P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
19回国会衆議院1954/03/10

人事委員会 第3号

発言数
126
登壇者
12
会派数
4
開催日
1954/03/10

会議録

川島正次郎自由党

○川島委員長 これより人事委員会を開会いたします。  この際お諮りいたします。理事加賀田進君より理事を辞任したいとの申出がありますので、これを許可いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川島正次郎自由党

○川島委員長 御異議なければ、辞任を許可いたします。  次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。当委員会の理事は二名欠員となつておりますので、この際補欠選任をいたしたいと存じます。これは先例により、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川島正次郎自由党

○川島委員長 御異議なければ、委員長において、櫻井奎夫君、池田清志君を理事に指名いたします。     —————————————

川島正次郎自由党

○川島委員長 この際内閣におきまして、人事院の給与担当の国務大臣が決定いたしまして、加藤国務大臣が御出席になつておりますので、加藤国務大臣からごあいさつがございます。加藤国務大臣。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○加藤国務大臣 私今回人事院の給与担当を命ぜられたのでありまするが、何分しろうとでございますから、万事よろしく御支援のほどをお願いいたします。まことに簡単でありますが、これをもつてごあいさつにかえます。     —————————————

川島正次郎自由党

○川島委員長 次に、特定の公務員の営利企業等への関与の制限に関する法律案を議題とし、質疑を行います。石山君。

石山權作日本社会党(左)

○石山委員 条文のことはあとに譲りまして、一般的な問題を三つ四つお聞きしたいと思います。  われわれの一般の観念からするならば、普通の職業あるいは企業は、この国の習慣あるいはこの国の法律によつて、大体においては自由であるべしというように考えられております。但し一般の良識あるいは習慣に非常に何か不都合があるというふうな場合には、取締りの法律もあるようでございますが、普通われわれが上層部というふうに考えておるこの国の指導階級と考えられているような分野の特定職の方々に、この法律をばあえて適用しなければならないという特別な理由、あるいはこの法律を出さなければならなかつたような直接な動機というふうなものがあつて取急いで出されたかどうか。それとも前々からの御研究によつて、この法律はこの国の習慣上必要と考えられて提出ざれたのかどうかという点をひとつお伺いしたいと思います。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 両方の意味が含まれているのでありまして、前からこういう問題については、むしろ国務大臣になられた方、あるいはその他国家の重要な公務につかれる方は当然私企業というようなものからはのくべきものだという原則的な考えが一つでありまするが、もう一つは、大臣に就任せられた方などは、むろん法の精神からいたしましても、公務員そのものの精神からいたしましても、おそらくそういうことはないと思つておりましたところが、今度いろいろ国会に汚職事件などが出て参りまして、たとえば小笠原大蔵大臣のごときは、問題が起つてから急遽造船会社の取締役をやめるという事態も出て参りましたし、大野国務大臣などもごく最近まである汽船会社の取締役でありまするか、代表者であるかにやはりなつておつた例もあります。こういうような現実の事態を見ますると、これは法律を定めておかなければ、おそらく今後もそういう問題が起つて来る危険があると思われるのでありまして、国務大臣ばかりでなく、大使、公使のごときも今後財界人が採用されるという場合も出て参ると思いますので、これは二つの意味で、どうしてもこの法律は御審議の上に通していただくことが最も適切だと思つているのであります。

石山權作日本社会党(左)

○石山委員 こういうふうな個人の、いわば自由なる企業、自由なる職業をば一定のわくに縛るというふうな法律が適用された場合、その個人の得ている利益がそこなわれる面が多々出て来ると思います。それをばどういうかつこうで保護しなければならないかということは、たいへん問題だと思うのでありますが、これに規定されますと、たとえば報酬が一定されるということも考えられます。そうしますと、たとえば国務大臣その他の特定職の者が今まで係累のあつた事業あるいは職業を振り捨てている場合、その人の立場をば守つてやるというふうな考え方がどこかになければならないが、そういう点が深く配慮されてこの法律が出されているかどうか。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 お説の通りに、職業の選択の自由というものは憲法に規定をされておるのでありますから、むやみと国民の職業に対する選択権を制限するというようなところまで入りまするならば、これは憲法の規定にも抵触するという心配がありますので、今度提案をいたしましたものは、一般的な国民の職業の選択の自由を制限するというような点には何ら触れておらないのであります。むしろ憲法第十五条にありまする「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」こういう公務員の職務の純粋性というようなものを確保したいという意味でありまして、そういう点からは、公務員という特殊な地位にある者だけを制限いたしたのでありまして、今度提案をいたしましたものは、国家公務員法に漏れております特別職だけでありまして、一般の国家公務員は現在すでに兼職の禁止を受けておるのであります。しかるに同じ公務員でありながら、特別職の者だけが除外をされておるというところに、いろいろそれは理由もあるでありましようけれども、むしろ例外であります。そうしますと、この例外になつておりましたものを今回拾い上げまして、制限の対象にいたしたのであります。そういう兼職を禁止することによつて、その人の生活の問題というようなものも確かに考えなければならぬことだと思つておりますけれども、国家公務員の最高の地位にある方だけを今度対象にいたしたのでありまして、内閣総理大臣その他国務大臣あるいは法制局長官とか、官房長官とか、あるいは大使とか公使とか、相当に高給を国家から得ておられる方であります。これらの諸君は兼職を禁ぜられましても、個人生活の上において支障があるとは考えられませんので、そういう点につきましては、少しも憂うることはないと確信をいたしております。

石山權作日本社会党(左)

○石山委員 ではこの法律に盛られていない各種委員会に対しての提案者の御意見を承りたいのでございますが、各種委員会には相当利害関係のある、しかも相当の権限を付与されている委員会が数多くございます。それらに対しての規定も——これはもちろん年限の関係もございますけれども、規定も一応なければ何か片手落ちのような点も見受けられるのでありますが、その点の研究はいかがなさつておるか。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 御指摘になられました確かに公職の委員会が政府の直属のものあるいは外局などにたくさんあります。しかし私が調べたところによりますと、いずれも禁止規定がございます。国家公安委員会、公正取引委員会、土地調整委員会、文化財保護委員会、おもなる委員会はわれわれの調査をいたしたものではこういうものがございますが、これらはすべてそちらの方の規定で全部兼職禁止になつております。

石山權作日本社会党(左)

○石山委員 法の出された動機あるいは現実の問題等を考えますと、最高指導部の立場にあるような特定職の方でもやはり一種の規制が必要であるような現存の日本の状態でございますが、それにつきまして法の精神をいささか緩和されると思われる第四条の後半の問題でございます。これは何を予想されまして「内閣の承認を得た場合は、この限りでない。」というふうな条項を加えられたのか、この考え方を一応御説明願いたいとともに、もし事例がありましたならば、こういう条件をつけなければならぬというような事例を二、三御指示を願いたいと思います。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 第四条にありまするものは、営利企業以外の事業を行う問題であります。これは財団法人のようなものがこれに該当するのでありまして、たとえば交通公社のようなもの、それから相撲協会、競馬協会、こういうようなものは実際は営利企業以外の事業を行う団体だそうであります。交通公社や相撲協会などは、われわれから見ますとどうも営利を目的とする企業のように思うのでありますが、これは財団法人として届け出られております。あるいは赤十字、済生会というようなものも、公益法人としているのであります。そうしますと、赤十字とか済生会のようなものでありますと、内閣の承認があれば、これは役員になつてもさしつかえがない場合もあると思うのであります。どうも相撲協会や交通公社、競馬協会まで行くとこれは疑問でありますけれども、まず赤十字や済生会程度でありますならば、内閣の承認があればいいのじやないか、こういう意味であります。

石山權作日本社会党(左)

○石山委員 私は動機その他内容についての質問は一応これで終りたいのでございますけれども、ただ私は国民を指導するような立場にある方々を法律的に規制するのがはたして日本の将来のためになるか、現われた現実を一応われわれは危惧の念を持つて見ているのでございますけれども、これが長い間の日本の道徳あるいは習慣に対して、法律によつて規定するのがはたしてよろしいかどうかということは大きな疑問だと思う。それからもう一つは、この法律によつていささかなりとも自由なる見解が狭められて来るという点がやはり大事なことだと私は思います。これはもちろん報酬その他においてはいささかも懸念がないとは言つておりますけれども、心理的な圧迫、あるいはその人の日常における行動等が著しく圧迫を受けると思われる法律なのでございまして、これらは今後相当研究を要するのではないか。特に四条の点に関しましては、いささかこの法とは背馳するような点も見受けられますので、もう少し深く掘り下げまして、他の委員会との関係その他もにらみ合しまして、再度の御質問をいたしたいと思いますが、今日はこの程度でとどめておきます。

