行政監察特別委員会 第5号
- 発言数
- 435 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/02/02
会議録
○塚原委員長 ただいまより会議を開きます。 この際御報告並びにお諮りをいたします。本日出頭を求めておりました証人、元衆議院議員駒井重次君より、本日出頭できない旨の申出が医師の診断書を付して委員長のもとまで参つております。診断書によりますと、「向後約三週間の安静加療を要す」ということでありますので、本日の出席は事実上不可能と認められますが、これにつきましては、正当の理由があるものとしてこれを了承するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塚原委員長 御異議がなければ、さよう決します。 なお、同君にに後日出頭を求めるかいなかその他につきましては、次回理事会で御協議願いたいと存じますので、さよう御了承願います。
○塚原委員長 これより、前会に引続き、保全経済会等特殊利殖機関に関する件につきまして調査を進めます。ただちに証人より証言を求めることにいたします。 ただいまお見えになつておられる方は大谷榮潤さんですね。——あらかじめ文書をもつて御承知の通り、正式に証人として決定いたしましたから、さよう御了承願います。 これより保全経済会等特殊利殖機関に関する件について証言を求めたいと存じますが、この際証人に申し上げます。保全経済会は、全国に二百箇所以上の店舗を有し、出資総額約四十五億円、加入者は約十五万に達する特異な利殖機関でありまして、従来その業務の運営につきましてはとかくの風評があつたのでありまするが、昨年十月二十四日突如として全国一斉に臨時休業に入つたのであります。この休業に立ち至つた事情につきましては世上幾多の疑惑と関心を有する向きもあり、また一方、これら類似の特殊利殖機関の累増を見た今日、これら特殊利殖機関の業務運営の実態を明らかにし、かつこれら特殊利殖機関に対する関係官庁の監督の当否につきまして調査を進めることは、国の行政が適正にしてかつ能率的に行われているかどうかを監察しもつて立法その他国政の審議に資するため行政の運営上障害となつている各般の事情を総合的に調査しかつその責任を調査する本委員会の使命にかんがみ、きわめて有意義なりと考え、本委員会は本件の調査をいたすことになつた次第であります。証人におかれましては率真なる証言をお願いいたします。 それでは、ただいまより保全経済会等特殊利殖機関に関する件につきまして証言を求めることになりますが、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なつております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が、証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者、及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者が、その職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときには、三月以上十年以下の懲役に処せられることこなつておるのであります。一応このしとを御承知になつておいていただきたいと思います。 では、法律の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めます。御起立を願います。 宣誓書の御朗読を願います。 〔証人大谷營潤君朗読〕 宣誓書 良心に従つて、真実を述べ、何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
○塚原委員長 それでは宣誓書に署名捺印してください。 〔証人宣誓書に署名捺印〕
○塚原委員長 これにより証言を求めることになりますが、証言は証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際には、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。まず委員長から概括的に証言を求め、次いで各委員から証言を求めることになりますから、御了承願います。なお、こちらから質問をしておりますときはおかけになつておりましてもよろしゆうございますが、お答えの際には御起立をお願いいたします。 大谷証人の略歴を簡単にお述べ願います。
○大谷証人 明治二十三年一月十三日出れ。満六十四才。本籍は京都市下京区烏丸通リ七条上ル常葉町一番地でございます。現住所は京都市下京区間ノ門七条上ル東玉水町三百番地でございます。 学校は大谷大学を大正五年三月三十一日卒業になつております。宗教方面に育ちましたので大学を出ましてからは、社会事業方面に多少の微力を尽せていただきましたことと、女子教門の校長並びに名誉校長等をいたさせいただきましたことと、本願寺宗務総長を約五年間勤めて、ちようど戦争の終つた少し前の一月に辞職をいたしまして、その後昭和二十一年の衆議院の選挙の際は、愛知県の第三区から立の補をいたしまして、幸いに当選させていただき、一年間衆議院議員として議席を汚させていただきましたのであります。その後三年間休養をいたしまして、昭和二十五年の参議院の選挙のときに全国区から立候補をいたしまして、おかげをもちましてわれわれ仏教徒の大いなる支持を受けました結果、比較的高点をもつて当選をさせていただきまして、参議院議員として今日まで議席を汚させていただいております。 大体それくらいであります。
○塚原委員長 声が少し低いようでありまするし、これ以上大声で願うことも無理のようでありますから、ちよつと前の方へ出ていただきます。 証人は仏教保全経済会の会長をしておるようでありまするが、いつこの会長になられましたか。またどういう御関係で御就任になりましたか。
○大谷証人 この点に対しまして、今委員長からお尋ねにあずかりました積を、多少くどくたるかも存じませんが、ここが私要点だと思いますので……。
○塚原委員長 それでは、こういうこともあわせて御答弁願つたらよいと思います。保全経済会について設立の経過、またその資金、機構、業務内容、役員の指名、こういつたものを保全経済会全般の問題として御証言願いたいと思います。
○大谷証人 ただいまお尋ねにあずかりました保全経済会とは、私、機構の上から申しましても、役職の上から申しましても、何ら関係はございません(「そんなことあるもんか」と呼ぶ者あり)保全経済会と今おつしやつたから私申し上げたわけであります。
○塚原委員長 では、いま一回申し上げます。仏教保全経済会の会長をあなたはなされておりますが、いつ御就任になつたか、どういう関係で御就任になつたか、仏教保全経済会の設立の経過、また資金はどのくらいであるか、その機構、業務内容、役員の指名、こういつたものを含めまして、仏教保全経済会について知つておるところをお述べ願いたい。
○大谷証人 それではつきりいたしましたので、仏教保全経済会の問題に対して申し上げたいと存じます。この仏教保全経済会から私の方へ会長に就任するように依頼を受けましたのは、昭和二十六年の二月のころであつたと思います。そのときに、本願寺関係の近藤という現在の仏教保全経済会の常務理事をいたしております人が私のところに参りまして、そうして、保全経済会という金融機関があるので、これの機構を利用して、われわれが平素考えている仏教興隆のために財源を求める機関としたらどうであろうかという相談を受けまして、私にぜひ会長に就任をしてもらいたいという交渉を受けたのであります。 そもそも、御承知の通りに、太平洋戦争中の仏教団体に対しましての軍部の圧迫というものは言語に絶するものがあるのでありまして、私どもの本願寺におきましても、軍部の方が、造船の資材に、山門であるとか、あるいはまた御堂のけやきというものが非常に役立つのであるからして、一時これをこわしても、ぜひ造船方面に寄贈をしてもらいたいというくらいの極端なことまで申されまするし、また仏具等の金属はすべて供出を強要されまして、不要品はできるだけ供出をいたしたような次第であります。くだくだ申し上げませんが、その結果は、寺院の経済ということが非常に逼迫をいたし、人的に申しましても、住職以下若い者はほとんど軍の兵隊であるとか軍属というようなものに徴用をされまして、また中年の者も壮年の者も、炭坑の掘出しあるいはまた飛行場の建設等に、宗団に向つて割当の人員をもつてこれを提出するように強要をされたような次第でありましたために、寺院はほとんど形体をとどめるだけのことにとどまつて、その機能がほとんど停止されるような状態にあつたのであります。敗戦になりまして、アメリカの軍隊が入つて参りましてからは、御承知の通り、すべて宗教政策の上から、仏教と神社の方面には非常なる圧力を加えられまして、各地におきまするところの寺院の経済の面におきましては、家族制度が破壊されるとともに、檀家というような昔から寺と信徒との関係にありましたものは、ことごとく宗教の信仰の自由というところをもちまして、その組織を弱められたのであります。そのために寺院経済は非常な苦しい立場に立ちましたので、私ども敗戦後宗教に関係いたしております者といたしましては、道義の頽廃とかあるいはまたその他の社会秩序の混乱ということを、何とか、仏教の教理の示すところに従つて、できるだけ御奉公を申し上げて行きたいということを考えておりまするときに、ちようどこの話を私が聞いたものでありまするから、それならば、この保全経済会なるものがほんとうに確固たるものであるならば、その機構を利用さしてもらいまして、そうして宗教活動の、いわゆる仏教興隆の財源に充てるということに賛意を表してもいいが、というような話をいたしたような次第であります。 この点につきまして、どうして私が保全経済会なるものを信用したかという点について一言申さして……。
○塚原委員長 大谷君に申し上げますが、証言を求められた範囲の御答弁をお願いいたします。その点については後刻また質問をいたすと思いまするから、私が質問申し上げた点についての御答弁をお願いいたします。ですから一つ一つ行きましよう。 設立の経緯というのは大体わかりましたから、資金はどれくらいでございますか。
○大谷証人 資金は、初めは仏教保全経済会の会員はほとんどないのでありまして、資金を得る面がございませんから、その仏教保全経済会の会員として入会し、また保全経済会に出資をされた歩合をもつて、全部の一厘だけを仏教保全経済会にまわしてもらうという約束であつたのでありまするが、初めはごく金額が少数であつたので、後日計算を立てるということによつて、初めの人件費、事務諸費等の費用は保全経済会から一時立てかえをしてもらうということで、月額二十万円足らずのものが毎月この仏教保全経済会の維持費としてまわされておつたと私は記憶をいたしております。
○塚原委員長 機構はどういうふうになつておられますか。
○大谷証人 機構は、会長、副会長、それから理事長、常務理事、これは二名であります。そうしてあとは事務員。事務員は課長級の者が一人、普通の書記が一人、女の職員が二人、これ、だけの人員で始められたのであります。
○塚原委員長 おもなる役員のお名前がおわかりでしたら、お知らせ願います。
○大谷証人 会長は私でございまして、副会長は大谷照乘、それから常務理事は疋田桂一郎であつたかと思いますが、これは保全経済会からこちらへまわされておつた人であります。それからさつき申し上げました近藤良讓、この二人が常務理事でございます。 〔「その役員の名前の中に、まだかんじんなのが落ちておらぬか」と呼ぶ者あり〕
○塚原委員長 今申された私の質問に対するおもなる役員というのは、会長があなた、副会長が大谷さん、常務理事の疋田、近藤、これだけですか。 〔「顧問」と呼ぶ者あり〕
○大谷証人 顧問は、西本願寺は初めは梅原眞隆氏、元の参議院議員、それから現在は佐々木正熈と思いますが、それから私の方の本願寺からは安田力、それ一人が顧問でございました。 〔「伊藤は関係がないのか」と呼ぶ者あり〕
○大谷証人 それから、伊藤氏は理事長ということで、定款の上に、保全経済会の理事長が仏教保全経済会の理事長になる、こう規定されております。
○塚原委員長 保全経済会との関係は後刻お聞きいたします。それからおもなる業務内容について簡単に御説明願います。
○大谷証人 業務の方面といたしましては、初めは仏教保全経済会の本部が出資される金の受入れをするという組織になつておつたのでありまするが、全国的に出資者がふえて参りましたので、とうてい京都の本部だけではその事務が取扱われぬことになりました結果、すべてこれは保全経済会の窓口を通して取扱つてもらうということに決定をいたされたわけであります。ことに、定款にございますように、この出資金というものは全部保全経済会で運用をするという規定になつておりまする関係上、仏教保全経済会では出資金の受入れを扱わないことにいたしてしまつたようであります。
○塚原委員長 仏教保全経済会の分として、保全経済会の休業までにどれくらいの出資金が集まりましたか。
○大谷証人 お答えを申し上げます。昭和二十六年四月八日にこの会が成立ありました。それから後昭和二十七年十二月理事会のときの報告では、出資額約一億を突破したという報告を受けました。それから、昭和二十八年五月十三日の役員会におきまして、出資額約二億に達したということを聞きました。そうして、最後の十月の二十四日、保全経済会が休業をいたしましたときは、約二億四千万円という報告を受けております。
○塚原委員長 そのお金は今どうなつておりますか。
○大谷証人 全部これは仏教保全経済会では取扱つておりませんので、保全経済会の方に出資者が入るそのときそのときに、そのまま保全経済会の中に入つております。
○塚原委員長 最初は月額二十万円の維持費というようなさつきのお話ですが、とにかく仏教保全経済会の経費は全部保全経済会から支出されておるといういうに聞いておりまするが、総額ではどれくらいの支出を受けておりますか、おわかりですか。
○大谷証人 それは私はちよつとわかりません。
○塚原委員長 概略でけつこうですが、おわかりになりませんか。
○大谷証人 概略は、つまり二十六年の創立以来今日まで月割でずつと計算していただきますと……。
○塚原委員長 その後二十万が増加をされたということはないのですか。
○大谷証人 ないのでございます。それ以下でございます。
○塚原委員長 ずつと二十万円にきまつておつたのでありますか。
○大谷証人 はい。
○塚原委員長 仏教保全経済会は、独自の事業としてはどういうことをなさつておられましたか。
○大谷証人 われわれの理想といたしましては、仏教保全経済会の出資総額の一厘を仏教活動にまわしてもらうという初めの約束でございます。そのために、日本全国の寺は八万家寺ございます。その八万家寺に対しまして一万円ずつの出資者が一人できますと、これが八億というお金になるわけであります。これを保全経済会で運営をしてもらいますと、この仏教保全経済会の面におきましては、月額八十万円の教化費が生れて来ることになるのであります。また一家寺が十万円の出資者を求めてくれるということになりますと、八十億のお金が仏教会の方で集まることになります。これは理想でございますからどうぞそのおつもりでお聞き願いますが、その一厘の金額というものは八百万円になるという話を聞きましたのでありまして、われわれはこの点につきまして、さつきも申し上げました通り、ほんとうに保全経済会の運営に誤りがないということの信用のことが今日までこういう結果にならずに参つておつたならば、仏教保全経済会はややこれに近い活躍ができるのではないかという考えでもつて運営をいたして参つたのであります。その教化面では、実践の上において、無料で布教師を派遣いたしまして、各寺院の方面には、それぞれ集会をいたしまして仏教の話をいたし、また子供には、仏燈等をもちまして、われわれの生活の面におきまする幻教的精神の必要性を説くとともに、そういう会合に人員を派遣いたしておつたような次第でございます。
○塚原委員長 仏教保全経済会と今問題の保全経済会との間に、何らかの契約条項というようなものはあつたのでしようか。
○大谷証人 初めに紳士的に、何と申しますか約束をいたしましたことは、将来は仏教保全経済会を独立をさしてもらうということであります。そうして、それが独立ができますまでは、保全経済会の方からこの費用を援助してもらう。しかし将来は、計算をしまして、そのとりかえ分の不足分はこちらからお返しをするという約束になつておりしまたのが一つ。もう一つは、これは私決して責任をのがれようというのではありませんが、われわれ会長という職につきまする以上は、どうしても徳義的な責任は当然負つて参らなければならぬのでありまするから、その面におきまする出資者の皆さんに対しまして、今日かような結果を来したということは、心から申訳がないと謝罪をいたしておりますとともに、この点に対しましても更生の道を講ずるべく今努力をいたしておりまするし、また経済の面におきましては私どもとうてい力はないのでありまするから、すべて伊藤理事長が経済面の責任を負つてくれるという約束のもとに、私は会長に就任をいたした次第でございます。しかし、さきにも申し上げました通り、私どもの名によつて出資者が信用してくださつたという、これに対しまする徳義上の責任を十分私は感じておりまするからして、申訳がないということを深く反省いたしておる次第であります。
○塚原委員長 昭和二十七年の暮れごろだつたと思いますが、保全経済会が三重県の飯南郡というところにある山林を買つております。この購入に際しまして、大谷君が何らかの関係があつたというふうに聞いておるのですが、その真相についてお聞かせ願いたいと思います。
○大谷証人 これは、私のところへ、この山林を保全経済会が買いたいのであるが、どういうような山林であるかを私が知つておるということであるからして、一応聞きたいというようなことで人が見えたのであります。実は私の知つておりまする者で、この山林を、何と申しますか、権利を持ちまして、そうして経営をしたいというようなことから、それの出資者を求めておつた知合いの者が私のところに来たということを……。(「ちよつと大谷さん、恐縮ですが、知つておる者と言わずに、御迷惑でしようが名前を言つてください」と呼ぶ者あり)澤井と申します。 [「それは委員長を通じてやればい いじやないか」、「その通り」と呼 ぶ者あり]
○塚原委員長 どうぞ進めてください。不明な点がありましたらあとで質画いたしますから……。
○大谷証人 澤井淳行と申します。それが本願寺の信徒でございまして、山に関係があつた関係上、保全経済会がこの山を買うということであるから、どうかその真相を確かめてもらいたいというようなことで、私に相談に参りました。そのことがもとになりまして、保全経済会の方からも、そういうことであればあの山はどうだろうというような話がありましたが、私は山とか川のことはしろうとで一向わかりませんので、それは直接話をしてくださいということで、保全経済会の方で直接に交渉が進められたのであります。
○塚原委員長 そうすると、最初の手引きをしたというだけであつて、そう深い関係、重要な役割はなしていないというふうに考えていいのですか。
○大谷証人 私は、その売買のことに対しましては、売買価格また売手の人も何も存じません。
○塚原委員長 それから、保全経済会は、滋賀県長浜市にある日本和紡株式会社、こういう会社に出資しておりますが、この出資については証人があつせんしたというふうにわれわれは聞いておりますが、この点についてはいかがなものでしようか。
○大谷証人 この月ヶ瀬社長は熱心な私の方の信徒でございます。以前から知つておつたのでありますが、ちようど私のところへ遊びに来ておりますときに、実は伊藤君も見えておりましたので、私に紹介をしてくれということで伊藤君を紹介いたしたのであります、それから後はいろいろ商空の話をされたのでありましようが、それは私のところでされたのじやないので、直接伊藤さんのところへ行つて、それぞれの立場から交渉されたのでありますから、出資その他の手続の上においては私何ら関係いたしておりません。
○塚原委員長 証人は、保全経済会から何らかの名目で金品の贈与を受けたことがございますでしようか。
○大谷証人 盆とか暮れとかに品物で、何と申しますか、御祝儀を持つて来られるというようなこともございました。またある場合には、五万円程度くらいのものを御祝儀として盆、暮れに届けられたこともございます。けれども、これは、私も、そういう金でございますからして、私の家内に、そういうものはすべてそのまま仏教保全経済会に出資をせよということを申しまして、現在でも仏教保全経済会の出資金の中へ、すべて金で入つたものは全部投入をいたしております。そういう状態でございまして、私の方でもつまらぬ物でありますが、儀礼でありますから、盆、暮れには、向うの伊藤理事長の宅並びに保全経済会の職員にも、つまらぬ物でも私どもは儀礼として贈つておつたということも事実でございます。
○塚原委員長 二十七年の六月に、会社の設立準備資金として五百万円を受けられているのじやないでしようか。
○大谷証人 これは、ちようど、さつきも申し上げました通りに、伊藤理事長が、この保全経済会は投資銀行として必ず法律の裏づけができます。そうなれば、二百数箇所の支店を持つておりますからして、ただちにこれは銀行として業務を開始することができると思う。これは信念的に私どもに言つておられたことであります。しかるに、一年たちましても、どうもそれがまだ実行に移りそうもないということで、私は非常に困りまして、ことに貸出しの業務をちつとも保全経済会はいたしませんので、われわれ仏教徒の中からも、幼稚園の建設あるいは庫裏の修理、そういうような事柄に対しまして、ぜひ融資をしてもらいたいということを申して参りましたけれども、どうにも保全経済会としてはできない定款になつております関係下、私は、伊藤君に対しまして、これはひとつわれわれで銀行を設立いたしたい。そしてこの銀行業務によつてこれらの要求を満たすようにいたしたいということを申しましたところ、伊藤君も非常に賛成をしてくれまして、そしてこれの設立準備に全力を注いだのであります。しかしながら、大蔵省の方では、既設銀行というものを擁護する上からいたしまして、どうしても新しい銀行を設立することは許されないということに遂に数箇月後に結論づけられましたので、やむを得ず、今度は相互銀行を買収いたしまして、それでもつて業務開始するようにしたらどうかというので、その買収の方面に力を尽したような次第でございます。しかるところ、大体において二、三の相互銀行の方面にほぼこちらに提供せられる見通しがつきましたときに、伊藤君にその出資方を依頼いたしましたところ、現在はどうしてもそれだけの出資ができないから暫時待つてもらいたいということで、何べん催促をいたしましても、初めは賛成をいたしておりましたが、出資金というところになりますとどうもそれができなかつたようであります。しかし、初めはどうしても買収金と、それから預金の面におきまして二百億円くらいの預金をいたして、りつぱにこの銀行を設立いたしましようという約束をしてくれましたのでありますが、われわれの労は遂に水泡に帰しまして、どうしてもできませんので、この休業の少し以前に理事長に会いまして、私もいつまでもこうやつてほつておくわけに行かないから、この際一応全部の報告をいたしますというので、その清算上の報告をいたしました。それで理事長もそれを了承してくれましたので、私の方といたしましては、その問題は現在でもまだ望みは捨てておりませんが、一時中止をいたしておる、清算は休業前に理事長に報告をしたということになつております。
○塚原委員長 そうすると、二十七年の六月に五百万円というものを受けておられないのですか。
○大谷証人 一応受けまして、そうして清算をしたあとを……。
○塚原委員長 はい、わかりました。 それから、証人は二十八年の九月東南アジアの方に行かれましたか。
○大谷証人 議員の派遣団と一緒に、私も団長の職を汚しまして、昭和二十八年の九月……。
○塚原委員長 いや、けつこうです。その際、行かれるときに、せんべつと申しますか何かで、やはり伊藤から金が来ておりますか。
○大谷証人 伊藤氏は参りませんでした。工藤という人事部長と申しますか、その人が参りまして、おせんべつにと言つて包んで持つて参りました。
○塚原委員長 それはどのくらいでしたか。
○大谷証人 その内容は、私は出発前でしたので、そのまま家内に、とにかく銀行へそのまま入れておいたらどうかと言うて出発をいたしたようなことでありましたが、帰りまして開きましたら、五十万円の金が入つておつたということをあとで聞いておるような次第でございます。
○塚原委員長 証人は保全経済会の実体というものについてどういうふうにお考えになつておりますか。あれが健全な企業体であるというふうに考えておられますか。
