厚生委員会 第10号
- 発言数
- 40 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/03/02
会議録
○小島委員長 これより会議を開きます。 まず狂犬病予防法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案の寒査に入ります前に、最初に配付されました印刷物に誤りがあり、これを正す旨通知がありましたので、念のため政府委員より説明を聞くことといたします。楠本政府委員。
○楠本政府委員 ちよつと印刷上の手落ちがございまして、正誤表を出すことに相なりましてまことに事務不手ぎわでございました。厚くおわびを申し上げます。 現存の狂犬病予防法におきましては、犬の狂犬病を対象といたしておりますが、同時に現在家畜伝染病予防法において規定している動物のうちにおきましても、必要がある場合には狂犬病予防法を適用することに相なつております。ところがその後家畜伝準病予防法が最近改正されまして、個々の動物について規定をいたしまして、そのうちには現在当然狂犬病予防法を準用すべき動物の種類が欠けておりますために、今回は従来通り犬のほかに牛、馬、緬羊、やぎ、豚、にわとり等を入れる必要がありますので、除外をいたしまして、その他の動物を準用することといたした次第でございます。別に趣旨は少しもかわりませんが、単に家畜伝染病予防法の改正に伴いまする機械的な一つの正誤でございましてはなはだ失礼をいたしました。
○小島委員長 それでは本案の審査を進めます。本案はすでに質疑を終了いたしておるのでありますが、現在委員長の手元に本案に対する各派共同提案になる修正案が提出されておりますので、その趣旨弁明を許します。高橋等君。
○高橋(等)委員 狂犬病予防法の一部を改正する法律案に対しまして修正案を提出いたしたいと思います。 まず趣旨弁明をいたします前に修正案につきまして朗読をいたします。 狂犬病予防法の一部を改正する法律案に対する修正案 狂犬病予防法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。 第六条の改正規定中「第九項」を「第十項」に、『「第六項」に』を『「第七項」に』に、「第八項」を「第九項」に、「第七項とし」を「第八項とし」に、「第六項とし」を「第七項とし」に、「第五項とし」を「第六項とし」に、「次の二項」を「次の三項」に改める。 第十条の改正規定の前に次の項を加える。 5 第三項の規定は、当該追跡中の犬が人又は家畜をかんだ犬である場合を除き、都道府県知事が特に必要と認めて指定した期間及び区域に限り適用する。第十四条及び第十八条の改正規定中「第九項」を「第十項」に改める。 附則第二項中「第六条第八項」を「第六条第九項」に改める。 以上であります。 住居等はわれわれ生活の根拠でございまして、これに対する侵入あるいはそれに類似するような行動に対しましては法によつて保護をせられておることは申すまでもないのであります。従いまして、人の住居関係に軽々しく侵入をするような行動をきめる法律につきましては、その法律の目的としておりますことが、なおその住居権を侵害いたすよりほかに方法がない、あるいはまた侵すだけの必要性があるのだということでなければならないと考えるのでございます。狂犬病予防法の一部改正法律案には、予防員が逃走中の犬を追跡いたします場合に、人の住居を除きましたその他の場所には立ち入ることができる、すなわちこの説明は庭先その他へももちろん入り得る、こういうような規定になつておるのでございますが、もちろん狂犬病は恐ろしい病気でございまして、野犬等の捕獲ということは大切なことであると考えるのでございまするが、なおこの住居権と、いうものとの間の調整を考えまして、まず第一にはいわゆる繋留命令を都道府県知事が出した場合、あるいはこれに準ずる場合、都道府県知事が特に必要と認めた場合に、一定の期間、区域を指定いたしましてその立入りを認めることにする、及び追跡中の犬が人または家畜をかんだ犬で、これが捕獲中逃走いたしまする場合には立入りを認める、この程度にしぼつて住民権との間の調整をはからんといたしたのが本修正案提案の理由でございます。その他の点は、これは条文の整理のためにつけ加えた修正でございます。 なお本修正案の通過にあたりまして、特に政府に御留意を願つておきたいことは、あくまでもこれは予防員が追跡中の犬に対してかくのごとき行為をなすのであります。いわゆる捕獲員がこういうことを勢いに乗じてやることがないように、その点は法の弊害が出て来ないように、特に監督上の御留意をお願いいたしたいと思うのでございます。 以上をもちまして修正案の説明を終ります。 なおこの修正案は各党共同の提案の修正案であることをつけ加えておきます。
