水産委員会 第10号
- 発言数
- 97 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1954/02/09
会議録
○田口委員長 これより水産委員会を開会いたします。 貝類の被害に関する件について調査を進めます。 —————————————
○田口委員長 この際参考人の件についてお諮りいたします。本件につきましては、被害の実情を聴取するため、浦安町長内田成夫君を参考人と選定いたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田口委員長 異議なしと認めます。よつてそのように決定いたしました。 —————————————
○田口委員長 ただちに内田参考人より本件の実情を聴取することにいたします。内田参考人。
○内田参考人 ただいま御紹介にあずかりました浦安町長内田でございます。 今回のお願いの筋は、かねてプリントにして皆様のお手元に配付してある通りでございます。今回皆様に差上げた参考の資料にも大体書いてございますが、いかにもこのひとでの被害が甚大でございます。かんがみますのに、二十八年ばかりあとにやはりこういうような傾向がございまして、相当の被害も受けましたが、そのときには約五割程度の被害で済みました。本年のごときは、目下の実情といたしましては、いかにも海面一帯、養殖場一般が、畳を敷いたごとくにこの害虫のために侵されております。昨年の十月ごろからこれが群衆を成して押し寄せました。そこで漁師を督励いたしましてこの防禦に当つておりますが、防禦するよりも、まずふえる数の方が多いようでございます。これは印刷にございます通り、この浦安町の損害ばかりでございません。まず一都二県にわたるところの東京湾一円の問題でございます。ほかの単位漁業組合からもいろいろ御意見もあろうと思いますが、まずわれわれの方といたしましては、いち早くこれに邁進いたしまして、それぞれ手を下しておりますが、何せ科学的な技術面における防禦の方法がございませんために、人手をもつてやつております。このために大分侵される数が多く、ここにからもございますが、ひとでの形はこういう体型を成しておりますが、これがなかなかもつて下等動物といたしましてはすべてに広汎な関係を持つている強い虫類でございます。ことに浦安の事情といたしましては、はまぐり稚貝につきましては、東京湾一般に、県の指図書あるいは単位組合の協定のもとに、かつて売りをいたしませんで、大事にして配給するところの唯一の稚貝養殖場でございまして、あさり、あるいはしおふきなどは、あるいは自給自足ができると思いますが、おそらくこのはまぐりの稚貝につきまして浦安の漁場が全滅した場合には、東京湾のはまぐりの養殖業者といたしましては手をあげざるを得ないのじやないか。いかにも甚大な問題でございます。浦安だけで約七百七、八十万坪の養殖許可地帯が被害を受けておるのでございまして、この数字はすでにプリントにあります通り一億数千万円に上るところの損害であることは明らかであります。われわれ漁民の力といたしまして、まことに手が届きません。ぜひこれは国家で取上げていただきたい。まず稚貝の関係から行きまするなれば、国家管理にして配給をして行くのが一番いいと私は思うのですが、しかし部分的なことでございますので民間統制の形をとつて補つております。まずわが国の状態といたしましては、水産国である、水産県であるということ。また浦安町といたしましても、東京湾一帯に関係を持つておりますので、詳細のことを申し上げたいのでございまするが、数字上につきましては、御要求に応じまして御説明申し上げてもいいと思いますので、大体簡単な申し上げ方でございますが、ぜひひとつ皆様方の御尽力によりましてお取上げくださいまして、御救済、またあるいは海面一帯に対する施策をしていただくことを切にお願いいたしたいと思います。
○田口委員長 委員長からちよつと質問しますが、浦安の町政一般と浦安町の水産業の大勢、これを一通り述べていただきたい。
○内田参考人 浦安町といたしましては、戸数が約三千二百戸ばかりございます。人口が一万七千ばかりございます。そのうちで漁業者の人員は、協同組合員になつておる方が千五百人ばかりございます。戸数から行きますと、半数の戸数が漁民でございます。しかしその漁民が捕獲しておるあさり、はまぐり、そのほかのりやなんかもございまするけれども、それをとつて東京方面に行商する方もあるし、またそれを加工販売するということで、大体漁村として生計を営んでおることがはつきりしております。それからのりの方の関係になりますると、のりのさく数は二万さく有余でございます。一さく一万円くらいの収入を得なければ、目下の物価から行きまして営業に満足できませんのですが、これとても過去三年間の不作のために、辛じて二〇%か三〇%の収益しかございません。それから貝類のごときはすでにプリントにありまするが、稚貝が七十万たるくらいございます。稚貝ですと現地値段で一たる百円くらいです。それから成員の方ですと一たる百五十円くらいでございます。これが約百五十万たるくらい捕獲することになつております。それからあさりは百八十万たるくらいでございます。数量にしまして一箇年二百三、四十万たるの捕獲をしておる実情でございます。これは貝類の実情でございます。のりの方は被害また不作は、これは二、三年続いておりますけれども、これとかけ離れておりますので、この陳情には関係しておらないのでございます。貝類はそういう関係になつております。
