水産委員会 第12号
- 発言数
- 31 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1954/02/23
会議録
○田口委員長 これより水産委員会を開きます。 ただいまより特定海域における漁船の被害に伴う資金の融通に関する特別措置法案を議題として審査を進めます。本案は漁業制度に関する小委員会の審査に付した議案でありますので、同小委員会における審査の経過及び結果につきまして、小委員長より御報告を願うことといたします。漁業制度に関する小委員長川村善八郎君。
○川村委員 特定海域における漁船の被害に伴う資金の融通に関する特別措置法案について、漁業制度に関する小委員会の審査の経過について、簡単に御報告申し上げます。 本案は、去る二月十三日の委員会において、当小委員会の審査に付することに決定いたしましたので、小委員会といたしましては、二月十七日及び本日会議を開き、熱心に審査をいたした次第であります。 次に審査のおもなる内容について申し上げます。 第一点は、昨年十二月十八日の委員会において、農林大臣から説明された閣議決定案は、当時資料がなかつたため、委員の受取り方が多少違つていたのであります。すなわち操業不能漁船に対する漁業転換のための改造資金の融通措置等も政府提案の法案に盛られておるものと考えていたのでありますが、しかるに去る二月十二日提案されたる特定海域の法律案は、拿捕漁船だけの金融措置であつて、その他の被害漁船に対しては何らの指定がなく、措置されないように見られたのであるが、この点に関しては水産庁長官から、操業不能漁船費として、さばつり漁船に対しては、法律案以外に行政措置としてこれが改造資金七千二百万円を昭和二十八年度分として公庫から融資する方針が明らかにされたので、一応この点は了承いたした次第であります。 次に第二点は、わが国としてのこれら海域における漁業についての根本的な対策についてであります。李ライン関係の拿捕漁船についての代船建造融資も昨年末までのものに限られ、その後のものについては何らの措置も政府において考えていないとするならば、わが国の遠洋漁業はこれらの海域から一歩々々後退を余儀なくされる結果になるが、それでよいかどうか。この点については政府としても今後の拿捕漁船に対する施策を真剣に考えるべきであり、委員会としても現在行われている漁船損害補償法による特殊保険制度等を研究して、この種の漁船に十分活用される制度となるよう検討されるべきであるとの意見が強くなされた次第であります。 最後に第三点として、本案についてその第一条において、昭和二十七年四月二十八日以降、昭和二十八年十二月三十一日までの間の被害を対象としているが、本年に入つてからの二件の被害は、すなわち本法施行日までの被害に対しては、同様の取扱いがなされるべきではないか、あるいはこの第五条関係において農林漁業金融公庫に対して、代船建造資金の貸付申請期間について、来る四月三十日までときめているが、もう少し延長すべきではないか等の質問がなされたのでありますが、水産庁長官の答弁により、法第五条但書により申請期間を延長できるよう、第二の点は政令において定める旨の発言があり、あるいは行政措置より考慮されることが明らかにされたので、了承することにいたした次第であります。 また第一の点につきましては、白浜委員等より発言があり、第一条の昭和二十七年四月二十八日より、昭和二十八年十二月三十一日までの適用期間を、この法律施行の日の前日までと修正することに小委員会の決定を見た次第であります。 簡単にその修正の理由を申し上げますと、前にも申し上げましたように、昭和二十七年四月二十八日より、昭和二十八年十二月三十一日までの適用期間とした場合においては、この法律施行の日までに相当の時間もあることであり、すでに昭和二十九年一月に入りましてから、二隻の拿捕船かありますので、これらにも当然この法律を適用すべきであることは筋が通つておるというので、小委員会ではこれを議題にして審議しました結果、ただいま御報告申し上げましたように、小委員会では修正することに決定したような次第でございます。 以上簡単に御報告を申し上げます。
○田口委員長 本案につきまして、質疑の通告がありますから、これを許します。夏堀源三郎君。
