大蔵委員会 第50号
- 発言数
- 26 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/05/06
会議録
○千葉委員長 これより会議を開きます。 まず理事の辞任についてお諮りいたします。理事であります福田繁芳君より理事を辞任いたしたいとの申出がありますが、これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
○千葉委員長 御異議なしと認めます。よつて福田君の理事辞任は許可するに決しました。 引続き理事の補欠選任を行いますが、これは先例によりまして、選挙の手続を省略して委員長より御指名いたすことに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千葉委員長 御異議なしと認めます。それでは委員長におきましては、内藤友明君を理事に指名いたします。 —————————————
○千葉委員長 次に、企業再建整備法の一部を改正する法律案、出資の受入、預り金及び金利等の取締に関する法律案、証券取引法の一部を改正する法律案の三案を一括議題として質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許します。井上君。
○井上委員 出資の受入、預り金及び金利等の取締に関する法律案について二、三お伺いをいたします。御存じの通り、町の特殊金融機関が現在の金融法規の欠陥を縫いまして、いわゆる不特定多数の者から出資を求め、あるいはまた預かり金にひとしい行為によつて金融を行わんとしたことから、昨年夏以来非常な問題を起して参りましたが、現在政府当局の手元でこれら町の金融機関が昨年夏以来起しました支払いの停止といいますか、あるいはそのためにいろいろな問題を起こしましたが、そういうものがどういう事態になつておりますか。もつと具体的に伺いますと、たとえば警察等において調べられましたところのいわゆる町の金融機関の取調べの件数、その機関が受入れましたところの出資の受入れ、預かり金、それから支払い停止による損害額、そういうものが今日までどういう状態になつておりますか、それを政府の方に報告がございました分だけに限つて御説明をいただきたいと思います。
○河野政府委員 お答えを申し上げます。三月分中ごろ現在で、今お尋ねの問題について私どもが調べましたところを申し上げたいと思います。 便宜問題になつておりますいわゆる株主相互金融の問題と匿名組合等のいわゆる利殖機関と申しますか、そういうものとにわけて申し上げたいと思います。この二つは、御案内のように法律的性質はまるで違うのでありますけれども、この二つについて申し上げますと、株主相互金融の形態でやつておりますものが全国で三百三十七、そのうち業務を休止いたしております報告を受けておりますものが六十一であります。その休止いたしておりますものの持つております資金量と申しますか、資本量と申しますか、そういうものにつきましては、ちよつとまだ手元にはつきりした集計がございませんので、詳細申し上げかねると思いますが、数は六十一ということになつております。 それから匿名組合等の形の利殖機関、例の保全経済会のような形式のものにつきましては、全国で百二十ございますが、そのうち業務を休止いたしたというもの——これは私どもに正式に報告が参るわけではございませんが、いろいろ調べた結果、集計いたしますと五十八のものが業務を休止しておる、こういう報告に接しております。 お尋ねの第二の法律違反その他の形で起訴されたり、あるいは検挙されたりしたものの件数でありますが、これは詳細は法務省の方からお聞き願つた方があるいはいいのではないかと思いますが、便宜私の承知いたしておりますところだけを私から申し上げておきますと、いわゆる利殖機関、今申し上げました匿名組合形式その他の利殖機関によりますものの犯罪は、その利殖機関の役職員の犯罪をも含めて、昨年中に検挙せられましたものが七百八十二件ということになつております。そのうち起訴されておりますものが二百九十六件、これを罪名別にいたしてみますと、相互銀行法違反、いわゆる相互掛金契約をやつておつたと認められるものでありますが、それで検挙せられておりますものが二百三十六件、そのうち起訴せられましたものが百件であります。次に貸金業等の取締に関する法律違反で検挙せられましたものが二百六十八件、うち起訴せられましたものが百二件であります。それから詐欺、横領等の刑法犯で検挙せられましたものが二百四十二件、そのうちで起訴せられましたものが八十二件、その他の罪名で検挙せられましたものが三十六件、うち起訴せられましたものが十二件であります。 これをさらに利殖機関、あるいは貸金業者その他の業態に従つてわけてみますと、貸金業者のうち、株主相互金融の形式のもので検挙せられましたものが二百五十八件、うち起訴せられましたものが八十六件、匿名組合形式のもので検挙せられましたものが二十件、うち起訴せられましたものが七件、匿名組合形式以外の組合形式のもので検挙せられましたものが十五件、うち起訴せられましたものが三件、借入金形式のもので検挙せられましたものが四十八件、うち起訴せられましたものが十三件、投資資金受入れの形式のもので検挙せられましたものが五十二件、うち起訴せられましたものが十五件、物品月賦販売形式のもので検挙せられましたものが二百九件、うち起訴せられましたもの九十七件、その他のものが検挙百八十件、起訴七十五件、こういうことになつております。なお詳細は法務省の方から津田総務課長が見えておりますから、御必要によりましては、さらにお答え申し上げたいと思います。
