大蔵委員会 第18号
- 発言数
- 43 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/03/09
会議録
○千葉委員長 これより会議を開きます。 まず、昨八日当委員会に審査を付託されました出資の受入、預り金及び金利等の取締に関する法律案及び証券取引法の一部を改正する法律案の両案を一括議題として政府当局より提案趣旨の説明を聴取いたします。植木大蔵政務次官。
○植木政府委員 ただいま議題となりました出資の受入、預り金及び金利等の取締に関する法律案外一法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 まず出資の受入、預り金及び金利等の取締に関する法律案につきまして、御説明申し上げます。 元来、出資金は複数人の共同事業の基金として醵出される金銭であつて、後日これに相当する金額が出資者の手元に復帰するかどうかは、事業の成否いかんにかかるのであり、あらかじめその返還を確約しがたいものであります。しかるに最近におきまして、出資金として一般大衆から大量の金銭を受入れるにつき、一方において後日必ずその金額またはこれを越える金額を支払うべきことを表示し、またはその金額を払いもどすかのごとき誤解を生ぜしめるような方法を用いており、他方において、事業不成功の場合にその金額の支払いの不能を来している場合が少くないのであります。かかる方法により不特定かつ多数の者から金銭の受入れをすることは、出資者に不測の損失を招来せしめ、一般の経済秩序に混乱を生ぜしめる因となることは明らかであります。そこで、このような金銭の受入れを禁止する方途も考えられるのでありますが、この際は、むしろ出資金の性格を誤認せしめるような出資の受入れを禁止し、一般大衆を惑わすような金銭の受入れの方法を一掃するのが適当であると存ずるのであります。 また預金の受入れ等の受信業務につきましては、現在すでに各般の金融関係法規によりまして、行政庁の免許ないし認可を受けた金融機関以外の者がこの業務を営むことを禁止しているのでありますが、最近はこの面における脱法的な行為もいよいよ巧妙な手段がとられるようになりまして、取締りに困難を加えて参つておる実情であります。従いまして、この際預金の受入れ等の禁止の範囲について明確な規定を設ける等の措置によりまして、取締りに便ならしめ、もつて金融秩序の維持をはかることといたしたいのであります。 次に、金銭の貸付等を業とする貸金業者につきましては、現在貸金業者の取締りに関する法律によりまして、貸金業を行うには大蔵大臣への届出を要することといたしております。このほかこの法律におきましては、貸金業者が預り金をすることを禁止するとともに、さらに金融機関の役職員等の、いわゆる浮貸し等を禁止し、またこの法律制定の当時無尽業法に規定する無尽に類似する業務を行つていた、いわゆる殖産会社の整理の措置を規定しているのであります。しかるところ現在に至るまでのこの法律の運用上の経験にかんがみますと、貸金業者の届出制は、現在においてはその必要を認めないのみならず、もしろ弊害を生じている状況でありますし、他面殖産会社の整理はすでに完了いたしておりますので、この際この法律はこれを廃止することが現状に即することと考えられるのであります。 なお貸金業者の金利のみならず、一般に金銭貸付の利息等につきましては、その不当に高いものはこれを取締る必要があると考えられますので、今回罰則をもつてその取締を行うことといたしたのであります。 次に、この法律案のおもな内容についてその概要を御説明いたします。 第一に、何人も、不特定多数の者に対して、後日出資金の金額以上の金額を払いもどすべき旨を示し、またはこのような払いもどしがある旨の誤解を生じさせるような仕方を用いて、出資金の受入れをしてはならないことといたしております。 第二に、他の法律に特別の規定のある者を除いて、何人も業として預かり金をしてはならないこととし、預かり金の解釈規定を設けるとともに、主として貸金を業とする者が、社債の発行により不特定多数の者から貸付資金を受入れるときは、業として預かり金をするものとみなしております。 第三に、貸金業等の取締りに関する法律は、これを廃止することといたしますが、同法中の金融機関役職員等に対する浮貸し等の禁止規定は存置することとして、おおむねこれと同様の規定を設けております。 第四に、金銭の貸付を行う者が、その貸付利息について、日歩三十銭の限度を越えてこれを契約しまたは受領したときは、刑事罰を課するとともに、金銭の貸借の媒介を行う者は、その手数料について、媒介金額の五分の限度を越えてこれを契約しまたは受領してはならないこととしております。 第五に罰則につきましては、高金利の処罰のほか、出資金の受入れ制限、預かり金の禁止、浮貸し等の禁止及び媒介手数料の制限の各規正に違反した者及びこれらの各規定の脱法行為をした者に対し刑事罰を課することとするとともに、所要の両罰規定を設け、また銀行法、貯蓄銀行法、信託業法及び無尽業法の無免許営業者に対する罰則を強化し、あわせて両罰規定を設けるほか、これらの法律中の他の罰則についても整備をはかつております。 次に、証券取引法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明いたします。 近年における一般大衆による証券投資の増加に顧み、投資者の保護をますます強化する必要があると存ずるのでありますが、最近一部の貸金業者たとえばいわゆる株主相互金融会社等にその例が見られますように、株券等の募集、売出し等に際し、その株券等の額面価格が常に保証され、または一定の配当等の支払いが保証されるものと誤認させるような誇大な宣伝方法を用いて投資を勧誘し、これを信頼して投資に応ずる一般大衆に損害を与え、または与えるおそれのある勧誘行為が半ば公然と行われているのであります。