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19回国会衆議院1954/10/30

人事委員会 第36号

発言数
34
登壇者
9
会派数
3
開催日
1954/10/30

会議録

川島正次郎自由党

○川島委員長 これより開会いたします。  調査に入ります前に、参考人追加選定の件についてお諾りいたします。前会決定を見ました参考人のほかに千葉県教育委員会副委員長郡司幸太郎君を参考人として追加選定いたしたいと存じますが御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川島正次郎自由党

○川島委員長 御異議なければさように決定いたします。  質疑の通告がありますから、順次これを許可いたします。永田亮一君。

永田亮一自由党

○永田(亮)委員 銚子商業高等学校佐久間孝一さんのいわゆる官公労機関紙の問題が起きましたときに、一番先に取上げたのは参議院であります。それから衆議院の方におきましても、八月の十九日に、この問題を究明いたしますために参考人に来ていただきまして、いろいろと御質問をいたした次第であります。そのときは、まだ千葉県の教育委員会の方の御決定がなかつたのでありますが、そのときに、この問題について文部大臣及び人事院の事務局長さんにお尋ねをいたしました。そのお答えは——私間違えるといけませんから、そのときの速記をちよつと簡単に読んでみますが、文部大臣はこういうふうに言つておられるのです。「このスローガン自身が政治的目的を有する文書であるということについては、これはだれが見ても疑いの余地はないのであるから、これを発行し頒布した人が公立学校の教職員という身分があれば、これは先般成立した特例法によつて禁止せられた行為をした、こういうことに該当すると思う、」と文部大臣は御答弁になつたのであります。それから人事院総裁もやはり同様の趣旨の御答弁でありまして、一々これを読むのはやめますが、とにかく人事院規則に違反をしておるという意味の御答弁がありました。そうして千葉県の教育委員会の御決定がどういうことになるかということで、われわれはもちろん、全国の教育関係者が非常に注目をいたしておつたわけであります。そういたしましたところが、去る十月の十九日でありましたか、千葉県の教育委員会の見解として御発表になりました。それを読んでみますと、文部大臣及び人事院総裁の見解とはまつたく異なつた見解をとられておるようであります。佐久間孝一君の教育公務員特例法二十一条の三に関する件については、この法律に抵触するものではないという御見解をとられて、これを発表されておるのであります。そういたしますと、文部当局及び人事院の責任者の考え方とは、まるで正反対という結果になつたのでありまして、一応私は、千葉県の教育委員会の責任者であられるところの委員長の桜井さんに、千葉県の教育委員会としてこの御決定をされた御見解をまずお承りいたしたいと存ずる次第であります。  [委員長退席、田中(好)委員長代理着席〕

桜井茂尚千葉県教育委員会委員長

○桜井参考人 千葉県におきまして、ただいまの御質問のような決定をなした、こういうようにおつしやられるのでありますが、この決定をどう判断するか、どう解釈するかということも、一つの大きな問題ではなかろうかと思うのであります。政治的目的を有する文書であるかないかということにつきましても、私たちは文部省、人事院、法務省その他各方面にも問合せをいたしましたし、著名なる学者、法律家にもいろいろと問い合せたのであります。その結果、この件につきましては両論がありました。これに該当するという意見の方と該当しないという考え方の方とがありまして、千葉県教育委員会といたしましては、政治的目的を有する文書であるかどうかということは別に判定を下していないのであります。そういうことはする必要がないと考えたのであります。  それから佐久間孝一君が人事院規則十四の七に該当するかどうかという問題でありますが、これは、ただ単に形式的に見ますと、そういう疑点があるやに思料されるのでありますけれども、私どもが各種調査いたしました結果、この前人事院総裁が、発行とは印刷及び第一次配付をする行為である、こういうように言われておつたとは私記憶するのでありますが、その点を調べてみますと、実際はこれは佐久間君ではなくして、国鉄の情宣部長をやつておる村上信という方であるということがわかつたのであります。  またこの問題を取上げるに際しまして、私たちは教育委員会でありますので、教育者としての教育的見地ということを強く考えまして、これが教育二法律の立法の精神であるところの偏向教育とどのように関係があるかという点を考えますと、これは非常に縁遠い問題であつて、実質上の偏向教育は何ら存在しない、こういうことであります。従つて本事案は教育公務員特例法に抵触するものとして取扱うことは適法ではない、このように決定したのであります。

