厚生委員会 第23号
- 発言数
- 55 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1954/03/27
会議録
○小島委員長 これより会議を開きます。 まず小委員補欠選任の件についてお諮りいたします。食生活改善に関する小委員でありました安井大吉君が去る二十五日委員を辞任されましたのに伴いまして、小委員に欠員を生じましたので、その補欠選任を行いたいと存じますが、委員長より指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小島委員長 御異議もないようでありますから、再び委員に選任された安井大吉君を同小委員に指名いたします。 —————————————
○小島委員長 次に未帰還者留守家族等援護法の一部を改正する法律案が参議院において修正されましたので、その審査の必要上参議院厚生委員長または厚生委員の方の説明をお聞きしたいと存じますが、説明に来られる方々を参考人としてあらかじめ決しておくことに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小島委員長 御異議なしと認め、そのように決します。 —————————————
○小島委員長 次に戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。質疑はございませんか。
○長谷川(保)委員 今までの不合理な点が大分是正されて来ているようで、私も喜んでおる次第でありますけれども、念のためにもうちよつと伺つておきたいと思うのであります。今度の改正案によりますと、たとえば戦地で、実例をあげて伺うわけでありますが、昭和二十年の終戦に近い日に生きておられた。その後帰つて来た人によつて死んだということがわかつた。その帰つて来た人の話を聞くと、結局栄養失調で倒れたらしい、こういうような例がたくさんあると思うのであります。そういうような場合に、栄養失調で、あの戦争の苛烈なときであり、ことにあの敗戦という混乱の中でありますから、内地におきましても同様の例がたくさんありましようが、ことに外地にありました諸君におきましては、ずいぶんと栄養失調あるいは過労、情神的な打撃というようなことで死んでしまつたというような人々があろうと思う。そういう場合に、ここにいわれております戦争に関連するものというふうに考えられて弔慰金が払われることになるのでしようか。さらにまたそういう諸君に対して恩給の関係はどうなりましようか。
○田辺政府委員 戦地において軍人の方が栄養失調になつて死亡された場合には、現在の取扱いでは本部分公務の傷病として扱つております。従つて遺族年金も支給されておりますし、将来恩給法に上る公務扶助料が支給されることになると思います。
○長谷川(保)委員 そういうようなケースの場合に、今日未裁定になつている者が相当あると思うのですが、そういうようなことはないでしようか。
○田辺政府委員 戦時栄養失調と申しておりますが、戦時栄養失調の場合には当然公務としてどんどん裁定を進めておるのでございます。ただその栄養失調であつたかどうかについてのはつきりとした資料が上らないという場合があるいはあろうかと思いますが、そういつた場合に調査しておるということで、あるいは保留といいますか、再審査になつているのではないかと思われます。個々の場合についてよく調査いたしまして実施をいたしたいと思います。
○長谷川(保)委員 栄養失調であろうと、あるいは平常死といわれておるようなたぐいの病気で死んだといたしましても、あのような敗戦というどたんばにおいてそれに近いようなあるいは戦時中の非常な激務の中において、心身ともに大きな打撃を受けて遂に倒れて帰つて来ないというような人々に対しましては、私はあまりにめんどうくさいことを調べておらないで、裁定ができないなんということを言つてとどめておかないで、やはり国の名前でひつぱつて行つて、そういうことになつて遺骨で帰つて来る、あるいは遺骨も帰つて来ないというような事情でありますから、もう裁定ができないなんといつて引ずつておかないで、めんどうくさい調べなんかは大目に見て、どんどん適用して行くということの方が合理的でもあり、また国民の感情といたしましても、ことにその遺族等の感情といたしましても、当然やつてあげるべきだと思います。