厚生委員会 第60号
- 発言数
- 16 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/10/01
会議録
○小島委員長 これより会議を開きます。 一言ごあいさつ申し上げます。委員諸君には、せつかくの休会中を御参集願いまして御苦労に存じます。実は、御承知の通り医療保険に関する諸問題は、最近やかましい問題となつているのみならず、特に医薬分業については、来年一月一日の実施を前にして、これまた相当な議論を聞くところであり、しかもいわゆる医薬分業実施延期に関する法案が、参議院で継続審議中になつておりますので、本委員会といたしましても、早晩何らかの意思表示をする必要に迫られておるのであります。ところが政府においては、今のところ早急に臨時国会を召集する様子もなく、また開いてもわずかなる日数となる見通しでございますので、この際この問題について臨時国会前に、十分審議を完了しておきたいと考えるの一で、本委員会を休会中ではありまするが招集した次第でございます。何とぞ御了承願います。 それでは、新医療費体系に関する調査を進めることといたします。厚生当局の右に関する説明を聴取いたします。
○草葉国務大臣 昨日本院厚生委員長あてに、医薬分業の実施に伴う医療費体系に関する資料を御提出申し上げましたが、その大綱をこの機会に御説明申し上げて、御了承をいただきたいと思います。 御案内の通りに、昭和二十六年の一月に臨時診療報酬調査会より「医療の向上と国民の経済的負担力とを勘案したる医師、歯科医師及び薬剤師の適正なる技術料及び薬価の基準」につきまして答申を受けたのでありまするが、爾来その線に沿いまして新しい医療費体系の樹立のため二年有余にわたりまして、調査と検討を続けて、このほどようやくその成案を得るに至つたのでございます。 そもそもこの新医療費体系の意図いたしますところは、前述の調査会の答申にもうたわれておりまする通り、医療に対して適正なる報酬を支払う方式を確立いたすことでありまして、医師、歯科医師、薬剤師の技術に対しましては、その専門的技術に対するものとして、適正なる報酬を支払いますとともに、物に対しては物に対するものとしての対価を支払う原則をとるものであります。これは現在の医療報酬の体系におきましては、御承知のようにややともいたしますると、技術に対して支払われるべきものが、雑然として、物の対価の中に含まれて支払われておりまする傾きがあるに比しまして、大きな違いがある点でございます。今回の新医療費体系を構想いたしますにあたりましては、この点の根本原則のほかに、まずこれによつて国民の総医療費にさらに負担を加えるということのないことを前提といたして、検討をいたしたのでございます。しかしいかに理想的な姿のものでありましようとも、それによつて国民の医療費負担が増嵩いたしますることは、国民経済の現状にかんがみましては、特に避けなければならないと考えたからでございます。 次に当然のことではございまするが、これによりまして、医師、歯科医師の所得に、原則として変動を来さないということを配慮いたしたのでございます。さらに本新医療費体系の算定にあたりましては、理想的な技術料の算定は、実際は、いろいろの問題もございまするために、将来の問題といたしまして、国民の負担に変動を与えないよう、現状における可能なものを第一歩として、かつまた医薬分業の実施に必要なものを取上げることを前提といたしたのでございます。 お手元に御提出申し上げました資料の内容は、第一には国民総医療費の状況、第二には病院、診療所の費用と現在行われております現行医療報酬との比較、第三には新医療費体系の三部門から成り立つておりまするが、まず国民医療費の現状を見ますると、国民総医療費は年々増加いたしておりますことを知るのでございます。すなわち昭和二十七年度におきまする国民の総医療費は約一千五百五十億と推算されるのでございまするが、これが翌昭和二十八年度におきましては、約二千九十億と推算されまして約三六%の増を示しておる次第でございます。 次に病院、診療所におきまする実態調査によりまして、診療行為群別に、まずいわゆる一種の種類別の収入と経費とを比較いたしてみますると、前述のごとく医師、歯科医師に対しまする報酬は、薬治料、注射料、補綴料等がおもな収入源となつておりまして、その反面、医師、歯科医師の本来の業務であります診察料的部門におきましては、はなはだしい不足を示しておることの事実を認め得るのでございます。 さて、かかる現状の分析を基といたしまして策定されました今回の新医療費体系の骨子をなしまするものは、第一には医師、歯科医師の診察に対しましては適正なる診察料を支払うことといたし、その点数は実態調査によるものとすること、第二には薬治料の内容を分析いたしまして、調剤料と薬品原価を薬剤師に支払い、従来医師が薬治料の中に含めて得ておりました診察料的部分は、これを医師、歯科医師の診察料に含めることといたしました。第三には、注射料といたしましては、従来注射で得ておりました報酬のうちから、技術料と原価を残しまして他は診察料に含めることといたしました。第四は、処置料の四点以下は診察料に含めることといたしました。第五に歯科の補綴につきましては、従来補綴料とされていた報酬のうちから技術料と物の対価を残しまして、その他は診察料に含めることにいたした等でございます。 次にこの新医療費体系が実施されました場合、医療行為の種類別頻度に変化のないものといたしますると、国民の総医療費にはほとんど増減ないものと考えておるのであります。また医師の収入総額は若干減ずるようでございますが、実収入には変化がなく、薬剤師には調剤について調剤技術料が支払われることになるわけでございます。 新医療費体系に関しまする右の方針につきましては、政府といたしましては引続きこれをでき得る限り忠実に社会保険の支払い方式に具体化いたしますために、中央社会保険医療協議会に諮問いたしまして、明年一月一日から実施いたしたいと存じておりまするが、社会保険の方式によつておりまする生活保護法による給付その他もこれにならうことになりますので、わが国の総医療費の相当の部分にこの新医療費体系が反映されることとなるわけでございます。当局といたしましては、その他の純然たる自由診療におきましても、この体系によられることを希望いたしまするが、これにつきましては御承知の通りに、ただいまの状態では政府におきまして強制する手段は持つておりませんが、次第に普及して参ることを期待しておる次第でございます。 私はこの新医療費体系によりまして、医師、歯科医師、薬剤師の技術に対する報酬は、現状よりもはるかに合理化された形で支払われることとなり、医療の向上に寄与するところ少からざることを信ずる次第でございます。 以上の通りでございまして、まことに簡単でございますが、その大綱を申し上げまして、詳細はただいまから医務局長から御説明を申し上げることといたしたいと存じます。
