現に行われているということを申し上げておりますし、それが乱に流れるかどうかということは、結局度合いの問題だと私は思います。ただ春日さんのおつしやるように、中小企業者の立場に対して、できるだけ同情的な気持でこれらの問題の処置に当れというお話でありますから、その点は真剣に私ども考えて参らなければならぬ、かように考えておる次第でありまして、私はそう春日さんのお話と開きはないと思つております。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 今の御答弁によると、ようやく満足を得られるので、大体了解をいたしました。すなわちこの復金から借りておりますところの人たちは、できるだけ早くその借金を返済することのために、特に理由を付して申請した場合には、元本を優先償還に充当されることができる、こういうぐあいに理解をいたしまして私の質問を終りますが、相願わくは、この復金の問題といい、見返り資金の問題といい、開銀の問題といい、やはり政策融資でありまする限りにおいて、この回収にあたつても、高度の政治的な配慮がこれに伴つて行われることが必要であろうと考えますので、通産、大蔵両省におかれましては、中小企業救済の対象の一環の施策として、これらの問題についても抜本塞源的な、基本的な対策をお立てになりまして、かつて国家に貢献するところの意味で借りた借金の苦にあえいでおるこの人たちに対して、十分救済の手を延べられることのために御善処あらんことを強く要望いたしまして、私の質問を終ります。

坊秀男自由党

○坊委員長代理 小川豊明君

小川豊明日本社会党(左)

○小川(豊)委員 この出資の受入れの問題ですが、この間修正案が出て、それをめぐつていろいろ論議して大体帰結点が出て来た。そこでこれを党に帰つて報告したわけですが、その報告点の中で二、三の疑義がありましたので、さらに帰つて速記録を読んでみたのです、そうするとこの中て二点私ははつきりしておきたいと思うのは、この間からの質疑応答の中で、不特定多数から受入れるのはさしつかえないのだという答弁があつた。それから貸金業を行うこともさしつかえないのだ、こういう答弁もあつた。そうすると残つて来るのは、誇大な、欺瞞するような広告という一点と金利の問題——これは決定していませんが、この金利の問題と、二点がこの法案の骨子になつて来る、要約されてそういうふうになつて来るのです。私はさらに再度ここで念を押しておきたいのは、不特定多数から受入れてもいいのだ、それから貸金業を行つてもいいのだというあなたの御答弁は、そのまま了解して行くと、今言つた二点に要約されて来る、そう了解してよろしいかどうか、この点であります。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 小川さんのお尋ねは、おそらくこの第一条の問題だと思います。第二条は御承知のように、不特定多数の者から預かり金をしてはいけない、第一条の出資の方は、不特定多数の者から出資を受入れること自体はさしつかえございません。ただ受入れ方が相手を欺瞞するようなことがあつてはいけない、こういうことであります。  それからこの法案の骨子は、第一条の出資を欺瞞する方法で受入れてはいかぬということと、高金利を抑制するということ、この二つが大きな柱であるかというお話でありますが、そうお考え願つていいのです。ただもう一つ問題になりますことは、正規の金融機関であらざるものは預かり金をしてはならないということの規定が第二条にありますか、それかこの法案の大きな柱になつていることは事実であります。

小川豊明日本社会党(左)

○小川(豊)委員 そうすると、不特定多数の出資はよろしい、ただ預かり金をしてはならない、それはわかりました。そうすると、あとは不特定多数から預かり金をしてはいけないということと、それから誇大な広告等によつて欺瞞するような方法を用いてはいけないということと、それから高金利を抑制する、この三点が骨子になつて来ますね。そう了解してよろしゆうございますか。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 その通りであります。誤解がないように申し上げておきますが、第一条の欺瞞をする方法で受入れてはならぬというのは出資の問題、第二条は預かり金の問題、これは欺瞞する方法のいかんにかかわらず、不特定多数から預かり金をしてはならぬということであります。

