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19回国会衆議院1954/03/26

大蔵委員会 第29号

発言数
97
登壇者
13
会派数
4
開催日
1954/03/26

会議録

千葉三郎改進党

○千葉委員長 これより会議を開きます。  本日は、昨日の理事会の申合せに基きまして、会議日程にあります所得税法の一部を改正する法律案外二十三法律案を一括議題として、質疑を続行いたします。佐々木更三君。

佐々木更三日本社会党(左)

○佐々木(更)委員 きようは大蔵大臣はお見えになりませんか。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 大蔵大臣は、本日参議院の予算委員会がございまして、そうして分科の主査報告その他討論採決がございます。まことに残念でございますが出席いたしかねます。私代理で参上いたしました。

佐々木更三日本社会党(左)

○佐々木(更)委員 大蔵大臣が御病気あるいは外遊、いわゆる不可能的なことでお見えにならなければこれは別でございますが、院内におりながら参議院の方には出る、こちらの方に出ないということは、これは大蔵委員会の軽視じやなかろうかと思うのであります。きようは少くとも大蔵当局にとつては最も重大な税法関係が、しかも一季に二十数件もこの委員会に質疑を打切つて討論採決を要求しておるのであります。その当局が、同じ院内におりはがら、この大蔵委員会には出席しないで他の方に出るということは、どう考えても私は大蔵委員会に対する重大なる侮辱だと考えます。もう一回この点御考慮願えないでございましようか。とにかく本日は、大蔵委員会としては最大の委員会だと考えます。だからただいま大蔵大臣の出席を交渉中のようでございまするから、一応それまで私質問を中止いたします。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 あらためて発言を許します。

佐々木更三日本社会党(左)

○佐々木(更)委員 大蔵大臣にお伺いをいたします。今日ここで審議されております二十数件の法律案の中で、主として税金関係のことについてお尋ねをいたしたいのでございますが、この本委員に付託されております税金関係の法律を見ますと、きわめて重大な一種の税制改革の方向を指示しておるということができるのでございます。これを私の観点から見ますれば、この税制改革は、一つは税の中央集権主義的な強権主義をとつておるということでございます。たとえば従来地方税であつたものを国税に移管する等、一切の税金を国税に集約して、これを自治体に交付することによつて国家の権力を強化しようという財政政策であり、税制政策だということができると思うのでございます。もう一つの特徴は、今度の増税は、主として消費税に向けられておる、いわゆる第一次的な生産その他から来るところの国民の所得の増大に向つて税金が追求されるのでなくして、実際に零細なる勤労大衆の消費面に向つてその税金が追求されるという、一種の税制改革の方向を含んでおるものと思うのであります。すなわち、これを見ますと、新しい税金として酒税、砂糖消費税、揮発油税、物品税、繊維消費税、入場税いずれもこれは物の生産によつて価値が増大するいわゆる国民の所得の面に向けられないで、定まつたる国民の所得の消費面に対する追求、いわゆる大衆課税という一つの方向に進んでおると思うのでございます。大蔵大臣は、こういう一種の税制改革の意味を含んだ今回の税に関する諸法案であるということをお認めになるかどうか、この点をお伺いいたします。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 税につきましては、実は今度幾らかでも地方税制とか、あるいは財政その他の関係を調整するという考え方を織り込んでございます。これはかねて地方制度調査会とか税制調査会の答申の次第もありまして、ただ、たとえば税制調査会の方でございますと、御承知のように自然増収を見ていろいろ減税案が立つておりましたが、今度は自然増収等を見込みませんので、従つて少額所得者等の減税を中心として、その結果の埋め合せは、いわば新しい税なり消費税的なものにふえておるのは、これはやむを得ずそういう措置をとつたのでございますが、私どもの方針としては、別に中央集権的な考えを持つておるわけでなくて、その点から、たとえばタバコの消費税のごときものも新たに地方へあげるというようなことにいたしましたり、入場税も九割は地方財源とする等、言いかえますと、大体におきまして地方の財源を強化するというねらいでやつたのでありまして、これは地方制度調査会等でも、また税制調査会でも、みなその考え方に基いておるのでございます。なおお話のうちに、消費税の方を、大衆に税をかけるようなものに重きを置くじやないかというお話がございましたが、私どもは実はさように考えておりません。従いまして今度でも、たとえば物品税なり、あるいは繊維のうちに奢侈的な繊維品についてだけかけておるような次第でございまして、考え方は少額所得者、いわば大衆の負担を減ずることに極力努めて、そうして大衆でないそういうぜいたくな方面に消費税的なものを負担してもらうという考え方から出ておる次第でございます。

佐々木更三日本社会党(左)

○佐々木(更)委員 大蔵大臣は、これは別に税制改革の意味を含むのではなくて、税の調整の意味を含んでいるものだ、これは税制調査会の答申等に基いてこういうものをやつたのであるから、税制改革の意味は含んでおらない、こういうのでございますが、だとしますと、大蔵大臣も不見識きわまる盲課税をしておるのだと私はいわざるを得ないのであります。先ほど申しました通り、何といいましても、今度の税体制の全体を通して見ることは、地方税を国税に移管するということです。今日民主主義の基盤は地方自治の確立にあることは、これは大蔵大臣も否定はなされぬでございましよう。従つて地方自治が健全に発展するためには、独自的な財源を持つということは絶対の条件であります。権力構成の根本は何といつても経済力であることは、これは大蔵大臣といえども否定はしないでございましよう。たとえば政府が政府という権力を持つておつても、これをささえるだけの財政がなければ、政府の権力遂行は不可能である。政府は政治をとることが不可能なんです。同じく地方自治が地方自治として健在するためには、どうしても独自の財源を持つということが根本になる。まさか大蔵大臣がそれを知らぬはずはない。知つていながらこれを、幾多の入場税の譲与税にせよ、あるいはその他の税金にせよ、全部これを国税に移管するということは、たといあなたが頭の中でそれを観念として意識しなくても、結果においては、これは中央集権的な権力主義への税制体制の変化だろうと思う。これを否定しようとするならば、あなたは不見識きわまるものだと私は思う。  なお砂糖消費税やその他のものが大衆課税でないということは、これはどこからそうなるといえるのですか。たとえばタバコの値上げ、ピースが今回五円値上げになると聞く、ピースを吸う階級は一体だれです。少くともこれは勤労者大衆でございましよう。四十円のものを四十五円に恒上げをしておいて、これは勤労大衆の生活を圧迫するのでないというようなお考えを持つならば、これは日本の大蔵大臣としては不適当であります。酒税にせよその他にせよ、あなたはこういうような消費課税は大衆課税として認めない。たとえば物品税の時計にしてもそうでございます。たとえば五千円以上のものに対して物品税を課すということになりましたならば、今日の貨幣価値からいつて、五千円の時計がどうして一体高級品か。五千円程度の時計でなくてどうして時間を正確にはかることができるでありましよう。私はどう見ましても、この消費税中心の税制改革が大衆生活への税金追求である、大衆課税の税制変革の方向を指向しておるものだという確信を持つのでありまして、もう一度タバコの税金とか、酒の税金とか、こういうものの値上げは、一体大衆の生活を圧迫しないかどうか、もう一回大蔵大臣の政治的良心に基く答弁をお願いいたします。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 最初に申し上げておきますが、中央と地方のことにつきましてありましたが、地方の問題につきましては、富裕府県としからざるものとの間に、相当財源その他の凸凹のあることは御承知の通りなんです。従いまして、できるだけそれを国税に移管することによつて、その方にいわゆる交付税及び譲与税ではつきりした形で上げたいということと、今の人口的に出すようなタバコ消費税のような財源を与えておる、こういうのであつて、実は地方のあまり平等でないところをそういうふうに財源調整を行う、こういう意味であるのでありまして、この点はお調べくださればよくわかることと私は思うのであります。なお今タバコについてのお話がありましたが、これは一番日本で売れているのはバツトでございますか、金鵄というものでございますか、そういうのが実は大衆的なものでありまして、ピースなどは、今専売局が売つているうちの最高級品です。従つてそれに対する五円などは、五円くらい苦にならぬとおつしやる方が多いのであつて、これを大衆課税とおつしやることは、私にはこれこそ聞えないのです。さらに時計も五千円以下のものが使えるかというお話でございますが、これは製造価格でありますので、それが小売価格になりますと一万円にもつくので、そういう時計をお持ちになつておる方は、大衆という言葉にはまらぬと私は考えております。今の一万円もする時計なら相当上等なもので、それは、あなた方はどちらかというと自分のこととお比べになるからで、私は大衆という言葉のうちにはそれが含まれない、こういうような感じがするのであります。砂糖についても、これは主として輸入ですから、砂糖は輸入の抑制という見地からも多少しまつをしてもらう。しまつをしてもらつても、これはおととしの輸入額よりもなお多く入つておるような状況でありますので、やはり国民にこの際消費の節約を望みたいという趣旨から織り込んでおる次第であります。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 佐々木さんにちよつと申し上げますが、参議院の予算委員会では、第三次補正予算の質疑で大臣の出席をみんな待つておるんだそうです。そこでもう一ぺん御質問をいただいて、そして向うに大臣が出て、それか終つたらまた来てもらうということにしたらどうかと思うんですが、いかがでございましよう。

佐々木更三日本社会党(左)

○佐々木(更)委員 それではもう一点。どうも大蔵大臣は、四十円のピースを吸つている人々は勤労大衆に入らないと言う。こういうお考えを持つておる大蔵大臣をいただいておるということは、私は日本国民の不幸であると存じます。これ以上私は、大臣がお忙しいようでございますから、いずれ内容の部分については植木政務次官等もいますからそちらに伺いますが、ここまで来ますと政治的良心の違いだ、こういうことが言えるだろうと思うのであります。大臣がどう強弁なさろうとも、今回のこの税関係の法律案は、国の税制観念に一大変革の方向を指示するものである。これは先ほど申しましたように、何と言いましても中央集権制的な権力主義の立場をとり、日本の自治財政というものを蹂躙しようとする一つの財政方向だと私は信じます。なおこれは先ほど申しました通り、何と言つても政府は第一次元的な生産の増強に力を注がないで、そういう方面からの国家の収入を期待しないで、単なる国民の所得の消費面にだけその税の追求をなそうとする、これは苛酷なる悪税である、こういう方面に向つての税制改革の方向を示唆しているものと私は断言いたしまして、次に私は質問をしてみたいと思うのでございます。  そこでいろいろの新税の問題で私が考えることは、これは一つの欺瞞が含まれておるではなかろうか。言いかえれば、政府はかかる増税をしなくても、いわゆる国家財政のやりくりはできるではなかろうか。ある意図をもつてこういうような大衆課税の方向をとつておるのではなかろうかという疑いを持つておるのであります。そこで私は大蔵大臣に聞きたいのでございますが、政府は耐乏生活を国民に要望する一つの予算編成方針として、本年度の予算は是が非でも一兆円以下にこれを押えよう。いわゆる九千九百九十六億円というような、とにかく一兆を一銭でも一円でも下まわつた予算を立てて、これを堅持して行こう、こういうお考えのようでございます。この一兆円以下の予算を政府が堅持するかどうか、あるいは堅持できないかどうかということは、この新税が妥当であるかどうかということの大きな理由になると思うのであります。そこで大蔵大臣は、現在国会に提出しておりますところの一兆円以下の予算を絶対に堅持されるのかどうか、堅持し通せる見込みがあるのかどうか、この点について大蔵大臣の御見解をお聞きいたします。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 一兆円予算は、ほとんど国民の総意ともいうべき輿論の支持を得ておりますので、皆様方の御同意を得て、必ず堅持できるものと私は考えております。

佐々木更三日本社会党(左)

