厚生委員会 第50号
- 発言数
- 33 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/05/26
会議録
○小島委員長 これより会議を開きます。 まず内閣提出の水道法案を議題とし、質疑に入る前に、政府委員より細部にわたり説明を聴取したいと思います。
○楠本政府委員 簡単に政府提案の水道法案につきまして、内容を御説明申し上げたいと存じます。 それに先だちまして、水道法案につきましては、かねて、いろいろな問題が惹起された点にかんがみまして、最初にこの経過について、一応御説明をいたしたいと存じます。現在の水道条例は、明治二十三年の制定にかかるものでございまして、明治二十三年、当時の衛生局長長与専斎先生が初めて起案をされたものだそうであります。なお水道行政は、日本におきましても最も早くから注目された行政でありまして、明治二十一年には国が補助費五万一千円を計上いたしまして、水道の普及をはかり、函館その他に水道の布設をいたした次第でございます。これが日本におきまする補助行政、助長行政の最初だといわれております。これが明治二十一年でございます。その後明治三十一年になりまして、当時の衛生局長、後藤新平先生が、この補助費のきわめて少額であること、並びに日本としても今後水道の普及のきわめて必要なことにかんがみられまして、当時衛生局におきまして初めて実施をいたしました売薬印紙税を水道の布設の補助財源といたしたのでございます。これが日本におきまする目的税の最初だといわれております。その後、長らく衛生局におきまして主管をして参りました。その間水道の工学方面を担当する技術者につきましては、かねて衛生局において所要の人員を擁したい希望を持つておりましたが、たまたま同じ内務省内の土木局に多数の工学専門家がおりました関係で、特に衛生局に工学技術者を置くにも及ぶまい。むしろ土木局の専門家を兼務して使うことが、より経済的、能率的であろうというような観点から、長らく土木局の工学専門家を兼務して、水道行政を実施して来たわけでございます。しかるに昭和十二年に内務省から厚生省が分離いたします際に、従来衛生局の所管いたして参りました水道行政は、厚生省に移管となりました。しかしながらそのとき、この技術面、ことに工学技術面につきましては、内務省の土木局の技官を兼務いたしておりました関係で、ここに工事面についてのみこれを内務省に残し、他を厚生省に移した次第でございます。これが今日行政がきわめて複雑となり、また両省の間に所管点につきまして、いろいろな問題が起りました原因だと言われております。 次に、厚生省になりましてからは、もちろん独自の立場で仕事がし得るように、逐次衛生工学面の技術面を充実して参りました。しかしながら一方事務の処理は、厚生省が分離いたしますときに、両省の間に覚書を交換いたしまして、事務処理にあたつておる次第でございまして、現在もその当時の事務処理を十五年余り使つておるわけでございます。これによりますと、補助金の執行、計画の樹立、許認可、かような点は厚生省が起案をいたしまして、建設省あるいは内務省に合議をする。一方工事の竣工認定あるいは工事の監督というような点につきましては内務省、現在の建設省がこれを起案いたしまして、厚生省に合議をする。こういうかつこうで現在いたしておるわけでございます。しかしながら実際問題となりますと、計画の設定あるいは許認可、これに伴いまする補助金の執行等は、工事の監督、特に補助執行のごときは、竣工認定と密接な関係がございます。そこでこうわけてはございますが、実際問題とすると、きわめて複雑な様相を重しまして、これが長年市町村その他に非常な迷惑をかけ、一方事務の簡素化の進捗に支障を来す、かようなことに相なつた次第であります。そこで一方明治二十三年につくられました現在の水道条例というものは、何分にもすでに七十年近い経過を経ております。しかもこの条例におきましては、ほとんど水道の布設及び維持管理というようなことが中心となつておりまして、現在のごとくきわめて水道が普及されまして、その維持管理あるいは今後の画期的な発展というようなものを期しがたいうらみがございます。そこでかねてこれらの水道条例の改正、これに伴いまする両省の事務の簡素化というような点はたびたび問題になつておりました。幾度か政府提案も意図せられ、あるいは議員提案で提案されたことすらございます。しかしその都度、はなはだおはずかしい話ではございますが、建設、厚生両省の間の意見の調整がととのわず、ひいては建設委員会あるいは厚生委員会等の間の意見にも若干の食い違い等が参りまして、現在まで遷延をいたして来た次第でございます。ところが今年以来、何とかしてこれらの各省の重複事務あるいは共管事務、かようなものを整理するということがまず行政簡素化の基本的な問題ではなかろうか、かようなことを実施しなくて、行政整理というようなことはまことに言うもおかしい話だというようなことから、何とかしてこれらの多年の懸案を解決しようといたしまして、両省が折衝を開始いたしたわけでございます。ようやく両省の間の関係が一応はつきりいたしまして、話合いがつき、ここに水道法案の御審議を願える段階と相なつたわけであります。 なお水道につきましては、かねて産業用水道——飲み水としない産業用水道というようなものもございますので、これらも含めまして、水道法を制定いたそうといたしたわけでございます。なおこれら産業用水道につきましても、建設省並びに通産省の間に完全な意見の一致を見まして、提案の運びと相なつたわけでございます。これが従来のいきさつでございます。しかしながらなお後ほど申し上げたいと存じますが、これら各省の事務配分あるいは権限、所属の問題に関しましては、若干問題が残つておりますが、これらは政令に譲つて、後日の問題に引延ばしてございます。 次に、提案になりました水道法案の内容につきまして、簡単に御説明を申し上げたいと存じます。まず水道法の目的といたしましては、従来の水道条例と同様、その布設及び管理を規定いたしましたほかに、特に積極的に事業法的な性格を持たせまして、これによりまして、水道事業の円滑なる発展並びにその普及を意図した次第でございます。もう一つは、特に公衆衛生並びに産業の発達をはかる意図から、それぞれの規定を設けた次第でございます。従いまして、ここに法律目的の大きな差がございます。 次に申し上げたい点は、水道の分類でございますが、一応各種の水道を分類いたしまして、それによりまして、それぞれの規定を加えたわけでございます。一応水道を四つに分類してございます。まず上水道という一つの分類を設けました。これは従来一般水道といわれておりました比較的大規模の飲用水を供給する水道を上水道といたしました。 次に簡易水道でございますが、簡易水道につきましては、五千人以下の小規模水道並びに人口二万人以下で、そのまま飲める原水を塩素滅菌のみによつて給水し得られる水道、たとえば井戸あるいは湧泉等の適当なるものを選びまして、これをそのまま給水するという施設を簡易水道と考えました。しかしながら人口二万人以下というだけでありまして、これらの人口は、あるいは一万になるか一万五千になるかは、今後の両省の話合いによるところと存じます。 次に、産業用水道でございますが、産業用水道とは、この法律におきましては事業用水道という言葉を使つておりますが、この事業用水道につきましては、これは鉱工業に専門に水を供給する施設、並びに上水道に原水を供給する施設、これを事業用水道と規定いたしました。 さらに第四といたしまして、原水供給水道というものを考えております。これは産業用水道あるいは上水道等に原水をそのまま供給するという施設でございます。 なおこの分類におきまして、たとい事業用水道でございましても、それが飲用に一部供されておれば、これは重きによつて律することといたし、これを上水道あるいは簡易水道等の範疇に加えて考えることといたしてございます。