行政監察特別委員会 第21号
- 発言数
- 76 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1954/05/07
会議録
○塚原委員長 これより開議を開きます。 前会に引続き国有財産管理処分に関する件(物納国有財産払下げ関係事件)について調査を進めます。ただちに証人より証言を求めることにいたします。 ただいまお見えになつておられる方は中内善馬さんですね。
○中内証人 はい。
○塚原委員長 あらかじめ文書をもつて御承知の通り、正式に証人として証言を求めることに決定いたしましたから、さよう御了承ください。 これより国有財産管理処分に関する件(物納財産払下げ関係事件)について証言を求めることになりますが、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なつております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が、証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者、及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者が、その職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。 では、法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。御起立を願います。 宣誓書の御朗読を願います。 〔証人中内善馬君朗読〕 宣誓書 良心に従つて、真実を述べ、何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
○塚原委員長 それでは宣誓書に署名捺印してください。 〔証人宣誓書に署名捺印〕
○塚原委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際には、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになつていてよろしゆうございますが、お答えの際は御起立を願います。まず委員長から概括的に証言を求め、次いで各委員から証言を求めることになりますから、御了承ください。 中内君の略歴について簡単にお述べ願います。
○中内証人 私は、本籍は板橋区板橋町八丁目二千三十五番、現住所は同じく板橋町六丁目三千百九十四番であります。名前は中内善馬であります。生年月日は明治二十五年五月十二日であります。学歴は、法政大学におきまして法律学を学びました。学校を済みまして社会に出てから、一時新聞社に入りましたが、後警視庁に入りまして、主として司法警察官の事務をいたしました。その後南洋に出向いたしまして、検察、警察、行刑の仕事をいたしました。帰朝後退官をしまして、東京市の嘱託、それから東京都に移りまして主事をいたしましたが、退職しましてから材木の加工商売をやりました。その後昭和二十四年の三月都不動産に入社いたしまして、物納不動産の委託売払いの仕事をいたしました。二十五年度の末都不動産が事故を起しまして、その際に選ばれて都再建委員会の委員となりまして取締役に就任してその整理に当りましたが、病気になりましたために二十七年の暮れに辞任いたしまして、その後は都の仕事の跡始末につきまして相談を受けて仕事を手伝うという程度で、今は自分が主としての仕事は持つておりません。現在は、政府の委託の物件がありましたらやりますけれども、今のところ全然ありませんから、いたしておりません。以上であります。
○塚原委員長 都不動産会社ができたのはいつですか。
○中内証人 都不動産株式会社は昭和二十三年の十一月と記憶しております。都不動産というのは十一月に社名変更によりまして都不動産となつたのでありまして、その前は都土地住宅株式会社というのでありました。この会社が設立されたのは昭和二十三年の五月と記憶しております。
○塚原委員長 都不動産株式会社の資本金は幾らですか。
○中内証人 現在は二百万円でありますが、都土地というのが創業したときは五十万円でありました。
○塚原委員長 従業員はどれくらいおりましたか。
○中内証人 私が入社いたしましたのは昭和二十四年の三月で、そのときは内勤外勤を合せて大体六十名おりました。現在は本店支店を通じて四十五名くらいであります。
○塚原委員長 都不動産株式会社炉物納不動産の払下げについて委託業者として指定された事情についてお述べ願います。