○井上委員 幸い法務省の方がお見えでございますから伺いますが、今度出ました法律案によりますと、高金利を禁止いたしておりまして、日歩百円について三十銭以上の場合は罰則によつて懲役に処せられ、あるいはまた罰金をとられることになつておりますが、この三十銭と限定いたしましたのはどういう根拠に基いておりますか。またもう一つ、たしか法務委員会と思いますが、高金利に関連します法律案が出ておりまして、その法案によると、一年を通じて二割以上の金利は法的に効力のないものであるということで、二割以上の金利というものは認めていないのです。ところがこの百円につき日歩三十銭ということになりますと、年間十何割の利子になる。一方は法文上で高金利を規定しておいて、一方の法律では二割以上は請求権がない、こういうふうにきめておりますが、その間を一体どういうふうに解釈したらよいですか。法務省の方の御解釈をまず伺いたいと思います。
○津田説明員 その点でございますが、ただいま仰せのごとく、今回法務委員会において御審議になつておりまする利息制限法につきましては、御指摘のような利息の限度をきめておるわけでございます。その法案にございますように、利息の限度につきましては、今おつしやいました金額による制限がございますが、年二割というものを超過する利息は無効である。超過部分については無効である。しかしながら債務者が任意に支払つた場合には返還の請求ができないという規定になつております。でありまするから、利息の契約そのものは超過部分について無効でございますが、任意に支払つた場合には不当利得等によつてとりもどすことはできないという意味におきまして、納得ずくで授受ができれば、結果的には高い利息が行われたと同じ結果を来すわけであります。しかしながら二割を越える、そういう限度を越えるものにつきましてただちに処罰をするという考え方もむろんできるわけでありますが、それはあまりに今の経済実情に比して苛酷であるという点からいたしまして、二割を越えたものについては当事者の意思いかんによつて授受がきまるということで、いわば当事者の自治にまかしておこう。しかしながら日歩三十銭を越えるようなものにつきましては、これは法的にも認められない。のみならず認められないということを励行しなければならないという観点から、三十銭を越えるものについては処罰をもつて臨む、こういうことにいたしたわけでございます。 そこで三十銭の根拠は何であるかというお尋ねでございますが、今まで御承知の通り貸金業法におきまして、業務方法書によつて利息の額の届出をいたさせておりますが、その場合に、日歩五十銭を越える場合は一応届出を受けない。というのは、日歩五十銭を越す場合は、それは不当に高価な利息であるというふうに考えて、行政運営をして来ておるわけであります。と申しますのは、物価統制令の第九条の二によりまして、不当高価契約等の禁止というものがございますので、その不当高価契約をいかなる限度に考えるかということは、そのときの社会事象によつてきまるわけでありますが、それを従来、ここ数年間は五十銭くらいというふうに考えておつた。従いましてその五十銭を越すような利息をとつて業務を行うというものは、貸金業者として届出を受けないという態度をとつておつたわけであります。しかしながら五十銭と申しますのはむろん最高限でございまして、地方によりまして、あるいは担保の有無によりましていろいろ実態は違つておりますし、ごく地方に行きますれば、三十銭あるいはそれ以下のところも相当たくさん現在は出て参つております。その点からいたしまして、大体全国的に行われておる利息といたしまして、われわれの調査によりますれば、日歩三十銭ないし三十五銭というところが比較的多く貸金業者について行われておるということが行政的には見られるわけであります。一方、この貸金業法に違反いたしまするところの貸金業者、まあ無届であるとか、利息の点の違反であるとか、いろいろそういう業者について法務省で調査をいたしておるところによりますと、それの行つておりますところの利息は、高いものは日歩二円というようなものもございますが、安いものは日歩二銭というようなものもございます。大体平均が三十二、三銭というところなんです。これは違反貸金業者なんであります。