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19回国会衆議院1954/03/19

人事委員会 第5号

発言数
58
登壇者
7
会派数
3
開催日
1954/03/19

会議録

川島正次郎自由党

○川島委員長 これより会議を開きます。  この際お知らせいたします。昨日国家公務員法の一部を改正する法律案当委員会に付託せられました。  国家公務員法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。加藤国務大臣。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○加藤国務大臣 ただいま議題となりました国家公務員法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明いたします。  この改正法律案は行政機構改革の一環として現在の人事院を国家人事委員会に改組し、中央人事機関として、わが国行政機構の実情に調和した組織と権限を持たしめることを主たる目的とし、あわせて行政事務簡素化の線に沿つた二、三の点についての改正を行わんとするものでありまして、その要点は次の通りであります。  第一に、従前内閣の所轄に属しておりました人事院を改組して、総理府の外局として国家人事委員会を置くことといたしました。これに伴いまして、人事官は国家人事委員に、人事院総裁は国家人事委員長に名称を改めるほか、国家人事委員の認証、給与保障、宣誓及び兼職制限に関する規定等を改めることにいたしました。  また、人事院には、国家行政組織法の適用がなかつたのでありますが、このの改正により、他の外局と同様国家行政組織法の適用、従つて行政機関職員定員法の適用をも受けることとなるため、国家人事委員会の内部組織及び定員は、これらの法律に基いて定められることになりました。従いまして、事務局の部の設置、その所掌事務等内部組織に関する主要な事項を国家公務員法中に明記することといたしたのであります。  第二に、国家人事委員会の権限及び機能に関する点でありますが、給与の勧告その他人事行政に関する意見の申出等は、国会及び内閣に同時に行うこととなつておりましたのを改め、これらを内閣に対して行い、内閣はこれを国会に報告しなければならないということといたしました。俸給表の改訂に関する勧告につきましては、従来俸給を百分の五以上増減する必要が生じたときに行うことになつておりましたのを、国家人事委員会が俸給表の改訂を必要と認めるときに行うことに改めましたほか、内閣はこの勧告があつた日から五日以内にこれを国会に報告しなければならないよう報告の期限を明定いたしました。地域給その他の給与に関する勧告についても同様の報告期限を付しております。なお、いわゆる二重予算及び人事院指令の制度は他の外局並にこの際廃止することといたしました。  第三に、行政事務簡素化の線に沿つた改正といたしまして、任命権の委任手続、不利益処分の審査の請求の期限、起訴中の者の懲戒手続、条件つき昇任制度等につきまして廃止、簡素化等の改正を行うとともに、あわせて二、三の規定の整備を行うことといたしました。  第四に、経過的規定といたしまして、従前の人事院、同事務総局及び地方の事務所がそれぞれ、国家人事委員会、同事務局及び地方の事務所として同一性を持つて存続することを定め、現に在職する人事官はそのまま国家人事委員として在職し、人事院総裁として命ぜられている者は、国家人事委員長として命ぜられたものとすることを定め、それぞれ人事官としての残任期間をもつて国家人事委員としての任期といたしました。  以上改正の要点を御説明いたしましたが、その他の点につきましては、中央人事機関として国家公務員法を実施する国家人事委員会の権限は、従前の人事院の権限とかわりありません。  何とぞ、慎重御審議の上すみやかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。

川島正次郎自由党

○川島委員長 本案に関する質疑はあとまわしにいたします。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 議事進行。私どもは地域給の問題について熱心に過去一箇年間やつて来た、それについて、私どもは委員長にも、地域給の勧告について、至急人事院に勧告するように要請してもらいたいと言つて来た。ところがもう梅も散り桜も咲きかけるやよい半ば過ぎになつても、地域給の勧告の声さえもない。私どもはまことに遺憾だと思います。あなたも委員長として勧告をするような方針を今までとつて来たのだが、あなたの今までやつて来たことを見ますと、あなたが誠意がなかつたとは言いませんが、そのやり方とか方法において非常に拙劣でなかつたか、かように私は考えるのです。あなたはやるということを去年から再三われわれに言つている。しかるにその言つていることがこのごろでは何だか空中分解でもしてしまつたような態度になつている。私はこの委員長の態度は非常に遺憾だと思つている。そこで今加藤大臣から提案理由の説明のあつた、国家公務員法の一部を改正する法律案の審議もありますが、根本的に人事院の機構を改革して、こういう内閣の隷属機関みたいにすることは、われわれの根本的な思想からいつても、党の建前からいつても、また公務員の生活を守つて行くという立場からいつても絶対反対です。私どもはあくまでも今説明されたこの政府提出案に対しましては反対の建前をとつて行こうと思つております。しかしながら、どうしてもこの際この法案の審議に入る前に、私は地域給の問題を解決して、全国の公務員の生活上の安定をはかつてやらなければならぬ、かように考えている。これはひとり私ばかりではありません。ここにおられるところの各委員諸君も、地域給については非常に熱心な方々ばかりでありまして、私としては、これだけ各委員が熱心に地域給の勧告をしてもらいたいという要望をしているのだから、それができないはずはない、これはやはり私は委員長としても重大な責任があると思う。あなたの過去一箇年間の委員長としての最も重大な役割は、その地域給の勧告にあつたといつても過言ではないと思います。その問題を解決しないで、しかも国家公務員法を改正したり、あるいは衆議院におけるところの人事委員というものも廃止してしまうというような態勢が盛り上げられていることは、私らとしても、過去一年間委員としてやつて参りました職責を顧みるとともに、非常に私は慚愧にたえない思いでおります。これは委員長としてもほんとうに心から反省してもらわなければならない段階に来ていると思う。会期も五月の七日か八日で終了します。どうしても会期中に地域給の勧告をしなければいけないものと私はこう思うている。委員長の決意のほどを表明されたい。