○佐々木(更)委員 むろん私は一兆円以下予算に国の予算を収縮するという概念には反対するものではありません。問題は一兆円予算の内容であろうと思う。もしこの一兆円予算の中に、不生産的な、単なる消費的な財政支出が多いというならば、かかる一兆円予算は、国民生活にとつてはむしろ妨害だ、じやまものだと言わなければなりません。言いかえますと、たとえば厖大なる保安庁の経費等を含んでおる。この中には、私の推定するところによれば、二千数百億円という、国民の富に関係のない、不生産的な財政支出があることは、大蔵大臣としても決して否定なさらないだろう。防衛問題においては私は大蔵大臣と見解を異にするでありましよう。しかしながらこの防衛予算を中心とするものは物を生産する予算でないということは、大蔵大臣だつて否定しないだろうと思うのであります。そのことはさておいて、そういう意味において、こういう不生産的な財政支出を多く含んでいるこの一兆円予算というものに対しましては、私は大蔵大臣とは多くの見解を異にするのであります。  そてで大蔵大臣にお聞きしたいのは、大蔵大臣はただいま、一兆円予算はあくまでも堅持すると言う。これはむろんうわさかどうかわかりませんが、昨年大蔵大臣がアメリカにおいでになるとき、日本の予算は、アメリカの要請等もあつて、どうしても一兆円以上にとどめなけれげならない。自分がアメリカに行つて来る間にいろいろな予算編成がなされるであろうが、ともかく一兆円をびたで一文も越えてはならないということを大蔵当局に言明して外遊させれたということを私は聞いた。しかるに大蔵大臣が帰つて参りましてから、むろん風水害等のやむを得ざる支出がありますから当然でございますが、第一次の補正予算、第二次の補正予算、今や第二次の補正予算が組まれて、一兆円予算を上まわること相当の多額に上つておるのであります。もし大蔵大臣がこの一兆円予算をあくまでも堅持しようとするならば、たとえば本年度わが国には風水害等の、そういう不時の支出を必要とするような状態が起きないと一体予想されるのか。ここ数年来の日本の状態を見ますと、こういう自然の破壊によつてやむを得ざる緊急支出を含む補正予算のなかつたためしはほとんど一年もないのであります。今年だけどうして一体そういうような天変地異を予想しない、一兆円予算というものを堅持することができるのか。もし堅持するとするならば、この一兆円予算の中でからくりがなければならない。これが私は重大問題だと思う。この一兆円予算を堅持しようとするならば、どこかでからくりをして第二次第三次補正予算というものを編成する以外に何か方法がありますか。そこでもしこの予算編成の内容にそういうようなからくりがあるとするならば、この欺瞞によつて事前に大衆に増税を課すものだ、新税を設定するものだと言われても、しかたがないだろうと思う。大蔵大臣は絶対に第二次、第三次補正予算というものは組まないというような御言明ができるかどうか、もう一度お伺いいたします。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 最初にお断りしておきますが、アメリカがどうこうといりようなことを私が申したことはなくて、これはあなたもそんなうわさだとおつしやつたが、そういうことは何も根拠のないことでありますから、これははつきり申し上げておきます。またアメリカへ行きまして、さような日本の予算についてかれこれお話を受けたしとも何らありません。従いまして何らの制肘を受けたものでなく、これは他の方で自主的に編成したものであるということをはつきり申し上げておきます。  なお一兆円の問題につきましては、これは二十八年度予算も一兆円以内にとどめたかつたが、しかしああいつたような異常な災害、六十年にないという災害があつたので、初めてやむを得ずああいう二百七十二億だけ超過するという予算、これは当時救農国会というのが特に開かれてああいうことになつたくらいで、これは皆さん御協賛くださつたのでも、事情やむを得ぬことであつたことはよくおわかりのことだと思うのであります。二十九年度予算について何かからくりがあるか、ごらんに入れている以外に一つのからくりもございません。ただ、それじや災害が起つたらどうするのか。これは昨年のときもお話がございましたが、実は六十年にない災害である。そう毎年毎年あるのでは、六十年にないんじやない、毎年のことになるので、私どもは予算費その他で弁じ得るもの――従来弁じ得たのでありますから、さようにことさらに私は一兆円という数字にとらわれているものでないことは、ほかの機会でも述べております。ただこれが一番わかりやすくて、そうして予算実行上にも、また国民各位にいわゆる生活の合理化を願うのにもたいへんわかりよいから、そう言つているのであつて、数字にとらわれてやつているのではない。日本の今日置かれている内外の経済事情、財政事情等から、一日も早く国際収支を合うようにしなければならぬ。そのためにいろいろなことをやつているので、このことはここで繰返しませんけれども、そういうところから予算が編成されている次第であります。従つて何ら編成上にからくりは一切ございません。

佐々木更三日本社会党(左)

○佐々木(更)委員 大蔵大臣の編成による予算書を見ますと、本年度は減税三百二十一億円、増税分は二百七十六億円で、大体において予算書の上において、本年は政府の一千億減税もしくは何百億円減税という言明にもかかわらず、国民の期待を裏切つて、この予算書で見ましても、いわゆる基礎控除等の税率の引下げによつてわずか四十九億円しか減額になつておりません。この点はしばらく抜きにいたしまして、この二百七十六億円の新しい増税額というものは、先ほども私が指摘いたしました幾多の大衆課税であり、この法律案を本委員会で審議しなければならないということになつておるのであります。そこで私は一兆円予算の上から見まして、もし真に大蔵大臣の一兆円予算というものは堅持できるというような考え方、なお大蔵大臣は、昨年の災害は六十年に一回の災害なんだから、ことしは災害は来ないというたいこ判を押してくださつたので、われわれも安心してしかるべきだと思うのでございますが、そうだといたしまするならば、この増税もしくは新税の設定というものは必要はないではなかろうか。なぜ必要がなかろうと言うかと申しますと、今年の第一次から第三次までの補正予算を見ますると、大体これは自然増収と経費の節約に求めておるようであります。むろん自然増収は、これはある意味においては苛歛誅であり、所得の水増し見込みによつて、弱い国民をいじめて自然増収をなしたということは私は言えると思うのでございますが、このことはしばらくおきまして、多くの部分を不必要予算の削減による経費の節減に求めておる。もし来年度の一兆円予算というものを、あなたが災害がなく、そんなものは考えないでやつたと言うならば、私は来年度の予算においても、なお不必要の予算というものはあるではなかろうか、私はこういう疑いを持つておる。一兆円予算は、あなたは命をかけて守るでありましよう。しかしながら、やがて補正予算を組まなければならないときが来れば、あなたはもう一度自然増収と不要不急の経費の節約にその財源を求められるに違いがない。そこで私はあなたに聞きたい。本年第三次までの補正予算の中で、あなたが不要不急の予算の削減並びに節約してなしたる増額はどのくらいでございますか、この点御発表願います。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 最初に申しげておきますが、二十八年度予算でわずかしか減税しなかつたではないかとおつしやいますが、一千億に上る減税をいたしたことは、これは二十八年度予算のときにちやんと御審議を願つておるから、これはお忘れになることはないと私は確信をいたしております。二十九年度予算につきましては、ただいま申し上げました通り、主として少額の所得者、あなた方の言われる一われわれもそう考えるが、大衆課税を減ずる、こういうことのために、従つて物を買つたり何かする人、ぜいたく品を使う人、こういうのにその分だけを埋めてもらつた、こういうわけなんでありまして、この点が増税になつておりますが、減税額の方が多いことは今あなたがおつしやつた通り。しかも減税は主として少額所得者にあるということは、私が説明せぬでもおわかりの通り。従いまして、これは繰返す必要はないと思います。経費の節減はできるだけやつておりまして、今ここに私は暗記して数字を覚えておりませんから、これはあとで事務当局から調べたのを御返事申し上げればすぐわかることと思います。ただ屡次にわたつて、あるいは旅費であるとか、庁費であるとか、あるいは物件費であるとかいうものをたくさん削つたことは、これは御承知の通りであります。なお過日の二十九年度予算におきましても、さらにそれらを削ることになりまして、それが三党協定の結果、それらの分が社会福祉その他の増額となつてみることも、御承知の通りであります。あなたの方から言うと、削るのは保安庁を削ればいいじやないか、そういうものはいらぬじやないか、これは私ども立場が全然違うので、これは、どうも私どもは自分の国は自分の力で守らなければならぬ。しかし日本の財政の程度、国民所得の程度、あるいは経済の程度を越してはならぬ。それに合う程度で漸次増加する線でこれをやつて参る、こういうふうに考えたのでありまして、保安庁費は一文もいらぬじやないか、そいつをこつちへ、こう言われるのは考え方が根本的に違うので、これは考えの相違でやむを得ません。

佐々木更三日本社会党(左)

○佐々木(更)委員 私は保安庁経費の削減の是非をあなたに聞いてるのじやありません。昨年度そういうものを含めて不要不急、もしくは極力削減したと称して、第一次から第三次まであなたは補正予算を組んだでしよう。その補正予算の財源は、先ほどから私が品をすつぱくして申し上げてるように、自然増収と不要不急予算の削減と経費の節減に求めておるので、それは防衛予算をどのくらい削つたかということを聞いてるのじやありません。だからこの予算にも、あなたが今年は一兆円予算はくずさないというならば、やがて補正予算を組むときは、必ずあなたは自然増収の形で国民に対する苛斂誅求をなし、一面においては不要不急並びに経費を節減して予算のやりくりをなさるだろうと思う。そういうことをあらかじめ予測いたしましてこういうような新税を課すということはいけないと言うのです。あらかじめ税制改革の方向を含んだこういうようなものは欺瞞だと私は言う。そういうことはあなたはなさらないのかどうか、なさらないというなら、あなたはそれから何箇月大蔵大臣をしておられるか知らぬが、あなたはこのことに対する責任を負わなければならぬと思うのでありますが、一体この点をどうお考えになりますか。どのくらい昨年度より削減したか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 数字的なことはすでに尽きておるのでありまして、申し上げぬでもよろしいが、自然増収がなぜ見込まれなかつたかということについては申し上げておきます。それは私どもは、本年は国民もいわゆる合理化生活をするし、また日本の物価を五分ないし一割下げて、そうして国際収支の均衡に近づけるように努力をするときであつて、従つて災害その他に自然増収を見込むような、そういうものの考え方は一切持つておらない。従つて二十九年度の予算編成の根本方針として、過去の蓄積を使わないことが第一です。また借金その他そういう借入金等でやらない。減税国債など二十八年度はやつたが、そういうことは一切やらない。第三は自然増収、そういうものを一切見ない。そういうことで、いわゆる健全財政を確立したわけでありますので、自然増収は一切見ない建前をとつております。

佐々木更三日本社会党(左)