○大谷証人 それをさいぜん申し上げようと思いましたのですが、私が保全経済会の近藤前仏教保全経済会の常務理事より話を聞きましたときに、保全経済会は確かなものであると信用をいたしましたその理由を六つあげて、御了承を願いたいと思うのであります。一つは、創立以来満四箇年以上の間元利金ともに支払いに誤りがなかつたということを聞いたのが一つであります。それから二つは、将来は投資金融銀行に移行できるとの説明を聞いて、それが信念的に確かなものであるということを言われたのに対しまして、それならば将来性があるものであるという断定を私が下したような次第であります。第三は、一切貸出しをしないということを聞きまして、それならば焦げつきというようなこともなく、スムーズにこの事業が遂行されるのではないかというようなぐあいに考えましたのであります。第四は、勧誘員を一人も使つておらないということを聞きまして、生命保険であるとか火災保険の誤りは、勧誘員というものが自分の責任額を満たそうとして無理をするということが間々失敗のもとになつておることを聞いておりましたので、勧誘員を使わないというシステムに共鳴をいたしたような次第でございます。第五は、顧問の方々に、平野力三先生を初めといたしまして知名なる方々が名前をお並べになり、ことに松本博士のごときはその方面の権威者であられるということを聞きまして、こういう方が顧問となつてやつていただくのならば、これは間違いがなかろう、かように考えたのであります。もう一つは、これは二十八年になつてからでありまするけれども、政府の方から出資者の利益配当金に税金をかけるということになりまして、率は存じませんが、何ぼかの税金が課税されたということを聞きまして、これは一層この会は健実になつたのではないかというようなぐあいに考えた次第でございます。
○塚原委員長 ところが、実際今大問題になつているのですが、とんでもない会社だつたわけです。それで、今日のお気持として、伊藤斗福なるものをどういうふうに思つておられますか。
○大谷証人 私は実は初めから疑つてはおりません。われわれに会いますといんぎんそのものでございます。申しますることも、また理想にいたしておりますることも、何らか日本の経済の上に貢献をしたいという熱意を持つてわれわれに話をしておつたのであります。私はあの人がこういう結果になるしとを初めから予想してやつておるのでもなく、またわれわれを初めから看板に使うてだましてやろうというような気持でやつておるのではないというように私は信じておりました。
○塚原委員長 今でもだまされているとは思わないわけですな。
○大谷証人 結果から申しますれば、まことに申訳ないことになると思いまするが……。
○塚原委員長 どうですか、伊藤そのものを信用したのですか。それとも保全経済会の顧問に、先ほどおつしやつた平野さんとか、松本さんとか、名前をさつきおつしやいましたけれども、そういう人が顧問をなすつておられるから信用できるとお考えになつたのか。それとも伊藤さんというものがりつぱであるというので信用しておつたのですか。どつちですか。
○大谷証人 面方であります。
○塚原委員長 ウエートは同じですか。
○大谷証人 はあ。
○塚原委員長 伊藤斗福が二十七年にアメリカに行きましたが、その際特別に便宜をお与えになつたというようなことはございませんか。
○大谷証人 どこか紹介をしてくれということでありましたが、私は、アメリカヘはずつと以前もう二十年も前に参つたので、知合いもございませんので、ただ、仏教界に、こういう人がいるから何かの場合には便宜を与えてやつてくれということを、仏教界としてアメリカの仏教界に紹介をいたしたという程度でございます。
○塚原委員長 その程度ですか。——田渕光一君。
○田渕委員 証人は東本願寺の法主様でいらつしやいますか。
○大谷証人 法主ではありません。今の法主のおじでございます。
○田渕委員 私は、証言を伺つておりまするうちに、いろいろとあなたの御人格その他について、次に伺いますことについて、僧籍におられるあなたでありまするから、しかとお答え願いたいと思いまするがゆえに申し上げるのでありまするが、われわれよりも宗教界においては大先輩であり、ことに法主様のおじに当られるあなたであり、ことに現職の参議院議員でありまするから、努めて言葉を慎んで私も申し上げたいのでありまするが、私が先ほど伺いましたうちに、全国に八万家寺のお寺を持つておる。その一家寺がかりに百の檀家を持つているとすれば、一万円ずつ集めても百万円である。こういうようなぐあいに大衆はとるのであります。そうして一家寺の檀家のうちの七〇%というものが零細なる——まつたく年忌法事のお坊様に供養のお布施すらできない人も多いのです。これが今日の実相じやないか。それを八万家寺あつたら一万ずつあげればこういうことになるというようなことから考えられて、まずお布施をとるような気でとられたのであるか。それとも詐欺の手先となつて、宗教家が、檀家に対して、本山からこういうおさとしがあるのだから入らなければならぬというような意味がやつたのか。この二つをあなたはどうお考えなさるかということを伺いたい。
○大谷証人 八万家寺と申しましたのは、仏教全体の寺でございまして、私の方の寺は一万家寺よりございません。ですから、さつき申しましたのは私の理想を申し上げたのです。また、その積算と申しますか、こういう数字が出て来るという計算上の話を申し上げたのでありまして、まずこれを実際に無理にでも取立ててやろうというようなことは毛頭考えておりませんし、今日まで出資をしてくださつておる仏教保全経済会の会員は、仏教興隆のわれわれの精神に同意をし賛成をして、心からその賛助の意味で入会をしてくださつておるのでありますから、その点御了承を願いたいと存ずる次第であります。
○田渕委員 私はもう一点だけ申し上げて、この点についてはあまり深く入りますまい。但し、私たちは、布施とは、最も浄財であり、先祖を供養し、あるいは仏法護持の上から出すところの浄財だと考えます。しかしながら、この保全経済会の組織というものから考えますと、このお集めになつた金というものは、取込み詐欺を目的とした不浄財であります。かようなことに神社あるいは仏閣その他宗教に関係される、ことに東本願寺の方が会長になつて、零細民の金を、奉仕の目的ではなく、布施の目的ではなく、欲張るためのその弱点に食い入つたことに深入りされたという点をまず申し上げておきます。これは私の意見であります。 そこで伺いまするが、この問題を私たちが当委員会に取上げまして調査しているうちに、東京国税局を調べたのであります。東京国税局が、数箇月にわたつて、延人員約二百人をもつて、この保全経済会の内部をすつかり調査しております。警視庁は外部から洗つておつたのであります。そこで、ここに出て参りましたのは、先ほど委員長のお尋ねになつた三重県の山林であります。これを三千百万円で買つたという資料が出て参りましたが、奈良県と三重県の県境のいわゆる十津川の山脈地帯の山奥に、こういうわずか百六十八町歩内のところで三千百万円というような山があるかどうかということに目をつけて、これを名古屋の国税局に調査させて、実際は六百万円であるということがわかつた。そこで六百万円と二千五百万円のこの差がどこへ行つたかということを追究したところが、井上秘書室長がこの二千五百万円は政治献金をしたということをはつきりと国税庁に届けておる。これがわれわれのねらつたところでありまして、この政治献金から手がついたのであります。これははつきり申し上げておきます。そこで、こんな意味で、犯罪の巧妙をきわめた玉ノ井事件ですら、からだをこま切れにして隅田川にぶち込んだところが、いわゆる天網恢々疎にして漏らさず、手の皮の指紋をむかなかつたところに犯罪が検挙されたのであります。この保全経済会の一端も、私たちはこの二千五百万円を政治献金したというりつぱな事実を何よりの証拠としてかかつて来たのでありますが、これに全力を尽して調査し、その調査も着々できつつあるのでありますが、この山は、明治のころに、農商務省時代から現在の村田という者が払下げを受けておるのであります。そうして、二千五百万円の金どころか、今申し上げまするが、送金がこういうぐあいになつておる。この二千五百万円は松阪の支店に送金していることがはつきり上つて来ているのであります。昭和二十七年の十二月二十三日に二千五百万円を山林代金として出して、七万五千円の登記代を出しておるのであります。さらに十二月の三十日にまた六百万円を送つておる。二十八年の一月十四日に三千七百四十万円、そうして三月三十一日に七百三十万円前後。ここに、約五千万円というものと今の二千五百万円と七万五千円の金の行方がわからないのであります。これがあなたの方に行つてはせぬかということを、われわれとしては一応考えてみたのですが、いかがでございますか。
○大谷証人 今委員の方の御質問で、私初めてそういうことがあつたということを知つたようなわけでございまして、私山林の内容のことはほんとうに何も存じません。これはもう誓つて申し上げます。何ぼで買うたのか、また何ぼでそれを登記したのか、そういうようなことに関しましては私ほんとうに何も存じません。ただ井上秘書室長が山を買いに行つたということだけは聞いておりますけれども、どこに送金したのか、どれだけの価格でしたのか、私は一切存じません。私は神明に誓つてあなたに申し上げたい。
○田渕委員 この山の所有者の村田が売ろうかと思つたのは東本願寺様が買いたいというのであるからということで出ているのであります。もちろんその間にブローカーもおりましよう。いろいろありましよう。あなたが利用されたとおつしやればその通りでありますが、そうしてここにまたいろいろ派生的な問題が出るのでありますが、これはいたし方がありません。この村田というのは三重県の松阪の公安委員長をしておるのであります。これが何でも灘の酒屋の関係とかの御親戚を持つておると伺つおるのであります。今日この三千百万円の保全経済会から出た山代金が六百万円しか行つておらぬ。ところが、これをだんだんに調べてみますと、何でも九百万円でとつたとかどうとか言つておりまするが、実際において松阪の税務署のあげた登記面と食い違いができております。それはもちろん、今日でございますから、実際には十万円で買つたものを三万円と登記する場合もありますけれども、少くともここに脱税行為も現われて来るのであります。しかし、それはこの際おいておきます。ただ、五千万円からのものを送り、さらに二千五百万円というものはりつぱに政治献金をした。それで、大谷さんが買いたいのだというので来たから売つたのだ。それで井上は金を送つておるわけでありまして、この点も、あなたを介し、あるいはあなたを利用して、これがどこに政治献金されたか。これは今警視庁に出ていますから、井上を追究して行けば数字のことはわかります。ただ、これについてはつきり知らぬところで御断言なさつて、将来警視庁に置いてあるところの井上が、これはこれこれでやつたと言つてあなたに御迷惑のかかるようなことがありましたら、先ほど委員長が申し上げたように偽証罪が成立いたしますので、この点を私は特に申し上げておきます。
○大谷証人 私は絶対に存じません。そんなようにおつしやいますけれども、何ぼで買われたのか、また間にどういう策が講ぜられたのか、献金の問題等、実際に私存じません。これだけはつきり申し上げておきます。
○田渕委員 私は、他の委員の御質問もございましようから、この程度にしておきまして、あとでまた質問することにして留保しておきます。
○塚原委員長 中野四郎君。
○中野委員 大谷さんは選挙区も同じでありまして、お人柄も十分承知しております。総括して考えますと、あなたのお人柄のいいところを利用して、結局保全経済会は大きな利益を得たという結論になると思うのであります。その社会的あるいは宗教的な責任は、むろん終局においてはお感じになら”ければならぬと思うのですが、私は仏教保全経済会が保全経済会との間に取結ばれた約束を中心としてひとつお託を聞きたいと思うのですが、先ほど、すべて保全経済会の窓口で事務を取扱つてもらつて、金も全部そちらへまかすというお話、その単なる利潤だけをば仏教保全経済会の方にもらうというお話でありました。これはなるほど手をぬらさずして利益を得る方法で、まことにけつこうなんですが、その結果として非常にまずい面が出て来るのです。一番最初の御証言の中で私が納得のできぬ点があるので、御答弁願いたいのです。先ほど委員長の質問の中で、あなたは保全経済会と仏教保全経済会は関係がないということをおつしやいました。実質上において、事業形態においては大いに関係があるわけです。関係がないとおつしやつたのは、あなたが保全経済会の役員でないという意味なんでしようか、あるいは他に何か意味があつておつしやつたのでしようか。
○大谷証人 今最後におつしやつた事柄でございまして、私が個人の立場として保全経済会の役員もいたしておりませんし、また保全経済会の運営には何ら発言権を持つておりませんということを申し上げたわけであります。
○中野委員 そこでお伺いいたしたいのですが、仏教保全経済会の役員の名前を見ますと、安田さん、佐々木さんの両顧問を初め、証人のあなたが会長になつて、大谷照乘さんが副会長さんになつていらつしやる。ここにちよつと奇異に感じますのは、伊藤斗福君が理事長としてこの仏教保全経済会の中に入つていらつしやる。理事長というのは一体何でしようか。この裏を見ますと、理事諸君が約十名ばかりおります。むろん理事会でありましようから、この理事長だろうと思う。理事長というものの職権がいかなるものであつて、仏教保全経済会の中ではどういう権限とどういう機構の上に立つて活動し得る能力を持つものか、この点を伺いたいと思います。
○大谷証人 保全経済会の理事長がこつちの理事長であるということは、私もちよつと機構上どうかということも考えたのであります。しかし、仏教の教化活動あるいは仏教の興隆の運動というような面では、失礼ながら私どもの方が専門家でありまして、企画をし、それの実施をやつて行くという仏教保全経済会の目的のおもなるものに対しての方面はわれわれが受持つということで、初め考えたのであります。一番初めの定款をごらんくださいますとわかります通りに、当時仏教保全経済会の出資者は、仏教保全経済会の紹介によつて保全経済会へ出資する、いわゆる紹介の程度で出資を求めようじやないかというような定款になつております。それがだんだんかわつて、再投資というような形にかわつて来たような定款になつておりますが、要するに、財政面の責任は、さつきも申し上げました通り、われわれ仏者の方面ではとうてい知恵もなく力もなく、またそれの運営の方法も知らないのでありますから、これは理事長としての伊藤君にすべてやつてもらうということの方が誤りがなかろうというところから、こちらの理事長になつてもらいまして、その方面の運営を担当してもらうというようなことになつたわけであります。
○中野委員 お宅の定款の第六章の役員の中を見ますと、理事長一名というのが載つておりますが、その理事長の役責は「本会経営者にして本会運営に関する一切の責任者とする。」というふうになつております。そうしますと、悪い言葉を言うようですが、あなたのところは一つのトンネル会社みたいなもので、実際は経営の実際からすべての運営の実体を保部この理事長が把握して、ただ単にあなた方はロボット的に会長とか副会長とかあるいは副理事長、常務理事というようなものになつておるように見えますが、そういうものなんですか。
○大谷証人 形の上からごらんになるとそういうぐあいになるのじやないかと思いますが、われわれの方としては、さつきも申し上げました通りに、仏教の運動、仏教興隆の仕事はわれわれ仏者がやるべきことである。その方面は全責任を持つて運営して行くが、その経済の裏づけはこの仏教保全経済会の金銭上の運営の利益からこれをまわしてもらうということでやつて行くほかに方法がなかろうということで、会の全責任を理事長に持つてもらうという定款になつたと私は記憶いたしておるのであります。
○中野委員 そういう御証言によりますと、実際は仏教保全経済会というものはあるけれども、実質は保全経済会の中に加えられた一部のものと見られる可能性が多分にありますが、この点はいかがなのですか。
○大谷証人 さつきも申し上げました通りに、一本立ちになり得る時期に到達したならば、必ずこれは独立をさせますというかたい約束がなされているわけでございます。それまでの道程におきましてかような結果に陥つてしまつたのでありまして、言うてみますれば、その目的がまだ達せないうちにこわれてしまつたというような形になつているので、保全経済会の一部ではないか、こういうぐあいに中野先生はおつしやるのではないか、こう思います。
○中野委員 そこで具体的に少し伺いますが、この勧誘の方法はどういうふうになすつたのでしよう。先ほどおつしやつたように、八百からのいわゆる末寺に対して、文書をもつてお出しになつたのか、あるいは何か口頭でそういうような時期におつしやつたのか。今お宅の仏教保全経済会の書類を見ようと思いますが、残るものが一つもない。定款は一部あります。それからお宅の役員名と、これだけでありまして、あと何もお宅の方では出していらつしやらない。従つて経費なんかは一文もいらぬわけです。しかし、二億数千万円という金が集まつているのですから、これはどういう方法をもつてお集めになつて、寺なら寺が十万円なら十万円集めますね、集めた結果、それに対して寺に幾ら割返してやるのか、これは仏教徒として非常に大きな問題だろうと思うのです。宗教家たる者がこういう活動によつて利潤を得るということは、時勢の変遷に従つてある意味においては了承する人があるかもしれませんが、従来の観念による仏教徒というものが、その中枢をなす本願寺さんでこういうことがあつたとあるなれば、今後大きな問題がここにかもされて来ると私は思うのです。従つて、どういう方途によつてお集めになりましたか。
○大谷証人 本願寺とは全然関係がございません。私個人としてこの方の会にタッチをしておつたのでありますから、その辺はひとつ誤解のないようにしていただきたいと思います。 それから、集めるといいますけれども、新聞の広告、あるいはまた雑誌の中に刷り込みました広告、あるいはまた中外日報等の宗教新聞に掲載します広告等によりまして、お寺の中にも代理店を経営したいというような希望があつたようでございまして、そしてそれが仏教保全経済会の方へ真接交渉して代理店になつている方もあるらしいのであります。そういう人たちが宣伝いたしますことが広がつて、出資が漸次増強して来たものであろうと私は存じますが、実は、実務の点につきましては、私議会の方が忙しいので事務所へもほとんど顔を出しませず、年に二、三べんしか事務所に参らぬというような事情でありますので、そういうこまかい手続になりますと、御答弁申し上げるべき知識を持たないわけであります。どうかひとつ御了承願います。
○中野委員 ちよつとつかぬことを伺うのですが、宗教法人で無税でありますが、寺の中にそういう代理店を置きます。そうすると、仏教保全経済会はやはり税金の対象になると思うのですが、そういうものはどう扱うのでしようか。
○大谷証人 それはやはり代理店規則によつてやつておるのだろうと思いますが、今も申す通り、そういう末端の方の機構のことは私は存じませんので……。
○中野委員 それでは本問題を伺いますが、あなたは信用をなさつた六つの理由をおあげになりましたが、その中で、投資金融銀行にするということをあなたはうたつておられますけれども、これは昭和二十六年と思います。つまりこの投資金融銀行にするということは、少くとも立法化をしたければならぬ。その立法化の意思が伊藤斗福君にいつごろからあつたかという点について伺わなければならぬのです。昭和二十六年にあなたが近藤さんから相談を受けたときに、すでにこのことを伊藤君があなたに明らかにしておつたからこそ、あなたは御信用になつたのだと思いますが、この点間違いがありませんかどうか、伺つておきたい。
○大谷証人 間違いございません。
○中野委員 さらに具体的に伺いますが、京都にあります宗教関係の中外日報、これは二千万円の資本金全部が保全経済会の出資になつておる。証人はこれをどういうような御関係があるか伺いたいと思います。
○大谷証人 中外日報の真溪社長とは個人的な先輩としての交際はいたしておりますが、事業の面につきましては一切存じません。
○中野委員 ちよつとふしぎに思うのですが、宗教新聞としては正しいことを報道する——もちろんどの新聞だつてそうなんですけれども、この新聞がきわめて古い宗教新聞であることはよくわかるのですが、保全経済会との御関係をお持ちになつて、その資本金がすつかり保全経済会の方に握られてから、新聞の報道がどうも正しく行われておらない。今日の結果から見れば、まさに虚報ばかり、うそばかりと言つても私は間違いないと思います。一体これはどういうわけなんでしようか。あなたの方の示唆によつて真溪君がこういうふうになさつたのか。真溪君だけが、そういうような二千万円からの出資を受けておるから、保全経済会の機関紙のようにこの宗教新聞を変革をしたのか。この点もちよつと伺つておきたい。
○大谷証人 私の聞いておりまするところでは、仏教保全経済会の幹事をいたしております吉田黄雲という人がおります。この人と真溪社長との間は非常に懇意な間柄であります。その人が伊藤理事長を真溪さんに紹介したということを聞いております。その後の中外日報に対しまする金銭上の交渉は、われわれは何も知る余地がないのであります。ただ、伊藤君に紹介をされて、伊藤君の援助を受けるようになりましたという話を、遊びに行つたときに私は社長から聞きまして、今から申すとおかしいのですが、それはよろしかつたなと私はごあいさつを申し上げました程度でありまして、この中外日報の機構、運営、あるいは伊藤氏との交渉という点には私は何もタッチいたしておりません。
○中野委員 先ほどから大谷さんのお話を聞いておりますと、仏教会を中心にというような御証言でありましたが、ここで一点ふしぎな点があるのです。保全経済会が、この新聞を進じまして、仏教会以外にも、相当いろいろな方面にまで手を延ばしておるのですが、これはどういう意味でしようか。宗教新聞として、あなたの意思とこの新聞とはどこか一致しないで、とんでもない仏教会以外の方に手を延ばして、かなり新聞広告を散らしておるのですが、これはどういう意味なんでしようか。会長として伺うのです。
○大谷証人 私の考えでありますが、真溪社長はわれわれの大先輩でございます。ですから、われわれがかれこれ申しましても、先生は一つ一つそうかと言つて聞いて実行してくださるような方ではないのです。ことに中外日報というのは宗教新聞でありまして、仏教新聞ではございません。ただ、真溪涙骨という人は、西本願寺の寺から生れた人だということによつて、真宗の信仰を持つておられる方であります。ですから、仏教の色は濃いかもしれませんけれども、公平に宗教全体の記事を報道しておると私は存じます。天理教にいたしましても、金光教にいたしましても、そういうような宗派神道の記事も相当にたくさん載つている、かように私は存じております。
○中野委員 そこで、これに相当な広告料等をお払いになつていらつしやるはずだと思う。ただで載せるはずはないと思います。仏教保全経済会の収支会計簿というものはお手元にありませんか。警視庁の捜査を受けておるのですから、これに持つて行かれてかりにないとすれば、その写しか何かがあると思うのですが、これはどうなのでしようか。
○大谷証人 私は会計簿はもちろん備えてあると思います。けれども、この間やはり捜査を受けまして、全部の書類を持つて行かれたということであります。実は私もまだ京都に帰つておりませんので、その辺の事情はわかりませんが、広告料はもちろん支払つておつたと思います。
○中野委員 どのくらい支払つておつたのですか。
○大谷証人 それは私ちよつとわかりません。
○中野委員 望月京一という保全経済会の経理部長、これは仏教保全経済会とは相当密接な関係を持つておつたわけですが、この望月は後に伊藤斗福とは非常に反目する仲になり、従つて望月自身が伊藤を脅迫している事業もあります。それからいろいろな関係もありますが、その脅迫とは関係がありませんけれども、望月京一が、保全経済会をやめてから、保全経済会の内容について、仏教保全経済会の方に相談に行つておるはずなのでありますが、この望月をあなたは御存じなのですか、あるいは望月といつごろお会いになつたか、伺いたい。
○大谷証人 望月に会いましたのは、仏教保全経済会の定款をあの人がつくつたということを私は聞いております。そんな関係で、発会式のときに理事会を開きまして、それに出席をいたしましたときに一度会いましたのと、保全経済会に私が伊藤君を訪問したときに、そのはたにおりましたときに一度会いましたのと、二度ぐらいしか私は会つておらないのであります。やめたとかやめなかつたとかいうような問題に対しての関係は、私は何も聞いておりません。
○中野委員 保全経済会が休業を発表いたしましてから、仏教保全経済会の方にも一般の出資者の方から相当議論があつたのだろうと思うのです。これについてはどういうような対策をなさいましたか。
○大谷証人 この点は私非常に責任を感じておりますので、仏教保全経済会は、もちろん匿名のようなこういう組織は禁止の法律が出ると思いまするから、これを継続するというわけには参りません。しかし、御承知の通りに、言つてみますれば私どもは被害者であります。仏教徒出資者の利益を擁護するために、仏教保全経済会の組織ができておるのであります。もちろん、私は、保全経済会の整理の面におきましては、われわれ仏教保全経済会の出資者を一丸といたしまして、残つておりまする財産の中から損害は損害として差引いて、残りを按分比例によつて、仏教保全経済会の出資額に相当するだけのわけ前は当然もらえるものである、こう実は考えておるような次第でありまするから、それを元にしてやる一つの再建方法と、もう一つは、われわれ責任者だけが集まりまして、そうして仏教保全経済会の目的に沿うべき会を別につくりまして、それによつても早く最小限度に出資者の御迷惑を解一日消して行きたいというところの案を現在立てつつあるような次第でございます。
