大蔵委員会 第26号
- 発言数
- 72 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/03/23
会議録
○千葉委員長 これより会議を開きます、 先刻の理事会での申合せに基きまして、本日は税関係法案以外の法案、すなわち第一に米国対日援助物資等処理特別会計法等を廃止する法律案、農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、資金運用部特別会計法の一部を改正する法律案、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案、交付税及び譲与税配付金特別会計法案、国税収納金整理資金に関する法律案、経済援助資金特別会計法案、国民金融公庫法の一部を改正する法律案、製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案、右九法律案を一括議題として質疑を続行いたします。
○井上委員 この際今朝理事会において御承認を得ました大蔵省の出先機関の定員確保に関する問題につきまして、現在定員法の改正が内閣委員会で行われておりますので、これに対して本委員会から申入れをいたしたいと思います。ここに提案をいたします。 大蔵省出先機関定員確保に関する申入の件 大蔵省出先機関中国税局、税務署並びに財務局、財務部はそれぞれ関税を除く税務行政の執行文は予算の執行監査、資金運用部資金の運用管理、国有財産の管理処分、金融機関の検査監督等大蔵省所管事項の殆んど全般にわたる第一線の実施機関であつて、これが運用の適正、執務の迅速如何は、国政の根幹に重夫なる影響を及ぼすものであるにかかわらず、従来再三の行政整理によつて逐次定員を削減され、現在の定員をもつてしては、今後ますます複雑増加を予想されるこれら事務の処理に万全を期することが困難な現状である。 よつて、今回の行政整理に当つては、特にこれら機関の重要性を認識し、少くとも現在定員を確保せられるよう格別の配慮あらんことを要望する。 以上の申入れを内閣委員会に本委員会から申入れをいたしたいと思いますので、御了承を願いたいと思います。
○千葉委員長 ただいまの井上委員の提案のごとく、内閣委員会に対して申入れをすることに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千葉委員長 御異議なしと認めます。よつてさように決しました。 —————————————
○千葉委員長 ただいま見えております政府委員並びに説明員は、小倉農林経済局長のほかに久宗農業保険課長と小熊主計官の三人でありますから、まず井上委員から……。
○井上委員 農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、この法案に関連して、一、二点伺つておきたいと思います。昨年度の農業災害の保険金の支払い状況は、現在どの程度に完了いたしましたか、その経過を御報告願いたいと思います。
○小倉政府委員 お尋ねの点は、主として出納関係のことだと存じますが、昨年の十二月から支払いをいたしまして、年内に支払うということで努力して参つたのでございますが、損害の把握についていろいろの問題がございましたので、冷害関係府県につきましては、一月に越したものもございます。それから西の方の水害地帯の関係係につきましては、旧正月前にということで努力して参つたのであります。大体そういうことで参つておりまして、この三月になりましてから、全国各府県とも再保険金の支払いを終了いたしております。もつとも一般会計からの繰入れの法案を御審議いただいておりますが、その関係で一部融資によつてつないでおるものもございますが、総計いたしまして百九十五億の再保険金の支払いをいたしております。従いまして全国的に共済金の支払いは終了しておるというふうに言つていいかと思います。
○井上委員 農業共済保険制度の現状についていろいろな欠陥や不合理がありまして、これに関して当該の農林委員会においては、特別の小委員会を設けて、この制度の不合理、欠陥をどうするかということでいろいろ御検討を願つているように承つております。その後この委員会がどういう結論をつけつつあるか、またこの委員会の進行に関連して、政府は一体これに対してどういう態度をもつて臨んでおるのか、その委員会における審議の経過及びこれに対する政府の態度というものを簡単に御説明を願いたいと思います。
○小倉政府委員 お話のように農林委員会におきまして、農業災害補償制度についての根本改正と申しまするか、改革案につきまして、いろいろ御審議を願つております。そのために農業共済小委員会というのができておりまして、いろいろ御研究の結果、昨年の暮れに小委員長の試案というのが一応でき上りまして、それが小委員会に付議されたのであります。 その主なる点を申し上げますと、現在の補償制度を二つにわけまして、共済保険でまかなう部分と、国家補償でまかなう部分の二つに截然とわけるというのが一点であります。 それからもう一つは、現在の補償制度は、損害の補償の程度がはなはだ低過ぎる。そこで実損の七割程度の補償を目標とすべきではないかというのが二点であります。 それから保険制度についての再保険の関係でございますが、それは現在政府がいたしておりますのを、民間団体でもつてやらしたらどうかというのが大きな三点だと思います。 それから任意保険につきまして、家屋の共済というような任意保険については、共済団体から切り離して、むしろ協同組合に一元化すべきではないかというのがその次の点であります。それと引きかえといつては語弊がありますが、そういう御配慮のもとに防災事業、植物防疫というような防災事業につきましては、実質画を共済団体へ一元化してはどうか。それから掛金につきまして、負担が重いというようなことと、それから無被害地の調整というようなことから、備荒貯蓄的な制度、あるいは無事もどし——無事故の場合に一部掛金をもどす、こういつた制度を加味したらどうかという点がおもなる点であつたのであります。 これにつきまして、小委員会を開催いたしましていろいろ御研究の結果、なお問題が非常にむずかしいということで、今申し上げました諸点のうち、実損の七割程度補償するという点、それから任意共済につきまして、協同和合に一元化するというような点、あるいは再保険を団体でやる、こういつたような点については、小委員会としては保留ということになりまして、まだ結論を得ておりません。本年になりましてから、一度小委員会が開かれておりまして、その後は開かれておりません。 御参考に参議院の様子を申し上げますと、参議院でもいろいろ小委員会がありまして、そのうちの共済の問題につきましては、衆議院の小委員長の試案につきまして、私どもの方の農林省の意見を聞きたいということで、本年の初めごろに、小委員長の試案に現われた諸問題につきましての私どもの疑問としておる点、あるいはさらに研究を要する点についての御説明をいたしました結果、現在では各小委員から、めいめいの考え方をまとめて、試案を持ち寄るということで進行しておるのでありますが、まだ小委員会としては、まとまつた結論には達しておりません。大体以上の通りであります。 私どもの役所の立場としての今後の方針でございますが、衆議院なりあるいは参議院なり、あるいは両院の農林委員会の一致したところなり、一応の方針ができますれば、それを引継いで、私どもの役所の方に審議会あるいは協議会というような事実上の委員会をつくりまして、国会議員の先生方にも御参加願つて、国会できめていただきました方針にのつとつて、それをいかに具体化するか、法制化するかというような研究を進めるという段取りをいたしております。そのために委員会に要する若干の経費を二十九年度の予算に計上しております。
○井上委員 まあいろいろこの制度の運営について改善を要する点が多々あつて、特に末端においては損害評価の査定の上に、あるいはまた保険金の支払いの上にいろいろむずかしい問題が横たわつておりまして、非常にこの問題は検討を要する問題でございますから、なかなかたいへんであろうと考えますが、しかしいかに困難な問題でありましようとも、一般国民の血税をこの保険に相当負担しておる現状におきましては、ほんとうに公正妥当な対策がすみやかに確立されることを私は切望いたしまして、そのこまかい内容についてはこの際触れないことにいたしておきたいと思いますが、ただここで私が非常に遺憾に存じますのは、御存じの通り農業共済保険の支払いの上に一番大きな問題は、天候の異変に基く病虫害の発生の問題でございます。この病虫害の発生に伴いまして、これの防除の経費について、積極的な防除作業を行う必要から農薬とか、農薬を散布いたしまする器具とかについての処置を政府としては迅速にとらなければならぬ関係がある。それぞれ相当の処置を今まで講じて参り、またこれを積極的にやることによつて、農業共済保険の政府負担の支払い分が非常に削減をされる関係もありまして、この防災、防除の対策については非常な検討をわれわれは要すると考えておるのであります。その見地から農林省は確かに二十九年度予算に相当多額な病虫害防除に必要な農薬その他の費用を新規に要求したのではないかと考えておりますが、それが大蔵省の査定で大幅に削減をされたということを承つておりますが、大蔵省に対して、当初予算で今申します防災防除の所要経費として何ぼ要求されたか。そしてそれが何ぼに査定されたかということをこの際伺つておきたいのです。
○小倉政府委員 お尋ねでございますが、私その方の直接の所管でございませんので、至急数字を書いたものを御提出するように連絡したいと思います。
○井上委員 保険課長、その点は御存じありませんか。
○久宗説明員 こまかい数字を記憶しておりませんので、ちよつと申し上げかねます。
○井上委員 これは実に驚いたことで、農業保険と切つても切れぬこの病虫害の防除対策というものは、非常に上重大な関係を持つておるのであつて、病虫害の防除対策、防災対策に年間どれだけの予算を必要としておるか、昨年度のいろいろな実績から二十九年度にはこれだけいるということについては、大よそ常識的に御存じになつておらなければならぬじやないかと思いますが、経済局長の方にはそんな報告はございませんか。これは改良局の方の仕事で、わしの方の仕事じやないということでございましようか。その点はどうでございますか。
○小倉政府委員 それは御承知の通り、直接の所管といたしましては改良局の方の所管でございます。もちろん問題の性質上、災害補償制度と非常に関連がございます。御指摘のように農薬の補助につきましては、昨年度と比べて補助額が相当に削減されておりまして、異常発生ということに備えるための農薬の補助は確かに計上されておると思いますが、昨年と比べまして特段に減少をしているということは申すまでもございません。それからそのかわりと申しますか、農薬をまく散布機等についての助成は、相当拡充しておるのじやないかと聞いております。従いまして、この農薬の問題につきましては、災害の起る態様に応じて、農林省としては大蔵省の方に要求して参りたい、こういうことで、予算が削減されたからことしは例年のように農薬の補助をしないんだ、こういう方針を農林省がきめておるということでは必ずしもございません。 それから補償制度との関係でございますが、病害虫の原因によりまする損害が近年非常に大きな部分を占めておりまして、共済団体としましても、病害虫の防除に専心せざるを得ないことになつております。これは制度の上から申しまして、人為的に防除のできるものは防除した上での損害を補償するということでありますので、共済団体としてもこの点について非常に関心を持つております。先ほど衆議院の農林委員会の小委員会の結論として申し上げました防災の事業は、実施面を共済団体に一元化するといつた結論が出ましたゆえんも、そういうところにあろうかと思いますので、私どもとしまして、防災事業について共済団体が積極的に活動できるようなことについては、十分関心を持つております。そういう方向の指導をして参りたい、かように存じております。
○井上委員 大蔵当局に伺いますが、防災事業関係の経費、特に農薬を中心にした経費が、私の記憶するところによると約六億四千万円削られておるのであります。そういう多額な削減をいたすことによつて、政府負担が結果においてふえて来る。結果においてふやさぬために、防災事業をできるだけやつて、保険の支払いを少くして行くという計画でこれは要求されたものであるのに、大蔵省の方では黴菌の発生を防ぐ経費を惜しんで、病気になつて入院する費用は何ぼかかつてもいい、こういうつもりでございますか。そこはどうです。
