水産委員会 第5号
- 発言数
- 46 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1953/12/18
会議録
○田口委員長 これより会議を開きます。 公海漁業に関する件について議事を進めます。この際公海における漁船の被害に伴う資金の融通に関する政府の処置について、農林大臣より御説明を願います。保利農林大臣。
○保利国務大臣 韓国の不当措置にりまする漁船拿捕につきましては、政府といたしましてもまことに遺憾な次第でございまして、先日の委員会でも申し上げましたように、また御意見もございましたように、同海域はわが国漁業にとりまして、きわめて重要な地域でありますし、わが国漁業者の多年の努力によつて開発せられて来ておりましたことは申し上げるまでもないのであります。しかるに韓国側のとりました不当な処置に対して、この安定操業が脅かされ、はなはだしきは、不当にも拿捕、抑留して、今日なお漁船の返還をがえんじないという状態はまことに遺憾に存じておるわけであります。先日も申し上げましたようにしかしながら日本の将来のために、また特に東亜善隣の上からいたしましてもできるだけ、平和裡に外交交渉によつてこの事態が改善せられることを目標として努力いたしておることは、外務大臣も御説明いたしたことだと存ずるわけであります。当委員会におきまして特に御心配をいただいておりましたこの拿捕漁船の代船建造に関して、特に経済力の弱い漁業者がその代船建造にきわめて困難な状態にある、従つてこれらの方々に対して特別の融資措置を考える必要があるということは、私どもも委員会の皆様と同様の考えを持つておるものでございますが、一面またわが国の財政状態はかなり行き詰まつた状態に立ち至り、これに対する十分の処置を講じ得ないことは非常に遺憾に存じております。そこで政府といたしましてもだんだん協議をいたしまして、今日の午前の閣議におきまして「特定海域における漁船の被害等に伴う資金の融通に関する特別措置法案」を閣議決定をいたしまして、法制局の審議、内部手続を済ませまして来春早々を目標といたしまして、国会に提出することに決定をいたした次第でございます。 大体の法案の要旨は、この法律の目的は、「平和条約発効の日から、この法律施行の日までの間に、政令で定める海域において漁船が正当に操業又は航行中捕獲されたため、当該漁船の所有者たる漁業者若しくは水産業協同組合が当該漁船の代船を建造又は取得するのに必要な資金(漁船損害補償法(昭和二十七年法律第二十八号)に規定する特殊保険に係る保険金の支払を受けることができる場合における当該保険金に相当する金額を除く。以下「代船建造資金」という。)又は漁場若しくは漁業の転換のための当該漁業の転換のための当該漁業者若しくは水産業協同組合がその所有に係る漁船を改造するのに必要な資金(以下「漁船改造資金」という。)の農林漁業金融公庫からの融通を促進し、漁業経営の安定に資することを目的とする。」。 資金計画につきましては、第二条として、「農林漁業金融公庫は、前条の目的を達成するため、代船建造資金又は漁船改造資金の融資について、必要な資金計画をたて、主務大臣の認可を受けなければならない。」。 貸付利率の特例、第三条として「代船建造資金又は漁船改造資金の貸付の利率は、農林漁業金融公庫法(昭和二十七年法律第三百五十五号。以下「法」という。)別表五の二の規定にかかわらず、利率年五分五厘とする。但し、捕獲された漁船が返還を受けた場合においては、返還された日以後における当該融資残高に対する利率に限り、年七分五厘とすることができる。」。 貸付申請の期限は、第四条、「代船建造資金又は漁船改造資金の貸付をすることができるのは、この法律施行の日から昭和二十九年三月三十一日までの間に農林漁業金融公庫に対し、貸付の申請がなされたものに限るものとする。但し、政令で定めるものについては、政令の定める日まで、その申請期限を延期することができる。」。 農林漁業金融公庫の行う業務の特例といたしまして、第五条、「農林漁業金融公庫は、法第十八条第一項に掲げる業務の外、第一条の政令で定める漁具の取得又は改造に必要な資金の貸付をすることができる。」。 都道府県の利子補給に関しまして、第六条として、「都道府県は、代船建造資金又は漁船改造資金の融通を受ける漁業者又は水産業協同組合に対し、当該資金の利子の一部を補給することができる。」。 しこうして、「この法律は、公布の日から施行する。」というような、以上の要旨に基きまして法文整理の上に提出をいたしたい考えでございます。
○田口委員長 農林大臣に対する質疑を許します。鈴木善幸君。
○鈴木(善)委員 ただいま保利農林大臣から、対馬海域におきまする韓国の不法拿捕によるところの漁船の代船建造融資につきまして、閣議決定の法律案について御説明があつたわけであります。なお大臣は事態が緊迫いたしておりまするので、政府としても来春早々これを国会に提案をしたいという言明かなされたのでありますが、私どもはできますれば委員会としては、年内にこのような措置を法律として講じたいという念願をいたしておつたのでございますが、諸般の手続、準備の都合上、時間的にそれが許されないという事情も十分了承いたされますので、来春休会明け劈頭に政府から提案されることを強くここに要求しておきたいのであります。 なお私はこの機会に政府に対しまして、ただいま農林大臣から委員会を通じて発表がございましたが、さらに国民全体、関係者に徹底させましてそうして年内にも代船建造等の緊急のの措置を講じなければならないという事情に置かれております者のために、このような措置が政府によつてとられるということを公表いたしますれば、各関係府県等におきましても、それぞれ暫定措置を講じ得ることにも相なるわけでありますから、ただいま御発表になりました内容を、農林大臣談話なり、あるいは内閣官房長官談話なりの形によりまして、これを広く公表していただきたい、こう思うのでありますが、この点につきまして農林大臣はいかような御措置をとられますか、お伺いいたしたいと思います。
