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19回国会衆議院1954/02/19

大蔵委員会 第10号

発言数
58
登壇者
5
会派数
3
開催日
1954/02/19

会議録

千葉三郎改進党

○千葉委員長 これより会議を開きます。  去る十一日当委員会に付託されました昭和二十八年の風水害及び冷害による被害農家等に対して米麦を特別価格で売り渡したことにより食糧管理特別会計に生ずる損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案及び去る十六日当委員会に付託されました財政法第四十二条の特例に関する法律案の両案を一括議題として、提案理由の説明を聴取いたします。小笠原大蔵大臣。     —————————————

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 ただいま議題となりました昭和二十八年の風水害及び冷害による被害農家等に対して米麦を特別価格で売り渡したことにより食糧管理特別会計に生ずる損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案外一法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。  食糧管理特別会計におきましては、昭和二十八年六月及び七月の大水害並びに同年八月及び九月の風水害による被害農家に対する米麦の売渡の特例に関する法律に基き、米麦を生産する農家で、その生産にかかる所有米麦につき、水害等による流失、埋没、腐敗等のため著しい被害をこうむつた旨の都道府県知事の認定を受けた者等、または昭和二十八年における冷害等による被害農家に対する米麦の売渡しの特例に関する法律に基き、米麦等を生産する農家で、冷害等による著しい減収のため、その生産にかかる米麦等がその農家の飯用消費量に著しく不足する旨の都道府県知事の認定を受けた者に対し、それぞれ米麦を特別価格で売り渡したことによりまして、約九億二千二百五十一万円の損失が生ずることが見込まれるのであります。この損失を補填するため、一般会計から、昭和二十八年度におきまして三億二千五百九十万円余、昭和二十九年度におきまして五億九千六百六十万円余を限度として、この会計に繰入金をすることができることとしようとするものであります。  次に、財政法第四十二条の特例に関する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。  この法律案は、昭和二十七年度一般会計予算に繰越明許費として計上されました安全保障諸費及び連合国財産補償費の経費については、昭和二十九年度まで繰越して使用することができることにしようとするものであります。  安全保障諸費は昭和二十七年度におきましては、駐留軍の都心より郊外への移動等が予想外に遅れた関係上、相当額が繰越明許費として本二十八年度に繰越されたのでありますが、本来この経費は、その使用に当つては、対外交渉によつて処理する必要のあるものが大部分であり、政府の一存をもつて予算額を支出することが困難であるという関係もありますので、その一部につきましては、さらに二十九年度において支出する必要が認められるのであります。  また連合国財産補償費は、連合国財産補償法に基いて連合国または連合国人が開戦時において本邦内に有していた財産について、戦争の結果生じた損害を補償するための経費でありますが、その補償の請求が平和条約の発効の国ごとに発効後一年六箇月までに提出されることに法定されている関係もあり、またその審査には技術的にも相当困難を伴うものである関係上、相当額が繰越明許費として本二十八年度に繰越されたのでありますが、大半の請求書の提出が前記期限まぎわでありましたこと、及び右に述べました審査上の困難等を考慮に入れますと、その一部につきましては、さらに二十九年度において支出する必要が認められる次第であります。  財政法によりますと、繰越し明許により翌年度に繰越された経費については、事故繰越しとしてさらにその翌年度へ繰越しができることになつておりますが、その事故繰越しをするには、当該経費について当該年度中に支出負担行為が完了していなければならないという条件が必要でありますが、右の安全保障諸費及び連合国財産補償費につきましては、対外交渉または審査上の困難等の事情のため、本年中に支出負担行為の完了という段階にまで立ち至らないものがあると認められますが、両経費は対外的特殊事情と関係する方面が広汎なために、計画の確立に時日を要するものが多い等の事情に顧み、今回特に財政法上条件に該当しない場合においても、二十九年度まで繰越して使用することができることといたしたいと存じまして、この法律案を提出いたしました次第であります。  何とぞ御審議の上すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。     —————————————

千葉三郎改進党

○千葉委員長 次に、本日の日程にあります所得税法の一部を改正する法律案外九税制改正法律案を一括議題として、昨日に引続いて質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許します。内藤君。

内藤友明改進党

○内藤委員 大蔵大臣に久しぶりでお出ましをいただきましたので、まず御希望を申し上げておきたい。いつも大臣に申し上げることでありますが、この大蔵委員会にはいつもたくさんの法律が出て参りまして、今日二十五ほどの法律が出ておるのであります。この審議はなかなか国会としまして重要なことなのでありますが、大臣がお出ましにならぬので、審議がまことにはかばかしくないのを残念に思うのであります。ことにことしの予算は九千九百九十五億の中で、税収入というものが七千七百十八億ほどになつておりまして、全体から申しますると七割五分以上の重要な収入になつておるのであります。しかもその七千七百億の税収に対する税金は、ここには十一掲げてありまするが、そのうちで十まで改正されておるのであります。でありまするから、この税制改正法というものはよほどことしの予算に大きな関係がありますので、こういう重要な議案が提案されておるにもかかわりませず、大蔵大臣がこの委員会にお出ましにならぬということは、私は政府の怠慢を責めなければならぬと思うのであります。きよう幸いお出ましいただきましたので、いずれあとから同僚委員からお尋ねがあるだろうと思いますが、私は基本的なことを一、二大臣にお尋ねいたしたいと思うのであります。  そこで十一あります税のなかで十まで改正なさるのでありますが、この十一のうちでまだ出て参らぬのが一つあるのであります。それはいつお出しになるのか。またどういうふうなことになつておりますのか、それをまず伺つておきませんと、税全体の審議ができないのでそれをお伺いしたいと思うのであります。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 最初にお断り申し上げておきますが、ちようど御承知のごとく、まだ予算審議が半ばでございまして、私が予算総会を離れることができない関係上、当委員会にもお伺いすることができませんが、私は、これは少しも怠慢をしておるのじやなく、最大の努力をしておることは内藤さんよく御承知の通りだと思います。但し、当委員会からごらんになれば、御無理はないことと思うのですが、どうかその点あしからず御了承願いたいと思います。  次に、今仰せになりましたいわゆる奢侈繊維品に関する法律が出ておりませんが、これは本日中に提案いたすことに相なつておりますから、どうかさよう御了承を願います。