○田口委員長 参考人に対し質疑の通告がありますからこれを許します。松田鐵藏君。
○松田(鐵)委員 参考人に質問いたしますが、この表に現われておるところから行きまして、現地はどのような干潟になつておりますか、その点をお聞きします。
○内田参考人 千葉県の東京湾の一番北端に当つておりまして……。
○松田(鐵)委員 いや、浅い深いですが、干満の差によつてどういうところがあるかということです。
○内田参考人 干満の差は浦安の海面といたしましてはまず六、七尺であります。
○松田(鐵)委員 このひとではいつごろ発生いたしましたか。
○内田参考人 そうですね。夏ごろからちらちら見えましたが、十月ごろが多く来ました。
○松田(鐵)委員 そうしますと、ただいまあなたのおつしやる六尺か七尺の所、それが干潮の場合干潟になる所ですか。
○内田参考人 いや、干潟になる所と、干潮でも六尺以上ある所と、そういう所を利用しております。
○松田(鐵)委員 そうしますと、稚貝が発生するところの干潟になる所はどのくらいの面積あるのですか。
○内田参考人 約半分以上干潟になると思いますね。稚貝の発生の場所の方が面積は多いと思つております。
○松田(鐵)委員 そうしますと被害面積が五百万坪、町歩に直して約一千七百町歩くらいのように記載されておりますが、その半分以上というと大体一千町歩くらいは干潟になる所でございますか。
○内田参考人 いや、干潟になるのがその面積です。そのほかの方の成員の方はあまり干潟にならない所です。全部では七百万坪以上です。
○松田(鐵)委員 そうしますとその半分ぐらいが干潟になるのですか。
○内田参考人 そうです。
○松田(鐵)委員 ただいまのあなたのお話ですと、一億何千万という損害があるというようにおつしやいますが、それは予想した数量でございますか。
○内田参考人 予想ではございますけれども、ここに印刷してあるもので、解決をする場合にはそれまで行きませんけれども、町といたしましての考えですとそういうことになると思います。
○松田(鐵)委員 あなたは町長でございますか。
○内田参考人 そうです。
○松田(鐵)委員 そうしますと、あなたの町民は一万六千三百五十六人あり、戸数が三千二百四十八戸、漁業者の数が四千五百二十人、漁業者が家族を入れまして一万五百一人、漁民の戸数が二千百二戸ということになつておりますが、これはこの通りでございますか。
○内田参考人 そうです。
○松田(鐵)委員 私はたいへん奇怪なことを考えるのですが、今この水産委員会にあなたを初め陳情者の方々がたくさん陳情においでになつておる。その点から行きまして、町をあげての対策を講じておられることと思いますが、どのような対策を今までとられておりましたか、この点をお聞きします。
○内田参考人 今のところは安い賃金を出しまして漁師を督励いたしまして、毎日のように漁具をもつて捕獲しております。そういう関係でございますので、相当の金額を漁業組合としても投資しております。せんかた尽きまして、このたびのお願いに出る、こういうことに叫びが起つたわけでございます。
○松田(鐵)委員 そうしますと、どのくらいの費用をかけて、どのようにしてこれをとつておられますか。
○内田参考人 一日漁師を出す場合には、三百円から五百円ぐらいの日当を差上げております。そうして潮時の都合と天候の都合によりましてですが、多く出る日には三、四百人ぐらい、少い日で百人ぐらい出ております。それはこの資料に大体の数字、今までの経過は載つておると思います。
○松田(鐵)委員 何でとつておられますか。
○内田参考人 鉄のわくをこしらえまして、そのしりに網をつけて、それにロープをつけて船で引いております。
○松田(鐵)委員 その干潟で、たとえばひざつかぶぐらいまで潮が満ちて来る時間、引潮のときと込潮のときの時間はどのくらいの時間がありますか。
○内田参考人 片潮で六時間ぐらいです。上げ潮も六時間ぐらいあると思います。下げ潮も大体六時間ぐらいあります。
○松田(鐵)委員 たとえばそこへ入つてそれを拾つて来るというような方法をとれる時間は、何時間ぐらいありますか。
○内田参考人 入るのではなく船で行きます。
○松田(鐵)委員 干潟になつて稚貝がある所へ人が入つて、手かごでも何でも持つて拾い上げるにいい時間はどのくらいありますか。
○内田参考人 それはやはり六、七時間でしようと思います。
○松田(鐵)委員 そうしますと、今は一日三百円から五百円を出して百人から三百人くらいの人でもつて、漁業協同組合と、それから町が一体になつてこの駆除作業を続けておるというわけでございますか。
○内田参考人 そうでございます。
○松田(鐵)委員 稚貝を養殖しておる現場で、浅い干潟、たとえばひざかぶまで入つてとれる時間が六時間くらいあるというお話ですが、それでそのとき漁民はとらないのですか。
○内田参考人 まだあと先もとります。水が多ければ船でもとります。浅くなつて船のきかない場合はおりてとる、こういうやり方でやつております。
○松田(鐵)委員 この稚貝を養殖しておる現地は、漁業協同組合の共同漁業権になつておる所でございましよう。
○内田参考人 そうでございます。
○松田(鐵)委員 全部の漁民が一緒になつてここではまぐりをとつたり、またはのりをやつたりしておるのですか、一人々々区画されてやつておりますか。
○内田参考人 いや、これは一人々々区画は貝類はできません。一円になつて、線はこまかく割りませんで、共同漁業権のもとに共同施設でやつております。
○松田(鐵)委員 私もあの方面に遊びに行つたことがありますが、相当遠くまで干潟になるようでありますが、この干潟は入つて行くと足がぬかるようなことがありますか。