○佐々木(更)委員 大蔵大臣は先ほど大衆の定義において、四十五円のピースをのむといわゆる勤労大衆じやない、むろん大蔵大臣の境遇からいえばどうお考えになるかわかりませんが、あなたのこういうお説から言うと、上野の地下道におる浮浪者以外は勤労者じやないということになる。今日ともかく国民大衆は窮乏しておると思う。あなたの生活はどうあるかわらないが、今日大衆の生活が、中小企業以下の大衆の生活が窮迫してるということは、抽象的論争だけでなくして、もはや一般の常識だろうと思う。こういうように、中小企業以下の大衆生活が窮迫しておるとき、増税や新税というものは極力避けなければならないだろうと思う。もしこの一兆円予算の中に、そういうような将来節減をして補正予算を組むという余裕があるならば、私は今日本委員会において議決しようとするところの増税や新税の必要はなかろうと思う。どうも大蔵大臣はそういうことについて答弁を渋つておるようでございますから、次に進みますが、私は二月四日本委員会におきまして、対米債権の取立てがどうなつておるかということを政府当局に聞いております。政府当局はこれに対して答弁がいまだできなかつた。通産当局が参りまして、ただいま清算中だということを言つておるのであります。すなわち四千七百五万ドルという朝鮮特需にからむ対米債権があるということは、大蔵大臣もすでに認めておるところであります。だからこの際政府ができるだけこれの清算をつけまして、国家財政の中にこのものを持つて参りまして、できるだけ新しい税金や増税をかけないという努力をなさることは私は当然だろうと思う。しかも問題になつて以来すでに一箇年になつても、なおこの四千七百五万ドルの対米債権の清算がつかないということは、大蔵大臣、怠慢ではございませんか。しかもこの四千七百五万ドルの対米債権に対しては、政府はそれぞれの業者に対しては支払い済みのはずである。その一例を言うならげ、九州の麻生炭鉱の石炭に対しては、もう政府はとうにこれを支払い済みなわけなんです。あなたは国民の税金の中から、すでに四千七百五万ドルという多額の金を支払つておきながら、こういうものの清算はまるで気をつけない。なお国民に対して増税や新税をかけるということでは、とうていこれは国民は納得できない。われわれはそういうような幾多の問題を残してこの法案に賛成するわけには参りません。一体四千七百五万ドルの対米債権の取立てがその後どうなつておりますか、この際明らかにしていただきたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 今の対米債権は、御承知のごとく大蔵省が直接管掌しておるものではありません。これは通商産業省の中に残務整理をしておるところがございまして、そこでずつとやつておるのでありますが、しかしあの当時認められたところではつきりしておる通り、マーケツト声明にもありますように、これはガリオアとかイロア等の解決のときにどうこうするということを言つております。従いまして、こういう外交の交渉のことは外交の方面に私どもは頼んでやつておるのでありまして、政府としてはもちろんいろいろな努力をしておるのでありますけれども、まだガリオア、イロア等の問題も決定するところへ来ませんし、討議するところへ行つておりません。従いましてそういう問題のときに一様に解決されるものと見ておる。政府は怠慢だ、大蔵省は怠慢だと言われるが、大蔵省はそれをやる権限は持つておりません。しかしながら政府一体としては、これはできるだけ早く取立てるべきでありましよう。しかしあのときマーケツト声明ができておつて、あなたもよく御記憶である。だからこれはガリオア、イロア等、アメリカの債権という言葉は適切ではございますまい、今後きまるわけですから。そのときにこれを解決する、そういうことを言つておるのです。まだそういう問題がきまらぬときだから、いくらこつちが話をいたしましてもそう急速に解決はできない。急速に解決のできないものをとれると見込んで予算を立てろということは、これはあなたが財務当局でも、なおおやりにならぬことであろと思う。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 佐々木さんにちよつとお願いいたしますが、参議院の方におきまして、補正第3号についていろいろ御質問があるのだそうです。みんなたいへん請求に来ておる。そこで佐々木さんのお話はそのくらいにして……。

佐々木更三日本社会党(左)

○佐々木(更)委員 それではもう一つ。これはどうもいろいろ見解を異にしておりまして、私はどうしても大蔵大臣の説明では、この増税並びに新税を含むこういうような諸法律案は妥当だという考えは出て参らないのでございますが、大蔵大臣が方々で急がれておるようでもございますし、それでは飛ばしてもう一つ御質問申し上げたいのでございますが、今政府が砂糖やあるいは揮発油等の統制をしなければならないというので、農林省並びに通産省においては、すでに砂糖、重油等の中間統制と申しますか、そういうものの方針をきめて閣議にこれを諮つたという新聞発表があるようでございますが、この点はどうなつておるのですか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 さようなことを閣議に相談があつたことは一度もございません。なお新聞記事で、農林大臣は砂糖の統制をする意思はないということをはつきり言つておるくらいで、むろんさようなことは、閣議で諮つたことはございません。

佐々木更三日本社会党(左)

○佐々木(更)委員 そうすると、新聞の記事が誤報だということになりますから、別に私はこの点大蔵大臣の責任として追究しようとは思いません。  そこで現在において砂糖の値上りがはなはだしいのである。この原因といたしましては、何といたしましても一斤四円五十銭という増税にあるのであります。私をして言わしむれば、消費税を四円五十銭に上げたということと、政府が製糖会社に対するところの不当なる外貨の割当等をして来たことにこの原因があると思うのであります。そこで、どうしても政府は一般経済財政計画として、あなたの先ほど申しましたように、日本の通貨価値を高める意味においても、日本の財政を健全たらしめる意味においても、あなたの方ではできるだけ輸入の抑制をしようという政策をおとりになる。私たちは必ずしも賛成しませんが、あなたのそうした方針が生れて来るところだろうと思う。そこで当然この重油並びに砂糖に対するところの中間統制をやらなければならない点に来ておるのではないか。なるほど現在これを閣議の上で諮つたような事実はないだろうが、将来そういうことを考えなければならない時代が来るのではないか、あなたの政策からすれば、当然そういうことを考えなければならないときが来つつあるのではなかろうか、こう私はあなたの政策を推察するのでございますが、あなたはそういうことは考えておりませんか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 ただいまのところは考えておりません。

佐々木更三日本社会党(左)

○佐々木(更)委員 ただいまのところ考えておらないというのは、将来考えることがあるということに解釈いたしましよう。今あなたにこれ以上の質問をするということは、あなたも時間がないようでございますから、私はもう一つだけ聞くのでございますが、この砂糖消費税をわれわれは認めるかどうかということについて、一抹の疑惑があるのであります。現在砂糖は輸入原糖の値段が二十二円で、これに課税として二十三円五十銭かかつて、関税として四円五十銭かかりまして、それに精糖の費用、つまりこれをいい砂糖にするところの精糖費用が十円かかつて、現在六十円、これが大体において平均相場だというのであります。これを現在工場を出る価格が八十六円で、製造業者が一斤に対する利益は二十六円だということは、私はきわめて暴利だと思う。あなたは砂糖を入れて牛乳を飲む階級が勤労大衆ではないなどというかもしれませんが、今日砂糖というものはごく少数の財閥はむろん使うでありましようが、大多数が、砂糖を消費するものは勤労大衆である。この勤労大衆の必要品であるところの砂糖を、ただの一斤で二十六円の暴利をむさぼつておることに対してあなたはどういう政策をおとりになるか、この二十六円という暴利をむさぼるのはどこから原因が来るかというと、政府の放漫なる金融政策によつて、たとえば政府は砂糖工場に対して不当なる外貨の割当をしておる。そのために、みなが今日国民需要の倍額に相当する設備を持つておる。これはあなたの罪です。そのために、設備資金を回収するためにどうしても一斤当りの暴利をむさぼらなければならない。二十六円という暴利をむさぼつておるのであります。そういう観点からこの点は問題になりまして、しかも今日汚職万能の日本の政界の中において、この砂糖問題に対してさえも汚職があるといわれておる。むろんこれは新聞発表でございますが、あなたのところ、あるいは政府その他において否定しないから、あるいは真実かと思うのでございますが、こういうことが書いてあるのでございます。これは三月二十五日の読売新聞の発表するところでありますが、「設備拡張が暴騰のもととなるという悪循環が現在の高い値段になつた。国民こそいい迷惑だが、その上ここにも汚職のうわさがある。二十七年夏、N精糖の神戸工場新設にからんで日銀が別品外貨七十七万ドルを貸付けている。この工場は日本一の一日九百トン処理の大工場だが、唯一の日銀貸付なので、政府の高官か与党の代議士が関係しているのではないかと国会で問題になつている。」問題になつているかどうか私は存じませんが、とにかくこういうようなことがうわさされておるのであります。一つの精糖会社に大事な日本の外貨を一年に七十七万ドル割当てたというならば、一体精糖工場全体に二十七年にどれだけ割当てたのですか。そしてこれがはたして神戸に外貨が割当てられているかどうか、この点をあなたはこの際御説明なさつて、この事情を明らかにしなければ、いたずらに砂糖消費税を引上げても、国民は納得しないでありましよう。政府に対しておそらく消えるところのない不満と不信を抱くだろう。従つて、二十七年度において精糖工場全体に対する外貨割当はどれだけあつて、何工場にどれだけ割当てて、このN工場に対するところの外貨割当が公平であつたかどうか、御説明を願いたいのであります。このことが明らかにされなければ、私は砂糖消費税に対する賛否の意見を本委員会は表明することはできないだろうと思う。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 今のような汚職問題があれば、これは厳正たる司直の手でさばかるべきであつて、私どもはさようなことは聞いておりません。また日銀の別口外貨が貸し付けられたかどうか、さようなことについても、何も私は聞いておりません。ただお話になつた砂糖の価格の問題であるが、これはできるだけ安定が望ましいのでありますけれども、これは今日私のところの直接ではなくて、通商産業省にしても、これは何も特別な権限を持つておるわけではないのであります。従つて、自由経済のもとにおいて、ある場合に下落し、ある場合に若干騰貴することは、これはどうしても避けがたいのじやないかと考えておるのであります。なおこんなものに外貨を割当するのは不都合じやないか云々のお話がございましたが、そうするとうんと輸入額を減らせという――私どもは輸入を減らす考えでおります。そういうお考えのもとで、今度は砂糖なんかなるべく入れない方がいいとすると、あなたの物価引下げ論と大分矛盾するような感がせぬでもない。

佐々木更三日本社会党(左)

○佐々木(更)委員 私は、大蔵大臣は実際良心を失つておると思う。一体だれが砂糖の消費を減らせと言いましたか、だれが輸入を減らせと言いましたか。当然の利潤をもつて安い砂糖を国民に配給することのために、あなたは何らかの財政的措置をとらなければならないじやないかということを聞いておるのじやありませんか。あなたは何です。一体だれが砂糖の輸入を節減しろと言いましたか、もつとまじめに答弁しなさい。そこで私が聞いておるのは、砂糖の高いのは、こういうような日銀を中心とする政府の金融政策の間違いの現われではないか。ここで言う通り、二十七年度たつた一箇年間にさえも外貨を七十七万ドル割当てたというのだから、そこに日本の精糖工場は現在の国民需要の倍額の設備を持つておる生産過剰の状態にある。政府は、今度は逆にこれを急いで収縮して、そうして逆に国民の需要に制限を加えて、その結果としてはますますここに砂糖インフレの状態を来しておる現状ではありませんか。そこでそういう政策はいけないのだから、国民に安い砂糖を正当な価格をもつてもつと多量に供給するために、こういうような金融政策に公平を期さなけれげならぬ、妥当性を持たせなければならないと、私はあなたに聞いておるのだ。そこであなたは七十七万ドルをN精糖の工場一つに対して一十七年度に割当てたというのだから、よその工場にも割当てたに違いない。ここに汚職のうわさがある以上は、これは汚職でないということをここであなたは説明をなさるためには、他の工場に対してもこれは公平に外貨の割当をやつたのだから、N工場に対してだけ一年に七十七万ドルの外貨の割当は不当ではない、だから汚職はないのだということをあなたは説明しなければ国民は納得しないじやありませんか。私の聞いておるのは、N工場だけで一箇年に貴重な日本の外貨を七十七万ドル渡しておるのだから、他の工場にもきつと公平に分配したであろう。それをここで知らしてもらいたい。それならば、国民はなるほど汚職というのはうわさにすぎないと言うでありましよう。御発表してください。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 実はそういうどの工場にこうしたというようなこまかいことは、私は知るはずはありませんし、知つてもおりません。なお今私が申上げたのは、そういうことについて汚職その他のことがあれば、これは司直の手によつて私はさばかるべきものだと考えます。  それからなおお話のうちにあつた外貨割当ということは、私としては、いわゆる閣僚審議会では年々外貨割当をやります。やりますけれども、そのあとの取扱いその他については、これは大蔵省で直接やることではないのです。従つて幹事会その他でやるのでありまして、これはどういうふうにどこへ一々割当せられるかということは、こまかいことは、実際そういうふうなことは申し上げられません、私は知つてもおりません。これは実際また一つ一つに監督はできません。

佐々木更三日本社会党(左)

