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19回国会衆議院1954/02/01

厚生委員会 第4号

発言数
70
登壇者
7
会派数
4
開催日
1954/02/01

会議録

小島徹三改進党

○小島委員長 これより会議を開きます。  まず狂犬病予防法の一部を改正する法律案及び清掃法案の両案を一括議題とし審査に入ります。まず厚生大臣より両法案の趣旨の説明を聴取することにいたします。

草葉隆圓自由党

○草葉国務大臣 ただいま議題となりました狂犬病予防法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明いたします。  狂犬病予防法の施行以来狂犬病の予防に努めました結果、その発生は、逐次減少して参りましたが、なお、根絶に至らず年々相当数の発生をみる現状でありますので、さらに一層狂犬病予防措置の強化に努め、すみやかに日本全土からその根絶をはからなければならないと考えられる次第であります。本法律案は、これが対策の一環といたしまして、次に述べるような改正を行おうとするものであります。  第一に、近時いわゆる野犬の激増にかんがみ、関係各方面からの要望にこたえ、その対策といたしまして狂犬病予防員が犬の所有者からその不用となつた犬の引取りを求められたときは、これを引取つて処分しなければならないこととし、犬の野犬化防止の一助といたしました点であります。  第二に現在狂犬病予防員が犬を捕獲しようとして追跡中に犬が土地、建物等に入つた場合、そこへ立ち入ることができないため、これを逃走させ捕獲の徹底を期し得ない場合が多々ありましたので、捕獲するためやむを得ないと認める場合は、職権の濫用を防ぐため必要な制限を設けて、その場所に立ち入ることができるようにした点であります。  第三の改正点といたしましては、狂犬病が発生した場合には、繋留命令が発せられているにもかかわらず繋留されていない犬について、都道府県知事が、緊急の必要があり、かつ、抑留を行うことが著しく困難な事情があると認めるときは、抑留のみによらず狂犬病予防員をして、これらの犬を薬殺させることができるようにしたことであります。この場合、都道府県知事は、人及び他の家畜に被害を及ぼさないよう必要な措置を講じなければならないこととし、薬殺の適正化をはかつております。  以上申し述べましたことが今回改正しようとする主要点であります。  次に、ただいま議題となりました清掃法案につきまして提案の理由を御説明申し上げます。  清掃事業の能率的な運営によつて生活環境を清潔に保つことが環境衛生対策の第一歩であることは今さら申すまでもありませんが、現存清掃事業の根拠法規となつておりますものは、明治三十三年の制定にかかる汚物掃除法であります。しかるに現行法制定後五十数年間における都市の発展、人口の増加、産業の発達等は著しいものがあり、その反面公衆衛生、なかんずく衛生工学は長足の進歩を示しておりますので、現行法は今日の社会情勢に即応した清掃事業を行う上において、もはや十分にその機能を果すことができなくなつたのであります。かかる事情にかんがみ清掃事業の効率的な運営をはかるために、本法案を提案いたした次第でありまして、改正のおもな点は次の通りであります。  第一は清掃事業における市町村、都道府県及び国の責務を明らかにするとともに国民の積極的な協力についても規定を設けたことであります。  第二は清掃の対象となる汚物について、実態に即応して若干変更を加えたことであります。  第三は清掃の必要性の地域差を考慮し、特別清掃地域の制度を設けるとともに、季節的観光地、キヤンプ場、スキー場、海水浴場等季節的に多数人の集合する地域については期間を限つて季節的清掃地域の制度を設けたことであります。  第四は特別清掃地域及び季節的清掃地域においてはみだりに汚物を投棄することを禁止することとともに、糞尿は一定の方法によるのでなければ肥料として使用してはならないこととしたことであります。  第五は清掃施設に関し、屎尿浄化槽、屎尿消化槽の維持管理の基準を定めるとともにこれらによる糞尿の処理が不完全であると認めるときは、都道府県知事が必要な措置命令をすることができることとしたことであります。  第六は特別清掃地域内においては市町村の作業の計画的運営に支障なからしめるために、汚物取扱業は市町村長の許可を要することとしたことであります。  第七は全国的に生活環境の清潔保持をはかるため、公共の水域、一定の海域には、みだりに糞尿を捨てることを禁止し、また大掃除の施行について規定したことであります。  以上が本法案の提案の理由並びにその要点でございます。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

小島徹三改進党

○小島委員長 次に、まず狂犬病予防法の一部を改正する法律案についての質疑に入ることといたします。杉山元治郎君。

杉山元治郎日本社会党(右)

○杉山委員 今御説明を伺いますと、狂犬病が漸次減少して来た、こういうようなお話でございましたが、いただいた資料を見ますると、必ずしもそうでないようであります。ある一定の高い時期から比較いたしますと、あるいは最近は少し下つたような傾向もありますけれども、示された二十二年度から見ますと、必ずしもそうではないようであります。そこでいただいた資料によりますと、昭和九年ないし十八年は非常に減少いたしておるのでありますが、これは何か特別の理由があるのでありますか。昭和二十年ごろならば、あるいは食糧の不足のために犬が飼われなかつたという、犬の使用の少いために牧が少くなつたということが考えられるのでありますが、九年ないし十八年はいかにも戦争のうちでありますけれども、まだそこまで食糧が減つておらなかつたと思いますが、この資料では数が減少いたしておるのは、何か特別の理由があるのかどうか、この点について一応お伺いしたいと思います。   〔委員長退席、青柳委員長代理着席〕