投資者保護のためには、これらの勧誘行為の規制を一層強化する必要があると認められます。よつて、この法律案を立案した次第であります。 その内容について申し上げますと、第一に、株券等につきその投資額相当額の金銭の回収が可能である旨の宣伝等をすることを禁止することといたしております。すなわち、株券、証券投資信託、または元本補填の契約の存するもの以外の貸付信託の受益証券等の募集、売出し等に際し、一般大衆に対して、これらの証券が一定の価格で買いもどし等が行われる旨の表示をすることを禁止することといたしております。 第二に、これらの証券について一定の額の配当等が受けられるものと誤解されるような宣伝等をすることを禁止することといたしております。すなわち、株券、証券投資信託または貸付信託の受益証券等の発行者、売出しをする者、これらの役員、使用人等が、これらの証券の募集、売出し等に際し、一般大衆に対して、これらの証券につき一定額の利益配当が確実に行われる旨の表示その他一定の利益配当等が受けられるものと信じさせるおそれのある表示をすることを禁止することといたしております。 なお、これらに違反した者は、六月以下の懲役または五万円以下の罰金に処することといたしております。 以上がこの二法律案の提案の理由及びその内容のあらましであります。何とぞすみやかに御審議の上、御賛成あらんことをお願いいたします。 —————————————
○千葉委員長 次に、本日の日程にあります所得税法の一部を改正する法律案外十五税制改正法律案を一括議題として質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許します。
○井上委員 議事進行。ただいま議題となりました十六の税制改正に関する法律案のうち、特に租税特別措置法の一部を改正する法律案、関税定率法の一部を改正する法律案、この両法案はその内容非常に複雑にして、かつ他の税法との関係もありまして非常に混乱をいたしております。そこで、事務当局の方から租税特別措置法の内容についていま少しく詳しく御説明をいただき、なおまた日をあらためて関税定率法の内容について御説明を承つた上で質問をするようにおとりはからいを願いたいと思います。
○千葉委員長 ただいま井上委員から御発言がありまして、租税特別措置法と関税定率法の問題については、事務当局よりさらに詳細な説明を聞きたいという御動議であると思いますが、いかがでございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千葉委員長 きようもしその用意がなければ、あしたにいたしますか。 〔「あしたの午後でも小委員会でやつたらどうですか」と呼ぶ者あり〕
○千葉委員長 提案者の井上さんいかがですか。あなたの意見は、きようお聞きになりたいのですか、あしたの小委員会でいいのですか。
○井上委員 質問者が多いから、あしたの小委員会でいいです。
○千葉委員長 ではさように決定いたします。本日の質疑者は非常に多数でありますが、まず第一に内藤友明さん。
○内藤委員 渡邊さんの方の関係の法律がずいぶん多いのでありますが、その中で物品税のことにつきまして、まことに建設的な御質疑をひとつ申し上げたいと思うのであります。私ども聞きますると、すぐ渡邊さんは窓をとじてしまうのでありますが、そういうことでなしに、暖かい春の風が入るのですから、窓をあけてひとつお聞きを願いたいのであります。 これは先年いろいろ御心配いただきました米軍PXなどへ納めまする軍人用のいろいろな物品でありますが、これは物品税をまけてもらつてあるのであります。転入品につきましては、行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律によりまして、内国消費税の免税を受けております。それから国産品につきましては物品税法の第十三条によりまして、転出用は免除を受けておるのであります。ところがこれらの免税物品が一部アメリカの軍人軍属の用途を離れまして、国内の市場に横流れいたしておるのであります。このごろ私どもがよく銀座のカメラ屋へ行きますと、この種の横流れのカメラがずいぶんだくさん並んでおるのを見受けるのであります。こういうことは、正常な流通秩序を阻害しておるのでありまして、私どもはまことにこれは遺憾なことだと思つておるのであります。ところがこれに対しまして、輸入品につきましては、関税法等の臨時特例法の十一条、十二条によりまして、免税物品の譲り渡し、譲り受けの制限はいたしてあります。ところが国産品につきましては、物品税法の中に詐欺とか、不正の行為とかいうものによつて物品税を逋脱したり、また逋脱をはかつたりしたりする者に対してのみ罰則が設けてあります。そのほかの横流れなどのことにつきましては、あるいは法律の解釈によりまして共犯の場合のみがそこに入るのかもしれませんが、その他の者は全然法の制裁は受けておりません。ということは、一つはこれは法の不備でありまして、ことに最近、これはひとり東京だけの現象ではございませんが、大阪でもあるいは神戸でも、ことにアメリカの軍人軍属さんがたくさんおられる地方におきましては、こういう横流れ品が店頭に非常にたくさん氾濫しておる現実を見まして、何らかこれらに制裁制限を加えるべき必要があるのではないかと思うのであります。これは行政協定に基く法律を改正するか、あるいは物品税法の中にその改正法を入れるか、これはどういうふうなことにすればいいのか研究しなければならぬと思うのでありますが、即急に政府は何らか手を打たなければならないのではないかと思うのであります。渡邊さんの御所見を伺いたと思うのであります。
