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19回国会衆議院1954/03/24

大蔵委員会 第27号

発言数
49
登壇者
6
会派数
4
開催日
1954/03/24

会議録

千葉三郎改進党

○千葉委員長 これより会議を開きます。  まず一昨二十二日当委員会に審査を付託されました金融機関再建整備法の一部を改正する法律案、旧日本占領地域に本店を有する会社の本邦内にある財産の整理に関する政令の一部を改正する法律案、閉鎖機関令の一部を改正する法律案の二案を一括議題として、政府当局より提案趣旨の説明を聴取いたします。河野銀行局長。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 ただいま議題となりました金融機関再建整備法の一部を改正する法律案外二法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。  まず金融機関再建整備法の一部を改正する法律案について御説明いたします。  戦後金融機関は、金融機関経理応急措置法、及び金融機関再建整備法に基いて、その旧勘定に属する資産及び負債の整理を行うこととなり、昭和二十三年、その大多数は、資本及び第二封鎖預金等の切捨てを行い、さらに相当数のものは政府の補償を受けることにより、旧勘定の最終処理を完了したのでありますが、その際、これらの金融機関は、旧勘定の整理に伴う事後調整のために新たに調整勘定を設け、前に旧勘定に属した資産負債の処分その他によつて生じた損益を、この勘定で経理することと相なりました。その後、この調整勘定の利益金は、予想以上に蓄積され、相当数の金融機関は、右利益金を政府補償の返済、旧預金者に対する分配等に充てて来たのでありますが、この際、右調整勘定の処理を一層促進するとともに、当初金融機関の再建整備にあたり、その対象からはずされた在外店舗にかかる資産及び負債についても、可能な限りすみやかにその処理を促進するため、今般金融機関再建整備法の改正を行うごととした次第であります。  次にこの法律案のおもな内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず第一に、金融機関は、前に旧勘定に属した資産につき再評価を行つた後にこれを処分したときは、その処分益に新たに再評価差額をも含めてこれを調整勘定で経理することとし、この場合には再評価積立金をとりくずさなければならないことといたしました。  第二に、金融機関は、前に旧勘定に属した資産及び負債についてその整理の促進をはかるため、新たに確定評価基準を設け得ることとし、これによる評価を行つた場合にも調整勘定を閉鎖することができるものといたしました。  第三に、金融機関は、その調整勘定を閉鎖する際、同勘定に利益金の残額があるときは、確定損を負担した株主に対し、その負担額及び利息に相当する金額を分配することができることといたしました。但し、在外店舗を有した金融機関につきましては、この部分は後に申し上げます在外資産負債処理勘定にまず繰入れて、在外負債の支払い財源に充て、さらにこの在外勘定を閉鎖する際、同勘定に資産の浅額があるときは、旧株主へ分配するということにいたしました。  第四に、金融機関の在外資産負債につきまして、さきに在外財産問題調査会が内閣総理大臣あて提出いたしました答申の趣旨にのつとり、いわゆる未払い送金為替や、在外預金の支払いの道を開くことといたしました。  すなわち金融機関は新たに在外資産負債処理勘定を設けまして、当該金融機関への帰属が確定した在外資産、調整勘定利益金の残額等を同勘定の資産の部に計上し、これら資産の範囲内で、その金融機関が本邦内に住所を有する者、閉鎖機関または在外会社に対して負つている未払い送金為替及び外地預金等の在外債務を支払うことといたしました。しかしながら当面この在外資産負債処理勘定の資産の部に計上されるものは、一、二の銀行を除いてはきわめて僅少にとどまると存ぜられますので、特に未払い送金為替につきまして、一件の金額五万円までの部分は優先的にこれを支払うこととし、その不足する支払、資金を調整勘定から借り入れることができることといたしました。なお以上未払い送金為替、外地預金等の債務または債権のうち、現地通貨建ないし外貨建のものについては、その額の本邦通貨への換算につきまして別表の規定を設けました。  以上要するに今回の改正は、営業を続けながら整理を進めるという金融機関再建整備法の立法の趣旨を尊重しつつ、できるだけ関係者間の利害の調整をはかろうとするものであります。従つて在外資産負債の関係で調整勘定利益金の分配を今日まで認めなかつた銀行につきましても、ただいま申し述べました諸措置と並行して、旧預金者に対する分配を認める方向で考えております。  次に、旧日本占領地域に本店を有する会社の本邦内にある財産の整理に関する政令の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。  旧日本占領地域に本店を有する会社、いわゆる在外会社の特殊整理につきましては、従来この政令の規定に従い、その本邦内にある財産の特殊整理を実施して参りまして、当初指定されました千百七十五社のうち、本邦内に資産がないため指定を解除したものが六百三十六社、整理を完結したものが五百八社で、現在未整理のものはわずかに三十七社を余すのみとなつております。この在外会社のうち、金融機関である在外会社につきましては、その在内残余財産がある場合にも、未払い送金為替及び在外預金にかかる債務等は在外の債務であるとして、従来この特殊整理の対象から除外されておりましたところ、今回在外財産問題調査会から提出された内閣総理大臣に対する答申書の趣旨に従い、これらの債務を支払う道を開くとともに、在外会社の特殊整理を促進するために必要な措置を講ずることを目的として、この法案を提出いたしました次第であります。  次にこの法律案のおもな内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。  