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19回国会衆議院1954/08/12

建設委員会 第40号

発言数
95
登壇者
11
会派数
2
開催日
1954/08/12

会議録

久野忠治自由党

○久野委員長 これより会議を開きます。  この際理事の補欠選任についてお諮りします。  すなわち、六月七日に瀬戸山三男君及び田中角榮君が、七月二十七日に細野三千雄君がそれぞれ委員を辞任され、再び本委員となられたのでありますが、以上の諸君はそれぞれ理事でありましたので、その補欠選任を行わねばなりません。これが補欠選任につきましては、先例によりまして、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久野忠治自由党

○久野委員長 御異議なしと認めます。  それでは理事に瀬戸山三男君、田中角榮君、細野三千雄君をそれぞれ指名いたします。     —————————————

久野忠治自由党

○久野委員長 それでは災害復旧に関する件について、調査を進めます。  まず今年の災害状況並びに過年度災害の復旧の見通しについて、政府より説明を聴取した後、質疑に入りたいと存じます。米田河川局長。

米田正文建設技官(河川局長)

○米田説明員 本年度災害及び二十八年度災害の河川局所管のものについて御説明を申し上げます。  お配りした資料について申し上げますと、最初に、昭和二十九年発生災害の概況というのが入つておるのでございます。それによつて御説明を申し上げますが、本文の方に入りまして、そこに書いてございますように、本年度に入つて起きました災害をわれわれの方の事務的な整理の都合上、四つにわけまして、五月以前に起きた災害と、六月に起きましたものを上旬と下旬にわけまして、二つに区分して、それと七月の災害、こういうふうに四つに区分をいたしております。五月以前の災害と申しますのは、冬期の風浪による海岸施設の災害、それから融雪——雪どけで例年起きます北海道から東北、また北陸方面の災害でございます。それから五月の九日に起きました低気圧によつて、御承知のように旋風をまじえた大暴風がございまして、この問題が北海道に主として災害を起しまして、漁船等の被害が非常に多かつたあの災害でございます。そのほかのものを全部とりまとめまして、五月以前の災害として整理をいたしまして一道二十一県、被害の報告額が二十九億六千万円であります。  それから第二番目が六月上旬災害でございますが、これは梅雨期に入つての不連続線による豪雨でございまして、これは北海道から九州に至ります一道十一県にわたつた災害で、六億二千余万円のものでございます。六月下旬は、和歌山県の南部を襲いました梅雨前線の影響が主でございますが、京都、三重、和歌山等、それから九州までに至つた梅雨災害でございます。その総額六十八億、これが一番大きいのでございます。一都二府二十六県にわたつております。  最後の四番目の七月災害、これも梅雨前線の影響で七月の四日五日に起きました近畿地方及び中国地方、それから七月の末に起りました島根県及び福岡県あるいは愛知県等の豪雨でございます。これが二府二十三県、五十五億の報告になつております。  これらのこの四つに区わけをいたしました災害を全部総計いたしますと百六十億でございますが、昨年の七月末にはすでに七百十六億という災害が起きておつたのでございまして、昨年度に比べますと、今年は昨年の二二%程度になつております。こういう状況でございまして、現在のところ平年に比べて特にひどいという状態ではございません。むしろ今年は、今日まではやや軽い程度の災害でございます。  その次に、次の表に二十九年災被害の概況としまして、各都道府県別に被害の月日と被害のおもなる河川名、道路の線名、それから被害の主として起きました地域、その次に被害を受けたおもなる工作物をあげてございます。  その次の表は、今までに四つの区分を申し上げましたが、その四つの区分の災害額を各都道府県別にあげてございます。一番上の北海道から一番終りに神戸市までを書いてございます。五月以前災害、六月上旬災害のが初めのページに書いてございまして、その次に六月二十三日、六月二十九日、それからその次の紙に七月の災害というふうに書きわけまして、合計欄を出してございます。その合計欄の一番下のところにございますように、報告が総計百六十億三千三百八十六万三千円という金額になつております。その右の欄は、昨年の災害との対比のために、昨年度被害額を書いてございます。今年度は七月末までの集計におきましては百六十億であり、昨年は七月までの集計が七百十六億であり、二二%に相当する。