○正示政府委員 お答え申し上げます。井上委員の御趣旨、災害は未然に防止するということがかんじんでありまして、その金を惜しむ結果災害が発生して、農業共済の負担がふえる、国の負担がふえるということでは、むしろ貴重な金かむだ使いになるのじやないかという御趣旨のように拝承いたしました。私どもも原則としてはまさに仰せの通のと考えております。やはり災害を未然に防ぐに越したことはないのでありますが、さてこの災害を未然に防ぐ方法として国がどの程度の負担をするか、また農家の方々にどの程度の御負担を願うかということは、おのずから別の問題であろうかと思うのでありまして、この点につきましては、今日補助金というものをどういうふうに出すかということが非常に根本的に問題になつておることは御承知の通りでございます。農薬の対象になりますいろいろな病気があるわけでありますが、これが人間の病気などと比較いたしまして、相当これは手厚い補助が出ておるようにも思われるのであります。私ども検討いたしまして、たとえば人間でありますと、井上委員御承知のように、急性伝染病というようなものにつきましては、相当これは国が負担をいたしております。しかし一般の病気につきましては、保険とか、そういう制度はございますが、国が補助するというようなことはあまりないのであります。そこで農業関係の病虫害につきましても、どの程度のものを国が負担して行くべきかということにつきましても、いろいろ考え、また農林省とも御相談をいたしました。先ほど小倉局長からも申しましたように、今回は散布機というようなものにつきまして相当力を入れまして、こういうものは農家の方々が共同にお使いになるわけでありますが、そういうものにある程度の補助を振り向けたという次第でありまして、そうして農薬のようなものは、初あのうちは農家の方々はなかなかおなじみにもなつておりませんので、やはりある程度奨励補助をいたしまして、こういう薬をお使いになることは、病虫害の防除の上から有効でございますということを御承知願つていただく、そうしてこれが熟知されました上に、ある程度農家の方々に自発的に、御自分で好みによつてお備え願うというようなことも必要かと存じまして、そういうようなことも研究いたしております。しかし最初に申し上げましたように、根本の御趣旨はもとより私どももその通りと考えております。また化学薬品は日進月歩でございまして、新しいものもどんどんできるのでありますから、そういう際におきましては、補助の趣旨を生かすように、今後とも十分配慮して行きたい。かように考えておるのであります。
○井上委員 昨年度の水稲、麦作等による農業共済保険の各県の連合会の赤字になつておりますものはどのくらいでございますか。その赤字は今後どう一体政府はこれを処理するのか、その方針を一応伺つておきたいと思います。
○小倉政府委員 今年の水稲の支払いを入れましての連合会のいわゆる不足金となつておりますのは、約四十四億ございます。この不足金がございますので、保険金の支払いに円滑を欠くということで、御無知のように農業共済基金という制度ができておりまして、これが融資をするということに相なつております。現在までこの共済基金の資本金ないし共済基金の借入金によりまして、この不足金に対処して参つたのであります。それ以上不足金が累増して参りますと、基金の資本の充実、あるいは不足金の根本処理ということについて、想を新たにしなければならぬということになろうかと思います。この点につきましては、三十年度予算といつたようなことに関連いたしまして、今から私どもいろいろ研究を進めて、そういう時分に間に合うような対策を立てたい、かように考えております。
○井上委員 ただいま出ております法案は、これは二十八年度の歳入不足を補填するための処置でございますが、二十九年度の歳入不足の出た場合は、一体どういう処置をおとりになりますか。そのときどきでまた補正予算でもお願いするというつもりでありますか。もし二十九年度の補正予算ができない場合は、三十年度の予算で、今審議しておりますような形でやろうというのでありますか、この点どういうふうにいたしますか。
○小倉政府委員 御承知の通り農業災害の保険制度につきましては、短期的に見ますと、どうしてもそこに一時的に多額の不足が出て参ることもございますが、二十九年度においてどの程度の災害が起り、従いまして再保険金がどの程度になるかということを予測することはまつたく不可能でございますので、その点についての予算上の措置は講じておりません。長期的に均衡するという建前からすれば、不足金は生じないものという前提に立つておるわけであります。従いまして不足金が生じたようなことがございますれば、お話のようないろんな問題が生じて参りますけれども、現在のところは、そこを予測してどうこうするということまで考えが及んでいないのであります。
○千葉委員長 小川豊明君。
○小川(豊)委員 私は食糧会計の問題についてお伺いいたしますが、これは長官がお見えになりませんから、総務部長にお願いいたします。この間私がお尋ねした例のトルコから入れた米の問題ですが、この米は五千二百トン入れておる。しかもこの十月十三日に入つた米は、あなたの方では〇・九五%というので買い入れたが、こつちへ来て着地の検査を受けると五・一四%となつておる。この五・一四%というのは全体に対する五・一四%であるがゆえに、従つてこの前の議論の経過からいつて、この変質した米は当然食糧にはならない、こういうことになると思うのです。これをアルコールにするとか、醸造して酒にするというならば別ですけれども、配給の米にはならない。当然そういうことが考えられるのですが、これは間違いありませんか。
○新澤説明員 お話の通り、大体一%程度以下のものでないと食糧になりません。黄変の率が五%以上になつておりますので、配給用の食糧にはならないのであります。
○小川(豊)委員 そうすると、この買い入れた五千二百七十一トンの米は、全部配給用の米にはならない、こういうことになるわけであります。そこでこの厖大な損害が出て来ると思うのですが、この損害は一体どこが負うのか。政府としてはこれを取扱わした日本の業者が負うというのか、あるいは買入先のトルコ側で負うのか、それとも輸送の関係で負うのか。一体これはどこが負担するのが責任上正しいのか、お答え願いたい。
○新澤説明員 ただいまのところ、いろいろ責任の帰属については検討中でございまして、だれが責任を負うべきかという最終的な結論は出ておらないのでございますが、少くとも法にあります検定機関が発地において検定いたしました結果は、当初私どもが契約いたしました条件に合致しておりますので、その検定機関を一応国際的に信用ある検定機関と考えております以上、責任の帰属は一応船に乗りましてから以降になつて来るものではないかと考えております。また船に乗りましてからこちらへ輸送して参ります途中、明らかに海難にあつておるわけでございます。専門家の鑑定によりますと、これは明らかに保険事故とみなされるというような見解を持つておりますので、現在のところ、まず保険会社との間におきまして保険金額の決定と申しますか、それにつきましていろいろ折衝をやつておるわけでございます。もちろん保険事故でありましても、その輸送の途中の責任につきまして、幾分かは輸入業者も負うべきものであると存じますが、その責任の限界、どこまでを輸入業者に帰すべきか、どこまでは免責するかという細部につきましては、保険事故の認定等もからまつておりますので、今その辺の細部についていろいろ考案で習事。
○内藤委員 ちよつと関連して。今のお答えでありますが、これはおそらく一万トン級の船で持つて来たもので、あなたのお示しになつた五千二百トンじやなかろうかと思うのであります。それ以外のものはどこかへ行つておると思いますが、かりに五千二百トンとりましても、これは全部食糧に供することができないから、非常に大きな損害になろうかと思います。これはとうてい保険事故としてその損害をまかなうわけには行かないのでありまして、そのときは当然商社が負うべきではないかと私は思います。そういうことはまだきまつてはおらないのでありますか。これは次長にお尋ねしたいと思うのでありますが、農林省の方では、その損害が保険会社か商社かまだきまつていない、こうおつしやるが、大蔵省はどういうお考えでありますか。
○正示政府委員 そういう事故があつたことは伺つておりますが、その責任の帰属につきましては、農林省でせつかく慎重に調査しておられるというふうに聞いておりまして、私どもは、農林省の一応の結論が出ました上で、大蔵省にも御相談があるものと期待をいたしておるわけであります。
○内藤委員 それはあまりにものろのろしたことではないですか。これは去年の十月のことなんです。今は何月ですか。まだ農林省の調べができておらない、これからゆるゆると研究するのだということでは、国民が納得しないと思うのであります。しかもこの間農林省のお答えを聞きますと、潮水がかかつた、それでよけいに温度が高かつたものだから黄変になつたのだとおつしやるけれども、そんなことはありませんよ。黄変菌というものは、潮水がかかつて温度が高かつたからふえる、そんなことはどこにもないことなんです。そういうことで食糧庁が言いのがれをしてはいかぬと思うのです。だからそういうことがまだ食糧庁でおきまりになつておらぬということは、大蔵省の立場としてもお考えにならなければならぬことじやないかと思うのです。これは大蔵省もお考えいただきたいのですが、大体米の買い方が悪い。日本内地の農家の米をお買いになる場合には、農業倉庫へ持つて来て、検査をして初めてそこで決定される。ところが外米はそうじやない。商社が現地で買つて、買つたということを飛行郵便で知らせて来ると、すぐこちらで金を払うのです。それがこちらへ着くと、非常に変質しておつて、食糧管理特別会計に非常に穴をあかしておるというふうな買い方になつておるのであります。私はそこに大きな問題があろうかと思うのであります。もつと次長に率直に申しますと、このトルコ米を入れたのは第一物産なんです。ここの常務さんというのが、実は食糧庁出身の方なんです。私はそういうふうなことはやるべきでないと思うのですが、大蔵省はそんなことをお見のがしになつておられるのでありますか。
○正示政府委員 ただいまの内藤委員のお言葉は、まことに大切な米の扱い方等につきまして、従来注意の足りない点がある、またくふうを加えて改善すべき点があるではないかということでありましたが、その点につきましてはごもつともであります。ただ事実を申し上げますと、この扱いは第一物産でなくて、江商だというふうに私どもは聞いておるのであります。なおただいま御指摘のように、内地の米の収買については非常に厳重なやり方をやつておるにかかわらず、外米については発送主義と申しますか、向うで買いつけたときをもつていろいろ計算しておるという点につきましては、これは非常に重要な点でございまするが、私どもとしては、いわゆる到着主義と申しますか、こちらに着いたときをもつてこの払いをするようなことはできないものかということを、前々から一つの問題として取上げまして、この点につきましても、食糧庁と一緒になつて今研究いたしております。去年の十月の問題がまだ結論が出ないという点は、いわば非常にぐずぐずしておるじやないかという御趣旨はごもつともの点でございまするので、私どもとしましても、至急にいろいろと問題点を調査いたしまして、この事実のみならず、制度としても改善すべき点は今後至急に改善を加えて参りたい、かように考えておりますので、御了承願いたいと思います。