○渡邊政府委員 今お話になりましたことにつきましては、税を徴収するという面だけでございます、法律は一応整つているわけであります。これは物品税法の第十三条に、輸出するもの等につきましては物品税を免除する、PXでもつて売られるものにつきましては、大体これはもう輸出されるだろうということを前提としまして、実は免除の手続をとつております。それでその関係におきましては、PXへ売りましたときには税務署の方へ通知させてもらつておりまして、二通書類を出しておるのであります。一通は製造物所轄税務署の方へまわしております。が通は本人が持つておりまして、出国するときに税関に提示することとしております。これは税金がまかつているから、こういう品物を持つて出るときに一応チエックすることになつております。それで法律の上から参りますと、もしそういうふうに輸出することになつておるものが、輸出されないでもつて国内で横流しになつたというような場合におきましては、十三条の四項に、購入者から物品税を徴収するというようなことになつておりまして、施行の面ではいろいろむずかしい問題がございますが、税金を徴収する関係におきましては、一応の規定はできているわけでございます。ただ行政協定に結びつきました方の関税関係の規定におきましては、あらかじめPXのようなもので売られる物が入つて来ることを予想して、特にいろいろ規定をつくつてございますから、物品税のように単純に一般の輸出を頭に置いた規定を置き、その規定をPXの場合に適用したというのに比べまして比較的完備した規定ができております。従いまして行政協定の方の関係におきましては、たとえば譲渡を禁止するとか、それに対する違反は処罰するとか、こういつたような相当やかましい規定がありますが、それに対しまして輸出関係、物品税の関係におきましては、今言いましたように、一般の輸出免税の規定をPXにたまたま適用したといつた関係でございまして、一般の輸出免税のときにおきましては、行政協定の場合のような特殊事例以外の事例を多分に頭に置いているものでございますから、そうした特殊な事例についてだけ当てはめてみますと、ちよつと取締り関係の規定が不備ではないか。もう少しやかましく言つていいのではないか、こういうようなお気持が出て来るのは、われわれもよくわかるところでありまして、現在までのところ、特にどうこうということもそう強く感じなかつたのでございますが、いろいろ御指摘のような次第もございますので、政府としましても、行政協定のような程度にまで少くともそういう関係をやはりやかましいものにがつちり固めて行つた方がいいのではないかという御意見、これはわれわれも非常にごもつともな御意見だと思いまして、実はよく検討してみたい、かように考えております。
○内藤委員 これは今申し上げましたように、正常な流通秩序を乱すということは、非常にいけないことでありますが、たいへん多いのでありまして、そういう関係でカメラが店に氾濫して来るのであると思うのでありますが、これはなかなか取締りはできないかも存じませんけれども、そういう特殊な取扱いをしたものは、どうしてもそれは譲り渡すわけには行かないんだというふうな、きちんとした法律をつくつておきませんと、その小さな穴からいろいろな弊害が起つて来てはいかぬと思います。これは学校などの教育用に買いますカメラも同様に免税の恩典を受けておるのであります。しかしこれは非常に良心的にやつているようでありまして、なかなか学校の備品というものを、先生がちよつと日曜にひつかついで行つたという程度の軽い気持のものはあるかもしれませんけれども、店頭にまで現われて来るというふうな現象は日本の学校などにはないと思うのであります。外国人はすべてがゼントルマンではないのでありまして、やはりそういうふうなことをきちつとして置かないといかぬと思うのであります。こういうこともひとつ十分お考えいただきたいと思うのであります。私は最近銀座を歩きまして、PXに渡りますカメラというものは特殊な形をしておるのでありまして、それがあまりにたくさん並べてあるので実は驚いたのであります。いろいろと調べてみますると、非常な抜け穴があることに気がついたのでありますが、ぜひこの点はすみやかに是正いたされまして、今ちようど法律が出ておるのでありますから、もし何でありますれば、私どもが発議いたしまして修正いたしたいと思うのでありますが、その点をひとつお含み置きいただきたいと思うのであります。
○渡邊政府委員 今内藤委員のおつしやいましたことは、われわれとしましても当然考えなければならぬ点でございまして、さしあたりといたしましては、まずもつて行政の面で相当やかましく取締りたい。第二は、法文の上におきましても、所要の措置を考えて行きたい。いろいろ対外関係もございまして、デリケートな、むずかしい点もございますので、よく研究さしていただきたい。行政の画におきましては、これは十分やかましくやることはもちろん考えますが、法文関係をどういうふうに直すべきかといつたような問題になりますと、PXを通るものを中心にものを考えるということになつて、いろいろPX関係とも打合せてみなければならぬ点もあろうと思いますので、下ごしらえ的にもう少し研究さしていただきたい、かように思つております。