坊秀男自由党

○坊委員長代理 福田繁芳君。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 いよいよ会期も迫つて参つたので、当委員会において大蔵政務次官と銀行局長とともに御同席を願つてわれわれが御意見を伺うことは、おそらくきようが最後と思う。そこで私は一応今国会の懸案になつておりまする問題に関してお伺いいたしたい。それはほかでもありませんが、先ほど春日君が御質問しておりますところの中小企業の金融対策であります。ちようど浪花節の文句ではありませんが、二月ほど前、昭和二十九年三月十六日の当委員会において中小企業金融緊急対策に関する決議といたしまして、もう一度速記録に残す関係上読み上げます。  「最近の急激な金融引締政策の強化は、中小企業に不当にそのしわ寄せをし、ために小額不渡手形を激増させるとともに、中小企業者の倒産を続出させている。このような傾は、今後緊縮予算の実施と財政の引揚超過継続とともに、ますます激化するおそれがある。   よつて本委員会は、中小金融専門機関に対し今後期限の到来する指定預金の引揚を孤期する等今後の推移に応じ、預託その他臨機適切なる対策を実施せられるよう、政府に要望する。  こういう要望書を大蔵当局に御提出したことは御両人とも御承知の通りであります。その当時大蔵政務次官並びに河野銀行局長は、申入れの趣旨はよく了承できる、ただ問題は、これからの金融界の推移をながめて御参考にいたしましよう。こう御答弁に相なられたのであります。前段に申し上げました三月十六日のその当時の金融情勢に基いて本委員会は決議いたしたのでありますが、それからちようど二箇月たちました。そこで私はまず政務次官に伺いたいのでありますが、この二箇月間に金融界にどういうところの推移が生じて来たか。露骨に申しますと、私たちが考えますのに、三月の半ば以来約二箇月というものは、ますます中小企業は逼迫して参つた。二、三箇月前に東京都内の中小企業の店舗でもどうにかこうにかのれんをあげてやつておつたところが、最近はぼつぼつ戸を締めておる。のみならずそれが売家になつておる、貸家になつておる。そういうのもあちこちに見ることができる。なおかつ聞くところによりますと、小額の不渡り手形の数は、あるいは量は、二箇月前から考えるとむしろ激増しておるような傾向をわれわれは聞いたり、見たりしておるのでありますが、これはまつたくしろうと考えでありますか。大蔵政務次官はこれに対してどういうような見解を持つておられるかということをまず劈頭に伺いたいと思う。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 中小企業に対する対策の問題につきましては、ただいまお述べになりましたような前回の当委員会の御決議の趣旨もあり、われわれといたしましてはその趣旨を尊重いたしまして、政府の考えております今後の金融施策に十二分に参考にして参りたい、こうした態度で常に臨んでおるのでございます。  仰せのごとく、その後金融情勢が非常に中小企業に対して楽になつたかと申しますと、決してそうは申せません。引続きなかなか苦しい状態にあることは承知しております。しかしながら四月の実績を見ますと、民間の資金収支の状態を見ましても、相当多額の政府資金の散布超過に相なつております。かような状態でもございますし、われわれといたしましては、この際といたしまして、まだただちに従来の方針をにわかに緩和すべき時期に来ておるとは考えておらないということを申し上げておく次第でございます。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 ただいま政務次官の後答弁で、われわれの申入れ、いわゆる要望事項に対してはこれをごもつともとして、参考資料にして対策を立てておられるという点は、私も敬意を表します。  そこで後段の答えは——あなたは一足飛びにこれから私が伺おうとすることをお答えになられたわけでありますが、さすれば銀行局長に伺いたいのであります。