○夏堀委員 ただいま小委員長よりの報告を承りましたが、この法律案に対しては私はあえて反対するものではありません。ただ過般の委員会で、法律としてこの金融措置を講ずる以上は、どこまでも公平を期しなければならぬという意見を発表してあるのであります。よつてこれに関連して今お伺いしたいのであります。この間もお伺いしたのでありますけれども、答弁は保留してあるはずであります。これは今後行政措置あるいは法律等において、この問題の措置をどう持つて行くか、たとえば継続するものであるか、打切るものであるか、この問題に関連を持つて来るだろうと思いますので、この李承晩ラインがここまで持つて来て、国際的の問題になつておることは、それはその通りでありますが、ただ国内的の法律においてこれを操作する場合に、国策的にこの問題を取上げるのであるか、あるいは救済事業として取上げるのであるか、これによつて、今後の措置についても相当検討すべき問題が生じて来るだろうと思いますので、これは答弁を保留してあるはずであります。これを簡単に御答弁を願いたいと思います。
○清井政府委員 ただいまの御質問でございますが、国策であるか救済であるかというふうに、はつきりわけることがいいかどうか、私もはつきりいたしませんが、李承晩ラインの問題は、国家的見地から考えましてきわめて重要な問題であり、しかもこの李承晩ラインの措置が、わが国の漁業の観点、また広くこれを国際法という立場から考えましても、あらゆる角度から見て、この措置が最もわが国の漁業並びに国際法に関連のある問題であり、従つて私どもといたしましては、その撤回並びに賠償等につきまして、極力今後政府の方策を進めなければならぬと考えておるのであります。同時にまたこれによつて被害を受けられた漁業者の関係の方々に対しましては、政府としてはできるだけの努力を払つて、その措置につきまして善処しなければならないというふうに考えておるのであります。ただ今回の法律措置は、この前にも申し上げたのでありますが今まで李承晩ラインの声明はあつたけれども、これに対する実力行使がほとんどなかつた、ところが昨年の九月以降、突如として声明が発せられてその後二、三箇月の間に、多数の船が拿捕を受けたという緊急特別の事態に対する臨時的の措置として政府はこれを考えておるのでありまして、今後問題といたしましては、かかる法律措置によらずに、私どもといたしましては、できるだけ漁業者に対しましていろいろな方策を講じまして、立法措置を講じて行かなければならぬというふうに考えております。
○夏堀委員 たいへん抽象的な御答弁でありますが、私のお伺いをしているところは、この間松田委員からも、何か鈴木委員の質問のうちに現われたその一節をとらえて、九社団体と申しましようか、それに対する資本家的の存在であるから零細漁民のそれとは別だ、こういう御答弁がありましたが、今お伺いしたのは国策的のそれでなく、いかなる大きな会社であつても、それは国策に準じたものであるから、これは補償まで持つて行かなければならぬ。また金融措置も全体と同じに持つて行かなければならぬじやないか、こういうふうな趣旨のお伺いをした、小委員会でこの点にどう触れたか、私毎日出席しないのでよくわかりませんが、ただいまの御答弁は国策的のそれであるようにも聞え、救済のそれであるようにも聞えまして、はつきりいたしませんが、私は李承晩ラインが国際的の問題としてここまで来た以上は、これはむしろ国策的な問題として取上げて措置しなければならぬじやないか、しかしそれは御答弁が苦しいだろうと思います。なぜならば、もしこれを国策的な問題として取上げることになれば、これ以上の国策はたくさんあるものであるから、これをどうするかということが問題になると思います。なかなかこれは苦しい御答弁だろうと私は察知しております。しかしただいまも申し上げました通り、今後必ずこの問題は、李承晩ライン及び李承晩ライン以外の公海において発生した場合には、これを無視するわけには行かないだろう。その場合に比較検討して、李承晩ラインのみ国策であつて、他の公海において生じたそれは国策ではないということが言えるかどうか、これは今後生ずるおそれがありますので、この際にこれをはつきりしたいという意味合いで質問しておる次第であります。他の今後中共もしくはソ連沿岸の沖合で何か大きな問題が発生した場合に、このような措置と同様の措置をおとりになるようなこともお考えになつているのかどうか。これもあわせてお伺いしておきたいと存じます。