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 お答えを申し上げます。ただいま御指摘のように昭和十年、以降著しく減つて参りました理由は、昭和の当初におきましてかなり狂犬病の流行を見たのでありましてその当時の警視庁その他各県の警察部が非常一に力を入れてこの対策を立てまして、これが効果が上りまして一時ほとんど日本全土から狂犬病の病毒が一掃された結果、かように減つたわけであります。ところがその後再びふえましたのは、満州から戦争中犬が内地に入りましたときに、これがたまたま狂犬であつたために、再び狂犬病毒が内地に流行を始めた次第でございます。従つて私どもは、今後やはり日本全土から狂犬病病毒を全部駆逐することが必要と、かように考えておるわけでございます。

杉山元治郎日本社会党(右)

○杉山委員 お説のように、狂犬病のようなものは一日も早く絶滅していただきたいことはもちろんでありますが、今お話のように、非常な防禦の努力の結果ほとんどなくなつた。お示しの統計表によつても、十八年にはたつた一匹ですか、こういう数しか出ておりませんが、翌十九年には七百頭以上の数が出ておるのでありまして、これは満州から来てすぐにこういうふうにふえたということは、ちよつとおかしいのですが、何かこれは統計上の間違いがあるのでないか、あるいは今言うような、満州から来た犬の病源が急激に蔓延したのか、この変化などについても一応承ることができれば仕合せであります。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 満州から狂犬が一頭入り込みまして、これがまたたく間にかなり広い地域にまで病毒が蔓延したわけであります。ところがたまたまその当時は、すでに数年間以上、日本がほとんど無毒地化されておりましたために、狂犬対策に関しまする職員等もきわめて減少いたしておりましたのみならず、戦争等で応召した者もございまして人手不足等のために専門的な技術等を駆使することができませんで、そのためにはなはだ遺憾ながらかような結果を見たわけでございます。

杉山元治郎日本社会党(右)

○杉山委員 今職員の不足というようなことのために狂犬病が急激に蔓延したということでありますが、今度の改正法によりますと、予防員というものを置く、その予防員は県庁の職員である獣医師である。こういう御規定のようですが、その県庁の職員で獣医師であるという方々が、ここにも数字を示されておりますが、あまりにたくさんないと思うのでありますが、それで十分かどうか、それがないときには嘱託の獣医師を置く、こういうことのようでもございますが、これは一般開業医の中からこれを指定して任命なさるのでございますか、そうしてそういう嘱託医として任命いたしましたときには、普通予防員と同じように身分の証明書を平生から交付しているのかどうか、その点についても一応伺つておきたいと思います。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 お手元に差上げました資料にも書いてありますように、御指摘のように一部開業獣医師を嘱託してこの仕事に従事さしているわけであります。しかしながら何と申しましても、狂犬病予防にはかなりの職権を行使する関係もありますので、できるだけ専任、少くとも公務員たる獣医師がこれに従事することが望ましいのでございます。しかしながら何分にも、現在各府県とも職員を増加するということは、きわめて困難な事情にありますので、その間隙をやむを得ず開業獣医師を嘱託してやつている、こういうような状態であります。なお現在官吏をふやすことはできませんので、一応は獣医師を補佐といたしまして雇員の身分でこれに従事さしているというような状況でございまして、大体現在全国で約千四百名程度の獣医師が公務員としてこの仕事に従事をいたしております。

杉山元治郎日本社会党(右)

○杉山委員 専門の公務員の方が予防員になるということは望ましいことでありますが、ここでいただいた資料によりますと、まだ専任のない府県が相当多数あると思いますが、そういうところには必ずそういうような人を何人か置く考えでございますか。あるいは従来のようにこれは人手がないからという名目で、こういうようにあきにしておくお考えでしようか。  ついでですが、この資料によりますと、専任の次の欄に、予−他、他−予と書いてあるのは、予防員が専門であつて他の仕事をしておる者、あるいは他の仕事をしておるが、また予防員をやつておる、こういうふうに軽重の差でこういう数字が出ておるのでございましようか。その点伺いたいと思います。  なお大阪府のごときは何もございません。ああいうような大都会においては狂犬病のごときは一層多いと思うのでありますが、ただ括弧で三十一という数が示されておりますが、そういう括弧の数字は何を示しておるのでしようか、そういう点もわかれば御説明願いたいと思うのであります。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 この資料に専任の欄が空欄になつている県が多い点につきましては、御指摘の通り、私どもまことに残念に思つておるのであります。この点は今後一層専任職員を置くべく、地方を督励いたしたいと考えております。しかしながら今府県におきましても、職員の増はなかなか困難でありますので、やむを得ず他の獣医師を融通して使うということに相なりますので、予防員でありながら、ただいま御指摘のように、一部他の仕事にも従事しておる、あるいは他の仕事を本務としておるが、一部予防員の仕事もするというような仕組みにして、少いながら能率的な運営をはかつておるわけであります。  なお大阪府におきまして、職員が括弧内だけに入つておりますのは、実は資料が内訳がなく、獣医師数三十一名として報告を受けておるために、はなはだ申訳ない結果になつております。これもやはり三十一名というものは、おそらく一部専任、他は他の仕事をやつておるという他の県と同様だろうと想像いたしております。