○内藤委員 もう一つ、法人税でありますが、例の赤い羽であります。あれをしきりに何とかしてもらいたいという赤い羽当局からのお話があるのでありますが、渡辺さん、あれは何とかならぬものでありますか。大会社の法人税の対象になるものは、わずか三千万円程度のものだと思うのでありまして、あれは一種の税金のようなもので、使われておるところもなかなか吟味して使つておりまするし、ことに今予算は一兆で押えられておるものでありますから、ああいうふうな向きでもひとつ集めて来て、社会事業に使うことが必要になつて来るのじやないかと思うのでありまして、三千万円くらい何とか恩典はないものでしようか。これをひとつ特にできますれば御心配を願いたいと思うのであります。
○渡邊政府委員 その点は前からもお話がございまして、実は昨日赤い羽の関係の人が参りましたので、いろいろ実情を聞いてみました。きのう私の聞いた数字では、ちようど今内藤委員のおつしやつたのとけたが一つ違つておりまして、大きな会社から大目的に求めるのは、三百万円程度だというふうなことを言つておりました。そのときいろいろ意見交換をしたのでございますが、赤い羽のようなああいう募金は、貧者の一燈でありましても、できるだけ広く皆さんのそうした気持が通つた金が集まつて、ああいう基金として出ることが値打ちがあるのじやないか。そこで御承知のように寄付金につきましては、一応一定の制限の中では自由に寄付することができる。そこで私がそのとき伺つてみました一つの点は、一体大きな会社の寄付金と考えられるものがどれくらいあるかということについてでありまして、これは私聞き違いはないと思いますが、今内藤委員のおつしやいました三千万円という数字じやなくて、実は三百万円だという数字を私は聞きました。それから一つの会社が最高一体幾らくらい一番大きなところで出すか、出捐するか、それを実は聞いてみたのですが、あまり大きな金額はございませんで、名前を言うのは少しどうかと思いますが、東京の一流のデパートで、割合大口のところが六万円ぐらいである、こういうふうな話をしておりました。私たちの気持としましては、毎年繰返されるものでございまするし、従いましておそらく会社としても、そうまとまつて大きな金を出捐することもちよつとできないのではないだろうか。それできのう私が聞きましたところでは、一番大きな会社の出捐は幾らかというと、東京の一流のデパートであつて、それが六万円ぐらいだ、その程度でございますれば、毎年行われるものでございますし、われわれの方で寄付金指定にしております一つの標準が、臨時的なものに限る、副合に固まつて、ちよつと一般の標準では無理だというものだけを指定すべきではないだろうか、こういうふうに考えておるものですから、ちよつといかがかと思いますが、さらにもう少し、まだ十月までの間でございますから、いろいろ研究はしてみたいと思つております。そのときのお話でも、赤い羽を募集する人たちの中でも二つの御意見がある。一つは、やはり貧者の一燈的にこまかい金が順々に集まつて、そうしてそれが一つの事業に向けられてこそほんとうの意味の共同募金の趣旨があるのではないか、こういうことを考えていらつしやる方と、それからやはりもう少しまとまつた金がほしい、そのためにはもう少し大口の寄付金もほしいといつた方と、二色の考え方があるというふうなお話もしていらつしやつたわけでございます。われわれとしましては従来とも、そういつた赤い羽募金の性格から言いまして、経常的な寄付金の中でまかなつていただくべきものではないか、こういうふうに考えておるわけでございますが、さらに検討を続けてみたいと思つております。
○内藤委員 十月までのことですから、ぜひお願いしたいと思うのですが、実は会社へ行きますと、税金がかかるものだからということで断つてしまうのです。この関門がないと、実はすらすらと出してくれるのですが、これを材料に使つておる。それを何とかはずしてもらうと、会社の方の貧者の一燈がよけい集まるのではないかと思うのであります。社用族が中川だとか、ああいうところへ方々出かけるのが、こんなようなところに来るのは非常にいいことだと私は考えますから、そういう中川組に口実を与えないような制度をぜひ考えていただきたいということを重ねてお願いしておきます。
○渡邊政府委員 確かにおつしやるようなこともないとは思いませんが、寄付金指定の関係はいろいろむずかしい問題でございまして、一つわくをかえますと、それと同じような性格のものが相当たくさん出て参るものですから、われわれとしましてはやはり相当慎重に考えて行きたい、かように考えております。
○千葉委員長 次に山本勝市君。
○山本(勝)委員 最初に主税局長にお伺いいたしたいのです。日本の今の物品税は天下の悪税であるというふうに私は考えておるのですが、大蔵当局でも、おそらく今日の日本の物品税が中小企業者の生産を非常に阻害しておる、また税務署と業者との間に絶えずトラブルが起る。そうしてきわめて小さい規模の業者が脱税をする関係で、正直者がばかを見る。それもつられて脱税をする。そこにまたトラブルが起る。これは十分御承知のことだと思う。それで数年来政府の方でも、また大蔵委員会の方でも、この物品税というものをだんだんと整理して行くという方向でやつて参つたように私は了解しておるのであります。それで税収入が相当あるものですから、一気になくすることはできないのですけれども、しかしできればこういう税はなくして行きたいという方向でしておつたことは、私がそう了解しておるだけでなしに、先般予算委員会において、私は通産大臣から、そういう方針は今日でもかわつていないのだといろ答弁を得たのでありますが、主税局長もやはりそういう点は御承認になりましようか。
