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19回国会衆議院1954/04/23

大蔵委員会 第46号

発言数
50
登壇者
7
会派数
3
開催日
1954/04/23

会議録

千葉三郎改進党

○千葉委員長 これより会議を開きます。  経済援助資金特別会計法案、日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律案、日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律案、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律案、国の所有に属する自動車の交換に関する法律案、物品の無償貸付及び譲与等に関する法律の一部を改正する法律案、日本国とアメリカ合衆国との間の二重課税の回避及び脱税の防止のための条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案、大蔵省関係法令の整理に関する法律案の八法案を一括議題として質疑を続行いたします。質疑は通告順によってこれを許します。井上君。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 最初に日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律案に関連して伺うのですが、日本とアメリカとの相互防衛援助協定の第六条には関税、物品税、通行税、揮発油税、電気ガス税等について免税の措置を規定してありますが、現在まで連合軍の占領用物資について免税処置を講じておるのかおらぬのか、おるとすればその免税額は一体どれくらいになる予定か。それから今後のこれによる免税額の見通しは一体どれだけが予定されておるか、現在までと将来とについてお答え願いたい。

北島武雄大蔵事務官(主税局税関部長)

○北島政府委員 ただいまの御質問の第一点は、国際連合軍の輸入する物資に対して今まで免税していたかどうかというお尋ねだと思いますが、これにつきましては、実は日米行政協定の実施以後、国際連合軍との協定につきましては今まで未解決でございましたので、さしあたり国際連合軍がその公用に供するために輸入する物資につきましては、将来協定が整って課税することになったならばその税金を納める旨の保証書を徴しまして、一時関税を保留して通関いたしております。その金額についてのお尋ねでございますが、ただいま実は資料を持ち合しておりませんので、ここではちよつとお答えいたしかねます。  それから第二の点の国際連合軍との協定につきましては、目下国会で御承認を願う手続を進めておるわけでございますが、原則といたしまして、日米行政協定におきまして関税及び内国税の免除をいたしておりますのと大体同様の原則に基きまして協定をいたそうとしておるのであります。ただ多少違います点は、日米行政協定におきましては、いわゆる第三者が輸入いたしまして軍に納めるものについても免税の規定があったのでありますが、国際連合軍との関係におきましては、直接国際連合軍に送られて来るのが原則でありますので、第三者が国際連合軍に納めるために輸入するものについては免税の規定がございませんことと、それからもう一つは、日米行政協定におきましては、いわゆるコントラクターなる制度がありまして、もっぱら駐留軍が使用する物品あるいは施設に最終的に合体する物品につきましては、そのコントラクターが輸入する場合に免税いたしております。そのコントラクター等についての規定は、国際連合軍との協定にはないのであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 国際連合軍が輸入して使っております物資に対して、現在までどのくらいの課税を留保しておるかということが明らかでないようであります。そこで今度この日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律案ができますと、現在までにこれらの国際連合の軍隊、軍人、軍属その家族等が使いました輸入物資については税金はとらぬつもりですか。課税する場合は、そのときにまとめてもらうことになりましようがということで保留してあるという話でありますが、もし今度免税措置が講じられることになりますれば、今まで入ったものもとらぬという方針でありますか。

北島武雄大蔵事務官(主税局税関部長)

○北島政府委員 まず先ほどお尋ねの数字でありますが、手元に参りましたのでお答えいたします。昭和二十七年四月二十八日から二十八年十二月末までに国連軍の軍隊及びその軍人用販売機関等が輸入した物品につきまして課税を留保しております金額は、関税におきまし四億五千七百万円程度、内国消費税におきまして四億九千百万円程度であります。なお今回の協定におきましては、性質上遡及の不可能なるものを除きまして、一昨年の四月二十八日に遡及して適用することとなっておりますので、課税を保留いたしておりました。これらの物品に対する関税及び内国消費税につきましては、四月二十八日にさかのぼりまして徴収いたさないことになるわけでございます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 そうしますと、免税になる税額は、大体年間両方合せて今後とも八億くらいの見当ですか。今後の推定はどうなりますか。

北島武雄大蔵事務官(主税局税関部長)

○北島政府委員 ただいまの数字は、二十七年四月二十八日から昨年の十二月末まででございますので、約一年八箇月程度の間の数字でございます。その数字が大体九億程度になるのであります。御承知の通り、国連軍の日本に駐留いたしております兵数は、だんだん減少いたしておりますから、年間のベースといたしましては、ただいま申し上げたこの数字よりも下るものと予想いたしております。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 次に伺いますのは、免税の物資が相当横流れをいたしておりますが、この横流れ防止につい、一体政府はどのような対策を今までおとりになつたか、また今後は一体この横流れをどういう方法で防止しようとするのか、この点について伺いたい。

北島武雄大蔵事務官(主税局税関部長)