○松田(鐵)委員 関連して……。私はただいまの鈴木委員からの発言に対して少しく考えてみなければならないことがあるのではないかと考えるのであります。まず第一に、国会は議員の立法に対しては、これは立法することが本質であるものでありましよう。そこで議員立法の形によつて今まで論議されて来たのであります。いろいろと打合法をやり、また委員会をやつてこまで来たのであります。私は当初からこうした重大な問題である限りは、政府の責任においてこの法律を政府提案としなかつたならば、非常に困つておる漁民そのものが年末を控えて非常な困り方であろうということで、諸君に対しては政府提案にすべきであるという議論を当初から持つたものでございます。しかしこの法律はそれほどまでに実態が非常に窮迫しておることは事実わかつておるのでありますが、その中に陰に隠れた一つの問題があることを私は感知しておるのであります。はたせるかなただいま保利農林大臣が読み上げられました、明春早々この法律を提出しようという意思表示をされたのでありますが、その法律の概要を読まれるときにおいて、われわれが今まで最も論議しておる中の疑惑の点がはつきりと明示されて、おるのであります。要は、平和条約締結のその後より発生されておるというあの字句に対しては、私は日本の国の平和条約後における独立国としての立場から、日本はあらゆる問題において独立独歩でやつて行かなければならないが、その平和条約締結後の拿捕船というものに対して、今日山口県のごとく零細な漁民が非常に困つておるものと、次に大きな資本漁業、中資本漁業が、みずからの利得のために保険をつけておけば相当に保護される問題もこれをつけずに、今日の法律が制定されるという運動のために、小さな漁民に便乗する点があるのではないか、これを私は当初の委員会が開かれたときから指摘したものであります。この点が明春になつて、この法律が提出されたときにおいて、私は再びこれに対して論議をして行かなければなりませんが、こういうことを閣議で何も事情もわからずに、かくいう法律を出そうということに対しては、もつともつと真剣に内容を調査してからでなかつたならば、軽々にこの法律というものは私に通すわけに行かないものであろうと考えるのであります。この点が私ども水産委員会といたしまして、漁民の立場ということをよく考え、あらゆる漁民の幸福、漁民の生計というものを考えなければならないことは論をまたないのでありまするが、先ほど農林大臣の言われるように、今日の日本の財政というところから見て、はたしてそこまで持つて行かなければならないものかどうかという問題も相当論議して見なければならないものであります。今鈴禾委員が言われるように、農林大臣が全国に対して、ただいまのような気持を持つてこれを放送し、しこうして声明するということは、もつともつとこの法律というものを掘り下げて見なければ、責任ある農林大臣としての発表というものは差控えてもらいたいという私個人の意見であります。この点において私は鈴木委員のただいまの発言に対しては反対をするものであります。
○保利国務大臣 この問題に関しましては、先般来当委員会におかれましてもきわめて御熱心に事態を憂慮されて御審議を願い、私どもといたしましても、政府内部におきまして、財政逼迫の折柄ではあります。けれども、きわめて困難な事態に当面せられている向きに対して融資措置を講ずる、そうしてそれに助成措置を講ずるということは、これはやむを得ざる最低限の救済措置としては必要である、かような考えから今日の閣議でこの法案を国会に提案するという決定をいたしたわけであります。そこで提案を決定いたしましても、実際問題といたしまして提出しますのには準備もいります。しかしながらすでにこの問題は相当事態も切迫いたしておれます。この提出いたしまする間におきましても、この法案は必ず国会の御承認を得るであろうという前提のもとに立ちまして、その間におきましても、実際上の措置は講じて参りたい、かように考えておるわけでございます。先ほど鈴木委員のお尋ねの点に対しましては、かように国が国会と協力をして措置をするという方針を政府としてきめました以上は、その関係の向きに対してこれを周知せしめる、そうして法律の成立を前提として、実際上の措置を講じて行くということはきわめて必要であると存じますから、さような趣旨によつて措置を講じて参りたい、かように考えております。
○鈴木(善)委員 次に私は内容につきましてお尋ねをいたしたいと思うのであります。それは第六条の都道府県の利子補給についてでございます。農林大臣の御発表になりました案では、「都道府県は、代船建造資金又は漁船改造資金の融通を受ける漁業者又は水産業協同組合に対し、当該資金の利子の一部を補給することができる。」こういうことでございますが、この都道府県の利子補給につきまして、大体当委員会といたしましても、また関係業者の現地の強い要望といたしましても、三分五厘程度の安い金利の融資を受けたいということでございますから、公庫から五分五厘の資金を融通いたすとしますならば、都道府県におきまして二分程度の利子を補給しなければならないという結果に相なるわけであります。そういたしますと、公庫の漁船建造融資の普通のベースは七分五厘でございますから、この案の五分五厘ということになりますれば、国において特別に負担いたします金利は二分ということになるわけでありまして、それと同額の二分程度の利子を都道府県が補給するということに相なりますと、本問題が日韓間の国と国との政策の衝突というような面から考えまして、国において府県よりもより多くの責任と負担を持つてこれを解決してやらなければならないという観点からいたしまして、また地方財政の窮迫しております現況にかんがみましても、国と同じ程度の二分の利子補給を都道府県にせしめるということは、非常にそこに無理があると私は考えるのであります。そこでこの第六条は、政府が正式に国会に提案されるまでに、この点をよく御了察を願いまして、平衡交付金なりそういうようなものによつて、都道府県が補給いたします利子の半額程度を政府がめんどうを見てやるということが私ども至当であると考えるわけでありますが、この点につきまして農林大臣はいかようにお考えになつておりますか、お尋ねをいたしたいと思うのであります。