先ず第一に、在外金融機関は、在外店舗にかかる債権債務のうち、未払い送金為替、在外預金等にかかる債務を特殊整理の対象に組み入れ、本邦内に住所を有する個人、法人、及びその他の閉鎖機関、在外会社に対して、現在残存している国内資産の範囲内で、小額債務を優先して支払うこととし、その場合受領人に対して有する反対債権を相殺することができることといたしました。  第二に、これらの債権債務の中には、現地通貨による表示のものもありますので、これらを本邦円貨額に換算するための所要の規定を設けることといたしました。  第三に、在外会社は、金融機関から未払い送金為替または在外預金にかかる債権の支払いを受けることができることといたしました。  以上が、この法律案の提出の理由であります。  次に、閉鎖機関令の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  閉鎖機関の特殊清算につきましては、昭和二十年九月以来、鋭意その処理を進めて参りまして、当初千八十八に上る閉鎖機関のうち、現在までに約千五機関が特殊清算の結了を見るに至りました。従来、閉鎖機関の清算は、その本邦内にある財産についてのみ行われ、在外店舗にかかる債権債務は清算の範囲外のものとせられて参りましたが、今般、在外財産問題調査会の答申を参酌し、これまで未処理のままとなつていた未払い送金為替及び外地預金等にかかる債権債務を弁済する道を開くとともに、閉鎖機関の清算を促進するために必要な措置を講ずることを目的として、この法律案を提出いたした次第であります。  次にこの法律案のおもな内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず第一に、閉鎖機関は、在外店舗にかかる債権債務のうち、未払い送金為替、外地預金等については、本邦内に住所を有する個人、法人及びその他の閉鎖機関、在外会社に対して、現在残存している国内資産の限度内で支払いを行い得ることとし、その場合、受領人に対して有する反対債権を相殺できるようにいたしました。なお、これらの債権債務のうち、現地通貨建ないし外貨建のものについて、その額の本邦通貨額への換算につきまして、所要の規定を設けました。  第二に、閉鎖機関の外地にある財産についても、特殊清算人は、大蔵大臣の承認を得て、管理、処分等の職務を行い得るものといたしました。  第三に、閉鎖機関の債務のうち少額のものについて、これを信託または供託して弁済を免れ得ることとし、また、閉鎖機関は、その発行した社債、営団債につき、銀行に償還の委託をすることにより、その債務を消滅せしめるものといたしました。  以上がこの三法律案の提案理由並びにそのおもな内容でございます。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。     —————————————

千葉三郎改進党

○千葉委員長 次に、米国対日援助物資等処理特別会計法等を廃止する法律案、農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、資金運用部特別会計法の一部を改正する法律案、製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案、国民金融公庫法の一部を改正する法律案、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案、国税収納金整理資金に関する法律案、交付税及び譲与税配付金特別会計法案、経済援助資金特別会計法案の九案を一括議題として質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許します。春日一幸君。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 大臣と政務次官は見えぬのですか。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 政務次官は、今参議院の本会議で説明中だそうですから、それが終つたら見えるそうです。   〔「大臣はどうした」人とも来れないはずはない」と呼ぶ者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 大臣は参議院の予算総会に入つているそうです。   〔「入つておりません」と呼ぶ者あり〕

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 いずれにいたしましても、これは昨日からの継続の事柄でありまして、昨日私は、すみやかに省議を開いて政府の責任ある処置はどのようなものであるかという最終的な御回答を求め、それが本日午前中開会される本委員会において、大臣もしくは植木政務次官よりその決定せるところを御報告いただく、こういうことでおわかれしておりました。しかるに大臣も政務次官もそのお約束を全然お守りにならなくて、現在お見えになるところが不明の状態でありますので、この両責任者のうちいずれかがお見えになりまして、昨日の本員の質問に対して責仕ある御答弁を得るまで、この問題は質疑を進めても意義のないことと考えられまするので、それまで質問を留保いたします。  なおこの問題はあらゆる議案に先がけて審議せなければならない事柄と考えられておりまするので、さらに昨日の委員会以来各委員の一致した御意見のごとくに考えられているわけでありますので、この問題が質疑を続行することのできない状態において、他の議案の審議に入ることはどうかと考えられまするので、両責任者のどなたか御一名が本委員会に御出席になるまで、本委員会は休憩されたいという動議を提出いたします。   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 いかがですか。春日君の動議は成立しておるのです。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 私の動議は賛成者を得て成立いたしておりますので、まことに恐縮でありますが、委員長は国会法並びに衆議院規則に基いて議事の運営を願いたいものと存じます。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 どうですか、採決しないが、いかがですか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 十一時二十分まで休憩します。    午前十一時二分休憩      ————◇—————    午前十一時十九分開議