○小島委員長 それでは、次に政府委員の補足説明を承ります。
○曽田説明員 お手元に差上げましたいわゆる新医療費体系に関する資料でございますが、これを作成いたしました趣旨及びその要点については、ただいま大臣から御説明があつたのであります。私は、主としてまずお手元に差上げました資料が、どういう性質のものであるか、またその大ざつぱな要点というものを申し上げまして、いろいろまた御質疑にお答え申し上げたいというふうに考えます。 まず第一には、新医療費体系の説明の部分でございます。この内容は、まず第一に国民総医療費の状況となつております。それからその次には、病院、診療所の費用と、現行医療報酬との比較、それにつきまして、新医療費体系の骨子を述べまして、最後に番号は付してございませんが、三のうちに含まれておりますが、この新医療費体系の国民総医療費及び病院、診療所の収入に及ぼす影響を概略述べたものをお手元に差上げてございます。 まず最初の資料につきまして、大臣の御説明に多少追加をいたしますならば、まず第一に述べました総医療費の状況は、最近年における医療費の動き、ことに病院、診療所の、すなわち医師に支払われました医療費の額というものの推定、これの年次的な比較、そして最後に病院、診療所の実態調査の結果、どれくらいの収入を得ておるかということを、昭和二十七年三月の状況として、ここに掲げた次第であります。この説明にも載せてあつたのでありますが、国民の総医療費に従いまして病院、診療所に支払われました医療費の額というものは、年々かなり著しい増加を示しておるのであります。後にいろいろと出て参ります新医療費の体系をつくる資料、その資料は昭和二十七年の三月と十月に行いました調査が基本になつております。その二十七年三月の調査が、今申し上げましたような金額と著しく齟齬したものであるかいなかということを調べる意味もございまして、この両方を比較できるように並べて掲げておいたのでございます。昭和二十七年三月の実態調査によります結果は、一年間に医師、歯科医師が受領いたします医療費の総額はこのoの部分に書いてございます千百七十一億幾らという数字になつておるのであります。これをbの昭和二十七年度の病院、診療所に支払われたと推計される金額と比較いたしますと、後者は千二百九十八億ということになつておりまするが、この間に百二十数億の食い違いがあるようにみられるのであります。しかしこれは二十六年、二十七年、二十八年と逐次この医療費が増額いたしております。そしてこの二十七年の病院、診療所に支払われた医療費、すなわちbにあげております額はおおむね二十七年度でございますから、二十七年の四月から二十八年の三月までの計数が基礎になつておるわけであります。それに対しましてcの金額は、これは二十七年の三月が基礎になつておりまして、これを十二倍するというような考え方で、一年に延ばして算出してございます。従つてこの間には二十七年度と二十七年の三月ということで、約半年の時期としてはずれがございます。二十七年の三月と申しますよりは、むしろ二十六年の最後の月に当つておるわけであります。そういうような意味で考えますれば、大体二十六年と二十七年の間に落ちて来るもの、これは機械的に平均を出すわけにも行かないのでございますが、大体千百二、三十億というような数字になつて参ります。このcに掲げられました数字とa、bで推計されましたものと大きな狂いはないものと考えておる次第でございます。 次にはこの病院、診療所におきまして、各種の診療行為に対して要した費用と、現在の社会保険におきましての診療報酬規定に基いた報酬と、いかように相違があるかということを比較いたしたのであります。これは病院、診療所、それから歯科診療所というように三つにわけて、一応概括的な姿が見えますように、次に表を掲げておいたのであります。病院につきまして一応御説明を申し上げますならば、まず第一に区分となつておりますが、これは数百あるいは千以上にも及ぶかとも思つておりますが、非常に多数の個々の診療行為を診察、投薬、注射、処置というようなぐあいに大体区切りまして、表をこしらえたわけであります。その次に総回数となつておりますが、これは診察をいたしましたその回数あるいは件数というものが、実際一箇月間調べました結果、これは百十五の病院についてどういう数字に上つて来たかということを掲げてございます。すべて数字を簡単にいたしますために単位は千でまるめてございます。従つて診察の回数は三十七万二千回ということになるわけであります。なおここで一言御説明を加えますれば、ここで診察の回数としてあげてございますものは、いわゆる内科、小児科というようなたぐいの患者につきまして現実には投薬をいたした、あるいは注射をいたしたという場合には診察料が支払われないでおるわけでございます。しかし現実にそれだけの診療行為が行われたのでございますから、その行為を回数として掲げてあるのであります。これに対して何点の報酬が支払われたということは無視して、現実に行われた回数をここに掲げてあるわけであります。それから以下投薬、注射等におきまして、これは現実に投薬が行われましたその剤数を掲げてございます。一日一剤単位で計算してございます。それから注射は注射回数、あとはすべて回数とお考えを願えればいいのでありまして、単位はすべて千を単位としておる。この診療行為に対し、現在どのような点数の報酬が支払われておつたかということが、現行点数として掲げてございます。この現という意味は二十七年における現在という意味でありまして、今から申しますれば、当時にさかのぼつた当時の実情というものでございまして、いろいろの診療行為に対して、病院に対しては千六百三十九万六千という点数が大体支払われたということになつておるわけであります。ここも電位は千でございます。 それからその次の「費用から換算した点数」ということになつております。この説明は少し時間を要するかと思うのでありますが、一応できるだけ簡単に御説明申し上げて、さらにできるだけ端折りまして、あとからまた御質疑に応じて、こまかい御説明をいたすというようにいたします。