そういう面で裁定が非常に遅れているようなものもあり、また不合理なものもありますし、まだこれを適用されておらぬものもありますから、私は特に当局におかれましては、そういうものに対して積極的にすみやかに解決の道を議せられるように、また俗な言葉で言えば大目に見てどんどん解決する、こういうふうに御尽力を願いたいのであります。 それから、これは私どもまだ十分に調べてありませんので、あるいは同僚諸君のすでに伺つたことと重複するかもしれませんけれども、ただいま申し上げましたような事例が、終戦に近いころの内地においてもずいぶんあると思うのであります。軍隊に徴用されまして、たとえば当時赤痢等がずいぶんはやりました。終戦直前のあの栄養失調と過労、そうしてそういうような病気のために死んでしまつたという諸君が相当ありますが、この問題について今度のこの改正等によつてやはり弔慰金等が支給されるようになるのでしようか。
○田辺政府委員 在職期間内に疾病にかかつて死んだ場合におきましては、ほとんど大部分の者が今度の弔慰金の対象になると思います。
○小島委員長 他に御発言はございませんか。——御質疑もないようでありますので、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案の質疑は終了したと認めるに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小島委員長 御異議なしと認め、本案の質疑は終了したものと認めます。 次に、現在委員長の手元に各党共同提案になる本案に対する修正案が提出されておりますので、まずその趣旨弁明を聴取いたしたいと存じます。高橋等君。
○高橋(等)委員 戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案に対しまして修正案を各党一致で提案いたすことになりました。その修正案の御説明を申し上げたいと思います。 まず案文を朗読をいたします。 戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案に対する修正案 戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。 附則第一項但書中「昭和二十七年四月一日から」の下に「、附則第六項中戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律(昭和二十八年法律第百八十一号)附則第十二項及び第十八項の改正規定は、昭和二十八年八月一日から」を加える。 附則第六項中「(昭和二十八年法律第百八十一号)」を削り、同項中附則第二十四項の改正規定の前に次のように加える。 附則第十二項但書中「支給すべき遺族年金」の下に「及びこの法律の施行の際(死亡した者の死亡の日がこの法律の施行後であるときは、その死亡の日)に、遺族年金の支給事由と同一の事由により軍人又は軍人であつた者の遺族たるによる扶助料 (以下「公務扶助料」という。)を受ける資格を有しない者に支給すべき遺族年金」を加える。 附則第十四項中「同一の事由により軍人又は軍人であつた者の遺族たるによる扶助料(以下「公務扶助料」という。)」を「同一の事由による公務扶助料」に改める。 附則第十八項に後段として次のように加える。 この法律の施行後、軍人又は軍人であつた者の遺族たるによる遺族年金の支給を受ける権利を有するに至つた者で、この法律の施行後その者が当該権利を有するに至るまでの間に、他に同一の事由による公務扶助料の支給を受ける権利を有する遺族があつたものについても、同様とする。 御説明を申し上げます。昨年の八月一日に恩給法が制定をいたされました。恩給法と援護法とが民法土その適用する点に相違があるのであります。恩給法におきましては新民法施行前におきまするものは旧民法の関係でこれを律し、新民法施行後は新民法でこれをやる、援護法は大体新民法にのつとつてやるというような、立て方の違いがありますために、恩給法か改正をされないであるものと仮定をいたします場合に、援護法で援護を受ける資格のあつた人あるいはまた年令がまだ六十歳になつておらない親のような場合に、六十になれば援護法の適用を受くべかりし軍人の遺族が、恩給法の適用も受けられない、また援護法の適用も受けられないというような法の矛盾が実はできておるのであります。これを改めますための修正案でございます。いろいろ長々と書いてありますが、それも関係した条文の整理でございますから、さよう御承知をお願いいたしたいと思います。以上で説明を終ります。
