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19回国会衆議院1953/12/11

大蔵委員会 第1号

発言数
49
登壇者
10
会派数
4
開催日
1953/12/11

会議録

内藤友明改進党

○内藤委員長代理 これより会議を開きます。  第十九国会の初頭にあたりまして、まず国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。本委員会における国政調査のため、本国会におきましても一、税制に関する事項、二、金融に関する事項、三、国有財産に関する事項、四、専売事業に関する事項、五、印刷事業に関する事項、六、造幣事業に関する事項の六件を国政調査事件として議長の承認を求めたいと存じますが、この点御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

内藤友明改進党

○内藤委員長代理 御異議ないよりでありますから、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

内藤友明改進党

○内藤委員長代理 なお、この際国政調査のための小委員会を設置しておきたいと存じますが、これは今まで通り、税制に関する小委員会、金融に関する小委員会、専売事業に関する小委員会、国有財産に関する小委員会の四小委員会を設置することとし、その小委員及び小委員長は、委員長において指名するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕     ―――――――――――――

内藤友明改進党

○内藤委員長代理 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

内藤友明改進党

○内藤委員長代理 次に、本日付託されました昭和二十八年の年末の賞与に刑する所得税の臨時特例に関する法律案を議題とし、提出者より提案趣旨の説明を聴取いたします。井上君。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 それでは、ただいま議題となりました昭和二十八年の年末賞与に対する所得税の臨時特例に関する法律案の提案理由を、一同にかわりまして、私から簡単に御説明を申し上げたいと思います。  御存じの通り、最近の経済諸事情にかんがみて、諸物価が非常に高騰して参るのに関連して、一般給与生活者の生活事情は非常な窮迫の事情にあります。そのことから、公務員に対しましては、公務員の給与ベースの改訂、公労法の規定に基きます各公社並びに現業に対しましても、それぞれ仲裁裁定が諸般の事情を考慮して決定されておりますが、政府はこれの予算化に関しまして、いろいろな理由によってなかなか勧告通り公務員給与ベースは改訂されず、また仲裁裁定も完全実施できない実情にございます。わけてもこの給与生活者中低額所得に対して、年末に当面いたしまして政府はいろいろの手当を加えておるといえども、日本の長い習慣から、年末越冬については必要以上に経費がかさむ現状にありますので、さしあたりそれらの諸般の事情を考慮いたしまして、二十八年年末に支払われます賞与のうち、特に一万五千円に限りまして免税の措置を講じてやれば、これら低額所得者が多少でもその負担が軽減され、また生活の面でも多少とも補いがつくのではないか、かような意味合が本法案を提出した理由でございます。  これの財源的措置その他につきましては、いろいろ問題もあろうと思いますけれども、これは政府みずからにおいて所要の予算的処置を講じますならば、何とか切り抜けられると思うし、なおまたかりにいろいろな点で財政的困難の事情が起りましても、いずれ昭和二十九年度予算との関係において諸般のことが検討されれば、行けるのではないかと私どもは考えておる。ここに特に給与生活者の年末の経済的窮迫の実情を税の面で少しでも緩和したい、こういうことの精神をもつて本案を出しておりますから、この点を十分お含みの上、何とぞ御賛成あらんことをお願いをいたします。

内藤友明改進党

○内藤委員長代理 次に、本国会に提出を予定されております税制改正案に関連いたしまして、税制改正に関する政府当局の構想につきまして説明を聴取することといたします。渡邊主税局長。   〔内藤委員長代理退席、坊委員長代理着席〕

渡邊喜久造大蔵事務官(主税局長)

○渡邊説明員 明年の税制をどういうふうに改正して行くかという問題につきましては、政府としては、現在二つの委員会から一応の答申を得ておることは、御承知の通りであります。その一つは、地方制度調査会の方から、一応地方の行政機構及びそれと関連しましての地方税改正の答申を得ております。それから税制調査会の方から、これは納税者の立場を主としての考え方と思いますが、中央地方を通じての税制改正の意見を得ております。これらの意見を考え、さらに従来委員会などでいろいろ御論議になつております点も考える。さらに明年度予算をどういうふうに組んで行くかという問題も、おのずからそこに財政規模の問題と結びつきまして税制との関係もあるわけであります。従いまして、今具体的にどういうふうな構想でもつて全体を考えて行くかということにつきましては、あまりはつきりしたことを申し上げ得る段階にはまだなつていないのじやないかというふうに考えております。過般税制調査会の答申につきまして、一応税制調査会の御議論をごひろういたしました機会に私御説明申し上げておきましたが、税制調査会の答申の中には、大体三つにわけて考え得るのじやないか。その一つは、たとえば予定申告の制度を予定納税の制度に改めたらどうかとか、あるいは第三者通報制はもうやめたらどうかとか、いわば歳入にはあまり関係のない、同時に制度としては相当重要な幾つかの大きな問題がございます。これらの点につきましては、税制調査会のいろいろな御議論もわれわれも伺つておりますし、また民間のいろいろな御批判もございますので、できるだけ税制調査会の趣旨に浩つて改正ができるかどうかという点を目下検討をしております。  それから第二の範疇に属するものといたしまして考えられますのが、間接税をいろいろ増徴したらどうか。これは直接税の減税の財源としての間接税の増徴という考え方に立つているのでありますが、この点につきましては、いろいろ各方面からの御意見もございますし、どういうふうに処理して行くべきか、及ぼす影響も相当大きいと思いますので、慎重に考慮して行きたい。目下せつかく各方面についての御意見も伺い、実地についても調査を続けております。  それから第三のカテゴリーに属しますのが、直接税の減税の関係でございます。これは間接税をどれだけ増徴が可能であるかという面、及び来年度の自然増収の見込みと来年度の歳出規模の見込み、その両者のからみ合いにおいて、一体直接税の減税財源としてどれだけの余裕が考え得るか、この点がはつきりし、同時に第二のカテゴリーに属します間接税の増徴関係がはつきりしましたときに、大体どの程度まで直接税の減税ができるか、これがおのずからきまつて来るのではないか。その場合においても、やはりなかなか税制調査会の答申案通り行き得るかどうかわれわれ疑問に思つておりますが、もしそのままで行かないとすれば、どれをここでは先にし、どこに重点を置いてやつて行くべきか、こうした問題がおのずから検討されていい問題であるというふうに思つております。そうした趣旨によりまして、現在全体の構想をまとめておりますので、まだはつきり申し上げられないことを非常に遺憾といたしますが、もう少し具体的な姿になるまでにつきましては、時間をおかし願いたい、こうした事情にあることを御了承願いたいと思います。