○内田参考人 割合に浦安はぬからないのです。堤防のきわが百メートルくらいぬかるくらいで、全面的に始終貝をまいてとつておるとああいうふうにきれいな土壌に変化するのでしようと思います。
○松田(鐵)委員 そういたしますと、漁業者の家族が一万人もありまして、大体全体の海面の広さの半分くらいは干潟になり、またはひざかぶくらいまでになるという所であつたならば、一万人の漁業者の家族を総動員してこれをとるというようなお考えをされたことはありませんか。
○内田参考人 それはないことはございませんけれども、問題は器具と船です。また営業の都合で、出られる限り全部出てくれ、これもやつております。決してこれを阻止することでなく、組合員の方でも出ないじやいかぬということを思つておりますから、大きな考えでこれからそういうふうにも行かれると思つております。しかし今のところはまずく寒中でもございますし、きわめてやりづらうございますから、多い日で三、四百人交代というようなぐあいにしてやつております。
○松田(鐵)委員 五百万坪という被害面積のうち、浅い所が大体半分と見積つて二百五十万坪、漁業者が四千五百二十人ということになつておつて、一軒から一人ずつ出られても二千百二人、これらの人で浅い所のものをまずとつてしまおうという御計画が立てられないものでございますか、六時間あつたならば、そこから拾うのだから……。
○内田参考人 それはここでのお話ですとそういうふうに聞えますし、またお話もできますが、とるのはうんととります。とりますけれども、満期になればやはり、これは動かないようですが相当動くやつです。ですから、平素であればこれは深い見えない所に、何キロかの沖にいたものなんです。それが、私らの考えでは、食い物が欠乏して来るために、どこにある食い物をあさるかというと、まず貝類が一番いいというのでここに押し寄せて来る。ですからそれは魚のように上つたりおりたりはしませんけれども、きようとつておいて安心していても、あした見れば、また沖にいるのが来る。貝類さえあれば一円にかぶるということですから、これを根絶やしにするには東京湾全部、県下一般を考えて行かなければならぬ。こういうことになつて来ますので、まず自分のことは自分らでということはけつこうですけれども、それは大きな考えでやつていただくのが一番いいと考えます。
○松田(鐵)委員 私は根つからの漁師で、漁夫をやつて来たものであつて、そういう事情はよくわかつております。しかし東京湾全部というようなことを考えるよりも、あなたの村が一年に一億何千万というような損害があるということは重大な問題です。漁民の二千戸にとつては実に重大な問題である。重大な問題であるがゆえに、一軒から一人ずつ出て、そしてまずひざまでくらいの所は操作ができるのです。それが大体この書類から見ますと、現地は見ていないからわかりませんが、半分くらいある。一人でもつて六時間の間にどのくらい拾うことができるかというと、およそ一反歩は拾うことができると思う。三百坪というものは六時間あつたならば拾うことができると私は考える。簡単な操作でできると思うのです。この書類から私は論議するのです。そういうようなことからいつたら、二千人の者がかりに出たとしたならば、浅い海面、干潟になる海面の虫を駆除することは簡単だと私は考える。また二ひろ、三ひろということになれば、これは海の中に入るわけにも行きませんが、あなた方の設備からいつたならば、それらはそれらの方法によつて相当駆除することもできるだろうが、まず浅い、ひざまでくらいの所ならば、あなた方の手によつてそれを捕獲し、しかしてあなた方の一番大事な稚貝を、養つて行けるのではないかと思いますが、そういうことはでき得ないのでございますか。
○内田参考人 それはでき得なくはございません。やればやれます。やればやれるじやない、やるのが当然です。しかし、お願いしたいところはそこです。二千人も毎日々々一日中出て、それをとつて、それで済むものではございませんので、そこでひとつ何とか対策をお願いしたいとわれわれは考えております。これは水産のことですけれども、まず農業のことにいたしましても、やはり東北の問題とかいろいろな問題から、騒ぎが大きいとは言いながら、救農国会にお願いして緩和していただく、それに依存をするということは依存度が高いと申し上げられるかもしれませんが、やはり損害はただ漠然と発生するものではございません、相当の金をかけまして稚貝をまいて、一年間、二年間たつて、これを上げるというときにこういう月にあつておるというのであります。そういう点で、あらゆるところで、でき得るならば何とかひとつお願いしたいというので、まかり出て来た次第でございます。
○松田(鐵)委員 町長さん、誤解されては困るのです。私はこの問題に対して、反対しているのではない。よくそれを聞こうというのです。または、現地に行つて調査をしたいと思う。よつて、今あなたにお聞きしておるのであります。しかし一日休んでもらつたら、一人で三百坪を六時間で駆除する、拾うということは、簡単なことだと私は考える。三百坪のところに、六時間の間に人が入つて、歩いてものを拾うということは、簡単にできると思うのだ。そうすると、二千人で一日に二百町歩というものが処理されるのだろうと思う。しかし、それが産卵しておるから、根が絶えないということはよくわかる。生れてすぐの、こんな小さいものもあるだろう。しかし、一日漁民がみんな出ていただいて、大きいものを一日に一反歩ずつとつたら、稚貝の養殖場だけは駆除できるものではないかと思うのですが、そういうことは不可能でございますか。