○中野委員 これは善意な結果と悪意の結果とありますから、あなたの方がその前者であつたか後者であつたか、これはいずれ社会の批判にまつことにいたしまして、ここに一点わからぬ点があるのですが、定款の第八条の中に「出資金額は随意とする。」その次に、「正当に評価された有価証券を以て代へることも出来る。」とあるのですが、あなたの御次男の武氏さんでございますか。この方が日本和紡株式会社の取締役をなさつていらつしやいます。これについて、一体どういう御関係でこれにお入りになつたのか、あるいはどういうような関係であたはこれに御次男をお向けになつたのか、ひとつ伺いたいと思います。
○大谷証人 さきに申し上げました通り、和紡の社長は月ヶ瀬という方でございまして、これは私の方の熱心な信者でございます。この方が始終私のところに遊びに見えますので、私の次男がそのとき何も仕事をいたしておらなかつたものでありますから、手伝いに来てくれないかという話から、それなら渉外の事務でもやらせてもらつたらどうかという話で、ひとつ渉外事務をやつていただきましようということで、実は会社の東京詰めでこちらの支店でお手伝いをさせていただいておるような関係でございます。
○中野委員 小林さんも大分おせきのようですから、もう一つだけ伺います。結果においては、保全経済会は四十四億、五億という金を集めましても、現在の不動産あるいまは現金等を集約いたしますると、十五、六億円しかないのであります。三十億円からの欠損になつておる。善悪にかかわらず、欠損になつておるのは現実の問題です。それで、投資機関として匿名機関だと今までは言つて集めておつたのですが、昨日松本博士に来てもらつて、顧問であり経済方面の最も見識者として、彼は匿名組合でないという点をここで明らかにしておる。この一点で詐欺はきめ手になるのです。匿名組合にあらざるものを匿名組合として金を集めた点が詐欺になる。これはあなたがお考えになつても常識で判断できると思う。従つて、これを整理いたしますと、三十億ばかりの損害で、十五万人ばかりの一般投資者に及ぼす影響は社会的に大きな問題です。しかも、中には非常に零細な戦争未亡人等の金も含まれておることは、論ずるにいとまがないところであります。従つて、そうなりますと、あなたの方の仏教保全経済会におきましては、善意でありましても、結果においてはこういう悪結果を来しておる。ただ責任だけでは済まぬと私は思う。あなたは、当面の仏教保全経済会の会長となすつて、政治的な、あるいは社会的な、あるいは宗教的な責任をお感じになることは、あなたのお人柄から私は十分知つております。しかし、現実の問題として、これほど零細な現金を集めて社会的に被害を与え、投資者に大きな被害を与えたのですが、これに対して、仏教保全経済会の会長大谷さん、あなたはいかなる処置をもつてこれに当られますか、これを伺いたいと思います。非常な決意を持つておられると思います。
○大谷証人 その点に対しましては、先ほども申し上げました通りに非常に責任を感じております。何とか早くこれの整理もいたしたいし、また再興にいたしましても、出資者の方々に満足は行かなくても、われわれの誠意のあるところを示させていただきたいと考えておりますので、私といたしましては、たとい私財をなげうちましても、できるだけの準備を整えて、再興に邁進して参りたいと考えておりますことをここに申し上げておきます。
○中野委員 そうすると、仏教保全経済会というものをもう一ぺんこのままで再建する。さらに匿名組合でない一つの投資機関だということになると、今まで各方面に言うておられたことが根本的にくつがえつて来るのですが、その再建方式はどうするつもりなのでしようか。これを立法化するつもりなんですか、立法化して投資銀行方式にするのか、ないしはどういう形でこれを再建する意思でおられるか、これも伺つておきたいと思うのです。
○大谷証人 その金銭上の問題になりますと、なかなか計算の問題もむづかしいことにもなりますし、私どもといたしましては、その専門家に依頼をいたしまして、その整理方法の立案というものを現在やつてもらいつつあるのであります。まず第一案で申しますれば、わけ前を、さいぜん申しました通りに、仏教保全経済会の出資に応じて、損害は損害として差引いた残りを組合からもらいまして、それをもとにして信託なら信託に預託して、その預託によつて金融を受けたものを資本金にしてやりますか、あるいはまた全然別個の出資者を求めて、その出資によつてここに正規の機構をこしらえて参りますかという点について現在まだ研究中でございますので、御了承を願います。
○中野委員 そうしますと、この保全経済会とはまつたく分離して今後行こうということでありますね。
○大谷証人 もうこれで私どもは保全経済会とはかつきり一線を引きまして、仏教興隆のためにわれわれの意思に賛同してくだされた方々の委任なり同意を得て、その上にわれわれの再建方法を立てたい、かように考えております。
○中野委員 もう一点だけ重ねて伺います。政党献金と政治家への献金が今問題になつております。これはもちろん公務員が職務を通じて金の授受をした場合が中心になります。そこで、先日ほど御証言になりましたが、この委員会で昨日の平野君の証言でも御承知の通りであります。そこで、いわゆる立法化の意思が伊藤にいつごろからあつたかということが一番重点になります。先ほども伺いましたが、あなたが昭和二十六年伊藤斗福から相談を受けたときに、この保全経済会を信用する六箇条のうちの一つである投資銀行にするという日にちについては、二十六年のときに間違いありませんな。
○大谷証人 発会が四月八日でございますので、その以前に一度会うております、日は忘れましたが。二十六年の四月八日のお釈迦様の日を選んで発会をいたしたような次第であります。ですからその以前に聞いております。
○原田委員 関連して。ただいま中野委員の質問に対して、投資銀行に移行ができるということを信念的に伊藤氏が言つておつた。それを信用して大谷さんはこの仏教保全経済会をつくる一つの原因にされた。信念的ということでありますが、具体的にそのときにはどういう話が出たのですか、ちよつと伺います。
○大谷証人 具体的に私何も聞いておりません。ただ、匿名組合のこういう方法でやつていることは社会の信用の上にも欠くるところがあると思うから、一日も早く——アメリカに何かそういう銀行の機構があるそうですね、それを見習つて日本の金融面にも投資銀行ができ得るという信念で私はやつておりますから、御安心を願いたい、こういうようなことを承りました。
○原田委員 ただそれだけですか。
○大谷証人 はい。
○原田委員 ところが、そういうことができるということでやられたのでありますが、この保全経済会が貸出しをしないというので、あなたの方では今度は別な会社をつくつてやろうということを計画された。この具体的な方法は投資金融銀行がだめだという結論が出たからだ、こういうことをあなたは先ほどおつしやつておりますが、これはどこで、いつ、いかなる理由でだめになつたかということなんです。その日時と場所とそれから理由を聞かしていた、だきたい。
○大谷証人 だめになつたのは……。
○原田委員 先ほどどうしても投資銀行がだめだと……。
○大谷証人 投資銀行がわれわれが予想しておつた期間の間に……。これではどうも……。
○塚原委員長 大谷君、速記がとれませんから、こちらを向いて御発言ください。
○大谷証人 二十七年の六月ごろであつたかと思います。そのころに、まだ投資銀行になりませんかということを私が申しましたら、まだもうしばらくということでしたから、第二の案をわれわれは考えたのでございます。
○原田委員 そのときに、あなたは問われたときに、まだできませんかという程度でお問いになつたのか、それとも、あなたは、先ほど顧問に知名人がいたということも、あなたが仏教保全経済会をこしらえる原因になつておりますが、この人たち、たとえば平野とか、あるいは早稻田とか、松本とかいう人が働いてくれてない、それが働いているけれども、うまく行かないのだ、あるいはきのうから話題になつておる自由党とか、改進党とか、各方面に働きかけているんだけれどもだめなんだという話が出たのですか。
○大谷証人 先ほども申し上げましたように、私は政治の面での交渉は立場が違いますので、そういうようなことがあつたかないか、そんなことは私はちつとも気にしておりませんので、ただ、伊藤君が投資銀行にしようと言いますので、そうですが、それならひとつ早くそういうことにしたらいいじやないですかということを催促を申し上げた程度でございます。そういう政治面の動きというようなことにつきましては私何も考えておりませんでした。
○塚原委員長 小林進君。
○小林(進)委員 落葉拾いのようにひとつ質問さしてもらいたいと思うのでありまするが、第一には、今も言われた、名士のいる保全経済の実体を信用したという、さつきの六つの項目の中の第五番目でありますが、平野力三以下名士が顧問をしておるから、私はこの保全会を信用したということをおつしやつたのであります。ところが、仏教保全会を設立せられるというお気持になつたのが、さつきの御証言で昭和二十六年の二月であります。ところが、きのうからの証言で、平野君や松本信次君、早稲田柳右エ門君等がこの保全会の伊藤斗福と初めて話をし知り合つたのが二十六年の四月末ないしは五月ということでありまして、あなたの方が四箇月も先に伊藤君と知合いになつて、そしてこの仏教保全会設立の準備をされておるのでありますが、時間的に非常にずれがある。第二項目はお取消しになつたらいかがと思います。
○大谷証人 実は二月ごろに伊藤君に会いましたときに、こういう方々に顧問を御依頼を申し上げておりまして、ほぼ御了解を得ておりますということを言われたということを申し上げたのでありまして、掲げたとか、書いてあつたとかいうことを言うたのは……。
○小林(進)委員 そういたしますと、これは前日の証人が一つの偽証をなしておるということになるのです。早稲田柳右エ門またしかり、平野力三またしかり、松本信次またしかり、三君とも二十六年の四月末ないしは五月に初めて伊藤斗福なる者をそれぞれの紹介者を経て知つて、そしてその後面会したというお話、時間的に大谷さんの話は二十六年の二月であります。二月のときにすでに伊藤斗福君から名士の連中を顧問に就任するような了承を得ておるというのです。半年のずれがありますから、この点をひとつ委員長においてしかるべく理事会においてお諾り願つて、再質問をするか、偽証にするか、お考えを願いたいと思います。(拍手、「大賛成」と呼ぶ者あり) 次にお伺いいたしたいことは、先ほども関連質問でお話がございましたが、立法化、法制化について伊藤斗福君が非常に信念的なものを持つておりましたので、それで信用をしたということを言われたのでありますが、その信念がいかなるものであるかということが実はきのうの平野力三氏に対するわれわれの質問の重点であつた。その信念の裏づけを問いただしていたときに、彼は今朝の新聞に報道せられているような某々献金というこういう裏づけがあつて、彼の立法化の信念があつて言つたのである、こういうことを言つたのでありますが、同じようなこの立法、法制化に対する信念の裏づけを伊藤理事長があなたにいかような話をしたことがあるかないか。まさか大谷營潤氏ともあろう大宗教家が、単なる伊藤斗福の言葉だけで、その立法化、法制化を信用されたというだけでは、これじやあなたの証言は満足であるとは言えない。確かに言用されるには具体的な裏づけがあつたと思うのでありますが、その点をひとつお聞かせを願いたいと思います。
○大谷証人 私はそういう具体的な話は何も聞いておりませんが、伊藤君の面相と申しますか、必ずこれは立法化されるという私は信念を持つております、どうぞ御安心を願いたい、こういうまじめな顔で、ほんとうに真剣な顔で私に話をしましたときに、そういうことができましたらまことにけつこうですから、それは一日も早くされた方がよいでしようということを申したのでありまして、その点は、われわれは非常に宗教的な立場におりますので、あまり人を疑つてかかるということはいたさないような次第であります。
○小林(進)委員 この点は信徒は生仏様と言うのでありますが、いかに生仏様の營潤先生の御証言でも、私はまだ納得することができぬのであります。いずれこの問題は方々から私どもも追究いたしまするし、将来やはり立法化を裏づけるような政党献金等の話が伊藤君を通じてあなたのお耳へ入つていたということが出て参りました場合には、残念ながらひとつあなたは偽証罪でごめんどうを願わなければならぬのであるが、その点もひとつお含みの上、確信ある回答をいま一度お聞かせ願いたいと思います。
○大谷証人 私、その今おつしやられるような政治献金とか、あるいはまたその裏面の政治工作とかいうようなことに対しましては、まつたく立場が違いますので、仏教保全経済会といたしましてはそういうようなことを気にする立場ではございませんものですから、今何ぼおつしやいましても、たとい偽証罪に問われましても、伊藤君からそういう話は一度も聞いておりませんことを申し上げておきます。
○小林(進)委員 それでは、ほんとうの伊藤君の信念的な言葉だけで、それの立法化することを信頼せられたというのでありますが、それほどの信頼をもつていよいよ仏教保全会の会長に就任せられて信徒の浄財をお集めになつた。ところが、その途中において、今の関連質問で御証言があつたように、あなたが投資銀行というものが不可能であるということを伊藤君から聞いた。聞いたるがゆえに、今度は第二の投資銀行といいますか、その類似の相互銀行を興隆するために云々という証言があつたのであります。それだけ信用した伊藤君が今度は投資銀行がだめだと言つたときに、あなたは一体ただちに第二の会社を考えられたということは、私は気持の上で少しずれがあるのではないかと思いますが、その間の経緯をひとつお聞かせ願いたい。
○大谷証人 私、保全経済会が休業しました後も、まだ法制化の問題は、伊藤君から必ず法制化に持つて行きますということを聞いておりましたので、いまだに——今は何ですが、それがだめになつたとは私としては思つておりません。そうですから、ずれがあるとおつしやいますけれども、打切つてしまつたということでない。ただ法制化されるとかあるいは投資銀行になるということが遅れて来ておるということのために、われわれの考えておる仕事がはかどつてないのを残念に思いまして、第二の構想を練つたような次第であります。
○小林(進)委員 隣近所であまりお坊さんをいじめるなという声を聞くのでありますが、きようはどういう因縁か坊主デーになりまして、このあとで廣川弘禪さんを呼ぶことになつておるのでありますが、私も地獄へ行くのはいやでありますから、いじめようなどという気持は毛頭ないのであります。真実を追究するために、やや言葉が過ぎるかもしれませんが、この点はひとつ御了承を願いたいと思うのであります。ただ、どうしても投資銀行法が制定されるということをそれほど強く信頼されたあなたが、途中において五百万円の設立準備金を伊藤君からもらつて、第二会社の相互会社の買収にかかつたり、あるいは銀行類似のものの設立に狂奔をされたというその心境の変化が私にはのみ込めないのです。そのときには、なお伊藤に万般の信頼を置いて、そして別の会社をつくるような心境にいられたのか、伊藤に一ぱい食わされた信徒の救済に任じなければならぬ、財源もつくらなければならない、こういうことて第二会社の設立を考えられたのかどうか、この点をお伺いしたい。
○大谷証人 お答え申し上げますが、決して伊藤君の投資銀行がだめになつたと思つてかかつたのではないのでありまして、あまりにその設立がおそいものでありますから、われわれとしてはこの各寺院から要求されております融資、それから一日も早くわれわれの理想実現の財源を強固にして行きたいということを念願いたしまして第二会社を考えたのでありまして、そのほかに他意はございませんから、どうぞ御了承を願います。
○前田(榮)委員 関連して大谷証人にお尋ね申し上げます。実は私も浄土真宗の信者でありますが、ただいま他の委員からの執拗なる御質問がありましたが、これは大谷本願寺派といいますか、宗教家としてのあなたを中心に論議があつたと思うのですが、私は、あなたの胸についておる参議院議員のバッジは、いわゆる国会議員として、ただ単に宗教家で、他力本願で、他にすがつておるのだから、わしは何も俗界のことはわからぬということでは済まされぬ問題があると思う。この点をあなたにお聞き申し上げたいのであります。あなたは、三重県の山林が、いかなる経済的価値があり、どういう手続でやつたかということは一切知らない、こうおつしやつた。それはそれで私はいいと思う。ところが、この事件がかようになつて来ると、あなたが紹介をしたこういう問題が、しかも五百万円といい、あるいは二千万円というようなものが、何億円という値打のあるような取扱いをして、いわゆる取込み詐欺みたようなことになつておる。このことを知られた今日において、なお、どういうことになつておるか知りません、そういうような無責任なことは、私は世間は許さないと思う。なぜかようなことになつておるだろうかとぼくが最初に聞いたときには、何も知らなかつたけれども、これは値打のあるものかないものか、その間に介在した話はどうなつておるかということの研究も何もせられないで、知らぬ存ぜぬで、他人をだましたらだました方が悪いのだというような、そういうことでこの世の中を済まされる国会議員があるとすれば、私は重大な問題であると思う。この保全経済会の今の問題は、わが党が提案して、この提案に各党の賛成を得て出した。われわれは、わが党が出したことは、わが党の平野君の問題を、みずから涙を振つて馬謖を切る、そうして政界を浄化させるという決意なんであつて、そこでやつてみると、だんだんほかの方にも火が飛んだというにすぎない。そういうことから考えましても、国会議員の中に平野君や早稻田君やあなたのような方があつて、問題がこういうことになると、これは明らかにしておかなければならぬと思うのでございます。その点をあなたはどう考えておるか。
○大谷証人 さつきどなたでありましたかお尋ねがあつたときの私の言葉が足りなかつたのかと思いますが、実はあの山の問題はこういうわけであつたのです。山を売り歩いておる者が——たしか私の聞いておりますのには中村五郎というへであつたと思いますが、その人と、どこでか知りませんが、だれに紹介を受けたのか知り合いまして、そうしてそれを保全経済会で買うてもらおうということで保全経済会に行つたらしい。そうしたところが、保全経済会に私の方の仏教保全経済会が、何と申しますか、同じような、つまり提携をしてやつておる、しかも仏教保全経済会の会長は大谷であるということを売り歩いておつた人が聞いて、それが私の方の信者であつたものでありますから、そんならひとつ大谷さんのところに行つて、保全経済会の内容、あるいはまた買うてもらえるかどうかというような事柄に対して一ぺん御相談をしようじやないかということから、私のところへ——私はそのとき用事がございまして富山の高岡に出張しておりましたから、その宿へ私の知人の澤井という男がやつて来まして、そうして、あなたが伊藤理事長を知つておられるのなら、この山の話がこういうぐあいに買うとか買わぬとかいうことになつていますから、ひとつ伊藤さんの方へ紹介をしてもらえないか、こういう話を私の方に持つて来たわけであります。それまでは澤井は伊藤に会いたくても会えなかつたのであります。ですから、何とか私に紹介をして会えるようにしてくれないか、こういうことでありましたから、私も人の紹介はこりておりますので、それならば井上に紹介してあげよう……。
○前田(榮)委員 ちよつと御発言中ですが、私はそういうことをお尋ねしているのではないのでありまして、あなたは東本願寺の僧籍を持つた、しかも中心人物であるから、僧侶としては知らぬ、存ぜぬ、他力本願で、経済上のことはわからぬのだということで通ると思う。これは通つてもよろしいと私は思います。ところが、国会議員としてのあなたが、私は宗教家の代表者であるから、他の経済部面は何も知らない、だまされてもしかたがないのだ、こういうことでは、国会に議席を持つて国政に参与している者の責任は済まされないと思う。そういう立場からこの問題を考えたときに、山林の問題が、値段がどうして、どこが何万坪あつて、どういうようになつておるということは、今までは知らなくてもいい。だまされたのだからしかたがない。しかし、事今日かようなことになつたならば、その山林は、実際はどのくらいの値打があるもので、現物はどんなものか、それにおれをこういうようにだまして、こういうところに追い込めたというくらいのことを、事件後に十分御研究になつたかどうか、そういうことの研究をしなければほんとうの政治家的な責任感というものは持てないと私は思う。知らぬ、存ぜぬ、だまされたと言つて涼しい顔ができるような性格では、他力本願のお坊さんとしては済むかもしらぬが、政治家的な責任感を完全に果すというあなたの心持がわれわれに受取れぬ。これはどうか、こういうことなのです。
○大谷証人 御質問の責任とか責任でないとかいうことをもちろん否認するわけじやございませんが、私は、今申し上げる通りに、紹介してくれと言われたので、名刺に書きまして、井上室長に紹介をいたしました。それから後に、山を買うことにきめたとも、またどれだけの値段をどうしたとも、あるいはいつそれの受渡しをしたというような売買の点についても、むしろ私には隠しておつたのではないかと思うのでございます。また、紹介で会うて、直接に井上君がやつておつたのでありますから、むしろ私どもに対しては内緒でそれを買うとか売るとかしてしまつたのでありまして、それの責任を国会議員のお前が負えとおつしやつても、私としてはどうにも内容がわからぬものを、ちよつと……。ただ、その結果がそういうような悪い結果になつておりますから、あるいはそういう点で顧みてお前が紹介したのが悪いのじやないか、こうおつしやられればやむを得ないと思いますが、それ以上の、つまり国会議員だから跡始末まで見届けなければならぬのだというようなことは、普通の紹介くらいではちよつと受取れぬと思うのです。
○前田(榮)委員 あなたにはそういう仕事それ自体が無理のように思いますから、これ以上この問題は聞きません。中野君も相当執拗に聞かれたようでありますが、仏教保全経済会の今後の処理について、保全経済会と縁を切つて、一線を画して再建をはかるというお話でありましたが、あなたは保全経済会との関係において、知名の士を信用し、それから近藤君に会つていろいろな話を聞いて信用し、伊藤の話を信用し、いろいろな人を信用されておるのでありますが、その信用のことごとくが当てがはずれて逆な結果になつたことをよく御認識になつておると思うのであります。それで、あなたがわかりにくい経済上の問題を取扱う限りは、経済上の側近の相談役はあるのかどうか。それがなしに今後再建をするということ自体は、またきわめて危険な結果であると私は思うのであります。みずからを知らなければならぬと思う。そういうことについて、本願寺内に経済上のあなたの相談相手となるべき者がおるのかおらぬのか、あるいはまたそういう者に相談した事例があるかどうか、この点を最後にお聞き申し上げます。
○大谷証人 私の側近にはしろうとでは相談相手はおりません。ただ戸田善一郎という弁護士の方がおりまして、この方が非常に私のことを心配してくださつておりまするし、かたがたその方にすべて御相談申し上げ、そして今後の再建問題につきましても、法律上あるいは手続上あるいは内容上の問題に手落ちのない方法でひとつやりたい、それには、あなただけでいけなければ、エキスパートの方を戸田さんが選んでひとつ推薦して、その御相談にあずかつてやつていただきたい、こういうぐあいに考えまして、お願いを申し上げておりますので、私といたしましても、もう実はこりましたので、かつて気ままにこういうことを独断的にやるということは一切避けたい、すべて法律的な相談相手として専門家に相談に乗つていただいて将来をやつて行きたい、こう実は考えておる次第でございます。
○小林(進)委員 今度はこまかいことを一、二お伺いいたします。一億のお金をお集めになるときに、仏教保全経済会としてはどういう具体的な方法をおやりになつたか、それぞれの坊さんにどういう勧誘方法でお勧めになつたかということが一点。それから第二点は、東本願寺が会長で西本願寺が副会長でございますが、この二億円の出資金のパーセンテージは、東西両本願寺で当時一体どれくらいになつていたか、その概算の比率、この二点をお伺いいたしたい。 〔委員長退席、長谷川(峻)委員長代理着席〕
○大谷証人 勧誘方法は、さつき申し上げました通りに、妻類等は一切出しておりません。ただ、パンフレット式の広告と申しますか、そんなものを各保全経済会の支店に備えておきまして、そして入りたい方はそれを見てよく研究していただく、また新聞、雑誌等に広告をいたしておるというようなことで、この二億の金が集まつたのであります。 それから、あとの問題は、私が東で、副会長は西でございますが、六と四の形になつております。私の方が少いのであります。それはなぜかと申しますと、関西から南の方の出資者が多いもので、自然に西が六で私の方が四くらいの割合になつておるということを聞いております。