坊秀男自由党

○坊委員長代理 昭和二十八年の年末の賞与に対する所得税の臨時特例に関する法律案を議題といたします。これより質問を許します。山本勝一君。

山本勝市自由党

○山本(勝)委員 提案者に三つの点についてお伺い申し上げます。第一は年末給与の支給を決定いたしました際に、一般の原則に従つて所得税を賦課するという予想のもとに決定せられたことは、これは提案者においても御承知のはずだと思うのであります。そういうわけでありますので、まず第一にお伺いしたいのは、こういう予想のもとに、つまり所得税を賦課するという前提の上に決定された年末給与の支給を、ここに臨時特別の法律によつて一万五千円以下を無税とされるというような提案をされている以上は、金額においてどれくらいの歳入予想の不足を来すかというふうに見ておられるか、これをます第一にお伺いしたい。  それから第二の点は、どういうふうにしてその財源を求められる考えであるか、それが第二点。それから第三点は、どういうわけで歳末給与の決定されるときに、あるいはそれと同時に、あるいはそれ以前においてこの提案をされなかつたのかどうか。この三点をお伺いします。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 一万五千円の所得税を免除した場合の全体の税額はどのくらいになるかということでないかと思いますが、これはいろいろ計算のやり方にもよりましようし、またその見方によつて異なるかもわかりませんが、私ども税務の専門的な仕事をしているわけではありませんが、大体推定するところは、百八十億くらいになりはせぬか、かように推定をいたしております。それからそういう大きな歳入不足を来すのにあたつて、どうしてそれを補うか、こういうお話でございますが、それは政府が他の委員会においても、たとえば教員の俸給の負担を富裕府県に限つて打切るという法案を出して、それが否決されて、予算的には大きな穴が明いております。従つて政府としては、それに対する予算的処置を考えなければならぬ、それを同じように、国会がかような法案を決定いたしました場合は、当然付随的な予算を国会に政府は出せばいいので、われわれはその歳入の補填については予算全体の組みかえをやればいい、こう考えております。それから何ゆえに一般給与ベースの改訂にからんで本法案を同時に提出しなかつたか、こういうごもつともな御質問でございますが、私どもあなたと同様、給与ベースその他の改善の法案とともにこれを提案するつもりで準備にかかりました。ただ私がさいぜん説明を申し上げました通り、今後の政府の給与ベースの改訂を見ましても、あるいは仲裁裁定の実施のあとを見ましても、いずれもが完全実施されておりません。そこで私どもは、一層この際この法案の提出の必要性を痛感いたしまして、至急に案文の作成にかかり、それぞれの手続をいたして、前国会にこれを提案する準備をいたしたのでありますが、法制局との打合せや、あるいはまた印刷等の諸般の誤差を生じまして、今国会の開会劈頭に提出せざるを得ない実情になつたのでありまして、この点給与の改訂法案と歩調をそろえ得なかつたということは、非常に遺憾であります。さような事務上の不行届きからかようになつたことを一応釈明いたしておきます。

山本勝市自由党

○山本(勝)委員 低額所得者の生活のことを心配されるのはごもつともであり、われわれも同感でありますけれども、ただ今日日本の財政が非常な危機に当面しておる際でございますので、ただ義務教育費のそれと同じように、法律さえ通せばいいんだというふうに簡単には考えられない。それで、そういうふうな日本全体の通貨の安定に関することを常に念頭に置いてやつて行かなければならぬと考えておるので、今の提案者の井上委員の説明では、私は十分に了承できないということを申し上げて、私の質問を打切ります。

苫米地英俊自由党

○苫米地委員 私からも二、三質問いたしたいと思います。もしこの法律を通すということになると、税制の根本の問題に触れると思います。その税制の根本の原則を破壊してもこれを通す必要ありとお認めでございますか、その点をひとつ……。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 たいへんな御質問で、私どもも、年末賞与の特例に関する法案を提案をしたからというて、税制の根本的な建前を破壊するとは考えておりません。すでに本委員会においてはいろいろ各種の所得税その他の特例法案を成立さしておるのであつて、またこれと別に趣を同じくするという意味じやありませんけれども、たとえて申しますならば、供出米価に対しまして、超過供出奨励金、早場米奨励金、あるいは完納奨励金、こういう各種の奨励金、つまり賞与に匹敵するものに対しては免税の処置がとられております。あるいはまた一昨日でしたか、十二月八日の本会議で可決れました所得税の特例に関する法案につきましても、本委員会は満場一致でこれに賛成しております。従つて年末賞与の特例法案が出たからというて、税制の根本的な建前を破壊することにならぬ、さように考えております。