○小島委員長 以上で趣旨弁明は終りました。この修正案についての御質問はございませんか。——なければ、次に狂犬病予防法の一部を改正すそ法律案及び、同法律案に対する修正案の両案を一括して討論に付します。古屋菊男君。
○古屋(菊)委員 私は改進党を代表いたしまして修正案に賛成し、修正部分を除く残りの原案に賛成するものであります。近来とみに野犬の増加に伴う狂犬病等の発生が増発しつつあります折から、現行の狂犬病予防法を一部改正いたしまして狂犬病の蔓延防止、さらにはその撲滅をはかる諸措置を講ぜられますことは、公衆衛生の確立上真に適切なる措置と存ずる次第であります。しかしながら原案中、第六条第三項につきまして、予防員が犬を捕獲するため土地建物または船車内へ立ち入ることができるという点において若干の問題点を含んでおると思うのであります。もちろん予防員は法律上獣医師という身分を有しておるものであつて、一応その身分もはつきりしておるわけであり、また建物といつても人の住居が除かれており、さらにはその場所の看守者が拒否した場合においては立ち入ることができないことになつておる等の規制があります点からいたしまして、盗難その他この住居立入りに伴つて懸念される事故の発生につきましては、さほど心配する余地はないとも思われるのであります。しかしながら現在社会的にも、ときに問題とされております捕獲員の資質、あるいはこの特殊な職務遂行上における心理状態等と勘案して考えてみますときに、あるいは不測の事故が発生するおそれも多分にあるかとも思われますので、建物等への立入りにつきましては、さらに厳格なる規則を行つて万全の防止措置を講じますことは必要なことと思われるわけであります。かかる観点から私は修正案に賛成の意を表するものであります。当局においても今後一層係員の資質の向上をはかられるとともに、厳格に法が施行されるよう積極的に指導されんことを希望してやまない次第であります。
○小島委員長 長谷川保君。
○長谷川(保)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、狂犬病予防法の一部を改正する法律案の修正案に賛成し、修正部分を除く原案に賛成するものであります。 すでに論議されましたように、本案の趣旨に対しましては、狂犬病予防撲滅の立場からして何人も異論のないところであろうと思うのであります。ただ問題はただいまも指摘されましたが、予防員の家屋、屋敷等に対する立入りの問題、これが法の実施にあたりまして予防員ならざる捕獲員が立ち入ることによつてそこに紛争が起り、また住居権が侵害され、家宅侵入というような問題が起つて来るであろうということが懸念されるのであります。これにつきましては、法の実施にあたりましては、当局も格段の御留意を希望してやまない次第であります。またさらに狂犬病の蔓延の場合におきまして繋留されておりませんところの犬を薬殺する場合、その周知方において十分なる配慮をいたしませんければ、これまたいろいろな紛争や間違いが起つて来ると思うのでありますが、住民に対しまする周知の方法について格段の御注意を希望してやまない次第でございます。 以上の点に対して十分なる法実施院の注意を喚起いたしまして、私は賛成の意を表する次第であります。
○小島委員長 山口シヅエ君。
○山口(シ)委員 私は社会党の右を代表いたしまして、各党提案の修正案並びに狂犬病予防法の一部を改正する法律案に賛成するものでございます。 しかしここに私は当局に対しまして要望いたしたいことがあるのでございます。過般私のもとに野犬捕獲人の主婦より陳情がございました。ところがその後陳情の内容とひとしくするような記事が、読売新聞の二月七日の記事として掲載されておりましたので、要望といたしましてその記事を読み上げさせていただきます。「野犬捕獲人を侮辱、横浜市予防課小学館のマンガに抗議、児童雑誌「小学四年生」(小学館発行)三月号のまんが「ニコニコゲンちやん」(吉沢日出夫作)は公務員であるイヌの捕獲人を侮辱し、しかも狂犬病予防思想を童心からもぎ取る悪質な捕獲業務妨害だと横浜市衛生局予防課は、あす八日、東京都公衆衛生課と連絡、出版元の小学館に厳重抗議する。問題のまんがはイヌの捕獲人を悪者扱いにし捕獲したイヌをとりかえすために「ゲンちやん」ら子どもたちがパチンコをうつたり、仕掛ナワで妨害するという筋書で悪者に仕立てたイヌの捕獲人には東京都のマーク入り腕章をつけさせており、さる五日南区イヌ抑留所勤務者の長女A子ちやん(一〇)がこのまんがをみて『うちのお父ちやんは悪い人だ』といつて泣き出したことが発端となつたもの。」こういう記事が掲載されておりましたが、私は陳情を受け、またこの記事を読みましたときに、この思想がいまだに大衆に徹底してない感が強くいたしたのでございます。そこで御当局におかれましては、ぜひ積極的にこの思想の啓蒙に努めていただきますことを要望いたしまして、本法案に賛成をいたす次第でございます。