杉山元治郎日本社会党(右)

○杉山委員 ない府県に充実する。これは費用の点かもしれませんが、やはり嘱託いたしましても相当な費用もかかることだと思いますので、ぜひ専任の予防員というものを置いていただくことが望ましいことだと思います。また今申し上げました嘱託の予防員も、やはり専任の予防員と同様の身分証明書を持つておるのでございましようか。あるいはこれはそうでないのですか。その点についての一応の御説明も願いたいと思います。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 開業獣医師を嘱託いたしました予防員につきましても、その身分を示す証票を持つておるわけであります。

杉山元治郎日本社会党(右)

○杉山委員 この際にちよつと伺いたいのですが、獣医師あたりから非常に陳情が参つておりますうちに狂犬病の注射を一これは改正しておらぬようですが、年に二回のを一回にするというようなことがありそうだというので、獣医師の方から、それは困るじやないか、はたして一回でほんとうに予防ができるかどうかというような問題などもございましたが、これは法律は改正になつておらんからいいようですが、そういう意図があつたのでしようか、どうでしようか、こういうことも一応伺つておきたいと思うのであります。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 お答え申し上げます。現在の狂犬病予防ワクチンの完全な有効期間というものは半年であります。あと半年は逐次減少して参りまして一年をたつと大体効力が消失するという成績でございます。従つて現行法におきましては、半年に一回という規定に相なつておるわけであります。ところが私ども研究の対象といたしましては、現在すでに狂犬病予防がほとんど完全な成果を収めて、発生しておらぬ地方もあるわけであります。かような地方につきましては年一回でもいいのではなかろうかというようなことを研究してみたのであります。しかしながらまだ狭い国土といたしまして、もうしばらくの間全国的に年二回を実施することが、狂犬病予防上適当であろうという結論になりまして、その案を放擲いたしまして、現行法通りといたしたわけであります。しかしながら将来狂犬病予防事業がさらに徹底いたしましたあかつきにおきましては、あるいは一回注射というようなことを考える必要があろうかとも考えておる次第であります。

杉山元治郎日本社会党(右)

○杉山委員 伺いますと、お説ごもつとものようですが、しかし病理学的に六箇月が最有効である、一年では稀薄になる、こういうことでありますれば、やはり現行法通り年二回の注射をやることは、非常に適当であると思いますし、またちよつと狂犬病が出ない、稀薄になつたということで安心する、まだどこからか急に出てあわてふためくということは困る。少くなれば少くなるほど、われわれは徹底してやつて行くという態度をとつて行かないと、——これは厚生行政は御承知のことと思いますが、その点はぜひ手抜かりなくやつていただきたいということを申し述べて私の狂犬病予防法改正に対する質問はこれで終つておきます。

青柳一郎自由党

○青柳委員長代理 次に長谷川俣君。

長谷川保日本社会党(左)

○長谷川(保)委員 この改正案の第六条の3及び4についてでありますが、捕獲しようとして追跡中の犬がその所有者またはその他の者の土地、建物または船車内に逃げ入つた場合て捕獲するために、予防員がその土地、建物または船車等に立ち入ことができるということになつておるわけであります。その条件として「合理的に必要と判断される限度において、」という言葉がある。またそれを拒絶する方にも四項に「何人も、正当な理由がなく、前項の立入を拒んではならない。」というようなことがございますけれども、この法律案によりますと、予防員が捕獲のために他人の所有の土地、建物等に立ち入るように読まれるのでありますが、実際においては予防員ではなくて、捕獲員が入るのではないかと思いますが、その辺どうですか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 現行法の規定によりまして、捕獲人が捕獲作業をやるときには、必ず予防員が随伴いたしまして、公務員の資格で捕獲人を指揮監督して従事することに相なつております。従つてこの場合は公務員たる予防員のみがかような制限のもとに立ち入ることができるという規定でございまして、いかなる場合にも捕獲人が立ち入るということはございません。

長谷川保日本社会党(左)

○長谷川(保)委員 そういうことであれば、この間に起つて参りまする人権の侵害とか、あるいは紛争とかいうものを少くすることができる、避け得るであろうと考えられるのでありますが、実際において犬が逃げ込んだときに、予防員が入るのでしようか。それとも捕獲人だけが入るのでしようか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 予防員のみが入り込むわけであります。

長谷川保日本社会党(左)

○長谷川(保)委員 それで所期の目的を達成し得るであろうかということが考えられるのですが、予防員が実際つかまえる技術を持つておりますかどうか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 予防員が全然技術がないというのではございません。しかしこれは非常にむずかしい専門的技術でありますから、捕獲人の方がよいわけであります。しかし他人の庭先で捕獲するというようなことははなはだ思わしくないのでありまして、予防員が入つて外へ追い出すというような作業をするわけであります。

長谷川保日本社会党(左)