○佐々木(更)委員 大蔵大臣が答弁できなければ、これは銀行局長でもだれでもよろしゆうございます。  そこで大蔵大臣にもう一つ聞きたいことは、こういうように、精糖工場に対して私はどうしても不当な外貨の割当があると思う。あなたはここでわれわれの釈然とするような答弁をなさらない以上は、誤解されてもしかたがないのです。あなたが知らなくても、銀行局長が知つていなければならないはずだ。だから私は、どうしても外貨の割当には不信を抱かざるを得ない。現在日本の手持ち外貨が非常に不足しておる。そこで新しく外貨割当制について、各方面に対し著しい削減をなされようとしておる。これは日本の経済財政にとつて外貨をどう割当てるか、どう運用するかということは、根本的な問題だろうと思う。この根本的な外貨割当の問題が、今日私の聞くところによりますと、通産、大蔵両省のいわゆる下僚というと申訳がございませんが、いわゆる事務当局によつてこれらのものが計画されつつあるということを聞いておる。これだけ重要な問題が、何らかの形において国会の審議を経ないということは、私はふしぎでならない。今日外貨の割当を除いてどうして日本の財政経済の全体的な計画の樹立、もしくは討議ができるでありましよう。そこで大蔵大臣は、現在までは外貨の割当が大蔵、通産両省の事務当局によつて左右されておつたかもしれないが、今後は、外貨の割当に対しては国会が国民を代表してこれに参与できる、こういう制度の確立が必要だろう、この点について大蔵大臣はどうお考えでございますか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 最初にちよつと申し上げておきますが、さつきの日本銀行というのは、きのう外貨審議会をやつたから、それの外貨と思つたが、これは別口外貨というやつでありまして、別口外貨は、その使い方が日本銀行に一任されておりますからさよう御了承願います。  それからあとのは問題でありますが、外貨予算はきのうでしたかおとといでしたか、百九十八回の閣僚審議会を開いておりまして、個々のこまかいことは幹事会等でやりますが、しかしそれも一々報告はすることにいたしております。私はこれ以上これを国会に諮るというような考え方は持つておりません。

佐々木更三日本社会党(左)

○佐々木(更)委員 そうすると、たとえばその審議会といいますか、割当等をしたものを将来国会の承認を求めるとか、こういうような措置をとるお考えはない、こうおつしやるのですか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 ただいまのところ、さような考えは持つておりません。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 井上良二君。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 本日税制各案を質疑を打切りまして、討論採決に入ることになつておりますが、この最終段階において私どもが非常に遺憾に思いますのは、今度の税制改革におきまして、低額所得者の減税を他の間接税において一方増徴する、それによつて穴埋めすることになつておる。特にそのうちの一番大きな部分であります奢侈繊維品消費税、それから入場税法案、租税特別措置法というような法案があとまわしにされました。このあとまわしにされた理由は、これら三重要法案のうちで、特に入場税法案と繊維消費税の法案が与党内部で歩調がそろわないというところから、与党内部の調整をはかるためにこれがあとまわしにされた。ところが私がここで伺わなければなりませんのは、この二つの法案の税収は二百七十七億に上つております。増税分の三百六十四億のうちの八割を占める税収を持つのであります。この二つの法案があとまわしにされる、しかもこのうち非常に私ども遺憾に思いますのは、自由党が従来政府原案通過に全力をあげて政府と協力して参つたにかかわらず、今日この入場税法案の修正案を本日午後提案をするということが明らかになりました。先般私は大蔵大臣に、この修正案について政府はどう考えるかということを質問をいたしましたところ、大蔵大臣は、まだそんな案は見てない、こういう御答弁でございましたが、その後この修正案に対して相談を受け、あるいはこれに対する政府としての所信をどうお考えになつておりますか。これを伺いたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 私は修正案というものは、今日もまだ見ておりません。もつとも先刻も内示があつたものがあるが、はたしてそれが修正案かどうかについては私はよく存じません。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 それはもつてのほかであります。あなたは自由党出身の大蔵大臣です。しかも原案を提案します場合は、自由党の政調会の議を経て、総務会の議を経て、そうしてここへ提案をされておるのです。この政府原案に対して、与党たる自由党が修正案をつくつておるのに、これを大蔵大臣が全然知らぬとはどういうことです。一体こんなばかな話がありますか。特にあなたの隣の植木政務次官は、国会と政府の間の調達をはかる重大な任務を持つて駆り、数日にわたつて自由党の大蔵部会が開かれて、そうしてこの修正案をめぐつていろいろ長い間討議をされておることは、植木政務次官はおそらく知らぬとは申せますまい。それをあなたに全然報告もせず、大蔵大臣は本日午後修正案が提案をされるのに、わしは知らぬということで、そんなばかなことが一体通りますか。政党政治の上において一体そういうべらぼうな話が通りますか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 どうも正式に話がないものを知つたといううそを言うわけには参りません。私はまだ修正案というものを正式に何ら相談を受けてないのであります。これに対して、知つておらぬことは知つておらぬと申し上げるよりほかはない。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 それでは隣の植木政務次官に申し上げる。あなたは、政府と国会との間を調整をはかる重大な役割で政務次官をしておいでになる。あなたは自由党政調会及び大蔵部会において修正案が審議され、しかもそれが成案を得て法制局にまわつておることを御存じですか。もし知らぬとすれば、あなたの責任は重大ですよ。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 お答え申し上げます。私の承知しております件は、修正案ではなくて、修正の内示案とでも申しますか、そうしたものについての御連絡は受けております。従つてそうした内示案につきましては、大臣へも御報告申し上げてあります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 わかりました。それはまだ正式にここへ提案されておりませんから、はつきり修正案ということは申し上げますまい。しかし一応修正案を(「修正案じやないよ。内示案だよ」と呼ぶ者あり)黙つていなさい。提出をするということは、正式に本委員会の懇談会において自由党側から発表がありました。しかもそうなつた以上は、当然あなたは大蔵大臣にその内示案を、こういう修正がされるらしいということで報告をされ、それで大蔵大臣は、この内示案を植木政務次官から承つて、これを一体御承知されましたか。それともこういう内示案は妥当でないとお考えになつておるか、妥当であると考えておりますか、それを伺いたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 正式に話のあつた場合に考えようと思つております。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 正式に話のあつた場合に考えると申しますが、問題は税収減が来るか来ないかという重大な予算上の問題に関連する修正が国会で行われておるときに、最後の成案が出て国会に正式に提案がされるまでは、知らぬ顔しているということができますか。それで大蔵大臣の任務が……。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 正式に話がなければ、何ともわきの方で言いようがない、のみならず、それで大蔵大臣が修正は困るといつたら、その通りになりますか。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 あなたは国の予算編成の重大な責任者であり、その予算編成の一つである歳入の上において、重大な欠陥を来すかもわからぬということが疑われているときに、それに対して、正式に相談があるまでは、正式に案文を見るまではわしは何も知らぬ。そんなべらぼうなことで一体話の筋が通りますか。われわれのかりに調べたところによりますと、自由党の修正案によれば、政府原案よりも相当の減収が来るということをわれわれはいろいろの角度から検討しておる。そういう減収が当然予想されるものを、あなたの方では成案をわれわれに持つて来るまでは何事も知らぬと言う。そういうべらぼうなことで一体事が済みますか。そういうむちやなことはありませんよ。政府原案を与党であるものが修正しておる。野党が修正するのはらいざ知らず、国会が修正するのならいざ知らず、政府の原案を履行する責任を持つている与労が、それに対して修正しておいて、政府がそれを全然知らぬなんということで事が済みますか。そういうことでは絶対あなたの筋道が通りませんよ。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 繰返して言うようですが、正式に出て来れば、これについて政府はどういう態度をきめるかということをきめます。正式に出て来るまできめようがないじやありませんか。仮定の上でそういう内示が行われ、その内示について意見を述べる、さようなことは述べられません。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 それはあまりにこの場さえのがれたらいいという立場だ。あなたの方ではそういう打合せをしている。そういう態度は見えするている。少くとも与党出身の大蔵大臣が、かくのごとく大きな修正が行われるというときに、何らこれに対して自分の意見もなければ、また部内に対しても、これと政府原案との差額がどうなるか、予算上どうなつて行くかということについての検討を何も加えないで、指をくわえてじつと見ている法はない。そういうばかな話が一体世間に通りましようか。あなたとしては、ただこの場さえ何とか言いのがれをして知らぬ知らぬで通しておけば、それでいいというつもりかもしれませんが、それはあなたとしての政治的な責任をのがれようとする最も卑劣な態度ですよ。私は少くともあなたは国の大蔵大臣として、しかも今度の税収の上に大きな要素を占めております、また地方財政計画にも非常な支障を来して来ますこの入場税額の改正問題というものについて、大蔵当局が成案を見るまでは何ら意見はさしはさむ必要はない。国会に提案されてからやつたらいい、提案をされてからやつていいくらいなら、なんでこんなに審議を急ぐのです。(発言する者あり)あたりまえじやないか。何でこんなにあなたの方では審議を急ぐのです。これは四月から執行するものだから、三月末までに両院を審議しなければならぬので、できるだけ審議を促進してもらいたいということを言うて来ているじやないか。あなた方の部下からもそういう要求がたびたびあつた。この重大な改正案に対しても、相当いろいろ問題があるから、早く疑問とする点を解明して、国会をすなおに通すということがわれわれに課せられた任務である。その疑問を聞こうとするときに、私は相談を受けぬから何も知らぬ。またその内示案に対しては全然意見をさしはさむ必要はない。こういうことで一体事が済むと思いますか。そういうことでは、いたずらに審議を混乱に陥れて、紛糾さすことになりますぞ。少くともあなたのそういう態度というものは、あつたものじやありませんよ。私はそうとる。あなたはすなおに審議の促進を考えるならば、少くともそういう疑問点については率直に話をしてもらいたい。内示案というものは、おれは全然知らないのだ、またかりに内示案があつたにしても、それに対して意見をさしはさむ必要はないのだ、そういうべらぼうなことを言うならば、本日午前中に質疑を打切るといいますけれども、そういうべらぼうな政府の態度なら、われわれは遺憾ながら質疑を打切るわけには参りません。政府みずから審議を妨害しておるじやありませんか。(「約束が違う」「言いがかりを言うな」と呼ぶ者あり)言いがかりじやありませんよ。あなた方は大蔵官僚で、最高学府を出て、大蔵省でいろいろやつておつた人間が、こんなべらぼうなことがありますか。そんなばかなことを言つてはいけません。政府みずからが……。   〔発言する者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 静粛に願います。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 妨害をする態度をとるならば、われわれは遺憾ながら審議をするわけには参りません。少くとも野党や国会で、かつてに修正をしようということになつておるならば、あなた方としては、まだ私はよく知らぬ、これで事が済む。   〔発言する者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 お静かに願います。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 私は昨日の本委員会の理事会においても、この問題に対して、政府がすなおに答弁をしてもらいます。ならば、午前中で質疑を打切りましよう。これで手を打ちましよう。(「そんなことはないよ。」と呼ぶ者あり)うそをついたのか、そんなことを言つてはいかぬ。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 お静かに願います。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 大蔵大臣は、ほんとうに審議を円滑に進めようとするならば、私の質問しておる疑問に対しては、すなおに答えてもらいませんと困ります。植木政務次官が全然――与党がそういう修正案をつくり、法制局で法文化される段階にある。午後にはここに提案されるということになつておる。それをあなた方が全然知らぬ、内示案に対しても何ら答える必要がないなどということをいわれて、われわれの審議が一体どうしてできます。国会の審議をそんな党派色によつて押し切られたら、たまつたものじやないですよ。まじめに審議するものは、まじめに審議させてもらいませんと困る。私は決して無理を言うておるのじやない。あなた方がまじめにその経過を話し、いろいろその点で検討しておると、まじめに答弁をされたらいいじやないか、全然知らぬの、それに対して答える必要がないの、そういう態度で一体あなたは国会審議が円満に行けると思いますか。  委員長に伺いますが、一体あなたは、かくのごとき答弁で、まじめに審議がやれると思いますか。少くとも政府の出した案に対し、またこれに関連する修正案に対して、国民を代表してわれわれは質疑をやつておる。(「口先だけじやないか」と呼ぶ者あり)口先だけだとは何だ。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 静粛に願います。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 私は、ただいま自分の真意を吐露して政府の所信を聞いているのです。それに対して、政府はまつたく木で鼻をくくつた、しかも道理の通らない答弁をしておりますから、私は語調を強くしているわけです。それだけでは決して物は片づくものじやありません。円満な議事運営はできません。それだから、ほんとうに先ほど理事会で申し上げた通り、午前中で円滑に質疑を打切り、午後討論を省略して採決するというならば、もう少し政府に法案審議に対する協力の態度をとつてもらいませんとだめなのです。従つて委員長からもつとまじめな答弁を要求してください。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 委員長から大蔵大臣に申し上げます。先ほどから承つておりますと、大蔵大臣は、昨日の理事会並びに委員会の決定について御承知ないようであります。昨晩きまりましたのは、きようは午前中におきまして佐々木更三君並びに井上良二君のお二人が質問に立つ。井上君の質問は入場税に関することでありまして、その入場税は、不足財源その他に関することを主として質問することになつておるのであります。従つてそれに対して自由党側からは、きようの午前中に修正案が出るのはむずかしいが、午後になつたら修正案が出るという御回答であつたのです。そこで今言う修正の内示案があるはずであるから、その内示案に基いて財源その他について質問をするということで、植木政務次官も了承されて、それぞれ準備を進めておられると私は考えております。そういう意味におきまして質問を井上委員がしておるのでありますから、この際この問題は、各税法にも関連しておるのでありますから、十分親切に御答弁くださらんことをお願いいたします。

