建設委員会 第42号
- 発言数
- 58 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/09/24
会議録
○久野委員長 これより会議を開きます。 第十二号台風及び日程を追加してそれ以後に本土を襲いました第十四号台風における被害状況につきまして、あわせて政府当局より説明を聴取いたしたいと存じます。米田河川局長。
○米田説明員 お手元に「台風第十二号による被害の概要」と「台風第十四号による被害の概況」という資料二部を差上げてございますので、その資料によつて御説明をいたしたいと思います。 最初に十二号台風の被害の概要を申し上げます。 これは先ほどもお話がありましたが、第二ページの図面でごらんいただけますように、十二号台風は九州を南から北へ縦断いたしましたために、九州地区が被害の中心でございます。特に先ほどもお話のありましたように宮崎、鹿児島、大分という各県及び四国の県の被害が相当にあつたのでございます。 その次の表に各地の被害の概況を鹿児島、宮崎、大分の順序で書いてございます。特に被害の大きかつたのは宮崎でございまして、河川関係では大淀川の水系、綾北、綾南、大瀬等の各河川の被害が大きかつたのであります。道路は日南海岸、日の影高千穂線それから山間部の道路等でございます。橋梁の流失も非常にひどかつたのでございまして、国道十号線及び一ッ瀬、高松、小戸橋等の各橋梁が流失をいたしております。 その次の大分県は、水系としては番匠川、玖珠川等でございます。道路は、海岸が御承知のように相当な風を伴つておりましたために、海岸の被害が相当にございました。佐伯、臼杵、津久見、鶴崎等がこの被害の中心地でございます。 あと鹿児島、熊本、長崎、福岡等がございますが、これらはその二県に比べますと比較的低位な被害でございます。 それから四国になりまして、高知県が、特に海岸線一帯の強風による被害がございました。愛媛県の被害も肱川、重信川等の大水系が被害の中心でございまして、この総額は、この表にも十四億と上つておりますが、相当の被害でございました。 徳島県も海岸線一帯及び吉野川水系の被害が相当にございました。被害の報告額十五億になつております。 これらが今度の十二号台風による被害のおもなるものでございます。しかし、被害を受けました県は相当な数に上つておりまして、この表にございますように、近畿、中部、北陸にまで及んでおります。概算でございましてまだ各県のなまの報告そのままをあげてございますが、総計百十二億——これは建設省関係だけでございますが、百十二億という数字の集計ができております。これは今後実地に査定をいたしまして確定数字になるのでございますが、今のは県の報告そのままを計上してあります。 一番最後のページに、十二号台風による一般被害の概要を書いてございます。死者三十八名、負傷百三十四名、行方不明六十名、建物の被害をその次に書いてございます。耕地の被害もその次に書いてございます。水田の冠水二万七千町歩、畑の冠水が八千六百六十六町歩ということになつております。詳細は表でごらんを願いたいと思います。 次に台風十四号による被害の概況を申し上げます。 これは二ページの図面でごらん願えますように、この進路がなかなか問題であつたのですが、結局は紀伊半島の南端をかすめて、最後は房総半島に抜けたのでございます。そのためにこの進路に沿いました各県で被害を受けたのでございます。その次のページに「地方公共団体の被害概況」というのがございます。これは静岡の災害が最もひどかつたのでございまて、先ほどもお話がございましたが、県の復旧額十五億という報告になつております。河川筋は太田川、筬川、朝比奈川、潤井川、沼川、大井川、安倍川の水系でございます。海岸線も各所で被害を受けております。なお、われわれがこの台風で一番おそれましたのは、現在愛知、三重の海岸堤防を施工中でございまして、これは三百キロに達するような長い区間のものでありますが、昨年から九十億に近い金を投入して、今仕事をしておりますのが、流されて出もどりになるのじやないか。そのための被害も非常におそれておつたのですが、海岸のそういう区域は比較的軽微で済みました。この点は非常に幸いでございまして、われわれ安心をいたしております。その災害が、少し東の静岡の方に移つたような感じを受けました。 この各府県の被害総計は、今日までの報告を集計しますと五十七億になつております。これも先ほど申し上げましたように、現在のところ各府県が早早の間にとりまとめて報告をして来た数字でございます。現在われわれのところでも、係官を現地に派遣いたしまして、調査をいたしておるところでございます。いずれにしましても、各県は現在応急の工事をやりながら、また一面全体の災害復旧の計画を立案中でございまして、これらの災害復旧の設計ができますと、査定官が現地に参りまして実地査定をいたすことになつております。なお、そういう実際の査定が先になりますので、それより前に措置をするような問題で、普通の程度ならば、各県でも判断をいたして緊急の復旧をいたしております。しかし大きい復旧になりますと、緊急のものでも将来適用したときに大きな金額になつて、技術的な問題や意見の相違等が起るような懸念があるものは、事前に府県とわれわれの方とで打合せをして仕事を進める、そういう話合いもいたしております。 こういう状況でございまして、今までに受けました災害の総計といたしますと、七月以前までの合計が二百十六億、それから台風十三号が七億、台風十二号が百十二億、台風十四号が五十七億、合計いたしまして三百九十二億という数字になつております。昨年の今ごろは大体千三百億くらいになつておつたのに対しまして、今年は三百九十二億という線でとまつておりますので、全体として昨年に比較いたしますと大体三分の一弱という程度でございます。このほかに直轄河川の災害がございましてこれが二十七億ございます。それが今日までの災害の総計でございますが、しかしこの数字は今後査定をして確定数字になりますと、従来の実績から申しましても、ある程度減つて参りますので、最終の数字はこれより下まわると思います。 一応今のところの集計は以上の状況でございます。
○久野委員長 以上の説明につきまして質疑の申出があります。順次これを許します。村瀬宣親君。