○清井政府委員 ただいまの御質問でございますが、なるほどこの法律案の背景となつております事柄、ただいま私が御説明申し上げ、またただいま夏堀委員からも仰せられましたように、非常に重要な事柄が背景となつていることはもちろんであります。しかしながらこの法律案においてとりました措置は、臨時応急の救済措置といわなければならぬと私は考えております。またかかる問題が他の海域において現に発生しており、また将来そういう予想のつかないような問題が起るかもしれないという御質問でございましたが、その点は私どもといたしましても、また今後気をつけて行かなければならぬ問題だと考えるわけであります。一応問題は性格を異にしている点もあり、またわれわれとしても今後公海漁業につきましては、できるだけ漁業者各位の統制ある行動をとつて問題の起らないようにしたいということを、よく自粛自戒して行かなければならぬ。これは業界とも相呼応してやつて行かなければならないと考えるのでございます。ただこういつた場合に、問題に対する措置はどうかということでありますが、これはまた私どもただいまの段階では何とも申し上げられないのでありまして、ただいま申し七げた通り、公海漁業につきましては規律ある統制をとつて、規律のある操業をやつて行くように今後ともやつて行かなければならぬというように考えているのですが、かりに問題が起つたといたしましたら、そのときに必要なる対策については、そのときに十分考えて行かなければならないと思つております。今回の措置は、今回の李承晩ラインに対する特別措置であるということを御了解を願いたいと考えておるのであります。
○夏堀委員 きようの委員会では、私満足の行くような御答弁は長官から承ることはできないだろうということを予想して、農林大臣、大蔵大臣の出席を要求してあつたのでありますが、何か予算委員会の関係で出られないということであります。その通り今後発生する問題については、水産庁長官は、長官の責任において、かくするということができないことは当然でありますけれども、この法案を通す上において、今後そういう問題が必ず発生するだろう。それを知つておつて言わずにおるということも、われわれ議員にとつて責任上遺憾と思いますので、あえて質問しておる次第であります。 そこで私はこの問題に対しては、やはり国策であるという御答弁をむしろ願いたかつた。なぜならば三分五厘の低金利をもつて漁業者に建造資金を貸さなければならぬという事態が、すでに国策的な見地からいつて発動することではないだろうか。今どこの漁業者であつても、一割ぐらいで金を借りて船を建造したいという漁業者はたくさんありますが、これさえ不可能な状態になつております。これに三分五厘程度の低金利を国家が特に金融措置の上において織り込むということば、これは国策でなければならない。国策であるからこういう措置が講ぜられるのであつて、私はこれは国策として持つて行かなければならないと思うのであります。たとえ国策でなくても、こういう措置を講ずることを閣議にまでかけて決定したということであるならば——ある一部の地区の勢力によつて閣議まで経てかくしたということになると、他のところから、われわれには勢力がないからいつまでも恵まれない状態におかれてあるのだという声が出て来る。そこで政治は公平を期して行わなければならない。政治に不公平があつてはならない、こう私は申しておるのであります。一般漁民の間から、必ずこの声は今後出るであろうと思うのであります。今伺いましたら、建造資金は三億円そこそこの金でありますから、これは大した問題ではない。しかし今後続々と——今いわゆる造船の利子補給の問題が非常にやかましい問題となつておりますので、一地区にのみ限られて、国策としてならばやむを得ないけれども、国策でもないものに三分五厘の利子でやるということは、はなはだ不公平ではないかという批判は、必ず国民の間から論議されて来ると思いますので、あえて私は質問を申し上げておる次第であります。そこで李承晩ラインに出漁しておる漁業者諸君が、他の海区に——たとえば北洋の方に出漁した漁業者は、強制的に特殊保険に加入されております。そしてもし拿捕された場合は、その拿捕された船の船員の家族の生活を保障するという措置を講じておるはずであります。これは私が二十七年度に北洋漁業連合会長であつたときにこれを主張して、たしか今もそういう方法が行われておると考えております。