この要望書に「今後期限の到来する指定預金の引揚を延期する」という点があつたのでありますが、これはどういうように延期対策をおとりになられましたか。過去二箇月、三月十六日を基準にして今日までの間、あるいは今後の見通しをちよつと伺いたいと思う。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 これは御案内のように、三月末で指定預金の残高はすべて引揚げることに実はなつておつたのでありますが、最近この中小企業の状況等を考えまして、これを九月末までに均等して引揚げて行くという措置に改めたのであります。それを改めました後におきまして、さらにそれを延期するとか引揚げを停止するという措置はいまだにとつておりません。今後の状況を見た上で処置をいたしたいと考えている次第であります。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 銀行局長になお参考に伺つておきたいのでありますが、この預託金の三月末に引揚げ予定のを九月末に均等に繰延べられたとおつしやるのでありますが、この総額は幾らになりますか。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 ちよつとはつきりした数字を覚えておりませんが、大体三月末において百億足らず、九十九億ではなかつたかと思います。それから四月末が十数億引揚げましたから約八十三、四億の残高ではないかと思います。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 ただいまお示しになつた数字も、われわれは大体さようだと思つて参考に伺つたので、了承いたしておきます。  そこで銀行局長に伺いたいのでありますが、先ほど政務次官も言われましたごとくに、依然として三月末、四月、五月、もちろんこの四月に政府資金の散布超過されたことはわれわれも了承するのでありますが、事実上中小企業にはまだまだしわ寄せされて、言いかえれば非常にきゆうくつに、一歩一歩深刻になりつつあるのであります。そこで銀行局長に尋ねますが、こういつた中小企業金融機関と申しますか、相互銀行とか信用金庫、こういつたところのほんとうに零細なる中小企業の金融機関から大蔵当局に対しまして、三月末の預託金の引揚げを延期さしてくださつた好意は非常に多とする、しかしながらそれではまだまだ中小企業の金融が救われないのだから、何とかいたしてこれを打開するために新しい預託をぜひしてもらわないと、信用金庫なり相互銀行の職責を果すには十分ではないという御陳情があつたかなかつたかということを聞きたいと思う。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 両者ともたびたび強い要望を受けております。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 実際の社会の実情は今申したように、中小企業が非常に金詰まりで、不渡り手形がどんどん出て倒産者も続出している。同時にそういう大衆を相手にしているところの零細金融機関は、大蔵当局にぜひとも新規預託をしてくれという痛烈な、悲壮なる陳情がどんどんされておると言われておる。そこで政務次官並びに銀行局長に伺いたいのでありますが、社会はそうであり、金融機関はそうであり、大蔵委員会も院議としてあなたの方にお申出をしておるのでありますが、それででも新規預託をされようとなさらないか、一応その時期ではないかと思つて十分検討しているのだ、こうお答えになられますか、いずれか率直な御答弁を願いたいと思う。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 われわれといたしましてはその点につきまして十分研究もし、苦慮もいたしておるのでありますが、まだこの際の状況におきましては、ただちに緩和すべき時期ではない、かように考えております。従つてこの金融引締めの政策を変更する意思はただいまのところまだ持つてない。