川島正次郎自由党

○川島委員長 森君のお話はごもつともでありますから、委員長として、人事院総裁に交渉しまして善処するようにいたします。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 あなたは、昨年の十一月末以来、地域給の勧告について、自分は総裁にも話をすると言つておつた。ところがあなたは総裁ともさつぱり話をしてない。しかも私が非常に不満なことは、われわれは今回の教育二法案に関して文部委員会と連合審査をすることを決定し、そうしてあなたとちやんと約束をして、あなたが話合いをすることになつていた。ところが辻文部委員長に会つて、連合審査の要求を川島委員長からしてあるはずだ、至急それを決定してくれと言つたら、川島委員長からそんな話は聞いていない。こういう答弁です。実に私は憤慨した、そんなばかなはずはないといつていろいろ話したところが、その横におつたところの事務局の者が、いや、人事委員会の専門員の方から、連合審査をすることはさしつかえないかというお問い合せのようなことがありました、こういう答弁です。私はあなたが委員長として当委員会の決定に従つて、当然辻文部委員長に対して、あなたみずからがそのとりはからいをする重大なる責任があつたと思うが、これもあなたの怠慢によつてそれだけの手続をしてない。まことにけしからぬと思つておる。(発言する者あり)だまつてください。発言中なんだから……。そこで、一回決議をして、話をしてもだめで、第二回の相談をした。ところがあなたは機関車に乗るといつてどこかべ出て行つた。機関車に乗つたかどうか、これは調査をしなければならぬと思つておる。そうしてそのあとを赤城君に頼んで行つたと言つておりますが、その赤城君だつて直接辻文部委員長に私が話した段階にまでは話は行つていない。(赤城委員「ぼくは話したよ」と呼ぶ)それはあとで説明をしていない。私が話した段階のときには、あなたは話してなかつた。当委員会が二度も決定していることを無視して、委員長がやつていない。私は委員長のこのころの態度には誠意があるのかないのか、疑わざるを得ない。これに対してあなたの答弁を聞いておきたい。

川島正次郎自由党

○川島委員長 連合審査のことは、この委員会で最後的に決議をしたのではなくて、委員同士で話合いまして、一応それでは文部委員会の意向を聞こう、こういう段階のときに、私は人事委員会の専門員に命じて、向うの専門員と交渉させました。第二回の会議のときには、私は途中で退席して、赤城理事が委員長席につきまして、先ほどお話のような議題が出たときに、赤城理事から文部委員長に交渉しております。しかし文部委員会の態度としては、労働委員会との連合審査は受入れるけれども、人事委員会との連合審査は、文部委員会としては承服できない、こういう通告がありましたので、今日あらためて文部大臣を呼んであなた方の質疑をする、こういう段取りにはかつております。さように御了承願います。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 最後に一言、本日至急文部大臣を呼んでいただくことは当然ですか、あなたは労働委員会とだけ文部委員会が連合審査をする云々と言われるが、それはあなたの交渉が遅いからだ、各委員会の中で、人事委員会が一番最初に連合審査をきめておる、労働委員会がきまつたのは、そのずつとあとなんです。ところが、労働委員会のことがありましたが、その後各委員会が、連合審査の決定をしておる、しかし一番早く決定したのは人事委員会だ、それをあなたが正式に通告をしておらないから、そういう結果になつた。と同時にあなたは、さつき当委員会が正式に連合審査の決定をしておらない云々ということを言われましたが、これは私は重大な言葉だと思います。それは委員長との意見の相違になりますが、私はあくまでも当委員会において正式に連合審査の要求の決定をしたものと解釈しておりますから、これはあなたとの意見の相違ですが、私ははつきりと記録にとどめておきます。