○村瀬委員 ただいま御説明の数字並びに配付になりました資料によつて、今回の被害の状況を分類いたしてみますると、全国の総額が百十二億という御説明でございましたが、一番大きいのは宮崎の三十六億円、二番目が徳島の十五億九千万円、これは十二号、十四号を御配付になりました資料で私が集計をした数字であります。三番が静岡の十五億六千万円、四番が愛媛県の十四億円、これは実際は十五億三千万円になつておるのでございますが、一応建設省の謄写刷りによつて申し上げてみます。五番が大分の十億八百万円、六番が高知の十億七百万円、この六県が十億以上になるのでありまして、この六つの県を総計いたしまして九十一億五千万円になつておるのであります。そういたしますると、これは実に百十二億円の八二%を六県がこうむつたという結果になるのでありまして、そのあと二十数県が一八%の損害であるということに、一応この統計には現われて参つておるのであります。従つて今回の災害は、実に六県等に集結をしたという特殊な状態にあるのでありまして、従つて、先ほど静岡県や宮崎県の県会議員の方などから陳情がありました通り、交通の点も、その他衛生、生命に関する点も、この復旧は実に急を要するのでございますが、これらに対しまして、とりあえずの緊急融資その他の措置を、建設大臣はどのようなところまでお進めになつておりますか、明らかにしていただきたいのであります。
○米田説明員 今回の十二号、十四号についてのつなぎ融資は、現在全体としては、まだ各県からの書類の提出が遅れておる関係上、数字的に折衝いたしておりますのは、徳島と岐阜の両県の書類が出て参りましたので、これを大蔵省と折衝をいたしております。なお宮崎県の書類は二十七日には来る予定になつておりますので、これが来てからの折衝になるのでございます。他の県はまだ書類ができておらない段階でございます。 それからもう一つ愛媛県については、資料は出て来ておりますが、内容を現在調査をいたしておるところでございます。この調査が終りますと大蔵省との折衝に入ることになつております。 十二号、十四号の分のつなぎ融資の折衝の状況は、その程度でございます。
○村瀬委員 徳島、岐阜等は、もうすでに出ておる、宮崎その他は二十七日に出て愛媛県は書類は出ておるが内容調査中ということでございましたが、内容調査というのは、どういう意味でございますか。査定をするという意味でありますか。元来、今までのやり方は、査定等はかなり遅れておりますが、とりあえずのつなぎ融資につきましては、早いときには一週間くらいで戸塚大臣時代は出たこともあるのであります。これがはつきりいたしませんと、被害町村民は非常に不安動揺に襲われるのでありまして、場合によれば治安上にも重大な影響があるのでありまするが、大体お見通しはいつごろ、どのくらいの金額を必要とお考えになつて大蔵省と折衝なさつておりますか。今回は、かように集約的に一箇所に固まつた災害の傾向が強いのでありまして、これを遷延せしめますると、思わざる重大な結果にならないとも保しがたいのでありまして、きわめて緊急を要することであり、また先例にとらわれず、相当多額の融資をお出しにならねばならないと存ずるのでありますが、どの程度の金額を要求なさつておるのでありますか。いわゆる総額に対し何割という率でもよろしゆうございますから、明らかにしていただきたいと思います。
○久野委員長 村瀬君に申し上げますが、大蔵省側から牧野地方資金課長、鹿野主計官が出席をしておられます。
○米田説明員 この内容調査中と申し上げました内容は、つなぎ融資の対象は応急工事に置かれておりますために、県から出て来た資料の中には、いろいろと工事の種類がまじつておりますので、それを整理をして調査をしておる、こういう趣旨でございます。その数字が出れば、すぐに大蔵省との折衝をいたします。まだ今日金額が確定をいたしておらぬ段階でございますので、至急に金額を確定いたしたいと思つております。
○村瀬委員 たとえば愛媛県のごときは十五億三千万円、この表には十四億となつておりますが、それに対しまして、地元で緊急を要するものは約三分の一、四億五千万円はぜひ必要だと言つて参つておるのであります。おそらく宮崎県その他静岡県等におきましても、三分の一見当は必要とするのではないかと思うのでありますが、建設大臣はどういうふうな御方針で折衝をなさつておられますか。また現に大蔵省からも牧野資金課長等もお見えになつておるようでありますから、どの程度仕事が進行しておるのでありますか、被害者に対して安心の行くような御答弁を要求いたします。
○小澤国務大臣 この災害に際しましては、村瀬君も御承知の通り、大体において応急的なものは県でやつてもらう。しかし資金のないところでは、いわゆるつなぎ資金を出すという建前は従来の通りでありまして、今度もその方針で進むつもりであります。しかし大蔵省の方では——大蔵省の役人も来ておるようでありますが、最近つなぎ融資に対する考え方を一応かえまして、緊急なものだけを出すという建前になつておるのでありますので、建設省で今調査しておりますのは、緊急なものかどうか、これを調べておるのであります。
○村瀬委員 大蔵省はどうですか。
○牧野説明員 ただいまつなぎ融資につきましては、とりあえず緊急にしなければならない工事というものを選び出しまして、それに対してつなぎ融資をするという考え方で行きたい、本年度そういうふうに進んでおります。ただいまだんだんに資料が出そろつて来ておるようでございます。これに伴いまして建設省の方でも整理をされまして、こちらへ順々に御連絡があることと存じております。そういたしますと、私どもの方でも応急工事というものについて、すぐ金がいるという問題が起きると存じますので、それについてつなぎ融資をいたしたいというふうに考えております。
○村瀬委員 実際の被害を受けておる罹災者としては、そういう抽象的な御答弁では、ちつとも安心が行かぬのであります。 そこで、私、具体的に伺いますが、徳島県と岐阜県とは、すでに書類を大蔵省に出しておるということである。そういたしますと、徳島県は、この表によりますと十二号台風の土木災害が十五億二千万円、十四号台風が七千万円、合計十五億九千万円となつております。それを建設省は幾ら緊急工事に必要だといつて大蔵省へお出しになりましたか。その建設省が出して来た金額を、大蔵省は全額お認めになるおつもりで今お調べになつておるか、九割九分お認みになるおつもりなのか、はつきりしていただきたい。徳島県が明らかになれば、他の県も大よそ見当がつくのであります。ひとつ徳島県について十分お示しが願いたい。
○牧野説明員 徳島県と岐阜県の分につきましては、実はただいま大体こういうことになるのじやないかという御連絡を受けた程度でございまして、まだ内容を拝見し御説明を伺つてどう処置するというところまで行つていない段階でございます。
○村瀬委員 それはどういう連絡を受けておりますか。十五億九千万円という調書がここに出ておるのであります。それを一体建設省は何ぼつなぎ融資をしてもらおうと大蔵省に御連絡なさつたのでありますか。それは牧野さんのところで何ぼ来ておりますかわかるでしよう。それを全額認めるおつもりであるか、あるいは九八%ぐらいにするおつもりであるか、ひとつはつきりしていただきたい。
○米田説明員 これは一例でございますけれども、先ほど例として出しましたが、徳島、岐阜の両県については、一億八千二百万というのが私どもの方の調査の結果きまつた数字で、これを今大蔵省と折衝をいたしておるところでございます。