内藤友明改進党

○内藤委員 まだ出て参りません法律でありますが、本日お出しなさるということでありますが、それは一体どういう法律でありますか。一応大臣からお漏しいただきたいと思うのであります。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 何といいますか、対象としましては奢侈繊維品に対して消費税を課するということでありまして、そういう点から、大体販売価格は、小幅のものでありますと一反につき七千五百円を越える小幅織物、または一本について七千五百円を越える帯地、それから広幅ものでありますると、一ヤールにつき四千五百円を越える広幅織物、洋服地、メリヤス生地及び広幅レース等であります。それからメリヤス製品では一枚につき四千円を越えるメリヤス製品、編物を含む、及び肩かけ類、さらに毛布では一枚につき八千円を越える毛布、こういうのが対象であります。  奢侈繊維品納税者の方は、小売業者または洋服等の縫製業者に奢侈繊維品を販売することを業とするもの、俗にいう問屋、卸屋等であまりす。その次は小売業者、縫製業者、及び今申しました小売業者または洋服等の縫製業者に販売することを業とするもの以外の奢侈繊維品の販売業者で、小売業者または縫製業者に奢侈繊維品を販売するもの、それから小売業者または縫製業者以外の繊維品販売業者で奢侈繊維品を直接消費者に販売するもの、こういうもの等であります。  さらに奢侈繊維税の担税者の方は、奢侈繊維品の最終の消費者が負担するという建前に相なつております。  課税標準の方は、大体奢侈繊維品の販売価格を標準といたしまして税率は百分の十五とするということに相なつております。これが大要であります。

内藤友明改進党

○内藤委員 念のためにお尋ねしますが、それは何という税金でありますか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 奢侈繊維品の課税に関する法律、こういう名前であります。

内藤友明改進党

○内藤委員 それでは大臣にお尋ねいたしますが、大臣は今お出しになつております予算を組みかえられるのですか、どうなんですか、それをお尋ねしたい。そういう税金は、私どもお配りいただいておりますものには、どこを見てもありません。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 組みかえはいたしません。これはあなたの方にお配りしてあるものに書いてある通り、計数その他訂正を要する箇所のあることを了承されたいと書いてあるので、最初から御参考にお配りしたものでありまして、最初から御了承を願つておるのであります。

内藤友明改進党

○内藤委員 どうもそういう妙なことがあるのでしようか。議案をお出しになつて、その議案は訂正することがある、そういうつもりでお配りした。それは案でありますから何でありますが、そういう不確定なものをお出しなさるのでありますか。こういうことは小笠原さん、あなたから初めてお聞きするのですが、どういうことなんですか。日本の国会でそんな妙なことがあるのですか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 名前は奢侈繊維品の課税に関する法律でありますが、奢侈繊維品に対して繊維消費税を課するものですから、——多分要綱の十のことをおつしやつておられるのではないかと思いますが、それなら繊維品に消費税を課するのですから、何もかわりありません。

内藤友明改進党

○内藤委員 それでは税の名前は何という名前ですか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 法律は奢侈繊維品の課税に関する法律でありますが、中身は繊維品消費税でよかろうと思います。

内藤友明改進党

○内藤委員 えらい上手にごまかされましたが……(小笠原国務大臣「いやいや、ごまかさない」と呼ぶ)それでなるほど間違つたところは訂正するのだというふうなお話でありますが、たとえて申しますると、販売価格の百分の十というのが百分の十五となつておる。これは誤謬訂正で行かれると思うのですが、これは大臣何とおつしやろうとも、ここにお出しになつておるのと、あなたが今お出しになつたのとは全然違つたものである。その全然違つたものをごまかしてやろうとなさるのですか。どうも合点が行きませんので、もう一ぺん念のためにごまかすのかごまかさないのか。ごまかして行くのだというならわかりますが、そこをひとつ……。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 お配りしてあるものは参考でありまして、議案でないことは、これは内藤さん御承知の通りです。参考ですよ、あなた方へお配りしてあるのは。議案としては今度あらためて出すのですから、何らごまかすものではないと思います。

内藤友明改進党

○内藤委員 予算は、こういうものを基礎に置いてお出しになつたのじやありませんか。いつも内容をぐるぐるおかえになつてよいのでありますか、そういう妙な予算でありますか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 予算の方も繊維品消費税でいいのであつて、計数その他のことは最初から参考にお配りしておるのであつて、議案が出たときに初めて確定するわけです。従つて何ら中の数字にかわりはないのでありますから、予算としては影響がない。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 関連して。われわれの予算及び議案審査の必要として政府が提出しております大蔵省主計局の租税及び印紙収入の予算説明書というものは、いいかげんなものですか。(「未定稿と書いてある」と呼ぶ者あり)未定稿であろうと何であろうと、少くとも国会の議案を審査するに必要な参考資料として、予算説明の必要からこれを出しているのでしよう。その説明の中に、第10に「小売業者が販売する高級の織物、メリヤス、レース及びこれらの製品に対して、新たに繊維品消費税を課するものとする。」ということが明確にここにうたわれておるじやありませんか。これと今あなたが説明したのとは全然意味が違う。だからこの説明を全然書きかえるというのですか。これはこれでいいというのですか。それを内藤君は追究しているのです。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 内藤さんにお答えしているのは、議案としてはこういう繊維品消費税でお出しする、但し法律の名前は奢侈繊維品の課税に関する法律というので、奢侈繊維品に対して繊維品消費税を課するということをお出しすると言つている。この点はかわりはない。あなたにお配りしているのは参考で、しかも未定稿で、ちやんと最初に断り書がしてある。一番初めを読んでください。「計数その他訂正を要する箇所もあることを了承されたい。」と、最初から訂正することを予想しておるのであつて、これは完璧なものではない。それは未定稿でなくて確定案として出します。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 それなら率直に訂正すると言えばいい。あなたが今内藤君へ説明しました奢侈繊維税というものと、これに書いてあるものとは内容が違うのです。内容が違うから内藤君は質問をしておる。(3)を読んでください。「小売業者から徴収するものとする。」ということがはつきり書いてあるではありませんか。今度の政府の案ではそうじやありませんですか。あなたの方では、これは未定稿ではなはだ不行届きであるから、説明として穏当を欠く、だから新しい説明書を別につくります、名前は繊維品消費税でいいなら繊維品消費税で、この名前が違うならかえなければいかぬ、率直に間違うたら間違うたと言うたらいい。なぜ言わぬのや。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 実に率直に申し上げておる。内藤さんは予算を組みかえるかということを言われたから、予算は組みかえませんと最初から言つておる。それならこの名前はどうかと言われたから、出す名前は、奢侈繊維品の課税に関する法律として出すが、その奢侈繊維品に対して繊維品消費税を課するとしてあるから、何もかわりはない。但し今のように、ここの中の説明の文句をかえたらいいじやないかと言われるが、説明の文句はかえますよ。だからこれは今のあなたの言葉で言えば、訂正を要する箇所ですから、訂正をいたします。