川島正次郎自由党

○川島委員長 ただいま文部大臣がお見えになりましたので、これから教育公務員の政治活動の制限等に関連した質疑を行います。質疑は通告順によりこれを許します。桜井奎夫君。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 私は教育公務員特例法の一部を改正する法律案の提案者である大逹文部大臣に対して質問をいたします。  この法律案は非常に重大な法律案でありまして、この法律の重大性にかんがみまして、私どもは当委員会として文部委員会との連合審査を申し出たわけでございますけれども、文部委員会の御都合によちまして連合審査が不可能でございました。従いまして提案者である大逹文部大臣に本委員会においで願いまして、この法律案についてお尋ねする次第でございます。この法律案はあとで私、個々にわたつて質問をいたしますけれども、非常に重大な問題を持つておる。すなわち人事院規則を適用します関係上、この法が成立しましたあかつきにおいて、この法の運用を誤りますならば、日本の教育公務員の中に、すなわち大逹大臣の所管される教育公務員の中に、いわゆる十万円以下の罰金、三年以下の懲役という刑事犯罪者を何千人、何万人出すというような不祥な事態も考えられるわけであります。従つてこの法律案は徹底的に論議をして質疑を十分尽さねばならぬと思うのであります。そういう趣旨で私は質問をいたしますので、大臣は非常にお忙しいかもしれませんけれども、誠意をもつてひとつ御答弁を願いたい。これを私は質問の先に大臣に御要望する次第でございますがよろしゆうございますか。  提案された教育公務員特例法の一部を改正する法律案は、本文一条、附則二項からなつておりますが、これは現行の教育公務員特例法の第二十一条の三を四として、その四のかわりに新たに三の項を起しまして、ここにありますように、「公立学校の教育公務員の政治的行為の制限等」といたしまして、その第二十一条の三項に次の言葉を加えてあるのであります。「公立学校の教育公務員の政治的行為の制限については、地方公務員法第三十六条の規定にかかわらず、国立学校の教育公務員の例による。」それから「2 前項の規定によりその例によるものとされる国家公務員法第百二条第一項に規定する政治的行為の制限に違反した者は、同法第百十条第一項の例によるものとする。」こういうふうになつているのが今回の法律案でございます。しからば国家公務員法の第百十条の第一項と申しますと、これは「左の各号の一に該当する者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。」ということになつておりまして、ここに二十の事例があげてあります。この二十の事例のうちの第十九号に、「第百二条第一項に規定する政治的行為の制限に違反した者」ということがうたつてあるのでございますが、この百二条一項の政治的行為というものは、国家公務員法によりますと「職員は、政党又は政治的目的のために、寄付金その他の利益を求め「若しくは受領し、又は何らの方法を以てするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除く外、人事院規則で定める政治的行為をしてはならない。」こういうことになつております。人事院規則の方を調べてみますと、人事院規則の十四—七に、政治的行為というものがはつきりと列挙されておるのであります。この人事院規則の十四—七の政治的目的の定義、ここに一から十七までの項目があるのでありますが、これがすなわち今度の法律案にいうところの政治的行為であるというふうに解釈いたしますが、この一から十七までの行為に違反したものは、先ほど申しました十万円以下の罰金、三年以下の懲役に処せられる、こういうことになろうと思うのでございますが、その通りでございますか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 その通りです。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 政治的行為というものが、ここに列挙されておる十七の項目について、これに違反した場合は、そのような刑事的な処罰を受けるのでございますから、従つてこの法律が施行せられるにあたつては、十分この点についての討議を尽さねばならないと思うのでございます。この一から十七までの行為、これはよほど法律の専門家でございますと、そのようなことがはつきりとわかるでございましようが、一般の人には、このような法律の出し方をされたのでは、一体どういうことをすれば罰則に当るのか、ただ国家公務員の例によるというふうになつておるから、国家公務員と同等の取扱いを受けるので大したことはないであろうというような観念しか持たれないのであります。しかしこの法律案を今のように分析して行きますと、これは非常に重大な問題であります。しかもこの国家公務員法の人事院規則の十四—七というのは、これが制定されるときに、いわゆる日本国憲法で保障された個人の基本的人権を侵害するものではないかと非常に論議の種になつたということは、大臣も御記憶のことと思うのでございますが、そのようなものを例によるというふうに、この法律案に列挙しないで、いきなりほかの全然別個な法律を持つて来て、その例によるというふうに準用してある。そこにこの法律案の非常に隱されたる悪意あるいは陰謀というようなにおいをわれわれはかがざるを得ない。従つて私はこの一から十七までのような行為をやつたら、いわゆる三年以下の懲役、十万円以下の罰金に処せられるか、それをはつきりするために、一応私は、恐縮ですが、この政治的行為を読み上げます。これはあとで具体的に一つずつ大臣に質問をいたしますが、一といたしまして、「政治的目的のために職名、職権又はその他の公私の影響力を利用すること。」これが禁止されております。二といたしまして、「政治的目的のために寄附金その他の利益を提供し又は提供せずその他政治的目的をもつなんらかの行為をなし又はなさないことに対する代償又は報酬として、任用、職務、給与その他職員の地位に関してなんらかの利益を得若しくは得ようと企て又は得させようとすることあるいは不利益を与え、与えようと企て又は与えようとおびやかすこと。」これを禁止されております。三といたしまして、「政治的目的をもつて、賦課金、寄附金、会費又はその他の金品を求め若しくは受領し又はなんらの方法をもつてするを問わずこれらの行為に関与すること。」これが禁止されておる。四、「政治的目的をもつて、前号に定める金品を国家公務員に与え又は支払うこと。」ここらに非常に問題がありますから、この四号は特に御注意を願いたい。五といたしまして、「政党その他の政治的団体の結成を企画し、結成に参与し若しくはこれらの行為を援助し又はそれらの団体の役員、政治的顧問その他これらと同様な役割をもつ構成員となること。」これを禁止しておる。六、「特定の政党その他の政治的団体の構成員となるように又はならないように勧誘運動をすること。七、「政党その他の政治的団体の機関紙たる新聞その他の刊行物を発行し、編集し、配布し又はこれらの行為を援助すること。」八、「政治的目的をもつて、第五項第一号に定める選挙、同項第二号に定める国民審査の投票又は同項第八号に定める解散若しくは解職の投票において、投票するように又はしないように勧誘運動をすること。」それから九といたしまして「政治的目的のために署名運動を企画し、主宰し又は指導しその他これに積極的に参与すること。」十、「政治的目的をもつて、多数の人の行進その他の示威運動を企画し、組織若しくは指導し又はこれらの行為を援助すること。」十一、「集会その他多数の人に接し得る場所で又は拡声器、ラジオその他の手段を利用して、公に政治的目的を有する意見を述べること。」こういうことが禁止されておる。十二、「政治的目的を有する文書又は図画を国の庁舎、施設等に掲示し又は掲示させその他政治的目的のために国の庁舎、施設、資材又は資金を利用し又は利用させること。」十三、「政治的目的を有する署名又は無署名の文書、図画、音盤又は形象を発行し、回覧に供し、掲示し若しくは配布し又は多数の人に対して朗読し若しくは聴取させ、あるいはこれらの用に供するために著作し又は編集すること。」十四、政治的目的を有する演劇を演出し若しくは主宰し又はこれらの行為を援助すること。」十五、「政治的目的をもつて、政治上の主義主張又は政党その他の政治的団体の表示に用いられる旗、腕章、記章、えり章、服飾その他これらに類するものを製作し又は配布すること。」十六、「政治的目的をもつて、勤務時間中において、前号に掲げるものを着用し又は表示すること。」最後に、十七、「なんらの名義又は形式をもつてするを問わず、前各号の禁止又は制限を免れる行為をすること。」この十七の項目が禁止されておるのであります。  そこで、先ほど申しましたように、この罰則というようなものは、それぞれ別個に規定されるべきものであるのが法の建前であると思うのであります。