○小島委員長 以上で説明は終了いたしました。 ただいまの説明についての御発言はございませんか。——なければ戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案及び本案に対する修正案の討論に入ります。青柳一郎君。
○青柳委員 私は自由党を代表いたしまして、ただいま各党提案になります修正案を含む本原案に賛成の意を表ぜんとするものでございます。 思い出しますのに、日本の軍人はその好むと好まざるとにかかわらず、国家の強制的な権力によつて軍に召集されました。そうしてあの激烈な戦闘、あのはげしい演習において、普通の体であつても病気になるのは事の当然でございます。しかるにあの戦争の当時病気になり、またけがをして、そのためになくなつた方のうちで、その公務に原因せざるゆえをもつて援護法の年金あるいは弔慰金の恩典に浴せざる者は相当の数に上つておるのであります。これらの方々の遺族に対しましては、国家として当然適正なる処遇を行うべきであるということは、当委員会におきまして数年来にわたつて論議を尽されたところでございます。しかるに今回政府はこの法案におきまして、これらの残された家族に対して初めて五万円の弔慰国債を出して、これらの遺族に対してつつしんで敬う意味を表せんとするものでありましてわれわれも双手をあげて賛成をすることは事の当然、もとよりでありまして、事のおそきをうらむ感がなきにしもあらずであります。さらにまた傷痍を受けました軍属のうちの雇用人につきまして障害年金、一時金の制度がこれによつて打ち立てられた次第であります。私は自由党を代表いたしまして、この戦傷病者戦没者遺族等援護法につきまして賛意を表するものであります。 ただここにつけ加えて申し上げる点が一つあります。それは希望意見を付したいという点でございます。この希望意見につきましては各党共同の意見でございまする点を御了承願いたいと思います。それは何かと申しますと、この戦傷病者あるいは戦没者の遺族等に対します国家保障の道は逐年充実せられつつありますけれども、なおまだ改善を要するものが多いのでございます。政府はこれらの戦争犠牲者の補償につきまして引続きその充実をはかられたい。さらにこれらの制度の拡充についても善処せられんことを望むのでございます。 この各党提案の希望意見をつけ加えまして本案に賛成の意を表するものでございます。
○小島委員長 長谷川保君。
○長谷川(保)委員 ただいま上程せられました戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案及び同修正案に対しまして、日本社会党を代表いたしまして賛成の意を表するものであります。 長年私どもが論じて参りました盲点の幾つかが、今回改正によつて改善せられたということ、ただいま青柳委員からのお話の通りでありまして、またなお改善すべきものもある程度残つております。それらにつきましての希望意見も青柳委員同様に私も考えるのであります。 今次改訂によりまして、相当数の戦時中のあるいは戦後の不幸な御家庭、御遺族等に対しましての道が開かれましたことを、深く喜びとして賛成の意を表する次第であります。
○小島委員長 杉山元治郎君。
○杉山委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題になつておりまする戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案並びに各党共同の修正案に対しまして賛成の意を表するものであります。 二人の同僚もお話になりましたように、戦時中勇士として郷土から送られて参りましたにかかわらず、その病気のいかんによつていわゆる公務死でないというような関係からいたしまして、恩給もあるいは援護金また弔慰金もいただかない、こういうような実に気の毒な、また郷土にしましても何ゆえに自分たちは、家族が軍服を着せられて戦地に参りながらその恩典に浴さないか、こういう多くの家庭のあることを見受けるのであります。幸いに今回の法律により、また改正によりまして、この人たちに対して弔慰金を差上けることができるということは、年来われわれの要望しておつたことが達しましたので、喜ばしいことだと思うのであります。そうしてまた修正案によつて、高橋さんの説明のように、恩給法と援護法の矛盾が改訂せられまして一時でもストツプしておる者にこれが与えられるということは非常にありがたいことと思うのであります。 なおこの際に一言お願いをいたしておきたい点は、まだ未裁定の人たちも相当あるのです。これらの点については一日も早く御決定をしていただくように運んでいただきたいことを重ねて申し上げる、そういたしまして本案並びに修正案並びに希望条項に対して賛成の意を表明するものであります。