○小川(豊)委員 私はこの問題に二点非常に悪い点があると思うのです。一点は今言つたように、こういう五千トンも外貨を使つて高い米を入れて、そうしてこれが全部食糧にならない結果になつてしまつて、たいへんな損害をこうむつた、しかもこれに対する損害の要求がいまだもつて調査中であるというようなことでは、これは実にだらしがないじやないか。 それからもう一つは、こういうトルコ米の輸入というのは輸入計画にないのです。輸入計画にないものを、どうして輸入したのか、こういうことをお尋ねしたわけです。ところがこれに対して農林次官は、良質低廉なものならば買うことがあり得る、こういう答弁である。ところが私はまだこの輸入の価格を聞いていませんけれども、これは良質低廉じやない。こういうようにトルコから持つて来るのは赤道を通つたからどうだとか言うが、トルコから来るのは赤道を通るのにきまつておる。赤道を通つたから変質した——そういうことを計算に入れないで輸入するはずはない。この良質低廉なものを買つたということは成り立たない。それならばなぜそうしたか、あとは外交上の関係で買い入れることもある、こういう答弁である。それならば外務省か外務大臣からこれを買入れする要請があつたのかどうか、こうお尋ねしたところが、そういう要請はない、こういう答弁であつた。そうすると一体何でこれを買つたのだ。輸入計画にないものを、しかも外交上の関係で買うと言うが、外交上大臣から何の要請もなく、良質低廉なものならば買うことがあると言うが、こういう結果になつた。しかもその買つたものに対していまだもつて損害の帰属さえわからない、こういうことではたいへんな問題が出て来る。昨年も私ども論議したのは、こうして黄変米が出て来る、この黄変米がまた食糧にならないからといつては、そつちへ払い下げ、こつちへ払い下げ、そうしてその払い下げた問題が、トンネル会社を通じたために、そこに莫大な利益を与え、そのトンネル会社はみな農林官僚の古手である。まるで官僚と商社とが国民の目をだましてこういうようなことをしておることを私は許し得ないと思う。こういうことに対して、一体これは損害をいつごろ要求できるのか。それから今後ともこういうような不確実な、計画にもない、そうして答弁も実にあいまいな——良質低廉であるとか、あるいは外交上の関係だとかいつても、ちつとも根拠がない、一体何でこういうものを買わなければならないか、私はここにも実に疑問がある。あなたのような正直な人は、おそらく上から、ここから買え買えと何か強く要請されて、やむを得ず買つた結果がこうなつておるのじやないかと私はこうさえ疑わざるを得ない。一体この点はどういうことなんです。実際にはどうしてこの輸入計画にないものを、トルコから急にこういうものを買い入れるということになつたわけなんでしようか、この点をお尋ねしたい。
○新澤説明員 当初の輸入計画といたしましては、確かにトルコは当初は計画してなかつたのでありますが、昭和二十八米穀年度需給計画上相当の外米を輸入する必要があつたわけでございます。二十八年度の五月現在におきましては、案外外米の買付が予想通り進捗いたしませんで、当時十六万トンばかりまだ買付残があつたわけでございます。こちらへの輸送期間等を考慮いたしまして、端境期にぜひ間に合せなくちやならぬというような関係で、どうしてもこの十六万トン余りの不足分を早く買いつけて早く到着させなければならぬということで、各国の輸出余力を当つたわけでございます。昨年の秋以降になりますと、御承知の通り急速に米穀の世界的な需給事情は改善して参つたのでございますが、上期におきましては、まだその域に達しておりませんで、なかなかまとまつたその不足分を買いつけることができませんで、方々分割して買つたわけでございまして、たまたまトルコからも引合いがありまして、その見本を見ますと、十分良質な米でありまして、これならば買つてもよろしいということで買つたわけでございます。ところが輸送中海難等にあいましたために、予想せざる事態を惹起したわけでございますが、当時の事情といたしましては、トルコからやはりこの程度の米を買うことが需給計画上必要であつたわけでありまして、これは当時としてはやむを得ず買つたものなんでございます。 それから今後の処理についてでございますが、過去におきましていろいろな事件を引起しまして、はなはだ申訳ないと存じております。現在問題となつておりますこの件につきましては、まだ最終的にどこに売却するか決定しておりませんが、できるだけ損害を軽微ならしめるという意味合いで、できるだけ有利に売れるというところを求めておりますが、しかしこれも横流し等のことを起しませんよう、それの確保できる点ということも考慮いたしまして、現在売却先、用途を研究しておるわけでございます。もちろんその売却にあたりましては、できるだけ直接実需者に行くような方法を考えて参りたい、こう思つております。
○小川(豊)委員 私はこの問題について、まずあなたの方からもう少しわかるように、こういう資料を出してほしい。この買入れの価格−数量はわかつております。それから商社との契約書の写し、検査書の写し、こういうものをひとつ資料として出してくれませんか。 それからまだあなたの方ではこの処分の計画は立つておらない、こう今答弁されたが、そうですね。処分の計画は立てつつあるが、まだ処分されておらないということだが、これは黄変してしまつた、変質してしまつた。長く置いたつて決していいはずはない、当然早く処分しなければならぬと思うが、その処分計画に対して、今あなたは実需者の方に移すと言う。それはけつこうだ、けつこうだからつとめてそういうふうにして、昨年のような、ああいうトンネル会社に流すようなことのないような方法をぜひとつてもらいたい。 それからもう一点は、今千葉県の房州沖に六、七千トンの船が座礁しておつて、あそこにやはり六千トンばかりの麦が積まれて、水浸しになつて、毎日毎日あれが腐る。おととしか去年か、あそこで大豆が腐つて、貝がみなだめになつた。今度麦が腐れてはたいへんだというので、毎日あの海の中から揚げている。あれは横浜へ入港する船であつた。そうすると日本が当然買い入れたもので、おそらくカナダあたりから来たものじやないか、こう思うのだが、この場合はあなた御存じですか。食糧庁で関係した問題じやないのですか。
○新澤説明員 あとの方の問題は私よく存じませんので、後ほど調べまして御答弁申し上げます。
○小川(豊)委員 これは麦を六千トンも買い入れるのだから、これはおそらく横浜へ入港するというのだから、日本で使うものに違いない。そうしてそれが食糧庁で知らないということはおかしいですね。横浜へ入港するというと日本で当然使うのだが、これが水浸しになつて毎日揚げている。こういう問題に対して、輸入商社がどこであるか、幾らで買つたのか、損害がどれだけあるか。その実態を私は知りたい。これは食糧庁で取扱つたのか扱わないのか、この点も伺いたい。 それからいま一点、穀物検査協会というのがあつて四、五百人の人が働いているのです。あれはほとんど政府機関のような形で仕事をしておるのだが、予算を見てもそういうものは別にないのだが、あれは一体どういう構成で、その費用はどういうところから出ておるのか。この点はどういうことなのですか。あの穀物検査協会という一つの外郭団体だか、食糧庁の中における機関だか私にはよくわからぬが、ともかくあそこに五、六百人の人が仕事をしておつて、穀物検査協会というのだから、別に利益を上げる機関ではなくて、穀物を検査する。当然これは国の仕事をやつているのだが、一体それはどういうことなんですか。穀物検査協会という機関は何をするために、どんな予算で設けているのですか。
○新澤説明員 先ほどお話がありました資料につきましては、さつそくとりそろえて御提出するようにいたします。 それからただいまの検定協会——検査協会というお尋ねでありますが、検定協会だと存じますが、検定協会について簡単に御説明申し上げます。外郭団体という言葉の定義でございますけれども、外郭団体と言えば外郭団体なのかもしれませんが、仕事といたしましては、こういう仕事をやつておるわけであります。二つにわかれて一つは国内食糧に関する点と、それから輸入食糧に関する点とございます。国内食糧につきましては、県外からの搬入量は、その県の配給数量の半分以上を占めております府県におきましてやつておるのでございまして、仕事といたしましては、食糧庁が米を卸に売ります。昔は公団とか、営団がございまして、それに一括して売つていたわけでございます。政府が売ります場合に全部をプールいたしますと、日本政府が売りましてから配給に行きますまでの間に、現在におきましては〇・六%の欠減量を見込んでおるわけでありますが、大数的に見ますと〇・六という欠減量で全部がカバーできるわけでありますが、個々の卸に売られますものにつきまして見ますと、その米が非常に遠いところから輸送をされて参りましたとか、あるいは長期間保管されておりましたとかいうような条件の相違によりまして、必ずしも同じように〇・六%の欠減で終らない部面が出て参ります。ものによつては〇・六よりも少い欠減で済むものがあると同時に、〇・六以上にわたる部分があるわけであります。そういう個々の欠減量の相違が、以前の公団とか営団でありますと、これを地域的にも時期的にもプールすることができまして流しておりましたので、別に政府といたしまして何らの措置をしないでも済んでおつたわけでございますけれども、ただいまのように配給業者が民営になつて参りまして、個々に小さい業者が林立をしております状態におきましては、そのわずかな欠減の増というものを全然無視してしまうわけには行かないわけであります。どうしてもそこにクレームが生じまして、クレームを何らかの形で処理しなければならないわけでございます。その場合のクレーム処理に当りまして、実際に受渡しをいたした政府が、売却をいたしました個々の米俵につきまして、実際どういう重量であつたか、どういう品質のものが行つたかという資料を整えておきまして、このクレームが発生しました場合におけるその立証の資料とするわけでございます。そういうような受渡しに際しましての米の量目、品質等の実態を調べまして、記録しておくという役目をその検定協会がいたしております。 それからまた輸入食糧につきましては、輸入食糧が船で着きまして政府に受渡しをいたします場合において、同じようなことをやつているわけであります。それによりまして政府が受取ります数量が確定いたすわけであります。もちろん輸入食糧の場合におきましても、概数的にはこれは別途検量機関がありまして、はつきりするわけでございますが、その買いました米がまた個々の袋詰めとなりまして、そのまま卸に行くわけでありますから、その個々の袋のこまかい目方、品質の差異というものをはつきりつかんでおりませんと、そうしてそれに応じましてクレームに対する資料を整えておきませんと、いろいろと政府と売却にあたりまして発生しますクレームが処理できないわけであります。そういうような輸入や、県外から搬入されて参りますものにつきましても、ただいま言つたような個々の米についても検査をするという仕事もありますが、その手数料につきましては、それぞれの関係であります卸あるいは輸入商社、あるいは日通というところから検定協会に支払うようになつております。
○小川(豊)委員 どうもお聞きすると、穀物検定協会というのは、まるで政府の代行をしているような仕事をやつている。これはあなた方にはたいへん重宝なんですけれども、元は公団なり、営団なりがあつたが、これには何の法的根拠もなくて、そうしてこういうものができて政府の代行的なことをやつている。予算面を見ると、補助金等の予算もない。今お聞きすると、これは輸入商社やいろいろな方面から負担金をとつておる。どういう法的な根拠によつてつくられ、運営されているか、この経費はどういうようにして出ているかということを、簡単でいいですから、もう一回はつきりお答え願いたい。
○新澤説明員 この検定協会につきましては法的根拠はございません。ただいま申し上げたような仕事をやつているわけでございます。そうしてその直接の収入は検定料ということで、実際に検定を行いました数量に応じまして、一俵当り幾らという定めをいたしまして、その検定料を検定協会が先ほど申し上げましたように、内地米については卸売業者及び日通から出ております。輸入食糧につきましては、輸入商社から受取つております。 それからさらにつけ加えて申し上げますれば、ただいま申し上げましたように、クレーム処理のために必要な資料を整えております機関でありますので、こういう機能を果すものは——どうしても今みたいな、政府と民間企業との間に売買をいたします場合には当然クレームを全部政府が無視してしまうわけに参りませんので、やはりクレームが生じて参りましたならば、それに応じて、それに対応する処置をとつてやらなければなりませんから、やはりそれに対する何らかの立証の資料がないといけませんので、そういうために検定協会というものが必要な機能を果しているものという考えで、ただいま申し上げたいろいろな諸経費につきましては、それぞれの機関の必要経費ということで、マージン計算等においてそういうものを考慮いたしております。
