水産委員会 第9号
- 発言数
- 44 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/02/06
会議録
○田口委員長 これより会議を開きます。 公海漁業に関する件について調査を進めます。北洋母船式さけ・ます漁業に関する問題について質疑を許します。松田鐵藏君。
○松田(鐵)委員 私はさきの水産委員会において水産長官に対して、警告といおうか、また参考意見といおうか、意見を申し述べ、川村委員もその他の委員もそうした意味の意見を申し上げてあつたはずであります。この二十九年度の北洋母船式さけ・ます漁業許可方針から行きまして、昨年の実績会社会社に対しては一月の三十一日が独航船と共同の許可申請をする期日になつており、これが提出されて許可になつたことと存じます。 次に、この二月の十日に第二次の申請、つまり今出ておる極洋捕鯨、大洋冷凍母船、函館公海漁業、北海道漁業公社、日魯漁業の五社に対して六十隻の独航船がおのおの共同出願をすでにされておることと存じますが、現在の状態はどうなつておるか、許可されておるかどうか、この点をお伺いしたい。
○清井政府委員 ただいま御質問のありました点でございますが、お話の通り最初の一月末日までに申請をすることになつておりました昨年の実績三社の分はすでに許可をしてあります。その後二月十日に申請書をお出し願う、新しく申請をされた五会社の分につきましては、ただいま申請書が提出されつつあります。ただいままでに提出してない会社は、極洋捕鯨と函館公海漁業との二社でございます。
○松田(鐵)委員 前の委員会でも、独航船側としてあまり常軌を逸した要求や条件をつけてやつておるという情報がひんぴんとして入り、それに対して水産庁は十分なる勧告をするように、われわれの参考意見という軽い意味合いで申し上げておいたはずでありまするが、現在母船団の船が六十隻の独航船をめぐつての争奪戦が展開されておる。私の知つておる範囲内においては、北海道漁業公社は二十隻以内というこの要綱からいたしまして、二十隻は確保されて出願したように聞いております。それに日魯が確保されたように聞いております。そうしますと、あとの二十隻をめぐつての数字は確実だかどうかわかりませんが、三船団でもつて二十隻を確保するように努力をされておるように、私の感覚でありますが見受けられます。一船団よりも独航船の数はないものとするならば、二船団は落伍しなければならない。かりにここで三船団が十隻ずつ確保するようであつたならば、三船団が一つのグループとして、水産庁でもまた業者でも、これを統合されるような機運をつくつて出されることは一番都合のいいことだろうと思いますが、おのおの経済の上に立つてなかなかそういうことも行かないことだろうとも考えられる。ところがわれわれの聞かされておる範囲内で、事実かどうかは存じませんが、函館公海漁業に対しては、ほとんど一そうか二そうないしは四そうくらいよりも独航船の確保ができていないというように聞くのでありまするが、こういう函館公海漁業のような三そうか四そうよりしかないものに対しては、水産庁はどのような態度をもつて臨まれるのか、この点をお伺いしたいと思います。
○清井政府委員 この点は、この前の委員会においても御質問がありました点と大体関係があると思うのでございますが、私ども当初百隻を旧船団の所属船といたしまして指定いたしまして、残る六十隻を新しい船団のために充てました。しかもそれぞれの母船は、一母船につき二十隻を最高限度とするということをつけ加えまして、しかもなお所属独航船の数が少くて母船経営に不適当と認める場合は許可しないことがあるということをはつきりとつけ加えてあるのであります。しかもこの点は、この方針を発表いたしますると同時に、関係の会社の方々に全部私のところへ来ていただいて、いろいろ御懇談を申し上げたのであります。そのときにも、私から、この所属独航船が少くて母船経営に不適当と認められる場合は許可しないこともあるという言葉は、そう弾力性のあるものではないというふうに私は考えておるということをはつきりと申し上げてあるわけであります。過去二箇年間の実績から申しましても、この程度のトン数、この程度の施設を持つておる母船を適切に運営して行きますためには、この程度の独航船が必ずついて行かなければならぬという計算は、おのずからあり得ると私は考えております。これは私どもも、そういうふうに計算をいたしまするし、また業界においても、この程度の母船を運労するためには、この程度の独航船はどうしても必要だということは、おのずから常識としてわかることだと思うのであります。従いまして、そういうような観点等からいたしまして、母船として出漁する場合は相当経費がかかる、また相当の独航船をつれて行く場合でもあるし、また北洋漁業という非常に国際的にも注視を浴びておる漁業でありますから、こういうような漁業経営に対しましては、私どもといたしましても相当慎重な態度をもつてやつて参りたいと思います。そういうような観点からいたしましても、私どもは、この母船と独航船との関係につきましては、きわめて慎重な態度をもつて臨んで行きたいというように考えておるわけであります。従いまして、まだ各母船からの申請が出そろつていないような状況でありますが、いずれ出そろいました上、この前伺つたように、一部の独航船が二重に契約しておるというような問題もありますので、そういつた点を見合いまして、それぞれの母船をきめました場合において、はたしてこの程度の母船を運営するのにこの程度の独航船で一体やれるのかどうかというはつきりした判断をしなければならぬと思うのであります。そういうような観点から、私どもは母船の許可に当らなければならぬというふうに確信をしておるのであります。
○松田(鐵)委員 私は各母船の出しておる内容は少しも知るわけには参りませんが、母船経営から行きまして、ただいまの長官の御答弁から行きましても、当初において業者に対してもよく納得の行くように説明してあるというお話であり、業者もそれぞれ事業計画を出して、答えは完全に出ておることだろうと思つております。要するに二十そうであるか、三十そうであるか、三十五そうであるか、その自己の母船が独航船と共同して許可を受ける場合において、その事業計画なるものが基本となつてこの事業を行うものであるという申請書がそこに出て来ておるものと私は考えます。それが要するに答えであると私は考えておるのであります。そうした意味合いから行きましても、水産庁のこの要綱から行きましても、期日はかりに十日としても、ここにほとんど結果はもはや明確になつておるようにわれわれは聞き婆のであります。ここに当事者の夏堀委員もおられるからなおさらはつきりすると思うのでありますが、こういうようにして藩閥に伝えられる非常な摩擦、それがひいては政界の浄化というようなことまで出て来て、ときどき議論されるのであります。こういう意味におきましても、先ほど長官の言われるように、国際漁場に出る日本の新しい漁業である。大きな国策の面からいつて、断固たる御決心の上に立つてすべてのものを処理されなければならないことは明確であるのであります。よつて、もし三社ないし四社、五社というものが今一つの独航船をとるために非常な大きな犠牲と努力をされておる。よつてこれが結果的に見て、長官の手元には数字がはつきり現われておると思う。出願されておるものと、独航船との数を見たならば、もはやはつきりされておると思う。しかし期日はある。期日はあるがもはやここにはつきりされておる数字というものが現われて来ておるならば、相剋摩擦をするようなことがあつてはいけない。この点に対して、その他の母船に対して何らかの勧告なり措置なりとられるというお考えがなければならないと思いますが、ただ期日が十日なるがゆえに、それまで荏苒として延ばしておくというようなこともどうかと思われるのでありますが、勧告なり注意なりして行こうというお考えはないのでありますか、この点をお伺いしたい。
○清井政府委員 母船が非常に競争をいたしましたために、独航船との間にいろいろな問題を起しておるということは、この前の委員会においてもお伺いいたし、またそれぞれの母船から提出いたしましたところの独航船との契約等を見ましても、すでに許可をいたしました船団との間に二重に登録されておるものもあるのであります。その他新船団同士も二重に登録されておるものがあるようであります。そこでその間に非常に問題が多いことを、私どもまだ全部出て参つておりませんけれども、十分認識いたしておるのであります。ただ御承知の通り、とりました方式がやはり新船団は六十隻を標準として、それぞれの船団が独航船と契約を結んでいただいて、そうして独航船との共同申請でやつていただくということは御承知の通りであります。その建前で参つておりますので、ただいままでに相当の問題を起して来ておりますけれども、やはり私どもは、あくまでこれは母船と独航船との共同申請である。しかも母船同志がある程度競争していただく、こういうことはやむを得ないという建前に立つておりますので、従つてある程度やむを得ないことだと思つておるのであります。ただ問題が非常にはげしくなりまして、一独航船あたりで不徳な行為をしておるというようなものが目立つて参りますれば、これはこの前の御質問にもありましたが、今後の問題として相当考えて行かなければならぬということも事実であります。