なおこれらの点が、両省の、あるいは通産省との権限の所在になるわけでございまして、これらの点につきましては、後ほど御説明を申し上げたいと存じます。 第三は、上水道に関する規制であげます。たとえば水質基準、あるいは施設基準を定めまして、水道の整備をはかつております。また一方事業経営主体を特に地方公共団体といたしまして、しかもこれを単に届出によつて事業を経営することといたしました。ただ地方公共団体以外のものも、特に許可を受けて水道事業を経営するという建前をとつております。 なお次に布設につきましては、一定の資格を有する技術者によりまして、技術上の業務の担当をさせることといたしました。これによりまして、従来しばしば起つておる水道工事の不徹底から参ります各種の障害というものも、除去に努めた次第であります。 次に、同じく上水道につきまして、工事を行う場合には、先ほど申しましたように、あらかじめ大臣に届け出まして、その届出の後に潜行することといたしたが、この場合必要がある場合には、その工事の設計につきまして、設計変更を命ずることができるようにいたしまして、基本的施設の完備を期した次第であります。 次に、水道事業を行います者が給水を開始する前におきましては、あらかじめ都道府県知事の検査を受けて、合格してからでなければ、給水事業が開始できないようにいたしまして、いろいろ衛生上その他の安全を期した次第でございます。 次に、水道の維持管理につきましても、建設画と同様、一定の資格を有する責任の技術者を設けまして、その維持管理の徹底を期し、従来維持管理上の欠陥から参ります伝染病の発生、その他種々の障害を除去することに努めた次第でございます。一方この水道事業を経営する者に対しましては、給水区域内に対しましては、国民の要望に応じまして、給水義務を規定いたしました。従いまして、少くとも給水区域内に居住しておる者であれば、何人もこの給水を受けるということに相なるわけであります。同時にこの水道事業を行います者は、いろいろ供給規定を定めまして、水道料金あるいはその他の供給条件について、両者の便利をはかることといたしました。一方水道事業に対しましては、水道検査を行う義務を課しまして、しかも一方では需要者の求めに応じて、いつ何どきでも水質の検査をするということにいたしまして、需要者の便利に供した次第でございます。 さらに水道施設に勤務いたしますいろいろの職員に対しましては、健康診断特に糞便検査を行うことを義務づけました。一方塩素滅菌を義務づけまして、これによりまして、水道の衛生上の安全を期した次第でございます。 さらに現在放置せられております水源保護地域というものを指定し、これを設けることといたしまして、この水源保護地域におきましては、汚物の投棄あるいは工場排水、下水その他の投棄を禁止いたすことができることといたしました。それから一方、水源保護地域におきましては、著しく水量に変化を来すような行為を制限いたしまして、これによりまして水道の源を保護することといたした次第でございます。 以上がおおむね上水道の規定でございます。 第四に、簡易水道につきましては、その施設が小規模であり、特に今後農村等に普及して行く関係から考えまして、以上の上水道のいろいろな規定を特例として緩和した次第でございます。たとえますれば、布設及び維持管理にあたる責任技術者の資格を緩和し、あるいはその兼務を認めるということ、さらに水源保護地域を指定し、あるいは解除する場合等の手続を簡素にする等、簡易水道本来の事業が円満に実施されるよう努めた次第であります。 第五に、自家用の水道につきましても、これを専用水道といたしまして、一応上水道並びに簡易水道に準じて、水質の基準、布設の基準あるいは責任技術者、さらに工事の届出その他の必要な事項を義務づけた次第であります。従いまして今後は鉄道あるいは学校、工場等の自家用の水道につきましても、一定規模以上のものは、以上の措置によりましてその安全化が期待されるわけであります。 第六に、事業用水道につきましては、いわゆる産業用水道並びに上水道に原水を供給する事業用水道につきましては、必要な限度におきまして、以上のいろいろの上水道の規定を準用いたしましたが、ただこれらは直接飲料に供する水ではございませんので、その点を考慮いたしまして、特に必要な限度にとどめることといたした次第であります。 さらに第七といたしまして、以上いろいろな規制に伴いまして、必要な各種の行政監督、たとえば特許の取消し、改善命令あるいは使用の禁止、立入り検査、水質保護地域の各種の制限事項の監督あるいは民営水道の買収あるいは特許の条件その他につきまして、いろいろと行政上の監督規定を設けた次第でございます。 なおこれらに対しましては、訴願の申出及び裁定の申請の規定等を設けまして、事業の合理的、円滑な運営をはかつた次第であります。 第八に、地方公共団体の行いまする上水道布設事業あるいは簡易水道布設事業、さらにそれらの災害復旧に要する費用につきましては、国がその一部を補助することができるようにいたした次第であります。 第九は、最もこの法案のむずかしい点でございますが、このように分類をいたしました各種の水道につきまして、それぞれ主務大臣の権限につきまして規定し、同時に近い将来に、これをさらに政令によりまして明らかにいたすことにいたした次第でございます。現在のところ、法案におきましては、簡易水道及び一部の原水供給事業は、これは厚生大臣の専管として規定してございます。そのほかの上水道につきましては、建設、厚生両大臣のいずれかがこれに当ること、さらに産業用水道につきましては、建設大臣並びに通産大臣のいずれかがこの主管に、事項によりまして当ることとしてございますが、これらの権限範囲につきましては、一応政令に譲ることといたしてございます。但し従来の私どもの事務折衝の範囲内におきましては、これらの事務配分の関係は、おおむね内務、厚生両省の事務取扱いに関しまする覚書の趣旨によつて細分をして行こうということに相なつております。 最後に、以上の法案につきましては、各種の制限行為あるいは許可条件等がございますので、それぞれこれらにつきまして必要な罰則を設けた次第でございます。 以上、簡単でございますが、具体的な法案の骨子につきまして申し上げた次第でございます。
○小島委員長 次に、本案の質疑に入ります。庄司一郎君。
○庄司委員 長い間待望しておりました水道法案が、私からいえば、おそまきながらもここにやや合理的な完成されたる法案として御提出を見たことは、御同慶にたえない次第であります。その上、おまけに同僚只野直三郎君からの御提案もあるようでございまして、まことに今後のわが国の水道事業の発達改善及び保護助長の面から、欣快の至りにたえない次第であります。 お伺いしたい第一点は、また逐条審議的には申し上げませんが、大体論としてけつこうな法案である、かように本員は考えております。しかる上はこの水道法案をよりよく運営していただきたい。欧米諸外国よりやや遅れておるわが国水道事業の急速なる発展を実現するために、りつぱな法案が出て、ここにお料理でいえばおぜんが出た程度であつて、それを政策の面において各都道府県あるいは市町村等の自治団体あるいは他の特定の事業家をしてやらしめる上において、やはり必要欠くべかざるものは予算の問題であり、水道財政の問題であると考えておるのであります。昭和二十九年度の水道関係の既決予算をこの参考資料の中にピツクアツプして提出されておりますが、前年度と比べて、もとより本年度は緊縮予算とうたわれておる関係もございますが、上水道関係において約八千万円近いところの補助費の削減を見ておる。下水道関係においてもまたしかりであります。