苫米地英俊自由党

○苫米地委員 それでは角度をかえて申します。予算はすでに通過いたしたのであります。予算を提出する権限は内閣にあるのであります。予算が通過して、次の国会にもしその予算を変更しようとするならば、補正予算の形で出さなければならない。ところが次の国会に来て議員提出でかつてな法案を通してしまつて、それで政府が予算措置をしなければならないということになれば……。(「義務教育費はどうなつた」と呼ぶ者あり)これは政府の予算提出権を政府から奪つたものだと考えられる。今わきの方で発言があつて、義務教育費はどうなつたかと言われますが、これも議員提出ではどうにもならない。予算は政府が提出して、補正して来るので、そのときに問題になるのです。これは提出者が政府の方とお話になつて、補正予算としてお出しになるなら、それは筋が通る、それを政府予算提出権を無視した法案を通すということは、私は税制の根本を破壊するものと思う。今までそういう前例はありません。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 御答弁申し上げます。問題はしよせんこの予算ということに関連いたしますが、それはその財源をどう見て行くかということにあろうと思うわけであります。今回の第二次補正の中には、税の自然増収というものが一定額見込まれておるのでありますけれども、これはこれだけとる、あるいはとれという問題ではなく、一応仮定的なものであろうと思うわけであります。それだけとれるのやら、あるいはもつとたくさんとれるのやら、これは一応のめどを置いているものと考えますので、この機会に百五十億円前後という程度のものは減収を来すかもしれないという法案を提出するについては、やはり予算面とにらみ合せて、多少の論議はあるでありましようが、しかしながら現実には租税の自然増収が、直接税、間接税を含めまして七千億の中からこの百八十億というものがあるいは減るかもしれない。これは実際上そんなに大きな問題ではないのでありまして、法律的な立場からこれを論じて参りますれば、ただいま佐藤君から発言のありました通り、これは義務教育費の国庫負担に関する特例等の先例もございますので、これは別に変なものではないと考えるのであります。  ただ問題となりますことは、現在この法案はひとり官公労、三公社、五現業に限るものではなくして、現実には中小企業関係の労働者、一般民間産業を含めての低額所得者の救済を目的とするものでありまして、現在現実に、いずれの企業も金詰まりで困つているのであります。従つてこの年末に、給与者についても、おそらく……。   〔「ボーナスのない者もあるぞ」と呼び、その他発言する者あり〕

坊秀男自由党

○坊委員長代理 静粛に願います。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 彼らのもち代をまかなつただけのそういう年末給与をすることは、いずれの企業も同様困難であろうという面におきまして、一般勤労大衆の年末、年始を何とか税制の面を通じて国家的な一つの配慮を行うことが、きめられて適切であろうということにあるわけでありまして、このことは、祖税特別措置法において、所得税の体系の中から特別のものを抽出して、それぞれの減税措置が行われておるということは、輸出の場合においても、農民の場合においても、他に幾多の前例のあるところでございまして、ごうも体系を乱すとか、あるいは矛盾を来すとかいうようなことはないのでございまして、これは一向さしつかえないものであると考えておるのであります。どうぞ御了承願います。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 大事な問題ですから、ちよつと私から一言申し上げておきますが、われわれは政府の予算提出権を否認するものではありません。ただ政府に予算提出権がありましても、その予算が国会にかかりました場合、国会の審議を通してそれを修正し、それを組みかえる権限が国会にあるのであります。従つてわれわれが、一般国民の要望とわが国の諸般の事情から考えて、必要な法的措置を講じまして、それが予算に響きます場合は、当然補正予算において政府の原案を修正する権限が国会に与えられておりますから、いずれこの法案が通りますならば、政府みずから補正予算を出しますか、出さない場合は、国会として当然補正予算を出すべきであろうと考えております。従つて政府の予算権に干渉するものでもなし、国会は国会独自の立場でもつて本案の処理をすればいい、かように考えますから、その点を誤解のないように願いたい。

山本勝市自由党

○山本(勝)委員 百五十億ということが正確かどうかわかりませんが、かりにそういたしましても、その金額は結局他の国民の負担になることは明らかであります。ですからこれは、形をかえて年末給与をもつとたくさん出させようということにほかならぬのであります。特別に冷害とか災害とかにあつた人間に対して減税をするとか免税をするとかいう話とは違うのであつて、年末の給与から税をとらないということは、結局とるという予想の上に給与額を決定いたしましたもののうちから税をとらぬということで、給与をふやせということだ。それでありますから、この前年末給与の改正をするときに、あれだけに決定した国会の決定をたくみに無視してかえようという意図にほかならぬ。その心情たるやまことに老獪しごくだと思います。国会が一旦決定した給与の形をつくりかえようということにほかならぬ。そうでないというなら、ないという理由を説明していただきたい。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 山本さんたんへんなことをおつしやいますが、私どもこの問題は非常に重要な問題として考えておりまして、御存じの通り、わが国の低額所得者の家計の実態を調べてみますと、収入の半分というものが食糧費に消えております。あと半分によつてどうにか生活をしているという実情でございまして、国民の大多数を占めておりました小額所得者の生活の窮迫が日を追うて重加して来ております。そのことを政府もまた認めまして、何とか低額所得者の税をできるだけ軽減しようということで、毎年この小額所得者に対しましての税の減免がはかられて来ております。おそらく今国会においても、再び二十九年度予算の審議の過程において、これら小額所得者の減税の処置が法律として提案をされて参りましよう。そうなつた場合、あなたの今の説明によると、それはもつてのほかだ、そんな税を下げることは、一方において給与を改善することだ、こういうりくつになつて来ます。ところが実際は、現在の低額所得者は、その所得うのちのほとんど全部というものが生活費に使われている。その生活費の半分以上が食糧費に使われている。従つて生活に税金がかかつているということでありまして、決して余分なぜいたくする金をもうけておらない。特にこれは年末になりまして、この正月をどうして越すかという事態に立ち至って、せめて税金で三千円でも二千五百円でもここでまけてやったら、もうける金額が少いだけに、その税的措置で非常に助かる、こういうつもりでこれは出しているのであって、その点をひとつどうぞ御了承願いたい。

