大蔵委員会 第23号
- 発言数
- 50 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/03/17
会議録
○千葉委員長 これより会議を開きます。 本日の日程にあります所得税法の一部を改正する法律案外十五税制改正法律案を一括議題として質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許します。山本勝市君。
○山本(勝)委員 こまかいことをお伺いいたすのでありますが、実は税金の問題で税務署と納税者との間にしばしばトラブルが起る。その場合に納税者の言い分を聞いてみますと、まことにもつとものようでもあるし、税務署側の言い分を聞いてみますと、これもまことにもつともである、こういう場合にしばしばぶつかるのであります。われわれがこの場合にだんだん考えて行つて、これはそもそも国会における法案そのものに欠点があるからではないか。結局われわれが法案の審議を簡単にやつた結果が、税務署と納税者の苦しみに転嫁されて行くのではないかということを考えて、しばしばみずから反省させられる点があるのであります。そういう意味でありますから、私は与党の身でありながら政府に向つてかなりこまかく質問をいたしますけれども、どうかあしからず御了承願います。 最初にお伺いしたいことは、法律の問題ではなくて、国税庁の通告というもので税務署が処置をしておる場合に、やはり問題を引起しておるのであります。ところが協議団というものがあつて、納税者が不満で、納得が行かないという場合には、御承知の通り協議団に訴えろということで、協議団へ訴えて行きましたときに、協議団は税務署の処置が法律に違反したというふうな場合には、これを納税者の注文に従つて是正してもらえる、これは当然であります。しかし国税庁の通知によつて税務署が処理したという場合には、協議団は何ともできない、こういう返答をされるのであります。ところが国税庁の通知なるものが、どのくらいの一体権威があるものか。われわれ立法機関に携わつておるものとして、法律で定つておることであれば、これはもうわれわれ自身でつくつた法律でありますから、その不都合があつた場合に、これをもつて政府を責めるわけには行きません。しかし国税庁の通告というものが、はたしてどれだけの一体権威があるのか。われわれのしごく納得の行かないような通告が出される場合がしばしばあるのであります。二、三の例をとつてここで私は申し上げてみたい。これは例であつて、決して国税庁の長官を責めるつもりではないのです。一つの例はこういう例がありました。それは撃剣道具に対して従来物品税はかからなかつた。戦時中はもちろん、戦前においてもずつとかからなかつた。この撃剣道具の生産は一度も禁止されたことがなかつたのであります。これは占領治下においても生産を禁止されたことはありません。また撃剣そのものを禁止されたこともない。ただ公の団体、たとえば学校等において、正規の運動としてこれを行うことを禁止するということは占領中にありました。それだけであつて、何も撃剣道具のしないとか、あるいはその他の道具を生産することを禁止されたこともなし、使用することも禁止されたことはない。ところがこの撃剣道具に対して物品税をかけるということを国税庁の通達をもつて税務署に通告をした。これはいつごろでありましたか、昨年の春ごろであつたか、あるいは一昨年の秋ごろであつたかと思います。これはあまり研究されないでもちやんとわかることなんですが、時の国税庁長官の高橋衛氏が、ある税務署に、来る一月から撃剣道具に物品税をとれ、こういう通達を出した。そこで税務署からの通知を受けて私のところへ飛んで参つた。聞いてみますと、国税庁の方へ業者としてしばしば陳情いたしましたけれども、あくまでとる、これまでとつていなかつたのは君たちに対する情だつたんだというわけで、しまいにはしかり飛ばされた。それでとうとうしかたがないので私のところへ飛んで来たわけです。私は当時まだ国会に出ておりませんでしたけれども、しかし法律によらずして新しい税をとるということはできないはずであります。従来日本の歴史上何百年来やつて来た撃剣であり、撃剣道具、それでかつてとつたことがないものをここに新しくとるというのならば、新しく税をとるのであるから何らかの法律的根拠がなければならぬのではないかという質問を、実は国税庁長官にいたしたのであります。もし従来もとれておつたのだけれども、ただ徴税をしなかつたのだというのならば、会計法の第三条に、きまつた税金はとらなければならないということになつておるが、とらぬでよろしいという何らかの法律的根拠がなければならぬ。私はおそらくこれはまつたく新しく税をとるものだと思う。それならば法律上の根拠を示してもらいたいという質問をいたしましたところが、いろいろ審議された結果、当時の国税庁長官はかわつて、平田君になつておりましたけれども、結局その通達を取消して、従来のままの扱いで行くということで、全国的に通達を出してもらつてやめたのであります。そのときに税をかける理由は、コリント・ゲームというものに対しては従来かかつておつたが、パチンコにはかかつていなかつた。パチンコはコリント・ゲームの類推——類推という言葉は適当でないかもしれませんけれども、大体コリント・ゲームの類推でパチンコにかけておる例があります。そこで撃剣道具は、フェンシングの道具にかかつておるから、フェンシングの類推でかけるのだ、こういうのです。私はそれは違うと思う。パチンコというのは、従来まつたくなかつたものが出て来たのですから、ある類推でかけるということも認められるかもしれませんけれども、撃剣道具のごとき昔から厳然として存在しておつて、かつて生産も消費もとめられたことのないものに新しくかけるということは、私は新しい税と見ないわけに行かない。従つて法律的根拠がなければいかぬ、こういうのが私の論拠です。それはいれられましたけれども、その国税庁の通達というものは非常な権威を持つておるのであります。幸いにしてそのときは私の申し上げたことが国税庁で取上げられましたけれども、協議団あたりに行けば、すでに通達が出ている以上は、これはわれわれにはどうにもならぬのだ、こういう例はほかにもたくさんあるのです。 もう一つの例を申しますれば、私は主税局長にも個人的にちよつと申し上げたことがあると思いますが、たとえば人形に対する物品税と人形のケースに対する物品税は別々になつておる。ところが昭和二十八年に至るまでは、やはり通達によつて、ケースの中に人形を入れて売る場合におきましては、人形屋にかける、こういうことに通達できまつておつた。ところが二十八年から、これまでのやり方は適当でないということで、やはり法律で定まつておるように、ケースのメーカーが別にあるのでありますから、ケースはケースでかける、それから人形は人形で別にかける、こういうことに改正されたために、人形屋がケースに対する物品税まで払うということがなくなつたのです。ところが人形屋自身の気持から考えますと、法律できまつておつたのではなしに通達できまつておつた、具体的の事例はこういうところから起つて来たのです。人形屋が物品税の滞納があつて差押えをされ、まさにつぶれるような場面になつた。ところがその人形屋——もちろん人形屋のことでありますから、きわめて小さな零細な業者でありますが、従来も物品税を百万以上払つている。ところがまだ六十万ばかりのものが払えなくて差押えをされて、競売をされるというような生きるか死ぬかの場面になつた。そのときに思い起したことは、二十八年までに自分が払つた税金の中にはケースの物品税も入つている。もしあのケースの物品税が二十八年以後のごとくケースの生産者にかけられて、人形屋は払つていないという今日と同じような状況であつたとしたら、自分がこれまで払つた物品税で今の滞納分は全部消えてしまうのだ、自分の事業もつぶれずに済む。これは私は業者自身としては無理もない考えだと思う。ところが協議団の方へ話をいたしますと、二十八年に、それまでのやり方は適当でないからケースはケース、人形は人形というようにかわつたが、その以前においては、やはり国税庁の過重によつて税務署が扱つているのであるから、協議団としては何とも言えない、こういう返答なのであります。(「いいところをついたぞ」と呼ぶ者あり)静かに、御清聴を願います。これは春日一幸君の方なんかにもしばしば起る現象だと思います。(「ゆつくりやつてくれ」と呼ぶ者あり)大蔵大臣がお見えになつたらさつそくやめます。(「時間かせぎはつらい」と呼ぶ者あり、笑声)そういうふうなことで、国税庁の通達というものが、私が強硬に申し上げたので撃剣道具の場合には修正されましたけれども、しかし原則としては一旦出した通達を取消すということは非常に困難であります。こういうふうな一、二の例をあげましたが、途中で取消さなければならぬような通達——撃剣道具の場合は、前に税を徴収しておらなかつたからまだよろしいようなものでありますけれども、今の人形ケースのような場合について、これまでのやり方が法律の建前から見て適当でないというので是正された場合に、その前に払つておつた税というものについて大蔵当局としてはどういう扱いをされる方針でありますか、伺いたいと思います。
○渡辺政府委員 御承知のように、国税庁で今お話のような通達を出しております。考え方といたしましては、私はこういうものだと思つております。政府は、現在におきましてはお話のように、法律に従つてのみ課税できるのであります。従いまして法律によらずして税金を課税することはできないし、国民としても、法律によらずして税金を納める義務はない。従いまして税に関する事項は法律できめていただく。割合にささいなことでございますとか、ないしその性格によりまして、法律できゆうくつにきめにくい場合は、委任命令の形におきまして政令できめる、あるいは省令できめる。そこにはつきりした明確な線が引かれ、これは課税になる、これは課税にならないということが当然なされなければならぬものである。これは原則的にそうであります。ところが今お話になりましたような事例についてでもございますが、所得税などにおきましても、非常にいろいろなケースがある。所得税などにおきますと、あらゆる職業、あらゆる形における所得というものが一応課税の対象になつて参ります。従つて法律によつてかなり詳細に御規定願い、さらにそれに委任命令の形で詳細に規定いたしましても、いろいろまだその規定だけではちよつとはつきりすぐに右だ左だといつたことがわかり得ないようなケースが出て来る場合が間間ございます。そこで国税庁の通達という形におきまして、一応こういう場合はこう解釈すべきであるという通達を出しておりますが、これは法律的な性格からいいますと、国税庁の監督下にあるものだけが拘束されるものと見るしかない。いわば一種の訓令である。