川島正次郎自由党

○川島委員長 永田亮一君。

永田亮一自由党

○永田(亮)委員 ちよつとお伺いします。この法律の前提になる問題かと思うのですが、第三条には、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問なんかになつちやいかぬ、それから自分から営利企業を営んではいけない、こういうことがうたわれてありますが、こういう禁止をする前提として、これらの特定の公務員というものが現在ほかの収入がなくて十分生計を営むことができるかどうか、それだけの十分の報酬が出ているかどうかということについてどういうふうにお考えになつておるか、その点まず伺いたいと思います。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 兼職を禁止した場合に、内閣総理大臣あるいは国務大臣の収入あるいはその他の公務員の収入の問題でありまするけれども、兼職を禁止いたしまして、現在のもので十分だとは必ずしも言えない議論も出ると存じます。しかし私はこの立案の趣旨といたしまして、こうした日本の最高の公務員になられまする方は、ある点までは満足を得られなくても——財政的に困難な日本の政治を表面に立つてやつて行こうとせられるのでありますから、必ずしもそれで十分だとは言えないかもしれませんが、これはある点まではがまんをしてもらわなければならぬのが日本の現実の状態と思つております。必ずしも兼職を禁止してこの収入だけで十分とは言えないかもしれないのでありますが、御説の点につきましては、われわれも多少そういう点は考えるのでありますけれども、これはその地位にある人がみずから先頭に立つて耐乏に手本を示してもらうということが必要だ、かように考えます。

永田亮一自由党

○永田(亮)委員 報酬が十分であるかないかということは、その人々によつて違うかもしれませんし、考え方にもよるかと思いますので、深くは追究いたしませんが、この法案をつくつたのはやはりこのごろいろいろ起きおるような汚職なんというものをなくするということが目的の大きなものだろうと思うのであります。しかしそういう点から考えてみますると、ほかの営利企業なりほかの仕事をしてはいかぬということをきめた場合に、しかもその人の日常生活に十分な報酬でないというならば、どこからかその収入の道を考えなければならない、という人が出て来ると思うのです。この法案の目的が汚職などをなくするということにあるのに、かえつてそれが逆さまの結果になつて今までははつきりして会社などからもらつておつたものが、今度は隠れて金をつくつて来るというようなことが心配になるのであります。この点について何かお考えがあつたらお聞きしたいと思います。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 動機は、汚職事件がたくさんありましたので、それも一つの動機ではありましたけれども、この法律を出さなければならぬと思いましたほんとうの趣旨は、憲法十五条の公務員は全体の奉仕者であるという職務の純粋性を確保するという趣旨なのであります。お尋ねの兼職禁止をいたした場合には、他の方面から必要な金をつくつて来る、むしろ無理をするというような場合が出て来るのではないかということでありますが、この提案につきまして参議院の方でも呼ばれているいう御質問を受けたのでありますけれども、参議院の方の御意見は永田さんの御意見とまつたく反対でありまして、今でも大臣で兼職している人があるのですか、という御質問もあつて、それはもう当然やめなければならぬものだと思つているが、またそういう必要があるかどうかということを考えるということでありまして、むしろこの法律を出さぬでも大臣などはやめるのがあたりまえであつて、そんなやめないなんという例がありますかというような御質問がありました。私もむしろこんな法律は将来必要がなくなることがけつこうなんで、進んでやめるのがあたりまえだというふうに答えておつたのでありますが、ただいま永田さんのお話のように、確かに大臣にでもなられます方は、いろいろの方面に関係することが大きいので、費用も相当かかることもわかるのでありますけれども、しかしこれはいつまででも兼職を禁止しているわけでも何でもないのでありまして、ただ大臣なら大臣に就職しております期間だけをいけないというのでありますからして、その辺のところは、私はいやしくも国家最高の地位につかれる公務員になる方は、兼職を禁止されて困るということはおそらくないだろうと考えているのであります。

永田亮一自由党

○永田(亮)委員 大臣とおつしやいましたが、大臣ばかりではない、ここにいろいろ書いてありますが、私は政務次官なんかのことも問題にしたいと思うのであります。今申しましたように、たとえば政務次官がはつきりとある会社の役員をしている、ある営利事業を営んでいるということがわかりますと、これはかえつて隠れて汚職をするということがないのではないかと思うのであります。これを法律ではつきり禁止してしまうと、今言つたように今までは陽性であつたのが陰性になつてしまう、悪質になる、こう思うのであります。たとえばある会社の顧問をやつておつて、今までははつきりバランスシートで報酬としてもらつておつたのが、それを法律で禁止してしまう、その場合に、たとえば営業費か何かで落してしまつて、これと同じ額をもらうというようなことが起きて来ると思うのであります。そうすれば、報酬としてもらえば税金もはつきりかかるわけでありますし、公明正大にやつて行けると思うのでありますが、やみからやみに金が渡るというようなことになるとすれば、税金なんかもとれないし、私はこういう法律をつくつたためにかえつて問題が悪化するおそれがあると思うのでありますが、いかがでしよう。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 今政務次官のことを例にとられましたけれども、私の考えはむしろ逆でありまして、政務次官にでも就任せられようという方でありますならば、むしろ兼職をおやめになつて政務次官に就任をしてもらいたいぐらいであります。     〔委員長退席、赤城委員長代理着席〕 そのために非常に生活に支障があるという方は政務次官を勇退せられて、他の方にお譲りになつていただく方がいいと思うのでありまして、むしろ私は公務員の純粋性という意味からは、あまりごたごた兼職をしておられることは、どうも憲法の精神からいつてもよろしくないように思うのでありまして、もし兼職を振り切れないという御事情の方は、多数の議員の中から選ばれる政務次官でありますから、それはもう御辞退なさつて一向さしつかえないのでありまして、やめることの苦しい方はどうぞおやめになるような習慣をつけていただいた方が、公務員の純粋性を守れる、かように思うのであります。

永田亮一自由党

○永田(亮)委員 昔はほかに職業を持つておらないような議員は、いわゆる職業議員だと言われて、むしろ軽蔑されておつたのであります。つまりほかに収入の道がないから、議員というものを食いものにして、その地位を利用して何か悪いことをやる、こういうようなおそれがあつたかと思うのであります。もし政務次官なり何なりが、ほかに職業があれば、たとい金がいつても、何もあくせくしてその地位を利用して何かするという必要がない。自分の営業を営んでおつて十分に収入があるから、政務次官の地位を利用して何か悪いことをしようというような気持は起つて来ないと思うのであります。(「歳費をもらつているじやないか。」と呼ぶ者あり)その歳費で十分にまかなわれておるかどうかということが問題なんです。それでその前提になることは、一番初めに申し上げましたように、大臣なり政務次官というものの今与えられておる報酬が、自分の生活を支持するだけの十分なものをもらつておるかどうかということが問題なんでありまして、もしその人たちがそれで十分に生活ができないという場合には、むしろ自分で何か仕事をやつておるということの方が、安全弁になると私は考えるのであります。この点について……。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 もし給与が少いということでありまするならば、これは上げることに別に反対をいたしておるわけではありませんから、体面を保ち得るだけの給与を受けるということは、原則だと思います。しかし内職をやらなければどうも地位が保てないというような行き方は、まつたく邪道でありまして、国会議員にいたしましても、政務次官にいたしましても、体面を保ち得る給与を受けるということは原則で、その他のものは一切やめてもらうということの方が、どうもすつきりするように思うのであります。

永田亮一自由党

○永田(亮)委員 ちよつと例を伺いますが、たとえば弁護士であるとか医者であるとか、こういう職業はどうなんでありますか。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 政務次官におなりになつておりまする期間だけは、やめていただきたいのであります。一般の議員については何も制限いたしておるのではありませんが、政務次官という公務員になつたその期間中だけは、私企業はやめていただく、こういうことであります。

永田亮一自由党

○永田(亮)委員 一般職の公務員は百三条にいろいろ規定が出ておりますが、この場合にはやめたらすぐにまた元へもどれるのでありますか。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 やめたら別にさしつかえないと存じます。

永田亮一自由党

○永田(亮)委員 今の質問は、公務員法の百三条の二項に、一般職の公務員の場合は、「離職後二年間は、営利企業の地位で、その離職前五年間に在職していた人事院規則で定める国の機関と密接な関係にあるものにつくことを承諾し又はついてはならない。」という規定があるのであります。この規定は特別職の場合は適用しないのでありますか、どうでありますか。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 一般職の場合にはそういう規定があるようでありまするが、これは国の最高の公務員でありまするから、敬意を表して、おやめになつたならば、その地位を利用するというようなことはないと存じまして、そういう点については触れておらないのであります。

永田亮一自由党

○永田(亮)委員 その点はちよつと不徹底のような気がいたすのであります。この法律をつくられた趣旨目的をはつきりさせるのであれば、やはり一般職の公務員と同じように、その地位にあつた間にいろいろの関係ができて来る。やめたとたんにその会社の社長に天くだりするような場合もなきにしもあらずと思うのでありますが、そういう規定をおつけにならなかつたのはどういうわけでありますか。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 一般職と多少特別職との違いでありまして、特別職につくような方は非常に選ばれた人でありますから、その地位を利用してすぐに天くだりをするようなことはやらぬと思つておりますけれども、永田さんのおつしやるように、そういうような人物がまだおるという御懸念でありますならば、それを加えていただいて厳重にしていただくことは、提案者のむしろ喜ぶところであります。委員会で御修正くださつて、そういう厳重な規定を挿入していただきますならば、この法律はさらに完璧を期することができると存ずるのであります。