つまり法規を遵守していないところの貸金業者についての日歩が、三十二、三銭ぐらいのところが数としては一番多い層であるということになりまして、そこで三十二、三銭が一般に行われておる最高限であるとすれば、何もそれ以上を認めてやる必要はない。少くとも法規で励行を確保できればそれ以下でなければならないということになるのでありますが、利息につきましては、将来ともに利息制限法の趣旨から申しまして——利息制限法と申しますのは、今具体的に提案いたしております利息制限法、先ほど申しました利息制限法が一応国家的に適当であるという利息は、金額によりますと最高二割であると認めておる以上は、それを法外に超過したものをもつて今度は処罰限度に定めるということはあまり好ましくない。できるだけそれは引下げるべきであるという見地から、日歩三十銭をもつて高金利取締りの限度とする。もちろん限度とするというのは、処罰限度とするという意味でありまして、利息は本来ならば利息制限法の利息に従つてほしいということなんであります。しかしながらもしも従わない者がありとしても、日歩三十銭を越したときは処罰するぞ、こういう趣旨におきまして三十銭の限度をきめた次第でございます。
○井上委員 そこで問題は、この法案によると、貸金業等の取締に関する法律を今度廃止することになつておるわけですが、高金利を三十銭限度で法文上押えておけば貸金業の取締りはできるから、そこでこういう法律は必要がない。こういうことに考えてのことであろうかと思いますが、そうなりますと、この出資の受入れ、預かり金等の取締りを非常にこまかくわけてやることになりますと、いわゆる町の特殊金融機関というものは全部業務禁止されることになるわけです。そうなりますと、必然に自己資金による貸金業の方が相当活発になつて来ようかと想像されるのでありますが、そういう場合に、貸金業者の免許制度をやめてしまう、こういうことになりますと、単に金利を高う貸しておるか、ないかということだけを——だれが金を貸しておるものやら、だれがどういうところに金融をしておるものやら、全然政府はきめ手もなしに、単に行き当りばつたりに、だれか高い金利で貸しておる者がおりはせぬかということで、金利の制限額を越えて貸しておる者だけを調べてまわるということにならざるを得ないことになろうと思う。その結果は、結局はもぐりの高金利の業者をいたずらに跋扈させることになりはせぬか、こういうことが考えられますが、政府はそうはお考えになりませんか。一体この高金利を禁止して、どこでどう押えようというのですか。高金利で貸しておるという実態をどうして押えようというのですか。それは届出か、あるいは政府の方に取締りを申し出て来た場合に限つてやろうというのですか、その他は放任しておくのですか、どうしていわゆる高金利を押えて行こうというのですか、その点を一点、これは銀行局長でも法務当局でもいいですから、御説明願いたい。
○津田説明員 その点はごもつともでございますが、貸金業者を届出しめるというのは、要するに資金業者を地下へもぐらせないという趣旨でもあることはもちろんでございます。従いまして取締りの面から申せば、もちろん届出制度がある方がベターだということにはなると思うのであります。しかしながら今日におきまして、業者を規制する法律はできるだけ少くする方がいいという考え方もあります。のみならず一応届出業者を当れば、警察といたしましてもあるいは検察庁といたしましても、そこに違反を見つければいいじやないかという論法も立つのでありますが、実際を言えば、届出業者の店を臨検といいますか検査をいたしましても、ほんとうの意味の悪質な高金利というものは、帳簿上は正常金利に書いてあるに間違いないのでありますから、表面を見ただけではわからないのであります。何らかの端緒は得られないとは言えませんけれども、大体がそういう実態のものでございますので、やはり聞き込みであるとか申告というものに重点を置かなければならぬ。現に無届貸金業者で、高金利をとつておるものの発覚の端緒を見てみますと、おおむね警察官の聞き込み、あるいは密告と言えば悪いのですが申告、そういうものから起つて来ておるのでありまして、要するに被害者と申しますか、金を借りた者と申しますか、そういう者から何からの意思の表明がない限りは、実際問題としては、現在の貸金業法のもとにおきましても取締りは非常に困難な状態でありますので、その点は貸金業法を廃止いたしましてもあまり差異はない。むろん気休め的にはある方がいいということになりますが、やはり取締り当局がほんとうに取締りをするつもりならば、貸金業法はあつてもなくても五十歩百歩じやないかというふうに私どもは見ておる次第でございます。