○北島政府委員 日米行政協定におきましても、あるいはまた国連軍との協定におきましても、免税特権を濫用しないようにお互いに協力しよう、こういうことになつておりまして、今までのところでは、たとえばアメリカの駐留軍関係におきましては、立川の飛行場に税関の職員を置きまして、その都度密接な連絡をいたしております。もしかりに犯罪がありました場合におきましては、先方の憲兵から積極的に税関の方に通知なり引渡しが今日まで相当あつたわけでございます。国連軍との関係につきましては、呉、佐世保あたりがおもでございまして、一時、一昨年あたりにおきましては、相当これから横流れしたと思われる情報が大分あつたのでございますが、最近におきましては、軍の内部において規律を比較的厳格に保ちまして、あまり昔のような大きな、目に余るようなことはないように私どもの方では考えております。駐留軍並びに国連軍の軍人、軍属がその特権的地位を濫用して国内の経済秩序を乱すことに対しましては、軍の内部におきましても相当厳格に取締つており、私どもにおきましても常時連絡をとりまして、その助成措置を要求いたしておるような次第であります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 これは非常にやつかいな取締りでございますから、政府としても対策は非常に困難だろうと思いますが、今度の改正法の第三条では、この免税物資を加工、製造いたします場合に、税関長が期間を指定しまして、特定の工場でこれを行わすことにしておりますが、この免税物資の加工、製造を行います特需工場を保税工場として指定する場合に、この指定が実は非常に重要になつて来ようと思うのであります。つまり初めから連合軍側と連絡をするといいますか、あるいはその荷物が陸揚げされまして、その工場へ持込まれて、それから税関長が特需工場として、保税工場として指定するのか、それともまだ工場へ入らない先に、この品物はどこどこの工場に加工、製造を許可する、保税工場として指定する、こういうことにいたしますか。実はこの加工、製造の特需工場、すなわち保税工場として指定しますその取扱いいかんが横流れをする一つの大きな原因になつておりはしないか。またその工場の加工、製造、搬入搬出等についてはどう取扱いを一体されておりますか。これはまつたく向うさんの御自由にやらしておりますか、税関は立ち会つておりますか、この点について伺いたい。

北島武雄大蔵事務官(主税局税関部長)

○北島政府委員 御承知の通り、相互防衛援助協定に伴いましてわが国に輸入される場合におきましては、原則としてアメリカ政府なり日本政府なり、あるいはまたアメリカから援助を受けている第三国の政府の出先機関ということになりまして、まず業者が直接入れて、それから加工またはそれを原料として製造し、軍に納めるということは比較的少いのであります。しかしその場合は、かりにこれが加工または製造の上防衛目的に使われるということになりましても、その行く末を見届けませんと、税関としては困りますので、今回第三条においてこのようなストレイトを設けたのであります。実はこの制度は日米行政協定にもあるわけであります。  そこでまず通関の際に、これはアメリカ政府の証明をもらいまして、相互防衛援助協定に基くところの輸入品であるという証明によりまして免税するわけであります。その際にそのものをすぐ引渡さないで、加工または製造の上これを引渡す場合におきましては、あらかじめどこの工場において、いつからいつまでの間そういう加工、製造をいたしたいという申請を出させます。それに基きまして、税関長は、もし妥当と認めます場合は、それを承認いたしまして、その工場以外ではそういう加工、製造はさせない、そうしてそこには税関の職員の派出をいたします。また手数料の徴収等は保税工場並の取扱いをいたしまして、その物品が最終的に防衛目的に使われるように確保いたすつもりであります。日米行政協定におきましては、そのように実際なつております。先例に従つて厳格にその行く末を突きとめるつもりでおります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 この免税物資の所有権は向うにあるのであつて、日本としてはただ免税物資が横流れをしないようにということについての取締り、と言つてはぐあいが悪いが、連合軍に対してそういうことをせぬようにしてもらいたいということであつて、これを加工、製造する権限は日本政府にはないでしよう。

北島武雄大蔵事務官(主税局税関部長)

○北島政府委員 これは日本政府が加工、製造をいたすのではないのであります。業者が政府の委託を受けて、原料、資材を輸入して、それを加工または製造した上、政府に引渡す、こういうことが相互防衛援助協定におきましては行われることも予想されますので、その場合の規定でございます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 連合軍が直接やる場合はどうしますか。

北島武雄大蔵事務官(主税局税関部長)

○北島政府委員 相互防衛援助協定に基きまして、かりにアメリカ政府が原料を輸入して、そして自分でもつて加工製造するという場合におきましては、もう当初においてこれが防衛資材に使われるということがはつきりしておりますので、当初のアメリカ政府の証明によりまして、通関の際に免税いたすということに相なると思います。そしてその後加工製造されて、もしかりにそれを政府が使用しないで他に譲り渡すというような場合におきましては、これは協定に従いまして相互に同意した条件によらなければならぬ。かりにそういう場合が行われたときにおきましては、この特例法の第四条によりまして、その譲り受けを輸入と見なして、そこで関税法及び関税定率法等を適用して税金を徴収する、こういうことに相なつております。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 この第三条の免税の問題は、これは日本の業者がやります場合、税関との関係を規定してあるのであつて、一番やつかいなのは連合軍自身が直接輸入をいたしまして、それを日本の工場で加工製造をいたします場合、この場合日本の税関としてはどこまで一体それの横流れを防止することについて権限を振い得られるのですか。

北島武雄大蔵事務官(主税局税関部長)

○北島政府委員 アメリカ政府がみずから資材を日本に輸入いたしまして、そして加工製造の上日本政府に引渡すということもあるいは想像できると思います。この場合におきましては、当初の通関の際に、アメリカ政府の証明によりまして通関を完了いたしまして、その後におきましては、あとで譲り渡し等のことが行われない限り税関としてはタッチしないのであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 そうすると、連合軍の兵隊がたとえばタバコを横流しをする、あるいはその他のものを横流しをするという場合、これはまつたく税関としてはどうにもならぬことになつているのですか。

北島武雄大蔵事務官(主税局税関部長)