永田亮一自由党

○永田(亮)委員 それはまた研究します。それからやはり百三条の終りの方に出ておる株式所有の規定について、特別職の者に条項がないと思うのであります。これはどうしてでありますか。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 あまりこまかいところまで制限をするようなことは、今まで制限をするようなことは、今まで制限の全然なかつた人に制限を加えるのでありますから、多少これは一般職よりはゆるやかでもやむを得ないことだと思つております。決して厳重にすることを反対しておるのではありませんが、あまり急に厳重にした法律を出して、どうも御賛成が得られないということでは何にもなりませんから、この程度のものでも通過をしますならば、国のために非常にけつこうだ、かように考えておるのであります。

永田亮一自由党

○永田(亮)委員 私は厳重にすることを望んでおるわけではないのですが、この法律の趣旨を徹底するためには、どうも何か中途半端な気がするのです。たとえばこの株式所有の問題ですが、大臣とか政務次官というような人が相当の私財を持つておる。そういう場合に、かりにその会社の役員や顧問をやめたとしても、その会社の大株主になつておる、その企業の過半数の株を握つておるというようなことになれば、名目上の役員をやめ、あるいは頭問をやめてみても、会社の利益という点から考えてみますと、何にもならないと思うのであります。はなはだその点が不徹底な気がいたしますので、この点をお尋ねするわけであります。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 いかにもそういうふうに私企業をやめたといつても、大株主になつておるとか、あるいは中には自分はやめたけれども、奥さんの名義にしたり、あるいはせがれさんの名義にして、実質上は支配をしておるというような場合もあるかもしれませんけれども、そういうふうに法の精神を曲げておやりになる者までもなかなかどうも取締り切れませんので、この辺はどうも最高の公務員の徳義にまかせるよりほかにしかたがないのでありまして、法の精神がここにあるのでありますから、この法の精神を汲んで、私は徳義の上で実行してもらうということが、こういう特別職に対する制限としてはむしろ適当ではないかというふうに考えます。確かにそういう抜け道のあることは承知いたしております。あるいはそれでくぐられるかもしれませんけれども、これは徳義の問題でありまするから、そう追いかけて次から次とこまかい規定を置くことは、どうかと思つて、そういう点については確かに抜け道があると存じます。記載はしてないが、考えておらないのではないのであります。

永田亮一自由党

○永田(亮)委員 もう一つ。どうもの法案を読んでみると、何か徹底しないような、抜け穴ばかりのような気がしてしかたがないのであります。たとえば、さつき御質問もあつたんですが、第四条の但し書の「内閣の承認を得た場合は、この限りでない。」こういうような条項にしましても、内閣の閣僚とか政務次官が、自分で内閣の承認をして、みんなこの限りでないというようにしてしまえば、こんな法律をつくつてもつくらなくても同じことになつてしまう。こういう点で、私はこの法律は不徹底な気がするのでありますが、もう少し研究をいたしてまた質問をいたしたいと思います。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 いかにもこれが不徹底であるような感じを持たれまするのはやむを得ないのでありまするが、これは多分に道徳的な一つの規範を与えたのでありまして、もしこれを徹底させるならば、私は罰則をつけなければいかぬと思つておるのであります。やめなかつたならば、禁錮にするとか懲役にするとかいう罰則をつければ、これは徹底するのであります。しかし大臣や何かに、やめなければ罰を食わすという法律をつくることは、あまり国会としても名誉なことでもありませんし、われわれみずから国会に与えられた権限を縮小するというような行き方はよろしくないと思います。実は原案では罰則を考えたのでありますが、これならば相当厳重であることは事実でありまするけれども、どうも罰則をつけるということは法の精神でないように思われ、むしろこの法律の趣旨をくんでいただいて、これらの公務員の諸君は、就任と同時に、あるいはただちにやめてもらう、そういうようなことがねらいであることも御了承願いたいのであります。

赤城宗徳自由党

○赤城委員長代理 舘林三喜男君。

舘林三喜男改進党

○舘林委員 私も解釈上のことにつきまして、二、三簡単にお伺いしたいと思います。今まで特別職につきましては、明治二十年の官吏服務紀律の第七条に、「官吏ハ本属長官ノ許可ヲ得ルニ非サレハ営業会社ノ社長又ハ役員トナルコトヲ得ス」となつておるのでありまして、この法律と申しますか、規律と申しますか、勅令が適用されておるのであります。先ほどどなたでありましたか、某閣僚が最近問題になるまである会社の重役をやつておいでになつたということでありますが、そんな場合には、この本属長官としての内閣総理大臣の許可を得られたかどうか、得てなつておられたかどうか、この点人事院総裁は御存じではないかと思いますから……。

浅井清

○浅井政府委員 これは特別職の関係でございますから、私どもの方の所管でないので、存じておりません。

舘林三喜男改進党

○舘林委員 提案者の中村さんも、まだ総理大臣とか国務大臣になつておりませんから運用を御存じないと思いますが、お調べになつたかどうか。あるいはちようど加藤さんが大臣になられたが、もし今までこんなことに関係されておつたら、本属長官の許可を得られたかどうか、この点ひとつ。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○加藤国務大臣 ただいま御質問の点でありますが、国務大臣につきましては、内閣総理大臣の許可を得るということに相なつておるのでございます。それで、ただいま私の知つております範囲におきましては、自分が監督する会社に関係しておる者は、これはその会社から離れなければならないが、しからざるものは許可を得ればさしつかえないということになつておるのであります。

舘林三喜男改進党

○舘林委員 自分の関係している以外の会社については、許可を得ればさしつかえないということであります。そういたしますと、自分が監督している以外の会社につきましては、本属長官、すなわち総理大臣に対して許可の申請をやりましたならば、すべて今まで許しているという実情であるか、この点承つておきたい。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○加藤国務大臣 私は、古いことは知りませんが……。

舘林三喜男改進党

○舘林委員 いや、新しいことを。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○加藤国務大臣 新しいことでは、それでやつておることであります。

舘林三喜男改進党

○舘林委員 そういたしましたら、さつき永田さんから、議員として財政上苦しい点もいろいろお話がありましたが、多分現在の各国務大臣も、何らかの会社に関係している方が多いだろうと思います。さような場合にはほとんど総理大臣の許可を得られるのでありましようかどうか、この点お伺いいたします。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 法制局で調べてもらつたのによりますと、この官吏服務紀律という法律は生きておるのか死んでおるのかもわからぬような、明治二十年の、しかもこれは勅令でありまして、あまり重要視せられてはおらない、ほとんどもうないと同様だそうであります。現在では一々この長官の許可を得ることをやつておらないそうであります。調べてもらつたのでは、やつておらないそうであります。

舘林三喜男改進党

○舘林委員 今まで提案者の中村さんから、この法律はあるけれどもやつていない、また加藤大臣からは、自分が直接監督している以外の会社については許可を得る建前になつておるし、たいてい申請したらまた許可をしているというお話でありますが、実際許可を得ていないということになりますと、相当開きがあるようでありますけれども、いかがでありましようか。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○加藤国務大臣 個々の問題につきましては、一応調べて見ねばわかりませんですから、ただいまここでどうであるかということははつきり御答弁し得ないのであります。現に私自身関係しておるものがありまするが、それは今辞任の手続、会社と手を切る手続をしつつあるのでありまして、一、二日の間にこれはけりがつくことと思つている次第であります。私自身としてはさようなことでありまするが、他の閣僚諸君がどういう手続をしておられるかということは、私はわかりません。

舘林三喜男改進党

○舘林委員 幸いにして加藤大臣が人事関係の主管大臣になられたわけでありますから、この際この官吏服務紀律の運用状況につきまして、この次までに具体的な資料をお持ちいただきたいと思います。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○加藤国務大臣 私は先刻ここでごあいさついたしましたが、人事院の全体ではございませんで、給与に関する担当をいたしておりますだけですから、さよう御承知を願います。

池田禎治日本社会党(右)

○池田(禎)委員 ただいま加藤国務大臣の御発言の中に、私個人については辞任の手続をいたしておるというお話がございましたが、あなたが閣僚に就任されてから、今回のような汚職問題とかいろいろな問題が出たと思うのです。それにつきまして、閣僚のうちで現に営利会社に関係しておる者についての進退をどうするかとか、あらためて総理大臣の許可を得るか得ないか、あるいはそれは必要があるとかないとか、将来はどうすべきか、そういうことを閣議において相談になつたことがありましようか、論議されたことがありましようか、その点を加藤国務大臣にお尋ねしたい。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○加藤国務大臣 その問題につきまして、この法案が提出されるということは閣議で了承いたしておるのでございますが、まだ詳細なる論議ということはございません。

池田禎治日本社会党(右)