永田亮一自由党

○永田(亮)委員 今の答弁を分析してみますと、三つあると思うのです。まず第一は政治的目的を有する文書であるかないかという判定をしていないということ、それから発行者が違うということ、第三番目は偏向教育をしていない、この三つだつたと思うのでありますが、最初の政治的目的を有する文書であるかないかということを判定していないというのは、これははなはだ不可解でありまして、この事件の解決のポイントがここにあるわけであります、つまり佐久間君が署名をして出された官公労の機関紙に吉田内閣打倒その他のスローガンを掲げられた。これが政治的目的を有すれば、その法律に触れるし、有しなければ触れないというポイントであります。ところが政治的目的を有する文書かどうかを判定しないということは、その解決をことさらに遷延しておるか、あるいははつきりさせないようにしておるのではないかという気がいたすのであります。私ども考えますに、吉田内閣打倒その他これに類するスローガンを掲げられるということは、これは明らかに政治的目的を有する文書であると解釈するのが、常識であろうと考えるのであります。これは人事院規則一四—七の政治的目的の定義のところの三と四に書いてありますが、三として「特定の政党その他の政治的団体を支持し又はこれに反対すること。」、それから四として「特定の内閣を支持し又はこれに反対すること。」、吉田内閣打倒ということは、明らかに「特定の内閣を支持し又はこれに反対すること。」という条項に該当すると考えるのは、これはだれが考えてもそういう結論になると思うのであります。この規則の運用について人事院の事務総長さんが出しておられる昭和二十四年十月二十一日の通牒がありますが、その説明を見ましても、「「特定の内閣を支持し又はこれに反対する」とは、特定の内閣が存続するように若しくは存続しないように又は成立するように若しくは成立しないように影響を与えることをいう。」というふうに、はつきりと説明が書いてあるのであります。この機関紙に吉田内閣打倒云々の文書を掲げられたことは、明らかにこの人事院規則の十四—七、政治的目的の定義に違反すると私は解釈しておるのであります。  それから二番目にお答えになりました発行者が違うんだという問題でありまするが、この問題はまたあとで御答弁があるかもしれませんが、確かにこの官公労の機関紙には佐久間孝一という署名がされておるのであります。発行者が違うと言われましても、現実に出ておる機関紙の編集責任者として名前が出ておる以上、やはりその責任者は佐久間孝一君であると、判断しなければならないわけでありまして、これがその責任者が佐久間君でないというのであるならば、何かはつきりした反証がなければ、それを証明することができないと私は考えるのであります。その点についてまた後刻御説明を願いたいと思います。  それから三番目にお答えになりました偏向教育をやらなかつたという御答弁でありました。なるほど佐久間君は東京におられて、実際に教育には携わつておられなかつたでありましよう。しかしこの二つの法律というものは、偏向教育の排除ということを究極の目的とはしておるのでありますが、それまでに行く手段とか方法としての偏向した政治活動を禁止しておるのであります。今いただきました千葉県の教育委員会から出しておられる御見解の文書を読んでみますると、二十九年六月九日文部次官通達でこういうことを言つておるということが書かれております。この註というところでありますが、註1は確かにこの通りでありまして、この規則が学問の自由及び思想の自由を尊重するように解釈されて運用されることが望ましいということが書かれております。これを引用されたことははなはだけつこうでありますが、もしこの文部次官通達を御引用になるのであれば、その次に書いてあることもあわせて御引用願いたかつたのであります。それはどういうことかと申しますると、今のが1でありましてその次の2にこういうふうに書いてある。「教育公務員特例法の一部を改正する法律は、教育公務員の職務と責任の特殊性にかんがみ、公立学校の教育公務員の政治的行為の制限の範囲を国立学校の教育公務員と同様とすることにより、教育公務員が妥当な限度を越えて政治に介入することを防止し、もつてその公務たる教育の公正な執行を保障しようとするものである。」、こういう通達の2がここに書かれてある。これを故意か偶然か落されておるように思うのであります。つまり教育公務員が政治に介入することを防止するのが目的だということが書かれてあるのでありまして、この見地からいたしますならば、ただいまの偏向教育をやらなかつたから関係がないということは言えないのではないかという気がいたすのであります。以上もしお答えいただければけつこうであります。

桜井茂尚千葉県教育委員会委員長

○桜井参考人 私が申しました三点について御質問があつたのでございますが、政治的目的を有する文書であるかどうか。これは佐久間君が発行責任者であるということを前提にしてそういうことを論ずる必要がある、こういうように考えたのであります。従つて佐久間君が実際上の発行責任者ではなくして国鉄の村上信という方であるということになれば、私たちはあえてこれをどう解釈するかということをきめなければならないというようには考えなかつたのであります。  またこの偏向教育の問題でありますけれども、偏向教育につきまして、今申しました点で佐久間君が発行責任者でないということになれば、これは偏向教育ということについても実は問題にする必要もないのであります。しかしながら私たちのこの発表は、これは内外に対する影響ということを考えて発表いたしたものであります。従つて内部的に佐久間君を処罰するとかしないとか、こういう問題だけではなくして、一般に新聞等で問題にされておりますので、その点を非常に危惧いたしまして、外部の一般の人たちにもなるべくわかるようにというような意図を持つて書かれたものであります。事実銚子におきましては、銚子高等学校は偏向教育が行われているということによつて、ことしは就職に非常に困るというようなことを言われて、私たちのところに陳情に参つております。このようにしまして児童が就職できないというようなことになりますと、私たちはその責任を非常に深く感ずるわけであります。従つて偏向教育は実在しないのだということをはつきりしておかなければ、これは対外的に困る。県議会におきましてもその点質問があつたのでありますが、偏向教育は実在しないということをはつきりといたしておつたのであります。