○小島委員長 以上で討論は終局いたしました。 これより採決いたします。まず各派共同提案になる修正案を可決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小島委員長 御異議なしと認め、本修正案は可決いたされました。 次に、ただいま修正いたしました残りの部分を原案の通りに可決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小島委員長 御異議なしと認めます。よつて本部分は原案の通り可決され、本案は修正議決されました。 なお本案に対する委員会の報告書の作成については、慣例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小島委員長 御異議なしと認め、そのように決します。 —————————————
○小島委員長 次に日程に追加して、未帰還者留守家族援護法の一部を改正する法律案を議題とし、審査に入ります。まず、厚生大臣より趣旨の説明を聴取いたしたいと存じます。厚生大臣
○草葉国務大臣 ただいま議題となりました未帰還者留守家族等援護法の一部を改正する法律の提案理由について、御説明を申し上げたいと存じます。 未帰還者の留守家族及び未帰還者が帰還した場合における援護につきましては、第十六回国会において、未帰還者留守家族等援護法が成立し、昨年八月一日から施行され、国の責任において各種の援護が行われるに至つたことは、これらの方々の心情と生活の実情に顧みて、まことに喜ばしいことであります。今回、援護の措置をさらに強化するため、この法律の一部を改正することにいたしましたが、ここにその理由及び内容の大要について御説明申し上げます。 第一に、従来の遺骨埋葬経費は、未復員者、ソビエト社会主義共和国連邦の地域内の未復員者と同様の実情にある者または戦争裁判受刑者の死亡の事実の判明した場合にのみ支給されていたのでありますが、右以外の一般邦人未帰還者の死亡の事実が判明した場合においても、その遺族に対してこの経費を支給することが遺族の心情にも、また国民感情にもかなうものであると考えられますので、この際、その名称を葬祭料と改め、右の一般邦人未帰還者をも含め、未帰還者の死亡の事実が判明した場合には、この経費をその遺族等に支給するこことした次第であります。 第二に、遺骨引取り経費は、遺族がない場合においても、葬祭を行う者があれば、その者に支給することができるようにいたしました。すなわち、この経費は遺骨の引取りを行う場合の経費でありますので、遺族がない場合においても、その近親者等が葬祭を行うために遺骨を引取る場合におきましては、この経費を支給することが適当であると考えられますので、このように措置する次第であります。 第三に、未帰還者留守家族等援護法は、沖繩地域にも施行されているわけでありますが、同地域の置かれている特殊の状態のために、法の実際上の適用がきわめて困難な状況にありますので、当初から法が円滑に適用されていたと同様の効果を生ぜしめるよう特別の措置を講ずることが適当と考えられます。右の措置を講ずるにあたつては極力現地の実情に即するよう配慮の要がありますので、これを政令で定めることができるようにいたした次第であります。 第四に、従来外務省において実施いたしておりました一般邦人未帰還者の調査業務は、明年度から厚生省に移管されることになりましたので、これを機会に厚生省の付属機関として、従来の留守業務部を改編し、これを未帰還調査部とし、旧軍人軍属未帰還者等の調査業務等とあわせて未帰還者等の調査究明を一元的に実施する等の措置をいたすことが適当であると考えられますので、厚生省設置法に所要の改正を行うことといたしました。 第五に、未癖者者留守家族等援護法の施行に伴い一般職の職員の給与に関する法律の一部が改正され、未帰還者の国家公務員は未帰還中の給与を支給されないことになり、従つて国家公務員共済組合員たる資格を失うこととなり、また、未帰還の地方公務員についても、国家公務員の例によりその給与が定められている関係上同様の事情になりますので、従来の実績を保障する意味におきまして、これらの未帰還者に引続き組合員たるの資格を保持せしめるようにするため、国家公務員共済組合法に所要の改正を行うことといたした次第であります。 以上提案理由につきまして御説明申し上げましたが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望する次第であります。
