厚生委員会 第12号
- 発言数
- 64 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/03/09
会議録
○小島委員長 これより会議を開きます。 まず日雇労働者健康保険法の一部を改正する法維案を議題とし、質疑を続行いたします。本案についての御質疑はございませんか。——他に御質疑もないようですから本案の質疑は終了したものと認めるに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小島委員長 御異議ないようでありますから本案の質疑は終了したものと認めます。 次に本案の討論に入ります。柳田秀一君。
○柳田委員 この日雇い労働者の健康保険に関しましては、過ぐる前々国会に本案が上程されましたときに、われわれ社会党といたしましては、本案のごとき名は日雇労働者健康保険法でありますが、その実は、はなはだしくその名にそぐわない本案に対しまして、反対いたしまして、両派社会党で共同修正案を出したのであります。その趣旨といたしましたところは、この日雇労働者健康保険法が給付の条件において、あるいは内容において、その他諸手当において、それらをつぶさに検討いたしますのに、真に社会保障の一環としての健康保険法の実を備えていないというところにあつたわけであります。しかもわれわれの修正案によります法案は、むしろ厚生省当局が最初に立案された原案に近いものでありまして、おそらく御提案になつておる厚生省当局も、みずから御提案になつた原案よりも、わが党案に内心御賛成であつたろうと思つておるのであります。さらに討論に立たれた自由党の青柳議員、改進党の山下議員からも趣旨においてまた内容において、いずれも両派社会党案を御支持願つたのでありますが、悲しいかな限られた財政上、予算上の措置ということによつてわずかに原案に賛成せられわれわれの案に反対せられる方が多かつたのであります。従いまして今回出ました案は給付の三箇月を六箇月に延長されるのでありますから、これはむしろわが党案にやや近づいて来た。その点においてのみ、やや近づいて来たということは言えるのでありますけれども、原案そのものについては、われわれはいまなお著しく不満を持つております。しかしながら、現行法が三箇月から六箇月になつたということにおいては、われわれは賛成するのであります。従いまして、本案はわが党案が最初に申しましたように、すみやかに本来の目的に沿うたような案になることを条件といたしまして、賛成をするものであります。以上日本社会党を代表いたしまして、わが党の態度をはつきり申しておくわけであります。
○小島委員長 他に討論はございませんか。——杉山君。
○杉山委員 今柳田委員もお話になりましたように、本法案に対しましては、前国会において、両派社会党が政府案に対して修正の案を出したわけであります。私ども両派は、社会上最も気の毒な生活をしている、一歩誤れば生活保護になる人たち、この人たちこそ最も手厚い社会保険をやらなければならない、こういう立場からいたしまして、今柳田委員の仰せになりましたように、日雇労働者健康保険法の一部改正の政府原案に対して、修正案を提案いたしたわけであります。しかし今お話のように、予算が伴わない、やむを得ない、この範囲でやるのだということでございました。今回の政府の改正は、今お話のように、医療給付の期間がようやく私どもの要求いたしました六箇月ということに相なりましたので、一歩前進した。この点においてたいへん喜ばしいのであります。しかし私どもがあのときに修正いたしました案には、まだ非常にほど遠いのであります。どうか今柳田委員も仰せになりましたように、医療給付の種類におきましても、あるいはそのほか負担の問題につきましても、一日も早くわれわれ両派社会党が修正いたしました案に近づいて行くように、政府の努力を要望いたしまして本案に賛成する次第であります。
○小島委員長 以上で討論は終局いたしました。 採決いたします。本案を原案の通り可決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小島委員長 御異議もないようでありまするから、本案は原案の通り可決いたしました。 なお本案に関する委員会の報告書の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小島委員長 御異議なしと認め、そのように決します。 —————————————
○小島委員長 次に医薬関係審議会設置法案及び医療法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、審査に入ります。 まず中山政務次官より趣旨の説明を聴取いたしたいと存じます。中山政務次官。
○中山(マ)政府委員 ただいま議題となりました医療法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。 医療法におきましては、病院について傷病者の収容加療を主たる目的とする医療機関としての性格を明示し、その有すべき医療関係者の数、施設等につきまして、特に一定の基準を設けているのに対しまして、診療所につきましては、原則としてこれらの規則を行わず、その第十三条において、診療所の管理者は、原則として同一の患者を四十八時間を越えて収容してはならないこととしているのであります。ただ、医療法制定の際、病院の分布の状況等にかんがみまして、同法の附則において第十三条の適用について特例を設け、さらに、昭和二十六年法律第二百五十九号「診療所における同一患者の収容時間の制限に関する医療法の特例に関する法律」をもつて同条の適用を本年十一月十一日まで猶予して来たのであります。 さきに申し上げました通り、病院は患者を収容し、診療することを建前として設けられ、組織されており、従つて、収容を要する患者は病院において診療することが一般的にいえば望ましいことではありますが、診療上やむを得ない事情がある場合には、診療所におきましても四十八時間以上収容して診療する必要がある場合も少くないのでありまして、特例法による猶予期間終了後医療法第十三条を適用いた、しますことは、国民医療上かえつて支障を来すおそれがあると認められますので、今回医療法第十三条そのものを改正して、診療上やむを得ない場合のほかは、診療所の管理者は、同一の患者を四十八時間を越えて収容しないように努めなければならないこととし、同条違反に対する罰則を削除することとした次第であります。 なお、右の改正に伴い、「診療所における同一患者の収容時間の制限に関する医療法の特例に関する法律」を廃止することといたしております。 以上が本法案の提案理由であります。何とぞ御審議の上すみやかに可決されるようお願い申し上げます。 ただいま議題となりました医薬関係審議会設置法案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。 御承知の通り、去る昭和二十六年六月二十日に制定公布されました医師法、歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律は、明年一月一日から施行されることになつておるのであります。この法律によりますと、薬剤師でない者は、販売または授与の目的で調剤をしてはならないこととなつているのでありますが、獣医師が自己の処方箋によりみずから調剤するとき及び医師または歯科医師が、患者または現にその看護に当つている者から、特にその医師または歯科医師から薬剤の交付を受けることを希望する旨を申し出た場合、省令の定めるところにより診療上必要があるとされる場合及び省令の定めるところにより薬局の普及が十分でないとされる地域で診療を行う場合において、自己の処方箋によりみずから調剤するときは、販売または授与の目的で調剤することができることになつているのであります。また医師、歯科医師は、患者に対し治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認める場合には、患者または現にその看護に当つている者に対して処方箋を交付しなければならないこととなつているのでありますが、省令の定めるところにより処方箋を交付することが患者の治療上特に支障があるとされる場合は、これを交付しなくてもよいとなつているのであります。しかし以上申し述べました省令を制定しまたは改正しようとするときは、別に定める審議会の意見を聞かねばならないと規定されているのであります。従いまして、以上のごとき省令の制定及び改正について調査審議させるため、このたびここに医薬関係審議会を設置し、あわせてその組織及び運営の方法を定めんとする次第であります。 以上が、本法案を提案いたしました理由であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望する次第であります。