○井上委員 その次に伺いたいのは、日歩を三十銭ときめましたのは、単に従来行われております貸金業者等が、大体その程度の金利しかとつてないからという御説明でございます。ところが正規な金融機関が零細金融に対する業務を、コストの関係から引合わぬというので、次第に大口金融へ漸次移行しておるのです。その関係で、資金の少いものが零細金融をやります場合は、資金に見合うところの金利が、どうしても事実相当高い金利になりはせぬかということが考えられるわけです。資金を相当大きく持つてやります場合はそうでもありませんけれども、限られた自己資金をもつて、しかも小品の小額金融をやります場合は、その金利が資金の割合においてどうしても高くつくというのはやむを得ないことではないか、こう考えられますが、その点はどうお考えですか。
○河野政府委員 日歩三十銭ということでシーリングを引いた根拠に関連しての問題かと思うのでありますが、お話のように資金のコストが非常に高い場合におきましては、それを運用する運用の利回りというものも勢い高くならざるを得ない、これは当然のことだと思うのであります。現に正規の機関におきましても、普通銀行等における貸出し金利と、信用庫金とかあるいは信用組合等における貸出し、金利の最高限度というものは、おのずから違つて参つておる。これは当然違えてしかるべきものだと私は考えております。そういつた意味で、資金のコストなりあるいは手間なり、そういつたことを十分に含んで、貸出し金利の最高限度というものを当然きめて参るべきものであるという点こついては、私どもまつたく同じように考えております。しかしながら日歩三十銭というような問題を対象にして考えた場合の金利コストの関係というものは、私の考えでは、そう強い因果関係はないものと私は考えておるのであります。もちろん普通の企業にいたしましても、それらの資金から出て来る利回りでもつて所得を得、生活の資金を得るというためにどの程度の利潤率がいいかということにつきましては、いろいろな観点から論議をしなければならぬかと思うのでありますが、これにはおのずからそこに一つの常識的の基準というものがある。それは貸金業者に限つて、あるいは金を貸すという一つの貸借の関係に限つて非常に大きな利ざやというものが出て来るということは、やはり他の企業における利潤等との関係から見ても、これはいかがかと考えざるを得ないと私は思うのであります。これらの点から考えまして、むしろ今お話のような資金コストとの関係から、金利というものは、一体どの程度のものが最高として押えうるべきかという観点から見ますならば、むしろ利息制限法の金利のシーリングというもの、そういつた問題を考えて行かなければならぬものじやないか。それをはるかに越える、いわば社会悪というような観点から考えれば、刑罰をもつて臨むべき高金利というものにつきましては、私は資金コストの関係ということは、はるかにそれを越えた問題じやないかというふうに考ておる次第であります。 なお三十銭という点は、先ほど津田総務課長から申し上げましたようなことも頭に置いて考えておるのでありますが、なお外国の例等を見ますと、一般の正規の金融機関の金利に対して、こういつた貸金業者、あるいは小額の貸金を業とするものの金利のシーリングというものは、大体十倍程度を出しておるようであります。たとえばアメリカ等で見ますと、これは州によつて違うようでありますが、銀行等の普通の金利が大体三分五厘から四分というのが高いところで、それに対してこれらの小額貸金業者の最高金利というものは、大体年に三割五分、もちろん日本のように年に十割というような高い金利ではありませんが、年三割五分程度が大体これらの貸金業者、小額金融業者の金利の制限ということになつております。しかしこれらに対しては、もちろん罰則をもつて制裁規定の裏づけを置いておるのでありますが、それらの点から考えましても、大体日本における普通銀行の金利が、高いところで三銭というのが現在まず普通の金利であります。庶民金融機関におきましては、もちろんもつと高い金利もありますが、大体普通銀行においては三銭というのが高い方の金利とお考え願い、それの十倍というところを考えてみますと、やはり日歩三十銭というのが、今のアメリカの例で申しましたような点から考えてもまず適当の線ではないか。これははなはだ腰だめ的な見方でありまして恐縮でありますが、まず常識的な判断で、そうあやまちのない見方ではないかというふうに考えておる次第であります。御参考までにその点もつけ加えておきたいと思います。
○福田(繁)委員 ただいま河野局長のアメリカ及びその他の国の、言いかえれば金融機関に人らざるこころの貸金金融の利子が年に三割ないし三割五分というところのお話がありましたが、われわれも実地にそれを見て参つたのであります。しかしながらアメリカとかあるいはヨーロツパというところは、御承知の社会保障が非常に徹底しておる。同時にまた日本の、なかんずく今日の吉田内閣と違いまして、末端の零細金融について国家が相当めんどうを見ておる。そういつた結果においてすら年に三割とかあるいは三割五分くらいの町の金融機関に対する利息というものを公然と認めておるのである。この点を御承知であるか。今日の日本の現状、なかんずく吉田内閣のごとくに、零細金融に対してはこれを犠牲に供してもかまわないという怠慢なる政策をとつておるところの今日の状態において、はたして年に八割なり十割が依然として高いとあなたはおつしやられるか。その点御高見を伺つておきたいと思う。