費用から換算した点数と申しますのは、一々の診療行為につきましてどれだけのものを使つたか、またどれだけの労力を医師、看護婦が費したかということを実際に調査いたしまして、そうして当時における医師、歯科医師、看護婦等に対する報酬、その人たちの所得というものを基準にいたしまして、その費した時間というもので按分して、各診療行為に応ずる人件費といたしまして、物は当時の物の値段ということで計算いたします。かようにして、この個々の診療行為についてどれだけ当時この費用がかかつたかということがわかります。その行為ごとに診察、投薬、注射というように区切りまして、そうしてその額を点数に大体換算いたしたわけであります。同じ行為を行つておりますそのときのその行為は、この点数に該当するものというふうに考えまして、この診察、投薬、注射、処置というようなものに、いかように配分されるかという割合としてここには出した次第であります。 かようにしてこの総点数をそろえて比較いたしますと、診察に対しましては、費用から換算した点数は二百五十一万五千に及んでおるのでありますが、御承知のように現在の報酬支払いの建前としましては、投薬、注射が行われた場合には診察料を払つておりませんので、三十七万八千という点数になつておるのであります。従つてその差が二百十三万七千というものを実際には費しております。費用というものを点数にいたしましたものの方が非常に多くなつておるということが出ております。そのことは逆に投薬、注射というようなものに参りますならば、実際に費したもの、あるいは医師、看護婦等の労力というものよりもよけいの点数が支払われておつたというような形になつておりますが、その余分というのは再三申しますように、診察料をさような場合に支払わないことが多いのであります。その分がこちらに入つておるものと考えられる。同様に見て参りますならば、この入院というものがプラスに出ておりますが、他のものは平均よりも下つて参つておるという状況になつております。診療所につきましてもほぼ同じ傾向が見えるのであります。ただ手術が病院ではマイナスになつており、診療所ではプラスに現われております。これは手術が、病院におきましての手術は、よりむずかしい大きい手術である。診療所の手術は比較的簡易なものであるというようなところから現われて、差が出ておるのではないかと思いますが、多少この点が違いでありまして、他は診察料が大きなマイナスになつております。投薬、注射が大きいプラスであります。額は小さくなりますが、入院も診療所でプラスになつておる。歯科の方に参りますと、歯科ではそもそも診察だけというような行為が割合に少くなつておりますので、このプラス、マイナスいずれにいたしましても大きな数字ではないのでありますが、ここでは補綴料というものが大きいプラスを示しております。いわゆる義歯、入れ歯でございます。この義歯によつてプラスが出ておるということで、そのほかの処置等が反面マイナスになつておるという状況であります。こういう現状を見まして、この病院、診療所、歯科診療所における診療の報酬としては、現実に費された費用というものに応じた報酬が支払わるべきであるという考え方を持つて参つたわけであります。この総点数のうちで、いかように診療点数を配分するかということにいたしますと、このプラス、マイナスの大きな変動というものを是正して参りたいというふうに考えた次第であります。 かような現状の分析に基きまして、この新医療費体系を組み立ててみたわけでございます。この医療費体系を組み立てますにあたつて、どういうような条件のもとに考案いたしたかということは、先ほど大臣も御説明されたのでありますが、この資料といたしましては、3のaのところに「新医療費体系の移行」それに対しては次のような諸点を考慮したというふうに列挙してございます。繰返しては申し上げませんが、かような目標のもとに新医療費体系を立ててみたということになつております。さような方針——方針と申しますか、その条件のもとにおいて、新医療費体系の骨子を組み立ててみたのでございます。これも大臣から御説明が一応ございましたのですが、先ほどの各表で見られますように、薬治料、注射料というものは、現在費やされておりますもの、及びそれにかかりました労力を人件費として換算いたしたもの、かようなものに対して、この余分の報酬が払われており、その余分という意味は、そのかわり実際にこのもの——ものと申しますよりはむしろ労力でございますが、多大の労力を費した診察料に十分な報酬が支払われておらなかつたというところから、これを現実にかかつた経費に縮めまして、そしてその余分の分は診察料のうちにこれをまわす。同じような考え方で、注射にいたしましても、注射薬及び注射をいたしますに必要ないろいろなものの経費及び手伝いの経費及び医師の労力というものに対して、必要といたしますだけのものを差引きまして、それ以上の余分のものは、これも診療料の方にまわすということにいたした次第であります。 大体この案を立てます場合に内科、小児科というようなぐあいに診察的な行為が明確なものについて初め考えてみたのでございますが、眼科、耳鼻科というようなぐあいに、初診料はまだ明確でございますけれども、再診になりますとその処置と診察というものとを明確に区別しがたいものがございます。この処置料にその全部——医師の労力等をも含めまして支払いをするということになれば、診察料的なものは、眼科診療、耳鼻科診療という場合にはきわめてわずかなものになつて参ります。初診療、再診療というものを、内科、小児科と同じように支払うことになれば、これは過大になるという結果になつて参るのです。それで、そうなれば診察療を二本建にするということが考えられるのであります。実際にはこの幾つかの科を兼ねておる診療所もございます。また全科というものもございますが、これを患者で区別するということは非常に困難ではないか。また可能だとしても非常にやつかいなことになつて、事務的にも煩雑であるというようなところから、でき得るならば眼科、耳鼻科におきましても同じように初診療、再診療を支払うという建前をとつてみたい。そういたしますれば、現実には診療料として支払うべき——何と申しますか、言葉が悪いかもしれませんけれども、財源がございません。これは眼科、耳鼻科等で主としてやつておりまするいわゆる四点以下の処置料というものを実際の調査によつて平均してみますと、ちようどその食い違いを埋める程度のものになつて参ります。こういうような意味で、眼科、耳鼻科にも、内科、小児科と同じように初診料、再診料を支払う。そのかわり四点以下の処置料は、これは診察料のうちに含めてしまうという考え方であります。