○北島政府委員 ただいままでのお尋ねは、日米相互防衛援助協定の実施に伴う特例法の御質問かと存じておりましたが、ただいまの御質問はあるいはそれではなくて、日米行政協定の実施に伴う関税法等の特例法の御質問か、あるいはまた国際連合との協定に基く特例法の御質問かというふうにも存ずるのでございますが、後者の意味の御質問でありましようか。後者の方でございますと、軍人軍属等が軍人用販売機関におきまして酒、タバコ等の自己の消費に供する物資を買う場合には、当初の軍人用販売機関におきまして輸入する際に免税となつております。ただその物資を軍人軍属等が他に横流しするという場合におきましては、これは日米行政協定の実施に伴う関税法等の特例、あるいはまた今回御審議願つておりますところの国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う所得税法等の臨時特例に関する法律案によりまして、譲り渡しの際におきまして一定の手続を履践させるわけであります。この手続をしないで横流した場合におきましてはこの特例法違反、こういうことに相なるわけであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 その場合にどこが裁判するのですか。

北島武雄大蔵事務官(主税局税関部長)

○北島政府委員 この点につきましては、国税犯則取締法等の臨時特例に関する法律がございまして、日本国政府におきまして通告処分等ができるようになつております。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 今までそういう事例がありますか。

北島武雄大蔵事務官(主税局税関部長)

○北島政府委員 ただいま計数は持つておりませんが、事例はございます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 何件ぐらい今までそういう違反があがつておりますか。

北島武雄大蔵事務官(主税局税関部長)

○北島政府委員 日米行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律の違反件数等を申し上げますと、昭和二十七年四月二十八日以降昭和二十七年中におきまして、件数といたしましては三十三件、犯人数四十二件、犯則物件の価額が百五十万二千円。それから昭和二十八年中の、すなわち一月から十二月までにおきまして検挙いたしました件数が百二十三件、犯人数が百九十七件、犯則物件の価額が千九百三十七万円と相なつております。これらの検挙につきましては、アメリカ駐留軍も非常に協力してくれまして、むしろ軍の内部におきまして積極的に摘発して税関の方に引渡したような事件も相当あるのであります。なおわれわれといたしましては、ますます緊密なる連絡を保ちまして、いやしくもこの免税特権の濫用が行われることのないように極力防止いたしたいと考えております。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 特に連合国の軍人がその職をやめ、あるいはその軍属または家族が本国に引揚げます場合、自分が持つておりました免税品を売ります場合は一体どういうことになりますか。

北島武雄大蔵事務官(主税局税関部長)

○北島政府委員 行政協定に伴いまして免税で輸入した物資、あるいはまた今度御審議願つております国連軍との協定に基き免税輸入いたしました物資をあとで譲り渡す場合におきましては、免税特権のない者に譲り渡す場合は、その譲り受けを新たに輸入と観念いたしまして、そうして譲受人から関税等を徴収する法規に相なつております。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 そういう事案は現在まで一体どのくらいありますか。たとえばアメリカ軍なり連合軍で本国に引揚げます場合、その乗つておりました自動車なり、あるいはその他の物資を日本国民に売り払う場合、はなはだしきは自分が乗りもせぬのに自動車を輸入して、そうして払い下げて乗りまわしているということを至るところに聞くのですが、そういうのはどういうことになつているか。

北島武雄大蔵事務官(主税局税関部長)

○北島政府委員 駐留軍の軍人軍属が免税で輸入いたしましたものを、あとで免税特権を持つていない日本人等に譲り渡す場合におきましては、その譲り受けを新たな輸入と見なしまして、関税、物品税等を徴収するということはただいま申し上げた通りでありますが、その最も目立ちますものは自動車でございます。自動車につきましては、数字的にちよつと申し上げますと、昨昭和二十八年の一年間におきまして、駐留軍の軍人軍属等から譲り受けのありました自動車の台数は一万五百八十八台というふうに相なつております。そこでこれらの自動車につきましては、手続はどうなつているかと申しますと、まず軍の内部の規定におきましては、最近までは輸入いたしましてから六箇月以内は売つてはならぬということに相なつておりました。これが最近アメリカ軍の内部におきまして規定をかえまして、輸入しましてから一年以内は売つてはならぬ、こういうことに相なつております。そこでそれらの期間を経過いたしまして、かりに転勤等になつて自動車を日本国内で処分して行こうという場合におきましては、まず憲兵司令部に出頭いたしまして、そこで憲兵司令部からビル・オブ・セール、譲渡の証明書を発給してもらうわけであります。これは譲受人が同道して行くわけであります。そこでそのビル・オブ・セールによりまして向うで譲り渡しを許可するということのありました自動車につきましては、今度税関へ参りまして、そこで税金を納めた上、道路監理事務所へ行つて登録をするわけであります。道路監理事務所におきましては、その税関において関税及び物品税を納めたという証明のない限り、道路監理事務所におきましては新たに登録をいたさないことに相なつております。ところが関税あるいは物品税を納めないで譲り受け人が使用している状態が相当あるのであります。これが俗にいわゆる仮ナンバーによつて運転いたしております。この仮ナンバーの取扱いにつきましては、昨年来各税関におきまして、警視庁その他の警察当局の応援を求めまして、随時街路におきまして仮ナンバーの自動車の取締りを実施いたしました。悪質なものについてはこれを告発その他の処分に付することになりますが、今までのところは、できるだけ早く税金を納めさせるという方法によりましてこの取締りを実行いたしております。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 次に、国の所有に属する自動車の交換に関する法律案、こんな法案を一体法律としてつくらなければならぬような多数の交換を必要とする事態が起つておりますのか、どういうことでこんな法律が必要ですか。これをまず伺いたい。

