大蔵委員会 第4号
- 発言数
- 81 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/02/03
会議録
○千葉委員長 これより会議を開きます。 本日はまず理事辞任補欠選任に関する件についてお諮りをいたします。 それは去る一月二十六日、理事佐藤觀次郎君が委員を辞任されましたので、現在理事が一名欠員となつておりますが、これは委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千葉委員長 御異議ないようでありますから、久保田鶴松君を理事に指名いたします。 なお、本会期の初めに設置いたしました四つの小委員会の小委員及び小委員長の異動に関しましては、すべて委員長に御一任願つておきたいと存じますが、この点御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千葉委員長 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。 —————————————
○千葉委員長 次に、去る一月二十九日付託されました製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案、また二月一日付託されました開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案の両案を一括議題として、政府当局より提案趣旨の説明を聴取いたします。植木政務次官。
○植木政府委員 ただいま議題となりました製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を説明いたします。 この法律案は、日本専売公社の製造にかかるたばこの最高価格を定めております価格表のうち、両切紙巻タバコ・ピースの最高価格を十本当り五円引上げて四十円から四十五円に改定することを内容とするものであります。これは、今次の税制改正に応じまして、直接税の軽減のための財源の一部の確保をはからんとするものでありまして、一部高級酒類の値上げと対応して、高級タバコであるピースの定価を引上げ、これにより、約四十五億円の専売益金の増加を見込んでいるのであります。 次に、開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 開拓者資金融通法により開拓者に対し貸し付ける資金の歳入歳出につきましては、開拓者資金融通特別会計を設けて経理いたしております。この特別会計法におきましては、開拓者に対する貸付金の財源は、同会計の負担による公債の発行または借入金によつて調達することとなつておりますが、従来、この貸付金の財源は、一般会計からの繰入金をもつて充てることとする措置が講じられてきたのであります。 本法案は昭和二十九年度におきましても前年度と同様、開拓者に対する貸付金の財源に充てるため、一般会計からこの会計に十四億八千五百五十六万五千円を限り繰入金をすることができることとしようとするものであります。 なお、この繰入金は、将来、貸付金がこの会計に償還された際に繰入額に相当する金額に達するまでの金額を、予算の定めるところにより、一般会計へ繰りもどさなければならないことといたしております。 以上が、この二法律案の提出の理由であります。 何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
○千葉委員長 ただいま説明を聴取いたしました両法案に関する質疑は、次会に譲ることといたします。 —————————————
○千葉委員長 次に、米国対日援助物資等処理特別会計法等を廃止する法律案、昭和二十八年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入の特例に関する法律の一部を改正する法律案、農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案及び資金運用部特別会計法の一部を改正する法律案の四法案を一括議題として質疑を行います。
○柴田委員 ただいま議題となつております中の対日物資の問題でございますが、対日物資に関しまして、一応詳細な御説明を政府当局から承りたい。私ども今まで知つておる範囲におきましては、対日援助物資の金額も明瞭でなかつたのであります。一説には十六億ドルと称せられ、あるいは二十一億ドルと称せられておる。その二十一億ドルでも十六億ドルでもけつこうでございまするが、その金額がどういう根拠によつてそういう金額になつておるのか。こういう問題についてまず政府当局の詳細な御説明を承らなければ、この問題の論議ができない、こう思うのでありますが、どなたかからでも御説明を承りたいのであります。
○若江説明員 お答え申し上げます。お手元に資料として提出いたしましたものは、二十四年度から現在に至りますまでの援助物資等処理特別会計の収支総計表並びに各年度の表が一つと、それからこの援助物資特別会計が始まりました昭和二十五年度以降のガリオア、イロア物資の受入れ調査表が第二、それから第三に、このたび本法案によりまして特別会計が廃止された場合に、一般会計に帰属すると予定される資産及び負債の表、三つをお手元に配付してございます。 今柴田委員の御質問によりますと、まず援助物資の概略を話せという御趣旨と思いますので申し上げますが、アメリカの対日援助は終戦直後から行われて来たものでありまして、そのおもなものはいわゆるガリオア、イロアの資金で買いつけた物資であります。さてそれの総額がどのくらいに上るかという点でありますが、日本側の資料といたしましては、この援助物資特別会計が貿易特別会計援助物資勘定を引継いでおります関係上、昭和二十四年の四月からあとの分のみしかはつきりした資料がございません。それによりますと、昭和二十四年四月以降のガリオア、イロア物資といたしましては八億四千七百万ドル余り、正確に申し上げますならば八億四千七百二十七万九千九百八十一ドル四十一セント、これは邦貨に換算いたしますと、三千四十一億八千百七十九万八千四百三十七円となります。しかしながら事実は二十四甲四月以前におきましても、ガリオア、イロアによつて物資が入つて来たわけでございまして、この額をどういうふうに私どもとして推定しておるかという点になりますが、日本側の資料としては、全然昭和二十四年三月以前についてはないわけでございます。と申しますのは、それ以前におきましては、外貨勘定はすべて司令部がこれを見ておりまして、日本側はこれを知ることができなかつたのであります。もちろん円建勘定は日本側の方で持つておるのでございますが、それを突き合せることができない。アメリカから入つて来ます物資につきまして、はたしてそれがガリオア、イロア物資であるか、あるいはコマーシヤル——いわゆる商業輸入の物資であるかということも、この資金別育つ言われわれとしてはつかめないわけでございます。そういつた点から、二十四年三月以前のガリオア、イロア物資につきましては、日本側の資料がない次第でありまして、やむを得ずアメリカ側が終戦直後から作成しておりますジヤパニーズ・エコノミツクスタテイステイツクス、日本経済統計という記録がございますが、それによりますと、終戦直後から今日までのアメリカン・エイドといたしまして、二十一億四千十四万五千四百五十二ドルという数字が出ております。しかしながらこのアメリカン・エイドの中にはガリオア、イロア物資の額のみならず、たとえば軍払下げ物資等も含んでおりましてその内容につきましては、相当検討を要すると思われる次第でございますので、われわれとしてもできる限りその作業を目下続けておる次第であります。 なお申し落しましたが、先ほど申しました二十四年四月以降の八億四千七百万ドル余りの数字につきましては、アメリカ側とも話合いがついております。つまり日米間の意見の一致した数字で、これに基いて見返り資金が積み立てられておるわけでございます。
○柴田委員 私ども十六国会だつたと存じておりますが、決算委員会におきましてもこの問題を大きく取上げまして、ガリオア、イロアがはたして日本の債務であるかどうかという問題に対しまして、しばしば論議いたしたのでありますが、その当時大蔵大臣は、徳義上の債務である、こういう御答弁をはつきりとなされておつたはずであります。われわれは徳義上の債務あるいは精神上の債務ということは、当時は日本の実情から申しましても、食糧が非常に不足を来しておつたのでありまして、こういう場合に援助してもらつたのであるから、徳義上においては債務と考えておるのだが、物質上の債務だとは考えていなかつた。しかもこれはアメリカが日本に対する占領政策の一環といたしまして、戦後の虚脱状態に置かれた日本に、軍隊だけのたくさんの人間を持つて来るよりも、物資をもつて日本を平穏に帰せしめようというアメリカの占領政策の一環である、こう心得ておつたのであります。しかも今になつて、これがはたして債務であるかどうかという疑問が出て来るのは、大きな問題だと私どもは考えるのであります。そういう観点からいいましても、しかもただいまの御説明を承りましても、昭和二十四年四月以降であればはつきりしておるが、その前の問題に対しては日本に何らの根拠がない、資料もさらにない、みなアメリカ側が売つてくれた物資だ。それをアメリカの言いなりになつて、いまさらこの国会においてこれを債務と決定するというのは、非常に暴挙もはなはだしいとわれわれは考えざるを得ないのであります。こういう点に関しましてもつとつまびらかに、何でいまさらこれを債務とわれわれは決定しなければならないかという根拠について、もう少し責任のある御答弁を、少くも大蔵大臣、あるいは通産大臣等から承らなければ、この問題の審議を進め得ないと存じまするが、もう一度その根拠について責任のある御答弁を承りたいと思います。