それから箇所数は昨年は七万七千箇所でございましたが、本年度は三万二千五百五十六箇所でございまして、昨年の約四〇%。金額は二二%でございますが、箇所数は二〇%低いというように、箇所数は比較的多いが、金額は割合少い、こういう状況でございます。  その次の表には、被害の状況を書いてございます。人的被害、それから建物の被害、道路、橋梁、堤防、がけくずれ、電柱、電鉄軌道、それから木材の流失、通信施設の被害、その次に船舶被害等が載つております。罹災者の概数及び世帯数はまだ統計ができておりませんのであげてございませんが、逐次補充をして行きたいと思います。  これが二十九年度災害の今日までの概況であります。これに関しましては、昨日もちよつと申し上げましたように、各都道府県から緊急融資の要求が出ておりますので、われわれといたしましては、現在これらの要求を査定いたしまして、概算十五億のつなぎ融資を早急に必要だというので、ただいま大蔵省に持ち込みまして、折衝をいたしておる状態でございます。それは愛知、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山、島根、岡山、広島、山口、徳島、愛媛、高知、福岡、熊本、宮崎、鹿児島というような、災害の特にひどかつた各都道府県について要求して、折衝をいたしておる状態でございます。それからそのうちですでに決定をいたしましたものは、和歌山県で三千万円、奈良県で千万円という融資がすでに決定済みでございます。あとはまだ未決定でございます。  次に二十八年度以前の災害についての復旧状況でございますが、二十八年以前のものについて、特にこれを区わけいたしまして、二十八年だけを別にいたしまして、二十七年以前のものと二十八年のものと二つに区分して説明書をこしらえてございます。お手元に配付してある書類にございます二十八年度以前の公共土木施設災害の復旧状況、一に過年度災害であります。二十七年以前の災害の復旧状況、これは今年度は二十四年度災害から残つております。二十四、二十五、二十六、二十七の四箇年で、御承知の通りまだ五百十八億の災害額が残つておるのでございます。そのうち今年度に八十九億を支出することになつておりますから、今年度一ばいたちますと、四百二十九億が三十年度以降に持越しになるのであります。こういうふうにまだ持越しが相当ございますが、二十八年度災害は非常にひどかつたので、各県とも二十八年度災害の復旧に重点を置いて努力をいたしております。古い災害については、災害当時の状況と今日は非常に変化をいたしておるものもございます。できるだけ圧縮をして、二十八年度に重点をおきたいという趣旨で、古い災害の整理、圧縮について、今各都道府県と折衝中でございます。ある程度は可能性がございます。本年度の方針としては、二十四年度災害だけは今年中に完了をいたしたいという方針で進んでおります。その他のものについては、二十五年度災害については本年度一ぱいいたしますと、進捗率が六二%、二十六年度災害は五八%、二十七年度災害は五七%というような進捗率になります。これ以外は残工事になるわけでございますが、その残工事については、先ほど申し上げましたように、多少整理、圧縮ができますので、そういうものができ上りますと、この進捗状況はまた改められる。ただいまのところ、こういう見通しでございます。  それから二十八年度災害の復旧状況は、これは総額一千一百十七億、国費で計上してございます。現在までに決定いたしました予算は三百四十三億でございまして、昨年度に支出をいたしましたものが、そのうち百三十六億、本年度の予算で二百七億、合計して三百四十三億でございます。総額にしますと、約三〇%の予算の進捗率になつておるわけであります。このほかに直轄災害がありますが、直轄災害は大体本年度で九〇%以上の進捗率でございまして、大体今年度で完成をする予定でございます。この三〇%で今進んでおりますが、これではどうしても現地で今年の台風期に対処できないというので、各県とも非常にやり越しをやつております、そういうものの処置、あるいはなお今後工事を進めなければならないという実情もございますので、それらについて総計で約五十億のつなぎ融資を大蔵省に今折衝中でございます。五十億程度は今後行くものといたしますと、この台風期までには何とか主要なところの処置ができるのじやないかと思つております。特に愛知、三重の海岸堤防のごときは、この処置ができないと非常に危険な状態に放置されることになりますので、今極力大蔵省と折衝中でございます。その五十億の府県は、昨日も申し上げましたが、岐阜、愛知、三重、福井、滋賀、京都、奈良、和歌山、福岡、佐賀、熊本、大分という府県について折衡たしておる現状でございます。以上本年災及び過年災の概況を申し上げました。