これは国際漁業であり、むしろこれこそ国策的な企業であるにもかかわらず、国家の帯しい財政面から、この金はあまりお願いはできないじやないかということで、自発的に各自の責任においてその結末をつけようというのが主眼であつたのであります。それと比較検討して、はたして今李承晩ラインの出漁に参加しておる漁業者諸君は、全部特殊保険に入つておるか、またそういう措置がとられてあつたかどうか、たしかとられていないだろうと私は想像するのであります。そこで国策的ということを何回も申しましたが、それが国策であるにもかかわらず自発的にそういう措置を北洋漁業の方はとつておる。一方は利子の補給までも国家のお世話にならなければならない状態になつて、なお自分の尽すべき責任負担もようやらないであつたとすれば、それはどういうことであるか。ここに行政面においての考え方が公平ではないのじやないか。ただ政治的に一地区の政治勢力によつてこの問題を大きく取上げて法文化したということでなければいいが、今後そういうことが批判の的にならなければいいがということを私は憂慮するのあまり、あえてこの質問をしておるわけであります。で、今後の問題でありますので、今後どういう措置を講ずるかということは、ただいまの御答弁ではつきりとこの抱負を承ることができなかつたのでありますが、しかし私の言うことは、どこまでも正論であり、政治は公平でなければならないという意味で質問しておるのでありまするから、その意味において、あえてこの法律案に対して反対ではなくして、むしろ賛成の意思をもつて申し上げるのであつて、どこまでもそれは日本国全体の漁業の面において、公海漁業のあり方を明確にして、国策的にこの線に浮かばせなければならないという意味において申し上げておるわけであります。もし私の発言が正しいことであつたならば、この委員会において、この操作は、今後のあり方をどう思うかということは、おのずから委員諸君のお考えによつて何か御決定になつてくださればたいへんけつこうだと存ずる次第であります。私は将来のそれを考えまして、一応質問の形においてお伺いした次第でありますから、委員長においてよろしくおとりはからいをお願いいたします。
○清井政府委員 ただいま夏堀委員からお話ございました点につきまして一言申し上げたいと思います。夏堀委員のお話の御趣旨は、私もよく了解いたすのでございますが、ただこれに対するお答は、先ほど申し上げた通りでありまして、かりに他の地域についての問題が起りました場合におきましては、そのときにおいて最も適切だと思う措置を、政府において全力を尽してとるということを申し上げる以外に方法はないと私は考えるのであります。ただ、今回の措置が特定地域のみに偏しておるという趣旨のお話がございましたが、そういうことは決してないと私は確信をいたしております。これは先ほども申し上げた通り、李承晩ラインのいわゆる不当措置によるわが国漁船の被害に対する措置でありますので、たまたま同方面に出漁しておりました船が比較的九州、関西方面に多いことは事実でありますし、従つてそれによつて被害を受ける漁船も九州あるいは山口方面に多いことは事実でありますが、これは他の地域にもあるのであり、その方面で操業しておつた船が比較的そういう地方であるからそうであるというふうに結果的になつて来るのでありまして、決して一定地域のためのみの措置ではないことをこの際申し上げておきたいと思う次第であります。
○夏堀委員 いわゆる特定地域が、たまたまこの李承晩ライン及びその付近ということになつたのでありまして、中共及びソ連の沿岸にはこの特例は及ぼしておらぬということを私は申し上げたのでありますが、これは中共及びソ連の沿岸沖合いも含むのでありますか。
○清井政府委員 中共ソ連は含みません。李ライン関係だけの処置でございます。けれども、ただいまのお話の中にもありましたが、たまたま同方面に出漁しておりました船が、割合に西部の方に片寄つておつた事実があるということをお答え申し上げた次第であります。
○田口委員長 赤路友藏君。