ただ実を申しますと、まだ十日まで申請期限がありまして、申請してないところもあるというような状況でありますし、段階はまだ最終段階まで来ていない状況であると思つております。ただ現実がいかにもひどい現実じやないかという意味のお話だろうと思いますが、ただいまのところでは、私ども相当二重契約、三重契約があるという、また将来もあり得るということはわかつておるのでありますけれども、しからば今すぐここでどういうふうにするか、またどういう措置を母船の出願者側に対してとるかということは、まだ何も考えておりません。やはりダブリましたところの独航船と母船とにつきましては、これはお互いの契約の問題でございますから、できるだけひとつ契約上の問題として話合つていただくほかに方法はないのであります。どうしても話合いがつかなければ、私どもといたしましては独航船の意思を聞かなければなりません。独航船にはつきり意思を聞きます。AならA、BならB、AB両方の母船に対して、かりに出願をしておるのでありますれば、この独航船に対してはたしてどちらに君は所属する意思があるかということをはつきり質さなければならない。それでもはつきりしなければやめていただくより方法がない。そこまで調べて手数をかけて続けて行きませんと、私どもとしてこういう建前をとつたからには、やるところまでやつて参らなければなりません。しかしこの問題にはおのずから限界があると思います。先ほど第一段の御質問で私がお答え申し上げた通り、非常識なことはできないと思うのであります。実際の母船の出願にあたつては……。そこで今後の推移によつて、おのずからこれは帰するところに帰すべきはずのものであると私は考えておるのであります。私どもといたしましては、いま少し、できるだけ業界が無用な競争で混乱を生じない、また生じた混乱をできるだけ早く鎮静していただくために、それぞれの契約が二重になるものについては、今申しました措置をとるということを続けて参りたい。さりとてそれ以上どういう措置をとるかということにつきましては、もう少し業界の動きなり、その他の動き等を十分観察させていただきたい、こういうように考えております。
○松田(鐵)委員 御意思のほどはわかりましたが、一番大事な点は、この要綱の方針の第五であります。今まで議論したものもここに含まれるのであつて、すなわち、「一母船に対する附属独航船数の最高限度は二〇隻とし、所属独航船数が少く、母船経営に不適当と認められる場合は許可しないことがある。」これが一番の重要な点であろうと思うのでありますが、こうしたところから、たとえば先ほど私が述べたように、函館公海漁業、それから大洋冷凍母船、極洋捕鯨、この三社で二十そうとすれば——十そうずつあればそれは同じことになるのであるが、たとえば大洋冷凍母船が独航船を十五隻持つた。そうなるとあと五よりないことになれば、函館公海漁業が二だとか、極洋捕鯨が三ということになると、これはたとえての話でありますが、そうなるとほとんどゼロにひとしい数字しか持てなくなる。大洋冷凍が十五よりいかなる努力をしても獲得できない。函館公海は二を持つて何とかそれを確保しておつたならば、この大洋冷凍の中へ食い入ることができ得るのじやないかというような考え方から、こういう二という全然水産庁の要綱にも何にも反するような数字より持つていなくて、がんばつているというようなことがかりにあつたとするならば、これは企業の合理化からいつても、また業者業者の感情の上からいつても、なかなか容易なことでないと思うのであるが、こうした場合水産庁は、二とか三とかいうものは要綱の趣旨から言つても全然合わないということで、これを切つてしまうというお考えを持つておるか、またそれをいかなる事情があろうとも、わずかなものでも、独航船を確保したのだから、これを出漁させようなどという考え方を持つておるか、この二つの点。 もう一つは、たとえば十五持つたというものが、そういう無理な場合は拒絶するというが、拒絶した場合においては、たとえば二なり三なりというものの独航船は雷に迷うのであります。こういう場合は六十隻の適格船を選んだとしても、そのうち五そうなり七そうなりというものは母船との企業が成り立たないということからいつたならば、これを切つてしまうという点はどのようにお考えになつておるか、この三点を伺いたい。
○清井政府委員 具体的に数字をあげてのお話でございますが、私はその点は残念ながらはつきりお答えできないのであります。と申しますのは、確かに数学的に申しまして、AならAという母船が二十隻のうち十五隻とつた、残りが五つになる、残りをBとCという会社が三と二にわけた、三と二は当然経営ができないじやないか。確かにそういう意味ではその通りだと思います。ただ現在の段階におきましては、先ほど来松田委員からも御指摘のありました通り、かりにA社ならA社というところから十五隻なり十六隻の申請がありましても、それがその社のみに所属している船と、二重契約になつておる分と両方入つておるのであります。そこでAならA社の申請を十五なら十五と断定することはできないのであります。私どもといたしましてもはなはだ遺憾に思つておるのでありますが、現実としてそういう事態が起つている以上は、はたしてA社の所属船が申請通りの十五隻なら十五隻ということが確定することがまず大事であります。その上でAならAの所属船が何隻である、その母船はこういう母船であるからということで、その母船と独航船との数の判断になると私は思うのであります。そこでまずAならA、BならB、CならCという母船経営に対して、何隻の独航船が確定的に所属するかという点がまだ明確ではないのであります。その点を解決していただきませんと、直接の判断ができないということになるのであります。まことにまわりくどい話でございますが、まずそれを確定いたしませんと、ただいま御説明になりましたような問題に対しましては、何ともお答えいたしようがない段階にあるわけであります。
○松田(鐵)委員 一次に政務次官に政治的な観点から質問をいたしまするが、ただいままでの長官の御答弁から行けば、現在の段階として、水産庁長官としてはやむを得ないという御答弁だと了承するのであります。しかしてただいままで言うておる私の質問の中にもあるがごとく、二重三重として今出されておるものも相当あると思う。だが現実の姿として結果を見なければならないことであるが、二軍三重になつても、相当接近したものに対しては考えなければならない問題があることだろうと、私は長官の御答弁の中からも読みとれるのであります。だが二重三重契約のうちにも全然入つていないような、たとえば四つか三つよりないというようなものに対しては、この際業界がこれほどまでに騒ぎ、そうして場合によつては政治的な汚職問題まで論議されておる今日、そういうようなことがあるようであつては、わが日本の水産というものに対してはわれわれも相当考えなければならないので、今日の委員会を私は委員長に要求した。そうした重大な段階になつておるのでありまして、要は、あまりにも極端なものに対しては断固たる措置、要するに独航船のみじやない、母船側に対しても断固たる措置をとつて、しかして将来の水産の行き方というものを清く正しく持つて行く方法を考えることが政治だと思うのであります。そういう意味合いにおいて、たとえば聞けば農林大臣がだれだれから頼まれているとか、やれ池田政調会長がだれだれから頼まれているとか、夏堀委員は社長であるがために、だれだれの政治力を動かしてやつているとか、川村委員はどうだとかいわれ、幸い松田委員は高見の見物という形でありますが、こういう点から行きましても、平野政務次官はいかなる圧力にも屈せず、正しい漁業の行き方をとつて行くという、水産行政に対する断固たる方針によつて、適切なる方法を考慮されんことを私は希望するのでありますが、この点に対する御意見を承りたいと思います。
○平野政府委員 本年度の北洋さけ、ます船団の許可の問題につきましては、国際的にきわめて重大な関係がありますとともに、ただいままた松田委員のお話もございましたように、政治的な各種の運動が行われるというようなことも巷間に伝え聞いておりますので、慎重の上にも慎重を期して、厳正公平にきめなければならぬ、こういう立場から進めておるのでございます。現在のところ、農林省に対しましては、そういう政治的な圧力とかいうことは全然聞いたこともございませんが、とにかくそういううわさもありますとすれば、一層厳正を期さなければならぬ、こういうことでございます。詳細はただいま水産庁の長官から御説明申しました通りでありまして、それにつけ加うべきものは何らございません。ただこれは常識で判断いたしまして、百六十隻の独航船に対して、すでに実績の三社を許可し、ただいま百隻きまつておるわけでありまして、残余の六十隻を母船団で争奪される、こういうことであれば、どうしてもこれは無理があるわけでありまして、おのずからある程度の規制もやむを得ないのではないか、かように考えざるを得ないわけで、これはまつたく事務的なかつ技術的な問題として、われわれとしては一切を水産庁の事務当局に一任して、その公正なる判断によつてこれを決する、こういうことで進んでおるわけでございます。ただ政治的というお話がありますれば、今申し上げましたように、何分にもこれは無理があることでありまして、かりにそうした業者の方々が北洋の漁場に進出して大いに漁業の発展に努力をせられたいという熱意は敬意を表しますけれども、しかしながらこの要綱の基準にはつきりいたしておりますように、「一母船に対する付属独航船数の最高限度は二〇隻とし、所属独航船数が少く、母船経営に不適当と認められる場合は許可しないことがある。」