従つて新しい預託をするとか、あるいはただいままでに一応計画しておりますところの月々の引揚げ計画はその通り実行して参りたい、かように存じておる次第でございます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 関連して。ただいま大蔵政務次官は、金融引締めは当分まだ強化して行く、こういう御方針らしいのでございますが、一体いつまで強化をする方針でございますか。それといま一つは、政府の金融引締め並びに融資の方針によりまして、わが国の産業資金の動向がどう一体具体的に現われておりますか。たとえば政府の融資方針の資料を見ますと、不要不急の産業には投資をすることはならぬ、また金融はできるだけやめてもらいたいという通達がされておりますが、それによつて具体的にどういう産業に資金が集中して行き、そうしてその産業のどういう部面が産業的には近代化の方向をたどりつつあるか、いわゆる国際収支の改善への方途の具体的な事例をお持ちでございますか。それがないと、単に金融引締めが中小企業の弱い面だけにしわ寄せされて、売り手としての立場を極度に圧迫して、投売りから倒産に持つて行く、そのことで全体の物価が下つて行くという現象しか現われてないので、物価の本質的な商品価値を高めて、商品生産コストを下げて行くという方向への具体的な措置がまだ現われていない。いわゆる投売りや倒産による物価の引下げが現実の姿となつて現われておつて、商品コスト自身を引下げる本質的な生産力の向上への姿が出てない。これをどう一体あなた方はお考えになつておるか。それから具体的に金融引締めをやつた結果、またその金融が政府の言う国際貿易を振興さす方向の産業に、生産力増強の方面にこういうぐあいに具体的に現われて、その結果こういうぐあいに物価も下りつつある、こういうことでなかつたら、結局弱い者いじめの金融引締めになつてしまう。こういう具体的な事例があがつておりますか。すでに昨年末以来やつておりまして、もう半年近くになりますので、具体的な事例が現われて来なければならぬが、それがどう現われておりますか、それをお示しを願いたい。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 昨年秋以来の金融引締め方策によつてであろうと考えるのでございますが、本年の二月をおおむね境といたしまして、その後卸売物価指数は幸いにして漸次下落の方向にございます。最近までの統計によりますと、四%強の下落を示しておるようでありますが、しかしこれがほんとうに小売物価にまでも及んで来て、そうして物価が一般に下つて来ているという統計は、まだはつきり現われていないように思われるのがはなはだ遺憾なのでございます。仰せのごとく単に投売りその他によつて物価が下つて行くということは非常に残念なことでありまして、それこそ仰せのごとく生産の合理化、コストの引下げによつて物価が下つて行くということはぜひとも期待しておるところであります。この点につきましては、金融の引締めもさることながら、決して金融の引締めだけでもつて、物価引下げの政府の考えております施策が実行されるとは考えておりません。従つて各省それぞれの産業関係の省におきましては施策を漸次実現いたしまして、そうして一般的にほんとうに生産費が下つて行く、コストが下るというようになることを期待しておるのであります。だんだんと各省でもこうした方策についての研究を始め、しかも実施に移しつつある状況でありまして、これが今後ともなお一層進捗して参ることを期待するのであります。またこの金融施策の問題は、政府側あるいは金融機関側だけの考え方ではどうしてもいけないのでありまして、ぜひとも国民の各階層の皆さんが日本の国の実情を御反省願い御認識願つて、そうしてほんとうにそれこそ苦しい中からも合理化、コストの引下げに協力をしていただくということが必要であろうと考えておる次第であります。