○赤路委員 ただいま夏堀委員からいろいろ御意見が開陳されたようでありますが、ソ連、中共側の拿捕漁船に対しては、私たちも同様な措置をとるべきであるという見解を持つておりますので、いろいろ水産長官の御説明等も聞いてわかるわけでありますが、今後これらの点に対しては、当局といたしましても十分善処するように御考慮を願いたいことをまず要望しておきます。 それから、李承晩ラインというか特定海域における補償の問題に関するこの法律案自体の適用についてでありますが、損害を受けたという面においては中小漁業家も、あるいは大資本漁業家といえども、私は同一であろうと思うのであります。この法律に従つて参りますと農林漁業金融公庫からの融資ということに限定されておりますので、公庫法による総トン数千トン、従業員三百以上のものは何らの恩恵を受けないという形になるわけであります。もちろん大資本漁業家においては、相当自己資本を持つ方々でありますので、これらは自己資本の中においてまかなつて行き得るという点もあるかと思いますが、現在の日本の漁業の実態は、必ずしもそうした段階には到達していないのではないか。従つてこれらの面に対しましても当然何らかの措置が講じられなければならないじやないかと思うのでありますが、これらの点に対して水産庁の方は何か別途考慮をお払いになつておるか。その点について明確なお答えをお願い申し上げたいと思います。
○清井政府委員 ただいまの前段のお話は、夏堀委員のお話と同趣旨のお話であるというふうに考えます。 後段の問題でございますが、確かに被害を受けたという点においては性質が同じであるということはいえると思います。ただこの措置は、先般来御説明申し上げた通りの形でできておりますし、しかも相手方が割合に資力のあるものと一応推定せられる一つの線で切つてあるというような関係もございます。また本法における融資の措置が農林漁業金融公庫という非常な低利でもつてなされておりますし、今回また特に低利で措置しているということもございます。いろいろ事情を勘案いたしまして、従来いわゆる開発銀行の融資の対象となつておりました経営者につきましては、性格は本質的には同じであるかもしれないけれども、融資措置としては別途行政措置でやつて参りたいというふうに考えておる次第であります。そこで該当する船は九隻でありまして、どういう会社のどういう船であるということははつきりわかつておるのであります。そこでそれぞれの船につきましては、昨年の暮れより、農林漁業金融公庫より一般の分についての融資をすることを措置すると同時に、開発銀行の方につきましても、別途行政措置として私ども折衝を続けて参つておるのであります。すでに具体的に船名をあげて折衝をいたし、開発銀行といたしましてもこれは特殊の事情のものであるから、お話があればこの問題を十分考究するということでありまして、十分考えてもらつておるのであります。しかし問題は金融機関のことでございますし、いろいろ事情がありまするから、そう急には行かぬと思いますけれども、金融機関としての開発銀行としては、そういう事情のもとにあるということを十分了承して、具体的な問題として十分考慮するということを言つておるのであります。私どもといたしましても、この船が特殊な事情による措置だという点にかんがみまして、今後なお開発銀行とも折衝を続けて、極力あつせんに努めて参りたい、こういう考えであります。
○赤路委員 今の御答弁で大体わかつたのでありますが、重ねてお尋ねいたします。行政措置として開発銀行からこれらの面に対して融資するの方法について善処しておる、そういう方向へ持つて行く、こういうふうに確認してよろしゆうございますか。
○清井政府委員 個々の問題についての融資の決定は開銀がいたすことでありますから、私どもの方で一々さしずすることはできませんが、問題が特殊の性質のものでありますし、私どもといたしましても、十分そういう方面に向つて積極的に考えてくれるようにということを折衝いたしておるのであります。
○赤路委員 今度は別な面から当局の御見解を伺いたいと思いますが、非常に関連性がある問題でございますのでお尋ねするわけであります。今度の予算案を見てみますと、漁船損害補償法の第百十二条の一項に示されておりますところの漁船義務加入百トンを全然無視いたしまして、二十トンの義務加入としての予算措置がなされておるのであります。最近政府はこれら法律を改正するために一括特別委員会を持つとか、あるいは大蔵委員会等において改正の意思があるやに聞いておるわけでありますが、私たちがかつて国会においてこの漁船補償法の改正をいたしましたことは、単に場当りや思いつきでやつたのではないのでございます。過去三箇年間の漁船の被害状況を見てみますと、昭和二十六年度においては一万九千百八十隻、それを金額にいたしますと十五億五千六百万円余りになつております。