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第19回国会衆議院1954/05/06

水産委員会 第25号

発言数
17 件
登壇者
4 名
会派数
2
開催日
1954/05/06

会議録

田口長治郎自由党

○田口委員長 これより会議を開きます。  先刻御懇談いたしました通り、漁業法及び水産業協同組合法の改正に関し、鈴木委員より発言を求められておりますので、これを許します。

鈴木善幸自由党

○鈴木(善)委員 本国会の会期が迫つておりますが、重要法案その他の審議の関係で、会期を大幅に延長すべきであるという意見が一部に強く出ておりまして、幸いにして各派の御賛成を得て会期が延長になりますならば、私はこの機会に本委員会としてぜひとも審議をしていただきたい問題があるわけであります。ただいま委員長からお話がありました漁業法及び水産業協同組合法の改正に関する問題でございますが、これは各委員すでに御承知の通り、今日の漁業法並びに水産業協同組合法は、占領下におきまして占領政策の一環として、司令部の強い示唆と要請によつてできました経過からいたしましても、わが国の国情、漁業の実態等に必ずしもふさわしいものになつていないきらいが多々あるのであります。このことは、現実にこの二つの法律を運用いたしました場合における漁業及び漁業者の立場からいたしまして、いろいろ改正を要求する声が高まつて来ておることによつても立証されておると思うのであります。およそ漁業法にいたしましても水産業協同組合法にいたしましても、いわばわが水産業界の基本法でございまして、行政庁初め関係者、各業界あまねく意見を聴取をいたしまして、慎重にこれに検討を加え、今後改正いたしますならば、長期にわたつて改正をしなくとも真にわが国の水産業の運用の上において実情に適するものをつくつて参りたい、こう考えるわけであります。そこで私は、本委員会におきまして漁業法及び水産業協同組合法の改正に関する小委員会を特に設置いたしまして、両法案の慎重審議を進めていただきたいということをまず提案いたしたいと思うのであります。政府におきましても、すでに水産庁の企画室におきまして、長官の指示によつて研究調査に着手しておるやに聞いておるのでありますが、政府の今日までの調査の結果も取入れますと同時に、本委員会とししも独自の立場におきまして、業界各方面の意見も十分取入れて、りつぱな改正ができますことを私は強く期待いたすものであります。  第二の提案といたしまして、漁船建造資金の確保が非常に困難になつて来ております。特に最近におきます金融引締めによりまして、資金の融通が非常に困難な事態に直面いたしておるのにかんがみまして、私どもは、農林漁業金融公庫の十五億程度の漁船建造融資額をもつていたしましては、とうてい計画的な漁船建造を推進することができないという事情にあるわけでございますから、この際公庫法の一部を改正する特別立法を私ども研究を進めまして、そしてでき得ればその特例法によりまして、公庫が農林中金等に保証することによつて、公庫プロパーの資金のほかに、金融機関の余裕資金を漁船建造の面に活用できるような方途を講ずることがきわめて緊要なる措置ではないか、こう考えるのであります。また民間におきましても、最近の漁船金融の実情を打開いたすために、漁船建造資金融資ための保証の会社等をつくるための監督立法を要請しておるような空気も出て来ておるのであります。そこで私は、これらの問題を調査審議いたしますために、漁船建造融資保証に関する件を金融小委員会に付託して研究することを提案いたしたいと思うのであります。  これを要するに、一つは漁業法及び水産業協同組合法の改正に関する小委員会を設置してもらいたい。第二は漁船建造融資保証に関する件を金融小委員会に付託して、審議を進めていただきたい、この二つをここに提案するのであります。

田口長治郎自由党

○田口委員長 ただいまの鈴木委員の御意見は、漁業法及び水産業協同組合法改正に関する小委員会の設置の問題と、漁船建造融資の保証に関する件につきまして水産金融小委員会に付託する問題、この二つであります。  第二の漁船建造融資の保証に関する件を水産金融小委員会に付託することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田口長治郎自由党

○田口委員長 異議がないようでございますから、さように決定いたします。  次に漁業法及び水産業協同組合法の改正に関する小委員会の設置につきまして御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田口長治郎自由党

○田口委員長 異議なしと認めます。よつて同小委員会を設置することに決しました。  引続き同小委員会の構成についてお諮りをいたします。小委員の員数は他の小委員会と同様十五名とし、小委員及び小委員長の選任につきましては、先例によりまして委員長一任とすることに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田口長治郎自由党