○小島委員長 以上で趣旨の説明は終りました。 なお本案の質疑その他は、次会後に譲ることといたします。 —————————————
○小島委員長 次に、簡易保険積立金の厚生関係事業に対する運用の問題について、高橋委員より発言を求められております。これを許します。
○高橋(等)委員 簡易保険の積立金の運用がどのようになされておるかにつきまして、簡易保険局長に若干御質問をいたしたいと考えます。 まず二十八年度の積立金の運用総額並びに二十九年度の見込み金額をお知らせ願いたいと思います。
○白根政府委員 二十八年度の積立金の総額は三百九十億になつております。二十九年度は一月から三月までの募集実績がはつきりいたしませんので、はつきりしたことは申し上げかねますが、出投資計画では二十九年度の積立金は四百六十億の予定に相なつております。
○高橋(等)委員 簡易保険の積立金の運用の方針につきましては、たとえば有利確実であるとかいろんな方針かあるかと思いますが、特にお尋ねいたしたいことは地方還元の問題であります。簡易保険のように零細な加入者の資金を地方から中央へ集め、この資金を地方へ還元をいたすことは、私は非常に必要なことではないかと考えるのでありますが、現在運用方針として地方還元の方針をおとりになつておられますかどうか。また地方還元をするのに相当こまかいやり方をなさつておられるのかどうか、この点をまず伺つておきたいと思います。
○白根政府委員 簡易保険の積立金の運用を郵政省へ移管いたしまして、これを郵政省で運用したいという趣旨は、ただいま高橋委員のおつしやつた通りでございます。零細な金を集めてできた資金でもございますので、大づかみといたしましてはできるだけ地方還元をいたしたいと思つておりますし、御承知のように、法律では積立金の運用対象は地方公共団体の貸付に限定いたしておるわけでございます。しかしながら、こまかくわたつてやつておるかというお尋ねでございますが、地方還元といいましても、募集成績のいい地域に金をたくさん運用するというところまで科学的には実はやつておらないのでございます。しかしながら市町村に貸付をする態度といたしましては、できるだけ加入者の利害に密着した方面に貸し付けたい、かような意味で投資対象の選定にあたりましてはできるだけそういう方向に持つて行きたい、こう考えまして、現に相当程度その趣旨が反映した運用を二十八年度においてやつておるわけでございます。
○高橋(等)委員 私は本日は議論にわたることは避けたいと思いますが、地方還元の問題は特に国家的に考えてもお願いしなければならぬ点だろうと思います。そこで今政府委員の方から私のお尋ねしようとする点のお答えがちまつとあつたのですが、二十八年度における運用につきまして投資の対象のあらまし、対象の名前、それからどんなものへおもにたくさん出ておるか、金額はこまかいことはよろしゆうございます。それを承りますとともに、まだ二十九年度の運用計画がきまつていないと思いますが、事務当局において投資の対象を拡張なさるお考えがあるか。あれば大体どんなことであるかということを承りたいと思います。
○白根政府委員 二十八年度におきましては、御承知のように、三百八十億のうち郵政省で運用するのはわずかに百九十億であつたわけでございます。来年度に至りますと、先ほど御説明申し上げましたように、四百六十億程度が運用対象となるわけでございます。従いまして私どもの投資の対象の選定にあたりましては、地方還元の趣旨を徹底するのには少し金が足らない面もあつたわけでございますが、投資の対象を選定するにあたつての方針的な考え方を申し上げますと、私どもといたしましては、市町村の需要の中でできるだけ加入者に接着した市町村自体の共同厚生といいますか、その方向に力点を置かれた融資に重点を置いて参つたわけでございます。たとえば補助金にたよらないで市町村自体で何とかして町村のためにこういう施設をしたいという熱意の最も煙い単独事業に重点を置きまして、その単独事業の中におきましても教育関係——これはまた市町村の最も重点を置かれておるところであります。