○村瀬委員 私は先ほど、約三分の一ぐらいはとりあえずつなぎ融資を出さねば、罹災者は非常な窮迫状態に陷るのではないかということを申し上げたのでありまするが、徳島だけでも約十六億の災害が出ておりますのに、両方で合せて二億八千二百万円、三億円に足らないということであります。そういたしますと、八分の一以下ということになりまするが、これなれば先例より少しもよくない。むしろ先例には、これよりももつとよけい出た場合が非常に多いのでありまするが、今回このデフレ政策の強行によりまして全体的に市町村も困つておる実情をちやんと御承知のあるにもかかわらず、また今回の被害が特に六県に片寄つたというような特殊の事情があるにもかかわらず、わずかに二億八千二百万円ぐらいで一応よいであろうとお考えになつた根拠はどこにあるのでありますか、伺つておきたいのであります。
○米田説明員 これは先ほどからも申し上げましたように、応急工事というのにつなぎ融資を限定いたしておりますので、あとの全体の復旧については、実地査定を済ました上で、その確定金額に対してやることになつております。大部分の工事は、本格的な工事はまだ爾後の問題でございますから、確定数字について予算措置をすることになつております。今さしあたり出しまするつなぎ融資というものは応急工事で、その応急工事というものは、内容が個々いろいろときまつております。こういうもの、こういうものというのがきまつておる、そういうものに対して融資をして行くのでございます。これが今、三割というお話でございましたが、これは年内の予算の措置ということは全然別でございますから、ごく応急のものについてだけ措置をしたいという考えで進めております。
○村瀬委員 議論はいたしませんが、応急工事は、つまり全体工事の一部なのであります。でありますから、応急工事に限定せねばならぬということもないのでありまして、また何もこれだけ国の補助金を出してくれというのではないのであります。国の補助は、あとで査定をして決定するわけでございまして、とりあえず地方が困つておるこの災害の復旧に要する分のつなぎ融資になるのでありますから、何もよけいお出しになつたから損をするというようなことはないわけであります。この意味において私はあの三・五・二のことを言つておるのではないのであります。実際地方が必要とするのは、その金額の三分の一——三割の意味ではありません。三分の一くらいの融資をとりあえず必要とする。これは補助金ではないのでありまして、補助金はあとで査定をして、あなたの方でお出しになるのでありますから、その点は私は徳島、岐阜の十六億何千万円に対し、二億八千二百万円では、あまりに少額に過ぎると考える。一体大蔵省は、牧野さんに伺いますが、そうすればこの二十八億二千万円というて建設省が言つて来れば、もうそれは一〇〇%文句を言わずにすぐお出しになる御方針でございますか。
○牧野説明員 ただいまの問題になつております件については、これは今これからやるところでございますので、何とも申し上げられませんけれども、ことしの初めごろ同じような問題がありまして、やりました件はついて、前例になるかと存じますので、若干申し上げます。大体応急、復旧工事というものは、災害があるとすぐ金がいる。それから本工事というもの、これは大体かなり詳しく調べまして、長期の計画を立てた上でなければなかなかできないのではないかということで、応急復旧工事の分だけとりあえずつなぎ融資として出そうかということを考えておる次第でございます。それに際しまして、県の方からいろいろ計画が出て参ります。この計画に基きまして、建設省の方からも行つていただき、大蔵省の方からも現地に行つておりますので、立会いましてサンプル調査をやつて、それで必要額を出して融資をしようというふうに相談をしておるわけでございます。ところがなかなか人手関係その他で間に合いませんので、写真、図面そういうようなものによりまして、先般、額を一応はじき出した次第でございます。今回も間に合うものについてはできるだけ、まあ全部ということはできませんが、サンプル調査でもやりたい。それからさらに間に合わないものについては、写真と図面というようなことでやつてもしかたがないじやないかというふうに考えております。これにつきましては、建設省でこの前一県ごとに、これはどの程度ということを写真と図面——これは割に簡単なものですが、査定された基準を私の方でいただきまして、それで大蔵省の中で、災害の工事をあとで監査している連中などがおりますので、その割になれております連中がもの一回見直しまして、建設省が出しました数字よりこの前は若干減つたかと思いますが、それの大体半額をすぐ融資する。あと半額については支払いの状況を見て融資するというようなふうにこの前取扱つた次第でございます。まだ今度の件については何とも申し上げられませんけれども、建設省の方からお話があり次第、前の例など参照いたしまして、至急措置いたしたいというふうに考えております。
○瀬戸山委員 関連して——、今緊急融資の問題でありますが、ちよつと私も趣旨がわかりませんので聞いておきます。 先ほど村瀬委員も言われましたように、緊急融資の場合は、大体予算の目当が、三割工事をするということで、予備費を出さなくちやならないが、まだ正確にそこまで出す予算措置がとれないので、さしあたり融資の方面でやる。そうして引当ててやるというやり方であります。ところが、今度は多少その趣旨が違つておるわけであります。そして、もちろん緊急融資でありますから、緊急工事あるいは応急工事ということになるかと思いますが、一体それはどういうことなんですか。たとえば私が宮崎県のことを言つてはまことに失礼でありますが、ちようど現地におつたから申し上げるのでありますが、先ほど静岡県からも宮崎の方からも、御承知のような陳情がありました。ところが宮崎県の場合の例を申しますと、道路はほとんど全面的に壊滅され、交通は杜絶して、先ほど申しましたように、自衛隊何百人というものが出て、まず人間の通れるように、場合によつてはリヤカーなどが通れるような道路の開通をはかつておる。たとえば日影線などは約一箇月もかかるという予定になつております。そして奥地においては全然交通が杜絶して、飛行機で食糧を投下して、しかもこれは全然交通が杜絶しておるので連絡がとれない。その連絡のためには、昔の話のようでありますが弓矢を使つて、矢文でお互い連絡をとつておるという実情なのであります。そういうところは早くやらなければならない。河川もあります、海岸堤防もあります。毎日浸水する所もありますから、ぜひ調査してやらなくちやならない。そうして河川局長は、さつき応急工事をと言われました、今大蔵省も言われたのでありますが、一体それはどういうことなんですか。道路を人間が通れるようにしようということなんですか、それともいわゆる道路を復旧しようというお話なんですか、仮設工事の問題を取上げておられるのか、その点がはつきりしない。また道路を元通りの道路にする、あるいは全然交通杜絶のところの橋を元通りにする、海岸堤防を元通りにする、あるいは河川でどうしても早くしなければ浸水するというところを元通りにするという応急工事ですか。それならば今の話はちよつと私どもには了解に苦しむところがあります。何か仮設的にとりあえずの仕事をするために、緊急融資をするというふうに聞えるのですが、そういうことでは私どもは承知しないとこう思うのです。そこのところはどうなんですか。