そこでまたりつぱなというような形容詞をつけておほめするわけではありませんが、とにもかくにも大体においてけつこうな法案ができ上りました今日、全国市町村においては、昭和二十九年度あるいは三十年度において新しく水道を布設したいという希望の市町村が一体どのくらいあるか。ことに市においては、今回の町村合併促進法において約百くらいの新しい市が誕生したことでありますから、水道布設の熱意が盛り上がつて来ておることは言うまでもないことと思うのであります。そこで結局は、予算の裏づけの問題でございますが、昭和二十九年度の予算はすでにこれはきまつたのであるから、過去のことを云々しても何の効果もございません。幸いに、昭和三十年度予算編成の時期は、恒例によれば八月十五日が第一回目の予算のつかみ勘定的な予算の集計を検討される日と考えております。そこで昭和三十年度においては、この新しい水道法によつて厚生省はどの程度に水道関係の予算措置を確保せんとされておるのであるか。 それから昭和二十九年度の新しい水道布設の希望の市町村等が、その選に入るあたわずして、三十年度に延びた。せめては三十年度より事業開始をしたいというような希望の市町村等がどのくらいあるか、あるいは工業用、さような事業関係の希望がどのくらいあるか、あるいはこまかく市町村の部落、あるいは僻陬の地におけるところの簡易水道等の希望がどのくらいあるか、この点を最初にお伺いしたいのであります。要するに来年度の予算確保の見通しはいかん、希望市町村の数はどのくらいかというような点をお伺いしたいのであります。
○楠本政府委員 お答え申し上げます。現在、一般水道で各市町村から希望をいたされておりますものは、一般水道につきまして、継続事業として三百三十七箇所、希望金額にして三百十億円に達しております。なおこれらの箇所数、金額等につきましては、目下自治庁等におきましても、それぞれ説明を聞いておる次第でございます。さらに新規事業といたしましては、上水道で要望箇所数約二百十一箇所、その総金額五十八億円に達しております。従いまして新規、継続を合せますと、要望金額は約三百七十億円に達する次第でございます。 なお次に予算の点でございますが、これら一般水道に関しまする資金計画は、従来大部分を単独起債事業によつてあがなつて参つております。ただ新規事業についてのみ、いわば呼び水的にきわめてわずかの補助費を支出している次第でございます。二十八年度に規定されましたこれらの起債額並びに補助額は、起債額で約一百億円、国の新規に対する補助額といたしましては、補助費で約七千万円でございます。従いまして実際問題といたしますと、各市町村の要望に対しまして約四分の一程度にすぎないのであります。なおこれらの百億の起債のうち、約七十億円が資金運用部資金でございますが、残り三十億は大体公募債をもつて充てる見込みであります。 次に簡易水道等につきましては、現在の要望いまだ出そろつておりませんが、昨年の要望並びに本年現在までに要望せられたものを合計いたしますと、箇所数にして約八百箇所、金額にして九十五億円に達しております。これらの金額並びに箇所数は今後さらに増加する見込みであります。これに対しまして、国の補助八億円でございます。従いまして四分の一補助でございますので、要望額の三分の一以内しかできぬのでございまして、この点も一般上水道と同様であります。しかしながら、私どもといたしましては、簡易水道等につきまして、一応全国の町村のうち特に水に恵まれない地方、あるいは伝染病の特に流行する地方等を選びまして、これを十箇年計画をもつて簡易水道の布設を完成する計画でございますが、かりにこれらの計画を十箇年間で完成いたしますには、補助費にいたしまして約十二億、事業費にいたしまして四十八億円の経費を年々必要とする次第であります。従いまして現在のようなやり方で参りますと、若干完成年度がずれる、こういうことに相なるわけでございます。
○庄司委員 もう一点答弁が漏れておるようでございますが、来年度はどういう御計画であるか、水道関係の補助政策のとり方、あるいは起債のわくを確保して、市町村をしてより容易に事業に当らしむる意味から、どういう資金計画をお持ちであるかという点がお答えがなかつたようでありますから、お伺いいたします。
○楠本政府委員 本年度、私どもが一般上水道につきまする起債要望額として要求いたしましたものは、百七十億円でございます。しかしながら、その後さらに要望も高まつておりますので、一応三十年度におきましては、私どもは起債額二百億円を確保いたしたい所存でございます。一方、昨年私どもが補助費として要望いたしました上水道関係の分は、約六億円でございましたので、本年もおそらくこの程度のものを要求することとなろうと存じます。 なお簡易水道につきましては、これは起債に関係がございませんが、私どもは、当初より十箇年完成を目しておりますので、予算といたしましては当然十二億円を要求いたしたい、かように考えております。
○庄司委員 わかりました。国家の財政が窮乏しておる中でありましても、環境衛生の観点から、公衆衛生の理想の実現の上より、ぜひただいまのお答えの御計画をもつて驀進をしていただきたいと念願いたします。それは単に厚生省の予算を幾らかでもふやすという小さな問題でありません。全国の多くの数千、数百の市町村が、これによつて社会的生活の福祉を得ることができるよう、その信念に燃えて、どうかただいまの御方針で、本年の八月十五日後において、来年度予算編成期まで、勇気を鼓して御努力を懇請してやまない次第でございます。 次にお伺いしたい一点は、法文の中にもあるようでございますが、わが国の水道関係の技師、技術員の数——表面に顕在しておりまするところの水道技術者の数というものはきわめて少いのでございます。ちようだいした参考資料の中にもありまするように、全国一都一道四十何府県にこれを割りまするならば、一府県平均がわずかに四名強、五名弱というような悲しい状態であります。長い戦争のもたらした関係もございましようが、水道関係の専門的な技術を修得したところの技術員の数は、顕在しておる統計においては、きわめて悲しむべき状態であります。他の一般の、道路をつるとか、堤防をやるとか、港湾関係とかいうような仕事をやりながら、かたわらアルバイト的に水道関係の方面の仕事をちよびりちよびりやり得る者があるかもしれません。また顕在でなく、潜在しておる技術員が相当あるかもしれません。けれども、表面に現われておる数は、遺憾ながらはなはだ少いのであります。そこで本法のごとき、画期的といえば何でございまするが、相当まとまつた大法案ができ上りました機会を記念として、でき得るならば各都道府県において、あるいはそれも困難であるならば、各ブロツク管内において、新しい水道法の趣旨をよく市町村長各位、あるいは市町村等の技術担当者、あるいは事務屋の方でもけつこうであるが、お集めになられて、さしあたり新しい水道法の講習会といいましようか、伝習会といいましようか、よくこの精神を会得させるところの講習会開催の必要がさしあたり迫つておる。法案によりますと、五年以上とか、あるいは十年以上の体験を持つておる者とか、いろいろそこに段階があるようでありますが、一方こういう新法ができました場合は、法の趣旨を普及徹底させるためには、とにもかくにも講習会が必要である。事務屋に対しては事務的な指導、技術の関係の諸君には技術上の指導、あるいは衛生関係あるいは水質の検査関係の医学的方面、そういう方面の適当な講習会を持つて講習を与える。また第一線を去つておるところの高年輩の方でありましても、身体の強健な者であれば、たとえ六十であろうが、六十五才であろうが、そういう方方にも新しい法律をよく会得させて、特に技術者を持つておりません地方の町村、あるいは部落の簡易水道関係等の嘱託なり、顧問なりに充てるように、そういう高年輩の方でありましても、官吏として停年を越した人でありましても、適当なる技術者が少いのでありまするから、そういう方を一応実地に活用するというようなこともお考えになつてしかるべきものであると思うのでもります。なお厚生省は、文部省等とお話合いになられまして、大学の工学部、あるいは理工部、そういう関係において、将来水道界に雄飛せんとする希望の者等には、特にねんごろなるところの指導を学生時代から与える。こういうことも考えていいことであると思います。特に水質の検査等は、相当専門的の学識を持つておる者でなければならない。またその検査の技術も同様であります。ゆえにそういう面を学生の時代より、将来水道工学の方面に就職せんとする希望を持つておる人には、特に卒業のその当該年度でもけつこうであるが、市町村の水道に嘱託的な存在として、あるいはアルバイトでもよろしい、実地を修練させるというような指導も一つの方法ではないかと私は考えておるのであります。しこうして水道関係の専門的な技術修得者の少いわが国においては、これよりだんだんとそういう方面に働く人を養成して行く必要がある。こんなふうに考えておりますが、御方針はいかがでございましようか。