ということが原則でございますから、数字は必ずしもこれにぴつたり一致していないにしても、あまりにも少数の独航船でもつてやろうというような場合については、おのずからこれは無理がありますから、許可しないということもやむを得ないと思うわけでございまして、おそらく最終の段階においては、政府としては別段何らか政治的に働きかけたり、あるいはまだ業者の方に勧告をするというような段階までには至つておりませんけれども、でき得れば数社の船団の方が合一せられてやつていただくというようなことがありますればきわめて望ましいと存じます。ただ事務的には、現在のところ許可の申請をしておられる独航船が重複をしておるような状態でありますが、しかしそれがいずれに真の意思があるのであるか不明確でありますので、これはただいま水産長官がお答えいたしました通り、独航船の真の意思がいずれにあるかということを確かめまして、そうすればおのずからはつきりして来るわけでありますから、そうした上で厳正公平に判断を加える、その最終の段階が近づいておるわけでありますが、ただいまのところとしては、その段階に至らなければここでは何とも申し上げかねるわけでございます。いずれにいたしましても、これは繰返して申し上げますように、まつたく技術的、事務的問題として、どこから見られてもなるほど妥当であるという解決をするように厳正公正に処断をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
○松田(鐵)委員 政務次官も非常に時間的にお忙しいようでありますから、政務次官に対する質問は私はこれで打切ります。他の委員かもしあるならば御質問を願いたいと思います。
○赤路委員 今政務次官からちよつと御答弁を承つたのですが、五船団で争奪するという現状にあるので、当然無理か生じて来る、これはやむを得ないのだというようなことであつたと思うのでありますが、その通りだと思うのです。問題は百六十隻の独航船の決定がはつきりここで前提条件としてきまつておるのですが、そのうちの百隻が旧三船団に割当てられておる、あとの五船団で六十隻を争奪するという現状になつておるわけです。ところが許可の条件を見てみると、一船団が二十隻ということになつておるので、そういう状態からこの争奪が起つておるのだが、なぜ当初において六十隻の残された独航船しかないのに五船団を選定したのか、その点がわからない。一船団二十隻ということであれば当然三船団分しかないわけなんです。それを五船団に競争せしめるということは、初めからこういうような事態が巻き起るということを予想しなかつたのかどうか、予想しないでやられておるとするならば、これは非常に大きな問題だと思う。昨年度の三船団出航のときもいろいろとたくさん要望があつたが、水産庁としては断固として三船団で操業した。今度の場合は六十隻に限定しておいて、しかも一船団二十隻だと頭からきめながら五船団をやつておるということは、問題を紛糾せしめる原因を水産庁がみずからつくつておる。こういう結果になるのだ、これはなぜそういうふうにしたのか、その理由をひとつ承りたい。
○清井政府委員 私からその点お答えいたします。昨年は三船団が出漁いたしたのであります。一昨年と昨年は試験操業というよりは、むしろ実質的に試験操業であつたわけであります。本年からは、過去二箇年間の試験操業の実態に基いて本格的に操業しようという見通しに相なつたわけであります。昨年はそこで三船団が許可になりまして出たのでありますが、本年度の独航船の百六十隻の算定の基準は、すでにお話したことがあるかと思いますけれども、これは現地に行つて聞いて参りましたところの各国間の意見、あるいは操業する流し網の広さの問題、あるいは漁場の広さの問題等の物理、的条件、あるいは現地の経験に基きまして、昨年の漁獲実績等から見ますれば、本年は骨六十隻程度が適当であろうという技術的判断を下して百六十隻といたしたのであります。これは絶対に侵し得ざる数字であると考えております。そこで昨年操業いたしましたところの大洋漁業、日魯漁業、日本水産の三社でありますが、これは昨年度におきましては相当数の独航船を連れて行つたのであります。たとえば大洋漁業は三十六隻、日魯漁業は三十四隻、日本水産は二十三隻の独航船を連れて行つたのであります。ところが本年はそれぞれその母船がかわつて来ております。たとえば日魯漁業のごときは、昨年使いました母船をそのまま使つておりますけれども、その他の会社はそれぞれ独航船を非常に大型にいたしております。そういうような関係もありまして、いろいろ競争される会社もあつたのでございますが、私どもは昨年の操業の実績を持つておるものには、とにかくそれに相応するところの母船をつけてやるべきであるということで決定いたしたような次第であります。それが百隻の決定であります。ただ残りの五つの申請船団でございます。たとえば日魯漁業のもう一船団と、北海道漁業公社、函館公海漁業、大洋冷凍母船、極洋捕鯨、この五つの新しい船団につきまして、それでは母船を経営するのにどの程度の独航船をつけて行けるかという問題が、非常に実は判断のむずかしいところがあるのであります。と申しますのは、日魚漁業、北海道漁業公社、南無公海漁業、大洋冷凍母船、極洋捕鯨、それぞれ実はそれ相応の母船を持つて来ております。たとえば日魯漁業のごときも相当大きな母船を持つておりまして、北海道漁業公社、函館公海漁業はそれぞれ昨年も実は申請いたしておりましたが、大洋冷凍母船と極洋捕鯨は、昨年も一応はございましたが、本年新たに形式的には最初に申請をいたして来たというようなことでございまして、それぞれの漁業会社がそれぞれ適切な母百船を持つて来ておつて申請をいたして参つておるのでありまして、この五申請船団の中から、どれを選んでどれをはずすかという問題が技術的に非常に困難な問題でありまして、昨年は実は一応母船の出願がございましても、まだ母船の準備がととのつておらなかつたために、母船の準備がないのに出願するのは困るという線を引いたのでありますが、本年は全部母船を準備いたしておりまして、そうして出願をいたしておるような状況でございます。そこで昨年度のごとくに本年は、これこれの船団のうちからこの船団は不適切であるといつて除外する技術的な、事務的な理由がないということで、どうしてもこの五船団を希望船団として採用せざるを得ないという実情に相なつたのであります。実はこのほかにもまだあつたのであります。他に二船団希望がありましたけれども、これは申請いたしておりまする母船のトン数が一千トン以下でありましたために、条件に合致せずということで省きました。そこで残つておるのが五船団であります。今申し上げた通りに、五つの会社はそれぞれ適切な母船を持つておりまして、しかもちやんと準備しておるのでありまして、どれを省いてどれを選ぶかということが非常に困難でありましたために、この五つに対して、ただいま私申し上げたように採用せざるを得なというような実情になつたのであります。 それからもう一つ申し上げますと、御承知の通り北洋漁業の経営は、母船と独航船との共同経営であります。母船を許可しまして、母船がかつてに独航船を連れて行くのではないのでありまして、母船と独航船が共同で申請するという形になつております。あくまでも母船と独航船とが共同して漁業をするという形でありますからやはりこういうように申請が多うございますと、どの母船を選ぶかということの権利を、独航船にある程度与えることも必要かと思うのであります。そういうような意味合いからいたしまして、本年は限定をいたさずに、この希望のうちから実力をもつて競争していただくという形をとるに至つた次第であります。
○赤路委員 ただいま水産庁長官の説明を聞いておりますと、七船団が出たが、三船団は条件が整わないので落した、現在残つておる五船団には除外する条件がない、これは非常に困難性があつた、そういうようなことで五船団を認めざるを得なかつたのだというような考え方であつたと思います。もうできたことですからやむを得ません、困難であつたからやむを得ないが、それが今日こういうようなことになつておるのだと思うのであります。当初において断固とした考え方でやれば、こういう問題は起らなかつただろう。ただいまのそれに附帯する共同経営の問題ですが、この点には触れませんが、なるほど共同経営という形にはなつておりますが、これは昨年のものも実質的には共同経営とは言えない。であればこそその最終段階においてああいうふうな問題を起したのだ、私はこう考える。 さてそれはおきまして、先ほどの松田委員の質問のところで、現在まで許可申請提出のないものは極洋捕鯨と函館公海漁業である、こういうことなんですが、そうすると五船団の中でその二つが申請しないもので、日魯の協宝丸、北海道漁業公社の銀洋丸、大洋冷凍のサイパン丸が申請中であると思うのですが、これらは独航船はすでに二十隻に達しておるというのでありますか。その点をちよつと……。