原純夫大蔵事務官(主計局次長)

○原政府委員 お答え申し上げます。昨日提案理由でも申し上げましたように、「国の財産は、法律に基く場合を除く外、これを交換しその他支払手段として使用」してはならないというのが財政法に一条を設けてはつきり規定してあるのであります。今回、昨年の暮れでありますが、諸般緊縮いたし、一兆予算でやつて参るというのに対応いたしまして、国の自動車の使い方、購入の仕方ということについても大いに自粛いたしたいという意味で、次官会議において申合せをいたしました。この趣旨は、結局国産車、特に小型車にかえて参るということでありますが、やはりこれをいたしますのに交換ということがぜひ必要になつて参ります。ただいま申し上げました財政法の規定があります関係から、それにありまするところの法律に基く場合ということの一つにいたしますために、この法律案を提出いたしておるわけであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 いらぬことでありますけれども、現在大臣や次官、局長等が乗つておる車は、たいがい外国製の車が多いのですが、あれは全部民間の、たとえば日産の車なら車にかえようというのですか。それならなかなか見上げたものだが、そういう御意思でおやりになつておるのか。そうすると、各省庁の自動車の中で国以外の者が所有する自動車と交換をするというのですか。そういうことを各省庁から申出がございますか。具体的にどこの大臣、局長が現在乗つているものをかえるということになつているか、また政府の方においても次官会議でかえることにしようじやないかということで申合せをされた上でおやりになるのですか。

原純夫大蔵事務官(主計局次長)

○原政府委員 昨年の十二月でありますか、次官会議で申合せをいたしております。これは輸入自動車の購入等の自粛についてということでありますが、これにはただいま申し上げます通り、緊縮予算、国際収支の改善というようなことから、政府部内においてもこの方針に即応して今後輸入自動車の新規購入を差控えるとともに、輸入燃料節約の趣旨に基いて、極力小型車の利用をはかる等格段の注意を払うことにいたしたいという申合せをはつきりいたしております。これを実行いたします場合に、ただいま申しましたように、交換ということが必要になりますので、この法律案が成立をいたしますと、そういう関係が実地に動いて参るということになります。またただいまのところ、お尋ねのような具体的にどこでどうというところまで参つておりませんが、この法案が成立するに伴いまして、そういうような事務に移つて参りたいというふうに考えております。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 これから輸入する自動車につきましては、外貨の節約や国民に与える影響等を考えて、そういう方針で今後やつて行きたいというのは、私ども了承いたしますが、現在輸入しております、また現に使用しております高級自動車を国産の自動車に乗りかえるという方針をおきめになつておりませんね——その方針を政府としてきめた上でこれをお出しになつているなら話はわかるけれども、今後輸入するものはできるだけやめて、国内産の物を利用するようにしようという方針をおきめになつたのだから、そうすると、そういう次官会議の申合せを具体化するについて、こういう法律をつくつておけば、だれか非常に清廉潔白にして、わしどもの自動車は国民の税金じやということをお考えになつて率先垂範の気持からかえようという、非常にきれいなお気持で希望者が出て来るかもわからぬから、こういう法律をあらかじめ準備して置こう、こういうことでございますか。こういう法律を出す以上は、少くとも政府みずからが次官会議なり、閣議で現在大臣及び局長等が乗つておる高級車は国産の日産に全部乗りかえる。従つて今乗つているものは民間の方のと交換をしようということに方針をおきめになつてからこの法律を出さぬと、だれかそのうちにやるだろうというような、そういう国民をばかにしたようなことはやめなさい。政務次官がおいでですが、あなた自身おかえになる勇気がありますか。もう内閣はやめるやうろうから、どうせ社会党内閣が次に控えておるによつて、こういう法律をつくつておけばやりよるなと思うて、みずからの内閣がなくなることも考えんと出して来たのか。これは、一体閣議の方針もきまつてなし、次官会議の方針もきまつてないのに、それで交換することだけ法案で出して来るということはおかしな話じやないですか。その方針をきめましたか。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 一応ごもつともな御質問でございまして、先ほど政府委員もお答え申し上げました通り、昨年の暮れの次官会議の決定と申しますのは、いわゆる外車を新しく買い入れるようなことは大いに自粛しようというようなことがあつたことはもちろんでございます。しかしながらその後におきましても、ことに大蔵省当局としては、官庁用自動車の使用の節約、あるいは高級なものをなるべく国産で間に合せるというような方針を考えております。従つて今回この法律案の御審議を願いまして、なるべく近い機会に官庁間で適当なる申合せ等をいたしまして、実行に移つて参りたいと思つております。もちろん交換と申しましても、外車を持つておるものをただちに国産にかえるという場合もございましようし、あるいは大型のいい車を、多くの場合一人しか乗らないのに使つておるような場合には、これを小型の車に交換するというような場合等も考えておるのであります。私どもといたしましては、なるべくひとつこの法律の精神を体して、各官庁ともこうした方向に乗り移つて参るように、ぜひとも勧奨その他申合せ等を行つて参りたい、かように考えておる次第でございます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 はなはだしつこいようですが、もう一点伺つておきます。万が一この法案をこういうふうに修正した場合、政府は同意いたしますか。たとえば現在政府が高級自動車として所有しておるものは、何年何月何日以降は国産と交換すべしというように改正した場合に、あなた方それでよろしゆうございますか。そういう修正ができたら、それに応じますか。これはあなた方みずからの問題になつて来るが、やぶへびですぞ。ですから、もう少しこれは政府みずからが閣議や次官会議で練つて、ほんとに国民に垂範する意味でお出しになるなら、これは私ども満場一致で賛成です。政府がまだへつぴり腰で、みずから高級車を乗りまわしておつて、そして今後買うやつだけは遠慮しよう、こういうつもりで、まあひとつこれもお添えものに出しておこうかということなら、法律にまでしなくたつていいじやないか。もしいらぬようならば、払い下げて売り払えばいいのですから、何も交換なんて言わなくたつていい。売り払つてけつこうなんですから。そういうことを私どもは考えて、こんな法案を政府みずからが方針をきめんと出して来るということはおかしいということを私は考えておるのであります。ぜひ政府がやりたいというならば、施行期日をきめて、はつきり具体的に実行さすということにしなかつたならば、この法案は死文になつてしまいます。その点はもう少し御検討願いたいと思います。  次に、物品の無償貸付及び譲与等に関する法律の一部を改正する法律案について、一、二点伺つておきますが、この物品というのは、国有財産に属しない動産で、特に災害救助用に使う寝具、生活必需品などということになつておりますが、これは、一体政府でどのようにこれらの物品が現在準備されておりますか、もし準備されているとすれば、一体管理はどのようにして行われておりますか。つまりこの法案に規定してあります災害救助用に使う寝具、生活必需品というものは、政府は災害に備えて備蓄をいたしておりますか、いるとすれば、それは一体どういう方法で準備され、またその管理はどういうふうにして行つているかという点を伺つておきたいのであります。