○池田(禎)委員 それでは今日私は要望といたしまして、吉田内閣は、こういう法案が提出されたのでありますから、従来閣僚に対してどういう規範をもつて臨んでおつたか、従来それはなかつたなら、なかつた、それでけつこうです。今後はどういうふうにされるか、その点明確なる態度を、閣議を通じて、あるいは総理大臣の気持、意向を、加藤国務大臣の責任において本委員会に回答を要求するものでございます。

舘林三喜男改進党

○舘林委員 中村君から提案された案の第三条でありますが、特定の公務員は営利企業の役職員をやつてはいけない。職を兼ね、または直接に営利企業を営んではいけないということになつております。職を兼ねる場合に、たとえば顧問とかあるいは評議員になる、この場合は第四条と違いまして、報酬を得てとか何とかはありませんが、これは解釈の問題で、あとで問題が起つても困りますから、私は聞いておるのでありますが、報酬の有無を問わず、とにかくいけないという趣旨であろうと思いますが、いかがでございましようか。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 営利を目的とするという、目的だけははつきりいたしておりますが、そういうものに対しては報酬を得るとか得ないということに関せず、営利を目的とするものに対しては一切やめてもらう、こういう趣旨であります。

舘林三喜男改進党

○舘林委員 わかりました。それから第四条の「特定の公務員は、報酬を得て、」云々ということになつておりますが、この報酬というものは、従来の人事院の解釈のようなものであるかどうか。たとえばある公益団体の役員をやつて、月給的な、定期的なものは何らいただいていない。しかし年末手当をいただくとか、あるいはまた旅費をいただくとかいうことがこの報酬になるかどうか。こんなこともあとで解釈上疑問があると困りますから、それをはつきりさせる意味でお答えいただきたいと思います。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 実費弁償というようなものまでも禁止していいかどうかは考えなかつたのでありますけれども、報酬というものの解釈にもよると存じますが、なるべくならば金銭的なものを得ておるものはやめてもらいたいという趣旨でありますから、実費という名前で出されておりまするものも少し広い意味に解釈して、それを一切やめさしたい、こういう趣旨であります。

舘林三喜男改進党

○舘林委員 今まではなはだ明快な御答弁をいただきましたが、この問題についてははつきりしないのであります。人事院総裁としては報酬ということは人事院の給与の体系からどういう性格にお考えであつたか。

浅井清

○浅井政府委員 これは結局提供しました労務に対する対価、そういうふうに考えておるのでございます。さいぜんお尋ねのときに問題になりました実費弁償等については、いわゆる限界の問題でいろいろ問題も出るだろうと思いますが、たとえば公務員法百四条の「職員が報酬を得て、」云々という場合のこの報酬と申しますのは、要するに提供した仕事に対する対価として受けるものだ、そういうふうに解釈してこれまで運営して参つた次第でございます。

舘林三喜男改進党

○舘林委員 そういたしますと、年末の賞与とか年度末の賞与とかいうものが入るわけですか。

浅井清

○浅井政府委員 それは入ると思つております。

舘林三喜男改進党

○舘林委員 旅費はいかがでございますか。

浅井清

○浅井政府委員 それが問題の点でございますが、それは単に実費を弁償するという意味ならば報酬の中には入らぬのじやないかと思います。

舘林三喜男改進党

○舘林委員 最後に中村さんにお伺いいたしたいと思いますが、われわれの委員会に、参考としてでございましようか、出されております参議院の方が出された国務大臣等の私企業等への関与の制限に関する法律案、これは多分中村さんも御存じだろうと思いますが、これは私たちの党の人も共同して出しているわけであります。と同時に、あなたの方も出されているようでございますが、内容については若干開きがありますけれども、あるいはこの問題につきましては事前に相当お打合せになつたのかどうか、この点ちよつとお伺いいたしたいと思います。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 われわれもこういうものは必要だという気持で出したのでありまして、提案者とは何の打合せもいたしておりませんが、これを提案する前に各党に御了解を求めに参りましたときに、改進党の方では、自分の方も参議院に自分の党から同じものが出ておるから賛成しますという御意見はありましたが、内容自体について打合せというほどのものはいたしておりません。御了解は得てあります。

舘林三喜男改進党

○舘林委員 最後に一つ。そういたしますと、内容の趣旨というか方向は大体同じでありますが、参議院提案のものではどうしても明確でないあるいは範囲が狭いというような意味で新しく出されたものでありましようか。日にちもあとになつておるようでありますが……。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 御趣旨の通りでありまして、参議院で出ましたものは政務次官まででありましたけれども、それではどうも狭いように思いまして、法制局長官、内閣官房副長官も入れましたし、それから人事官、検査官というものに対しては別の法律にあるようでありますけれども、特に出しましたのは、人事官とか検査官とかいうものはその職務が非常に重大でありましたので、この法律に特にまた抜き出しまして入れたのであります。それから大使と公使、これも参議院の方にはありませんが、将来は民間からおそらくたくさんの大使、公使が起用されるという事態が出て来るだろう、新木駐米大使のような例も出て来ると思いまして、これはどうしても入れる必要がある、そういう点も違つておるようであります。  それからもう一つは、参議院の方のにはいつまでにやめろという規定がありませんから、そういうことを疑うわけではありませんが、そのうちにやめるつもりだということで大臣をやめるまで兼職されたのでは法の趣旨が徹底しませんので、三十日以内にやめてもらいたいということをつけ加えておるのでございます。

赤城宗徳自由党

○赤城委員長代理 森三樹二君。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 私は中村君外十九名提出のこの法案に対しましては基本的には賛成であります。しかしなお幾多の疑問と、それからもう少し本法案の内容を強化しなければならないではなかろうかと私は思うのであります。実は今回の造船並びにその他の汚職、疑獄問題は、日本の政治界における空前の最大疑獄といわなければなりません。ところがそうした相談あるいは取引がどこで行われておつたかといいますと、新聞、雑誌等を見ますと料理屋、待合等で公々然と行われておつた。賭博をするところは賭博開帳場である、賭博開帳は何人がやつてもいけない、やつた奴はもちろん重刑に処せられる、ところが待合において公々然と取引をしておる、まつたく賭博場を開帳しておる以上のものである。国家の予算をそこでないがしろにいたしまして、その頭をはねるような、ばくち場のてら銭をとつて、国家のばくちを行わせておるようなことが行われておる。私はまことに遺憾に思つておりましたところが、先般ある人から私にこういう質問がありました。議員はああいう待合や料理屋の取締役や代表者などになつてもいいのですか。現在の法律としてはそれの禁止はなかろう。そうですが、それはたいへんです。ああいう料理屋や待合の重役に議員さんがなられたんでは、われわれはたまつたものではない、という非常に強い要望がありましたが、私はもつとものことだと思うのであります。今度造船疑獄等が発生いたしましたが、その待合の社長は某参議院議員であり、常務代表取締役には衆議院の方が数名入つておられましたが、これが天下に公表せられ、非常に問題となりまするや、あわてふためいてその職を辞しておるようでございます。やはり良心はあつたかに見えるのであります。ここに規定してありますように、大臣に就任すると営利会社等の重役をやめる、そのことは、先ほどの加藤国務大臣は今手続中だと言われておりましたが、これも私をもつて言わせれば私はおそきに失すると思う。あなたが大臣になつてから相当日がたつておる。こういう手続をやる気なら、あなたが大臣に就任した翌日すぐにでもできてしまう。今回のこの疑獄については、日本の津々浦々に至るまで、会う人会う人に私どもはその責任を追究されておるというのが今日の実情であります。中村君外十九名の議員諸君が提案されました本法案の目的も、やはり政界の浄化、正しい国政の運営であり、そのために議員は一般公務員より安くない歳費を受けております。すなわち議員としての生活を償うに足るところの給与を受けておる。しかるに何であえて他の職業を兼職する必要があろうか。やはり大臣になつた人がやめるというのも、そうした営利会社の仕事を放擲して自分の職務に専念するというところにあるのだと思うのであります。加藤大臣は、当委員会を主管するような大臣になられたことは、私は政界の大先輩として尊敬するのですが、その点について、先ほど申し上げましたように、あなたは手続中だと言われまするが、どうして今までそうぐずぐずしておつたか、あなたの政治家としての御所信をお伺いしたい。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○加藤国務大臣 御親切な御質問でありまして、恐縮であります。私は潔癖でございますがゆえに、一切関係の営利会社と手を断つつもりでありますゆえに、私は手続としては当然なことはいたしております。さらに表面も裏面も一切関係を断つために手続をしておる、こういうことであるのでありまして、これはただいまのところにおいては何もさしつかえないことであります。あなたの御趣旨及びこの法案提案の御趣旨につきましては、私まことに同感であります。この法案をどうするかという問題につきましての私の考えは別といたしまして、御趣旨の点はよく了解して、潔癖でありますゆえに、私はそういう関係を断ちたいと思つておるのです。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 たいへん潔癖な御答弁でございましたが、この兼職をやめるという趣旨は、要するに国務に専念するために、そういうことをおやめになるという意味もあると思うのでございます。先ほど永田君から、議員としての生活構造——歳費が足らないから、こういうことをしたならば、かえつてやみ取引のようなことが起きるのではないかというような、非常に微妙な御質問があつたのでありますが、私ども議員はもちろん現在受けている歳費によつて議員活動を充足し、またそれでがまんしなければならぬものだ。政府は今や耐乏生活を要望している。議員諸公もまた耐乏生活をモツトーとして行わなければならぬと私は確信しておるのであります。われわれ職員は一般官吏よりか安くない最高の給与を受けておる。従いまして大臣でなくとも、一般議員も、やはりできる限り兼職というようなものは、これはみずからの政治的道義と責任によつて解決すべき問題でありまするが、それを避けなければいかぬ、かように考えておりますが、加藤国務大臣の御所見をお尋ねしたい。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○加藤国務大臣 御趣旨は同感であります。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 この点につきまして、中村君並びに人事院総裁に重ねてお尋ねしたい。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 私は提案者でありますから、ただいま森君の言われました趣旨にはまつたく同感でありまして、むしろこれは、国務大臣がいまだに兼職をしおられることにわれわれも反対の意見を持つておる次第であります。