○千葉委員長 いかがですか。ただいまの柴田君の御意見はごもつともと思いますから、この問題は責任ある大臣からひとつ答弁していただくことにしたいと思います。
○山本(勝)委員 予算委員会がずつと続いておるのに、大臣はいつ来るのですか。
○千葉委員長 大臣はなるべく早く出席を求めますが、少くとも予算委員会は十二、十三の両日が公聴会で、大臣が出ないでもよいことになつておりますから、これは当然こちらに来てもらわなければならぬ。ですから、おそくとも十二、十三の両日には出てもらうことにしたいと思います。
○井上委員 ちよつと念のために事務当局に伺つておきますが、ただいま問題になつておりますこの対日援助物資の法案に関連しまして、二十四年四月以前の対日援助については、日本側は全然資料がない。ただアメリカ側の資料に基けば二十一億四千万ドルほどある。こういうことですが、今まで政府といたしましては、このアメリカ側の資料に基く二十一億四千万ドルの対日援助を、日本側の債務だ、こういうふうに一応認めて来たのですか。こつちに資料が全然ないのに、向うさんの言うまま一応二十一億四千万ドルが債務だ。そのうち八億四千万ドルほどが二十四年四月以降において正確にわかつた数字だ。特別会計を設けた以後の数字、つまり二十一億四千万ドルの中からさらに八億四千万ドルを引いたあとの残りというものは全然わからぬ、こういうことですか。
○若江説明員 先ほど申し上げましたことで、ちよつと私の言葉が足りない点がございました。それは日本側に全然資料がないと申しましたのは言い過ぎでございまして、貿易庁時代からのいわゆる輸入受領書、レシーヴ・インポートというものがあるわけであります。それを丹念に拾つてみて、どの程度の物資が入つたかということは、ある程度まで調べ得るのです。ただその物資がいわゆる商業輸入であるか、ガリオア・イロアの援助輸入であるかという、その資金別が一部について明らかにされていないものがある。従つて資料的に不備でありますので、はつきり日本側の、作業として数字がつかめないという意味でございます。なお今の二十一億四千万ドルを債務と心得るのかどうかとおつしやる点でございますが、それは事務当局としては何ともお答えいたしかねます。
○井上委員 貿易庁の持つておる資料による計算で、かりに援助輸入という費目はどのくらいに上つておりますか。それは商業輸入であるか、援助輸入であるかということは、資料によつてもはつきりわかつておるはずです。それが商業輸入の場合は明らかに相手もわかつておるのですが、援助輸入と商業輸入の区別がつかぬということはないと思う。あなたの方の持つておる資料に基いて、その間の期間は一体どのくらいの総額になりますか。
○若江説明員 お尋ねの点、今手元に資料を持つておりませんので、帰りまして調査しました上でお答えいたします。
○井上委員 次に伺いますが、一般会計にあるところの資産及び負債でございますが、この表によりますと、資産としてマニラ麻と医薬品がございます。両方で約二千万円ほどございますが、これは一体どこに、だれが管理して持つておりますか、政府みずから持つておるのでありますか。それとも民間のどこかの会社に委託してありますか、その点を伺いたい。それからこれはいつ処分される御予定でありますか。 それからいま一つ、一未収債権のうちの各費目がずつと出ておりますが、これらはいずれも民間会社その他に売却したものでないかと思いますが、その相手の会社、及びこれはどういうわけで未収債権になつておるか伺いたいと思います。
○若江説明員 第一点の物資の管理でございますが、いずれも政府が直接管理しております。もちろん営業倉庫に委託してあるのでございますが、マニラ麻については神戸、医薬品については横浜に保管してございます。次に処分の予定でありますが、マニラ麻は残り五百三十四俵ございまして、これは明年度、つまり四月以降に持ち越す予定はしておりますが、大体持ち越しましても、二、三箇月うちに完全に売れてしまうという見通しがあります。それから医薬品でありますが、これは現在厚生省の方と引取りの交渉をいたしておりまして、大体話がつきそうであります。これの内容は結核薬のテイビオンという薬であります。 それから次に未収債権の相手の会社及びその金額でありますが、これは未収金の台帳によりまして表を作成いたしますから、提出できると思います。
○柴田委員 今の井上委員の御質問に関連して伺つておきますが、この未収債権というのが四億四千万円ばかり計上されております。この未収債権の相手会社で現存する会社がどれくらいあるか、それからその会社が帳簿上あるけれども、現在その会社の形がない、こういうものがございましたならば、その区分を詳細に資料として御提出願いたい。
○若江説明員 この点につきましては、できる限り調査いたしまして御塩出いたします。 なお先ほどの井上委員の御質問の未収金を生じた理由でありますが、これは政府が直接この業務を行います以前には、御承知の鉱工品貿易公団及び繊維貿易公団がこの援助物資の売却をやつておりましたので、その当時にはいわゆる現金引きかえ主義というものが徹底的に行われておりませんでした。そのためにこういう未収債権を生じたわけでありまして、通産省が引継ぎましてからは、絶対にないとは申せませんが、ほとんど未収金を生じません。従来公団当時四十一億円に上りました未収金を整理して行きまして現在四億円になつているという状況であることを御了承願います。
○井上委員 そうしますと、この未収債権は、今のお話によつても相当古い焦げつきになつているような形になつておりますが、今柴田君もお話になりましたが、その後一体残つた会社が今あるのでしようか、なくなつているのもあるのではありませんか、そうするとこの債権整備をもう少し検討する必要がありますから、その資料を明確にお出しを願いたいと思います。 それからいま一つ、これに関連して、私はよくわかりませんから教えてもらいたいのですが、この二十四年以降、特別会計ができまして後は、とにかく収支が明らかにされて来ておりますが、それ以前のものは、一体どういう処理をされておるかという問題であります。御承知の通り、対日援助物資でありましても、これを無料で放出したのはほんのわずかではないかと思う。あとは大部分は有料で国民は買わされておると思う。そうしますと、ここで特別会計ができましてからは約八億四、千万ドルほどでありますから、その以前の分は、相当多額の金額が国民から吸い上げられて来ておるわであります。その金は一体どこに持つて行つたのか、どういう処理をされたのか、それを伺いたい。
○若江説明員 未収金の相手方が現存しているかどうかという御質問でありますが、私どもの現在の調査では、八割方まで現存しております。それの取立ての方法といたしましては、裁判所の和解という方法を講じまして、かなり長期に分割を認めてとつて行く、とにかく仰せの通りかなり焦げつき的なものもありますので、まず債務名義を確保するという点に主力を置きまして、現在その作業はほとんど完了しております。 それから二十四年以前の処理についてのお尋ねでありますが、これは貿易庁時代の経理のことになりまして、私の所管ではありませんので、担当者に連絡をいたしましてお答えいたしたいと思います。
○井上委員 ただいま御説明をされましたように、本債務は非常に政治的にも重大であるし、かつ全体の債務金額のうちの約三分の二ほどの金額というものが全然明確にされておりません。しかも国民は援助物資を買わされておつて、金額は支払つておるのでありますから、一体その始末はどうなつておるかということで、非常に重大な問題が横たわつておりますので、ぜひひとつ次の機会に関係の責任者に出席を願つて、これらの問題をそのときに審議していただくようにしていただきたいと思います。 私の質問は、この問題に限つては一応保留しておきたいと思います。
○柴田委員 関連して……。もう一度伺いますが、この二十四年四月以降の八億四千万ドルが邦貨で三千四十一億円、こういう御説明でございましたが、この場合のドル対円の換算はどういう比率でございましようか。
○若江説明員 二十四年の四月二十何日でしたか、とにかく四月末といいましても、三十一日一ぱいじやございませんが、そのときまでは三百三十円、つまり一箇月足らずにつきましては三百三十円のレートであります。それ以降は全部三百六十円の換算であります。