原純夫大蔵事務官(主計局次長)

○原政府委員 このお願いしております法律案は、ただいまお話のような、非常災害の場合の緊急救助用の物資を備蓄しようという趣旨のものではなくて、備蓄と別な系統の法律ないし行政措置によつて行う物を無償で貸し付けるということを法律できめませんと、先ほど申しますような財政法、国有財産法等に縛られておりますから、それを解いてほしいということであります。従つて災害救助法系統で、あまり備蓄というようなことでなしに、非常応急の際でありますから、たとえば国の経営している病院で毛布を出せ、それを配れというようなことになりますれば、そういうのが出て参るというようなこと、また急遽各地から救援列車が出るというようなことで行われるわけでありますが、その際無償の貸付を行い、また国有林野におきましては低額の譲渡ができるようにして、一般の拘束を非常の際には解くようにしたいというのがこの法案の趣旨であります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 国有林野のあります地方が災害を受けました場合に、この国有林野の産物を譲渡いたしますとときに、無償または低額ということがこの法律に書いてありますが、一体これはどつちを主にやろうというのですか。無償を原則とするのか、無償じや困るから低額で行こうというのか、どつちを一体主にしようというのですか。これは時の事情によつて、またその地方団体の貧弱、富裕等の諸条件に応じて、林野庁の末端組織である営林署長というようなものが独断で、あるものは無償、あるものは低額で譲渡という自由裁量を認めるのか、それとも政令か何かで、こういう場合は無償、こういう場合は低額譲渡というように、一定の基準を具体的におきめになるのか、そうでないと、非常災害の場合でございますから、この法律ができました場合は、ただちに当該市町村等はその必要な資材を要求して参ります。その場合、無償または低額というようなあいまいなことを書いておきますと、政治力のいかんによつて、運動のいかんによつて、あるものは低額で払い下げられ、あるものは完全に無償で譲渡される、こういうことが起り得るのです。そういう場合、一体それをどういう基準にし、だれが一体それを処置しますか、それを伺いたい。

原純夫大蔵事務官(主計局次長)

○原政府委員 国有林野の関係の払下げにつきましては、お願いたしております中に、無償にするということは入つておりません。低額で譲渡をするということにお願いしておるのであります。物品の無償貸付及び譲与等に関する法律というのがありまして、これに無償で貸し付け得る場合、それから譲与し得る場合、低額でできる場合ということが各条文に入つております。その低額で譲与し得るという場合の一つに加えていただきたいというふうに考えて、お願いしておるわけであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 その低額というのは、一体基準を何か設けますのですか。低額と言うたつて非常に範囲が広いですから、さきに私が申しましたように、当該地方団体の財政の実情、あるいは災害の度合い、範囲等を考慮しまして、災害が深刻で、かつその復旧に非常に当該地方団体が困つておるという場合には、特に安くしてやるとか、そうでない場合は市価より二、三割安くするというような度合いを、どこで一体きめるのですか。

原純夫大蔵事務官(主計局次長)