○田口委員長 異議なしと認めます。よつてそのように決しました。小委員及び小委員長の指名は追つて行うこといたします。     —————————————

鈴木善幸自由党

○鈴木(善)委員 ただいまも私動議として提案いたしました際に申し上げたのでありますが、漁船建造資金の確保の問題が当面非常に研究を要する問題になつて来ておるのであります。その一つに開発銀行における漁船建造資金を中心とした水産融資の問題があるわけでありますが、伝えらるるところによりますと、二十九年度の予算におきまして開発銀行の資金の総額が相当圧縮されましたために、そのしわ寄せが水産金融の面に大きく響いて来ている。水産当局の非常な熱意ある折衝にもかかわらず、業界の希望するところとは非常に懸隔がある少額のものに圧縮されて行くような空気が非常に濃厚であるということを伝え聞きまして、私ども非常に遺憾に存じておるものでありますが、この問題につきまして、水産庁長官として、政府関係各省及び開発銀行との折衝の経過をこの際承りたいと存ずるのであります。

清井正水産庁長官

○清井政府委員 開発銀行の水産金融の資金わくの問題でありますが、これはただいまお話がありました通り、当初のわくがその後の国会における予算の修正の影響を受けまして、相当金額の総わくが減額になつたということ等の理由によりまして、当初私どもが事務的に聞きました範囲におきましては、いわゆるその他産業のわくがゼロになつたのであります。もちろんその他産業のわくに水産が入つているのでありますが、主として電力等大企業に集中いたしまして、資金わくの当初よりの減少がその他の産業にしわ寄せされ、その結果水産金融がゼロになつたということを聞いたのであります。私どもといたしましては、その後この問題をきめて重要な問題として取上げて参りまして、関係方面としばしば折衝を重ねて参つているのであります。ただいままでの状況によりますと、その他産業といたしまして持筆されるものは、輸出振興と国内の自給力増強という二つの柱が立てられまして、その面に貢献するものが融資のわくとして認められることに相なつているのであります。従いまして水産金融についても、その面からする融資に勢いよらざるを得ないということになりますと同時に、少くとも二十八年度においても相当金額の融資が行われているのでありますから、その辺の金額の見合いにおいて、水産金融の相当のわくをぜひとも獲得しなければならないということで努力して参つているのであります。ただいまのところ、まだ最後的決定にはならない状況でありますが、私どもといたしましては、昨年度の実際に融資された金額、あるいは融資された漁業種類等ともにらみ合せ、同時にまた輸出振興、国内自給力増強という柱とのにらみ合いによりまして、できるだけ水産金融のわくを獲得いたしたいものと、目下部内において、省内及び省外はもちろん、関係方面とも折衝を続けているような状況であります。しかしながら総わくが相当昨年より減つておりますし、なかなか金融のわくもそう楽観をいたすことができないのが実際の状況でありまして、私どもといたしましては、何とかしてこのわくを増強いたしたいとは考えておりますが、なかなか楽観を許さない状況であることは、水産庁としても遺憾でありまして、少しでも資金わくを増強いたしたいということで努力いたしているのであります。

鈴木善幸自由党

○鈴木(善)委員 二十九年度の開発銀行の資金の配分にあたつて、輸出振興と国内自給力の増強という二つの基本的な柱があつて、それによつて資金の配分がなされるという政府の方針を承つたのでありますが、この二つの観点から水産金融の重要性を考えました場合に、まさに水産金融こそ輸出振興の面においても、国内自給力増強の面からしても、最もその経済効果が期待され、わが国の現状にかんがみまして、水産が最もこの二つの基本的な方針に合致するものであると私どもは考えるのであります。長官も総額が圧縮されているうちから、前年度ないしそれ以上の水産資金のわくを獲得するために非常な御苦心をなさつているようでありますが、先般の閣議において保利農林大臣が特に発言を求めて、輸出振興と国内自給力の増強の観点から、水産資金のわくをぜひとも確保したいという強い発言をしているのであります。この農相の発言によつて、政府が政府全体として水産金融を開発銀行において今後十分取上げて行くというような方向に向いておりますかどうか、その閣議において了解された事項が開発銀行等に対して十分徹底をしておりますかどうか、その点をお伺いいたしたいと思うのであります。

清井正水産庁長官

○清井政府委員 ただいまもお話がございましたが、閣議におきましても農林大臣から特に発言を求めまして、ただいまの輸出振興あるいは国内自給力の増強という面からいたしまして、水産金融の重要性が力説されたのであります。私どもといたしましても、この閣議の線にのつとり、努力いたしているのであります。まだ最後的の数字はきまつていないのでありますが、御承知の通りのような、総わくが昨年より減つている関係もありますので、実際問題としてはなかなか楽観を許さない状況であります。しかし金額並びに融資の漁業種類等については、なお私どもは、関係の官庁並びに開発銀行等とさらに十分に折衝を遂げて参らなければならないのであります。なお開発銀行とわれわれの折衝にいたしましても、いろいろ具体的な問題がございまして、昨年度より引続き具体的な問題でいろいろ融資の相談を持ちかけていろ問題もありますが、こういつた問題等も全体の方針の問題と含めて、実際問題の解決という面もこの際取上げて行かなければならないと思います。そういつたようなことと、先ほど申し上げたような基本原則からする面と、両々取上げて参りまして、今後とも水産金融のわくの増強に努めて行かなければならないと考えているのであります。