○柴田委員 そういたしますと、われわれ十六国会で、朝鮮向けの輸出物資の換算の場合には百六十円の換算であるというように承つておつたのですが、われわれが向うにやつたものは百六十円換算でレートの計算を立て、向うからもらつた場合が、今のように四月を中心とし三百三十円と三百六十円というレートで計算されておるのでしようか、この点をもう一度承りたいと思います。
○若江説明員 今の朝鮮輸出の時期を私はつきり承知していないのでありますが、とにかく昭和二十四年の四月二十何日か以降に三百六十円の単一レートになりまして、輸出輸入とも一ドル三百六十円という計算をいたすことになつたのであります。それ以前はいわゆる複数レートが存在しまして、輸出の品物につきましても、いろんなレートがものによつて立てられておつたということでございます。
○千葉委員長 この問題に対して、他に発言はございませんか——なければ次に移ります。 —————————————
○千葉委員長 次に春日君。
○春日委員 株主相互金融のことについて銀行局長にお伺いをしたいと思うのであります。これは緊急の問題でありますので、ひとつ御容赦を願いたいと思うのですが、二月二日の新聞によつて報道されたところによりますと、今回東京地検が国民相互外代表的な二社を貸金業法違反で起訴したということであります。さらにこの起訴は、全国に一千社を越す株主相互金融のほとんどすべてに断が下されたと同じような意味を持つものであつて、従つて保全経済会摘発に次ぐ町の金融機関に対する政府の断である、こういうふうに報道されておるのでありますが、この問題について、検察当局から銀行局に対して何らかの意見を求められたことがあるかどうか、あるいはこれが法律違反であるかどうかについて政府間の意見の調整をするために協議をされたことがあるかどうか、あつたらばその経過並びにそのてんまつを御報告願いたいと思います。
○河野政府委員 お話のような事態が現在起つておりますが、この問題につきましては、かねがね検察当局から、非公式には私どもの意見を徴されたことがございます。はつきり私も記憶いたしておりませんが、半月ぐらい前ではなかつたかと思います。検察庁から私に対して、書面でもつてこれらの問題に対する意見を聞いて参りました。それに対しまして、私は口頭で係の者から返答させておりましたが、とにかく書面をもらいたいということで、本件についての大蔵省としての考えを書面をもつて回答いたしたのであります。その内容は、かねがね私が当委員会において申し上げておりますような考え方を一歩も出てないのでありまして、昨年の三月に当委員会において、これらの問題について私が私どもの見解を申し上げたところを確かめかたがた、書面にして回答いたした、こういうことに相なつたのであります。従いまして、今問題になつておりますようなものが貸金業等の取締に関する法律の違反になるかならぬかという具体的な問題についての見解は、一切私どもの関与すべきことじやございません。現に私どもは今問題になつております株主相互金融の会社について、検査を行つたこともございませんし、その実態について私どもは十分に承知をいたしておりません。従つて、ごく一般論としての私どもの見解を書面にして出した、こういうことに相なつた次第であります。
○春日委員 そういたしますと、局長の御意見では、典型的な株主相互金融はあらゆる金融法規に照して違反ではない、三月四日の当委員会で言明されておりますこの見解にその後何らみじんの狂いもない、相違もない、こういうことに承知してさしつかえございませんか。
○河野政府委員 大蔵省としての考えはそういう点で全然狂いはありません。但し、具体的な問題といたしましては、今も春日委員からお話のありましたように、私どもの見解はあくまで典型的な、何と申しますか一つの形、定型として申し上げておるわけでありまして、個々の場合におきまして、それらの一つの行為が、形はそういうふうに偽装されておるけれども、実態はそうでないといつた観点から、検察当局がこれらの問題について独自の見解に立つた判断を下すということは、私はあり得ると思います。私どもの見解は、あくまで今申し上げましたような定型的な一つの類型としての、カテゴリーと申しますか、そういつたものとしての見解を申し上げておるのであります。
○春日委員 検察当局は、ひとしく政府の機関であると私は思うのであります。従つて、いずれにしても貸金関係の金融法規を専門的に理解し管理しておられるのは銀行局長だろうと思うのだが、それに対して違反の行為があれば、あなたの方では貸金業法第十三条に基いて、営業停止なり、あるいは催告なり、いろいろ手続が規定されておると思うのであります。かんじんの大蔵当局が、この株主相互金融の典型的なものについては、これは合法的なものだ、何ら法律違反はない、こういうふうに考えられておるわけなんです。従つてこの新聞に報道されておるところの、全国一千社にわたるところの典型的な相互金融に対して同様の断が下されたというこの新聞社の推測は、これは誤りであると考えられておられるのか。それとも、あるいはそういうような推測もある程度妥当性があるとお考えになつておられるか。その点についてひとつ御見解をお示しいただきたい。
○河野政府委員 私もそういう新聞記事は見ましたが、間違いか間違いでないかということは、私としてもちよつと申しかねるのでありますが、少くともこの問題につきましては、昨年の六月でありましたか、ある一部の貸金業者につきまして、株主相互金融会社につきまして検査をいたしたことは、この委員会において御報告申し上げた通りでございます。しかもその場合におきまして、金融法規違反の事実があつたことも、これは事実であります。このこともはつきり皆様方に御報告申し上げたところであります。そういつた観点から、これらの株主相互金融の実感というものが——一千社でありますか、あるいは四、五百社ともいわれておりますが、それらのものがおのおのやり方が千差万別になつておる。従いまして、これがすべて金融法規違反に該当するということを、私は申し上げることもできませんし、全然違反するものがないとも申し上げかねる。この点につきましては、その新聞紙に出ておりますことは私承知いたしておりますが、それについて事実であるか、あるいは一千社がすべて今後検察当局の検挙の対象になるかというような点につきましては、私は全然見解を述べるだけの材料を持つておりません。
○春日委員 そういたしますと、この一般的な典型的な株主相互金融、これについては、長い期間にわたつて政府部内において、おそらくは銀行局あるいは検察局その他を含めての問題でありましようが、長い間の討議の結果、それはおそらく半年以上にわたる御検討の結果、政府の態度は、これは金融業法違反ではないという結論に達せられておるわけであります。従つて政府の態度としては、典型的な株主相互金融は違反ではないということには現在もかわりはないのでありますか。あるいはその後何らかの新しい条件の発生によりまして、それに何らかの変更が加えられた面があるならば、この機会にお示しを願いたい。
○河野政府委員 これは先ほど申し上げましたように、典型的な形における株主相互金融の仕組みというものは、金融法規に違反しない。そのことにつきましては、私どもは一貫して今でもその考え方をかえておりません。但し先ほど申し上げましたように、仮装してそういう形をとつておる、あるいは脱法的な方法でそういう仕組みをとつておる場合に、それを一体典型的なものというかいわぬかという問題につきましては、これはいろいろ意見がわかれると思います。私はそこまでを含めて、これらの仕組みが金融法規違反ではないと断言するだけの自信はございません。
○春日委員 それでよくわかりました。 それで私はもう一つお伺いをいたしておきたいのでありますが、典型的な一つの株主相互金融というものは、先般来本委員会においてもしばしば同僚委員からも意見が述べられております通り、八千円とか五千円とか、あるいは一万円とかいうような、系列の金融機関が対象としなかつた、扱わなかつたところの零細金融を取扱つて、広くそういう零細業者に貢献をした面もあろうという意見も述べられておつたわけでありまして、われわれもそういう面は大きく評価をしておるものの一人であります。ところでこの新聞報道によつて、あるいは全国にわたつてその典型的な、政府によつて何ら貸金業法違反ではないというふうな認定を受けておるところの諸君に対して、相当大きな悪影響を与えるのではないかと私は思うのであります。このことは、先般来邪悪きわまる保全経済会のああいう破綻によつて、検察当局が実際以上にナーヴアスになつて、そうして度を越えた検索を行わないとは限らないと私は思うわけであります。現実の問題として法律違反でもなく、さらにはまた社会的に零細金融の点において貢献をしておるとほしきこれら一千の業者の中の、なかんずくどの程度のものかわかりませんが、そういうものにこの新聞の報道や、あるいは心なき検察当局の行動によりまして、大きな被害が加えられるということになりまするならば、このことは先般あなたによつて明らかにされた違反ではないという立場においてここに投資をしておるところの善良なる株主諸君、こういうものに対して不当の損失を与えるおそれなしとはしないと思うわけであります。従つてこの際こういう新聞報道が行われ、これに対して政府の見解が何ら明らかにされてはいない現実において、典型的なものは結局貸金業法違反ではないということに対する積極的な何らかの意思表示をされることによつて、あなたの言明によつて法律違反でないということで、出資している善良な出資者を何らかの形でプロテクトするというお考えがあるかないか、またその必要はお認めにならないか、この点ちよつとお伺いいたします。