淺香忠雄自由党

○淺香委員 議事進行について……。私は委員長にちよつと一言お尋ねいたしたいのですが、昨日の理事会の経過につきましては、委員長から言われた通りであります。ただ一点伺いたいと思いますのは、なるほど委員長の言われましたように、本日は佐々木更三君の質問があり、その後井上良二君が主として入場税の財源問題について質問したい、これも了承いたしました。しかしてその場合に、政府側としては、これは的確な御返事ができかねるかもしれないと申し上げたところが、これも万やむを得ない、それによつて質疑は打切つてもいいというお約束であつたように私は記憶をいたしております。その点委員長として、昨日の理事会においてどういうように御了解いただきましたか、いま一応御説明を願います。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 ただいまの淺香君の御質問でありまするけれども、私は淺香君のただいまおつしやた通りに了承しておるのです。ただ問題は、この財源がはつきり間に合いかねるだろう。間に合いかねるから、これを何も党利党略的に議事を進めるのじやなくて、どこまでもフエアに進めたいという井上委員の考えでありまして、むりに議事を引延べるというような意思は持つておらないから、その財源が研究してもきようの午前中にわからなければ、わからないという誠意を示してくれということの意味に私は了承しております。井上委員それに間違いありませんか。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 大体それに間違いないと思つております。

内藤友明改進党

○内藤委員 議事進行について……。ただいま井上君から大蔵大臣にお尋ねしておりますが、大蔵大臣の御答弁が、実ははなだぶつきらぼうだ。正式に聞いていない、非公式に聞いておるかもしれない。だからそういう仮定の上に立つては何も返事はできない。こういうことのようであります。実はそこに問題がありますので、ゆうべあれだけごたごたいたしましたときに理事会を開きまして相談いたしましたのは、実は井上君の方から、午前中に自由党の方からの修正案を出してもらいたいという要求だつたけれども、それはどうしても出せないということであつたから、従つて自由党が先般秘密懇談会で内示せられたそのものに基いて、どうなるかということを大蔵当局としてよく研究されて、きよういろいろと質疑しようじやないかということになつてわかれておるはずであります。私どもはそう了承しております。でありますから、もちろん自由党の皆さんは内示されたものは確定的なもりでないということは私ども万々承知しております。しかし一応それでどうなるかということを主税当局でよく研究されて、それでわれわれも仮定であるからよく知らぬけれども、不承々々でも納得して全体の審議を進めようということに実はなつておるのであります。にもかかわりませず、大蔵大臣はあんまりぶつきらぼうで知らぬ存ぜぬ、そのなことを言う必要はないなんていうことになるものですからこういうことになりますので、もつと親切にお進め願うわけに行かないものですか。これは、もう自由党の皆さんは非公式でもお聞きになつておられるでありましようから、おそらく自由党の皆さんもいろいろそろばんをはじいておられると思います。そういうところはもちろん確定できないかもしれません。しかし、それはこうなんだがどうだろうかというようなお話があつていいじやないかと思いますが、それもいけますまいか、大蔵大臣の御所見を承りたいと思います。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 私は率直に申し上げておきますが、一応そういう話がある、それじやいろいろ検討してみておいてくれないかということでありますが、検討の結果はまだ何も聞いておりません。それから修正案が内示の通りきまつたのか、きまつていないのか、これもまだ、自由党の方からも私は正式に聞いてない。正式という言葉がまた語弊があつてはいけませんが、私は何も聞いていない。自由党の方からも特に聞いておりません。私が承知しておるところでは、こういう案ということで、一応の案を持たれた方が、まだいろいろ折衝中なんではないかと思つておる。従つてその案がきまれば、そうすると政府は、これに対してどういう考え方だということが自然に出て来ることになる。私はいろいろの数時を出しておりますから、事務当局の方で持つておるかと思いますが、その修正案に基いてどうなるかということは、率直に言つて私は実は何も聞いておらない。またここへ来るときにも、今の話を聞いて臨んだわけではない。ただ税制全般について、何か話があるということで伺つたのでありまして、私の言葉がぶつきらぼうであつたかもしれませんが、知らぬことは知らぬので、実はこう申したのです。私は何も知つておりません。全然私は正直に申しておる。何も私のところへ来ておるものはないので、私自身成行きについて一応話を聞きましたが、いろいろな数字が出て来たり、財源はどうなるかということは、何も話を受けておりません。従つてこれについては、党の方できちんときまつて、それがいろいろの打合せになつて、確定されたときに正式にいろいろ数字等について、それじやこういう党はどうだ、ああいう党はどうだという問題が出て来るのではないか。もつとも内示の問題につきましては、それではたいへん事務的に困るからというので、事務当局から内示について話が出ておるようです。私は忙しいせいもあつたでしようが、そういうこまかいことについて聞いておりません。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 それでわかります。それでいいのです。それであなたの立場はよくわかつた。だから問題は、あなたからも、そういうことを与党の方で修正しようというならば、一応作業してみて、税収にどう違いが出て来るかやつてみようということは、あなたの方も言われておるのです。それでけつこうです。それ以上私は追究いたしません。ただ問題は、それに基いて――これは事務当局に伺いますが、私の方で調べたところによると、たとえば今度の自由党の修正がかりに通過いたしました場合にどうなるかということで、ずいぶん原案の間においていろいろ私の方でしてみたのですが、それによりますと、主としてこの税が大きな府県に偏在しておるというところから、大きな府県だけを私ども時間がない関係上はじいてみたのですが、東京の場合は、現行法によると二十九年度の入場税の収入見込額は五十五億円程度、政府原案の税率による場合は、入場税の収入見込額は四十二億五千万円、差引十二億五千万円の減。この減税割合は二五%になる。自由党の修正案による場合は、政府原案に比してさらに八億円程度の減収が見込まれるので、現行法に比して二十二億五千万円の減収になる。政府原案に対する減収割合は約二〇%であつて、現行法に比すれば三七%減となる。大阪府の場合は、現行法による二十九年度税額収入は二十八億円、政府原案の税率による場合は二十一億円で、差引七億の減。修正案の場合は、政府原案に比してさらに四億円程度の減収となるので十七億円となり、現行法に比して十一億円の減収となる。神奈川県の場合は、現行法による場合は九億円、政府原案の場合は三億の減。この割合は約三〇%になつて、差引六億円となる。修正案の場合は原案に比してさらに一億八千万円となり、東京、大阪、神奈川、愛知、これらの各県の自由党の修正案による減収は、現行法に比して四十億六千万円、政府原案に比して十六億三千万円となるので、全国的に見た場合、政府の見込んでいる二十九年度入場税の収入確保はきわめて困難であり、むしろ相当の歳入欠陥を生ずることも予想されるのみならず、自由党の修正案では、政府の原案に対してさらに六十億ないし七十億の減収となることが予想される。この入場税は、政府原案によると百九十二億を見込んでおりますが、この百九十二億からわれわれが大まかな勘定で推定をいたしましても、六十億から七十億の減収になるということになりますと、一体これはどういうことでこの穴埋めをしようとするのか。また政府のそろばんでは、そんなに減収にはならぬというのか。この修正案が出ると言い出しましてからもうかれこれ一週間近くなりますから、その間政府がこれを全然計算をせずにおるはずはありません。だから政府として、今申し上げましたように、政府原案と修正案を比較してどのくらいの税収差額がそこに生じて来るか、収入見込みがどれだけ違つて来るかということについて、一応今日まで作業しました大要だけを、ひとつ簡単率直に説明願いたい。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 お答え申し上げます。ただいま井上委員が修正案云々と仰せになりましたが、私ども今研究しております案は、試みに示された内示案というようなお言葉をいただきましたが、それについて検討いたしております。その検討の状況を申し上げますと、この一案の中にお考えになつておりますところの入場料の段階別が、われわれが原案として考えておりましたよりも非常にかわつております。ところが残念なことには、現在全国にわたりましての入場料の段階別の統計の正確なものがございません。一応政府が原案のときに利用したものはございますが、これに対して段階の変更が相当ございますので、その変更された税率をその変更された段階ごとに適当に積算いたしました場合はたしてどんな数字が出るか、これを今一生懸命に研究中なんであります。その場合におきましてなお御説明を伺いますと、おおむね政府原案通りの収入が上るだろう、こういうことであります。これに対してわれわれは、はたしてそれがとれるかどうか、やや疑問の点もございますので、この点につきましてはもつともつと説明も承り、その上で確定的な意見をきめたい、かように考えておる次第でございます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 ただいまの政務次官の御答弁は非常に抽象的でありまして、いろいろ政治的にも考慮されての答弁ではないかと私は想像いたします。しかし今日の場合、われわれ政治的な思いやりや気がねや、あるいは遠慮等によつて答弁されたら困ります。数字は科学的なものでありますから、そんなかけひきや思惑をこれに加えられたらたまつたものではありません。あなたとしてはそういう辛い立場においででしようから、あなたに答弁は求めませんが、この責任者である主税局長は一体これに対してどう計数を引出されたか。計数はまだ全然出ていないということになりますか。

渡邊喜久造大蔵事務官(主税局長)