○小林(進)委員 仏教保全経済会の支店にパンフレットその他を備えつけてお置きになるとおつしやつたのでありますが、その支店はすなわち寺院でございますか。
○大谷証人 保全経済会の支店です。
○小林(進)委員 私はいま二点こまかいところをお伺いしまして、最後に私の本論をひとつお伺いいたしたいと思いますが、第一点は、日本和紡績に五百万円伊藤君が投資をして、そしてあなたの御子息が東京支店の重役をおやりになつている。私は、この保全会の投資とあなたの御子息というような関係で、いま少しくこの日本和紡と深い関係がおありになるんじやないかと思いますが、その点いかがですか。
○大谷証人 お答え申し上げます。重役と申しましても東京詰めの支店長ではないのであります。ただ東京の支店長の相談役としてこちらに駐在をいたしておるような次第でございます。ですから、投資の事柄あるいは株券の事柄に対しましては、社長が直接やつております。これは業務上のことでありますから、私またしかられるかもしれませんが、社長と伊藤さんとの間で、こうもしようじやないか、ああもしようじやないかというような話が成り立つておるのでありまして、その間に用があれば私の子供がお使い歩きをしたかせぬかということは、これはひとつ社長に聞いていただかないと私にはわかりません。
○小林(進)委員 月二十万円の人件費並びに事務費が保全経済会から届けられているということでありますが、それは一体保全経済会が休業をするときまでその二十万円が続いておつたのかどうか、その点が一点。それから月出資金の一厘を仏教保全経済に伊藤君から返還されているのでありますが、その一厘の金が一体総合計いたしまして幾ら休業のときまで入つたか、この二点をひとつお聞かせを願いたいと思います。
○大谷証人 初めの問題では、それは休業まで続いておりました。それからあとの方の問題でありまするが、これは実際に事務をやつておる者に聞いていただきませんと、実は私実務をとつておりませんから、総計どれくらいになつておりますということは、ちよつとお答えがいたしかねますので、お許しを願いたいと存じます。
○小林(進)委員 これは委員長において、この一厘の納付金といいますか、還付金が休業まで総計にして幾らになつているか、これは書類において後日提出せられるようにおとりはからいを願いたいと思います。当委員会としてはぜひ必要な書類だと思いますのでお願いします。 それから、次にお願いいたしたいのは、これは間違いかもしれませんが、どちらの大谷さんでいらつしやいますか知りませんが、二十八年三月三日、節句の日で非常にめでたい日でありますが、その日に令嬢が結婚されて、そのお祝いとして三十万円が伊藤斗福から行つておりますが、どちらでございますか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
○大谷証人 副会長でございます。
○小林(進)委員 これは副会長の方だそうでありますので、そのように了承いたしまするが、最後に、私は、先ほどの証言を拝聴いたしまして、一番ふに落ちなかつた一点を一つ質問することをお許し願いたいのでおります。それは戦時中戦後にかけて非常に仏教が圧迫せられたために経済的に非常に苦しくなつて来た、こういうことがるる述べられたのでおりますが、終戦後の進駐軍のやり方はともかくとして、戦争中における東條軍部内閣が西本願寺派、東本願寺派を圧迫したというようなことを聞くのははなはだ心外でありまして、われわれこそ戦時中にかり立てられた。戦場の従軍僧、その他あの苛烈なる戦争の中で戦時内閣がこの仏教に一般住民にまさるどれだけの保護を与えて来たかわからないのでありまして、私をして言わしめますれば、敗戦に至つた一半の責任は、むしろあなたの口から責任を感じてもらうくらいの言葉を私はお聞きしたがつた。ところが、むしろ被害者だと言う。じようだんじやありません。この戦争をあおり立て国民を扇動せしめて、従軍僧なんてわけのわからぬものが説教をして戦争をあおり立てた一半の責任こそ、あなた方にあると言わなければならぬ。これは議論になりますから、議論はいたしませんが、終戦後経済が逼迫したために、このやみ金融と結託して零細な金を集めて、日本の法律や規則にないところのやみ金融でそれを融通してその頭をはねた。一厘であろうと二厘であろうと、その金で教団を維持しようというそうの基本的な考え方を、いわゆる活仏としてのあなたが正しいとお考えになつたその動機は間違いではないか。あなたは、最近の談話の中で、キリスト教は経済的の援助があると言われましたが、いかにキリスト教であろうと、世界における真の権威あるところの宗教は、その経済はやはり大勢の信徒の浄財によつて成立しておるのである。経済はこの信徒の浄財によつて成り立つというのが信仰の道だと私は思うのでありまして、いやしくもやみ金融の頭をはねて教団を維持しようと思つたことを、さも正当なる理論かのごとくあなたが説かれることが私はふに落ちないので、この点をいま一度伺いたいのであります。
○大谷証人 さきの問題で、戦争中に仏教が圧迫せられたということはおかしいのではないか、むしろ戦争に協力をしたのではないかというお話でありましたが、これは、御承知の通り、毎月文部省から各宗教の責任者を一堂に集めまして、この戦争に協力しないような宗教はこの際許可を取消すというくらいな強い要望でもつて、文部省がリードをしておつたことは御承知だろうと思います。そういうような点から考えましても。あるいは金物を供出さすとか、あるいは持つておるところの財宝によつて飛行機献金を奨励さすとか、あるいは炭鉱に人をかり、集めて私のところなんかは気の毒にも右の足を一本炭坑の中で失つたところの犠牲者も出たのであります。そういうようなことを強要されたというような意味で私が申し上げたのでありまして、決してそのようなことはないと私は思います。 それから、もう一つは、やみ金融とおつしやいますけれども、私は、これが不正なものであるとかあるいはまた匿名組合がこういう形であつてはならないものであるというようなことに対しましては、はなはだ知識がうといために、いまだにどうもやみ金融の上前をはねて自分たちがどうこうするというようなさもしい気持でこれに同意をしたというような気持は持つておらないのでありまして、結果から見てそういうことになつたということは、さきも申しました通りに、私として不明のいたすところで、まことに申訳ありませんでした、こういうことを申し上げておる次第でございます。
○小林(進)委員 それでは、いま一点お伺いしますが、現在あらゆる新興宗教等が続出いたしておりまするが、新興宗教、旧宗教を問わず、仏教を看板にして金を集めておる姿が方々にありまするが、これをあなたはやはり宗教活動として正当であるとお考えになつておるかどうか、これをお伺いしたいと思います。
○大谷証人 もちろんその手段が、そういうような詐欺的なこと、あるいは不在であるか、あるいは法律の裏づけがないというようなことで計画されておることであれば、もちろん悪いことである。そういうことは取締るべきであり、そういうことはわれわれ慎まなければならぬということは考えておるような次第であります。
○小林(進)委員 宗教の本然は人間が神に対座して勤労の精神に徹底するものだと私は思つている。(「宗教論じやないか」と呼ぶ者あり)いや宗教論じやない。これは重大な問題だ。いやしくも日本第一の歴史を有する日本国民の精神の基調たるべきこの東本願寺、西本願寺の仏教の御連枝様ともあろう者が、働かないで月に八歩だ六歩だというような高利の金で信徒をつつて、そしてその金の利息でお前たちはとにかく生活が楽になるではないか、そういうような不労所得で信徒を養つて行くような精神を注入しておいて、それが間違いじやないだろうというような考えは、私は大きな宗教的な堕落だと思つている。そういう堕落に気がつかないで、八歩、六歩、四歩というような法律にもないようなやみ金融で、不労所得の金で信徒をつつて行くようなことが正しいと思う、悪いと思わないというようなことは、大きな宗教の堕落だと私は思つているのでありまして、そういう自覚が足らないで、今でも悪いことをしたとは思わない、結果においてどうもまずい結果が現われたと思うと言われることは、人を指導する宗教の精神を疑わざるを得ないのでありまして、私はいま一応確固たる証言を得たいと思うのであります。
○大谷証人 お説ごもつともであると存じまして、つつしんで拝聴いたしておきます。
○長谷川(峻)委員長代理 北山君。
○北山委員 簡単に五、六分伺いたいと思います。まず一点は、保全経済会の方から仏教保全経済会の方に毎月二十万円ずつの事務費が出ておると言われましたが、先ほどお話のあつた設立の準備費五百万円というのは、大谷さん個人として出されたものであるか、あるいは仏教保全経済会の分として受取つたものであるか、その点をお伺いいたします。
○大谷証人 それは準備金として私委託されたのでありまして、仏教保全経済会の帳簿の中に算入はいたしておりません。
○北山委員 その五百万円は、先ほどのお話では、昨年の休業ごろに清算をしたというお話でございますが、一体どういうふうに清算したか、残りの金はどうなつておるか、あなたが預かつておるか使つてしまつたか、その点を明細にお答えを願いたい。
○大谷証人 全部清算して伊藤理事長に報告をいたしました。そして残金が多少ありましたので、休業後の仏教保全経済会の人件費等に充てることも伊藤君の了解を得ておりまして、その方にまわしております。
○北山委員 残金が多少ございましたがというのですが、多少というのは幾らであるか。そしてそれは仏教保全経済会の方にまわすことにしたということでございますが、まわしてしまつておるかということをお伺いいたします。
○大谷証人 二十万か三十万であつたと思いますが、その辺ははつきり私覚えておりませんが、先月は十三万何ぼその中から出しまして、それで人件費、事務費を全部支払いまして、まだ十万近く残つておるのではないかと思います。
○北山委員 そうしますと、残金として、今お話のような処理をされた以外の、五百万円から二、三十万を引いた四百何十万というものを設立準備費用に使つたと思われるのですが、どういうふうにお使いになりましたか。
○大谷証人 それは詳しいメモを持つておりませんので……。
○北山委員 大体でいいです。
○大谷証人 交通、通信、出張費、宿泊費等で約二百万そこそこだつたと思います。それからその他の、宴会費と言つては語弊がありますが、会合費、謝礼費というようなもので百万近いものじやなかつたかと考えております。そうして、そのあとは理事長の許可を得まして買収をいたします運動費と申しますか、そういう点で使用させてもらうことにいたしましたのが約百万近くあつたかと思います。大体のことでありまして、今ここに記録を持つておりませんから、はつきりしたことは申し上げられません。
○北山委員 今の点はやはりいろいろ関係があると思いますので、委員長にお願いしますが、その五百万をいかようにお使いになつたか、明細を証人の方から書面をもつて提出せしめるようにお願いいたします。 次に、毎月の二十万円というのは、相当の職員も置いておつたようでありますから、事務費にほとんどお使いになつたわけですね。
○大谷証人 さつき申し上げました通り、業務員一人、事務員三人、女の事務員が二人、これが人件費でございます。そのほかに事務所の電話料金あるいは通信費あるいは報告費また薪炭、ガスというような消耗品費、そういうものを寄せて約二十万足らずと私は記憶いたしておりますが、その程度でございます。 (長谷川(峻)委員長代理退席、委員長着席〕
○北山委員 次に伺いますが、保全経済会と仏教保全経済会との関係でございます。その点はどうも私どもによくわからない。仏教保全経済会は別個のものであるが、運営の方は一切は保全経済会にまかせておつたというようなお話であります。でありますから、運営にはさつぱり責任がないようなお話もされておる。しかしまた、証言の中には、毎月きまつた歩合をもらうことに契約をしている、なお、このような状態になつて来れば、出資者の中でマル仏という仏教保全経済会の方の関係で出資された方の分は、これは仏教保全経済会の方の出資者であると考えるから、その人たちの分を集めて別に第二、第三会社をつくつて再建工作をするというようなお話をされている。全体を通じて考えてみますと、仏教保全経済会と保全経済会とは別個の団体であつて、その出資を集めるということを保全経済会に委託したのだ、委託をして、その料金として一定歩合の——一厘ですか、一厘の歩合のものをもらうという契約をしておる。すなわち、仏教保全経済会の仕事を保全経済会に代理をさせておるのだというように考えてよろしゆうございますか。
○大谷証人 代理と申しますか、つまり出資金を集めますることはすべて保全経済会が取扱つておりまして、われわれの方は本部だけしかありませんで、地方に何ら機関を持つておりませんから、出資金を集める方法がないわけであります。それで、広告によつて各保全経済会の支店を通じて仏教保全経済会の出資も集まつて来ておるという形でありまして、定款から申しますれば再投資しておる。さつき私が被害者の一人だと言つたらたいへん怒られましたが、私どもの考えとしては、つまり仏教保全経済会の出資者は、ただ番をふやそうというばかりでなく、仏教興隆という大きな目的のために、同志的結合でもつて一つの団体をつくつておるのでありますから、それが再びそちらに投資をしておるという形になつておりますので、言うてみれば投資者の利益擁護の団体と申しますか、そういうような形において仏教保全経済会ができておる、こう御了解願うのが正しいと思います。
○北山委員 その点の法律的な関係といいますか、解釈はいろいろ客観的な資料に基いて判断されることだと思うのです。ですから、それ以上触れませんが、問題は、先ほどのように、とにかく仏教保全経済会の上りとして一厘の分としてもらつておる二十万円の金を、あなたのおつしやるようにほとんど事務費に使つてしまつて事業には何も使つておらぬ。宗教の健全な活動のための経費は一向払つておらぬということになれば、この案内書に書いてある目的、出資者に対してこういうことをするのだぞと書いてあるその看板に偽りありということになり、今までの分については、みなその金は、事務費に使い、あるいはまた大谷さんの東南アジアの旅行に使つたり、あるいは何か銀行をつくる経費に使つたりされてしまつて、真の宗教団体の健全な活動に対する分としては使われておらぬということになりますと、これはどうも出資者に対してはだましたという結果になるのではないか、こう思うのですが、どうですか。
○大谷証人 それは少し酷な御批判ではないかと思います。実は布教師を依頼いたしまして、無料で各地へ先ほど申しました通りに布教に歩かせておりますことなども、全部仏教保全経済会の費用でやつております。けれども、何分にも坊主のことですから、そうりつぱな宿にとまるわけではなし、寺へとめてもらつて、そうして次から次へと、一月とか半月の日程をつくりまして、随所々々に布教に歩いておる。あるいはまた幻燈を持ちまして子供会をつくり、幼稚園を訪問して、そうして布教師らが仏教精神による児童の福祉方面に役立つような話をずつとしてまわつておるというようなこの事業も事実やつておりますし、それから各本山でやりますいろいろな事業に対して、三万でも五万でも御寄付申し上げて、その運動をお助け申し上げるというようなこともやつて来ておりますが、そういうこまかい点は実務をやつております者に聞いてみませんと、私の申し上げることは総括的な知識より申し上げられませんからというようなことで、先にもお断り申し上げております。つまり私はまず二十万円くらいと思いますが、その中の明細のことは、ひとつ実務をとつておる者にお聞きを願いたいということを、最初に実はお願い申し上げたような次第であります、
○塚原委員長 山中君。山中君に申し上げますが、時間も大分経過いたしておりますから、なるべく簡潔に、ダブらないようにお願いいたします。
○山中(貞)委員 証人のお話では、仏教保全経済会は、保全経済会と最初は関係がないというようなお話であつたのでありますが、実際には保全経済会のピンチを救つたものは仏教保全経済会であるとまでいわれている状態であります。私どもの考え方はずいぶん証人と違うわけでありますけれども、その点を私はもつと糾明してみたいと思うのです。 仏教保全経済会の方に保全経済会からは事務費として約一千万程度が出資されたものと、私どもの調査では明らかになつておるのでありますが、しかしながら、ただいままでの証人のお話によりますと、二十六年四月発足以来閉鎖に至る二十八年まで約三十箇月にわたりまして二十万円ずつ見当といたしますれば、六百万円の金しか現在までに話に上つておらないのであります。もちろんそのほかに、東南アジアへ行かれたときのせんべつ、あるいは小林君の言われた結婚式の祝儀とか、あるいはお盆や歳暮あるいは中元というようなものを加えれば若干差があるかもしれませんが、それにしても相当の金額の差がそこにあると思うのであります。その差は、先ほど御答弁になつておりました会社設立準備金としての五百万円をその差額であると了承してよろしいものであるかどうか、お伺いをいたします。
○大谷証人 どうもその辺が総計が何ぼになつおりますか、一千万円ですか、ちよつともう一ぺん伺いたいのです。
○山中(貞)委員 そうです。
○大谷証人 その点が私にはちよつとわかりませんので、これはひとつ専務理事をお呼び願いまして、どういうぐあいな支出になつておるかの帳簿もひとつこちらへ持つて参りまして、そして御説明申し上げないと、何分数字のことでございますから、私が想像していいかげんなことを申し上げるということは、また偽証罪とかなんとかいうことになりましても私申訳ないと存じますので、どうぞその辺は帳簿の上でひとつ御説明を申し上げることにお許しを願いたいと存じます。
○塚原委員長 どうですか、帳簿の提出でも要求されますか。
○山中(貞)委員 ええ。では、証人は、約二十万円見当ずつ三十箇月分というものが、どれ、だけの金額に上つて、それが保全経済会の帳簿では仏教保全経済会の事務費として支出されておるかということも御承知ないと了解しなければならないのでありますか。
○大谷証人 総計の点では私まだ詳しい報告を聞いておりませんからわかりませんのですが、ただ、そのときどきに、今月は二十万円ほど入るとか、先月は二十五万円ほど入つたというようなことは断片的には聞いておりますけれども、総体的な問題になりますと、まだ書類を受取つておりませんので、お答えする数字を持たないようなことで申訳ないと存じます。
○山中(貞)委員 中外日報社に広告されました三百十七万見当の金は、これは保全経済会の分としての広告でありますか、それとも仏教保全経済会としての収入中から支出された広告費でありますが、お尋ねいたします。
○大谷証人 どうもそれも私わかりませんのでございますが……。何もかもわからぬと言つてはなはだ申訳ないのでありますけれども、広告はたしか保全経済会の本部で、こちらの東京の本部で指令して、そしてどこの新聞にはどういうぐあいな広告を出すとか、あるいはどの雑誌にどういう広告を出すというようなことで指令しておつたようでありまして、その端くれとして仏教保全経済会の取扱いもいたしますというようなことを書いて、各新聞に出ておつたように私思いますのですが、その広告料は非常に大きなものでありますから、もちろん仏教保全経済会の経費の中からは私は出ておらない、かように考えております。
○山中(貞)委員 ほとんど経理の面は御承知ないようでありますが、しからば、先ほどから証人は再建をするんだということを強く主張いたしておられますが、閉鎖の折に二億二千万円仏教保全経済会の分が集まつておるのだという報告があつたそうでありますが、その時期なりあるいは当初の一億の報告があつたときなり、中間の二億の報告があつたときなり、その仏教保全経済会の分として確かにそれだけの金額が保全経済会の窓口を通じて集まつておるかどうかをお確かめになりましたかをお尋ねいたします。
○大谷証人 それは、私の方から、常務理事を通じて、保全経済会の方へ確かめておりますので、多分仏教保全経済会の帳簿の報告の中には、毎月そのデータが集まつておるもの、こういうぐあいに私は聞いております。
○山中(貞)委員 今のお答えですと、どのような具体的な方法で区別がされておるかについて、あるいは証人は御存じないのじやないかとも考えますが、一応お尋ねいたします。その保全経済会の厖大なる出資額の総計の中で、仏教保全経済会の分と称せられる二億二千万円に上る分は、どういう区別がなされてありますか。たとえば、別途の帳簿がなされてあるなり、あるいは別途会計の様式が定められてあるなり判然としたものがあつて、そういう証言をなされるわけですか。
○大谷証人 私の聞いておりますのでは、保全経済会の帳簿が別にありまして、仏教保全経済会の分だけは整頓して帳簿に載つておるように聞いております。そしてまた、二億とか一億に達したということに対しましても、これは保全経済会の方から仏教保全経済会の方の本部に対しての御報告でありますから間違いがないというぐあいに考えておりますのと、それから区別は、受取りといいますか、預かり証の上にマル仏の判を押しまして、これは仏教保全経済会の出資分という区別を立てておるということも聞いておりますし、私事実自分でも多少承知をいたしておりますし、その証文を持つておりますので判明いたしております。
○山中(貞)委員 そうすると、保全経済会の帳簿もしくは会計内容に立ち入つて、保全経済会の分が現在どれだけの額に上つている、従つて、自分たちの意図する理想が中段において断ち切られたと先ほどおつしやいましたが、その理想にいつごろ到達するというような見通し等も、実際に会長自体は一ぺんもお確かめになつたことがないのでありますか。
○大谷証人 今のお話でありますが、先ほども申し上げた通り、一厘ずつ保全経済会から回付してもらいます約束をここに実現して参りますのには、二億円の預金ができると二十万円になるわけであります。でありますから、先ほども申し上げた通り、ちようど休業の少し前に、ようやくにして一本立ちに仏教保全経済会が事務費だけをまかなつて行く会計の持てる出資金が集まつた、こういうぐあいに感じておるような次第でございます。それとともに、帳簿を調べたことがあるかどうかと仰せられますが、実は私は、伊藤君にも、信用を高めるのには収支のバランス・シートを一般に公開しなければいかぬぞということを、始終忠告をいたしておつたのであります。そうしてガラス張りにしておけば、どんな問題が起るにしても説明がつくと思いますし、また出資者もそれによつてほんとうに保全経済会のやつておることが理解ができて参るということを考えまして、それをたびたび言つて、私の方の仏教保全経済会にもその内容を呈示してもらいたいということを、われわれ責任者として伊藤君に申しました。ところが、御承知の通り、株の売買ということは、大手筋になりますと、いつ買う、いつ売るということが公開されては利益が少くなるので、どうかそういう面では公開することを容赦してもらいたい、それでなければ商売が成り立たぬから、こう言われましたので、損をしてまで私どもがその内容を公開してもらいたいということもどうかと思われましたので、実はそのままになつて、伊藤君の言う通りに信用しておるような次第であります。
○山中(貞)委員 そういたしますと、休業直前の状態において、ようやく仏教保全経済会が独立して所期の目的に向つて営業が開始できる状態に到達しておつた、こういうことを言われるのでありますが、はたして向うから二億二千万円に達しましたという、あるいは二億に達しましたという報告のみでもつて、そういう事実が、保全経済会が休業せずしてそのまま営業しておつたとしても可能であつたかどうか、私は非常に疑問に思うのです。従つて、あなたの終始一貫かわらない、今後償いのためにも必ず仏教保全経済会は再建すそんだ、こういう考えも、当初からのあなたの考えとまつたく同じで、私は甘過ぎると考えるわけであります。従つて、先ほどは帳簿は別個にしてあるらしいということを専務を派遣して確かめたというお話でありましたが、私の手元には、実際には帳簿は別個にされていないのだ、ただマル仏のスタンプの押した統計の数字があるだけだ、こういうふうにただいま報告が参つておりまするが、そういうことから考えますると、保全経済会が休業していなくても、私はその問題は非常に困難じやなかろうかと思う。事実、あなたの方で相互信用銀行あたりを買収して別個な営みを早く開始しようと責任感にかられて伊藤に要求された際にも、数回の折衝にもかかわらず全然出していない。出す意思はなかつたと先ほど証人自体も言われた。ましてや休業になつておる現在の段階から考えまするならば、帳簿が別個にないとすれば、あなたの考えておられる再建ということはまことに甘いものである。しかも現在二億二千万円に達しておる金額そのものも、保全経済会の資産あるいは経営内容自体の公表の結果わかりました通り、非常に誇大評価されたものである。その実体を考えますると、私は再建というものは非常に困難であるし、むしろ不可能だと断言してもいいのじやないかと思いますが、そういうことについては、今まで一回も直接タッチしておらないあなたは、これからはたしてどういう構想と決意をもつて立ち上ろうとするのか、その自信があるかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