○長谷川(保)委員 その点よくわかりました。  それから第二にお伺いしたいことは、第十八条の、狂犬病の蔓延の防止及び撲滅のため緊急の必要ある場合において、繋留されていない犬を薬殺することができるという条項でありますが、その旨を人民に周知させるという周知の方法は、単に形式的にされますと、実際犬を飼つている場合におきまして、ずいぶん注意をいたしましても必ずしも犬をつないで置けない。ことに交尾期等におきましては、ずいぶんと繋留の綱等を切りまして犬が立ち出るのでありまして、周知の方法をよほどしつかりしないと、大事な犬を殺されてしまうというようなことになると思うのであります。この周知の方法につきまして、単に政令において定めるということは、よほどこれは徹底しなければいかぬと思いますが、具体的にはどんなふうになさるのであるか、大要を伺いたいと思います。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 現在飼犬はすべて登録されておりますので、それぞれの飼主のところに前もつて郵送いたしまして、郵便でその旨を告示することが一つであります。次に、それだけでもまだ一般民衆に徹底を欠きますので、ラジオその他の方法によりまして一般に広報活動をいたします。一方現在考えております点は、県の公報等によりまして一般に公示の措置をとりたい、かように考えております。

青柳一郎自由党

○青柳委員長代理 岡良一君。

岡良一日本社会党(右)

○岡委員 犬の狂犬病予防の必要は、それが人間にいろいろと被害を及ぼすという点に重点があろうと思うのであります。そこでいただきました資料のうちで、人の狂犬病の発生率、これの昭和二十二年から二十七年までの数字をお示しでありますが、これは死亡率ですか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 これは全部死亡者数であります。助かつたものは一人もありません。

岡良一日本社会党(右)

○岡委員 実は臨床の神方の医者としてこの点でいろいろ困ることがあるわけなんですが、治療血清というものは、全府県に対して緊急に処置し得るように配置されておるのでございましようか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 ワクチンは、いつの場合にも十分な量だけ各府県に配当してございます。

岡良一日本社会党(右)

○岡委員 実はある実例で、県の衛生部の方へ話をしたところが、そのきく期限が切れておつたとか、ないとかいうことから不慮の災にあつた経験が二、三年前あるわけであります。ですからその点は、各府県に有効期間中の血清を存置せしめるようにお手配を願いたいのであります。  それから薬殺をされるというが、どういう薬剤を用いられるのでありますか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 現在のところはストリキニンを考えております。

岡良一日本社会党(右)

○岡委員 ストリキニンをどういう方法で——硝酸ストリキニンをどういうふうな方法で犬に食わせますか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 肉に入れまして夜間、地図の上に置いた場所を厳重に記録いたしまして、翌早朝その地図をたよりに残つたものを拾い、食べた跡のあるものにつきましてはその付近を探しまして犬の死体を捜査する、こういう手はずをいたしたいと考えております。

岡良一日本社会党(右)

○岡委員 そうすると、路上に放置されるわけですね、その時間中。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 さようでございます。しかしながら、これは予防員が看視をいたしまして、弊害が起きないように措置いたすつもりでございます。

岡良一日本社会党(右)

○岡委員 繋留されていない犬については、大体その頭数だけくらいストリキニンを入れて路上に放置されますか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 それは犬の多い地方に対しまして、食べやすいような場所にストリキニンの肉を置くということになろうと存じます。

岡良一日本社会党(右)

○岡委員 それでは、大体十匹おればそのストリキニンの入つた肉片を十片くらい置こうというような大体プログラムなんですか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 これはその地方に犬が何匹いるかということがはつきりつかめませんので、かなりの個数を置かなければならないと考えております。

岡良一日本社会党(右)

○岡委員 私が質問申し上げるのは、万一これが人間みずからの命を断つたり、また誤つて死ぬというふうたことになつたら、角をためんとして牛を殺すことになりますから、その点の顧慮を、絶対間違いないという請合いに立てますか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 実は薬殺は、昭和の当初全国的に狂犬病が流行いたしましたときに、警視庁初め各警察部かいずれも薬殺を行いまして多数の例を見ておりますが、しかしながら、これらのうち一例も他に被害の及んだものはございませんでした。最も野犬討掃として効果のある方法だということが立証されておりますけれども、私どもといたしましては、今後より一層注意深くさえ行えば、絶対他に被害が及ばぬということを確信してよいと考えている次第であります。

岡良一日本社会党(右)

○岡委員 従来の経験から、そういう結論になられておられるので、もちろん私どもも間違いないと思うが、万一それにしても、人間がそれによつて被害を受けるという事態が起り得ないこともないじやないかという心配が実はあるのですが、そういう過誤が万一起つた場合には、それが故意にみずから自分の命を断とうとして悪用されたというならば別ですが、誤つてそういうような事態が起きるときには、何らかやはり法律に基いて——ときには何らかやはり法律に基く薬殺という行為が不慮の事態を起すことになるのであるが、何かそういう点については、地方公共団体なり、国としての責任を明らかにすべきだと思うのだが、そういうようなことが起つた場合の取扱いはどうお考えでしようか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 具体的方法につきましていかなる責任を負うかという点につきましては、今後研究してみなければわかりませんが、少くとも府県が責任を持つておりますことにつきましては、ここではつきしり申し上げておきたいと存じます。

岡良一日本社会党(右)