かように考えますと、その処置を含まれた診療料でございますから、厳密な意味でいいますと、言葉が多少悪いかと思われるのでありますが、それは言葉の問題でございまして、一応診察料とあわせて支払いをするということにこの案をまとめた次第であります。 それから最後に歯科の補綴料でございますが、歯科の場合にも、先ほど申し上げましたように、純粋の内科、小児科のような診察料というものは上つて参らない。ごくわずかでございます。歯科においては、初診料、再診料を別建とすることは、眼科、耳鼻科で説明申し上げましたと同じような意味で、やはり好もしくない姿ではないかというふうに思われまして、歯科におきましても内科、小児科あるいは眼科、耳鼻科と同じように、同程度の診察料を支払うことにする。そしてその財源は、補綴料において大きなプラスを出しておりまして、これを診察料の方に移して行く。それで計算いたしますと、おおむね数字が合つて参つておるわけであります。こういうことで大体の構想がまとまつたのであります。 それでは具体的に初診料、再診料というものを幾らにして進んでみるかということは、一応現状調査をいたしました結果に基いてこの案を立ててみる、またその結果を検討してみるということにいたしたのであります。その初診料、再診料につきましては、まず初診料は実際の調査によりますと六・二程度になつております。また再診料は四・五九五というような数字になつておるわけであります。また薬剤料といたしましては、薬剤料を大きく二つに区分いたしたのでありますが、薬品の原価と、その薬品の調剤をするに必要な経費とにわけたのでございます。この二つ以上に、現在いわゆる薬治料として支払われております部分、この部分は診察料の方にまわす。薬剤料として残しますものは、今申し上げました二つの部分とする。二つの部分にいたしますと、薬品の原価は、当時におきましては病院で大体〇・九五一点、診療所で〇・九三四点ということになつておりまして、調剤の技術料は〇・五九三点という数字が出て参つたわけであります。それから診療所の注射料につきましても、実際に必要といたしました注射薬の平均点数は三・一〇一、それに対して注射技術料は二・五九四というぐあいになつておりますが、現在はこの両者を加えましたもの以上の報酬が支払われておるのであります。その余分の分は、診察料でマイナスになつておりました部分を補うものとしてまわすということにいたしました。それから歯科の場合は、やはりここに数字が出ておりますように、その補綴に必要といたしました材料及びその技工料というものは一二・四四三、それに対して歯科医師の補綴の技術料というものは六五・七五一というぐあいになつておつたわけであります。一応この数字をそのままとりまして、病院、診療所というところで現在得ております診療報酬点数と、それから今掲げました実情のままの点数をとつて、そうして新しい体系で計算いたしましたものとがこの最後に附表3として掲げてあります。これが病院、診療所、歯科診療所というぐあいに三つにわけて述べてございます。 この表についてごく簡単な説明をいたしますれば、まず病院でございますが、これは初診料、再診料というのが最初に出て来ております。この場合の診療行為回数は、さきに掲げましたものと幾分違つております。これはすでに御説明申し上げました通りに、眼科、耳鼻科といつたような、従来の診察料と対象にならなかつたと考えられておるものにも初診料、再診料を支払うということにいたしましたために、その件数が加わつて来ておるわけであります。こういたしますと、それに対して現在得ております診療点数——現実に支払われており、従つて実情としては投薬、注射が行われた場合にはゼロになつておるのでありますが、それを調べました数字がその診療点数。これは二十七年三月の現状ということになるわけであります。それに対しまして先ほどの初診六・二、再診四・六というものをとつて、そうして最初に掲げた診療行為にかけ合せました数字がAかけるCで、括弧してこれをDとして述べてあるわけであります。こういうようにいたしますと、さきに掲げました表と計算がちよつと違つておりますのは、この四捨五入等の端数の関係で多少の差はございますが、大体ここでそろつて来るわけになるのであります。もちろん今申し上げましたのは、最初のときには内科、小児科でございます。今度は耳鼻科、眼科等の場合にも支払うということになつておりますから、その点において差異はございます。こういうふうに現在支払われておる点数と今後支払われるであろう点数を比較いたしますれば、この場合には明らかに初診料、再診料が増して参るわけであります。それがDマイナスBという右の欄に出ておる。これは合計いたしまして総計これだけの点数が診察料としてはふえて参る。それから薬治料といたしましては、先ほど説明いたしました数字で参りますれば、新しい平均点数が出ております。それと回数をかけ合せたものがAかけるCで出ております。そうすると現在支払われておる薬治料に比べて大きな減少になるということであります。それから注射料につきましても同様な計算であります。それから外科処置及び皮膚科処置につきましては、この処置のうち五点以上のものと四点以下のものとが第二欄の診療点数が現在においては含まれております。そのうち五点以上のもの及び特に専門的な技術、技能を要するものを除きまして、そうして四点以下の一般的な処置を診察料のうちに含めるという建前から、それの分だけを減じますと、ここに書いてありますように、最後の欄にマイナス十一万七千二百四十五ということになつておる次第であります。皮膚科の場合も同様であります。尿道洗滌、腟洗滌等でありますが、これ以下につきましては、これは四点以下の処置という中に含められるものばかりでございます。これは全部診察料に含めて支払うということにいたしましたので、これはそのままマイナスになつております。こうやつてマイナスの総計が出て、プラスとマイナスの差がいかばかりかというのが下に出ておるわけであります。多少の数字の食い違いがございますが、大きな差異は生じておらないということになつておるわけであります。これは診療所についでも、歯科についてもあるいは病院併設の歯科についても、同じような考察をいたしたのでございます。計算でございますから、多少の増減というものは出て参りますけれども、大きい差異はないということになつております。 大体かような結果を見ましたので、おおむねこの数字を根幹として新医療費体系の妥当性というものが吟味できるのではないかというふうに考えた次第であります。もちろん出て参りました診察料あるいは注射料、薬治料、調剤料というようなものにつきましては、これは一括して平均で出ておりますので、これをいよいよ日常の診療、特に社会保険の診療に具現いたします場合には、注射といたしましても皮下注射、筋肉注射、静脈注射というようなものにわかれて参ります。