○河野政府委員 私どもは中小の金融について非常に冷淡な取扱いをしておると考えておりません。今お話の点につきましては、それは外国におきましては社会保障の制度も十分できており、また他面において一般の金利の水準というものが、日本のような資本蓄積の足りないところと比較して低いという面もあります。従つてこれらの問題の比較は、その国その国の資本の状況とか、あるいは経済の状況に従つて判断をしなければならぬのでありますが、ただここで申し上げるのは、その国その国における一般金利というもの、つまり正常な金融市場における金利というものと、こういう小額の貸金業といいますか、金融業における金利との相関関係との間には、おのずから何か関係があるのではないか。これはやはり十倍程度というのが、アメリカにおいてもイギリスにおいても大体言えるように見えるのでありまして、そこらあたりの点から、今日本でとりました場合においてもやはり三十銭くらいが適当なのではないか。しかしこれはぴつたり十倍という数字も出ませんので、その辺が適当なのではないかという程度であります。
○福田(繁)委員 私は実は理事会の決定に基いて、きようからここ数日間この法案に関してあなたに連日質問をいたそうというので、質問の順番を待つておるわけです。聞きますれば、社会党の両派の諸先生からももうすでに通告してあるといいますから、両派の先生の質問が終りましたら、それから約五、六日間この法案に関してあなたに質問をいたしたい、かように思いますので、私は井上君にお返ししておきます。
○井上委員 伺うところによりますと、自由党の方から、この高金利禁止のいわゆる日歩三十銭というのを法文に明記するのはおかしいというところから、これを削除する修正案が提案されるようであります。またされたらしいです。そうなりますと、自由党の方ではそういう意向であるが、政府原案との間において非常に意見が違つて参ります。われわれはやはり他の産業の利潤の見地から、特にわが国における金利が非常に高いという事実から、この金利をできるだけ低く押えることが何としても必要であると思う。こういう見地から一応金利水準に規制を加えて行くということは当然であります。そこで問題は、これをもし修正されて、法文上こういうことが規定されなくなつた場合、そしてまた貸金業者の取締り法規がこのまま存続いたします場合、この貸金業者に対する指導金利は、依然として従来の五十銭を指導金利とするか、それとも法文に一応うたつて参りました三十銭を指導金利とするか。もしこの修正案が通つた場合、政府は具体的にどうお考えになつておるか、また本修正案に政府は同意するつもりであるか、政府としては困るというのか、この点を明確にされたい。
○河野政府委員 修正案に対しましては、私どもは政府で御提案申し上げております案が一番適当だと考えて御提案を申し上げておるということを申し上げることでお許しをいただきたいと思います。同意するしないの問題は、実は私どもにはないのでありまして、国会の方において御議決になりますところに従つて行政の運営に当りたい、かように考えておる次第であります。私どもが貸金業法を廃止いたしたいと考えました理由は、先般提案理由の際にも申し上げたかと思うのでありますが、いろいろ理由がございますが、その中で私どもが現状において一番基本的に困る点は、従来ややもすれば貸金業法に基いて届出をいたしておりますものが、政府の認可を受けた、あるいは公認をされておる機関であるといつたような意味にこれを利用されまして、取締りの便宜のために届出制をとつておりますものが、言葉が非常に悪いのでありますが、かえつて濫用されるということになつて来る。つまり取締りの便宜のために届出制をとつておるということの便宜よりも、むしろ弊害の方が多いように最近の実情から考えられますので、これをぜひやめたいというのが私どもの考えであります。今の貸金業等取締に関する法律が、この出資の受入れ等に関する法律が通過いたしますれば、当然に必要がなくなるという点も非常に大きな理由の一つでありますけれども、今申し上げましたように、弊害が絶えないということもありますので、この法律はぜひ廃止願いたいというのが私どもの提案の理由であります。 なおもし修正案通りにこの法案が修正せられました場合において、今後いわゆる貸金業者の指導金利を現在通り日歩五十銭でやつて行くのか、あるいはこの法案にありますように、三十銭程度まで指導金利を下げるのかという点でありますが、この点は取締り当局の法務省の方からお聞き願いたいと思うのであります。おそらく今のようなやり方の、いわゆる指導金利という形でこの高金利を取締つて行こうということは、取締り当局の立場からは非常に困難をされておるのではないかと私は考えるのであります。むしろ現在では、形式犯的に業務方法書違反という観点からこの問題を取上げられておるので、実質的な高金利を取り締るという観点、正面からは実は取り組んでいないという関係になつておるのでありまして、高金利を取締つて行くということがもし必要であるといたしますならば、これでは取締りの実をあげるのに非常に困難をされておるというのが、私は法務省当局の実情ではないかと考えます。ただこの点につきましては、せつかく当局者が見えておりますから、そちらの方から実情についてお聞き取りを願いたいこ思います。