政府が開発銀行等からいろいろと金融をいたします場合に、重点を置いておりますところの産業は、船舶でありますとか、あるいは石炭でありますとか、あるいは電気でありますとか、こうした中にやつておりますが、しかしこうした重要産業につきましても、それでは十分にやつておるかと申しますと、やはり全体の資金のわくを縮めたいという考え方から相当きゆうくつな思いをしてもらつておる、従つてこれらの重点産業におきましても、コストの切下げ、あるいは工事費の単価切下げ等について非常な苦心をしておられる、この点は政府も認めるものでありますが、なお一層の努力をしていただきたい、かように考えております。一般の産業についても、同様にぜひともひとつ日本経済状態に対する理解を深めてもらつて、それでお互いに創意くふうをこらしてコストの引下げをはかつていただこう、これが政府のほんとうに念願しておるところなのでございます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 問題はそういう抽象的なことではいかぬと思うのです。具体的に、たとえばわが国の基幹産業たる石炭、鉄、肥料、こういうものを、政府の金融引締めの方針なり財政投融資の関係から考えて、これをやればどれだけ下るということでなかつたらいかぬと思うのです。そういう具体的なことが計画され、資金的にもそれが裏づけされて行くということでなかつたら、本質発な物価引下げにはならぬ。だから問題は、炭鉱なら炭鉱に対してこれだけの融資をする、この融資は炭鉱の縦坑なら縦坑の開発に対してやる、その結果石炭はこれだけ安くなる、三箇月後なり六箇月後にはこれだけ安くなる、だから他の産業の不要不急の資金は全部これにつぎ込んで、石炭を安くしなければいかぬ、同時に電力も安くしなければいかぬ、鉄鋼も安くしなければいかぬということに、国民も期待し、政府の金融引締めに対して協力しようとしておる。ところがそれが具体的に現われていなければ、結局それは金融引締めが全部中小企業、全体国民の経済の犠牲において行われておることであつて、本質的な問題にならぬのです。だから政務次官は具体的に、たとえば石炭はこれだけ下つた、こういう施設をやり、これだけの資金を投じてこういう施設に改めた結果、石炭はこれだけ下る、また下らさねばならぬ、今は下らぬけれども、これが完成した後においてはこれだけ下る、電力においても鉄鋼においてもこうなるのだということでなかつたら、多くの国民の犠牲によつて、いわゆる国が産業再建をやろうとする方向と相反することになりますから、その点をあなたに伺つておるのです。そういう点に対して大蔵当局は一体具体的にどう指示し、具体的にそういうことを実行に移そうとしておるか、逆に伺えば、近く電気料金を値上げするということが通産省で計画されておる。そういうことがかりに許されるということになつたならば、何にもならぬことになつちまう。あるいはまた、これは卑近な例でありますけれども、御存じのように、砂糖の政府の外貨割当が足踏みをしておるところから、砂糖はまた非常な値上げをして来ておるではありませんか。現実にあなた方のやつておることは、言うておることと実際は違うのです。あなたは今物価が四分ほど下つたと言うけれども、その四分下つたのは投売り倒産による値下りであります。そういう投売り倒産による値下りを、物価が下つたのだ、下つたのだと言うたのでは——それはあなたその犠牲によつて下つたのだ。だからそこをあなたの方ではもう少し具体的に、通産省の方なり関係省と連絡をされて、これだけの資本をこういう方面に有効に使つた結果、こうなるのだということを国民に知らさぬで、国民の協力を求めるといつたつて、国民はどうして協力できます。その点をあなたに伺つておるのです。そこをひとつ御説明を願いたい。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 電気でありますとか石炭でありますとか、今御指摘になりましたような基幹的な産業につきましての合理化ないし価格の引下げの計画等につきましては、当該主務省におきましてそれぞれだんだんと計画を具体化し、かつそれに着手しておるものでございます。しかし私不敏にしてその点詳細存じておりませんので、当該所管の政府委員からお答え申し上げたいと存じます。