また個々のかようにこまかくわけました診療行為に対する報酬としてははしたをつけておくわけにも参りませんので、これはまるい数字にする、せいぜいつけましても半点というようなものにまとめられる思います。これをいろいろな個個の診療行為の頻度とにらみ合せまして、その平均がおおむねここに掲げてありますような数字に持つて来るといたしますれば、全体としての総医療費あるいは医師、歯科医師に支払われる報酬というようなものには大きな狂いを来さないようにできるのではないか、その具体的な点数をいかように定めるかということは、先ほどもお話がございましたように、中央社会保険診療報酬協議会においていろいろと御意見が出て決定されるものというふうに期待いたしておる次第であります。またさらにここに一応掲げましたのは、二十七年現在としてその当時行われておつた医療報酬の支払い方式によつた場合、それからここで今申し上げました新しい診療報酬の支払方というものと、その両者を比べました場合にこのように変化が来ないというようなことでございました。その後三年間たつております。そういうようなところでその状況の多少の補正調整というようなものは具体的な問題として以後起つて参るかと思うのですが、大体この考え方と申しますか、新医療費のシステムといたしましては、かように新しい姿に移つて行つても現状に大きな狂いは生じさせないのではないかというふうに考えておる次第であります。 大体第一の資料について御説明申し上げたのでありますが、なお続いて、この一の資料にほとんど集約されておるわけでありますが、この一の結論を出しますに一応用いました資料があとに幾つかつけてございます。御要求がございますれば続いてまたこの資料について御説明を続けることにいたします。
○小島委員長 引続いて御説明願います。
○曽田説明員 それではこれも一々こまかい御説明を申し上げるのは非常にお聞き苦しいことかとも存じますので、差上げてございます資料をごらんになります場合に、大体どういうつもりでどういう資料をつくつたのかということだけおわかりになるように御説明を申し上げたいと思います。 資料の目次として第一分冊、第二分冊、第三分冊、第四分冊というようになつておりますが、第一と申しますのは、この大きい「病院、診療所経営の実態」というふうに書いてございます。これが第一分冊と申しておるものであります。この第一分冊におきましては第二及び第三で掲げてございますいろいろな表、その表の説明をここにまとめていたしておるわけです。これをごらんくださいますと、第三分冊、第三分冊に掲げてある数字がいかようにしてつくられたかということがおおむねおわかりだと思うのです。その要点をかいつまんで記述いたしましたのがこの第一分冊でございます。 第二分冊と申しますのは、この大きい、ちよつと厖大な形になつておりますが、この資料でございます。この資料は二十七年の三月でございますが、このときに病院が百五十五、一般診療所が二百十七、歯科診療所が百四箇所というものを任意抽出法によりまして、抜き出しまして、そうして調査を行つたのでありますが、ここに現われて参りますのはまず第一に病院の経営費でございます。またそれに続いて診療所、歯科診療所の経営費が人件費、衛生材料費、まかない材料費、経費というようなぐあいに大別され、またそのおのおのについてできるだけこまかくわけて、その経費が載つておるわけであります。また病院等につきましては、精神病院、結核療養所、伝染病院、それから一般病院というようにわけ、また診療所としては個人立のもの、個人立以外というようにわけて、それが調べられてあるわけであります。それからその次には、その二枚目からになるのでありますが、二枚目から以後は、これは各病院、診療所、歯科診療所等におきましては、どのような診療が行われたかという、その診療の内容と申しますか、分量と申しますか、こういうようなものがここに掲げられておるわけであります。それに対してどれだけの報酬点数が支払われたかということがそれに並んで記載してございます。またこのうち社会保険あるいは生活保護というものによつたのと、自費、労災というものと、両者にわけてここに表示してあるわけでございます。自費等につきましては、保険の診療報酬の規定によりますと、これが何点支払われるべき行為であつたかというふうに考えて、点数を出してあるわけであります。 なおそのほかに、この表の一番最後でございます。右の下の方でございますが、そのおしまいの方に参りますと患者数と出ております。その患者数の上に三行ございますが、まず点数の総合計が出ております。そのうち控除点数と申しますのは、その当時におきまして、御承知のように入院患者についての軽易な診療費というようなものは控除されておつたが、そのときに控除されたのがどれくらいあるかという件数でございます。それに対しまして点数とは無関係に自由診療の患者もございますので、幾ら報酬を請求したか、受取るべきであつたかという金額がここに出ておるわけであります。こういうようなぐあいにいたしまして、病院、診療所、歯科診療所、病院の中にも、先ほど申し上げましたように専門別にわけて、こういうようにこれはたくさんの表になつておりますが、その調査対象をわけて、いろいろ整理をいたしたものでございます。これによりまして大体実態調査としてどの程度に病院、診療所の経費が必要とされたか、それに対しましてどれだけの報酬があつたか、またどれだけの診療行為を行つたかということが出て参つておる次第でございます。 それから第三分冊と申しますのは横書でございまして、表紙のついておらない表でございます。これの一番最初に出ておりますのは病院診療所別総費消額表というように出ておるのでありますが、これはこの資料目次でごらんを願いますと、医業経済精密調査という言葉で出ております。精密調査と申しておりますが、相当こまかい調査でございまして、この資料につきましてこそ少し詳しく御説明をお聞き取り願わなければならぬと思います。いろいろお疲れでもございましようから、その詳しいことは後の機会に申し上げることといたしまして、これの大体の根本的な考え方といたしましては、今申し上げました第二の資料では個々の病院について大ざつぱな診療行為別の収入が出ております。しかし経費となりますと診療行為別の経費というものは、先ほど申しました資料からは出て参りません。今度は診療行為別に経費がどれだけかかつたかというものを算出いたす段階にとりかかつたわけです。