千葉三郎改進党

○千葉委員長 休憩前に引続いて会議を開きます。  植木政務次官から発言を求められております。これを許します。植木政務次官。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 去る三月十六日の当委員会において、中小企業金融緊急対策として中小金融専門機関に対しまして、今後期限の到来する指定預金の引揚げを延期する等の処置を講ずるように御要望があつたのでありますが、最近の金融の引締めは、外貨事情の推移に応じまして、わが国経済をこれに適応せしめようとするものであります。従つて今後とも継続してこれを行うことが必要であると考えるのであります。しかしながら、その緩急順序等につきましては、経済界の実情に応じて慎重な配慮をもつて望みたいと考えます。この金融引締め政策の結果、中小企業だけにその影響が及ぶとも考えられませんが、中小企業金融につきましては、政府もかねがね重点を置いて施策して参つておるところでもありまするし、金融引締めの影響が不当に中小企業方面にしわ寄せられぬように、今後とも十分配意して参りたいと考えます。  指定預金につきましても、御承知の通り銀行につきましては二月及び三月末に期限の到来する分について、その全額を引揚げることとしておつたのでありますが、商工組合中央金庫、相互銀行、信用金庫などの小専門金融機関につきましては、去る二月末に期限の切りかえを行いまして、九月まで毎月分割して引揚げることとして、影響の緩和をはかつておる次第でございます。中小企業金融の疏通につきましては、その他国民金融公庫、中小企業金融公庫等の政府関係金融機関の資金源の充実をはかつておりますことでも、融資計画上事態の推移に態じて臨機の処置を講じて参りたいと考える次第であります。なお今後におきまして、指定預金の運用につきましては、情勢の推移に応じて考えて参りたいと思います。指定預金につきましては、金融の引締め方策の一環して計画的に引揚げるのを適当と考えますので、今後は一般の指定預金の預託は、原則としては新規に実施しない方針で参りたいと考えますが、中小企業金融に関する指定預金につきましては、さきに述べました政府関係金融機関の運営の実情ともにらみ合せまして、今後の金融情勢の推移を見ながら、なおよく検討して参りたい、かように考えておる次第でございます。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 まことに容易ならぬ御回答でございます。あなたの御回答の冒頭宣言みたいなものの中で、政府の金融引締めの基本政策はこれを貫いて行くということを、ことさらに強調されておるものと思われるのでありますが、このことはわれわれ中小企業金融対策に対する議決を行つたこの院議に対する挑戦ともわれわれは解釈せねばならぬと思うのであります。私あなたに申し上げたいことは、そもそも委員会の議決などというものは、これは容易に行われるものではない。私は経験が浅いけれども、十五国会以来、とにかく四国会、この大蔵委員会の審議に携わつておるわけでありますけれども、しばしば委員会において議決を行おうというような場合があつたけれども、容易に議決が行われなかつた。年末に一回と今回と実に二回くらいのものではないかとすら思われる。こういう議決を行つたというこの事柄は、国会が事態を重視したことに基くものであるのでございまして、これに対してあなたの御回答によれば、さらに金融引締め政策は持続して行くのだ、こういう挑戦的態度をもつて回答が始まり、そうして必要があれば事態の推移をながめて云々、こういうような御回答であるのであります。あなた方は実際に委員会の決議を初めからしまいまでお読みになつたかどうか、私はそのことすら疑いたくなる。すなわちこの決議の前段には、中小企業の倒産を続出させておる、こういう事態が明確にここに指摘されておるのです。この傾向が政府の施策によつてさらに激化するおそれがあるという、こういう認定を下して、だからこういうようなことであつてはたいへんだ、従つて指定預金の引揚げを延期すると同時に、新規の預託その他適切な措置を講ずるようにということで、三月十六日のその情勢下において、そういう議決が行われておるのであります。ただいまの御答弁によりますると、あなたは二月並びに三月の期限到来分については、二月末日にその引揚げ期限の切りかえをして来た、こういうことを言つておられるのだが、そんなことはすでにわれわれ委員会はつぶさに承知しておる、承知しておつてなおかつ議決の必要を痛感をして、そうしてこういう議決を行つておるわけであります。あなたがみずから当時の速記録をお読みになればわかると思う。この決議に対して、大蔵政務次官としてあなたは、この決議は十分尊重するということを述べられておる。尊重するということは、文字通りとうとび重んずるということであつて、すなわちあなたが事態の推移を見て、それによつていろいろ考慮するとかなんとかいう批判を許すものではない、とうとび重んずるならば、この委員会の決議通り執行したらどうなんです。私は論議の重複を避けるが、昨日この問題についてるる申し述べた通り、この問題は今中小企業の経営の危機となつておるのだが、本日の新聞によりますと、さらにこれが大きな労働問題となつて、これが新しい問題をここに提起しつつある。すなわち本日の朝日新聞の調査によりますと、二十九年の一月において失業保険を求めるための離職の申告でありまするが、一月の失業保険離職票の受付数が一月だけで九万四千件に達しておるということがいわれておる。私はずつと今までどういうような足どりをとつておるかということを調べてみたところ、二十七年度において大体六万から五万という線を前後しておりました。それから二十八年になると、不況がぼつぼつきざし始めて、その指数が八万になつたり七万になつたり、大体七万五千前後のところを去来しておつたのでありますが、昨年の十二月には実に九万二千九百にこれが激増しておる。