○岡委員 肉に入れますストリキニンの量はどれくらいでありますか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 大体〇・〇二グラム。

岡良一日本社会党(右)

○岡委員 〇・〇二グラムといえば人間の致死量の十倍にもまだまさると思うのですが、そうすると相当危険性を伴う毒物が街頭に放置されるということになるわけです。夜分そのそばについておるわけでもないし、そういうところから、私どもは取越苦労かもしれませんが心配するわけですが、その点はほんとうに遺憾なくやれますか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 この点は私ども最も心配いたした点でありまして、ただいま申し上げましたように、夜間に限りちやんと地図の土に置いた場所を書いておき、早朝拾う、あるいは必ずそこに見張りの人間をつけておきまして、間違いなきを期す。さらにこれが効果があるかどうかは別といたしまして、明らかにこれは有毒であるということを書いた紙の上にでも載つけたらどうかということも考えておりますが、やはり最も効果の多いと思われる点は、見張りを厳重にすることが一番効果が多いのではなかろうかと存じております。ただ以前実施いたしました方法は、街頭で犬が近づいて来るとポケットから出して投げて食べさしたということでございます。しかしながら昼間公衆の面前でかような措置をとることもどうかと思いまして、私どもは今後夜間安全な措置をとつてやることが人間の感情の上からいつてもいいんじやなかろうかというふうに考えておる次第であります。

岡良一日本社会党(右)

○岡委員 何か街頭に放置しないで、つかまえて注射でもしてというような方法について御研究になつたことがありますか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 現在犬を処分いたします場合には、電気をかけまして、きわめて瞬間的に安楽死させる方法をとつております。従つてつかまえさえすれば、安楽死させることはきわめて容易なのでありますが、捕えるということがなかなか、困難でありまして、捕えさえすれば、注射もできるし、電気で安楽死させることもできるわけであります。ここに非常に悩みがあるわけであります。

青柳一郎自由党

○青柳委員長代理 他に御質疑はありませんか。——御質疑がないようでありますので、次に清掃法案について質疑に入ります。杉山君。

杉山元治郎日本社会党(右)

○杉山委員 ちよつと清掃法案についてお伺いしたい一、二の点は、まず第一に、私は農業の関係から、今いただいた説明によりましても、糞尿は一定の方法によるのでなければ肥料として使用してはならない、こういうことになつておるのでありますが、この一定の方法というものは、ある期間腐熟さすとか、あるいは貯溜槽にそういうものを入れておいて何か薬物を入れて消毒をするとか、そういう一定の処理あるいは処理期間、こういうものがあるのかと思うのでありますが、この点でお伺いいたしたいことは、御承知のように屎尿を使いますのは、ある一定の時期にこれを使いますので、使う以前はその処理が残りまして今使いたいという時期になつたときに、これができないということに相なりますと、農業上の非常な支障にもなつて来ようかと思いますので、一応その点を伺つておきたいと思うのであります。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 この適用の地域は、特別清掃地域でございますから、主として市街地でございます。また季節的清掃地域にいたしましても、これは主として観光地等でございます。従つて全国的にかような措置をとろうという趣旨でございませんし、なおいかなる基準によつて処理したものを認めるかという点でございますが、これは大体夏で一箇月、冬で三箇月程度腐熟をしたもの、あるいは上へ土をかけまして埋没の形で施肥をするか、あるいは浄化槽等で処理されたものを使うというようなことを考えておる次第でありまして、要はこれらの市街地におきまして、あまり悪臭を発する、あるいは昆虫発生の源をつくる、あるいは観光地等においてあまりにも支障となるような行為を避けようという趣旨でございます。

杉山元治郎日本社会党(右)

○杉山委員 今の季節的清掃地域は説明によつてわかるのですが、そうすると特別地域という市街地は、人口何万以上の市街地をさして申すことになるのでしようか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 特別清掃地域というものは、一応現在の市制を施行した地域を考えております。ところが同じく市制を施行した地域におきましても、農村あるいは山地と何らかわりない場所の編入されておるところもございます。かような点は、都道府県知事が一つの基準によりまして、その地域から除外する方法を考えておるのであります。一方市制をしがなくても特別な町で清掃事業を必要とするところもまれにございます。かような点も都道府県知事が一つの基準に従つて、清掃地域として指定して行くやり方を考えております。この場合基準となる考え方は、第一に人口密度でありますが、一平方キロメートル当り五百人以下のようなところは除外をして参りたいと考えております。第二に山岳地帯、あるいは田畑の地帯あるいは林野地帯等が大部分を占めておる土地というようなところも除外をして参りたい、かように考えておりまして、従つて現存各市がその事業として清掃作業を行つておるところに限つて参りたい、こういう所存でございます。

杉山元治郎日本社会党(右)