池田禎治日本社会党(右)

○池田(禎)委員 議事進行に対する発言をお許し願います。  私は永田君にこの際お尋ねをいたしたいのですが、先般来この問題を私どもがこの委員会で審議しておる状況をながめますと、官公労の機関紙にたまたま佐久間君なる人が署名人であることの理由によつて、偏向教育の事実ありやいなやということの審議が続けられておる。それであなたの論点を聞いておると、署名人なるがゆえにということで質問されておる。しかるところ執筆者は佐久間君ではなく、事実は国鉄の村上君であるということさえはつきりしておる。そうするとどういう論拠を持つてやるかということになると、かつて日本に新聞紙法というものがありましたときには、執筆者よりも署名人が重大な責任の処罰の対象になつておつた。ところが戦後におきまして、こういう取締法規がないということは、実際上の運営におきましては、今日のいかなる新聞社におきましても署名人がこの処罰の対象になつておらない。事実において、その執筆者が責任を負うことになつているのが、戦後のいかなる新聞社におきましても実例でございます。また連合軍のとりました占領中の政策もそうだし、その後の日本の現実に行われている慣習というものはたとえば朝日新聞なら朝日新聞、読売新聞なら読売新聞の署名人はその処罰の対象になつておらない。事実上は執筆者がその責任を負うことになる。そういう点をお考えの上で、なおかつこういう御質問を続けられておるのであるか、そういう点をひとつ永田さんにお伺いしてみて、その上でもしそういう事実がなく、ただ署名人なるがゆえにということであれば、実際上の慣行と行われておる社会通念とは、はなはだしく異なる点があるということを考えましたので、一言あなたに御質問申し上げて、審議の進行のためにもその御見解を承りたいと思います。

永田亮一自由党

○永田(亮)委員 今の桜井さんの御答弁で、発行者が佐久間君じやなくて国鉄の何とかという人であつた。だから佐久間君に責任がない。もしそういうことであれば、もちろんそういうことがはつきりするのであれば、私の議論もおのずからかわつて来るわけであります。しかしこの「官公労」という機関紙の編集者としての署名が、はつきり佐久間孝一君と書かれておるのであります。その場合に責任をとる人が、今池田君も言われましたが、新聞記事など何百人何千人の人が書いておるが、それの責任者として、やはり編集責任者というものがきまつておるわけであると私は思うのであります。この前浅井人事院総裁もこの問題について御答弁になつておられるのでありまするが、そのときにもやはり前にあつた新聞紙法とか出版法というものについての解釈は、どういうような人がどんなことを書こうとも、法律上問題になつているのは発行人であるとか編集人であるという答弁をされておるのであります。私は今日といえども、大きな新聞にいたしましても、たくさんの記者がいる、その一人々々が責任を負うことは、もちろんその人も負うかもしれませんけれども、やはり究極においてはその新聞の発行責任者が責任を負うのが当然であると思うのであります。私は佐久間君が発行者でないともし言われるのであるならば、どうして発行者じやないのか、はつきり署名されておるのに、責任者でないと言われるのであるならば、はつきりした証拠か何かがなければ、承服いたしかねるのでありまして、この点についてもう一度お答えを願いたいと思います。

桜井茂尚千葉県教育委員会委員長

○桜井参考人 私どもはその点につきまして調査をいたしました。そして先ほど形式的には発行責任者——永田さんは編集責任者とおつしやられましたが、おそらくお間違いだろうと思います。発行責任者ということでありますから調査をいたしました。そして人事院総裁が申されました通り、印刷及び第一次頒布、これをだれがしておるか、こういうことも調べました。それからまた官公労そのものの組織、規約、それらのものも調べました。一切調べました結果、私どもはこれは形式的にはそう書いてはあるが、しかしながら実質的には関係がないという判定を下したのであります。

池田禎治日本社会党(右)