○清井政府委員 ただいま正確な数字は覚えておりませんが、ただいま申請中の三船団のうち二十隻に達しておるのは北海道漁業公社でございます。その他の数字はちよつと覚えておりませんが、二十隻に達していなかつたものと思つております。これは先ほど申しました通り、この数字の中には、ほかの社と二重になつておる部分があるのでございます。そこでかりに申請をしていただきましても、その数字を最後にまとめまして、はつきり一つ一つ調べなければならぬ作業が残つておるのであります。一つの独航船がA、Bの両方の会社に二重に契約してありましたら、お前は一体どこに所属するのかとはつきりさせなければならぬ。それをはつきりさせますと、最終的に一母船についての所属独航船というものが確定いたしますから、そこでAならAの母船にはこれだけつくということがはつきりいたします。その作業が残つておるのであります。これは御批判はあろうかと思いますが、それぞれの申請者において共同の建前でありますから、なるべく役所が口を出すことは避けなければならぬと思つておるのでありまして、私どもは極力積極的にしやべらぬのであります。とにかく独航船で母船を選んでいただきたい、それが今度の趣旨だから、独航船が二重、三重に出願しておるところははつきりおきめなさい、おきめになれば、おきめになつたところがあなたの所属の母船団だ、こういう行き方で私ども行かなければならぬ。私の方から、お前はどこの母船につけとかいうことは言うべき筋のものでないのでありますから、言うてはならぬ。ですから、あくまでも独航船に対しては、この母船とやるのだということをきめていただかなければならぬという作業が残つておるのであります。実は期限は十日までありますので、十日までには出て来ると思うのであります。いずれはつきりいたしてから、そのダブつておる点につきましてはよく確かめて、最後的にそれそれの申請母船に対する独航船をはつきりきめて行かなければならぬというふうに実は考えておる次第であります。
○松田(鐵)委員 今までの議論は、六十隻のことし新しくできた独航船に関する問題であります。さきに一月末日までに許可された三船団というものに対しては、もう許可されたのであるから、すべてのものが整つて許可されたとみなしてさしつかえないと思うのでありますが、これに所属されておる独航船が、またあとの五船団の母船からいろいろと勧誘を受けておるという話も聞いておるのであります。こういうことであれば、最後まですべてがきまりがつかぬようになつているのであろうと思うのです。さきに許可された三船団というものは、りつぱに共同経営によつての組織が整つて許可されたのであるから、これには狂いがないと認めてさしつかえないものでありまするか、この点を伺いたい。
○清井政府委員 松田委員の御質問にお答えする前に、ちよつと赤路委員の御質問に対して補足させていただきます。 先ほど二十隻に達したのは北海道漁業公社と申し上げましたが、日魯の第二船団もたしか二十隻に達しておつたかと記憶いたしております。ただ残念ながらタブつておるのがあるようであります。記憶がはつきりいたしておりませんので、間違いがありましたらまた訂正いたします。 それからただいまの松田委員の御質問でありますが、これは私ども最初許可をいたした場合におきましては、形式的に条件が整つておりましたので許可をいたしたのであります。と申しますのは、それぞれの三船団が、かりに相互にダブつておりますれば許可はできませんでしたけれども、それぞれの三船団はお互いにタブつていなかつたのであります。従つて、形式的に委任状がはつきりいたしておりまして、それを打破るだけの理由がございませんので許可をいたしたということでございます。ただそのうち一船団につきましては、一種のクレームのようなものがついておりますので若干問題が残つておりますけれども、形式的に許可をしておるのであります。ただ問題は、あとから申請して参ります船団の中に、かつて許可したものとタブつて来る場合が現にあるのであります。これは私どもといたしましては、さきの船団が委任状を提出されて形式的に合つておりましたから許可をいたしたのでありますが、これはあくまでも母船と独航船との経営はお互いの契約でありまして、私どもがこれを許可といいますか、これについて干渉する建前ではなく、独航船と母船とが契約でもつてでき上る建前なのであります。そこでかりにあとから出て参りました母船の独航船が、前に許可されました母船の独航船とダブつているというようなことがありました場合には、その独航船の船主に対して注意を促したいと思います。前に申請された母船と新しく申請されたものとがダブつているということを当該独航船にはつきり注意をいたしますと同時に、母船の関係者にも注意をいたしまして、そこではつきり所属をきめてもらうのであります。無条件に許可したものに属するということは、ちよつと言えないのじやないかと、私は今のところ考えております。これはお互い同士の契約でありますから、かりに当該独航船の船主が、初めはおれはあれに属そうと思つたけれども、その後考えをかえてこつちに属することにしたからと言われますと、それでも前にあつたやつが有効だと言えるかどうかはちよつと疑問だと私は思います。そこではつきりと独航船の船主の意向を確かめて、はつきりした上できめて参ることがかんじんだと思うのであります。むろんこれは独航船の船主の意向をきめる前に、当該関係の母船の方々とよく相談をしていただきまして、円満に解決していただくのが一番の上策であります。これがどうしても解決つかないということになりますれば、最後には独航船の船主の意向によつて決し、それがどうしてもはつきりしないときには出漁を遠慮していただく以外に方法がないのじやないかと思いますが、独航船と母船の任意契約であるという建前は、私はあくまで堅持して行かなければならぬのじやないかと考えております。
○松田(鐵)委員 私はただいまの、長官の意見が妥当と認めません。どこまでも母船と航独船は共同出願が真の建前である。それが当初において契約が締結されて、権威ある農林省の許可を得たものを変更するようなことがあつてはいけないのじやないかという考え方を持つている。もしそれが可能であるということであつて、ただいま長官のおつしやるように、独航船の船主の意思によつて右往左往でき得るというのであつて、その意見をまた再確認しなければならないというのであつたならば、こうした二重契約をしている独航船に対しては許可を取消すべきである。まだいくらでも行きたい者がある。こんなややこしい二重、三重にやらない善良なる漁船はいくらでもあるのです。水産庁の意思がそういうものに対して、いつまでも独航船の意思を聞かなければならない、どちらの方が確実であるかわからぬということであつたら、出漁するまでこうした問題が起きて来ると思う。私が独航船の船主であつたならば、出漁するその日までやり得るのであります。そんなことであつたら、水産行政というものは成つて行くものじやない。まず許可を与えたなら、その許可を与えたものはそれでもつて固まつて行かなければならぬ。今ここに五船団がある。おのおの努力してやつている。そうして確保されたものが二重、三重ということでみんな右往左往しております。あらゆるサービスをする。ただの酒は幾らでも飲める。こういうようなことが政界を、また行政を紊乱させるもとになつている。初めて三船団が許可されたというならば、それによつてはつきりした意思が現われて、人々の同意書、契約書があつたならば、それはかえちやいけないという考え方を私は持つているので、長官に対してはその点を強く要望するのであります。さもなかつたならば、出漁する間ぎわまでその騒動が続くものであり、また出漁してから現地に行つても、必ず二重、三重にしている義理合いがあるから、甲の船団に所属していた船が何かの理由で乙の船団へ漁獲物を揚げるというようなことが、その人の意思によつてできるということになつたならば、必ずそういう問題が起きて来るのであります。この点を深く留意されまして、決定されたものはどこまでも決定して行くという強い御意思でなかつたならば、いつまでも禍根を残す問題であると私は思います。長官に対して私は強くその点を要望しておくものであります。ただいまの長官の御意見に対しては不賛成であります。
○夏堀委員 関連。私は北洋漁業の問題については、幸か不幸か大洋冷凍母船株式会社という会社を持つておりますので、きようここで質問をすることは遠慮したいと考えておりましたけれども、いろいろ委員諸君の御意見を聞いておりまして、どうしても一言申し述べておかなければならぬだろうと考えて、これから質疑を行います。但し本格的質問は、この渦中に投じた各大臣諸君の出席を求めて、その意思をただしたいと考えております。問題は少し大きくなります。 まずこの独航船の争奪戦、これはどうも少し薬がきき過ぎて——私二十七年度に漁業の民主化運動を起したことがあります。その際に、これまでの独航船はいわゆる資本家側に隷属されて、自由にひねられておつたのである。そういうことは漁業民主化、たとえば漁業法の改正の精神に相反するものであるという意味から、漁業民主化運動を起したのであります。そこで共同経営という線を強く進めたのであります。この問題と取組んで一箇月も論争したのでありましたが、共同経営は資金の面を必要とするというので、私はこういうことを申したくはありませんけれども、六千万円は自分の責任負担において銀行から借りて、これを各独航船に配分して貸し与えたのでありました。そうして独立した経営線を踏み出したのであります。これが今の共同経営の線であるのであります。そこでこの共同経営、共同申請というものは、その当時から私は漁業民主化運動の線を押し進めて成り立つたものと解釈しております。そこで今度の独航船の争奪戦、 これは最初からその当時のように計画性を持つて、いわゆる母船何ぞう、独航船何ぞうという計画性を持つてやれば何でもなかつたのでありますけれども、そうじやなく無軌道にこの線に追いやつたということの理由は、はつきりしております。