藤枝泉介自由党

○藤枝委員 ただいま議題となっております昭和二十八年の年末の賞与に対する所得税の臨時特例に関する法律案につきましては、大体審議を尽されたと思われますので、この際質疑を打切り、ただちに討論採決に入られんことを望みます。

坊秀男自由党

○坊委員長代理 ただいまの藤枝君の動議のごとく決定するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坊秀男自由党

○坊委員長代理 御異議ないようですから、本案に関しましては以上をもつて質疑を打切り、これより討論に入ります。大平正芳君。

大平正芳自由党

○大平委員 私は自由党を代表いたしまして、ただいま提出になっております昭和二十八年の年末の賞与に対する所得税の臨時特例に関する法律案に遺憾ながら反対の討論を展開いたしたいと思います。  同僚の親愛な諸君の提案に相成りました法案に反対の討論をしなければならぬことは、非常に遺憾とするところであります。また年の瀬を控えまして、多数の勤労者諸君の生活の実情を見るに見かねての非常な御憂慮に対しましても、敬意を表しますがしかし、ながら、この問題は以下三点の理由から私は反対せざるを得ないと存ずるのであります。  第一は、先ほどの提案の理由の説明によりますと、物価が上昇し、あるいは勧告の部分的履行しかできない、年末は時期的に経費の増高があるだろうというようなことでこの法律案を提案したのだとおつしやいますが、しかしこういった事情は、現行の給与ベース、あるいは当与のベース等において、各般の条件を勘案して具体的に決定されているのでございまして、これをさらに税の面から改訂しなければならぬということに相なりますと、現在きまっております給与ベース、賞与ベース等を再吟味しなければならないことに相なるのではないかと存じます。  また勤労者の所得税につきましては、勤労控除の制度がございます。基礎控除、扶養控除等と相まちまして、勤労者の生活の実態に即したような税制を施行いたしているわけでございまして、これにさらに今回のような特別な控除制度を設けるということは、税制合体のメカニズムから申しまして、決して当を得たものではないと存じます。もっとも供出完遂、超過供出、早場米等の奨励金に対する免税の制度は現在ありますが、こういう制度があるからこういうことも許されるのだというような理由には、私は一面確かに提案者側にも言い分があろうと思われますけれども、所得があるところに所得税を納めるという根本の原則に対する例外は、むやみやたらにつくってはいけないのであります。できることならば、再びこういった前車の轍を踏まないように、われわれ大蔵委員は十分慎重に配慮しなければならぬ責任があるのではないかという理由が、第二点であります。  第三点は、先ほども同僚から御指摘がございましたが、歳入欠陥の問題でございます。すでに予算が決定され、執行の諸般の準側がされております場合に、二百億に近い歳入欠陥を招来するような法律案の提出につきましては、われわれとしては根本的に反対せざるを得ないと存ずる次第でございます。  非常に遺憾でございますが、以上三点を理由といたしまして、反対をいたしたいと思います。

坊秀男自由党

○坊委員長代理 佐藤觀次郎君。

佐藤觀次郎日本社会党(左)

○佐藤(觀)委員 現在俸給生活者は、源泉課税として一番正直に税金を納めておるわけでございます。今年は仲裁裁定の問題があり、官公労の問題がございますが、一般の下級生活者の生活の因窮は、先ほど井上委員の説明になった通りでございます。しかもこういうまじめに税を納める者から、一万五千円足らずのわずかばかの年末賞与から税金をとられるということは、見るに忍びないことがありますので、特に今年度に限ってこういう人々に温情を及ぼすということは、税の根本をくずすこともなく、政治のあり方としては、人間のやわらかい同情を持つことであって適切であるとわれわれ考えるわけであります。税の公平な負担ということにつきましては、いろいろ問題がありますけれども、徴税費のかからない俸給生活者の現在の実情から考えまして、税の軽減をしようという考え方が、大蔵当局、主税当局にもあみわけでございます。そういう立場から考えて、今年度に限って下級俸給生活者の賞与を免税するということは、ちようど農民の超過供出に対する免税と同じような意味で、今回特にこういうような措置をとられるという法案にはわれわれはもちろん賛成し、自由党の諸君といえども、このことがわからなければ政治の妙味がわからないわけでありまして、これが現在の税体系を決してくずすものではなくて、たまにはこういうような恩恵、特例があってもしかるべきだと考えまして、原案に絶対に賛成するものであります。