○小島委員長 この両法案は、昨日付託になつたばかりでありまするので、質疑は次会以後に譲ることといたします。 —————————————
○小島委員長 次に身体障害者福祉法の一部を改正する法律案、児童福祉法の一部を改正する法律案、消費生活協同組合法の一部を改正する法律案、未帰還者留守家族等援護法の一部を改正する法律案、以上四法案を一括して議題とし、前会に引続き質疑を続行いたします。岡良一君。
○岡委員 実は、ただいま御提案になりました両法案に関連いたしまして、この際お尋ねをしておきたい点がありますので、お許しを願いたいと思います。特に医薬分業を前提とする審議会設定ということにつきましては、この問題が五十年以上の医薬担当者と医者の葛藤の歴史を持つ問題でありまするので、この問題は、法案としては完全なようでありながら、われわれとしても重大な関心と、合理的な解決を求めたいと存じておるのでありまするが、問題は常に薬剤師側と医師会側とが、自己の利益を中心として、この分業問題にタッチをしておる、こういうことからいたしまして、むしろすべての国民の衛生の向上とか、また保健医療内容の合理化とかいうような、こういう大局的な観点を離れておるのでありまするが、私どもとすれば、やはり現行の保険財政なり、また被保険者とその扶養家族という、公衆の保健衛生の向上という観点から、この審議会の運営が全きを得ることを心から期待をいたしておるのでありまするが、それに関連いたしまして、一応二、三点お尋ねをいたしたいと思うのであります。 まず第一にお伺いをいたしたいことは、現行の社会医療保険における一点単価の構成はどういう内訳になつておるか、と申しますのは、たとえば十一円五十銭という一点単価は、何と何がどの程度に見積られて、大体その程度がよろしかろうという結論になつておるのか、その点をお伺いしたいのです。
○久下政府委員 お尋ねの点につきましては、ただいま手元に精細な資料を持つて来ておりませんので、ごく大体のことを申し上げますると、昭和二十四年九月の医療経営に関する実績調査がございます。それを昭和二十七年の一月現在までの物価、あるいは賃金等の移動の指数を見まして、その指数を乗じました各個の要素を出しまして、その集計いたしました数字と、それからもう一つは、医師の世帯支出と申しますか、生活費の分につきましては、一般的な家計調査の報告がございます。るので、これの二割増しを出しまして、それらを全部合計し、これに理論的な税金を出しまして、それも加えました総経費を、医者が一箇月に通常の場合働くであろうといういわゆる稼働点数というもの、これが四千九百点ほどでございますが、それの四千九百点で除して得ましたものが平均の単価になつておるわけでございます。これが十一円八十何銭でございます。それを甲地、乙地にわけまして、十一円五十銭、十二円五十銭こういうふうにいたしたものでございます。詳細な数字につきましては後刻ただいま申し上げた線に沿いますものをお届け申し上げたいと思いますので、御了承を願いたいと思います。
○岡委員 私もこういう質問を申し上げることもいささかうかつな話ではありますが、この審議会の問題を検討する場合必要なので、私どもの承知する限りでは、一点単価の構成は、たとえば今御指摘の税金がどれだけになつておるかということ、またベツトを持たない開業医のいわゆる限界経営費の一箇月に必要とする経費というようなもの、あるいはまた医薬材料は原価とし七幾らになつておるかというようなことか主たる内容、あるいは要素になつておつて、医療技術というものに対する評価がなされておらないという点を感じておるのであります。そこで今おつしやいましたこの一点単価、十一円八十数銭というものが、この内訳は税金がどれだけで限界経営費がどのようにその中に振り向けられているか、医薬材料はどのように評価されているかという点、そしてまたその中に医療技術というものに対する何らかの評価があるならば、それはどういう数字をもつて示されているかという点は、私ははつきりと明確な数字をお伺いいたしたいと思います。資料をもつて御提出を願いたいと思います。 その次の問題は、今日本の歯科及びすべての内科、外科その他の医科を含めまして、国民の医療費は売薬を除いて、どの程度と大体厚生省の方では見積つておられますか。
○曽田政府委員 非常にむずかしい問題でございまして、資料それ自身の吟味あるいはその資料に基きましての推計の方法というもので、いろいろ狂つては参ると思うのでありますが、なお今日私どもが集めております限りでの推計の方法等は、これもただいまここに詳細な資料を持つて来ておりませんから、いずれ資料として提出さしていただきますが、大ざつぱに考えましては、大体千五百億程度ではないかというような、これは私の記憶でございますが、これがあるいはもう少し少くあるいは多く二千億近くになるかもしれません。大ざつぱにはそれくらいの見当じやないかと思います。
○岡委員 その問題のことは、確かに仰せのようにそう的確な資料は手に入れることも困難であろうと思いまするけれども、大体の健康保険の被保険者の罹病率、その該当の請求件数などから演釈をされれば、大体の市価については得られそうに思いますので、最低のこの程度まではどうしてもいるというような数字は、やはりぜひとも資料で御提出を願いたいと思います。 さらにお伺いをいたしたいことは、もし現行の十一円八十数銭という単価をかりに一円引上げますると、国民健康保険と現行の健康保険において、政府管掌、組合管掌別にどの程度の保険財政へのいわば負担増になりましようか。この点お示しを願いたいと思います。
○久下政府委員 現在の単価を一円上げることによりまして、政府管掌健康保険におきましては二十八億四千万円、組合管掌健康保険におきまして十四億八千万円、船員保険におきまして約八千万円、国民健康保険におきまして、これは保険者負担分だけでございますが、十一億三千二百万円、大体その程度の増加だと思つております。
○岡委員 そうするとかりに一点単価を一円上げると大体総額として五十五億前後の増に保険財政にしわ寄せが来るわけなのですが、今は御存じのように、健康保険あるいは国保の指定医また生活保護の医療を預つておる医師も、この現行の一点単価をもつてはなかなか良心の許す治療ができないということで、全国各府県の医師団体もそれそれその声をあげておるのでありまするが、この一点単価と引上げということは、現実にどういう点に険路かあつて不可能なのであるかという点を承りたいと思います。
○久下政府委員 先ほどお答え申し上げましたのは、御質問の点だけに触れてお答えしたのでございますが、申し落しております大きなものでは、生活保護法関係あるいは共済組合の関係等大体健康保険の単価が変動いたしますことによつて財政に影響のあります制度が約二十ほどございます。これを直接保険財政に全面的に影響するものと、それから国の財政に影響する部分だけをとりましても、一点単価を一円増額することによりまして、その双方を合せまして八十億ほどの影響になるわけでございます。単価の問題はそのように単純に社会保険それ自身の問題ではございません。今日におきましては、今申し上げました約二十に及ぶ制度がこの健康保険の単価に準じあるいはそのままこれを採用しております関係もございます。そうした全面的な各種の制度に対する影響というものを考慮してはからなければならないと思うのでございます。なお単価をかえることの問題が大きいと申しますのは、そうした問題のほかには、単価それ自身をどういうふうな材料でどうきめて行くかということにまた大きな幅の広い議論があるわけでありまして、この点は現行単価決定の際のいきさつを見ましても御承知のようなことでございます。おそらく今後単価問題を検討するといたしましても、そういうような非常に広汎なまた深刻な、とるべき材料にいたしましても、どういうものをとるかというような問題について、積極的な検討を加えてかからなければならないと思つておる次第であります。そのほかに単価問題は、私どもとしてはひとり単価問題だけで解決すべきものであるかどうかということにつきましても、検討を要するものがあると思つておるのでございます御案内のように、現行の社会保険診療報酬は点数と単価をかけ合わしたものによつて、結論として診療報酬が出るようになつております。この点数単価というようなものにつきまして、点数だけを見てよいのか、単価もあわせて考えなければならないかというような問題もございます。さらにさかのぼつて点数単価制度そのものに対する批判もあるわけでございまして、こういうようなからみ合つた問題が非常に広汎になつて参りますので、単価問題というものは一口にはそう申しますが、これは広く社会保険診療報酬の問題として考えます場合には、今大ざつぱに申し上げたような面から十分検討を要するものと思う次第であります。