○内田参考人 不可能ではございません。けつこうだと思います。
○松田(鐵)委員 それならば、やつてみたらどうですか。
○内田参考人 やつてみます。
○松田(鐵)委員 そうして、あなた方がここまで御努力されておるが、それではとうていでき得ないというときになつたら、これは国会でも大いに取上げてやつて行かなければならぬと思います。あなたは、東北だとか関東だとか、救農だとか、そういう頭でお話になつているのでは、ちよつと趣旨が違うように思われるのです。
○内田参考人 今までずいぶんやつたのです。そこにある通り、手を尽したのですが……。
○松田(鐵)委員 二ひろや三ひろということになれば、これはあなた方がおやりになつている漁法や、また別な漁法でもつて駆除することはできるかもしれませんし、しなければならないだろうけれども、一ひろならば、竹の棒で突いて歩いてもとれると思うのですが、そういうこともお考えになりませんか。
○中村(庸)委員 関連して……。ただいま松田委員より、この陳情に対して詳細な質問がありました。私は実は、七日の休みに見て参りました。今参考人からいろいろ説明がありましたが、少々実情がおわかりにくいと思いますので、私の見て来た感じを申し上げたいと思うのです。 はまぐりの養殖場はほんとうに広い。浦安町から船で走つて出まして、約四十分、相当遠いのであります。ここでひとでを拾うとか、棒で刺すということは、まつたく不可能であります。船を動員して、船の中に網をひつぱつて取上げております。そのひとでの量たるや、莫大なものであります。私はその説明を聞いたのですが、七日の日も、漁業会は総動員してとつておられました。現在まで、組合の負担におきまして七百万円の金を支出しておられます。そして掃海に全力をあげておられるのであります。この被害は、まつたく恐るべきものだと私は思つたのです。大巻でもつてはまぐりを取上げておりますが、全部死滅しております。からの貝がかかつて参ります。そして、とにかく一面のひとででありますので、人間の手で拾うとかいうことは、実情を見ましたならば、まつたく不可能であります。相当深い所でありますし、みな船で網をひつぱつてやつていたのですが、網が切れてしまつて、最近は金網をつくつて、金網をひつぱつてとつておられます。一回の量を見ましたけれども、わずかひつぱつただけで、五尺ぐらいの金網一ぱいずつ持ち上つて来ます。そのような非常なひとでの繁殖で、貝類は、浦安町の漁場はほとんど全滅しておると思いました。私一人でなく、他にも同僚が見て参つておりますが、大巻で引揚げたものは、全部ひとでに食われてしまつたからであります。上つて来たひとでがたつぷりとはまぐりをかかえております。そうしてひとでの触角か何かが貝の中に刺さつて上つて参ります。その被害たるやたいへんなものであります。これは浦安だけの問題でないように私は考えました。しかし私は浦安だけを見て来た感じを申し上げます。松田委員から詳細な質問がありましたが、参考人の説明に、私にもどうもピンと来ない点がありましたので、実際見て来た実情がかような実情であることを私申し上げます。
○松田(鐵)委員 私は、今船でとつておるということを論議しておるのではない。浅い干潟で、ひざぐらいまでのことをまず論議しておるのです。浅い所は、干潟になつたときには船を通そうといつたつて通らない。浅い所で、干潟になつたり、ひざまでの所が二百五十町歩もあるというのだから、それを駆除する方法がないかというのです。
○中村(庸)委員 それは四十分もかかつて船で出る遠い所なのであります。 —————————————
○田口委員長 この際お諮りいたします。この被害は、千葉県内湾一帯にわたつておるようでございます。幸いに今千葉県友納副知事がおいでになりましたから、参考人として追加をいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田口委員長 それではさように決定いたします。 —————————————
○田口委員長 友納参考人。
○友納参考人 ただいまの説明で尽きておるのでございますが、確かに浦安町が中心であることは間違いないのでございます。御承知のように、真水と海水がまじる所に発生いたしまして、被害もこの辺が非常に多いのであります。そうして内湾一体の関係でございます。地図を持つて来ておりますので、お許しを得ましたらあとで資料として差上げますが、浦安を初めといたしまして、ずつと木更津に至る海岸も、大体これと類似の情勢でございます。ひとでには移動性があるらしゆうございます。こういうものを研究する学者は少いらしゆうございまして、はつきりつかめないのでありますが、移動的に浦安からずつと木更津の方に広まつておるというのが、現状でございます。今松田委員のお話でございますが、私も見に行く前は同じような感じを受けました。そうして干潟になる所は、干潟になつたら拾えばいいじやないかという程度に考えたのでございます。先ほどもちよつと御説明がありましたが、とりましても深い所におりますひとでが、移動性を持つておりまして、これが波に乗つて来る術を心得ているらしいのでございまして、実情をごらんにならぬとその感じはわからぬと私は思います。お話を承つておると、私もそういう感じを持つたことがありますので、お考えはよくわかるのでありますが、現状を実際に見ていだたきますと、なるほどこれはむずかしいということがおわかりになると思うのであります。御質問によりましてまたお答え申し上げます。