○渡邊政府委員 結論から申し上げますと、今政務次官の申された通りであります。と申しますのは、先ほどの東京都なら東京都の例、これはあるいは当局の方から数字が出ておるのかと思いますが、現行法なら五十五億、政府原案で四十二億五千万円、こういうお話からまず出発をしておるわけであります。この数字を元にして参りますと、結局政府原案でも相当の減収が生じていなければならぬわけなんです。われわれが従来御説明申し上げておりますところは、あれだけ税率を下げて、政府原案で百九十二億とれるはずだということで御説明申し上げておる。それはどういうところから出て来るかと申しますと、おそらくこの五十五億の数字は、現在とつておるそのとり方をそのまま使つて、過去一年か何年か知りませんが、それを元にして二十八年度の入場料金が幾らになる、そして従来の実績をそのまま引伸ばして、その上に現行税率をかけて行けばこうなる、同じ課税標準をそのままとられて、しかも政府原案のような税率区分でもつて計算して行くと四十二億五千万円になる、こういう計算になつております。ところがわれわれの方では、東京都とか、そこだけで論じておるわけではございませんで、日本全国をとつてみれば、あれで百九十二億、大体現行の収入がつかめるはずだ――これは過去の実績を元にしたのでは、実は数字が出ないわけであります。それはなぜかという点になりますと、入場税は、遊興飲食税などに比べましては、課税が割合にうまく行つておるとわれわれは思つておりますが、しかしこれも東京都、それも特にまん中の地辺と周辺の地辺とは必ずしも同じように行つてはいないと思いますし、いなかの方におきましては、必ずしも料金をそのまま府県の方が把握しておるというふうにも考えられない。そこでわれわれの方では、映画の配給から出る配給会社の収入とか、そういうものを別途資料として使いまして、一応百九十二億という数字が出ておるわけなのであります。従いまして、今東京都の例でお示しになりました五十五億の元になつておる数字をとれば、これは政府原案にしてもなおかつ四十二億五千万円になるような数字になり、さらに自由党の修正案ならば、おそらくわれわれが今度提案いたしました税率よりも安くなつておるのでありますから、同じ基礎であれば、それよりも相当減る。これは当然出て来ると思うのであります。ただ問題は、われわれの方でつかんでおる百九十二億の元になつた入場料金が、これはまだもつと多く見積り得るはずだ、こういうところで、自由党の方々はあの税率にして百九十二億はとれるはずだとおつしやつておられる。従いまして、従来われわれが使つていた資料の上に乗つかつて機械的に計算をすれば、それは幾らくらいの収入になる。ただその場合におきましても、こまかい数字になりますと、今次官が申し上げたように、階級区分の問題がありますから、われわれの方で正確なといつたことについては、あまり自信がございませんが、しかし従来われわれが使つておりました入場料金の収入金額が一応これで正しいという基礎に立てば、税率を下げて減収にならぬということを言い得るはずはないのでありまして、程度の問題がどの程度であるかは別といたしましても、ある程度の減収が出る。しかしそれに対して今修正案の提案者の方のお考えでは、われわれのつかんでおる料金の見方が総額的に少いのだ、もつと多いはずだ――もつと多くなるといいますか、少くとも二十九年度としてはもつと多いはずだ、こういうことになつて参りますと、それではその見方とわれわれの料金の総額の見方一これはもちろん階級区分まで入りますが、それがはたしてわれわれとしてほんとうにリライアブルなものであるかどうかという点を――われわれは一応そういうつもりで出してございますけれども、これは始終皆さん方にも言われたことでして、これがもう絶対的のものだということになれば、始終独断だといつてしかられておるわけですから、一応そういう修正案を出された方の御意見もとつくり伺つて、われわれが見た、つかんだ基礎数字がはたして正しいか正しくないか、そこまで実は問題を詰めて参りませんと、どのくらいの減収になるのだと言われましても、われわれの方としてはなかなかお答えしにくい、実はこういう事情にあるわけでありまして、その辺についてはさらによくいろいろ御説明を伺いまして、その上でわれわれの方の意見としては、少くともこういう意見だということは申し上げ得るかもしれませんが、何分一応見方の問題が多分に入りまして、これが国税のように、過去何年間もわれわれがやつておりましたものでございますと、われわれとしては相当自信の持てる基礎数字がそこにあるわけでございますが、地方税としてやつており、しかも地方税としてやつておつた基礎数字を元にしたのでは、ほんとうに正しい数字が出まい、それで全然新しい基礎から一応計算をした、同時に地方税の従来の数字を参照しながら、そこで見積りをしているわけでありまして、他の税種と多分に違つた性格のものであるということのゆえに、自由党の方々がその見方が少いとおつしやるので、実はわれわれとしてはさらに検討してみる必要があるじやないかという問題であると思います。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 私は政府当局に真剣にお考えを願いたいのですが、この法案にしても、きよう討論をしようという法案にいたしましても、いずれも四月から執行せなければならぬ法案です。そこで自由党の方でも非常に法案の審議を急がれて政府に協力されていることは当然のことでありますが、そういう大事な修正案が本日午後提出されるという運びになつておるときに――税収の算定の基礎につきましては、いずれわれわれは、この法案が正式に審議されます場合にいろいろ質疑をいたすつもりでおりますが、本日午後修正案が提案されるというのに、まだ政府の方ではそれに対して作業が全然完了していない。もしそうであつたなら、あしたとあさつてでこれを審議しようといつたつて、そういう計算の基礎もあやふやの上において、もし財政に穴が明いた場合、一体あなたはどういう始末をされるか。本日の新聞によりますと、入場税には相当穴が明く、その穴の明く方は一般会計の財源で穴埋めすればいいというようなことが出ている。そのほかに、大きな府県に対しての歳入減については、公債で一時裏づけしてやれという話までわれわれは聞いておる。そこで、これは相当歳入減が予想され、地方財政計画の上にもいろいろ支障を来すという点が明らかにされて来たのであります。そういう内容を含んでおりますものを、特に有能な主税局の皆さん方がおいでになるのに、一週間もたつてまだ計算の基礎が明らかにならず、税収の上においてはつきりした結論がまだ言えぬということになりました場合、一体いつになつたらこの結論が出るのです。そうじやないと、修正案が出ても審議ができぬことになりますよ。  それでは植木さんに伺いますが、いま一つ例の繊維品消費税、これもどうもあぶないらしいが、これがまた八十五億円というような大きな財源を見ておる。そうなりますと、これはもうたいへんなことになる。現にここにおいでになる山本さんは、これをもし与党が通すなら、私は野党と一緒になつてやると言つておる。(笑声)そういうことで・これは政府として重大な問題です。野党がこれに対して反対するのは当然であろうと思うが、与党内部でこの法案を握りつぶすことが露骨に現われて来ておるのだが、そうすると、もしこれが通らない場合、八十五億もの穴が明くが、これを一体どうして穴埋めするのです。これは実に重大問題です。これはよくあなた方が申しますように、日にちがゆつくりありますれば、それはいろいろごゆつくり検討されてもけつこうです。ところが、もう日があとわずかしかありませんから、あなた方の方では一体この二つの問題に対し、特に入場税の修正案に基く計数整理について、いつになつたら結論が出ますか。かりに午後修正案が提案されました場合は、ただちに審議に入つて行かなければなりませんが、その場合、あなたの方でこれに対する最終計数がまだ出ていないというようなことになつたのでは、これはおよそのことで議論はできませんから、そこを、もう少し責任のある作業はいつまでにできますか、これをひとつ伺いたい。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 第一の御質問の、入場税の修正に関する試みの案についての税収等々の問題につきましては、先ほど来お答えした通りでございますが、しかし御審議に間に合いますように、たとい徹夜をしてでも必ず御迷惑が起らぬようにいたしたいと存じます。  また第二の、繊維品消費税の問題につきましては、私はいまなお皆様方が今後また大いに勉強していただいて、そして必ず通過さしていただけるものというふうに、ほんとうに御信頼申し上げております。もし通らなかつたらどうかという御質問に対しましては、仮定の問題でございまして、私はいまなおとにかく必ず通していただける――自由党内部云々のお話もありましたが、こうした世の中でございますから、お互いに言うべきことは十分言うて、最後にはきまるべきものはりつぱにきまるもの、かように思つております。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 今政府の御答弁によると、審議に間に合うように計数整理をして来る、こういうことですから、多分午後にはできるじやないかと思いますが、午後にできるようでございましたら、今そこに持つているはずです。何かここでそういうことをうかうか言いおつたら、あなた方の政治的ないろいろな立場が困るということで遠慮しているんじやないかと私は思いますが、それは国会の審議を円滑に進める方法でありません。だから、午後修正案が出ます場合は、それに引続いて政府のこれに伴う計数整理の資料をあわせて出して、審議を円滑に進めるようにお願いをしておきたい。私はそれだけ頼んでおきます。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 この際お諮りいたします。自由党の藤枝君から、ただいま議題となつておりまする二十四法案中、入場税法案、しやし繊維品の課税に関する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案及び交付税及び譲与税配付金特別会計法案の四法案を除いた二十法案に対する質疑打切りの動機が提出されておりますので、この動機を議題といたします。本動機に賛成の諸君の御起立を願います。   〔賛成者起立〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 起立多数。よつて本動議は可決されました。  なお昨日の理事会での申合せによりまして、本日午後右二十法案の討論採決に入りたい存とじますが、その方法等につきましては、理事会において御協議申し上げたいと存じますので、さよう御了承願います。  午後二時まで休憩をいたします。    午後零時三十一分休憩      ――――◇―――――    午後五時四十三分開議

千葉三郎改進党

○千葉委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  これより午前中に質疑を打切りました所得税法の一部を改正する法律案外十九法案を一括して議題とし、順次討論、採決に入りたいと存じます。  まず物品税法の一部を改正する法律案、骨牌税法の一部を改正する法律案、国税収納金整理資金に関する法律案の三法案を一括議題といたします。  右三法案につきましては、それぞれ各派共同提案の修正案が提出されておりますので、まず修正案の提出者から修正案の趣旨弁明を求めます。  まず物品税法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、内藤友明君。

内藤友明改進党

○内藤委員 物品税法の一部を改正する法律案に対しましての修正案でありますが、この案はずいぶん長い修正条文でございますので、お配りしてあります印刷物で御了承願いたいと思うのであります。  内容を申し上げますと、オルゴール、時計、テレビジヨン、ジュース、これに対しましての課税を適切にするように修正いたしたのであります。なお物品税を免除せられました物品の横流しを防止する規定もつけ加えたのであります。これは四党共同で意見をまとめましたので、何とぞこれを御決定くださいますようお願い申し上げます。  なおこの条文に多少不備なところがあろうかと思うのでありますが、その点は委員長においてよろしくおとりなしいただきたいと思います。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 内藤君の趣旨説明は終りました。  次に大平正芳君から骨牌税法の一部を改正する法律案に対する修正案及び国税収納金整理資金に関する法律案に対する修正案の趣旨弁明を求めます。大平正芳君。

大平正芳自由党

○大平委員 骨牌税法の一部を改正する法律案及び国税収納金整理資金に関する法律案に対する修正案を申し上げます。案文はお手元に差上げてありますから、朗読を省略させていただきます。  本修正案の内容をかいつまんで申し上げますと、骨牌税法の方は、牛骨でつくりました麻雀と練りパイ、その他一番下級の麻雀に対する税金を軽減いたしまして、弱少なメーカーの経営に対する障壁を緩和して、同時に脱税品ができますのをできるだけ押えて行こうという趣旨でございまして、牛骨に対しては四千円を二千五百円、その他に対しては二千円を千八百円に引下げようとするものでございます。  国税収納金整理資金に関する法律案につきましては、関税の過誤納金を還付する場合の加算金の期間計算につきまして、原案では、関税が納付された日の翌日から還付のため支払う日までの期間が加算されていますが、この法律案の附則第四項の規定による国税徴収法の改正の割合に準じまして、これを支払い決定をする日までの期間と改めるようにしたわけであります。いずれも全会一致の修正案でございますので、よろしくお願いいたします。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 修正案の趣旨説明は終りました。

藤枝泉介自由党

○藤枝委員 動議を提出いたします。ただいま一括議題となつております三法律案及び三法律案に対する修正案につきましては、討論を省略し、ただちに採決されんことを望みます。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 ただいまの藤枝君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 御異議ないようでありますから、右三案につきましては、本案及び修正案ともに討論を省略して、これよりただちに採決に入ります。  まず物品税法の一部を改正する法律案に対する各派共同提案の修正案について採決をいたします。本修正案に賛成の諸君の御起立を願います。   〔総員起立〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 起立総員。よつて本修正案は可決せられました。  次に、本修正案の修正部分を除いた原案について採決いたします。これに賛成の諸君の御起立を願います。   〔総員起立〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 起立総員。よつて本案は内藤君提案のごとく修正議決せられました。  次に、骨牌税法の一部を改正する法律案に対する各派共同提案の修正案について採決いたします。これに賛成の諸君の御起立を願います。   〔総員起立〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 起立総員。よつて本修正案は可決せられました。  次に、本修正案の修正部分を除いた原案に賛成の諸君の御起立を願います。   〔総員起立〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 起立総員。よつて本案は大平君提案のごとく修正議決せられました。  次に、国税収納金整理資金に関する法律案に対する各派共同提案の修正案について採決いたします。これに賛成の諸君の御起立を願います。   〔総員起立〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 起立総員。よつて本修正案は可決せられました。  次に、本修正案の修正部分を除いた原案に賛成の諸君の御起立を願います。   〔総員起立〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 起立総員。よつて本案は大平君提格のごとく修正可決せられました。  次に、相続税法の一部を改正する法律案、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案、関税法案、国税徴収法の一部を改正する法律案、関税定率法の一部を改正する法律案、農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、資金運用部特別会計法の一部を改正する法律案、国民金融公庫法の一部を改正する法律案、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案の九法案を一括議題として討論に付します。