○河野政府委員 私は、今お話の点は非常によくわかるのでありますが、先ほど来申し上げておりますように、株主相互金融のやり方というものは、実は千差万別なんです。現に私は去年三月に、典型的なものは金融法規に違反しないということを申し上げたそのすぐあと、数箇月後に検査をいたしました結果、すべてのものが金融法規に違反いたしておる、そういうような事態のありましたことを前提といたしますれば、典型的なものは金融法規に違反しないということでもつて株主相互金融ということのやり方はすべて合法的であるというふうにとられることも、私は非常に困つたことだと思う。個々に当つてみますれば、今申し上げたような例が端的に示しております通りに、いろいろなやり方があるものですから、結局そういつたことを私から申し上げることによつて生ずるかえつてマイナスになる面と、それから今お話のように、善良な典型的にやつているものは金融法規に違反しないということを申し上げることによつてプラスになる面といずれが多いかということを、私はもう一ぺん反省してみなければならぬ。従いまして、今せつかくの春日さんのお話でありますし、よくわかりますが、私としては、その点についてもう少し考えさしていただかなければならぬと思います。
○春日委員 それは瑕瑾を取上げて、これが違反であるかどうかということになつて来れば、おそらくはいずれの経営にいたしましても、それぞれ複雑多岐にわたつている。たとえば商事会社を税務署が調べれば、収入印紙の一つや二つの遺漏脱落はあるだろうと思うが、そういうような経緯をすべて法律違反ということにひつくるめて、とにかく目的意識に立つていろいろ断定を下して行くということになれば、すべて違反ということに私はなると思う。問題はそうではなく、貸金業法の所定の法律の条項に基いて、こういう形態のものが違反であるかどうかという大筋に立つての御意見を私は聞いているわけであります。たとえば、あるいは違反ではないかもしれないけれども、今日あらゆる金融機関は両建預金もやつているし、融資を受ける場合に歩積みをやつているということは、十一大銀行でも現実にやつている。そういうことをやつてはいけないと、絶えず銀行協会の会合等であなた方の方針を伝えていると言われるが、その後この問題は依然として改まつてはおりません。金融業というものは、非常にデリケートな複雑な問題であるということがわかつている私どもといたしましては、これが法律に違反をしている、貸金業の関係法規に違反して行われていることは断じてとめなければなりませんけれども、しかし本筋を逸脱しない限りにおいては、私は十二分に検討が加えられなければならぬと思うわけであります。私がここにお伺いいたしたいことは、今全国の業者が、あるいは善良なるところの出資者たちが非常に大きなシヨツクを受けている段階において、不当なパニツクを彼らに与えないことのために、あなたが金融管理の最高の責任者として何らかの措置に出られる必要があるだろうと思う。そのことは必要にして十分という限度であつて私は度を越えて格別のことをしてもらおうというわけじやないが、ただありのままのことを発表されて、この新聞の報道が必ずしもそうではないというだけの印象を世間に与えていただくことによつて、そういう衝撃を何らかの形で緩和していただきたいと思うんだが、これに対して、何かまとまつた御意見はありませんか。
○河野政府委員 ただいまお話申し上げました通りであります。今即座に私の見解を申し上げることは差控えまして、もう少し考えてみたいと思います。十分考えてお答え申し上げます。
○春日委員 そこでもう一つ、検察当局が今独自の見解に基いていろいろ処理をしておると思うのでありますが、何といつたところで金融法規についてはあなたが最高の責任者であり、また専門家であられるわけであります。従つてあなたのその知識と経験をもつて、検察当局に誤りなき措置をせしめるために、この問題等を議題として一応協議を開かれて、度を越えないように、ひとつ十分あなたの見解を表明されるような機会を持つことだけが私は望ましいことと考えるが、願わくばそんな努力をされることを強く要望いたしまして、私の質問を終ります。
○内藤委員 関連して銀行局長にお尋ねしたいのであります。いつも申し上げておることでありますが、銀行局長はあまりおかたいので、いろいろな金融の問題が起きておるのでありますが、匿名組合による金融、株式組織による金融はやや低くなつて来たのであります。ところがこのごろぼつぼつまた新手が出て来ております。それは通産省所管になつております中小企業等協同組合法に基きまして、これでまた金融をやる、こういうふうなのが出て来ております。そういう方面では次かう次へといろいろな手を見出して来るのであります。あなたの方は何か問題があればそこで考える、非常に消極的な、火事だといつたらポンプを買うて、それからかけつける、こういうふうな御態度なんです。これはそういう方面の責任を持つておられるあなた方としては一番ずるいやり方で、私はどうかと思うのですが、やはり火事にならない先からポンプを用意しておかなければならぬのでありまして、何とかこういう脱法行為をやるものを、できるだけ考えられる程度に予防することが必要じやないかと思うのであります。 今日保全経済会で十五万人の者が泣いておりますが、いくら議会の中で、伊藤斗福氏をひつぱり出して来てぎやあぎやあ言つてみてもしようがないことであります。これはあなたの方のやり方が多少誤つておつたのでありまして、昭和二十六年に私ども大蔵委員会が初めてこれを取上げていろいろと御相談申したけれども、てんで受けつけなかつた。お前たち何を言つておるかという態度であります。あつという間に変なことが起りますぞ——この間も速記録を読んでみると、そういうふうなことが書いてありますが、あつということ以上に問題が深刻になつて来ておるようであります。金融行政をいろいろ御心配になつておられるあなた方として、もつと真剣に、まじめにこういう問題をおやりなされてはいかがでしようか。そういう点において非常に潔癖で、お役人の中では他の追随を許さぬまじめな、どちらかというとあまりまじめ過ぎて物事を誤つているとわれわれも考えるのであります。もう少し防火設備を十分になすつたらどうだろうかと思うのですが、それは今の大蔵省でできないものでしようか。その点をお聞かせいただきたいと思います。
○河野政府委員 お話の点はしごくごもつともであります。私は、一生懸命金融問題につきましては、せつかくあやまちのないようにということで、力は足りませんが、少くともまじめに真剣に考えておるつもりであります。遺憾ながら知恵が足りないものでありますから、どう農かく十分なことはできない、後手々々になつて、御迷惑をかけておることは申訳ないと思います。今内藤さんのお話の点は、重ねて申し上げますが、しごく、ごもつともだと思います。しかし実際問題として、さればどういうことを予防施設として立てるかという問題を私どもは考えて参りますと、世の中にはいろいろな形で、紙一重というようなことがたくさん起つて来る、またその可能性は次から次へあると思いますが、これらの問題を見通して、それらについていやしくもどこにも抜け道のないような予防的法的措置ということが私どもからできれば非常にけつこうだと思いますが、そういうことが一体考えられるかどうか。それを予防するため、万全を期することによつて、それ以外の面において不当な抑制なり、不当な制限ということが必ず伴うということになりはしないか。そういうマイナスの面を伴わないで、しかもある場合に処して抜け道がないような法的措置というものが、技術的に法律の形としてできるものであるかどうかということは、私どもいろいろの面から考えて参つたのであります。その結果、おしかりを受けましたようなことで、非常に姑息的な、あるいはどろなわ式のことしかできなかつた、いろいろ考えてみたのですけれども、よい手がない。一つの抜け道をふさぐために十のことを制約しなければならぬ。何か押える必要のない十のことを押えなければ、抜け道をふさぐことができないということになつて来ますので、私としては不満足ながら、今申し上げましたようなあとあとをおつかけて行くということにならざるを得ない、こういうような次第でありまして、何回も申し上げるようで何ですけれども、私もこの問題をほうり出して、ただ一人だけ自分の庭先をきれいにしておいて、これでよいのだという考えではいないつもりでございます。遺憾ながら微力で、よい案がないということを率直に申し上げておく次第であります。