○杉山委員 今伺いますと、市制をしいておる場所ということになりますと、私どもの大阪府下のごときは今二十二市あり、また新しく市制がしかれるというような状態で、農村地帯になる部分もほとんど市の中に入つて来るのではないか、こういうことを考えておるのであります。そういう場所は今申しますように、冬三箇月、夏一箇月これを貯溜して置かなければならぬ、こういうことになりますと、いろいろと不便が出て来ると存じますが、これは法律できめることでありますからやむを得ませんが、それならば一箇月なり三箇月貯溜する貯溜槽について、厚生省は何か考えを持つておるか。これについて考えを持つておらないでこれをせよというなら、無理をしいることに相なつて来ると思いますので、もしそういうことならば、貯溜する槽について厚生省は施設の補助をするとか、あるいはそういうような何かのお考えを持つておるかどうか、この点についても一応伺つておきたいと思うのであります。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 施設まで設けまして腐熟させてこれを使わなければならぬというような場所は、おそらく清掃地域には入らないものと考えております。同じく市制は施行しておるが、それは当然除外される地域であろうと考えております。一平方キロメートルあたり五百人以下の人間というところは全部除外されるわけでありますから、密集地帯にほとんど限つて来ると存じます。従つて少くも現在の農業の営農方法に支障を来すことはあるまいと存じております。ただ家庭菜園というようなものになりますと、いささかきゆうくつになつて来る、かような考えでございます。

杉山元治郎日本社会党(右)

○杉山委員 それは郊外の農村の実情を御存じないのであつて、大阪のような密集部落の多いところでは、どこでも一平方キロに五百人は、満ちておるのであります。特に御承知のように、堺市の郊外のごときは有名な蔬菜地でありまして、ここは屎尿を使わないでみつばをやりますとか、特別な野菜をやらなければならぬところでありまして、こういうところでは、今までの通りならば、その時々あるいは買つたりして使えるのでありますけれども、今度かようなことに相なりますと、おそらくあの郊外の農村地帯、特に軟弱蔬菜の栽培地は非常な影響を受けると思うのであります。それをするなら、やはりそういう地帯にあらかじめそういう施設をしてやるということを考えてやつていただかなかつたならば、その地帯の農村は非常に迷惑すると思います。これは一応局長が大阪付近の郊外の農村をごらんいただきますならば、その点ははつきりして来ると思いますが、あえてその点を申し上げまして、ぜひやりますならば——これはけつこうなことであります、やつていただきたいと思いますが、やるならば、そういう施設を考えないでやるということは、これはやれないということと同じようなことであります。法をつぐつてやれないようなことをするのなら、これはいけないことだと思います。  またこの法案を見ますると、処理が完全であるか不完全であるかということを監察しに行く、こう書いてありますが、監察しに行くというのは、一体どういうところを監察するのでしよう。市が、たとえば大阪市なら大阪市、あるいは私どもの住んでおる布施なら布施という市が処理いたします、これはみんな郊外に持つて行つて今申すように直接に百姓に売るなり、あるいはそういう貯溜槽に入れるなり、こうしているのでありまして市自体は、おそらくはそういうようなわけで郊外に出してしまうことに相なると思うのでありますが、そういう場合に、市にはそういうものは何もないからそれでいいのだと思いますが、あるいはそういう貯溜槽に入れたものが、まだ三箇月たつておらぬのに使つておる、あるいは百姓さんたちが使つたが、どうもかけつぱなしで土もおおつておらないからいけないのだというて処罰をするか、こういう問題がはつきりして来ないと、百姓さんたちが迷惑するだけであつて、非常に衛生の点ではけつこうでありますけれども、これを使いまする者の点も一応御考慮の上で考えていただかなければならぬ、こう思うわけであります。この点はいかがでございましようか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 この清掃法案の趣旨は、決して都会地あるいは密集地域だけの清掃を考えておるものでございません。全国的に農村地帯においても清掃をしなければならぬということは申すまでもございません。従いまして都市の屎尿等を都市から搬出してしまえばあとはもうどうでもかまわぬというようなことは毛頭考えておりません。ただ問題は、いかなる形において処理し、いかなる形において運んでどうしたらいいかということに大きな問題があろうと存じます。従つてこれらの点につきましては、一応個々に具体的には触れておりません。この法律におきましては、単に衛生的にこれを集め、衛生的に運搬して、適当な衛生的に認められた許される範囲において最後の処理をすればよろしいという、きわめて漠然たる書き方に相なつております。と申しますのは、これは都市のそれぞれの実情によりまして処理方法というものはおのずから異なつて参ります。またこれを完全処理して農村に還元するということになりますと、施設の面で相当な経費もかかつていまただちにできないといううらみもございます。そのために一応きわめて概念的な一つの規定になつておるのは、はなはだ残念でございますが、ただ私どもといたしましては、都市の屎尿はこれはやはり、日本の現状といたしましては、農村に肥料として還元することが適当であろう。その場合に安全な処理をして還元して行くということで、先ほど御指摘のように、消化槽のごときものを設けてこれによつて処理をする。そういたしますならばその量も著しく減じます。水分と固形分とを分離いたします関係で量が著しく減少いたしますから、現在きわめて輸送難に陥つております都市の屎尿の処理問題も解決する。しかも一方衛生的に処理されるというようなことで、今後極力完全消化せしめたものを農村に還元して行くという方法をとりたいと考えております。

杉山元治郎日本社会党(右)