○池田(禎)委員 関連して……。先ほど私が申したことに対して、永田君のお答えがない。永田君は人事院総裁の答弁等によつて、戦前の出版法あるいは新聞紙法というものの例をあげられて、人事院総裁はこういうことを言つておられると言う。現在の日本の刑法をもつてしてもそういうことをしておらない。先般朝日新聞において具体的事例がありましたが、朝日新聞の発行責任者は処罰になつておらない。その執筆者が刑事事件の処罰を受けておる。これは具体的事実で、今そんなことはしておりません。私は失礼ですが、あなたの質問を妨害する意思はありませんから、もし筋が違つておるじやありませんかといつても、筋が違つてない、お前の干渉は受けない、私の質問は議員の職責上しておるのだと言われるならば、私はいかんともなしがたいのでありますけれども、現行の制度ではそういうことはいたしておりません。具体的事実としては、執筆した人が刑事事件の被告としての処罰を受けておる、現行法ではそうなんです。だから私は申し上げたので、私は荒唐無稽のことを言つておるのではない、人事院総裁がいかなることを申したかしれないが、現行の法制上においては、そういうことをやつておりますから私はそういうことを申し上げた、だからお考え間違いのないように願いたい、それでもあなたがおやりになるならば、これはあなたの審議権ですから、私はそれ以上とやかく言うべき何ものもありません。以上のことを申し上げておきます。委員長はその点を御記憶願いたい。私はそれに基いた質問をいたしたのであります。

永田亮一自由党

○永田(亮)委員 今池田さんから強い御質問がありましたが、私も最近のそういう事例を詳しく調べたわけではございません。私の記憶によりますと、「真相」という雑誌がありますが、これが共産党的な文章を載せたのであります。その場合に処罰を受けたのは、それを書いた人ではなくして、編集長であつたということを聞いております。これははつきり今記憶しておるわけではありませんが、確かに編集長が処罰を受けておるのであります。こういうことがあることも御記憶願いたいと思います。  それから今の桜井さんのお答えでありますが、発行者の佐久間君が署名をしているけれども、実際に書いたのは国鉄の村上という人だということであります。しかしそう言われただけでは、私どもは今初めて伺つたわけでありまして、そうであるとかないとかいつても、水かけ論に終つてしまうのであります。やはり国鉄の村上君が書いたんだというはつきりした何かがなければ、私はそれを信用するわけに行かない。今聞いただけで、署名も何もない、村上君という人が書いたんだと言われただけでは、この機関紙の責任者はやはり署名人である佐久間君であると断定するよりしかたがないと思うのであります。何か証拠があつたら出していただきたいと思います。

桜井茂尚千葉県教育委員会委員長

○桜井参考人 永田さんは先ほどから編集と発行ということを、非常に気になさつておるようでありますが、発行とは印刷と第一次配付を言うと、人事院総裁はおつしやつておるのであります。従つてその発行という言葉は、現在刑法上においては——昔は新聞紙法があつたのでありますけれども、今日においてはそれがなくなりました。私の記憶では、これは間違いかも存じませんが、たしか郵便関係だけがそういうことになつていると思います。それで実際に発行という言葉の内容は、先ほど申しました通り、浅井人事院総裁が印刷と第一次配付であると申されておりますので、印刷と第一次配付はだれがやつたかということを調べたわけであります。調査いたしました結果、これは別の村上信という方である、こういうように私たちは判定をいたしたのであります。

永田亮一自由党

○永田(亮)委員 今お答えがありましたが、桜井さんの言われることを私は信用しないわけではございませんけれども、しかしただそういうふうに口で言われただけでは——私今初めて伺つたわけでありまして、発行者というものが、やはりちやんと署名をして出しておる佐久間君でありますので、責任をとる人、印刷して配付した人が村上君だといくら言われても、それは口で言われるだけのことで、私はああそうですかと言つて、それでは佐久間君じやないというふうに、今ここでそれを承諾するわけに行かない。何か佐久間君じやないのだ、責任者は村上君であるということがはつきりしなければ、私は納得できないのであります。この問題が解決できなければ質問するといつても、佐久間君が責任者でないということになつてしまえば、あとのことは私質問するのに責任者であるという前提で質問をいたしたいと思つておるわけでありますから、この点をはつきりしておかないと、私も責任者でないと言われる人をつかまえて、どうこうと言うわけには行かないのであります。私はどこまでも佐久間君が署名をされておる以上は、やはり発行の責任者であるという前提のもとに質問を進めたいと思うのであります。