それから保険衛生施設、をれから単独事業の普通土木——補助金にたよらないで市町村自体で道路をつけたい、橋をかけたい、こういう単独事業の種類に属するものになつております普通土木に重点を置いておるわけであります。その次は公営企業でございます。公営企業につきましてもいろいろあるわけでございますが、そのうちで最も薄資階級である、言いかえれば保険の加入者階層である方々の最も熱望する事業の方へ力点を置きたいという意味からいたしまして、二十八年度におきましては、先ほど申し上げました百九十億程度の金でありましたので、選定範囲は大体病院でございます。病院は府県に重点を置きますと同時に、市町村の面におきましても力点を置いておるわけでございます。公営企業のうちで病院類似の他の面におきます施設で、何とか融資したいという面がわれわれのところにあります。二十八年度におきましては、くどいようでございますが、百九十億程度の金しかなかつたわけでございます。来年度に至りますと、この公営企業分野におきましても、病院類似のものに対しまして、さらに資金の余裕が出ますので、力点を置いて参りたい、かように存ずるわけでございます。その次は義務教育施設でございますが、これは一面御承知のように補助事業……。
○高橋(等)委員 厚生関係に重点を置いてお話願いたい。
○白根政府委員 そういたしますと、厚生関係といたしましては、ただいま申し上げた程度でございまして、あとは義務教育施設に重点を置きたい。なお他の補助事業につきましても、投資の対象から除外するわけにも参りませんので、ある程度のものは補充的に持ちたい、かように存じておるわけであります。
○高橋(等)委員 病院及び類似のものに投資したと言われるが、これは伝染病院あるいは結核病院とかに限定されるかと思うのですが、どういう病院なのですか、あるいはまた保険衛生施設に対する二十八年度の投資総額が、もしおわかりになればお知らせ願いたいと思うのです。
○白根政府委員 病院は別に申し上げますが、病院以外の保険衛生施設の投資の総額は、ただいま融通承認をした金額の限度でございますが、なおこれよりはねると思いますが、その数字を申し上げますと、九億八千百三十万円になつております。病院の方はどういう内容かという御質問もございましたから、それを附加して数字を申し上げますと、一般の病院でございますが、その一般の病院の中で申し上げますと、府県で五億五千九百万円、市町村で六億八千九百万円に相なつております。なお補助事業のうちで結核その他の特殊の病院につきまして四千数百万円融資いたしております。
○高橋(等)委員 この保険衛生施設の中で、病院以外の九億八千万円といいますのは、おもな対象の項目は何と何になりますか。
○白根政府委員 保険衛生施設のうちでおもなものといたしましては、清掃事業、いわゆる糞尿施設とか塵芥、汚物、それから火葬場施設、屠殺場等に重点を置いて、大体それが中心でございます。
○高橋(等)委員 これはまだ簡易保険の積立金が戦争によりまして預金部の資金と一体に運営される以前の話でありますが、そのころは住宅であるとか、伝染病院、結核施設、あるいは清掃事業、上下水道、火葬場、その他万般の厚生関係の事業に非常に重点を置かれて運営をせられておつたのであります。これはとりもなおさず、地方還元の趣旨にのつとりまして、できるだけ地方の加入者といいますか、そうした方々に直接福祉をもたらす、利益をもたらす方面に力が入れられておつたのでありまして、私は非常にけつこうだと喜んでおつたのであります。このたびまた運用が再開せられまして、二十八年度わずか百九十億円、今度二十九年度はいよいよまる額の四百六十億円と、これは相当な金額になつたわけであります。そこで簡易保険局に特に申し上げたいと思いますことは、露骨に地方還元ということを今ここで現わすわけには、諸般の事情から行かないかもしれませんが、ただいま方針と一てお話になりましたように、事業自供が直接国民の福祉に関係のある厚生事業へ資金の運用をされるということが、とりもなおさず地方還元の趣旨を生かし、簡易保険のごとき事業の積立金の運用としては最も適当な選ばれるべき対象と考える。そこで二十九年度におきましては、こうした厚生関係の仕事になお重点を置いて運用をおはかりくださるようにお願いをいたしたい。ただいま清掃事業等にも運用されておるということでありますが、これらも相当思い切つた措置をおとり願わなければいかぬし、特に取上げて言えば、人口一万以下の簡易水道のごときは、地方民の衛生と密接な関係がある、非常な要望を持つておる項目なんであります。これらについて特に運用にあたりまして、こうした方面に投質をするという方針の確立をお願いいたしたいと思います。なお運用計画決定はまだ来年度のものはなさつていないと思いますが、これは大体いつごろになるお見込みか、ただいま申し上げた希望条件とともに局長のお考えを伺つておきたいと思います。