そうしてさらに本年一月になるとこれが九万四千になつておる。このことは中小企業に対するあなた方の何らの金融措置が講じられないので、中小企業関係においてどんどん破産して行く、倒産して行く、従業員は町の失業者となつてほおり出される、彼らの行先はすべて失業保険の給付申請という形になつて現われて来る。今や政府の施策は単なる中小企業の問題ではなく、これが労働問題となつて来ておる。これは生活不安、社会不安、政治不安のきざしがここに出て来ておる。本委員会はこの問題を重視して、あなた方がいろいろ金融施策を小乗的な、たとえば引上げを猶予するとか、切りかえをするとか、いろいろやつておられる気配はあるが、そういうような事柄をも承知の上でなおかつこの議決を行つておるのです。従いましてあなたの御答弁は、この委員会の決議にこたえるところの措置というようには、われわれは受取りかねるのであります。こういうような失業者がどんどんふえて行く、さらに昨日申し上げた通り、東京信用交換所でありまするか、これの調査によると、現在そういうような犠牲になつて破産をした者は、とにかく不健全経営にある者が第一段階において破産をしたのだが、しかし四月、五月には不健全経営からの連鎖的反応で将棋倒しになつて来る。すなわち健全経営の諸君もこの五月には破産、倒産が激化するであろうということを、その統計資料の中から推定しておるのです。今にしてその施策を講じなければ、これはたいへんな事態を惹起するのではないか。これは私の個人的な着想ではない。経済の評論家たちの意見であり、そうして町の中小商工業者たちの泣訴であり、本委員会の委員諸君があらゆる角度から検討したのです。三人寄れば文珠の知恵と言うが、二十七人で検討したのだから、これは文珠さんがとにかく七、八人寄つた程度の知恵をしぼつた結果が、結局中小商工業者のために相当額の預託をしなければなるまいという結論に達したのです。この結論に対して、しかもこの急迫せる状況に対して、なおかつ大蔵当局はこれを全然等閑視するのであるか。こういうような決議が行われても、これに対して何らの措置に出ないのであるか、重ねて御答弁を承りたいのであります。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 お答え申し上げます。春日委員の現状に対する深い御ま析に対しましては十二分の敬意を払うものであります。しかしながら、先ほど答弁いたしました通り、政府の考え方といたしましては、この際においての善処の方法といたしましては、政府関係の、中小企業関係金融機関の今後の貸出しの順序等々につきましても十分なる指導を加えるとか、あるいは一般金融機関に対しましても、中小企業に対しての金融を十分尊重をし、かつ手心を加えて善処して参るように指導をして行きたい、かように考えておるのでありまして、今日の状況において、ただちにその決議の一部分にありますような新しい預託云々という考え方は、いましばらくまだその時期ではないというように考えている次第であります。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 金融というものは、とにかくそこに資金需要がある限りは結局応諾せざるを得ないものである。応諾しなければ相手はつぶれて行くものである。そのことは私が申し上げるまでもなく、これは日本銀行の一万田総裁が金融を引締めるのだと昨年の十月から言つておりながら、その結果は、引締めてしまえば大企業がみなつぶれて行つてしまうので、これでは国の産業経済の大問題だというので、結局応諾せざるを得ない。その結果は、昨年一年間において七百五十五億という貸出し増になつて現われておるのです。私どもが昨年来指摘して強調しておりますのは、こういう大企業の資金需要には、政府は七百五十五億の貸出し増をもつて応諾しておる。そうして中小商工業者には資金需要はないかというと、あるのです。あるが、政府は逆にこれを引締めて、その結果はどういう形であるか。すなわち倒産の姿となり、あるいは東京手形交換所だけで一日千何百通という不渡の手形の姿となつて現われて来るのです。だから私どもが申し上げるのは、今次官は、いろいろの金融の行政指導とかなんとかいうもので中小企業も救われて行くように指導すると言つておるのだけれども、現実に行われてはいないのです。行われればそういうような破綻を生じて参りません。だから大企業がつぶれるのを救うという政策をやつておるならば、小企業がつぶれぬ政策をあなたはおやりになつてしかるべきではありませんか。または公平に物事を取扱つて行くということで、大企業と中小企業との金融の権衡を保つて行くということがあなたの当然の義務ではありませんか。片手落ちもはなはだしいものと思う。私はこういう点から主張しておるのでありますが、これについてさらに考慮の余地はないものかどうか。昨日は時間がありませんでしたので、あなたにもなかなか的確な御答弁を願うゆとりがありませんでしたが、昨日指摘いたしました通り、あなたの方の調書によれば、預金が二兆五千二百億円あるうちで、個人関係の預金が一兆億以上もあるのだ、しかも全国銀行の貸出しのデータによると、大企業に対するものが六五%、千万円というものを標準に置いても、中小企業というもは三五%、こういう形で中小企業、庶民大衆の金が大企業のみに偏重されて使われている。こういう状況下においてあなたの方の指導なるもの、すなわち中小企業に対しても金を貸してやれという金融政策を通じての指導というものは、一体どういうふうに指導されておるのですか。その指導の結果どういう形が現われておるか。すなわちここ二箇年、三箇年来その対比率というものに何らの変更が加えられておりません。あなた方は口には言われながらも、結果が現われておらないということは、ただ単にそれは口頭禅に堕するものである。一体これに対してどういうお考えをお持ちでありますか。あるいはこの中小企業の問題は、しばらく推移をながめた方がよい、こういうようにお考えになつておるかどうか、重ねて御答弁を願いたい。