久野忠治自由党

○久野委員長 次に澁江計画局長。

澁江操一建設事務官(計画局長)

○澁江説明員 都市災害の分は、別にお手元に資料をお配りいたしておりませんが、ただいま河川局長から申し上げました河川、道路等の災害に関連する関係地域の災害を、大体同じ方針に基いて取上げ、またこれに関連いたしまして、大蔵省と折衝いたしておるわけであります。都市災害といたしましては、そのほかに火災復興等による事業もございますが、もちろん全体のごく局部的な都市だけの問題でございますので、その点につきましては説明を省略さしていただきます。これについては従来他の都市に起きました災害と同様な方針でもつて、災害費の要求をいたしておる次第でございます。

久野忠治自由党

○久野委員長 引続き質疑に入るわけでございますが、ただいま大蔵省側の係官の出席を要求いたしておりますので、間もなく出席されると思います。そこで大蔵省側の出席を得た後で質疑に入りたいと思います。     —————————————

内海安吉自由党

○内海委員 その間にちよつと……。昨日委員派遣によつて踏査いたしました結果の御報告がありましたが、ちようどわれわれの団体は和歌山だけ報告しておきまして、残余の四国方面に関することはまだ未了になつておりましたので、いい機会でありますから、この機会に御報告さしていただきたいと思います。

久野忠治自由党

○久野委員長 ただいまの内海君の申出に御異議ありませんか。   [「異議なし」と呼ぶ者あり]