○杉山委員 都市でそういうものができることがむしろ衛生上よくないので、できるならば都市から離れたあるいは郊外なりあるいはもつと遠くまでこれを運び出して行く、そのことの方がむしろ衛生的なんでございます。従つてそれを今申しますようにやるならば、もつと都心から離れたところにそういう貯溜槽を設ける、そうしてそれに対して適当な補助援助をする、こういうことの方が都市のためにも一番適当であり、また農村のためにもよいことではないか、こういうように私どもは平生から考えておるのであります。その点についてある地方では御説のようにちやんと貯溜槽をつくるのに補助もいたしておりますが、政府自身が清掃法という法律をつくるならば、これをもつと一貫してそういう面までも十分御配慮を願わなければならないのじやないか、こういうように私どもは考えておりますので、一応その点をお聞きしたわけであります。  なおここには不完全な場合には環指員は特別の命令をすることができる、こう申しておりますが、それは先ほどのように貯溜槽がない、あるいは時によるとある場所において海に流す、川に流すというような場合を示しておるのかとも思いますが、その不完全な場合というのはどういう場合を一応お考えになつておるのでありますか。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 私どもはこの農村還元をいたす処理は、この法律では合理的な安全な方法と一応考えております。ただここで不完全処理と申しますのは、たとえば各家庭や大きな施設が持つておる水槽便所、浄化槽の処理がきわめて不完全である場合、あるいは都市が収集いたしました屎尿を消化させるために消化槽をつくつた場合、それらの施設がきわめて不完全なものが現在かなり多いのであります。従つてそれがたまたま川へ流れたりあるいは下水に入り込んだりして被害をこうむりますので、かような不完全な消化槽あるいは浄化槽に対しましては、今後それを完全にするように改造命令等も出し得るようにしたわけであります。しかしながらくどいようでありますが、農村に還元した方法は一応合理的安全な方法と私どもは考えております。ただお言葉を返すようでありますが、最近都市が一番困つております問題は、農村の屎尿の需要というものが激減をいたしております。この理由はたとえば有畜農業が盛んになつて堆肥に事欠かぬこと、あるいは化学肥料が出まわつて来たとか、さらに農村の気風一般が、ことに青年の気風等が屎尿を使いたがらないというようなことが総合されまして、最近は極端に農村の需要というものは減少しております。ところがそれに反しまして都市は人口の増加等によりまして、都市の排出量は急激に増加しております。そこに問題があるのでありまして、むしろ私どもといたしましては、これが従来通り農村に還元できれば苦労はないわけであります。ただ農村への還元の場合に、輸送距離というものが問題になりまして、たとえば東京の屎尿を東北地方、福島県までも運べるようならば、一応これは問題が解決いたします。しかしそのような点は輸送能力、輸送経費等から不可能でありますので、勢い行き詰まつてしまうというところに大きな問題があろうと存じます。従つてこれらの点はやはり今後別な方法でその処理を考えなければならぬ、こう考えておる次第でございます。

杉山元治郎日本社会党(右)

○杉山委員 お説のように化学肥料が出まわつて参りましたし、また有畜農業がだんだん盛んになりましたりして、そういうように肥料の需要も多少減じて来たその際に、屎尿のようなきたないものを扱いたくない、これは農民としてもやはり同様な心理状態だと思います。しかし今屎尿の需要の減つて来たということは以上の理由もございますけれども、私どもの付近において実情を見ますると、むしろ割合に割高だということ、あのきたないものが割合に高いということのために、そういう高いものを使うならばむしろきれいな化学肥料を使った方がいい、こういうことになつておりまして、もし同等かあるいは少し安いならば、従来使いなれて来ており、また割合に安全である屎尿を使つた方がいい、こういうことは農民も考えておるのでありますが、今御説明のように運賃などのために割合に郊外の遠くになりますと高くつきますので、これは使わぬというにほかならない。もう少し安く行くというためには、都なり、市なり、そういうところがもつと援助する方法をとる必要がある。片一方では清掃のため、衛生のためというのでありますから、そういう方面の費用として援助して行くという考慮をして行くならば、農民は決してこれは使わないというのではないのでありまして、今申しますように割合に高いということが使わぬ大きな理由になつておる。  そこで私はなおついでに伺いたいのですが、いわゆる汚物取扱い業者、これは市町村長が任命するということになつておりますが、そうするとこの法律ができますると、もう一度あらためて今までやつている者をあるいは任命し直すのでありますか。要はこの屎尿取扱いの人たちは俗に一種のボスなのです。一つのなわ張りを持つていて、農村の人たちがとりに行きたいと言つてもとりに行かせない。こういう状態で一般の家庭からはくみとり料をとり、農民に高く売りつけている。このために相当莫大な金をもうけているいわゆるボスが多くの町におるということはご承知だろうと思います。これをほんとうによくして行かなかったら、清掃事業の一部が今、おつしやるようなことで停滞する。これをほんとうにうまくやりますならば私は必ずよくやつて行けると思います。こういうことを考えますので、この扱い業者についてどういう取扱いをするのか。市町村長にただ委託して、それだけにまかしておく、こういうことならなれ合いになつてしまう。従来通りに相変らぬことになつてしまうと思いますが、そういうことについて政府の方ではただ任命の委託のままにまかすのか、一応この際あらためてそういうようなはつきりした、ほんとうに清掃のためにやつて行ける人を選ぶ、こういうことにするのか、この点についての御意見を伺いたい。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 この屎尿くみとり業者と申しますか、屎尿処理業者はきわめて複雑な業態でありまして、何と申しましようか、御指摘のようにボス化もしている場合もありましようし、さらに相当な利益も得ており、実に困つた問題でありまして、きわめて困難でありますことはよく存じております。ことに大阪の場合は全国的に見ましても、特にむずかしいところだろうと存じております。そこで私どもといたしましては、かようなものは、できるだけ方針といたしましては、市の直営でやることが正しかろうというふうに考えております。直営でやりますれば、無料で農村に還元もできますが、これは今直営でやつているところで農村に売つているところはございません。ところが直営に切りかえるということになると、市の当局はほとんど命がけでやらなければならぬようなことになつて、私どもはただちにそこまで行くことはできないと考えております。そこでとりあえず市町村長の許可を受ける仕組みにいたしましてかような点を考慮するようという幾つかの条件をつけて、その条件に当らぬ場合には許可を取消すという仕組みを考えておる次第であります。  なおくみとり料金等につきましても若干の規制をしたいと考えておりますが、現在ありますものは、この法が施行されました後、経過的に二箇月間だけは従来通りにするように考えているわけであります。その二箇月間の間にあらためてそれぞれ条件をつけたり、何かをする。どうしても聞かぬ場合には市長がその業務を取消すことにいたしたいと思つております。しかしこれもなかなか取消し命令くらいではたしてどうなるかということも心配いたしておりますが、この点すみやかに私どもといたしましては努力いたしまして、お互いに話合いでうまく問題が解決するようにいたしたいと考えておる次第であります。