郡司幸太郎千葉県教育委員会副委員長

○郡司参考人 大分委員長がお疲れのようですから、ちよつと私かわりまして、前にも当委員会に出席いたしましたし、副委員長という立場もございますので、私から追加して御説明申し上げます。  この点につきまして御信用なりかねる、かようなお説もありましたが、当委員会といたしましては官公労の事務局へも尋ねましたし、同時に御当人の佐久間君御自身からの弁明もいただいておるであります。これは単に口頭だけでなく、私どもはあるいはかような御質疑も出るやにも考えましたので、念のために佐久間君から十箇条にわたる意見書をちようだいしてございます。その中にはつきりと佐久間君の弁明といたしまして、ここにコピーがありますから、ちよつと読みますが、「官公労機関紙の編集責任者は官公労事務局の情宣部長が担当している(国鉄労働組合出身村上信)」かような書類も出ております。  それからひとつ、これは永田委員さんに申し上げたいのであります。私の方もかようなぐあいに何でもないようなことまで調査をいたしておりますが、あなたといたしましても、さように御熱心に御質問くださるならば、一応念のためにあなた御自身も官公労に行かれて、御調査をお願いいたしたいと思います。     〔「参考人にはそういう発言は許されてない。」と呼び、その他発言する者あり]

永田亮一自由党

○永田(亮)委員 これはやはり佐久間君の所属しておられる教育委員会が最終の責任者でありますので、特に千葉県の教育委員会においてお調べを願いたいと思います。もちろん私も調べます。私は何も佐久間君を罰しろとかどうとかいうことを言つておるのではないのでありますが、この法律の解釈をはつきりとしなければいけないということを申しておるのでありまして、千葉県の教育委員会から出された「「官公労」機関紙問題に関する見解」というリーフレツトを読んでみますと、どうも法律の解釈ということがはつきりしておらないように思うのであります。ずつと通読いたしますと、法律の解釈よりもむしろ情状論のような感じがいたすのでありまして、私はこの法律の解釈を、もう少しはつきりしていただきたいと思うのであります。その第一は、先ほど申しました政治的目的を有する文書である、これは文部大臣及び人事院総裁の解釈でありまするが、これが第一の問題、それから政治的行為をしたかどうか、この二つのことが法律の解釈で一番重大な問題であると思うのであります。政治的目的を有する文書であるという見解につきましては、先ほど申し上げましたように、特定の内閣を支持しまたはこれに反対するということで、明らかであると思うのでありますが、政治的行為をやつたかどうかということにつきましては、これはもう御承知のように人事院規則の十四の七の十三項に書いてあります。簡単にちよつと読んでみまするが、「政治的目的を有する署名又は無署名の文書、図画、音盤又は形象を発行し、回覧に供し、掲示し若しくは配布し又は多数の人に対して朗読し若しくは聴取させ、あるいはこれらの用に供するために著作し又は編集すること。」こういうことが政治的行為の定義になつておるのであります。この「官公労」機関紙を発行されたということは、ここに書いてある配付し、編集しというようなことに、明らかに私としては該当すると思いますので、政治的行為を行つたと解釈すべきではないかと思うのであります。かように考えて参りますると、政治的目的を有する文書をもつて政治的行為を行つたという解釈を行えば、当然教育公務員特例法に該当すると私は解釈いたすのであります。この点につきまして千葉県の教育委員会の御見解と異なるのでありまするが、一応御説明を願いたいと思います。

桜井茂尚千葉県教育委員会委員長

○桜井参考人 先ほど私が申し上げたので尽きておると思います。私は別につけ加えることはございません。

永田亮一自由党

○永田(亮)委員 それは私と千葉県の教育委員会の代表者の方とは見解が違うということであれば、いつまでたつつても水かけ論になつてしまうと思うのであります。それではこの問題について内閣法制局の方に来ていただいておるのでありまするが、法律上の解釈として、法制局の方はどういうふうにお考えになりますか。一応お伺いいたしたいと思います。

田中好自由党

○田中(好)委員長代理 永田君、法制局としてはきようはこれを研究していないという話です。後日答弁したいということであります。

永田亮一自由党

○永田(亮)委員 それではこの間人事院総裁がお答えになりましたが、人事院事務総長としての意見を承りたいと思います。

佐藤朝生人事院事務総長

○佐藤説明員 人事院としまして、人事院規則の解釈といたしましては、先日大体申し上げた通りでございますが、この文書が政治的目的を有する文書であるということは、われわれの人事院規則の解釈としては、どうしても人事院規則に該当するような見解を持つております。それからその目的が結びつきます行為につきましては、一応私どもといたしましては、発行するというふうに書いてございますので、ただいま千葉県の教育委員会からお話がありましたが、発行の定義につきましては、人事院総裁が先般答弁した通りでございますが、一応発行人とあります以上、特別の反証のない限りはそういうふうに解釈しております。