○井上委員 関連して。問題は、政府の払い下げる米に、政府が認めた欠減量以上のものがあるかもわからない。そういうものを受取つた場合は、卸業者が末端べの配給の上に非常に損をする。だからここで中間的な検定をやる必要があつてこの機関を設けた。従つてそれは、一つは政府の方にも責任を持ち、一つは業者の方にも責任を持つてもらう、こういうことになつているわけですが、そもそもこの欠減を生じるという意味は、輸送途中にそういうことになるものか、買入れの場合は、正規の検査員がおつてそこで品質から量目に至るまでちやんと検査をして受取つておるはずです。従つてそれは輸送途中において起る事故でございましようが、買入れの場合に正確な量目を押えて買い入れておる以上は、卸に払い下げる間において、こういう機関を置かなければならないほど量目の欠減が非常に多いのでございますか、そこに問題があるのじやないかということ。それから、やはりこのこと自身は、消費者米価がそれだけ負担が重くなるということになりますから、政府が直接任命しております検査員と、それからこの検定協会の検査員というものは、一体資格的にどういうことになりますか。片一方は検査員になるのはなかなかやかましいですけれども、この検査員というのはそうやかましくないようですが、その間の事情がもう少し明らかにされませんと、どうもおかしいと思う。政府が量目の不足するものを買い入れるはずがないのです。量目の不定のないものを買い入れたものが、卸屋へ行く輸送途中の期間において、非常に欠減量が多いという実績に基いてこの機関が設けられたんじやないか。そうすると、その間の欠減の責任は一体だれが持つんです。政府倉庫へ一斉に買い入れて、今度また卸に、政府の輸送計画に基いて発送されて、卸の倉庫へ搬入されるのだろうと思いますが、その間において起る欠量は当然運送会社が持つべきだと思う。それを消費者負担において検定をして、それで卸業者の損害にならぬような、一つのこれは中間機関のようにわれわれには考えられる政府が生産者あるいは輸入業者から買い入れます場合は、正確な量目において買い入れておるはずですから、それを政府から払い下げる場合、その輸送途中に起る欠量というものは、当然輸送機関がその欠量の損害を補償すべき建前ではありませんか。そうでなかつたら、一体何で莫大な検査員の費用をかけて検査しておりますか。どうもそこがややこしくてさつぱりわかりませんが、その途中の欠量、これが問題じやないかと思う。それとも政府の検査官がぼんやりして欠量のあるものを買い入れているのか、そんなことはおそらくやつておりはせぬはずです。少くとも等級をきめ、量目を明確にして政府倉庫に買い入れている。政府倉庫に入つたものは等級にわけられ、かつ量目の正確なものが入つておるとわれわれは認定しておる。それが今度卸屋の方へ、政府の輸送計画に基いて参ります途中において量が生じたということより言いようがないじやないか。そうなつたら、この輸送した責任を追究して行かなければならぬことになるのです。そこへそういうものを置くことは、どだいややこしくなる。その間どうなつておりますか、そこらをもう少し明らかにできませんか。
○新澤説明員 お話の筋は、ただいま申された通りであろうと存じます。政府が買い入れます場合には、精密な検査をして買い入れておるわけであります。ですから買い入れます場合には、品質、数量は確定しているわけです。そして産地の倉庫で若干期間保管をされまして、それから輸送をして、また着地の倉庫で若干期間保管されて一般に売却される、こういうことになるわけであります。そこで欠減でございますが、欠減というと非常に大きな欠減が問題になつているような印象を与えますが、実際におきましては、先ほど申し上げましたように、政府か売りましてから消費者に行く間に〇・六%−千分の六なんでございます。一俵当り六十キロの袋に入りました米がわずか五百グラムか六百グラム足りないということが、現在米屋さんが買つて来ている場合におけるクレームの原因になつておるのが現状であります。六十キロのものが五百グラム減るということは、特に輸送中に事故があつたとかいうことでありませんでも、保管中善良な管理者の注意を持ち、また輸送中も十分な注意を払つていても、欠減が生じないとも言い得ない数字でございます。そういうような関係でありまして、ごくわずかな一俵当り五百グラムとか六百グラムというようなことが問題になるようなことになりましたので、従来公団時代は、そういうごく微量の欠減の相違というものは、全国なり、あるいは県別なりで処置してしまつておつたわけですが、現在は個々の業者が自分の買い取つた米について一俵五百グラム足りないということで、クレームを申し立てるような現状でございまして、東京の二十八年度におきますクレームの発生回数を見ましても、一千回を越えているような事情でございます。そういうようなクレームが生じました場合に、はたしてそのクレームが正当なクレームであるかどうか、またクレームの原因となりました欠量がどの段階で生じたかということをはつきりつかみますためには、各段階においてそれぞれ検定なり検査なりということをやつておらなければならないわけでございます。現在は、政府が買いますときには検査員がやつております。それから政府が発地から送り出します場合には、日通が看貫をして送り出しております。また着地に入りまして、日通がまた看貫をしております。そして着地の倉庫から売ります場合に、検定協会が入つて参ります。そういうような関係で、各段階々々におきます各俵々の量目の実体がはつきりいたしますので、もしその欠減がだれの責任に帰すべきものか、損害賠償を要求すべきものであるというような事態になりました場合にも、 〔委員長退席、内藤委員長代理着席〕 保管業者に請求すべきものか、輸送業者に請求すべきかということ等は、そういうような各段階におけるいろいろな資料をすべて準備いたしておりまして、はつきりするわけでございます。さような意味合いでこの仕事をやつておるわけであります。
○井上委員 ただいまのお話を承つておりますと、大体〇・六以下の場合は、普通の常識的な欠減ということで、それは問題にせずそのまま来ておるというのですね、問題はそれから上であろうと思うのであります。上のものが損害が大きいからということになつて文句を言うて、正確な量目を検定してくれということになつて来るだろうと思います。従つて〇・六以上の欠減が全体の売渡しの上においてどのくらい出ておりますか、今までやりました中で、お調べになりました資料をここへ御提出願いたいと思います。
○小川(豊)委員 これは長官にお尋ねした方がよいと思いますが、あなたの方では、昭和二十八年十月十日から三回にわたつて保安隊に、菓子用というて砕米を五百トン払い下げておるのです。この問題は、先般お聞きしたときに、調査機関をつくるという話であつたのですが、尋ね漏れがあるのでお尋ねします。あなたの方ではわからないでようが、保安庁の共済組合本部長木村篤太郎という名前が出ており、これの指定するものとなつておるが、この木村篤太郎というのは、おそらく保安庁長官の木村篤太郎だろうと思う。この共済組合本部長というのはどういうことなんですか。あなたの方は保安庁の問題ですからわからないと思うので、そういうことはあとにして、ただ五百トンの砕米を菓子用として払い下げられている点でお聞きしたいのは、この払い下げられた砕米が業者——木村篤太郎の指定するものだから、これは業者である、この業者に払い下げられたものが横流しされているという問題である。私のお聞きしたいのは、どういう業者に幾ら渡して、その業者がどこへどれだけ流したかということで、これは当然あなたの方でもわかつているのではないかと思うが、わからなければほかの機会にお尋ねします。 それともう一つは、これは業者だけではなくて、保安隊の中にもその関係者があると私は聞いている。そこで、そういうことがあつたかなかつたか、単に業者だけであつたのか——これは業者だけではできないはずだ。保安隊の菓子用に行つたんだから、保安隊の了解を得なければよそへ流せるはずがない。従つて当然あつたということが想像されるし、私はほかの問題でそういうことがあつたということを聞いております。しかし、これはただ聞いた話ではいけないから、あつたかなかつたかということをお聞きしたい。あなた方は、保安隊の関係者は、検察庁ではないからわからぬかも知れないが、とにかく横流しされたという事実、その業者がどういう業者で、幾ら流されたか、そのくらいはおわかりになると思う。
○新澤説明員 ただいまの件でございますが、業者に対する払下げ数量は、たしか保安庁に対する払下げ数量としてお手元に差上げてある資料の数量が、そのまま指定業者に払い下げられたというふうに考えられてさしつかえないと存じます。そのうち幾らが横流しされたかということ、また保安隊の内部でこれに関係のあつた人がいるかどうかという件でございますが、私どもいろいろ横流しがあつたということ、また保安隊の内部に関係者があつたというようなことを間接的には聞いておりますけれども、直接私ども調べたわけではございませんから、これは私の方から正確なお答えとして申し上げることができませんので、御了承いただきたいと思います。ただそういう話があつたことは聞いております。
○小川(豊)委員 こういう事実があつたことを会計検査院の方では調べたかどうか。調べてあるならば、その調べた結果はどうであるかということをお聞きしたい。
○小峰会計検査院説明員 砕米の横流しという案件につきましては、今会計検査の上で問題になつておりません。黄変米の横流しというようなことが和歌山で問題になりまして、これは検査報告にあがつております。
○井上委員 この際、ちよつと会計検査院にお調べを願つて、もしおわかりでしたらお答えを願いたいし、まだ調べてなければ調べて来ていただきたいのですが、食糧庁は二十七年度において、ポンド地域からイラク大麦を輸入しております。このイラク大麦を全部飼料として、われわれが想像する以下の値段で払い下げております。これはもうすでに過年度に属する分でありますので、会計検査院ではお調べがあつたことと存じます。これはどういうようにお調べになつておるのか、妥当な払下げと考えられておるか、それをひとつ御報告願いたいとともに、いま一つ、ただいま問題になつております砕米について、先般農林省は、労働省の労働基準局長の申請に基いて、労務用のせんべいをつくるということで一千トン払い下げられました。この一千トンの払下げ申請者は労働法準局長になつている。そうしました場合、現物は当然、申請者たる労働基準局長に払い下げなければならぬはずです。それが労働基準局長が指示いたします第三者である業者に払い下げられておるという問題が今起つております。かようなやり方というものは、一体妥当な行政的なやり方であるかどうか。と申しますのは、もし他に必要な局があつて、その局が口ききで、どの団体でも業者でも自由に政府の所有しておるものを払下げができるということになりました場合、ここにいろいろな問題が起つて参ります。私は当然申請者自身にそれを払い下げるべきであろう、こう考えますが、そういうことは行政上違法でないかどうかということについて、会計検査院はどう見るかというこの二つをお尋ねしておきたいと思います。
○小峰会計検査院説明員 二つの御質問のうち、まず第二点からお答えいたします。これは外国から輸入しました砕米でありますが、千トンほどをあられの原料に最近払い下げるという話は聞いております。ただ契約の相手方が労働基準局であるかどうかという点につきましては、まだ確かめておりません。普通はあつせんをいたしましても、契約の相手方は実際の業者なり何んなりになるのが一般の例であります。この場合はどうなつておるか、まだ私どもの方に資料が出て参つておりません。 それから第一点でありますが、イラクの大麦につきましては、昨年二十七年度の検査対象として私どもの方で取上げまして、八万五千トンほどを輸入しております。これが三十四億八千万円、非常に大きな輸入なのでありますが、これが非常に品質が悪かつた、こういうことで、先ほどお話がありましたように、一部飼料にまわつております。飼料にまわりましたのが千五百九十三トンであります。これは一万九千百円から二万三千円見当で売られておるのであります。これは非常に安い値段であります。それでこのイラク大麦全体、単に飼料用だけでなくて今の八万五千トン、三十四億というものの買い方がまずかつたのじやないか、こういうことで、二十七年度の決算検査報告で批難いたしまして、すでに国会にお出ししてあります。