○米田説明員 今のお話のございました原形に復旧する——原形というのは応用を含んでいるのですが、そういう復旧工事をやるというのは、今の緊急つなぎ融資の対象にいたしておりません。考え方としては、今もお話がございましたが、応急のもの、交通杜絶のものを、さしあたり回復するというような緊急のものについて、これを対象にいたしております。爾後の本復旧の分は、これは設計ができてそれで工事に着手するのですから、予算措置として行こうという方針でおります。
○瀬戸山委員 ちよつと建設大臣にお伺いしますが、そうすると、今までのやり方と相当違つております。その違うゆえんは、いろいろ今日まで緊急融資について問題があつた点もありますから、事務的にお考えなさるのも、あながち全面的に悪いとは申し上げません。悪いとは申し上げませんが、それならば何億かの緊急融資ということで、いわゆる仮設的な道路、河川その他の問題を解決するために、何億かの融資を各県にする。そうすると、それは本工事をやるときにやり直さなくちやならぬ箇所もありますが、それは国の補助の対象としてみられるつもりでありますか。私どもは、それよりも従来やつておつたように、何億かの金を出す。それで急ぐところを先にほんとうの工事をする。その方が金の使い方としては、同じ出すのならいいように思います。仮設工事のために何億なら何億というものを各県に対して出すのは、それはただ人が通れるだけのこと、あるいは水が入らないだけのことをする——そういうことももちろん必要でありますが、それは予算の中として、その工事はかりにむだとなつても、全部これは補助の対象として本工事のときはこれを御破算にして、さらに本工事に要する金を出される、こういう方針ですか、この点私はちよつと了解に苦しむのです。
○小澤国務大臣 私はその方はしろうとでありますので、あまり詳しくはわかりませんが、要するに、今瀬戸山君のお話のように、災害がありましたならば、それをただちに復旧することが一番望ましい。従つて、もし県の方で設計が早くできまして、そうして原型に復するような受入態勢が整つておりますれば、私の方では予備金があるのでありますから、それを査定した上で本予算をつけるのであります。ところが、これはどこの県も同じでしようが、なかなか復旧に関する設計というものはつかない。設計がつかないところには、予算が明確化しないのであります。でありますから、本来の復旧工事ではなくして、たとえば橋が流れた、流れたが、元通りの復旧には設計上からまた相当の日数がかかる。とりあえず仮橋をかけて行く。あるいは道路が流れた、それに対して、とりあえず土俵を置いて、人だけでも通れるようにする、こういうのが仮工事だと思つております。それがいわゆる応急工事でありまして、その分に対しては、今局長が話をしたように、つなぎ融資をします。しかし、そのつなぎ融資したのは、おそらく——私もしろうとでありますから間違つたら訂正しますが、いわゆる仮橋をつくつて、その後にまた復旧工事をする場合には、それはまた補助の対象にする、常識的に私はそう考えております。
○瀬戸山委員 事務当局にその点を確かめておきます。金の使い方は大事にしなくちやなりませんから、いわゆる事務的に、補助の対象にされることは、国民の希望しておるところでありますが、今大臣のお話になつたように、どうしてもこれは仮設的に何かしなければならない。こういう費用を相当出されるというお考えのようでありますが、そうするとそれが本工事に移れば、それを全部含めて、その費用を補助の中に入れてやるという御方針ですか、大蔵省と両方お答え願いたいと思います。
○米田説明員 全部というとちよつと誤解がありますけれども、大体の方針としては、そういう仮設的であつても、応急のものは補助の対象にする予定でございます。しかし全部が全部一〇〇%というわけには行かぬかと思いますが、大体としてはこういう予定であります。
○鹿野説明員 応急復旧の次に本工事をやる場合には、本工事の一部になる場合もあります。それから応急復旧そのものが真にやむを得ないものとしてと認められた場合、それぞれ応急復旧のどこを本工事といいますか、補助の対象にするかにつきましては、主務大臣が指定するということになりまして、大体の基準ができまして、それによつて指定した範囲内において補助の対象になるのであります。
○瀬戸山委員 私、十二時に用事がありますので——これは詳細に研究してもらわなければならない問題でありますから、ここでとりやめますが、真にやむを得ず本工事にかからないでも、これはどうしてもやらなくちやならない仕事なんです。金がかかろうがかかるまいが、国民を生かすためにやる仕事ですから、それを大臣が指定されるのはけつこうでありますが、これが補助にならないで、県の負担になるという、そういうことをやつてもらいたくないという希望だけを申し上げておきます。 もう一つ、大臣に対してお伺いしますが、事務的に考えるのは必要でありますが、さつきデフレ経済の話も出ましたが、このデフレ経済のもとで、今日相当、特に農村地帯などでは困窮をきわめている。しかも今度の大災害は各地でありますけれども、大打撃をこうむつております。宮崎県の例で申訳ありませんが、三回の台風が連続して来ましたので、ほとんど農作物は全滅し、しかも気候不順のために、相当の費用をつぎ込んで今日来ておるのに、秋の収穫がない、これは国民全体の生活の問題であります。そういうときでありますから、いろいろ事務的にお考えなさるのはけつこうでありますけれども、向うはある程度政治的に考えてもらわなければならない。もちろん金をむだ使いするという趣旨ではありません、早く対策を講じてもらつて、そういう金が地方に流れて行つて、幾らか国民の生活の資になるのだというお考えで、ひとつ政治的に努力願うということを私は希望申し上げまして、たいへん失礼でありますけれどもこれで終ります。
○村瀬委員 私も急ぎますが、簡単に質問しかけた分だけを進めておきたいのです。 先ほど牧野さんは、半額をとりあえず融資して、あとは支出に対して云々と言うておりますが、これはわれわれは初めて耳にするのですが、どういう意味ですか。
○牧野説明員 これは本年の大月、七月ですか、本年の初めのころの災害に対してやりましたことを申し上げたわけであります。建設省で査定して来られました数字を、写真と図面にいたしまして、もう一回大蔵省で見直しました結果出ました数字、それを基準にいたしまして、この程度つなぎ融資していいんじやないかという数字の半額を常に融資しておるという現状でございます。それであとの半額は、支払いの時期をちよつと見ているという形でございます。