坊秀男自由党

○坊委員長代理 柴田義男君。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 今の問題は私どもも伺いたいところでございまするけれども、根本的にこの問題を解明いたしまするには相当時間が食うと思いますので、私は別な角度からこの政府の金融に対する問題を一つ二つ具体的に伺つてみたいと思います。その政府の意図されておる金融の引締めというのは、結果においては中小企業者にしわ寄せになつておるということは、もうあらゆる実例でこれは証明しておると思うのですが、たとえば政府が意図しておられるように、日本銀行に依存しないで金融の正常化をはかる、こういう目的でございまするけれども、現実には都市の大銀行の総領金額と貸出しの状況を見ますると、やはりここにもオーバー・ローンの相当金額が見受けられるのであります。このいわゆる都市銀行の総領金額とそれから貸出しの状況というものは、大体三月末の現在でどれだけオーバー・ローンになつておりましようか、具体的な数字を伺いたいと思います。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 ちよつと今手元に資料を持つておりませんが、大体預金一〇〇に対して貸出しが一〇二、三くらいではなかつたかと思います。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 その比率でなく、たとえば三月末日に一兆四、五千億の預金があるように、大体そういう記憶があるのですが、そういたしまして、一千万くらいのオーバー・ローンになつておるのか、一千五百万くらいのオーバー・ローンになつておるのか、概算でけつこうなんですが、おわかりでございますればお示しを願いたい。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 これも数字でお答え申し上げるのがいいのでありますが、大体銀行の総預金が二兆七千億くらいじやないかと思います。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 大都市の都市銀行と地方銀行とわけて言つているのです。それがぼくのねらいなんです。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 これも数字について申し上げた方がいいと思いまするが、ちよつと今手元に資料がございません。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 その数字は別といたしまして、今私の記憶では、都市銀行の方がオーバー・ローンが解消しておらぬ、こういう現実なんです。そういたしまして、反面地方銀行に対しましては日銀の援助がそれほどございませんし、日銀から援助をもらわない、大蔵省の御方針を遵奉しておる。遵奉しておる結果といたしまして、大体地方銀行というものは預金の八〇%ないし七五%くらいの貸付をやつておる、地方銀行によつては九〇%のものもございましようが、大体それを遵奉しておる。こういうまじめな地方銀行に対する政府の対策としてわれわれが望むところは、いわゆる預託金のことを考えてもらわなければならぬ。これが本委員会における総意として要請されておるわけなんです。だけれども、それを実行に移してもらえぬ。こういう状態である場合には、政府の意図しておるこの方針というものは、地方銀行にだけこれを強要して、大都市銀行に対しましてはさらにそれが反映しておらぬという結果を生むのではないか、こう考えるのですが、そのお考えはいかがでございますか。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 大銀行と地方銀行との間においていわゆるオーバー・ローンと申しますか、預金に対する貸出しの率が高いということは、これはお話の通りであります。この数字は申し上げませんが、これは大勢としてその通りであります。ただ問題は、私どもはやはり大銀行のこういつたオーバー・ローンの状況をできるだけすみやかなる時期において、できるだけ円滑なる方法で解消させたいという方向へ実は考えておるのでありまして、これらの問題についても、私ども一、二の提案もいたしたことはありますが、今後におきましても、こういつた問題についてさらにいわゆるオーバー・ローンの解消の問題として今後とも検討を加え、できるだけ早い時期において適当なる方法の実施を行つて参りたい、かように考えております。