○松田(鐵)委員 副知事にお伺いしますが、浦安が中心で木更津までの間にそういうような状態になつている。そこでその沖合いの方はどのようになつているかを御調査になつておられますか。
○友納参考人 沖合いと言いますと……。
○松田(鐵)委員 たとえば深さが四ひろ、五ひろというような沖の状態はどうなつているか、御調査になつておりますか。
○友納参考人 現在県の水産試験場もございます。それらで調査もいたしておりますが、そんなに深い所まで貝類を養殖しているわけではございません。
○松田(鐵)委員 いやいや、ひとでの棲息の状態をお調べになつておられますか。貝のことではありません。ひとでのことです。
○友納参考人 調査いたしております。ほんとうに現状を見ていただくとよくわかるのでございますが、二ひろ程度の所までひとででまつ黄色でございます。そして先ほども申し上げましたように移動性を持つております。これは現状をごらんにならぬとほんとうに頭に来ないかと思いますが、いずれかというと実際に——ちよつとこの間も私的に水産委員の方に来ていただいたのでありますが、私も見る前はそういう感じを受けましたが、一ぺん何かの折に、近いことでございますので、見ていただきますと、その感じが来ると思うのでございます。
○松田(鐵)委員 今ここでわれわれの感じにぴんと来ないところがある。副知事もそうであつたと言う。しからば今ここでこういう論議をしてみたところで、実際において見ないものの論議である。水産庁はどのようにお調べになつているかわかりませんので、水産庁の意見も聞きたいが、委員会が正式にあそこの調査をしてみるようにされたら、一番現実の問題としてわかると思います。委員長さようにお考えになつて、皆さんにお諮りを願いたいと思います。
○田口委員長 いずれあとで御相談します。 次に水産庁当局より本件の概略について説明を求めます。黒田説明員。
○黒田説明員 今まで水産庁でわかつている程度のことを申し上げます。今千葉県からいろいろ御説明がございましたが、このひとでは現在のところ東京と神奈川、それぞれ養殖している貝の漁場に移動しております。ひとでの種類は黄ひとでという種類でございまして、今千葉県の副知事から申し上げましたように、ひとでの生態その他の研究が非常に貧弱でございますが、現在のところでは、文献によりますと、大体十六メーターから百メーターの深さにふだんは住んでいるということでございます。それから現在までの調査によりまして、大体七月、ころから相当深い所には見えたのですが。徐々に沿岸近くで見られて来た。それで九月、十月ごろ貝の養殖場にたくさん来たという状態から見まして、深い所から移動して来たものと思われます。現在産卵期に入つておりますが、まだ産卵はしてないと思います。大体春から夏にかけて産卵するものと思われます。 現在おりますひとでは、これは私どもの方の水産庁の水産研究所で調べた調査でございますが、大きさは二・五センチから十一・五センチメーター、この程度の長さでございます。その山は七・五センチメーターという一つの山でございます。従つていろいろの文献から成長の状態や何かを見まして、大体一年生と推定されます。従つてこれは去年産卵したものが今いるひとであるということになります。成長は非常に早いようでございます。大体千葉県が最もひどいようで、その次が東京、その次が神奈川という状態でございます。 それから生態のことをもう少し申し上げますと、これが貝を食べることは皆さん御存じであろうと思いますが、その食べる量は、今のところ調査がはつきりしておりませんが、かきでやられたものでございますと、年に二百個くらい食うんじやないかという一応の資料はございます。 それから移動の方法でございますが、これはみずから動く力は、あまり遠くは移動できないと思いますが、潮流に乗つて相当に動くんじやないか。これも一箇月に四マイルくらい移動したという記録もございます。現に浦安あたりで非常に風のひどかつた、潮流の非常に強いときのあとに非常にたくさん来たという実例から見ても、潮に乗つて移動するということは言われると思います。 それから被害額その他の点については、目下水産庁水産研究所、それから被害状態を各県の水産試験場、それから県に動員してもらつて調査をしておりますが、一応被害額としては千葉県の方だけの書類の報告でございますが、二億円という数字が出ております。 それから被害の漁家数でございますが、これは東京、神奈川を含めまして一応私の方で集計した数字ですと、一万四千五百八十人という数字が出ております。 これの駆除方法でございますが、先ほど浦安から言つておりましたように、あらゆるとれるものでとるしか方法はないと思います。大体純淡水では三時間くらいで死にますし、硫酸銅なんかでは一万分の一で約三時間という程度で死にますが、しかしこれは実際には応用はむずかしいと思いますので、とるより方法はないと思います、一番いい方法としては、けた網の歯のないので取るのが能率的に取れると思います。 それから日本で従来あちこちでひとでは相当異常発生しておりますが、今回のような大量に発生したのは初めてのように思われます。大体以上でございます。
○田口委員長 水産庁当局に対する質疑を許します。小高熹郎君。