○岡委員 私がお聞きしておるのは、かりに今所在の健康保険担当医が単価の引上げを強く要求しておる、ところがこれにこたえることができない、なぜできないのかという具体的なできない理由をお示しを願いたいということをお聞きしておるのであります。
○久下政府委員 簡単にお答えのできませんのは、今申し上げたような各楠の問題につきまして実質的にまだ各方面のまとまつた意見も出ておりませんからであります。特に具体的な問題といたしましては、現行単価決定の跡始末と申しますか、善後措置として設定せられました臨時医療保険審議会というのが、現在審議を継続いたしておりまして、すでに長い間審議を続けておるのでありますが、考え方といたしまして、私どもは現行の単価そのものがき凍りました直後に、根本的に再検討をすべきであるという建前から、現在の臨時医療保険審議会というものが設けられておるのであります。私どもといたしましては、その審議会の意見も今日のところまとまつておりませんので、そういうふうな単価問題をただちに正式に取上げる段階にまだ至つておりませんようでございます。
○岡委員 実は医薬分業を実施するということと、社会保険医療報酬の場行の制度、一点単価と点数のかけ合せというふうなことによつて診療報酬を決定しておるという現在のやり方というものは、非常に密接不可分な関係にあると思う。それであるからやはり現行の社会保険医療報酬の算定の仕方というものを、やはりこういう機会に根本的に建て直す必要がありはしないか。このことが、おそらく日本の医療行政の大きな中心の課題になつて来ておるのではないかというふうに考えるわけなんであります。というのは、私ども開業早々は、やはり初めて健康保険制度がしかれたときでありましたが、そのときには請負制度であつた。だから一箇月ごとにいわゆる一点単価は違つておつた。それにしても大体昭和九——十一年平均は一点単価は十五銭くらいであつたわけです。ところが今はこれが十一円八十銭ということになると、倍率からいえば七十倍余り、八十倍弱ということになる。ところがたとえば医師の一点単価の算定の一つの基準となつておる医薬材料を見ても、内科の局方薬を見ても、その値上りは三百倍、四百倍になつておる。医師の生活費は、その主要食糧についてみても、やはり三百倍、四百倍になつておる。そういうようなことと、一点単価の値上りとの間に非常な矛盾がある。私はこれが高いとか安いとか、医者が非常に不利益を強制されているというのではないが、問題はこういうふうな結果になつて来たというところに、やはり社会保険医療報酬を中心として、これが準用されておる生活保護法の医療扶助なり、未復員者給与法に基く医療扶助の給付なり、あるいは給付ではない報酬なり、またそのほか結核予防法のそれにしても、すべてがそうした公的な制度によつて国が一本の窓口から支払いをしておる医療報酬というものは根本的に考えなければならぬ。この問題を解決しないと、医薬分業がいつまでたつても、日本の医療上からいえば、国際的にもみつともないけんかの種に実はなつておる。であるからこの問題をやはり合理的に解決をしよう、ここに医薬分業の合理的なまた円満な解決のかぎがあろうと思うのでありますが、それは言いますまい。それはまたあとの問題にいたしまして、それでは一体今仰せられた臨時社会保険報酬審議会ですか、こういうものはいつ一体結論を出すのか、またどういうふうにこの審議会が問題を解決しつつあるのか、また小山君もおられるが、この前サムス准将の示唆によつて医療分業実施のための、いわゆる臨時医療制度調査会とか、臨時医薬何とか報酬調査会というものをこしらえて一応結論を出したのであるが、あれはその後のこの問題解決のために、行政上これが何らかのスタート・ラインになり、参考として十分に考慮されておるのかどうか、そういう点をひとつ伺いたいと思います。
○久下政府委員 前段の問題について私からお答え申し上げます。最初の部分は御意見のようでありましたから、あえて申し上げる必要はないのかもしれませんが、私どもとしては医薬分業というものと社会保険診療報酬というものとは、どちらが前提になるかということにつきましては、確かにお話のように議論のあるところだとは思つております。しかしながら医薬分業が先行して、社会保険診療報酬に対してこれを全面的に手をつけなければならないようなことになるかどうかということは、医薬分業の取上げ方、またその問題のきめ方によつて行くのではないかと見ておるのであります。臨時医療保険審議会についてのお尋ねでございますが、一昨年六月から発足いたしまして、一年半以上たつているわけでありますが、今日まだ原則論につきましても結論は出ておりませんので、各方面からいろいろと御注意を受けておる次第であります。実は昨年の夏ごろから、そうした各方面の御注意に対しまして、審議会自身におきましても、何とか早く結論を出したいというようなことから、小委員会を設けまして、医療保険に関する原則的な事項をとりきめようということで、鋭意審議をいたしておるわけであります。しかしながらすべてのものをきめて行く大原則を打立てるという大きな議題に取組んでおる関係もありまして、非常に意見も多くありまして、まだ結論に達しておりませんけれども、だんだんこの原則論も終局的な段階に近づいておるものと私どもは見ておるのでございます。来る十一日にも小委員会を開催いたしまして討議を進めることになつておりまするが、すでに小委員長自身のメモ的な資料も計画されるということで、内容的にはかなり実質的な進捗を見ておるというのが現状であります。
○曽田政府委員 先般の臨時診療報酬審議会の答申がどのように利用されておるかという点について、私どもといたしましては、あの答申の線に沿いましていろいろな実例等の資料を集めて、それがどういうふうに適用できるかというようなことをいろいろ検討しておるような次第であります。大体あの線からはずれずにいろいろな考え方を進めておるような状況であります。
○岡委員 議論の問題だからこれは追つて次の機会にしますが、しかし医薬分業と、現在の社会保険の医療報酬のあり方とはきわめて密接な関係にあるということは、私は繰返し申し上げたいと思うのです、と申しますのは、大体医薬分業が医師会と薬剤師会の紛争の種となつて五十年間、これは結局のところいざとなればやはり医師の利益の問題、薬剤師の利益の問題が根底にあるから、問題が複雑性をきわめて来ておるということはいなめないと思う。ところが公立病院であろうと私立病院であろうと、また私設の診療所であろうと、ここに来る患者というものは六割も七割も八割もが社会保険の被保険者あるいは生活保護法の適用を受けておつて、何かの形で国家の窓口からその医療費は支払われておる。そうなつて来ると結局一点単価というものが問題になつて来る。そこで一点単価に医師の医療技術に対する正しい評価がないということになつておるから、結局自己の購入する医薬材料プラス・アルフアを求めようとする。また薬屋とすれば卸屋から仕入れた薬に対して調剤手数料などという手数料を求めようとする。このプラス・アルフアをめぐつての確執が医薬分業を根底的に困難ならしめておることは言うまでもない。してみれば現在の社会保険制度以外にも、生活保護法なりその他公的な医療制度においては一応医療に必要な点数を基準として支払いが行われたということ、この点数計算制度が正しいかどうか、この中に医師に対する技術の正当な評価があるかないか、なければただちに医師の購入した材料プラス・アルフアとして、医師は現実にそこに大きな関心を注がざるを得ない。そういう意味で、日本の医療体系をつくるための一つの根底として医薬分業をスムーズにさせようと思つた場合には、どうしても現行の点数の基礎となつているいろいろなフアクターに中に医師の診療技術に対する評価がない、これを何とかやはり合理的な評価を打出すという根本的な頭の切りかえと取扱いの体制がないと、この問題はなかなか複雑な政治問題になるであろうというふうに私には思われるので、あえて申し上げるわけなんです。