これは賢明な清井水産庁長官の意思ではありません。ある強力なる政治謀略と申しましようか、そうしたバックを某会社が利用して、こうした騒動になつたことははつきりしております。これを適当な機会に私はあからさまにぶちまけようと考えております。それはそれとして具体的にお伺いしたいことは、今松田委員は水産庁長官の御答弁に対して、許可されたものはそれでいいじやないかと言われる。この問題を一月三十一日に申請を受けて二月一日にこれを許可するということは、その内容を十分に検討する時間が一体あつたのかどうか。その後五船団からもいろいろな申請は出るでありましよう。これに対していわゆる争奪戦のまつただ中に入つておるのですから、確かに競願的なものも出て来るだろうことは想像するにかたくはないのであります。そうした場合に、先に許可したからこれはまかりならぬということが、一体言えるものかどうか。たとえばどちらの方の書類が完全に整備されておるかどうか。これは見なければわからぬ。その見なければわからぬものを、見ないで、これを一方的に許可することに問題が残されておるのであります。もし私であつたら、この処理に対しては二日か三日あるいは五日くらい置いて——大体ここに奪い合いの形で出ておる独航船の数はわかるのでありますから、それを調整して許可しなければならぬのじやないかと考えております。この許可ということと競願、契約の処理のことについて、私はこういうことを考えております。この私の意見は当るかどうかわかりませんけれども、私はその方が最も正当な意見であると思いますので申し上げる次第でありますが、たとえば行政面において許可を受ける場合、その本人は始終東京におらないから、ここに委任状をもつて許可申請をするということは普通であります。そういう手続を経ておるのであります。ただこの場合にどちらも同じ委任状が出たときにはどうするか。最後はやはりいろいろ取引上の問題もあるでありましよう。そうした契約上の問題は行政面の許可面とは別個に考えねばならない。そこで委任状によつてある会社と契約していた分があつたならば、それを破棄するという一つの意思表示をしなければならない。あるいは契約も二重三重に契約しておるのもありましよう。一ぱい飲ませて、まあいいだろうというのでぽかりと判を押す。そういうような醜態を演じてやる場合もありましようが、最後はやはり本人の自由意思によつて自由選択の線を進めなければならない。これは選挙と同じでなければならない。自由選択ということは憲法が認めておるのだから、その自由に選択する意思をふみにじつて、水産庁はお前の自由意思の表示はあるけれども、どうもこの会計の方がひいきもあるからこの会社の方に入つたらいいということは言えない。これはやはり自由選択によつて、その人の意思を尊重しその選択にまかせなければならない。これは絶対かえてはならない根本原則であると考えます。もとより旧会社であろうと新会社であろうと、憲法によつて認められておる自由選択の意思をふみにじつてはならない。しからば契約はどうなつておるか。契約は両方の契約になつておるから、これは法律上からいつて民事上の問題になるかもしれませんが、その煩わしい問題までも水産庁はおせつかいする必要はない。そつちはそつちで解決をつけたらいい。そういう方法が正しいと私は考えております。この点についてはすでに一月三十一日に申請を受け、二月一日に決定をしたということに対しても、時間的にこれを十分検討する余裕はなかつたというような意味において、その後発生した諸問題については、最も正しく強き行政町をあなたは今ここで行わなければならない。そこでこの考え方、このやり方です。日本の水産庁が漁民の信頼を裏切るか、正しい行政面を展開して漁民から信頼を受けるか、あなたの行政面が曲つた方に行くか、正しい方に行くかということの境目はこの二月十日にかかつているのであります。なぜならば、驚くべきことには某会社が、自由党の現職大臣及びかつての大臣を呼び寄せて、漁業組合の幹部の連中と、某会社のために驚くべき選挙運動をやつておる。一体これはどうしたものか。幹部もその通りである。そういうようなことはあなたの正しい行政画対にして、企画性のある、計画性のある五船団という線をぶちこわしたのだ、これははつきりしておる。ですから私は活弁長官に対しては、まことに正しいりつぱな人格者だと思うけれども、この政治圧力によつてその一角をくずされつつある。またこの二百十日までにどういう手が伸びるかもしれませんが、あるいは伸びつつありますが、それに屈してはならない。日本漁民の信頼を裏切るようなことをしてはならないと考えるために、今申し上げておるような次第であります。そこで調査船及び独航船の不足数を政治圧力によつてこれをもつと増すようなことをあなたは考えるのか。政治圧力によつてと言うたら語弊がありましようが、あなたの考えによつて、非常にみな苦しいようだから、独航船及び調査船という名称のもとに船をもつと増すようなことをお考えになつておるのかどうか。私の考えとしては、あなたの御答弁になる前に、あまりに問題が大きいので増さなければならぬのであつたならば、最初から増してこの計画の線を出さなければならなかつた。今になつてから政治圧力に屈して、某会社のために独航船及び調査船を増して許可を与えなければならないという線に行つたならば、それは水産庁の弱体というよりも、むしろ日本漁民の恐るべき非難を買つて、それは腐敗となるでありましよう。これに対しては、問題を未然に防ぐためにこの重大な警告を発するのであります。そういうような行政面があるのかどうか。おとといからそういう場面が展開しつつあるわけです。先ごろ私がよく言つたと思いますけれども、これまで四そうか三そうしかなかつた某会社が、大洲線に陥れようとして北海道にまたしも手を伸ばして、すでに決定した船に対してあらゆる手を伸ばし、委任状をくれ、金をやりましよう、こういう戦術がおとといから展開されておる。そのねらいは大洗線に陥れて、これを合同の経営にするか、今申し上げたように、独航船あるいは調査船を増すような方向に持つて行こうという政治的の動きがあるそうであります。そうしてその某会社の幹部のいわく、この問題は水産庁が何と言おうとも、政治力をもつて白紙に返すことも考慮しておる、こういうことをあるところで言つておるそうであります。これは人の話であるから私は責任はとりません。けれどもそういうことを言つておる者があるならば、某会社にあやつられておる自由党の幹部とか大臣は、一体何をしようとしておるのか。これは現に証拠があるからやむを得ないのだ。私は自由党の党員といえども、最近汚職事件やあらゆる問題が起きて世界の輿論は日本を信頼しないのだ。この問題は国際漁業の問題でもあるために、これにいろいろなうわさがあつたならば、これは日本の信用上ゆゆしき問題である。もし実際に私の言うようなことであつたとしたならば——各大臣は、大臣になつた際には、公平に政治を処理するために、一応会社の社長をやめるという建前になつておるそうであります。某大臣もそのようなことを言つたには違いないけれども、やめてみてもやはり元の社長であるから、あらゆる方法をとつて、某大官と提携して選挙運動のまつただ中に取組んだ。そうであつたならむしろ社長をやめない方がいいじやないか、こうも考えるわけであります。こう申し上げたならば、自由党の夏堀は、あれは許可があぶなくなつたからああいうことを言つておるのではないか、こういうことを考えられるかもしれませんけれども、決定になる前に私は自由党をあるいは御遠慮申し上げるかもしれません。また会社の社長をやめてまつ裸になつて取組むかもしれません。非常に大きな国際問題を処理するのに、このような濁つた政治によつてあなた方人格者を傷つけるようなことをやるような場面が展開してはならない。私はよけいなことを申しませんが、独航船、調査船窓増すことははなはだ矛盾しておる。今の競願になつておる独航船は、これは自由選択によつて本人を最後に呼んで、書類もたしかみな出ておるはずであります。憲法にちやんと明記しておる通り、すべての選択はその人の意思を尊重しなければならないということ以外にはないだろうと私は考えております。きようはほんの序幕でありますので、これから私はどういう手を持つて来るかわかりませんが、その時分にはよく松田氏は鳩自に帰ると言つておるけれども、私は帰るところがないから議員をやめるよりしようがない。しかしこれは重大な問題であるから、日本の政治家の中にもこういう正しい意見の人もある——社会党の左派の連中は、まことに理論は正しいけれども大したことはできないのである。これは力がないからしようがないけれども、そういうこともある。一応社会党の左派の連中も、やはり正しいことは正しいこととして、自由党にもこういう連中もあるから提携してやろうじやないかという御意見があることはたいへん望ましい。私は議会としては党派党派と言わずに、ほんとうに正しい意見は正しい意見を持つ同士として、こういう問題は取上げていいだろうと考えております。一方的な意見を発表してどうかと思いますけれども、具体的に今申し上げた煩わしい問題は、最後に本人を呼び、提出してある書類と照し合して、その意思表示によつて選択をする。調査船の名称で独航船の数を増すようなことは、政治圧力によつてもそういうことはやりませんということを断言し得るかどうか、この点を明確に御答弁願いたい。