内藤友明改進党

○内藤委員 大臣はえらくあわてておられるものだから、私の話を十分に聞かない先に結論を出されるから、こういうことになるのですが、私があなたにお聞きしたことと、ここにお出しになつているのと大分違うのであります。実はそれはまだ法律が出て来ないことでありますから、私はよく事情を存じないわけです。今聞いてみると、どうも今まで主税局長から何回となしにお聞きしておつたのとは非常に違つて来た。それならば、まず予算を組みかえなさるのですかということを尋ねたら、組みかえなさらぬという話なんです。それじやどういうことになさるのですか、こういうことをだんだん聞いて行こうとした。井上君が今言われるように、なるほどこれは未定稿と書いてあります。ここにはちやんと括弧で書いてあります。だからそれは承知しております。何も未定稿という文字が読めない男でもない、読めます。だからこれを訂正なさるのかどうか。正しいものをお出し願わなければわれわれは審議できない。だから大臣は、それをお話なさる先に、今ここに出ておるが、きようの閣議できまつてきよう提案するのだから、この説明をそれととりかえるというようになぜ親切におつしやらないのですか。それをあなたがほおかむりしてごまかして行こうという態度が見えるものだから、それはいかぬじやないかと言うのです。そういうことをなさるものたから、この世の中がごまかそう、ごまかそうということばかりはやつて来て、まことにおもしろくない。大臣みずからそういう態度じやないか、それがいけないと言うのです。だからそれを私はお尋ねしておるのです。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 法案として出す、これほどはつきりするものはありません。何らごまかすものでないことは明瞭であります。ごまかすということは、ないしよで物事を運ぶということであります。訂正するものは訂正するし、法案も出す、出さないうちから出さないものについてかれこれ議論をされても——ここに出て来たものについて、これをきよう出しますと言つておるのですから、どこにごまかしがあるのか。あなたはごまかしという言葉の正当な用法を誤つておるのじやないかと思います。

内藤友明改進党

○内藤委員 そんなことで議論したくもありませんが、先ほどからのあなたのお話を聞いておりますと、私どもが今まで主税局長からお聞きしておつたその内容とは大分かわつて来たことを実は初めて知つたのです。しかもその内容の法律案をきようお出しなさるというのでありますから、今井上君が言われたように、この説明をお直しなさるのか、こういうことなんです。それをほおかむりして、何だ、お前たちは未定稿というのを知らぬのかなんていうようなことで、あなたが食つてかかるような態度であるから、そういうごまかしのやり方はいけないじやないかということを申し上げておるわけであります。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 これははつきり申し上げておる通り、未定稿であるから、そして訂正することがあるから了承されたいと書いてあるから、それで今度は中身を多少訂正いたしますと申し上げておる。これは訂正いたしますとはつきり申し上げておるわけであります。何もごまかして行こうなどということはどこにも言つていはしません。のみならず、政府委員に聞いても、今までこういうことについて説明申し上げたことはないそうですよ。