そのことは実際こういう事例があるわけで、現に私どもが会つてその体験を聞いて来ており、また事実を見て来ております。たとえばイタリーへ行つてみたところで、ドイツへ行つたつて、フランスへ行つたつて、医薬分業をやつておる。英国は当然やつておる。ところがバーゼルを持つ、世界の優秀な製薬会社が集中しておるスイスでは、医師は調剤するのに、ある特殊なものを除いては、ほとんど錠剤でやつておるということで、医師としてはむだな資本を投下してそういう錠剤を買い込んでおくということは医療経営上いわば不経済だというので、スイス医師会は医薬分業をやつてくれということを提唱しておる。ところがスイスの国民はやはり信頼のできる医者の手から薬がもらいたい、どこへ行つてももらえる錠剤ではあるけれども、医師の手からもらいたいというので、三回国民投票をやり、三回医薬分業をやつてくれという医者の要望が敗れておる、スイス医師会の医者がこういう話をしておる。このことは二つの問題を含んでおると思う。一つは、現在の患者の気持としては、医療担当者に対するやはり人間と人間との信頼、道義的な職分ということから、そうした人間的な信頼感というものに結ばれておることが、薬屋から買つて来る錠剤と、医師の手から、医師の判断によつて如実に自己の手に渡された錠剤とでは、やはりそこに受ける者の気持の上に違いがあるという微妙な心理の動きが一つあること、いま一つはスイスの医師会は、先ほど申しましたように、現実に自己の経営上そういう薬を貯蔵して、いわば資本を焦げつかしておく、またそのことのために多少のやつかいな手数が必要であるなどということは、医者としてはお断りしたいという考え方の衝突が、あべこべの形でスイスでは出ておるのです。こういうところにやはり問題はあると思いまするが、それではスイスの社会保険では一体どういうふうにやつておるかというと、スイスではこうやつておる、初診料は四百五十フラン、四百五十円、二診がその次、三診がその次ということになつておる。何も私どもはスイスの例にならえと言うのではありませんが、そういうふうに医師の診療技術というものを非常に高く評価しておる。であるからして、医師会の方から、特にこの国には世界に著名な製薬会社がたくさんあり、ほとんどの薬が錠劑化しておるということから、ぜひ医薬分業でやつてくれという主張がある。ところが患者の方には、先ほど申しましたように、封建的な心理であるかもしれないけれども、医師と患者との間の人間的な感情というものがあり、これで国民投票では医師の医薬分業の主張が否決されておる、こういう事実を私はスイスの医師会長に会つて聞いたことがある。そういうことを考えた場合に、やはり何としても医療技術を正当に評価をすることは、日本の国としても近代国家として当然この際建直しをして、こういう問題については本格的に取組んでいただきたい。これは政府だけの責任でもなく、われわれの共同の責任ではありまするが、そういうふうに持つて行きたいということを念願をするわけなんです。 そこでこういうふうにるる質問をしておりますのも、国税庁長官の御出席を待つておるのですが、まだお見えにならないのでしようか。
○小島委員長 まだ見えておりません。ですからしばらく留保していただきまして、杉山先生の質問をお許ししたいと思います。 —————————————
○杉山委員 私は消費生活協同組合法の一部を改正する法律案について、先般お伺いいたしたのでありますが、なおいま少しお伺いをしておきたい点があるのであります。先般も申し上げましたが、消費生活協同組合の、こときは、これはどこまでも自主的な組合でなければならないと考えておるのでありますが、今度の改正案を見ると、どうも組合の自主的な部分を非常に侵害しておるというか、そういうような点が強く見受けられるのでありますが、そういう点はないでしようか、お伺いいたします。
○安田政府委員 今度の改正が組合の自主性をそこなうのではないかというお話でありましたが、おそらく取締規定が若干強化された点が御指摘の点であろうかと思いますが、終戦後消費生活協同組合が運営されて参りました現状を見ますと、いろいろとうまく行つていない点がたくさん出ておることは、杉山委員もよく御存じのことと思います。そういうものが直らないために消費生活協同組合に対する信用がかえつて失われておるというような現状もございます。今回の改正につきましては、いろいろ研究いたしまして、そういう点では最小限度の取締りをして、いい組合は早く伸ばして行く、悪い点は是正して行くということで、そういつた態勢を整えて、今後さらに助長するような政策をとつて参りたいと考えております。
○杉山委員 お話のように組合の中にははなはだおもしろくないものもございますので、それらを指導誘掖して行くという立場から、多少指導監督と申しますか、自主性に対しては一部抑制するようなことがあるということならば、私どももこれは認めて参りたいと思うのでありますが、そういう部分があまり強くなされますと、かえつて角をためて牛を殺すようなことになろうかと思いますので、指導誘掖をする場合には、協同組合の性格にかんがみて、十分自主性を重んじられるよう御注意願いたいと思うのであります。 そこで「第九十五条第一項を次のように改める。」というところに「期間を定めて、必要な措置を採るべき旨を命ずることができる。」と書いてありますが、「必要な措置を採ることを命ずる」というのは、どういうことをお命じになるのでしようか。
○安田政府委員 いろいろございますけれども、法令違反の実行等がございましたときにそれを直させるような措置をとる、たとえば長く総会を開かないような場合にそれを開かせるように措置するとか、あるいは貸借対照表について間違いがあつたときに直させる、そういつたようなことを考えておるわけであります。
○杉山委員 今、「第九十五条第一項を次のように改める。」というところの一号、二号に書いておりますようないろいろなできごとがございますときに、監督官庁としていろいろな処置をとる、こういうのですが、私はその処置を伺つておるので、どういうふうな処置がそういう場合にとられるのか、私の伺つてみたいと思います点は、必要な措置といううちにやはり解散というようなことなども含まれておるのかどうかという点であります。
○安田政府委員 解散は考えておりません。
○杉山委員 この第三号のところの「前各号に掲げるものの外、その運営が著しく不当であること。」こういう場合ができました場合、また先ほどお話のように、今の消費生活協同組合の中には多少こういう心配のあるものもあろうと思うのでありますが、そういうのをすぐにこの言葉をもつて、今申しますように、監督権を発揮いたしまして——今伺いますと解散は命じないということでございましたが、そういう場合にあるいは営業停止をさせるとか、何かそういうようなこともあるのでないかと思うのでありますが、そうういうような問題について、今の第三号の場合にはどういうお考えを持つておるのであるか、この点をお知らせいただきたいと思うのであります。
○安田政府委員 今御指摘の新しい条文の九十五条第一項第三号でございますが、第二条第一項に「左の各号に揚げる要件を備えければならない。」とございますが、これは協同組合としての基礎的な成立条件でございますで、これを欠くに至つた場合ということでございます。第三条第三項というのは、新しくできました名義貸しの場合でございます。それから「第十条若しくは第十二条第三項の規定に違反した場合」というのは、十条は事業制限に違反した場合、十二条は員外利用の場合、それから第一項第二号に掲げる事由に該当する場合において、行政庁は第一項の命令をなしたにもかかわらず。これに従わないときというのは、措置命令をなしたのに従わないというのでありまして、これはここに書いてありますように、「正当な理由がなくて一年以上その事業を休止し、又は正当な理由がなくてその成立後一年以内にその事業を開始しないこと。」というようなことでありますので、解散をいたします場合には非常に限られた場合を予想いたしておるわけでございます。
○杉山委員 そういうはつきりとした理由のある場合であつて、ただこの運営が悪い、どうもこの点が非常にまずいというただ役所の一方的な考えでやられる場合があつてはならぬと思うのですが、御承知のように、過去においてそういうような実例があつたことは皆さんよく御承知だと思う。たとえば灘のような、ああいうりつぱな組合でも、戦時中にいわゆる役人の忌諱に触れていろいろとめんどうな制限を受けた。こういうことを、私は近くにおつてよく知つておるのでありますが、もしこういうような規定がございますときに、今言うようなことでせつかくの組合が制限をされあるいは解散をされるような危険があつてはならないと思うのであります。そういう点について生活協同組合の人たちは非常に心配をしておると思いますので、その点はつきり伺つておきたいと思つたわけであります。