ところが、それを特例法によつて、教育公務員に対しましては、身分について根拠の法規があるにかかわりなく、国家公務員の規定の例によるというような適用をして来るということは、これは立法技術上まことに法の秩序を乱したというふうにしか解釈はできない。たとえばこの場合、具体的例をとりますと、同じ地方公務員であつても、教育公務員は、この十七のうちの一つに該当した場合、同じ地方公務員である中で教育公務員だけが先ほどの刑罰規定によつて刑を受けることになり、地方公務員は単なる行政処分しか受けないということになる。同じ地方公務員の中にこれだけの差別があるということは、これはあくまでも不公平であつて、立法技術上これははなはだしい暴挙といわざるを得ないと思うのでありますが、その点の大臣の御所見はいかがでありましようか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 この法律案は、教育公務員たる見地に立つて、地方公務員たると国家公務員たるとの間に、その政治的行為の制限の点について差別を設ける理由がない、かような見地から立案して提案をしたものであります。国家公務員の例によると書いたのは、つまりその趣旨でありまして、国家公務員たる教育公務員と、地方公務員たる教育公務員との間に区別する理由がない、従つて国家公務員と同様に取扱う、これが例によると書いた気持であります。国家公務員の例によるというような用例というものは、これは昔から幾らでもあるのです。これは何かことさらに内容を隱して、そうしてこれを軽く見せかけようというような陰謀であるとかなんとか言われたが、さようなことは毛頭ない。従来、かような用例は立法例中幾らでもあります。のみならず、これを並べて書くのと違う点は、もし、国家公務員に関係して政治的行為についての法律の改正もしくは人事院規則の改正があつた場合には、当然に地方公務員たる教育公務員もそれにスライドして行く、その点がつまり例によるという書き方から来る点でありまして、並べて書くのとはそこは実質的にも違うのでありますから、その点は誤解のないようにしていただきたいと思う。そうして、一般の地方公務員と区別して教育公務員について特にかような特例を設けるということは、ただいま申し上げたように、教育というものの特殊性から見て、国家公務員と地方公務員との間に区別する理由がないという見地によるものであります。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 教育の特殊性から見まして、国家公務員であるところの教育公務員と、地方公務員であるところの教育公務員とは何ら区別するところがない、従つてこれを一般の地方公務員と違つた教育公務員としてというところに重点を置いて取扱つた、こういう趣旨であると思うのでありますが、しかし国家公務員であるところの教育公務員は、申し上げるまでもなく大多数は—一部付属の中学とか高等学校とかいうものがございますけれども、それはほんの一部でございまして、国家公務員である教育公務員の大部分は、御承知の通り大学の教授あるいは大学に勤務するところの教育公務員であります。これは御承知の通りだと思います。この大学というのは大臣も御承知の通り、学校教育法の第五十二条によつて明らかに研究機関としての権能を認められておる。従いまして大学における教授その人の思想あるいは学問の研究と申しますか、こういつたものは、政治批判をいたしましても、ある点こういうもので保護されておる。しかし高等学校以下の学校は研究機関としての保障は何ら法の上にはございません。従いましてこれらの人たちがある政治的見解なり政治的意見というものを発表し、あるいは何らか公の場所においてそういうことをなした場合に、はなはだ一方的な権力的解釈が行われて、この法が適用されるというふうに考えられるのでありますが、その点の大臣の御所見を承りたい。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 これは罰則規定でありますから、行政庁が権力的な解釈をする余地はあり得ないのであります。これは裁判によつて判定せられるのであります。それから大学教授云々ということでありますが、大学教授でありましても、中小学校の先生でありましても、政治的行為の制限を受ける点においては両者の間に何らの区別はない。大学教授であるから特に寛大にしてあるということはないのであります。これは人事院規則をごらんになればきわめて明瞭なことであります。地方公務員たる教育公務員の中にももちろん大学の教授があります。今日府県立の大学というものが至るところにあるのでありまして、これは失礼でありますが、りくつにならぬと思います。すべて政治的な主張を申し述べたということが、ただちに人事院規則に抵触するものでありません。先ほど御丁寧に全部お読み上げになりましたように、それに該当せざる限りは、ただ政治的主張を述べたということによつて、懲役に処せられたり、罰金を科せられたり、こういうことはないのであります。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 そうすると私は今十七項を読み上げましたが、具体的にひとつその中の事例を出しまして大臣の御所見を伺いたいと思うのでありますが、たとえば先ほど読み上げましたが、六項の四号、この六項の四号はこういうことになつております。「政治的目的をもつて、前号に定める金品を国家公務員に与え又は支払うこと」でございますが、これは地方公務員たる教育公務員が、国家公務員に対して政治的目的をもつて金品を支払つては、これはこの法に触れるわけであります。しかし地方公務員たる教育公務員が、地方公務員に金品を与えまたは支払うことはかまわないということになります。法文の上からはつきりそうなると思うのでありますが、このの点の御解釈はいかがでございましよう。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 これは国家公務員に一与えまたは支払うということでございますから、地方公務員に与えまたは支払うということは入らないと思います。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 さしつかえないというわけですか。—わかりました。  続いて、今の第十二号です。これは先ほど読み上げましたが、この第十二号の場合、政治目的を有する文書、図画の類ですが、これを「国の庁舎、施設等に掲示し又は掲示させ」ること、これはいけない。しかしながら地方公務員たる教育公務員が地方の庁舎及び地方の施設等に掲示しまたは掲示させることは、これはかまわないというような解釈がつきますが、その点はいかがでございますか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 その通りであります。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 そういうふうにこの法を解釈して来ますと、これは私が今具体的な例をあげて大臣の回答を求めてはつきりしたのでありますが、これは解釈によつては非常な疑義がたくさんまだあるわけです。このような不備をあえてやろうとなさつたこと、これはやはり私どもはどうしてもすつきりしない。これはこの法案を出された政府みずからがいかに憲法を無視した法律であるということを自覚しておられるか、あるいは国民の目を欺瞞しようとしてこのような法律の体形をとつて来られたというふうにしかわれわれは判断がつかないのでございます。  さて、第四の質問に移ります。この法律は憲法と明らかに矛盾をしておる。これは国家公務員法のこの規則ができたときにおいて、先ほど申し上げました通り、これは非常に論議の中心になつたわけでありますが、特にこの憲法の第三章は、御承知の通り国民の権利義務の非常に重要な条項でございます。これは私一々読み上げませんが、この第十一条におきましては、国民の基本的人権で、「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。」ということを強くうたつております。それから引続いて第十四条には、「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」こういうことをはつきりと、国の最高法規であるところの憲法が保障しておるのであります。しかるところ、この法案はいわゆる教育公務員が全体の奉仕者であり、公共の福祉に反するというような理由のみをもつて、この教職員の政治的自由を大幅に制限せんとしておるのでありますが、先ほど申しました国家公務員法、地方公務員法によるこの政治的自由の制限、このことがすでにわれわれをして言わしめるならば、違憲立法の疑いが十分にあるのであります。