○楠本政府委員 御指摘の点はまことにごもつともでございまして、私どももただいま御指摘のような点を尊重して、ぜひ実現したいと存じております。たとえますれば、おつしやるように、現在の日本の上下水道技術は、日本の上下水道が最も早く発達した仕事であるにもかかわらず、その後技術の向上というものはほとんど目ざましいものはございません。むしろ他の分野に比べて置き去られておる感が濃いのでありまして、これらの点を考えまして、今後は一層都道府県あるいは市町村等の技術職員の充実をはかりたい所存でございます。さらにこれまた御指摘のように、今後はできるだけすみやかな機会に講習会等を開催いたしまして、法の趣旨はもちろん、新しい技術の浸透をはかりたいと考えております。 さらに現在すでに第一線を去つておる者も、この際新しい技術を指導し、これをできる限り活用いたしますことにつきましても、国家経済的に見て、まことにごもつともなお説と考えます。さらに文部省と連絡いたしまして、衛生工学関係の職員の養成をはかりますことはもちろんでございまして、現在すでに文部省と連絡いたしまして、各大学に衛生工学の専門講座をつくつてもらうように、いろいろ連絡をいたしております。本年から北海道大学におきましても、衛生工学の講座が開講されることになつたのでありまして、今後一層これらの新しい講座の充実につきまして、文部省にお願いをいたしたい所存でございます。一方、私どもといたしましては、国立公衆衛生に、衛生工学の短期のコースを設けまして、これにいろいろ若い職員を集めまして、これら所要の職員の養成訓練をはかつておる次第でございます。
○庄司委員 簡単にもう一、二点をお伺いしたいと思います。既設の上水道のパイプの中にもろもろの黴菌が発生する。それには病原菌でないものもございまするけれども、さしあたり心配のない菌もございまするが、中には病原菌も混入しておることは、はなはだ遺憾であります。よつて水質の検査を十分御履行くださる意味が、法文の中に取入れられておる。けつこうなことであります。ところが、こういう点においてひとつ御考慮を煩わしたいと思うのであります。たとえば火災が不幸にして発生しておる。消防手が意気軒昂として、あるいは無我夢中になつて、消防用の消火水栓を抜いてじやんじやん放水をする。もとよりその刹那における消防員の心理状態は、ただ火を消しとめるだけに全心全霊をささげておるのでありますが、その結果するところは、その消火栓の附近一帯が水浸しになります。その附近に汚水等があり、あるいはまずいものがありました場合は、大きな直径何尺の消火栓の中に汚水が溢水して、濁水が入る。そういうこともあり得るのでありますが、今まで、水道関係の事業者と消防団との間においては、そういう関係の交渉といいましようか、あるいは通牒といいましようか、そういう御懇談が今まで、全日本を通じて一回もなかつたようであります。これもやはり懇談の上において、なるべく汚水あるいは濁流等が溢水して水道の中に入らないような装置に万全を期して行かなければならない。水質を絶えず調査するということはもとより大切であるけれども、そういう公務の上において、その結果するところが、送水管なり給水管の中に汚水が横溢して、いろいろ黴菌が発生して来るということもあり得るということをわれわれは認識しておく必要があるのであります。今まではこれが等閑に付されておる。消防が消火に全力をあげている、これに協力しなければならぬことはもちろんその通りであります。けれども一方水道の送水管なり給水管なりの中に多くの汚水がじやんじやんと流れて行く、その危険性をわれわれは最少限度に食いとめる必要がある。こういう点において御考慮を願いたい。 それから第二は、前回も強く申し上げたのであるか、いろいろな黴菌あるいはひるであるとか、みみずであるとか、そういうものが飲料水の中に入つておる。その根本的の原因はいろいろございますが、一つはこういうことがある。御承知の通り導水管なり、送水管なり、あるいは給水パイプなりの中に穴があく。それから継ぎ合したジヨイントが正しく科学的にジヨイントされておらない、こういうことなんです。それは何を意味するかというと、心なき土木建築請負師、水道工事に専門的な体験のないところの土工の諸君なんかが、早く能率を上げてこの導水管、給水管を埋めて土さえかければいいのだという単純な考えから、今まではむちやな水道工事をやつた。それを今後十分監督して行かなければならない。私は一昨年ある温泉場の水道工事を見ておつた。めちやくちやなことをしておるから、諸君の監督者はだれだ、親方はだれだといつて呼んでそのことを注意しましたら、よく納得してくれまして、慎重にその給水管を埋立てする工事を開始したのであります。これは顔を知つておる連中であるから、よく言うことを聞いてくれました。そういうことで、今までわが国の水道工事は、特に管やパイプの敷設工事に無関心でやつて来た。そういう場合にこのパイプや管の一部に亀裂を生ずるそれからいろいろなものが入つて来る。これは私が若い時代に水道課に奉職しておつたので、私の体験の上からこのことを語るのである。 それからもう一つは、前回も強く申し上げて要望しておきましたあの問題、あの問題と言つただけであなたはおわかりでございましようが、鉄管なり、鋳鉄管なり、あるいはエタニツト・パイプであろうが、モルタル・ライニングであろうが、秩父セメント、石綿セメントであろうが、市町村の水道係が購入する前に、厳重なる検査をしてもらいたい。管やパイプの検査制度を確立してもらいたい。お答えは多分、それは日本工業規格、JIS、これによつてやつておりますというお答えではございましようが、それはやつておるまじめなメーカーもあるが、検査をおそれているためであるか、何のためであるかわかりませんが、全然検査を拒絶しておる大会社もあることは、あなたも御承知の通りであります。御承知でないならば、参考のために教えてあげる。こういうことは画一的に公正なる検査をして、水道の資材その他の関係において、水道知識のきわめて乏しいところの町村等の水道係が、ただこれはパイプであるからいいのだ、これは石綿セメントであるからいいのだというように無条件で購入することのないように、十分厚生省が監督をされてJISを活用され、日本工業規格通りの原則を守り抜く、そこに厚生省の厚の字のスタンプでも押して、安心して市町村が購入することができるような措置をとつていただきたい。ある何億という資本金の会社が、絶対に出しておりません。その社長さんは社会的にきわめて高い地位にあると客観的に見られる、そういう人間が、JISのモラルをおそれずして、あるいは傲慢な態度といいますか、自分の会社工場の製品の検査を拒絶しておる。これは私から申し上げるよりは、むしろあなたが水道協会の総務部長なり専務の方をお呼び出しになつてお聞きくだされば明快でございます。そういうことであつてはならない。