○保利国務大臣 ただいまのお尋ねの点は最も重要な点でございまして、私の方といたしましても、御趣意のように実は考えておるわけでございます。そういう処置を必ず実現いたしますように、私としては努力をいたすつもりでおります。
○鈴木(善)委員 農林大臣から御言明を得まして、私ども意を強うしたわけでございますが、ぜひ今大臣からお話のございましたように、休会明け劈頭に提案をしていただきまして、また第六条につきましても、ただいまの御言明のように御措置を願うことを強く希望して、質疑を終ります。
○保利国務大臣 そのように努力をいたします。
○田口委員長 農林大臣は閣僚懇談会がありますので退席されますか、あと次官と水産庁長官がおられますから、その方に御質問願います。赤路友蔵君。
○赤路委員 それでは私の方からお尋ねいたします。御答弁は次官でも長官でもけつこうです。 ただいま法案が手元にありませんで、ただ説明していただいただけなのでどうかと思いますが、拿捕船の代船建造と漁船の改造資金、こういうふうに目的条項はなつておつたように聞いたのですけれども、漁船改造資金とうたつた理由はどういうところにあるのですか。漁船改造資金のみに限定するつもりですか。
○田口委員長 赤路委員に委員長から申し上げますが、先ほどの大臣の説明のうちに、「政令で定める海域において漁船(政令で定める漁具を含む。以下同じ。)」というところの括弧の中を落されたようでありますから……。
○赤路委員 それは漁具を含むと入つているのですか。
○田口委員長 入つております。
○赤路委員 了解しました。次にお尋ねいたしますか、必要資金額をどのくらいに見込まれておるか、それを御答弁願いたいと思います。
○清井説明員 実はこの法律案に基く直接の資金額といたしましては、先般私が御説明申し上げたかと思うのでございますか、農林漁業金融公庫の資金といたしまして、一般の漁船の底びき、あるいはかつお、まくろの転換の資金に要する資金と合せまして、本年度の補正予算の公庫の予算のわくの一部として計上されたものがあるのであります。その金額は、漁船の建造資金といたしまして、ただいま計数に入れておりますのは、総額で代船建造とししは三億六千二百万円程度であります。それから転換資金として計算いたしておりますのが七千二百万円であります。合計で四億三千四百万円程度を資金のわくとして計上しておるのであります。そのうちに一部大経営に属する船がございますから、その部門は開発銀行からの予算として一億三千三百万円程度を計上いたしております。公庫からの直接のわくといたしましては、現在は三億円という数字を計上いたしております。もともとこれは本年三月末の予算ではありませんので、わくといたしましてこれをとつて、総額のうちで本年の補正予算及び来年の公庫のわくの中からこれをまかなつて行く、こういうことで数字の算定は結了いたしまして、目下事務的手続を進めておるような次第であります。
○赤路委員 ただいまの長官の説明によりますと、この前御説明を受けた拿捕船に対する融資必要額が三億六千二百万円、それに転換資金として七千二百万円、合せまして四億三千四百万円を公庫のわくの中でまかなつて行くんだ、こういうことでございますが、私たちの算定から参りますと、この程度のものではとうていまかない切れないと考えておりますが、それらについて、これだけの面でもつて転換融資と代船建造がまかなつて行けると御算定になつたのでありますか、この点もう一応御説明願いたいと思います。
○清井説明員 これは実は手元に、こまかい数字を持つておりませんが、拿捕船の全部にわたりまして、これを木船と鋼船にわけましてそれぞれの必要単価をかけまして、全部建造するのに必要な資金ということで計算をいたしたのが、実はただいま申し上げた数字でございます。もつともこれは、御承知の通り漁具の関係は入つていないのであります。このときの計算といたしましては、公庫からは漁具は貸せられないというのでございますから、現行法に基いて計算いたしました場合に、漁具はこの計算のわくの中に、入つておりません。代船建造と転換に要する漁船の改造の資金ということで計算いたしましたのが現在の数字でございます。
○赤路委員 前回の長官の御発言から参りますと、この代船建造の場合における木造船の場合の単価がトン当り二十二万円で、それに対しましては、融資の基準を八〇%に押えておられるようでありますか、それは間違いございませんか。
○清井説明員 農林漁業金融公庫の対象といたしましは、木船と鋼船にわけまして、木船については八〇%、鋼船については六〇%融資をするということでこの計算をいたしておるわけであります。
○赤路委員 私はこの拿捕船舶の代船建造に関する限りにおいては、これは当然一〇〇%貸し与えるべきである、かように考えております。八〇%で、あとの二〇%を業者に負担しろといつても、われわれが国政調査でまわつて参りました範囲内の零細な業者においては、とうていそれは不可能であります。これはわれわれが今までどど申し上げましたように、これは政府に当然責任があるべきものなんです。従つてこの際はこれを八〇%というような綿で押えるのでなしに、一〇〇%の融資をしていただかなければ、とうていこれはできないのではないかと私は思う。この点に対する御見解を承りたいと思います。
○清井説明員 この数字を計算いたしました場合には、大体公庫の一般の貸付基準に基きまして従来の例をとりまして、従来の例をとりまして八〇%、六〇%ということで計算を実はいたしておるのであります。この問題につきましては、一〇〇%にしなければいかぬのじやないかというような御趣旨の御質問でございますが、この点は、私どもといたしましても、公庫の実際の金融のわくとの関係も実際問題として実は考えてみなければならないのであります。それから一般の特別法に基く漁船のわくとの関係等もございますので、御趣旨は十分わかりますが、私どもといたしましては、今すぐここでこの問題についてはつきりお答えを申し上ることはできないのであります。その点は十分研究させていただきたいのであります。