○安田政府委員 今の御心配は、九十五条の「前各号に掲げるものの外、その運営が著しく不当であること。」ということでございますが、それに対して措置命令は出しますけれども、それを理由にして解散にすぐ行くということは、この規定からはできないことになつております。従つて解散をいたします場合には、この九十五条の第一項第三号に書いてあります法令違反であるとかあるいは一年以上事業をしないとか、成立いたしまして一年以上事業を開始しないとか、そういうはつきりしたものだけをとらえて解散いたすようにいたしております。
○杉山委員 しかし第三号には、各号のほか今言うような運営の著しく不当であること、こういうことが書かれておる。「著しく不当であること。」ということは非常にあいまいであるから、重ねて伺います。
○安田政府委員 御心配の点はわかるのでありますが、「著しく不当である」ということに対しましては措置命令ができるというだけであります。措置命令は解散ではないのであります。先ほど申しましたように、不当な点を直せということを命令することができるわけであります。その不当な点を直さない場合にはどうするかということだと思いますが、それだけでは実は解散命令の根拠にならない。解散をいたします場合には、先ほどから申しましたように、協同組合としての根本的な条件に欠けるというような場合、それから今回新たに入りましたところの名義貸しの問題であるとか、あるいはこれに書いてありますところの事業を一年以上休んでおる——これは実はたくさんあるのであります。こういう休止組合を整理するという意味もございます。それから新しく認可されながら一年以上もほつて置くというような場合。それまでに私どもといたしまして必要な措置はとりますけれども、しかしそういうことが一つ解散の理由になるだろうというのが三号であります。ですから「著しく不当」という御心配の点だけでは、措置命令は出せるけれども、解散命令にはならないということなのであります。
○杉山委員 そういうような措置命令を出します場合においても、ぜひ監督官庁の独断でなしに、協同組合なら協同組合の連合等もございますわけでございますから、そういう方面の意向も聞き、またいろいろと後進の道も開くようにぜひ御指導していただきたいということを申し述べて、この点に関する私の質問を終りたいと思います。
○山下(春)委員 ただいまの杉山委員の御質問に関連してでありますが、監督官庁にちよつとお伺いしたいのは、生協というものは非常に必要な組合であり、今後もまた、今年あたりの国民の生活状況からいつて非常に必要な機関であると思いますが、生れて六年間一向育ちません。今回改正されるいろいろな要点も、非常に生協がまがつて育つて来たところを是正しようというねらいであろうと思います。そのことは私はある程度必要だと思うのでありますが、非常に必要な組合であるにもかかわらず生協が正当に育たなかつた最も大きな原因は何であつたとお思いでございましようか。
○安田政府委員 これは先般杉山委員の御質問がございましたときにもお答えをいたしたのでありまして、非常にむずかしい問題なのでございます。生活協同組合の側でいいますと、必要な資金を得る道がむずかしいとか、あるいはまた税法上もう少し保護規定を設けたらどうかというようなことがございます。こういう点につきましては、私どももできるだけ手を打たなければならぬと思いまして、税の問題にいたしましても、あるいは資金の問題にいたしましても、できるだけのことはいたしておるつもりであります。しかし今後こういう面につきましてはいろいろと努力をしなければならない点が多多あると思います。なおまた資金を得る問題にいたしましても、自己資金を得るために、出資金に対する剰余金があつた場合の配当でございますが、これは従来は五分しかできなかつたわけであります。これを一割に上げるという規定がこの中に入つております。これらはささいなことでございますけれ場ども、やはり自己資金を集める上におきまして必要なことだというのでそういうことをいたしておるわけであります。それからもう一つ、やはり根本的には産業組合時代等においてよくやつておりましたように、幹部になる人、中堅幹部になるような人、そういつた人的な面で、涵養と申しますか、充実と申しますか、そういう点もきわめて必要なことじやないか、ことに協同組合というものは、やはり同じ考えを持つた人が同じ仕事に当るという気持でないと、ただ物が安く得られるからというだけの理由でやりますと、やはり経済的にある変動が起きたような場合にはすぐこわれてしまうので、そういつたような面から考えましても人的な面の充実は非常に必要なことじやないか。そういう点につきましては足りなかつた点があつたように私どもは反省をいたしておるわけであります。
○山下(春)委員 生協の生れましたときにそもそも非常に将来の隘路であろうと思いましたのは、信用事業が確立していないこと、こういう利益会社でないものに対して税を課するということ、員外販売のわくを非常に圧縮したこと、そういつたようないろいろな隘路かあつたのでございますが、今の局長の御答弁中の税の問題などについて相当手を打つというお話でございましたが、それにつきましては税の全額からいえば非常にわずかなものでございますが、それに対して大蔵省あたりは相当な強い御意見もあるかに聞いておりましたが、その点はただいまのところどういうふうになつておりましようか。
○安田政府委員 いろいろやつておりますけれども、なかなか私どもの考えだけで成功いたしませんので、いろいろと各方面でお骨折願つておるわけでございます。たとえば租税特別措置法に剰余金がございましたときに、それを積立金の方に繰入れるといつた場合に、農業協同組合でありますとか、森林組合等におきましては、出資金の四分の一に達しない部分については免税をするというような規定があるのでございますが、協同組合にはそれがないということが私どもといたしましては当面の不満の点でございます。そういう点も直すようにいたしたいと考えておりますが、なかなか力が及ばなくてこういうふうになつております。
○山下(春)委員 ちようど国税庁からお見えでございますので、その点についてちよつとお尋ねしたいと思うのでございますが、これは農業組合その他の類似組合においては過般これに対する措置が講ぜられたのでございますが、その際生協だけどうもいろいろな御異論があつたと見えまして、委員会の空気としては附帯条件としてこれも考慮すべきであるという附帯条件がついておるようでございますが、聞くところによれば、国税庁の方で多少強い反対の御意見かあるかに承つておるのでありますが、税額としてはごくわずかでございます。そのわずかの税額のために正しく育たない。今厚生省の力で、これは要するに人の問題だと言われたが、私もそう考えますので、この幹部についてはときどき講習会を開くとかいろいろな措置が必要だと思います。しかしこれはやはり国民にこういったような訓練をつける必要のある有益な機関だと私どもは考えておりますにもかかわらず、なかなか正常に育たない。その育たない隘路を今しぼつて究極すると、税のところに行つておると思うのでございますが、わずか一千数百万円のものでございまして、このくらいのものを育てるためにどこからどうにでもそれくらいのやりくりがつかないはずはないと思うのでございますが、何か特殊なお考えがあつて、この問題について御協力が得られないのでございましようか、どうでしようか。