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 日銀の貸出し増加のほとんどすべてが大企業にばかりまわつておるじやないかというお言葉もございましたが、われわれはさようには考えておりません。日銀の貸出し増加の問題も、確かにふえておることは御指摘の通りでありますが、この分の相当額というものは、やはり中小企業の方にもまわつておりますし、また一般の地方銀行あるいは中央の大銀行の貸出し状況も、今正確な資料は持つておりませんが、中小企業に対して三割ないし四割、多いところでは六割からのものがまわつておる状態であります。そこでわれわれとしては、この際政府の基本的な方針はあくまでも守り続けて行きたい、しかしながら御指摘のようなふうにして、中小企業に不当にしわ寄せが起るような事態がますますひどくなるというようなことになつては相済まないと思いますので、いわゆる今後の情勢等も十分見きわめて参りまして、そうして御指摘のような点も十分考慮に入れて、今後とも善処して参りたい、かように考えておる次第でございます。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 今後とも善処して行きたいとのことでありますが、私は昨日来この問題にのみ集中して意見を述べておるのであります。従いまして善処の具体的内容についても、大体省議においてそれぞれ要綱的の事柄はすでに議論をせられておると思うのでありますが、どういうふうな善処をされるのであるか、その善処の内容について、おさしつかえのない範囲で、国民を安心せしめ希望を与えるという意味で、ここでひとつ御発表願いたいと思います。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 先ほどお答えいたしましたように、政府としては、今後とも政府関係金融機関等の貸出し計画などについても十分相談に乗りまして、そうして善処して参りたい、かように思うのであります。それでは具体的にどういう問題がただちに近い将来実行されるかということについては、いまだこの席で御答弁申し上げる程度に熟しておらないことをはなはだ遺憾に存じます。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 何と言われても政府の方針をかえるわけには行かない、こういう御意思のごとくにうかがえるわけでありますが、このことは、この委員会の決議を尊重するなどということはうそつぱちで、ほとんどそれは無視蹂躙される結果になるわけであります。当然これは決議した私どもは、この問題についてさらに討議をいたしまして、次の段階においての処理を行わざるを得ない結果になると思うのでありますが、さらにこの機会に伺つておきたいことは、いわゆる大企業の下請に対する支払いの問題でございます。この問題は、今まであなたの方のいろいろな指導で、できるだけ支払いを渋滞せしめないような方向にいろいろな努力が向けられておるようでありますが、一向効果が現われて参つておりません。すなわち大企業の下請工業に対する手形の遅延というものは、三箇月、四箇月、はなはだしいものになると六箇月を越えるようなものもあることは、公取の調査によつてすでに発表されておるところであります。あなたの方のそういう行政指導は、金融においても、あるいはまた大企業の下請に対する支払いの促進ということについても、一向効果が現われて参つておりません。従つて下請工業関係が非常に経営の危機に追い込まれておるということは一般的の現象でありますが、これは単ない行政指導というような事柄のみでなく、さらに一歩進んで何らかの法的措置を講ずる必要があろうと思われる。これについて大蔵当局はどういうふうにお考えになつておるか。これをあわせて御答弁が伺いたいのであります。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 政府といたしましては、現在の法制仕組みのもとで、でき得る限りの指導をやつておるつもりであります。しかしながら単に金融問題だけで解決しない部面もたくさんあると思います。こうした部面につきましては、関係各省それぞれ適切なる対策を研究いたしまして、そしてこれに善処するようにして行くのが至当であろうと思うのであります。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 結局何にもやらぬという御答弁なんでございますね。これはまことに悲しむべき事柄であつて、昨日も河野銀行局長に申し述べたのだが、慎重に考慮をして追つて措置をするということで、そういう河野銀行局長の方針でどういう事態が起きたかということを、私はもう一ぺん申し述べて質問を終ります。よろしいか。  保全経済会三十五億円、この問題は、あなたが事態の推移をながめつつ慎重考慮一年三箇月しておられて、結局十五万人の債権者が困る結果になつた。相互金融、これも殖産金庫の問題その他の問題で、立法措置をしろ、経営の基準を示せ、こういうような十三国会以来の国会の要望にもかかわらず、これも慎重に事態の推移をながめておる。これも二年何箇月。その結果百五十億を越えるような大きな破綻を生じて、これまた何十万人という犠牲者が出てしまつた。それからようやくあなたの方が今度の貸金業務に関する一つの基準立法を出して参られたわけであります。今度の問題でも、われわれがのくらい強調しておるにもかかわらず、しかも権威ある委員会の決議をもつて政府に要請しておるにもかかわらず、あなたの方は何ら新規預託もしないし、あるいは下請工業に対する支払いの立法措置も何も考えていない。こういうようなことでやがて大きな混乱を生じて来る。私が本日ここに指摘しておりますように、すでに失業者が昨年の十一月から三割もふえて来ておるこういうことは、一定の限度を越えるとこれはガラが来ます。あそこもここも破産するということになつて来ると、これは同時的崩壊という形になつて来る。そしてこれが労働不安になつて参りますぞ。共産党に大きな力をあなた方が加えるというような結果になつて参るのでありますが、そういう労働不安、政治不安、社会不安というものが一ぺんに激化して爆発して、それからおもむろに預託をしたところで、三百億や四百億預託しても、そのときには政府も何も吹つ飛んでしまう。