内藤友明改進党

○内藤委員 いや渡辺さんから聞きました。速記録を調べます。もしそうおおつしやるならば、あとでまた申し上げましよう。それから訂正しますという言葉は、今あなたが初めておつしやつた言葉だ。さつきはなかつた言葉だ。それを私は聞きたかつた。それがあれば、何もこんな大きな声をお互いに出す必要もないのだ。だから率直に、いろいろな事情があつてこうなつて来たのだ、糸屋さんに行つたが反対を食つたから今度は織屋に行つた、織屋も抵抗があつたから小売屋に行つた、小売屋へ行つたがまた反対したから問屋に行つたが、どうにもしかたがない、ぐらぐらしたことになつて、今日ようやく一つ残つた法律をきめた、これは訂正もしてやるからひとつ十分審議をしてくれ、こういうような率直なお話合いならば、こつちも率直に御協力を申し上げ、審議もしようという腹なんでありますが、何かあなただけが一人いい気になられたようだつたから、実は私どもあまりいい感じじやない。きようは久しぶりであなたのお顔を見たから、ついぐちが出たのでありまして、先ほど申しましたように、九千九百九十五億の予算の中で七千七百億が税金なのでありまして、しかも十一の法律の中で十まで改正しようというのですから、これはなかなか重要な問題なんであります。予算委員会も重要か存じませんが、この方がむしろ私は重要だと思う。予算委員会はあれは汚職をやつておればいいんだ。あれはおそらくあなたのところには関係ないのでしよう。ここでまじめに、この税金をどうするか、こうするかということをやらなければいかぬ。だからひとつ、きよう、あすここの委員会にお出まし願いたいと思う。私はそのことをまずお尋ねしたかつたのです。あとは同僚委員にお譲りいたします。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 内藤さんにお答えしておきますが、実は私は最初了承されたいと言つたものだから、訂正するということは当然含まれておると思つて申し上げたのですが、あるいははなはだ言葉が足らなかつたかもしれません。従つて私は、この内容については訂正いたしますから、どうぞ御協力をお願いいたします。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 春日君。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 本年度の税収入、特に所得税の収入、これが予算には二千八百五十億でありましたか、見込まれてありますけれども、これは例年の例によりますと、二十七年度においては百九十六億八千百万円の補正をして、結局実収は当初予算に比べて二百九十五億の自然増収を見ております。さらに本二十八年度においては、このほど二百六十三億六千二百万円、これだけの補正をいたしておるところであります。そこでお伺いをいたしたいことは、本年度はこの当初予算額に比べて一体どの程度の自然増収がありと見ておられるか、あるいはないものと見ておられるか。例年相当額の自然増収を見て来たのであるが、もしも本年度において自然増収は断じてない、こういうことであるならば、その本年度における特別の理由について大臣の御見解を伺つておきたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 本年度は、私どもきちんとこの通りの数字だとは申しません。多少の出入りはございましようが、多くの自然増収を私どもは期待いたしておりません。と申しまするのは、御承知のように本年は緊縮予算であり、金融も引締め、財政投融資も減ずる、こういういろいろな措置をとつておるのでありまして、従つてよく一部で、これじやデフレになるじやないかと言つて、かれこれデフレについての御意見が出るのもその点であります。従つてそういうときに自然増収を見ることは穏当でない、こういうふうに考えておりますので、本年としては、最後に行かなければ結末はわかりませんが、ただいまのところ自然増収を見込んでおりません。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 そういたしますと、これは一昨日もちよつと主税局長にお伺いして明らかになりませんでしたが、あなたの方で選任された税制調査会の答申によりますと、大体所得税だけにおける税収見積りと、今度あなたの方で提出された予算の見積額との間に、すでに百億の開きがあるわけであります。この両権威がそれぞれ慎重審議の結果出されたところですら、すでに百億という大きな開きがあります。しかも例年の徴税実績というものは、当初予算額に比して必ず二百億ないし三百億の自然増収を所得税だけで見ておる。ところがタバコの益金その他間接税等を含めて、相当の自然増収があり得るわけであるが、本年度だけは、特にデフレの傾向があるから自然増収は期待できないということについては、私どもはそのままこれを了承することはまことに困難であります。ただ単に抽象的な、デフレが来るかもしれないので、まあないものと見るのが至当であるという理由では、なかなか理解ができないのであります。これが特に重大な条件となつて来ることは、先般来大蔵大臣並びに総理大臣の、本年度は補正予算を断じて組まないというあの本会議宣言等によりまして、今後自然増収があつた場合、その財源の使い道というものはまずないと見なければならぬ。そうだといたしまするならば、現にこの税制調査会の答申するところとも、すでにこの所得税だけでまず百億以上のものが違つておるのだから、税全体を通じ、さらに官業、専売益金等を通じて、相当の自然増収があるであろうとわれわれは考えるのだが、ありとすれば、補正予算を組まない立場において相当の余裕財源を生じて来るので、そこでお伺いしたいことは、特にここに問題となつておる新税として創設される繊維消費税、これの八十五億程度の自然増収は必ずやあり得るであろう。ありとするならば、政府はこの際一般の税収入にずつと広く検討を加えて、国民の全般的な反対に抗してああいう新税をつくる必要はあるいはないのではないか。あるいは一般税制、さらに一般会計等をよく検討して、この一兆億の予算というものの中において、八十五億の財源操作をすることを政府が努力されることが至当であるとわれわれは考えておるのでありまするが、かりに自然増収がなければ、大蔵大臣の見通しがあやまたないのでありまするけれども、もしあつた場合には、補正予算を組まなければこの金の使い道がない。そうして一方においては、この繊維消費税をかけて、国民の熱烈なる反対に抗してこの税金を取上げる、こういうことに対して相当の政治責任を感じなければならないものであると思うが、これに対して大蔵大臣はいかなる見通しであるか、またそういうようなことが結果となつて現われた場合に、どういうような政治責任をとられるものであるか、この機会にひとつ明確に御答弁を願つておきたいと思います。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 税制調査会の時分とその後の情勢かかわつたことは、春日さんよく御承知の通りであります。税制調査会を開いた当時は、まだ緊縮予算を編成するということになつておらなかつたときであつて、従つてああいうふうなその時分の税収見積りと若干の差を生ずるのは、私は当然たと思うのであります。今度のごとき緊縮予算を組んで、さつきもちよつと申し上げたように、国の支出も減すが、財政投融資なども減す。そうして標準を五分ないし一割の物価の引下げに置いて諸般の金融引締め政策、その他財政、金融、為替と一体的な総合施策を進めて参るときでありまするから、自然増収等を税制調査会当時は見込んであつても、今日は見込まないのが正しいやり方である、こういうふうに私は考えておるのであります。従いまして今日私どもは、一面から見ればそういうふうに自然増収に対する見方をいたしておりまするし、他面さればといつて、今日日本の低額所得者の税の負担が相当過重であることは、これはあなた方もよく御承知の通りでありまして、常に低額所得者の税軽減ということが叫ばれておる。従つて低額所得者等に対する税の軽減の——そのほか各般のものもありますが、措置をとります。所得税で申せば、主として低額所得者に対する税の軽減でありますが、そういうことをやるのには、他方にこれに伴う財源がなければいかぬ。従いまして国の中でも、今日日本の国民がもう少し合理化された生活をして、そうして奢侈品のごときものを抑制して行くということは当然のことなんでありまして、その見地から、繊維品中奢侈品に対して課税をするということは、私は政策としてとるべきものである、かように考えておるのであります。従いまして酒につきましても、ごく高級な酒について課税をしておる、あるいはタバコにしても、ピースだけは値上げをする、こういうような方針でようやく低額所得者に対する減税を行い得のである。減税を行うために行つておる措置でありまして、自然増収に期待してものをやるというわけには参りません。やはり国の政策としては、今日あなた方も低額所得者に対する減税をしろということを絶えず御要求になつておる。そうでしよう。一番多い時分に比べれば、千三百万人からあつた低額所得の納税者が、今は千万人くらいになつておりますが、かりに今度のこの低額所得者に対する税法をやらんとすると、百二十万人ほどこの点で違つて参ります。現在の制度のままでも五十万人ほど違つて来るのでありまして、私はこれはあなた方の平素の主張にもまことに合うゆえんであると思つておりますが、どういう点でそこを御反対になるのでございましようかね。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 そう言われても困りますが、あなたの方は、今度の税制改革によつて、低額所得者、給与所得者に対して減税を行つておる、減税を行つておると言つておられるのだけれども、これはただ単に数字のあやである。