なるほど国会で制定した法律ではないけれども、法律以上のメーカーの同業者の自発的につくつた一つのモラル・ルールである。その検査を拒絶しておる。その拒絶しておる会社の製品は、長野県だけで五箇町村でしよう。全国において十何県ある。これはパイプの破片でありますが、こういう斑点がたくさんあるのは、これは石綿及びセメント以外の繊維質の雑物の混入しておることを証明するものであります。こういうインチキなものが横行しておる。顕微鏡などで見ますと、きわめてよくわかります。私はこの仕事に経験を持つておるものでありますから、一目瞭然わかるのでございますが、どうかJISの規定によつて検査励行をこの新法の施行と同時にひとつおやり願いたい。これは全国市町村の福祉、福利のために私は申し上げる。 なおもう一つお許し願いたい。上水道関係はわが国においてだんだんと発達して参りましたが、これと並行しなければならない下水道の方は、本省においてもあるいは市町村においても等閑視されておる傾向であります。これは並行して行かなくちやならぬ。それが一方の上水道だけが進んで、一方の下水の方は遅々として進まぬ。そこで水洗便所、改良便所をたいへん厚生省は、保健所を通して御奨励になつておるが、下水がなくて、どこに持つて行くのですか。これくらい矛盾撞着はございません。申し上げたいことはたくさんございますが、専門の厚生委員の方々がたくさん手くすね引いて質疑の機会を待つておられるのに、私みたいにアルバイト的に質問に来ました者かあまり長くやると笑われますから、この程度でやめますが、どうかひとつ、ただ水道法というりつぱな法律ができ上つただけではいけない。これに伴うところの施行細則等もできましようが、厚生省はひとつがんばつていただきたい。何も建設省を恐れる必要はない。もともと内務省の社会局、衛生局のほとんど全部が厚生省に行つたのであります。それが形式上は長官になつておりましても、工事そのものの直接の監督権はどこにあるか知らぬけれども、厚生省が一切指揮がとれる、そういうように行政管理庁においてもきめておる。ただ私の話しを聞き放しでなく、少くとも水道事業に私は体験を持つておるものでありますから、そういう意味から私の申し上げることは決してテーブル上のペーパー・プランではない。これは内容のあるものと私は考えております。この上申し上げて恐縮でございますが、くれぐれもただいままで申し上げたことを御採用くださいまして、全国民の福祉福利のために御善処あらんことを要望してやまないのであります。私の質問はこれで終ります。
○中川(源)委員 上水道あるいは簡易水道につきましても、技術指導につきまして厚生省あるいは建設省、通産省等におきましてはりつぱな技術家がおいでになると思いますが、はたしてそのりつぱな人がおられるかどうかということをもう一度お尋ねしておきたい。それから先ほど御説明の中の第六か七であつたかと思いますが、水道を設けるのに従来のような厳重なことでなしに、簡易水道その他におきましても地方自治体の方で建設する場合には緩和をさせようというような御説明のように承つたのでありますが、そうでありますかどうか。簡易にやろう、厳重なことを言わないというふうな計画があるのかどうか。
○楠本政府委員 一般水道につきましては必ず責任の技術者を置きまして、建設の場合にもあるいは維持管理の場合にもこれをして管理せしむることを法で規定してございます。しかしながら簡易水道の場合には必ずしもそれぞれ専任のかような責任者を置く必要もないだろう、むしろりつぱな人を数箇町村連合でお互いに共同して設置することの方が、むしろ実情としては適当であろう、かように考えまして、専任技術者をお互いに共同して兼務し合つて使うというふうに緩和をいたしておるわけでございます。従いましてその技術の内容、管理の内容等を緩和したという意味ではございません。なおただいまも御指摘のように、あるいは庄司先生からもお話のありましたように、今後は工事の監督というものはきわめて重要でございます。この点は庄司先生も第二点に御指摘になつておるようにきわめて重要でございます。しかしながら簡易水道を布設する町村等におきましてはこれらの専門の技術者がおらない。場合によりますと業者に設計させ、業者に監督をさせておるというようなことでありまして、しかも地下にもぐるもので何ら監督の目が届かぬというような事例がかなりございます。それがやがていろいろなところに支障がございますので、今後は必ず市町村の工事におきましてもかような専門家によつて厳重に工事を監督させる、あるいは設計等につきましてもできるだけ厳重に能率的な、効率的な設計をさせるというふうにいたしたい所存でございまして、これらの点はかように数箇町村あるいは十箇町村一緒になつて技術者を置くことによつて十分である、かような考え方でございます。
○中川(源)委員 どうか政府においてはりつぱな技術家を招聘されまして、厳重な管理をしてほしいと思うのでございます。先ほど庄司先生からも御指摘になりましたように、私もこれは苦い経験を持つておるのであります。それは京都市の伏見区におきまして莫大な経費をかけまして、内務省の指導のもとに相当な補助金が出まして、そうして上水道をつくり上げたが、水を送つて参りましても、水が底抜けになつてたまらない。どういう点がいたんでおるかわからないというようなことで、せつかく莫大な金をかけてつくり上げた上水道がおじやんになつたことがありますが、またむやみやたらに経費をかけ過ぎておるというような水道もある。たとえばこういう実例があるのです。京都の蹴上水道におきまして増設の必要があるという場合に、安田という大学教授がテームス河の上流にある上水道を見て来て、これをここに用いたならば非常にうまく行く。そうして経費も三分の一以下で済むということをたびたび市当局に進言したのです。にもかかわりませず、政府の指導なり、また京都市の技術家が自分が教わつている大学の先生の言われる通りにやりたいというので、経費は三倍にかけて非常に長くかかつて非難を受けたというようなこともありますし、よけいな金をかけることも不必要であると思うのですが、それらにつきましても技術家のよほどりつぱな人がいなければ、大きな建設事業でありますから、つくり上げてからあとでまたやり直すというようなことになると、たいへんなことになります。 これは事業水道の方でありますけれども、昭和二十六年に国が補助金を出してりつぱにつくり上げた京都府の南桑田郡の亀岡の付近にあります平和池というのが決壊をいたしまして、このためにたくさんの家が流され、多くの死者を出しました。これは事業水道に属するため池であります。またこれは建設省あるいは通産省に属することであるかもしれませんが、政府のやることもそういうような大きなミスがあります。昨年はまた南山城の昭和池の決壊で二百人からの死亡者を出しました。だから政府のやられることは、信を置けない節が従来からも幾らもあるわけであります。ですから技術家というものは非常に大切なものだと思いますので、今後莫大な経費をかけてかりに簡易水道をおつくりになるといたしましても、顕微鏡で調べられるところまで水道管についても十分検討を加えられまして、後日遺憾のないようにしていただきたいと思うのでございますが、そういう用意があるかどうか伺いたい。