永田亮一自由党

○永田(亮)委員 この法律に抵触するかしないかということは、千葉県の教育委員会と私とは見解が違うということであれば、これはやむを得ぬことでありますので、その問題は一応あとにまわすことにいたしまして、この千葉県教育委員会から発行されておる「「官公労」機関紙問題に関する見解」という一文を読んでみますと、いろいろと疑義が出て来るのであります。たとえば初めの方には、本案のごときは事項の片言隻句をとらえて論ずべきものではないというようなことが書いてあります。しかし私考えますのに、吉田内閣打倒あるいはそれに類するスローガンというようなものが、はたして片言隻句でありましようか。いやしくも一国の政府を打倒し、内閣を打倒しようというようなスローガンを大々的に掲げておる。これが片言隻句とはどうしても私には受取れないのであります。片言隻句というような言葉で取扱うべきものではないと、私は解釈いたすのでありますが、この点についてもお答えをあとで願いたいと思います。  それから次にこれを理由書のところを読んでみますと、専従休暇中で教鞭をとつていないというようなことが書かれてあります。しかしこれもよく法律をお読みになればわかると思うのでありますが、人事院規則の十四の七の政治的行為適用の範囲という一番初めのところにこういうことが書いてある。ちよつと読んでみますと、「法及び規則中政治的行為の禁止又は制限に関する規定は、臨時的任用として勤務する者、条件付任用期間の者、休暇、休職又は停職中の者及びその他理由のいかんを問わず一時的に勤務しない者をも含むすべての一般職に属する職員に適用する。」こういうふうに明らかに適用の範囲が書かれておるのでありまして、専従休暇中で教鞭をとつていなかつたということについての理由は、いささか薄弱ではないかと考えるのであります。以上二点についてお答えを願いたいと思います。

桜井茂尚千葉県教育委員会委員長

○桜井参考人 片言隻句が大分問題になつたようでありますけれども、これは私どもは政治的目的を有する文書であるかどうかということについては、決定を出していないのでありす。しかしながらこの「官公労」という新聞のほんの一部のここにちよつと書いてあるということだけで、これがいわゆる官公労の機関紙であるという性質ががらりとかわつて、政治的目的を有する文書にただちに転換する、そういう文書である、客観的に見まして私どもにはどうもそういう感じがいたしませんので、従つてこういう問題をとらえて論ずるということは、どうも片言隻句のきらいがあるのではなかろうかというように、委員は七人おりますが、委員の人は大体そういうような感じを受けたわけであります。従つてそういうふうなことが入つております。それに対して私たちは、これを政治的目的を有する文書であるかどうかということは断定はいたしておりません。  それから、次の問題でありますが、先ほど私申し上げました通り、この見解というのは見解でありまして、これは裁判所でいう判決というようなつもりで出してはおらないのであります。先ほどから申し上げました通りに、社会一般におきまして、佐久間孝一氏の件が偏向教育ということと、非常に結びつけられておるというように考えまして、また先ほど申し上げました通り、銚子高校においては現に就職さえ困難であるというような状況を勘案いたしましたときに、私どもはどうしてもそういう意味で、偏向教育は実在しないのだということを、はつきりとうたいたいということで、こういう言葉を理由書の中に入れておるのでございます。

永田亮一自由党

○永田(亮)委員 今の片言隻句は、またこれも見解の相違になつて来ますからあまり追究はいたしませんが、二番目の専従の問題について御答弁がなかつたように思うのであります。この理由書の中には、今私が申しましたように、専従であつて教鞭をとつていないから、これは情状しんしやくする理由があるというふうに書かれておるのでありますが、今私が御指摘申し上げましたように、人事院規則の十四の七には、「休職又は停職中の者及びその他理由のいかんを問わず一時的に勤務しない者をも含むすべての一般職に属する職員に適用する。」というふうに、はつきり書かれてあるのであります。でありますから、この理由書の中の専従であるからこれは該当しないのだというふうにお書きになつておるのは間違いではないかと私は申し上げておるのであります。もう一度御説明を願いたいと思います。

郡司幸太郎千葉県教育委員会副委員長

○郡司参考人 先ほどの私の発言中、永田さんに対してお調べ云々ということを申しましたことを、まず取消させていただきます。  次にただいまの御意見でございますが、理由書をよくお読みくださればおわかりと思いますが、専従者であるから該当しないということは私ども決して申してはおらないつもりでございます。私どもの申しまする意味は、先ほど委員長も申し上げましたように、編集責任の問題で一応佐久間氏の立場をきめまして、その次に佐久間氏の身分につきましては、かようなぐあいに直接に教育にタツチしていないのであるからということで、強調したつもりでございます。それにこれはもう少しこまかく申しますと、私が申し上げるまでもなく永田先生よく御存じのことと思いますが、教育委員といたしましては、まず第一に考えなくちやならないことは、その地方の特殊性に基いた教育行政を確立させる、かようなことを私どもは日夜苦心しておるのであります。さような意味合いにおきまして、これは県内でも相当大きな問題になつておりまして、再々委員長の説明もありました通り、銚子高校の就職問題にまで影響がある、かような建前と同時に、県内教育界の動揺等も考えまして、これは直接に教育に携わつている者ではないからという意味のことを強調したつもりでございます。  以上で御理解を願いたいと思います。