○内藤委員 もう一つお伺いしたい。それはお話はその通りでありますが、しかしかりに保全経済会の問題にいたしましても、商法の匿名組合でやつておる。それが不特定多数の者から金を集めておつて、投資ということはわかりきつておる。そういうことが昭和二十六年ごろ、初めて取上げられておるころは問題でなく、今日になつてみると問題だということではないと思うのであります。そういうことではないと思います。でありますから、これはやはり、われわれのようなそういう方面の知識のない者ならともかくでありますけれども、あなた方はそればかり命としてやつておられるのであるから、私は今のようなお言葉では済まないと思うのであります。このごろ中小企業協同組合で金融を扱つて、いかにも他の協同組合のような顔をして、また大勢の者から金を集めておる。これは一つの法人でありますが、金を集めてやつておるのであります。私は考え方によると思いますが、こういうこともあらかじめ予防線を張ることができるのじやないかと思う。しかし大蔵省は、もう少し大きいものになつて、弊害が続出して、世間がなるほどと思つたときにはたしておやりなさるのか、こう今は考えられるのじやないかと思いますが、何とかその点を、もう少し今までの潔癖さを、ひとつからを破られて、俗世界におりていただいて、いろいろなことを考えて判断されて、そこにちやんとした法律をおつくりになればどうであろうかと思います。これはひとつあなた方の銀行だとか、相互銀行、あるいは信用金庫、そういうものに対する御指導が、これもあなたの潔癖のところがよく現われまして、もうあまり厳重におやりなさるものだから、中小企業などの弱いものはそういう金融機関の窓口へ行かない。行くというとしかりと、はされるものだから、そこでやむなくそういう妙な——妙なと言うとおかしいけれども、おかしな金融へ行くようなことになる。だから私は、今日の金融行政全体についてもつと考えてみる必要があるのじやないかと思うのであります。従つて今日銀行のやり方を見ておりましても、これではたしていいのかと思われるのですが、これは多分にあなた方の方の御指導がそうならしめておるのでありますが、そういう点がもう少し改められますれば、私はそういう脱法的な金融機関というものは出て来るものじやない、こう思つておるのでありまして、こういう問題が出るたびに、あなた方のおやりになつておられることが、実はもう少し俗世界におりられてものを見、判断し、何かそこに処置を講じられることが必要ではないかと思うのであります。これは潔癖な局長には御無理な御注文かもしれませんけれども、もう少し金融のことにつきましては、お考え願いたいものだというぐちをひとつ申し上げておきたいと存じます。
○柴田委員 銀行局長がお見えになつておりますので、関連してちよつとお尋ねいたしますが、昨日行政監察特別委員会で参議院議員の大谷氏の証言を傍聴しておいたのですが、その場合に、仏教保全会が、何か相互銀行の計画を立てて申請をやり、さかんに大蔵当局にお願いをして、この望みをまだ捨てておらぬ、こういう証言がございましたが、何かこういう特殊な金融機関の中から、そういう相互銀行の計画というものが相当大きな問題として進行しておるのでございましようか。その経過を承りたいと思うのであります。
○河野政府委員 いつごろでございましたか、おととしになりますが、大谷氏が実は私のところへ見えまして、仏教関係の本願寺の系統の出資を中心として普通銀行を設立したいということの希望を申し出られたことがございました。私はそのときにはつきりと、そういつた意味の銀行の設立ということはお認めいたしかねる、こういうことを申し上げたことはございます。実は私も今お話の、きのうの大谷さんの御証言をよく聞いておりませんけれども、相互銀行をつくるとか、既設の相互銀行を買収するとかいう話にちよつと聞きましたが、そういう話は全然私は聞いておりません。銀行新設の問題につきましては、そういうことは認めがたいということをはつきり申し上げたことがあります。
○柴田委員 前段では普通銀行の設立を希望した。それがなかなか不可能なような状態になつたので、次には既設の相互銀行の買収を計画した。それからなお進んで相互銀行の設立の計画を進めておるのだ。そうしてまたその考え方をあきらめておらぬ、こういうような証言を——これは速記録等をお調べになれば判然とすると思いますが、そういう意味合いのことを証言されておるのであります。ただ私が今お伺いいたしますのは、そういう動きがあるということでございますので、その他の金融機関、いわゆる今問題になつておる特殊金融機関の中からそういう計画が進められておるかどうか、これを一点承りたいのです。 次には、大蔵省の銀行局は、盛んに普通銀行の融資に二重の厳重な監査制度をとつておられるが、たとえば今度の造船疑獄が今非常に大きくクローズ・アツプされておりますが、こういう問題で開発銀行から融資をやつておりましようか。開発銀行等に対しましても厳重な監査をやられておられるかどうか、この点を承りたいと思います。
○河野政府委員 二つ問題を承りましたが、第一のいわゆる貸金の業者の中から相互銀行の設立をしたいという申請が出ておるかどうかというお話でありますが、一件だけ相互銀行の設立の申請を私は受取つております。これはまだ実は私の手元には参つておりません。地方に財務局というのがありまして、これが窓口になつておりますが、その財務局にそういう設立の申請が提出されておるのが一件だけあるということを聞いております。 それから第二は造船の問題等について、開発銀行等の融資についてどういうふうな態度で臨んでおるかということでございますが、これは普通銀行以上に、政府の金融機関でありますから、その融資につきましては、政府の方針にのつとつて融資が行われるということを、私どもは基本的な開発銀行の経営方針としてとらしておるわけであります。個々の問題につきまして、まだ具体的な検査等は行つておりませんが、それらの融資につきましては、十分に適正かつ厳格に融資が行われておるものと私は考えております。ただ具体的にまだ検査いたしておりませんことは事実であります。
○柴田委員 開発銀行の問題でございますが、ひとり造船問題にかかわらず、私ども十六国会で、決算委員会におきまして調査いたしたところによりますと、五千万円以上の焦げつきがある。この現実は否定のできない事実であります。こういう焦げつきに対しましては、銀行局から何らかの警告をお発しになつたことがございましようか。ございましたならば、どういう形において警告を発しておられるか、これをもう一度承りたいと思います。
○河野政府委員 お話のように、開発銀行には焦げつきと申しますか、相当な固定債権がございます。しかし私の承知いたしておりますところでは、ちよつと今資料を持つておりませんのではつきりとしたことは申し上げられませんが、その大部分は、いわゆる例の復金当時の復金融資を引継ぎました。それが今開発銀行の債権ということになつておりますが、これらのものが相当程度を占めておるのではないかと思います。それだからといつて、開発銀行の責任ではないというわけではございませんので、もちろんこれらにつきましては、十分これらの回収を極力促進するように進めておりますが、ただ開発銀行当局者に対して、そういう復金の旧債権を引継ぎましたものに対して、そういう焦げつきの債権をつくつたのはけしからぬということを開銀に対して申しても、開銀としては過去のものを引継いだという関係にあるのでありまして、今後これらの問題については、一銭といえどもおろそかにしないで、国民の租税からなつておる資金でありますから、回収を一銭でも多くするように極力努力するという態度で進んでおる次第であります。
○有田(二)委員 経済保全会の問題に関連して御質問申し上げます。この問題は、この前伊藤理事長を呼びましたときに、いろいろ質疑応答の中で、私は本人に詐欺だということをはつきり申して攻撃いたしておいたのですが、しかしながら私は大蔵省も一半の責任があると思うのであります。というのは、法律的な責任はないかもしれませんが、やはりこの事態については、内閣の中で金を扱つておるのは大蔵省であるわけでありますから、今協同組合の問題のお話がありましたが、ひとつ金に関する関係官庁の少くとも局長級のお集まりを月に一回なり願つて、再びこういう事態が起らないように注意していただきたいと思うのです。もう済んでしまつたことでありますし、また法律的にはどうこうということは決してないわけですが、道義的な責任が夫蔵省に何もないということは断言で寺ないと思う。十三回国会で、大蔵委員が保全経済会に呼ばれてごちそうになつたとか何とかいうので、代議士同上の間でも問題がありましたが、そういう事態は決してないのでありまして、われわれは最初からこういつた問題については、大蔵委員の一員としてはなはだ遺憾であると考えておつたけれども、法の盲点をついておつたことは事実でありまするし、こういう事態の起きましたことはまことに遺憾でありますが、これからひとつ銀行局あたりが中心となつて、あるいは農林省、あるいは法務省なり、他の官庁等いろいろな方面と御連絡を願つて、法の盲点をつく、そういつたことについて、再びこういう事態の起らないように、ひとつ何らかの措置をとつていただけないものでしようか。この点の御回答が賜わりたい。