○村瀬委員 二点だけお尋ねをして私は質問を終りますが、先ほども大臣の、予備金があることだから、県にちやんと用意ができればいつでも本予算でやるんだという話でありましたが、しからば、査定の方法は従来とかわりませんか。何か聞くところによりますと、もう一切机上査定をやめて、三分の一ぐらいの点を現地で査定をして、そうしてあとは日を追うて査定するんだというような方針にかわつたとも聞いておるのでありますが、そういたしますと、具体的には、かりに百箇所十億円の災害があつたとする。そうすると査定官は県へ行かれて、このうち三分の一どこが必要なのかと県で聞かれて、そこだけを査定して帰つて、あとの三分の二は追つて日をあらためて査定するという、こういう意味でありますか。またその場合には、今回の十二号、十四号台風は、いつごろ査定に係官をお出しになるつもりでありますか。
○米田説明員 今度からの査定は、前にも申し上げましたが、実地調査で、実際に現場に行つて査定をするということを極力やるつもりでございます。ただ、今のお話のように、三割という意味は、こういうことです。実は一〇〇%すぐにやりたいのですが、このためには、今の例でも百箇所の設計を全部つくるということは、県としても非常につらい。それができ上つてから行つたのでは、全体としての査定が遅れるであろう。そこで急ぐものだけを早く査定をして行こうという趣旨でございまして、われわれの方は県の方の復旧設計ができれば、いつでも参るつもりでおります。しかし全部できなくても、ある程度できたらいつでも行こうという意味の三割でございますから、その点御了承願いたいと思います。それで、いつ出かけるかは、県からの要請のあり次第出かける、準備のでき次第出かけるということであります。
○村瀬委員 もう一点伺つておきますが、今度の大災害を目のあたり見まして、しみじみ感じますことは、建設省従来の方針といいますか、国の方針といいますか、破れざればつくろわずという一つの悲しい鉄則に縛られて、もう少し直しておけば災害が防げるのだがと思つても、直す方法がないという点に、非常に傷口を大きくした例を、各所でまざまざと見せつけられたのであります。いつか建設次官か大臣が地方へおいでになりましたときに、一つのかほう工事——これはまだ固まつた名称になつておりませんが、仮りに防ぐことでもいう名前をつけまして、仮防措置の適切な箇所があれば調べて出しておけと言われたやに聞いておるのであります。このお考え方は、非常に進んだよい考え方であると思うのであります。たとえば、愛媛県におきましては、仮防工事と名称をかつてにつくりまして、数千万円の絶対必要な場所を申請いたしておるのであります。二十九年度予算には、なるほどこういう名称のものは予算書には形になつて現われておりませんけれども、こういう問題に対して、この災害を目のあたりごらんになつて、どういうお考えを持つておるか。これこそ私は国の国税を使うのに最も有効適切な使い方であると考えるのですが、建設大臣はどのようにお考えになつておりますか。
○小澤国務大臣 年々、ちようど終戦後だけでも災害によつて損害を生じましたのが二千五百億になつております。年々二千五百億というような大きな災害が、ひいては日本の復興に非常な妨害を来しておることは申すまでもないのであります。従つて、少くともお互いが一日もすみやかに復興したいというならば、まず日本から災害をなくすることが一番理想的であると思うのであります。そういう意味から、昨年の大水善後、政府におきましても、いわゆる治山治水協議会というものをつくりまして、どれだけの費用を使つたならば日本から災害を追い払うことができるかという点でいろいろ研究もし、また結論も出したのであります。その結論によりますと、ちようど農林、建設、厚生等も含めて約一兆八千億の金がいるということになつたのであります。しかし御承知の通り、災害防除のためにのみ一兆八千億という金を使うということは、とうていできないことは明らかであります。かりにこれを十年継続事業といたしましても、年々一千八百億の災害防除の金がいるということになる、こういう結論になりましたので、私自身といたしましても、就任当初から、ちようど出水期を控えておりましたので、何とか金がなくとも幾分なりとも年々のこの二千五百億の災害を防ぎたいという趣旨から、いろいろなこと事えました。たとえば、消極的ではありますが、水防資材というものを従来より大幅にふやしまして、災害の場合の備えとしております。現に今局長が言いました愛知堤防なども、上の方へ資材がたくさんありましたために、乗つけておつたのが災害を免れた原因になつたのであります。全国にその例はたくさんあるのであります。そういうような消極的なことをやつておりましたばかりでなく、それでも不安でありますから、先般各県の土木部長会議を開きまして、そうして各県の土木部長に、今や出水期を控えておるのであるし、日本の国の経済というものは諸君の御承知の通りである。およそ各県には、最も危険だというところは、そうたくさんはないはずだから、一箇所や二箇所であつたら、これを何とかして災害のときでも大丈夫のような応急的な防除をやろうじやないか、その金はおそらく二十九年度の予算は配賦済みであるから非常に困難であるけれども、何らかの形においてそういうものに援助して、いよいよどうにもならなくなつたら県においてやつておいて、そういうものには来年度には優先的に予算をつけてやろうという方法は考えてみようじやないかということで、今お話のような工事がかなりやられておつたのであります。従つて、今度の水害に際しましても、そうしたことによつて、当然災害をこうむるべきものが、幾分なりとも、いな相当に防除されて来ておつたと思うのであります。そういうような意味から、私は今後明年度の予算を実行するにあたりましては、極力災害の防除を少なくするという建前から、重点的に工事を実行して行きたいと考えておりますし、またこの予算の実行前にあたりましても、あるいは融資とかその他の方法によりまして、今のような問題をすみやかに解決をつけて行きたいと考えております。
○久野委員長 次に佐藤虎次郎君。