○中内証人 私の入社前のことでございますから、私が先輩あるいは当時の役所の人たちの話を聞きまして知つておりますることを申し上げますと、物納売払いの問題につきまして、最初大蔵省では信託銀行のみにやらせるというような話があつたらしいのでありまするが、大東京不動産組合が、不動産処分に関してはわれわれがその専門家であるから参加したいという希望をもつて陳情したので、都土地住宅というのは、その社長が玉田伝平と申しまして、業歴二十年、大東京不動産組合の副組合長というところで、その適格者として認められたと聞いております。
○塚原委員長 社長は田村ですね。
○中内証人 ただいまは社長は石川……。
○塚原委員長 いや、あなたが入られたころ、指定を受けたときの……。
○中内証人 指定を受けたときは玉田伝平。都土地住宅株式会社、玉田伝平。
○塚原委員長 この委託業者としての指定を受けるのに、田村さんが元大蔵省の参与官をしておられたというようなことから、この尽力によつたというふうにいわれておりますが、どうですか。
○中内証人 それは、戦争中に参与官をしておつたので、知つた者があつたから、何か玉田という当時の社長が紹介してもらつたということは聞いております。
○塚原委員長 特に尽力したというようなことはないのですか。
○中内証人 そういう点は私も聞いておりません。
○塚原委員長 都不動産が現在までに扱つた売払い物件の数量、価格、これをお知りでしたらお述べ願います。
○中内証人 土地、家屋でありますが、数量はちよつと今記憶しておりませんが、売払いをした、取扱いました件数は大体一万五千件と記憶しております。それから価格にいたしまして約五億円。
○塚原委員長 二十五年、ころまでは買受人よりの代金は業者が受領しておつたというが、そういうことがあつたのですか。
○中内証人 それは主として税務署時代であつたと思います。二十五年にたしか税務署から大蔵省の財務局の出張所に事務が移されたように記憶しておりますが、たしか二十五年と思いました。何しろ、その当時は、その年度内の売払いの額が割当てられたのでありまするから、税務署が売払いをするのに非常に急いだのであります。業者におきましても真剣になつて売払いをしましたので、一時にそういう書類をととのえて出すものでありまするから、税務署の係がわずかな者でとても扱いかねる。それで、私どもが、支払い命令書、すなわち納入告知書を、郵送することを原則としておりまするけれども、たくさん来たときにはとてもこなしきれないので、預かりまして、それを届ける。その場合に、一時に金を出してもらうと、それはすぐに付近の郵便局に、あるいは日本銀行の代理店に払い込むのでありまするが、全額払い込めない場合には—当時は分割払いというものが認められておりませんから払い込めないのであります、しかたがなく、そういう際には会社で預かり証をお客さんに出しまして、次回の金の払込みがあつたらそれと合せて銀行に払い込む、それまでは納入告知書と預かり金は会社で預かるというやり方をいたしておりました。
○塚原委員長 それは当局が認めておつたのですね。
○中内証人 認めておつたわけではありませんが、とにかく全額にならないというと役所は払込みを—分割払いということを認めないので、いたし方なく、便宜処置としてやつておりました。
○塚原委員長 都不動産は買受人から受領した代金のうち約二千三百万円を使い込んだというふうにわれわれ聞いておるのですが、これはほんとうですか。
○中内証人 私が都再建委員会に入りまして、そうして事故の整理をいたしました際に—昭和二十六年の五月ごろと思います。一千二百万円ほどの使い込みを発見しました。その後もぼつぼつ発見しましたが、私の発見した際には、氏名、住所、それから金額も、はつきり調書をつくりまして、財務局に提出いたしました。その後係員を各財務局の出張所に配属して調査したのでありまするが、この金額ははつきり記憶しておりませんが、最初は一千二百万円ということは記憶しております。その総額はちよつと記憶しておりません。
○塚原委員長 その後ぼつぼつ少額のものが出て来たと言われましたが、それを合せると二千三百万円くらいになるのじやないですか。
○中内証人 そんなにはならぬと思いますがね。
○塚原委員長 二千万円にはなりませんか。
○中内証人 大体二千万円と私は記憶しております。
○塚原委員長 その使い込みがわかつたのは一体いつごろですか。
○中内証人 それは二十五年度の末です。二十六年の三月です。その時分に発覚しましたです。
○塚原委員長 二十六年の三月ですね。
○中内証人 さようです。
○塚原委員長 その使い込みの内容について御存じだつたらお述べ願いたいのですが……。