○河野政府委員 お話の通りに私どもも、こういう保全経済八入自体の問題につきましては、今有田さんお話のように、法律的には特にどうこうという問題はございませんが、少くともああいう大きな、たくさんの方々に迷惑を及ぼすような結果になつたことにつきましては、私政府の一員として、私の知つたことじやないと言い切れるものじやないと思います。私どもこれらの問題にかんがみまして、近く国会にこれらの取締りに関する法案の御提出をいたしたいということで、現在法務省当局と緊密に連繋を保ちながら法案の起草を急いでおる段階であります。できるだけすみやかに成案を得次第御提出申し上げたいと考えておる次第でございます。問題は、非常に数多くのものが全国にばらまかれておる状態であります。実は私ども、何も弁解をいたすわけじやございまんが、人手の関係から、これらの問題に対する常時の十分なる監視ということはなかなかできかねるような状態であります。先ほど内藤さんからもお話がありました中小企業等協同組合等が金融の事業をやつているという点でありますが、あるいは私はそういうことを耳にしないでもありませんが、これはもうはつきり法律で禁止されており、預金をとつちやいけないことになつておる。そこから先に行きますと、私どもの仕事の範囲じやないということでほうり出してしまうというつもりはございませんけれども、やはり私たちだけの力ではなかなか取締りがむずかしい。中小企業等協同組合が預金を扱つていけないことは、法律ではつきり禁止しておる。しかも法律に違反してそういうことをやつておる場合におきましては、全力をあげて、やはり私どもだけでなくて、各方面のつかさどるかたがたがこれらに対する取締りをやつて行かなければならない。そういつた意味からいたしまして、今有田さんの御指摘もありましたように、これらの問題に関係する関係当局が、常時緊密な連絡をとつて万全を期して行くということは、今後といえども行つて参りたいと思いますし、有田さんのただいまの御注意は、十分に私ども頭に置いて今後善処いたしたいと思う次第でございます。
○有田(二)委員 政務次官にひとつお尋ねしたいのですが、今の銀行局長の御答弁で私は非常に満足するものであります。しかしこれは一銀行局長にのみお願いいたしておくべき筋合いのものではなくて、少くとも政務次官会議というものが行われておるわけでありますから——これは確かに私は一つの政治問題だと思う。従つて政務次官会議でやはり銀行局長と御連絡をおとりになつて、こういう問題を未然に防いで、国民大衆に迷惑をかけない方法で行くべきだと思いますが、ひとつ政務次官の御所見を伺いたい。
○植木政府委員 有田委員の御発言、まことにごもつともでございます。大蔵省当局といたしましては、ただいま銀行局長からお答え申し上げましたように、こうした事態に立ち至りましたことについて、でき得る限り反省の実をあげて、今後こうした事態が起らないように善処しようというような方針で進んでおる次第であります。御注意、御発言の御趣旨も尊重いたしまして、お話のように政務次官会議でも話題にして善処いたしたいと考えておる次第であります。
○有田(二)委員 銀行局長にさらにお尋ねしたい。去年の暮れ本委員会が最後に集まりましたときに、国民金融公庫の金の中から零細なる人たちに一万円とか二万円とか、それも短期の三月間ぐらい貸せるような方法を御研究願いたいと申し上げた。そのときの私の私案としましては、大体三箇月、そうして一万円、二万円、それについて印鑑証明をつけたりつぱな保証人が二名あつたら貸す。その場合には、どの国民金融公庫を見ましても、調査機関が非常に少く、またこれをふやすには非常に金がかかることですから、調査を簡単にするために、りつぱな保証人を二名立てる。そうしてそこへ電話をかけて、実はこういう書類が来ておるが、あなたはほんとうに保証しておられるかどうか、金が返らなかつた場合には、あなたに保証人として出していただけるかどうかということを確めることになると、国民金融公庫の現状の職員で十分事足りる。たとえば昨年度の例を見ても、たしか六十億だつたと思うのでありますが、そのうちの三十億をそういう短期の人にまわす。かりに一万円ずつで三箇月ということになりますと、三百億で何百万人かの人が均霑されるわけで、国民金融公庫のあり方として非常によいことになります。そういうことであるならば、おそらく各党ともこれらの予算の増加について御賛成が賜われるものと思うのです。国民金融公庫は最初できたときからだんだんかわりましてなるべく金額をよけい貸して行く方へと、上へ上へと上つて行つて、零細なる方々の金融に非常に不便になつている。今度の保全経済会の問題なんかを見ましても、こういうところに——これについては国民金融公庫法の一部を改正しなければできないことでありますけれども、これらの問題について銀行局長にお願いしておいたのでありますが、その後いかなる結論が出ましたか、また現在御検討中であるか伺いたいと思います。
○河野政府委員 お答え申し上げます。昨年末、たしか当委員会の金融小委員会でありましたか、有田委員からそういう御発言をいただきまして私研究いたしたのであります。現在までの経過を申し上げますれば、今お話のように短期のもの、私も有田委員と同じように、大体三月程度を考えております。金額は一、二万円というお話でありますが、まず三万円以下、あるいは五万円以下という程度にしてはどうか、そういつたことで、しかも今お話のような具体的な手続等は別といたしまして、できるだけ簡易に、早く、迅速に貸せるような方法をもつて、今申しましたような仕組みのもとに何か新しい別のわくをとつた中小——ほんとうの意味の零細資金を短期に貸し出すという制度を従来からもやつておるのでありますけれども、それをはつきりさせるのがいいじやないかということで、おおむね今申しましたようなライン——大体有田委員の御構想に近いラインで具体化するように現在考えております。ただ問題は、何と申しましてもやはり資金のわくでありまして、こういうふうな零細資金の貸出しの金を短期のわくにどの程度のものがさき得るかという問題であります。できるだけこの方へも資金わくをまわして行きたいと考えておりますが、その点につきましては、もうしばらく検討を加えた上でないと、はつきり何十億程度そのためにわくとしてとるかということはちよつと申し上げかねますが、できるだけそういうことで実現をいたしたいと考えている次第であります。
○千葉委員長 ちよつと私から銀行局長にお願いがあるのです。それは、今度の予算はデフレ予算であるとか言われている。そこでそのしわ寄せがどうしても中小企業に来ると思う。その対策について皆さんからいろいろお話があつたのですが、大蔵省としてもよほどこの点について、今の資金量の問題をお考え願いたいことが一つと、もう一つは、先ほどからもお話のように、通産省あるいは法務省にまたがる金融が非常に多いと思う。ことに質屋営業なんかというものは、これは公安委員会の管轄になつているようで、警察がこれをつかさどる。これが月一割の高利なんです。ですから利息の点から言うと、これはむしろ大蔵省で監督すべきものだと思うのです。ですからそういうような点については、ほかの方の金融で、ことに利息なんかに関連するものは、やはり大蔵省で指導権をとつてこれを指導して行くということがこの際必要じやないかと思われるのですが、そのようなことに対して総合的金融制度を——中小企業というが、私は中をとつて小企業、零細企業の方に少し重点を置いてお考えを煩わしたいということをお願いしたいと思うのです。きようはこの程度で……。
○井上委員 質問があります。資金運用部特別会計法の一部を改正する法律案に関連をして質問をいたしたいのですが、政府では資金運用部資金の融資先について、特に災害関係等の方面にまわりました補助金の裏づけでありますつなぎ資金等の効率的使用の面について、各地方財務局に指令をして調査をいたしておられるようでございます。その結果がすでに一部新聞にも発表されておりますが、その調査されました実際の具体的な実情を御説明願いたい。同時に二十八年度にそれぞれ重要な方面に必要な資金を割当てておりますが、これがつなぎ資金と同じように効率的な面に運用されておるかどうかということについて調査をしたことがありますか、その点を伺いたいと思います。
○植木政府委員 資金運用部資金の融資先につきましての調査は、財務局で調べております分につきましては、追つて資料でまた後の機会に御報告さしていただきたいと思います。一般の融資先の監督といいますと語弊がありますが、実際の融資の使用されておる状況の調書ついては、平素いろいろな機会にでき得る限り調査その他取調べ、照会等をやつておる次第であります。
○井上委員 実際おやりになつておりますか。
○河野政府委員 実は資金運用部は、かつて私の所管でありましたものですから存じておりますので、便宜私から申し上げます。資金運用部資金の貸付先に対する監査は、財務局をその他を通じて常時これを行つております。相手は御承知のように大体地方公共団体が多いのでありますから、これらについては各財務局を通じて常時よく見ております。