しかしながら大都市の大銀行、都市銀行におきましてオーバー・ローンの状態があるのだから、地方銀行においてもオーバー・ローンの状態を認めろということは、これは私は適当ではないと思うのでありまして、やはり都市銀行におけるオーバー・ローンの状態をできるだけ直して行く、そうして本来地方の銀行にあるような預金と貸出しとの関係に限つて行くということが金融政策としては適当な方法ではないか、かように考えておるわけであります。  ただ御提案のような指定預金の問題等につきましては、これは地方銀行という中小金融に対するウエートの大きい機関を十分頭に置いて考えて参らなければならぬということはありますけれども、指定預金全体に対する方策自体につきまして、先ほど政務次官からもお答えがあつたようなことで、金融一般を引締めて行くという現在の方針のもとにおいて、今ただちにそういつたことをやることがいいか悪いかの問題について、さらに私どもは検討しなければならぬと考えております。そういつた別途な問題として考えて参りたいと考えております。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 私は、都市銀行がオーバー・ローンがまだ解消できないから、それによつて地方銀行に対してもオーバー・ローンをやれ、こういう議論では決してないのでありまして、結局このオーバー・ローン解消という方針そのものはわれわれも是認するものでありますが、ただ現在の地方銀行があまりにも辛辣な金融の引締めをやることによつて生じましたものは、あのやみ金融なんです。こういう関連が出て来るわけなんです。地方銀行の得意と申しましようか、相手と申しますものは中小企業者が圧倒的に多い。これは大都市銀行から見ました相手というものはやはり大事業、大産業資本家というものが多いし、地方銀行の相手というものは中小企業者なのだ。その中小企業の金融の引締めが辛辣になつた場合に生れて出て来るのはやみ金融なのだ。こういう一連の関連がございますので、オーバー・ローンをやれということまではわれわれは望まぬにいたしましても、少くとも政府に地方銀行のめんどうを見てもらわなければならぬ。そういう観点からやはり政府預託金をある程度——放漫な方法ではいかぬのでありますが、今までやつておつたものを急速に全部を引揚げるというような対策はあまりにも乱暴過ぎる。相当額は、少くも二百億ぐらいの政府預託金というものは常にこの銀行にあつていい、これを一切引揚げるというような方途というものは、これは中小企業関係にのみしわ寄せをさせる原因である。   〔坊委員長代理退席、山本(勝)委員長代理着席〕 そういうことから、先ほど同僚井上委員が申しましたように、物価の引下げ政策なんというものも根本的な引下げが行われないで、破産倒産による投売りとか捨売りというようなものによつてのみ物価の引下げが比率の上に現われて来ておる。こういうことではいけないということをわれわれは考えるのですが、この点を銀行局長はもう少しあたたかい気持で、中小企業と地方銀行というものは非常に密接な関連があるということを御承知のはずなのだから、もう一度お考えの上で、ひとつほんとうの腹の中をわれわれに教えてもらいたいと思うのです。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 この点は、私どもは中小金融というものに対してできるだけ円滑なる疏通、必要なる方途を講ずるということにはできるだけ努力をいたして参つたつもりであります。今後も努力をいたさなければならぬと考えております。ただその方法として、指定預金をさらに新しくするとか、あるいは現在引揚げ計画がありますその指定預金の引揚げを停止する、そういつた措置としてこの問題を取上げるについては、先ほど来申し上げましたように、金融政策全体について今とつております政府の方針から見まして、今ただちにそういつた大きな転換をするということはいかがであろう、さらに今後の推移を見た上で慎重に検討しなければならぬ、こう申し上げておる次第でありまして、今ここで、いついつ地方銀行に対してどの程度の指定預金をいたしますということは、腹の中にも全然考えておりません。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 もう一つ最後に伺いますが、開発銀行が昭和二十七年の一月かに復金の解散によつて承継いたしました総金額は大体どのくらいあつて——これはもしもきようお手元に資料がございませんでしたならば、あとで資料を御提出願いたいと思いますが、承継いたしました総金額——復金のものですね。そういたしまして、その総金額の内訳が、他の金融機関の窓口を経由して貸し出したものは幾らで、それから復金が直接貸したものは幾ら、こういうことを承りたいのです。それからその後に今度は中小企業公庫に引継いだ、開銀が持つておつたかつての復金の引継ぎのものが幾らあるか、これは今お持ちでございましたなら承つておきたい。