しかしながら今度提出されましたこの法案はさらにそれを追い越しておる、いわゆる時間的にも空間的にも、いつやつても、あるいはどこでやつても—職場に限らない、自分のうちにおいてやつても、時間的、空間的制限に一切配慮を加えずに、そうして先ほど申し述べましたあの十七の規定により、大幅なる行為を制限して、そうしてそれに刑事的な、いわゆる十万円以下の罰金、三年以下の懲役という大きな犯罪の烙印を押すのでございますが、公務員がその職場において政治的行為をなすということ、これはあくまでも排除されねばならない、一旦その職場を離れて自由なる市民となつたときには、これは先ほど読み上げましたところの憲法が保障するところの基本的人権はあくまでもその人にある。これは侵すことのできないところの憲法が保障するところの人権であるというふうにわれわれは判断するのでございますが、諸外国においてこのように職場を離れた教育公務員にこれほど大幅な政治的行為の制限をしておる国があるかどうか。大臣はもし諸外国の例を御存じであるならばひとつお示しを願いたい。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 憲法に規定してあるいわゆる基本的人権、これは無制限に何をしてもいい、こういうものではないのであつて、そこにはおのずから公共の福祉という観念によつて限界がある。これは今日憲法解釈上の通念であると私は思つております。現行の諸法制もまたこの観点からできておると思つておるのであります。そこで公務員に対して個人的な政治行為の制限をするということは、これは今に始まつたことではございません。ただいま御指摘になりましたように国家公務員であると地方公務員であるとひとしくその制限を受けておりまして、その制限をすることが憲法違反であるかどうかという御意見は御意見として、これは少くとも現行法制の上では解決しておるものと私は思つております。なるほど国家公務員について人事院規則に非常に細密な規定が設けられて、厳に過ぎるのではないかという御意見はあると思うのであります。しかしこれはひとり一般公務員についてこの規定が適用されておるのみならず、裁判所の職員については最高裁判所においてやはりこれと同じ規定をもつて裁判所の職員の政治行為を制限してある。それから国会の事務職員についても、これもいわゆる議院運営委員会の意見を尊重して、両院議長協議の上でやはり同様な政治行為の制限がしてあるのであります。この人事院規則と同じものがやはり規定してある。いわば今日においてはこの内容についての議論はあり得ましようけれども、一応今日では公務員に対する政治行為の制限としては、これは既存の法律秩序であると私は思う。今日国家公務員たる教育公務員と地方公務員たる教育公務員との間に差別する理由はないという見地に立つ以上は、国家公務員並にするということは私は当然の帰結であると思う。でありますから、他日人事院規則が改正されるあるいは国家公務員についての政治行為の制限が緩和されるというようなことがあれば、これも当然ついて行くのであります。それが先ほど申し上げた例によるということからそういう規定にそれが含まれておるのであります。  諸外国の立法例云々のことでありますが、これは国によつていろいろ違うようであります。私どもでは教育公務員についての点しかわかりません。しかもこれは貧弱な資料でありますが、御指摘の通り、教育公務員に対してそういう強い制限をしておるところはほとんどない、大なり小なりありますけれども、ほとんどないようであります。これはそれぞれの国の法律というものは、その国情に即して規定せられるものであります。一応参考にはなりますが、外国の立法例にならわなければならぬとは思つていない。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 これは重大な発言でございます。先ほど二つの答弁があつたと思いますが、最初の点、これは国家公務員である先生と地方公務員である先生と教育という立場から一緒にした、こういうことを先ほどから申されておる。人事院規則が改まつて行けば、地方公務員に対する適用もこれは改まつて行く、こういうあなたの御見解だと思うのであります。これはやはり法の最終的責任を人事院規則に転稼しておる。人事院というのは国家公務員に対して、国家公務員がそのように違法なことをやつた場合には、各省の長が人事院にそういうことを申告するわけで、そこで人事院がこれを審査するわけです。ところが人事院は国家公務員に対しては不利益処分に対する審査をすることができる。それからベースの勧告をやる、こういうふうにある。で、人事院というものは国家公務員に対する保護といいますか、利益を守つておる。しかし人事院が地方公務員に対して何の保障をしておるか、そのような全然別個のものを、これを例によるといつてこつちにくつつけて来ておるところにこの法の欺瞞性があるということを、私は先ほどから申し上げておるのでありますが、これはあなたと見解が違うのだから夜まで論争しておつても尽きることがないと思いますが、明らかに大臣の考え方は便乗しております。人事院規則に便乗している。これははつきり地方公務員と国家公務員とは体系が違うのだ。あとの方でまた申しますけれども、地方自治法の精神ともこれは反して来る。  次に諸外国の例ですが、諸外国には、大臣の手元にある資料を見ましても、このような強い立法をしてあるところはない、こういうふうにおつしやいました。大体私の調べたところもその通りでございまして、私の見解と大臣の見解は、諸外国の例に関する限り完全に一致をいたしております。職場を離れた教師にこれほど強い政治的制限を加えている国は、文明国—これは首祭りをやるような野蛮国はどうかわかりませんけれども、私どもの知つておる文明開国といわれるところには、そういうところは今一国も見当らないのでございます。国の特殊性によつてこういうことをやらねばならぬと、大臣は今はつきり申されましたのですが、それでは日本の教師にはこれほど強い法的制限を加えるべき特殊の事情があるのでありますか、その点をお伺いいたします。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 私はこの政治行為の制限の規定いかんによつて文明国と野蛮国がきまるなんとは思いません。しかしただいまこれに便乗するというようなことをおつしやいましたが、便乗するのであります。便乗するという建前の法律であります。申し上げるまでもないところでありますが、教育、ことに義務教育というものは憲法にその基本があり、また教育基本法において規定されておる大切な国の仕事であります。その限りにおいては普通の地方公共団体の他の公務員がとつておる事務とはおのずからそこは違うのであります。ただ今日公立学校の先生というものは地方公務員ということになつております。これは給与の関係もあり、また任命の関係がそういう関係になつておりますから、それで地方公務員ということになつておるけれども、そのあずかつておるところの事務というものは大切なる国の仕事であります。であればこそ、この義務教育国庫負担法—これは地方の財政援助ではありません。当然国が負担すべきものとして負担をしておる。また教育基本法におきましても、国民全体に対して直接責任を持つて教育を行わなければならぬということも書いてあります。一口に言うと、普通の地方公務員の場合であれば、いわゆる全体に対する奉仕という考え方はその地域団体の全部の人々に対する奉仕だ、教育公務員の場合には国民全体に対しての奉仕、その点は国務と同じ内容を持つておる、そうして一般に公務員に対する政治行為の制限という趣旨は、その行為を制限することにより、その公務員の政治的な中立性を保障することによつて公務が適正に行われるということを担保しておりますから、これが国全体の仕事として考えられ、国全体の奉仕として適正に行われなければならぬということであれば、その意味において国家公務員たる教育公務員と、たまたま地方公務員は給与あるいは任命等の関係において身分は地方公務員ということになつておりますけれども、その仕事においては国家公務員たる教育職員と何ら異なるところはない、平たく言えば付属中学の先生も公立中学校の先生も同じことです。こういう見地からその公務の適正を保障するための政治行為の制限は、国家公務員たる教育公務員と同一にすべきものである、こういう見地からこの法律ができておるのであります。従つてこれが適当であるかということは、これは国会の御審議にまたなければなりません。私どもの考え方はさような見地からできておるのでありまして、これが全然りくつのない無理なことをしておるというふうに私どもは考えていない。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 大臣の考えは、あなたが地教委を育成されておる精神と逆になると思うのでありますが、給与とか任命、こういう関係で地方公務員になつている教員というのは、国民全体に奉仕するのだから、何ら国家公務員とかわりはない、こういうような御所見のようでございますが、そういう一面もなるほどあるでございましよう。