藤枝泉介自由党

○藤枝委員 動議を提出いたします。ただいま一括議題となつております九つの法律案につきましては、討論を省略し、ただちに採決せられんことを望みます。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 ただいまの藤枝君の動議のごとく、討論を省略してただちに採決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 御異議なしと認めます。  それではただちに採決いたします。右各案をいずれも原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を求めます。   〔総員起立〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 起立総員。よつて右各案はいずれも全会一致原案の通り可決いたしました。  次に、所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、酒税法の一部を改正する法律案、印紙税法の一部を改正する法律案、砂糖消費税法の一部を改正する法律案、揮発油税法の一部を改正する法律案、米国対日援助物資等処理特別会計法等を廃止する法律案、製造たばこの定価の決定又は改正に関する法律の一部を改正する法律案の八法案を一括議題として討論に付します。討論は通告順によつてこれを許します。柴田義男君。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 私は日本社会党を代表いたしまして、本日提案せられております所得税法の一部を改正する法律案外七法案に対しまして、反対の立場を表明いたすものであります。  まず第一に、所得税法の一部を改正する法律案につきまして見まするに、第十一条の七の改正は、扶養親族の一人当り控除額は、現行の三万五千円を四万円といたしておりますし、二人であれば五万五千円を六万五千円に、三人であれば七万五千円を九万円というような改正を行つておりますけれども、一般勤労大衆に対する軽減の措置をさらに講じておりません。現今の諸物価水準より見ましても、まつたく勤労階級に重く、大資本家、高額所得者擁護としか考え得ざるものであります。戦前の日本、日支事変、大東亜戦争と軍備の大拡張をいたしておりました当時の日本財政においてすら見られざるごとき現状であります。たえとば戦前の物価を一といたしますれば、今日は三七〇を越えておるのであります。しかるに戦前年収一千円までは所得税はなかつたはずであります。この戦前の十円を今日の物価水準に換算いたしますれば三十七万円であります。しかるにこのたびの改正案にいたしましても、二万円の収入で百分の二十、すなわち二割の税金を課すがごときは、実に言語に絶するものであります。わが日本社会党は現今日本の経済を考慮いたしまして、年収二十五万円までは所得税の免除を主張し、本改正案に反対するものであります。  また給与所得税の源泉徴収に関しましても、三十七条以下四十三条に至る諸条を見まして、絶対に反対するものであります。今日年額七万一千八百円以上に課税するがごときは、暴挙と言わざるを得ません。前に申し述べましたごとく、今日の月収七千円未満で勤労所得税を支払うとすれば、何によつて勤労階級は生活をいたすのでありましよう。かかる所得税改正には断固として反対するものであります。  次に、法人税法の一部を改正する法律案に対しましても反対をせざるを得ません。政府は常に資本の蓄積を主張し、健全経営を指導するがごとき宣伝をいたしておりますけれども、たとえば同族・会社の一人の株式の所有を三〇%から五〇%と改正し、かえつて資本家擁護の面が強いのであります。私は、出版物発行事業に対しても何らの措置をも講ぜられないがごときは、どうしても了承し得ざるところであります。出版物は新聞発行事業と同様にて、あたかも車の両輪のごときものであります。知識の普及、社会文化の向上に寄与することはもちろん、ことに教科書の発行のごときは、実に日本教育の民主化のために大いに努力し、新聞業とともに公益的性格を持つものであります。かかる見地から、この出版物事業に対しましては、当然考慮を払わなければならないことを主張するものであります。御承知のように鉄道運賃でございましても、郵便の料金にいたしましても、特別扱いを講じておるのであります。ひとりこの法人税の面におきましてさらに考慮を払わないということは、どうしても納得し得ざるところであります。かかる観点から、この法人税の一部を改正する法律案に対しましても反対せざるを得ません。  その他酒税法の一部を改正する法律案、印紙税法の一部を改正する法律案等も、現在の経済状態から判断いたしますと、政府は圧縮財政によつて国民大衆に緊縮を要望しております。こういう観点から考えましても、印紙税あるいは酒税の一部を改正することによりまして、かえつて一般勤労大衆、あるいは一般大衆の生活を脅かすものであります。かかる観点から反対をするものであります。  揮発油税法の一部を改正する法律案に対しましても、同様な見地から反対せざるを得ません。  あるいはまた米国対日援助物資等処理特別会計法等を廃止する法律案でございますが、この問題は、朝鮮向け物資の対米債権の問題、あるいはガリオア、イロアの問題等と関連をいたしまして、今この特別会計をこのままに廃止することでございましたならば、これらのガリオア、イロアの勘定等も相当考慮しなければなりませんので、まだ廃止するには至らないと、こう存ずるものでございまして、反対をするものであります。  製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案でありますが、これも前に申しました一般大衆の生活費がますますかさんで参りますことは、官営の諸物価が改訂されることをきつかけといたしまして、たとえば電力の値上げもこれによつて誘発されるでありましようし、あるいはその他いろいろな面で諸物価のインフレを助長するものと存ずるのであります。このタバコ製造に関しましては、まつたく大きな利潤を得ておるものでありますから、ピースだけではありますけれども、かかるものの値上げをきつかけといたしまして、諸物価の高騰を来すおそれがあると存じまして、反対をするものであります。  以上をもちまして私の反対討論を終ります。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 なお小川豊明君から砂糖消費税に対する討論の通告があります。これを許します。小川豊明君。

小川豊明日本社会党(左)