○小高委員 このひとでの被害は今や千葉県の大問題でありますが、同時に千葉県ばかりでなく、東京都及び神奈川県、いわゆる東京湾一帯にわたる大きな問題となつて参つたのであります。先ほど友納副知事から説明がありましたが、浦安の被害が最もはなはだしいと言われておりますが、その隣の船橋はどうなのか、また津田沼はどうなんだ、検見川はどうなんだ、こういう事情を私は三日ほどぐるぐるまわつて、検見川の漁業協同組合へ参りましたとき、大きな山が三つ全部ひとでの山であつたのでございます。こういう事態が数箇月前からの悩みでございまして、土地の漁業協同組合及び漁民はあらゆる努力を尽し、精根を傾けて来たのでありますが、もはやこの上は、乏しい漁村の財力においてはとうてい除去しきれない、何とか国で助けてもらえないかというのでございまして、その状態はだんだん五井から木更津に延び、防潜網のあります富津へも延びんというような形勢に相なつておるのでございます。そこでこの駆除方法につきまして、ではどういうような具体策があるかというならば、先ほど申し上げました通り、漁民の乏しい財力でもうやりきれないというのでございまして、農村における病虫害の被害のごとく、同等の感覚においてこれを解決してもらうことができるのかできないのか、この点にかかつておるのでございます。私はこの点を漁業者の一人としてつぶさに調査研究いたしたのでありますが、これは農村地帯における病虫害による被害と同様に取扱うべきものであるという断定を下したのでございまして、かかる観点から水産庁当局は、この被害の救済に対しまして、いかなる具体策をお持ちになつておられるか、幸いにして水産庁の岡井次長が御出席でございますので、この点についてまず御意見を承り、徐々にまた私の意見を開陳いたしたいと思います。
○岡井政府委員 まだ被害のさ中でございますので、私の方も十分に実情を調査いたしまして適当に善処いたしたいと思います。ただこの際お言葉を返すような言い分かも存じませんが、水産庁としては従来、農業のいろいろな病虫害というような予算のケースがございませんので、せめてそれに近いような措置をしたいという意味合いで、保護水面の指定区域に該当する部分については予算措置が容易であろう、かように考えまして、千葉、神奈川あたりに対しましても、一応保護水面の指定をしたらどうかということの御照会に対しては、御同意を得なかつたことは非常に遺憾と思いますが、かりにこういう地区が保護水面の指定を受けておりましたら、予算措置は非常に簡単であつた、かように思つております。その点は非常にいまさら残念に思つております。
○小高委員 ただいま保護水面の指定を受けておつた方がやりいいだろうというようなことでありまするが、実害は実害なんですから、この現状をどうしてくれるかということに対しまして、保護水面の指定を受けておつたから、おらないからというのでなく、これは緊急措置として当然方策を講ずべきものでありまして、その点は水産庁次長と私の意見が大分違つております。これは常に私が言うところの政治が事務に優先するか、あるいは事務が政治に優先するか。行き当つてしまつたのでありまするから、この事態をどうするか、この差迫つた問題に対しまして、指定されておるからとか、おらないからとかいうことは、これは許されないことである。この問題を解決するにかような感覚であつては、これはお答えとして水産庁当局に敬意を表するわけに行きません。この点はさようなことでなしに、それじや便宜今どういうような措置を講ずるか、これらに対するもう一段とつき進んだ御答弁を願いたいのであります。
○岡井政府委員 決して保護水面に該当せないから措置をせないという意味でお答えしたのではありません。より楽であつたと言うただけでございます。従いまして実情を十分にまとめまして、まだ千葉だけでほかの府県からはまとまつたような資料も出ておりません。ですから他の関係の府県の資料もまとめまして、実情をさらにもう一段と掘り下げて、調査した上で善処いたしたいと考えております。
○小高委員 ただいま次長の答弁によりますと、まだ十分な調査研究ができておらない、それならばこれは調査研究をすみやかにすることが最もよい方法でありまして、この点至急水産庁当局も調査研究してもらいたい。と同時に、先ほども意見が出ましたが、私ども水産常任委員会として、すみやかに現地へ出張いたしまして徹底的に調査をする、そうして水産庁の調査とわれわれの調査、その両方の資料に基きまして、一体これに対して救済する方法といたしましてどうすればよいのだ。今まで使つた経費がございますとともに、また今後相当経費を要する。これに対して地元から何千万円の予算を組むか、あるいはまた一億数千万円の融資をしてもらいたい。これに対して千数百万円の利子補給もしてもらいたい。また稚貝が死滅してしまいますとこの繁殖に相当悩みを感じますので、これらに対しても経費が必要である、いろいろ意見は出ておるのであります。ことに先月でございますが、アメリカから二人の貝類輸出に関する検査員が浦安及び木更津へ出張いたしまして、これが輸出対象とならんとしております。現在わが国がドル不足でどのくらい悩んでおるか、これが貴重なるドル獲得、外貨獲得に役立つ基本となるのでございまして、それがかようなひとでの被害によつてさえぎられるということは、国家的に考えましても大きな損失と思わなければならないのであります。この意味におきまして、私はすみやかに水産庁当局の現地調査を希望するとともに、当水産委員会から至急現地調査に出向きますよう、重ねて委員長に要望いたしまして質問を打切ります。
○田口委員長 遠藤三郎君。