久野忠治自由党

○久野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。内海委員。

内海安吉自由党

○内海委員 昨日に引続きまして四国地方における国政調査の御報告申し上げます。  私は昨日も前もつて申し上げました通り、この報告の中には必ず質問が入るのであります。その質問に対して担当される方は、河川局長と、さらに道路局長、お二人だけでよろしいと思うのです。なおまた官房長からもひとつ御答弁を願いたいと思いますが、御聴取の上、ぜひ責任のある御答弁をいただきたいと思います。  まず徳島県の明石−鳴門間を結ぶフェリーボートは、昭和二十七年六月、道路整備特別措置法の制定に伴い、阪神地方と四国とを結ぶ本事業の重要性が認められ、港湾施設、航送船建造費を対象として二億八千二百万円の融資が決定し、僅々三箇年の短期日をもつて最近完成し、ここに多年の懸案が解決したのであります。かくして阪神−四国間の直通連絡道路は一応実現をみたのでありますが、この事業をより効果的ならしめるために、早急に改善されなければならない二、三の問題が残されておるのでございます。  その第一点は、港湾施設の改良であります。徳島よりは、多量の野菜が阪神地方に搬出されているのでありますが、フェリボートの夜間の就航が困難なため、阪神地方における朝の市場に間に合うよう着荷することができず、主として機帆船等によつて行われている現状であります。近く航送船の建造と相まつて夜間運航も開始される予定でありますが、これに関連する接岸施設の整備が強く要望されておるのであります。これに対しましていかなるお考えを持つておられるか、まず道路局長より御説明を願いたいと思います。  第二点は、淡路島等における道路改良の問題であります。淡路島島内五十三キロのうち、約三十キロが未改良のため、本ルート中の最大障害となつておるのであります。これを改修すれば、自動車の運行時間は約半減するのであります。  第三点は、各社より申請されておる航路線の認可でありまして、これが未決定であるため、定期線の運航不能のために、民衆は利用の面で多大の不便を感じているのであります。元来四国と本州とを連絡するかかる重要交通事業は、国の施策として取上げ、一時的には有料道路として整備するといたしましても、少くとも国道及び港湾の基本的改良は国費をもつて整備し、ボート運営の面だけを地方に任せ、四国地方の開発を促進すべきでありまして、これに対する政府当局のお考え並びに御説明なりを願います。これは四国及び本州を連結すところの最も重大な交通問題として取上げられておるのでありまするから、この点についてどうぞ御親切なる、しかも四国の人と阪神地方の人々にわかりやすいように、ひとつ御説明を願いたいと思います。  なおまた、二十六年度より継続事業として吉野川に架設中である美馬橋、不動橋の両橋は、いずれも毎年の予算僅少のため、工事は遅々として進捗せず、両橋に対する予算のわくの拡大を切望しておるのであります。吉野川には、現在県営渡船場十三箇所もあり、豪雨ことに交通は杜絶する状態で地元民の不便は想像に余りあるものでありますが、これらの橋梁はいつごろ完成の予定であるか、この点も政府当局の御答弁を願いたいと存ずるのでございます。  次に那賀川総合開発事業は、総事業費五十五億五千万円で、昭和二十五年度着工、本年度完成の五箇年継続事業として発足しましたが、総事業費は九十三億三千七十三万余円に、事業年度は昭和二十五年より同三十一年に至る七箇年に変更のやむなきに至つたのであります。かくのごとく資金難による事業年度の延長は、事業費に多大の影響をもたらすものであります。本事業の根幹をなす日野谷発電所は、二十九年度末に是が非でも一部発電態勢を推進するには、最小限度三十五億円を必要とするのであります。本年度の資金見通しは二十四億五千万円程度で、これではとうてい一部発電は困難であります。県では一時借入金七億五千万円の調達に奔走しておりますが、本年度ぜひとも三十五億円の確保を強く要望しております。この資金確保によりまして、五億円程度の利子の節減になるというのでありますから、この問題が地方にとつていかに切実なる問題であるかを雄弁に物語つておるものであります。本問題に関しましては、政府の大体の見通しはどんなことになつておるかということも承つておきたいと思います。  次に、高知県について申し上げます。本県の最大の悩みは、地盤沈下対策事業であります。高知市におきましては、これが対策として昭和二十六年に排水幹線及びポンプ場を設置すべく、事業費総額五億六千九百五十七万円のいわゆる地盤沈下対策事業計画を樹立し、目下施行中であります。地盤変動対策事業は、一見じみな仕事であるためか、比較的軽視されていて、本県における各所の対策事業も遅々として進捗せず、地元民は悲嘆にくれているのであります。政府当局は、一体いつまでに本事業を完成せんとするのか、これに対しましても詳細なる御説明を願いたいと存じます。  次に、愛媛県について申し上げます。まず地盤変動対策事業でありますが、本県におきましても、高知県同様深刻なものがあるのであります。同県今治市にあつては、やはり南海大地震の影響を受け、沿岸地帯八キロにわたる海岸線においては、地盤が全面的に沈下あるいは変動し、公共土木施設はその機能を喪失あるいは減退して、農耕地はもとより今治市沿岸商工地帯に及ぼす被害は甚大なものがあります。特に旧市街地は最も低地なるがために、洪水時においては河川の自然排水はまつたく不能に陥り、そたがため降雨期には従来に比し家屋浸水の箇所が激増し、かつ浸水状況も従来床下浸水の箇所が床上浸水をこうむる状況になり、産業機能は著しく阻害されておるのが現状であります。これが対策事業として、目下ポンプ場施設工事、護岸復旧工事等に着手しておりますが、地方財政が貧困なるため、その実があがらず、対策事業費の大幅増額を強く要望しておるのであります。これに対しましての政府当局の御説明を願いたいと思います。  同県波止浜町におきましても、総事業費一億六千二百万円で潮止樋門の設造に着手しておりますか、同町ては現在大潮満潮時には、特殊な気象的要素がない場合でも、海水は市街地の道路面上に、また民家の床下にしみ出し、人家、耕地等に被害を及ぼしておるのであります。地元民は一日も早く本工事の完成されんことを切望しておられました。また北山崎村の海岸堤防施工につきましても、資金難のために工事が進渉せず、戦々きようきようたる地元民の実情を視察して参つたのでありますが、これらの工事もすみやかに完成する必要があると思うのであります。これに対する御所見を承つておきたいのであります。  次に、去る六月末並びに七月初旬に愛媛県下を襲つた豪雨災害について申し上げます。六月末の豪雨は、南予地方に最も甚大な被害をもたらしたのでありまして、被害総額は約八億五千万円に達し、さらにまた七月四日の豪雨は五億五千万円の被害をもたらし、総額は十四億、うち土木災害だけでも四億五千万円に達するのであります。なかんずく肱川上流の宇和川及び立間川は近年まれに見るところの災害をこうむり、多少の降雨でもただちに河川は氾濫し、その被害が甚大であるために、地元民としては、単なる災害復旧のみでなく、これにあわせて抜本的な宇和川改修工事の着手を熱望しておるのであります。  最後に、四国中央産業開発道路は、愛媛県西條市を中心とし、東西に新居浜市と今治市とを控えた東愛媛の工業地帯と高知市を中心とする一帯を連ねるいわゆる四国中腹部の最短ルートを横断せんとするものであります。本路線は、昭和二十年愛媛、高知両県をあげて突貫工事を進あて参つたのでありますが、わずか四十一キロを残して終戦となり、中止のやむなきに至つたのであります。その後引続き県道改良工事として現在に及び両県を通じて本年度までに二千八百余万円の予算が計上されたとのことでありますが、総工事費約三億四千三百万円を必要とすることを考えますと、本道路改修の完成までには、いまだなお日暮れて道遠しの感なきを得ません。  本道路の改修完成のあかつきには、久しく山間部に埋蔵せられておつた莫大なる林鉱資源の開発を促進せしめ、四国四県における物資の交流を円滑ならしめ、ひいては四国開発に大きな役割を演ずるものと考えられるのでありますが、この道路完成時期に関する政府の御所見を承りたいものであります。  以上、簡単ではありますが御報告申し上げ、政府当局の御所見を承りたいと存ずるものであります。