○大谷証人 実は、その点につきましても、私休業と同時に二十六日の日に伊藤君と会いまして、仏教保全経済会はどうしてくれるか、君は今まで仏教保全経済会は休業しない、かつまた仏教保全経済会には迷惑をかけない、これほど確かなことを言うておるが、全体それはどう保証してくれるのだということを副会長とともに私が迫りましたときに、こういう覚書を書いて私に渡したのであります。これを読んでみますと、 昭和二十七年十二月初旬頃貴会との間に 一、貴会よりの出資金に対し、出資金相当額の担保として当会所有の有価証券又は不動産を差入れることを約定し、現に登記手続未了のまま現在に至つております。 一、将来貴会を当会と切離し独立経営に移すことを約定しましたことは相違ありません。ということの覚書を、昭和二十八年十月二十七日、保全経済会が休業の翌々日、私のところにあやまりに参りましたときに提出したのであります。でありまするから、私といたしましては、先ほどお笑いになりましたけれども、われわれは出資者としての被害団体であるからして、その被害団体が固まつて、出資の損害は損害として、残つた財産のわけ前をもらうということには、現在できておりまする保全経済会の整理の組合の方面におきましても了承しておることであるから、資金の面におきましては一億になりますか五千万円になりますか知りませんけれども、この仏教保全経済会のわけ前だけは当然もらえる、法律上の手続さえすれば当然これは返つて来る、こう実はいまだに確信を持つておるような次第でございます。これをもとにいたしまして再建をはかるか、先ほど申しました通りに別の融資を受けまして再建をはかるか、そこは今私どもとしても必死に研究もし努力もいたしておる最中でございますから、どうぞその辺をひとつ御了承願いたい、こう申し上げてお答えにかえる次第であります。
○塚原委員長 長谷川峻君。
○長谷川(峻)委員 先ほどから聞いておると、証人は事務的、経理的なことは全然おわかりになつていないようでありますから、総括的な面についてお尋ねをいたしたいと思います。 証言をお伺いしておりますと、伊藤理事長なるものを非常に御信用になつておるようでありますが、かつて証人は保全経済会の全国的な招待会みたいなもの、そういうものに御出席になつたことがありますか。
○大谷証人 一回、支店長会議か総支店長会議かがございましたときに、保全経済会の何周年かの祝賀会があつたと思います。これはもうごく最初で昭和二十六年であつたと思いますが、そのときに出席をしております。それが一回だけで、あと保全経済会の会合には私出席いたしておりません。
○長谷川(峻)委員 その席上において証人が祝辞演説をされた中に、伊藤理事長は日本経済の救世主である、澁澤榮一にも匹敵する大人物だというふうにも讃辞をされ、あるいはまた著書においてその序文を書いておられるように聞いておるのですが、どうでしようか。
○大谷証人 そういうような無法な讃辞を私呈したことはございません。ただ出版ができましたときに、日本経済の投資の面についてアメリカの投資の形式を取入れるという先覚的な意見を持つておられることに対して、われわれは知つておりまして、であるから、将来一層努力をされて、この日本経済の再建に御奉公をしていただきたい、こういう意味のあいさつを祝辞的に述べましただけでございます。
○長谷川(峻)委員 戦争中並びに戦争後の仏教界が経済的に非常に困つておつた。そこで、何かここに機関を設けて、保全経済会から費用をまかなつてもらおう、そうして仏教保全経済会を起して、それによつて独立する態勢ができた場合には保全経済会から独立させてもらおうじやないか、こういうふうな先ほど証言があつたのであります。 私は、本委員会を通じて、計数的、経済的ないろいろな問題において遺憾の点が多々あるのでありますが、私個人の意見といたしまして、それらの問題以上にもつと大事な問題は、少くとも仏教国といわれておる日本の仏教が今日まで歩みを続けて来られたゆえんのものは、大乗仏教にまで進展して来たところにある。しかるところ、ここに奇怪しごくなるところの朝鮮人なる伊藤理事長の言葉を信用して、費用をまかなつてもらおう、あるいは独立させてもらおうというふうな隷属的な奴隷根性的なその風潮によつて、大谷さんは非常に善意をもつて経営に努力をされたのでございますけれども、こうした大きな被害をこうむつたのじやないか。私は、まず第一に、根本義として日本の仏教界がそうした隷属性と独立性のないどしよつ骨の弱さというものがこういう破綻を起したのじやないかと思う。これについての大谷証人の御証言を求めたい。
○大谷証人 私は、さきも申しました通りに、仏教の興隆はやはり人物をつくるということが最も必要なことではないかと思います。それがわれわれの宗団といたしましては力がないものでありますから、この仏教研究者の援助も十分にできない、かつまた教典を今の言葉に直して、一般の方々にこれを了解していただくということもできない、これがだんだんと民衆が仏教から離れて行くゆえんではなかろうか、こういうことを考えまして、私の理想は、この比叡山を開放していただいて、そうして横川谷の方は小乗仏教の道場を専一にし、あるいは根本中堂の方は大乗仏教の極意研究の学場をつくつていただくということにいたしまして、東洋仏教の研究者あるいは仏教にあこがれを持つておる留学生等を、無料もでつてこの大乗仏教の花が咲いておる日本の土地に来てもらいまして、そうして将来ともりつぱな仏教者をここに輩出して行くということでなければ、小さなことだけではこの仏教の再興ということはまつたく困難であろう、こう考えました結果、われわれの理想といたしましては、今申し上げる通り、比叡山の復興ということにまで進展していただく、それにはやはり経済問題が伴うことでありますから、ただ浄財を求めているだけでは、いかにも私の理想を生きている間に実現することは困難であろうというようなところから——これはやみ金融に迷わされたのではないかとおつ上やられればもう一言もございませんが、われわれはそういうつもりでやつたのではなく、比較的早く比較的多くの金がこの仏教の興隆というわれわれの理想の面に注がれて行くような機会が与えられれば、よつてもつてわれわれの真如も冥すべきではないかというような考えから、こういうような計画を立てたというところに、結果においてはなはだ申訳のないことを招来して、これはまことに慚愧にたえないと実は考えております。
○長谷川(峻)委員 構想としていろいろお持ちになつていることもけつこうでありますが、仏教宗教においては、その真を貫くところの信仰と申しますか、行動力が必要だろうと思います。そういう意味合いにおいて、今日保全経済会が日本全国に四十五億、その中に、仏教保全経済会が、先ほど証人の御意見を聞きますと二億四千万円、額においては微々たるものであります。しかしながら、日本全国八万何がし、しこうしてあなた自身の仏教界における信用と、全国的なる仏教徒を動員したという形、この形において比較的早く参加したるところの仏教保全経済会の信用によつて保全経済会が存立したということ、こうして伊藤理事長の詐欺が行われたというところに重大なる問題がある。具体的なる例をとつてみましても、一箇月二十万円の目腐れ金がほしいために、仏教全体の信用を落し、しこうしてわずかに過去三年間に六百万円足らずの金をもらつて、二億四千万円からの仏教徒からの金が今日保全経済会の瓦解によつて凍結されておるのです。私は、その高い理想を現実的にやる場合には、昔の宗教家と同じように、ほんとうに熱情を持つて大道に叫び、ある場合には風雪の中に滅びて行くくらいの気持があつて、初めて日本の仏教界が大乗仏教となる。しこうして、大谷証人の場合に、仏教界における指導者であるとともに、日本国の象徴である御皇室とさえも特殊の因縁がある。こうしたところに、私は、国民道徳の中における仏教界の大きな信用を將来とも保持されるように、万全の御研鑽と御研究をお願いしたい。私は、事務的なもの以外に、これらのことを強く要望申し上げて、私の質疑を終る次第であります。
○塚原委員長 それでは委員長より証人に申し上げますが、先ほど小林、北山両委員より書類等の提出要求がありましたが、これらをすみやかに委員長の手元まで御提出願います。 大谷証人に対する尋問はこれにて終了いたしました。証人には長時間御苦労さまでありました。 午後は二時五十分より再会し、証人廣川弘禪君より証言を求めることにいたします。 暫時休憩いたします。 午後二時九分休憩 ————◇————— 午後三時十六分開議
○塚原委員長 休憩前に引続き会議を開きます。 証人の尋問に入るに先だち、保全経済会等特殊利殖機関に関する調査小委員長田渕光一君より、昨日の中間報告について付言するため発言を求められておりますので、この際これを許可いたします。田渕光一君。
○田渕委員 昨日本員の報告いたしました小委員長報告中、第七、新聞雑誌等との関係につきまして報告いたしましたうちに、言論人として産業経済新聞社前田久吉氏の名をあげましたのは、同氏が産業会館ビルヘ二百五十万円、日本観光飛行協会へ五十万円保全経済会より出資させておる事実に基いて報告をいたしたのでありまするから、この点付言いたしておきます。
○塚原委員長 ただちに廣川証へより証言を求めることにいたします。 ただいまお見えになつておられる方は廣川弘禪さんですね。——あらかじめ文書をもつて御承知の通り、正式に証人として決定いたしましたから、さよう御了承を願います。 これより保全経済会等特殊利殖機関に関する件について証言を求めたいと存じますが、この際証人に申し上げます。保全経済会は全国に二百箇所以上の店舗を有し、出資総額約四十五億円、加入者は約十五万に達する特異な利殖機関でありまして、従来その業務の運営につきましてはとかくの風評があつたのでありまするが、昨年十月二十四日突如として全国一斉に臨時休業に入つたのであります。この休業に立ち至つた事情につきましては世上幾多の疑惑と関心を有する向きもあり、また一方これら類似の特別利殖機関の累増を見た今日、これら特別利殖機関の業務運営の実態を明らかにし、かつこれら特殊利殖機関に対する関係官庁の監督の当否につきまして調査を進めることは、国の行政が適正にしてかつ能率的に行われているかどうかを監察しもつて立法その他国政の審議に資するため行政の運営上障害となつている各般の事情を総合的に調査しかつその責任を調査する本委員会の使命にかんがみ、きわめて有意義なりと考え、本委員会は本件の調査をいたすことになつた次第であります。証人におかれましては率直なる証言をお願いいたします。 それでは、ただいまより保全経済会等特殊利殖機関に関する件につきまして証言を求めることになりますが、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことに相なつしております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が、証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者、及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者が、その職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。 では、法律の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めます。御起立を願います。 宣誓書の御朗読を願います。 〔証人廣川弘禪君朗読〕 宣誓書 良心に従つて、真実を述べ、何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
○塚原委員長 それでは宣誓書に署名捺印してください。 〔証人宣誓書に署名捺印〕
○塚原委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際には、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。まず委員長から概括的に証言を求め、次いで各委員から証言を求めることになりますから、御了承願います。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになつていてよろしゆうございますがお答えの際は御起立を願います。 それでは始めます。証人は、保全経済会の伊藤斗福とどういう御関係でありますか。いつごろお知合いになりましたか。その経緯についてお述べ願いたいと思います。
○廣川証人 伊藤君とは、二十七年に三浦義一君を通じて知つております。
○塚原委員長 証人は、伊藤斗福と知合いになりましてから、伊藤斗福との間に金銭または物品などの授受があつたでしようか。あつたとすれば、その詳細についてお述べを願いたいと存じます。
○廣川証人 伊藤君と会つてからの金銭授受ということについては、単なる金銭授受でないのでありまして、私が東京において全都の五千軒の酒屋を主体として協同組合をつくつておつたのであります。協同組合をつくりまして、ここで酒の卸業をやつておつたのでありますが、協同組合の法律はなかなかなかよくできておる法律でありますが、実際に運営いたして参りますと、なかなか問題が多いのであります。そこで、酒の販売会社をつくりまして、株式会社に移行いたしたのであります。この株式会社に移行いたしましたのは、昨年の七月から株を募集いたしまして、十月から業務を開始するようにいたしたのでありますが、この株を募集する場合に、私が電話をもつて伊藤君に株に対する投資方を依頼いたしたのであります。その株は三百万円でございますが、この株を募集する場合に、実は、われわれ設立発起人の間において、便宜上最初協同組合の手によつて全都の酒屋から株券の募集をいたしまして、これを一旦組合でまとめて、銀行払込みをいたしたのであります。その後承知いたしたものでありますから、私が立てかえまして、これを協同組合に納入いたし、仮受取りを持つて現金の受取りを交渉いたしたのでありまするが、仮受取りではいけない、仮受取りをもらつておつても何にもならないから、あとで銀行払込み券なり、あるいは株式を持つて来てもらいたいということでありましたので、そのようにいたしまして、銀行払込み券に対し株の譲渡書をつけて、保全会の方に出してあるようなわけであります。
○塚原委員長 その金額は幾らでしようか。
○廣川証人 三百万円であります。
○塚原委員長 そうしますと、昨年の九月に金三百万円が廣川弘禪に保全経済会から支出されておりますのは、その金でございますか。
○廣川証人 さようでございます。
○塚原委員長 先ほど、私の質問に対しまして、三浦義一さんという名前が出ましたけれども、三浦義一さんとは……。 〔「よく聞えない。委員長場内整理をしてください」と呼ぶ者あり〕
○塚原委員長 報道関係の方は所定の位置に下つていただきたいと思います。それから、部屋の中が大分ざわついておりますから、できるだけ静粛に願います。 先ほど、三浦義一さんの紹介というような言葉がありましたが、三浦義一さんとはどういう御関係でお知合いになりましたか、お述べ願いたいと思います。
○廣川証人 三浦君は私の選挙区におりまするので、六、七年前から私よく懇意にいたしております。
○塚原委員長 兒玉譽士夫という人とはどういう御関係におありですか。
○廣川証人 兒玉君は、私はこの前鳩山氏と会つた場合に、三木氏を通じてただ一回会つたきりでございます。
○塚原委員長 保全経済会が立法化、いわゆる投資銀行法案などの立法化について非常に骨を折つておつたとかいうようなことが大分伝えられておりまするし、この委員会でもそういう話が活発に出ておりまするが、こういつたことに関係されたことはございますでしようか。
○廣川証人 保全経済会のような特殊なものに対しての立法については、依頼されたことはございません。
○塚原委員長 きのうここで委員会を開きましたときに、昭和二十七年九月に東京会館の別館で伊藤斗福が廣川に会つた、その際立法化を頼んだところ引受けてくれた、こういうことを平野力三君が申しておりまするが、実際に二十七年の九月に東京会館の別館で伊藤斗福から立法化を依頼されたことがありますでしようか。
○廣川証人 九月だか八月だか、よく承知しておりませんが、伊藤君と東京会館の前の建物で会つたことは事実であります。
○塚原委員長 その際立法化の話は出ませんでしたでしようか。
○廣川証人 その際の話は、三浦君と新夕刊の山崎君と私の四人でありまして、これは伊藤君に対し新夕刊に投資してくれという依願で、三浦君だけでは信用が薄いから、あなたが助言をしてくれということで、新夕刊に投資依頼のことであります。
○塚原委員長 それ以外にはございませんでしたか。
○廣川証人 ございません。
○塚原委員長 平野力三君の証言によりまする、その際立法化を依頼した、まことに失礼な言い方かもしれませんが、廣川君だけでは困るといつて、池田、佐藤も中に入れたらどうかということであつたので、池田君の家に伊藤を案内したというようなことを述べられておりますが、そういう事実はあつたでしようか。
○廣川証人 その席で佐藤君、池田君に対して立法化に対して依頼をしてくれというようなことはございません。ただ、池田君に対しては、金融をやつておるのであるから、池田君にお会いいたしたい、紹介をしてもらいたいという依頼はありました。
○塚原委員長 それで紹介の労はとられましたか。
○廣川証人 紹介いたしました。
○塚原委員長 大体何月ごろでしようか。
○廣川証人 これも八月か九月かよく記憶いたしませんが、池田君のところに私と参りまして、たくさん客がおつたようでございます。そこで池田君と対し、伊藤君はこういう方だということを紹介いたしました。そしてこれは一、二分であつたと思いますが、伊藤君は紹介したのだからちよつとそつちへ行つていたまえ、そうしたあとで池田君といろいろな雑談をして帰つた記憶を持つております。
○塚原委員長 雑談とおつしやいましたけれども、そのときの記憶を呼び起していただきたいのですが、平野君の証言にありましましたように、立法化について時の大蔵大臣の池田君に廣川君から何か依頼したというようなことはあつたでしようか。
○廣川証人 立法化を依頼するというようなことはございません。特に私は立法や何かについては不得手のものでございますし、これはまた大蔵省が非常にきらつておるところでありますので、そういつたような非常識な頼み方をするようなことはございません。
○塚原委員長 やはりきのうの委員会におきまして、この立法化を依頼した、それでそのお骨折に対して金三千万円を廣川君に渡したという証言があつたのでございます。この委員会がこの問題を取上げましたものも、国会に対するいろいろな疑惑の目が向けられておりますので、この点をはつきりいたしたいという委員一同の考え方から、この委員会の審議を続けておるのでありますが、その三千万円の金銭の授受というものがあつたのかどうか、はつきり御答弁願いたいと思います。
○廣川証人 はつきりお答えいたします。絶対そういうことはございません
○塚原委員長 これははなはだ奇怪しごくでありまして、昨日の平野君の話では、三千万円を渡したということを聞いたと言つておる。御承知のように、昨日の夕刊から今日の朝刊にかけましては、ほとんどこの記事で満載されている。国民の国会に対する目というものが異常の輝きを示しておると言つても過言ではないと私は考えております。どうしても真相というものをはつきりいたしたいのでありまするが、実際、この立法化の問題、池田、佐藤を紹介するというようなことに関連いたしまして、金銭の授受というものはあつたのでしようか、ないのでしようか。お答え願います。
○廣川証人 そういう事実は絶対ございません。
○塚原委員長 ございませんか。
○廣川証人 そういう根拠をどこからお持ちかしれませんが、とにかく伊藤君と三浦君と私たちが会つた場合に、そういう話は一つも出ておりません。もしそういう事実があるならば、三者をはつきり対決させることが一番必要だと思います。
○塚原委員長 今池田君を伊藤斗福の懇請によつて紹介したということを申されましたが、ほかの政治家で伊藤斗福に紹介した方はあるでしようか。われわれみたような陣笠は別として、相当有名人で紹介されたことはあるでしようか。
○廣川証人 一人も紹介したことはございませんし、またどの委員会に対しましても立法化を依頼したようなことは一つもございません。
○塚原委員長 わかりました。 委員諸君の中で御質問がありましたらどうぞ。 〔発言する者あり〕
○塚原委員長 御静粛に願います。—中村君。
○中村(高)委員 ただいま廣川証人から保全経済会の出資関係について廣川君の認められておりまする点を、先にもう少しお聞きをいたしたいのでありますが、三百万円、あなたの関係しておられまする酒の販売会社でありますか、投資をせられたことはお認めのようでありますが、この会社は資本金は全体でどのくらいでありますか。それを先にお尋ねをいたしておきます。
○廣川証人 一億円全額払込みでございます。
○中村(高)委員 この三百万円というのは、今電話で伊藤君に申し込んだところが承知をしたというのでありますが、特に電話というようなことを力を入れておつしやつやのは何か意味があつてでございましようか。それとも、申し込んだら簡単にすぐに承知してくれたという意味でありますか。電話で申込みをしたところが承知をしたというのでありますが、何か電話に意味でもありますかどうですか。
○廣川証人 ただいま宣誓いたした通り、事実は事実として申し上げたのでございます。
○中村(高)委員 先ほど、あなたの言葉の中に、山崎君という人が出ておりますが、これは新夕刊の山崎一芳という人だと思いますが、これはどうですか。
○廣川証人 その通りでございます。
○中村(高)委員 あなたは多分ことしの——月はわからないのですけれども、ことしになつてからだと思いますが、山崎一芳氏を通じて、保全経済会にこの払い込んだ株の現金を返そうとしたことはございませんですか。
○廣川証人 そういうことは一切ございません。ことしはまだ一月と二月でございますので、一月、二月ともそういうことはございません。
○中村(高)委員 何か多分問題が起つてからだと思うのでありまするが、あなたが山崎君を通じて、どうも保全経済会の金なんかを投資してもらつていると問題が起つて困るから、山崎君ひとつ保全経済会に返してくれと言うて、山崎さんが会社に現金を持つて行つたという事実を言う者がありますが、間違いありませんか。もう一度念を押しておきます。
○廣川証人 現金を返したという事は絶対にございません。銀行の名は忘れましたが、三菱か相互銀行か、あるいはもう一つ、三つの銀行の取引がございますから、どこかの銀行の株の払込券を向うにやつてあるはずであります。この点は詳しく申し上げますが、これは一時協同組合で出資の金をまとめて、そして銀行に分割してこれを入れて、そしてこれを各出資者に対して協同組合が便宜をはかつて全部配付いたしておりますので、現金を持つて行つたようなことはございません。
○中村(高)委員 この株券は、その当時仮受取りで金をもらつておつたというのであります。結局株券に譲渡書をつけて渡したというのでありますが、初めから払込みをした株主であれば、別に譲渡書なんかはいらないのではないでしようか。初めから保全経済会という株主の株券が出るはずでありますが、これはだれかの株を譲渡したのですか。
○廣川証人 これは、先ほどから何回も申し上げている通り、実は協同組合の事務の者が担当いたして協同組合で株を全東京都にわたる酒屋から集めたのでありますが、どうしてもやはり協同組合の精神を生かすために、最低五五%はこの酒屋に持たしたいという考えでやつたわけであります。しかしだんだんやつてみますと、株の応募者が多いというので、全額持とうということでやつたわけであります。そして、これは製造メーカーと醸造業者と、それから小売業者だけでやろうじやないかということでやつたのでありますが、なかなかそこまで参りませんので、最後に外部からも少し持とうじやないか、しかし創立総会まではあくまでこの酒屋のみでつくつたという自信を酒屋に持たせようじやないかというわけで、外部から入つたものを設立発起人であつた私の名にかえておいたようなわけであります。そうして、創立総会後に、それぞれそれを分割いたして譲渡するというようなことをやつておるようなわけであります。
○中村(高)委員 株の点は直接あなたも認められておるのでありまするから、それほど問題にいたしてもしかたがないことでありますが、あとは、あなたが否認をいたしておりまして、今委員長から言われましたように、きのう平野君から確かに現金の授受があつたという証言をいたしておりまするからして、きようのあなたの証言と平野証人の証言とはまつたく相反することになるのでありまして、これはどちらかが真実でありまして、どちらかが真実に違うということでありましようが、どうもこれは、あなたの名誉のためにも、また国会といたしましても、はつきりいたして、ほんとうにないならばないようにいたしておく必要がありまするので、あるいはしつこいかもしれませんが、この点を重ねてお尋ねをいたすのであります。昨年の九月、あなたが東京会館の別館で伊藤理事長とお会いになつたことは認められておるのであります。東京会館の前の家というのは、同じ東京会館の別館でありまするが、そこに、大きな部屋でなく、特別室といいますか、小さい部屋というのか、そこでお会いになつたようでありまするが、東京会館の別館であることはお認めになりますか。