このやり方といたしましては、多くの病院診療所についてかような精細な調査をやることはむずかしいので、かなり選択された施設になつて参つております。さような意味で全国的な病院、診療所、歯科診療所の姿を見るという意味においては、多少何か姿がかわつておるかもしれませんが、個個の診療行為についてどれだけの費用がかかつたかということを調べるためには、どうしても個々の行為については、相当正確な調査をいたさなければならぬというような意味で、調査の対象を少くいたしまして、それに対しては特別の会計学あるいは経理の経験のある人たちに助力を願いまして詳細な調査をいたしたのであります。個々の診療行為、たとえば盲腸炎なら盲腸炎の手術というものを、一つの病院で十回なら十回とりまして、その場合にどれだけの機械を使つたか、またどれだけの縄帯、材料、薬品を使つたかということをこまかく実際に調べまして、またその時間がどれくらいかかつたか、その手術にかかりますには、手の消毒から始まるわけでありますが、医師、看護婦というものは時間をどれだけ費消したかということを実際の調査によつて調べ、これを幾つかの病院の平均というものを通して、平均どれぐらいの時間を要するか、またものによりましてはどれだけの分量を要したかということを出しまして、これを当時の時価に換算し、またそのときに調べられました平均の給与というものを基礎にいたしまして、一日に医師、歯科医師あるいは看護婦が、実際にかような医療行為に従つた実働時間というものを分母といたしまして、そのうちどれだけの時間をこの盲腸炎の手術に費したかというその時間で按分したものが手術に要した医師の労力費と申しますか、報酬ということに考えられたわけであります。もちろんこの場合に問題となつて参りますのは、非常に高度の技術というものと、医者でさえあればだれでもできるというようなものとの間には質的な差異があるではないかということが問題になつて来るのでありますが、この資料といたしましては一応技術差というものは、これはあまりかつてに調査者がきめるわけにも参りませんので、一応後の問題と申しますか、ちよつと今回の調査としては無視して平均的なものをとつて計算した。でありますから、医師の労力に対する報酬というものは時間で按分されておるというふうにお考えになつてけつこうだと思うのであります。こういうふうに考えまして、個々の診療行為に対する費用を算出しまして、それを今度はまた逆に、幾つかの診療行為をまとめて、診療行為分というものにして参るということを計算いたしたのであります。その表は、今差上げてごらんを願つております資料の五枚目以後にずつと載つておるわけであります。最初に出ておりますのは病院であります。同じような資料が、一般診療所、歯科診療所あるいは病院に併設された歯科というようなぐあいにわけてございます。ここにございますようにいろいろな医療行為名があがつております。ここには百数十、二百足らず載つておると思うのです。お手元に差上げたのはそのくらいになつております。それについてこの人件費、材料費、それから経費、管理費というようにわけまして、そして総合計、これは円で、金額でもつて出ております。そしてこの人件費を、医師、歯科医師あるいは看護婦、その他また材料費もそのうちをわけて計算をしておる。こういうようなぐあいでこの計算が行われたのであります。それから診察ならび診察の平均はどうなるかということも出しております。注射も平均が出ております。これはその必要に応じて個々のものが算出してありますが、これからしかるべく区切る場合には平均を算定するという方法をとつておるわけであります。五枚目から以後は同じような性格の表でございます。 前にさかのぼりますが、同じような方針に基いて計算された調剤の費用というものか二枚目にございます。特に医薬分業の問題とからんで参りますのは、この調剤費が重要であると思います。これは調剤費だけは別に引抜いて、この二枚目に病院のが載つております。それから診療所の調剤費については三枚目に載つております。それから四枚目は、病院におきましての入院費の内容をなしております。看護と給食というものの経費を算出したのであります。 一番初めに載せてございます総括表は、その経費をこの病院、診療所、それから歯科診療所——診療所におきましては有償、無償とわけてございますが、こういうふうにわけて、今のような計算をいたした場合にどのような経費が出て来るか。すなわち先ほど申し上げました経費というのは、その個個の診療所につきまして、その実態調査をしたそのまま、生の数字が前の資料では出ております。ここでは一ぺん個々の診療行為に分析いたしまして、それをもう一ぺん積み上げたものが、ただいま御説明申し上げております資料の第一に表に出ております。——ちよつとただいまの説明が間違つておりました。積み重ねたのは二十七ページに出ております。一番最初に掲げましたのは今のこまかい精密調査をいたしました病院だけについて実態調査をやつた結果でございます。私先ほど混同いたしました。三月に無作為抽出をいたしました施設というものについてまとめました資料とは対象が違つております。実態調査と申しますか、そのままの数字と申しますのは、この資料の最初のものでも同様でございますが、これはこうした精密調査の対象になつた施設だけについて調べたものであるということでございます。 大体主要な資料は以上のようでございますが、参考といたしまして最後に第四分冊、「医師・歯科医師及び薬剤師数」というふうになつておりますが、いろいろ業務別あるいは従事の場所別、診療科別、業務の種類別等々につきましてこの医師、歯科医師、薬剤師の状況をとりまとめましたもの、そのほか若干の参考資料をつけ加えてお手元に差上げた次第であります。 大分長くなりましたのでこの辺で一応打切らせていただきまして、さらに御質問にお答え申し上げたいと思います。
○小島委員長 本件に関連し岡委員より資料要求に関し発言を求められておりますので、これを許可いたします。
