厚生委員会 第30号
- 発言数
- 13 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/04/05
会議録
○小島委員長 これより会議を開きます。 まず消費生活協同組合法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。本案はすでに質疑を終了しておるのでありますが、現在委員長の手元に自由党、改進党、日本社会党両派共同の修正案が提出されておりますので、まずその趣旨の説明を聴取したいと存じます。青柳一郎君。
○青柳委員 共同修正案の内容を御説明いたします。 今回政府から提案されております消費生活協同組合法の一部を改正する法律案によりますと、九十三条すなわち組合から報告を徴収する規定であります。また九十四条、これは組合を検査する規定であります。第九十五条、これは措置命令を出す規定であります。この三箇条にいずれも「組合の運営が著しく不当であると認めるとき」という条件があるのであります。ところで今までの例によりますと、これらの消費生活協同組合の監督にあたりまして、いたずらに官庁が感情をもつて各種の干渉、命令を行う、そういうことはできるだけ避けたいという気持がありまして、この「組合の運営が著しく不当である」という文句につきまして論議が行われたのであります。いろいろ検討いたしましたところ、この「組合の運営が著しく不当である」ということを存置しておく理由といたしましては、会計経理上の問題のみであるということが判明したのであります。従いまして、これを会計経理上の運営がまずかつたとき、不当であつたときというふうに限定いたすことによりまして、官庁のいたずらなる干渉を排除しようとする趣旨に出たものであります。この修正案を読み上げます。消費生活協同組合法の一部を改正する法律案に対する修正案 消費生活協同組合法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。 第九十三条の改正規定中「又は組合の運営が著しく不当であると認めるとき」を、「又は組合の会計経理が著しく適正でないと認めるとき」に改める。 第九十四条第二項の改正規定中「組合の運営が著しく不当であると認めるとき」を「組合の会計経理が著しく適正でないと認めるとき」に改める。 第九十五条第一項の改正規定中第三号を次のように改める。 三 第一号に掲げるものの外、その会計経理が著しく適正でないこと。 こういうふうな修正を行うことによりまして、今回の法案のねらつておりますように、現在の消費生活協同組合を、ほんとうに内容のしつかりしたものにすることによりまして、将来組合の発展を期する、こういう趣旨であるのでございます。 以上御説明を申し上げます。
○小島委員長 以上で説明は終りました。ただいまの説明について御発言はありませんか。——なければ消費生活協同組合法の一部を改正する法律案及び同法に対する修正案の両案を一括して討論に付します。長谷川保君。
○長谷川(保)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程されました消費生活協同組合法の一部を改正する法律案に関します修正案並びに修正案を除きます原案に賛成の意を表するものであります。 思うに、わが国におきます消費生活協同組合の発展が今日のごとく非常に困難な事情は種々あると思いますけれども、何にいたしましても、率直に申しましてこの消費生活協同組合に対します育成発展をはかります政府の努力が——中小企業協同組合あるいは水産業協同組合あるいは農業協同組合等に対します政府の育成、発展、指導というようなものは問題にならないほど微力である。ことにその資金、金融の面に対します政府の施策は実質的にはほとんど言うべきものがない。しかも逆に戦前ありました産業組合のあの信用中金からの融通も打切られておるといつたような問題が考えられるのであります。さらにまた日本の資本主義の爛熟あるいは没落過程におきまして、いよいよ中小あるいは零細企業というものが非常な困難に立ち至つて来ておる。ことに日本の家族労働を主体といたします小売制度の発達、こういう面からいたしまして、消費生活協同組合が、近代的な企業といたしましての発展の非常な困難さに当面をいたしておると思うのであります。これらの点につきまして、政府が今回の改正案におきまして、確かにある程度の進歩をさせよう、育成をしようという意図がないではないということを認めるにやぶさかではありませんが、しかし今回の改正案につきましての論点となりました第三条第三項の名義貸しに対します第九十五条における解散権、及びただいま修正案に出ております組合の運営が著しく不当なるものという点につきましては、私どもは納得ができなかつたのであります。と申しますことは、今日非常な問題になつております名義貸しにならざるを得なくなつて来ている、今日の日本の社会におきます消費生活協同組合及び零細小売業の関係、これは相当大きな問題であると私は思うのであります。つまりこの資本主義の爛熟、没落過程におきまして、零細企業であります小売商が非常な收奪と申しますかを、受けて窮地に追い込まれておる一方、ただいま申しましたように消費生活協同組合もまた適正なる育生発展の道が講ぜられずいたしまして、非常な窮地に陥つておる。この消費生活協同組合と、税金あるいはきわめて微細なる利潤というようなことによりまして家族労働をもつてしてもなお経営にあえぎますが小売商一つになつて結んで、そこに名義貸しの問題が起つて来ておる。でありますから、その根本をつきますと、この大きな資本主義の矛盾自体の中にまで入つて行つておるのであります。ことに日本の資本主義のこの没落過程におきますところからして、そういう事情が起つて来ておる。でありますから、いたずらに監督を強化してこれを押えつける、ことに行政官の不確定な認定条項を強くいたしまして、そしてこれを押えつけて圧迫して行くということになりますれば、これは決して零細企業であります自営業者やあるいは消費生活協同組合をやつておりますその国民諸君の生活を守ることではなしに、逆にいよいよ圧迫することになる、こういう問題が名義貸しの実態であると私は思うのであります。