その責任は一にかかつて大蔵当局が負うべきものであるということをここに申し述べる。しかしながらわれわれは、そういうような事態をなおかつ事前に阻止しなければなりませんので、本問題についてはさらに党議に諮りまして、本委員会にあるいはしかるべき措置を講ずることによりまして、こういう誠意のない政府に対する質問はこれをもつて終ります。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 次に福田君。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 私はこの際ごく簡単に、ただいま春日君の質問に関連しまして大蔵政務次官に伺つておきたいと思う。  今も春日君から話がありましたごとくに、当委員会の決議、言いかえればどうしましても行き詰まつたところの中小企業者の倒産及び不渡り手形が激増するのであるから、これを防ぐのには新規預託並びにこれに類似する適切なる方法を講じなければならないというのが、この委員会の決議でありますが、政務次官は趣旨は尊重する、しかしながら今日の段階では、現内閣の金融基本政策を固持しながら推移に従つて適当な処置を講ぜられる、こうおつしやるのでありますが、依然として新規預託をされるという御意思はないか、こういうように解釈してよろしゆうございましようか。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 御決議の内容を拝見いたしてみますと、「今後の推移に応じ、預託その他臨機適切なる対策を実施せられるよう、政府に要望する。」こういうお示しでございます。われわれといたしましては、この皆様の御決議の趣旨の存するところをでき得る限り十二分に尊重いたしまして、先ほど申し上げたような方針で進んで参りたい、かように思う次第でございます。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 さすれば角度をかえて伺いたいのでありますが、あなたなり銀行局長は、十二月、一月、二月末の不渡りの激増状態及び中小企業の倒産状態、これは目のあたりにおわかりであろうと存ずる。私たちは少くともこの不渡り手形で一番おそれるのは三月末、言いかえれば昨年末に九十日の手形を出して辛うじて糊口をしのいだところの中小企業のまつたく文字通りの行き詰まりは、今月末ではなかろうか、かように考えておるのでありますが、その点に対してどうお考えなさつておられるか、それを伺つておきたいと思う。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 われわれ政府当局といたしましては、今日の状態においては、この中の一つの方策とも考えられまする新規預託をするというほどの事態とは考えておらない次第でございます。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 さすれば、ここ一週間もしますれば、私が先ほど申し上げました三月末になるわけなんですが、あなたたちは、この三月末にこの二月の二十四、五日現在以上に不渡りの枚数がふえる、あるいは倒産者がふえるということをお認めになられますか、それともさようなことは絶対あり得ないと信ずる、どちらをお答えになられるか、これを伺つておきたいと思う。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 きわめて近い将来の見通しでございますから、おそらくすぐにその結果が現われる問題ありますが、大体において近い将来の予測として考えられるところは、現在よりは若干悪くなる方に向うのではないか、かように認めざるを得ないと思います。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 ただいま政務次官からお答えがあつたごとく、おそらくこの三月末というものは、今より以上に悪い道をたどるであろうということになりますが、さすればこの決議にもありますごとくに、いわゆる推移に応じてということになるのですが、ますますそういつた行き詰まり状態、要するに不渡り手形が激増する、倒産者がますますよけい出て来るというところの数字が一応出て来るのでありますが、そういう時期になつた場合には、この決議にありまする。春日君が申しましたところの新規預託の必要をそういう段階になりましてもお考えになるか、ならぬかということを伺つておきたい。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 それはやはりそのときの情勢をさらによく検討してみなければならぬと思うのでありまして、かりに三千枚ないし三千四、五百枚の不渡り手形であつたものが、それでは四千枚になつたら新規預託をするのか、五千枚になつたら新規預託をするのかというふうに具体的にお答えすることは困難だと思います。やはりそのときの状況分析を十分なしました上で善処するのが最も適当であると考える次第であります。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 大分わかつて参りました。さすれば私はごく簡単に結論から行きますが、最近中小企業が非常に行き詰まつて、倒産者なり、不渡り手形なりあるいは自殺者がどんどん出かかつておるのであります。そこで大蔵大臣の副大臣としての政務次官は、かつて自由党がおつしやつたことく、中小企業者の倒産があつてもやむお得ない、自殺者が出てもやむお得ない、そういつた誤まつた観念は、今日の大蔵大臣なり政務次官は持つていないのだ、倒産するところの中小企業なり、首をくくらんとするところの中小企業者は政府が助けてやる、こういうことをはつきりお言えになられまするか。あるいはあくまでもやむを得ないとお考えになられるか。これを伺つておきたい。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 われわれとしましては、極力さような事態が起らないように期待をしております。またでき得る限りそういう事態が起らないように、諸般の施策を講じて参りたい、かように考えておるのであります。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 それはよくわかるのですが、そういつた言葉は今まで数回あつたのですが、それじやものだめなんですよ。ですからはつきりここであなたの信念を吐露してもらいたいと思うのです。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 私ははつきり申し上げておるつもりでございますが、政府といたしましても、あるいは大蔵当局といたしましても、中小企業がどんどん破産者が出て来る、あるいは自殺者が次から次へと起ることになつても、やむを得ないというふうには考えておりません。かかる事態が起らないように極力善処して参りたい、かように考えるのであります。