○津田説明員 その点でありますが、現在五十銭を指導金利にしておるということは、公表したわけではないのでございますが、まず公知の事実になつておるわけであります。その五十銭の根拠は、この貸金業法ができました当時において、物価統制令の不当高価の規定の適用上で、一体最高の利息は日歩幾らくらいであろうか、それ以上は不当に高価な契約になるという限度は幾らくらいであろうかということを考えたわけでありますが、その当時は御承知のようにトイチであるとかトニであるとかいうような利息が横行しておつた時代でありますので、にわかにその限度を下げることは理論的に不可能であるというような意味におきまして、五十銭はなるほど高いのであるが、まあやむを得ない、その辺以上はまずひどいと言えるであろうということで、一応関係当局の意見も一致しまして五十銭を不当高価の限度と考え、裁判所におきましても、大体その辺で線を引くことに事実判決の上においては同意見になつておる例が多いのであります。ところがそのときから見ますれば、今日社会状態もおちついて参つておりますし、いかなる点が不当高価の限度であるかということは詳しく探求するという程度には至らないと思うのでありますが、少くとも五十銭以上になつているとは言えないのでありまして、五十銭を割つているということは言えると思います。しかしながら、それじや幾らが不当高価の限度になるかということは、必ずしもはつきり申せないというように考えております。従つてそれはいろいろな事象を検討いたしまして、この程度はひどいと思われる利息の限度を考えて、将来のいわゆる指導金利とするということに結果的にはなろうかと思うのでありますが、その限度が幾らかということは、ただいまはつきり申し上げるわけには行かない、こういうふうに思つております。
○大平委員 法務当局に伺つてみたいと思うのですけれども、日歩三十銭で押えて行く、これが処罰を受ける限度ということで、あなたのおつしやることは、利息制限法等との関係において、非常に論理的だ思いますが、ただ三十銭ということを励行して行く上において、はたして一体自信があるのかどうか。末端の警官の諸君が取締るのだろうと思いますが、今銀行局長のお話を聞きますと、貸金業法が置かれてあつて、貸金業を営む者が明るみに出ておつてさえそのくらい誇大な宣伝をも取締ることができなかつたような実情であつたのに、すべての業者を一応暗黒の世界に追いやつておいて、そして三十銭以内でなければならぬのだというようなことを実際今の政府が励行して参る自信があるのか、行政能力がはたしておありかどうか、その点私ども非常に疑問に思いますが、その点について、ひとつ法務当局の御見解を伺つておきたいと思います。 大体この法律をつくらなければならぬということが院の内外で問題になりましたのは、この法律の第一条等に書いてありますように、不特定多数の方方から誇大な宣伝によつて金を集め、社会的な害悪を流した過去の実例をどうして規制して行くかというところにねらいかあつたはすなんてす。金利どいう問題は、金利を規制して行くというようなことよりも、社会的な害毒を不特定多数の人に及ぼすことをどうして規制して行こうかということであつたように思いますが、この法律を見てみますと、金利制限という考え方を非常に強く打出しておられる。考え方自体はいいのですけれども、そういう実行ができないようなことを法律に書いておきますと、結果において一体どうなるか。先ほどあなたからもお話がありましたように、今までの事例から推しまして、密告があつたから取締るとか、申告があつたから取締るとかいう程度のものになる。しかもそれはごく小範囲の方々のパーソナルの関係で貸借があつた。ところが間々仲たがいをして、あるいは恨みを持つて、そして密告が行われたというような場合だけを取締ることになるのじやないか。全体の消費貸借の世界において三十銭を必ず励行して行ける自信があり、またそれをささえるような経済の基盤があるのであれば、われわれも非常に賛成ですけれども、過去においてそうでありましたように、今後においても、一体今の政府の行政能力でそんな度はずれた規制ができるようにわれわれは考えない。しかし法務省において、いやそれは完全にやつてのけるというような勇敢な自信がおありでございましたら、本委員会でひとつ御所見を伺つておきたいと思います。まずその点お聞きします。