○渡邊政府委員 現在の物品税の性格から考えまして、それが一つの奢侈品といいますか、高級品課税である。少くとも奢侈品、不急不要品に課税をして行くものである。そういう税が租税体系の中であること自身が、そうおかしいものであるというふうには思つておりません。ただ日本経済の関係から見て参りますと、今おつしやつたように、いわゆる奢侈品と考えられる中に、中小企業者の生産するものがあり、そこにいろいろな山本委員のおつしやつたようなトラブルが出て来る。これをできるだけ調整して行くべきである、これは考えております。ただ税全体を考えて参りますと、物品税についてもそういう問題がありますと同じように、所得税についてももつと課税最低限を上げるべきではないか、とかさらに法人税についても税率が高いじやないかとか、いろいろな議論がたくさんあるわけでございまして、従いまして、税を考えて参りますときにおいては、やはり総合的に考えて行かざるを得ないものでございますが、物品税だけについて云々ということはなかなか困難ではないか。やはり総体としまして、税収が許す限りにおきまして、そういう問題のある点はできるだけこれをなくして行くように考えて行こうではないか、かように考えております。
○山本(勝)委員 物品税はだんだんと整理をして行く。少くとも今主税局長がおつしやつたように、奢侈的なものは残すけれども、実用的なものは削つて行く方針でこれまでやつて来られたということは御承認になりますか。
○渡邊政府委員 そういう方向でもつて、従来いろいろものを考えて来たということはその通りでございます。今回におきましても、できればそういう方向で考えて行きたいと思つていたのでありますが、今回におきましては、どちらかといえば、やはり所得税を中心にものを考えて行くべきである。こういう考え方で案がまとまつたものでございますから、従いまして物品税のようなものにつきましてはどちらかといえば、むしろ奢侈的なものについてこれを上げて行つて、その税収を所得税の税収の減に充てて行く、こういう方向に案をつくつている次第でございます。
○山本(勝)委員 何だか今度の国会に出されたいろいろな法案、物品税に関するもの、あるいは奢侈消費税、繊維消費税、これも一種の物品税のようなものでありますが、そういう関係から、これまでの方針が何かかわつて来たのじやないかというふうに、一般に思われておるのであります。それで私は、予算委員会で大蔵大臣並びに通産大臣に聞きましたところが、方針はかわつていないのだ、こういう答弁を得ました。しかしどうもかわつていないということでありますと、私はこの物品税というものを少くとも総額においてだんだんと減らして行くという方向をとつて行かないと、総額がふえて参りますと税収入という関係からなかなかこれを将来撤廃するということはむずかしくなる、こういうことを一つ思うのです。だんだん少くして行つて、これくらいの税ならもうやめてしまおう、こういうことになりますと、だんだん税収が減つて行くのだから、ほかにかわり財源を持つていなければならぬというので、まことにむずかしくなる、これは私の考えでありますが、別に御答弁を得なくてもけつこうですけれども、どうも物品税を整理するという場合に、奢侈品はかえつてこれ以上よけいかけて行く、こういう方針なんでしようか。
○渡邊政府委員 全般の考え方はそうかわつていると言えないと思いますが、しかし今度の予算のつくり方、あるいはそれのうらはらであります税制の考え方としまして、一応やはり奢侈的な消費をできるだけ抑制して行きたい、こういう思想がそこにあるわけであります。従いまして、それに対応するような税率の引上げ、あるいは新税というものを考え、同時にそれによつて、得た税収をもつて直接税の減税に充てる、こういう考え方がそこに入つていいじやないか、こういう考え方で今度の一応の税制改革の案はできております。
○山本(勝)委員 そうすると、少しめんどうな問題に入つて来ますが、奢侈とは何かということなのであります。大蔵省の奢侈という概念が、どうも私ははつきりしない。何だか値の高いものを奢侈だ、つまり一般の低額所得者には、少くとも高額所得者でなければ手が届かないほど値の高いものを奢侈といつておるというふうに受取れる。しかし(発言する者あり)お静かに願います。しかしながら私は…。 〔発言する者あり〕
○千葉委員長 静粛に願います。
○山本(勝)委員 奢侈という言葉は、これは昔から、私は日本でもどこでもそうだと思いすが、ぜいたくという言葉と大体同じ意味に使われて来たのだと思う。ぜいたくとか奢侈とかいうことは、必ずしも高額所得者にのみあるのではなくて、どんな低額所得者でもやはりぜいたくをしてはいかぬということはあるのでありまして、ぜいたくを抑制するという方針はけつこうですけれども、そういう意味の奢侈抑制、ぜいたく抑制ということであれば、普通の常識上考えられておるぜいたくとか奢侈を押えて行くという方針をとるべきだ、常識上の奢侈とかぜいたくとかいうのは、いつでも分という概念を中心としてでき上つて来た。分不相応に金を使うのを、奢侈とかぜいたくとかいう。分相応の金を惜しむのを吝嗇という。吝嗇の反対が奢侈であり、ぜいたくであります。そうすると、たとえば国会議員が自動車で新橋とか上野へ送り迎えされておる、これは一般の大衆は手が届かない、しかしそれを大蔵省の今言つておる奢侈という概念からいえば、一般大衆が手が届かぬという意味で、これはやはり奢侈ということになる、総理大臣がああいう大きな官邸に入つて、りつぱな自動車で走つておるということも、むしろ政府の概念からいえば、普通の概念からいえば、内閣の総理である、ことにあれだけの御老体であるのだから、あまり振動のない大きな自動車に乗つて歩くということは、決して奢侈とは考えない。しかしこのしやし繊維品の課税に関する法律案の理由の中に「しやし的消費の抑制」という言葉があります。また物品税についても、奢侈的なものに対する課税は残すのだとか、さらに増徴するのだとかいう意味の奢侈という概念から言つて、ただ値の高い物ということになると、それらもみな奢侈になつてしまう。