○井上委員 いま一度伺いますが、申請者がこういうものをこういうことに使うからこれだけ払い下げてもらいたいという申請をいたしたならば、当然その申請者に払い下げる手続をとるのが正当なやり方じやないのですか。申請者が他に業者を指定して、この者に払い下げてもらいたいということによつて払い下げをしても、それは一向さしつかえないとあなたの方ではお考えになつておりますか。
○小峰会計検査院説明員 申請者とおつしやるのでありますが、官庁があつせんをして業者に特定の物を売るという例は、相当にございます。ことに食糧などは御承知のように完全統制品でありますから、だれが申請者——普通文字通りの申請者でございますと、これが契約の相手方になるというのが普通であります。今の点実はまだ私ども資料も手に入れておりませんし、はたして文字通りの申請者と見ていいか、あるいは単にあつせんをしたにすぎないと見るのが妥当か、こういう点についてはちよつとまだお答えいたしかねます。
○井上委員 この払下げに関連しまして、あなたの方では価格問題について相談を受けたはずです。この払下げは実を申しますと、昨年度末の安い価格で払下げをしてくれという要求があつたが、しかしそういう用途に使うものにいわゆる国庫負担による差益金を持たすということはよくないということからして、いわゆる正常な価格で払い下げろということをあなたの方は指示したか、あるいは了解したか、ともかく一応あなたの方に相談をされたことは事実である。ところが他ののり用その他の払下げは安い価格で払い下げておるのをあなたの方はそのままほつておくつもりですか。食糧として払い下げた分は、たとえば代替食糧としてこれを払い下げるとかいうならば、これは安い価格で払い下げるのが当然と考えますが、貴重な外貨を使つて食糧として輸入した分を他の用途に払い下げます場合は、当然今問題になつております千トンの分と同様の価格にすべきであろう、かように私は考えますが、他に安い価格で払い下げた分について、あなたの方はどういう解釈をされておりますか。
○小峰会計検査院説明員 砕米の一千トンの払下げ問題につきまして、私どもは農林省の当局から相談を受けたのであります。これは今井上さんお示しの通りであります。価格についてどの価格を適用しろという指示は一切いたしておりません。これは私が農林省食糧庁の当局とお会いして御返事したわけでありますが、これはどの価格でやるべきだということは一切指示しておりません。ただちようどまだ問題の経過中に、価格が改正になりまして、ただ払下げを受ける方として安い価格を希望するのは当然でありますが、一般の取扱いといたしまして、もうすでに旧価格は消滅してしまつておるわけであります。こういう場合には、新価格で行くほか道がないわけであります。昔の価格はなくなつてしまつておるわけであります。私どもの方としては、この物について特に古い価格で払い下げる、旧価格を生かす法はないじやないか、新価格で行くより手がないじやないかということを申し上げたのは事実でありますが、私の方としては、どの価格で払い下げろということは一切言つておりません。 それからのりとか、その他を引合いに出しておられますが、これは別の価格の規定があるわけであります。この規定によつて払い下げるわけでありまして、主食の方の価格が上つたからといつて原材料——のり用に払い下げるのは原材料と言つておりますが、原材料に払い下げるものもそれに追随するかどうかということは別問題であります。別の方の価格の規定があるわけでありまして、この規定によつて払い下げておるはずでありまして、それについては、私どもとしては文句を言う筋じやないわけであります。どうぞ御了承願います。
○柴田委員 私は財政的な問題に関しましていろいろ伺いたいと思つておりましたが、でき得れば大蔵大臣、通産大臣等にも御出席願いたかつたのでありまするけれども、不幸にして通産省関係はお見えになりませんが、幸い植木次官がお見えになつておりますので、伺いたいと思います。大蔵省の御方針の一つでございましようが、財政を非常に緊縮いたしまして、一兆円予算で、たとえば一兆円予算のわく内におきまして緊縮政策をとつておられる、そういたしまして、その一群大きなしわ寄せは金融面だけにこれを吸収されておるような感を深くするのであります。こういうように金融面だけを引締めましても、日本の物価の状況をいろいろな面から見ますと、上昇の一途をたどつておる。それから大蔵省自体が、反面今度は、たとえば物品税のごときも、改正々々と申しましてほとんど改悪に逆行しておる。こういう一連の状況を総合いたしますと、どうしても私ども納得ができないのであります。こういう点で、はたしてこの金融の引締めだけによつて日本の物価水準を国際価格と並行できるとお考えになつておるのであるかどうか、この点をまず承りたいと思います。 その次に承りたいことは、滞納の状況であります。常に税制の改革をいたしますと、安くなつて来ることはなくて、新しい税金、新しい税金と発案されておるのであります。われわれがほとんど知らない間にいろいろな物品税がたくさんになつて来ております。そうして反面滞納の状況を資料で拝見いたしますと、非常に大きな滞納が残されておるのであります。たとえば二十七年度から繰越しました源泉の税金、申告の税金、法人税、酒税、物品税、その他の税金というものを計算いたしますと、莫大な件数と莫大な金額になつております。そういたしますと、新規に生じましたことと、大わらわになつて処理された、たとえば自殺者を出しますような深刻な徴税方法によつておとりになつたでございましようが、こういう処理をやつて、最後に差引いて残された滞納の件数を、私は今そろばんをとつてみたのでありますが、六千二百六十六件で、一千六十四億四千六百万円の滞納が現実に残されている状況であります。こういう状況を判断いたしまして、大蔵大臣の代理としての次官が日本の経済というものをどういう形においてなさろうとお考えであるのか、承りたいと思います。
○植木政府委員 第一点の御質問は、金融施策のみで一体今後の財政経済の運営がうまく行くと思うかという御質問と拝聴したのでありますが、政府の今日考えておりますいわゆる日本の経済財政の根本的な建直しと申しますか、最近においていわゆる国際収支が非常に悪化して参つた。この現われをどうして直して行くかということについては、これは申すまでもなく財政の上でもいわゆる一兆億円予算という緊縮の方針をとり、金融の面でもできる限りいわゆる緊縮の方針をとりまして、そして物価がなるべく引下つて、そして日本の輸出が伸びて行くようにという考え方でやつているのであります。しかしこれらの金融施策と財政施策だけでやれるかというと、これは決してそう考えているのではないのでありまして、それぞれ各省の行政の面におきましても、十分にこの政府の方針を体した施策をそれぞれやつていただかなければならぬ。たとえば貿易の面におきましても、通産省の方ではそれぞれ施策を考えていただく、あるいは農林省の面では食糧の増産その他大いに努力していただいて、少しでも輸入食糧を減すとか、いろいろな施策があると思います。産業全体について、合理化のためにいろいろ政府の手を貸さなければならぬ点もございましよう。あるいは民間がそれぞれ自発的に創意くふうをしていただいて、それに政府がなるべくでき得るならば援助の手を差延べるということもしなければならぬと思います。それらの各省の行政各般にわたりましてみんな同じ方針に向つて、それぞれの適切な施策を立てて行く、かようにいたしたいと考える次第であります。 第二の問題の滞納が非常に多い、これに関連して一体税制の改正その他の今度の施策の面においてどう考えるかという御質問と承りましたが、滞納はなるほど御指摘のように、現在金額が相当多額に上つております。これは近年におきましてのいろいろ経済上の推移のために、相当一件あたりの金額の大きな滞納がありまして、しかもこれが、諸般の滞納手続をいたしましても滞納処分完了に至るまでのことができておらぬ、こういうことがありますので、それで金額が非常に張つている、こういうふうに思うのであります。御指摘のように、ときに手続が苛酷に失する、あるいは不十分であつたがために御迷惑をかけているという向きがあるやのこともときどき新聞紙上で見ておりますが、これは税務官吏全体に対しまして十分そうしたことに対しての注意を与えながら、円滑なる手続をして行くように進めたい、かように存ずるのであります。
○柴田委員 この物価政策で、ございますが、東京卸売物価の比率を見ますと、たとえば二十七年十二月を一〇〇といたしまして、二十八年三月は一〇二・五、二十八年六月は一〇二・八、八月は一〇四・三、十二月は一〇五・四と、このように卸売物価ですらも一箇年の間に五%の値上げを見ております。このいう歩みが今後も進むであろうということは、たとえばいろいろな物品税等の改悪によりましても考えられましようし、長年あれを堅持して参りましたNHKの聴取料ですらも、三割強の値上げが大体決定しているような状態であります。次に参りますものは電力料の値上げであろうし、あるいは貨物運賃の値上げが必至であろうと考えるのであります。こうしたような状況である。それにもかかわらず、たとえば奢侈繊維品というような国民大衆あげて反対しているような税金ですらも、計画を政府当局はやつている。これなんか、そういう状況でどんどんといろいろな物品に対する諸税が次々と新しく出て参りますと、物価水準というものはますます高速度な勢いをもつて上つて行くおそれをわれわれは懸念するのであります。こういう反面に、ただいま申しましたような金融政策の引締めだけによつて物価水準を押えようとする政府の考え方は、あまりに甘過ぎやしないか。今度は金融面を見ましても、たとえば十一大銀行の預金と貸出しの比率を調査いたしますと、決してオーバーローンが解消しておらない。預金の実態から見ました場合に、決してオーバーローンは解消していない。ひとり中小企業にのみいわゆる緊縮政策というものがしわ寄せられているという現状であります。十六国会におきまして中小企業公庫が新しく生れましたけれども、百億そこそこの融資よりやつてない。国民金融公庫の状況を見ましても、昨年度から見まして何ら見るべきものはないのであります。三百億そこそこの融資以外にやつておらぬのであります。こういう現実の状況を私ども見ました場合に、たとえば総合的な物価政策というものの樹立をどういうお考えでお立てになるのか。それから次には設備資金の抑制というようなことも盛んに口では唱えられておりますけれども、現実はそれに即していない。あるいはまた金利政策に関しましても、弾力性を持つた方途を講じなければならぬというりくつは一通り立てられますけれども、これらに対する方策が政府当局にあられるかどうか。こういう点をもう一度承りたいと思います。
○植木政府委員 政府といたしましては先ほど来申し上げます通り、決して金融政策のみをもつて物価の引下げが可能であるとして考えておらないのであります。御指摘の通りでもあり、また、御意見のようでもありますか、いわゆるNHKの料金の問題にいたしましても、あるいはその他の間接税の引上げの問題に対しましても、それはそれとしての税制上のやむを得ざる措置に出たものでありまして、このために若干物価の上向きになる部分もあろうかと思います。しかし他面において、政府の施策全体を通じて、何とかしてこれが下向きになつて行くように期待をして、その施策をでき得る限り研究して進めて参りたい、かように思つている次第であります。