○佐藤(虎)委員 ただいま村瀬君、瀬戸山君から、計画方針についてただしましたが、私は災害地の一人、いわゆる村瀬君も瀬戸山君も災害地の一人でありますから、特に熱意を持つて意見をただしたのであろうと思いますが、要はその災害を受けた土地は、その県民の声を一応受け継いでおります。そこで私どもは静岡県でありますが、御承知のごとく、あの十四号台風があの夕刻静岡県を襲いましたときに、宇津谷隧道では五千立米も崩壊いたしまして交通杜絶いたしまして、あと二十日間くらいはとうてい交通は不能に陥るのではないか。昼夜兼行でやつております。そこで、私は大蔵当局にお願いをいたしたいのでありますが、あの台風のまつただ中に、宇津谷隧道が、夕刻でありますが崩壊して交通不能になる、即一時間満たざるうちに、愛知県兵庫県、大阪府等の貨物自動車が四百五十台というものがただちにそこにとまつてしまつた。いかに静岡県は関西、京浜間との商業、工業、経済に重点の道路であるかということがおくおわかりであろうと私は思うのであります。あの少くとも台風のまつただ中に、避難いたしておるべきが当然でありますが、そのときに一時間満たざるうちに四百五十台以上のトラックがとまるということは、もしこれ平常でありましたならば、どれだけの交通量があるかということは、数字的におわかりであろうと思います。そこで、金谷あるいは太田川の下流、あるいは天竜川、大井川、安倍川の氾濫によりまする橋梁、道路、堤防の破損実に重大であります。つなぎ融資をこの関西と京浜間における商業、工業の復興のために寄与せしむるのは、交通不便であつてはなりません。ゆえに急速に必要であるというものでありますならば、県はこれを建設省にただちにつなぎ融資のお願いに参ります。もはや来ておるかもしれません。そこで、こうしたことを勘案願いまして、ただちにつなぎ融資を、県は無理なことはお願いいたしませんから、どうかこれに対しまして、ひとつ最大の御努力を願いましてただちに、この解決をつけていただきたい。どうしても大蔵省というものは、率直に申しますが、非常に計算がこまかい。あの水爆の被害をこうむりました第五福龍丸の久保山君は、昨晩の六時半になくなられました。二、三日前の閣議において、わずかこの家族に暫定的に五十万円ずつ与えておこうではないかというが、その金はまだ行つておりません。こうしたことを、私どもは静岡県人として身をもつて体験いたしておるのであります。今日一級国道が交通ができ得ないおかげで、県道あるいは二級国道を迂回する。その橋梁も八トン、十トンの自動車が通つたために、これはもうほとんど交通不能の状態になりまして、重量の制限をしておるような実態であります。しかも一級国道におきましても、橋梁のみが——私がお願いいたしまして、建設省から災害担当官を道路局より森さん、河川局より吉田さんに行つてもらいまして、この災害の実態のご調査に歩いてくださる。この方々は昨晩も宿に着いたのが九時であります。けさも、もはや七時ごろお出かけでございましよう。私どももけさ道路課長、河川課長、土木委員、土木委員長と四時半の汽車に乗つて——私も土木委員の一人であるから陳情に参つたような実態であります。今日関西と関東をつなぐ商業、経済の輸送が杜絶することは、日本の経済の上にどれだけ損失であるかということをよくお考え願いまして、特に災害をこうむつた各県といたしましては、どなたも必要でございましようが、私の静岡県はちようど道を荒される中心地のようでございますから、静岡県のみのことではございません、これは名古屋、京、大阪、神戸、これらの方々、東京、横浜の方々のためにも、私どもはただちにつなぎ融資をどうぞひとつ出していただきたい。ただちにすみやかに出していただくように御努力を願いたい。牧野資金課長も、私はくどくあげ足をとるようなことは御質問申し上げません。私は、静岡県だけではありませんから、先ほど申し上げましたように、どうぞこの間を十分御推察賜わりたい。そこで、本日ここに十四号台風の被害概況を提出してありますが、率直に申し上げますと、交通杜絶しておりまして、山間地は食糧難で困りまして、自衛隊のヘリコプターをお借りいたしまして、輸送しておりましたが、これが運悪く電線にかかりまして、墜落いたしておるような実態は新聞で御承知でございましよう。そこでまだ奥地からの全部の詳細にわたる被害の実態がわからないのでございます。御承知の通り、静岡県は傾斜のひどい山岳地帯でございますから、奥の方から迂回して来る道がないのでございます。そこで川には水があるし、泳いでも来れない、渡ることもでき得ないというので、奥の方からの連絡は、いまだないのであります。刻々とこの情報が入りました。県自体もただちにこれに派遣して調査に行つておりますから、またこれ以上に被害が少なければけつこうでございますが、この倍になるであろうと予想もいたしております。どうか建設大臣といたしましては、特別に静岡県のみではありませんが、交通輸送の建前から、ただちにすみやかに、提示されましたならば、河川局長さんはどうぞひとつ大臣と御協議なすつて、大蔵省と御相談なすつて、すみやかにつなぎ融資のでき得ますように、私はお願いをする次第であります。 そこで、私は局長さんにお尋ねするのですが、災害は三・五・二の比例になつておりましたが、そこで昨年度の静岡県に与えられてありまする災害費用というものは、今日までいただいておるのが一五・六です。約半分しかできておりません。これはあるいは、大蔵省の方から金おがまわらぬのかどうかしりません。その辺も教えていただきたいのですが、もしこれが二十八年度に与えられてあるだけのお金が、つまり三・五・二の比率にいただいてあるだけの金をいただいておつたならば、いま少し被害を少くできたのじやなかつたか、こうも考えられるのです。そこは一体大蔵省が金を出さないのですか、あるいは建設省で金を持つてあたためておるのですか。だんだん延ばして将来打切りにしようという計画ですか、ひとつその辺を数えていただきたいと思うのです。
○米田説明員 今のは二十八年度災害についてのお話と存じますが、三・五・二というのは、実はそういう復旧率を三箇年でやりたいという建設省のかねてからの方針でございますので、その線で毎年予算折衝しますけれども、最後の決定のときには、全体のわく、予算の総わくの関係からこれが実現できないでおるというために、その三割という初年度が実施できないために、御要望に応じられない実情にあります。去年のは静岡県の分はそうなつておるか、表をよく見ておりませんからなんですが、よくその点はもう一度調べます。けれども全体として、昨二十八年度だけでは三割は行つていない。二十八年災害については、二十八年と二十九年とを合せて大体三割程度になつておると思つております。決して少しずつ金を出してあとに延ばそうというような意図は持つておるのではございません。われわれとしては、極力早く復旧の完成をはかるために努力をいたしております次第でございます。
○佐藤(虎)委員 私は大臣に、野人大臣で苦労人ですから、ひとつお願いしておこうと思うのですが、大体今までの災害に、国会の名において予算措置すべてを確定しておきながら、どうも大蔵省の方へ御遠慮なすつて、お約束通りの法律できめ、予算措置もきめておるのを、なかなか大蔵省が金を出すのを遠慮しておるようですが、あなたは苦労人で野人でございまして——官僚の古手だと、どうも自分の席のみを考える人が今まで多かつた。私は少くとも今日、あなたのおつしやつておられる通り、災害というものを未然に防ぐためには、予算措置でおきまりになつたことは、その通りに実行いたしまするならば、いま少し災害が少くなるのだということは、あなたもしばしば申しておる通りです。そこで十九国会におきまして、二十九年度予算は決定しております。これだけは閣議において大蔵省に二十九年度以後の災害に対しては、すみやかに各県に金を出して、ただちに施行せしめるということを、あなたがひとつ閣議で発言なすつて、各大臣の御協力ももちろんでございましようが、決定され、同時に、これが新聞に出たときに、初めて野人大臣としてあなたが非常に国民から歓呼の声をもつて迎えられるであろうと私は思います。どうかそのように御努力を願いたいと私は強くお願いするものですから、どうぞひとつよろしくお願いいたします。