○赤路委員 これは大臣がおられないのでまことに遺憾でありますが、これ以上長官にお尋ねいたしましても、いろいろな関係からおそらく御答弁は無理だと思います。これは、少くとも代船建造に関する限りにおいては、一〇〇%の融資がされてしかるべきである、かような線が明確になりませんと非常に困るのであります。御承知の通り、すでに議員立法等でも一つ提案されているのですから、これらの点が明確化されないと、あとの処置がどうもできぬのじやないかと私は思う。これ以上は御無理だと思いますから、私は一応これで打切ります。 なお先ほどの御答弁によりますと、四億三千四百万円というものは、当時代船建造をのみ計算されて出したものであつて、従つて漁具その他については全然ないというお答えだつたと思います。先ほど来法律の条文を大臣から聞いてみますと、この漁船改造というものの中に括弧して漁具の取得が入つている、こうなつて参りますと、漁具取得に対する資金源というものが当然考えられなければなりませんが、これをどういうふうにお考えになつているか、そしてこれは正確なところは出ないと思いますが、大体どの程度に必要であると水産庁長官はふんでおられるか、お答え願いたいと思います。
○清井説明員 この数字を算定いたしましたときには、むろん現在の農林漁業金融公庫の能力の範囲内において、ということでありましたので、漁具は入つていなかつたのであります。ところが今回、先ほど農林大臣よりお話申し上げた通り、漁具につきましても公庫から貸付するようにしたいということでございますので、そういたしますと、これについてのわくを決定しなければならぬということになると思うのであります。この問題については、私たちもそういうふうに実は考えているのでありますが、どういうふうにしてよいのか、私も今すぐにはちよつとお答えはできないのであります。と申しますのは、実はこれに関する法律等は、むろんいろいろ御審議願つておつたのでありますか、私どもといたしましては、事務的作業といたしまして公庫が貸付をするという建前でどんどん事務を進めて参つたのであります。それはもうきまつたのでありまして、もう貸付ができる段階まで来たのであります。そういうわけで、公庫としてもきりちりとわくをきめてしまいましたので、新たに漁具のわくをとるとしますと、何らか別途の措置を講じないと漁具のわくはとれないのであります。この点をどうしたらよかろうかと実は苦心をいたしているような状況でありまして、私の方が事務的にあまりに急いで進めましたので、今公庫のわくはにつちもさつちもできないような状態に来ているのであります。これを漁具のわくを新たにとるといたしますと、どこからか財源を持つて来なければとれないということになるのであります。法律でこういうふうに規定いたしますと、何とかしなければならぬものとは思うのでありますが、実際の法律の建前と公庫の実際の金のわくということにつきまして、もう少し研究をしてみなければ、実はこの点についてもはつきり申し上げられない段階にあるのであります。 それからどのくらいの金がいるか、こういうことでございますが、ちよつと私も今計算をいたしかねておりますが、むろん一億以上の金がいるのではないかと思つております。この点は私もちよつと計算いたしませんと、何とも申し上げかねますが、一億はもちろんいるのじやないかと考えております。
○赤路委員 政務次官が来ておられるので、政務次官にちよつとお尋ねします。今融資総額のことで長官の方からいろいろ御説明を願つた。現在は公」庫のわくの中で一応まかなつて行く、こういうふうに長官の方はおつしやつておるわけです。公庫のわくというものが先ほど来申しますように、現在のところでは四億三千四百万円しか動かし得るわくがない、こう考えますが、それではとうていこれはまかない切れない。従つてこの法律ができますならば、法律に基いて、当然その不足するだろうところの資金源は予算措置がしていただけるものと私は確信いたします。しかしながらそれまでの時間的ずれというものが相当大きくこの立上りに影響して来ようと思うのでありますが、これに対する何らかの措置をお考えになつておるかかどうか、この点について御答弁をお願いしたいと思います。
○平野政府委員 この問題につきましては、本委員会において、この十八日までに政府から案を出すべきである、もしそうでなければ議員提案の法律の御審議をお進めになる、こういうようなお話でございまして、私はここ数日来政府部内の意見を統一いたしまして、御要望に間に合うように努力を進めて参つたわけでごさいますが、先ほど農林大臣から御報告申し上げましたようなことで、まことに申訳ないと思つておるわけでございます。いずれにいたしましても明春の休会明けには必ず政府の提案をいたすということを本日の閣議においても決定をいたし、御了承をいただいたようなわけでございます。ただいまお尋ねの金額のわくの点につきましても、ただいままだ政府部内において折衝しておるわけでございまして、農林省としては、この実情をよく調査をし、ただいま水産長長官から申し上げました点につきましても、ここに不足するという場合においては当然予算措置を必要とすることになるわけでございまして、この点についても折衝を続けておるような次第でございますが、現在のところといたしましては、先ほど申し上げました農林漁業金融公庫のわく内においてやる、こういうことにならざるを得ないわけであります。それで不足をいたします場合においては、ただいま申し上げました政府の案の内容もまだ最終的に決定したというわけではないのでありまして、ただいま御要望のような点について、必要があります場合には、明春の休会明けまでには善処をいたす考えでおります。