○岡委員 厚生省が臨時医療報酬調査会が結論を出してから五箇年有余、かつはまたその結論に基いての調査を開始されてから二箇年有余を経てこの新しい医療体系をいよいよ本院に御提出になつたという努力に対しては、われわれは心からこれを多といたすのであります。ただ問題は、二、三これを慎重に審議いたしますための資料の御提出をお願いいたしたいと思う。 第一の問題は、外国における医師の技術に対する報酬はどういうことに実際なつておるかという点でございます。と申しますのは、何しろこれまでは医師の技術というものに対する評価は皆さんも御承知の通りまつたくないがしろにされておつた。このことは医師の損害と申しますよりは、こうした無形な文化的な技術に対する社会的な正しい評価がないということは、日本の文化の発展の度を示すものであつて、諸外国に対してもわれわれはきわめて面目ないことだと思つておつたのでありますが、いよいよ今度技術というものをとりはずして、これに対する適正な評価を与えようという試みがなされたのであります。従いまして、先ほど大臣の御説明によれば、この新しい医療報酬体系は、たとえば国民の総医療費を、今日の総医療費より上まわらしめないようにしたい、あるいはまた医師等の所得の実質的な減を招かないようにしたい、こういうふうなことが、この医療報酬体系をおつくりになつた場合における一つの大きな基準であつたというふうに、承知をいたしたのでありますが、しかしながらそういうわくに押えられまして、その結果正しい医療報酬を徹底しようという勢力が、かえつて医師の道義的な協力というものをそこなうようなことに相なりましては、むしろ角をためんとして牛を殺すことに相なるのでありますが、その意味合いにおいて諸外国においては医師の技術に対する評価が事実上どういうふうになされておるのか。アメリカにおける初診料はどういうことになつておるか、再診料はどういうことになつておるか。あるいはスイス、あるいはフランス、また西ドイツ等における社会保険の医療報酬に対する初診料、再診料、三診料等はどういう支払いをされておるか。あるいは英国における一般民間産業労働者なり、あるいはデスク・ワークをしておるサラリーマンの週の所得と、英国の国営とも申すべき社会保障制度の中におけるいわゆる家庭医と称せられる一般医療担当者の年間所得というものはどのような数字になつておるか。あるいはまたイタリアにおいては、仄聞するところによれば健康保険の指定医に対してはある特定な報酬を国が払つておる。これに対してさらに診療の度合いに応じての能率報酬的なものを与えておるのでありますが、これらの数字はいかようなものであるか。このような先進国の事例というものをわれわれは、御提出のこの新医療体系を検討いたしまするために、重要なる尺度にいたしたいと思いますので、以上アメリカにおける診療所の初診料、再診料及びスイス、西ドイツ、イタリア、フランス等における健康保険に対する保険制度のもとにおける初診料、再診料、その後の診察料の数字は幾らであるか。それから英国における一般家庭医と称せられる医師に対する年間の所得、そうして他の業種に従事するところの英国民の週の所得というものがどういうことになつておるか、そういう数字をお示し願いたいと思います。 第二は、今御説明をいただきましたが、こういうもの等の調査、抽出の方法については、おそらく十分に統計学的、合法的な方法をお用いになつておられると思います。しかしながらこの問題に対して一番大きな関心を寄せておりますのは、個人だけで経営をしておる診療所の経営者であります。ところがこれについてはこの資料には何ら触れておらない。個人についても院長がおる、常勤の者が八人おる診療所ということに相なつております。これでは統計の基礎資料としてその体をなさないと私は思う。御存じの通り米価の決定にいたしましても、限界生産費というものが米の生産費の決定の最大の要素になつておる。そういう事情からいたしまして、最低の規模における診療所の限界経営費というものがこの際出されなくては、われわれは十分な検討をするわけに行かない。この点において一般私立療養所の限界経営費の御提出を願いたいと思うのであります。 第三点でありますが、仄聞するところによれば、この調査については日本医師会の協力において、いささか私どもとしても納得いたしかねる点があつたように聞いておるのであります。これは医師会が協力したとか協力しないとかいうのではありませんが、このような重大な調査については厚生省と日本医師会はまつたく手をつないで十分な調査をなされて、基礎資料の完璧を期さるべきであつたと思う。この点においてはたして日本医師会の十全なる協力のもとに、一昨年の三月この調査がなされたものであるかという点について、これは資料としてではなく、御答弁としてお願いをいたしたいと思う。 次に四点といたしまして、今御説明を聞いておりますと、たとえば盲腸炎に対する手術については、それに所要の時間というものが非常に大きな役割を占めておる。時間かける人件費ということになりますれば、私が申し上げるまでもなく、マルクスの労働価値説をそのままに援用したことになる。そういうことでは、ほんとうに技術のすぐれた者がほかの者が二十分でやる分を五分でやるという場合に、技術評価というものがない。そういうことではやはり権威者に報いるゆえんでないと思うのであります。新医療報酬体系というものは、また別途このような権威ある医師諸君に対する、いわば専門医としての適当な処遇を考えておられるのであるかどうか、この点が第四点。これは御答弁でけつこうであります。 第五点といたしまして、この新医療報酬体系を御提出になりましたのは、たまたま来年一月一日から医薬分業がある地域においては実施されなければならない。この実施されなければならないという事情に応じて、その主眼としてこの新医療報酬体系をつくられたのであるか。それとも従前来われわれもしばしば指摘いたしておりましたように、日本の医療報酬というものに対する正しい医師の技術評価がないのでありますが、これをぜひ確立してもらいたい。この問題は日本医療行政の根本にかかわる問題であるとして、かねがねわれわれこれを要請しておつたのであります。従つてただいま御提出のこの新医療報酬体系というものは、日本における新しい医療体系を立てることによつて、日本の医師の持つ技術、その技術の裏づけたる道義的な責任というものに対する社会的な適正な評価を与えようという強制医薬分業の手段ではない、これは日本の医療報酬というものに対する従前のいろいろな矛盾、足らざるところ、これを一切改めて、正しい医療報酬の体系をつくろうという御所論で、これを御提出になつたのであるかどうか、この点について大臣の御答弁をいただきたい。 以上五点につきまして、前二点についてはこれは資料として御提出願いたい。なお三点につきましてはそれぞれ大臣並びに局長からの御答弁を承つておきたいと思います。
○柳田委員 ただいま岡議員から資料の要求並びに質問がありましたが、きようわれわれは質問には入らない、従つてただいまの資料の提出は、これは委員長よりしかるべくおとりはからい願いたい。なおこの問題は非常に重大な問題でありますから、覆われわれがかりにこれを何日間に審議することになるか、これはともかくといたしまして、その期間中は当然大臣は、ことに休会中でもありますから、他の委員会等に御出席になるというようなことも数少いと思います。従つて手もすいておられると思いますので、おそらく委員会開催ごとに御出席願えるものとこちらは期待しておる、従つてそういう機会にいずれ理事会等にお諮りになつてしかるべくおとりはからいいただく、かように進めていただきたいと思います。