乾信日本開発銀行理事

○乾説明員 ただいまの御質問で、数字でございますが、まず最初に、引継いだ金額は、これは代理貸しと直接貸付とを合計した金額でございますが、七百八十七億四千二百七十三万三千四百四円四十銭ということになつております。それからそのうち中小事業関係に貸し出されたものは、これは概数でございますが、約九十二億。それからもう一つの御質問の代理貸しと直接貸しのそれぞれの内訳につきましては、ただいま資料が手元にございませんので、後ほどまた……。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 もう一点、代理貸しの場合は、地方銀行に責任が何十パーセントあつて、それから政府に責任が何十パーセントあるというのがありましたろう、その比率をちよつと承つておきたい。

乾信日本開発銀行理事

○乾説明員 代理貸しに関しましては、現在新しくやつておりました代理貸しにつきましては、ただいまのお話のように何パーセントという比率がございますが、当時の代理貸しにつきましては、そういうパーセンテイジによる責任限度の分担はございません。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 その責任はどつちにあるのですか。

乾信日本開発銀行理事

○乾説明員 代理店の契約によりまして、正常な代理委託契約の条項に合つた貸付をやつておりますれば、代理店は無責任ということになり、もしはずれておりました場合には、その点に関して代理店が責任を持つということになります。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 一問だけ河野銀行局長にお伺いしますが、「当面の融資方針について」の第四項貸出しの偏僑、ここでいわれておるいわゆる偏椅の貸出しというのは、大体その銀行の自己資本の何十パーセントを偏椅の貸出しと言つておるか、ちよつと承りたい。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 これはなかなか的確なる数字は申し上げかねるのでありますが、大体自己資本に対して五〇%を越えるものは明らかに大口偏僑である。しかし私どもは、銀行検査等によつて、銀行に対して大口として考えておりますものは、大体一件の金額五億円以上のものを考えております。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 自己資本の五〇%以上のものは偏椅の貸出しであると考えておられる。これはぼくはまことに重大なことだと思う。それでは五〇%以下のもの、たとえば四五%とか四〇%、あるいは三〇%、そういうものは一体偏椅な貸出しでないという通達であるかどうか、この点もう一ぺん明らかにしてもらいたい。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 この点は、五〇%以下のものは大口でないと申しておりません。ただ少くとも自己資本の五〇%を越えるようなものは、はなはだしく大口である、こう申し上げておるわけであります。この問題につきましては、先般来、いわゆる一昨々年以来金融三法の問題としていろいろ議論されて来ておる問題であります。外国の立法例等におきましても、自己資本に対する一口の貸出し金額の割合が、自己資本に対して何パーセントを越えてはならないという立法例もあるわけであります。そういう立法例等も参酌いたしまして、ある程度の案を私ども持つたことがありますが、これは法律的にきめるということになればきまりますけれども、現在法律に基かない指導といたしまして、それでは何十パーセントが適当であるかということは的確には申しかねると思います。ただ五億円以上のものは大口であるというふうなことで、銀行検査等におきましては、それらの問題については特に十分なる注意を払つて検査に当つておるということを事実として申し上げておきたいと思います。   〔「もうあしたにしろ」と呼ぶ者あり〕

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 それでは継続質問するといたしまして、ただ問題だけを提起いたしておきます。五億円以上といたしましても、たとえば千葉銀行というようなものは資本金が小さい。これは資本金あるいは各種準備金等いろいろ考えてみても小さい。そういうような場合における五億円の自己資本との対比率、たとえば三井銀行、三菱銀行というような大銀行における五億円との対比率は非常にかわつて来ると思うのであります。アメリカの市中銀行に対する融資規制は、たしか百分の十ではなかつたかと思うわけでありますが、いずれにしても、この偏僑融資とか、系列融資とか、あるいは集中融資とかいうような問題は、今や中小企業融資の問題とからみ合せて、特に金融の公共性と預金者の安全確保という立場から、大きな問題だろうと私は思うわけであります。従つて、今ここで福田君その他同僚諸君が、特に政府の指定預金を中小企業向けに預託しろというようなことを言つておりますが、このことは本委員会における痛切な要望でもございます。しかしこのことはあなた方はなかなかおやりにならない。おやりにならないとすれば、絶対通貨量というものが大きく変動しないそのわくの範囲内において、やはり中小企業融資の道を考えて行かればならぬ、問題はここに帰着すると思うのであります。そうすれば、中小企業に金がある程度行くことのためには、偏椅融資を何とか規制しなければならぬという問題が当然議題として上つて来る。そうするとこの偏僑融資、集中融資というもののパーセンテージを政府はどこに押えて行くか。あなた方の銀行調査の年鑑等の問題も参酌して本会議において私は論述しておるところであります。あなたの方の二十七年度の銀行調査によりますと、自己資本の一〇%を越えるものが全体の融資の三〇%といつておるが、そうすると二兆五千億の三〇%、七千五百億というものは、その偏僑融資のボーダー・ラインすれすれの融資に当てられることになるわけであります。それが四〇%になり五〇%になるとすれば、さらに大きな問題になつて参るのであります。従つてその全体の通貨量のわくの中において、中小企業は現実に生死の境に浮沈しておるのだから、ここに金を流して行くためには、やはり集中融資その他の線から中小企業へのパイブを太めで行かなければならぬ。このことは集中融資の限度額の大体の認定といいましようか、行政指導と申しましようか、そこに関連するところが多いと思いますが、この問題はもう時間も過ぎておりますし、さらに関連していろいろな問題を明かにしなければなりませんので、明日なり明後日なりに引続いて質問することにいたしますから、よく御検討願つておきたいと思います。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 資料をひとつお願いしたいと思います。中小企業金融公庫の業種別の貸出し状況は、資料を配付願つたのてすか、中小企業公庫かとういう方面に融資されておるか、こういうことを一通り見たいと思いますので、各県別の融資の状況を数字で、資料をもつて御提出願いたいと思います。

山本勝市自由党

○山本(勝)委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次回は明二十日午前十時より開会することといたします。  これにて散会いたします。    午後零時三十分散会

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