○柴田委員 たとえばただオーバー・ローンだという言葉だけを申しましたが、現実に二十八年の十二月末日で、預金は十一大銀行で一兆二千八百五十四億ございます。これが貸出しの全額は一兆四千三百七十七億ございます。こういたしますと、約千五百億というオーバー・ローンが現実にここに見受けられるのであります。そのほかに、十一大銀行以外にはもちろん地方銀行もございましようし、あるいは商工金庫、相互銀行等もございましようが、これらの一例を見ましても、たとえば相互銀行、あるいは地方銀行という小さな銀行に対しましては、大蔵省も、あるいは日銀当局も辛辣な方途をもつてオーバー・ローンの解消を強要しております。あるいは指定預金の引上げ等もまつたく残酷な方途をとつている。われわれは前の委員会におきまして、このいわゆる指定預金も何とか地方銀行、あるいは相互銀行等にはかつてもらいたいという決議案を提出しているはずであります。こういう面に対しましては、さらに施策の何ものも見受けられない反面に、たとえば開発銀行の今問題となつているようなあの造船融資というものは、莫大な金額に達している。しかももう返還期が到来している金額も二百数十億に達しているのであります。これに対しまして、返済はただの十億そこそこであります。こういう大企業に対しましてのそういう放漫な状態を、銀行局長は何で放任しておくのか。地方銀行等の貸付につきましては、中小企業者に融資いたしますものも、検査官は厳重な検査をおやりになつておるはずであります。そうした場合に、ひとり造船のみに対しましては、期間が到達したものが何十分の一も回収になつておらぬものを、そのままに放置しておる。あるいはまた大銀行が造船に融資いたします場合には、みな三〇%の貸付をやるという証明書を発行しております。この証明を発行いたしました当時の大銀行のバランス・シートをわれわれが検討を加えてみますならば、三〇%を貸し付けるという証明を出しましたとき、すでにその銀行というものは莫大なオーバー・ローンをやつておる銀行であつたはずであります。こういう状況を見ますならば、この造船疑獄の根本の原因は、大蔵省にも大きな責任ありとわれわれはいわざるを得ない。あるいは日銀当局にも重大な責任がある。ひとり当面の開発銀行の小林中総裁を追究すべき問題ではない。一貫した金融政策の誤りがああいう問題を生じたものであるとわれわれは言わざるを得ないのであります。こういう点に対しまして、専門家であられる銀行局長から、率直にお答えを願いたいと思います。
○河野政府委員 大銀行と申しますか、都市銀行における預金と貸出しの比率が、いわゆるオーバー・ローンの状況になつておる、これは御指摘の通りであります。私どもは、今柴田委員から御指摘のように、地方銀行とか、そういう地方にあります金融機関に対する行政上の監督なり処置なりと、都市銀行に対するそういう事柄を区別して扱つておるという事実はまつたくございません。現に私どもは、都市銀行に対しましても、去年の暮れに検査を実施いたしております。地方銀行に対して検査を実施いたしますと同じような頻度において、同じような立場から、検査は厳重に実施いたしております。なお都市銀行のオーバー・ローンの状態が、その原因については意見はいろいろありましよう。また今後の推移について、これをどうして行くかという問題についてもいろいろな考え方はあるにいたしましても、そのこと自体が決して私どもは健全な状態、あるいは満足すべき事柄であるとは毛頭考えておりません。これらのオーバー・ローンの解消問題につきましては、これまでもいろいろな形で努力して参りましたし、大蔵大臣もたびたび財政演説その他で皆様方に申し上げております通り、市中銀行の日銀依存度というものをできるだけ脱却するような方向に持つて行くという努力は、従来から私どもといたしましては全力をあげて参つたつもりでありますし、これらの方策の一つとして、いろいろな観点から、ある種の措置をしてはどうかということが検討もされておるような次第でございます。これらの問題につきましては、さらに十分なる検討を要するとは思いますが、都市銀行に対して非常に甘い考え方でもつて臨んでおる、あるいは大企業に対する金融について非常にルーズな取扱いをいたしておるというようなおしかりを受けることは、少くとも私どもは、主観的にはそういう考え方で問題を扱つておらないことは、これははつきり申し上げられると思います。また客観的にもできるだけそういうおしかりを受けないような方途で私どもは考えて参りたいという努力はいたしておりますが、その努力について皆様から十分に御満足をいただけるような結果になつていないかもしれません。その点については、おしかりは十分受けて、今後改善をして行くということで努力をいたしたいと考える次第であります。
○春日委員 国民金融公庫法の一部改正法律案に関連をいたしまして、ひとつお伺いをいたしたい。その前に私が局長に申し上げたいことは、あなたは中小企業金融に対してはなはだ熱意が低調であるというよりも、むしろ冷酷無慙ではないかと思われる筋が非常に多いと思う。このことは、先般この問題を憂えた本委員会が、特に一日の貴重な時間をさいて、中小企業金融機関から、当面しておるところの金融情勢一般について公述を求めたことがある。そのときにあなたは、そういうものが開かれるということは、公報にも載つており、植木次官は御出席になつておつたのだから、あなたが御存じないはずはない。そういう得がたき機会に御出席すらなつていない。もう何でもよいからかつてにやつておれ、おれはおれの方針でやるんだという態度、今あなたの言われた客観的な一つの姿を見せておられる。私は、現在の中小企業金融がいかに行われておるか、この現実の声を聞くことのために、あなたは万難を排しても来なければならぬはずなのに、そういう貴重な機会を逸せられるというようなことは、これはあなたの本心が、中小企業金融に対しては何らの関心も示していない証拠であると思う。本日なんかでも、私は朝からあなたの出席を求めておつたのだが、どこへ消えてしまつたのか現われて来ない。少し貴重な質問をしようとするときには、もう時間が過ぎてしまつて、簡単にやれ、簡単にやれということになつてしまつておる。どの程度あなたに感動を与えられるか、反省が与えられるか、私は確信がないようなことになつてしまつた。従つて国民全般は、あなたが中小企業金融に対してはなはだ冷酷な人じやないかという考え方の上に立つて物事を見ておるので、そうでないならばそうでないように、そうであるならばそうであつてもしかたがないが、心してひとつ御答弁を願いたいものであります。中小企業金融対策に関する件という議決が本月十六日に本委員会においてなされた。その案件はあなたのところへ御送達されておるのであろうが、問題は、中小企業というものは、金詰まりで破産、倒産毎日続出、こういう状態に向つて行つたならば、ゼネラル・パニックということすら心配されておる。従つて政府は、この際何らかの施策を講じて局面打開のために善処しなければならないと思われる。そこで本委員会は、とりあえず指定預金の引揚げ中止と新規預託を行つて、この金融梗塞を打開しろという議決を行つて、政府にこれを送達したのであります。ところがすでに旬日を経た今日、この問頭についてはまつたくなしのつぶてであつて、何らの返答があるわけではなく、また何らの施策が講じられたけはいもなく、あるいは講じられようとしておるのか、まるつきり見当がつかない状態であります。あるいは最近の資料によりますると、倒産会社の資料がここにあるのですが、これは現在のところ、とりあえず繊維関係の商社の分だけを調査の便宜上ここにとりそろえてみたのだが、これによると、破産、倒産したところの会社は資本金一千万円以上のものだけで、一月から三月までの段階において、二十七年度は四十七件であつたものが、二十八年度は六十七件になつておる。昨年度すでにその危機の徴候が見えておる。本年度になると、さらにこれが激化して、すでにこれが百七十一件となつておる。二十七年度に比べて三・六倍、二十八年度に比べても二・五倍、こういう状態になつて来ておる。これは繊維専門の調査機関である東京信用交換所の調査資料であるから。信用できるところの資料であると思う。こういうようなぐあいに不渡りとかなんとかいう問題ではなく、もう現実にじやんじやん店をしめて行くのです。あなた方の批判によれば、これは不健全経営だというような批判もあるであろうが、かりにこれらの犠牲者たちが不健全経営のためにみずから落ちるところへ落ちたとしても、やはり有機的な関連を持つておるので、こういう連中が手をあげれば、健全経営の諸君にもやはり波及して、手をあげなければならぬ。俗にいう将棋倒しであります。これは他の資料によつて、東京手形交換所、大阪手形交換所、名古屋、福岡等の資料もいろいろ調査してみたのだが、これはやはり昨年同期に比べて、その不渡りのパーセンテージは特にふえておる状況であります。これをどうしてもこの中小企業のために、金融政策を通じて、何とかこの局面を救済することのための挙に出なければ、ほうつておいたならば、大きな問題を惹起する心配が私はあると思うのです。 そこで私は河野銀行局長にお伺いいたしたいことは、先般本委員会が委員会の決議をもつて送達したこの決議、これを一体、どういうぐあいに取扱つておられるのであるか、また最も近い将来に、これがどういう形になつて現われて来るのであるか。少くとも国会は国権の最高の機関である。あなた方は、国会の言うた通りやつてもらえばいい。あなたがどう思つておられようと、こう思つておられようと、そんなことはわれわれの関知したところではない。われわれ国会が決議した、国会の意思のある通り措置してもらえばいい。国会は、中小企業ははなはだ金が足りなくてみんな倒産しておるのだから、これを救済するために、指定預金の引揚げ中止と、それから新規預託をしろということを決定したのであります。だからこの決定したものに対して、どういうふうにあなたはこれを執行せられつつあるか、まずこの点を承りたい。
○河野政府委員 おしかりをいただきまして、はなはだ申訳ないと存じます。本日も実はお呼び出しをいただきましたとき、参議院の大蔵委員会でちようど手が抜けませんで、あちらが済み次第実は伺つたようなわけであります。しかし弁解をいたすつもりはございません。非常に申訳ないと存じております。 お尋ねの十六日に当委員会において御決議になりました指定預金に関する件でありますが、十分拝承いたしました。結論を申し上げますと、御決議の趣旨はできるだけ私どもとしても尊重して参りたい。しかし、現在ただいまただちにどういう具体的な措置をする。たとえば指定預金何がしをただちにいたすとか、あるいは現在まできめて参つておりまする指定預金の引揚げの計画、これは御案内のように、先般当初の計画を相当大幅に緩和して、年度一ぱいでありましたものを、ことしの九月末までにならして引揚げることにしておるのでありますが、この計画を中止するなり、あるいはさらに延期するなりというような措置を、現在ただいまただちに決定をいたす段階にはまだ来ておりません。今後とも事態の推移を十分に見きわめまして、御趣旨の点については、十分に遺憾のないように善処いたしたい、かように考えておる次第であります。私どもは現在の事態、あるいは金融面からだけでなしに、経済全体における企業の状況というものは、決して容易な状態でないことは、今春日さんから御指摘の通りだと思います。ただ私はこれらの問題について、今お話のありましたような、いわゆるゼネラル・パニツクといつたふうなことが近い将来に起るとは私は考えておりません。またそういうことは起してはならぬと考えております。ただ問題は、だからといつて現在の事態が決してなまやさしいものだということを申し上げておるのではないのであります。政府がとつておりまする現在の経済を建て直すための財政なり金融なり、その他経済全体にわたる万般の施策の方向、この方向の基本的な考え方というものをかえなければならぬようなところまで事態は来てない、私どもはかように考えておる次第であります。従いまして、この方向の範囲内において、これらの個々の事態につきましては、できるだけその実情に即した施策なり施設ということは考えて参らなければならぬと思いますけれども、今申しました私どもの考えております方法と申しますか、政策の基本をかえるというようなところまでは、私どもはまだ現在の事態は来ておるとは考えてないような次第であります。その点につきましても、しかし今後の事態の推移につきましては、十分に私どもも関心を持つて見守つて参りたい、かように考えておる次第であります。