○平田政府委員 税の立法の方の直接の責任は主税局になつておりまして、私の方は運用につきましては全責任を負つておりますが、私からお答えした方がいいのかどうか問題でございます。ただ私もいきさつその他よく了承いたしておりますので、その点のところだけを申し上げまして御参考にいたしたいと思います。 生活協同組合につきましての課税をどうするかという問題は、実は御承知の通り大分前からのいきさつのある問題でありまして、大蔵省といたしましても協同組合の育成ということにつきましては、実は十分理解を持つておるはずでございますが、時に他の納税者の負担との比較というようなこともあわせて常に考えざるを得ない、こういう立場にありまして、協同組合の側といたしますと、なかなか御満足の行くところまで現在もあるいは来ていないのではなかろうかと存じております。ただ一時、昭和二十五年でありましたか、いやしくも法人であるからには、会社も協同組合も農業組合も全部一率の課税をするということで、三五%の法人税を課することになつたのでございますが、これはその後の実情に応じましと、いかにもどうも少しきついのじやなかろうかというので、一昨々年の二十七年でございましたか、法人税を四十二に上げます際に、協同組合の方はそのままにすえ置いたことは、実は私が主税局長の当時でございましたから承知いたしておりますが、しかしそれでもまだ不十分で、もつと差をつけるべきだという御議論がございます。今厚生省から御指摘になりました点は、昨年国会で税法が問題になりました際に、国会の修正で実は農業協同組合が、特に戦後の非常に悪条件にたたられて再建整備をやつておる組合が非常に多い、半分以上のものが赤字を出しまして、国から相当補助金まで出して再建整備をせざるを得ない。そういう事情のもとにある組合に対しましては、特に特段の考慮をすべきである。そういう趣旨からいたしまして、今後積立金が一定限度までできるまでは、さらに特別の税法上の扱いをする、そういう意味で、昨年国会の修正でそういう条項が入ったように存じておるわけでございます。その際に協同組合も入れるか入れないかということで大分問題があつたようでございますが、事の起りが今申し上げましたように、特に農業協同組合を中心にします特殊の再建整備ということにあり、しかもそれに関しましましては、再建整備法等もできまして、非常に特別な措置も設けられておるような事情もありましたので、またその分はそういう修正に政府として応ずるのもまずやむを得なかろう。ただこの趣旨を協同組合のどの程度に拡張したらいいかどうかということについては、大分議論がございましてどうも全般的に広めるのはどうであろうかということが、ただいま厚生省からお話になりましたような方向で、昨年はきまつたように私も承知いたしております。今年も実は課税問題につきまして、一般に税率をもつと下ぐべきではないかという議論が大分ありまして、税制調査会におきましても、いろいろ御研究になつたのでございますが、なおこれに関しましては、その他にもいろいろの問題がございまして、たしか大蔵省としましては、はつきりした結論が出ないで、まだ政府の案としましては、今申し上げましたことに対しましても、一歩進んだ案を国会に出すというところまでは至つていないようでございます。おそらくそういう問題はやはり今後の一つの問題ではなかろうかと思うのであります。ただその際におきまして、ちよつと申し上げておきたいのは、実は協同組合に税がかかると申しましても、それは相当利益を上げたものだけでございます。協同組合の本旨に従いまして、割もどし、歩もどし等をいたしまして、消費者に安く売る、つまり事業の分量に応じまして配当をするというような場合におきましては、これは課税から除外する、課税利益に入れない建前になつております。生活協同組合の場合は、あるいはそういうケースが比較的少いかと思いますけれども、趣旨がそういう趣旨になつておりまして、要するに、組合員のための組合事業という意味で、組合自体としまして、剰余金の出ないような仕事をやりますと、法人税でございますので、おのずから少い税金で済むということになるわけでございます。ただしかし一方組合側からいたしますと、やはりある程度の利益を上げた、それを組合内部に留保いたしまして、それを事業資金にしたい、こういう意欲があるようでございまして、それがあまり強く出ますと、これは普通の中小企業者との税の負担の関係になつて参りまして、中小の企業は、かなり高い法人税なり所得税あるいは事業税を納めているのに、協同組合がめちやくちやに低くては困る、こういう非難が出て参りまして、その辺の調整がなかなかむずかしいところでございます。しかしもちろん政府といたしましては、どういう点に一番重点を置いてやつて行くべきか、そういう政策面のことも考えて、今後もやはり税制の問題のことにつきましては、検討して行くべき問題ではなかろうかと思いますが、最初に申し上げましたように、私ちよつと直接の責任でございませんので、本日は事情だけを申し上げまして、あるいはさらに必要がございます。場合には、主税局の責任者に来てもらつて、御聴取願つたらいかがかと思います。
○小島委員長 これら七法案に対する残余の質疑は、次会に譲ることにいたします。 —————————————
○小島委員長 次に岡委員から保険給付に対する課税の問題について発言を求められております。これを許可いたします。岡良一君。
○岡委員 国税庁の長官にお尋ねをしたいのでありますが、先ごろ医薬分業に関連をいたしまして、社会保険の医療報酬についていろいろ御意見を伺つた場合に、どうしてもあなたに確めておかなければならない問題が起つたので御出席を煩わしたのでありますが、本年度の税収において医療担当者で、社会保険の診療報酬を所得の内容としているものについて、どの程度の税収を見積つておられるか。
○平田政府委員 御承知の通り、所得税は源泉所得税と申告所得税にわけております。申告所得税につきましては、大きくは営業、それから農業、その他事業、それからその他という四つくらいな大きな項目にわけまして、概算である程度の見積りをいたしておりますことは、歳入予算の説明といたしまして予算委員会に出しておる資料でも明らかでございますが、さらにその中でこまかく健康保険の問題が幾ら、どの分が幾ら、辯護士さんの分が幾らというふうに、その他事業の中で細目で見積るというような行き方はいたしておりません。大体過去の実積に対しまして、この種の事業所得の趨勢を調べまして、それによりまして税の見積りをいたしておるのでございます。特に社会保険料のお医者さんの収入を幾らくらいと見積つておるということはいたしておりませんので、その点後了承願いたいと思います。
○岡委員 御存じのように社会保険の診療報酬の支払い、生活保護法による医療扶助費の支払い等は、基金の窓口から昨年の五月ごろから支払われておる。その場合に窓口においてすでにその一割は、ある金額を越えたものについてはわれわれは源泉徴収の形で毎月支払つておる。その金額が大体どのくらいであるか、それを伺いたいと思います。
○平田政府委員 これも御承知の通りに、源泉課税にはたくさんございまして、給与所得者の源泉課税と、それから最近は弁護士さんなんかが会社から報酬を得る場合には、源泉課税をしております。それから卑近な話でありますが、競馬、競輪の選手等がもらう分も源泉課税しています。保険の外交員が会社から受取る手数料につきましても、源泉課税をしております。原稿料等に対しましても源泉課税をしておりまして、そういうものも一括いたしまして大体の見積りを立てておる次第でございます。歳入予算といたしましては、結局あまりこまかく行きましても状況がちよつとかわりますと非常にかわつて来ますので、ある程度の積上げ計算はいたしておりますが、非常にこまかいところから計算しまして歳入を見積るといつたような方法は実はとつておりませんで、過去の実績等に照らしまして、グループをつくりまして、ある程度概括的に見積りを立てまして収入予算を計上しておる。これは御承知の通り、税金は予算によつてきまるのではなくて税法できまるという建前でございますので、見積りはできるだけ正確を期するつもりでございますが、課税にあたりましては、私どもといたしましては少し強く申し上げますと、予算の数字は参考にしかすぎないので、それにとらわれることなく所得をよく調べまして、税法をそのまま適用しまして適正な課税をするということにしておるわけでございます。今せつかくのお尋ねでございますが、予算の見積りに非常にこまかくそういうものを見ておるということはやつておりません。ただ過去の実績につきましては、実績が出て来ました場合には、統計等で相当詳細にとつておりますので——健康保険はまだ始めてから日かたちませんから、統計が今あるかどうかわかりませんが、本日お持ちしておりませんが、もしもお話のようなデータがございますれば、後刻調べまして申し上げてもけつこうかと思う次第でございます。