永田亮一自由党

○永田(亮)委員 その専従の問題ですが、それを強調したんじやないのだというのであれば私も了承いたします。専従であるがために法の適用を受けないのだということはない、やはり専従であつても同じく適用を受けるのだということがおわかりになれば、それでけつこうであります。  次に質問を移します。この理由書をずつと読んでおりますと、その中にこういうことも書いてある。この規則が六月の十三日から適用になつた、それで官公労の発行が七月十日であつて、わずか一箇月後であるからその情状をしんしやくしろというような意味が書かれてあると思うのであります。しかし私は、法律というものをそういうようなことで解釈を曲げておつたのでは、それなら何箇月たつたあとならばいいかというようなことになつて来まして、どうもはつきりしない。やはりこれはこの教育公務員特例法の一部を改正する法律の第二十一条の三にこの問題が出ておるのでありますが、その附則として「1この法律は、公布の日から起算して十日を経過した日から施行する。」こういうふうにはつきり書かれておるのでありますから、六月三日に公布されたのであれば、それから十日を経過したその日から施行するという解釈をするのが当然でありまして、まだ法律ができて間もないときであるからという理由で、こういう解釈をされるということは、法律というものを乱してしまうのではないかという感じがいたします。  次にもう一つ御質問を申し上げたいと思うのでありますが、今までこういうような例がたくさんあつた、国家公務員についてこういうような問題がたくさんあつたけれども、教育公務員のみについてこれを取上げるのは苛酷だという議論であります。しかしこれはよその人のことをとやかく言うような感じがいたすのでありまして、ほかの者が悪いことをしたから、こつちも悪いことをしてもかまわないのだ、他人がどろぼうしたから自分もどろぼうしてもいいのだというような議論になりかねないのであります。こういうことが公文書に書かれることは私は少し適当でないのじやないかというような感じがいたすのであります。  以上二つについてお答えを願います。

郡司幸太郎千葉県教育委員会副委員長

○郡司参考人 第一点として、これは法律が施行されてから間がないから、情状論で片づけようというような気持があるのではないか、かような御質疑のように考えられます。次の御質疑を要約して申し上げますれば、ほかの者がどろぼうしたからこつちもどろぼうしてもいいのだ、かようなことを考えておるのではなかろうかという御質問だと思います。実はこれは中央ではちよつとおわかりにならぬかと思いますが、教育の見地から県内問題といたしましては非常に大きなうずを巻いておりますことは、再々櫻井委員長が御説明申し上げた通りでありまして、ために私どもは、まず第一に教育的な見地に立つてこれを片づけなければならないという努力を払つたのでございます。従つて県の内部問題ばかりでなく、各新聞紙等でも相当大きく取扱い、あるいは文部大臣の御意見等も各所で発表になつておりますし、それともう一つは、新しいモデル・ケースであるという点から、私どもが慎重を期したことは御理解願えると思います。さような点で、私どもは理由書を事詳細につけたのでありまして、詳細に理由書を付したということで誤解があるとすれば、これはどうも私どものテクニツクの悪さを反省しなければならないのでございますが、情状論やあるいは安易な、いわゆる向うが悪ければこつちがというようなことは、委員会としては決して考えてないのであります。  なおもう一度申しますが、さきに発表いたしましたことで、ちよつと途中から読みますが、書き出して間もなく、「同人が同規則に抵触しその責任を負わねばならぬとは、直ちに断じ難い。」という「直ちに」という言葉、これは私ども委員会としては法律の専門家ではございませんので、ずいぶん研究もし、討議もし、あるいは御教示も願つたのでありますが、どういたしましも、これをこうだという明確な結論は委員個人々々に出ていないのでございます。さような点で誤解があろうかと思いますが、要はあくまでも地方の教育の実情にかんがみましてかような結論を出した、そういうことで御了解を願いたいと思います。