二十七年度は落ちまして二千九十四隻、これが約三億円、二十八年度では一万二百九隻で六億三千六百万円、この三箇年間の漁船の被害を総計いたしますと三万一千四百八十三隻で約二十四億という損害になつておるのであります。しかもこれら漁船を含む漁業災害等に毎年政府が支出いたしております利子補給と損害補償の金額を見てみますと、二十七年度は三千二百五十二万八千円、二十八年度が六千六百四十七万七千円、三十九年度で一億百六十一万六千円と年々増加の傾向を示しておる。また政府が組みましたこの災害に対します融資金額にいたしましても、二十六年度は十月台風に対して十五億、二十七年度は十勝とオコック関係だけでも十九億、こういうふうに非常に多額なものになつておるわけであります。私たちはできるだけ相互扶助、協力の上に立つて、こうした面はお互いの力でできるだけ補い合つて行きたい、われわれが国政に参画いたします限りにおきましては、全国民の血税を預つておりますので、国費は支出する場合十分考えられて行かなければならない、こういう観点の上に立つのでございまして、二十トンが百トンにわくを拡大するということによつて生ずる政府の負担金額というものは約一億四千万円程度のものであろうかと思うのであります。先ほどから申しますように、毎年々々政府の利子補給なり、あるいは損害補償の支出というものが大きくなつて行きつつある、しかも依然としてこの漁船の損害、被害というものが累年ふえるというような形になります。これを当面の場当り的な考え方でなしに、少くとも将来を見通して、真に日本の漁業というものの進展をはかるといたしますなれば、ここで一億四千万円程度の予算が増加いたしたといたしましても、将来に対しては十分これらを補い得るだけの財源が出て来るんだ、こういうふうに私たちは考えますがゆえにこの法律の改正をやつたのであります。しかるに国会においてかような見通しと水産全体の進展の上に立つてなされたものが政府によつて無視される、これはあまりにも場当り的な、あまりにも目の前の条件のみにこだわつた拙策であると私は考えるのであります。こういうような点につきまして、この法律案との関連性もございますので、この際水産庁長官の明確なる御所見を承つておきたい、かように思う次第でございます。
○清井政府委員 ただいま保険の問題に関連いたしまして、数字をあげていろいろお話がございましたが、確かに数字の面についての話は、お話の通りであると私ども考えております。この李承晩ラインの問題につきましても、当時私どもの指導といたしましては、特殊保険制度なり、乗組員の給与保険制度なりがあつたのでありまして、これに加入して出漁せられるのが一番よかつたのでありますが、実際拿捕された船の実績を見ますと、そうそう全部が入つておるような実績もなかつたのであります。私どもの普及宣伝の方法も足らなかつた点もあるかもしれませんが、これはその方面に出漁する漁業者の自覚にもよらなければならぬ点があつたと考えておるのであります。その後私どもといたしましては、同方面その他危険が予想される海区に出漁する船につきましては、保険制度を利用するように指導してもらいたいという趣旨でその後指導しておりますので、その後出漁しております船はほとんどその制度を利用しておるのではなかろうかと私は考えておるようなわけであります。そこで一般の損害補償制度でございますが、これもただいまお話がありましたが、御承知の通りの漁業の経営が非常に不定な基礎に立つている産業であります。その他危険も非常に伴うということでありますので、これが一定の損害補償制度の基礎において経営が行われますれば、いわゆる漁業経営の安定性ということがさらに強化せられるべきでありまして、これはおそらく漁業経営の根本問題であろうかと思うのであります。そういう意味において私は、漁業の損害補償制度というものはもつともつと拡充してしかるべきものであるということも十分わかります。そこで私どもも従来そういうことを考えまして、昨年度ありましたいわゆる二十トンまでのトン数を引上げる問題であるとか、あるいはさらに搭載漁具については制度はありますが、実施は行われてないのであります。搭載漁具の問題であるとか、あるいは進んで定置漁業なりに広く災害補償制度程度まで推し進めてやつたらどうか、こういう問題につきましても十分考えを進めておつたのでありますけれども、私どもの研究が不足の点もあるのでありますが、いろいろな事情でなかなかその運びに至つていなかつたような状況であります。