甲の税務署では右の方に解釈し、乙の税務署では左の方に解釈する、これでは納税者に対して御迷惑のかかることも察知されますし、少くともこれだけの法律なり、これだけの命令なりから一応全部解釈して行けば、この事例についてはこういう解釈にならざるを得ないということが、法律の一般的な解釈の結論として出ました場合、少くとも国税庁の監督下にある国税局、税務署におきましてはその解釈に従うべきだ。しかしこれはどこまでも一種の解釈通牒でありまして、その拘束力は国税庁の監督下にあるものだけが受けるわけでございますので、その解釈は間違いであるということは、納税者としては幾らでも争い得るところだと思います。従いまして、国税庁の解釈がはたして正しいものか、それは間違つていて納税者の御主張の方が正しいものか、これは最終的には裁判所できめてもらうべき問題であります。ただそれにいたしましても、やはり原則としてできるだけ法律にあらゆる場合を規定して、解釈もそう二様にわかれないような規定を法律につくり命令につくる。これはわれわれ一応立案者としまして国会へ御提案申し上げて御審議願う責任者としましても、そういう解釈が二途に出るような法案はできるだけなくすべきであると思つておりますし、いろいろわれわれとして苦心しておりますし、皆さん方にも慎重に御審議願つているわけですが、どうしてもやはり税務署の全部が全部はつきりこれだと言えないといつたような、いろいろな新しいケースが出て参る場合もあるのでございますから、どうしても新しいケースが出て来る場合などにおきましては特にでございますが、この場合はこう解釈すべきだということが出て来るのはやむを得ない。ただそれが先ほども申しましたように、少くとも税務署の中におきましては、甲の税務署は右だと言い、乙の税務署は左だと言うようなことになりますと、納税者を非常に惑わしますから、この場合におきましては、これははつきり右なら右左なら左、こういうふうに統一した解釈をすべきだ、こういう意味で国税庁の通達は実は出しているのであります。しかしそれが拘束するものは、どこまでも税務署、国税局といいますか、国税庁の一応監督下にあるものだけが拘束されるものである、納税者をも拘束するものではない、納税者としては幾らでも争える問題である、こう思つております。 そこでその次の問題としまして、現在争いの一応あつた場合における第一段階のものとして、協議団の制度があるわけでございます。確かに今お話のように、国税庁の通達が出ておりますと、よかれあしかれ国税庁の通達があれば、これはやむを得ないといつたようなことを現実にはやつているのじやないかと思いますが、私は将来の問題としまして、そこは大いに反省してみなければならないと思う。協議団のように、ほんとうの執行機関と違いまして、ある意味において争いを判定しようという機関であれば、一応国税庁の、通達が直らないのにすぐにそれと違つた解釈を下すことは、国税庁の監督下にある協議団としましてはいかがかと思いますが、しかし国税庁の通達にしましても、これは非常におかしいじやないかという場合には、協議団としては国税庁の方にその意見をよく言つてやつて、それで国税庁の方から、いや協議団としてはそう思つていても、実はこういうわけだからこうだというふうな、納得を得るような手段を講ずべきじやないか。これはあえて協議団だけに限りませんで、実は税務署とか国税局においても、従来ずつとやつては来ております。国税庁の通達によればこうなつている、しかし現実の事実と結びつけてみますと、この通達の通りにやつたのではどうも現実の事実に合わぬ。従つてこれはこう改正すべきだと思うが、国税庁の意見いかん、こういう照会を国税庁に出す。従つてそういう場合には、貴見の通り扱つてさしつかえないということはよくやつておりますが、協議団におきましても、やはりそういう意味の、どうも国税庁の通達が現実の具体的な事例においてはうまく当てはまらない、解釈上おかしいというときは、国税庁の方に申し出て、よく解釈をはつきりきめまして、なるほどと思う解釈に持つて行つて事を運ぶべきじやないか。これは国税庁等にもよく話してみようと思つております。過去においても実はやつているのですが、それが今のお話でございますと、十分に行つていないようなお話でございますから……。それで国税庁通達というのは、お話のように確かに現実の問題としては非常に権威があるように見えておりますが、しかしそれは先ほど来申しましたように、どこまでもそれのほんとうの拘束力といいますか、法的というのも少しどうかと思いますが、拘束力を持つておりますのは、国税庁管下の国税局、税務署を拘束するものでして、その趣旨といたしますところは、法律の命令で十分予期しない事態にぶつかりました場合におきまして、甲の税務署と乙の税務署で言うことが違うのでは、納税者としても非常に迷われるだろう、従つてそれは統一した解釈をして行こう、こういう意味で出しているわけでございまして、その解釈が正しいものであればもちろん問題ないのですが、いろいろ御意見を伺つてみると、どうもこれはちよつと無理があるからといつて直す、こういう場合もあるわけでございます。これは直すこと自体が実は悪いのではなくて、直さなければならぬような通牒を初めに出したことが悪いのではないかと思います。従いましてわれわれといたしましては、その際においては十分その点は検討して、遺憾なきを期して参りたい、かように考えております。
○山本(勝)委員 たとえば今の人形のケースの場合のように、これまでの通達の取扱い方をかえた場合、かえた理由は、おそらくこれまでのやり方が適当であつたというのならかえないだろう。つまり適切でなかつたというので今度かえたとすると、前の場合には、人形屋そのものが自分のつくつたものでないケースの物品税を払つておる。そうして今度の場合には、ケースはケースの生産者が払い、人形は人形屋が自分のだけを払う、そういうふうに前のを修正した場合に、やはり納税者としては、前の分は適切でなかつたというのであつたとするならば、そのときに自分の払つたケースの物品税というものは払い過ぎだと思う。それが金のあるうちなら、職人上りですから文句はないのですけれども、しかし今滞納でもう労役に行かなければならぬ。つまり、とても払えないのだから、いよいよ労役に行くよりほかないというような場面になつたときに、前の通達によつて自分たちが払つた分を、もしそれは払い過ぎだとして扱つてもらえば、もう今の滞納はなくなつてしまう。無事に助かる。これは業者として生きるか死ぬかの問題です。だからそういう場合に一体大蔵省はどう判断されるか。それをりくつを言えば、前のも適当、あとのも適当だが、しかし考えるところがあつてかえたのだというような説明もつくかもしれません。しかし前のが適切ならかえるわけはない。それはケースはケースで物品税というものがちやんときまつているのですから、それを便宜上ケースの中に人形を入れて売つた場合は、その人形でとるというようにやつたかもしらぬが、しかしその結果余分に人のものを払うことになつたということが不都合であるからというのでかえたに相違ないと思う。いかがでしようか。これは現実の問題ですから。
○渡辺政府委員 今の問題ですが、いろいろ抽象論として考えてみますと、いろいろな場合が考えられますが、具体的な問題に非常に結びついておりますので、一応国税庁の方の意見も聞いた上で——ここで御答弁申し上げますのはやはり相当の権威を持つた御答弁でないとうまく行かぬと思いますので、国税庁の方のいろいろな経緯を私ども聞いておりませんから、聞いた上ではつきり御答弁申し上げるようにさせていただきたいと思います。至急国税庁に聞いてみますから、ちよつと御猶予願いたいと思います。
○小川(豊)委員 専売公社の方にお尋ねしたいのですが、次官が見えているから、ひとつ伺いたい。第十九回通常国会提出法律案調べという書類の第三に、塩の専売組合法案というのがありまして、こういうものを二月下旬に提出するというので、提出する理由を概略お聞きしておつたところが、急にこれは提案を見合せた、こういうように聞いていたので、われわれもそのつもりでおつたところが、最近にその出そうとする法案の内容を、今度は指導だということで、公社の方でしきりに各元売業に対してやつておられるようであります。法案を出さなければならないのにかかわらず、法案はひつ込めてしまつて、今度はそういうことを指導でやるということは、ちよつとぼくはふに落ちないと思うのですが、それでも指導でやつてのけてしまうつもりなのか。それとも改正してやるつもりなのか。こういうあやふやなものではいかぬ。当然法案を出すなら出してやるべきであつて、指導などというあやふやなものでやるべきではない。こう思うけれども、これは大蔵省関係でもあるから次官からひとつ……。
○植木政府委員 塩の販売組合の問題に関連いたしまして、現下の状況にかんがみて、適切なる法律をつくる必要があると最初当局は考えておつたのであります。その後部内におきましていろいろ研究いたしましたところが、その研究の結果は、必ずしもこの際法律を必要としないじやないかというような結論が出まして——むしろその中にはぜひ法律を要する部分もあつたのでありますが、それは必ずしもこの際立法化する必要がないのではないかというような結論になりまして、今回の国会には見合せよう、こうなつた次第であります。ところが実情といたしましては、現在の塩の元売り会社間におきまして不当な競争が行われ、それがいろいろ弊害を起す一つの原因になつていることが看取せられますので、なるべくこれを今お述べになりました言葉を拝借するならば指導でもつてやつて行きたい、こういうような考え方で現在いるのであります。仰せの通り、この指導の範囲がもし法律を必要とするような問題をも無理に強制するとか、あるいは無理に強く干渉するということになりますと、そこにははなはだまずい点が起ると思いますが、一応指導と申し、あるいは干渉と申しますのは、なるべく納得づくで話がつくならばつけて行きたい、こういう方針で穏やかな運営をはかろう、こういう趣旨でやつているのであります。もし具体的な例で行き過ぎがあるようなことがありましたならば、ぜひこれは是正させてもらいたい、かように考えております。