浅井清

○浅井政府委員 この法案そのものは特別職に関しておりまするから、直接御意見を申し上げることはいかがかと思いますが、ただ人事院の所管に属しておりまする一般職の公務員につきましては、この点は非常に厳重な規定が国家公務員法の中にあり、またその通りに運営いたしておる次第であります。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 公務員という定義ですが、言うまでもなく、われわれ議員も公務員であります。われわれは歳費をもらい、しかも国会開会中は滞在費ももらつている。一般の公務員より余分にもらつている。それで足らぬと言つて、待合や料理屋あるいはその他の風紀上いかがと思われるような営業の取締役やそういうものはこの際自粛して、やらないようにしなければいけないと思うのであります。その点について加藤国務大臣並びに中村君の御答弁をお願いします。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○加藤国務大臣 御趣意に同感であります。  それから私のことを先刻簡単に申し上げましたが、今手続が遅れておるというだけのことであります。  それから待合に出入りすることがいいか悪いかということは、できるだけ避けた方がよかろう、こういうことでございます。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 私は中村君らがこういう法律案を提案されたことに対しては満腔の賛成を表する。私はせんだつても町の有志から、一体議員が待合や料理屋の重役なんかなさつていいんですかという愕然たる質問を受けた。これはたいへんだ。われわれは議員として職責を尽さなければならぬ重大責任がある。その人が従来議員になる前に料理屋あるいはダンス・ホールの社長をやつておつたとしても、その人が国政に参与する議員に当選したならば、ただちにやめるくらいの道義的責任があつてよろしいと思う。ところが議員になつてから東京一流の待合の社長になり、あるいは取締役になるというがごときことが、そもそも今回の大汚職、大疑獄事件を発生する場所を提供するわけなんです。そうしてみなそこへ招待して、どんどんやらしている。われわれはこういう根城をつぶさなければならぬ。もちろん営業の自由がありますから、第三者がやる分にはくちばしを入れられませんが、いやしくも国会の場において国政に参与し、厖大な予算を審議し、重要な個人の生命、財産あるいは刑罰に関する重要なる法案を審議するわれわれ同僚議員といたしまして、その人が一たび国会が終ると、待合に行つて、そろばんを持つて待合の番頭のような取締役をやつているというようなことが、この一大疑獄を廓清しなければならぬときに、一体許されるかどうかという問題であります。待合ダンス・ホールあるいはパンパン屋のような商売を、個人の営業の自由ありといえども、いやしくも議員たるものは自戒自粛して辞任しなければならぬと思う。やはりその人たちも良心があつたと見えて、新聞に発表されるやいなや、ただちに待合の社長や取締役の職を辞任しております。それなら初めからそんなものにならなければよかつたじやないか。そこでこの中村君らが提案している法案はけつこうであるけれども、まだなまぬるい。いやしくも議員たるものは風教上に非常に支障のあるような営利会社の重役になり、あるいはそういう風教上非常に悪弊のあるような営業を営んではならないというところまで進んで行くだけの政治的、道義的責任をわれわれはみずから自覚しなければならぬと思う。この点についての提案者の説明を伺いたい。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 議員の兼職禁止をなすべきかどうかという点に議論はあるように思うのであります。これは提案をしますときにも、提案者側で協議をいたしたときに、確かに議員もこの禁止の対象にすべきだという意見もあつたのでありますが、どうもそこまで参りますと、あまりに範囲が広くなりますし、憲法のいわゆる職業の選択権というような点についても、あるいは問題が出て来るのではないかという疑いもありましたので、ごく狭い範囲に制限をいたしたのであります。できるならば議員に対しても何らかの制限を加えるということは、われわれも必要だ思いますが、これはなかなかむずかしいことでありまして、どの程度まで制限すべきものか、今森君の御指摘になりましたように、料理屋とか、ダンス・ホールとか、そういうようなものに関与してはいけないという意味はよくわかります。しかし法律をつくるとなりますと、これは立法技術上なかなか困難でありまして、範囲も広汎でありましたので、今回の提案には議員を除外いたしまして、ごく狭い範囲に限つた次第でありますが、御趣旨はわれわれにもよくわかります。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 中村君の御説明も了解できないことはないのですが、私はもちろん全部の営業について議員が兼職してはいけない、そういうことを申しておるのではありません。もつとも中村君もそのように了解しておられるようですが、風教上に悪影響を有すると見られる営業先ほど申し上げました待合とか、ダンス・ホールとか、あるいはキヤバレーとか特殊飲食店、そういうものをやつておる者が実際おるのです。区会議員クラスになると、パンパン屋を公然とやつておるのがおる。そうした者に対して、われわれは道義的、政治的反省を促さなかつたならば、政界浄化もできない。だから待合とか、ダンス・ホールとか、キヤバレーとか、特殊飲食店等の営業を営み、あるいはその法人の役職員になつてはならないと、ここに二行ばかりつけ加えてもらいたい。そうしなかつたら、堂々と新聞に書かれてまことに議員としてはずかしくありませんか。もしはずかしくないとすれば、その議員が社長や常務取締役をやめないでおればいい。やはり自分たちが良心的にはずかしいところがあるから、あわてふためいてやめた、つまり辞任の登記をしておるのじやないですか。そういう腐敗した——腐敗したといいますとはなはだ過言かもしれませんが、汚職事件を起しておるような事態がある以上、われわれが政界を粛正するんだというならばそこまで徹底して、国民にわびるという気持までこの際持たなければいかぬと思うのです。そこまで英断的にこの際やつて、国民に了解といいますか、議員の自粛の態度が現われなければならぬと思う。かように考えるのでありますが、中村君の御説明をお伺いしたい。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 どうも森君の御議論で行きますと、むしろこれは別の法律で行くのがほんとうだと思う。この法律は兼職を禁止したのでありまして、そういういかがわしいところへ出入りするなということは別の法律で、議員の行動基準法とか、あるいは議員の行動に関する規定をつけるとかいうことならわかるのでありますがへ、この法律では適当でないと思うのであります。そういう点についてわれわれも反対ではありませんから、森君が別に立案をなすつていただけばいつでも賛成します。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 中村さんも同感と言われるのですが、私が申し上げるのは、これは待合に行こうとカフエーに行こうと、われわれが遊びに行くことを禁止せよというのではないのです。そういう営業を営むことと、それからそういう営業の法人、たとえば株式会社何何という料理屋が現存しておるじやないですか、そういう事態が発生しておるので。そういう会社の代表取締役や常務取締役とかいう役職員になつてはならない。御承知の通りわれわれ議員も公務員ですから、やはり「特定の公務員」という中に議員を入れても一向条文の性質をかえないと思うのです。だから二行ばかり、議員も特定の公務員ですから、議員はそうした風教上に影響を及ぼす、括弧して、これこれの営業を行つてはならないし、またそうした法人の役職員になつてはならないというようなことは入れてもいいのではないかと思うのであります。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 その議論につきましては、われわれも提案する前に議員を入れなければ徹底しないというような、非常に強硬論もありましたことは、先ほど申上げた通りでありますが、どうもそれはあまりに範囲が広過ぎるし、現在の議員の給与の面から行きまして、兼職を一切禁止することについて検討されたのでありまして、議員も一切兼職を禁止するということになると、また独立し得るような給与にすべしという議論も出て参りまして、なかなかまとまりがつかなかつたので提案するに至らなかつたのであります。その趣旨につきましてはわれわれも十分に議論をいたしたことを御報告いたしておきます。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 この法案の三条、四条に関係するのですが、これは特定の公務員が報酬を得、また得ないで、そうした法人とかあるいは団体の役員、顧問、評議員その他の職についてはいけないとなつておるのですが、職につかなくても金をもらえば結局政界浄化にならぬと思うのです。職につかなくても不浄な——不浄という限界は非常にむずかしいのですが、保全経済会やあるいは造船会社から金をもらう、そういう金をもらつちやいかないというような規定を入れたらいかがかと思うのですが、その点について御説明願いたい。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 その方は別に政治資金規正法の改正案を出しておりまして、もらう方につきましては、これまた厳重な規定をつくりまして立案して、すでに衆議院では内閣委員会に付託されておりますし、参議院の方もすでに付託せられまして、今審議中であります。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 最後に一点、その政治資金規正法の方は、これは公職選挙法の委員会に付託されておりまして、昨日もそれをやつたのです。やつたのですが、それは政党や団体が受ける寄付を受けてはいけない、それと特別の利益に立つところの営利会社その他から政党その他の団体が金を受けてはいけないという規定でございますが、私が申し上げたのは、法人その他の団体ではなく、個人たる公務員——もちろん個人たる公務員が職務に関してもらえば一般刑法の規定にも触れますが、一般刑法に触れなければ金をもらつてもいいじやないかということは、私はやはり公務員の公正というものは保たれないと思う。法に触れざればいかなることをしても、金をもらつてもいいのだということでは私は幾らでも抜け道があるのじやないかと思いますが、この点についてお尋ねをしたいのであります。これをもつて私の質問は終ります。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 個人については、選挙の際は御承知の通り公職選挙法で禁止をされておりますが、日常議員が寄付を受けることまでも禁止することがいいかどうか、あまりきゆうくつになるかとも思われますので、十分に今後研究をいたしたいと思います。