現実には二十八年度の当初予算が二千六百五十億、それから二十九年度の当初予算が二千八百七十六億、二百三十億の実際額は、しよせんは低額所得者が所得税の面においてだけ増徴されておる。従つてあなたの方は今まで通りの税制で行くならば、五百億以上の増徴になるのだが、しかし今度かくのごとくに減税を行つたから、二百三十億の増徴にとどめ得たというのではあるけれども、昨年度よりも二百三十億の現金実額をその負担に加えるということは、いなみがたい事実であります。年々歳々低額所得者の負担する実額はふえておるということを、ひとつ御銘記願わなければならぬ。ところが所得がふえたのだからふえるのはあたりまえだと思われるであろうけれども、これは明らかに生活コストが高まつておるからこそ給与所得がふえておる。さらに本年度においては、今大臣が説明なさつた通り、あらゆる要素がデフレ傾向に向いて、貿易は行き詰まつておる。こういう状態で所得が減つておるのである。減るかもしれない。生活はさらに苦しくなるかもしれない。さらに電力料金等も上つて来るであろう。そういう状況において、なおかつ二百三十億だけをその所得税対象の庶民大衆が負担しなければならぬということは、あなた方が口に減税したしたと言つておられるけれども、表はちつとも減つていない。ほんとうの減税ということは、去年が二千六百五十億ならば、ことしはそれより何がしか減るということであるならば、それは減税であるかもしれないけれども、ただ税法上そういうような措置をなすつたところで、現場において、あなた方の所得は本年度の基準はこれこれという水増し課税が行われておるならば、その辺の操作は闊達自由に行われると思うのであつて、この予算に示されたところの実額が、ほんとうに大衆の負担実額になるということを十分御銘記願いたいと思う。そこで私が申し述べたいことは、一般間接税においては、砂糖から、タバコから、酒から、その他いろいろ間接収入におきましてもやはり三百億近いところの増収になつて来ておる。そうして所得税においても増税が行われておる。そうすると、あなたの方はとにかく減税だ、減税のための税制改革だと言つておるけれども、この点に繊維消費税を加えて、相当の国民負担を加えるところの税制改革になつておる。私は今あなたの御答弁によつてなお合点が行かなかつたのだが、お伺いしておるところの質問の骨子は、自然増収が今まであつたのだが、あるいはあるかもしれない、少くとも一兆円の予算規模の中においては、八十五億程度のこの繊維税に比するところの財源操作は、自然増収やその他いろいろのものを見込んであるいはできるかもしれないが、そこでそういう操作のできるように大臣は努力をなさるべきではないかというこの主張である。すなわちこの繊維消費税のいろいろの径路は、申し上げるまでもなく、最初は原糸、原糸からはね出されて小売、小売から織元、機屋、中間問屋、こういういろいろのややこしい径路をたどつて来たのであるが、こういうような法律案は出さないで、この八十五億の財源はそういうような方向へ求められてはどうであろうか、さらには本年補正予算はお組みにならないということを大臣がおつしやつておるのだから、ならば、新しい支出を伴うことは今後起きて来ないので、従つてこの予算措置の中において、この繊維消費税を提案しない、こういう立場においてさらに重ねらるべき努力の方向があろうということをわれわれは指摘して、大臣の答弁を求めておる、これについて重ねて大臣の所見を承りたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 最初に申し上げておきますが、あなたの方の減税というのは、昨年度よりも税金を減さなければいかぬ、それが初めて減税だというふうに仰せになるようでありますが、春日さん御承知のように、ベース・アツプをやるとかなんとかいたしますれば、給与が上つて来る。収入のふえた者が税をよけい払うのは当然のことで、さればこそ一年に二十万円の所得者と五十万円の所得者とは税率が違うのです。それを私どもが今申し上げた通り、来年今のままで行けば五十万人、それから新しい税法で行けば百二十万人はすでに無税になる、これが減税でなくて、ほかに減税がありましようか。こういうことになつておる。これが増税だ、所得税でも増税を行つておる、どこがそういう増税であるか。百二十万人の人は税を払わぬで済む、それが増税であるということは、どうも少し何か特別の意図をもつておつしやる以外には、私は解することができません。  それからその次に、今仰せになりました自然増収を目当にしてやつたらいいじやないか。自然増収を期待しないことは先ほども申した通り、やはり財政というものは、きちんとした均衡財政をやるときには、あるかもしれぬというようなものを期待してやることはよくない。従つて確実なる財源をもつてやつて行く、こういうことが一つの財政方針でなければならぬと思います。それからまた、それでは別にこれを見ないで全部やめてしまえとおつしやるならば、これは予算の組みかえをしなければなりません。さようなことは今日できません。ですから、この辺はやはりもう少しよく御了承を願いたいと私は思う。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 この減税を減税だ減税だと言われて、実はこれがそうでないと言うことはおかしいように言つておられるが、ただ問題は、ベース・アツプが行われたから、それだけの収入がふえたのだから、それだけ負担することは当然だとおつしやるのだけれども、これはただ漫然とベース・アツプが行われるのじやない。それだけ生活コストが上つておるから、それだけ——それだけの税金が加わつておるのです。さらに本年度は、いろいろの生活のコストが加わるような要素が充満しておる。それはいろいろ間接税において税金も上つて来るであろうし、電力料も上るであろうし、あるいはまた消費米価等も上つて来る。そこで私の申し上げたいことは、こういうような状況下にあるのだから、従つて真に政府が減税の実をあげようと思うならば、少くともこの税制調査会が答申しておる線、すなわち基礎控除において調査会は八万円控除しろ、あるいは給与所得者の給与控除については七万五千円控除しろ、そうでなければ、この生活費の上つておる現実において、生活費に課税するという形になるので、これはすでにその負担の限界を越えたものであるということは、あなたが委嘱した税制調査会がみずからあなたに答申しておる。従つて扶養控除、基礎控除、給与所得者に対する給与所得控除が調査会の答申の、ごとくに処理されて、そうして二十四万円までの場合が無税になつておるというようなことならば、われわれはなおそれでも十分ではないけれども、これは減税の方向へと政府の改正が行われておる、こういうぐあいに了承することはあるいはできるかもしれないが、あなたの方はみずから委嘱したところの調査会の答申書、この答申するところの基礎控除の八万円もこれを七万円に押えておる。あるいは給与所得は七万五千円を控除しろという答申に対して、これを現行通りに押えておる。こういうことでは、一方に生活費が上つておるから、そういう状況下においてさらに二百三十億円余分にこの予算を見るということは、現実にそれらの庶民大衆にその二百三十億の額だけの負担を加重するものであると言うことは、ちつともおかしくないと思う。ただ私どもが、あなたの税務署員がその前線おいていろいろと課税する場合において、あなたの所得は昨年度は三十万だつたが、今年はいろいろ調査の結果五十万だ、もしも文句があるならば家宅捜索をして調べるぞとかいつて、昨年三十万の人は五十万、五十万の人は七十万と毎年々々水増し課税がされておる、こういうような自然増収を年々二百何十億見ておる。だから、とろうと思えばどういうぐあいにでもとれて行くような徴税機構とこの税制、この二つのものの関連において、現実の問題として二百何十億がとられようとしておる、これを現実の重税課税と私は指摘しておる。ちつとも私はおかしいとは思いません。そういう意味において、問題をもとにもどすが、八十五億程度の財源は今まであつたことなのだし、これは単に繊維業者ばかりでなく、国民大衆あらゆる階層の大きな関心の焦点となつておる。こんなものは、もう補正を組まないならば、その点は何とかなろうと思うので、繊維消費税などはまだ提出になつておらないが、すでに大蔵委員会等においてもそういう税金を課するべきではないという決議も提出されて——これの採決はペンデイングになつておりますけれども、そういうことを御了承願つて、善処を要望しておきます。  なお時間がありませんので、私の質問はこれで終りますが、要するに自然増収があるということは通年の例であります。今年は補正が組まれないのだから、その増収の使い道はないであろう、そうすれば繊維消費税を廃止してもちつとも変ではない、財政のやり繰りができないというわけはない。前年あつたことが本年ないということはないという前提を尊重するという立場に立つてわれわれはこういう主張を申し上げておるのであるから、十分御検討を願いたいと思います。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 井上君。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 予算委員会から大臣を呼んでおるそうですから、重要な点について二、三承つておきたいと思います。それは昨日も私伺いましたが、問題は政府の財政規模を考えます場合は、一体わが国の財政経済の見通しがどうなるか、そしてその場合国民所得がどうなるか、その上に立つて、国民の担税能力というものはどの程度が限度であるか、そこで年間の国の財政収入を見通しまして、その上でその財政支出の面を検討すべきではないかと思います。