○楠本政府委員 先ほども全般的に申し上げましたように、特に技術者の資格等も定めまして、その整備をはかつて参る所存でございます。問題はこれらの技術要員かはたして急速に得られるかどうかという問題でございますが、これらの点に関しましては目下公衆衛生員のコースを一応拡充いたしてこれに当るほか、各大学に先ほどもお答え申し上げましたように、衛生工学専門のコースを設ける、あるいは一般工科出身者あるいは、理科出身者等に対しまして適切な訓練を施しまして、早急にこれらの技術力を高めて参りたいと考えている次第でございます。なお府県におきましても現在すでに各府県の府県衛生部に総計百七十七名の衛生工学関係の専門技術者が配置になつております。これらの人間がそれぞれ中心になりまして、市町村の職員を訓練をいたして行きたいと存じております。 なお大都市の水道施設におきましては、昔からりつぱな技術者が多数配置されてございますが、問題は、簡易水道をつくる部落あるいは小さな村等でございます。これらの点につきましては、重ねて申し上げますが、数箇町村あるいは一保健所管内というような一つの共同体をつくりまして、これによつてりつぱな職員を置いて、それをいろいろ設計監督あるいは維持管理の指導等に当せたい所存でございまして、この点につきましては、すでに通牒その他で府県に徹底をさしてある次第でございます。
○小島委員長 柳田秀一君。
○柳田委員 この水道の設置主体は府県を含めた自治体になつておりますが、かつて陸海軍等が陸海軍用に布設した水道が現在あるはずです。そういうものもおそらく無償貸付の形において、経営の主体は自治体だと思いますが、水道の施設そのものはいまだ国に残つているものかあると思います。こういう点の関係はいかがでございますか。
○楠本政府委員 これまた御指摘のように、旧陸海軍の施設であつて、現在地方町村あるいは部落、病院等で使つておるものかございます。これらのうちには、すでに大蔵省管財局の方と話合いをしまして、問題が解決しておるものもございます。しかしながら御指摘のように、いまだ解決していないものもございます。私どもといたしましては、目下折衝を続けておりますが、これらのものは保管転換といつたような措置をとりまして、無償で地元の所有に帰するような方法を主張いたしております。まだ大分ひつかかつておるものがございますが、これらのものはひとつ早急に片づけたいと存じます。ただたとえば話が具体的になりますのは、たまたま拡張工事でもやらなければならぬというようなことになりますと、ここで初めて問題がきわめて具体的になつて参ります。そうでないものは、どうも相手がまだそれほど強く感じませんので、私どもといたしましては、できるだけこれを整備するとか、改造するとか、拡張するとかいうことを早めまして、かような機会をとらえて問題を解決するように指導いたしておる次第であります。
○柳田委員 たいへんけつこうです。事実そういう必要性に迫られている問題になるのであります。特に災害の場合に、経営主体は自治体でありましても、その施設そのものが国にある。従つて国のものに国が補助するということはどうにもできない。従つて災害があつても、拡張した分に関しては、これは自治体でやりますから、これは災害で国の補助がもらえる、もともと国の所有物であるものは補助が出ない、こういうような矛盾したことがある。これは当然早く自治体に保管転換すべきだ。警察のごときは、自治体警察そのものを市町村の費用でやつておるのを、国家的の事業であるからというので、今度かりに警察法を改正になりますと、無償で取上げる。地方の自治体から国の方へはいつでも無償で取上げる。国のものは一切合財一旦国に来たものは無償で自治体にやらない。こういうことは早く解決しなければならぬ。それから認可制を届出制にされたという理由は、どういうところにあるのですか。
○楠本政府委員 これは本来水道を布設して住民の利便に供する、しかもできるだけりつぱな完全な水道を布設するということが、地方自治体の任務でもございますので、地方自治体を信頼いたしまして、かような措置をとりましたことが、一つの理由でございます。 もう一点は、行政簡素化の点から考えまして、とかく許認可をするというようなことは、事務が遅れるばかりでなく、陳情その他何度も足を運ばなければならぬ。あるいはこれはあつてはならぬことでありますが、権限の伴うところにはとかく腐敗が伴いやすいというような観点から、主として行政簡素化の点から、これを届出制度としたわけであります。但しまだ地方の技術力も場合によつたら若干未熟な点もあるやに考えられますので、さような点は単に技術の面からだけ改造命令が出し得るようにして十分だろう、かように考えたのであります。
○柳田委員 そういう御趣旨で届出制にしたのならば、私も賛意を表します。ただ最近市制ブームで、各地に新しい市が続出しておる。市を設置する場合の必須要件として、人口三万、それから商家戸数が連続して六〇%、それから水道を持つておるというようなことが条件になつておる。従つてそういう条件のところがすべて市制をしかれると思いますが、必ずしもそうでない場合もある。そういう場合に各地が水道布設をやられた場合に、それぞれの市において水源の争奪というようなこともあるいは起り得るのじやなかろうかというときに、この届出制だけの場合において何か摩擦でも起りはしないかという点を一応懸念して、ちよつと質問しておるのですが、そういう場合はいかがですか。
○楠本政府委員 水源の問題でしばしば問題が起りまして、そのためにせつかくできた水道計画か軌道に乗らぬというようなことは、御指摘の通りでございます。しかしこれらは多くは河川を水源とした場合でございまして、湧泉あるいは井戸等はほとんど問題がございません。河川使用につきましては、これは何分にも河川というものがいろいろな方面から利用されておりますので、私どもといたしましては、あらかじめ河川使用の許可を得なければこの水道の届出の受理——今後は届出の受理になりますが、あるいは計画の指導というようなことは、いたさない方針にいたしております。従来も私どもに参ります許可願いというようなものには、みな河川使用許可済みの証を写さして参つております。そこで問題は、河川使用がうまく解決いたしませんときには、これは何と申しましても単に厚生省だけのことでできることでございません。地方の河川管理者はすべて知事になつておりますので、知事の判断によつてこの問題を解決するように指導をいたしておる次第でございます。
○柳田委員 この法案を見ますと、上水道の滅菌消毒等に対して、私読まなかつたのかもしれませんか、見当らぬのです。たとえば塩素滅菌の場合最低どのくらいのPPMですか、そういう基準があると思うのですが、そういう規制は見当らぬようですが、この点は……。
○楠本政府委員 これは省令に譲つておりますが、私どもは平常時は〇・一PPM、それから災害時あるいは伝染病発生時においては〇・四PPMを、省令によつて規定いたしたい所存でございます。
○柳田委員 それから先ほどの簡易水道の国庫補助十二億、工事費四十八億で、大体何年計画で、厚生省としては今予想されるところの農山漁村における普及が達成されるか。
○楠本政府委員 これは現在町村合併が進んでおりますので、以前の町村の数で、約四千町村、対象人口にいたしまして千三百万人を一応私どもは考えておる次第でございます。これは十箇年計画で実施をしよう、こういうのが趣旨でございます。
○柳田委員 もう一つ、これは局長にお尋ねしてもどうかと思つておりますが、私は大臣が来られたら尋ねようと思いますが、今回の水道法は画期的な水道法と言えば言える。庄司さんもおつしやつておりましたが、従来の条例から見れば進歩しておると思いますが、やはり依然としてなおそれぞれ厚生省、建設省、通産省等のセクシヨナリズムが露骨に出ておるわけであります。いただきました資料を見ましても、イギリス、アメリカ合衆国、フランス、カナダ、ベルギー、デンマーク、南アフリカ連邦、ソビエト連邦、いずれを見ても、水道行政の所管は全部衛生省あるいは公衆衛生省ということは軌を一にしておるのです。ひとり日本だけが、いまだに、やれ厚生省、やれ建設省、やれ通産省と繩張り争いをしておる。先ほどの部長の提案理由の説明にも、この歴史的発展段階を見ましても、日本においても最初は衛生局でやつておつて、たまたま土木局の方に技術屋がおるというので、それを利用した方が当時人件費も安上りするというようなことであつたろうと思うのです。それをだんだん既成事実にして、今度はいわゆる土木局の関係がやかましく、自分の繩張りを争うということで今日まで来ておるのだと思う。この点が私は抜本的な改正にはならぬと思う。やはりこの際思い切つて行政を簡素化する、そして水道行政の実態そのものは、この通り世界各国の事例についてみても明らかなのでありますから、私は厚生委員会として言うのではなしに、厚生行政一本にすべきだと思つております。しかしこれは部長に申し上げても、部長は私見としては私の説に御賛成願つても、別にこれは省議決定するわけでもない、閣議決定するわけでもありませんから、これは私は意見だけを申し上げておきますが、いずれ大臣が来られたら大臣の国務大臣としての見解を伺いたいと思つております。