○廣川証人 東京会館の前の建物というのは、別館というのがそうであります。そこの小さな部屋じやなく、大きな部屋の真ん中であつたが、お会いいたしたのであります。
○中村(高)委員 そのときの話が問題になるのでありまするが、あなたとしては、立法化運動というようなものを頼まれたのではなくして、新夕刊という新聞に投資をさせることが目的だつた、こう言うのでありますが、きのう平野君の答えは、立法化のために相談があつたと言うておるのであります。この点は、話が食い違つておるから、いかんともしかたがありませんが、会合の翌日伊藤理事長があなたの家にたずねて来ていますか。
○廣川証人 それは私ちよつと記憶ございません。
○中村(高)委員 まことにかんじんなことでありますけれども、記憶がないと言われるのでありまするが、それでは、あなたはその日に駒込の伊藤理事長の家に確かにおいでになつておるはずでありまするが、これはいかがですか。
○廣川証人 伊藤君の家にはやはり三浦君と一緒にたずねております。これはやはり前の話の続きで、新聞に対してのことであつたと記憶いたしております。
○中村(高)委員 そうすると、翌日行つたことはお認めのようであります。三浦君と同道して伊藤理事長の家に行つたことはお認めですが、話の筋が違うという、こういう結論のようでありますが、問題は、その理事長のところであなたが主千万円受取られたというのであります。それよりもつとこれは具体的でありまするが、あなたが便箋か用箋というのですかに受取りを書かれたということまで言う人があるのでありまするが、いかがでありますか。
○廣川証人 そういう事実はございません。
○中村(高)委員 受取つていないというのでありますから、受取りを書かないのがあるいはほんとうでありましよう。私の論からいたしまするならば、しかしこの事実はあなたの証言にとつてはまことに重要な点でありまして、いずれ、あなたに渡したと言う伊藤理事長が今裁判所で調べられております。から、おそらくそういう事実が現われる場合もあるのではないかと思つておりますし、私もあなたの身を心配しましてお尋ねをいたしておるのでありますから、どうかその点については間違いなく、断じてしからずという、ひとつ明確な答えをいたしてもらいたい。
○廣川証人 先ほど申し上げた通り、そういう事実はございません。
○中村(高)委員 あなたは、先ほど、池田勇人君の家に伊藤理事長を同道して行かれたことは率直にお認めになつておるようでありますが、この池田勇人君のところに伊藤理事長を同道いたしたことは、先ほどの委員長の質問に対しては、伊藤理事長が金融関係をやつておるからというような意味で会わしてくれろというから連れて行つたというふうに聞えましたが、金融関係をやつておるからということは、もう少し掘り下げるとどういう意味でありますか。のみ込めないので、もう少し御説明を願いたいと思います。
○廣川証人 財界に関係がある者であるならば、だれしも、池田君のように財界に非常に関係の深い人には会いたがるものであります。一体政治家というものは頼まれると人に紹介くらいはやるものであります。でありますから、簡単な意味で紹介をいたしたわけであります。
○中村(高)委員 あなたとしては簡単な意味だから紹介したというのでありますが、これはどうもあなたとしては少し真実を語つておらないように思われるのであります。まことに遺憾でありますが、紹介をする程度のことでありますならば、天下の廣川弘禪君が同道をして行つて、しかも応接間でお待ちになつて、池田勇人君に言わせると、その目は日比谷の公会堂で党の大会があつて、日比谷の公会堂におつたところが、廣川君が家に来ているという電話か何かの知らせがあつたというのでありますが、池田勇人君に紹介する程度でありますならば、わざわざあなたが同道をして、帰るまで応接間でお待ちになるというようなことは、ちよつとただいまの御説明からすると念が入り過ぎているようにわれわれには考えられるのでありますが、これは、ただ単に紹介するというより、何か御用件がもう少しおありになつたのではありませんでしようか。重ねてお尋ねいたします。
○廣川証人 先ほども申し上げた通り、池田君と会つた時間はごく短かい時間で、一分か二分かだつたと思います。ただ紹介したのみでありまして、その間に何もございません。そのあと私も二、三分ちよこつと話して帰つたたけであるのでありまして、これは文子通り簡単に紹介しただけであります。
○中村(高)委員 どうも、簡単に紹介をしただけだというのでありますが、あなたは、けさ池田勇人君自身が新聞社の方に述べられております新聞記事をごらんになつておりますか。
○廣川証人 新聞によつて二、三違つておるようでありますが、あれは多分読売か何かに書いてあつたのがほんとうでありまして、その他のものは違つておるようであります。
○中村(高)委員 それでは、違う新聞の方をあまり質問してもしかたがありませんから、あなたが最も信頼される記事だという読売の方を見ますと、池田君はこういうことを言つております。九月十二日にメキシコから帰つて、一旦選挙区へ行つて、二十五日に日比谷の大会があつて、そこに自分は行つておつた、ところが、そこへ、伊藤が金を出すと言つておるが受取るかと言つて来たが、——あるいは直接会つたときに言うたか知りませんが、その辺は新聞記事でわかりませんが、伊藤が金を出すというが受取るかという質問をされたが、そんなものは絶対に受取らない、そこで、それならばあなたの部屋へ伊藤と廣川が待つておるからはつきり断つた方がいいと言われましたので、私は家に帰つてみると二人が待つていた、そこで伊藤とは初対面だが保全経済会を大蔵省は信用してないと言うて全然相手にしなかつた、というふうに言つておりますが、あなたの言うのがほんとうか、池田勇人君の新聞記者に語つたのがほんとうか。これは平野君の言うたのとはちよつと違いまして、池田勇人君の言葉でありますが、これはお間違いございませんか。
○廣川証人 それは読売かどの新聞か知りませんが、(「読売だ」と呼ぶ者あり)あるいは読売であれば、それは違つておりますが、私が池田君に対してそういつたようなことを言つたことはございません。あるいは他の何人かがそういうことを言つたかもしれませんが、私からそういうことは一切口にいたしておりません。これも池田君と話せばよくわかることであります。
○中村(高)委員 新聞のことなどは、何新聞だということできめつけてしまつては、間違いがあつたときにいけないから、新聞のことは申しませんが、こういう意味の金をとつてくれないかとか、あるいは申込みをしたとか、あるいは保全経済会は大蔵省の方では信用してないというような言葉がそのときに全然出なかつたのでありますか。新聞を別にして、もう一度お答えを願いたい。
○廣川証人 それは池田君に聞けばよくわかるのですが、保全経済会の内容や何かを一ぺんもそのときには話合いをいたしません。ただ紹介してくれと言うからした、そういうようにあつさり簡単に私は言つております。しかも、紹介すると同時に、紹介したんだからそれでいいだろう、紹介したぞ、あとでまた話があるから君はそつちへ行きたまえ、そう言つて伊藤君とはわかれております。
○中村(高)委員 どうも、その点はあまり明確ではございませんが、それでは別の問題に移ります。 あなたは、その当時、伊藤理事長に対して、それでは池田君には会つたが今度は佐藤君を交えて四人で飯でも食わないかというようなことを言つておりませんか。
○廣川証人 私は元来外部で食事をするということはしない男であります。でありますから、さようなことを私が提案をするということはないはずであります。また、佐藤君の名が出ましたが、佐藤君についても一言もそういつたようなことは話したことはございません。
○中村(高)委員 あるいは、その話は、飯を食うといつたような言葉があなたは気に入らないのかもしれませんれけども、あるいはこれは、どこかで四人で会つて話をしようではないかという意味ではないかとも思われすまけれども、そういうことがないとすれば、これもどうも追究してもあなたからは答えが得られないと思いますが、あなたは、この問題が非常に紛糾して来てから、伊藤理事長のいる前かあるいは知つておるところで、佐藤榮作君にたびたびにわたつて電話をおかけになつておるようなことはありませんか。
○廣川証人 しばらく佐藤君とは国交断絶をいたしたようなことになつておりますので、さようなことはございません。ただ、佐藤君に対しましては、私は自由党の一本化のために君が勇気を出して乗り出せと言つただけであります。
○中村(高)委員 政党の問題を聞いておるのではなくて保全経済会の問題であります。それでは、休業をする前かあるいはあとかわかりませんが、佐藤榮作氏が、三億だと言われるのでありますが、政府に向つて何とかしてくれろというようなことを伊藤理事長から頼みを受けて、一万田総裁に何か佐藤氏があつせんをせられたというようなことを言う人がありますが、あなたは御存じありませんか。
○廣川証人 寡聞にいたしまして、さようなことを承知いたしておりません。
○中村(高)委員 これは、いずれ……(そんなことはデマだ。そんなデマを聞き出して来て——われわれはたくさんあるんだ。委員長、こんな質問を三十分もやらせておく必要があるか」と呼び、その他発言する者多し)質問するのに何が悪いのだ、質問は自由だ、委員長、質問をしているときに妨害をする者は退場を……。
○塚原委員長 御静粛に願います。 〔「この際質問するのは一向さしつかえない。時間はきめてないんだから質問させろ」と呼び、その他発言する者多し)
○塚原委員長 委員外の発言は遠慮を願います。御静粛に願います。
○中村(高)委員 むろんこういう問題でありますから、諸君の興奮せられることも決して無理だとは思つておりませんけれども……
○塚原委員長 質問の本旨を進めてください。
○中村(高)委員 発言は自由にさせてもらいたいと思います。 〔「国会の名誉に関するようなことを言うな」と呼び、その他発言する者多し〕
○塚原委員長 発言は許しません。御静粛に願います。
○中村(高)委員 今の問題について…… 〔発言する者多し〕
○塚原委員長 御静粛に願います。議事の進行上困りますから、皆さん御静粛に願います。中村君、質問を続けてください。
○中村(高)委員 今非常に皆さんから驚かたれようでありますが、けさの朝日新聞をごらんになつておると思いまするが、(発言する者あり)私は絶対にいいかげんなことは申しておりません。けさの朝日新聞に佐藤榮作君談として出ておるのをもう一度ごらんなさい。十月十六日自由党本部で伊藤と会いましたということを佐藤榮作君は言つているじやないか。さらに、それに続きまして、保全経済会の倒産直前でその救済を頼んで参りましたが私は断りましたということを、佐藤榮作君はちやんとけさの朝日新聞に言つておるじやないか。こういう事実からいたしまして、私の廣川証人にお尋ねをいたしておりますることは、そういうことをあなたが佐藤榮作君を通じて頼んだ事実があるかどうかを聞いておるのです。
○廣川証人 さようなことはございません。
○中村(高)委員 いろいろこまかい点もありますけれども、大勢の諸君がお尋ねする方が適当だと存じますから、この程度で終ります。
○塚原委員長 橋本清吉君。
○橋本(清)委員 簡単ですから、ここから伺います。
○塚原委員長 橋本君、発言席に来てやつてくださいませんか。
○橋本(清)委員 簡単ですから、ここで。昨日からいろいろ聞いておりましたが、大体伝聞の証言が多いのでありますから、そういう分をよしまして、私はただいま廣川さんが御発言になりましたお言葉につきまして、ほんとうに簡単にお伺いをいたします。 池田君に伊藤君を紹介して、池田邸へ連れて行かれたのは事実でありますが、その紹介をいたしますときに、紹介を受ける人間の意思は——ただの人ではなくて、それが金融に関係ある人間であつたということは事実であります。その方の証言を願うのが一つ。そうして、帰るときの言葉に、ただいま承りますると、またあとで話があるからということがあつたように拝承いたしました。この二つの継ぎ合せまして総会的にこれを考えますとき、何か、時といい、場所といい、人といい、紹介を欲する人間の意思といい、しこうしてまたそのおわかれのときの言葉といい、これら断片的のものを総合いたしまして、何かこういう問題が世の中に起りましたときは、客観的に考えまして、ある疑いを持つということは間違いでありましようかどうでありましようか。証人の御見解を求めます。
○廣川証人 そのあとで話があるというのは、先ほど何回も申し上げました通り、いろいろな党内のことなんかを話したわけであります。あなたの御想像は御自由でざごいますが、私と池田君との間にはその話はないのであります。
○橋本(清)委員 もちろん、その当時は、池田さんと廣川さんとは、あなた言のわれる国交断絶の状況ではなかつたのじやありませんか。
○廣川証人 そのときは、世間ではいわゆる何か四人組とかなんとか言われて、非常に仲のいい間であつたわけであります。
○橋本(清)委員 繰返しては申しません。もう一つ事実をお伺いいたします。三百万円の金の受取りはあなたが御本人で書かれたというお話でありましたが、それに違いございませんか。
○廣川証人 三百万円は受取りを出すべきものではないのでありまして、銀行を通じて株の払込券それ自体が受取りになるわけであります。
○橋本(清)委員 私はこれで終りますが、ただ、最後に、政界の先輩である廣川さんに、国民のほんとうに真剣な声を背景といたしましてもう一度お伺いいたします。何千万円かの金を受取られた事実は絶対にございませんか。
○廣川証人 みんなの零細な金を集めたのでございまするから、最も信用のできる、私自身が生命を打込んでやつておる酒の販売会社に出資をさしておる。また、新聞社といたしましても、これまた世間の大事なものでありまするから、これに出資をしてよろしいであろうということを勧誘いたしたわけであります。
○橋本(清)委員 間違いました。今お尋ねしましたのは、いわゆる伝えられておりまする伊藤から二千万円か三千万円かという事実は、くどいようでありまするが、ほんとうのまじめの話におきまして、あなたのためにも、私はもう一度、受取つたか受取らないか、イエスかノーか、はつきりお答えを願いたいと思います。
○廣川証人 重ねてお答えいたします。そういう事実は絶対にございません。
○塚原委員長 田渕光一君。
○田渕委員 証人に伺いまする前に、昨年十一月五日でありますが、十月の二十四日に保全経済会が休業宣言をいたしまして、約半月後の十一月五日付で、伊藤斗福が当時の財産目録表なるものをつくりまして、十一月五日のちようど官庁のひけぎわに、最高裁判所長官、大蔵大臣、衆参両院議長、国警長官及び警視総監にこの財産目録を提出いたしておるのであります。これは、当時私たちが調べました過程におきまして、本件が当委員会に取上げられて調べましたところによると、各庁のこの機関を通じまして、伊藤は謀略をもつて、ちようど官庁のひけぎわにこの財産目録なるものを預けておる。最高裁判所の長官もしくは大蔵大臣もしくは衆参両院議長あるいは国警長官、警視総監から、こういう財産目録を出して来たということを新聞社へ発表させようという謀略をかけておるのであります。幸いにして、当時これらの関係者が自重いたしましたから、この伊藤の財産目録芸というものを相当権威ある機関から新聞社へ発表するということがとどまつたのであります。私は、これと関連をいたしまして、当時の有名人である廣川氏あるいは池田氏というものにちよつとでも会うならば、会つたからこれにおいて私はこういう工作をしておるのだということを、この苦しい時代に芝居を打つくらいのことは、本委員会でずつと調べて来ている資料でわかつておるのであります。こういうような点において、あなたは利用されるというような点がなかつたかどうか。少くとも、当時いわゆる四人組と言われたその廣川氏が、いかに新夕刊の山崎一芳君もしくは、われわれも三浦君は先輩でありますが、ここらの老人が紹介したからといつて、たやすくこれらに会うということは、一つにはふだんの個性から簡単に引受けてやらした、こういう結果がこういう結果を来すなどということはもちろん予測せずしてやつたと思いまするが、その当時の心境と、今日これを見まして、証人は利用されたのじやないかというような点について、御心境はいかがか、伺いたいのであります。
○廣川証人 はたから見ると利用されたように考えますが、私は何人にでもお会いいたすのであります。私の家には玄関番を置いてないのであります。どんな人にでもお会いいたします。ただ、それが世間から見ていわゆる利用されたような形になつたのでは非常に迷惑をするのであります。私の考えとしては、他の新聞社にも金融のことで紹介をいたしたことかございますが、新聞の経営はなかなかむずかしいようでありまして、しかも大事なものでありますから、これは投資を勧めた方がよろしい、こう考えてやつたのであります。
○田渕委員 作目の中村委員の質問に対する平野証人の証言というものは、まことに巧妙をきわめた問いであり、あるいは答えであると思うのであります。私は、今日、この委員会が超党派的でありまするがゆえに、決して自由党に所属しておるからと申しましても、自由党を庇護しようとは思つておりません。御承知の通り、わが党からも二人の陣中見舞をもらつた人をはつきり出しておる。こういうようなことでありますから、堂々と超党派的で行くのでありますが、中村君は、私たち青年時代からの友達でありまするが、弁護士が本職であり、なかなか尋問にかけてはあざやかなものであることは、はつきりした事実である。ここにおいて、平野君を追い込んだがごとく装うて、しかも革新陣営から保守陣営に対する弁明を許さぬ、弁明は待てというような謀略的な尋問に対する証人の答えであつたと思いますがゆえに、この際はつきり伺つておきまするが、東京会館の別館においてこういう金銭の話があつたかどうかということ、もちろん中村委員の質問によつてありましたけれども、これをはつきりさせていただきたい。それから、これをこう言うております。彼の駒込動坂の屋敷で三千万円の現金を渡した、そうして一千万円を廣川がとつて、二千万円を池田に渡したのだということをはつきり言つたと言つておる。そういうようなことが新聞に出るならば国会の威信を傷つけまするので、私たちは非常に重大に考えましたが、いずれこの真相は現われると思つておりましたところ、案の定、今朝の新聞を見れば、あたかも政界を疑うような記事が出たのであります。この点について、はつきりもう一度御確言を願いたいのであります。
○廣川証人 先ほども中村君に申し上げた通り、東京会館における人たちの集まりの顔を見ればわかるのであります。山崎氏といい、三浦義一氏も、これも新夕刊の重要な関係者であります。その関係者と話した内容が新聞であることは想像できる。また、その続きの伊藤君の家へ行つての話も、やはりそこに落ちることも想像できるのであります。私自身、そういつたような、三千万円とつたというようなことはございません。また池田君に対してそういつたようなことをした事実もございませんし、またさようなことをすべきものではないくらいのことは、私よく承知いたしております。
○田渕委員 まことに明瞭になりましたから、これで私は終ります。
○塚原委員長 北山愛郎君。
○北山委員 私は、先ほどの証言につきまして二、三確かめておきたい点をお伺いします。 まず第一に、先ほど、保全経済会に関して立法化の依頼をされたことはないというお話でございまして、その際特定という言葉を使つておられます。特定の保全経済会などに関する立法化を依頼されたことはないというのですが、保全経済会というように特定したことのない一般の投資金融機関、投資銀行というようなものに対する立法化についてははつきりいたしませんから、その点をもう少しはつきりしていただきます。
○廣川証人 これはすべてを含めて申し上げたのでありまして、現在法的に許されておる金融を除いての特定のものという意味で申し上げたのであります。そういうような立法のことについては依頼を受けたことはございません。
○北山委員 そうしますと、いわゆる立法化の問題、投資銀行法案というような問題は、もう二十七年の初めあるいは二十六年ごろから起つて来ておるのですが、そのことを証人がどこかで初めて聞いたのはだれからであるか、聞いたことはないか、いつ、どこで、だれから聞いたかということをお伺いします。
○廣川証人 そういうようなことについての立法や何かということは、私は実は経済に非常にうとい男でございまして、そういうふうなテクニックすらも知らないのであります。また、ほんとうに私が依頼されたとするならば、これは政務調査会なり大蔵委員会なり、そういつたようなところに私が必ず話しているはずであります。何人にもそういうことを私は話していないのであります。これはどなたにお聞きになつてもわかりますが、真に大蔵委員会などにはエキスパートがそろつているのでありますから、だれにか私が話すはずであります。それを何人にも私は依頼いたしていません。その点で御了解を願いたい。
○北山委員 次に、二十七年の九月ですか、八月ですか、東京会館の別館で会談をされた際、新夕刊への投資についてお話をなさつたと言われましたが、それ以外の用件は何もお話にならなかつたか、もしお話になつたとすれば、どういうことをお話になつたか、問題はただ新夕刑への投資であるかどうか、その点を確めておきたい。
○廣川証人 そのほかにはお話いたしません。そう長い時間ではないのでありますから、ごく短かい時間に会つておりまするので、新聞経営の話のみいたしておつたようなわけであります。
○北山委員 一体、その会談はだれが計画して、だれがあなたのところへ来てくれという設計をなきつたのか、その順序をお伺いします。
○廣川証人 これは三浦義一氏から私のところに話があつて、私が参つたのであります。
○北山委員 次に、新夕刑への投資について依頼があつたという話でありますが、その結果はどういうことになつたか御存じでありますか、お伺いします。
○廣川証人 金高や何かは私よく承知いたしておりませんが、投資ができたように聞いております。
○北山委員 ちよつとかいつまんで簡単に疑念の点だけをお伺いしますが、例のあなたのところの酒の販売会社の株を三百万円保全経済会に買つてもらつたという話でありますが、そうすると、あなたの持株は全体でどのくらいおありなんですか。
○廣川証人 私の設立発起人としての権利株は、組合員が協同組合に出資いたしておりました三千五百万円が、私の発起人に委任された特定の株であります。私の個人名義でやつております。ものは、今言つた保全経済会に渡した三百万円と私個人の二百万円でございます。それからまた、その他に他の方向から入つて来るためを予想して私の名義になつておつたのが、大体の金額が四百五十万円程度になつておると思います。
○北山委員 それから、その三百万円というのは保全経済会から銀行に払い込まれたという先ほどのお話でありましたが、その銀行はどこであるか、そしてだれの口座に払い込まれたのか、その点を確かめておきたい。
○廣川証人 先ほども申し上げた通り、協同組合で、便宜上株の払込金を一時預かりまして、そうして第一信託と何と何でしたか。とにかく三つでございます。三つの取引銀行でございますが、たしか第一信託ともう一つは三菱が入つておつたのじやないかと思います。とにかく三つでございますが……(「さつきと違うぞ」と呼ぶ者あり)とにかく三つでございます。三つにわけてこれを預け入れをさせたわけでございます。そうして、その銀行から、要するに受取つたという払込みの証書が出たわけでございます。
○北山委員 そうすると、その三百万円はどの銀行の口座へ払い込まれたか、覚えておりますか。
○廣川証人 はつきり覚えておりませんが、多分第一信託じやないかと思つております。
○北山委員 最後にもう一つお伺いしますが、例の池田さんの屋敷に訪問した際、その際に伊藤氏と同道して行つたのですが、初めは池田、伊藤とあなたと三人でお話になつた。その際伊藤氏はどういう話を池田さんにしたのであるか、これを伺いしたい。
○廣川証人 先ほど申し上げた通り、単なるあいさつのみでありまして、今日は、さようなら、程度のものであります。(笑声)決して長い時間をかけたのじやないのでございますから、その点どうか御了解願いたいと思います。
○北山委員 それでは以上で終ります。
○塚原委員長 原田憲君。