○中内証人 それは、先ほど申しました分割払いというものを官の方で認められておりませんので、内金というものを預かつて来る。ところが、そういうものを預かるうちに、渉外人が会社に納めるのがだんだんと延び延びになつて、そうして自分が使うというようなことが原因だつたと思います。私は事故者の調査をいたしましたが、大体生活費に使つたようであります。その金も、大体内金というものを使い込んだわけであります。
○塚原委員長 その使い込んだお金はどういうふうにして補填しておりますか。
○中内証人 それは、二十六年の五月に大々的に事故の調査をいたしまして報告しましたから、財務局としましては、こういう事故を起した以上はどうも仕事をやらせるわけには行かぬ、こういう方針でありましたが、しかし、この莫大な赤字を会社の財産をもつて償うことができませんので、そこで、もし会社がそのままで投げ出してしまつて、つぶれてしまつたら、結局役所は監督不行届きの非難を受けるし、また買受人の損害ということになるとこれは非常な問題になることであるから、何とかしてわれわれは働いて返す—。それで、会社の経営費を徹底的に切り詰めて、会社が委託によつて得る売払いの手数料をもつて官の方に払い込んで行くというふうにしたいという整理案をこしらえまして提出しました。幸いにそれがいれられまして、会社の経費以外は全部赤字の方へ整理の方で埋めて行く—形式は、会社の方で請求しまして、それを受取つて払うべきでありまするが、実際におきまして、急ぐものから順次官の方と相談の上で払い込むというやり方をして参りました。だから、事故を起した以後の内外勤全員が売払いをいたしまして、そうして官手数料をもつて払つたということになつております。
○塚原委員長 都不動産が扱つた払下げ不動産で、登記ができず買受人に迷惑をかけておるということが相当あるようでありますが、どのくらいありますか。
○中内証人 この登記ができなかつたというものは、大体迷惑をかけたものもありましたが、まあ順次急ぐものからやりまして、現在は大体一千件ぐらいと思います。大体、急ぐものは、会社の方に来られると——できるだけ順序にやつておりますが、年度にかまわず急ぐものを先にやるという方法でやつております。ただ、急がれてもどうにもできないで困るというものは、古いもので、税務署時代に、分割をして売払いをしたものに分割登記をしなければならぬものが、土地台帳によつて訂正されておるべきものが、いまだに整理になつていない、それがために登記ができないという事情にあるものが多いようであります。
○塚原委員長 現在一千件ぐらいですね。
○中内証人 さようです。
○塚原委員長 委員諸君の中で御質問ございませんか。鍛冶良作君。
○鍛冶委員 先ほど聞いておりますと、分割払いを役所で認めぬから、つい預かつたと、こういうのですが、それは何か法律の権限に基いて預かつたのですか、法律上の権限はないけれども、みずからそういうことをしたと、こういうことになるのですか。
○中内証人 法律上の根拠はありませんが、売払いをしまして、代金を納入する納入告知書を届けまるすと、それによつて払い込んでもらうことを原則としておりましたが、納入告知書は官の方から直送するということが原則であつたのですが、便宜上会社が預かりまして、これを届ける、そうして払い込ませるという方法をとつておりましたが、その分割払いというものが当時は認められておらなかつたために、全額に達しないと金融機関が預かつてくれません。そこでそういうものを、それでは全額できるまでとして置いておきますとなかなかまとまらないので、そこで会社が、一部分預かりましても、あと催促して入れさせて、できるだけ払わせるという方法をとつたのであります。それから、全額払込みができるまで全然金を集めないでおくといいますと、いわゆるしよんべんをするということが往々にありまして、買受けをする人が心境の変化を来して買わないというようなことが往々にあつたのです。それがために、できるだけ、全額に達しなくてもこれは払い込ましておかなければいかぬというところから、提出されたものは会社で預かるという方法でやつております。
○鍛冶委員 この今あなたが言われた納入告知書は役所の方から行くのだから、要するに、あなた方はこういうものを売つていいということを指定せられて、それを買人を見つけて、それじやあそれだけで買いましようと、こういうことになると、代金の取立ては役所が直接やるということが建前なんですぜ。
○中内証人 納入告知書は役所から買受人に直送することを原則としておりますから、私どもが取立てるということは役所が認めておりません。ただ便宜処置としてやつておつたにすぎないのであります。