米田正文建設技官(河川局長)

○米田説明員 河川局の所管の問題についてお答えいたします。  ただいまのお話の中にございました那賀川総合開発の事業については、お話の通り、県としては早期発電を計画いたしまして、本年度三十五億程度の資金が必要だということを、かねてから申出がございました。しかしわれわれもそういう早期開発については、協力をいたしたのでございますが、今年度の電気資金のわくが非常に押えられましたために、やむを得ず、今のお話の通りの二十四億程度で施工せざるを得ない実情になつたのでございます。しかし資金なり、予算なりはこの程度でございますけれども、いろいろな方法によつて県も研究中でございまして、早期発電が実現できるように、今努力をいたしておるのでございます。完成年度は三十一年度でございます。その完成年度を計画通りには完成をさせる目途が立つておるのでございますけれども、早期発電については、今後の資金繰り、資金調達の問題が関連をいたしますので、現地事情の好転によれば、希望通りの実現はできると思つております。  それから高知県の地盤沈下及び愛媛県の地盤沈下一括でございますが、これはお話の通り、南海震災によつて著しく沈下を促進いたしたのでございますが、その後、現地調査をいたしてみましたところ、概算でございますが、大体百億程度の地盤沈下対策事業費というものが、総計であるのでございますけれども、今日の現状を申しますと、今年度の予算は、地盤変動対策事業費として二億七千万円程度の補助費でございます。この程度でございますので、全体としての進渉が非常ににぶいというのはお話の通りでございます。予算が非常に少いので、極力重点的に地域を集約してやりたいというのがわれわれのところの今の方針でございます。なるべく手を広げないで、ひどいところから重点的に取上げて行くという方針をとつてはおりますが、しかし県としてはなかなかそうも行かないというので、多少手を広げておる傾向もございます。しかし来年度の予算については、特に重点的な完成を目ざしてやりたいと存じております。  それから愛媛県の災害につきましては、先ほど一般概況でお話申し上げましたように、今から各県の報告に基きまして、査定官を出しまして、早急に査定をいたしまして、実際上の予算措置をいたしたいと思つております。査定が完了いたしました場合、具体的にまたお答ができる時期が参ると思つております。かような事情でございます。