坊秀男自由党

○坊委員長代理 春日一幸君。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 私は日本社会党を代表いたしまして、この法律案に対して賛成をいたすものであります。ただいま自由党の大平委員の反対討論によりますと、三つの項目を掲げられて反対の理由とされておるのでありますが、いずれも詭弁であり、しかも物事の本体を全然見誤っているものがあるのでございます。  まず第一番に、大平委員は、給与ベースと年末給与に関する勧告が、すべて物価の高騰をすでに見込んで勧告されているのだから、かくのごとき救済措置は必要ないであろうということを言っておられるのでありますけれども、私どもといえども、あの勧告が完全実施されておりますならば、あるいはそういうような輿論にくみすることができるかもしれませんが、御承知の通り、年末の給与並びに賃金ベースの勧告というものは、これは八月実施を指示いたしておるにかかわりませず、明年の一月でなけばこれれは実施しない。すなわち完全実施が行われていないというこのことでございます。従いまして、ただいま大平君が諸物価の暴騰を見込んでそうした勧告がされておるから心配がないという事柄は、政府がこの勧告をわずかに一部だけしか実施しなかったというこの事実によつて、この反対理由は葬り去られなければならない問題であろうと思うのでございます。  それから第二の点でありますが、現行税制は勤労者の実態に即して云々と言っておられるのでありますけれども、私はこの機会に特に強調いたしたいことは、過ぐる日の税制調査会の税制改革に関する答申に徴しましても明確な通り、すなわち生活費に課税すべきではないという答申が行なわれております。わが党の税制改革に関する考え方は、五人家族まで二十四万円としておりますが、この答申案に徴してみましても、三人家族まで二十四万円は課税しない方がよいだろう、こういうふうに答申が行われ、政府もまたこれに相当の共鳴をいたしておる様子でございます。今やこの直接税に対する考え方は、生活費には課税すべきでないということが一般的な輿論になり、これも学界の定説となっておるのであります。従いまして、大平君が、今までの勤労者に対する課税として、これは現行課税体系のメカニズムを損ずるといわれておりますけれども、すべて真理は可動的で条件つきであります。きのうまではそういう考え方はあるいはやむを得なかったかもしれませんけれども、今や現在のいろいろの社会情勢経済構造というものは、もうそういうものに課税をしない方がいいというように、この定説がかわりつつあるのでありまして、そういう実情に即した税の改廃を行うということは、これまた最も時宜に適したものであると考えるわけでございまして、反対理由の第二の点も、これまたかくのごとき所論によって葬り去られなければならぬと思うの一であります。  それから第三の問題であります。法律案の提案権と予算案の提案権との錯綜の問題でございますが、これは憲法並びに国会法をもう一度御精読願えばよくおわかりのことでございましようが、議員の法律の提案権は、何者もこれを阻害することは許されないのでございます。ただいま井上委員によって解明されました通り、これはわれわれ独自の権限として、憲法並びに国会法によってこの法案を提出いたしておるのでございますから、従いましてこれが国会を通過いたしますれば、当然補正予算に関する補正措置は、政府の義務となって現われて参るものでございまして、私どもはかくのごとき事柄に対して、何ら顧慮を与える必要はないのでございます。  以上三点から考えまして、この法律案こそはただひとり官公労あるいは三公社五現業を対象にするものではなくして、一般の低額所得者の年越しのために、農民あるいはまた貿易の面、その他いろいろな面で租税減免の特別の措置が講ぜられておるのと同様に、この機会にかくのごとき法律を提出することによって、国家構成の支柱である勤労者の生活を守る、このために必要欠くべからざる法律案であろうと考えますので、何とぞ満場の諸君の御賛同を得まして、本案を成立させていただくことをお願いいたしますと同時に、党並びに全国勤労大衆を代表しまして、賛成をいたすものであります。

坊秀男自由党

○坊委員長代理 討論は終局いたしました。  これより本案の採決に入ります。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

坊秀男自由党

○坊委員長代理 起立少数。よって本案は否決せられました。  なお報告書の作成、提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。

坊秀男自由党

○坊委員長代理 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。  それは愛知県豊川市にある豊川工廠の払い下げに関する調査のため、委員を現地に派遣いたしたいと存じますが、このため議長の承任を求むることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坊秀男自由党

○坊委員長代理 御異議なきものと認めます。  なお派遣の日時、派遣人員等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。     ―――――――――――――

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 議事進行について……。数日前の本委員会におきまして、決議案でありましたか豊章ありました一か、年末金融の問題と徴税攻勢緩和に関する問題とにつきまして決議が行われました。そこでこの機会に提案をいたしたいことは、この金融の実情並びに徴税の実情がはたして決議のごとく行われておるかどうか、このことはきわめて重要な問題であろうと考えられますので、この休会中におきまして、東京、大阪、名古屋、福岡等の経済ブロックを中心といたしまして、徴税行政と年末金融の実態調査のために、本委員会が手わけをして現地の実際の模様をひつと調査に参りたいと存じますので、委員長にお諮りを願いまして、本決議案の趣旨が実際的に効果をあげ、さらに徹底を期し得ますよう、そのようにりはからいを願いたい。動議として提出いたします。

坊秀男自由党

○坊委員長代理 ただいまの春日君の動議に御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坊秀男自由党

○坊委員長代理 異議ないものと認めます。委員長はさようにとりはからうことにいたします。     ―――――――――――――

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 明年度の税制改正について、一応渡邊さんから御説明がありましたが、具体的にその税制の改正の骨格が明らかになるのはいつですか。

渡邊喜久造大蔵事務官(主税局長)

○渡邊説明員 やはり予算の編成が大体終る時期ということをわれわれは目安にしております。御承知のように歳入歳出、その両方がはっきり固まりますときが、また同時に明年度における税制の骨格が大体固まるときだ、こういうふうに考えるべきじゃないか、かように考えております。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 それは税務当局といいますか、税の行政をあずかる主税局としましては、どうもけしからぬ考え方であると思います。といいますのは、現実に今国民所得の現状から、どういう税のとり方が妥当であるか、また現在とつている税のうちでどういうものが非常に不適当であるから、これを改正しなければならぬか、そこで全体でもつてどのくらいの収入があるか、その税収の上に乗った予算というものが歳出の方で削らるべきがほんとうでないか。そうでなしに、歳出の面がおよそきまらなければ税のとり方というものがきまらぬというのは、私は非常なあやまちであろうと思うのです。これは申すまでもないことですが、およそ民主的な国会というものができますゆえんは、できるだけ国民の負担を公正妥当なものにしていくという建前であります。しかるに最近民主主義をはき違えたものが一部ございまして、何でもかんでも予算をよけいとる、歳出の面を膨脹させて行くといういろいろなものがございますけれども、われわれはあくまで国民の生活の現状から、負担限度というものはどれが妥当であるかということを原則的に一応きめて、これだけしか国民の負担能力がないから、従つて歳出の面では、重要な、国がどうしてもやらなければならぬものもこれだけしか使えない、従って新規的なものにしても、非常に重要なもの以外は採擇ができないというところへ持って行くべきが必要でないか。それをあなたが早く言ってがんばれば、やれるじゃないか。それを片方の主計局の方の要求が非常に強くて、この要求に合った税制を考えるというなら、実際はあなたの存立の意義はありませんよ。そこはひとつあくまであなたとしては、国民負担の現状から税の正当性を主張して、わしの方の計算では、これ以上今年の負担はふやすわけには行かないと、今の年末賞与の問題についてあなたが反対的な策動をやっておったようなその意気でもって、来年度の税についてもがんばるだけの自信がありますか。それを、主計局に押されて税制のあんばいを考えるのはもつてのほかだ、その点はどうですか。