○井上委員 ただいま銀行局長のお話では、各財務局を通して調査をされておるというお話でございますが、それは書面調査で、現実にその金がどう効率的に使われ、かつ返されるような運営になつておるかどうかというようなことについて、実際にあたつて調査をしておりません。しておるとお思いになりますか、自信のある答弁ができますか。現につなぎ資金の調査におきましても、部分的な調査だけをいたしまして、全体については調査をいたしておりません。部分的な調査をいたした結果においても、非常な問題を生んでおる。御承知の通り、資金の効率的な運用というものが非常に重要に論議されておるときに、あまりにもずさんな政治的動きによつて資金が運用されておるところの実態が暴露されて来ておるので、この責任はだれがおとりになりますか、政務次官からお答え願いたい。
○植木政府委員 財務局の平素の融資先に対する調査が十分でないじやないかという御説でありますが、財務局と いたしましても、機会のあるごとに十分な実地調査も行う、たとえばある町村に対しまして融資をしておりますし、さらにその町村から次の融資の要求があつて、その町村へ臨む場合がありますが、そうした場合には、従前の融資の金がどういうふうに使われておるか、あるいは当該町村の財政状況がどういうふうになつておるか、実地に臨んで詳細の調査をいたしておるわけであります。しかしながら仰せのごとく、一般的に融資先全体について計画を立てて監査をし、調査をするというようなことは、今のところ手不足その他経費等の関係もありまして、仰せのように十分には行つてないのかと存じます。今後でき得る限りこうしたことについては気をつけまして、善処して参りたいと考える次第であります。
○井上委員 昨年災害によりますつなぎ資金が資金運用部から百七億ほど出ておりますが、これの効率的な使用について調査をいたしておるのでありますが、この結果はもう本省でおわかりになつておりますか、それともまだわかつておりませんか、わかつておつたならば、いつ資料を提出されますか、その資料ができるまでこの本件に関します審査は延期を願いたい。
○植木政府委員 お話のような調査は、予算編成等の際における必要もございまして、全国的にはいたしませんでしたが、所要の調査を抜き検査的にいたしたのであります。その部分的な報告はもう参つておりますが、まだ全面的にこれをとりまとめる程度までは至つておりません。なるべく早い機会におきまして、その結果をとりまとめて当委員会へ御報告申し上げたいと存じます。
○井上委員 次に他の議案について質問いたしたいのですけれども、かんじんの責任ある政府委員が出席しておりませんから、遺憾ながら審議ができません。資金運用部所管においても、責任ある政府当局は出ておりません。政務次官は就任早々で、まだ十分詳しいこともわからぬのにあまり追究しても気の毒だと思いますから、従つて審査を進めようとするならば、責任のある政府当局が出席をされるように要求いたします。
○春日委員 ちよつと……。折から租税法の改正法律案について、本日の新聞によりますとさらに要綱が発表されておりますが、午後の委員会は主税局長の出席を求めて、新聞で報道されている要綱案についての御説明を受けたいと思いまするので、午後休憩後再開されて、税制に対する点の御検討を願いたいと存じます。
○千葉委員長 春日委員の御提案に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千葉委員長 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。 午後一時半まで休憩いたします。 午後零時十一分休憩 ————◇————— 午後二時一分開議
○千葉委員長 休憩前に引続いて会議を開きます。 ただいまは税制に関する件を議題といたします。まず渡辺主税局長から、近目中に提出を予定されております税制改正案につきまして御説明を承りたいと思います。
○渡辺政府委員 先日閣議で決定を見まして、今度提案されておします予算に予定しております税制改正の要綱につきましては、お手元に差上げてあると思いますが、これにつきまして簡単に御説明申し上げたいと思います。 改正の目標といたしましては、現下の経済情勢及び国民負担の状況に顧みまして、租税負担の調整及び資本の蓄積の促進をはかり、あわせて奢侈的消費の抑制、国際収支の改善等に資するため、所得税、法人税等の直接税の負担を軽減合理化するとともに、間接税の新設増徴を行い、その他課税の適正、簡素化及び地方財源の偏在是正をはかるために、一連の税制の改正を行おうとするものであります。 まず所得税でございますが、所得税につきましては、基礎控除、扶養控除の引上げということを中心に考えております。基礎控除につきましては、現行の六万円を七万円に引上げる。扶養控除につきましては、最初の扶養親族一人につきましては、三万五千円を四万円に、二人目及び三人目の扶養親族につきましては、二万円を二万五千円に、四人目以下におきましては、現在一万五千円になつておりますが、これはそのまますえ置くという案で御提案申し上げたいと思つております。ただこの控除の関係は、本年の四月以降の分についてこういう引下げを行うという考え方に立つております。従いまして、給与所得の方々のように、毎月月給から源泉徴収されておられる方におきましては、四月からはすぐにこの七万円、四万円、二万五千円という控除で毎月の税額が軽減されて参ります。ただ一月—三月の税金は、従来のままということになりますので、一年を通じますと、四月以降の分だけが減税される関係からいたしまして、昭和二十九年分におきましては、この基礎控除の額は年末調整におきまして六万七千五百円、それから扶養控除の四万円の分は、本年に限りまして三万八千八百円、二人目と三人目二万五千円は二万三千八百円ということになり、同時に申告所得税の方々におきましては、本年はこういう特例のことになるというふうに考えております。 なおそのほかに、退職所得についての控除額を、勤続年数が十年を越えます場合に一年二万円ずつ増加いたしまして、最高を五十万円に引上げるといううこと。 それから山林所得につきましては、現在五分五乗の方式をやつておりますが、これを他の所得と分離した五分五乗の方式、昔の形式に返るということに御提案申し上げたいと思つております。 なお資本蓄積促進の見地から、生命保険料の控除を、現在の八千円を一万二千円に上げる。これも本年度は一万一千円という過渡的な金額をつくるつもりでおりますが、それを引上げる。それから個人の長期の定期性貯蓄等の利子に対する税率を引下げる。それから配当所得に関する源泉徴収税率の引下げ、これは現在の二〇を一五に引下げたいと思つております。 それから青色申告についての専従者控除の金額は、従来から基礎控除と同じようになつておりますので、基礎控除と同じように引上げを行うこと。それから専従者控除に配偶者を入れる、こういう改正を行いたい。 なお手続を簡素化いたしますために、予定申告制度を予定納税制度に改めたい。こういうふうな幾つかの改正を御提案申し上げたいと思つております。 それから第二の法人税でありますが、法人税につきましては、税率引下げとか、いろいろ考えてみましたが、今回におきましては、一般的な税率引下げは、ちよつと行えないのではないか。それで行いますところは、第一は資本構成の是正をはかるために、払込み資本、あるいは再評価積立金からの資本組入れの分につきまして、ある程度の金額を損金に算入するという措置を考えて行きたい。その細目につきましては、細部のきまり方がまだきまつておりませんので、もう少し御猶予願いたいと思つております。 それから同族会社の積立金に対する従来の累積課税をやめまして、一定限度、これは大体今までと同じように、払込み資本金の四分の一か百万円か、いずれか高い金額にしたいと思つておりますが、それを越える金額を積み立てた場合におきまして、積み立てた年一回限り百分の十の税率で課税するということに改めたい。 それから価格変動準備金につきましては、現在のように物価が値上りする時期におきましては、変動準備金を積み立て得ない形になりますが、これを値上りする時期におきましても、ある程度の積立てを可能にするようにという要望が相当ございまして、税制調査会でもこの希望が出ておりますので、これをそのまま取入れて御提案申し上げたいと思つております。 それから輸出所得の一部控除の制度は、まだその効果の点をもう少し検討してみる必要がありますので、当分現行通りとしたいと思つておりますが、プラント輸出の場合の控除の率を引上げることと、輸出業者に対する控除限度額の引上げを行いたいと思つております。 それから法人の交際費等につきましては、前に一ぺん御提案したことがありますが、今度御審議願つていただきますのは、前回と比べまして、一応臨時措置法に入れまして、臨時的措置として考えたらどうかというのが一点。それと、とかく議論が社用族といつたような問題が対象になりますので、小法人については一応この適用を一切やめまして、大法人だけに限定してみたらどうか。従つて小法人につきましては、あまりこの問題はないのではないか。このように幾つかの点を、前回の御審議の過程をも顧みましてかえて今度御提案申し上げてみたいと思つております。 