石破二朗建設事務官(大臣官房長)

○石破説明員 道路局長、やむを得ない事情のため出席できませんので、道路局関係の御質問のうち、フェリーボートに関する部分だけ便宜私からかわりまして答弁させていただきます。  明石−鳴門間のフェリーボートにつきましては、非常な御理解をいただきまして、ようやく一応の完成を見るに至りまして、三重国道に次ぐ有料道路としてすでに事業を開始いたしておりますが、実は私も最近あそこを視察し、参つたものでありますが、おかげさまで、開業早々ではありますが、兵庫県側につきましてはすでに相当の成績をあげておりまして、現在でも大体収支ペイしそうな状況になつております。目をおつて、月をおつて業績があがつておるようであります。もつとも、夏は海水浴客等がこむせいもありますが、非常に成績がよろしいということでございます。徳島県側の方は、遺憾ながらまだそこまでには参りませんけれども、県当局の話では、こういう仕事は初めのうちはどうしても経済的にむずかしいので、これも日ならずして収支相償う、計算上償うことになるであろうということでございます。先ほど御質問の通り、両県当局に聞きましても、接岸施設が不十分なことと、それから淡路島の道路が悪いこと、これが今後に残された問題だと思います。本省でもぜひ考えてくれということを、実は私も直接聞いて参つたものでありまして、先ほどの内海委員のお話の通りでございます。  現在まで、また今後予算上どういう措置を考えておるかということについて、概略を申し上げますと、二十九年度大体八千万円程度の金を有料道路の特別会計から貸して、それだけの仕事をやることにいたしております。そのやります仕事の内訳は、兵庫県側の方にフェリーボートをもう一度つくるということが一つと、それから鳴門側の接岸施設、それから明石側の施設をもう少し改善しようというものであります。さらに三十年度におきましても、相当の金をつぎ込んで、結局、三十年度でフェリーボートの関係だけは完全なものにして行きたい、かように計画いたしております。淡路島の道路につきましては、お話の通り、未改良のものが相当残つておりまして、これはどうしてもフェリーボートの施設の進みぐあい、また利用のぐあいというものとにらみ合せまして、いわゆる仏をつくつて魂を入れずに進めるというようなちぐはぐの結果にならぬように、それとマツチしながらやつて行かなければならぬものと、かように道路局でも考えておるし、私も考えておる次第であります。まだ具体的の計画にはなつておりませんけれども、どうしてもこれができませんと、現に時間もあのためにボートそのものは非常に早いのでございますけれども、陸上の交通が悪いために、うまく行かぬという状況になつておりますので、ぜひやりたい、かように考えておる次第であります。     —————————————

久野忠治自由党

○久野委員長 先ほど延期されておりまする災害復旧に関する質疑について続行いたすことにいたします。大蔵省側も出席をされましたので、これより質疑に入ります。質疑の通告があります。よつてこれを許ます。内海君。

内海安吉自由党

○内海委員 本委員会においても、多年の間、問題として、ほとんど超党派的に論じて参りました災害復旧工事の問題でございますが、災害復旧工事は、われわれの要望通り、政府においても、三、五、二の比率をもつて三箇年をもつて完了すると、幾たびかこの委員会においても言明されております。ところがはたしてこの二十八年災害を三箇年間に完了するというところの意思があるかどうか。幸いにして建設当局においては、常にわれわれの要望通り要求しておるのであるけれども、大蔵当局が常にこれをはばむのみならず、こういうような災害復旧等に対しては、現地に大蔵省よりも査定官が行く、あるいは安本よりも行く、さらに会計検査院というがごとく、いろいろな方面から行つて、そして査定するというような現状になつておるのであるが、一体建設省はどういう点から査定されて、どういう方針のもとに大蔵省に向つてこういうような三、五、二というような比率を強く要望し、また交渉しておられるのか、この間の折衝の経過なり、現在における非常に悩んでおるこの問題に対して、どういう考えをもつて、こういうような多年の懸案を打開する考えを持つておられるか、この点をひとつ詳しく述べていただきたい。なおこれに関連して、大蔵当局もこの資金の面において御明説を願いたいと存ずる次第であります。