ですから、私は奢侈を抑制する必要は認めますけれども、そういう意味においての奢侈になれば、質がいかによかろうとも、値が高ければ奢侈ということになる、たとえば洋服の生地で、三万円で十年持つのと、二万円で五年でだめになるのとでは、相当の収入のある人から見れば三万円で十年持つ洋服の方がむしろ経済であるというふうに考えられておるのでありますが、しかしさつき言つた奢侈の概念から申しますと、そういうものはみな奢侈だから、これを抑制する、こういうことになりはしないか。従つてこういうふうな奢侈概念でもつて税をかけて、それで抑制して行くということになると、高級品の生産を阻害する事実が、これまで物品税に関して至るところに現われて来ておるのです。ですから高級品の生産を——将来日本の産業政策として、原料も少いのだから、従つてこれにできるだけ精巧なる技術、労力を加えて、品質のいい高級であるがしかし価値も高いというものをつくつて行かなければならぬというのが、私は日本の宿命的な一つの産業政策だと思うのであります。たとえば時計で申しますと、スイスの時計を凌駕するようなものをつくれ。ラシャでいえば、英国のラシャを凌駕するだけのものをつくれ。すべてその方針で行くべきときに、ただ値が高くて大衆の手が及ばぬというものは、奢侈だから抑制して行くのだ、こういう方針で参りますと、どうもわずかの税をとるために、あるいは大衆の嫉妬心を満足させるために、日本の産業政策をあやまつ。これについての主税局長のお考えをひとつ伺つておきたいと思います。
○渡邊政府委員 奢侈という言葉にいろいろな考え方があると私は思います。今山本委員のおつしやつたような意味の考え方は、確かに私は一つの奢侈の定義であると思います。ただ一応租税体系の上で消費税という体系が許されている、こういうふうに私は思いますが、その場合において、生活必需品には課税すべきでない。生活必需品でないもの——その場合によく使われる言葉がいわゆる奢侈品で、奢侈品には課税していいじやないか、こういう体系が考えられているわけです。そこで一面においては、タバコに対する課税であるとか、あるいは酒に対する課税、こういうものが一つ考えられる。そのほかに、あるいは物品税に盛り込まれております幾つかの品物、あるいは今度の奢侈繊維品の課税の対象になつたような品物——これは奢侈であるか奢侈でないか、これは奢侈という言葉の解しようでございますが、しかしそういうふうなものに、ある一応の程度といいますか、生活必需品以外のものについて課税が許されるということになれば、これはまあ主観的に見て行くわけには参らないわけでございまして、どうしてもやはり客観的に一応見て参らざるを得ない。従つて百万長者から言えば、これはちつとも奢侈じやない、しかし普通のサラリーマンにとつてみればこれはぜいたくだ、こういうようなものが一つあつた場合に、生活必需品にはかけてはいけない、そうでないものについて課税をして行くことは許されるという消費税があるとすれば、そこにいわゆる高級品的なものに対する課税という問題が出て来て、それが奢侈品課税という名前で普通に呼ばれているということは許されるのじやないか。それが学問的に考えてみて、正確な用語であるとか用語でないとかいう御批判は、これは私はあり得ていいと思います。これは常識的に奢侈品課税という俚耳に入りやすい名前が使われているのかもしれませんが、しかしそういうふうに、一応生活必需品にはかけてはいけない、そうでないものには課税すべきであるという議論が出て参りましたときに、課税していいものというその対象が一応奢侈品という名で現在呼ばれておりますし、われわれもその用語を踏襲しているということは、一応常識的に許されていいものじやないか。学問的に考えて行けば、そこにいろいろ御議論があるとはわれわれも思いますが、そういう許され方があつていいのじやないか、かように考えております。
○山本(勝)委員 私は学問的に申し上げておるのじやない、常識的に申し上げておるのであります。それで少しわかつて来たような気がするのですが、大蔵省のいう奢侈というのは、必ずしも値が高いものというのではなくて、実用品でないもの、実用から遠ざかつておるものを奢侈という。そうすると、いわゆる便宜品と申しますか、生活になくてはならぬものではない、便利ではあるけれども、しかし必ずしもなくてはならぬものではないといういわゆる便宜品——それはだんだん段階はありましようが、実用という生活必需品から隔たつたものを奢侈というふうにもとれる。それは値が高い安いということは別ですが、生活に必需なものにはかけない、しかし必需でないものはなるべく奢侈として押える、こういうことになると、たとえば手ぬぐいなら手ぬぐいは、われわれが顔をふいたり足をふいたりするのが目的なんで、しぼりの手ぬぐいにするとか、模様を入れるとかいうふうなことは、ほんとうの実用ということから言えばなくてもいいものだ。着物にいろいろの模様をつけたりするというようなことも、なくてもいいものだ。それをつけるために、値も高くなり、労力もかかり、資材もかかるが、そういうふうなものが今度は奢侈になつてしまうことになる。ですからこれはそうなると、タバコとか酒とかいうものは、われわれの人間生活にとつて習慣上のんでおるけれども、しかしなくても済むものだ。しかもある意味においてない方がいいものだ。着物も焼かずに済むし、金もかからぬで安く済む。一家の経済の点から見ても、これはのまなければのまぬ方ががいい。そういうふうなものでしかも徴税が簡単であるというようなものに、奢侈として税をかけて行くということには賛成なんです。ですから私は決して間接税に反対とか奢侈税に反対とかいうのではありません。