○小川(豊)委員 塩は今のような制度でやられているんだが、そういう不当な競争とかなんとかいうものが起るということ自体が私はおかしいと思う。区域がきめられており、きわめて細密にいろいろな条件がきめられているにかかわらず、不当な競争を避けるということ自体がおかしいので、これはわれわれから考えると、競争というならば、もうサービス以外に競争というものはない。そのサービスまでもしないでいいような形に持つて行つてやろうとするところに非常に不明朗なものがあると同時に、それを法案を提出して改正してやろうと考えたにかかわらず、そしてそれに対してわれわれが質問を始めたところが、提案を見合せるから、とこういうことであつた。提案を見合せるならそれでいいだろうと思つておつたところが、今度は指導でやる。やるならば堂々と改正してやるべきだ、それを改正せずに指導というようなあやふやなもので進めることに対してはきわめて疑義があるが、この点についてはあとであれします。 次に遊興飲食税の問題等では輿論の趨向を考えて国税に移管することを見合せた、こういう御答弁があつたわけですが、私は輿論の動向を見てやるということに対しては決して悪いことはない、けつこうだ、こう思つているわけです。そこで繊維の課税の問題等についても一転し、二転し、三転して、課税の対象がかわつているということも、見ようによつては輿論の動向というものを見ておられるものというふうにも見られないわけじやないけれども、こういう点を見るときに、入場税の問題でも一種、二種と区別してある。非常にとりやすいものは国税の方に移管して、徴税しにくいもの、査定などのきわめて困難なものは地方税に置いてある。こういうことは私どもから考えると、むしろ国が徴税するのに困難なものを指導しつつとつて行つて、査定等にそれほど手間のかからない費用の要しないものを地方税にやるという親切さがあつていいと思うが、この場合にはそうでない。こういう点をずつと総合してみるときに輿論の動向を見てこうしたと言われますが、こういうふうにずつと総合してみると、どうも税というものに対する信頼性を失わす結果が出て来るのじやないかとわれわれは考える。ちようど町でアドバルーンを揚げて広告を出しているのと同じように、遊興飲食税をとる、これに対して猛烈な反対が起つて来ると、これを引下げてしまう。あるいは繊維でもつて課税するというのに、そこから反対が起ると、またそれを引下げて違つた方へ持つて行く。またそこで反対が起れば、また別な卸売の方に持つて行く。こういうふうに自信のない課税が繊維の場合には行われている。遊興飲食税の場合には輿論の動向を見てとりやめたのだという。入場税の場合について見れば、非常に査定の困難なものだけを地方に残しておく。こういうようなことでは、アドバルーンを揚げて、それに反対運動が起つて来ると、そのために業者はそれぞれガソリン税を見ても、遊興飲食税を見ても、繊維税を見ても、みんな業者が反対運動のために金を出し合つて、そうして反対運動を展開しておる。その反対運動が強くなつて来ると、これをおろしてしまつてほかへ持つて行く、あるいはとりやめる。こういうふうに、税金というものは何か反対、あるいは金を出して買えるというような感じを与えた場合には、それは税に対する信頼性というものをきわめて失わせることで、これはいけないのではないか。こういうことに対して、政府としてはもちろんいろいろの答弁があつたが、結局は金がいるからとるんで、それは反対のなるべく少いところへ持ちまわるという結果になつて来る。これについてひとつお考えをお聞きしたい。
○植木政府委員 塩の法案の問題についてでございますが、ただいま仰せになりましたように、なるほど塩の価格につきましては、おおむね定額が定まつておりますが、販売区域等の問題については、必ずしも区域が元売ごとに限定しておらないのであります。そのために実際上は、お互いの大体協定と申しますか——協定は公取に関する法令の関係でできないのでありますが、そのために不当な売込み競争がときどき行われておる。あるいは価格の問題もきまつてはおるのでありますが、そこに事実上こつそりと値引き等が行われて、そのためにやはり代金の回収についてときどき間違いが起ると申しますか、不確実な場合が起つて来るという実情がありましたので、法令に違反せず、正当な方法で、地域等についても協定と申しますか、指定ができるような方法を講じたいというので、実は法案等も一応準備したのでありますが、どうも適切じやないから、しばらく見合して、なるべく実行の問題で、充ほどの指導という言葉に行き過ぎがあつてはならぬと思いますが、円滑なる行政運用で当分やつてみよう。そうして様子を見よう、こういうことにいたした次第であります。 それから第二の問題の遊興飲食税、あるいは入場税、あるいは奢侈繊維品に対する課税の問題について、当初から最後までもつとはつきりした態度で臨まなければ、税制そのものに対する国民の信頼性を失いはしないかというお言葉に対しましては、まつたく御同感であります。従いましてこういうものを立案し、あるいは国会に提案しようとするにあたりましては、でき得る限り事前に十二分なる調査、研究を遂げて、そうして最後の結論が出た場合にはこれで一貫して参るということが、政府としても、あるいは政党としても日替いい道だと思います。ところがその間研究不十分であつたがために、いろいろ研究の途中でそうした問題が世上に流布され、それに対していろいろ世論が喚起されるというような場合には、その世論の趨向というものを見ることも、これは最後の決定をする際に相当大事なことである。しかし世論というものは、やはりその内容、実情をよく考えてみる必要があるのでありまして、必ずしも反対論が起つたら、すぐ右と考えておつたものを左にするというのでは、私はやはりいけないと思います。その内容その他について十分考究を遂げて、なるほどこれに対して考えておるところを変更する必要があると認めるほどの重要性のある世論の場合には、世論を傾聴することは、これはいい。しかしながら、その世論の内容あるいは趨向等によりましては、敢然としてその最善と思う道を世論に抗しても行かなければならぬ場合もあり得ると思うのであります。要するに法案立案に対しての態度としては、まつたく仰せの通り、事前に十二分な調査、研究を遂げて、はつきりした態度で初めからしまいまで臨んで行くということが最も望ましいというふうに考えることは、まつたく御同感でございます。
○小川(豊)委員 きわめて謙虚な次官の御答弁で、私もそれに対してとやかく言うこともないのですけれども、さつきから言うように、遊興飲食税は世論の動向にかんがみてこれをやめる、あるいは繊維の場合には、二転も三転もして、反対があればこれをそつちへ持つて行く。これも世論の動向を見たのかもしれぬ。それならば今度は入場税の場合には、あれだけの反対があるにもかかわらず、これに対しては世論の動向をひとつも見ていない。こういうふうに遊興飲食税では世論の動向を見、繊維税ではやはり世論を見て二転も三転もした。ところが入場税の場合、あるいは物品税の場合等には、ひとつもそういうものを考えないということになつて来ると、実にこれは研究が不十分であつたと思う。それまで言わなくても、少くともこれは各人の税金としてかかつて行く重大な問題なんだから、もつと慎重に研究を遂げて提案さるべきであつたとぼくは思う。 くどいようでもいま一つお尋ねしたいのは、今言つたように遊興飲食税は輿論の動向を見てこれをやめる。繊維税では二転も三転もした。入場税だけはこれをやつて行く。今輿論そのものは必ずしも正しいものではないということをおつしやつたが、それでは入場税の反対に対しては輿論は正しくないのだ、こういうことになつて来る。繊維の場合、遊興飲食税の場合には輿論が正しかつたということにあなたの答弁ではなるのですが、そう解釈していいのか、それともそれはほかにどういう考えがあるのか、その点を伺いたい。
○植木政府委員 御承知のように、世論と申しましても、いわゆるよくありがちのことでありますが、反対の声というものは非常に強く、大きく響くものであります。賛成の声というものは、内心賛成であつても、必ずしもそれを発表なさらぬ、あるいは世上に伝わつて来ないという場合は相当あり得る問題であります。すなわち私が世論の実体をよく研究する必要があると申しましたのはそこでありまして、従つて今の具体的の例で申し上げますと、たとえば入場税の問題につきましては、われわれの考えております地方的な財源の偏在是正という一つの大きな目標と、そうしてしかもこれを引続き地方に財源として与えて置くべきだという反対論とをよく研究いたしました結果、入場税についてはこの際この措置が適当である、かように考えた次第でございます。また繊維品等に関する今回の課税の問題につきましても、いかなる段階において課税するのが最も適切であるかというようなことをいろいろ研究しておりますが、その途上におきまして最後の結論としては、現在考えておりますような、消費者の一歩手前であるところの卸売の段階において課税することが、納税者の数の問題から申しましても、あるいは多数の人たちに迷惑の及ぶことが少いだろうというような観点から考えましても、これが妥当ではないか、こういう最終の結論に達しましたので、従つて世論にはもちろん今日の課税段階に対しての反対もございますけれども、これがまず適切と考えて今回の提案をいたしておるような次第でございます。
○小川(豊)委員 これは答弁を聞いておりますと、問題は世論というものを、輿論というものをどう把握し、どう分析したかということになつて来るので、これは議論になつてしまつて私の方でも困るのです。きのうたしか春日委員の質問に対する答弁の中で、輿論の動向を十分に考えてこれをやつたという考え方に対しては、決して私は非難すべきではないと思つております。ただその輿論をどう把握し、どう分析したかということになつて来るけれども、強い反対があればそれは撤回し、反対がそれほど強くないならばそこへ持つて行くということになると、これは反対運動の弱いところへしわ寄せするという結果になつて来る。そういうことでは、私どもの言うように、この税の個々のいい悪いを論ずるのではなく、税そのものに対する信頼性を失わせてしまう。議会に対して提案するのですから、その前に十分に研究し調査し、確定議として出さるべきだ。それを途中で一転二転もし、三転もさせるということは、政府としてまことに不手ぎわだ。国民に対しても、これは税に対する信頼をきわめて失わせる。こういうことでは税金というものはそうとれなくなつて来る。ここを私は心配してお尋ねする。 それから次に、今日の新聞を見ると、砂糖の消費税の問題で、政府は今までの製糖業者の暴利というものを肯定しておる。十九社かの製糖会社が非常に厖大大な利益を得ておる。年間にドルの割当を受けた分だけで、七十億程度だまつてふところへ入る金があるということ、はこの間からの議論で認めておる。それを今日の新聞を見ると、今度政府がこの砂糖を手持ちして、入札によつてこれを払い下げることによつてそういうものを是正しよう、こういうことが新聞に発表されておるわけです。これは具体的にはどういう方法をとつてやるつもりか、私はお聞きしたいと思います。かつて食糧庁が大豆から砂糖から、あらゆるものを手持ちしておつたときに、これを管理して来た場合に、これの払下げをめぐつて幾多の問題が起つていたことは、黄変米、大豆の問題、砂糖の問題、麻袋の問題、すべてこういう問題が前々議会から指摘されて来ている。そしてまた今まで自由にしておつたものを、今度は政府で砂糖は管理するつもりだというが、管理するのはどういう方法でこれを管理するつもりなのか。それからこういう管理の過程において幾多行われたこういう不明朗な問題を、どういうふうに是正するつもりか、その点をお伺いいたしたい。