○小島委員長 以上で討論は終局いたしました。 採決いたします。まず各派共同提案になる本案に対する修正案を可決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小島委員長 御異議なしと認めます。よつて本修正案は可決いたされました。 次にただいま修正いたされました部分を除く残りの原案について採決いたします。本部分を原案の通り可決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小島委員長 御異議なしと認めます。よつて本部分は原案の通り可決せられ、本案は修正議決いたされました。 なお本案に関する委員会の報告書の作成に関しましては委員長に御一任願うことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小島委員長 御異議なしと認め、そのように決定します。 —————————————
○小島委員長 次に未帰着留守家族等援護法の一部を改正する法律案を議題とし審査を進めます。本案は参議院において修正され、本院に送付されておりますので、参議院の上條厚生委員長よりその趣旨の説明をお聞きしたいと存じます。上條参議院議員。
○上條参議院厚生委員長 ただいま議題となつております未帰還者留守家族等援護法の一部を改正する法律案に対しまして、参議院において修正いたしました箇所について御説明申し上げ、御了承願いたいと存ずるのであります。 現行法の第十八条及び附則第二十二項の規定によりまして、現在このような給付を受けておる者が約四千三百名ほどあるのでありますが、そのうち八八%の者が本年の十二月二十八日で療養期間が満了することになりまして、引続き療養を要する者が多数存在いたしておるわけであります。政府におきましては、その対策について今日までいろいろ検討を加えて参つたようでありますが、今回の改正案につきましては、これらの十二月二十八日以後における対策については何ら触れておらない実情であるのであります。そこで参議院におきましては、この療養給付を受けておる者が、療養給付期間が経過後において引続いてなお一応一箇年間療養の給付を受けることができるように延長いたしたいと考えるのであります。なぜ延長期間を一年といたしましたかと申しますと、政府といたしましては、この問題につきましては、現在の本法を継続いたして行う場合においても何らか多少の制限を加えたいという意向があるようでありますし、またできるならば、公務員その他の関係もありまして、他の立法をもつてかえたいというような意向もあるようでありますが、それが今日まで結論に達しておらないという実情でありますので、私ども参議院といたしましては、一年間延長いたしまして、その一年間の間に十分これらの問題について検討を加えて結論を出して、その結論を議会に提出していただいて、われわれがなおこれに検討を加えたい、こういう趣旨であるのであります。 それから附則を修正いたしましたのは、附則第二十二項の但書によりまして、未帰還者留守家族等援護法の旅行前に帰還した者が療養の給付を受けることのできる期間は、従前の例、すなわち未復員者給与法の規定によつておりまして、実は今回問題になつております、本年十二月二十八日に期間満了する者は、この附則の適用を受けておる者であります。それでこの該当者についてその療養給付期間をさらに一箇年間延長することとしまして、それぞれ条文を整理いたしたのであります。この二点であるのであります。何とぞ御了承願いまして、御討議を願いたいとお願いする次第であります。
○小島委員長 ただいまの御説明並びに政府に対する質疑等の御発言はございませんか。
○青柳委員 ただいまの参議院において御修正の御趣旨は、よくわかつたのであります。今療養を受けておる人々は、本年の末で療養を打切られるということを非常に心配しておるこの際に、これが一年延びるということによりまして、曙光を見出す点につきましては、非常なる賛意を表するものであります。ただただいまのお話の中に、検討を要することがあると言われておつたのでございますが、いかなることを検討する必要があるというふうにお考えになりましたのでありましようか、その点を承りたいと思います。