でありますから、今回の名義貸しによる解散条項の適用にいたしましても、私はここに附帯決議をつけたいのでありますけれども、ちよつとその時を失いましたので、ここに討論の中に、その名義貸しによる解散権の実施につきましては、今日名義貸しをせざるを得なくなつて来ておりますこの実態をむしろ十分深い同情を持つて見まして、いたずらに第三条第三項による九十五条の適用につきましては、苛酷に過ぎることなくして、今日その窮地に陥つている組合、あるいは零細自営業者が本来の組合のあり方に帰つて行くために、十分なる同情と適正なる指導と援助とを与えるべきであつて、この点私は行政当局がこの名義貸しによる解散の条項を適用するにあたつては、十分なる配慮をせられんことをここに要望するものであります。 その他いわゆる西欧の福祉国家あるいはニユージランド、オーストラリア、カナダ等の社会における消費生活協同組合がどういう大きな役割をしているかということについて、政府は認識を新たになさいまして、今後の消費生活協同組合の育成発展上、本改正法案の適産運営にあたりましては十分なる深い配慮をせられんことを切に、要望いたしまして、この修正案及び修正案を除きます改正原案に賛成するものであります。
○小島委員長 杉山元治郎君。
○杉山委員 私は日本社会党を代表いたしまして、今議題になつております消費生活協同組合法の一部を改正する法律案につきまして、修正案に賛成し、修正案を除く原案に賛成の意を表するものであります。 御承知のように、消費生活協同組合は一八四四年英国のロツヂデールにおいて発足をいたしました。ちようどこのときに一方フランスにおきましては共和制宣言をいたしたときであります。こういうように社会改造の方法に二つの道がございますが、一方は血をもつてフランス二月革命がなされましたが、英国がそれなしに終つたということも、いつにこの消費生活協同組合による人格主義の働きであつたと言われておるのであります。私どもは、日本におきましても今日資本主義が発達し、いろいろの矛盾が起きておりますときに、どうしてみても日本をほんとうに血をもつて血を洗うような改革、革命でなしに、ほんとうに人格主義的な改造をやつて行こう、こういうのにはどうしてみてもこの消費生活協同組合のような方法によつて、この経済の改革をして行かなければならないと思うのであります。しかるに日本は、英国と違います点は、今長谷川委員も仰せになりましたように、家族主義的な関係から小売商というものが非常に発達いたしておりまして、消費生活協同組合の発展の上には非常に困難性があるのであります。それゆえに政府は特別に心をいたしまして、消費生活協同組合の発展助長のために注意をしていただかなければならないと思うのであります。そういう場合に、従来におきましても発展助長のためにするということが割合に少くて、かえつて監督の弊に落ちたということを私どもはまま見受けて来たのであります。そういうような意味合いにおきまして、今度の改正案のうちにおきましても、今修正されました「組合の運営が著しく不当である」とき、こういうような不明確な言葉がございますと、これをたてにとつてままいわゆる監督にくちばしを入れ、またこれによつて解散を命ぜられるという過去の苦い経験からいたしまして、私どもはこの削除を要求いたしたのであります。しかしだんだん突きとめて参りますと、会計のことだということでございましたので、今修正の通り「会計経理」という言葉を入れて、そうして「この言葉を生かすことになりましたが、しかし単にこの一行ばかりでなしに、私どもの要求いたしますところは、先ほど申し述べましたように、消費生活協同組合をますます助長発展いたしまして、そうしてほんとうに中間搾取というものがなくなつて、資本主義の矛盾が解決されるためには、この方法をとる以外にはないと思いますので、ぜひひとつ政府は、消費生活協同組の発展のために一層の注意と助長を願いたいと思うのであります。 それゆえに法案の上ではいろいろ私ども改正したい点もございましたけれども、それを一時にすることはできませんでしたが、ぜひ審議の間に現われましたいろいろの論議を厚生当局は十分に考慮をいただきまして、今後——その点は法律の面に現われていないが、ぜひそれらの点を注意し、一層消費生活協同組合がよりよく発達して、日本の経済の矛盾というものとの間においてより円滑になるようにしていただきたいことを申し述べまして、私の討論を終ることにいたします。
○小島委員長 以上で討論は終局いたしました。 採決いたします。まず自由党、改進党、社会党両派共同提案になる消費生活協同組合法の一部を改正する法律案に対する修正案を、可決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小島委員長 御異議なしと認めます。よつて本修正案は可決いたされました。 次に、ただいま修正いたしました残りの原案について、採決いたします。本部分を、原案の通り可決するに御異議ありませんか、。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小島委員長 御異議なしと認めます。よつて本部分は原案の通り可決され、本案は修正議決いたされました。 なお本案に関する委員会の報告書の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小島委員長 御異議なしと認め、そのように決します。 —————————————
○小島委員長 次に、厚生年金保険法案を議題とし、質疑に入ります。 ちよつと速記をとめて。 〔速記中止〕
○小島委員長 速記を始めて。 それでは厚生年金法に関する質疑は次会に継続することといたしまして、次に本案の審査のため労働委員会より連合審査会開会の申入れがありました。これを開くことに決し、日時の決定その他に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小島委員長 御異議なしと認め、そのように決します。 本日はこの程度にとどめ、次会は追つて公報をもつてお知らせいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十九分散会