渡邊喜久造大蔵事務官(主税局長)

○渡邊説明員 主税局長の立場といたしますと、今井上さんのおっしゃったお話は、そのまますなおに受入れられ、同感する点が多いのでありますが、やはり政府として全体的に考えてまいります場合におきましては、一面において国民の負担という問題も考え、同時にそれと並行しながら、国の行う仕事というものをどういうふうにやつて行くかということとあわせて考えて行くべきものではないかと考えます。財政学の方でも、国の財政は、出ずるをはかりて入るを制するといったような言葉もありますが、それがいささか極端にわたるとすれば、これもまたよほど考えなければならぬ問題であると考えます。結局歳出の問題というか、税が多少高くても、それがたとえば社会保障とかいう面に有効に使われるならがまんできるとか、いろいろな御議論もあるようであります、やはり税制は税制としての考え方がありますが、最終的結論に到達するには、歳出の面と歳入の面とをあわせ勘案したところでもって結論を出すべきではないかと考えております。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 私は、あくまで国民の所得の現実にマッチした税制というものが一応考えられて、その上に国の蔵出をあんばいして行くという建前が正しい行き方だという考え方です。あなたの方では、歳出の面、国全体の財政負担の面を一体どうあんばいをするか、その雲行きを見た上で、とこういう印象が非常に強くわれわれに映っておるので、そういうことはない、あくまで国民の所得の現実に即応した負担の均衡を考えて行く、こういうことなら、主局税としては、すでに具体的に案をお持ちでございましよう。それをひとつお示し願いたい。そして国会としても、あなたのその考え方が正しいということを支持して、できるだけそれにマッチしたような予算編成を政府に強く要求して行く。また他の関係各委員に対しても、少くとも明年度の税負担はこれ以上はできない、だから新しく要求されても無理だ、そういうことを明らかにしないかち、財政金融に関係のない他の委員会は、あの費目もふやせ、この予算も追加せよ、こちらも直せという要求が強くなつて来て、遂には政府としては、それに押されてしまつて厖大な予算を組む。それによつて結局国民は、せつかく負担の公平が期せられると考えておつたものがだめになつてしまう。また実際上自然増収をあてにしたり、または公債まで出さなければならぬことに追い込んで行くことになると思います。おそらくあなた方の方では、来年度の税については、税制調査会で答申も出ておることであるから、あなたみずからこれに出席して、諸般の情勢をよく見抜いて、これとこれとはやり得るが、これとこれとはやり得ないという腹構えができているはずだ。できていないというならたいへんだ。来年度の税全体の収入は、いろいろ勘案するがこの程度だという線を一応国会に示すべきだ。渡邊私案でもよい。一応示して、国会全体にこの意見を反映させて、不当な財政要求は、できるだけ国全体その他の見地から抑制するという立場から、国会の協力を求めるということが必要である。われわれは、特に税制及び金融をやつておる当委員会としましては、予算の全体の骨格がわからんと税金がどうなるかわからんということは、それは国民に対して言えませんよ。だから、この点ひとつもう少し正直にお示し願いたい。

渡邊喜久造大蔵事務官(主税局長)

○渡邊説明員 大分おしかりをこうむりまして恐縮しておりますが、われわれの方といたしまして、一応何とかこういうふうな線に持つて行けないものだろうかといつたような姿は、漸次描きつつあります。しかしまだそれを皆様方にごひろう申し上げるだけの自信を持つておりませんので、もう少し時間をかしていただきたい。同時にわれわれといたしましては、これは非常に個人的な話とおしかりをこうむるかもしれませんが、たとえば大蔵省の内部における審議などにおきましては、主計局まかせで、予算がどんなに大きくなつてもわれわれはただそれに唯々諾諾としてついて行くといつたような気持で仕事をしているわけでは毛頭ございません。一応予算というものはかくあるべきだということについての意見は強く主張し、その線に浩つて予算が組まれることをわれわれは大いに努力はしておりますが、これはいささか大蔵省の内部の問題になりますので、政府の考え方として、ここでごひろう申し上げるべきではまだないのじやないか、従つて明年度の税制改正の姿はどうなるのだという御質問に対しては、先ほど申しましたように、予算の大体の姿がきまつたときに、われわれの方としても最後の腹がきまるのだ、こういうふうなことにならざるを得ないわけでありまして、御了承願いたいと思います。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 ただいまの御答弁によりますと、明年度の財政規模が大体まとまつてから税制について考えるというお話でありますが、それはそれといたしまして、しかしながら、今回の税制改革案の中には、結局財政規模に関係のないところの答申が行われておるわけであります。たとえて申しますると、遊興飲食税、あるいは入場税等のごときものでありまして、これを国税に移管をして、他の方法で地方に還元するというようなことも含まれておると思うのであります。御承知の通り、これが国税に移管されるかもわからない、こういうことのために、関係業者は非常に反対運動を行つておりまするし、のみならず地方公共団体等におきましても、地方財政の構造がどうかわつて行くかということで、またいろいろの反対運動が行われておるのであります。この二つの問題は、明年度の予算規模がきまらなくても、これは徴税技術上の問題として、主税局長の腹中においては、すでにいかにあるべきかということはもうまとめ上げられておるころ合いだと思うわけでありますが、この両地方税を国税に移管するという答申案に対して、局長は大体どういうふうにしようと考えておられますか、この二点だけでも大体の御方針をごひろう願うことは、これらの運動に対して、そういう方針が政府にないなら、必要を越えた運動は彼らのエネルギーの浪費になりますし、またむだを相当セーヴできると思いますので、この機会に大体御見解を御開陳置き願いたいと思います。