それから相続税でございますが、相続税につきましては、保険金等の控除額の限度引上げと、それから上の方の税率はすえ置くつもりでありますが、中間以下の税率を五程度ずつ引下げたい。インフレの相当促進した過程を見まして、現在の税率はあまりこれに順応していないという批判もありますので、そういう改正の案を提案するつもりであります。 相続財産である立木につきましては、所得税の負担を考慮しなければならないのではないかという批判がございまして、税制調査会でもこんな意見が出ておりました。いろいろ計算しまして、一定の割合を時価から引いたものを課税標準とするというふうに改めたいと思つております。 以上が直接税に対する関係でございまして、大体減税関係が中心でありまして、増税関係におきましては交際費の関係くらいが増になるだけでございます。 これに見合います関係としまして、間接税において幾つかの増税を行いたい。その第一は酒税であります。酒につきましては、前回におきまして一応全面的に税率引下げを行つたのでありますが、今度はその中で特に特級、一級、ビール、雑酒特級、これだけを選びまして、一割ないし五分程度の引上げを行いたい。この税率引上げによりまして価格がどうなるかということにつきましては、本年度の酒に使います米の値段が大分上つておりますので、まだはつきりした見通しができませんが、ビールは大体今度ビン込め価格にしたらどうかという考え方があります。現在は中味が百七円、ビン込めで百二十二円ですが、大体ビン込めば百二十五円くらいにしようじやないかと思つておりますが、まだ最終決定には至つておりません。大体その見当と思つております。税金はこれで一本当り三円五十銭くらい上ります。 それから砂糖消費税でございますが、砂糖消費税は、本年度は大分輸入がたくさんありましたが、来年度はどうも外貨の関係からしまして、輸入の削減もやむを得ないのじやないかという情勢もございますし、大分市場が強気になつているような点も考えまして、この際約二割程度の引上げを行つたらどうかと考えております。 それから物品税でございますが、これも特に奢侈的なものを中心としまして、ある程度の税率引上げを行いたい。高級の大型乗用車でありますとか、電気冷蔵庫、こういつたものの税率引上げを行うとともに、テレビジヨン受像機に対しましても、新たに税金を賦課したらどうかというようなことも考えております。 それから揮発油税でございますが、揮発油税につきましては、現行の一万一千円を二千円程度引上げたい。なおこの財源につきましては、これは予算の方の関係に出ておりますが、三分の二を国の道路建設に使い、三分の一を地方の道路建設に使うというような考え方で現在予算が組まれております。 それから骨ぱい税につきましては、麻雀が現行税率は千五百円ということになつておりますが、さらに少し上げたい。それを少しこまかくわけた方がよかろう。象牙製のものですと、少くとも二万円以上いたしますので、これを六千円、牛骨製のものを四千円、その他のものは二千円、こういつたような差等をつけまして、税率引上げを行つたらどうか、その他の骨ぽいにつきましては二割程度、現在五十円が六十円になる、その程度の引上げを行つたらどうかと考えております。 それから印紙税でございますが、印紙税につきましては、これは二十三年にきまつたものがそのままになつておりますので、この機会に少し引上げを行いたい。委任状については、現行の二円を五円に引上げますとともに、受取りにつきましては、一面では免税点を千円から三千円に上げる。それと並行しまして税率も現行の二円を十円に上げる、こういう改正を行いたいと思つております。 それから次に新しい税としまして、繊維品消費税というものを考えております。これは考え方といたしましては、高級の織物、メリヤス、レース——従来物品税が課税になつている品物との権衡で、どうも高級織物等の課税がないのじやないかというような御批判もございますし、そういう点も考えまして、高級の織物だけに限定しまして、小売課税といいますか、それを考えてみたい。税率は販売価格の百分の十、免税点をどの辺にきめるべきかという点で今検討を続けております。それから製品で相当加工されているものにつきましては、軽減することも考えてみたい。細目についてはもう少し時間をいただきたいと思つております。 それから入場税でございますが、入場税は現在地方税でございますが、これを地方財源の偏在是正という見地を中心としまして、この際国で賦課徴収しまして、その収入の九割を人口按分で府県に配付したい。税率は若干引下げたい、こういうふうに考えております。 その他第三者通報制度をやめますとか、そういつた幾つかの改正を行いたい。これによりましての税収関係でございますが、大体増税関係が、増収と減収と両方ございまして、差引き四十五億の減収になりますが、これは片方でタバコのピースを四十円を四十五円に上げるということによる専売益金の増加四十五億と見合う分になつておりまして、一応この一連の増減税では、差引プラス・マイナスなしということに考えております。なおこれによりまして負担がどのくらい減るかといつたような問題もございますが、所得税の場合でございますと、夫婦、子三人の場合におきまして、二万五千円の月給の方につきまして五百二十円減、減割合が三割二分五厘、二万円の者でありますと四百十七円、減割合が五割七分。事業所得の方でございますと、二十万の方で、平年度でございますと現行の負担九千円が四千円になる、三十万の方でありますと三万四千五百円が二万六千七百円になる、二割二分程度の軽減になる。 それからこの基礎控除、扶養控除の引上げによりましてどの程度の人から所得税がかかるか。月給二万円以下の者には所得税をかけないようにというお話をよく伺うのでありますが、今度の改正によりましての一応の数字は、夫婦、子三人の場合でございますと、二十一万四千円——二十四万円にはちよつとまだ行きかねますが、現在の十八万三千円が二十一万四千円に上つて来る、こういつたことになると思つております。以上非常に雑駁でございますが、一応の説明を終ります。
○春日委員 ただいまの主税局長の御説明に関連をいたしまして、動議を提出いたします。すなわち次に朗読をいたします繊維品課税反対に関する決議案文を、本委員会の決議として議長に報告するとともに、政府当局に参考送付せられるようおとりはからいを願いたいのであります。そこでまず決議の案文を朗読いたします。 繊維品課税反対に関する決議 政府は今回の税制改正において繊維品消費税を新設しようとしておるが、この実施は国民大衆の生活を脅かすとともに、中小企業を圧迫するものである。 よつて繊維品消費税は創設すべきではない。 右決議する。 以上であります。 ごく簡単に提案理由の説明を行いますが、この決議案の主文の中に、簡潔に表明いたしておりまする通り、生活必需品に課税をいたしますならば、これは大衆生活を圧迫することは当然であります。のみならずこのことが、やがてはインフレ激化の要因とも相なりましようし、さらにはまた、現在中小商工業者がはなはだしく経営困難の折からでありますので、そういうような人人を対象とするところのこういう税制は、これは時代に逆行するものであると考えられますので、従つて政府はこういう事情にかんがみまして繊維品消費税は断じて創設すべきではないのであります。 以上の通りでございますので、各位の御賛同をお願いいたしたいと思います。 〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
○千葉委員長 ただいまの動議に対しまして、賛成の発言がございますから、これを許します。久保田君。
○久保田(鶴)委員 私たちはただいま出されましたこの決議案に賛成するものであります。繊維消費税は非常に悪税であります。この悪税を小売、消費者に課するということに対しましては反対でありますので、われわれはこの決議案に対しまして賛成するものであります。
○春日委員 私がただいま提出いたしました動議は、ただいま久保田君によつて賛成の意見も表明されましたので、ただちに採決をいたされたいと思います。
○千葉委員長 いかがですか、もうちよつとお待ちくださつて——今自由党の連中もいないのにやるのもどうかと思いますが……。 〔「採決」「休憩」と呼ぶ者あり〕
○千葉委員長 皆さんにお諮りいたします。採決をする前に一旦休憩いたしましてこれを理事会に諮つて、しかる後にまた再開したいと思いますから、さよう御了承願います。 暫時休憩いたします。 午後二時二十四分休憩 ————◇————— 午後三時二十九分開議
○千葉委員長 休憩前に引続いて会議を開きます。 先ほど社会党の春日委員から、繊維品課税反対の決議の案文を朗読せられ、これを本委員会の決議とせられたい旨の動議が提出せられましたが、本動議の取扱いにつきましては、委員長及び理事に御一任を願いたいと思いますが、この点異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○千葉委員長 御異議ないようでありますから、御一任願うことに決定いたしました。 本日はこの程度をもつて散会いたします。 午後三時三十一分散会