○滝井委員 いろいろ法律の内容についてはこの次お伺いしたいのですが、根本的な問題をひとつ伺いたい。さいぜん柳田さんも触れましたが、水利権の問題です。現在日本の都市近郊を流れておる河川を調べてみると、年々いわゆる流水量というものが減つて来ておるのでございます。この減つておる理由は、上流における森林の伐採その他が大きな原因だと思うのでございますが、減つて来ておることは事実です。従つて、近代的な都市を建設して行く上においては、必然その都市の内部に化学工業や重工業が起り、それを取巻いて莫大な人口が起つて来る。この工業用水と飲料水というものは不可欠なものです。従つて、たとえば京阪神、あるいは北九州等においても、総合開発計画というものが都市の建設とともに組み合わされて持たれておるわけなんです。そうすると、その中で一番大きな問題は、工業用水と上水道の問題だと思うのです。ところが現在その問題を解決するためには、水利権との調整ができない限りはこの総合開発もできないという情勢である、これは、近代的な都市は大小にかかわらずそういう問題を現在持つておると思うのです。ところが、今申しますように、この水利権というものができないために、こういうりつぱな法律ができても、今後水道をつくるということは、私はますます困難になつて行きやしないかと思うのです。この法律においても、水源というものは、「河川、湖沼、池、ゆう泉、伏流、井戸」こうなつておりますが、たとえばわれわれの北九州の状態を見てみますと、これらのこの例にあげている水源というものが、いわゆる農地の灌漑水と関係しないものはないのです。われわれの北九州においては、たとえば簡易水道をつくつて相当大規模の炭鉱あたりの人口に対して飲料水を供給するということになりますと、どんどん水道の水を上げられると、たまつている水をそこから上げる形が出て来て、地盤の沈下を来し、固まつて停止している鉱害をさらに水道のために惹起するというような、状態が出て来て、家屋あるいは農地の陥没を来して、やはり農民なりに話合いをしなければ井戸でさえも掘れないという状態があるわけです。この法律を見ますと、水利権との調整については何ら書かれておりませんが、現在福岡県あたりにおいても、県で水利委員会というようなものをつくつて、やはり農民の関係者も入れて、そうして、灌漑用水と水道あるいは工業用水との調整をどうするかということで大問題になつている。従つて、近代的な社会生活を営むために不可欠な水道の普及と健全な発達をはかるための法律ですから、その中には当然そういう水利関係を調整する条項を入れるべきで、そうでなければ画竜点睛を欠く法律になるおそれが多分にあると私は思うのです。現実にそれは出て来ているわけです。工業用水をとるにしても水道をとるにしても、水利権者との調整ができない限りはこれはできないのです。水は、近代的な生活を営むために絶対必要だが、川の水は年年歳々減つて行く、その水をとれば田畑ができない、食糧ができない、こういう状態ですが、こういう点厚生省はどう考えられますか。ただ知事だけにまかせて、河川の許可を求めて来れば、来たものについてはこれはやりますというのでは、人のふんどしで相撲をとるようなものである。厚生省にぜひやつてもらいたいという柳田さんのような御意見もありましたが、もとができなければ、人のふんどしで相撲をとるような厚生省の行き方ではいけないと思うのであります。法律の中にそういう条項を、ぜひ政府の修正案ででも入れてもらわなければいけないと思うのでありますが、その点どうですか。
○安井委員 関連して伺います。私もその点についてですが、たとえば府県知事の区域の範囲を越えて、他の市町村の行政区域へ営造物を持つ場合がある。その場合において、県の中なら知事に届け出てよろしい、しかし県の区域をわたる場合には河川管理は両方でやつている。今お話の通りです。その水と営造物を他の府県区域に持つ場合、こういう場合におけることを明記してないと必ず紛争が起るもとだ。河川管理者が違うのだからそういう場合に困るという点は、一体届出制度というような単純な扱いでうまく行くかどうか、第九の説明理由と対照してふしぎに思う。こういうことだからあわせてお答え願いたい。
○楠本政府委員 これらの点はまことに御指摘の通りでございます。しかも、狭い国土の日本としては将来の重大問題であるということもよく存じております。しかしながら、これらの問題を水道という面から考えて解決するということに無理があるのではなかろうか、水道は、あくまで水を得たという前提に立つてこれを処理して行くべき範疇のものだろうと考えております。それなら一体われわれは、そういつた国民生活を担当して行く場合、あるいは国の人口というようなものを考えて行く場合に、水の問題に無関心であるかというと、そうではないのです。現在、国土総合開発の一環といたしまして水制度調査会というものが内閣に設けられております。ここにおきまして、国土の総合開発としていかにこの水の問題を解決して行こうかということを根本的に総合的に検討中でございます。そのメンバーの一人として厚生省も水道という観点からこれに加わつて検討を進めておる次第でございます。従いまして、これらのただいま御指摘のような点は、かような総合的な見地から厚生省は水道という立場からそれに意見を反映し、それによつて水道が円満に発達するような措置を講ずれば足りるものと考えている次第であります。 次に水利権の問題でございますが、これはただいま国土総合開発の問題も結局水利権の問題に触れて来るわけでございますが、現在申し上げたのは、決して私どもが無関心でいるわけではございませんが、ただ水利権というものは水道に限らず、あるいは運輸、農地あるいは発電その他各般の点に関連して参つております。一応これをきわめて早い機会に調整する必要があろうと考えております。私どもは従つて農地あるいは発電、工業、運輸、さような観点と同じようにこの水利権に関与しているのであります。従つてこの点も水利権の問題とやはり総合的に考えて行く必要があります。根本的には前段に申し上げました日本の国土総合開発、水制度というものをどうするかという問題に触れますが、とりあえずは農地、発電さようなものと関連しつつ調整をとつて行く以外に方法はないのではなかろうか。そうしてみるとこれまた水道法の範疇に必ずしも加えることはどうだろうか、こういう感じでございます。 それからなおこの地下水をかつてに方々で揚げますために地盤沈下が起つて来る、あるいは地盤沈下が起きて、その結果は附近一体の井水が枯れてしまつたという例は各地に見られております。この点も御指摘のようにまことに困つた問題でございます。これらの点につきましては、今後産業用水等というようなものも若干の規制を受けるというようなことから、多少の緩和は見るだろうと存じますが、これまた根本的に考えますと、一水道法の範疇ではなく、やはり国土の総合開発というような点に触れて参ると存じます。 最後に、なるほど御指摘のように一つの河川の管理者が二県三県にわかれている。しかもこれを利用する施設、たとえば小河内のダムをとつてみましても、これは東京都がこれを利用している。そこに非常に調整上むずかしい点か起きて参ります。これも御指摘の通りはなはだやつかいな問題でございます。従来は少くもお互いの話合いあるいは調整というもので解決をして参つておりますが、今後は新しい水道法におきましては、これもかような断片的なものでは役に立ちませんと存じますが、水の需給調整の規定がございますが、こんなようなものにひつかけてやれば若干はその辺の調整がつくものと考えられますが、これもはなはだ答弁になりませんが、根本問題としてきわめてむずかしい問題だと思います。と申しますのは、河川法というものは現在、明治二十九年の制定でございまして、これまた本数年来河川法の改正というものが研究されているわけであります。これまたただいまここでお話になつているような点がそれぞれ具体的に問題になつて参りますために、いまだに成案を得られないというような状況でございます。しかし今後私どもといたしましてはできるだけかような点の調整に努め、すみやかに国土総合開発の一環として水制度のあり方というものに結論を得るように協力をし、またそれに期待する次第であります。