○原政府委員 ただいま申しました無償貸付及び譲与に関する法律に、無償ないし低い価格での譲与、ないし貸付の道が許されている場合をあげて、それを実際に行います場合の必要な各事項につきましては、各省、各庁の長が大蔵大臣に協議した上で定めるということに相なつております。これによりまして、御指摘の通り、いろいろな場合を想定いたしました低額譲渡の基準と申しますか、低額に仕方の大体のめどというようなものを、各省との間に相談してつくつて参りたいというふうに考えております。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 そうすると、現実に災害が起りまして、災害救助法が発動されて、その橋梁なりあるいはまた河川の決壊なりを応急に復旧しなければならぬという場合に、この林産物の活用という問題が起つて来ようと思う。その場合に、価格が大蔵大臣の承認を得なんだらもらえぬということになりよつたら、間に合わぬやないか。事実火急の場合の用に供せないでしよう。だから、たとえばすぐ近くに国有林野があつて、相当伐採をしてもさしつかえない条件に置かれておつても、営林署がその伐採を許可しないという場合は、一体これは営林署の伐採しちやいかぬということを認めますのか。それとも多数人民や田畑の流失、埋没を防止しようというためには、木材を十本や二十本切つたつて、そう国有林野の経営の上には大なる支障を来さないという場合、一体どちらの主張を妥当としますか。おそらく国有林野を管理しております営林署は、地元からそういう要求がありましても、ほとんど受付けますまい。もし受付けるといたしましても、いろいろ手続複雑にして用をなし得ないということになるんじやないですか。だからこの法律を優先して、現在の国有林野法をたてにとらさないようにするということができますか。そうじやなかつたら、この規定は役に立ちません。どうしても当該営林署の林野を管理いたしております者は、山を愛する立場から容易にそういう伐採を認めません。その場合この法律によつて、火急の場合だから、そういう橋梁の仮橋をつくる、あるいはまた堤防の決壊を一時食いとめるというために必要な資材を切り出してもかまわないということで、この法律は優先する、こういうことに御解決願えましようか。そうしてそのときに、切り出しました木材その他につきましてはできるだけ安くするということにして、価格はあとで大蔵大臣の許可をとつて、ほんとうに救済の意味を達し得るような価格の措置を講ずる、こういうことになりましようか、その点を伺いたい。

原純夫大蔵事務官(主計局次長)

○原政府委員 ただいま申し上げましたところの低額にいたします基準の相談は、これまた各省との間に、法案の施行になります時期を見て進めて参りたい。そうして早目に一般的な基準を各省との間に御協議してきめて参りたい。そうして災害が起りました場合には、もうそういう用意ができておるということにいたす所存でございますから、御心配のようなことはないようにいたせると考えております。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 価格の問題はさようでけつこうでございますが、問題は、山の管理の問題と、それから災害を受けました被害地の応急復旧の問題と、このどつちを重要に考えるかという問題が起つて来ます。この法律ができますなら、当然隣接しておる国有林野に対する伐採ができるということになりますから、その場合、進んで林野庁の方から、そういう場合は国有林野の伐採を許して、ある程度応急復旧に必要な資材を供給する上において、この法律によつて出してやれということにいたしていただきませんと、これは実際応急復旧になり得ないのです。その場合、林野庁の方と地方団体との間でなわ張り争いが起つて——なわ張り争いというのは語弊がありますけれども、当然山の木を切ることができる、もらうことができるという場合、片つ方は、おれの方のものだから、おれの方の必要でないもの以外は切ることはならぬ、こういうことになります。それはもちろん山の経営の上から切つていい場合と悪い場合がありますが、切つていい地域に対しては、進んでそういう復旧に対しては協力してやれということを、大蔵省と林野庁との間において十分そこの点をお打合せを願つていただきたいということを私は申し上げておきます。     —————————————