米田正文建設技官(河川局長)

○米田説明員 今お話がありましたように、査定が各省でいろいろとやられておるというお話でございますが、これは今の私どもの所管いたしております国庫負担法によつては、それぞれの所管大臣がきまつておりますので、査定は一本で行く建前でございます。ただ大蔵省は、従前から財政支出の面からその査定に立ち合うという建前をとつておりまして、われわれのところから査定官が参りますときに、大蔵省も同時に同行して査定に加わるという方法をとつております。他の方はおそらく監察、監査というような面で参つておると思います、現地の実情は、昨年の例にとりましても、査定が非常に各所から来るというので、査定に追われて仕事をやる時間が非常に少いというような、仕事を進める上からいうと、そういう逆な面も出て来ておりますのでわれわれとしても、できるだけこの査定の線は統一をして、はつきりした線で進みたいので、そういう方途も至急に講じたいと考えております。  それから災害復旧の方針でございますが、これは建設省も長い間査定をやつて来ておりまして、査定に関しては、長い経験を持つております。そういう意味でいろいろな検討の結果、三、五、二という比率で三年間に完成することが最も望ましい、最も復旧の面から効果が上るというので、財政事情等も考えた上で、数年来三箇年間復旧という線を出して来ておるのでございます。大きいねらいとしては、三、五、二でやれば、翌年の台風期までにはそういう箇所の復旧は一応完成するというのが三、五、二という方針をとつている理由の根本でございます。そういう方針でぜひやりたいというので、その都度部内では、財政当局と折衝をいたしておるのでございますけれども、事態は、災害復旧も一般の事業と同じように財政的な制約を受けて、方針通りなかなか参らぬというのが今日の現状でございます。

原純夫大蔵事務官(主計局次長)

○原説明員 私の方には復旧予算のつけ方についてのお尋ねがあつたわけでありますが、三、五、二の割合でやりたいということは、確かに政府側としても申し上げておりますし、その気持は今もかわつておりません。ただ遺憾ながら、御承知の通りな、いわば日本の経済が国際的にやつて行けるか行けないかというような段階において、予算を一兆に圧縮しなければなうないというようなことから、非話な不満足な結果になつたことを遺憾と考えます。今後もできる限り努力をいたして参りたいと思つております。ただその反面、率直に申しまして、災害復旧の制度、それに基く現地からの復旧の計画、その要求につきましては、相当根本的な問題があるとわれわれは考えております。と申しますのは、一つには、よく言われます県市等によりまする不正不当な要求があるということであります。それからもう一つは、いわゆる超過工事という言葉で言われますところの原状復旧以上に復旧するという場合に、どこまでやるかという問題であります。いずれも制度的に手当を要することではなかろうかというような感じも起るほど大きな問題であります。実は寄り寄りわれわれも頭を悩しておるのでありますが、率直に申しますれば、現在の制度では、現状はまさに非常に多数の不正不当な件数があるということは御存じの通り、これはやはり災害の復旧に対します補助の割合と地方の負担の度合いというようなものとの関連があると思いまするし、また補助の出し方と申しますか、ただいま査定の問題も出ましたが、査定のやり方、また補助の主体というようなものとも関連があると思いますし、非常にいろいろな問題を含んでおつて、制度的にも手当をしないと、何と申しますか、かなりに客観的に見て水の入つたような要求になつてしまうというなおそれがあるのではなかろうか、そういう点を並行してやつて参りませんといかぬのではないかと思います。超過工事につきましては、やはり再び災害でやられるということのないようなりつぱ工事をやることは、理想ではありますけれども、財政力と、それから、たとえば去年のように非常な何年にもないというような大災害でやられたときに、そのやられたところの山奥の小さな川から何から一切、しつかりした護岸で固めるというようなことは、とうてい常識的には、この国力をもつてしてはできないということなのであります。そういたしますると、そういう際に超過工事の限度というものをきめて行かなければいけないというようなことで、われわれは制度的に箱当問題があると思つております。それだから、ちびるとかなんとかいう気持になつてはいかぬところでございますが、両方あわせて満足な解決に行きますようにというつもりでやつて行きたいと思つております。