しかしながらこの地方公務員たる教育公務員が、この身分を市町村に置いておりますが、これはどういうわけかと申しますと、そのような給与や身分の関係ではございません。それもあるでありましようが、一番大きなものは憲法によるところの地方分権の精神であります。地方自治法にもそれは明瞭にしてある。教育というものはもちろん国全体の問題でございますけれども、その地域住民の意思によつて決定されるということがはつきりしておる。これがいわゆる教育委員会というものが地方に置かれておる重大なる精神だと私は考える。従いましてその地域の教職員というものは、その地域住民に対しての奉仕者であり、同時にその地域住民に対する奉仕の義務と責任を持つておるというふうに私どもは考えるのでありますが、これを大臣のように国全体を一つにして統轄するということは、これは明らかに官僚統制といわざるを得ない。これらの地方のいわゆる奉仕者であるべき教育者を、一つの権力によつて統制しようという意図があなたの今の言論の中にはつきり出しておる。私はこれをはつきり指摘する。あなたは現在の地教委を非常に育成強化しおられる、これはわれわれといたしましても教育委員会というものを否定しているのではない。これは先ほど申しました憲法の地方分権の精神によつて設けられたのだ、教育はその地方の住民の意思を尊重して決定されなくてはならない、その地方住民の意思というものを無視した教育というものは成り立たない。これが日本の民主主義の基盤である、基礎である。そうしてあなたは現在の市町村における実情を無視して、市町村の教育委員会を育成強化せねばならぬという、その先頭に立つてこれを鼓舞激励しておるのはあなた自身じやないですか。その人がこのような政治的、一方的権力をもつて、これをみな国全体に統一して行くということは、明らかにあなたの理論の中に矛盾がある。この教育委員会の精神とあなたの今おつしやつた精神はどうも私は納得しかねる。もう少し説明していただきたい。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 私の申し上げることが矛盾があるというようにおつしやるが、どこが矛盾しておるか私にはよくわからぬのであります。なるほど教育というものは地方分権、地域民衆の意思を反映して運営される、これはその通りであります。現に教育委員会制度というものはその趣旨が基本になつておる。従つて教育の運営というものは地方分権という形で行われておる、これはおつしやる通りであります。それと教育というものの性質が地域の民衆に対する奉仕であるということと、国民全体に対する奉仕であるということと何も矛盾はしておらぬ、もし矛盾しておるとなれば基本法のどこにそれが書いてあるのですか、国民全体に直接責任を持つておる云々、これは矛盾をしてないからちやんと法律に書いてある。教育委員会法を見れば、その地域民衆の意思を反映して地方分権によつて行われるのだ、それで教育基本法には、国民全体に直接責任を持つて行われるのだ、両者の間に何も矛盾はないのです。矛盾があればこの基本法と教育委員会法というものは一体どう解釈されますか、私は何も矛盾しておらぬと思う。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 あなたのその考え方は考え方自身に非常な矛盾があるということは、今これを聞いておられる人はみんなわかつておるが、あなただけはわからないのです。だからこれは並行線ですよ。  それで先ほどのもう一つの事例、問題が二つにわかれているのですが、文明国の例です。どうして日本の教育公務員だけをこれほど強い制限を持つたところのものによつて自由を剥奪せねばならないのか、制限を課さねばならないのか、国の特殊性というふうにあなたはおつしやつておる、その点の御解明をいただきたい。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 これはただいま申し上げたように、現在国家公務員に対して課せられておる政治行為の制限、これはむろん国会の意思によつて国民の意思によつてそれが決定されておるのであります。しかのみならずこれはひとり行政関係、だけでなしに、ただいま申し上げるように、国会の方面においても、また裁判所の方においても、やはり同様のわくをはめてある。いわば国家公務員の政治行為の制限についてはこれは既存の法律秩序であります。私は教育公務員というものは国家公務員と同じようなことにすべきであり、その間に差別を設ける理由がないということを申し上げた。従つてその既存の秩序であるところの国家公務員と同じ政治制限を受ける、こういうことを言つておるのです。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 先ほど申しました本法案の二十一条の三項によりまして、教育公務員は実に教育公務員なるがゆえに、一般市民では全然問題にならないところの幾多のものが問題になつて、十七の項目全部適用するわけですから、一般の市民ならこれは何も問題にならない、しかし教育公務員、いわゆる先生といわれるばかりに、このような強い制限を受けて、それが捜査、逮捕、勾留、監禁というような対象になるわけでございます。もしその十七の項目を犯したという疑いがある場合は、ひるがえつてそれはだれがやるかということになりますと、この法が成立しますと、日本の刑事訴訟法の第一項によりますと、こういうことが書いてある「何人でも、犯罪があると思料するときは、告発することができる。」ということになつております。それから同じく二百三十九条の第二項によりますと、「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」ということになつておる。しからば先ほどあの十七項目にわたるところの厖大な政治的制限を人事院規則ははつきり課しておるわけでありますが、その場合その十七の項目の解釈というものは、だれがやるかというと、これは一方的に、権力機関であるところの警察と申しますか、こういうものがやる。そうして警察官がこれを先発するということになれば、だれが一体安心して教育ができますか。教師は常に戦々きようきようとしていなければならぬ。先ほど私が十七の項目を読み上げたのも、いかにあの制限規定が苛酷なものであるか、こういうことを一人でも多くの人に知つてもらうために、私はわざわざ時間を費して、大きな声をあげて読んだ。あの項目に触れないようにするためには、口を緘し、それこそ見ざる、言わざる、聞かざる、このような態度をとつておるよりほかにしかたがない。それではたして日本の教育が完全にすくすくと伸びるというふうに大臣は考えておられるのかどうか。これは私をもつて言わしむれば、当然官憲が神聖なる教育の場に入り込んで来る危険性が多分にある。日本の教育はこのために破壊されるというふうに考えても過言ではないと思うが、大臣の所見をお伺いしたい。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 先ほどお読み上げになりました刑事訴訟法の規定はこれはすべての刑罰法令に通ずる通則であります。でありますから、罰則をもつて規定されれば、これはこの場合に限らず、すべての場合にそれの適用があることは当然であります。その規定があるから、警察官が常に家庭に入るかもしれぬ。教室に入る。これはむろん個人的行為の制限であります。これは教育そのもののことを言つておるわけじやない。  (櫻井委員「先生を容疑者とした場合……」と呼ぶ)先生を容疑者とすれば、その先生の家へ行くことがあるかもしれぬし、どういう方法で調べることがあるかもしれぬ。これは当然のことです。これはすべての犯罪の場合に通ずることである。何もこの場合だけに限つたことではない。しかしあなたが今言われたのは見ざる、言わざる、聞かざるで、何も言わずにおるより仕方がない、この点は重大であります。もしこの法律ができるために、先生が何も物を言えなくなるということであれば、これは重大だと思う。そういうように、何も言えなくなるということを言いふらす人が、このごろ非常に多い。これは今お読み上げになりましたから、あなたはよく御存じのことでありますが、その人事院規則をよくごらんになれば、決して何も言えなくなるということは、どこからも出て来ない。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 それでは何も言えなくなることはないとおつしやいますから、具体的に小さい項目に入ります。人事院規則の一四—七、この関連において質問を続行いたします。あるいはこれらの点については、御迷惑でも浅井人事院総裁の見解を尋ねるかもしれませんから、どうぞよろしくお願いいたします。文部大臣だけの解釈では安心できない。刑事局長さんは見えておりますか。