千葉三郎改進党

○千葉委員長 ただいま経済援助資金特別会計法案外七法案を審査中でありますけれども、接収解除ダイヤモンドの処理等に関する法律案並びに接収貴金属等の処理に関する法律案の両案について質疑の通告がありますので、右二案を追加議題といたします。春日君。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 ただいま議題となりました両法案に関係をいたします重要な事柄について、ひとつお伺いをいたしたいと思うのであります。この両法案は、いずれも戦争中におきまして戦争経済遂行のために当時政府によつて接収されたところの貴金属、ダイヤモンド等の活用について規則を行わんとするものでありますが、この法案に関連して、政府はこれらの貴金属を輸出用加工金という方向へ活用することについて何かお考えになつておるかどうか。この点もひとつお伺いをいたしておきたいと思うわけでございます。  なお質問の趣旨を明確にいたしておきますために、この機会に大蔵当局に申し述べ、さらにこの間のいきさつを明らかにしておかなければ相なりません事柄は、昨年の八月一日であつたか、金管理法が改正されて、金の自由販売が認められることになつたのでございます。そういたしますと自由価格に相なるので、これは当然加工用金の価格暴騰を来しまして、それがやはり輸出に悪い影響を与えるのではないであろうか、こういうことが国会の審議過程において最も重視された問題であろうと思うのであります。当時政府は、国会内におけるこういうような疑義を解消いたしますために、昭和二十八年二月十日の次官通牒をもつて、金管理法の一部改正に関する通産並びに大蔵両省の意見の調整が行われておるのであります。その通産次官からの文書を簡単に申し述べますと、「金管理法を改正する必要があるが、これが改正に関し大蔵省に左記の案を申入れしてよろしいか。なほ輸出陶磁器用原材料たる金地金の価格については、陶磁器の輸出の困難なる現況に鑑み現行価格を維持するよう、当局に於て、金鉱業者を行政指導するものとする。」こういう覚書が出されておるのでございます。もとよりこの産金事業については、年々政府から巨額の補助金が出されておりまして、この法律の改正によつて産金事業が一つの自由企業に移されたといたしましても、これは政府から巨額の補助金が出されておる事柄と関連いたして、その行政指導——政府の発言権あるいは価格形成に対するいろいろな事柄というものは、これはただ単に自由になつたから彼らが自由に価格をきめ得るという事柄ではないのでありまして、当然通産次官が政府の責任において現行価格が維持できるように行政指導をする、こういうことをうたうに至つたのであろうと思うのであります。そこで国会におきましては、当然政府が現行価格を維持するのだということをここで明らかにいたしておりますので、——当面輸出に一番大きく使用されておりますこの加工金というものは、これは陶磁器が装飾用に使うのでありまして、ことにわれわれが心配いたしましたのは、陶磁器の年間輸出総額は四千万ドル、これは金地金量に換算いたしますと三十六トン何がしに相なるのでありまして、特に陶磁器のごときは、原材料のほとんどが国内産のどろであり、それに工賃が加えられるのである。この四千万ドルはほとんど八千万ドルにも匹敵するところの外貨の効率を持つものでありますので、これが値上げされて加工金が高くなる、従つて輸出用陶磁器の生産コストが高くなる。こういうことが輸出をはばむといけないというので、この金管理法の改正については特に慎重に取扱つたのでありましたが、しかし一方この通産省から大蔵省に申し入れられた公文書——現行価格を維持するというこの事柄を信じまして、この法律は遂に通過するに至つたのでございます。問題はその後の事柄でございますが、産金業者はこの協約をわずか二箇月にして破棄いたしまして、そうして五百十五円で売るわけには参らぬ、五百三十円でなければ売り渡すことができない、こういう一方的な通告をして参りました。御承知の通り今輸出は、さらにますます困難の度を加えつつあります折から、コスト切下げの問題がいろいろ政府によつてとられておりますけれども、一方その主たる原材料が現実にこういうような値上りを来すということでは非常に困る、こういうので、大蔵当局並びに通産省に対しましてしばしば熱烈なる陳情を続けて参つたのであります。しかるところ一向らちが明きませんので、過ぐる四月十四日でありましたか、通産委員会は特別にこの問題を解明するために小委員会を開きまして、長時間にわたつて論議をいたしました。すなわち政府は、本法案が上程されました当時、陶磁器だけに対しては現行価格につき責任をもつて特別に取扱うのだ、従つて輸出を阻害するというような結果にはならないであろう、こういうことで国会を了承させて本法律案を通過せしめたその後において、業者がわずか二箇月足らずしてその協約を破棄して、一方的な値上げを通告して来たことに対して、何らの影響力を与えていない、すなわち、いうところの行政指導は何ら行われていない。   〔委員長退席、黒金委員長代理着席〕 その責任を追究し、この両者の覚書により、さらにまた日陶連と産金業者との間に結ばれたところの協約がそのまま履行されることのために、いろいろと論議がなされたのであります。これについては通産省からも連絡があつたかと思うのでありますが、しかるところ四月の二十二日に至つて——国会においてそういうような論議が行われるということは、察するところ日陶連そのものが国会議員を動かしておるのだろう、そうしてそういうような反産金的な議論を行うということはけしからぬということで、今度は実に飛躍いたしまして、五百七十円でなければ金を渡さないという一方的の通告を四月二十二日に日陶連に対して正式に申入れを行つたということでございます。申し上げるまでもなく、現在の金の国際価格は四百五円でございます。陶磁器の生産国でありますイギリスにおきましても、あるいはアメリカ、ドイツ、チェコ等におきましても、すべてインターナシヨナル・ベースで生産が行われておりますのに、ひとり日本の代表的輸出産業の一つである陶磁器、これにまた欠くことのできない金液のもとであるところの金、これが外国より三割も四割も高いものを使用いたしましたならば、輸出の振興が大きくはばまれるということは当然考えられる事柄であろうと思つのであります。私どもは、この陶磁器業者たちの大部分が中小企業者であるということを特に重視しなければ相なりません。一方産金業者はすべてで八社あるようでありますが、その基礎を大企業に置くものであり、しかもニッケル工業とか、銅工業とか、これらの関連産業を通じまして行わるべき大企業でございまして、しかも昨年度までは年間三億でありましたが、本年度におきましては年間九千五百万円の補助を受けておる。さらに本年度は鉱床に対して、二億五千万円というものが利益の中から損失に繰入れられるというような特別の減税措置も講ぜられておる。すなわちあらゆる段階において政府の保護を受けておるこれらの産金業者が——われわれ社会党両派、改進党、当時自由党の方もいらつしやいましたが、輸出振興のために、これは当然立法の当初慎重に検討され、しかもそれが条件となつて法案が通過した。