○原田委員 先ほどわが党の田渕君から発言がございましたが、われわれは、この国会は国民の信を失うおそれがある、政界を浄化しなければならないという立場から、超党派的に本委員会で、今世の中で流布されている不明朗な面を払拭しようということから、この一つの問題である保全経済会の問題を取上げているのでございますが、きのう中村高一氏及び今澄氏の質問から平野証言がありまして、これが非常な反響を呼びまして、本日の新聞を見ますと、どの新聞を見ても、これはトツプを飾つている。そしてこの問題は、国会が非常に腐敗堕落している、政界が腐敗堕落しているというような論説にまでなつて現われております。私たちはこれらの問題をほんとうに明らかにすることに努めて、正確する結果を国民の前にさらけ出す任務があるのでございますが、きのうの中村氏の質問は、どこから入れられた情報かは知らないけれども、一昨年の九月に東京会館で伊藤・廣川会談があつてそれは匿名組合であると言つておつたところのこの保全経済会を立法化して投資銀行にする、そのために廣川氏に頼んで、そしてそのときに、廣川さんだけでは信用ができぬから、それじや佐藤と池田と、この二人を一緒にしたらどうだ、それならということで、池田邸をあなたが伊藤を連れてたずねられて、そしてその後駒込の伊藤邸で三千万円の金を受取つた、そのうち一千万円を廣川さんが使つて、あとの二千万円を池田が使つたというような質問に対して、平野氏は、実はそれは伊藤から聞いたという答弁があつたのでございます。この平野、伊藤の会談はただ二人でございまして、だれも証言をする者がないのでございます。なぜ伊藤氏がそういうことを言つたかと申しますと、保全経済会が休業をいたしまして、この再建策について顧問である平野氏は非常に努力をしなければならない立場になつて、いろいろ顧問会議をやつたが、結局、これは松本信次さんの言うように、これは新しい第二会社をつくるより手がないというので、伊藤君に君は私財を投げ出せ、そうするよりほかに手がないじやないかと言うたところが、伊藤氏は、いや、手がある、「質問をやれ」と呼ぶ者あり)これは明らかにしているんだからいいじやないか。伊藤氏は、手がある、——それは何だと言つたら、実はというので、先ほど言つたようなことで手が打つてあるから、これは立法化されるのだということであつたということなんでありますが、そのときに、きのう平野氏はここで証言されておりますが、あなたなんか、もうたよりにならぬ、おれはちやんと立法化する手があるのだ、こう言つておるのであります。その問題の三千万円を先ほどからの質問であなたは受取つておらないと言われておりますが、私はいま一度お尋ねいたしますが、絶対に受取つておられませんかどうか。
○廣川証人 先ほども申し上げた通り、私一人ではないのでありまして、中に三浦議一君が入つておるのであります。三浦議一君と私と、あるいは池田君と、あるいは先ほども名が出た佐藤君とを対決させれば、一目瞭然でありまして、決してそういうことはないのであります。証人のいないところでやつておることではないのであります。三浦議一君にこれはお聞きになればわかるのであります。新聞に投資を依頼したというだけでございます。その点は、たびたび申し上げた通り、かわりございません。
○原田委員 そうすると、あなたは三千万円とつておらないと言う。伊藤斗福がうそを言つたということになるのであります。もし伊藤がそんなことを言つておらないと今後言つたら、これは平野氏がたいへんなことを言つたことになるのでありますが、平野さんほどの人が聞かぬことを聞いたと言うはずはないのであります。それじやなぜ伊藤がそんなことを言つたかという問題が起きて来るのでありますが、あなたは伊藤斗福と池田さんのところに行つた事実はございます。また伊藤さんと東京会館で話をされたこともございますが、何かあなたがそのようなことで伊藤がそんなことを言うということについて思い当るようなふしがございませんか。
○廣川証人 これは、たびたび申し上げている通り、新聞に投資を依頼したのでありまして、中に入つている人は、私の信用いたしておる人でありますから、決してそういうようなひつかかりのできるようなことは多分私はしてないと思います。新聞に投資したということだけは私は承知いたしておるのでありますが、その他のことはないと思います。
○原田委員 そうすると、私は、実は昨日から本委員会で証人の方々の証言を聞いてわかつて来たことは、この保全経済会の三人の有名なる顧問、平野力三氏、松本信次氏、早稲田柳右エ門氏、これらの方々が、私の口から言わしめるならば、ほとんど顧問らしい仕事をしておらない。あなたと会われて一昨年の九月、このときにはあなたに金融のことで頼んだのですね。そのときまでに、平野力三氏は二十六年の十一月二日から二十七年の七月二十五日まで三百十八万円のうちの約二百六十万円を顧問料としてもらつて、鉄筋コンクリートの三階建の建物を七万円の家賃でまた貸しをしておる。八十万円に及ぶ什器を使つて、自動車を使つておる。それから松本信次氏は二十六年の九月十二日から二十七年六月十二日までに七十四万円受取つておる。早稻田さんは百十五万円受取つておる。金融を頼みに行くのであるから、これは保全経済会が困つておるのであつて、事実、調査によれば、すでにそのときは何億という赤字を出して行き詰まつておるのであります。そのときに、これらの顧問の方々は、きのうの証言によると自分は何にも知らなかつたとわれるのでありますが、われわれの常識では、顧問というものは会社が行き詰まつて来たら何とか相談に乗つて努力しなければならない、こういうように思うのでございますが、きのう平野さんは、あなたはたよりにならない、こういうことを伊藤が言つたということを言われておるのでありますが、事実二百六十万円、七十四万円、百十五万円の金をもらいながら、伊藤が考えているような——おそらく伊藤は立法化ということを考えたことは事実だろう。そういうようなこともできない。一つも効果があがらない。これは、顧問でありますから、実際はおもしろくなかつたんじやないかと思う。そして休業になつて、このたよりにならない顧問さんが出て来て、おれたちは責任があるから、もうお前は手を引け、お前が手を引いて私財を投げ出せ、おれたちで何とかする。——早稲田さんは自分の私財を投げ出すと言われましたけれども、松本さんは、私は本を買うために顧問になつたんだと言う。平野さんはなかなかきようの新聞を見ても豪語されております。一つも責任を感じておられないようでございますが、これらの人が、伊藤君に、お前はもう手を引け、私財を投げ出せと言つたときに、伊藤がはたして、よろしゆうございます、私はあなたの言う通り、よく手伝つていただきましたから投げ出すということを言うでしようか。そこで、せつぱ詰まつて、あなたとは話ができぬと言つたときに、問い詰めて行かれたら、あの伊藤のことですから、口から出まかせに何を言うかわからない。そういうことで、わしは実はこれこれこういうことをしてあるのだというようなことになつて来て、そうしてこういう事件が起きたんじやないかというように考えるのでございますが、あなたは東京会館で三浦、山崎、伊藤と四人で会つておられます。そのときに、先ほど北山君の質問に対しては、あまり詳しい話がなかつたと言われておりますけれど、この四人の方々、三浦、山崎、伊藤というような人は相当保全経済会について関係の深い人です。その場合に、伊藤君の口から、あなたに対して、実はこういうことで困つておるというような話はなかつたかどうか、お尋ねいたします。
○廣川証人 そういうことを聞いたことはございません。何らそういうことに触れておりません。
○原田委員 私はいま一点尋ねたいことがございますが、先ほど委員長からお尋ねになつたうちに、兒玉譽士夫、それから三浦義一というお二人のことについて尋ねられましたが、兒玉譽士夫という人は、たしかあなたが鳩山さんと一緒に会談をなされる仲介をなさつた人であると私は覚えておりますが、間違いございませんか。
○廣川証人 あのときは、実は兒玉という人は私は全然知らないのです。兒玉という人は私の選挙区で立候補したことはありますが、そのときも実は顔を見たことはなかつたのです。ただ、あのときは、三木君が、君は料理屋へ行くのはきらいだから、別な個人のところで鳩山氏に会つたらどうかということで、三木君に連れられて行つてみたところが、そこが兒玉君の家で、そのときに三木君から兒玉君を紹介されただけであります。あとは何もわかりません。
○原田委員 世間では、この児玉、三浦という人が保全経済会の裏にあつて、そうして政治献金のおもなものはこの人たちが握つておるということが言われておりますが、あなたはこの方方とそれらのことについて何の関係もございませんか。
○廣川証人 兒玉君は、先ほど申し上げた通り二回だけで、全然交渉をしておりません。三浦氏は、選挙区の人で、ときどきお会いいたしますが、政治的のことについては何ら触れておりません。ただ新聞経営のことについてだけ話しておるだけであります。
○塚原委員長 中野四郎君。
○中野委員 君は、けさの新聞に、平野君の頭が少しおかしいから精神鑑定をしたらいいだろうと言つたと書いてあります。近ごろ精神鑑定を必要とするやつが相当ふえて来たと思うのだが、今までの話を聞いておると、合つてはおるのだけれども、かんじんなところが合つていない。しかし、ここでそういうことを聞こうとしたつて、またなかなかそういうことははつきりするものじやないと私は思うのです。 そこで、私が少し伺いたいのは、どうも少しぼけておるせいか、廣川君の地位がこのところたびたびかわつておるが、今のお話の焦点が、その時分には四者会談なんかでどうも仲がよかつたという話もされるし、いやそのときは国交断絶で何も言わなかつたと言うのだが、私は、あなたの昭和二十六年以来の議会における、あるいは政治家としての地位というか、何年ごろは幹事長で、何年ごろは国交断絶で、何年ごろは一番仲がよかつたという点が聞きたいのです。それを第一番に聞いておかないと話のつじつまが合わないのです。
○廣川証人 これは、この前の政変になるまでは実に仲がよかつたのでございますが、ああいうような政変のあとから、いわゆる除名をされたり、離党したりしたというようなことから、やはり仲か疎遠になつたというように御記憶を願いたい。
○中野委員 そこで、伊藤君とあなたとは三浦君の紹介で会つたと言うのだが、何回ぐらい伊藤君と会いましたか。前後を通じて、だれとだれとで会おうと、個人で会おうと、何回ぐらい伊藤君と会つたかということをまず伺いたい。
○廣川証人 三、四回会つたように記憶いたしております。
○中野委員 それから、三浦義一君のことだが、これは、あなたとぼくの仲ならば何も開くほどのことはないのだけれども、これだけ大勢の委員諸君がおいでになり、わからないから、ざつくばらんに聞くのだが、三浦君とあなたの仲は並々ならぬ仲であることはよく承知しておるのです。従つて、三浦君とあなたとがこの保全経済会の問題についてお話になつたかどうかは私の関するところではないが、三浦君と一番最初どういう関係でお知り合いになつて、由来いかなる交際を続けておられるかを伺いたい。
○廣川証人 これは多分最初は選挙のときに紹介されて協力を求めたことが発端であると考えております。その後の交渉はたんたんとしております。
○中野委員 その三浦君と知り合つた選挙はいつごろの選挙ですか。たんたんとしてはいいのだ。これはお互いにたんたんとしてつきあうのだから。君とぼくだつてそうだから、一向かまわない。しかし、三浦君と初めて会われたのはそんなものじやない。選挙と言つたつて、古いことで、君もぼくも市会議員で一緒にやつて来たのだから、いつの選挙だか、ずいぶん古い選挙もあるでしよう。昨今のつき合いじやないはずです。
○廣川証人 十九回か選挙をやつたので、どの選挙だか、ちよつと思い起せません。
○中野委員 君らしい答弁でたいへんけつこうなんであるが、そこで、三浦君が——私は今ここでは申しませんよ。しかし、三浦君が廣川君を信頼することは並々ならぬ仲である。これは向うが信頼するのはかつてだと言えばそれまでだが、三浦君の従来の経歴を見ても、三浦君の性格から見ても、横川君とぴつたり行く性格の人ではあるけれども、ただ単なる親交関係でないということだけは言える過程にあるのです。しかし、それは私のかつてであるかもしれない。 そこで、私はさらに進んで伺いたいのだが、新夕刊の山崎一芳君とはどういう関係でお知会いになつたか。それから、新夕刊の前の社長であるか高源君をあなたは御存じのは、ずであるが、御存じであるならば、どういう関係で知り合つたか、これをひとつ伺いたいと思うのです。
○廣川証人 あの山崎君とは、三浦義一氏の紹介で、多分東京会館が初めてではなかつたかと私は思います。それから、その前の社長というのは、私実際承知いたしておるような記憶はございません。
○中野委員 その山崎君は今の新夕刊の社長ではあるが、この新夕刊というものは、現在あるやまと新聞にあらず、戦時中のやまと新聞、すなわち大化会の会長岩田富美夫君が社長をし、津久井龍雄君が編集長をしておつたその新聞の流れをくんで、新橋のふろ屋のあとを改造して新夕刊になつておるのだが、この山崎君があなたに金融を頼むという話であるけれども、一体金融はどのくらい融通がついたのか、そうしてその具体的な話がどういうふうに進められたか、この点を伺いたいのです。
○廣川証人 投資をしてくれということで単なる助言をしてくれ、頼むということなので、内容その他については私はまつたく知りません。
○中野委員 そんなことはないだろう。少くとも、山崎君と三浦君と、それからいま一人伊藤君と、君と相当聞えた人物が東京会館に集まつて、たとい三十分にしても一時間にしても、まさか、女郎買いの話をするはずはないのだから、これは金融関係の話をするといえば、どの程度の金額を貸してくれと言つたか、あるいはそれが成功したかしないかくらいのことは、廣川君としては知らぬはずはないと思うのですが、どうですか。うまく行つておるはずなんです。うまく行つておればこそであいさつにも行つておるのです。金銭を持つて行つたか、ようかんを持つて行つたか、私は知りませんけれども、しかしうまく行つた結果だけは報告しておるはずなのだから、あなたが御存じないというはずはないでしよう。
○廣川証人 その後投資ができたということは聞いておりますが、内容のこまかい点については私何ら知りません。
○中野委員 そこで、私はひとつ聞いておきたいことがあるのだが、この伊藤斗福という者は、四回も会えば相当いろいろ話をする男なんです。この伊藤斗福の話の中に——この十一月の二十二日に保全経済会が休業してから伊藤が非常に困つてあせつておつたわけなので、このあせりの中心になるものは、先ほど中村君が言うたように、これをどういうふうに処分するかということで頭を悩ました。従つて、保全経済会のようにうそにも四十四億の金を集めて、そうして現在の財産は十五、六か十八億くらいのものだろうと思うのだ。しかしながら、それだけの財産にしても、相当財産目当にいろいろ処理をしようという空気が強くなつて、今話をした三浦君なり兒玉君なり、山崎君なりが中心になられて、一方においては政界とコネクシヨンのある、つまり自分の関係のあるところ、あるいは伊藤斗福がかつて関係を持つておつたところの事実をばらすぞというので、変な怪文書を配つたわけなんです。一方の方から言わせるならば、これは第二会社をつくつて、そうして何らかの形で再建をしたい。伊藤とすれば、当然これはどちらにしても何かの形で助けてくれるものと、従来の関係もあるという観点から、こういう文書を配つておるのです。全文読むのはたいへんだから、一部だけ聞いてもらいたいのだが、立法化について非常に強調しておるわけです。その強調しておる中でこういうことを言つておる。最近における当局の法制化に対する態度が非常にかわつて来たと言うのです。それは、怪文書も出たし、それから右翼団体の関係の連中も相当関係のあるようなところに行つてけつまくつたのだと思う。かねてお前の方に渡りがつけてあるじやないか、にもかかわらず、この際お前の方でそつぽを向くなら、おれの方でも覚悟があると言つたのだと思う。言われたやつはどこにおるか私は知りませんけれども、とにもかくにもこういうような大きな影響を及ぼしたが、つまり立法化が非常に進んだと言うのです。その末尾を読んでみると、「十月二十四日休業直後に於ける法制化に対する当局の態度、休業直後に於ける当局の態度は十月二十七日の衆議院大蔵委員会では河野銀行局長答弁は、出資者はボロ会社の株をダマサレて買つたも同然、とある如く極めて冷淡なる態度なりしも其後本会休業の齎らす影響の重大性と本会の持つ政治力の強大を認識せらるるに及び僅に旬余にして次の如き変化を示して居りまず」——その変化というのは、衆議院の大蔵委員会で、これは銀行局長がまた答えておるのだが、「結局保全経済会を如何にするかとの委員の質問に対して河野銀行局長は、法務省と連絡の上立案通常国会に提出する、その内容については目下研究立案中」と、十一月半ばにかわつて来たというのです。それから、さらに、一番最後の方では、「然し法制化の見透しは今や決定的となりました」——この中には、政治家に対して相当な圧力が加わつて、政治家も考え直さざるを得ないというのです。そこで私は聞きたいのですけれども、立法化というのは、少くとも保全経済会というものが匿名組合であるということを前提に金を集めたわけなんです。あなたの国からだつてずいぶん集まつておる。貧乏な百姓がお互いに汗水たらした零細な金を集めて、そしてその金は匿名組合として集めながら、実際は法の盲点をついただけだつたのだから、どうしてもこれは何か形を整えなければならぬ。伊藤は昭和二十六年以来この立法ということについて研究をしておつたらしい。つまりアメリカ式の投資銀行の方式をとりたいという考え方なんです。つまり匿名組合がきわめて脆弱性に富んだものであるから、これをさらに一歩進めて米国式の投資銀行、そういう形で日本において新たに法律をつくつてもらいたいという念願に燃えておつたことは、大谷營潤君が先ほどここへ見えての話にも明らかであります。平野君、早稻田君の証言でも明らかです。少くとも伊藤君と廣川君と会つて、しかも保全経済会の一方の再建組の頭領である三浦義一、山崎一芳と会いながら、ただ単に山崎君の金の問題だけじや済まない。なぜかというと、あなたの言う山崎君の新夕刊の金融をあつせんしたときと、金融がうまく行つたとき、すなわち保全経済会で金を出したときとは、えらい時間の違いがある。そんな時期にどうして一体廣川君に金融を頼むのだろうか、ちよつとわからない。これは一ぺん借りたあともう一ぺん追加して借りようとしたのか。借りているのですよ。六千八百万円も金が出ておる。そのほかに二度も出ておるのだが、一体どの金融なのか、幾ら金融してくれと言つたのか、これが聞きたいのです。
○廣川証人 立法のことをお尋ねのようでありますが、休業してから立法云云というお話ですが、これは私の現在自由党における立場を知つておる者ならば、かようなことを私に頼んで来るはずはないのであります。また、新聞に対しての出資を依頼したということでありますが、新聞の内容を私はよく承知いたしていないのであります。また、どれだけ金融してくれというようなことは、われわれの目前では言つていないのであります。
○中野委員 それでは、君が東京会館の別館で四人で会われたというのは何月幾日の何時ごろです。
○廣川証人 これもよく記憶はありませんが、一昨年の八月か九月ころの昼間だつたと思つております。
○中野委員 そうすると、このときに大体あなたは幾らくらい借りるとか、あるいは何を担保に借りるとか、いくら君、何ぼ何だつて、なくちやならないじやないか。今問題になつているのは、新夕刊の方では輪転機を買うためとか、あるいは過去の借金を払うために金を借りたのだという、一つの品がある。伊藤斗福はそう言つてないのですね。いや、あそこの土地、建物を全部買収して、私の方で金を出したのだと、こう言つている。どこの口なんでしようね。あなたは、何を担保に、どういう金を借りるか——廣川君がいくら近来偉くなつたからつて、頼まれたら、いやいいよと言つて行くはずはない。少くとも君のような料理屋ぎらいの人間が——東京会館でも一種の料理屋だ、あそこに出て行くからには、やはり何か根拠がなければならない。あるいは手形とか株券とか、担保がなければならないのだが、一体何を担保とかあるいは見返りにつけて金を貸せと言つたのか、これくらいのことは知らぬということはないだろう。そうむちやなことはぼくも言わぬつもりなんだから、これだけはひとつ……。
○廣川証人 これは、たびたびのお尋ねなんですが、実際その内容は私は知らないのです。ただ、君なら信用するだろうから投資してくれるように頼んでくれ、これだけです。何もわけはありません。
○中野委員 金額は。
○廣川証人 金額も知らない。
○中野委員 そんなばかな話はない。何ぼ何だつて、金額はわからぬ、何もわからぬというのはおかしいが、それはいい。 ところが、君の会われた東京会館の、先ほどどなたかの御質問があつて、東京会館で会つた顔を見れば一番わかるという、この顔ぶれが本問題に関する限り一番怪しいのだ。四者会談というのは事件の中心にある。君はないかもしれないが、全部ある人なんだ。そこで、望月京一という経理部長がおつたのだが、伊藤君と会うときに一人で会つたはずはないと思う。一人で会つたときもあるだろうと思うが、ほかの若いやつを連れておつたと思う。これはどうですか。伊藤君は君の家に行つたことがあるでしようか。君の家は明けつぱなしの家だから、われわれが行つたつて、つつつと上つて行けるから伊藤君は、君の家に行つて話したのだろうか。あるいは別のところで会つたのか。四回ぐらいだから思い出せると思うが、そのときにだれか連れて行つたか。お聞きしたい。
○廣川証人 多分四回くらいだろうと思つておりますが、今なたのおつしやつた望月というような人は、私は記憶ございません。それから、私の家にも一回か二回来たことがありますが、そのときもたいてい一人で来ております。
○中野委員 そこで、問題になることが一つあるのです。知らぬとおつしやれば重ねてとは申しませんが、今度のこの保全経済会の再建について伊藤斗福が声明書を出したように、彼は非常に悩んでおつたわけなんだ。一方にはこういう強がりは出しておるけれども、悩んでおつた。ただ、問題の一点を聞きたいのは、先ほど話した兒玉譽士君とあなたは一回しか会つておらぬと言う。それはそうかもしれぬ。児玉なんというのは、ずつと若い男で、近来のでき星だから、わからぬだろう。しかし、三浦君という人は大化会の副会長でもあつたし、やまと新聞の副社長でもあつたし、同時に兒玉君と一緒にやつておる吉田彦次郎君とも切つても切れぬ仲だ。今の東京温泉の許斐君らもやはり一つのグループであつたのだから、従つて私は一点だけ伺つておきたいのだが、今度の保全経済会再建については相当容易ならぬ資本的バツクを持つて彼らが動いておつたということは洞察ができるのだが、少くとも三浦君から相当強い意思表示の何か話があつたと思う。金銭の問題はいいですよ。ぼくは金を受取つたか受取らぬかということをいやしくも廣川君ともあろう者に聞きやしませんが、三浦君から、少くとも保全経済会が困つてしまつた、このままほうつておけば容易ならぬ問題だから、ひとつ廣川和尚何とか助けてくれくらいのことは言わなければならぬ筋合いだとぼくは思うのだが、それはどうですか。
○廣川証人 これもたびたび申し上げているのですが、そういうことは私に依頼ございません。それからまた三浦君は私の性質をよく知つているはずです。ですから、あの人のことですから、そういつた性質のことは私に言うはずはありません。
○中野委員 君と三浦君と二人が会つていれば、似たり寄つたりだから、どちらにしても禅問答みたいなことをやつているのだから、わかりやしないだろうけれども、少くとも私はあつたように感ずるが、ないとおつしやればそれまでです。 そこで、最後に一つ聞きます。今まであなたが証言されたことで、もし間違つていたらどうしますか。失礼な言い分だが、君も廣川弘禪として、今日政治家の先端に立つておる。今日われわれが質問をするからには、先ほど自由党のどなたかがおつしやつたが、影も形もないことでいやしくもあなたにおいでを願つて聞いておらないつもりです。従つて、今まで御証言になつた中で寸分でも違つておつたら、政治家廣川弘禪はいかなる責任をとるか、伺つておきたい。法律上の行為は当然のことなんだが、それを伺つておきたい。
○廣川証人 先ほど宣誓した通り、私は問達つたことを申しておりません。
○中野委員 だから、その点はいいのです。それは宣誓に基いてやるのですが、政治家廣川弘禪はいかなる責任をとるか、それを聞くのです。
○廣川証人 政治家としての責任の上に立つて宣誓をしてやつておるのです。
○塚原委員長 小林進君。
○小林(進)委員 今までの質問の落ちこぼれを拾いまして、一、二御質問をいたしたいと思うのであります。たまたまわが党の平野力三君が、同じく証言台に立つて証言をいたしましたことが、はからざりき、あなたの御証言とまつたく相反する結果になつたのでありまして、その相反したことについて、先ほどどなたかが、何か社会党の謀略で、答える者と問う者とを仕組んだ仕事じやないかというような御質問でございました。しかし、神かけてそういうことはないのでありまして、私どもも超党派的に真実を追究しようと思つてやつたところに、ああいう証言が飛び出したのでありまするが、今また同じくわれわれの先輩であつたあなたの御証言を承つて、私どもはまつたく迷つておるのであります。だれを傷つけ、だれを救おうなどという小さな気持は一つもないのであります。国会の権威と同僚議員一同の名誉を守るためにどうしてわれわれはこの二つの違つた路線の中に真実を見出すべきかを悩んでおるのでありますから、そのお気持でお答えを願いたいと思うのであります。 まず第一に、これはきのうもお伺いいたしたのでありまするが、あなたが一昨年の八月ないし九月東京会館の別館でお会いになつたそのときは、たしか農林大臣の現職におありになつたと思いますが、その点いかがでございましようか。
○廣川証人 農林大臣の現職であつたはずです。
○小林(進)委員 けさの新聞の池田さんの談話によりますれば、同じく二十七年の九月二十五日の朝まだきごろ、池田さんの私邸にお二人でおいでになつてお会いになつたという新聞の内容でございましたが、そのときの池田さんはたしか大蔵大臣であつたはずでありまするが、この点いかがでございましようか。
○廣川証人 その通りだと思います。