赤城宗徳自由党

○赤城委員長代理 受田新吉君。——なお、ちよつとお願いしますが、国務大臣は急ぎますから、国務大臣に対する質問を先にしてください。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 加藤国務大臣は、先ほど人事院の所管内にある職員の給与に関することを担当するのだということを仰せられましたが、この一般職の職員だけの給与でありますか、あるいは特別職の職員の給与も別に含むことにしてあるかどうか、これをお伺いしたいのであります。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○加藤国務大臣 全部に関することでございます。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 しからば、この人事院の所管内にある職員の給与のみならず、特別職の職員の給与も御担当ということになると、はなはだ広範囲にわたつて責任をお持ちになつた国務大臣であるのであります。そこで当然国務大臣の給与にも関係をして来ると思うのでありまするが、先ほど永田委員から御指摘になりましたように、ここにあげられておりまする国務大臣、政務次官などが企業会社等の役員をその在任中やめるということになると、そこで今までもらつておつたところの給与を何かの形で裏でもらわなければならぬようになるおそれが多分にある。表面で押えても結局裏で同じものが手に入るような工作がされるので、人間を暗くするんだという意味の御指摘があつたと思います。この点について加藤国務大臣は、今度あらためて企業会社の関係をおやめになるよりでありますが、そこでいただかれておりました今までの報酬に対しては、在任中は一文ももらわないようなことをはつきりされておるのか、あるいは何らかの形で裏で今までの役員にかわる——役員はやめられたが、何かこれにかわる意味でお手当を支給するというようなことが行われるおそれがあるか、あればそれに対して役員であつた当時の職に類するものは一切もらわぬということを言明なさるかどうかということを伺いたいのであります。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○加藤国務大臣 ただいまのこの法案に関したことに対しましては、私は御趣旨としてはごもつともだと思いまするが、実際面において、こういう法律をつくつた方がいいか悪いかということにおいてはまた議論の余地があると思います。私としてはただいま関係して、おるのはそう御心配になるような大きなものではございませんので、御心配のような点はないと思います。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 これははなはだ重大な問題なのでありますが、問題にならぬほど少額の報酬をもらつておるにすぎない企業会社であるというお言葉があつたわけです。これはいろいろ立場々々で多い少いの認識が違つて来るわけでございますが、少くとも国務大臣として御在任中はこういうことに関与することは良心的にもいけないということは、これは給与に関する担当大臣として御就任とともにお考えになつておられると思います。ところが大野さんでしたかどなたでしたか、届出をすることを秘書が忘れていたような方もあるようです。そこであなたが一応おやめになつておられても、あなたの秘書官があなたにかわつて会社の方へ関係を持つ、事実上大臣としては一応役職員からしりぞいたが、秘書官が裏工作においてやるというような憂いなきにしもあらずであります。この点について、大野さんの場合はよくわかつている。大野さんはやめられる意思があり、また金を返す意思があつた。ところが秘書が久しきにわたつてこれを忘れていたのだ、こういう逃避的なお言葉を吐かれることになると、その責任の所在がどこにあるかということになるので、大臣と一体の立場にある秘書官というものも共同責任がここに発生すると思います。この点については、政務次官のほかに秘書官もこれは合せないと、秘書官というものは、これはよほど悪辣な者がこれに入ると大臣を手玉にとつて、大臣の名前において悪辣な行為をするのがどんどん出ている。現に今閣僚の秘書官の中にもずいぶんいかがわしい者がおるようで、今まで届出を怠つた秘書というものは、何か意図があつて怠つておるに違いないから、そういうけしからぬ秘書を国費でまかなうのでは、われわれは安心が行かないから、この点については、加藤国務大臣は、表面上国務大臣として役員をやめても、それに伴つて秘書官その他のこれにかわる者が悪辣なる行為をし、または裏給与をもらうということが絶対にないようにするところの、全閣僚及び全政務次官、特定公務員全般に対して、政府はそういうことに対して強烈な意思を持つて粛正のために乗り出そうとする意図があるか、この点に対して国務大臣の御答弁、それから関係秘書官をここに挿入することに対しての中村さんの御意見を聞きたいのであります。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○加藤国務大臣 ただいまの私の秘書の点に関しましては、さような点はございませんから、御心配ないように願います。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 この法律の中へ秘書を入れろという御意見でありますけれども、秘書のような小者は……。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 国務大臣の秘書官です。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 大臣の秘書官は、実質的にはそういう場合がたくさんあると存じますけれども、それはこの法律が通りましたならば、この法律の趣旨に基いて、そういう不都合な行為がありますならば、あくまでそれを責めることはこの法律で十分できますから、秘書官程度をこの中に入れることは適当でないと存じます。趣旨には賛成でございます。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 この法律の趣旨には加藤国務大臣は御賛成だ、この法律の内容については幾多検討の余地があるというお答えがあつたと思います。そうしますと、この汚職払拭というような重大使命を持つてこの給与の担当最高責任者におなりあそばされました加藤国務大臣としては、よほどの決意を持つて今後に処せられようとしておることをおうかがいするに足るのであります。国務大臣はその御決意のもとに、閣議その他において今私が指摘したような点について、所管大臣となつた決意を十分披瀝する措置をおとりになるかどうか。そうしてあなたはそういう御関係の大臣になられたのでありますから、国務大臣の中になお今日そういう会社の役員を兼ねて給与をもらつておるような人があるかないかも、十数名くらしかおらないのですから、御調査済みであろうと思います。そういう人が全部なくなつて、今は振り腰の国務大臣になつているということだけの人もできて来ておると思いますので、全閣僚にわたつて、現在この法案がみんな通つた場合に適用を受けるような国務大臣がないと言明をすることができるような段階に来ているかということの御答弁を一つと、もう一つは、特別職の職にある間、今申し上げたような給与をもらうことができなくなる、つまり企業会社からもらうことができなくなつた関係上、それに該当するところの実質上の金銭の補充はいかなる方法でなすことにしようとするのか、この点ははなはだ失礼ですけれども、これはそこから今まで給与を受けておる、国務大臣になられてそれがなくなつたという場合に、この法律案を通すか通さぬかという重大な資料になるので、それがなくても自分は十分まかなえるほど蓄積せる資産がある、あるいは何か企業会社ではなくて、ほかの方面から新しい資金口を求めてやるとか、実際問題として法案審査に重大なる資料となりますので、御答弁を願いたいのであります。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○加藤国務大臣 私は就任そうそうでありまして、各閣僚その他の諸君がどういうふうになつておるかということはまだ調査いたしません。知りません。いずれ聞いてみる機会もあるだろうと思います。しかしてもしこの法律が通過した場合は、その足らざる金はどこでどうするかというようなことでございますが、そういうことは私今ただちにここで御答弁申し上げることはできません。各個人に関したことでありまして、私が答弁する限りでないと思います。私はこの場合繰返して申しまするが、汚職がこういうやかましくされておるときに、この法律の趣旨とするところはまことにけつこうでございまするが、これがはたしてそういう目的にうまく合致するかどうかということは研究の余地があろうということでございます。これもあわせて申し上げておきます。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 国務大臣として受けておられる給与が、これが他の方に企業関係等があつてもらつておられる給与と今まで合計して、その生活を保つために使われたわけでありますけれども、そういうものがなくなるとなると、国務大臣の給与一本でやらなければならなくなると思います。この点現在の国務大臣の給与は、そういう費用その他の一切のものを断つ限り、また先ほど中村さんからも言われたように、弁護士もその期間中は弁護士をやめて国務大臣に専心するのだ、医者もそうするのだということが道義的責任があるというような御答弁があつたのですが、そういう点について国務大臣の現在の給与は、そうした他の関係を断ち切つてその品位を保ち、生活を保障するに足る給与と御確認をなさるかどうか。これはあなたはその方面の特別職の給与を御担当なさる最高責任者として現在の特別職の給与の妥当性を御答弁いただきたいと思います。