○清井政府委員 ただいまの御質問の調査船並びにすでに決定をいたしておりますところの百六十隻の独航船を増加するかどうかということでありますが、調査船といたしましてさきに発表いたしましたものは、付属独航船が三十隻以上の場合は六隻を最高限度とし、二十隻以下の場合は四隻を最高限度とする。そうして正式許可の際に決定する、こういうことを決定をいたしておるのでありますが、これの決定は絶対に動かすことはいたさない。
○夏堀委員 自由選択ということをあなたはさつきちよつとほのめかしたが、これを明確にしてもらいたい。
○清井政府委員 自由選択の問題でございますが、これは本来の建前が、先ほども御説明申しました通り、母船同士が独航船につきまして適当に競争していただくという建前からできておりますので、その原則によつて私どもは処理をして行かなければならぬ、こういうふうに実は考えておるわけであります。ただ実績船団は、すでに一月末日と二月十日までとわけて申請期日をきめておりますし、しかも既成船団のごときは、数もこちらで指定いたしておるような状況でありまして、これは調べました書類が形式的に整つておりましたので、ただちに許可をいたしたわけであります。
○夏堀委員 今の問題は、松田委員とは全然食い違つております。松田委員は一月三十一日申請し、二月一日に許可したことを変更してはならない、こう言つておりますけれども、時間的にこれを調査する期間がない。時間的に審議する機会がないものを、一晩寝て書類を見ただけでこれを許可するということは、はなはだそそつかしいのではないか、そういうことから間違いが起きると思う。そういう間偉いが起きないように、二日でも三日でも時間の余裕を置いて、御調査になつてからこれは許可すべきものではなかつたか。これは私の意見でありますが、もし新船団の方で許可した船よりも正しい書類が出て来た場合に、これまた問題として残ると存じております。いずれこの問題の結末がどうつくかわかりませんけれども、先ほど言つたように、私はちやんと証拠を握つておるから、各大臣の御出席を求めて、もつとこれを明確にしなければならない。また三十年度において独航船を本年度のようなぶざまな状態に陥れ、混乱させるようなことがあつてはならない。それにくぎをさすために、本年のこの無計画無秩序のやり方に対して、一応その関係大臣の出席を求めてこれをたださなければならぬ。あなた方は今度こういうことをしてはならないという注意を促すことは一向悪いことではない。与党といえども野党といえども、今後そういうことがあつてはならないという注意を促すために、そういう方法をとることは当然だと思います。そういうことは個人として言つたものであるからさしつかえないといつても、現職にある大臣が、個人であればどろぼうしてもさしつかえないということは当らない。そういうふうな意味において厳重な警告をすべきであると私は考えております。野党的な質問をして、自由党の諸君にまことに申訳ありませんが、信念によつて申述べておるのでありますから、もし私の意見が正しいものであつたら、社会党左派も大いにこれに同調してほしいと考えておる。
○赤路委員 夏堀さんの意見と松田さんの意見に関連をしておるわけですが、先ほどの二重契約独航船問題についての長官のお考え方は、一面もつともなお考え方だと思います。しかしながら現段階の状況からいつた場合、この考え方はあまりにも良心的であるのではないか。御承知の通り、独航船側が盛んに争奪戦に便乗して非常に厖大な契約金をふつかけてやつておる。そういうことが二重契約という形になつておる。従つてこれをこのままで放置すると、それがいつまでも繰返されるという事態が起つて来る可能性がある。もちろんこれは独航船側と母船側との随意契約でございましようから水産庁としては、これに対して何ら容喙する筋合いのものではないということは正しいと思いますが、少くとも水産行政という今日こうした混乱している情勢の上に立つた場合は、それだけではいけないのではないか、少くともこれに対する水産庁の強い警告が私は必要だと思う。単に注意をするというくらいの段階では、この問題は解決づかないのではないかと思いますが、長官にはそういうような強い線をお出しになる意思がおありかどうか。この点をもう一度まことに申しかねますが、重ねて申し上げたいと思います。
○清井政府委員 ただいまの赤路委員の御意見はごもつともだと思います。私もこういうふうにやりました以上、混乱は起り得るということは予想はしておりましたけれども、実際は非常な混乱であつたのであります。私が想像した以上の混乱であるということを最近になつてやつと認識し出したような次第であります。いろいろ巷間うわさは聞いておりましたけれども、やはり実績を持つておる船団は実績通り確保するであろう。新しい船団の方は未経験な方であるから、競争して、ほんとうに実力を持つておられる方がやつていただけばいいじやないか、こういうふうなすらつとしたというか、常識的な考え方で事をきめたわけでありますが、実際問題は、ただいまもお話がありました通り、実績船団に対しても相当な摩擦が起つて来ている。こういうような実情であるようであります。私はこの問題について、独航船側が不当に二重契約をするというようなことがあつては相ならぬというふうに考えておりましたので、かねてから注意はいたしておつたのであります。しかし起つたこの紛争は、単に独航船側だけの罪でない面もあるようでありまして、やはり独航船側が相当強く競争なさる以上は、やはり独航船側がやむを得ず二重契約をやるということも想像されるのであります。そこで問題は具体的にわたりまして、もし非常な悪質な独航船があれば、これに対して相当警告を発するとともに、将来についても相当考えるということもやむを得ないと思つておりますが、さしあたり現実の問題といたしましては、私どもは何とかして非常な混乱を起しております事態を早く軌道に乗せて、一刻も早く北洋漁業の問題を、業界一致いたしまして円満に出漁できるようにいたしたいという希望に実は今燃えておるのであります。ただ原則と実際問題となかなかうまく一致いたしませんので、この問題は公正厳正に、私どもは常識に従つて解決するということで邁進しなければならない、こういうふうに実は考えております。
○松田(鐵)委員 ただいまの夏堀委員の発言は最も重要なる点でありまして、政界の浄化、汚職事件、そういうものが今国会の花形であります。もし水産行政の上にかようなものがあつたとしたならば、水産庁の清井長官のりつぱな人格を、そうした政治力によつて傷つけられるようなことがあつたならばたいへんなことでありまして、われわれといたしましても、夏堀委員の発言は実に重大なものがあると思われるのであります。よつてわれわれ水産委員会としても、その実際の参考資料の提出を願つて、大いにここに政界の浄化を叫ばなければならないと思いますが、委員長においてしかるべく皆さんにお諮りを願つて、この点をはつきりさせて、いただきたいと存じます。
○中村(庸)委員 私はただいま夏堀委員の御発言の中に、この許可問題に関して現職大臣が圧力を加えた、また自由党幹部が非常な圧力を加えた、しかもその証拠がはつきりあるというお話を承つて、まつたく驚いた。綱紀粛正を叫ぶこの内閣、かような許可問題に関連して現職大臣が圧力を加えるということは重大問題であります。しかるにこの委員会においてこの発言があつたのでありますから、委員会の権威の上においても、この問題を明確にしてもらいたいということを希望するものであります。この点は委員長においてしかるべく、きようただちにおきめ願いたい、かように考えます。
○椎熊委員 どうも私は意外なことをこういう席上で聞くので、国会のために残念だと思いますが、私は実は行政監察の委員をやつて、今世上うわさになつておる問題を取扱つておる。同時に私は国会の運営委員を勤めております。今度の大事な通常国会のあり方が、こういう状態でいいのかどうかということに実は悩まされておる一人なのであります。先般われわれの運営委員会の理事会でこの問題を取上げまして、各委員会が与えられた重要案件をよそにして、何かスキャンダルの摘発みたいなことに興味を感じつつ、それのみに精進しておるような形は、国会の清純なる姿でないのではないかと私は個人的にも思つております。しかしながら今夏堀さんが発言せられたような、こういう行政官庁の許可問題をめぐるところの驚くべき事実が、証拠まであるというのに、それを隠蔽しておくならば、さらに悪に悪を重ねるものです。それはどうしても究明しなければならぬ。私はしかしこの水産員会は、そのスキヤンダル究明が本委員会の使命であるとは思つておりません。そういうものがあるならば、岡今には行政監察特別委員会という、そういうことのみを専門にやつておる委員会があるのですから、そういう方に提訴せられて、この委員会は清純に与えられたる案件についての解離を続行して行かれることが正しい姿だと私は考える。どこの委員会へ行つても、けさも予算委員会では、だれかの無責任なる発言に対して一身上の弁明が行われた。まつたく荒唐無稽だという事実が速記録の上に残されておる。また決算委員会に行きますと、法務総裁みずから出て来て、検察庁の捜査に妨害があるから、これ以上触れてくれるなという意味の懇請さえ行われておる。何たることです。運輸委員会におきましては検事総長の発言をとらえて、運輸委員会が侮辱されたと称して、法務総裁並びに検事総長を召喚して証言を求めておる。あらゆる委員会がみんなそんなことをやつて、日本の国会というものの姿はそれでいいんだろうか。