○上條参議院厚生委員長 私ども参議院といたしましては、現行法を継続することが妥当であると考えておつたのでありますが、政府といたしましては、現行法を継続するについても多少の制限を加えたいというような意向もあるという御答弁を承り、あるいは本法を継続することが妥当でないとするならば、かわる他の対策を立てたいというような御意向があるようでありまして、そのため今日のこの法案に対して十二月二十八日以降のことに触れておらない、こういう答弁がありましたので、もし政府がそういう意向があるならば、一年間の間にその結論を検討を加えていただいて、それによつて私どもはさらに政府のかわる対案についての検討を加えて本案を継続するか、あるいは政府の意向に従うかということはその上できめて参りたい、こういう意向でございます。
○青柳委員 よくお話はわかつたのであります。 しからばそれに関する政府の意向をひとつお聞かせ願いたい。
○田辺政府委員 ただいま委員長の御説明のあつた通りであります。現在の療養給付規定は、未復員者給与法の精神をそのまま踏襲いたしております。これをこのままの形で将来継続するのがいいか、あるいはそこに若干の考慮をいたしまして新しい方法によつて立法するのがいいかという問題につきましては、いろいろ議論のあるところでございまして、政府内におきましても一致した結論に到達しておらないのでありますが、今後十分検討を加えて善処いたしたいというふうに考えております。
○青柳委員 ただいま政府の御答弁を承りますと、これに関する規定を他の方法により規定した方がよかろう。もう少し具体的に申しますと、他の法制によつて定めた方がよかろうというような御趣旨のように聞いたのですか、さよう了解してよろしいものでしようか。
○田辺政府委員 大体そういうことであります。
○中川委員 今の問題ですが、他の方法というのはどういう方法ですか。
○田辺政府委員 他の方法については、結論はまだ出ないわけであります。他の方法もありはしないかという程度でございまして、まだどういう方法でやるということまで具体的になつておりません。
○中川委員 そうすれば、参議院の方の希望である満一箇年延ばすということに対して、政府としては、それは困る、他の方法で何らかそれに対する善処策を持つているということになれば、何らか腹案があるでしよう。むろん決定的なものはないにしても、一箇年延ばすかわりに、こういうふうなことをしたらという腹案がおありになるでしよう。ただ、それは困る、他の方法でやるのだということでは、ちよつと了承できないと思います。率直にひとつ……。
○田辺政府委員 これは現在他の方法があるということではありませんので、他の方法についての案があるか、あるいは現在の制度をそのままずつと続けて行くのが適当であるかということについてまだ検討中である。そこでそうしているうちに今年の十二月二十八日になつてしまつて、期間が満了しては困るので、とりあえず一年間延長しておいて、その間に十分検討して、さらに現在の制度をそのままずつと継続して行くか、あるいは別にきめた方がいいかということをきめたい、こういうことであります。
○小島委員長 その他に御質疑ございませんか。——なければお諮りいたします。本案の質疑は終了したと認めるに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小島委員長 御異議もないようですから、本案の質疑は終了したものと認めます。討論及び採決は次回に譲ります。 —————————————
○小島委員長 次に医薬関係審議会設置法案、らい予防法の一部を改正する法律案、身体障害者福祉法の一部を改正する法律案、児童福祉法の一部を改正する法律案、医療法の一部を改正する法律案、以上五法案を議題とし、質疑を続行いたします。滝井義高君。
○滝井委員 らい予防法の一部を改正する法律案に関連して、国立癩研究所が今度できるようになつておるのですが、その位置及び内部組織は大体どういう状態になるのか、これをひとつ御説明願いたい。