○赤路委員 ただいま政務次官の御答弁によりましても、これ以上私の方で押すことは無理かと思いますので、一応政府を信頼いたしまして、これらの法律に盛られました代船建造なり、あるいは漁船改造なり、またそれに伴う漁具の購入、すなわち転換資金の融資等について、法律の精神を十分生かし得る。しかも現地の情勢というものを十分くみとつていただいて、今までのたとえば公庫が出しておつた八〇%融資というような形のものでなしに、一〇〇%融資し得るような予算的な措置をとつていただくことを、私は要望をいたしておきます。 それからもう一点お尋ねいたしたいのですが、この法案を聞いておりますと、今度の融資は農林漁業金融公庫から出すことだけが条文上に記載されておるようであります。今の長官のお話によりますと、開発銀行からもこれは出すということになつておりますが、この点はどういうふうになりましようか。最終的な決定案でないのでおそらくこういうようなものも入ろうかと思うのでありますが、その点についてはどうでございましようか。
○清井説明員 実は農林漁業金融公庫から貸しつけられる部分につきましては、現在では一定限度に限られておることは御承知の通りであります。一形態で三百人以上の使用者があり、所有船の総トン数が千トン以上のものは開発銀行から貸し出すということになつて、農林漁業金融公庫ではそれ以下の中小のものについて貸付をするということになつておるのでありまして、その面におきまして私どもが推算いたしますと、一億三千三百万円が大体開発銀行からの貸付に相当する経営者の船、こういうことで先ほど申し上げたのであります。同様にこれも李ラインによる拿捕被害船でありますが、私どもは開銀から借りることにつきまして実はあつせんに努めて参つておる現状なのであります。今度の法律はその点につきましては、農林漁業金融公庫についてのみ規定をしておるのでありまして、この点については規定をしていないのであります。私としては、開銀の方は今までの融資勧奨をさらに続けて参りたいと実は現在考えておるのであります。そういうことであります。
○赤路委員 ただいまの長官の御答弁からいたしますと、農林漁業金融公庫法には融資に対しましては制限条項がございます。その制限条項の適用を受けるものはこの法律によつての融資措置はとらない。それは開発銀行からこの法律とは別にかつてに――これはかつてにというと語弊があるかもしれませんが、この法律とは関係なしに、かつてに開発銀行から融資を受けるんだ、こういうふうに解釈してよろしゆうございますか。
○清井説明員 現在のところはそういうことでございます。
○赤路委員 これがまだ成案になつていないので、現在はその通りだと言われるとそれまでなんですが、ここで私一つ言つておきたいことは、先ほど松田委員がここで大分語を強くしておつしやつたようですが、私はこれとは少し意見が違うのです。私はこの李ラインから締め出されるとか拿捕されるとかいうことが起つたためて融資をする場合、大会社であろうと小業者であろうと、これはその事件から派生しておるんだから、当然双方とも融資をすべきである、これは私は筋が通ると思います。ただ問題は、その際に大会社が事後において相当な利益を上げてこれらを配当するというような、相当利潤を上げた会社に対してまで政府がそういう手段をとる必要はないのであつて、それらは当然この適用条項として除外すべきである。やはり筋を、通すべきものは筋を通して、除外条項を設けて除外するのが、これが法律をつくる場合正しい行き方でないか、こういうふうに私は考えておる。それでくどくお尋ねしたようですが、今度の場合今の長官のお話から承りますと、農林漁業金融公庫からだけこれが貸出しされるのであつて、従つて千トン以上あるいは三百人以上の法人は当然これから除外される、除外されるとこれはどうでもいいわけです。だからこれらのものはかつてに開発銀行と借入れの交渉をする、こういうようなことになろうかと思うのであります。それならそれでも私はさしつかえないと思うのでありますが、法律として――結果的には同じであつたといたしましても、筋を通すべきところはやはり一本筋を通しておく必要があるのではないか、かように考えた次第であります。 大体以上でわかつたようでございますが、ただ一点最後に政務次官に――私は農林大臣におつてほしかつたのですが、政務次官にお聞きしたいと思います。われわれがこの法律を非常に急いで、政府があまりずたずたやつて解決がつかぬのなれば、議員立法をしてでも――われわれは議員立法することを好みません、しかしながら議員立法をしてでもあえてこれを通そうという腹をきめたことは、これらの被害をこうむつておられる人たちの年末の金融というものは非常に逼迫しておる。もう年の瀬が越ぜないという状態にある。従つてわれわれは何とかこういう線をはつきりして、そうして政府の方の協力も得て、年末を何とか越さしていただきたい、こういうように考えた、がゆえに、いろいろと委員長その他の方々にもお願いして、努力していただいたわけなんであります。政府の方でこれがはつきり閣議で決定されて、こういう法律がいよいよできるということがきまつた、しかもこれに対する予算的な措置も、おをらく政府は責任を持つておやりになると私は思うが、当面の差迫つた年末金融を打開するために何かお考え願う手はないかどうか、この点ひとつお聞きしたいと思います。