私はこういうことが遂に国会否認の声とまでなるのではないかと思つておる。私は日本の民主主義のためにこの状態を嘆いております。しからば世上うわさされるようなそういう不正事件がありとするならば、これは見のがしてはならないと思うのです。夏堀さんほどの人があれほどの発言をなさつたのですから、あなたは自分の発言に責任を感ぜられて、同時にこの委員会は清純なる形で審議を進められるように、あなたの発言の責任は他に担当する適当なる委員会あるのですから、それに提訴せられて事態を究明せられることが最もいい方法だと思う。同僚から発言がありまして、そういうことがあるなら今日ただちにここできめろと言われるのですが、こんな重大な問題を瞬間にとらえて、もつて人の名誉を傷つけ、国会全体の名誉に関するような問題を、そんな不用意の間に取扱つては相ならぬと思うのです。われわれは立法府であつて司法府ではない。人を罪人にするのは国会の使命ではございません。三権分立の趣旨からいいましても、われわれは事態を究明するにとどまつて、人を傷つけるの立場をとつてはならない。ことに検察庁がやるようなことを委員会などがまねてやるがごときは、日本の憲法の根本の思想を私は攪乱するものだと思いますから、それらについてはわれわれともに自粛に自粛を加えて、清純なる形で国会を守るということを中心に考えて、審議を進めてもらわなければ、もうお互いが墓穴を掘ることになるのじやないか。それを私は憂えるのでございます。夏堀さんは自由党の内部におきましても重要なる地位におられる。党内にそういうことがあるならば、まず党内の粛正から始めて、そして責任を明らかにして、出所進退を明確にして、他に迷惑を及ぼさないように、ほんとうに慎重に考えてやられるのでなければ、この委員会を通じて独航船その他の問題に対して、一つの威嚇的材料のごとくにこれを右手にふりかざしつつ、何かを追究して行くというやり方は、審議の清純なるやり方で断じてないと思います。その点につきまして、私は単なる自分一個の私見を披瀝しただけであります。委員長におかれましては、慎重にこの問題を取上げていただきたいと思います。
○夏堀委員 ただいまの椎熊君の御意見の中に、何か人を傷つけるとか——こういうことはあつてはならない。不肖夏堀は、どなたも考えておる通り、今の保全経済会の問題も私が大蔵委員長当時の問題であつた。けれどもそれを委員長と共産党だけが知らなかつたということは、私の潔癖性に対してだれも教えてくれなかつたからである。私が人を傷つけていろいろな問題を起すという人間でないということはおわかりだろうと思います。今私が自由党の各大臣の行為に対して発言したことは、人を傷つけるという御解釈であつてはならない。それは私のせいではなくて、電報等を各組合にどんどん発送して、某大臣が自分の名前をつらねて選挙運動に突入したということは否定できないであろう。もしそれが事実であつたとするならば、これを混乱せしめたものはいわゆる政府要路の人でありたということは否定できないであろう。よつて私は人を傷つけるということではなく、水産行政をして政治圧力に屈して混乱せしめるようなことが再びあつてはならないという意味で、私は今質問を申し上げておるのであつて、何も人に迷惑させ、人を傷つけて混乱させるという意味ではないのであつて、たまたま独航船の問題が議題になつたために、水産庁清井長官はまことに正しいりつぱな人格者であり、そうして正しい行政面を展開する途中において、これが変更になつたことはどういう理由であつたか。これはやはり顧みて、今のような選挙運動に突入した政治圧力がこれを変更させたのではないだろうかということを漁業者大衆が言つておるのでありまするから、よつて私はその言葉をかりてちよつと申し上げたのである。但しこの電報を打つて選挙運動に突入したという証拠は、それは一本、二本ではありません。たくさんにありまするから、うそではないことははつきりしております。
○椎熊委員 私は突然ここへ入つて来て、夏堀さんのお話を聞いてびつくりして、ああいう発言をしたのですが、今あなたの言われたような事実があつて、自由党の大臣が大臣たる地位を悪用して、水産庁長官に圧迫を加えて、不当の認可許可を与えたという事実が証拠まであると言われるのであれば、これは単なる水産委員会の審議の問題ではなくて、事は汚職の問題になると私は思います。これはただちに秘密会か何かを開いて、真相を明確にしてもらいたい。この委員会で取扱うべき問題ではありません。あなたがそういう発言をせられた以上、検察庁に告発せられて、事態を明確にすべきで、われわれがそれに関係してこの審議を阻害せられるようなことはいけないと思います。水産庁長官におかれては、それだけのことを発言せられたのですから、あなたも名誉ある国民の公僕として、これに対して厳然たるお答えをなさらなければならぬと思う。
○中村(庸)委員 ただいま私の発言に対して、椎熊委員より関連して発言がありました。この委員会の運営あるいは正密なる姿は、まつたく推薦委員の言われる通りであります。ただいま私が申し上げたことに対して、ここできめてくれということは、この問題を解決せよとかどうとかいう意味ではないので、夏堀委員の免官があまり重大でありますので、本委員会の権威にかけて善処されたいということであります。現職大臣が許可に際して圧力を加えた重大問題であります。この問題につきまして、委員長として本委員会の権威を保つ上において、しかるべき措置を講じてもらいたい。しかるべきことというのはそのことであります。きようここでこの問題をきめろといつてもきめようがない。その点でありますから、ひとつ誤解のないように願いたいと思います。その点をひとつ委員長にお願いいたします。
○清井政府委員 この際北洋漁業の本年度の問題について、経過を申し上げておきたいと思うのであります。昨年一度は御承知の通り大洋漁業、日魯漁業、日本水産、この三社が出漁いたしたわけであります。本年度はその三社はむろん出願いたしましたが、そのほかに五つ出願がございます。それは日魯漁業がもう一船団出願いたしております。そのほかに北海道漁業公社、函館公海漁業株式会社、大洋冷凍母船株式会社、極洋捕鯨株式会社の八つが現在ございます。そのほかに実は二つあつたのでございますが、これは申請しておる母船が十トン以下でありましたために、基準に合致せず除外いたしました、それで現在八船団申請いたしておるのであります。そこで私どもは、この八船団のうち、昨年北洋に出漁いたしましたものと、そうでないものとの二つにわけたのであります。昨年出漁いたしましたものにつきましては、ここに方針に書いてございますが、大洋漁業株式会社に対しましては三十六隻、日魯漁業株式会社に三十隻、日本水産株式会社に対して三十四隻、合計百隻の割当をいたしたのであります。そこでそれぞれの会社がそれぞれ指示いたしました隻数の独航船とともに一月末日までに申請をしてもらいたいということを指示いたしたのであります。それから残りの新しい船団が五つになるわけでありますが、それは二月一日から二月十日までの間に所属の独航船と契約をしてもらいたい、但しこれは一隻当り二十隻を越えてはならないというふうにきめたのであります。ところが二十隻を越えてはならないということはきめましたけれども、かりに非常に少数の独航船としか契約ができなくて、そこで申請をいたして参りましても、母船か相当大きなものでありますれば、それを運営いたしますためには、相当の経費がかかるのであります。非常に少い独航船では成り立つて行かないのでありまするから、私の方がその申請を見まして、独航船の数が非常に少くて母船経営に不適当と認めれる場合は、許可しないことがあるぞということをつけ加えてあるのであります。そのことをはつきり申請者の方にお話もしてあるのであります。そしてただいままでの段階は、すでに実績三船団は許可を申請いたして参りました。そこで私どもはそれぞれ三十六、三十、三十四ありましたのを許可しておるのであります。それから現在は二月十日までの間に新しく母船が申請を出しておる過程にあるのであります。いずれ十日までに全部出て参ると思いますから、出て参りました上で、その母船と独航船との数を私の方で実査いたしまして、適切と思つたら許可いたすということになるのでありまして、まだ許可いたしておるのではないのであります。今新しい母船の方が、せつかく独航船と契約をいたしておる最中である、こういう段階でありまして、ただいま新しい船団の五つのうち三つだけは申請が出て来ておりまするけれども、残り二つは出ていないという状況であります。ただおそらく問題になつて参りますのは、六十隻の独航船を五社で競争するような形になりましたので、独航船が二軍に契約しておるような形に実はあるのであります。それから母船側も相当競争いたしましたために、その間独航船との間にいろいろな問題が起きて来るのではないかと想像いたしておるのであります。現に私の方に申請いたしておりまする新しい母船につきましても、ほかの母船とダブつて出て来ておるのがあるのであります。これはおそらく、独航船の方がどういう事情でございますか、両方へ判を押したという形になるのではなかろうかと思うのでありますが、そういうような実態があるのであります。そこで私どもは、いずれはつきり出て参りまして、かりにその中にダブつて出て来るようなものがありましたら、それはどつちか一つに所属させなければならぬと思います。そこをはつきりきめてもらいまして、そこできまつた所属に基いて、その母船を運営するのにこの程度の独航船でいいかということを判断するのであります。