○植木政府委員 製糖業者が、現在の砂糖の輸入の外貨割当等に関連いたしまして、そこに相当の利潤が生れて来るということは、結果的に見まして確かにそういう実情があるように考えられます。しかもそれが現在の砂糖の値上りを生じている一つの理由にもなつておりますので、これを是正するために、政府といたしましては、何らか最も適切な措置を講ずべきであるという方針のもとに、今関係各省間におきまして慎重に、しかもでき得る限り賢明な対策をとろうと相談し合つておるところであります。従いまして、今朝の新聞に出ておりましたところは、それは政府の発表ではございません。まだ政府としても、いかなる方策によるかを研究中でございまして、全然まだその方向についての確定議が出ておらないのです。ある新聞におきましては、党の方針として云々というようなことも出ておつたようでありますが、党におきましても、私の知つております範囲では、まだ確定議はできておらないように承知いたしております。
○小川(豊)委員 これは決定していない、新聞は新聞だけの発表にしかすぎないというなら、それはいいでしよう。そこでこういうふうに前々から私が申し上げておる。日本は百万トン程度の砂糖が輸入されておる。その中でドルの割当、要するに生ドルの割当を受けておるのが二十万トンかある。これを受けることによつて、ことしの一月の価格で見ると、ニューヨーク相場で国内価格を見ると一月あたりで一万トンの割当を受けると、二億七千六百万かの利益が製糖会社へ落ちて来る。従つてこれは二十万トンの割当を受けたとすれば厖大なものだ。今の価格で行くと、これは三億三千万程度になる。こういう大きな利益を製糖会社に与えつつ、一方においては砂糖の消費税を増額して、大衆の生活がそれによつて圧迫されて行くというような、こういう砂糖消費税の問題は納得行かない。この点について政府の方ではどういうふうにお考えになつているか。一方において、製糖会社は十九社ですよ。十九社が一年に七十億近い厖大な利益を一方において得つつあるにかかわらず、その方には手が入らずに、国民の大衆生活に影響する砂糖に対して消費税をかけておる。しかもこの砂糖の輸入自体からして、実におかしい行き方じやないか。粗糖と精白糖では関税を三十五と二十に区別して、精白糖を入れたんでは合わないようにしておる。この点においても、すでに製糖業を擁護するための措置なんです。そのほかに国内において、戦前においては粗糖が相当出ていたにもかかわらず、今日は健康、あるいは衛生の見地から、精白糖でなければいけないということで、全部これを精白にさせて行く、ここにも製糖業者を擁護する一つの措置がうかがわれる。しかも製糖会社では、ここ二、三年に厖大な施設の大増設が行われておる。あの厖大な施設を維持して行くためには、政府としては、おそらく今まで入れておつたあの砂糖の輸人を減らすことはできないだろうと思う。あなたの方で貴重な外貨、貴重な外貨と言いつつ、その外貨を割当てなければならない。製糖業者のここ二、三年に太つたあの施設を運転させるだめに、こうなつて来る。これをむしろ逆に言うならば、国民の消費をかり立てて行くことになつて来るのじやないか、こうも考えられる。この矛盾した措置をどういうふうに是正なさるつもりか、この点お聞きしたい。
○植木政府委員 近ごろ製糖会社におきましての利潤の幅が非常に多い問題、この問題につきましては、政府は必ずしもこの実態がよろしいとはもちろん考えておりません。先ほど来申し上げますように、何らかの措置を講じまして適切にやつて参りたいと思つておることを、繰返して申し上げます。なおその場合に政府の意図しておりますことは、製糖業者にもうけさせようというようなことは、全然考えておらないのであります。たまたま外貨の割当、あるいは砂糖の輸入等の措置につきまして、適切を欠いておつたからかようなことになるのではないかと考えますので、この点を反省いたしまして、今後の適切な方法を樹立したい、かように考えておる次第であります。 なお砂糖消費税の値上げの問題につきましては、これは今回の税制改正の一環といたしまして、なるべく輸入を抑制したいという考えがあり、この趣旨のもとに、この程度の増税をひとつ甘んじて皆さんに受けていただきたいというような考えでやつておる次第であります。
○井上委員 関連して——ただいまの大蔵政務次官の砂糖対策に関する答弁は、なつておりません。政府は本年早早砂糖の暴騰に対処いたしまして、この糖価を抑制するために、インドネシアから三万トン、台湾から一万トンを緊急輸入をする対策をとつておるじやありませんか。一体十月から三月末に至る四十五万トンの輸入計画を、正常な方法で政府が対策をとりさえすれば異常な暴騰がないにかかわらず、政府がその政策よろしきを得ない結果、正常な対策をとらないために、異常な暴騰をいたしております。その暴騰をいたしましたときにおいてさえ、通産省の方からはすみやかに一——三月のまだ輸入していない二十万トンの砂糖の繰上げ輸入をしたならば、糖価の抑制に役立つであろうという建言が政府にあつたわけなのです。この繰上げ輸入をせずにおいたために、そこへ外貨割当のいろいろな問題がからんで参りまして、一斤六十円そこそこならば十分採算が合うのに、一斤八、九十円から百円に近い相場にまで上つて来ておるので、このことが国会の大きな問題になつて論議され始めるや、政府はこの対策のために、今申します通り、この外貨の窮迫した中において、しかも輸入を抑制しようとする政府の政策をまつたく裏切る緊急輸入を計画しておるじやありませんか。緊急輸入を計画する意味と、あなたの今おつしやる輸入等を抑制する意味とは非常に政策において矛盾がありますぞ。同時に私は大蔵大臣に伺うのですが、かような糖価の暴騰を大蔵大臣は一体どうお考えになりますか。ただいま政務次官は政府の意見として、この糖価抑制に対し、わずか十九社の製糖会社の高利潤に対して適正な対策をもつて対処したいということを言つておるが、一体この糖価暴騰に対してどういう引下げ対策をおとりになろうとするか。そうして高利潤を続けて来ておるわずか十九社に対していかなる対策をもつて臨もうとするか、この二つを明確に御答弁を願いたい。同時に砂糖消費税の引上げというものが、糖価のつり上げの一つの要素になつておるということがいわれております。特にこの三月一ぱいで、四月一日から砂糖消費税の引上げによつて、砂糖は必然に一斤当り五、六円の値上りになるということが見通しをされて、糖価は依然として高騰を続けておる、この事実をどうお考えになりますか。かくのごとくわずかの会社に厖大な利潤を保証して、そうして一般大衆には消費税の引上げによつて臨むというような対策が、一体正常な砂糖対策とお考えになりますか、この点に対して大蔵大臣の御答弁を求めます。
○小笠原国務大臣 砂糖の値段の問題でありますが、糖価の暴騰につきましては私どもいろいろ苦心しておるのでありまして、その点について、特に所管官庁である農林省、通産省等と協議をいたしておるのであります。先般もちようど食糖庁に約三万トンのてん菜糖があつたから、あれを出すことにして一時下つたのでありますが、やはりその後も思惑的な気分が加わつて引続き高くなつておることについては、私どもやはり国民生活の面から見て、まことに遺憾に存じております。その点について、今それぞれ所管の官庁においていろいろ対策を練つておるのでありますが、それは、輸入額さえふやせばただちに価格が下ることは間違いないけれども、そういう外貨の割当てをする余裕を十分持つておりませんのみならず、昭和二十七年は七十数万トンであつたのが、二十八年度は百十万トンから入れておる。普通にいえば、相当砂糖の過剰状況であるべきであつたのが、そうなつておることについて、いわゆる思惑的な気分が加わつておるというふうに私ども考える。従つて大蔵省としてやり得る面は、税の面と金融の面の二つでありますから、金融の面につきましては、輸入的な思惑は一切これを阻止する、またこれに対する金融はしてはならぬというふうに、これは銀行の方の協力を得て今やつております。それからまた輸入についての額は、まだ二十九年度についてはきめておりませんが、これらについては適正なところに持つて行くというふうに考えておるのでありまして、私は、今こうやればすぐ砂糖の値段が下るのだというきめ手は、率直にいつて実は持つておりません。しかし国民生活に及ぼす影響が大でありますから、これはすみやかに所管の官庁とも打合せた上に適当な対策を講じたい、かように考えております。
○井上委員 大蔵大臣は、予算が通過することに全力をあげられておる関係で、砂糖政策、そんな問題まで検討するひまがないかもわかりませんが、国民は主食として米をただ十五日しか配給を受けておりません。あと十五日は粉食によらなかつたら生活はでき得ないのであります。粉食をするためには、当然砂糖は主食としてとり入れなければならぬことになるわけです。従つて砂糖価格がどう動くかということは、物価と国民生活に及ぼす影響が重大である。政府は今回砂糖消費税を二割引上げをしようというが、一体引上げをするという根拠はどこに立つておるか。政府みずから物価引下げを口にし、国際収支の均衡を主張しておりながら、通に物価をつり上げ、国民生活を不安に導くような税の対策は妥当であるか。また現実に二割も引上げなくても——砂糖の輸入から消費までの過程において、いかに高利潤が少数の製糖会社に独占されておるか、この問題に全然手を触れずして、逆に糖価つり上げの一つのにない手となる消費税を上げるということは、妥当な政策ではありません。あなたは輸入を抑制し、砂糖消費税を賦課することによつて消費を抑制できるであろうと言うておりますし、またその立場であろうと思いますが、しからば現実に今糖価抑制のために、貴重な外貨を使つてインドネシアから三万トン、台湾から一万トンの緊急輸入をしようとしておるじやありませんか。さらに砂糖会社に対して、設備増強のため、日銀の外貨割当制度によつて外国の新規機械の輸入が許可されております。あなたは金融はあつせんしないと言いながら、そのための金融をつけられておるではありませんか。一体これをどうお考えになりますか。砂糖の生産設備は、今日日本の需要から考えるならば三倍以上に拡張されておつて、そのこと自身が糖価を高める非常な大きな原因になつておることは、御存じでありましよう。そういうものに日銀を通して、外貨割当を許しておるじやありませんか。また緊急輸入のために金融をやる、そういうことを一方においてやりながら、片方で消費税を上げるというようなことが妥当な政策と言えますか。およそあなたの口をすつぱくして強調しておる、国際収支の均衡をとり、少くとも国際競争に耐え得るごとくわが国の物価引下げをはからなければならぬということとは、まつたく相反する政策ではありませんか。大蔵大臣の財政演説とまつたく相反することがこの政策に露骨に現われておることを、あなたはどうお考えになりますか、ひとつ国民の納得の行くように御説明を願いたい。