ほんとうに奢侈抑制という意味で、われわれ人間生活にとつて有害である、あるいは有害ではないまでも、あまり必要性のないものへ労力や資材を投ぜられるということは、必需品に対する労力、資材がそれだけさかれることであるから、こういうものを税をもつて押えて行こうという考え方には、私は賛成なんです。 〔委員長退席、内藤委員長代理着席〕 しかし実際に現われてある物品税、あるいは新しく提案された税の内容に当つてみますと、そういうふうな選択が行われていないのじやないか。ですから私は、たとえばラシャならラシャの生地に税をかけるのなら、むしろ酒の税を増す。かりに税収入の半分になるくらいたくさんタバコや酒に税をかけても——私どもタバコも酒ものみますけれども、税をかけられても、その結果、税収入が全体の半分になつた以上の利益が国民生活全体の上に現われて来るというかつこうになる。だからそういう意味で選択されればいいけれども、品質はいかによくても、値か高いからいかぬとか、一般の大衆が及ばぬからいかぬ、たとえばまき絵ならまき絵、漆器にまき絵をするということは、これはなくてもいいものといえばなくてもいいといえますけれども、しかし一つの品物が丈夫であるとか、品質がいいとか、あるいは美的な価値を備えておるということが高級品の要素であつて、そうしてそういう高級品というものもだんだんよくして行かなければならぬ。いかなる面においても、私は奢侈という事実はないとは申しません。よく成金が若い芸者に将棋の駒の着物を着せて、料理屋で将棋をさしたという話がございますが、そういうふうなことはだれが考えても有害であつて奢侈に違いない。あるいはお金で飯をたかして食わしたという話も昔ありましたが、こういうこともないとは申しませんけれども、実際上政府の税の中に現われて来ておるものから見ますと、私どもから見て抑制しなければならぬという奢侈と、そうでないものとの選択がどうも十分でないのじやないか。それから物品税、たとえば紙ですが、洋紙というものがありますけれども、洋紙がはたして奢侈か奢侈でないかということになると、私は洋紙は実用品でないとはいえないと思う。ただあまりにむだに分量を使うと、一定分量までは実用だけれども、余分に使えば奢侈になるという関係だけだと思います。私はきよう一日で質問するのではないけれども、こういう点で実際一種直感的に奢侈を抑制して行こうという考え方、しかもそれが税をもつてやつて行こうという考え方に反対しておるのではないのですけれども、ほんとうに抑制さるべきものと抑制さるべからざるものとの選択を誤つておりはしないか。 それからもう一点質問いたしますが、奢侈繊維消費税という、消費税だという以上は消費者が負担するわけです。しかし物価をだんだんと下げて行うという政策を国がとつておる場合、今事実それを実現して行かなければならぬ場合に、新しい税でなくても、税がはたして消費者に転嫁し得ると考えられるか。そういう物価がだんだん下つて行くという情勢のもとにおいては、実は消費税を消費者に軽嫁するということはきわめて困難だ、困難だというのが常識じやないか。もしそれが確かに転嫁できるのだということであれば、こういうわけで転嫁できるのだという理由をひとつ承りたいと思います。
○渡邊政府委員 奢侈の問題についてはいろいろ御議論があると思いますが、今山本委員がおつしやいましたいわゆる便宜品の範囲におきましても、これは物の性格からいつてたとえば奢侈的なもの、これは私はあると思います。便宜品の中におきましても、結局必要以上に装飾が加えてあるとか加工してあるといつたような関係もあると思いますが値段が、高くなつて行くような場合におきまして、品物の質的な面から見れば、あるいは便宜品のカテゴリーに入つても、これ以上の手が加えてある、これは大体価格というものに集約されると思つておりますが、それは奢侈品の部類に入つて来ているのじやないか、こういうものがあつていいというふうに私は思つておるのであります。 それから酒、タバコの税金を幾らでも高くした方がいいのじやないか、こういう御意見がございましたが、これは現実の問題としてはなかなかむずかしい問題がすぐころがつておりましてと申しますのは、御承知のように、これは結局酒の税、タバコの税があまりに高くなりますと、酒の密造、タバコの密造に対する誘惑が非常に多くなつて来るわけでございまして、もちろんそれはやつてはいけないことでございますし、取締らなければいかぬことではありますが、取締りについてもおのずから一応の可能の限度があるわけでございまして、そこにやはり酒の税金は幾ら高くてもいいじやないかといつたような御議論も、われわれとしてはそのまま現実直に移して行くのは無理があるのじやないか、かように考えております。 それから最後に、一応物価が低落ぎみのときに消費税の転嫁がはたしてできるかどうか、この御質問でございます。これは一般的にいえば、山本委員御承知のように、物価が上りぎみのときは比較的転嫁が楽である。下りぎみのときはこれは転嫁といつた方がいいのか、あるいはその転嫁前の品物の値段といつた方がいいのか、とにかく下つて行くのですから、やはり転嫁がむずかしい。これは一応言い得ると思います。ただ今われわれの方で考えております奢侈繊維品のようなものにつきましては、これは割合に値段が高い、従つてこれを買う人は、値段というものについて割合にそう大きな関心を持たないで、むしろそういう品物自身について関心を持つていらつしやる、こういう方においては、割合にその値段というものにそれほどこだわらないだけに、転嫁は容易じやないか、かように考えております。
○内藤委員長代理 春日君から議事進行について発言を求められておりますから、これを許します。