ところが先般国会の御要請によりまして二十トン限度が百トンまで引上げられた。その二分の一が国庫で補償されるということになつたのでありますが、その後の事情によりましてただいまは予算措置としては二十トンまでということに相なつておるのであります。この問題につきましては、私の方からいろいろ御説明することは実ははなはだ適当でないと思つて申訳ないと思うのでありますが、とにかく保険制度なり補償制度というものが不安定といわれる漁業の経営の根本問題である。従つてこの問題をいろいろな面から慎重に検討して、もつともつと拡充発展させなければならない問題であるということは御指摘の通りであると思いますので、私どもも今後、研究がまだ不十分な点はさらに研究をさせていただきまして、本制度が漁業経営の安定化の促進という意味において今後研究して参らなければならぬというふうに確信いたしておる次第であります。
○赤路委員 ただいまの水産庁長官の御意見を承りまして力強く考えます。おそらく今回の予算の折衝の場合におきましても、水産庁といたしましては、この面に対して十分御努力を願つたことと確信いたしております。ただしかしながら、かような実情になつておるということは、これはいなみ得ない事実でございまして、従つて長官におかれましては、今私が御質問申し上げた趣旨は、おそらく当委員会の委員各位も御賛同の意思が十分あると思います。おそらくこの面に対して、反対の意思を持つておられる委員は一人もないはずであります。この委員会の空気またこの委員会の意思というものを、農林大臣なり大蔵大臣なりに強く反映さしていただくことをここで要望いたしまして、私の質問は打切ります。
○田口委員長 遠藤三郎君。
○遠藤委員 私は先ほどの小委員長の報告に関連いたしまして、水産当局に対して一点を明らかにしていただきたいと思うわけでございます。それは去る二月十七日の漁業制度に関する小委員会におきまして、水産庁長官から、李ライン内の漁場から締め出されたさばづり漁船の漁業転換のための改造資金として約七十隻分、一隻あたり平均百二十八万円、合計七千二百万円を公庫から融資する方針であるということが明らかにされたのであります。ところが昨年の十二月七日付の李ライン内出漁漁船に対する中型かつを・まぐろ漁業の臨時許可についてという水産当局からの通牒が出ておりますが、その通牒によりますと、その許可は本年三月三十一日までの臨時許可である、こういうふうに明記されておるわけであります。ところがこの許可の問題は、御承知のような漁船の船主のごたごたしておる状況、非常にあわてており、苦しんでおる事情のためになかなか進展しない。現にかかる事情であるために現在まで許可の申請のあつたものはわずかに三十件しかない。それに対して七件の許可がおりたにすぎないというふうに聞いておるのであります。そうしますとせつかく水産庁長官の立てられた方針が、実は方針を立てただけで実効があがつて行かない、そういう結果になるのであります。そこで私どもこの実情をよく知つておる者からいいますと、三月三十一日までに期限を切つてしまうという行き方がこの趣旨にどうも合わないと思う。許可の期限をもう少し延ばさなければ、この方針の趣旨が徹底しないと思うわけです。そこで相当の期間を延ばしていただきたい。延ばしてこの許可の基本方針の趣旨に合うように運用していただきたいと思うのでありますが、水産当局にこれを延ばす意思があるかどうか。延ばすといたしますならばどの程度まで延ばす考えであるか、この点をこの際明瞭にしていただきたいと思います。
○清井政府委員 ただいまの御質問の点は、その趣旨については十分御了解を願つておるわけでございますが、これは当時日韓の会談も続行されておつたのでありまして、そのうちにはこの日韓関係の問題が解決を見るのではなかろうかという予測もありましたので、とりあえずの措置といたしまして、三月三十一日までという期限を切つたのであります。ところがその後日韓会談もいまだ簡単に開かれる状況でないということでございますし、また実際の許可の手続を見てみましても、あまり円滑に動いていないような実情であります。私どもといたしましては、三月三十一日というのは一定の予測をもつて実は切つたことでございますが、客観情勢がその後変化しておりませんで、またいろいろな実績から見ましても、これは延ばさなければならぬと考えております。ただいつまで延ばすかということについては、ちよつとここではつきり申し上げられませんけれども、三月三十一日と切りました趣旨から見ましても、この期限は延ばして参りたいということだけ申し上げておきます。