ところが本年の予算の編成を見ておりますと、昨年は一兆億を越したのだから、今年は一兆億以下に歳出は圧縮する、こういう一つの建前から立てられており、それの大きな目的は国際収支の均衡をはかる。そのためにどうしても国内の予算を大幅に緊縮しなければいかぬ、そういう建前から予算が編成されて来ておる。われわれは政府の政策の現実から、わが国の財政経済が一体ここ一年間にどうなるかという見通しを国民に明確に知らしめる必要があると思う。たとえて申しますと、一兆億以下に予算を圧縮しました場合、それがわが国の産業経済、国民生活にどう影響して行くか、また盛んに金融引締めを政府は言うておりますが、金融を引締めた場合のわが国産業界、国民生活に及ぼす影響はどうなるか、さらにまた輸入を抑制するが、抑制した場合どうなつて行くかというような諸般の経済現象、財政現象を国民に知らしめて、その上に国民所得は今年はどう移行して行く、そうなると国の財政収入はどうなる、だから年間国の財政収入はこれだけしかとれないのだ、だから歳出はこの限度で押えて行く、こういう建前が私はほんとうではないかと思う。ところが政府の緊縮予算を、今年は一兆億を下まわつた予算を組んだということを鬼の首でもとつたように言うておりますが、それが国民生活にどう影響するのか、あるいはまた金融引締めを日銀をして盛んにやらそうとしておりますが、その結果どういう影響を産業界に与えるか、それがまた国民生活にどう影響して来るかということについては、一向説明をしません。そうなるなると、本年の国民所得に対して、政府は一体どうお考えになつておりますか。未定稿というので、どこまで信用してよいかわからないが、この説明書では、大体昨年より三百億だけ国民所得はふえるであろう、こういう推定の上にこの予算が組まれておるようである。この三百億ふえるという根拠は一体どこにあるのですか。あなたの方の財政説明によると、国民に非常に大きな耐乏を要求し、あらゆる角度から緊縮を要求しておる。すでにそのことはあらゆる産業界に現われて、至るところで商品は滞貨し、取引は停止の状態にある。そして株価は依然として軟調を続けておる。そういう見通しの上に立つて、昨年よりも国民所得はふえるという根拠は一体どこにあるのですか。それからまず御説明を願いたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 国民所得の計算の基礎については、これは経済審議庁でやつておるのでありまして、私どもはその報告に基いて、二十九年の国民所得をば五兆九千八百億、こういうふうに見ておるのであります。昨年より三百億ふえております。ただよく言われるのは、あなたは昨年の国会で、よく六兆二千億と見て計算をしておつたじやないかと言われるのでございますが、これは当時は六兆二千億と見られたのであります。しかしさつき内藤さんの御質問のときに答えた通り、その後の情勢の変化もあり、緊縮予算を組んでおるので、従つてその後経審で調査したところが五兆九千八百億、こういう数字が出て参つたので、これを根拠にやつておる次第であります。  その次に緊縮予算の企図しておることはどういうことかという点でありますが、緊縮予算の企図するところは、もちろん昭和二十五年、二十六年、二十七年といわゆる国際的に相当額の受取り勘定があつたものが、二十八年から悪化して参つて、昨年の暮れだけでもう一億九千四百万ドルという支払い超過になつておる。特に一月などは約九千万ドル近い外貨の支払い超過になつておる次第で、こういう情勢が続くということは日本の根本を誤まるから、従つて国際収支の均衡を得なければならぬ。それには日本の品物がやはりある程度国際競争力を持つために、まず二十九年度において五分ないし一割の値下げを目標としてこれをやつておるのであります。従いまして緊縮予算はただ一つの方法でありまして、緊縮予算のみでそういうことは目的を達し得るものではない。従つて金融の引締めによつて、たとえば輸入に対する金融の引締めも特に必要であり、あるいは思惑等による金融などに対する取締りも非常に必要であり、またよくいわれておるオーバー・ローン等に依存しておる状態をできるだけ早く改善したい。従つて金融引締めの強化は当然のことである。また外貨予算は、大蔵省が関係省と相談はいたしまするが、直接関与していますので、外貨予算の編成についても、そういうことをよく織り込んで、たとえば不要不急の、あるいは入れないで済むようなものについてはなるべく入れないようにする。こういう処置をとる。あるいはまた税制面におきましても、輸出増進に役立つように、あるいは資本の蓄積に役立つような税制措置をとつて参る。こういうふうに各般の措置を講ずることによつて、その目的を達して行こうとするのでありまして、帰するところは、日本の経済基調をば、国際経済基調と同じところに持つて行きたい。これが主眼であります。従いまして、ある程度あなたが仰せになつたように、それは国民の——私は生活の耐乏ということは言わないのです。私は生活の合理化ということを言つておるのです。今の生活は決して合理的ではありません。これはどうしてももう少しむだを省いて、もう少し合理的な生活をみながして行く。そしてこの目的を達するようにしたいというのが私の念願なんです。そういうことをこういうことで果して行きたい、こう考えておる次第でありまして、多少の影響は、こういう緊縮予算を初め、各種の政策から見まして、物価が上るときと違つて、下げて参る方針でありまするから、これは多少とも影響あることは免れませんが、これは忍んでもらわなければ、とうてい日本の経済を国際基調に持つて参ることはむずかしい。従つて私は本年をもつて足れりとしません。今御承知のごとく、日本の物価は大体三割ほど高い。三割まで下げなくとも、これは距離の問題があつたり、あるいは市場の問題があつたりしますから、もう少し早く目的を達すると思いますが、やはり、ある程度物価の引下げが必要なんで、引続き同じ政策を少くともやはり三十年度でもとつて参らなければなるまい、かように考えておる次第であります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 国際経済へわが国の経済をさや寄せして行く。そうして太刀打ちできる経済に立て直すという方向にわれわれは一向反対しておるのではない。それは私どもも日本の経済の再建の上から考える場合には、やはり必至の問題であります。そのことが一体わが国の国民生活と産業にどう影響して来るか、その結果、国民の担税能力に一体どういう影響をもたらして来るかということが、この税制をわれわれが扱う場合に一番問題にしなければならぬ核心であろうと考えております。私の聞いておるのは、そういう諸般の政策を推し進めることによつて、わが国の産業がどうなつて行き、それがまた国民所得の上にどう一体影響をもたらして来、その結果税収入にどう影響して来るか、ここを私は聞いておる。その元になつておる国民所得が三百億ふえるというが、そういうような諸般の政策を推し進めることによつて、三百億ふえるという根拠は一体どこにあるのか。この国民所得が三百億ふえて、五兆九千八百億の予想を立てられて、この予算は組まれておるのですから、そうしますと、そういう諸般の政策を推し進めることによつて、一層中小企業を初め、全般の勤労大衆には大きな負担がかかつて来やせぬか。その場合に国民全体の所得というものは、相当重圧が加えられ、かつその結果は、税収の上においても非常な困難を来しはせぬかという、そこが実は国の財政収入の大きな要素を占めておる税収についてわれわれが見なければならぬ一番重要なところではないかと私は考えておりますから、そういう点であなたの御所見を伺つている。だから私は、あなたがやろうとする諸般の政策は大いに推進してやつてもらわなければならぬし、またやるべきであろうと思いますが、ただここで一つ、たとえば外貨予算において、できるだけ輸入を抑圧して輸出を増進しようという政府の政策を推し進めるためには、そのためにいたずらに物が偏在をし、いたずらにそのために物が暴騰して、せつかく抑圧しようとしたやつまでまたゆるめなければならぬという現実を、すでに数回いろいろな物質において繰返しておる事実をわれわれは見せつけられております。そういう状態で、ほんとうにやろうとする努力はわれわれは大いに敬意を表するのでありますけれども、同時にそれがどういう影響を実際に与えて来るかということについて、国民にもつと親切に説明すべきであろうと思います。その結果、税はこれだけは必ずとれるという説明がなければ問題にならぬじやないですか。そこを私は聞こうとしておるのです。もう一度、簡単でいいですから御答弁を願いたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 国民所得の基礎については、これは経審によるものでありますから、どういう数字でどうこうということは、あとで経審の方から御答弁を申し上げることにいたします。  しからば、これが産業方面にどういう影響があるかと申しますと、これは私どもは大体昭和九—十一年の数字を百と見まして、まあ百五十二、三のところが続いて行くだろう。つまり同じ横ばいの状況が続いて行くだろうということは、これは経審長官が発表しておる通りでありまして、大体現在のところは、この一月、二月になつても、減つてはおりませんが、産業活動の状態はほぼ同じことが続いて行くのではないかと私どもは見ております。  それから税収入の点ですが、税収入の点は、さつきあなたのお隣の春日さんはむしろ反対のことを言つておられて、もつと自然増収がうんとあるじやないかということを繰返し言われたくらいで、これは見積りですからしかたがないのですが、手がたく見てこの程度の税収は確保し得るものと見ております。  