○鍛冶委員 これはどうしてそんなたくさんの金を使い込むようになつたのですか。便宜上預かつておつた金を使い込むというのはたいへんなことなのだが、どういうわけですか。五万、十万ならいいが、二千万円の金になると、どういうわけでそういうことになつたか、よほど重大なことだと思います。
○中内証人 金を預かつておるうちに取扱い者が一時流用しておるというところから、そういう事故が起きたことと思います。
○鍛冶委員 その内容をお聞きしたいのだ。ただ給料に使つたとか何か費用にいつたというならば、そういう大きな金ではなかろうと思います。どこにまわしてそういう大きな穴があいたのですか。
○中内証人 それは、一人や二人でありませんで、十四、五人の人間が相当長い期間に穴をあけたのでありまして、これもその後に発覚いたしまして、私が調査した結果それを発見したのであります。その使い方は、預かつて来たものを会社に納めるのを、しばらく預かつておるうちに生活費に使つたというのが大部分であります。
○鍛冶委員 大体大きな口を言つてごらんなさい。そんな生活費くらいなら知れたものだ。何か大口に、だれか責任者がほかにまわしたとか、何かのところに持つて行つた、そういうことがあるでしよう。できるだけ大きな口をはつきりそこで言つてもらいたい。
○中内証人 二十六年の九月に私が調査をした際には、わかつておるものでも大体十五、六人の外務員が使い込んでおるということがわかりまして、それを本人から克明に書かせて出させたのであります。それは本人が使い込んだものに相違ないという書いたものをとつております。その当時、大体先ほど申し上げましたように一千二百万、これは十五、六人の人間がそういう仕事をしておるうちに使い込んだという確認書も出ておるのであります。別段そういうものを大品にある人が使つた、流用したという事実はないのであります。
○鍛冶委員 これは、あなたの会社としては、役所に対しても責任があるし、ことに買受人に対して重大な責任がある。してみると、まず第一番にわれわれが考えるのは、会社がそんな不始末をして、あなたが言われるように十数人がおのおの使い込んだとするならば、全部業務上横領になるが、業務上横領として手続をとりましたか、それが一つ。それから、役所から見れば、個人々々ではない、会社の責任者がその責任を負わなければならない。役所の方から見れば責任者が横領したということになるのだが、それらの点に対して法律問題が起きたか起きなかつたか、またどういう始末にしたか、その点ひとつ詳細に述べてもらいたい。
○中内証人 業務上横領ということは明らかであります。そこで、私は、業務上横領として当然手続せねばならぬと考えまして、当時の会社の社長に進言をしましたが、会社では、これを刑事問題にしたところで、結局本人らが補填する力がなければどうにもしようがない、それと、もう一つは、こういう問題をさらけ出すと、会社の信用にもかかわり、今後この跡始末をするということに非常な支障を来すから、刑事問題にするということはどうもよろしくないというので、私の意見は通らなかつたのであります。もちろん、渉外社員の使い込みに対しては会社が責任をとるべきものであります。会社と申しましても、当時の財産というものはきわめてわずかで、とてもこの大きな千二百万円という使い込みは補填し切れない。そこで、私は、整理方針といたしまして、どうしてもこれは現在残つておる社員が、跡始末をするのには働き出して、金の方は手数料でもつて補填しなければしようがない、一方事故を起した者からは幾らかずつでも取り立てるというので、整理方針を立てたのであります。
○鍛冶委員 先ほど聞くと、最初に指定を受けたときは田村氏でなかつたそうだが、田村氏はいつ社長になつていつやめられたか、やめたのはどういうわけでやめられたのですか。
○中内証人 田村元社長は、都土地から都不動産にかわる際に就任したと聞いております。それから、やめましたのは二十五年の三月の年度末であつたと記憶しております。この理由は、当時追放されておつたので、追放令違反ということで問題になつて退職したように承知しております。
○鍛冶委員 追放なら、もつと先に問題になるでしよう。二十二年ごろじやありませんか。二十五年までおるというのがおかしい。それでは、これは追放の者はやれぬほど重大な会社だつたのですか。それはどういうことなのですか。
○中内証人 追放者でありましたけれども、社長に就任することはさしつかえなし、こういつた見解のもとにやつておつたように聞いております。が、追放者として追放令に違反するような問題が起きたので辞任したということになつておるわけであります。