○小林(進)委員 現職の農林大臣と現職の大蔵大臣が、多忙の中をはずして、東京会館あたりまで行つて、やみ金融の、しかも国籍を異にいたしますそういう人と面会をなさるからには、その前に身元や事業の内容や、その他について十分御調査になつたことと思いまするが、その点はいかがでございましようか。
○廣川証人 私は三浦義一君を信じておりますので、三浦君から頼まれてやつただけで、匿名組合ですか、保全経済会の内容とか、あるいはその当時の資産状況というようなことはよく承知いたしておりません。
○小林(進)委員 前後を通じて四回会つたとおつしやるのでありますが、その間二回くらい、池田君の私宅に伊藤斗福君と訪問をいたしておるのであります。あなたは非常に親切な方であるということは知つておりまするが、それくらいの親切をお尽しになつて、それくらいのあつせんの労苦を積んで、それでその間に何か謝礼金といいますか、お礼といいますか、形につくられたものをお受取りになつたという話は一つもないのでございます。ただ、今出て参りましたのは、あなたの証言で、二十八年の暮れ、しかも保全経済会が休業をいたしますその直前に、ようやく三百万円の投資を依頼したということなのでありまするが、その投資に至るまで、最も盛んに行き来をいたしておりまする間に、何か手みやげでもお宅さんに行つたものがないか、その点ひとつお伺いいたしたいのでございます。菓子箱でもけつこうでございます。
○廣川証人 私はせつなせつなで切ることがきらいな男でありまして、よく先輩から言われておりまするが、医者と弁護士はそのときどき謝礼をとるから徳が残らないということを聞かされております。どんな仕事をいたしましても、謝礼をとるというようなことを私はいたしておりません。
○小林(進)委員 私はあえて謝礼と言うのではありません。国籍を異にする異国の民と言えばそれだけでありますけれども、われわれの常識では、現職の大臣にわざわざ東京会館あたりまで来て融資のあつせんをしてもらつたり、あるいは現職の大蔵大臣の私宅までも同道をしてもらつたりというように、現職大臣のお宅に二度も足を運んで来るということになれば、私自身も手ぶらでお伺いすることはできないのであります。これは私は日本人の常識だと思う。伊藤君はせめて手みやげぐらいは持つて行つたと思うのでありますが、その点、いま一回お答えを願いたいと思うのであります。
○廣川証人 これは、あなたの持つている常識と私の信念が違うのであります。政治家はそういうようにせつなせつなで謝礼をとるものでないというのが私の信念でございます。あなたの常識と多少違つております。
○小林(進)委員 私は廣川証人に謝礼ということをお尋ねしているのではないのであります。人の玄関を訪れるのには、手ぬぐい一本でも何かしるしを持つて行くのがわれわれの常識ではないか。これほどまでに御迷惑をかけておるのだから、せめて菓子折の一つでも持つて行かなかつたか、これをお伺いするのであります。謝礼ではないのであります。いま一回お答えを願いたいと思います。
○廣川証人 私の家は、今でもそうでありますが、全国の人がたずねて参ります。たずねて来て、私らと一緒に自分のうちで食事をして行つても、謝礼なんというものを置いて行くものだということは、私のうちの習慣に決してございません。
○小林(進)委員 それでは、方向をかえますが、これはきのうも平野証人にお伺いいたしたのでありますけれども、池田邸に伊藤斗幅があなたに同道を願つてお伺いいたしました。そのときに、三百万円の手みやげを持つて行つたという情報が入つておるのでございまするが、この点は、あなたはそのおみやげの形なり、お認めになつたかどうか、お伺いいたしたいと思います。
○廣川証人 池田君のところに行つたときは、ふろしき包みとか、そんなものは何も持つて行つておりません。話は簡単でありまして、今日は、さよならと言つただけで、はいといつて物を投げ出すようなことはできないと思います。その間の事情は池田君にでも聞けばよくわかるのであります。決してそういうことはございません。
○小林(進)委員 きのうの平野証言によりますると、そのときには伊藤斗福がいわゆる投資銀行法の立法を依頼した、話の内容は立法化の依頼だ、こういうことを平野氏が証言いたしておるのでありまするが、この証言に対して、いま一度お答えをお願いいたしたいと思うのであります。
○廣川証人 そういうことを話したことはない。また時間もそんな時間がないということは、たびたび申し上げている通りであります。何にもございません。
○小林(進)委員 先ほどもどなたかがここでおつしやいましたが、ともかく、再建整備の旬々たる中で伊藤斗福君もやや平常の状態ではなかつたが、そのときにおいて政治資金六千万円云云の話があつたのである、伊藤から聞いた話をここで繰返すのであるというのが平野証言の内容でありました。それについて、平野氏がうそを言つているのか、伊藤個人がうそを言つているのか、この二人の話の内容のいずれにうそが多いのかという御判定をお伺いいたしたいと思います。
○廣川証人 私はその判定をする資料を持つておりませんが、その御両人から何にもそんなことを聞いておりません。
○小林(進)委員 平野証言は、きのうは、立法の内容を池田邸において話したということを言つているのでありますが、この話の内容につきましては、少くとも今朝の池田勇人氏の新聞談話がやや一致をいたしておるのであります。すなわち、内容については、自分は最初から保全経済は信用していないから、それはだめだと言つて断つた。——断つたということは、少くとも立法化の内容について話があつたことを前提として断つたわけであります。この点はまことに、平野証言と池田の新聞談話が相一致いたしておりまして、あなたの証言はやや違つているのでありますが、この点いかがでございましようか。
○廣川証人 たびたび申し上げる通りですよ。一体立法の具体的なことなんか話す時間がないんです。また、そういうようなことをするために私が案内したんじやない。それは最初に私が申し上げた通り。何らございません。
○小林(進)委員 それでは、最後に、はなはだ抽象論になりますが、現職の農林大臣であり、現職の大蔵大臣であるという政府の要人が、それほど簡単に——当時非難ごうごうといたしておりまして、世人これを怪しん非常にその不健全性をうたわれておりました、そういうやみ金融の巨頭と軽々しく会つたり、紹介し合つたりすることは、はたして現職大臣として正当な行為であるか、今顧みてやや軽率ではなかつたかくらいの反省が一体おありになるかならないか、承つておきたいと思います。
○廣川証人 あの当時は、今のように保全会の内容が明確になつておりません。また、私たちは単に頼まれて話をしたというだけで、深い内容を承知いたしておりません。
○塚原委員長 椎熊三郎君。
○椎熊委員 たいへん時間も迫つておりますから、簡単に二、三の点をお伺いしたい。率直にお答えを願います。 あなたと伊藤斗福とは相当深い御交際のようであります。数回にわたつて面接もしているし、他人に金融してやることを頼むほどの間柄でもあつたようであります。相当懇意な仲でなければできないことをやつているのです。そこで、あなたは伊藤斗福という人物をどのように解釈しておられるのか。たとえば、当初から信用のおけなかつたような人物だと思つたのか、当初は非常に信用しておつたのが、事態かくのごとき状態になつては、彼を今のあなたの心境ではどういうふうに考えておるか。当初はどうであつたのか、そういう点を率直に……。
○廣川証人 これは、椎熊さんの言葉で言うと、大分何か深く前から交際しておるように聞えるのですが、実は三浦義一氏から紹介されるまでは全然知らないのです。ただ、三浦義一氏が、おれが言つただけでは新聞社に投資してくれぬから、君が助言をしてくれということで連れて行かれたわけであります。何ら深い交際はございません。
○椎熊委員 それで、現在はこの人物をあなたはどういうふうに解釈しておられるのか。
○廣川証人 現在は困つたことになつたと思つております。
○椎熊委員 事態ではなしに……。事態は困つたことになつておるのです。私は事態を聞いておるのではない。あなたがこの人物をどう解釈しておられるか……。
○廣川証人 伊藤君の人格とかなんとかいうのは、三、四回会つただけですから、ほんとうに私のみ込んでおりません。
○椎熊委員 それじや、この点はこの程度で、追究しませんか、いやしくも匿名組合とか称して全国的に大規模に零細な資金を集めている金融業をやつておつた者ですね。金融業というものは、非常にこまかい計算の上に、確実な帳簿、確実な業態の上にのみ成立するものだと私ども思う。しかるに、あなた方が一新聞社に何千万円という金を貸してやることをあつせんしたり、あるいはまた政党の献金等においても何千万円も出すというようなことを現在でもうわさされているような事態は、あなたは当時は閣僚の一人でもあられた方ですし、経済閣僚としては日本の財政経済のことにも通暁しておつた方なんだが、こんなことをやつている金融業者というものは、清純にして適正なものではなかつたのだということにお気づきにならぬはずがないと思うのですが、いかがでございましようか。
○廣川証人 いや、そこが、これは私の不徳のいたすところでございましようが、当時は実際はそれほど保全会社の実体がそういうものであるということを実は私承知していなかつたのであります。頼まれるままに単に話をした。また自分の会社に対しても、これは投資会社なんだから投資をしてさしつかえないものだ、こう考えておつた。
○椎熊委員 あなたは、当時はどういう内容であるかちつとも知らないということですが、私の記憶をもつてすれば、二十六年の通常国会の際であつたと思います。あなたは農林大臣在職中でございます。予算委員会の総括質問の際に、わが党の北村徳太郎氏から、これらのやみ金融にも類すべき、その当時雨後のたけのこのように出て来る多数のこういう組織、こういう金融というものを許しておいてはならぬ、——その際の速記録には、たとえば保全経済会のごときも大蔵当局はどう思うか、こういうものを放置しておいちや実に危険であるという警告を発しております。その際にはあなたは閣僚席におられた。それのみではございません。なお大蔵委員会におきましては、この破綻を来す以前に両三日にわたつて大蔵当局に警告を発して、早くこれが措置を講じて一般大衆に迷惑をかけないようにすべきではないかということを三回ほどやつている。あなたは閣僚の一人として——しかも私どもはこの北村さんの質問に立ち会つて聞いているのです。あなたはちやんとそこにおつたのです。そういう問題になつていることを、政治上に取上げられて質問まで受けているのに、しかもあなたは、ただいま言われるように、全然内容は知らなかつた、ちつとも不安を感じなかつた、疑問を持たなかつたということは、ちよつと私には了解に苦しむのですが、どういうものでございましようか。
○廣川証人 そこがいわゆる不徳のいたすところでございます。実際それ以上深く実は掘り下げていなかつたのです。
○椎熊委員 そういうふうに告白なされば、どうもそれ以上追究の手もないので、私は実に残念なことであつたと思います。 そこで、昨日当委員会において社会党の平野さんが中村高一君の質問に対して答えられたことは非常に重大なことであります。政界全体の名誉にも関し、ことに名をあげられたるあなたにとつては非常に迷惑のことだろうと私は思うのだが、平野さんは、いやしくもこの保全会社の顧問であられて、非常に高額な顧問料までとつておつた人です。その上自動車も提供せられれば、家屋、什器等も買つてもらつておるという、普通の状態の顧問とは常識的には思われぬような厖大な金をとつておる人です。そして、こういう人がおそらくあの会社とはよほど深い関係がなければあの会社としてはできないことです。そうすると、平野さんと伊藤氏との間というものはかなり密接なものであつたろうと私は思う。その人が、伊藤氏からこういうことを聞いたと、宣誓の上でここに証言をせらるるということは、決してこれを軽んじてはならぬと思うのです。そうすると、あなたはこれに対して全然知らぬと申されても、あなたの名誉というものは非常に傷つけられておる。これに対して、あなたはどういうあなたの身分上の問題、名誉上の問題、平野さんの証言に対してあなたはどういうことをなさろうとしておるのか、あなたの心境を聞きたい。
○廣川証人 これは、私のみならず、平野さんから証言したことで、非常に迷惑を受けておる人が多いだろうと思います。私は、これが明るみに出てはつきりした後において私の態度を決定いたしたいと思います。
○椎熊委員 当委員会では、検事局の取調べのように、検察官のような態度はできないのでありまして、事態を明確にするために証言を求めておるので、私どもはかつて同僚であつたあなたの証言も、また平野さんの証言も、これを尊重したいのであります。いずれはこれは黒白が明らかになるではございましようが、あなたはただいま、伊藤さんとの関係においてはちよつと二、三回会つた程度のようなことを言うが、あなたほどの人が、しかも一国の国務大臣ともあろう者が、人に金銭の世話をするのに、そんな簡単な間柄では——どこの新聞社に何千万円という金です。われわれのところに来ておる材料から言つても、そう簡単なものではなかろうと思うのです。そうすると、あなたと伊藤さんとの関係というものもかなり深いと想像されるのですが、あなたはたんたんたるつき合いで、ちつとも世間に言うがごとき関係がないとあくまで主張なさるのかどうかということです。
○廣川証人 これは、先ほども申し上げた通り、ほんの三、四回のつき合いで、ただ三浦君が、おれだけでは信用せぬから、わきで助言をしてくれと、これだけのことであります。その助言をしてあげて、新聞の重要なことを託しただけでございます。
○椎熊委員 私は、あなたが伊藤斗福を連れて池田勇人さんの家の応接間で長時間にわたつて待つておつたという日は自由党の党大会の日だと聞いております。あなたも党の最高幹部であり、ことに両者とも閣僚なんです。その大事な党大会の日に、大会の出席までもやめて、一金融業者、世間とかくの風評のあるといわれる一金融業者を伴つて大蔵大臣の私邸を訪問して長時間にわたる間待つておるということは、ただ単にごめんなさい、さようならという、さつきあなたが表現せられたような簡単な会話をとりかわす紹介の意味ではなかろうかと私は思うのですが、それにはやはり、政治献金をしたいと言つているのだが、お前はそれを受取るかどうかという話をあなたはなされたのではないでしようか。
○廣川証人 それは、はつきり私は記憶ないのですが、私の記憶では多分朝じやないかと思います。それから、長時間待つていたというようなこともありません。それは、私の記憶で、応接間を通り抜けて行つたんですから、それはないのです。ただ、党大会の日であつたかどうか、これは私は記憶はありません。党大会であれば私も池田君も出ておるはずであります。それは私は記憶にありません。それで、またあなたは長時間待つておつて長時間話したようにおつしやいますが、ごく簡単に、ほんとうにただ紹介しただけでございます。何もその間にございません。
○椎熊委員 私は、こういうことをしつこく聞くのは、あなたを責める意味でも何でもない。一にかかつて日本の政界の名誉のために、ことに一国の国務大臣ともあろう人がこういう事件に関係がなかつたということを私はこいねがう者なんです。もしそれ世間言うがごとき事態があろうとすれば、これは政界の不信のみならずやがては議会の不信というようなことにもなりそうに私は思われて心配にたえない。そこで、あなた方は、ここまで呼ばれて来るだけでも非常に不名誉だと思つておられるでしようが、勇気を鼓して、ここへ来られた以上は事態を明確にするということに勇気を持つてもらいたい。そうして正直に、そうしてまつすぐに自体を明確にすることにわれわれに協力してもらわれることが、あなたの名誉をそそぐゆえんにでもなるなら一層あなたの仕合せでもあり、われわれの仕合せでもあるのです。あなたの先ほどからの答弁を聞くと、知らぬ存ぜぬの一点ばりで、あまりそれではどうも信憑性が浅いような感じをわれわれに与えて、その事態を究明する上に残念なんです。あなたは、誠心誠意みずからの潔白を主張するとともに、事態の明確化に対してわれわれに協力せられるという御意思があるかどうか。
○廣川証人 私は率直に自分の知つていることだけを申しておるのです。決して隠したりあるいはまた遠まわしに言つたりいたしておりません。率直にそのままを私は述べておるわけです。
○椎熊委員 これ以上繰返すことをやめますけれども、東京会館の会談のごときも、三浦義一君のごときはある意味では天下知名の士です。そういう人まで立会つて某新聞社に何千万円という大金を融通してやれという相談をするのに、金の高も知らぬ、その内容はどうであつたか、あとになつてうまく解決したということを聞いたというだけのことの話では、どうも世間は納得しないのですな。あなたは何もそれを御承知になつておつたつて決して悪いことではないでしよう。先ほどから言われるように、あなたは新聞の経営というものは非常に困難なものだし、国家的にも大事なものだから、金を貸す人があるならば貸してやつた方が国のためにも新聞社のためにもよいと信じられてやつたということをおつしやる。それは結果においてどういうことになろうと、あなたの信念において堂々とそのあつせんせられた内容をここでお話になつても、決して悪いことでなしに、そういうことをまつすぐに言つてくださることが事態究明のために、あなたのためにもとるべき態度だと私は思うのですが、いかがでしようか。
○廣川証人 これは新聞記者諸君はよく知つておりますが、私は腹にあつたら全部申し上げるのが私の性格であります。何でもしやべり過ぎて、ときどきみなから笑われたり、しかられたりしておるのですが、ほんとうに私は腹の中にあることはみな言つておるのです。この新聞社の内容、金額というよなことを示せということですが、私はほんとうに知らないのです。はつき申し上げますが、どのくらいな金額どうなつて、そうして新聞社の経理どうなつておるか、ほんとうに私は知らないのです。
○椎熊委員 あなたは、閣僚当時からしばしば吉田さんからしかられたように、口が軽いことで有名であつて、かつては犬の人形にはちまきを巻いたので諷刺せられて、あまりしやべるなと吉田さんに言われたくらいで、あなた自身もどんどん何でもしやべると言うのだが、きようこの席上におけるあなたは、旧来とはまつたく態度が違つておる。それはおかしいじやございませんか。もう少し懇切ていねいに、われわれが満足するような、納得が行くようなことに努めてなさることが、あなたの名誉のためにも私はとるべき態度だと思つたのですが、これ以上私は聞きません。われわれの判断は判断で別にございますけれども、私は、政界のために、あなのような答弁をしておつたんでは、あなたの名誉のためにも、政界の名誉のためにも、はなはだ結果的にはおもしろくないのじやないかと心配する者の一人でございます。
○中野委員 これは委員長にお願いがあるのです。きようの廣川証人の証言と、けさほどの池田勇人君の談話とは、大事な問題でまつたく食い違つております。本人は、この保全経済会のことを頼まれて、金銭の問題まであつたけれども、断わつたと、これを談話に明らかに発表しております。しかも責任ある池田君のこの談話と廣川君の言とはまつたく食い違つておりますから、委員会散会後において理事会を開会されるでしようが、池田勇人君を至急証人として喚問して、その食い違いを訂正する必要があると私は思いますので、理事会において、委員長においてしかるべくおはからいを願いたいと思います。
○塚原委員長 今の中野君の御質問に対してお答えいたします。委員会の散会後理事会を開くことになつておりますから、その席上において御相談いたします。
○田渕委員 私は、大勢の委員から聞いていただく方がこの委員会の運営、権威の保持の上からもよかろうと思つて、先刻ただ一、二点を伺つただけで、あと伺うことを留保しておつたのでありますが、先刻同僚椎熊委員から伊藤君の人物観についての何がございましたが、これについてもう少しくこの際に私は証人から伺つておきたいと思うのであります。と申しますのは、先ほど私は、あとにたいへん控えておられますから急いだのでありますが、時間の関係がこんなぐあいになつて参りましたので、ごく簡単に申し上げます。 先ほど、伊藤君の謀略的な財産目録の発表の仕方、表現の方法は実に巧妙をきわめておるということを簡早に申し上げておきましたが、実際そのときに出した内容を簡単に申し上げます。それは、出資者が十五万、出資金が四十四億九千五百万円で、現有資産が三十五億あるということを書いたものを発表したのであります。ところが、その現有資産というものは、われわれが調査にかかつて参りますと、十八億と、約半分に減価されて来た。ところが、実際は、不動産取得というものは、これは水増しがかかつているかどうかわかりませんが、ともあれ八億二千万円しか金を出しておらぬ。もつとも、インフレで不動産が上つたと彼は見たかもしれませんが、現有資産を三十五億と発表しておる点であります。こういうような点を私先ほど証人に申し上げるのを忘れたのでありますが、こういうような非常な巧妙なやり方。それから、昨日来ずつと調べて参りました証人でございます。その一番冒頭に調べました松本博士に、伊藤の人物をどう見るかと問うたのに対して、この経済学博士は、幼稚なものだ、こう言つております。そうして、これを紹介したのが、御承知の通りこの松本博士の絶えず本を買つております報文社という本屋の砂田何がしがこういう者であるというので伊藤君を紹介した。そうなつて、松本博士と伊藤君との紹介者がわかつて来たのであります。そこで、今度は、第二番目の早稻田君に参りますと、早稻田君と伊藤との知合いというのが、この保全経済会が五百円の株券を八万株、四千円投資いたしております富士航空の小池和一というのから紹介をされて早稲田君がここに登場して来たのであります。また平野氏がどういうぐあいにして出て参つたかと申しますと、二十六年の四月ごろ小宮三郎の紹介によつて知つたのであります。その小宮三郎君は、やはり保全経済会が四千万円出しておりますところの冨士航空の代表取締役であります。こういうようなぐあいで、小池は専務取締役であり、一方は代表取締役である。また松本博士の使つておつたといいますか、絶えず連絡に来た牧原という者は、富士航空——四千万円投資した会社の取締役、六日商事株式会社に五千万円出しておる、これの取締役であります。仏教保全経済会の一千万円投資した上野工業株式会社の取締役が牧原君であります。こういうぐあいにいたしまして、二億五千万円のうち一億五千万円出したものが、ことごとく平野君やあるいは早稻田君を紹介した人がついておるのであります。かような点からいたしまして、昨日来調べました証人、つまり松本博士、早給田君、平野君等と保全経済会のつながりというものがずつとわかつて来たのであります。一体、小池とか、平野君を紹介した小宮という者と平野君の問題はどういう人的つながりかについては、目下われわれは調査しておりますから、いずれわかつて来ると思うのでありますが、要は、私は、昨日の平野証言というものは、社会益側に対してはどうかと聞いたときには、私の顧問料だけだと言い、それは私が使つただけだと言つておるのであります。先ほど中村高一君の証人に対する御尋問中に私が少しく興奮いたしましたのは、世上のいわゆるデマ宣伝あるいは怪文書に基いたところの一端を言われて、わが党の少くとも現職幹事長の名前まで出したので私は怒つた。私はまた、社会党右派の——名前は出しませんけれども、社会党右派にもこれだけの金が行つておるという情報をわれわれは握つております。けれども、私はこの際これを言いません。それは情報でありますから言いません。(「言え、言にてもかまわない」と呼ぶ者あり)これは、この委員会の品位保持のために、私はそういう軽率な発言はいたしません。かような意味におきまして…… 〔発言する者多し〕
○塚原委員長 御静粛に願います。
○田渕委員 平野君は少くとも農民階層を手に持つて、そうして平野君は少くともこの保全経済会というものを一切からくりしておつた。これが伊藤君が今日ぶち投げた結果になつておる。そこで、私は、こういうような人物をあなたは今日どういうぐあいに見られるか、御心境を伺いたい。御参考までにこれを申し上げて、そうして、伊藤という者がどういう者か……。伊藤と平野君のつながりを私は聞こうとは思いませんが、私はあらゆる調査によつてはつきりわかつておりますが、伊藤は平野君のロボットだと思います。それに、きのう堂々とああいう無責任な放言をいたしております。これは院内の発言でありますが、院外においては刑事訴追なりその他についてどういうふうにするかということは、あなたなり、わが党の幹部なり、あるいは改進党の幹部の御意見もありましようけれでも、私はこの際あなたの御心境と人物観をひとつ伺つておきたいのであります。
○廣川証人 私が三、四回会つた程度では、金のやりくりについては私はよく知りませんが、単純な男じやないかという感じがいたします。 それからまた、後段のことについては、それは党としては党としての態度もあると思いますし、われわれといたしましても、外部に出た場合には外部で問題にしたい、こういうふうに考えております。
○塚原委員長 ほかに御発言がなければ、廣川君に対する尋問は終了いたしました。 証人には長時間にわたり御苦労さまでございました。 引続き理事会を開きますから、理事の諸君は暫時お残りを願います。 次会は公報にてお知らせいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十八分散会