○白根政府委員 簡易保険の運用につきましては、おつしやる通りに、戦前におきましては運用対象の重点は、一般加入者階層の厚生福祉施設に置いて参つておつたことは事実でございます。また簡易保険の事業の性質からいたしましても、また簡易保険運用のねらいといたしましても、そこへ将来重点を持つて参るべきことは、私どもといたしましては熱願いたしておる次第でありまして、そういう意味でこそ資金運用部から簡易保険を切り離して、郵政省の運用に移管していただいたわけでございます。とは申せ現在の段階におきましては、ある程度の資金の計画運用、総合運用という面も全然薄らいでおるというわけではないのであります。従つて私どもとしては資金の有効利用、総合性という点も考慮に入れつつ、簡易保険資金の特異性にマツチした厚生福祉施設の方へできるだけ力点を置く方向へ持つて参りたい、かように存じておるわけでございます。なお厚生福祉施設の際に、先ほど御説明を漏らしましたが、水道関係のごときにつきましても、私どもとしてはできるだけ簡易保険の資金の面で充当いたしたい。ただ二十八年においては上水道、下水道等につきましては継続事業の性質もありまして、そういう面から現在においては二十八年度では大蔵省の金が相当流れておるわけでございますが、せめても私どもとしては新規、特に町村の水道関係については、できるだけ私どもの金の余裕のある限において関係当局と折衝の上投資の対象とすると同時に、その方へ漸次重点を置いて参りたいとかように存じておるわけでございます。御承知のように、簡易水道の面につきましては、現在におきましては、昭和二十八年の厚生省令第六十八号をもちまして、経費の四分の一に相当する国庫補助金が交付されることになつておりますので、地方公共団体が簡易水道事業費の自己負担分を起債する場合に、その地方債は地方債計画上一般補助事業として取扱われておつて、簡保資金の融通対象とはなつておるわけでございます。しかしながら国の予算には限度があつて、補助事業の態様だけで簡易水道に市町村の要望にたえるだけのことができるかできないかという問題もあるわけでございます。一面大蔵省方面で補助金の対象をそこへ重点を置いていただけば、その残りの自己負担部分に対する融資に対しまして、われわれといたしまして運用するのにやぶさかでないだけでなくて、熱願いたしておる次第でございます。しかしながらそれだけではなかなか実際問題といたしましては予算に制肘される面もあるので、何とか簡易水道が希望額に相当する程度まで行く方法はないかということも、私どもといたしましては非常に同情しておるわけであります。しかしながらこのことは郵政省の問題ではありませんで、そういうやり方につきましては、厚生省並びに自治庁、大蔵省の関係もあろうと思います。郵政省の問題ではないと申しますのは基礎の問題でありまして、ただ運用の面につきましては、そういう基礎が固まつて何らかの方法が考えられる限りにおきましては、融資の面で御協力申し上げるのにやぶさかではないと思うわけでございます。私どもはかようにすら考えております。補助事業だけでは簡易水漢なかなかむずかしいであろう、単独事業の形でやる道が何かの方法でできて、そのことに対する自治庁並びに関係庁の起債上の重点をそこに合せまして、ウエートを持つて行くような方法が考えられるとすれば、運用上におきましては、われわれといたしましては御協力申し上げるのにやぶさかではないだけではなくて、非常に熱望いたしておるところでございますが、計画決定につきましては、主管官庁といえども厚生省並びに自治庁の関係がございます。それらの点でわれわれとしてはそういうことが固まれば、運用の面につきまして御協力申し上げるのにやぶさかではない、かように存じております。
○高橋(等)委員 大体よくわかりました。このいわゆる補助に対してつきまするところの地方起債の許可という意味では、もちろんこれは御協力願わなければならないと思う。そして単独事業としてこれをやる道を開いた場合に、相当な金額を御用意願うということについて御希望を申し上げておるわけでございます。その点お含みおきを願いたいと思います。
○柳田委員 ちよつと関連して。今の四百六十億ですが、これは無審査を幾らに置いての額ですか。