福田繁芳改進党

○福田(繁)委員 それでは最後に結論として要望しておきますが、なるほどそういつた慎重な御態度で御検討されることは、私はまたかわつた意味合いにおいて敬意を表します。しかしながらそういつたものがどんどん出て来た後では間に合わぬのでありますから、どうぞこれ以上不渡りの激増なり倒産者の激増のないような生きた政治を、生きた金融対策をやることを、しつかりと腹にきめてもらいたいということを私はあなたに要望しておいて、それでいずれ大蔵大臣が参つたらお伺いすることにいたします。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 柴田君。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 われわれが持つている資料も、政府当局がお持ちになつている資料も、資料の点においてはかわりないと思います。現実に不源り手形が続出しているということも御存じでありましようし、あるいは二十七年度の交換をくぐつた手形の枚数と二十八年度の年末までに手形交換所に送つた枚数を比較いたしますと、枚数においては減つておるのです。これはもう御存じかと思いますが、そういうように減つておるのだが、不渡り手形の状態というものは、加速度的に多くなつて行つておる。これはもういなめない事実である。これをお知りにならぬのかどうか。私どもは、われわれの資料も政府の資料も何もそうかわつてはいまいと信じておるのですが、そういう点をまず伺いまして、その上に立つてもう少し伺いたいと思いますが、これは銀行局長でけつこうでございますが、われわれの資料が間違いかどうか、こういう点を承りたいと思います。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 不渡り手形が昨年の末以来激増いたして参りましたことの事実は、その通りであります。ただ数字につきましては、お持ちの数字と私どもの持つておる数字と違うかもしれませんが、傾向といたしましては、不渡り手形の枚数はふえております。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 それでは本論に入るわけでありますが、結局この手形の枚数が減つておるのだが、不渡り手形の状況がどんどんとふえて行つている。これはもう肯定なさつたわけでございますが、これは比率でもつて申しますと、不渡り手形の増加率は二十七年十二月平均八百八十一枚、二十八年の十二月は千三百九十四枚であります。しかし平均の金額は十一万から十二万こういうふうにわれわれの手元の資料にございますが、これも相違ございませんでしようか。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 ちよつと私資料を持ち合せておりませんので、数字につきましては、はつきりしたことを申し上げられませんが、調べましてお答え申し上げたいと思います。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 大体これはもう的確な資料だと私は信じておるのです。これを月別に具体的に申し上げてもいいのでございますが、だんだんに平均の金額というものは少額になつて行つております。この現実というものは、やはり中小企業がいかにしわ寄せをされておるかということがわかるわけです。なおオーバーローン解消などと申しましても、日銀が大銀行に対しましては、まだ擁護をしております。その証拠は、昨日も当委員会におきまして私が説明申しましたように決してオーバー・ローン解消になつていない。たとえば去年の十二月の一箇月の状況を見ましても、十一大銀行の総預金高が一兆二千八百五十四億で、貸出しの残額は一兆四千三百七十七億でございます。約一千五百億というオーバー・ローンを現実に見ておる。だがこれを翻つて地方銀行、あるいは相互銀行、あるいは金庫、あるいは組合、こういうようなものになりますと、みな八〇%ないし八五%より貸付をやつておりません。そうしてその預金の八〇%ないし八五%と申しますことも、政府預金に対しましての非常な期待がこの中に含まれておるということが、現実の状況であります。あるいはいろいろな町の金融機関が倒産をしたということも、やはりこうした信用金庫、あるいは信用組合、あるいは地方銀行の中小企業に対する融資が不活発になつた結果といたしまして、やむにやまれずこういう町の金融機関にたよるという中小企業がたくさん出て参つたのであります。これは一貫した政府の銀行政策、金融政策の大きな責任でなければならぬと思うのであります。決して中小企業の大衆が、何も好んでああいうインチキ金融にたよるわけではない。だけれども、やはり金融の引締めが強化されればされるほど、こうした方向に中小企業はたよつて行つた、その結果としてあの大きな問題を惹起したと思うのです。いつかの委員会におきまして、銀行局長はそれらの一連の金融機関に対しまして、たとえば保全経済会、日本殖産金庫というようないろいろな種類のものが何百かあるようでありますが、これらに対する総額の預金というか、預け金というか、出資金と申しましようか、それが大体五、六百億と推定されるという御返事があつた。だけれども、現実に今度その全部が破産、倒産いたしまして、それらを合計いたしますならば五、六百億そこそこではない。一千億を越えておるという状況である。