加藤鐐五郎自由党国務大臣

○加藤国務大臣 他の国務大臣のことは私は知りませんが、私一個として考えてみまして、実情におきましてはきわめて質素なる生活をいたしておりまするが、今いただいておる俸給だけでは、これはまことに困難であると思います。これは感じであります。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 国務大臣の感じをお聞きいたしまして、これはどうしてもそういう私企業等に関係を断つことになると、専心国務大臣として職責を遂行しようとするならば、さらに現在の給与にプラスする何がしかのものが必要である。これは今永田さんの御指摘になつたような点については、中村さんもそういう方面で給与改善をすべきであるという御答弁があつたので、この法律の裏づけとして、そういう問題も十分検討しなければならぬという結論が、御答弁の中から出て来ると思うのであります。  それからもう一点大臣にお伺いいたしますが、今までこういう給与関係の担当の国務大臣がいらつしやらないので、官房長官がちよいちよい出て、かりそめの軽いお気持かどうか知らぬが、儀礼的な答弁をされておつたのですが、この機会に大臣に申し上げておきますが、この人事委員会の開会の都度——もちろんお忘れないと思いますが、万難を排してここへ出て来られるということ、給与に関する諸問題を早急に十分御研究いただきまして、今全国の一般職、特別職の公務員の給与はどうなつているか、その妥当性を十分研究しておいていただいて、次会の委員会から鋭く追究いたしますから、万般の御用意あらんことをお願い申し上げておく次第であります。  国務大臣に対しては御多忙中でありますから、これで質問を終ります。どうぞお引取りください。  次に提案者にお伺いする前にちよつと関連的に人事院総裁にお尋ねしたいのですが、この法律に関係があることとして、国家公務員法には第百三条の「(私企業からの隔離)」の条文中にそれぞれ制約を受ける規定が書いてありますが、たとえば「職員は、離職後二年間は、営利企業の地位で、その離職前五年間に在職していた人事院規則で定める」云々とある。この規定に次いで「前二項の規定は、人事院規則の定めるところにより、所轄庁の長の申出により人事院の承認を得た場合には、これを適用しない。」という項があります。こういうように実際の問題にぶつかつて、この第二項を適用したという事例があるかどうか。それからその第四項、第五項の該当者の事例があるかどうか。こういうことも今度この法律を適用するとしてその実情をどの程度勘案するかという重大な資料でありますので、御答弁を願いたいのであります。

浅井清

○浅井政府委員 ただいまここに書類がございませんので、概括的に申しますが、二項、すなわち離職後二年間の禁止につきましては非常にたくさんの事例がございます。つまり人事院に対して申請をして参り、それに対してある場合には許可を与え、ある場合は許可を与えないという事例は多いのでございます。ただこれを公の記録によりますと、ほとんど全部その許可を与えたことになつております。なぜかと申しますと、許可を与えない部分はあらかじめ各省からやつて参りまして、すべて内談をして、それに対して人事院が拒否する。これは公の記録に出て参りませんから、公の記録に出ましたものは大体みんな許可を与えておるような事例になつております。なおその統計について御希望がございますれば、いつでもここに出す用意がございます。許可を与えぬ事例で大きなものを申しますれば、かつてある商工次官が昭和電工の重役になりまして、すでに就任をしましたのを取消させた例等もございます。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 この規定によつて救済される事例が——一応申請すれば大部分これを認めるということになつておるとするならば、もう救済規定の方がこの法律で制約をする以上のわくを広げたことになつて、たいへん意味をなさぬことになると思うのでありますけれども、ほとんど申請したものは認めたということになつておられる。そう解釈してよろしいかどうか伺いたい。

浅井清

○浅井政府委員 それは全然違うのでございます。つまり実際の取扱い例を申しますれば、各省はみんな人事院の承認を求める場合には、初めから公の書類を出しませんで、初めは大体内談の形で来るのでございます。そのときにだめなものははねてしまいます。従いまして、公の資料として記録として残る場合には、つまり出たものはみんな許可されている、それだけを申し上げたのであります。実はこの規定のあるために非常に大きなにらみをきかしておることは事実なんでございます。その点はどうぞ誤解のないようにお願いいたしたいと思います。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 裏工作で示談などでごまかした分は表面に出ないので、公の記録としては来たものはみんな聞いたような形になつている、そう解釈していいわけですね。そうしますと百三条の第二項は人事院にとつては伝家の宝刀である、これを振りかざして過去数年にわたつて貫禄をつけたわけであります。こう解釈していいということになると思うのでありますが、この第二項の離職後二年間、その間に国会議員に出て、あるいは国務大臣になるような場合も起ります。そういう特別職になつた場合でも、この制約を受けるようなことになつておるのかどうか、ちよつとお聞きしたいと思います。

浅井清

○浅井政府委員 私は制約を受けると思つております。何となれば、これは過去において一般職であつたときのことでありますから。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 そこまで厳重に解釈をするならば、国会議員に当選して国務大臣になつた者までも、この人事院規則の適用によつて処置することができるということになると思います。この点人事院総裁の権限は現職の国務大臣にも及ぶものと解釈してよろしいですか。

浅井清

○浅井政府委員 これは国務大臣とかあるいは国会議員とかいうものに対して人事院が何の権限を持つているということじやないのでありまして、かつて一般職であつた人、その個人に対する問題であろうと考えるのであります。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 これは結局帰するところは、かつてその職にあつた者は現在国務大臣であろうと何であろうと、一様に総裁の権限の中に入つて処置ができるようになるわけです。そうすると、国家公務員法との関連でこの法律の適用を受ける中に入つている内閣総理大臣その他の国務大臣、内閣官房長官、政務次官など、人事院総裁がなお権限を発揮し得る職務にある者は、大臣をやめても二年間は個人としての立場では国家公務員法の適用を受けるのである、こう解釈してよろしゆうございますか。

浅井清

○浅井政府委員 その国務大臣云々のことは特別職ですから申しませんが、国務大臣であつた人がかつて一般職の公務員であつた場合だけが、この国家公務員法の問題になつて来る。その人はその後において国務大臣になつたから、それが中断できるかどうか、そこのところは実は解釈上非常に問題のある点なんであります。それでただいま御指摘の点も非常に問題になつたのですが、結局こういうことでございます。一般職の公務員であつた者がやめました場合は、離職後二年間この規定にひつかかるのでございます。ところが、さらにその間に一般職の公務員になつた場合には、引続き前のやめていた期間のときのものが有効であるのか、あるいはそれは消えてなくなつてしまう、新たに任命されたところからあとのだけが有効になるのかということが問題である。それから、その二度目の任命が国務大臣であつた場合にどうなるのか、前のものはそのまま引続いてあるのかどうか、その点は問題になるように考えております。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 はなはだ複雑になつて来ますが、そういうことに対しての何らかの規定——たとえば国家公務員法の百三条第二項のような場合は、この法律に何らかの形でこれをうたう必要はないか。いやしくも国務大臣になつたほどの者を、いつまでも個人的であると言いながら、人事院総裁が離職後二年間にわたつて監督権を行使するということになると、これは行政部内の問題ではあつても、国務大臣としての権威の上からも支障が起ると思いますが、総裁として、そういうものだけでも、一たび国務大臣になつた場合にはこの限りにあらずとかなんとかいう規定を、あるいは今度の法律との関連において、そういうことを考慮してこの法文を検討する必要はないかどうか。

浅井清

○浅井政府委員 ごもつともでありまして、それは必要があると思つておりますが、従来問題になりましたのは、二度目にまた一般職の公務員になつた場合でございます。この場合に前の期間は消えてなくなるのかどうか。こういう法律が今ここで提案されているわけでございますから、その点は確かに問題になると思つております。その点まだ私の方として確信はありません。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 それと官吏服務紀律が明治二十年七月三十日に勅令三十九号で公布されておりますが、これは有名無実で実際は役に立つていないのだということであります。さつきの中村さん及び加藤国務大臣の御答弁などを通じても、この官吏服務紀律を抜きにして新しいいろいろの諸法律の関係で考えられておるようでありますが、官吏服務紀律は久しきにわたつて官吏の服務の基準として、かつての忠順なる天皇の官吏としての立場から、重きをなして来たのですが、この官吏服務紀律をこのまま有名無実の形で今後も続けることがよいか、あるいは一応廃止して新しく民主主義国家における官吏としての立場の規則をつくるべきか、そういう点について人事院総裁としての御所見を伺いたいと思います。