それからさらに国民生活の面についてでありますが、御承知のごとく私どもは五分ないし一割の物価の値下りを考えており、それに対して諸般の政策を進めて参るのでありますから、従つてその実質の賃金はふえて参る、実質の所得はふえて参るというふうに見ておるのであります。しかし多少ともデフレ的な効果が現われる面においては、これは多少失業等の者も出るかと考えまして、先般五%だけは、いわゆる社会保障費等においても、昨年よりも増額いたしておる次第であります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 もう一点だけで終ります。大蔵大臣は財政経済の見通しを非常に楽観しておるようでございますけれども、われわれは、たとえば大蔵省が今度外貨を目当てにして一応のオーバー・ローンの解消をやろうとすることにさえ、銀行業者が足踏みをしておる現状を、一体大蔵大臣はどうお考えになるか。それほどに経済界には大きな影響をもたらす問題が至るところに内在し、矛盾が潜在しております。だから私は、そう簡単にわが国の経済の今後を見通すわけにはいかぬと見ております。また、あなたは一般勤労大衆の実質賃金が上昇するとお考えになつておるようでありますが、われわれはさようにはなかなか簡単に考えられません。だから私どもは、あくまで税負担はできるだけこれを軽減して行く。そうして最小限の段階においてこの検討を加えまして、税収入をはかつて、そこで歳出を押えて行く。そのためにはどうしても不要不急の財政支出をできるだけ圧縮して行く非常手段を講じなければならぬと考える。そういう面で、政府は国が今まで行うております補助金その他に対しても相当の手心を加えようという法案を本委員会に対して近く提案しようという腹があるようでございます。この問題に関連して、問題になつております外航船舶の利子補給の問題でございますが、この問題が本日の新聞によりますと、かくのごとき外航船舶利子補給、損失補償をめぐつて、国会は一体この問題をどう善処するかということで、与野党とも実はこの問題の取扱いについて真剣な討議を続けておる最中であります。しかもこの問題は、疑獄という問題をはらんでおつて、下手な取扱いをすれば国民から非常な疑惑をこうむることになりますので、これに対する快明なる解答を国民は要求しておる。そういうやさきにおいて、政府は大蔵当局と運輸当局と相談の上で、二十八年度六億七千六百万円の利子補給を近く契約するということが本日の新聞に報道されておる。一体これはどういうことです。昨年八月十五日から九月三十日までの分六億七千六百万円を、この三月末までの間にあなたの方の当局と運輸当局との間で相談をして契約を完了するということを報道しておる。またその内容を調べてみると、この二十八年度十月以降から二十九年度分を合せますと、全体でもつて百八十八億の多額に上る利子補給と損失補償がされるようであります。かくのごとき厖大な利子補給及び損失補償を含む問題を中心にして、国会は大きくゆれ、内閣の運命まで議論がされておる今日であります。さような問題がまだ明確に解明もされておらず、国民をして納得さす結論がついていないときに、それが短期間の利子補給であろうとも、その契約を締結するということは、妥当な政治的態度とお思いになりますか。これは実に国民をばかにした、国会をばかにしたやり方でないかと考えますが、その所管の、利子補給に対する国庫の負担を責任を持つておる大蔵大臣として、何とそれをお考えになりますか。少くともこの問題が解決するまで、この契約は当分延期すべきであろうと思いますが、延期する意思がありますか、それとも契約は法律に基いてやろうとするのでありますか。しかもこの中に、こういうことが書いてある。海運監査室の調査によつて、リベートの行為が明確になつたときは、契約船価からリベート分を控除した全額の利子補給を対象とする、こういうばかなことが書かれておるのですよ。一応リベートがはつきりあるという推定の上に立つて、もしリベートを行つた事実があるならば、あとで調べて、その分だけは控除しようというようなことが一つの契約の行為において考えられております。こういうばかなことが許されますか。われわれの血税ですぞ。あなたも御存じの通り、わずか月六千円か七千円の収入しかない者でさえ税金をとられておりますぞ。その金がかくのごとき方面にやすやすと使われるというようなことになつて、われわれは黙つて見ておられません。しかもこれが疑獄となつて、大きな問題をはらんでおり、非常な国民の疑惑を包んでおるときでありまして、この問題はそう長くかかるわけじやありませんから、二十八年度の契約が今まで遅れておりますならば、この問題が一応明らかになるまでこの契約は延ばすべきであろうと考えますが、大蔵大臣はどうお考えになりますか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 国会の決定によつてきまつた法律に基いて、これを処理する以外にないと存じます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 かりに国会の決定によつて法律案が成立し、法律となつて現われて、その施行が政府の責任においてやることになつておりましても、その施行をめぐつて問題が巻き起つておるのであります。しかもそれが正当な利子補給に使われず、上前がはねられておるというような問題があるのです。そういうことがわかつたから、問題になつて来ているのです。その問題をめぐつて、今その問題の正邪の内容を明らかにしておるときでありますから、そういうやさきに、再びまた利子補給の契約をするということが一体正常な政治運営とお考えになりますか。そういうべらぼうなことを国民はあなた方に委託しておりませんよ。国会もまたそういうことは承認できまいと思う。今までお待ちになつたのならば、もうしばらくこの問題が解決してその事態が明らかになるまでは、この契約は当分延ばすというのがほんとうじやありませんか。どういうわけで延ばされませんか。たとえば、これはもちろん問題は違いますけれども、昨年本委員会において、枚方造兵廠の払下げ問題に関連して、この払下げ価格が妥当な価格でないとわれわれは考えるから、一応現地調査が終るまでこの払下げはしばらくお待ちになつたらよかろうと言うた場合、大蔵大臣は、大蔵委員会が正当な調査を完了されるまで、それでは払下げを契約することは待ちましようと、あなたはこういう好意的な御答弁をされて、われわれはその大臣の正しい政治運営に対して、非常に敬意をお払いした。ところが今度はそれと違うのですが、やはりあなたは前に海運会社か造船会社か知らんが、重役になつておつたとかなんとかいうことで、多少まだ株でもお持ちになつておつて、そういうことをやらぬとちよつとぐらい悪いことになつていますか。それははなはだ大蔵大臣としては公正妥当な行政執行とは私は思いませんぞ。どうお考えになりますか。もう一応お伺いしたい。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 私は自分に対しての考え方は一つも持ちません。公に処理します。しかしながら大蔵大臣は法律のもとに処理することを命ぜられておつて、法にそむくことは許されません。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 私は法にそむけとあなたに要求しておるのではない。現実に法の執行の上においてこの問題をめぐつて御承知のように大きな問題になり、検察当局までこの問題に介在しておるときである。しかもあなた方の執行の機関において、現実にリベートを認めておるじやありませんか。もしリベートがあつた場合には、その部分は差引くと言われておるじやありませんか。そういう不確実なそういう不見当なものに対して、やるべき筋合いはないじやありませんか。だからこの際この疑惑が解決するまで——そう長くはかかりません。何も利子補給法をひつ込めよと言うわけではありません。この執行を停止せよと言うわけではありません。契約を延期されてはどうか。そうして国民が納得し、国会もまたなるほどと思うときに、正々堂々とおやりになる方が当然ではないかと言うのです。それをどういうわけでぜひやらなければならぬ理由がありますか。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 法の定ある通りやるのであつて私の私意をもつてどうこういたしません。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 井上さんにお願いしますけれども、予算委員会の方でしきりに来ておりますから、これは大蔵大臣は来週必ず出席してもらうということの条件で、もう一点だけにお願いしたいと思います。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 それでは私はもう一点で打切りますが、この問題は政治的に非常に大きな疑惑を包んだ問題として、今これの結論を出すことに国会も、また検察当局も全力をあげておるときであります。そういうやさきに、かくのごときことを政府が何ゆえに率先してやらなければならぬのか、何か法律に政府がどうしてもやらなければならぬ義務づけがあるのか。今の大臣の御答弁でありますけれども、法律の内容では、契約することができる、こう書いてある。やるべしと命令いたしておりません。だから国会でもそういう意見が出、また世間も疑わしく思うならば、問題が明らかになるまでしばらく契約は待とうというのが、当然あなたの公明政治をやる立場ではありませんか。もう一応あなたの率直なる御答弁を願いたい。  なお委員長に申し上げますが、この問題は大蔵委員会においても非常に重要なる問題でございますので、私は委員会として政府に対して、かくのごとき契約は当分延期すべきであるという申入れをすることの動議を、この際提出いたします。