○滝井委員 今部長さんの御意見では、一応水を得たという範疇で考える、こういう御説明でございました。この法案の全般を通じて見ますと、そういう感じが非常にするわけなんです。ところが現実問題として一つの県の中で一つの市がもう水が欠乏してどうにもならない。水がなくては生きて行けないという客観情勢がはつきりしている。しかも水源ははるか隔たつた上流の部落の水利権者の許可を得なければ水は得られない。ところがその上流における水は十分余つているんだ、こういう情勢があつても知事がこれはいかに許可権を持つておつても、そこの水利権者が納得をしない限りはどうにもならないというのか現在の情勢なんです。そうしますと、それはりくつは、たとえばいやこれはわれわれの上流の部落においても、今から五年くらい先には化学工業が起るので、今おまえの方の市に水をやつておつたのでは、そのときになつておれの方の部落の工業が発展できなくなるからというので、五年も十年も先の工業の発展の予想をして水を頑としてやらないというようなことが至るところに現実に起つているわけなんです。ところが水を得たものでなければこういう水道法案の恩典に浴さないのだというようなことになつてしまえば、これは今後ますます水道法というものが役に立つ状態が非常に少くなつて来る可能性があるわけです。というのは日本の河川は、お調べになつてわかると思うのですが、ずつと水量が少くなつているのが現状です。昔と比べてどの河川も少くなつております。特に近代的な工業の発展をする附近の河川というものは全部川が浅くなつている。東北や関西等によつて、川が天井川になつたりあるいは川の底が掘られて行くような状態で違いますけれども、非常に水量が少くなつていることは事実です。従つてこういう点から考えると、われわれは河川を水源地にしなければならぬことは必然ですが、ほかの湧泉とか沼沢なんてものは非常に水量が少い。河川が主たるものになる。そうしますと根本的にこの法案とともにやはり厚生省が解決に私は乗り出すべきたと思う。今度この案にそういう条項が入れられないならば、やはりここ一、二年の間にそういう面も解決するのだという積極性を持つていただかなければ、土地の発展の上からも非常に重大な支障を来して来ると思う。もちろんそのために私は農村に灌漑水が減るとかあるいは水力発電に支障を来すということがあつてはならぬと思う。そういう面はたとえば植林とか砂防工事でもやるとか、何かもつとやはり具体的な政策が出て来ると思う。そういう点は水道からそういう農林当局なりあるいは建設の砂防やそれらの関連をする当局とも十分話合つてやつてもらいたい。これは早急にやつてもらう必要が私はあると思うのです。その点ひとつ御覚悟のほどを伺つておきたいと思う。
○安井委員 やはり関連でございます。同じようにたとえば東京の例を言うと、神奈川県、山梨県の区域にわたつて水源を持つている。こういう場合に三県知事が管理している、そういうものを総合計画で何とかやるというのはおかしい。水道法案をほんとうに通すならば水道優先で行かなければならない。この法律で先にしばるべきである。そういう余地を残しておけばまたそこで一つのがんを残すことになる。もし真にそういうような市町村の区域、府県の区域にまたがつてその範囲を越えて行く場合においては、この規定の中に完全に入れて優先すべきものである。総合計画のあとでできるものをまつて、その結果によつて水道が左右されるような弱い規定はよくない。やはり水道として優先するものを持つて来る。たとえば私は岐阜県にいるころに、名古屋の水道は木曽川の水を飲んでいる。ところが用水をたくさんとつているために非常に反対を受けて、私も困つた実例を持つている。東京都に来てみれば、東京都はやはり水源を他の行政区域に持つているために非常に困難を生じている。たとえば今の山梨県にある町村が水道をやろうとすると近辺町村が許さない、こういうことが起ることが予想される。そういう予想すべきものは新らしいこうした法律の中にしかるべくやつて、水道の優先を認めて、後日できるべき他の法律によつて何とかなるだろうというなまぬるい考え方は水道法を生かすゆえんでない。私はこういうことをよほど考えてもらわなければいかぬという希望を持つている。この点についてもひとつあわせてお答え願いたい。
○楠本政府委員 第一の点についてお答えを申し上げますが、先ほど来お答えを申し上げておりますように、今後私どもといたしましては、国土総合開発の現在計画研究が進められておりますので、この中に強力に発言力を確保いたしまして、厚生省の立場から問題を究明いたしたい所存でございます。 なお御参考に申し上げたいと存じますが、現在水道の新しい水源を要するというものは、おおむね二つにわけることができると思います。一つは普通の小さな、まあ一般の市町村、都市は大体水道が七〇%、八〇%普及いたしております。今後新しい水直を要するのは農村部であります。これが一点。もう一つは現在東京あるいは北九州のように大きな都市の集団というものか水に困つて、これは根本的に解決しなければならない、そういつた新しい面、これが一つでございます。そこで前者の農村の場合には、たとえば湧泉を使うとかあるいは井戸を掘るとかいうようなことで、従来は大体支障なく行つております。水源問題等で問題を起したことはございません。今後の見通しも、大体簡易水道普及というような場合は問題はなかろうと考えておりますので、一応この問題はおきまして、そこで問題は、今後大都市の集約地域における水の問題になつて来るわけでございます。これはきわめて深刻な問題でございます。ところがこうなると、たとえば現在東京都が私どもと相談をいたしまして計画を進めておるのは、利根川の水を運河で持つて来ようというような計画、それくらいの計画を立てない限りは、この東京都を中心とした都市集団の水の問題は、長い将来を見て解決しない。北九州においても同じようなことが言えます。こういうようなことになりますと、すでにそれこそ水道というものを離れて、もつと大きな国土総合開発計画というものに触れて来るわけでございます。そこでこれを解決するのは、水道というような見方も必要ではありますが、これはなかなか重大問題だと思います。しかしその点はぬかりなくやる決心は固めておるわけであります。 次に河川管理者が何県知事にもまたがつておるという場合には、やはり最後的な調整は、河川管理の責任者は建設大臣にあるそうでありますが、従来は、大体所管の河川管理者たる数県知事の話合いによつてものを解決して行く、そういうやり方で解決すべきものはやはり解決しておるということでございます。
○小島委員長 本案に対する爾余の質疑は次会に続行することといたしまして、本日はこれにて散会いたします。次会は明日午前十時より開会いたします。 午後零時四十五分散会