○曽田政府委員 お答え申し上げます。今度設けられます癩研究所は、その趣旨といたしましては、予防及び治療の研究ということになつておるのであります。その目的を果しますために、一つは、この患者の治療方法ということをまず直接に取上げることが必要である。御承知のように癩は、医学的には非常に根本的な問題、すなわち病原菌の培養というようなことが困難であり、動物実験もできないというよう関係から、なかなか基本的なことはとりつきにくいような関係にあるのであります。従つて予防という点につきましても、ほかの伝染病のように予防注射とか、あるいは的確な予防の方法が見つかつておりません。とにかく現在おりまする患者の治療ということが直接の問題である。この方面におきましても、滝井さんも御承知のように、非常に長い間進歩がなかつたのでありますけれども、最近年に至りまして、いろいろな新治療薬が出て来て、相当な効果を上げておるのでございます。ここに曙光が認められて、さらにいろいろな系統の化学薬品あるいは合成医薬品というようなものをどこからか見つけて来ることによりまして、これを患者に用いてその治療効果を判定して行く、またその改良をはかつて行くということが、これが一つの大きい問題だと思うのであります。それにあわせまして、いろいろな診断の方法、あるいは癩の病理学、生理学というようなものを調べて参る、これが一つの大きい仕事だと思つております。もちろんこの場合には科学者、ことに薬科学者の協力というようなものが非常に大切なこととなつて来ると思うのであります。しかしながら今申し上げましたように、基本的な問題、ことに予防方面のことになりますと、菌の培養とか、あるいはその免疫の方法とかいうものが必要になつて参りますので、このような基礎的な細菌血清学的な研究というものが、一つまた大切なことになつて来ると考えるのであります。大体要約いたしますれば、その治療薬の研究、細菌血清学的あるいは動物実験等を用いましての基礎的な研究、それから臨床的ないろいろ的確な診断方法あるいは病菌の分類、治療の方法というようなことが、この癩研究所の担当すべき主要なものであると考えております。これを幾つの部にいたしますか、大体三部くらい設けてやつてみたいと考えておるわけであります。もちろんこのほかにいろ推定されます患者の感染の径路だとか、病気にかかつてから発見されるまでの期間だとか、あるいはこれは非常にまれではありますけれども、治癒あるいは——最近は癩以外の死因によつて死ぬ者が多くなつておりますけれども、死亡に至るまでの期間とかいつたことについてのいわゆる医学的な研究、かようなことも当面この研究所の担当すべき研究項目であると考えております。あわせて、癩のようないろいろの慢性疾患に冒されております人たちの、最近よく喧伝されております精神医学的な研究、あるいはその患者の家族等の生活状態とかいつた問題にも、できますれば癩に関する総合的な研究所としては触れたいと思いますけれども、主要な点はやはり医学的、生物学的な研究を主として参りらねばならぬと考えております。 なお定員は現在十名でございまして、非常勤を五名、それに常勤労務者が五名というような人数になつておりますので、初めからあまりに大きな計画も立てかねるかと思うのでありますが、この人員でもつてやれるだけの最も合理的な機構を整えまして、能率的に運営して参りたいと考えております。 なおこの研究所の性格といたしましては、御承知のように癩問題を解決して行きます上には非常に各方面の学者の協力を必要といたしますので、一応は非常勤の職員を五名予定しておりますけれども、このほかにすでに官立の大学あるいは研究所、その他の施設におりますこの方面の研究者といつた人たちを併任するということで、この仕事を援助してもらいたいと考えております。その中で特に大切なのは、既存の癩療養所の職員等でございます。私どもこの研究所が、現在広く他の研究機関で行われております癩関係の研究を、統合して参る一つの中心になるという考え方が必要なものと思うのであります。予算定員といたしましては一応今申し上げましたように、常勤、非常勤合せて二十名ばかりではありますが、さような意味で研究者の人員の不足を補うためにも、この研究所の常任の職員ということだけではなしに、広く他の機関からの併任者というものを考えれば、相当な人たちに協力していただいて、かなり大きな計画が進められるのではないかというふうに考えておるわけであります。 大体の構想は今申し上げた通りでありますが、そこで場所の問題であります。この研究所を最も効率的に運営して行くということのためには、癩研究所の設置の場所というものが相当重大な意義を持つて来るというふうに考えます。いかなる地がはたして適当であるかということについては、いろいろな点から検討いたしておるのであります。