○岡委員 しかしそれは非常に奇怪なお話なんです。これは何年来の経験なんですが、国税局では医師会に対しては大体どれだけだという一応の大わくがあつて、その中で善処しろというような話合いか第一線ではしよつちゆう行われておる。ところがあなたの方では全然わからないと言つておられる。特に今指摘いたしましたように、社会保険の診療報酬や生活保護法の医療扶助費の方は窓口で一割ずつ引かれておる。これがあなたの方でわからず、集計ができなくて、所得税収入があてずつぽうにつくられるということでは、無責任もはなはだしい。これはわずか一億や二億のものではない。四十億、五十億になろうというものだから、所得税の中でも相当大きなフアクターになるはずだと思う。私どもはそういう御答弁では満足できませんが、それはまあよしましよう。 それではやがて本年度の確定申告も近いのでありますが、本年度の社会保険やあるいは生活保護法等の診療報酬に対する課税の方針は、大体どのようなお取扱いをなさることになつておるか伺いたい。
○平田政府委員 前段のお話は、実は考え方の問題として非常に重大な問題でございますので、私どもの考え方をはつきり申し上げておきますが、終戦直後非常に税がピンチに陥りました際に、中央から少くともこれくらいは税収入が入るはずだというので、税務署にある程度の目標を指示してやつたことがございます。しかしこれは同時に他面非常に弊害を巻き起しましたし、またそのようなやり方をやる必要がなくなりましたので、昭和二十四年度限りでやめまして、二十五年度以後におきましては、中央からどういう業種は幾らぐらいの収入があるはずだ、あるいはどの税務署にはどのくらいの収入があるはずだ、こういったことは全然言つておりません。つまり世間で割当課税という非難を受けましたそのやり方は、二十五年度以降完全にやめることにいたしております。従いまして事前にたとえばお医者さんの所得がどのくらいあるだろうということはかえつて適正課税を妨げるゆえんになりますので、実績の点につきましては常に分析をし検討いたしておりますが、予定的なものをつくりまして押しつけがましく臨むということよ、実は厳に避ける方針で、また実際にもやつておりませんし、そういう考え方でおりますことを御了承願いたいと思います。これはひとりお医者さんだけでなく、営業者の場合におきましてもそういうやり方をやつておるわけでございます。予算の見積りは、さつき申しましたように、過去の実績をもとにいたしまして、所得の増加趨勢をいろいろな数字から検討して算定いたしまして、適正な見積りをしておる、こういう関係でございますので、その点は御了承願いたいと思います。ただ実績等の数字でわかるものがございますならば、もちろん先ほどの御質問に関連したような事項で、よく調べまして必要な事項はあとで申し上げてもけつこうだと思いますが、後日にお願いしたいと思う次第でございます。 それから課税方針でございますが、これは今までのいきさつは、おそらく皆様方御承知のことだと思いますので、詳しくは申し上げなかつたわけでありますが、二十六年と二十七年分につきましては中央からもちろん所得の額は示しておりません。さつき申しましたように標準率というものを示しておつたのでございます。標準率というのは、健康保険なら健康保険の収入といたしまして、お医者さんが得た収入に対しまして所得率はどれくらいであるか、つまり一万円健康保険の収入があつた場合に、お医者さんのほんとうの純所得になる分は幾らかというその率でございますが、収入はもちろん各お医者さんごとに調べる。調べたものに対しまして標準率を乗じて出すというその率でございますが、これについて実は御承知の通りいろいろないきさつがございまして、一定の率を示してなるべくそれに合うようにということでやつたわけでございます。ところがその結果がどうもなかなか実際に合わぬという非難を現場から非常に受けまして、二年継続してやつたのでございますけれども、これはお医者さんの実情に即しない、またほかの納税者の負担の均衡も得ないというので、こういう方法は二十八年度分についてはやめることにいたしまして、各お医者さんについて収支の計算をいたして、実際の所得をよくお調べして、それによつて申告をしてもらうし、また必要な申告指導もするし、調査決定もするという方針に本年度からかえることに実はいたしたのでございます。こういたしました経緯につきましてもいろいろございますが、いろいろな点から考えまして、私どもはやはりそれが一番実際にも合い、かつ公正な課税の行き方だという考え方で、そういうことにいたした次第でございます。その際に特に今まで健康保険の場合には、収入金が非常にはつきりしておる。従いまして経費を十分見てくれ、どうも税務署はいつも経費の見方が足らぬ、こういう非難が従来からあつたのであります。この点だけは特に私ども注意することにいたしまして、たとえばお医者さんの場合でございますと、図書の購入費、研究費あるいは医者の会合なんかに必要な交際費、こういう医業をやる上におきまして直接、間接必要な費用、これも医事に関連する費用であるかどうか、認定がなかなかむずかしい場合もありますが、そういう費用につきまして、できる限りお医者さんの側の主張を取入れて所得の計算をするように、なかんずく今まで言つたような関係もございまして、所得が激減を来すような場合におきましては、特にそのことを配慮いたしまして、医者の実際の所得、実際の負担の実情にマツチするような課税の方法をやるようにという趣旨で、三月の初め、私の名前で国税局長あてに通達を出しております。その趣旨によりまして、各地々々におきまして、各お医者様の個別的な事情に応じまして、無理のないような公正妥当な課税ができるように今後とも私ども主張して参りたいと存じておる次第でございます。
○岡委員 こういうふうなことをお尋ねいたしますのは、私自身も日本医師会員の一人でございますが、何も別に医者の税金だから特別に安くしてもらわねばならないという気持で申し上げておるのではないのです。そこで今お話の、通牒をお出しになつたということですが、実は日本医師会では、かなり早く下部の医師会員にこういうような趣旨の通牒が流されておるのです。それは、今度国税庁の方では医師の社会保険の診療報酬については、その二四%ないし二八%を課税対象とすることになつたらしいので、そのように心得ろ、その間には相当政府部内なり、また与党の有力者の名前を掲げて、そういう通知が来ておる。今お話をお聞きしますると、図書購入費とかそういうものでもつて多少、まあ必要経費というものを計上してもいいという取扱いを通牒で出されたということで、非常なそこに食い違いがあるわけなのですが、やはりこの点、前段私が申し上げましたようなお取扱いは国税庁としてはする意図はない、こういうことに了承してよろしいのですか。
○平田政府委員 その通りでございまして、そういう中央から一定の率を示してやるというようなことは、本年度は、私どもとしましては最初から考えておりませんし、最後ももちろんそういう方法はやらないということになつたわけでございます。
○岡委員 これは長官にお尋ねするのは少し筋違いではありまするけれども、実は私どもの考え方から、また課税の種類等を見ましても、御存じのように、健康保険にいたしましても、国民健康保険にいたしましても、生活保護法にいたしましても、結核予防法にいたしましても、これらの法律に基いて給付される医療の給付、あるいは現金の給付は、課税の対象にならないということなのです。ところがその対価として医師に支払われる医療報酬というものは、はつきりこの課税の対象になつておる。私どもはやはり、そういう公共的な精神の上にでき上つた立法に基いて与える給付の対価として、医師に支払われる診療報酬というものは、これは法理論的にもやはり課税の対象になるべきものではないんじやないかというふうに実は考えておるわけなのですが、その点はあなたも税金の元締めの長官として、どういうふうなお考えなんですか。
○平田政府委員 所得税につきまして、いろいろな観点から議論がありますことは御承知の通りでございますし、いろいろ見解もありますが、営業税、事業税などと違いまして所得税というものは、いかなる人のいかなる種類の所得でも、やはりいやしくも所得があれば課税する、所得の内容なり種類によつて、免税その他の問題は、やはりなくてしかるべきなのが原則であるのでございまして、いやしくも所得のある場合におきましては所得税がかかるというのが、実は所得税の基本的な一つの建前になつておるわけでございます。ただその際におきまして、非常に零細なもの、たとえば最低生活以下の所得しかないような人、これは適当な控除——基礎控除、扶養控除等を設けまして課税からはずす。財政の状況次第で、そういうものは場合によつては低くなつたり高くなつたりする。しかしいやしくも所得があつて、それによつて生活をしているという場合におきましては、その所得に対しましては、やはり所得税がかかるというのが原則でございます。そのほか特別の目的のために若干免税しておる場合もございますけれども、この原則は所得税に関しましては相当厳格に今まで守られて来ましたし、また建前上守るべき筋合いのものではなかろうかと私どもは存じておる次第でございます。健康保険の所得の性格に関しまして、いろいろ御議論があるかと思いますが、率直に申しまして、単価の点その他につきまして、いろいろ御議論があるように聞いております。私ども、全然その点につきましては判断能力はございませんが、報酬はあくまでも公務員の給与なんかと同様に、公正な報酬であつてしかるべきだと感じますが、その報酬に対しましては、所得税は、ほかの国民並に納めているというのが、所得税の建前からいたしますと本筋ではなかろうかというふうに私は考える次第でございます。ただ営業税とか特別所得税とか、所得税以外にいろいろな附加的な、補完的な税がございます。そういうものになりますと、またいろいろ違った見解が出てくる余地が相当多いんじやなかろうか、こういうふうに私は考えておる次第であります。御参考までに申し上げます。