○遠藤委員 その期限を延ばすことについてのお考えはよくわかりましたが、延ばす期間を、申訳的なごく短期間延ばしても、それは意味がないのであります。相当思い切つて期限を延ばすということをひとつ御考慮いただきたいことを、この際つけ加えておきたいと思います。 なお私はこの際一言だけ申し上げておきたいのであります。この法案とも直接、間接に関連があるのでありますが、先般新聞紙の報ずるところによりますと、わが国の巡視船「さど」が拿捕されております。その後韓国ではこの「さど」を釈放したということが新聞に伝えられておりますけれども、このことはきわめて簡単なことのようでありますが、重大な問題だと思います。日本の巡視船を拿捕するに至りましては、韓国の暴戻言語に絶すると私は思うのであります。どういう事情で拿捕され、またどういう事情で釈放したか、それらの事情を明らかにしなければならぬと思うのであります。それは同時に漁船の問題にただちに関連をするわけであります。おそらくあの巡視船が拿捕されたことを見ておつた全国の漁業者の諸君は、非常にびつくりしたと思うであります。われわれはどうしてもこの事情を明らかにし、追究すべきは追究し、そうして韓国の暴戻きわまりない態度に対して、あくまでその非をたださなければならぬと思うのであります。適当なる機会に外務大臣なりあるいは保安庁の長官なりをこの席に呼んでいただいて、徹底的にこれを追究していただきたい。そのことを委員長にお願いをしまして、私の質問を終ります。
○田口委員長 吉武恵一君。
○吉武委員 私は第六条につきまして簡単にお伺いをしたいのであります。この点はすでに十二月十八日に農林大臣から言明され、さらに本法案が提出になりました二月十三日にも政務次官からお話になつた点でありますから、それでいいかと思いますけれども、農林当局だけのお言葉で、あとで間違いがあると困るので、自治庁からおいでになつておりますから、もう一度念を押しておきたいと思います。 第六条によりまして府県が代船融資について一部の利子補給をいたしました際に、その半額は特別平衡交付金において見るということを言つておりますが、それで自治庁の方はよろしゆうございますか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
○後藤政府委員 六条はまことに異例な立法でありますが、私どもといたしましては、府県に財政需要が生ずるわけでありますので、特別交付金につきましては、御趣旨の通り善処いたしたい考えであります。
○田口委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 次に本案を討論に付する順序でありますが、別に討論の通告がありませんから、討論はこれを省略して、ただちに採決いたします。 本案の小委員長の報告は修正であります。本案は小委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田口委員長 御異議なしと認めます。よつて本案は小委員長の報告通り修正議決されました。 引続き本案の委員会の報告雷作成の件についてお諮りいたします。これは先例によりまして委員長に御一任を願いたいと存じますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田口委員長 異議なしと認めます。よつてそのように決します。
○田口委員長 この際小委員会における参考人招致の件についてお諮りいたします。水産貿易に関する小委員長より、同小委員会において起草中の輸出産業の振興に関する法律案につきまして、関係団体の意見を聞くため、北海道貿易振興委員会代表佐々木述男君、日本油糧輸出組合代表木本瑛一君、日本肝油工業協同組合及び日本水産油脂協会代表松下七郎君、以上三名を参考人として選定し、同委員会において意見を聞くことといたしたい旨の申出がありますが、同委員長の申出の通り決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田口委員長 異議なしと認めます。よつてそのように決定いたします。 本日はこの程度にとどめ次会は公報をもつてお知らせいたします。これにて散会いたします。 午後零時二十一分散会