それだけ金融面で、中小企業の大衆に迷惑を及ぼしておる。昨日の春日委員の御発言のように、二年も前にそういうことを何とか防止しなければならぬというので、当委員会は要求した。それを等閑に付しておられたのが、今度の問題になつた。今またわれわれは現実の状況、あるいはあらゆる社会情勢から判断いたしまして、やはり政府の預託は地方銀行に徹底的にこれをまわしてもらわなければ困る、こういうことを要求しておる。それに対しましてまだ具体的な措置を講じないということは、あまりに無責任だと思う。銀行局長は銀行局長として何もそういう問題に対して苦労なさらぬことであつたのでは、銀行局長などというものはいらぬ。少くとも銀行局長は、日本の金融状況をほんとうに考えてもらわなければならない。しかも日本の産業の状況を見ましたならば、中小企業に負うところが比重的にも非常に大きいのです。従業員を二百名以下持つておる中小企業は九十五、六パーセントあるはずであります。商人におきましても同様、従業員三十名以下を持つておる小売商人というものは、やはり全商業者の九十七、八パーセントあるはずであります。これらの状況を判断されまして、大企業偏重という考え方でなしに、ほんとうに日本の産業を勃興せしむるには、日本を経済的に独立せしめるには、やはり中小企業を主体として考えなければならぬ。それをたとえば中小企業金融金庫ができたといつても、百億そこそこ、あるいは今度の国民金融公庫に対する予算は二十億そこそこ、これで中小企業金融をはかられるというお考えは、どこを押せばそういうお考えが出て来るのか、もう少し真剣になつてお考えを願いたい。これに対しまして政務次官、どういうお考えを持たれておりましようか。お伺いいたします。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 政府といたしましては、御承知の通り財政投融資計画の樹立に際しましても、たとえば中小企業金融公庫でありますとか、国民金融公庫に対し、この投融資の面では、他の場合におきますよりも十二分に心を用いておるつもりであります。ことに今回の国会の修正の場合におきましては、さらに中小企業及び国民金融公庫に対しての計画の御修正をいただきまして、その結果なおさらそこに資金源の充実を見ました。この点は全体の資金計画が非常に苦しい中から、前年よりも貸出し資源が多くなるように措置することにつきましては非常な苦労をいたしまして、こうした結論に達しておるのであります。その点は他の場合とお考えくださいますと、おのずからその数字の上に現われていることで御了承願えるのではないかと思う次第であります。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 国民金融公庫に対しまして、現在の予算に組まれておりまするところは二十億を考えておられる。七十億政府資金をこれに預ける、こういうお考えのようでありまするが、これに対しましてもう少し増額の御意思がございませんでしようか。  もう一つは中小企業金融公庫に対しましての方途をどういうようにお考えでございまようか。この二つを承りたいと思います。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 ただいまおあげになりました数字に対しましては、前回の国会修正によりまして、国民金融公庫については二十一億円の資金増になつておりますし、中小企業金融公庫につきましては、十九億円の貸出し資源の増加をはかつてある次第でございます。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 もう一つ伺いますが、これは銀行局長に伺うのですが、地方銀行でも、大銀行でも中小企業に対しても相当融資をしておることは事実われわれも知つておる。けれども地方銀行等を調査いたします場合に、たとえば柴田が何々銀行から借金をいたします。二十万の手形、三十万の手形、十万の手形というものでかりに十回に融資を受ける。そういたしますると、平均の貸出しは十五万なら十五万という数字が出て参ります。これを御承知でございましようか。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 これは統計のとり方にいろいろとり方がございまして、貸出しの平均金額をとります場合に、一件当り貸出し平均金額をとる場合と、債務者一人当り貸出し平均金額をとる場合といろいろございます。実際問題といたしましては、統計をとります場合に、やはり名寄せをするということは非常にむずかしいものでございますから、普通には一件当りの金額をとつております。その場合に御指摘のように手形が三枚となつておりますと、その金額は三件として平均されますので、平均金額は少くなるということは御指摘の通りであります。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 そうすると、大蔵省の銀行局に集まつて来る資料というものはそういう資料が多いのではないかと思います。現実にわれわれが地方銀行と取引をやつて覚えがあるのでありますが、やはりその手形一枚についての平均をとつているようであります。そういたしますと、中小企業に対してこれだけの融資をやつているという統計がございますが、それはやはり一人々々をさしたものではなくて、一億くらい借りておつても、それが五十幾つや百幾つになつていると、小さい金額になるのであります。だから相当中小企業を援助しているというような、表面つくろつている点が多いのです。こういう点も十分御検討を願いたいと思います。そうしてほんとうの中小企業に対する対策というものがそこに生れて来なければならぬ。単に銀行局が調査をなさいましても、そういう点まで心して御調査を願いたい。これをもつて私の質問を終りたいと思います。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 午後二時まで休憩いたします。  午後二時よりの委員会は懇談会といたします。    午後零時六分休憩      ————◇—————

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