○平野政府委員 特定海域において被害害を受けられた漁業者の方々の年末金融の対策として本委員会において御努力をいだいておりますこととにるいては、政府としても衷心より敬意を表し、できるだけ協力をいたしたいという念願を持るて努力を続けておる次第でございます。ただ何分にも自然休会となりまして本会議もございませんような関係で、いずれにいたしましても年内に法律の成立を見るということが、議員提案であると政府提案であるとのいかんにかかわらず、できないようなわけでございますので、本委員会において政府ができるだけの努力をするということを声明し、これが年末金融の裏打ちになり得るということがありますならば、非常にけつこうなことである、こう思つておるわけでございます。ただこれはもちろん成立を見ないことでありますから、法的に申しますならば、明春の国会においてどういうふうになるかわからぬことでありまして、それをここで確実にどうということが言えないことはやむを得ませんけれども、こうした努力をすることが多少でも効果があることは非常にけつこうである、こう思つて実は十八日を目途として私どもも努力をして参つたようなわけでございます。従いましてこの年末の金融対策として、現行法の範囲において、あるいは行政措置によりまして、他の手段においてできるだけの努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
○赤路委員 今政務次官から懇切に、御説明願つたわけであります。これが裏打ちになれば非常にけつこうだというお話でありましたが、これは絶対裏打ちはなさらなければいけないと思います。私がお願いしたいことは、この法律を出しつぱなしと申しますか――まだ法律はできないのですが、閣議で決定してここで説明していただいて、政府はこれを必ず通すのだ。こういうふうな措置をとるのだ。こういう声明をかりにやつていただいたとしても、声明のしるぱなしでは、実際に金融の措置というものはできるものではない。ふこで私のお願いしたいのは、そういうふうにはつきりと態度を決定していただいたのですから、その上にできるならば農中なりその他金融機関に対して、政府はかくかくの法律をつくつて腹をきめてやつておるのだから、ぜひ協力を一本入れていただきたいということをお願いするわけであります。
○松田(鐵)委員 関連して……。赤路委員の議論もよくわかりますが、私は当初からそれを皆さんに話をしておる。当委員会でもそれを言うた。まずただいま農林大臣の提案されるというその内容を聞くときにおいて、一番問題になるのは公庫からこれを出し、水産当局も公庫内からこれを出そうとしておる。しかし公庫から議員提出によつて出されるときの総額というものは二十億なんです、二十億の金を公庫がはたして出し得るやいなや。農林大臣が言明したから出せるとしたならば、それを出すことでありましよう。しかし現在一体全国の水産に対して公庫はどれだけの融資をしておるか。そうしたならばこの一地区の問題で全国の向上せんとする漁民の融資というものは相当はばまれるであろう、これがまず第一点。 これから、いくら努力したつてできつこないんだから、こうした整備資金というものは中金から出さなければならない、これが本筋なんです。先ほどから議論されておるように、漁民に漁業資材も出せ、年末金融も出せ、こういうのが赤路委員の議論でありましよう。一体公庫から年末資金が出せるか、漁業資金が申せるか、こういうことになる。そうしたならば、これは一活して中金から出さなければならないものである、中金から出す方法というものは簡単なんです。漁業協同組合に加入して県がそれに保証して、それでもできいというならば、こういう場合であるから政府が中金から出せといつて――農林大臣、大蔵大臣両方が中金というものを管掌しているのです。これらの政治の力によつて出させるのがほんとうのことなんです。漁民は来年まで待つて三分五厘の金がほしいか、今七分五厘でもいい、たとえば九分六厘でも、あなたの言う年末に金を出してもらいたいかということなんです。九分六厘でもいいじやないですか。それに対してこの法律の筋の通るようにして、三分だつて四分だつて、あとから県が保証をすればいいじやないか。三分五厘だ三分五厘だというから、非常にここに無理があるのですよ。私ども北海道の場合においても、北海道庁に対して、お前らが四分の保証をしなかつたならば、この法律は流してしまうぞと言つて、道に対してこれを強要したのです。道もそれに対して保証をした。そうしてやつているから円滑にできているのです。同じ県民なんだ。自分の県の財政に影響するんだから、自分の県民がかわいかつたならば、金額というものは幾らでもないのです。その利子の補給を県がしないなんということはでき得るものじやない。すべきなんです。国が養老院の補助金まで削らなければ、今後の日本の財政と言うものは立つて行かぬとまで声明しているじやないか。お互に国会議員の立場からいつたならば、その地方々々の選挙区の問題はあるだろうけれども、大所高所からにらめて、そうして財政というものをよく考えてやつて行かなければならないことだろうし、金利が高いから借りたくないというならば、そんなりつぱな漁民なんていやしない。金利はたとい一割五分でもいいから借りたい、これがほんとうの声なんです。早く出してくれというのがほんとうの要望なんです。その跡始末は、県なり国なりが、前の法律もあるのであるから、そういうことでやつて行かなければならない。公庫の金を使つて日本全体の漁民の融資というものに影響はないと言つたところで、必ず出て来るんだから、こういうことをよくにらみ合せて、役所とよく相談し合つてやるのがほんとうなんだ。専門員なんて何をやつているんだ。君らが代議士から言われたから委員長から言われたから、委員長から言われたからといつて、一つも水産庁と連絡をとつていないじやないか。なぜ官庁と委員会と連絡をとつてやらないんだ。そうして今日まで政府を追い込んだじやないか。こんなことで満足な政治ができるか。やつて行くならば筋を通して、水産委員会は無理な法律を出すなんと言われたくない。何でもいいから筋を通して、政府とよく話合つてやつて行つたならば、年末の金融なんかちやんちやらなんだ。代船建造々々々々と言うが、口を開けば赤路君なんかは、年末の融資、漁具をどうする、こう言うだろう、これは全部中金から出すべきなんだ。筋がそうなつておる。それらを見当違いなところばかりつつついて、そうして今日まで追い込めておる。こんなことでどうなるかというんです。もつともつと研究して、筋の通る方法をもつてやらなければならぬ。私はこの法律に対して決して反対はしておりません。しかも政府提案にさせると一番先に言つたのはぼくなんだ。早く出してやらなければならない。