○白根政府委員 四百六十億というのは、御承知のように二十八年度のうちに入る金でございまして、それが決算の結果大体四百六十億になるだろう、こういうので出投資計画に入つておるのでございまして、もちろん八万円を前提にしておるところであります。
○柳田委員 そうなりますと、二十万円になりますか、三十万円になりますか、無審査の額が引上げられるに従つて、この積立金が多くなると思うのですが、今高橋委員から簡易水道その他の衛生関係の、特に環境衛生等の関係にこれを補助事業のみでなく、単独事業についてもこういう簡易保険積立金を還元するということは、私も満腔の敬意を表し、賛意を表するのです。そこで特に高橋委員に次いでこれを要望いたしておきますが、現在簡易保険は、御承知のように本年度予算でも六億四千万円、実質的には四億円なのです。これはわが党の組みかえ案におきましても、さらに倍額の四億円をわれわれは政調会で組んでおります。今日の新聞によりますと、保守三派の予算修正におきましても、なお四億円の増額のように出ておる。かくのごとく各党ともこの問題には重点を置きまして、大きな必要な事業として取上げておる。かりに四億円にさらに四億円追加されて八億円になりましても、今要求しておる市町村の数は非常に多いのでありまして、とうていこれでは各町村の要望は満たされない、こういうことになりますので、補助事業だけではなしに、やはり単独事業についても当然これは還元されるべきじやないか。特に簡易保険のごときものは国民の福祉といいますが、さらにこれを具体的に、主としてこういうような保険事業の還元融資、反対給付のような立場でいうならば、国民の生命と生活に直結したような事業に融資されるのが最も至当ではないか。生命というとやや限定されますが、生活というと非常に広範囲に漠然となります。しかしながら生命と生活に直結したような事業に融資する、こういう立場になつて参りますと、簡易水道のごときはその最たるものである、かように思いますので、私も高橋委員の説に続きまして、補助事業だけではなしに単独事業についても、特に簡易水道については郵政省は率先して融資されるように要望しておきます。 なお最後に一つお尋ねしておきますが、現在簡易保険の運用の運用委員と申しますか、それはどういう構成になつておりますか、その点を伺いたい。
○白根政府委員 まず最初の御質問に対してお答え申し上げます。私どもといたしましては運用対象の選定にあたりましては、先生のおつしやる希望通りに考えております。ただ御承知のように、出投資計画を立てるにあたりましては、郵政省だけで立てるわけではないのでありまして、主として自治庁と、われわれもある程度関係しますが、大蔵省関係で出投資計画は立つのであります。立つときにあたりまして、われわれといたしましては、先ほど来申し上げたような希望を述べてやつておるわけであります。その点をひとつ御了承をいただきたいと思うわけであります。 さて運用方針を決定するにあたつてどういう機関に諮るかという問題でございますが、ただいまでは資金運用部の金と簡易保険の金、この二つのルートになつております。この二つのルートの資金を、いかなるところに出投資計画を立てて、いかなる対象に資金を流すかということにつきましては、内閣に資金運用部資金運用審議会というのがございまして、会長は内閣総理大臣であり、副会長は大蔵大臣と郵政大臣でございます。そこで郵政省の運用計画とそれから大蔵省の資金運用部の運用計画と、これを幹事会でお互いに話し合つた上で、そこへ御諮問申し上げまして、計画を立てる建前になつておるのであります。
○高橋(等)委員 先ほど来私の希望を申し述べたのでございますが、簡易保険の積立金はその本質にかんがみまして、水道、清掃、病院等の厚生施設に重点を置いて運用せられることを強く希望いたします。つきましては、この希望につきまして、委員長において適当におとりはからいいただきたいと考えます。
○小島委員長 ただいまの高橋委員よりの御要望につきましては、各委員とも御同様の要望があるように見えますので、委員長よりしかるべくとりはからうことにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小島委員長 それではさように取扱います。 日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案等本日の日程に掲載されております諸法案の審議はいずれも次会に譲ることといたしまして、本日はこれには散会いたします。次会は公報をもつて御通知いたします。 午後零時一分散会 ————◇—————