川島正次郎自由党

○川島委員長 あとで来られます。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 人事院規則の一四—七の五、政治的目的の定義、五項の関係についてお伺いをいたしますが、政治的目的の定義をここに書いてあります。これは読み上げる必要はないと思いますが、この場合の政治的目的の有無の判定はどのようにして行うのであるか。行為によつて客観的に見るのであるか、本人の意思によつて判定するのであるか、この政治的目的の有無の判定をまず大臣からお伺いいたしたい。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 これは「目的をもつて」という、つまり目的を要件としておるのでありますから、むろん本人の意思の問題であります。但し本人がさように目的を持つておつたかどうか、これはそれぞれの場合において立証せらるべきものであります。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 本人の意思でございますね。—しからば本人の意思の確認はだれがするのでありましようか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 これは私から申し上げるのはどうかと思いますが、浅井さんからお答えがあるべきだと思いますが、私はこれは裁判官が証拠によつて認定をするものであると思います。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 人事院総裁の解釈もその通りでございましようか。念のためにお伺いします。

浅井清人事院総裁

○浅井政府委員 この政治活動の制限の規則一四—七におきまして、政治目的を政治行為に常に結びつけておるのであります。これは政治的目的と政治的行為と結びついて初めて違反となるという原則を確立いたしまして、決してその無用の範囲を拡大しないようになつておるのでありますが、ただこの政治的目的を行為に結びつけます際に、三つ違つた表現を用いておるのであります。その一は政治的目的のためにというもの、それからその二は政治的目的をもつてと書いてあるもの、それからその三は政治的目的を有するというもの、大体この三つを用いておるのであります。そこで政治的目的をもつてとか、政治的目的のためにとかいうときは、あくまでもこの意思の所在を本人の意思に求める方法をとつて判定すべきものという解釈を、人事院としてはとつております。それから政治的目的を有するという場合は、これはたとえば文書、図画等に結びつく場合でありまして、それは政治的目的があるかどうかは、その文書、図画自体に対する客観的判断をもつてやるのであり、かつそれをもつて足る、こういう場合にこれを使つてあるのでありまして、これは今日までの運営におきましても、ちやんとまとまつておりまして、決して濫用のないようにいたしておるつもりであります。それからその次の件につきましては、それは違反行為があれば裁判所が判定いたしますで、ございましようし、行政処分をするというのでございますれば、任命権者がいたしますでございましようし、それは今文部大臣が答えられたと同じことでございます。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 それでは同じく5項のうちの政治的目的でございますか、たまたま自分の持つておる意見の一部が特定の政党の何と申しますか、綱領と申しますか、政党の掲げておるものの一部に一致しておる場合、その人はその政党を支持しておることになるのでございましようかどうか、この点浅井人事院総裁にお伺いいたします。

浅井清人事院総裁

○浅井政府委員 ちよつとただいまの御尋ねが非常に抽象的でありますので、その点ただちにそれに向つて直接お答えをするのはいかがかと思いますが、自分の持つておる主義綱領が、ある政党または政治的団体の主義綱領に一致しておる、それだけでどうしてこの規則にひつかかるか、私としてはそれはわからないのであります。この規則は、ある特定の政治的目的をもつて特定の政治的行為をやる、この行為と目的とが結びついて来なければいけないのでありまして、たまたま櫻井さんの持つておられる主義が、たとえばある政党の主義に一致しておるというだけではまつたくこの規則とは無関係と思つております。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 わがりました。それは大臣の解釈もそうですか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 その通りです。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 今の同じく三号、四号に関してですが、「特定の政党その他の政治的団体を支持し又はこれに反対すること。」「特定の内閣を支持し又はこれに反対すること。」こういうことでございます。それで教職員といたしまして、いろいろ社会科なんか非常に広汎な問題を取扱うわけでございますから、生徒に対して政治的良識というものは教育基本法によつて与えなければならぬことでしよう。そういうものを自己の意見として述べる機会が、普通の人より非常に多いわけです。そういうことは大臣、御承知だろうと思いますが、そのような場合に、一体特定の内閣を支持したり反対してはいけない、特定の政党の政策を支持したり反対してはいけないということになりますと、教員というものは、絶えず自由党はこういう政策を掲げて、こういう主義を持つている、自由党はこうだ、改進党はこうだ、社会党はこうだということを大体は知つていなければならぬ。その先生がたまたまそういうことを言つた場合に、やはり特定の政党を支持しているとかなんとかいうような疑いを受ける危険性があるわけです。しからば文部大臣としては、そのようないろいろな政党の主義とか主張とか、そういうものを全国の四十万、五十万いる教職員にどのような方法で一体認知し徹底させられるつもりでございますか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 ただいま浅井総裁が言われましたように、特定の政党を支持しまたは反対する、これがすぐどこかの法律にひつかかるかというと、そういうことはない。そういうことを目的としてあるんじやない。次に掲げてあるような、政治行為をする目的をもつて、その特定の行為と結びつく場合に、初めてこの人事院規則が問題になる。でありますから、今仰せられたように、特定の内閣を支持するとか反対するとかいうことを言つたからといつて—教育の問題は別ですよ。そう言つたからといつて、この政治的行為の制限にかかるものではないということは、先ほど浅井総裁がはつきりおつしやつた。その通りです。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 この十七の行為に出て来なければ、処罰の規定に当らないというわけですね。  それでは六項の方に入りますが、学校の教員が学校の職務を離れまして、平たい言葉で申しますと、うちに帰つて来てから、学校教育としてではなく、隣人あるいは同僚として生徒の父兄なり、あるいは青年団、あるいは同窓生、そういうようなものに対していろいろなことを話す場合、それはいわゆる公私の影響力を利用するというようなことになるのでございましようか。第一号でございます。やはり政治的見解というものを持つわけでありますから、それを隣人なり同僚というような立場において、教育の場を離れてそういう話合いをした場合に、これは公私の影響力を持つというふうに解釈されるかどうか、お伺いいたします。

浅井清人事院総裁

○浅井政府委員 これは私の方から先にお答えをしておくのがいいように思いますが、たとえば学校の教員が、自分の教えている学生あるいは父兄に対するものは、これはやはり公私の影響力の中に入ると思うのであります。入りますけれども、それは政治的行為の一つにすぎないのでありまして、政治的目的が欠けておれば、それは何らこの規則にかかつて来ないのです。そこでこの規則の解釈についてくれぐれも申し上げておきたいことは、この規則は常に政治的目的と政治行為と結びつけて初めて罰せられるようになつているこれは決して濫用されないようになつている。これは決して弁解でも何でもなく、人事院がこれで運営して来たのが厳正にそういうふうにやつているということなんであります。ちよつとこれは言葉が多過ぎるかもしれませんが、御承知のごとく、一体法律というものは、だれでもひつかかるようでしたら、これは非常な悪法でございますし、だれもひつかからぬようでしたら、これは無用の法で、ございまして、従来見ますと、普通のやり方であれば、学校の先生であろうと、一般公務員であろうと、こういう規則などは忘れているくらいのものなんです。ちようど健康の人が胃袋の存在を忘れているのと同じなんでございます。但し悪質のものは必ずひつかかつているのであります。相当高級の官吏で起訴せれているものも現にあるくらいなものでございますから、私どもとしては、普通のあり方でございますれば、決して御懸念のようなことはないと考えております。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 大体総裁の見解はわかりました。  それでは具体的な例をあげた方が一番はつきりすると思いますから、具体的例をあげるわけですが、たとえばある政党に属している代議士が、何か学校に対する寄付金とかいうような場合に、その人に対して校長なり教官がそういう寄付金をもらうとかなんとかいうことに深くタッチする場合があるわけです。そのような場合には、第三号に「政治的目的をもつて、賦課金、寄附金、」とありますが、これに抵触するようなことになりませんか、その点はどうですか、大臣の見解を伺いたい。