○小川(豊)委員 私は今議題になつております法案中の砂糖消費税の一部を改正する法律案に対して、社会党を代表して反対討論をいたしたいと思います。  砂糖は、日本の有効需要を私は大体八十万トンと考えております。ところが今日百万トン以上の砂糖が輸入されておるわけであります。しかもこのうち六〇%は業務用であり、四〇%は家庭用に大体まわつておるわけであります。今日食糧事情その他から耐乏生活が唱えられ、食生活改善運動が唱道されておる中に、この家庭用にまわる砂糖が今日においても非常に少い。これはもつと家庭用にまわすべきであると思いますが、こういう措置がとられていないのであります。しかも今度逆に砂糖の業界の状態を見ますと、十九社の精糖業者が非常に厖大な利益を上げておることは、従来委員会でたびたび申し上げて来たところでありますが、この利潤を上げている原因を見ますと、まず粗糖と精糖との輸入にあたつて、粗糖を輸入する場合は関税が二〇、精糖の場合は三五という比率をつけておる。同時に従来戦前においては、粗糖を日本では相当使わせておつたのでありますが、今日では精糖以外には使わせないということを言つておるが、その理由は、粗糖を使つたのでは、だに等がわいて、国民の衛生上非常に支障を来すからいけないということになつております。この論拠は私はきわめて薄弱であつて、こういうふうに粗糖の輸入と精糖の輸入に比率を設け、あるいは精糖でなければ使わせない、全部精糖会社にまわすというようなこと自体が、精糖資本を擁護する以外の何ものでもない、こういうふうに考えざるを得ないのであります。しかも精糖業者の利益はきわめて厖大であつて、一万トンの輸入にあたつても二億七千万、今日の価格では三億三千万という利益を精糖業者が得られておる。しかもそのほかに、この砂糖消費税に対して、政府は三月の延納を認めております。そしてこの三月の延納を認めることによつて、今日砂糖消費税は二十三円五十銭でありますが、かりに一月平均八万トンずつの砂糖を庫出しするといたしますと、この二十三円五十銭が三月の延納を認められることによつて九億三千九百万という厖大な金になり、これを今日無利子で精糖業者が使つておるのであります。これが今度は逆に二十八円に引上げられるとしますと、この価格は十二億一千五百万、こういうとほうもない金額を精糖業者は無利子で使つておられることになる。こういう矛うに精糖業者の利益をあらゆる方面から擁護しつつ、しかもこの値上げによつて砂糖の価格は当然暴騰します。ことに外貨の事情等からいつて、一方において砂糖の輸入を抑制する、そうして一方において消費税を上げることによつて、砂糖はますます思惑価格がからんで、たいへんな値上りになることは当然であります。そうして大衆の生活がますますこの点から圧迫されて来る。かような理由によつて、私はこの砂糖消費税に対しては反対の意見を申し述べるものでございます。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 春日一幸君。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました所得税法外八法案に対しまして、強く反対の意を表明するものでございます。  以下その理由について申し述べたいと思いますが、私の討論は、昨日の理事会では、自由党がめちやくちやにおやりになる事態でありましたので、都合によつては三時間ぐらい討論ができるように、かくのごとく資料をとりそろえてございます。しかし理事会が円満に妥結をいたしまして、簡潔に討論を終れということでございますので、従つて三時間の討論から抽出をいたしまして、大体十分間ぐらいで終りたいと思います。(笑声)論旨の中に前後いろいろ矛盾する面もあろうかと考えるのでありますが、この点はしかるべく御了承を願つておきたいと思います。  まず第一番に所得税についての関係でありますが、われわれがまずこれに反対する根拠の第一のものは、すなわち生活費に対してなおかつ税金がかけられておるという、このことについてでございます。これは先般来本委員会における政府原案に対する私どもの質疑の中でも、すでに強調して参つたところでありますが、生活費に対しては課税すべきでないというこのことは、わが党の年来の主張であるのでございます。しこうして今回政府の機関によつて答申された、すなわち税制調査会の答申案なるものも、所得税については、一年の勤労所得二十四万円程度までを無税とすることはすでに常識化し、決して過大な要求とは言えないということがここに答申されておるのでございます。しこうして基礎控除は八万円、それから勤労所得控除の七万五千円、さらには扶養控除の四万五千円までは何名というぐあいに答申されておるのでありますが、このことば、大体わが党が年来主張して参りました年間所得二十四万以下の者に対しては、これを課税すべきではないというわが党の主張を裏書きしたものでございまして、しかるところこの答申案が、政府によつては今回の改正案の中に盛られてはいないということが、私どもがこの所得税に対して最も反対せざるを得ない理由の一つであるのでございます。さらには政府は、今回相当所得税において減税をしておるのだから、従つて旧税法のものならば、本年度においては相当の増徴があるのだが、諸般の減税措置を講ずることによつてとにもかくにも前甲斐に出してわずか二百何十億かの増徴にとどめ得た、こういうような説をなしておるのでございますけれども、私どもがみのがすことのできないのは、この一部所得税において形式的に減税された額以上の多くのものが、すなわち間接税として増徴をはかられたことであります。たとえば繊維課税において八十五億、砂糖消費税において五十七億、揮発油税において三十一億、酒税三十八億、印紙税において五十五億、タバコの値上げによつて八十八億、すなわち間接徴収によつて大衆に加重される税額は、本年度において実に三百六十四億に達しているのであります。すなわちこのことは、所得税における二百何十億の増徴と比べ合せますると、今年度におけるこの改正法案を通じて大衆が負担しなければならぬものは、昨年に比して実に五百億を越えるということになるのであります。これはまことに重大な事柄でなければならぬと思うのであります。政府は私どもの質問に対して、二十六年度以来いろいろの税改革を通じて、課税される対象がずいぶん減つたと、まことにしたり顔をしているのでありますけれども、このことは朝日新聞の批評にもうたわれていることであります。すなわち二十四年度の千八百四十万人を頂点に、次第に減つて来たが、二十八年度でもなお千五十万人もある。しかし戦前はどうであつたかというと、九十五万人であつた。その戦前の九十五万人に比べると、なおかつ十一倍という多くの大衆に課税が行われている。このことは生活費そのものに課税がなされていることを指摘するものでありまして、決して渡邊さんが功名、手柄、したり顔に、われわれがやつて来たとは言えないのであります。戦前の例と比べると、実に十一倍の諸君が課税されている。すなわち国の税収入は依然として大衆的規模においてこれが徴収されていることは、論理の明確に示すところであります。すなわち先般私が平田国税庁長官に伺いましたところ、国税庁みずからの調査による税制の調べにおきましても、なおかつ低額所得者の多数の者が課税せられていることを述べられております通りに、課せられるべきでない者に対しても、なおかつ税金が課せられていることは、やはりわが党の断じて承認し得ざる理由であります。のみならずこれを法人税法と対比して調べてみますときに、法人税におきましては、昨年来の税制改革を通じて著しき軽減のすなわち租税特別措置法におきまして、価格変動準備金において百五十二億、貸倒れ準備金において百六十億、退職準備金において二百二十三億、渇水準備金、これは発電会社のみを対象とするものでありましようが、これが二十億、船舶会社を対象とする特別修繕費五億、それから炭鉱等に対する特別措置として、異常危険の特別積立金十五億、保険会社に対する違約損失の特別積立金六億五千万円、輸出関係において五億円、増資配当控除二十二億五千万円、さらに鉱山を対象として二億円等、これら減税の合計は実に六百億を越えるものでありますが、そのほかに企業合理化法による特別償却で五十億の減免措置が講ぜられているのであります。こういうものを加えますと――租税特別措置法についてはいずれ来週審査を行うわけでありますが、これらにおいて大企業、大法人に対しましては、実に六百五十億を越えるところの大減税がなされているのであります。  そこで私どものこの法人税に対する考え方でありますが、渡邊さんみずから述べられている、所得のある者に課税するというあなたの方針は、この法人税においては断じて貫かれていないのであります。すなわちこの法人たちは、現在経済がいろいろと混乱いたしておりますので、中には非常に不況にあえいでいる者もありましようが、中には厖大な利潤をあげている者もある。特に繊維関係とか、あるいはまた砂糖関係、羊毛関係、こういうような主としてその原材料を外国に仰いでいる。しかも独占的に外貨の割当を受けて、独占的な規模で仕事をしておりまする会社等の利潤は、厖大なものがあるのであります。これは先般来この砂糖消費税に関連して、砂糖会社の経理内容をわれわれが解剖した結果、実に半年間において、資本に対して三五〇%というような平均利潤をあげていることによつても証明できるものでありますが、こういうような厖大な所得を得る大法人、大企業に対しましては、やはり累進税率をもつて、その所得を対象として課税するのが当然ではないか。法人とえども小法人であり、しこうして所得の少い者に対しては低い税率で臨み、資本に比べて高額の所得をなした者に対してはやはり高率をもつて臨む。すなわち所得のあるところの課税するという基本的な考え方が法人税においても適用されるべきでありまして、個人の所得税、申告所得税においてなされていることが法人税においてなされていないことは、わが党のまことに納得し得ないものであります。しこうしてこの法人税の中において、ただいま申しましたところの特別措置法を通じて軽減されるものが、実に六百五十億を越える。こういうことでありますならば、この法人特別措置の恩典を受けるものは、しよせん大企業であり、大財閥であります。これらの諸君は、これらの特別措置を受ける資格と事業的基礎を持つているのであります。しよせんこれら六百五十億の軽減措置は、大企業のみが独占的に満喫するのでありますが、零細法人たち、は・結局これらの特別措置の圏外に置かれているわけであります。従いまして、これを他の言葉で表現いたしますならば、大企業に対しては大体百分の三十の課税で臨まれており、しかして小法人は文字通り百分の四十二という不公正な税率がこれに盛られているということは、高額所得に高い税金をとるというわれわれの主張に対して、さらに逆行するものでありまして、従いまして私どもは、所得税と同じように法人税に対しても、所得を対象として累進課税をなすべきであるというのが、私どもの主張であります。しかしながらこの政府原案によりますと、それらのことが何らの配慮が加えられていないことは、私どものこれを承認し得ない理由の大きなものであるのであります。従つてこの法人税法に対しましても、反対をせざるを得ないのであります。  次は、酒税法の一部を改正する法律案に対する反対の理由を申し述べるのでありますが、今回特級並びに一級、ビールの値上げで三十七億の増徴をここにもくろんでおるのでございますが、今回の値上げは、この特級並びに一級の高級酒だけを対象としておるのであるから、一般大衆にはそれだけの重圧を与えないであろうということが政府の説明の中に述べられておつたのでございます。しかしながら従来の慣例と申しましようか、前例によりますと、この一級酒と二級酒との値幅が開いて参ります都度、こんなに開いてはどうだこうだというようなへりくつをつけて、そうそうしてその値開きのさや寄せをすると、その低いものを高めておるのが政府のやり方であるのであります。従いまして、ここに特級酒、一級酒が値上げをされたということは、やがては大衆酒に対しまして値上げが行われるであろうというその前提となるものでございまして、こういうものに税金を課税するというようなことは、私ども断じて承認できないのであります。さらに、ビールのごときは、これは大衆的なものであるが、あるいは特殊のものであるかということは、申し上げるまでもなく、今こそこのビールはたいへん大衆に愛好せられて普及しておるものでありますが、今回こういうようなものを対象として相当の値上げが行われておりますけれども、そのようなことまでするならば、私はただいま申し上げました六百数十億になんなんとする、大企業、大法人を対象とする租税特別措置法の手かげんで、こんなわずかな税金の操作くらいはでき得ようと思うのでございます。私はビールというようなものは、一銭でも安くして、そうして働く人々がこういうものを飲みやすいような状態にしてやるのが政府の親切な考え方でなければならぬ。しかも政府は別に物価の安定、勤労大衆の生活の安定というようなことも口だけでは言つておられるのでありますから、従いまして、こういう大衆のための嗜好品であるビールなどのごときものを、この機会に値上げするなどというがごときことは、まことに口頭禅であり、言語道断である、これは私どもとしてこれまた断じて反対せざるを得ないのでございます。  さらに印紙税法が今回値上げをされまして、特にこれまた五十何億の増徴が試みられておるのでございますが、これはわれわれの質疑の中におきましても強く主張をいたして参りました通り、せめてこの際免税点を五千円程度に上げるべきである。さらにこういうような大衆の一つの課税はできるだけ現状に押えて、そうして大衆課税負担をできるだけ軽減するということが物価を抑制し、生活を安定せしめる政府の政策にもマツチするものであるが、こういうものまでも、五倍、十倍というような増税をするということは、品に物価の安定を唱えなから、現実にはそういうような増税をもつて臨んで来る。いずれにしても、こういうような大衆の犠牲において増税をされるということに対しましては、私どもは根本的に反対であるのでございます。  次に、砂糖消費税の問題でありますが、これはただいま小川君から述べられております通り、砂糖は生活必需品であるということはもはや論をまたないところであります。現在米が不足でございまして、代替品によつて大衆生活が維持されております。小麦を食べるにいたしましても、しよせんはこの砂糖を必要とするものでありますから、従つてこの砂糖こそは塩と同じように、これはできるだけ統制に持つて行くということが望ましいことであるのでございますが、われわれの了解できないことは、同じ生活必需品であるところの調味料、塩と砂糖に対する政府の態度でありますが、塩に対しましては、政府はこれは完全なる国家統制を行つておるのでございます。すなわちこれに対しましては、専売局の経理を通じてみると、年間相当の損害を受けて、生活に欠くことのできないところの塩の需要をまかなつておるわけでありまするが、砂糖にに対しましては、政府はこの輸入税とそれから砂糖消費税によつて多額の収入をあげておると思いますが、いずれにいたしましても、生活必需品に対しまして厖大なる税収を大衆から収奪するというようなことは、これはすみやかに修正されなければならない問題であるのでございまして、砂糖の値段がだんだんと高まつて来るので、一体政府はどうして砂糖の値段を抑制するのだというようなことが、すでに大きな政治問題となつておりますとき、逆にそれを値上げするような増税をするというようなことは、正気のさたでは考えられないところでございます。私どもは、さらに生活必需物資には課税すべきではないというこの基本的な立場に立ちまして、むしろ砂糖の税金を減税しなければならないのに、逆行して今日二割の値上げが行われるというような事柄に対しましては、もとより根本的に反対をせなければならないのでございます。  その他揮発油油税の問題がございまするが、これはいずれにいたしましても、低物価政策を提唱いたしております政府が、こういうようなものを上げて参りますならば、すべてこれを元といたしまして、物価の値上りを誘致して参ることは当然のことであるのでございます、こういう消費税を上げることによつて、輸入の抑制をするのだというようなことを言つておりますが、真に政府が輸入の抑制をしたいと思うならば、他にいくらも方法があることでございましよう。たとえば外貨の割当等の制限もあるでありましようし、さらにはまた統制をしくというような考え方もありましようし、こういうような何でもかんでも税金をかけて、それによつてこの千五百億になんなんとするところの再軍備所要額を調達せんとするような、こういうあり方に対しましては、これまたわが党は断じて賛成のでき得ないところであるのでございます。  さらに対日援助物資の特別会計を廃止する法律についてでございますが、これは第十五国会以来、国会におきましてずいぶん問題になつておるところでございまして、その指摘されたる問題点は、今日何一つ解決されてはいない段階にあるのでございます。先般第十六国会におきまして、有斜な例の河野質問によつて、朝鮮貿易との帳じり四千万ドル、この問題が質問されたのでございましたが、それに対する政府の御答弁はその当時行われず、本日今もつてなお何ら明快なる解明がなされてはいないのでございます。従いまして、これは二十四年四月以前の経理というものが全然明確ではない、こういう明確でないところの口座を今回ここにとざしてしまうというこのことは、すなわち政府が犯して来たところのいろいろの責任をこれによつてかぎをかけてしまつて隠蔽して、やみからやみにほうむり去らんとする隠謀以外の何ものでもないのでありまして、こういうような特別会計は、すべからくこの問題が根本的に明らかになるまで厳重にこれを保存いたしまして、そうして不明確な点の明確を期するように努力するのが政府の態度でなければならないと考えるのでございます。従いまして、こういうようなおもちや箱をひつくり返したような状況下にあるところの対日援助物資等処理特別会計が今問題が未解決のままにここに閉鎖されるというような傍若無人な取扱いに対しまして、私どもは断じて賛成することはでき得ないのでございます。いろいろ申し述べたいことがたくさんございますが、しよせんは少数によつて否決されることになりましよう。詳細なことは本会議において申し述べることといたしまして、以上をもちましてわが党の反対討論の趣旨弁明を終ることにいたします。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 これにて討論は終局いたしました。  引続きただいまの八法案を一括採決いたします。右各案をいずれも原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 起立多数。よつて右各案はいずれも原案の通り可決いたしました。  この際お諮りいたします。本日審査を終了いたしました各法案に関する委員会報告書の作成、提出等の手続につきましては、委員長に御一任願つておきたいと存じますが、これに御異議ございませんか。   〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 御異議なしと認めます。よつて委員長に御一任をいただくものと決しました。  なお先刻議決いたしました修正案中、字句の整理を必要とする個所がありました場合、これら整理の手続等につきましては、委員長に御一任願つておきたいと存じますが、これに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と味ぶ者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 御異議なしと認めます。よつて委員長に御一任をいただくものと決しました。  なお次の委員会は来週二十九日午前十時から開くことといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時三十二分散会      ――――◇―――――

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