○鍛冶委員 どうもはつきりわからぬが、もつとはつきり言わなければならぬ。もう一つ聞くが、先ほど聞くと、あなたは二十五年の五月に整理にかかつて、内容を大蔵省に報告した、そうしたら、そういう不始末をする会社にはこんな取扱いをさせられぬということで取消された、こう言いましたね。
○中内証人 はい。
○鍛冶委員 取消された後にもう一ぺんこの補填のために不動産を取扱つて、その手数料を入れて埋め合せをする、こういうことを言われたが、それはどうもわれわれには合点が行かない、指定を取消されれば取扱われないはずだ。それを、なおかつ続いて取扱つて、手数料でこれを補填するということは、理論上合わぬと思う。この二点、田村さんはどういうわけでやめたか、それから取消されて不動産を取扱つて手数料を入れて埋め合せるということ、その点をお答え願います。
○中内証人 あとの問題を先にお答えいたします。先ほど私は、都の使い込みの事実が発覚した際に大蔵省から指定を取消されたとは申し上げないつもりです。取消されるようなうわさがあつたので、そこで、取消されたらこの一千二百万円という赤字が会社の全財産をもつても償い切れない、それは買受人に非常な迷惑をかけるし、官にも迷惑をかけるので、このまま仕事をやらしてもらいたい、そしてわれわれが会社の経営費を徹底的に切り詰めて補填して行きますという案を立てたのであります。指定を取消されていませんから、継続させてもらうことを陳情して、それがいれられたのであります。 それから、田村さんが追放されたということにつきましては、追放令違反ということが問題になつたので、追放のみで都不動産の社長としていることはさしつかえなかつたらしいように聞いております。それが、役所に出入りするというだけでなく、何か追放令違反に問われるような問題があつた、そこで追放令違反として問題になつたために退職をした、このように聞いております。
○鍛冶委員 もう一つ。この登記のできないのは、なるほど分割ができなかつたりいろいろの事情でできないことも想像されますが、それにしても何千件などという大きなのは合点が行かないのだが、一番の原因は、登記料を預かつて、それも使い込んでしまつたからできないというのではありませんか。
○中内証人 登記料を預かつてそれを使い込んだということはむろんあります。ありますが、これは急ぐものから順次官の手数料で補填しておりますから、そう迷惑をかけないで済みました。その後は官の手数料をもらつて登記をやつております。ただ、困るのは、一団の土地を一人に売るわけではなく、それを数人に分割して売つた場合に、当時会社が台帳を税務署に出しますと、税務署の土地台帳の保管者がこれによつて一団地を幾つに分割したという土地台帳並びにその公図を訂正しておつたのであります。ところが、それが二十五年のたしか七月と思いましたが、法務局の登記所に移管になつたので、トラックで何台と送つたのであります。その場合に、税務署にわれわれが届をしたその土地台帳並びに土地の公図が訂正されないでいたものが、今日われわれの方に何も控えてないものですから、土地台帳の整理ができておるところは支障なく登記ができますが、それの整理ができないまま引継がれたところは非常に支障を来して、これがために長く御迷惑をかけております。これを調べるということは非常にむずかしいことでありまして、結局費用をかけて再測量をして、さらに初め扱つたような手続をして行けば比較的早いのでありますが、これが非常に経費がかかり、手数がかかるものですから、古い取扱いの書類を調べまして、それを継ぎ合せて図面をこしらえ、登記所に出すというやり方をしておりますものですから、非常に日数がかかるのであります。
○鍛冶委員 何か今大蔵省の方であなたの方の業務監理をしておりますね。それはどういう形式でどんなことをやつておるのですか。
○中内証人 会社は事故を起しましたもので、それで、経理の面におきまして厳重な監督をしなければいかぬというところから、関東財務局におきまして、係官を監理官といたしまして、会社のあらゆる仕事を監督しておられるのであります。ことに経費の支出につきましては絶対に会社の自由にさせないで、官の方から受ける手数料というものも予定を越えることは全然認めないというふうにして、特に経理の問題はやかましく監督を受けております。われわれはこれは決して苦痛といたしません。とにかく赤字を一日も早く返済しなければいかぬというので、監督を受けて、幸い赤字は九分九厘まで片づいて来たのであります。
○鍛冶委員 そうすると、そういうことをやつた結果、あなたが整理にかかりましてからよほど補填しましたか。いま一つは、いまだに残つておる登記は、今後やり通すだけの見通しはついておりますか。