鈴木善幸自由党

○鈴木(善)委員 私はこの際特に政府に希望を申し上げておきたいのであります。それは従来開発銀行の融資におきましては、南氷洋の捕鯨等に重点が指向されまして、以西底びきでありますとか、あるいはかつお、まぐろ漁業でありますとか、そういう面の漁船建造資金が、業界から非常に要望が多いにもかかわらず、大資本の企業である南氷洋捕鯨等に非常に偏重するようなきらいがあるように私ども思うのであります。その結果は、勢い中小漁業を中心とする農林漁業金融公庫の水産金融のわくにしわ寄せされて来るという傾向にあつたのでありまして、私どもはやはり農林漁業金融公庫との相関関係におきましても、開発銀行の資金わくの増大並びにその水産資金わくを配分いたします場合に、できるだけ公庫の方にしわ寄せされないよにこれを配分する必要があろうかと私は思うのであります。このことを長官に対しましても強く御要望申し上げておきたいと思うのであります。  なお二十九年度の資金わくの配分につきましては、今日まで私どもが承つております経過からいたしますと、開発銀行にわくの配分を大体まかしておる。従来は経済審議庁が中心になつて、関係官庁の意見を聞いて、政府が大体わくをきめて、これを開銀に指示をするというような方向であつたのでありますが、その他産業につきましては、開発銀行に配分をまかせるような措置を講じておるように私ども承つておるのであります。そこで私は委員長にお願いをするのでありますが、政府もいろいろ努力をなさつておるようでありますけれども、委員会といたしましても、重要な問題でありますし、業界全体の強い要求を公庫に対して十分反映せしむるために、赤路小委員長のもとに金融小委員会などをお開きいただきまして、なお早急にこの水産融資の問題について開発銀行当局等の意見を聞き、並びに私どもも業界の強い主張を十分ここに反映をさせるために、この問題をぜひ取上げていただきたい、こういうように希望をいたすものであります。そのことを委員長及び赤路小委員長において、最も早い機会にそのようなとりはからいをしていただくことを希望いたしまして私の質疑を終りたいと思います。

辻文雄日本社会党(右)

○辻(文)委員 関連して長官にお尋ねします。開発銀行の小林総裁にお会いになつて、開発銀行自体の本質の話などをお聞きになつたことがありますか。あなたが開発銀行と交渉された場合に、だれとお会いになつて交渉されたか、伺いたい。

清井正水産庁長官

○清井政府委員 開発銀行の幹部とは私はまだ直接話をしておりません。庁内のそれぞれの関係者が連絡をとつておるのであります。私としましては、開発銀行との問題につきましては、この問題は農林漁業金融公庫の融資と関連をしてきわめて重要な問題だと考えておりますので、今後なお折衝を緊密につけて参りたいと考えております。

辻文雄日本社会党(右)

○辻(文)委員 私の考えでは、たとえば農林大臣が開発銀行の総裁に対して要請をされるというようなこともあるのでしよう。しかし今鈴木委員が言われたように、大漁業家に対するときはやるかもしれぬけれども、中小漁業者に対してはおそらく逃げるだろうという感じを私は持つのです。どうしてかというと、他の面で私は数回小林総裁に会いましたときでも、金融をする場合であるから、たとい国家の金を融資するといえども、銀行の性格にかわりはない。だから物の裏づけがあつて、いわゆる保証がされるものなら出せる、こういうことを私は承つたのです。そうすると、たとえば水産融資にしても、今のようにわくが全体的に縮められて、しかもその他の中に入つておる、こういう場合が来て、はたして今鈴木委員が言われるように、開発銀行自体が中小の漁業操業者に対してたやすく金融をするかというと、私はあの気持だつたらとうてい不可能じやないかというような感じがするのです。従つてそれが他の金融のしわ寄せになるというようなことになれば、われわれが委員会でいくら大きな声を出してやつてみたところで、現実が生れて来ないということが結論的に考えられるのであります。ですからそういう場合をどうするかということを、委員長初め真剣に考慮して、場合によつたら小林総裁をここに呼んで、どんな気持かということもはつきりしたい。ここまでやらなければだめじやないかというような感じがいたしますので、どうか委員長におかれても、そういうおとりはからいをいただきたいと存じます。

田口長治郎自由党

○田口委員長 速記をとめてください。   〔速記中止〕

田口長治郎自由党

○田口委員長 速記を始めて。ただいまの鈴木委員の御提案につきましては、近く開発銀行、経済審議庁、農林漁業金融公庫の首脳者を当委員会に招致いたしまして審議を進めたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田口長治郎自由党

○田口委員長 さよう決定いたします。  ほかに発言ございませんか。——ほかに発言もないようでございますから、本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもつて御通知いたします。  これにて散会いたします。    午後零時五十一分散会

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