○遠藤委員 私は、このひとでの問題についてはちよいちよい聞いておりましたけれども、まとまつた意見を聞くのはきよう初めてであります。いろいろ伺つておりますと、今この問題が燃え広がつておる、いわば火事のまつ最中のような感じがする。何とかしてその火事の元を消さなければいかぬ。早く駆除してしまつて、そうしてこれ以上蔓延しないんだ。そうして貝類がこれ以上食い尽されてしまわないんだという状態に早く持つて行かなければならない。その後に続いて来るのが融資の問題であるとか、あるいはその次に漁場復興の問題であるとかいうものが出て来るわけであります。 そこで問題は、この駆除をするために一体どういう方法がよいのか、どうしたら全面的な駆除ができるのか、今の松田委員の質問も私どもまことにうなずけるものがあるわけであります。こういうことをやる場合には、地元がやつきになつて、死にもの狂いになつてやつておるけれども、足りない部分を国家から援助してもらいたい、こういうふうに行くのは当然だと思うのであります。地元もやつておるように私どもは聞いております。同時に地元でやり得ない届かない点はどこにあるか、駆除方法はどうなんだ。その駆除を完遂するために経費がどの程度かかるのか、それを地元がどの程度負担し、負担しきれない部分は政府がどれだけの負担をしなければならないのか、その具体案を出さなければ議論はちつとも進んで行かない、そういう感じを私は持つておるのです。そこで願わくはこれは現地調査もけつこうでありましようけれども、現地調査もやると同時に、今まで調査のできたその資料に基いて、どういう駆除方法をとるかというようなことについて、水産庁当局は今どういうふうに見ておるか。その駆除方法によつて、全面的な東京湾の被害地域を全部駆除してしまう。そのために経費がどのくらいかかるか、そういうことについて水産庁当局が一応の計画を持つておられるかどうか。この資料を見ますと、浦安町の二十九年二月以後における駆除対策経費概算調書というのが出ております。これは浦安だけでなく千葉県全部に及び、さらに東京都、神奈川県にも及ぶらしいんですけれども、とにかく火の手火の手と上つておるところからやつて行つたらいい、こういうふうに私は思うわけであります。そこで水産庁としては、どの程度に金がかかり、どういうふうな計画になるのかということについて、およその見通しがありますならば、ここでひとつ御披露願いたい。それは事務が政治に優先するとか何とかいう、そんな問題じやないと私は思う。こういう大きな問題は国をあげてやらなくちやいかぬ。これは同時に地元もやるし国もやる。そういつた一体的な対策が必要だと思うのでありますが、それに対する水産庁当局のお考えをただしておきたいと思います。
○岡井政府委員 先ほど係長の黒田君の方から説明いたしましたように、薬物をもつて駆除はできないし、結局現在の段階におきましては、けた網の歯のないやつでとるのが一番能率的であるということだけがわかつておるわけでありまして、それについても使用人といたしましては、やはりみずからの漁場はみずから守るという熱意もございますので、地元の各位のお力添えによつてやるより手がないんじやないか。この点は先ほど浦安の町長からも御説明ありましたように、各浦々におきまして、大体申し上げたようなけた網類似のもの、もしくはかちづき等、ありとあらゆる手段、方法をコンビいたしまして、現在駆除に努めておる次第でございます。従いましてこれらの点につきましては、それらを合せましたものの総経費を一応国が見てくれという申請あるいは陳情が出ております。いずれ皆様の御意見などもとくと勘案いたしまして善処することに相なりました場合におきましては、われわれとしてもそれらについての適正なる資料として計算はいたしたいと思います。
○中村(庸)委員 ただいま遠藤委員から、この駆除ということが焦眉の急であるという御説明があつたが、私もまつたく同感であります。すみやかに駆除しなければ、貝類は全滅してしまうのであります。このひとでは、私ども考えまするに深海に住んでおる。あるいは三十メートル、五十メートルの深い所におるものが、こういう浅い所へ来たことは、水圧の関係から考えても考えられない。しかしながら現実に大挙して来ておる。これは三十年前にもこういう問題があつた。これに対して水産庁として、今日この駆除方法の対策、研究がなかつたということは、まつたく遺憾に存ずるのでありまするが、わが国ばかりでなく、外国にもこういう例があつたかどうか、こういうことを聞いておられますかどうか、承りたいと思います。
○黒田説明員 アメリカの文献に多少出ておりますのを少し調べましたが、貝の養殖場にやはりひとでが相当出ておつて、それの駆除もやつておるようでございます。文献によりますと、一九〇一年でございますから大分前の話でございますが、アメリカの駆除方法といたしましては、今のけたのかわりに古網をうしろにつけまして、それにからませるという方法で、船に煮え湯を入れておきましてそれに入れるというような方法でやつておるようでございますが、非常に手数がかかりますので、やはり現在やつておるような歯のないけたでとつて丘に揚げるという方法が一番よいと思います。そのほかの国のものについては、調べましたがあまりよくわかりませんでした。
○中村(庸)委員 ただいまアメリカにおける例を伺つたのでありますが、ひとではこれからが産卵期である。現地について見ますと、ひとでのからだの中に卵が何万というように充満しておるのであります。このままこれを産卵させてしまつたときはどういう結果になるかということを考えさせられるのであります。しかしてまた本問題は千葉県だけの問題にあらずして、浦安は甘木全国に稚貝を配給しておる木場であります。この稚貝までも全滅するということは、国としても重大問題でありますから、早急にこの駆除対策を水産庁として講じていただきたい。それにつきましても、われわれ委員全体がその実際の被害を認識されることがすみやかに行われなければならぬものと私は考えますので、時は国会開会中でありますが、正式の調査団でなくて任意に調査するという形式でけつこうでありますので、委員長にこの件を至急お諮りいただいて、そうして実情を認識していただいて、駆除の徹底を期せられんことを要望する次第であります。委員長にこの点をお願いいたします。