○小笠原国務大臣 まず最初に税の関係から申し上げますと、一体何で今度新しく税を増さなければならぬものがあり、新しい税を起さなければならぬものがあつたかといえば、申すまでもなく、一番大衆的であつて、一番所得の少い階層の負担を減じようというところから起つておるのでありまして、つまり少額の所得者に対する減税となるのであります。その点をお忘れになつて、税ばかりふやすとお考えになつてはいけません。少額所得者に対する減税が主になつておつて、これがために、かりに今のままの税法でいえば、百二十万の人が助かることになるというようなぐあいであつて、今度の関係でも五十万人からこれで減つて来る。それだけの人が税を出さぬでもいいようにする。しかし今の日本の国では、どこかで税を増さなければならぬから、従つて従来砂糖は七十万トンでも十分足りておつた、それをさらによけいなめるから、これらの人にはもう少し負担してもらつてもよかろう、こういうので二割の負担をしてもらうことにしたのでありまして、これは少額所得者のために、そういう甘いものを多少なめる人にはしんぼうしてもらうのです。これはやむを得ません。そういう人が、それなら砂糖をなめるのだ、砂糖をなめるかわりに少額所得者の負担を元のままにすえ置けと言うなら違う。私はそう考えますから、そういうふうにやつておるのでありまして、これはあなたとて、これはあなたと考えのもとが違うから何ともいたし方ありません。私どもはあなた方がしよつちゆう言われる、できるだけ下の階層の人に税を減してあげたい、税を減してあげたいのはやまやまなんだ、税を減ずるために、砂糖をなめる人に少しよけい持つてもらおうかというだけのことでありまして、これをあなた方が、いやそうでないという考えならいたし方がありません。これは考えの根本が違うのであります。 それからあとのインドネシアからの買付の問題でありますが、この買付その他のことは、実は大蔵大臣は直接知りません。知りませんが、御承知のようにインドネシアに対しては、古い債権で六千数百万ドルの焦げつきがある。またその後だんだんとふえまして、今日ではいろいろ焦げつきがおそらく九千万ドルにも上つておりましよう。従つてインドネシアから物を入れることは、よその国から入れると違つて非常に望ましいのであります。これには優先的に物を割当てる、同じことならそこから入れることにいたしておるのであります。こういう点も、国際収支の関係ということをお考えになれば、よくおわかりになることと思うのでありまして、いやそんなところから入れぬでほかから入れろと言うなら、別であります。入れないでよいと言うなら別でありますが、そういうふうな関係のあることを御了承願わなければならぬと思うのであります。但し井上さんが言われたうちで、設備が大分多い、三倍もあるのに、何で設備の金を出すか、これは設備の金を出すことは私は承知いたしておりません。設備の金は、今日普通銀行では出せない建前になつておりまして、これを出すとすれば、興業銀行か長期信用銀行でありますが、興業銀行も長期信用銀行も、そういう新たな設備資金を出すはずはないと私は考えております。いわゆる運転資金を出しておるということであろうと思います。それでそういうぐあいにいたしまして、金融の面からの思惑的なものは相当とめておりますが、しかしこういう点は多少まだ遺憾の点もあります。たとえば先月の末に、今まで三千五、六百億が一番多かつたというようなオーバー・ローンが、四千億円を越して来たという点から考えて、この点は多少遺憾な点と考えまして、さらに日本銀行等の協力を得て、金融の引締めを強化しておる。この点はその後引続きいろいろな措置をとつておるので、御了承願えるごとと思うのであります。
○井上委員 大蔵大臣は私の質問を誤解して聞いておる。低額所得者に減税をすることは当然のことであつて、減税をいたしますためには、その減税の効果がやはり生活面に現われて来なければなりません。収入の面で減税が行われましても、支出の面で税がとられるということになりますならば、収入の面における減税というものは役に立ちません。収入の面で減税をしておいて、支出の面で増税をされて、一体それでどうなりましよう。働く大衆が砂糖をなめていなければいいが、働く大衆はその労働が非常に過重であるために、一層砂糖というものはエネルギーとして必要であります。その低額所得者の日常どうしても必要であるところの砂糖に対して消費税を課しておいて、片一方では減税したといつても、そんなことで世間に通りますか。それはあなたのあまりにもかつてなりくつなんだ。糖価の暴騰を何とか食いとめなければならぬというのが今の政府の当面の任務です。その糖価を引下げなければならぬときに、さらに糖価を維持する、あるいはまた強調をして行く大きな材料を与える、二割も消費税を上げるというところに問題があるのです。この砂糖消費税は前の通常国会において、あなた方は二割の値上げ案を承認させたじやないか、そうして今年また二割上るのですよ。毎年二割ずつ砂糖の税は上げて行くのです。それだけ大衆の負担になつておるのです。だからあなたの国際収支の均衡、国内物価の引下げ、国際競争力を高めるというこの政策と相反するということを私は言うておる。あなたは設備資材の輸入に対して、日銀は何らお手伝いをしていないと言うけれども、日銀に外貨割当制度というものがありまして、現実にこの外貨割当の中から、砂糖、機械の輸入に割当てられております。そういう点においてあなたの答弁には非常に矛盾がある。それだから、あなたみずからがほんとうに今日本が当面しておる国際収支の大きな不均衡を何とかして正常な状態に引きもどしたい、そのためには国内の物価を何としても引下げなければならぬ、それに関連する税制の改正を行うというのなら建前が通つておりますが、それと相反する税制改正が、特にこの砂糖の問題においては大きく出て来ておりますから、この点はあなた自身の財政方針に相反する税制改革じやないか、こういう点を私は聞いておる。
○小笠原国務大臣 井上さんがせつかく言われるが、どうもぼくは自分の方針に反しないように思つております。念のために数字から見ると、所得税を減税するのは二百七十五億もあつて、あなたの方がよく知つておる。砂糖のふえるのは五十七億三千万、それだから砂糖のことをやかましく言われるのはいいと思う。但し砂糖の値段を安くすることは全然同感だから、これはぜひそうするように骨折つております。 それからさつき外貨割当のことがありましたが、これは輸入機械のうち、日本にない優秀な機械には、特にサンプル輸入の意味だ割当てておるのがあります。ただ輸入に従来外貨貸付をやつておつたのは別問題で、これは一切やめました。外貨貸付等の際、優秀な機械で、それを入れることが日本のコストを下げてたいへん物が安く行けるようになるからというので、やつておる分はございます。それはお話の通りだと思います。
○千葉委員長 お諮りいたします。河野密君より委員外発言の申出がありますので、これを許可するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千葉委員長 御異議なしと認めます。よつて発言を許すことにいたします。河野密君。
○河野密君 お許しを得まして、ごく簡単に今本委員会に付託されております税の諸問題と関連いたしまして、二つお尋ねをしたいと思います。 一つは揮発油税に関係がございます帝石の問題について、大蔵大臣の所見を承りたいのであります。現在帝国石油の会社に対して、昭和二十九年度の予算で一億三千万円の補助を出すことに相なつておりますが、それにからんで帝石が非常な紛糾をいたしておることは、大蔵大臣御存じの通りだと思います。それは通産省の鉱山局長の調停によつて一応解決の方向には進んでおると存じますが、帝国石油の最も大きな株主は大蔵省でございます。大蔵省としてこの問題についてどういう考えを持つておられるか。その株主としての株主権の行使その他について、どういう考えを持つておられるかを承りたいと思います。
○小笠原国務大臣 これは河野さんもよく御存じの通りに、もとは帝国石油会社法というのがありまして、特殊法人であつたものでありますから、政府の厳重な監督のもとにありましたが、その後昭和二十五年にこの法律が廃止されまして以来は、帝国石油会社は純然たる民間会社になつておる。従つて株の関係は、これは大蔵省が名義人でありますが、政府の方で二億三千万円、二割三分持つておるのでありまするけれども、運営はすべて自主的に向うに運営さすということになつております。しかし何と申しましても、日本の原油の九割五分というものがあそこから出ておるのでありまして、今河野さんのお話のように、一億三千万円ですか、今度また補助金を出していろいろ資源開発等に当らせることにも相なつておりますので、この点については、通産省の方におきまして相当厳重な監督をいたしておると思つております。その結果、直接の所管省でもありますので、通産省の方でこの間いろいろあつせんをしたようでございますが、ああいつた紛争があることは、この会社等から見てまことに遺憾であります。これはあるいは河野さん、大蔵省として、これにもつと早く立ち入るべきではなかつたかという今のお話とも考えますが、おのずから帰するところに帰するというふうにも実は考えておりましたし、大体通産省の方であつせんするという事情等もわかつておりましたので、大蔵省としては特別なことをいたしませんでした。なお念のために申し上げておきますが、この株の処分は、現在の日本の状況では、たびたびいろいろな申出がありますが、私は一切いたさない所存であります。そういたしまして、必要な場合株主権の発動もさせたい、こういうふうに考えております。
○河野密君 元国策会社でありましたものが民間会社に移りまして、それに対して政府の補助金が与えられるのを機会に、一部の思惑的な考え方から、その株を買い占めて、しかもその株によつて株主権を行使して会社を支配しようという動きが相当顕著にあるというような場合において、国家の資金を補助金として注ぎ込み、しかもその会社の経営そのものが、株を取得したものの経営支配によつて動かされるということになりますと、これは非常にゆゆしき問題であると思うのであります。現在株式を取得することによつて会社を支配しようとする傾向が、至るところに現われておるのであります。私たちのところに参りますだけでも、非常にたくさんの会社にそういつた問題が起つて紛糾をいたしております。これは企業の安定性という意味から重要な問題だと思うのでありますが、大蔵大臣のこれ対する御所見を承りたいのであります。 それから、なお私は小笠原さん個人をよく存じておりますから、決してさようなことのないことを確信いたしますけれども、多くの人々の中におきましては、この帝国石油の株を買い占めて、この支配権を持とうとしております一部の重役、菊池、南というような人たちの名前が上つておりますが、その南という人は、極洋捕鯨の関係があつて、小笠原さんとも浅からざる縁故を持つているのだというようなうわささえ飛んでおりますので、私は小笠原さん個人に対してそういうことのないことを確信いたしますが、しかしこういう問題がうわさされるだけでも非常に遺憾だと存じますので、この点十分明確なる態度をとつていただきたいと思うのであります。こういう国策的な会社に対して政府の資金が注ぎ込まれるのに、株を買い占めた一部の人たち、証券業者、あるいはその他の者たちがその会社を支配しようという動きに対して、大蔵省はいかなる態度をとられるかということをお尋ねいたしたいと思います。