杉山元治郎日本社会党(右)

○杉山委員 もう一つ伺つておきたいことは、今お話の、市が直営で清掃しているところは、どこどこにあるか、あるいはどれだけのくみとり料をとつているか、そういう点についての御調査がございましたら、資料でもあればけつこうですが、いただきたいと思います。あとでまた資料を読んでから、また質問をするかもしれませんが、一応今日の質問はこれで打切りたいと思います。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 御指摘の点は資料にもございますし、なおそれだけとりまとめてもう少しわかりやすく、次の機会までにお手元に差上げたいと考えておりますが、現在は完全に市が直営しているというところはきわめて数が少いのでありまして、大部分は請負業者がいたしておりますが、なお東京のように業者及び直営両方が入り乱れているところもかなりございます。

青柳一郎自由党

○青柳委員長代理 次に岡良一君。

岡良一日本社会党(右)

○岡委員 私も資料を十分まだ拝見いたしておりませんが、ただこの法律案だけを見ての印象だけで一言お伺いをいたしておきたいのです。この法律案を施行いたしますと、そのために伴なう事務や、特に施設等については相当な経費が伴つて来るのではなかろうかと思うわけです。今後この程度の法律を施行しようという熱意があるならば、当然それを裏づけるもの、この特別清掃地域なり、季節的清掃地域について何らかの財政的な補助が必要ではなかろうかと思うのですが、この点がこの法律案にはうたわれておらない。これでは空転する作文に終つてしまう危険性が非常に多いし、一方地方財政は御存じの通り非常な圧縮を受けているので、なかなか今日の現状ではここまで手が及ばないのではないか。そうしてせつかくわれわれがこの法律案を審議しても、この法律案が空転するようなことではむだな話だと思いますが、厚生省としてはこの法律案をつくられた当初において、あるいはまた従来何らか国としての財政的な裏づけをされておつたのではないかと思いますし、またそういう交渉をこの法律案に伴つてされたのではなかろうかと思つておりますが、その間の経過をこの機会にお伺いいたしたい。

楠本正康厚生技官(公衆衛生局環境衛生部長)

○楠本説明員 徒指摘のように、今後清掃事業を近代的に改めて参りますためには、かなり施設面その他に経費がいるわけでございます。現在国といたしましては、法律の有無にかかわらず、きわめて少額でありますが、補助費が計上してございます。なおこれらのものは今後大いに増額をしなければならぬと考えております。ただこの法律案におきまして補助規定等具体的な規定がなく、単に財政的援助を総括的にうたつてあるわけであります。私どもといたしましては、もちろん補助規定を織り込みたいのはやまやまでありますけれども、国家財政の観点その他から考えまして政府案といたしましてはかような点で調整をはかりまして一応この規定からは落してあるようなわけであります。

岡良一日本社会党(右)

○岡委員 そこでこの法律案を全部完璧に施行するということは別といたしまして、徐々にでも施行して行く場合に、これに伴う経費と、それに所要と見込まれる従来の慣例的な国家の補助というふうなもの、あるいはまた富裕県にいたしましたところで、やはり起債でやろうと思つても起債順位というものが法律ではつきりと——もつと具体的に国が財政的に援助するという規定を出しておかなければ、起債の許可においては順位がうんと切り下げられるからなかなか思うように出されないという点もありますので、そういう点をこの次の機会までに、何か具体的な資料で、数字でもつてお示しを願いたい、こう思つております。

青柳一郎自由党

○青柳委員長代理 他に御質疑、御発言はございませんか。  御発言がないようでありますので、本日はこれにて散会いたします。次会は明後三日水曜日の午前十時から理事会、十時半より委員会を開会いたします。   午後零時二分散会

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