○田口委員長 川村善八郎君。
○川村委員 浦安町を中心とした千葉県全体、東京湾全体が、ひとでの被害で貝類の養殖に甚大な損害を受けており、関係漁民は非常に困つておるので、今までは自分たちの力で闘つてとつて来たけれども、なかなか容易でないから国で補助してくれというような陳情でありまして、先ほど遠藤君が言われたように、早急に絶滅を期すという方法で対策を立てて行かなければならぬということには、私も同感の意見を持つております。ただ今ひとでをとつて山に積んで投げておるといつたようなことを承つたのですが、ひとではかつて相当の肥料として農家に非常に賞讃されたということを私は知つております。現に私は噴火湾の近くでありますが、噴火湾でもやはりひとでが多いので、貝類の養殖等に甚大な損害を与えておる。ひとでというのは非常に繁殖力が強い。われわれが考えたようなものではない。二つにさいて投げるとそれが二つになり、三つにさいて投げると三つになる。自然にからだをもつて繁殖するというのと、卵から繁殖するのとあつて、双方から行きますから、これは相当繁殖力が強い悪質な害虫でございます。駆除しなければならぬことは先ほど申し上げた通りでございますが、この利用方法がないかということでございます。かつて私らの方で、私も若い時分にとつたのですが、これらを野菜の肥料にするというと、あのひとでは一種の強い毒素を持つておるので、野菜に虫がつかないということと、それから石灰性が非常に強いので、酸性土壌の肥料としては最もいいということで、一時は相当称讃されました。現在は化学肥料がありますので、あまりひとでの利用がないのでございますが、駆除することはもちろん早急にやらなければなりませんけれども、一方にはこうしたような利用方法がないものかどうか。水産庁におきましては、農事試験場とかあるいはその他の権威ある肥料を利用しておる団体等に相談をして、とつたひとでの利用方法がないか。一面に漁民が出てそうして賃金を漁業協同組合なり村で払つておるようでございますが、これが売れるものとすれば賃金くらい出るのじやないか。そこで国として、いわゆるこれをとる施設、けた網でありましようけれどもけた網等の問題について補助してやると、補助がわずかですむのではないかということを考えますが、水産庁として、まだこの利用方法について農林当局、試験場等に御相談したこと等があるか。それからもう一つは、これは参考人の方に承りたいのですが、何かそういう運びをしたことがあるかどうか、売れないかどうかという問題でございます。これが売れて肥料になり、そうして効果がありますれば、害はあるけれども一面には効果もあるというようになるのではないかということも考えますので、この点水産庁にお伺いいたすと同時に、先ほどの参考人にお伺いしたいと思つたのですが、先ほどの方はここから退場されましたので、これらについてどなたか御存じの方がありましたらお答えを願いたいと思います。
○中村(庸)委員 ただいま川村委員のお話はまつたくごもつともであります。私先般現地で見て参りましたので、現地の漁業組合として、この利用方法を非常に研究いたしまして、これをまず加熱して乾燥し、粉砕しまして肥料とする。今日のような金肥のたくさん出まわる前、戦争前は売れたそうでありますが、最近、とつたひとでで肥料をつくりまして、二千貫つくつて三千円にしか売れない。運賃にもならないということで、まつたく赤字続きで組合でその作業を中止したという実情がありますので、参考に申し上げておきます。
○岡井政府委員 川村先生の御趣旨に従つて、水研をして、この肥料としての利用価値ももちろんでございますが、今中村先生のおつしやつたように、現段階においては肥料としての採算も合わないしというお話で、その通りらしいのです。従つてほかで何か研究して経済的価値が、いわゆる費用と若干でも見合いになるような線が出やしないかを研究するように、至急連絡いたします。
○小高委員 先ほど来意見が出ておりますが、私も駆除が先だということについては、先ほどから何回も述べた通りでありまして、駆除が先決問題でございますが、駆除だけで解決されない面があるのであります。それはこの新聞等にも出ておりますように、貝を包んで毒素を出して食つてしまうのですから、現在かせぎがないのです。かせぐ元をこれに食われてしまう。でありますから駆除が先決問題ですけれども、現在の漁民の悩みをどうするかということ、これを併行的に考えてやらなければいけない段階になつておるのであります。それで私は強く意見を出しておるのでございまして、そういう点をお含みの上で、先ほど申し上げました通り、至急調査の手続をとるということにしてもらいたいことをつけ加えておきます。
○田口委員長 本件につきましては事きわめて重大でございますから、水産庁におきまして至急調査かつ対策を講ぜられるように要望いたします。なお当委員会といたしましては、公式の調査はやつかいでございますが、非公式に現地を調査する、こういう建前で後刻打合せをいたしたいと思います。 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもつて御通知申し上げます。 午後零時四十七分散会