その判断の資料といたしましては、先ほど来たびたび申し上げておつたのであります耳けれども、これはもう昨年も一昨年も操業しておる実績がございます。すでにこの程度の母船でありますれば、この程度の独航船を連れて行かなければ採算上成り立たないのだという、ある常識上の判断があると私は思うのであります。そこでそういつた判断であるとか、あるいは御承知の通り北洋に出て参ります国際漁業でありますから、それらの判断もいたさなければならぬのであります。やはり現地に出て規律ある、統制ある漁業をしなければならぬのでありますから、そういつたようないろいろの条件を総合勘案いたしまして、そうして最後的に決定いたしましたところの母船と、その母船に従属すべき独航船との数を判断いたしまして、そうして何隻と申しますか、この申請している母船がはたして北洋に出漁し得るものであるかどうかということを判断いたしまして、しかる後に許可をするということになるのでありまして、現在はまだ申請が全部出切らぬという状況であります。おそらくただいまの夏堀委員の御発言は、私が想像いたしますのに、母船の独航船をとる競争をする際に、いろいろ問題があつたということを言つておられるのではないかと思うのでありますが、私どもは、役所といたしましては関知しておりません。いろいろ話はありますけれども、役所といたしましては、ただいま母船の申請が出て来るのを待つている状況でありまして、そういうようないろいろなことに対して、私どもは一切関知しておらない状況でありまして、いずれ申請が出て参りましてから、基準に基いて厳正、公平なる判断をして許可するという考え方であるのであります。さよう御了承願いたいのであります。
○椎熊委員 長官の御説明がありまして、私は非常に安心いたしました。そうでなければならぬと思います。従つて夏堀さんが言われたことは、今の長官の御答弁から言うと、水産庁の水産行政の分野においては何らの関連性のない外部のことであると思う。これは夏堀さんにとつては重大なことでありましようし、われわれも実に耳ざわりな、聞き捨てならぬことではありますけれども、本来のこの問題の審議には関連性がないということが明らかになつたことは、当委員会のためにも、また水産庁のためにも私は慶賀にたえない。どうかあなたの御決意で、清純なる行政を、ほんとうに勇気を持つて断行せられますよう私はお願いいたします。ありがとうございました。 —————————————
○田口委員長 この際中村庸一郎君より、貝類の被害に関する問題について発言を求められておりますからこれを許します。中村席一郎君。
○中村(庸)委員 昨日千葉県の浦安漁業協同組合より、昨年十月以来ひとでの来襲によつて貝類が全滅してしまい、そして漁業者の生活がまつたく成り立たない状態に陥つて来ている。この被害に対して、ひとでの駆除は何ら防除の対策がなく、ただ人手をもつてこれをすくいとつて焼き捨てているという状態で、貝類の被害が重大なる場面に直面していて、今後は愛知県、山口県、神奈川県、岡山県等に対する稚貝の供給も絶えてしまうであろうというので、この被害状況に対しての陳情があつたのであります。今年度におきまする貝数の被害というものは、四十八万たるに及んでおります。稚貝は二十九万たるで、合計七十七万たるの死滅を来して、この金額は約一億五十万円の被害になる。これに対して、本委員会においてこれを取上げて対策を願いたいという陳情を昨日受けたのであります。あまりにも大きな被害で、この貝類の増殖に対する問題、また漁民の生活に影響するところ重大なるものでありますので、今回本委員会においてこの陳情を取上げまして、すみやかに調査していただきたい。委員長におきましては委員各位に諮られましてでき得るならばすみやかに日取り等を決定せられて、実情調査をしてもらいたい、かように考えるものであります。
○田口委員長 今中村委員から、浦安地方におけるひとでの被害現地調査を、水産委員においてやつたらどうか、こういうような提議がございましたが、いかが取扱いましようか。
○川村委員 ただいまの中村君の発言は、相当地方の漁業者には重大な問題であります。でき得ればわれわれも現地調査をしてその結論を出して、それぞれ手配した方がいいじやないかと考えますけれども、これまでの前例から行きますと、調査の場合は、いわゆる国会の承認を受けなければならぬということから、議運にかけていわゆる議長の承認を得なければならぬということになつておりまして、相当大きな被害に対しても、開会中には委員会の調査のための派遣を許さないという建前をとつておつて、万やむを得ないものだけ調査に派遣するということになつているので、水産委員会から、かつて北陸や北海道十勝沖の地震、それから九州の災害の実地調査等の問題も要求したのでありますが、それは水産委員会だけではだめだということで、国会全体からこれを調査するということになつた例がたくさんあつたのでございます。従つて本委員会が、ここで調査をするということをきめましても、おそらくこれは実行不可能じやないか。ただ個人的に委員の方々が話し合つて調査を進めるということは、これは可能かもしれませんけれども、先ほど申し上げましたような前例がありますので、特にこの際委員長から、椎熊委員も今ここに来ておりますので、議運の実地調査をきめる方向というか、あるいは原則というか、これらを聞いてみたらどうか、私はかように考えます。調査するということについては異論はございません。ただここで委員会が決定いたしましても、できなければその実をあげることができませんので、この点を委員長に一言申し上げておきます。
○中村(庸)委員 ただいまの川村委員のお話はごもつともであります。ただいま川村委員から御提案のように、個人的に調査を願うということはしごく適当なことと考えます。従つて国会の審議に関係ない日に至急調査をされたい、かように考えるものであります。どうかそういう意味でひとつお進め願いたいと思います。
○椎熊委員 委員会からの現地調査の問題は、運営委員会では、国会召集中は原則的には出てもらわぬということですけれども、それが絶対だということじやないのです。非常に緊迫した状況、非常に重要な問題については現在でも許しております。だからその内容によることなんです。従つて、今主張されるような調査が、ほんとうにこの委員会で必要だということであれば、委員長の名で議長まで申請を出してもらい、それに対して私ども運営委員は議長の諮問にこたえることになつております。その際、ほんとうの御要請であれば、今でも許されることになつておるわけです。
○田口委員長 それではこの問題は火曜日にさきの調査をやりまして、その結果によつてあらためて協議をすることにいたしましよう。 —————————————
○白浜委員 水産庁長官にお尋ねしておきたいと思うのです。これは少し資料が古いかもしれませんが、漁業改革速報の第三十号、一月一日の末尾を見ますと、許可料、免許料が母船式の鮭鱒漁業で入つていないというふうに私はこの資料で見るのでございます。先ほど昨年の三船団はすでに許可をしたというふうな答弁であつたようにも思うのでございますが、十月二十八日付の北海道知事からの長官に対する免許料、許可料滞納者を漁業法違反として扱うことの疑義についてという質問に対して、十一月の十四日付で長官は回答をしておる。その中には、どうもこれを違反者として扱うかどうかということについて非常にあいまいな利巧な回答のようでございますが、母船の許可について非常に迷つておられるというふうなことを先ほどのだれかへの答弁中にもあつたのでございますが、それらの許可面について少し考慮の余地があるのではないか。と申しますのは、この免許料、許可料の徴収については、中小漁業者の零細業者は相当無理をして納入をしておる。しかも大蔵省からは常に、この免許料、許可料を延滞したために水産庁の予算もとれないのだということを、われわれははつきりは言われませんが、ままそういうことを耳にする。こういうときにおきまして、大きな業者が滞納のまま今日まで残つておることになるとしますれば、これはあげてだれの責任であるかということを私は一応お尋ねしておきたいと思うのでございます。この漁業の免許あるいは許可については、先ほど夏堀委員からもいろいろなお話があつたのでございますが、ともすればこの許可とか免許にからんで、政治的な圧力とかいろいろな面で誤解されやすいような状況にある今日でありますので、この点何か御意見があれば承つておきたいと思うのでございます。
○清井政府委員 白浜先生の御質問は漁業の速報についての御質問でございますが、実ははなはだ資料が遅れて申訳ありませんでしたけれども、鮭鱒の北洋漁業についての免許料は徴収になつておるのであります。それを納めなかつた理由は、大体試験操業になつておつたのでありまして、試験操業で損をしたのだから免許料、許可料は納めないのだという理由で初めどうしてもがえんじなかつたのであります。しかしいかに試験操業であろうとも、それは操業に応じてとるのだから納めろということで交渉しまして、すでに納まつております。その問題はそういうことで一応解消いたしておるのであります。お知らせ申し上げるのが遅れて非常に恐縮でありますが、事実は解消しておるのであります。
○田口委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもつて御通知いたします。 午後零時四十五分散会