それを公庫の金を使わなければならない。三分五厘に漁民に借りさせなければならないといつても、何もできつこないじやないか。政府提案がかりに出たところで、ぼく一人でもたたきこわしてみせる。つくところは幾らでもあるんだ。そうじやないのだ。スムーズにこれををなし遂けるためには、よく連絡して、無理でない方でもつて押して行こうじやないか。満足に相談をかけられたことも一つもない。ぼくは代議士に出てから水産委員会以外には出たことはない。水産金融だつてできるだけのことは今までやつて来た。だからこういう点に対してよく水産庁とすべての点を打合せて、無理のない方法をやつて行つたならば、これはとうに提案されている。とんでもないところばかりついてやつて行くから、農林大臣に言明せよといつて言明させたところで、それによつて世間によくしようと思つても、金はそんなことで借れません。決して出しません。そういうことをよく考えてやつて行かなかつたならば、水産委員会の言うことは何もかも無理だということになる。お互いに日本の財政というところからも見て、無理のないような方法でもつて、政府がそれに全部が乗つて、漁民のために一日も早く融資をする方法を考えてやらなければならないんじやないか。満足な相談があつたか。そうして、こんなような方法によつて政府に対して無理押しをさせた。こういうことでどうなるか。今後の水産委員会はすべての点からとやこや言われるようなことは私はきらいだ。何でもいいから筋を通してやつてくれる、やるべしというようにお互いがやつて行くのでなかつたならば、今後の水産委員会のあり方というものも相当損をしなければならぬ。かつてのあの免許料、許可料全廃の問題もその通り。あれを見たまえ。どれだけ苦しんだか。あの四億の船だつて削られちやつたじやないか。それを当時の委員長だつて一つもあれに対して運動しなかつた。私はあれで四日間やつた関係上、大蔵大臣にじきじきの電話でもつて、君の答弁と違うじやないかと言つて、無理やり聞き入れさせた。無理をしないで上手に政府に同調させて、漁民に利益を与えることをお互いが考えなければならぬと思う。私の議論はときどき脱線するようなこともありますけれども、どう指摘されようとかつてだが、私はさような考え方を持つているのであつて、政府においてもこの漁民の困つていることもよくお考えになつて、三分五厘でなくてもいい、七分七厘であろうと、九分六厘であつてもいい、何とか早く金を出してやつてくれるように御努力を願いたい。
○椎熊委員 いろいろ御意見を拝聴いたしまして非常に参考になりました。私どもはいろいろ相談を受けないわけではなかつた。当初からいろいろ御相談を受けました。ただ専門的知識が不足の点もありますので、当局の言明等を全幅的に私は信頼している方でございます。当初からこの問題解決のためには、年末ということに非常に重点を置いて考えて、何とか議員提出の法律案でさえ無理してもやろうというのがわれわれの意欲であつた。もともと予算措置の伴う議員立法というものに対して私は疑問を持つている。行政府との間によほどの了解のついた問題でなければ出してはいけないとさえ私個人は思つている。幸いにして政府当局との間に話合いがついて、政府が休会明け初頭において法律案を出すというので、目下われわれのところに法案も来ておりませんし、内容はただいま農林大臣の概括的な説明で輪廓を知つただけでございます。私はこのことも決して無駄ではなかつたと思う。今政務次官が言われるように、この言明一つでも漁民の金融のためには相当の効果があろうかとも思われます。そうして農林大臣初め諸公におかれましては、それをやりたいという気持は十分あるということですから、いろいろ手段等もあり得ると私は思う。親切な政治ができ得るんじやないかと思います。法案自体に対しては、御提案を見た上私どもは清純な感覚をもつてこれを審議したい。本日は私は農林大臣のあの言明を信頼しておくべきだ、こう思うのであります。ただここに参考になるのは、松由君の言われたように、これは中金から出すべきである、公庫から金を出さしてはいけないとようところには、私はかなり重大な問題が内在しておると思う。李ラインの被害を受けたる漁民もさることながら、全国にわたる漁民の金融の問題ということも、決して等閑に付せられる問題ではないのです。もしそれ公庫の金をそのまま温存して、全国の漁民に利益を与えることに有効適切に使用することができて、他の方法でこの金を出せるという問題であるならば、さらに一層いいのであります。その辺は法案を提出せられる前に、まだ相当の時間もございますから、農林当局においては、大蔵当局とも御相談の上、公庫の金も十分に全国民が利用できるように、しかもさらに、この政府の責任においてなさなければならぬ李ラインにおける災害を急速に解決するために、公庫以外の金がもし流用できる道があるならば、それでやつてもらつた方が一層いいということです。その辺は特に御研究を願いたい。その道は私にはわかりませんが、十分あなた方の御研究の対象になり得る問題だろうと思いますから、御研究の結果、法案提出までにはわれわれが納得できるように御説明を願われればけつこうだと思う。年末差追つた今日において、ただちに法案の内容の審議に入ることができないのは残念でありますか、本日は農林大臣のあの責任ある声明と申しますか、御言明によつて、一応私どもはこの際はこの程度にしておいた方が、漁民のためにもよかろうではなかろうかと考える。あえて松田君の質問に反対している意味ではありません。精神においては同一だということを付言しつつ、御研究を願いたいと思うのであります。
○田口委員長 ただいま椎熊委員からの発言の意味におきまして、農林大臣が説明されました政府の処置について 委員会としては了承してさしつかえございませんか。
○淡谷委員 次官にお伺いしたいのです。この法案に盛られております、政令で定められた海域というのは、いわゆる李ラインと限定されているように解釈しておりますが、このほか中共、ソ連などに拿捕されております船舶があるはずでございます これに対しては、どのような措置をとられるつもりか、またこの法案からこれらの拿捕船の補償を削られた理由を伺つておきたいのであります。