小笠原三九郎自由党大蔵大臣

○小笠原国務大臣 今の井上さんのお話はよく承つておきます。しかし私はさつき繰返し申しました通り、ここに今法律を持つておりませんが、法の命ずる通りやります。決して私の意向をもつてどうこういたしません。この点ははつきり申し上げておきます。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 ただいま井上君の動議は成立しております。ただいまの井上君からの動議の取扱いにつきましては、委員長並びに理事に御一任を願いたいと思いますが、御異議ございませんが。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 御異議ないようでありますから、さように決定いたします。  今日はこの程度で休憩いたしまして、理事会を開くことにいたします。     午後零時八分休憩      ————◇—————     午後零時四十一分開議

千葉三郎改進党

○千葉委員長 休憩前に引続きまして会議を開きます。先ほどの井上委員の動議につきまして、委員長におきましては、次の通り申入れの案文を作成いたしましたので、これを朗読いたします。  外航船舶の利子補給並びに損失補償に関する契約に就いては、本件に関し種々疑惑が伝えらるる事実に鑑み、政府はその処理に充分慎重を期せられたい。右申入れる。この申入れの案文について、何か御発言はありませんか。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 ただいま委員長より政府申入れの案文について御提議がございましたが、われわれは、この案文に全般的に同意するわけには参りませんので、次のような案文の修正案を提出したいと思います。   外航船舶の利子補給並びに損失補償に関する契約に就ては、本件に関し種々疑惑が伝えらるる事実に鑑み、政府は本件に関する疑惑が明白になるまで本契約の締結はこれを留保されたい。  右申入れる。そういう修正であります。

千葉三郎改進党

○千葉委員長 井上委員より案文について修正の動議が提出せられましたので、まず本修正動議の採決をいたします。本修正動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 起立少数。よつて井上委員の修正動議は否決されました。  次に委員長発議の申入れ案文につき賛成の諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立〕

千葉三郎改進党

○千葉委員長 起立多数。よつて委員長発議の通り決定いたしました。  本日はこの程度で散会いたします。     午後零時四十四分散会

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