○岡委員 いつもそれが論点になるのですが、問題は、所得のあるところは所得税をかける、これは一応原則として私ども承認はするのですが、先ほど申したように、社会保険の各制度などでは、あるいはまた公的な医療制度の中では、その制度に基くところの給付、これは現物と現金とを問わず課税の対象ではないということが法律で規定されている。さていよいよその制度に適用される患者が医者の窓口にやつて来る。診察室へ訪れる。そこで診察をする。従つて課税の対象としては除外されておるところの行為を行つた場合に、行為としての対価として与えられる医療報酬が、所得のあるところを、所得として税金をかける。それもいいでしようが、そうなりますと、結局医療の内容というものが、この所得税を払わなければならないという事実によつて低下して来る、こういう事態が起つているわけです。そういうことになると、せつかくの公的な保険制度なり医療扶助の制度なりというものの法律の実際の目的が非常にゆがめられて来る。いわゆる所得のあるところは所得税をとらなければならぬという原則を、機械的に適用されて来るというところから、実際の医療内容等において、本来の公共医療制度としての目的にそぐわない方向にゆがめられて来ている。こういうことは、わはわはやはり国民保健という立場からも非常に遺憾なことではないかと思うのです。こういう問題はすぐ杓子定規に、所得のあるところはすぐ所得税をかける、こういうお取扱い、これは税務署流のお取扱いはそうですが、実際国民の保健なり体位の向上ということに大きな眼目を置いてつくられた公共的な国民の医療ないし衛生の向上のための福祉的な制度というものについては、その医療報酬は、やはりその制度によつて国民が受けるあらゆる健康に関する恩恵の対価として与えるものであつて、これは内容がさらにゆがめられ、低下せしめられるおそれがある形においてまで課税をすべきものじやない、むしろこういうものは原則として免税すべきものだ、私どもそう考えておるわけで、これが争点になつて大蔵省とはなかなか意見が合わないのですが、この際申し上げておきたいことは、実はただいま一点単価は十一円八十何銭ということになつておる。ところがこの単価が一体何を基準にして計算をされて来ておるかというと、あるいは限界経営費といつて、病室のない医師の一箇月の生計費とか、あるいはまた医薬材料の費用とか、そういうものによつて形成されておるわけなのです。ところがこれが昭和九、十、十一年の平均が十五銭だ、今十一円八十三銭、約八十倍弱になつておる。ところが生計費にしてみたところで、医薬材料にしてみたところで、三百倍、五百倍に高騰をしておる。そういう事実の中で、こういうわずかではあるが、しかし医師という社会的な道義的な職分にかんがみて、この際公共へのサービスという考え方で、この保険制度というものに対して医師は協力しておる、これはやはり協力せしむるように取扱つて、税金の方でも公衆に対しても取扱つて行くというところにいわば政治の妙味もあると思う。そういう点からこれはこれ以上のことは申し上げませんけれども、いずれこの問題はやはり医師会のみならず、国民の医療の向上という観点からも、今非常に実は問題になつておりますので、国税庁としても今後おそらく各医師会、地方府県医師会等の間において、この問題をめぐつていろいろ確執が起るのじやないかと私は思うのですが、そういう場合には、ひとつできるだけこういうこれまでの事情、今日の事情、またそういう報酬の内容、性格についての御認識をいただいて、善処方をこの機会にひとつ心からお願いしておきたいと思います。重ねて申し上げまするが、決して医者の利益ということではないので、現実の問題としてあまりに過重な税金がとられるということになると、医療の内容に立入つて来るということが、ひつきようは国民全体の福祉にかかわるという観点から申し上げておることを、さらに念を押して重ねてひとつ御善処方をお願いしたいと思います。
○柳田委員 ただいま同僚岡委員から大体お述べになりましたので、要点は尽きておりまするが、そこで結論として簡単に伺つておきますが、本年は標準率はお示しにならないということでありまするが、しからば国税庁長官としては、二十六、七は標準率をつくつたが、二十八年度は標準率をつくらないと言われておるのでありまするが、標準率というものを末端にまでお流しにならぬということはそれはともかくとして、現実に二十六、七と比べて二十八年度はどういうような御方針であり、結果的にはどういうようになりますか。大体のお見通しを……。
○平田政府委員 その点につきまして、実は先般国税局長に通達しました趣旨は、今申し上げたように研究費、図書購入費、交際費などで若干家事に関係があつても、医療にできるだけ必要なもの等は積極的に認めてやるということで、所得の計算をやるようにというのが一点であります。これを読んでみますと、昭和二十八年分の状況が前年に比して大差ないにもかかわらず、従前の取扱いが廃止されたことにより所得金額が著しく増加する向きについては、必要経費の算定につき、特に配意する等、でき得る限り実情に即するよう十分配意されたいということでございます。率を示しまして、中央から幾らくらいにしろということになりますと、どうも実際には合わない。それでもう少し敷衍して申し上げますと、実は大都市で健康保険だけを扱つているお医者さんの場合と、自由診療が相当多いお医者さんの場合と、実は非常に不権衡になつておるのでございます。それから大都市で比較的健康保険だけを扱つておられるお医者さんの場合におきましては、一部のところでは助産婦よりも低くなつたといつて、助産婦さんの側から持ち込まれたことがある。従いまして、そういうのは具体的なことを言つてやるのがいけないので、抽象的に、できるだけ丁寧に現場でよく調べる際に注意をするようにしてやつて、各地の事情、お医者さんの事情に合うような調査をするのが一番妥当であるという考え方で、ことしは今申し上げたように特に書いておきましたから、ひとつその辺は御了承願いたいと思います。
○柳田委員 大分デリケートでございますからこれ以上論議しないことにしまして、大差ないような場合には、たとえば本年は特に交際費あるいは学会等の費用、図書購入費等も見られたのでありますから、従つてそれだけのものは、従来よりもそういうものに関しては、余分に国税庁の方で何らか格段の措置という中にお含みになつているというふうに解釈してよろしゆうございますか。あまり多く申していただきますと、国税庁長官はお立場上つらいと思いますから、さように了解してよろしゆうございますか、イエスかノーかだけをお答え願います。
○平田政府委員 具体的なことになりますと、少し詳しく申し上げませんと誤解を招くおそれがありますのであれだと思いますが、今申し上げましたのは、今までの率が実際よりも低過ぎた、率直に申しまして高かつた、そういう人の場合に、実際の収支計算で行きますと、状況があまりかわらなくても所得が相当ふえて来る人が出て来るわけです。そういう人の場合に、特に経費の見方はさらに一段と慎重にやるようにということをつけ加えているわけでありますから、あまりこの辺をはつきりと私からも申しがたいし、あまりはつきりした機械的な簡単な御了解を得たものとお受取りになりますと、お互いにどうも困りますので、その趣旨ででき得る限り私どもは現場に伝えまして、実際に合うようにいたしたいと思いますから、御了承を願いたいと思います。
○小島委員長 本日はこれにて散会いたします。 次会は追つて公報をもつて通知いたします。 午後零時三十八分散会 ————◇—————