渡邊喜久造大蔵事務官(主税局長)

○渡邊説明員 入場税、遊興飲食税の移管問題が財政規模に影響ないというような御議論でございますが、これはやはり財政規模に相当の影響を持つている問題だと思つております。と申しますのは、現在の入場税、遊興飲食税を移管――私はこの言葉は使わないことにしておりますが、結局国税として国で徴収しますが、これの大部分を地方に返してやろうというのが答申の線でございます。こういたしますことによりまして、国の方の歳出も相当縮減できるのではないかとわれわれは考えております。従いまして、まだ結論は出しておりませんが、できるだけこの方向でものは考えて行くべきではないかと私は考えております。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 次にお伺いをいたしたいことは、繊維課税の問題であります。巷聞伝えるところによりますと、当初はその答申の趣旨を尊重いたしましてできるだけ毛だとか生糸だとか、あるいは麻だとかいう高級繊維に限つて、大衆繊維である綿糸はこれを課税しない方がいいであろうというようなお考えであつた様子であります。ところが、その後こういう限られた小範囲のものに課税すると、勢い二百億の財源捻出のためには高率の課税になる、これはやはり業者そのものに対して大きな圧迫を加え、経営の困難を来らしむるような心配もあろうというので、いつそ率を低めて、そうして綿を含めた広範囲な課税をしてはどうであろうというような考え方に、大蔵省当局のお考え方が移行しつつあるようなことも報道されておるわけであります。この真相は一体どの程度のものであるか、これが一点。  それからもう一つは、この税を糸におかけになろうとするのであるか、あるいはすでに織布になつた織物の形においてこれを課税対象とされるのであるか、この機会にお伺いをしておきたいのであります。  なお第三点として、織物消費税なるものが廃止されて、まだ三年くらいしかけみしていないと思うのでありますが、廃止された当時における廃止を必要とするところの理由は、いまだ解消されていないと思うのであります。しかるに、今回朝変暮改のきらいなしとしない三年をたたないさきにさらに、これを復活するというこの理由についてお伺いをいたしたい。  さらにもう一ぺん重ねてお伺いしたいことは、こういう間接税が復活されますると、結局関係業者というものは、経営上にエキストラの経費をさらに加えて参らなければなりません。すなわち課税用の台帳をそろえ、取引上に特別の配慮を加えて行かなければならないことであり、これは結局たださえ困難であるところの彼らの経営にさらに重き賦課を加えて参ることになろうと思うのであります。そういういたずらなところの経費を業者にかけるというようなことは、政策としてまことに愚かであると考えますので、かりに二百億の財源を特に必要とするならば、その財源を繊維から確保することには、他に方法がないわけではないように考えられるわけであります。たとえて申しますならば、綿花にいたしましても羊毛にいたしましても、いずれも税関にこれが庫入れされますから、出るときに、これを消費税の形において、庫出税ということでそこでかけてしまえば、結局徴税もきわめて簡単であり業者はその税を含んだところの原綿、原毛等を手に入れて参る形になりますので、これは業態をいろいろ運営管理して行く上におきまして、いささかも人件費を加える形にはなつて参りませんし、政府自体におきましても、輸入されたものが保税倉庫から出て参るときに消費税をそこに賦課して参る、こういう形になれば一向さしつかえのない問題であろうと考えるのでありまするが、これに対して局長はどういう考えをお持ちになつておりますか、この機会にちよつとお伺いをいたしておきたいのであります。

渡邊喜久造大蔵事務官(主税局長)