今申し上げましたように、この研究所の性格から行きまして、研究所がただ研究所として活動するのではなしに、いろいろ他の癩学者の研究を集めて行く、またその人たちの協力を得て行くということが必要でございます。そういう意味から行けば、交通の利便な所というふうに考えられます。また癩患者の分布状態というものも考慮の中に入つて来るのであります。特にこの患者の多い地方——将来何年くらい癩研究所の活動が必要であるかわかりませんけれども、やはりこの研究を進めて行く上には最も好都合な所、つまり患者が多いということが一つの条件と考えられるであろう。また現在癩を研究しております学者の分布というものも考えまして、学者及びささやかながらも今日あります癩研究機関の分布の状況というものも見て行く。そうしてすぐれた研究者たちが集まつてチーム・ワークをやつておるところに対しては、これはまたこれで今後もそのチーム・ワークをできるだけ傷つけないように考えて行くことも必要かと思われる。こういうことでいろいろな面から考えまして、結論を申しますと、今私どもとしては最後的な結論には到達しておりませんが、そのほかの点についてもいろいろ考慮いたして、最も適当な場所を定めたいというふうに考えておる次第であります。
○滝井委員 最終的にはまだ位置がきまつていないということでございますが、現在今のような総合的な面から考究いたしまして候補地と見られる地域はどういうところをお考えになつておるのか、できればそれを御説明願いたい。
○曽田政府委員 いろいろ候補地といたしまして、こういう所に置いてもらいたいという意見を私たちのところでも述べられておる所は多々ございます。また最も極端な一つの見解としては、たくさん癩療養所がございます、その療養所にみな小さいながらも研究室がございますので、それをある程度整理して、いわゆる分散主義で行くというのもいいじやないかという意見もあり得るのでありますが、今日私どもは、さような分散は今まで一応組んでいただきました予算等からいつても適当でないと考えておるのであります。場所としてあがつて参つておるところということになりますれば、従来から癩療養所がありまして、そこで相当な研究も行われておるというところで、東京あるいは長島、熊本というようなところなんかが有力な候補地としては考慮されております。
○滝井委員 今予算のお話が出ましたが、このために三千二百九十五万七千円の予算が出ておるようであります。これは当然今御説明になりました十人の、非常勤の方を入れますと二十人くらいですかの人と、それから新しく建てる建物の予算を含んでおると思います。大体このらい予防法の今度改正になる分の実施は、二十九年十月一日から施行する分もあるようでございますが、一体癩研究所は、いつごろから本格的な総合研究にかかれるものなのか、これをひとつ承りたい。
○曽田政府委員 できるだけ準備を急ぎたいというふうに考えておるのでございまして、私どもも、今のところ最後的にまだきまつておりませんと申し上げたのでありますが、できるだけは早急に場所をきめて、運営は、予算書にも載つておりますように、十月一日からこの研究所の運営をいたすことになつております。
○長谷川(保)委員 医務局長に伺うのはちよつとお門違いかもしれませんが、らい予防法の二十一条の改正でございます。生活保護で今までやつておつて、秘密漏洩になるということで、前国会におけるらい予防法の改正のときに九項目の附帯条件がついて、そのうちの二つが今度ここに一応実現されるという形になつたわけでありますが、今までの二十一条でありますと、生活困難な人に対してどうするかということが具体的にありましたが、今度の改正ではその具体的なものが削られて来たわけであります。そこでどういうようにして生活困難な人を認定し、どういうふうな方法で具体的にこの生活の援護をして行くか、具体的なことを伺いたい。