○有田(二)委員 今岡さんから資料の要求がありましたが、私からも資料の要求をいたしておきたい。 第一点は、医師の税金の問題であります。私は健康保険に関する限り、現状の政府のやり方では無税にすべきである、こういう見解を持つております。従いまして、昨日ですか、こういう発表があることを知つてか、国税庁が医師の税金に対する計数を発表しておるようでありますが、各地とも医師会では相当この問題でもめておるようであります。厚生省あるいは大蔵省側の健康保険の税金の問題に対する資料、大蔵省の国税庁としてはこういうような資料を持つておるが、われわれ厚生省としてはこれが妥当であるというような、税に関する資料をちようだいいたしたいと思います。 もう一点は、医師に対する金融の問題であります。これは中小企業金融公庫に五億という一応のわくを認めたのでありますが、私はこれをもつと増額すべきであると考えております。のみならず国民金融公庫においても医師にも一つの運転資金、設備資金のわくを認むべきものだ、新設すべきものだ、こういう考えを持つております。この金融に対する医師の設備資金あるいは運転資金の面について、厚生省として御調査になりました面を資料として要求いたしたいと思います。
○滝井委員 今いろいろ御説明をいただきましたが、どうも総括的なものを見ますと、診察とか投薬とか注射、処置というものについて費用から換算した点数というものが出ているわけです。私たちはやはり技術料というものを評価する上においては、やはり手術というものがここに換算された点数として出て来なければならぬと思います。従つてたとえば虫様突起手術とか、婦人科で言えば卵巣の摘出術というような重大な手術のいわゆる換算された点数の資料を出していただきたいということです。それからこの医療費体系の問題でやはり技術料が一番問題になるわけですが、この場合のいわゆる医師でも薬剤師でも同じ技術料です。医師で言えばG1=(1+α)gtこの総医療費に対して総診療時間をどのくらいに見るのか、簡単にどのくらいと書いてください。それから単位時間の医師の平均技術報酬Gは幾ら、それから(1+α)の技術指数というようなものが幾ら、これが当然出て来なければ当然こういう数は出て来ないと思いますが、そういうようなひとつ一表にしていただきたい。それから技術差はあまり考えておりません。ところが医療費体系を出すのには当然技術料というものが考えられなければならぬ。今の局長の説明では横山大観の絵もそういう状態で行けばおそらく百円ぐらいになつてしまう。そういうことでは世の中は成り立たぬのである。それならば総理大臣も公務員並みに一万五千四百八十円ベース、われわれも一万五千四百八十円、あなた方もそれでいいということになつてしまう。従つて当然技術差というものをどういう場合に厚生当局は考えておるか、こういうことなんです。それから同時に資料とともに要求したいのは、先般来のいろいろの質問を通じて、最後になると大臣は、それは局長が答弁したのであつておれは知らなかつたと言われる。しかし今度は厚生省内部で十分意見の統一をして、そしてここに出たものはこれは吉田内閣の医療行政に対する方針であるというところでひとつやつてもらいたいと思います。そのときになつて知りませんでしたとか、それは間違つたというように意見の食い違いのないように、意見の統一を厚生省内部で、医務局、社会局、保健局それぞれ統一して出て来てもらいたいということを、あわせてひとつ要望いたしておきます。
○小島委員長 それでは柳田委員にお答えいたします。柳田委員の希望通りできるだけ大臣の出席を求めることにいたします。岡委員の発言に対しましては、資料の分につきましては委員長でしかるべくとりはからい、他の質問に関する点は次会において答弁をすることといたします。有田君の資料要求に対しましても適当に資料を出させるようにいたします。
○佐藤(芳)委員 私は資料だけを要求をいたしておきたいと思いますが、二枚目のAの表に関連するのでありますが、ここには公的病院とその他の病院が区別されていないのでありますが、診療内容等に相当差があると思いますので、それを区別したおのおのの表の御提示を求めたいと思うのであります。 なお続いて入院料の実費用でございますが、サービスの度合いが相当違うと思うのでございますから、A、B、Cくらいにわけておのおの御提出を願いたい、かように想うのであります。さらに先ほど大臣の御説明で伺いましたように、ここにも書いてあるのでありますが、国民の医療費は著しい増加を来した、これは医学の発達と社会経済状態の好転の結果である、こううたつてあるのでございますが、医療費が高まつたという分析はきわめて本問題に関連がございますので、重大だということです。私は不幸にしてかような簡単な二つの理由にこの問題は片づけ得ないものと思いますが、たとえて申しますれば、この医師並びに患者の両方に責任があるわけでありますが、濫診濫療の問題もありましよう、また医療機関の普及の問題、また社会保険の普及の問題、あるいは新薬の発見という問題もございましようし、これら多々あろうと思うのでございますが、それらについて、大体このパーセンテージのようなかつこうにお示しが願われればまことにけつこうだと思うのでございますが、でき得ましたらひとつ御研究の上、すぐでなくてもけつこうでございますが、お示しを願いたい。 以上三つの資料を要求をいたすものであります。
○小島委員長 資料要求の方々に申し上げますが、今要求せられました資料の中で厚生省の手元にないものもあるかもしれないということでありますから、それにつきましてはいずれ厚生省からはつきりしたことを皆様方にお答えすることにいたします。 —————————————
○小島委員長 次に理事の補欠選任を行いたいと存じます。理事の青柳一郎君が理事の辞任を申し出ておられるのでありますが、この申出を許可し、その補欠選任に関しましては委員長より指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小島委員長 御異議なしと認めます。よつて越智茂君を理事に指名いたします。 次会は明日午前十時より理事会、同十時半より委員会を開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十六分散会