○津田説明員 ただいま御質問の点でございますが、従来の貸金業に関して利息についての規則をするということは、ただいま銀行局長が申しましたように、いわば間接的になつております。業務方法書に基く営業をしなかつたという点においてやつておるにすぎないのでありまして、利息が高いからということを直接制規しておるという形にはなつ愛いないわけです。ところが今度第五条におきましてそれをはつきり打出したということは、宣言的の意味は大きにあるということが言い得るのと、第五条におきましては業者というのを前提にしておりません。ですからいかなる金を貸す者もということになつており、その点は非常に広くなるわけです。 それからもしもこれに違反した者をどうして取締るかという点でございますが、これは非常に手広くやつておる業者でございますと、いろいろ宣伝をしなければなりません。また大勢の人もその宣伝の内容を知り、あるいは実態を知つて金を借りるわけでございますので、その際表面は三十銭としておるが、実は三十五銭とつておるなどということは、これはもうたやすく取締り当局の認知されるところなので、大きな業者については比較的取締りが容易だと思うのであります。と申しますのは、要するに営業的に事を行おうとすれば、高金利というものを隠してやることは困難であるということになります。それから個々の小さい業者、あるいは個人的な金の貸借ということになりますれば、御指摘のような内部関係でなかなか立ち入りにくいという点はございます。しかしながら普遍的な業者についてある程度目的を達するという自信があれば、取締りの目的の大半は達したと言い得ると思います。個々の業者につきましては、やはり申告とか聞込みを用いる以外には、それは確とした方法はないということをはつきり申し上げ得ると思いますが、全体として見まして、普遍的に行うような業者を取締り得れば目的を達するという見地から見れば、この規定によつて目的を達し得るということを申し上げ得る、かように思うのであります。 それからさらに、なるほどこの法律のねらいは第一条の投資の取締り、預かり金というようなものがねらいであることは事実でございますが、しかしながら過去におきまして害毒を流しましたいわゆる町の金融機関、あるいは利殖機関と称するものになぜ取締り当局が手をつけられなかつたかという一つの大きな理由は、利息について規制がないということです。利息を五十銭までとりますと言えば、あらゆる業態におきましてそれは成り立ち得ると一応いわざるを得ない。高金利で貸金業をする道がございますから本事業が成り立つのでございますと弁解をされた場合に、それでも成り立つまいということを主張して取締りの手を打つことは困難です。そこで利息の限度をきめてなるべく幅を少くするということが、やはり取締りしやすいということになる。取締りしやすいということは必ずしもいいことではないかもしれませんが、要するにかような害毒をいかにして防ぐかという要請がある際は、これはやむを得ない。本来からいえば、かような法律はなきにまさるのでありますが、事態はかような法律を要求しておるということなのでありまして、その意味におきまして、この利息のはつきりした制限がないことは、要するに町の金融機関、利殖機関を取締る一環の一部が欠けるということだと私は思います。その点におきまして、法務当局としては強く原案を支持している次第でございます。
○大平委員 おかしなことをおつしいますが、出資の受入れ預かり金この取締法規があれば第一条にちやんとあるのですから、これで取締りができないはずはないのです。利息制限をやらなければ取締れないなどというはずは私はないと思う。問題は不特定多数に多大の御迷惑をかけないようにということが出発点であるはずなんです。個々の内部関係まで入つて、政府が一々これはこうなければならぬという。それも非常に常識が円満に発達した警官諸君がやるのならよろしいですけれども、末端の警官によつていさかいがあつたものだけを取締るようになると、私は非常に困つた結果になりはしないかと思う。そういうところにわざわざ政府が立ち入る必要はないんじやないか、むしろあなた方の役割を楽にしてあげようという、こちらは親心でいるわけです。できもしないことをあまりいたけ高にならない方がいいのです。最小限度取締りができるような法律、を出すことはできる、しかし利息制限をやらなければ取締れないということは私はないだろうと思う。それをやらなければ取締れないというような根拠がもしありとすればつまり私が言うこの法律の大本は貫ぬくわけでありますから、それをやつてもなお取締れない、こういう根拠があるのだつたら教えてください。