○聖成説明員 ただいまの長谷川先生の御質問でありますが、現行のらい予防法の第二十一条は、国立療養所の所長が、入所患者の扶養しなければならない親族を当該国立療養所の職員に訪問させて、その実情を調べて、必要があれば、生活保護法あるいはその他の福祉の措置を受けるのに便宜を与えてやる、援助を与えてやるという規定であつたわけであります。今回の改正にあたりましては、現行の二十一条を削除いたしまして、ただいま提案になつておりますような内容にかえたいということなんでございます。以前の規定は、実際の方法が具体的であり、今度のが何か具体的でないというような御質問のように承つたのでございますが、今回のは、現行の二十一条とは若干内容が異なりまして、患者が療養所に入つておりますために、その留守家族が生活に困るという場合に、入所中の患者が安んじて療養に専念できないということでは困りますし、またいまだ療養所に入りません患者が、自分が行くと、あとの者が生活に困るということを理由にして、療養所に入らないということでも困りますので、療養所に入つてしまえば、あとの生活は心配ないというふうにして入れてやりたい、また入つておる患者も後顧の憂いなく療養に専念できるようにしてやりたいということで、従来の生活保護は、先生も御承知のように、秘密の点その他でこれを受けるのを非常に忌避する傾向もございましたので、都道府県衛生部の癩係の職員が、初めからこの人だけは何もかも知つているわけでございますから、この当該職員があとのめんどうを見てやろう、こういう趣旨でございます。かように御了承いただきたいと思います。
○長谷川(保)委員 そうすると、都道府県の癩係の方が、大体大小はありましようが、一人か二人はおりましようが、その者が、大体事情がのみ込めているから、困つておると思うところは見てやるということになりましようか、あるいは療養所内の患者の方から援護を願い出るというようなことになりましようか、今度具体的に書かないということは、むしろどういう方面からでもそういう事情が出て来ればやつてやる、こういうような意味でありましようか。いずれにいたしましても、秘密漏洩をおそれるわけでありまして、それについて、前年患者からの非常な要望があつたわけであります。どういう方向にやることが一番秘密の漏洩を防ぐことができるか、これが今日も患者諸君の非常な問題であると思うのですが、その点を具体的にどういうようになさるつもりでありましようか。
○聖成説明員 実際問題といたしましてこの仕事をやつて行きますためには、二つの場合が考えられると思うのであります。まだ入所いたしませんで、在宅しておる者につきましては、申すまでもなく、府県の癩係が入所勧奨その他に参りまして、よく事情がわかつておるので、この点は心配ないといたしまして、すでに療養所に入所いたしまして、相当の期間を経ておるような者になつて参りますと、府県の方ではただちに事情がわからないという点が先生の御心配かと思います。運用の面におきましては、そうした場合、入所しております患者から療養所側に、自分の家族がこういう状態で困つているという申出があります。そういたしますと、平素当該療養所と都道府県の衛生部の癩係というものは緊密な連絡がとれておりますので、ただちに当該療養所から癩係に連絡が来る。それによつて癩係がその家を訪問いたしまして、めんどうを見てやる、こういうような方法をとりたいと思つておるのであります。 なお府県の癩係は年に少くとも数回はその区域とする療養所へ参りますから、その際に自分の県出身の患者と癩係がいつも連絡をとつておれば、療養所の手を煩わさなくとも、そういう実情を把握することができるのではないかと考えております。
○長谷川(保)委員 さらに具体的になりますが、そういたしますと、たとえば生活に困つておられる療養所に入所しておる患者の家族がある。その場合に、その患者の方から所長の方に申し出る、あるいは療養所のケース・ワーカーというものに申し出る。所長の方から府県に連絡があつて、府県の癩係が一切の手続をしてくれるのか、それとも患者の家族の方で何らかの手続をすることになりますか。
○聖成説明員 その点はすべて癩係がまわつてやつてやる。書類までつくつて、それを見せて、判こを押させるところまでめんどうを見てやるようにいたしたい。
○長谷川(保)委員 その額は一率にするのでしようか。それとも生活保護法のように、部分的に与えるということもあるのでしようか。また生活保護法に比べて、その金額は上でしようか、下でしようか、一緒でしようか。
○聖成説明員 これによりまして援護をいたします場合の援護の要否の認定を行います際には、生活保護法よりも若干幅を持たした運用をいたしたい、かように考えております。実際に支給いたします金品につきましては、生活保護法の基準と同一程度のものを支給いたすように考えております。
○小島委員長 それでは爾余の質疑は次会に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。次会の日程は公報をもつてお知らせいたします。 午後零時二十分散会