浅井清

○浅井政府委員 前の官吏服務紀律は、いわゆる天皇の官吏の時代のものでございますから、これをこのまま維持して行くということは実際問題として非常に困難であろうと思つております。のみならず第二の点といたしましては、その官吏服務紀律のおもな部分はすでに国家公務員法の中に入つておることが多いのであります。たとえば官の秘密を守る義務であるとか、あるいは信用失墜行為の禁止であるとか、いろいろございますからして、おもなものはすでに国家公務員法の服務の規定に入つておる。ただ何かここで服務に関する一つの基準がいることは事実でありますが、残りの部分は私は人事院規則でもよいのじやないかと思つております。しかしそれはまだできておりませんのでそのままになつておる、こういうことでございます。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 しからばこの官吏服務紀律の残された部分、つまり忠順なる天皇の官吏としての条項なるものを削られてあとにかすが残つておる、この残されたものを、国家公務員法その他人事院規則などに適当に挿入されて、これを廃止する措置はすみやかにおとりになる方がよいのではないか、明治時代の遺物が今日まだ幾分根をとどめ、明治時代の光が今日民主主義国家に及んでおるということは、どうも新時代の感覚を元に引きもどすような印象もありますので、何らか官吏服務紀律に対する措置について早急に手をお打ちになる必要はないか。廃止なら廃止ではつきり片づけてしまう、こういう御決意がありますかどうか、伺いたい。

浅井清

○浅井政府委員 それは前から考えていたところでありますが、ただある部分については、やはり現代の法律体系上、国家公務員法の服務のところを少し改正する必要もあるんじやないかとも考えられるわけであります。そういう点の見合いから今日に至つておるのでありますが、ただいま受田さんの仰せられたような考えは十分ございます。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 それを即時実施されることを要望しておきます。  それでは最後に中村さんにもう一つ、重大な関連規定を御考慮いただいておるかどうかをお尋ねしたいのですが、国務大臣、政務次官などの問題のほかに、地方公務員であるところの特別職、すなわち府県知事、市町村長、こういうのが会社の社長、重役を兼ねて、そうして府県費、市町村費の大量の恩典をその方に与えようとするような意図がちよいちよい起つ来ております。ある市長のごときは——いつかもちよつと新聞で見たのでありますが、その地位を利用して、自己の関係の会社に何か融通をしようとしたような、公金を何とかしようというような措置をしたようなことをちよつと思い出すのでありますが、こうなつて来ると、国務大臣のみならず、特別職である地方公務員にも、何らかのこういう規定をつけておきませんと片手落ちではないかと思うのですが、御所見はいかがでしよう。

中村高一日本社会党(右)

○中村高一君 知事とか市長になりますれば、やはり地方公務員法に、営利企業等の従事制限の規定が三十八条かにありまするので、これはもう知事も市長も、全部地方公務員法で禁止されております。

受田新吉日本社会党(右)

○受田委員 それでは、私の質問はこれで終ります。     —————————————

赤城宗徳自由党

○赤城委員長代理 次に人事院から提出せられております資料について、人事院当局から説明を聴取いたします。

滝本忠男人事院事務官(事務総局給与局長)

○滝本政府委員 本日提出いたしました地域給関係の資料は、第一番が勤務地手当制度の従来の沿革をまとめました資料でございます。  第二番目の資料は、昨年末に給与法が改正になりまして、勤務地手当制度が、零級地まで入れて五段階ということに相なつた次第であります。従来の零級地というものと一級地というものが合わさりまして、新しい零級地となつておる。その状況を、二十八年の十二月一日における行政区画によりまして、市町村別に各級地別の数を掲げたもので、それからその次のページにおきましては、それをさらに一般職職員、政府関係機関、地方公務員、こういう別に従いまして公務員数を掲げたものであります。なお括弧書きにしておりますのは、級地別の公務員数の分布の割合、こういうものを掲げております。  それから第三番目の資料は、別表一の方がちよつと資料が古いのでありますが、現在におきましても大体こういう事情であろうと考えておりまするが、すなわち市であるとかあるいは町であるとかいうような区別に従つて、一体生計費の面から見ました場合に——生計費と申しますか、IRD、すなわち消費者物価地域差指数というようなものから見まして、市であるから、町であるからという区別に従つて差異があるかどうかということを、一応図示いたしたものであります。町村合併等によりまして、新しい市が非常にたくさんできております。こういうものに対しましては、同一行政区画に入つたところは、これは人事交流の観点もありまするから、なるべく地域給の点で統一をはかるという必要があろうかと思いまするけれども、行政区画が同一にならなくても、やはり別途の考慮というものが必要であろうかというようなことを、一応この資料から観察し得ると、このように考えます。別表一のところに二つの図表が掲げてございますが、下の方の資料は、さらに人口の程度によりまして、一体どういうふうに生計費の差があるものであるかということを図示したものであります。もちろん人口の多い都市等におきましては、生計費が多くかかるのでありますけれども、それは必ずしも人口数に比例するということではないので、ただ大きい都市は大勢の人がおりまして、消費事情等が小さい町村と異なるわけでございますから、従いまして、大きい都市等におきましては、おおむね生計費は高いのでありますけれども、なおかつ小さい町村等におきましても各種の事情によつて、やはり生活事情等は相当高度のものがある。こういうことを示した資料でございます。  それから別表二でございますが、これは特に県庁所在地とその他の地域とにわけてこの状況を調べてみたのでありますが、この県庁所在地というようなところは、公務員が非常にたくさんいるわけでございます。そういう意味から別途の考慮が加えられなければならないのでありますけれども、なおIRDから見ますと、県庁所在地であるからという、ただそれだけの理由によりまして別途の扱いをするということにはならない、従つてそういうことを考えます際にも限界がある、こういうことを示す資料でございます。  その次にもう一つの別表一というのがございますが、これは最近におきます内閣統計局から出している消費者物価地域差指数というものと小売物価地域差指数というものを掲げております。いわゆるIRD、消費者物価地域差指数は、二十七年の七月から九月までというところしか出ておりません。その後におきましては、今度は指数のつくり方をかえまして、その基礎調査をかえまして、小売物価地域差指数というものが出ているのであります。これがちよつと名前も似通つておりますし、大体指数でありますし、おもな都市を含んでいるということで、同様に考えようというようなことにちよつとなるのでありますけれども、この二つの指数の間には性質の違いがあるというようなことを一応ごらん願いたいので、例示をお目にかけている次第であります。  それから別表三というのがその次にございますが、これは一つの府県内におきまして、消費事情というものが一体どの程度に市町村別に分布しているものであろうか。われわれはこれだけではありません、ほかの資料も持つておりますけれども、ここではただ例示といたしまして、二つの府県について調べてみたのであります。その県内において相当数の町村につきまして、物価地域差指数というようなものがつくられている場合に、こういう資料ができ得るのであります。そういうことを県によつてはおやりになつているところがあるのであります。そういう資料によつて見ますると、ごらん願いますように、県庁所在地を一〇〇として、その指数が九九%ないし一〇〇%というものが、おおむね十ぐらい、九七ないし九八程度のものがおおむね十七市町村、九五ないし九六は九市町村、あるいは九三から九四のものが四つある。こういうような分布になつている。すなわちこういうことによりまして、その県内における物価事情というものが非常に開いているとか開いていないとか、こういうことを知り得るわけであります。こういうものがわれわれの作業の一つの支柱になつておるわけであります。  それから四番目の資料、これは自治庁からいただいた資料でございまするが、最近、町村合併促進法に基きまして、町村合併促進基本計画というものが自治庁で立案されておるのであります。すなわち、大まかなことを申し上げまするならば、人口八千未満の町村はこれをなるべくなくしようということで、二ページに表が掲げてありまするように、それをやるのに年次計画をもつてやりまして、まず昭和二十八年度におきましては全計画の一五%をやろう、二十九年度におきましては六五%をやろう、三十、三十一年度に一〇%ずつやつて、そこでこの計画を完了しようということになつておるのであります。現に二十八年度中は、この最初の計画よりも少し進捗いたしておるような状況でございます。それから二十九年の四月一日というものに相当数まとめましてこの町村合併が行われる、こういう状況でございます。町村合併が行われますれば、その一つの町村内においてはなるべく人事交流が円滑に参りますように、われわれは考えて行かなければならぬと思いますが、先ほどごらん願いました資料によりまして、これはあに合併された町村のみならず、それに隣接いたします町村につきましても、やはりある程度の考慮は加えて行かなければならぬのではなかろうか。それから最近非常に多くの町村が合併いたしますので、そういうバランスをとる作業というのは、相当むずかしい作業に相なつております。  以上、資料をさし上げたのでありますが、もし時間のお許しが得られますれば、われわれがやつております作業の基準と申しますか、内容というようなものについて、ある程度のお話を申し上げたいと思うのでありますが、これは時間がかかりますので、本日お話申し上げてもよろしいと思いますし、また次の機会にお話申し上げてもよろしいと思うのであります。  以上で資料の御説明だけを終ることにいたします。

赤城宗徳自由党

○赤城委員長代理 ただいまの説明に対して質疑がありましたら簡単にお願いします。——次会は公報をもつてお知らせいたします。  本日はこの程度で散会いたします。     午後零時五十五分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