○久野委員長 次に西村力弥君。
○西村(力)委員 先ほど村瀬委員の質問に答えて、資金課長の答弁がございましたが、応急復旧工事の融資の問題、これは建設省としていろいろ考えられて、応急措置が必要だとして出されるものだと思いますが、その建設省の要求を、また大蔵省の経験者が査定をするというのは、まことに奇怪なことじやないかと私は思うのです。本工事のことになりますれば、相当これは問題があるでしようが、融資の点までに、技術家が最小避くべからざるものとして要求するのを、大蔵省のしろうとがまた査定するというのは、実に私は奇怪なことだと思う。そういうようなことをやるというのを当然のものとして考えておるか、それだけの自信を持つておられるかどうか。大蔵省は金を預かつておるのだから、金がないのだからこれだけにしてくれというぐあいに、建設省に申し出るというのならばわかるけれども、技術的な問題について査定をするというようなことは、私どもとしては了解に苦しむ。その点について資金課長の御答弁を願いたい。
○牧野説明員 これは先ほどもちよつと申し上げましたけれども、現地につきまして、一々調査をいたしましてやるということも、まあ一番望ましいわけなんですが、それが思うようにできませんので、ただいま図面——図面と申しましても、非常に簡単な図面でございます。図面と、その被害箇所を写しました写真というものによりまして、見たわけでございます。これはなかなかこれでやるということ自体が、そう完全な方法だということは言えないと思うのですが、これは時間的に急ぎます関係上、そういうふうにやつたわけでございます。これにつきましては、建設省でごらんになつた見方と、あるいは大蔵省で見た見方というものと、若干差ができるということはやむを得ぬじやないかと思つております。大蔵省の方にも、建設省のようなことは全然ございませんけれども、いろいろ災害の関係をあとで見て歩く割になれている連中などがおりますので、私どもの方でも見せていただきまして、それでどの程度急ぐかということを査定といいますか、そういうような検討を加えたような次第でございます。
○西村(力)委員 今のお話ですと、金はあるんだが、建設省が査定をいたして出して来るのは、今まで指摘されたように、不正の場合とか、水増しの場合とかいうことが往々考えられるから、大蔵省の立場から厳正にやるというような立場のようにお聞きしておるのです。私としましては、大蔵省は金がないからこれだけにしてくれというのならば、わかるのだけれども、そういうぐあいに応急な、時間を争うような場合に、何がゆえに建設省の技術官の言うことを信用できないのか。そんなやり方は好ましいことではないと私は思うのです。そういうような大蔵省のあり方に対して、国務大臣の小澤大臣はどういうように考えるか。私はこれはまことに行政のあり方としては好ましくない、こんなことで時期を遷延するということは、大事な資金をむしろその効果を薄めてしまうのじやないか。それだけまた国民の苦しみも増大するのではないか、かように考えられるのです。
○小澤国務大臣 お話のように、工事の査定権は建設大臣が持つております。しかしただいまお話のつなぎ融資は、これはむしろ大蔵大臣が持つておりますので、ただ私の方で、この程度必要だということは参考資料でありますから、別な工事の査定の問題もいろいろございますが、これは最終的には建設大臣が持つております。今の融資関係は、やはり大蔵省がやつて、私どもは参考資料を出すというような形になつております。しかしながら、いずれにいたしましても、緊急な場合に、平常と同じような金の出し方をすることは望ましいことではないと思いますので、やはり急ぐ場合には、多少のあやまちがあつても、それよりもよけいに大事なことがあるのでありまして、このような場合には、そういう措置をとることが望ましいと思いますので、これは建設大臣としてではなく、国務大臣として十分今後御趣旨に沿うように努力いたしたいと思つております。
○西村(力)委員 次に、昨年の水害には、ちようど国会開会中でありましたので、臨時立法による特別措置が行われたわけですが、今回は、範囲からいいますと、それほどではないにしましても、宮崎、大分とか、あるいは愛媛、徳島、静岡、そういうようなところに集中的であるというような形態も見られる。それでありますので、昨年もとられたような措置を、この際もとるべきではないかというような考え方もあるわけです。この点に関して、大臣はどういうぐあいに考えておられますか。
○小澤国務大臣 お話のように、昨年の災害につきましては、特別の補助金についての特例が法律でもつて決定されました。これは昨年の災害だけに限つておりまするから、本年の災害には一般の原則に基くことになるのでございます。そこで、今年の災害に対しても、そうした立法が必要じやないかというお話であります。これは見方もいろいろございますが、問題は、地方で、かりに補助を少くいたしましても、その残つた、たとえば九割補助するものを八割にした場合でも、結局あとの一割というものは、つなぎ融資をやつておるのでありますから、現実の財政面からいうと、そう大きな問題じやなくて、要は、いわゆる地方財政というものの現状を各県々々ごとに見て、もう少し地方財政の基礎をかたくするというような方向に行く方がいいんじやないかとも思つておりまして、一つの災害ごとに補助だけを増すということは、必ずしも地方財政を理想通りに行くような方法ではないと考えております。しかし、これは具体的にこの県の事情が、とてもこれだけの補助では復旧がやつて行けないというような場合がございますれば、それはそのときに考えるべき問題であつて、全般的には、私はやはり補助だけを多くしても、必ずしもその地方の財政が理想的に行くとは考えておりません。しかし、今後、災害の実際が明確になるにつれて、かりに法律がなくとも、地方がやつて行けるような方法を考えて行きたいと思つております。
○西村(力)委員 地方財政の基礎を固めることは、これは今のところ緊急の問題となつておりまするが、しかしその制度は後日になることであり、そこに問題を持ち込まれたのでは、どうにもならないと思うのでございます。ところで、大蔵省におきましては、短期融資の場合においても、これをどうやつて返済するか、そのめどを立てろ、そういうような希望が強いのです。すなわち、お医者さんでいえば、今瀕死の病人がおるのだが、注射をしてやつてもいいが、一体薬代はどうやつて払うのかの見込みが立つてから注射をしてやるというような考え方をよく聞く。この前地方行政委員会におきましても、破綻に瀕している地方自治団体の首長が陳情する。われわれの質問に答えて、大蔵省はそういう答弁をとつておりましたが、今回のつなぎ融資の件は、そういうようなことを云々せずにやられる考えでありまするかどうか、大蔵省の考えをお聞きしたい。