○春日委員 現在置かれておるこの金融恐慌の状態がどの程度のものであるかという判断、これはなるほどあなたにはあなたの資料に基く判断があろう。しかしわれわれはまた別の立場に立つてこれを判断する。従つてこれは主観的な問題で、水かけ論に終るから、私はあえてこれは問わぬが、しかしいろいろな経済評論家たちが述べておる意見というものは、このようなことを述べられておる。この意見もあなたが含んでその結論に立つておられるならばさしつかえないが、そうでないならば、あなたのお考えの一つの資料としてお聞きいただきたい。現在こういうふうな破綻を来しておるのは、不健全経営のものがその犠牲に上るという一つの初歩の段階です。ところが一社が蹉跌すればその債権者数社がただちに影響を受ける。いわゆる連鎖的反応を受けるということは、これは経済上の必然的な一つの基本であります。従つてこれは、京都の山崎誠商店の整理によつて、藤村商事、松宮商事、旭商事、それから丸三商事、こういうようなものがその翌日店をしめて、整理に入らなければならなくなつた。すなわちこれらの健全な商社も、そういう不健全とおぼしき商店から受取つておつたところの手形が不渡りになれば払えないという形で、健全経営の諸君が倒れて行く。そうすればそこと取引のあるところの諸君は、やはり連鎖反応を受けて、これがまた同時に整理に入つて行かなければならない、こういう状態である。そこで結局金融引締めが不健全、不合理な経営をしておるものだけにはとどまらないで、一般商社に及ぶような時期は大体四月、五月ではないかと思われる。こういうことをこの間中から一般経済評論は言つておる。私は四、五冊の評論雑誌を読んでみたが、いずれも同じような診断を下しておる。現在繊維関係ばかりではなくて、倒産のうわさがあるのは、本日の朝日新聞にも月半産業の問題が報道されておる。あるいは大企業の日平産業のほかに富士越産業があり、日本物産等もすでに危機寸前のところまで到達しておるということがうわさされておる。これでもなおかつあなたの方は、まあ大したことはないというふうにお考えになつていらつしやるならば、そのような船頭に船をまかしておく国民の不仕合せ、あるいはその危険というものは、思うだにはだにあわを生ぜしめるものがあるのであります。この問題について、これは政治家的責任において植木政務次官はいかに考えておられるか。あなたは先般本決議案が採決されたときに、これは福田繁芳君の慫慂もあつて、この決議は十分尊重しますということを、語気を強めて答弁しておられたが、この問題についてあなたはどのような尊重した気持を、その実際的な執行の上に現わしておられるのであるか、この機会に御答弁を願いたい。しこうして私が述べたようなこういう金融の危機、これはわれわれが単なる一つの資料やそういう雑誌の評論を拾い読みしてここで申し上げておるのではなくて、われわれ国会議員の中では、あるいはそれぞれの政党に対しては、まつたく熾烈な陳情が毎日のごとくにきびすを接しておる。そこでわれわれは国民の声をここに反映させておるのであるが、こういうような産業経済の危機の上に立つて、なおかつ、まあ大したことはないでしようというような考え方を持つておる河野銀行局長に日本国の金融行政の全般をゆだねておいて、あなたは危険を感じられないかどうか。いずれにしても、先般この決議に対してあなたは尊重すると言つておられたのだが、どんなぐあいに尊重しておられるのであるか、その尊重のしぶりをひとつ伺いたい。
○植木政府委員 先般の御決議に対しまてしは、さつそく部内におきまして事務当局が集まつて、今後どういうふうに善処をすべきかという問題についてせつかく研究いたしております。経済界の推移に対して十分に目を見張つていることはもちろんのこと、この際政府の基本的な引締め方針に何らかの変更を若干でも加える必要があるかどうか、かりに基本方針を動かさないにいたしましても、今後この情勢がさらに展開するかもしれないが、その場合に一体どう考えて行くべきかということ等につきまして、鋭意研究を重ねています。しかしながら今ただちにこういうことをいたしましようということを申し上げる段階になつていないことは、先ほど銀行局長からお答えを申し上げた通りの状態であります。しかしそれだからといつて大蔵省がのん気にかまえているとか、のほほんと見のがしているというのじやないのでありまして、非常に苦慮いたしております点はどうぞ御了承願いたいと思います。
○春日委員 ただ原理原則の探求をしておられるような気配で、まことにもつて残念しごくに存じます。今この金融の病をいやすのにどういうような医術を試みたらいいか。たとえばお医者さんの学問には病理学もあろうが、また臨床医学もあるだろう、今国民がけがをして出血しているのに、これは病理学的にはどんなものであろう、血液型がどうだこうだというのでなく、やはり出血をとめるためには縄帯を巻かなければならぬ。とにかく臨床医学的な措置が今こそ必要ではないかと思われる。銀行へ行つても金が借りられない。なぜか、金がないからだ。なぜないのだ。政府が指定預金を引揚げたからだ。だから政府が指定預金を中小企業の金融機関に預託すれば、とりあえずその出血は一部とまるではありませんか。これによつて完全治療ができるかどうかは後日の問題であります。しかし今はだらだらと血が流れて、ほつて置けばその人は死ぬかもしれない。病理的原理原則はどうであろうとも、とりあえず繃帯を巻いて、出血をとめる臨床的措置というものを、政治家的良心からいつてもなすべき義務があると思う。 さらにあなたに申し上げたいことは、今銀行局長の答弁によると、新規預託のことについては一言も触れてはおられなかつたが、現在預託してあるものを引揚げる方針で、これをひとつやめて見ようかと相談をいたしております、こういう話です。しかし本委員会における決議は新規預託をしろということを明確にうたつておる。(藤枝委員「預託しろとは書いてない」と呼ぶ)ただいま自由党の藤枝君は、新規預託はないと言つておるが、それは違う。決議案を文字通り読んでもらわねばならぬ。かつてに判断したり、あるいは自分の好きなように独善的な見解を加えたりするそういう余裕はこの決議案の中にはない。たとえば現在預託しておる「指定預金の引揚げを延期する」とあつて、現在預託しておるものの問題は前段で終止符が打たれておる。そうして後段においては、「預託その他臨機適切なる対策を実施せられるよう、」こういうぐあいに前段、後段にわたつて、現在預託しておるものは引上げを延期する、しこうしてなお足らざるものに対しては臨機適切な措置を講ずる、従つてこれをあくまで尊重するとあなたははつきり言つておる。なおまた自由党の諸君だつて、預託することに反対だつたらなぜこの決議案に反対しなかつたのか、この決議案に対して満場一致で賛成しておいて、今その字句に対して難くせをつけるがごときは言語道断、卑劣きわまることだ。(発言する者多し)委員長、やじが多くて論述か十分尽せませんから、退場を命じてください。
○内藤委員長代理 私語を禁じます。
○春日委員 そこで、さらに一歩を進めてお伺いをいたしたいのは、現実の問題として、今省議を開いてこの問題を虚心に検討しておると言う。植木さんは、最初政務次官におなりになつたときは、愛知さんに比べて大分たるいのじやないかと思つた。ところが三箇月間協力していろいろ審議をして来ると、なかなかあなたは素朴で純真で、みんながあなたを見直して来て、今や信望が次第に集おろうとしておる。そこでこの問題に対してあなたがほんとうに真剣にどの程度努力されておるか、口先だけではなく、ほんとうに執行面を通じて、あなたの人柄と政治的責任感のあるところをひとつ示してもらいたい。新規預託をいかにするか。この点をこの機会にお伺いしたい。日本社会党は、この問題を重視しておるが、数日前大連文部大臣が本会議においてどういう国民の非難を受けられたかということは、御記憶に新しいところであろう。殷鑑遠からず、大蔵大臣をやがて同じような血祭りにあげなければならぬとすら考えておるが、一にかかつてこの問題が契機になると思う。この問題に対してわが党はすでに国会対策委員会で再三検討を加えた結果、この決議に対する大蔵省の出方をまつて、その態度に出なければならぬ場合もあろうかと考えておるのです。従つて大蔵次官はこの問題に対して、一体どういう処置をされるのであるか、私はこれは真剣にお伺いをいたしている、お答弁願います。
○植木政府委員 すでに指定預金になつておる部分についてのお答えは、先ほど銀行局長から申し上げました通りであります。お言葉の新しい預託という問題につきましては、今日までのところ、われわれの研究の結果では、これを実行しようという結論に達しておりません。しかし私といたしましては、率直に申し上げますが、十分今後の推移を見た上で、なお研究する必要が起れば、そのときには、また十分善処する必要があるのではないかというふうには考えております。今日のところでは、まだ実行すべき時期ではないという結論だけ得ております。
○福田(繁)委員 今の春日君の問題に関連しまして、私はむしろ行政府の河野銀行局長に要望しながら、いささか質問してみたいと思う。政務次官は自由党の出身でありますから、もちろんこの政府の基本線を逸脱できないということは、私は一応了解できます。さればといつて、自由党の吉田内閣はいつまで安穏に行けるかということは、行政府の方はよくおわかりの通りです。率直に言いますれば、およそここ一週間か十日で、吉田内閣はいかに基本線を保持されようとなさつても、生命が継続でき得ない、これは院外の一般各国民の見る目であります。そこで、行政府は政務次官と立場が違いまして、この時期にこそ、ほんとうに中小商工業者に理解の深い、今までの自由党内閣と違つた内閣ができるならば、勢いそこではつきりと先ほど春日君が言れわましたような、本委員会の委員並びに春日君の発案されたところを、十分貫徹をしてもらわなければいかぬと考える。どうぞ銀行局長もあくまでも政務次官がおつしやるごとくに、現政府の基本線を逸脱しないという、そういうやぼなことをおつしやられないよう、政府の行方はわかつておるのでございますし、そうでなくても中小商工業者は、あすの目が成り立たないような状態になつておるのだから、行政府はそれこそ全国民の大きな視野のもとに、今からよく御検討を加えながら、あの株主相互金融のようにあとから後悔されないように、しかと御検討をしてもらいたいと思う。 そこであなたに伺いたいのでありますが、先ほど問題になりました公聴会の公述人の意見を聞きますと、実に困つたものです。相互銀行にしても、ことに信用金庫でありますが、まつたくあすの日がわからないような非常に心もとない状態なのです。それでわれわれはどうしてでも今の政府の預託金の引揚げを停止し、ここに新規預託をして、百億なり百五十億なりやらないと、この人たちが困つてしまつて、それこそめちやくちやになる。せつかくあなたが心血をしぼつて、日本の金融対策を軌道に乗せようと御苦心なさつても、足元からすくわれてしまうといううき目を見るということを、われわれは十分感じまして、その結果先ほど申しましたようなものが、各党派が晩越して一体となつてできたのであります。それをよく頭に入れておいてもらいたいと思うのであります。それと私の伺いたいのは、そのときの話を聞きますと、これは相互銀行ではありませんが、信用金庫と信用組合、これが最近非常に濫立しまして、それがために非常に困つている。私はどうしても信用組合、信用金庫というものを、適当なる企業合同というか、合併というか、これをやらないと、ちよつと都合が悪いように思うのであるが、これに関するあなたの御所見をまず一応伺つておきたいと思う。
○河野政府委員 福田さんの前段の御質問に対しましては、これは私としてはお答えはしないで——今日本の経済政策としてとつております財政金融の引締め方針というものは、私個人としても正しい政策だと確信いたしております。その意味におきまして、それ以上のことは私から申し上げることは差控えさせていただきます。 第二に、先般十六日の公聴会の公述人の方々の御意見、ちようどよんどころないことがあつて私は欠席いたしましたが、そのときの皆さんのお話の経緯は、係員を出しておきましてよく聞かしておきましたので、逐一私は報告を受けております。今お話のような点につきましても、私も十分承知をいたしているつもりであります。ただ問題は、現在のような時代において、指定預金を百億なり百五十億なりすると、いうことが、それよりほかに方法がない、それをやらなければ、日本の金融界なり経済界が非常に取返しのつかないような混乱状態に陥ると見るべきかどうかにつきましては、先般来春日さんからおしかりを受けたのでありますけれども、私はそうは考えていない。これは率直に申し上げておきます。そういう意味で、これの見解につきましては、これは失礼でありますけれども、今福田委員のおつしやるところと若干見解を違えておりますけれども、先ほどから申し上げているように現在の事態を安易に考えてよろしいとは毛頭考えておりません。先ほど政務次官も言われた通り、この事態の推移については非常な関心を持つて、真剣に、まじめに私は見守つて参りたい。必要に応じて遺憾のない措置はとらなければならないというふうに考えている次第であります。 それから第三点の、信用組合、信用金庫等が濫設されている。この問題につきましては、現在の状態を濫設と見るか、あるいは適当な数であると見るか、これはいろいろな見方があると私は思います。ただ問題は、私どもといたしましては今後の経済の推移等から考えまして、その推移と申しますのは、程度の差はあれ、とにかく安易に考えられないような経済状態ということを今後に控えている際、私どもとしては個々の金融機関がその内容の堅実性、基礎の強固ということについてさらに一層の努力をして参らなければいかぬと思います。こういうように私どもは考えております。ただ、それじや現在どの程度の数まで整理統合すべきということは、今まだ具体的に申しま上げるまでに至つていない、かように考えている次第であります。