○小笠原国務大臣 南俊二氏はよく知つておりますが、知つておるということで動かされるような小笠原ではございません。その点はほんとうに御安心ください。 なおこの問題につきましては、私どももこれは今のところは純然たる民間会社であり、自主的にやつておりますので、先ほども申します通り、株主権の発動も何らいたさなかつたのでありますが、もし今後いろいろあるまじき姿をとりますれば、これは株主権を行使するのは当然であつて、これに対して適当な措置を講ずることになりますが、実は通産省が直接監督の石油資源の問題でありますから、よく通産省とも相談をいたしますが、なお先ほどお話があつた通り、今株を売つてくれという、いわゆる払下げ申請をしているところはどこにもございませんが、私どもは今日の日本の現状から見て先ほど申した九割五分の原油を扱つておる会社ですし、元のいきさつもありますから、この株はあくまで政府が持つておる。こういう考え方をいたして、今日までいろいろな人からちよつと耳にしたことはありますが、売る意思がないということをはつきりと答弁をいたしておきます。
○河野密君 私は冒頭にも申し上げましたように、小笠原さん個人に対しては十分信頼をいたしておりますから、そのことなきを信ずるものでございますが、いろいろな問題が現われる際でありますから、大蔵省としては毅然たる態度をとつて、この紛争を最も合理的な方法、国策的な方向でもつて解決されるように、大蔵省が大株主としての株主権を行使されることが必要であろうと思うのであります。ややもすれば利権の対象になりがちなものを不問に付するようなことのないように、しかもこの会社が、今申し上げましたように、一部の株を買い占めて経営を壟断しようという考えの人々によつて動かされることに、一般従業員も非常な懸念を抱き、また反対の意思を表明しているようであります。そういう意味で国策的にこれを運営することは、同時に従業員組合もこれを希望しておるように考えられますので、大蔵省として重ねて断固たる措置をおとりになるようにお願い申し上げたいと思います。
○小笠原国務大臣 御趣旨はよくわかりました。私どももその考えで臨みます。
○河野密君 もう一点、これは別のことでありますが、お尋ねを申し上げたいことは、大蔵省内部の問題でありますが、大蔵省の管轄にあります印刷局の職員の給与に関する問題であります。これは労働委員会においてすでに問題になつておるのですが、一月一日から仲裁裁定を実施することになりました結果、この仲裁裁定を実施した結果として、一般な公務員よりも給与関係がバランスを失うという結果になつて、大蔵省の印刷局において、今団体交渉が行き詰つておる、こういうことになつておりますが、この点について大蔵大臣は御存じでありますか。もし御存じであるといたしますならば、このアンバランスに対してどういう御処置をとる所存でありますか、この点をお尋ねしたいと思います。
○小笠原国務大臣 一応そういつたことについての話を耳にしましたが、事務的によくわからぬので、事務的によく検討してもらつております。なお検討中で、その検討の結果については何ら聞いておりません。 〔委員長退席、内藤委員長代理着席〕
○河野密君 これは労働委員会において大蔵省の説明員が説明したところによりましても、それは速記録にも載つておりますので、十分アンバランスがあるということは認めておりますが、事務局としては、この問題をどうにも解決することができない、あとは政治的な解決にまつ以外にはないのだということに相なつておるのであります。大蔵大臣はこの問題に対して、ひとつ大乗的見地から何らかの方法で、その間の公務員と公労法を適用されるものとの間における——ベース・アップが一月一日から、一は公労法の仲裁裁定が適用になり、一は公務員の給与法が適用になり、その間の昇給率その他についてのアンバランスがあるということについてこれはそのアンバランスを是正するという意思があるということだけでも、ひとつ明確にしておいていただきたいと思います。
○小笠原国務大臣 よくひとつ検討をしてみます。私はまだ数字的にそういうことを見ておりませんから、検討しました上で、よくひとつ考えてみたいと思います。
○河野密君 事務当局の方はだれか見えておりませんか。
○内藤委員長代理 印刷局のお話はなかつたものでありますから……。管財局の事務当局は来ております。
○河野密君 それでは、ひとつその点を大蔵大臣に善処方を希望いたしまして、また次の機会にこの結果をお伺いすることにいたします。
○福田(赳)委員 ただいまの河野さんの第一の質問は、非常にこれは重要になる問題であります。何かわけのわからない金が浮動いたしまして、そうして会社の株の買占めをやるという傾向が非常に昨年初め以来から顕著じやないかというふうに思うのです。これを根本的に直す方法は、どうしても商法の改正をしなければならぬ。これは大蔵大臣の経済秩序維持という立場とも重大な関係がありますが、たとえば持株を二割持ちますれば、二割の比例によつて重役を入れるというような制度になつております。この比例重役制度というか、さような制度をぜひひとつ訂正するという方向の考えをとつてもらいたいと思います。商法の改正に行きませんと、この問題はどうも根本的に片づかぬと思います。 第二は、この問題の裏にはいつも厖大な資金が動くのです。その資金で、いろいろな人の名義で買いますけれども、結局これはある特定の人から出ておるに違いないと思います。大規模のそういう買占めのある場合におきましては、国税当局は相当この問題については関心を持つてしかるべきものだと思います。この際主税局長はその点どうお考えになり、どういう行動をとつておられるのか、御意見を承りたい。大蔵大臣からは商法改正に対してどういう熱意を持つておられますか、伺いたい。
○小笠原国務大臣 商法につきましては、なおそのほかにもいろいろ改める点もあるので、この間法務大臣も、参議院の予算委員会などで、商法改正については考えましようということを言つております。その機会には、仰せのあつた点はよく盛り込んでもらうことにいたします。
○渡辺政府委員 国税庁の直接の仕事でございますが、私からお答えいたします。今でもお話のように、大きな金が動いておる場合において、それの裏つけの金がどういうところから出ておるか、従つてこれが正当の税を納めた金であるかどうか、これは国税庁としましても、終始その顕著な事例につきましては相当調べております。昨年ですか、かなり兜町辺でもつて一、二の人が相当大きく動かしたというような事例につきましても、なかなか調査がデリケートなむずかしい問題でありまして、まつ正面に行きましてもなかなかわかりませんし、いろいろ困難な事例がございますので、相当苦労はしておりますが、お説のようにそういつた点につきまして、はたしてまともに税金が納まつておるかどうかという点につきましては、十分関心を持ちまして調査をいたしております。
○井上委員 さきの質問の続きですが、ちよつと大蔵大臣に根本的な問題についてお伺いいたします。大蔵大臣の財政演説及び政府の財政経済政策による国際収支の均衡をはかるための物価引下げの対策として、一つは緊縮予算による財政支出の圧縮、それから財政投融資の引締め、さらに日銀を通ずる金融の引締め、こういうことが大きな政策として打出されておりますが、ところがこれ自身は、本質的には物価を引下げるわけでないと私は考えております。それは一つの政策的な、一時的な物価引下げの対策であつて、本質的には、物価を構成しておる商品コストをどう一体引下げるかということでなければならぬ。従つて税制改正においても、商品の中の大きな部分を占めておる税金、その他公租公課をどう一体引下げるかということが総合的に考えられなければならぬ。ところが財政及び投融資の縮減によるもの、あるいは金融引締めというものは相当強行せられておりますが、反対に、商品コストを引下げるということに対しては、はなはだどうもわれわれ全体的に見まして積極的でない。特に商品コストの上で大きな部分を占めておる人件費、これの引下げ、その人件費の中で特に税金負担による部分が、相当企業内部の大きな負担になつておるということについて一体どうお考えになりますか。この問題が解決せざる限り、日本の物価は下らない。私はさように見抜いておりますが、大蔵大臣は、単なる財政の引締めや、あるいはまた投融資の削減や、金融の引締めによつて一時的に物価は下つても、本質的に日本の物価は下らないということについて、どうお考えになりますか、これを伺いたい。
○小笠原国務大臣 財政演説におきまして申しました通り、今度のいわゆる緊縮予算の編成というものは、物価を引下げて国際収支の均衡を得せしめるための第一着手であつて、総合的にいろいろなことをやると申しておることは、御承知の通りであります。従いまして、第二段として金融引締めの強化をやりまして、すべて物価の面に関する関係について、いわば思惑的なもの、滞貨金融、そういつたものに対する一切の取締りを励行する、こういうことによりまして、従来物価引下げを金融面で阻止しておつたのを、そういうことができないようにする。さらにまた輸入についてのいろいろな措置も議しましたが、各種の輸出につきましても、輸出奨励の各般の措置をとつておりまして、これは税制の面でも、あとからこまかく主税局長からもお話があろうと存じますが、おそらく輸出商そのものに対する税の軽減、輸出商品をつくつておる者に対する税の軽減、それからまたこれの下請その他をしておる者に対する、いわゆる小額所得者とか雇い人とか、そういう者に対する税の軽減、そういうものを合せますと、相当輸出奨励に対する各種の税制措置がとられておるのであります。さらに商品コストを引下げる根本は、何といつてもやはり企業を近代化し、合理化することである。特に朝鮮事変以後ないがしろにされておつた合理化、近代化を促進することである。こういう点から、機械の輸入等につきましては、優秀な機械について、サンプルの意味もありますけれども、特別な外貨割当等をして、輸入の便宜をはかるというようなことをいたしております。合理化のうちで一番遅れておるのは人間についての問題であろうと思います。これは私は労働賃金を安くしろという意味を申すのではない。これは断つておかないと井上さんにすぐしかられるから、そういう意味では毛頭ないことを申しておきますが、私が世界銀行の頭取などと話をした時分に、向うで何と言うかというと、日本へ二千人のスコットランド人を輸入することが日本の産業を合理化する第一の道だ、つまり日本における経理というものは合理化されておらぬ、こういう意味のことを言つたのであります。