○牧野説明員 私ども大蔵省の理財局におりますが、郵便貯金を預かりまして運営しておるという立場に立つ者にとりましては、これを貸した場合あるいは貸す場合に、返済の方法、返済の時期、そういうことについて見通しをつけて貸すということは、われわれ当然せなければならぬことだと思つております。それで今までもできるだけそういうふうにやつて来たと存じておりますが、これからもそういうふうにやつて行きたいというふうに考えております。ただ災害のような場合については、非常に時期的に急ぐというような関係で、この点われわれもちよつと急ぐ問題と、それからその返済の方法をはつきりさせるという問題、これが困るという場合が生ずるわけであります。というのは、地方財政自体が、今かなりぐらぐらしている状態にあるものが多いという関係で、われわれも困る場合が多いわけであります。今回のつなぎ融資等につきましては、大体われわれの方は大蔵省の主計局とも相談いたしまして、応急工事と申しましても、大体において本工事というものの中へ将来やがて入つて来て、国の補助金というようなものが出る額にある程度見合うように、それを大体償還の財源にするというような思想でおりますので、その点はいろいろ問題でございますけれども、割合償還の面というものは問題ないじやないかと考えております。
○西村(力)委員 大臣は先ほど、特別立法を考えないとおつしやつたが、ただいま村瀬委員から申されたように、そういう考え方でないにしても、年々災害が増大して行くということでありますので、この際やはり相当進んだやり方をやつていただかなければならないのじやないかと思う。先ほど河川局長のお話では、愛知、三重の海岸工事が、台風が避けたから安全であつた、ほつとした、こういうことでございまするが、今年の災害は工事の途中あるいは応急処置のままにほうつておいたために、かりにまたぞろ被害があつたというような事例は、第十二号、第十四号台風、これに関連してはございませんでしたかどうか、河川局長の御答弁を願いたい。
○米田説明員 今度の十三号、十四号によつて、各地に被害を生じたのですが、その中に工事中のものももちろんございました。しかし特に重大な工事箇所というものは、各府県及び直輯関係を通じて、そうたくさんありませんでした。ただ一例として申しますと、宮崎県下のダム工事中のもの等が受けた災害はかなりなものがございました。しかしその他は国なり県なりでやつておりまするものについて、今までの報告ではまだそう大きいものはございません。
○西村(力)委員 そのダム工事は、いつ完成の予定でございましたか、もう少しの努力によつてこれが避け得るということができなかつたかどうか、技術的な話を伺いたい。
○米田説明員 こそは宮崎県に渡川というダムをやつておりまして、これは予算的には今年度完成をする予定でございます。これは山腹に——川の中でなくて、川の岸の方の山腹にいろいろな施設をしておる。そこでコンクリートを塗り、コンクリートを運ぶ設備等がございます。あるいはセメントを貯蔵する施設、そういうような山腹における施設の被害が主でございまして、川の中にあつたものでございません。いわゆる山くずれによる——山くずれと申しますか、山のがけくずれによる被害でございましたので、これはどうも事前にやることが非常に困難であつた。
○西村(力)委員 今のところつなぎ融資でもつて行きまして、これから本格的な復旧工事に臨まなければならぬわけですが、それに見合う予算というものは、原形予算でやるか、補正予算を組まれるか、各省ごとに計上されている予算の一割を保留せよ、来るべき台風に備えてこういうぐあいにやつているようにお聞きしておりますが、これを節約しましても、結局は予算の更正をやらなければならぬと思うのですが、その災害復旧に関する予算は、どういうぐあいにして将来確保せられるのですか、大臣の御答弁を願いたいと思います。
○小澤国務大臣 先ほどちよつと局長から話しました通り、大体の本年度の災害の総額は建設省関係だけで四百億前後になると思うのでございます。しかしこれも実際の例から見ますと、現実に査定の段になりますと、大体過去の例を見ますと七〇%から七五%の査定になつておるのでありますから、かりに今回の災害はそういう率でなつて来るとしますと、四百億円の七〇%になりまするし、さらにこの事前に計算をする場合においては、今の四百億というものは事業金額でありますから、これに対する政府の補助金額というものは大体三分の二であります。ですから七〇%あるいは七五%に四百億をかすまして、それをさらに三分の二にいたしますと、しかもそのうち三、五、二のうちの本年度は三をとるものといたしますと、大体五、六十億という本年度の金を政府が出せば、三、五、二の割合で復旧できるという見通しになつております。そういたしますと、予備費が御承知の通り、名目的には八十億しかございませんけれども、これは最終段階には去年の予算で五十億がもどつて参りますから、一般の予備費を三十億と見ても百億あるわけであります。そうすると百億のうちの五、六十億が建設省関係、それから四十億前後が農林省関係の予算ということに見ますと、大体去年は御承知の通り政府原案は二、五、三であります。それを国会で融資等によつて三、五、二にするということになつております。実際の面は少し違つておるようでありますが、そういう率を現実の面で三を出しましても、今のところは予備金だけで大体まかなうことができる、こういう考えを持つております。
○久野委員長 なお幾多の疑点が残つていると思いますので、明日午前中に委員会を開きまして質疑を続行いたしたいと存じます。
○久野委員長 理事の補欠選につきましてお諮りいたします。すなわち田中角榮君が去る十一日委員を辞任され、同日再び本委員となられたのでありますが、同君は理事でありましたので、これが補欠選任を行わねばなりません。この補欠選任につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○久野委員長 御異議なしと認め、田中角榮君を理事に指名いたします。
○久野委員長 この際委員派遣に関しましてお諮りいたします。すなわち第十二号台風及び第十四号台風による被害状況調査のため現地に委員を派遣したいと存じますが、本件につきましては議長の承認を得ねばなりませんので、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○久野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十一分散会