この事柄がその後弊履のごとくに打捨てられ、政府のいつておる問題が何ら解決されていない、こんなばかなことがあるか、こういうことでいろいろと論議いたしたのでございますが、問題はだんだんと内訌いたして参りまして、たとえば産金業者がヒステリックになつて、五百三十円で悪かつたならば、しかもそういう反金鉱的な議論を国会で行うならば、一般市価と同じ五百七十円でなければ売らないのだ、こういうことではほとんど無政府状態であろうと思うのであります。大蔵並びに通産両省間において交換された文書がここにありますので、これはひとつ十分御検討いただきたいと思うのであります。  そこでこの機会に政府にお伺いをいたしたいことは、しよせんこの問題は解決しなければなりません。とにかく四千万ドルの外貨を獲得しておるのだが、これはほとんど百パーセント円資金に上るものでございます。外国から原材料を買い入れたというものではございません。八千万ドルの輸出であれば、これは大きな輸出でございます。これらの諸君がとにかく非常に困つておるのだ。しかも筋が通らない、一方的な産金業者のあり方について国会並びに政府の善処をひたすらに頼んで参つておる事柄でありますので、これは接収貴金属の中から処分するか、処分して払い下げて加工用金にこれを活用するか、あるいは政府が年々買い上げております三分の一の政府買上金の中からこれを払い下げることによつて彼らの要請を満たして行くか、あるいは別途四千万ドルの輸出の原材料として金塊そのものを外国から輸入するか、あるいは交換文書の中で約束されております通り、すなわち行政指導の妙味を発揮されて、そこで協約されておつた実行を彼らに迫るか、四つの中の一つの解決がなければ、この法律に関する限りはほとんど無政府状態でないかと思うわけであります。大蔵政務次官にはただいま端的にこの書類をお見せいたしましたが、あるいは何ら基礎的な御研究が行われておらないかもしれませんけれども、事柄はきわめて明白な事柄でございまして、輸出業者たちが輸出に使うための金が高いのだ、高いのは困るから安くしてもらいたい、安くしましようといつてその法律を改正して、自由に移すとき、陶磁器に使う金だけは今の値段にするのだ、こういうことになつておつたことがそうでない形になつておる事柄について、政務次官は一体これをいかに処理されるお考えでありますか。この機会にまずこの点をひとつお伺いいたしたいと思うのでございます。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 お答え申し上げます。陶磁器業者の使用します原料の金、すなわち金液にこしらえて使うのでございましようが、彼らのこの金の入手の方法につきましては、私不敏にして、先ほどの御説明あるいは御質問の内容によつて初めて知つたのでございますが、そうした両者間の申合せと申しますか、覚書というものが忠実に実行されておらないではなかいという御趣旨であります。この点まだよく承知しておりませんので、よく取調べた上でお答えを申し上げたいと存じます。  なおいろいろお話になりました中にございます、いわゆる金の国際価格は非常に安い、だから国内で五百七十円、あるいは五百三十円というような金を買つて金液をこしらえるよりは、むしろ外国から原料たる金を買う方がいいのではないかという御趣旨の点もあつたと思います。また金液そのものにつきましても、私の聞き知つておりますところでは、遺憾ながら国内産の金液は外国品に比べてまだ質が非常に悪い。それでできるならば外国から金液そのものを輸入したいという希望を陶磁器業者が持つておられるようにも聞いております。これにはいろいろな問題がありますし、今もお話になりましたような幾つかの考うべき方法があろうと思いますから、こうした点につきまして関係当局とも連絡を密にいたしまして、わが国のたくさんの外貨を取得するこの業界のために、できる限りの支援の措置をはかつて参りたい、かように存じます。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 大体誠実なる御答弁をいただきましたが、今後の御研究によつて、この問題が業者の納得できる形において、しかも日本の輸出陶磁器がさらにその輸出を促進できる形において解決されることを強く要望するものであります。またこの機会に、政府が買上げをいたしておりますこの金そのものを、国際価格に準ずる価格によつて業者に払い下げる事柄についても、私はひとつ御検討を願いたいと思うのでございます。  産金業者といたしましては、自分が犠牲を払つた犠牲価格で政府に納めておるのだから、それを陶磁器業者の利益において払い下げることについては異議があるという御説があるかもしれませんが、しかしこの陶磁器の中小企業者は、ほとんど赤字経営であえいでおります。一方産金業者は、関連産業等のいろいろな景気の関連性もありましようが、相当高利の配当をいたしております。特に問題になりますことは、年々相当の補助金が国から交付されておるということでございまして、特に陶磁器業者は、国内消費のためにとかくのことを要求しておるのではございませんで、もつぱら諸外国と競争することのためには同一の国際ベースの上に立ちたいという要求でありまして、これは何人が聞いても十分首肯し得る立論であろうと思います。わが国の輸出の問題もいろいろありましようし、あるいはまた金液輸入の関係等もいろいろございましようが、手取り早い方法は、政府が買い上げた金の中から——わずか年間六百キロでありますが、これでもつてその五十倍近い外貨が獲得できる。その外貨ならば、金塊を買おうと思えば買えるのであります。そういう意味で、この問題がこのまま捨てておかれますと、だんだんと官僚に火をつけまして、そして問題が内訌して参りましてからでは解決が困難になるのではないかと思うのであります。すなわち陶磁器業者の陳情に反発いたします産金業者は、五百三十円で悪かつたらやめてくれと言つておる。五百三十円の立場において論議を行えば、今度は五百七十円に値上げをしてくれと言つておる。これではまるでヒステリーであります。こういうようにわれわれが経済を憂え、輸出振興のために正しい議論をしておりますのが、どう誤つた宣伝であるか、産金業者の方に対してそういうヒステリカルな影響を与えたということになりますと、問題をさらに解決困難な状況に追いやつてしまつて、この輸出産業に及ぼす影響がまことに甚大であろうと考えますので、こいねがわくば通産当局と早急に御協議を願いまして、この問題の早期かつ合理的な解決のために、ひとつ次官の積極的な御努力を特に切望いたしまして、私の質問を終ります。

黒金泰美自由党

○黒金委員長代理 この際お諮りいたします。  ただいま議題となつております接収解除ダイヤモンドの処理等に関する法律案及び接収貴金属等の処理に関する法律案の両案に関しまして、理事会の決定に従い、本日午後三時より日本銀行地下に保管してあります接収解除ダイヤモンドの管理状況を視察いたしたいと存じますが、この点御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

黒金泰美自由党

○黒金委員長代理 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。  本日はこれをもつて散会いたします。    午後零時二十九分散会

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