スコットランド人は経理に非常にたけておるのでそういうことを言つた。なるほど考えてみると、大体経理面の人間などは、日本ではアメリカあたりのまず五倍から十倍使つておりますね。失業の問題は失業の問題として別途考えることにして、やはりこういう面についてもやらなければならぬ点がたくさんある。しかし朝鮮事変で幾らか利益があつたから怠つたのだという点もたくさんあるので、今度は予算の緊縮、金融の引締め、その他一連の政策に基いてこういうことが相当厳格に行われて来ると思います。そこで初めてやはり日本の生産コストが下つて来る、それがひいて国際競争力を力づけることになる、かように考えておるのであります。ただ物価について申し上げますと、物価は平素の状態、あるいは統制経済の状態でありますと、数学的に出すことはできます。これだけ生産があるからこれだけの消費と数学的に出せますが、今のような自由経済のもとでは、数字的に、これだけの生産だから、これだけの消費があつて、こう下るということは言えません。しかしながら、一番これを支配するものは、何と言つても自由経済の時代には人気といいますか、一つの人心の動きであります。それにはこういう緊縮予算を政府が編成し、金融の引締めを行い、そうしてまた企業合理化のために必要な資金を出し、企業合理化を促進する、あるいは外貨の割当等についても相当必要なものは出すけれども、必要以外のものについては圧縮を加える、こういうようないろいろなことがやはり働いて参りまして、いつかは必ず下る——来年の三月の今ごろまたお目にかかつたとき、あのときああ言つたが、なるほど一割以上も下つたわいと言つて私に名をなさしめるか、あるいは井上さんの下らぬぞという方に名をなさしめるか、これは事実において判定するよりほかはないのでありますが、事実は、そういう一連の政策をやることによつて必ず下るものというふうに私は考えております。
○井上委員 大蔵大臣が今おあげになりましたような財政支出及び投融資の削減、金融の引締めということは、これは結局中小企業等の非常に資本力の弱い、かつ資金調達に十分な地位を持つていない連中がずいぶん大きな犠牲となつて参りますから、当然その面で売手としての立場が圧迫されて参ります。そこで経営が困難になり、やむにやまれず破産、倒産へ追い込まれて参りますから、そういうような面のデフレによる物価下落ということも起つて来ると思います。しかしそれはある一定の段階まではそれで行きますけれども、御指摘になりましたようないわゆる生産の近代化、科学技術の振興に基くコストの引下げ、このことが積極的に国策として国民の協力のもとに行われない限り、本質的に物価は下ることにはなり得ないし、対外的に競争し得る優良商品は、なかなか生産されないことになりはしないか。いわゆる金融引締めや財政投融資の削減による経済力の弱い面へのしわ寄せよりも、本質的に生産の近代化、合理化及び科学技術の振興の面に全力をあげるべきであろう、そういうように私は考えるのであります。 そういう面から、最近問題にいたしております糖価の問題を考えてみましても、これはまつたくあなた方自由党の自由主義政策の欠陥がこれを生んでおるわけであります。これが計画経済でありますならば、大体年間百万トン前後という現在のわが国の砂糖消費量であるとするならば、それに見合いますところの精製工場は何ぼあつたらよいかということはおよそ見当がつきますから、それに必要な最高度の近代化された工場をつくつて行くということでよいわけです。ところが政府の外貨割当のこのわく以外によつてあるいはまた輸出とのリンクを許す許さぬという問題において、あるいは国内における税制をどうするかという問題において、常に糖価が変動しておるのであります。しかも少し糖価が下れば——これに関係する会社はわずかに二十社ございませんし、しかもこれらの会社がそれぞれ政治的なルートを持つておつて、そこにうまく運動をいたしますならば、ただちに為替の許可は延期される、あるいは輸入の見通しは明確にされる、あるいは削減をされるような放送をさす、そういうようなことで糖価をつり上げる政策が簡単に行われ得るのであります。わずか一年余りの間に十九社が七十億もの利益を上げておるということを、一体あなたどうお考えになるか。この七十億はわれわれ勤労大衆、国民大衆の砂糖消費によるところの結果から生れた利益ですぞ。そういうべらぼうなことをやらして、しかももうかるということで不必要な設備がどんどん拡張されて、現在百万トンを消化する三倍以上の設備ができ上つて、稼働率はわずか五割という状態にあつて、あとの五割はまつたく大きな資金を投じて遊休しておるじやありませんか。これもまた糖価に大きくはね返つて来ることは当然であります。こういう問題を解決せずに、消費税を上げるという考え方は、何としても私どもは納得行かぬのです。あなたは七十億をもうけるのは、資本主義経済としてはやむを得ない、思惑でもうけようともうけまいと、その商才のたけた者がもうけることであつて、政府の知つたことではない、自由主義経済ではあたりまえのことや、こうお考えになつておりますか。緊縮予算を品にし、国民に耐乏生活を求めながら、そんなべらぼうなことが一方に許されておつて、片一方では二割も税金をつり上げられて、そのつり上げがまた糖価を高めて行く一つのよい口実にされておるではありませんか。現に一級酒、特級酒が今度値上げになるというところから、ちまたに行つてごらんなさい、一級酒、特級酒はあなたの家には入るかもしれませんけれども、われわれにはなかなか入りません。つまり四月から上るということからして、それぞれ思惑でもう品物を隠しております。おそらくピースにおいても、今月の中ごろから未ごろになれば、相当品薄になつて行きましよう。これは、税金が上るということから、それぞれの思惑でもつて品を隠しちまうという営利行為から起つた現象であります。そういうわけで糖価自身が暴騰しておつて、しかもそれがほとんど下らない現在において、ここでまた二割上げるということは、糖価の引下げを逆にこれによつて食いとめておるという結果にもなるじやありませんか。この七十億の厖大な利潤と設備、資材というものに対して、どうあなたの方では処置しようとされるのでありますか。これは通産省、農林省の所管だから、おれの方は知つたことじやない、おれの方は税金だけとればいい、そうは行きませんよ。あなたが大蔵大臣である以上は、やつぱり国の世帯をあなたが握つておるのだがら…。この問題は及ぼす影響が大きいことですから、国民に耐乏を求め、国際収支の均衝を何とかはからなければ、わが国の貨幣価値はえらいことになるという、その率直な気持をこの場合に当てはめてみたとき、あなたは一体どうこれを国民に説明できますか。そこをひとつわかるように説明してください。
○小笠原国務大臣 根本において少し違うところがあるのです。井上さんあたりは、何でも統制経済に持つて行け、できるだけたくさん国営に持つて行け、官営でやれ、こういうのがあなた方のお考えであり、われわれは、できるだけ民営で持つて行こう、そうしてできるだけ創意くふうで、みんなの努力が報いられるようにして行こう、こういう根本の差異がある。あるときにはもうかるときもありましようが、しかしそれは税の上で相当過重にとられておる。あなた方から税が重過ぎるじやないかという議論が出て来るのは、その点であつて、相当負担をしておるのであります。ものはすべて程度問題であるから、やはり私どもとしても、全然自由放任がいいとは考えておりません。自由のうちにも、おのずからそこにある意味でのわくがつくられなければならず、統制という言葉を使つてはいけませんが、ある意味での制限というものが必要ではある、これは私どもも考えております。従いまして、砂糖の問題につきましても、あるいはこの後さらに不足するであろうと思われる石油等の問題についても、目下党の方でも研究いたしておりますが、私どもの方でも、どうやつたら一番よくこれに対処し得べきかということを、各省寄り合つて検討しております。けれどもなかなか結論を得るのがむずかしいので、遅れております。この問題は、上手に言えば、御趣意もあり、ひとつこれを尊重していろいろ私ども検討してやりますということになるが、これは私どもの方も実際やらなければいかぬ、こういうことはよく考えておりまするので、あなたが言つたからこういうことになつたということをあなたのところに申し上げることが、あまり遠くないうちにできるかとも考えております。
○春日委員 久々にお伺いいたします。やはり糖価の問題について大臣にお伺いをしたいと思うのでありますが、ただいまの井上委員の質問に対して、社会党は生活必需物資に対しては統制の考え方で、あなた方はそうでない方法でということで、基本的な立場が違うからどうというような御意見もあつた様子であります。 そこでお伺いしたいことは、この砂糖消費税に対して今大衆はどの程度負担しておるか。これは関税収入が六十四億六千万円、そのほか砂糖消費税が三百八十一億二千四百万円、これで大体四百四十五億、さらに製糖会社の利益——為替の差益金とでも申しましようか、あるいは十九社の独占事業と申しますか、これで七十五億、そうすると砂糖だけで消費大衆が負担する額は実に五百二、三十億を越えるのではないかと思うのであります。そこで砂糖は、主食が百パーセント配給されない立場においては、代用食に欠くべからざる生活必需品であろうと思うのであります。一方塩に対してはどういう政策をとつているか。これは明らかに国家統制が行われている。消費量が少いからいいという説もあろうかと思いますが、塩に対しては統制で臨み、砂糖に対しては自由販売でやつている。これではあなた方の自由主義経済は首尾一貫していないかと思うのであります。もちろん塩の用途は、お菓子とか砂糖が使われるぜいたくとおぼしきものには塩の含まれる量は少いと思うが、だとすれば、塩と同じように、砂糖も生活の中で欠くことのできない分量というものは、推算できると思う。従つてその欠くべからざる生活必需量に対しては一つの統制価格、それから菓子とか飲料とか、そういうようないわゆるぜいたく消費のものに対しては、また別の価格という二重価格制度でもとつて、とにもかくにもこのコストを引下げて、物価を安定せしめるという方向へ持つて行かれるべきではないかと私は思うわけであります。 すでに五百三十億という負担を大衆がこの砂糖を通じてしているというこのことは、実際生活費を高騰せしめている一つの要因であることは明らかである。明らかであるとするならば、大きな障害を与えない範囲において、低額所得者の生活を安定せしめる。経済の自立と生活の安定ということはシノニムの問題になつておるが、何とかそういう二重価格制でもつて、塩に対するあなたの政策と砂糖に対するあなたの政策とある程度吻合せしめるようなことをお考えになつたことがあるかどうか。あなたの御所見をお伺いいたしたい。