○福田(繁)委員 それじや春日君に返しますが、そこで結果から言えば、そうすれば、一体この行き詰まつているところの、あすの日もわからない中小企業に対する金融の根本政策についてどういつたお考えを持つておられるか。この手のうちを示してもらわないことには、今までの質疑をあすからかた当分続けなければいかぬことになるが、実はわが委員会におきましても、早うこの中小金融問題をやりたかつたのでありますが、自由党なり政府の要望に塞ぎまして、この三十一日までにどうしても税法をあげなければいけないので、実は四月にまわして、三月三十一日までに数件の税法をあげようと思いまして、実は大蔵委員会において各党派がいろいろ懇談をして、ある一致点を見出したわけです。こういう前提で、この三十一日までの方からあげましようというので、実は妥結点がややできかかつているわけですが、ごらんの通り、かんじんな自由党さんの方がまだ腹がきまりませんでその回答が来ないので、こういう状態ならば、今月一ぱいは税制関係はそつちのけにしておいて、勢いあなたの方の銀行局関係の質問にこの月一ぱいかかる。そこであなたに、自分としてはどうしても新しい預託をするということは信念が許さない。ただこういう道があればこそ、皆案じているところの中小企業金融というものは救済できるのだというあなたのお手のうちを拝見しないことには、あすから同じ質問を繰返すことになる。そういうことは与党、野党ともに不利益ですから、それをひとつ公開してもらいたいと思う。
○河野政府委員 これはお答え申し上げるのに、なかなかむずかしい問題だと思います。ただ私どもは、中小企業に対する金融は、大企業に対する金融その他と性質が違う——程度の差異であるか、質的な差異であるかは別として、違うということを前提にして申し上げたいと思いますが、ただ現在私どものとつております金融に対する引締めの考え方、これはどういうことかと言えば、やはり金融を引締めることによつて物価を下げて行く、それから経済の中にあるむだをできるだけ排除して行く、こういうような立場に立つてやつているのであります。この点につきましては、大企業に対する金融も、中小企業に対する金融も、同じ原則に立つてさしつかえないと考えている。ただ問題は、それではそういう金融引締めの措置は、結局銀行等の金融操作ということの必然の結果、一つの傾向というものはどうしてもありますから、その結果中小企業の金融に対してしわが寄るのではないか、こういう御議論は、まさに傾聴すべき御議論だと思います。これはたびたび私からもそういう点については申し上げているつもりであります。しからばそれに対する措置をどうすべきかということについては、私どもは金額その他について十分でないという御批判はあろうとは思いますけれども、たとえば国民金融公庫でありますとか、あるいは中小企業金融公庫でありますとか、そういつた中小金融を財政資金によつて行つて行く機関というものを、財政の許す限りにおいてできるだけその資金源を拡張して言葉は非常に悪いのでありますが、今の金融引締めの措置からだんだんしわが寄つて来るような中小企業者に対する金融にできるだけ支障を来さないように、これらの機関の活動に私どもは期待して参りたい、かように考えている次第であります。なお一般のそれらの政府機関の金融だけに私どもは頼つているわけでありません。大きな金額でない限り、やはり地方銀行その他の金融機関もそうでありましようし、相互銀行、信用金庫等も、これは中小企業金融をやるのが本来の使命である、従つてそれらの金融がうまくつくように私どもできるだけ努力して参りたい。しかしこれは金融財政全体の考え方が、つまり通貨の信用をインフレによつて造出して、それでもつて金融をするという考え方はこれからはやめて行こうというのが、私どもの考え方でありますから、その限りにおいては、財政金融の今申し上げたような一つの引締めと申しますか、健全なるベースにおけるそういう基本的な考え方のわくの中でこれらの措置をできるだけやつて行く、こういう考え方に立たざるを得ないと考えているのであります。ただその結果財政資金の収支の余裕というものも十分でないという場合におきましては、これはやはり国民金融公庫に対する出資等につきましても、皆様が御要望になつておるところまではなかなか行きがたいというようなこともあるかもしれませんが、私どもは財政の許す限りこれらの点についても努力いたしたい、かように考えている次第であります。
○福田(繁)委員 私はただいまの河野局長の答弁を非常に心から待望しておつたのでありますが、今伺つたところは、昨年の十二月の本委員会で伺つたところとあまり大差がない。この点に実は非常に失望いたしているわけです。相当中小企業が行き詰まつている今日の現状から見て、何らかの根本対策があなたの腹の中にはあるものだと私は見抜いております。しかし今のあなたの御答弁に対して御質問しようといたしますれば、先ほどの春日君の問題の関連の線を逸脱しますので、幸い明日十時にはあなたも御出席くださることになつておりますから、明日十時の委員会で、金融問題でただいまの御答弁に関連して質疑を開始するというために、私は保留いたしまして、のしをつけて春日君に御返上いたします。
○春日委員 私はなお結末がつかないので、ちよつと三、四分質問いたします。そこで重要な問題は、金融の推移を実際あなたはながめておるとおつしやつている。はたしてこの委員会の決議のごとく行われねばならぬかどうかということを研究しておると言つておるのだが、委員会の決議というものは、あなたに判断を許すような、そんなものではないのです。この決議があなたがいやだと思うならば、国会を解散すればいいのです。国会の意思というものがあなたの意思に沿わないならば、内閣の意思に沿わないならば、そういうような不当な決議をする内閣を解散するか、あるいは国会の決議通り執行するか、二つに一つしかない。われわれはこう思うがどうだというようなものではない。だから国会があなたの判断いかんにかかわらず新規預託をすべし、引揚げをやめろと言つておるのですから、その通りやつてもらえばいい。それをあなたがとかくに判断する理由はないと思う。さらに今福母君の質問に対して、推移を眺めて検討すると言つておられるけれども、私はあなたに申し上げたいことは、あなたは一体判断をしたり検討したりするのにとても時間をかけるくせがある。たとえば保全経済会に対しては、あなたは一年三箇月間検討したではないか。やみ金融については、これもまた法務省との間に二箇年以上推移を検討したではないか。そのようにあなたが検討しておる間にどういう結果が生れたか。保全経済会は三十何億円をねこばばした。殖産金融は四十何億ねこばばしてしまつた。そうして十数万人の被害者ができた。百何十億というものをかれらに瞞着せしめてしまつた。このことが大きな社会問題になり政治問題になつて、初めて今度あなたはいろいろな立法を出して来ておるじやないか。今度の問題もゼネラル・パニツクになつてしまつてから、なるほどこれは春日君の言う通りだ。それではぼつぼつやろうか、こういうことであつてはならぬのですぞ。私があなたに申し上げたいことは、あなたの経験を生かさなければならない。あなたは保全経済会、やみ金融の問題で大した経験を積まれておるのであるから、今度こそはこの金融恐慌に先がけて、この経験の練達、責任感から、あなたはこの際思い切つた施策を講じなければならぬと思う。あなたはいろいろ言つておられるけれども、私は植木政務次官に重ねて申し述べる。さらに答弁を得たいことは、預託をしろということと、それから引揚げを猶予してくださいということは、委員会が議決してあなたに申し込んでおるのであるから、あなたはそれを執行してもらいたい。執行しなければ、この委員会に受理することはできないという公文書を出してもらいたい。そうして国会と政府の間で対決しなければならぬ。そうでなければ、委員会の要求を等閑に付して推移をながめて検討しておつて、何分の措置というような、そんななまぬるいことでこの委員会の決議はできていない。理事会を開き、そこでわれわれの意見の調整が行われ、提案理由の説明があり、討論があつて採決されておる。そういう国会法並びに衆議院規則に基いてやつた議決を、あなたの方がああだこうだというような、そんな一人よがりの判断は、われわれ聞く耳持たぬ。やつてくださらなければ、われわれはやらない、やらないという御答弁を願えば、かつては池田通産大臣がどういう結果になり、その結果はあまりよくないということはよく御承知でしようから、責任ある御答弁を願いたい。 さらに補足して申し上げたいことは、あなたの方の金融情勢資料を私は初めからしまいまでつぶさに読んだ。その中に特に明らかになつたことは、あなたが出されたのだからよくおわかりでしようが、二十七年度は政府指定預金は年間三百八十二億出ておるが、日銀の貸出しは二億しかふえておらない。ところが昨年二十八年度はどうであつたか。すなわち政府指定預金は百七十九億減じておるのに、日銀の貸出しは逆に七百五十五億増加しておる。すなわちあなたは一方中小企業者の金融梗塞をきびしく迫るような預託の引揚げをやつておるが、日銀は金融引締めをやるといつておるが、口頭禅的なことをやつておる。すなわち七百五十五億の貸出し増という結果になつて現われておる。大企業に対してはゆるく、小企業に対してはこういう峻厳、峻烈、苛酷な施策をもつて臨んでおられる。このことは世人が許してはおらない。中小企業者が黙認するはずがない。だからこういう痛烈な要望となつて来ておる。すなわち資金需要のあるところは、いくら日銀が高率適用だとかなんとかいつても、そんな利子の高い低いなんていうことは意にもかけない。高い利子でも借りなければつぶれてしまう。つぶれてはいけないというので日銀は七百五十五億貸出し増をしておる。同様の立場の経営の責任を持つ中小企業がつぶれるから金を貸してくれといつて政府に迫つて来る、国会に迫つて来るというのは当然のことだ。国会が政府に責任を迫つたら政府は追つて研究の結果推移をながめて云云、そんなばかげた答弁が許されると思われますか。私はほんとうに責任ある答弁をいただかなければ、大蔵大臣の不信任案を出したい。小林進君が罵詈雑言を浴びせた上に、さらに尾ひれをつけ、しんにゆうをかけて大蔵大臣の不信任案を出したい。どうかその点十分御答弁を願いたい。 さらに私は申し述べたいことは、現在預金は二兆五千二百億あるが、その中の個人関係のものは、長期預金は三千八百七億、短期預金四千五百四十九億、無記名のものは二千四百五十九億、この二兆五千二百億の預金の半数以上のものが個人のものではないか。つまり中小企業関係の個人のものの累積が、日本における総預金の半数を占めておる。従つてこれらの諸君がその金を運営して、おれたちに金を貸してくれと要望しておる。そういう意味において預金を均等に配分して行くということは、法の前に国民は平等であるという憲法の規定において、私は中小企業金融に対して、もう少し熱心であつてもらいたいと思う。私はこういうようないろんな理由によつて、政府に新規預託、引揚げをやめることは当然のことであると思うが、これに対し植木さんはどういうように思つておられるか、もう一ぺん御答弁を願いたい。この問題は重要な問題でありましようし、さらにいろいろと御検討を願わなければならない問題もありましようから、ただいま伺いますところによりますと、明日の午前十時から金融問題について、さらに審議が行われる様子でありますので、慎重に御検討を願つて、責任ある御答弁を明日十時の本委員会において政府から願いたい。その上にさらに質問を続行することにいたしまして、時間も大分経過いたしましたから、本日はこれをもつて散会されたいという動議を提出いたします。
○内藤(友)委員長代理 それでは委員会は休憩いたします。 午後一時二十八分休憩 ————◇—————