○平野政府委員 この政令で定める海域については、ただいまのところ政府としては、李ラインに限る、こういう考えを持つておるわけでございます。北海道その他の分を除くのはどうかというようなお尋ねでございまするが、これはいろいろ御意見はあろうかと存じまするが、領海の侵犯とかいろいろな点もあるわけでありまして、ただいまのところでは、政府はさように考えておるわけでございいます。
○淡谷委員 今のところお考えがないと申しますが、今後何らかの措置をとられるようなお考えはないか、もしないとすれば、非常に被害を受けております漁民に対しては、不公平な法案になりまして、いろいろ非難もあろうかと思いますが、今後における政府の御賞悟なり、あるいは今あるお考えをお伺いしたいのであります。ただいまのところないのはわかつております。今後どうされるつもりか。
○平野政府委員 今後の問題につきましては、そのいろいろな事情を勘案いたしてして、さらに善処いたしたい、かように存じます。
○田口委員長 先ほど申し上げました椎熊委員の発言の趣旨によりまして、農林大臣から説明されました政府の処置を、当委員会としては了承するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田口委員長 それでは御異議なしと認め、さように決定をいたします。――椎熊三郎君。
○椎熊委員 今度は今の問題とまつたく別な問題でございます。主として水産庁長官からお答えを願われればけつこうです。これは当委員会でこういうことを発言することがあるいは適切でないといわれる向きがあるかもしれませんか、私は大いに関連がある問題だと思いますので、特にお尋ねするのであります。実は私も今これから申し上げるようなことが日本で行われておつたということを知らなかつたのでありまして、最近その業務に携わつておつた人々の熱心なる陳情等を承つて、まことに同感の至りにたえない。従つて事項は直接には運輸省所管の事項でありますが、しかし水産庁としても無視できない問題ではなかろうかと思いまして、特に貴重な時間を拝借して、ごく簡単ですからお尋ねするのであります。 それは定点観測所というものがありまして、日本の沿岸には二点あります。昭和二十二年の秋からやつており、北方、南方の二点がありまして、北方、定点観測所は三陸沖、北緯三十九度、東径百五十三度、南方定点は四国沖、北緯二十九度、東経百二十五度、その二つの定点観測所を持つております。この費用は莫大にかかるものでありましたが、行政協定か何かでありましよう、費用の約四分の三は駐留軍の方で負担しておつたということであります。アメリカ側のこの政策は、ひとり日本に対してだけではなくして、ノールウエーその他にもこういうことを委嘱して、アメリカ側が金を出してそういうことをやらしておつて、世界の気象観測上に重大なる貢献をしておつた。ところがアメリカの政策がかわつたせいでありましようか、本年十一月二十五日以後、アメリカ側ではその費用を負担しないということを言い出して、業務は停止の状態にあるのであります。この業務の内容を見ますると、海洋気象の問題その他高層気象、それから海洋観測、航空標識等の非常な近代科学の総合されたる技術をもつて、重大なる仕事をやつておるのであります。申し上げるまでもなく、水害、冷害等、おびただしき災害を受けて、その金額に至りましては、一千億を越えるという本年度のごとき大災害があります。これらに対しても、本年度の実績から見ましても、五月ころすでにこの日本の災害の予測ができておつたということは、大体この業務上の文書の上にさえ残つておることなんです。ただそういうことが技術者の間にはわかつていても、それを政治上に具現するに至らなかつた間に、ああいう災害が起きたことは非常な不幸でありまして、私は新日本再建の基礎として、こういう世界的水準にあるような科学的技術というものは軽視しては相ならぬ、そういうものは国家はよほどの負担をしても取入れなければいかぬと思います。費用といいましても、莫大と申しましても、これはわずか三億足らずの金なんでございます。これを駐留軍において負担することができないとなれば、これは日本国家が当然負担すべきであるのではなかろうかと思う。直接には運輸省所管のものでありますので、面接には水産庁には関係がなかつた事項であるかもしれませんが、海洋気象の観測等のごときは、水産庁としては無視することのできないことなのでありますから、政府部内におきましては、水産庁等は特に声を大にしてこれが必要性を強調せられて、今日まで業績をあげたこの事業を継続して行かれるように御努力が願われないものだろうかどうかということが、私の質問なのでございます。どうぞ、そういうことで私どもの希望が達成せられればけつこうでございます。私はまた適当な委員会においてこのことも強調したいと思いますが、水産委員会として水産庁の意見を伺つておきたいのであります。
○清井説明員 ただいまの御質問の御趣旨まことにけつこうだと私ども思つております。定点観測の問題につきましては、この観測が海洋気象の上に相当重要な資料を提供いたしておりまして、これがわが水産界にとりましても非常に有意義であるということは十分私ども承知しておるのであります。今回いろいろな事情でこのことについて問題が起つておるようでありまして、私どももこれが中止になりました場合は、漁業界に与える影響のきわめて甚大なるものがあると考えておるのであります。私どもは今後関係当局と十分連絡いたしまして、水産庁の立場からも、ただいまの御趣旨に基いて努力いたしたいと考えております。
○田口委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもつて御通知申し上げます。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十一分散会