○小笠原国務大臣 塩の問題は、昔から米塩と言うくらいで、米と塩は生活上欠くべからざるものである。従つて米と塩の二つはいまなお統制下に置かれております。しかし塩については、米が統制される前から統制しておつた。御承知のように、塩は国内だけの産額では非常に足りない、特に化学工業を日本で促進する必要等から、そういつた輸入等の各種の関係もあつて、塩については一切利益を認めないという政府の建前で、ある場合には損をしておつたこともありますが、それで統制したのであります。しかし砂糖につきましては、以前は台湾糖がありまして、国内でも十分なものができていて、ときによつては支那その他へ相当輸出しているというようなときもあり、それから見ると、塩ほど生活上緊要なものではありません。また従来の歴史から見て、私どもはやつていなかつたのであります。しかし戦時中は——あなた方はあの戦時中の統制にもどせと言いますが、あのときは、子供には幾ら、ミルクはどうするこうするといつて、砂糖のやかましい戦時中統制がありましたが、あの統制は、あなたはそう言われるが、あんな統制を下されては困る、これはあなた自身もこう思われるのではないか、そこで私どもも今根本の問題については、そう高くても困る、こう思つておるので、所管しておる官庁等とも打合しておりますから、近いうちに何らかの結論を見出し得るだろうと考えております。
○春日委員 私の申し上げておるのは、たとえば塩においては多額の政府の補助金を出している。現実には国の相当の負担で統制がしかれておる。これはあなたは米塩と言つておるけれども、今や砂糖も塩や米に劣らないほど必要なものになつて来ておることは——昔は米が十分にあつたのだが、今は米が十分にない。従つてパンを食わねばならぬという特殊の新しい条件下にわれわれが生活しているということを、あなたはお忘れになつてはならぬ。従つて、米の中に砂糖をもつと置きかえて物事をお考えになる必要があろうと思う。ただそのことをありのままにお考え願いたい。塩はそういうふうに国家の負担においてやつて、砂糖については五百何十億というような負担をぶつかけていらつしやることは、これは結局生活を安定せしめるゆえんではない。しかし砂糖と塩とはおのずからそこに幅の違いがあるのでありまして、従つて生活必需分量は、かつての実績もあり、これは科学的に推算ができるのであります。そういう統制価格と自由価格と二本建で操作することによつて、その目的を達し得るのではないか。これは近くわが党が内閣を組織しますので、そういう方針はただちに踏襲できると思うが、生活の安定ということを経済施策の中で強調しておられる小笠原大臣は、十分御検討願いたい。 それからついででありますから伺つておきますが、きようの朝日新聞の経済欄でも論評が出ておりますが、生活必需物資が外価割当によつて輸入業者に独占されておる、たとえば繊維、パルプ等についても同じような考え方ができるのではないか、すなわち繊維業者たちは、これは国際価格で輸入するわけであります。しこうしてこれは無税であります。そこで彼らはそれぞれその生産コストに従つて、最低価格で外国へ売つておるが、すなわち繊維製品というものが国際価格よりも相当安くわれわれの手に入るかというと、そういう状態ではない。すなわち資本主義自由経済のもとにおいては、売り得る限りの最高価格で売る。すなわち売らんかな、もうけんかなということでこれが売られておる。そこで問題となつて来るのは、こういうような国際価格で独占的に輸入されたものに対する為替の差益金、これはやはり公共の福祉を念ずる立場において、特定の業者が、そういう不当の利益を得る場合、税金以外の何らかの方法によつてそういうものを調整するということは、やはり社会正義の立場において、これは自由主義経済のもとにおいても考え得る政策ではないかと思うのであります。彼らは繊維を輸入いたしまして、そうしてこれがある程度値下りをいたしますると、操短等によつてこれをつり上げて来る。価格操作は自由であります。こういう問題について、大蔵大臣は一体どういうふうなお考えをお持ちになつておるか、この点あわせてひとつ御見解を伺いたいのであります。
○小笠原国務大臣 今お話になりました、たとえば綿と綿糸または綿糸製品、あるいは濠州から来る羊毛、あれからすいた毛糸、さらに絹製品につきましては、これはそれぞれリンクをいたしておりまして、従つてよけい輸出するものが大体よけい輸入をし得るということになつております。なお念のために申し上げておきますが、これは国内の方が実は高いのです。従つて国内消費が旺盛なために、実は輸出品よりも国内が高いという点でいろいろ困つた事態が起つておるので、私どもはそういう点から、今度も奢侈品に対する課税がぜひ必要である、こういうふうに考えておるのはそういう点からであります。従いましてこれらの点については、あるいはもう少しリンクを多くするかどうかというような問題が残されておると思います。しかしその点について、国内の消費がもう少し減ずることになつて来れば——国内消費が旺盛に過ぎる、その結果、たとえば絹もそうです。あるいは今の綿糸もそうですが、国際価格よりも国内価格が高い。そうして国内の方でよけい売れて、かえつてこれが輸出の阻害をしておるというようなことにもなつておりますので、こういう点については、もう少し輸出奨励の見地からいろいろな策をとつてみたいと考えております。
○小川(豊)委員 お伺いをいたします。今の内閣の経済政策としては、物価の引下げと通貨の安定ということは経済政策の根幹をなしておる。従つてここに耐乏生活ということが唱えられて、食生活改善運動まで起つておるわけです。耐乏生活を唱道するからには、また指導するからには、これは犠牲と利益というものが公平に行われなければならない。この砂糖の場合を見るときに、私が調べたものによりますと、ニューヨークの相場が三セント二五の場合に、日本へ輸入されて来ると、精糖業者は、これは端数はとりますが、十万トンで二十七億八百万、三セント一〇で入つて来た場合には、これが二十八億六千三百万という利益が精糖会社に諸掛全部とつても入つているのです。こういうことがずつと継続されておる。しかも今度精糖会社の設備能力を見ますと、ここに政府から出されたものを見ますと、たとえば名古屋精糖の例をとつてみると、二十八年の十二月現在で四百十五という既設精糖能力、それが二十九年の一月二十五日現在で千五百という能力に増大されておる。これはひとり名古屋精糖ばかりでなく、その他の諸会社がほとんどどんどん伸びておる。こういうふうに設備を増大しておるということは、これはこういう利益があるから設備を増大さして行くのだ。その結果としては、結局外貨の割当を減らして、あるいは消費を規正するような措置をとつて行くとすると、この設備の運転がずつと落ちて来ることになる。そうするとコストが高くなつてしまうのではないか。そういう状態においてどういうふうな手を打たれるつもりかということが一点。 それからこの輸入される砂糖は、耐乏生活を唱え、食生活改善を唱えるならば、今のような業務用六〇%、家庭用四〇%は、むしろ家庭の煮物用の四〇%をもつと増大して行く必要がある。ところがこういう措置がとられず、依然としてやはり業務用六〇%、家庭用四〇%の程度をとろう、こういうことにいたしている。私は政府の生活改善運動、あるいは耐乏生活の運動とこれは矛盾しているのではないかと思うがこういう点が一つ。 そこで最後に、こういう少数の精糖会社に厖大な利益があるにもかかわらず、砂糖消費税を上げて行く。そうして先ほど大臣は、所得税等においても相当引上げてあるので、砂糖を使う場合にも消費税を少し払つてもいいではないか——これは聞き違いかもしれませんが、そういう意見があつたと思う。それは犠牲と利益を公平にわかち合うという建前から言うならば、そこから耐乏生活が生れて来る。そういうことがなされずに、こういうふうに独占的な十八社か十九社の会社に大きな利益を与えつつ、一方において消費税を高めて行くということは、これは国民の経済の上からの感情としても納得の行かない措置だと思うのです。そこでこういうふうにどんどん伸びて行く精糖能力というもの——生産能力によつて割当を受けますのでどんどんふやして行く。これに対してどういう措置をとるつもりか。 それから十八社か十九社の精糖会社がこういうふうに利益を上げて行くにもかかわらず、なおかつ上げて行く状態の中で、消費税だけを増額さして行くことは不合理じやないかということが考えられるのです。これに対していま一度大臣の御説明をお願いいたします。
○小笠原国務大臣 今の砂糖の輸入の関係等は、これは多少生糸に結びついたり、いろいろ結びついておるものがあることは御承知の通りで、そのままの計算では出て来ないことも御承知だろうと思いますが、そういうことはあまり言うのもどうかと思いまするから特に差控えたいと思います。ただ耐乏生活をするということが普通言われますが、私自身としては、実は耐乏生活という言葉を使いたくない、また使つたこともありません。私は合理化生活と言つておる。それは合理的な生活をしてもらいたいと言うのでありまして、私自身はいつも合理的な生活ということを言つておるのであります。しかしその合理的な生活——今の日本人に相当むだがあることはどなたがお考えになつてもわかる。従つてむだを省いてもらいたい、むだをなくしてもらいたい、こういう点を私は強く言つておるのであります。従つて今お話になつたような、みんなが同じような暮しをするようにということ、犠牲を同じようにするように——犠牲と言えば犠牲でありますが、少し行き過ぎておるぜいたくをやめてもらいたい。ぜいたくでない方もたくさんおります。これは合理化されておるからおやめになる必要はないと思いますが、できるだけみんなが合理的な生活をしてもらいたい。今日の日本人は、正直に言いまして、世界でおそらくアメリカ人に次いでのぜいたくな生活をしておることは、世界の輿論だと思う。それでこういうことをやめてもらいたいというので申しておるのであります。 それからさらに今の点について、私の関係について申しますると、——これは通産省の所管のことでありまするので、通産省は今後どういう方法でこういつた貿易関係、たとえば輸入についての利益があつたものの利益をさかして、これを輸出増進に向けるようなことにするかについては、それぞれ所管省で考えておるでございましよう。これはよその省のことですから私からの答弁を差控えますが、私としてはさつきも申した通り、なるほど砂糖に消費税を課す、二割増加することにしておるけれども、しかしこれは多数の小額所得者の減税をするので、何も今度の税で収入をふやそうとしておるのではない。減税しただけを埋め合せしよう、それだけの趣意から出ておるのであるから、まずその前提として減税無用論が出て来なければ、どうも私の議論はかえるわけに行かない、こう申しておるのであります。
○内藤委員長代理 本日はこれをもつて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。 午後零時五十三分散会