○津田説明員 第一条あるいは第二条におきまして、町の金融機関、あるいは利殖機関弊害の生ずる面を取締るということは十分考えている次第でございます。これにつきましては脱法禁止規定も行われる万全の措置を考えておるのですが、いろいろ出て参ります事象を考えますと、すでにこの法律を立案せられましてからでも、具体的には申しませんが、やはりこの法律に当るか当らないかということが非常に疑問なケースもあるわけです。私どもの調べたケースで二、三にはとどまりません。そういうようなものが成り立ち得る根拠はどこにあるかというと、成り立ち得るといいますか内部ではどういうからくりをしておるかわかりませんが、少くとも外形的に成り立ち得る根拠といたしましては、やはり高い金利が正当の業態においてとり得る、だから償うのですという弁解を立てられた場合に、手をつけることが非常に困難だということは考え得られるのでありまして、むろんこの善後措置を考えた上におきましては、当然この法律の一環としては、利息制限法第五条という形はともかくとして、こういう利息の限度をはつきり打ち出したものがほしいということが偽らない取締り当局の考え方でございます。
○井上委員 先ほど銀行局長から御説明がございました、昨年夏から本年の三月末ごろまでの間のいわゆる特殊金融機関の、例の不特定多数の者から出資を求めまたは預かり金をいたしまして、それが予定通り事業が行われずにいろいろ事件を起したのですが、この際司法当局の方で、本案を審議する上に非常に重要でございますので、さいぜん銀行局長からお話がございましたが、いわゆる株主相互金融において、株主相互金融と思われる金融機関、これが全国でどのくらいあるか、その上問題を起したものがどれだけあるか、さらにそのうちで出資者に対して損害を与えた金額及びその人員、同時にまた匿名組合方式による金融機関についても、その機関数と事件数、それから出資者及び出資者に及ぼしました影響、これを一応資料として御提出を願いたいのであります。 それからいま一つ私銀行当局に申し上げておきたいのですが、この法案が成立をいたしますと、いわゆる町の特殊金融機関の業務というものは全部禁止されます。そうなりますと、これによつて金融を受けております者が全部受けられない結果になつてしまう。従つてこれらの者から金融を受けておる者が一体どれだけの件数に上つており、金額はどのくらいになつておるか。これは何も正式に届けておりませんからはつきりした資料はおそらくつかめないと思いますが、およそでよろしゆうございますから、その資料をひとつお出しを願いたい。同時にこれらの機関が禁止される結果、そのはけ口は一体どこへ求めて行こうとするかということが問題になつて来ますから、これに対する政府の対策といいますか、いわゆる小額金融について政府はどういう処置をとろうとするかということについて、政府が考えております対策についての案を一つお示しを願いたい。これを次の委員会を開くまでに資料として提出を要求いたします。
○河野政府委員 今お求めの資料はできるだけ整えたいと思いますが、何分にも、今井上さん御指摘の通り、正式に徴集をする方法がございませんので、非常に大きな推定を加えなければならぬということのお許しをいただきたい。できるだけお求めの資料を出したいと思います。 それからお断りをいたしておきたいのは、この法案が通過いたしました場合において、いわゆる貸金業者あるいはそういつた類似の利殖機関等がまつたく跡を断つてなくなつてしまうというようなお話がございましたが、私どもはこの法案についてそういうふうに考えていないのであります。この法案に禁じておりますようなこと、あるいは違反になるようなことをやらないで、なおかつ貸金業者というものがその仕事を果し、社会的な必要に応じ得るという道は私はあると考えます。(「ノーノー」)従つて私どもは、この法案が通過いたしたからといつて必ずしもこれらの貸金業者というものが全部つぶれてしまう、こういうことではないと固く信じております。従つて今お話のように、この法案が通つたからただちにすべての貸金業者がなくなつてしまう、従つてそこにプランクができる、そのプランクをどう埋めるのかという問題については、私はそんなに割切つてこの問題を考えておらぬのでありますから、この点についてもしお答えを申し上げなければならぬといたしますならば、あるいは今御質問の点と少し違つたお答えになるかもしれませんので、その点もお含み願いたい。
○井上委員 私は銀行局長がお考えのような、そういうつもりで資料を要求しておりません。自己資金による貸金業者は依然として正当な営業はできるのでありまして、その分は当然残つて参りましよう。しかし他の出資及び預かり金等によつて貸金をいたしておりますものは、遺憾ながら全部禁止されることになります。 〔委員長退席、淺香委員長代理着席〕 その分が許されるというわけのものではありません。従つてこの分における金融を受け、資金を仰いでおつたもののはけ口はどうするかという問題が起つて来ます。この対策を考えておかなかつたら、これはやはり重大な問題になると思います。なおそれらの機関の資金量がどうで、あるいは貸金量がどうでというようなことは、実際はつかめなくても、少くともこれらの機関がいろいろ問題を起すというところから、司法当局でも相当内容にわたつてお調べになつた資料があろうと思いますから、それらを参考にされて、最大限の資料をひとつお出しを願うようにお願いをしたい。
○淺香委員長代理 では本日はこれをもつて散会いたします。 午後零時二分散会