永田亮一自由党

○永田(亮)委員 それではお話を伺つておつても見解がいろいろ違うので、あまりくどくも追究いたしませんが、最後に一つだけちよつとお伺いしたいことがあるのでございます。それはこの「官公労」の問題が政治的目的を有する文書であるかどうか、政治的行為をしたかどうかということでは、今のところ千葉県の教育委員会とは意見が異なつておるようでありますが、私はその次に発行された官公労の機関紙を拝見したのであります。これは今問題になつておるものの次の号でありますが、佐久間君が事務局長に再選をされまして、そうして「就任にあたつて」という表題で、これに相当長い文章を書かれておる。その中で特に重大なことは、「本年こそは全力を傾注して反動吉田内閣の最後のとどめを刺す決意です。」こういうことを書いて発表しておるのであります。これはどう考えてみましても政治的目的を有するのでありまして、これが政治的目的を有する文書でないということは、いくら千葉県の方でも言われないだろうと思うのであります。今の問題ではありませんが、この点を私留保いたしますから、よくお調べ願つて善処していただきたいと思うのであります。  なお私は、全体を通じて特に千葉県教育委員会にお願いたしたいことは、この問題に対する見解というものが、総体的に見てどうも法律論をやつておられないということは、はなはだ遺憾であります。私は佐久間君を傷つけるとか、罰しなければいけないとかいうようなことを毛頭申しておるのではございません。ただ法律として出た以上、教育公務員特例法に関する法律の解釈をもう少ししつかりやつていただきたい。情状論ではなくして、法律の解釈をもう少し根をおろしてじつくりとやつていただきたい、こういうことを希望いたしまして質問を終ります。

加賀田進日本社会党(左)

○加賀田委員 私は、この機関紙に関する見解を、千葉県の教育委員会に出すまでの経過についていろいろ質問いたしたいと思います。  この理由書の中にあります通り、本年の八月十九日の人事院総裁の発言でも、従来国家公務員でもこれに類似した問題があつたが、慎重に取扱つてまだ一件も問題になつていない、こういうようなことが載つております。私もそれは淺井総裁から十分に聞きました。そういう状態の中で私の調べたところでは、大体この機関紙は百八十万の組合員に対して三千部ということを聞いております。千葉県の教育公務員約五万ほどに二部程度しか配付されていないということを聞いております。そういう状態の中で、この問題が人事院と異なつて特に大きくクローズ・アツプされて、教育委員として問題を審議しなければならなかつたということに対しては、いろいろ私は疑義を持つわけです。そこで、そういう状態の中で千葉県の教育公務員諸君に対して、わずかに二部程度の配付しかできなかつたのを、これをいわゆる大きな問題として審議しなければならぬということは、教育委員会としてまつたくの自主的な関係から慎重審査しなければならなかつたのか、それとも外部の何かの理由に基いて教育委員としてはこの問題に対して審議しなければならない状態に陥つたのか、そういう問題に対して一応説明願いたいと思います。しかしこれは、教育委員長が教育委員会を代表しての発言としては困難だと思います。というのは、やはりそういう問題をお互いの空気の中からお互いにからだで感ずることでありますから、もし委員長としての責任から発言が困難であるならば、個人的にそういう空気の内容を御説明願いたいと思います。

桜井茂尚千葉県教育委員会委員長

○桜井参考人 これは七月三十日付と思いますが、朝日新聞に発表がありまして、それで私たちは知つたのでありまして、その後教育庁の事務当局におきまして、どういうわけかということで文部当局にいろいろと問い合せたのであります。従つて私たちといたしましては、ちようど寝耳に水ということでございまして、私たち自身がみずから喜んで取上げたというようなものではないのであります。従つて私は、委員長としても、また教育委員全員非常に不快に思つております。そしてその後非常に輿論化し、私たちがまだ正式に委員会において取上げておらない間に、すでに国会におきまして審議が開始されました。そして千葉県の委員会は怠慢ではないか、ぐずぐずしておる、こうおつしやられましたので、私たちは、やはりはつきり申せばこれは取上げざるを得ないというような状態になつたのであります。

加賀田進日本社会党(左)

○加賀田委員 そういたしますと、七月三十日の大達文部大臣の朝日新聞を通じての発言によつて、必然的に教育委員会としては取上げなくてはならないような状態に陥れられた、私は説明でそう解釈いたしますが、そういたしますると、いわゆる独立機関として他のいかなる制約も受ける必要のない教育委員会としては、実質的には大達文部大臣の発言の政治的な圧力の中にあつて、こういう問題を取上げなくてはならない状態に陥れられた、こう解釈して異議がないかどうか。

桜井茂尚千葉県教育委員会委員長

○桜井参考人 委員長がこの問題につきましては委員長提案として教育委員会に提案いたしました。従つて私は提案せざるを得ずして提案いたしたのであります。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 この問題をこの人事委員会で取扱うときの申合せは、一応この事件につきまして、文部大臣、それから人事院総裁及び法律上の権限を有しておるところの千葉県教育委員会、この三者を呼びまして質問をしたい。これはこの三者の意見によつて人事委員会が何らかの結論を出すということではない、こういうことを確認して開いたわけです。従つて今日をもちまして、千葉県教育委員会に来ていただきましていろいろ質問がありましたので、この点は一応われわれは終了した、こういうふうに解釈をいたしておるのでありますが、それでよろしゆうございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 それでは私は質問はいたしません。終ります。

田中好自由党

○田中(好)委員長代理 それでは本日はこの程度で散会いたします。     午後零時四分散会

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