浅井清人事院総裁

○浅井政府委員 お答え申し上げますが、それはもう少し詳しく仰せになりませんと、こちらのお答えがちよつと危険であります。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 第三号は「政治的目的をもつて、賦課金、寄附金、会費又はその他の金品を求め若しくは受領し又はなんらの方法をもつてするを問わずこれらの行為に関与すること。」こうなつているわけです。それである政党に属している有力な代議士が、地方に行けばそういうことはしばしば起るわけですが、学校にピアノを寄付するとか—それは政治的目的を持たずにピアノを寄付する—表面はそうですけれども、これははつきり次の選挙運動に対する寄付なんです。そういう場合に、これは何もそれに該当しないもの、こういうことを言つているのです。校長や教官がその寄付行為にいろいろ折衝し、タッチするわけですね。深入りしている。そういう場合です。

浅井清人事院総裁

○浅井政府委員 ただいま御指摘のところは、職員が政治的目的をもつて、とお読みくださるようにお願いしたい。つまりその主体になつているものは、常に一般職に属する公務員なんでございます。もつとも例によれば地方公務員も一緒になつております。でありますから、代議士が寄付されたつてそれは問題にならないのであつて、主体となつているところのものは、一般職に属する職員が政治的目的をもつてということでありますが、さてしからば一般職についているものが代議士なら代議士から寄付金をもらつたということになりますならば、その場合に、政治的目的がもらう方になければ、これにひつかかつて来ないということなんであります。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 そのような解釈を聞くとますますこんがらがつ来るのですが、われわれがこういう非常に批判的な立場に立つて、専門的にこういう法文を研究しておつても、こうして聞かなくてはならぬ。これを一般の教職員であれば、こういう法律が出れば手も足も出ないと言つたのはそこにあるのです。こうやつたらひつかかりはしないか。ああやつたらひつかかりはしないかで絶えず危惧を持つ。罰則規定、刑罰というものがそれに伴つておる。幾らもまだたくさんここにあるのです。根本的に、こういう法律を出されれば手も足も出ないと言つたのはそこにある。人事院総裁の解釈を聞けばわかる。一々自分のやる行為を警察に行つて、こうやつたら該当しないかと言つて聞きに行くばかはない。この法律が出たために非常に萎縮するということは火を見るよりも明らかでございます。たとえば前進座というようなのがよく地方にまわつて来ます。前進座は大達さんに言わせれば共産党の出店であるというように解釈なさつているでしようが、これは演劇としても非常にりつぱなものであるために、ああいうものを見に行く人はたくさんあるわけです。ただ見に行くのはいいけれども、切符をたとえば十枚なり二十枚なり売つてくれというようなことを先生方が頼まれたとしますと、これは十四号にひつかかりますか。政治的目的を有する演劇を演出し、主宰し、またこれらの行為を援助したということになるので、ございましようか、どうでしようか。こういう具体的例は、前進座の地方巡業などにあたつては、ひんひんとして起きて来ます。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 私は前進座の芝居というものを見たことはありませんが、これが政治的目的を有する演劇であるかどうかということが先決問題でしよう。

浅井清人事院総裁

○浅井政府委員 私から補足いたしますが、ただいま御指摘の切符を引受けて配るというのは、確かにこの援助の中に入ります。ただ問題は、今文部大臣が言われたように前進座そのものが政治的目的をもつている演劇であるかどうかにかかつていると思つております。具体的にどうかということは私はわかりません。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 だからこれは問題だと言うのですよ。たとえば私の党でも今「最後の女達」という映画をつくつております。これは社会党の映画です。これはやはり戦争反対の映画なんですよ。これを左派が唱えておる再軍備反対に連なつておる一つの政治的目的というふうに解釈されれば、ただ映画そのものがいいために見に行こうというので切符を売つたような人が、この映画は社会党の文化部でつくつておつて明らかに政治的目的を持つている映画であるから、こういうのを見に行つた者、及びその切符を売つた者はすべてこれにひつかかるというので十万円”下の罰金、三年以下の懲役というようになるのですか。この点はどうですか。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 政治目的というのは、常識的に考えて、政治的目的ということではないのです。これは人事院規則に政治的目的とはこういうものをいうのだということが限定してある、でありますから、今あなたの方の党でつくつておられる映画が、人事院規則の五項に政治的目的としてここに書き並べてあります一から五までのいずれかに相当する目的を持つ映画であれば、それを援助するということは、この人事院規則に抵触するものと思います。

池田禎治日本社会党(右)

○池田(禎)委員 今聞いておるうちに、私、ちよつと文部大臣あるいは浅井総裁にただしてみたいと思うことができたのですが、政治的目的云々ということを、あなたは先ほどからみだりに濫用するものにあらずとおつしやつておる。私どもはそういう顕著な事例を日本国内で何千、何万、何十万と持つておる。たとえば戦争前いろんな刑罰の中に行政執行法、治安維持法、これらのものは、法文上からいつたら適用してはならないものといえども、適用した例がたくさんある。行政執行法一つ見ても、おまわりさんが道を通うておる人を見て、治安を害するおそれがありと見れば、これを検束し、収監することができた。その治安を害するおそれとはいかなるものをさしていうのか。保護検束するものといえども、かつてにこれを適用した例は枚挙にいとまがない。あなたが内務省出身だからというので、あなたに皮肉を言うわけではない。それはどこにあるかというと、公正なる警察でなければならないということは言うまでもないが、今あなたたちの常識をもつてすれば、妥当なりとするものといえども、取締りの任に当る人の思想なり、その見解によつて、こういうものが濫用されるということになると、今私の申したような心配があると思うのですが、その点についてあなたはどう思つておられるか。このことの基本的なものについては、あらためて私の分担の時間において申し上げますが、その点非常に気がかりになりますので、ちよつと大臣の御所見を伺いたい。

大達茂雄自由党文部大臣

○大達国務大臣 すべて法律について、特に刑罰を伴う法律の濫用されるということのいけないことは申し上げるまでもありません。私は人事院規則が非常に権力的にゆがめられて濫用されておるということは、かつて聞いたことがありません。人事院規則の線に持つて行こうというのでありますから、この法律案が何か濫用されることを期待をしなくても、そういう危険があることを承知しながら、この法律案を提案した、教育職員に対して不当の弾圧を加えるのであるという非難は当らないと思う。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 大分あとがつかえておるようですから、ひと先ず私の質問を終ります。

川島正次郎自由党

○川島委員長 暫時休憩をいたします。     午後零時二十分休憩      ————◇—————     〔休憩後は開会に至らなかつた〕

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