○渡邊説明員 第一のは、広く繊維に課税したらどうかということが言われているようだが、その線で研究しているかというお話だと思いますが、われわれの方は、第一次的には一応税制調査会でいろいろ御議論のありました線を中心にして考えております。従いまして、たとえば麻の問題などにつきましても、麻ですと太番手のものははずしたらどうだろう、細番手のものだけを課税したらどうだろうか、こういったような考え方がそこに出て参ります。そうした場合に、綿につきましても非常に上質のワイシャツになるようなものは何か考えたらどうだろうか、この線が一つあるわけでございまして、この方の案を一応一つの案として研究しております。ただ片方に、そういうふうな考え方でなくて、もつと広く課税したらどうかという御意見もあるわけでございまして、こういう面も、まだどちらにしても結論はもう少し先になると思いますが、一応の御意見として研究すべきじやないか、こういう線で考えております。中心的には、一応税制調査会の考え方のような線をやつた場合にどうなるだろうというようなことを中心に研究をしているということを、申し上げておきたいと思います。  それから原糸で課税すべきか、織物で課税すべきか、これはいろいろ御議論のあるところでございまして、利害得失、あげればそれぞれあがりますが、これは春日さんに一々そこまで申し上げるのは釈迦に説法だと思いますから、申し上げませんが、とにかく一応織物の課税の場合ですと、従来の経験もございますので、大体一つのかつこうはわかつておりますが、原糸の場合でございますと新しい問題になりますので、従来の経験もございませんし、従つて原糸の場合にはどうなるという点も、あわせて検討して行きまして、原糸の点の方が、われわれの方としては新しいやり方だもんでございますから、この方を中心にむしろ勉強しておりますが、結論としましてどつちへもつて行くかということは、これはもう少し先にきめたいと思つております。  廃止した税金をすぐまた持ち出すのはどうだろうか、これは確かに一つの、少くとも政治的に考えれば大きな問題だと思つておりますけれども、一応現在の税制全体が、御承知のように、シャウプ勧告に基きまして昭和二十五年につくられた。それに対して、直接税方面なり各方面にいろいろな批判があり、同時にこれを独立後一年経たこの機会に見直してみようじやないか、こういうことが、今度の税制調査会などでいろいろ御議論を願つている主たる理由でございます。従いまして、税制自体につきまして全面的に検討して行く場合におきまして、廃止した税金でありましても、やはり課税せざるを得ないということになれば、これを取上げるという問題が出て来るのもやむを得ないのじやないか、かように考えております。  それから、できるだけ徴税費はいらぬように持つて行くべきじやないか、これは、私も方法としては全然同じような意見を持つております。同時に、納税者の方にいたずらな手数をかけるべきじやない、これも同じように考えております。必要やむを得ざる限度にとめるべきだ。  また原綿、原毛に課税したらどうか。これは一つの御意見としてわれわれも検討しておりますが、たとえば輸出される品物については、税金をかけたくないといつたような問題もございます。そういつたような問題と結びつきますときに、原綿、原毛で課税するといつたようなやり方の場合に、いわゆる輸出免税の措置などでうまく行くのだろうか、そこの辺などを結びつけて参りますと、相当そこに困難もありやせんだろうか、それから国内繊維と輸入繊維をどういうふうに考えて行くべきか、こういったような問題もありまして、一応の御意見としてはわれわれも伺つておりますし、検討もしておりますが、まだ結論はちよつと出にくい。いずれ結論を出しまして、当委員会で十分御批判を願いたいと思つております。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 大体本日は大本を伺うだけでございますので、詳細な事柄には言及いたしませんが、ただこの機会に申し上げておきたいことは、ただいまこの輸入綿、あるいは輸入原毛等について、はたして輸出の面と国内消費の面等についての区別がうまく行くだろうかというお説でありますが、紡織にしろ、原毛を取扱う者はすべて大企業でありまして、事務操作もいろいろな商品管理等も十分手があるわけでありまして、またそういう管理能力も十分に持つておろうと思うわけであります。従いまして、これは零細業者等が、いずれにしても輸入の場合におきましては未納税処置とか、未納税輸出とかいろいろな処置をしなければならないでありましようが、そういうような零細業者がやれることが大企業にやれないはずはないわけでありまして、輸入のための綿と輸出のための羊毛というものを別個に管理するというようなことは、これはきわめて易々たる事柄でありまして、いわゆる最悪の場合は、輸出の分はもどし税制度を考えますれば、これは問題なく処理ができる事柄であろうと考えます。私どもが考えまするのは、自由党内閣は何といつても大代企業の弁者であります。従つて大紡績とか大会社の反対の声が強くして、勢いそういうしわが、比較的政治的な背後勢力を持たない中小企業に寄せられて来るというそしりが現実に大きな不満として巻き上つているということを、局長に十分御銘記願つて新しい税制をつくられるにあたつては、二の点については十分の御配慮こそ望ましいと思うわけであります。  なおこの機会に一言申し添えておきますが、問題は財政規模をあらかじめ想定して、新しい財源を二百億これによつて確保しようというのでありますが、先般平岡君も申し上げておりました通り、新しい財源がどうしても必要かくべからざる事情において必要であれば、二百億程度のものは、現在の例の法人会社における交際費に課税すれば、すなわち一説によれば八百億、ときには千百億くらいに上るところのこの交際費に、一定の基礎控除を含めて課税をいたして参りますならば、百分の四十二をかけておけば、三百何十億という金がとれるわけであります。従つて社用族とか公用族とかいつていろいろそしりがありますところのこの方面への流出に対して、税を課することによつて世人の非難も緩和でき、さらにまた経営の内容等についても、税制の面を通じて健全化できる面もあろうと考えますので、繊維に課税するということは別に理由のないことであり、ただ漫然と即興的にだれかが着想したにすぎないのでありますから、そんな答申にあなたが深くとらわれて、これでなければというような考え方をお持ちにならないように願いたい。二百億の財源の捕捉については、広い視野において、たとえば先般平岡君が本会議で主張いたしましたように、法人大会社の遊興飲食にわたるところの交際費に課税することによつてかわり財源を求められる。そしてこういうような大衆課税、中小企業の経営をきわめて破綻に陥れるような悪税は、あなたの良心によつて努めてこれを阻止されたい。これをもつて私の質問を終ります。

渡邊喜久造大蔵事務官(主税局長)

○渡邊説明員 いろいろ御忠言をいただきまして、私どもも十分研究してみたいと思つております。ただ会社の交際費に課税すれば二百億くらいの財源は易々たるものだというようなお話でございましたが、これは、私の研究したところではどうもそういう数字にならぬと思います。それは十五国会でしたか、一応提案申し上げまして、大分この委員会でも詳細に御審議願つたわけでございますが、交際費の中には、やはり仕事をしていく上においてぜひ必要な交際費もございますし、平岡先生の数字がどうしてああいう数字になつたか、もう少し伺つてみないとわかりませんが、われわれの方の考えた数字は、そこでもつて二百億易々として出て来るというふうな数字にはならぬということを申し上げておきます。この問のわれわれの方ではじき出した数字からいたしますと、二十数億といつた数字がやつとでございまして、交際費というものは何でもかまわずみんな余分のものだ、従つてそれに全部課税したらいい、おそらくこういうふうな御計算でそういう数字が出るのだと思いますが、それはまた実態をかなり誤らせるものじやないか、特に中小企業におきましても、相当大きな交際費を使つております。従つて、そういうものを全部引抜きまして税金をかけて行くということになりますと、金額からいいますればそれは大きな会社の方へ固まるかもしれませんが、相対的に見れば、むしろ小さな企業の方がかえつて大きな負担にならぬとも限りませんし、その辺は、どうもちよつとやれわれの方としては、数字的に納得できない数字であることを申し上げておきます。

坊秀男自由党

○坊委員長代理 本日はこれにて散会いたします。   午後零時二分散会

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