○春日委員 私は山本委員の質問のあり方について重大な疑義がありますので、この点をひとつ明確にいたしたいと思うのであります。現在のわが国の政治は政党政治でありまして、吉田自由党内閣が責任をもつて政治を行つておると理解をいたしております。しこうしてここへ出る一切の法律案は、政府並びに自由党がその提案に先だつて十分それぞれの意見の調整を行つて、共同の責任においてここへ提案されておるものと私は考えておるのであります。しかるところ、ただいま山本君の御質問をいろいろ聞いておりますと、物品税の課税方針にそれぞれ重大な疑義があるような、いわば批判的な質問が行われておつたと思うのでありますが、少くとも政府が出して来たところの法律案に対して、その連帯共同責任を持つて自由党が、それぞれの疑義があるならば、そういうような未熟な法律案を出してもらつてはわれわれ野党としてはなはだ迷惑千万であります。もしそういうような疑義があるならば、すべからく政調会なり、あるいは政府並びに与党の連絡会議等において十分意見を調整されて、責任ある決定的な結論としてここへお出しになるのでなければ、この席上において与党と政府との間でいろいろと質疑応答されておるというようなことでは、一体原案として権威を持たないものであると思う。本会議においても、委員会においても、少くとも与党がみずからの政府に対して質問をするというような前例はございません。(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)本日の委員会においても法律案がたくさん上程されておる、従つてはなはだしく議事が遷延しておるので、早くこれを審議してもらうことのために計画審議をしようではないかというようなことすら、自由党の某議員によつて強調されておる。それだのに山本君から、私はじりじりする気持で、もう済むかもう済むか、と思つておつたら、愚にもつかないと言つたら語弊があるかもしれませんが、そういうような質問がすでに三十何分もされておる、まさに十二時十分前ではないか、われわれ野党の者は質問しようと思つても質問する機会がない。少くとも与党からこのような法律はもう少し能率的に審議したいというような責任感があり、その責任感の上に立つて理事会においてそういう発言をされたならば、ああいうような発言、ああいうような質問は、すべからく与党内部の間において意見の調整をはかられて、ある程度制限をしてもらつてしかるべきではないかと思うのであります。(「その通り」)さらに私は山本君が今いろいろ言われた中に、吉田総理の自動車が奢侈品でないというような規定をされておつたようであるが、この山本君が第十六国会において、われわれ委員会においてどういうことを言つておられたか。吉田総理が一月に二回ずつ自動車を買いかえるとかなんとかぜいたく三昧である、こういうような総理をいただくことはわれわれ国民の不幸である、こういうようなことをわれわれに言つておられたのであるが、たちまちに本日は豹変されて、総理の高級自動車は奢侈品ではないというようなことを言つておられる。こういうような首尾一貫しない豹変した議論をわれわれ聞くに、たえない。私は委員長に申し上げるが、本日の理事会において、もう少し計画審議をして、ひとつ能率的にやつてもらいたいという御要望が自由党の中にほんとうにあるならば、私はそういうような、与党と政府との間においてここで質疑をして、野党に対して発言し質問する機会を奪い去るようなやり方は、十分検討されてもらうのでなければ、理事会の決定は効奏をしないものだと思う。こういうような意味におきまして、もう少し山本博士が質問を続けられるならば続けられるでよろしいから、われわれ野党はここを離脱して、そうしてこれを政調会なら政調会に切りかえられて、かつてにやられたらよろしかろうと思う。従つて私はこの機会にもつとその時間をさいて、与党と政府との間で質疑応答を繰返されるということならば、われわれはその質疑が終つて、政府と与党との意見が統一された後に、その確定原案に基いて初めて審議に参画するということにいたしますから、とりあえずこの委員会はこれをもつて休憩もしくは散会されたいという動議を提出いたします。 〔「異議なし」と呼び、その他発言する者多し〕
○内藤委員長代理 ただいま春日さんから一応の御意見がございました。
○春日委員 意見ではない、動議を提出いたしまして、賛成者がありましたから、動議をお諮りください。
○内藤委員長代理 春日さんの御意見は、一応のお考え方だろうと思いますが、委員の職責上やはりここでただすべきはたださなければならぬと思うのであります。しかしただいま休憩の動議が出たのでありますが、これはいかがとりはからつたらよろしゆうございますか。
○山本(勝)委員 発言中だから、発言を許されておるのだから、一応簡単に打切りますよ。
○内藤委員長代理 今解散か休憩かの動議が出ておるのです。
○山本(勝)委員 理事会で発言を一ぺん許しておいて、その途中そんなことは無理だ。もう簡単に終るから……。
○春日委員 動議を出して賛成者があつたから、動議をお諮りください。衆議院規則に聴いて委員会を運営してもらいたい。
○内藤委員長代理 それでは春日さん、お尋ねいたしますが、あなたの動議は休憩の動議ですか、散会の動議ですか。
○春日委員 まあ休憩の動議といたしまして、そうしてこういう委員会の運営でいいのか悪いのか、これをひとつ理事会にお諮かりを願つておきます。そうしてその後の議事を御進行願いたい。従つて休憩の動議を提出いたします。
○内藤委員長代理 ただいま春日君から休憩の動議が出ましたが、いかがでありましようか。この動議に賛成の方の御起立を願います。 〔賛成者起立〕
○内藤委員長代理 ただいまの動議は多数で可決されました。 休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