○中内証人 特に遅れて非常に迷惑をかけておる登記の問題は、前申し上げましたように、分筆登記というものができない。分筆申報というものを税務署に出したものを税務署に出したわけですが、いまだに直つていない。こういうものがいわゆを登記の進捗をはばんでおりますので、これを急速にやるのには、官の方で—会社の責任と言われてもまことに困ると思います。これは土地台帳という事務移管によつて起きた問題でありますから、官の方でも現地を調査する費用を見ていただいて、急速にこれを再測量をして整理をして行けば、登記を急ぐ人に迷惑をかけないで早く片づくのではないかと思います。 それから、いわゆる売払い代金の金は預託金と申しておりますが、これは全部もう完済いたしました。残るのは登記の登録税の問題でありますが、これがなかなか問題になりまして、登録税は、税法によつて、登記所が価格を査定するということになつております。しかし、登録税を会社に払い込んだものに対して、あるいは官の方に払い込む手続をとつた領収証においても、そういつたような事情のために遅れたものは、今日においては二倍あるいは三倍というふうに額が増しております。さらに二十九年度からは約五倍という結果になつたのであります。それはなぜかと申しますと、その売払いをしました価格の百分の五が従来の登記所の認定額でありました。これは要するに取引価格でありまして、官の方から売払いをするには、かりに十万円というものを五万円に売り払いましたと言うことはありませんから、官の払下げ価格を間違いないと見て、それの百分の五でやつたのであります。ところが、昨年の八月以来賃貸価格の四百倍の百分の五、こういうふうになりましたので、その結果から見ますと、大体二倍、三倍という額になつておるのであります。これが遅れたということについては、会社の方にも責任がありますが、登記の義務者であるところの大蔵省もその責任を問われるのであります。そこで、こういつた認定価格ということは、財務局と法務局の方で話合いの上で、政府の払下げ価格の百分の五ということで承認されることになれば、その問題は容易に解決がつくと思いますが、これを登記所の認定価格の通りにやらされると、買受けをしました人がさらに二倍、三倍の金を負担しなければならぬということで、たいへんな迷惑をかけることになつて参ります。これを会社の責任であるとばかり言われましても、まことに困るのであります。
○鍛冶委員 それは、あなたの立場からはそう言うか知らぬが、買受人から言うたら、金を払つたときに登記さえしてもらえばそれでよかつたのです。登記が遅れたがためにそういうことになつた責任はそつちにあると言うと思うが、そんなことを言つておつたらいつまでも解決できないんだが、どう思いますか。解決の方法はつくんですか。つかぬということになるとたいへんなんです。そういうことの解決のめどがつくかどうかということが、われわれがこの委員会で調べる根本だと思いますが、その点、やつて行けるという自信がありますか。
○中内証人 これは事情によりまして、登記の登録税を預かつたものを会社が理由なくして遅延したために今日二倍あるいは三倍になつたものに対しては、やむを得ず会社がある程度負担しております。しかし、前に申しましたような土地台帳の移管というような事情のもとに遅れたものにつきましては、これは、売払人の大蔵省が登記の義務があるとしましても、そういつた行政上の過渡的なやむを得ざる事情があつたということになりますので、できるだけ買受人に出してもらうようにしなければいたし方ないと言つておりますが、なかなか承知しない人があるので困つておるのであります。だから、私は、これは登記所の方でそういう古い払下げのものは従前の払下げの価格の百分の五ということで当分これを承認してもらつて行けば、買受人にもよけいな負担をしてもらわなくて済むと思いますが、これは私どもの方で交渉しましてもなかなか聞きいれない。財務当局の方から登記所の方に折衝していただいて、そのようなとりはからいをしていただくことを希望しておるのであります。
○塚原委員長 ほかに御発言はありませんか。—なければ、中内証人に対する尋問はこれにて終了いたします。 証人には御苦労さまでございました。 この際申し上げますが、午後重要なる本会議の開かれる関係もありますので、本日の委員会はこの程度にいたしまして、午後喚問を予定しておりました田村証人については後日出頭を求めることにいたしたいと存じます。なを、その他の証人につきましても順次出頭の期日を変更いたしたいと存じますが、その期日、手続等については委員長に御一任願います。 本日はこれに七散会いたします。 午後一時二十三分散会