内海安吉自由党

○内海委員 よくわかりました。ところで、この超過工事のお話がちようどあつたのですが、これは災害復旧とあわせて進められておるものと思うのでありますが、この超過工事に対する建設当局の御認識なり、あるいは今後これに対する対策について御所見を伺いたいと思います。

米田正文建設技官(河川局長)

○米田説明員 超過工事と申しますのは、要するに災害を完全原形に復旧する以上に、その機能、効用の復旧をするという意味の差額でございます。例を橋の場合にとりますと、従前木橋があつた、その木橋を従前通りの復旧をするのでは、再び流失をするおそれが非常に強い。しかも従前数回にわたつてそういう経験があるというような場合には、これは木橋を木橋として復旧することは適当でない、相当強化したコンクリートの橋梁にする、あるいは他の、十分洪水に耐え得るような構造にするというのが効用復旧でございまして、いわゆる従前の木橋とその差額が超過工事という部類に属する。われわれとしては、もちろん災害の復旧を最小限にするという趣旨においては、法律でもそういうのが趣旨でございますから、その方針には従つておるのでございますが、しかしその復旧がまた再び災害にかかるおそれが非常に濃厚だというものについては、やはり機能復旧、効用復旧という点に持つて行かざるを得ないというところに、今の大蔵省からのお話の点と多少意見を異にしていることがあろうと思います。しかしこれは現実に技術上の問題でございまして、その現地片々についての措置として考えるべき問題だと考えます。原則論としては私は大蔵省側もわれわれの方も大した考え方の相違はないと思います。そういうふうに、今日相当に超過に属する部門があるわけでございますけれども、これはわれわれとしては最小限の機能復旧に属するもの、こう考えておる。ただ十万件にも達するような非常に件数の多い問題で、しかも早々の間に設計を立てたものもないとはいえない実情でございますから、大蔵省側の言うような超過工事を極力圧縮するというような趣旨については、われわれもその趣旨によつて極力検討はいたしてみたい、こういうことを話し合つておるところでございます。

内海安吉自由党

○内海委員 昨日より開かれておる都道府県知事会議の問題も、実は地方財政の赤字をいかにするかということが、大きな問題になつておるのであります。特に災害復旧あるいは公共事業というような問題は、大きい県になりますと、ほとんどその二分の一が公共事業費になつております。その公共事業費というものは、いかに各都道府県にとつて重要であるかということは、私が申し上げるまでもないのでありますが、ただいま大蔵当局並びに建設当局の御説明によると、三、五、二の比率を完全に遂行するということについても、はなはだ見通しはあやふやである。さらにまた、一面超過工事を併行してやつて行くというような問題に対しても、自信がないような御答弁である。そうすると、これはただ三、五、二という比率を表示しただけであつて、実行ができないというならば、これはむしろ御破算にして、何とか別な方法をもつて進んだらいい。何か別な表現の方法でもあるならば、この際まずこの問題について、特に大蔵当局の御決心をひとつ承つておきたいと思うのです。

原純夫大蔵事務官(主計局次長)

○原説明員 ただいま申しました後段の、いわば数字がふくれるという面で、実は予算編成におきましても非常に大きな影響が来るわけであります。ただいま各地からいろいろ苦情をいただいております中には、三、五、二ができないで、今のわれわれの計算によりますと二十七、八パーセント、それから三十何パーセント、合計六十パーセント弱というふうに思つておるのでありますが、現地側の考えております基本数字と、われわれが予算で査定の基礎に使いましたものとが非常に開いているわけであります。非常に大きな数字をもとにしておられるので、率が低い。実際の再査定がどこまで行きますかということは、まだ今後の推移を見なければわからないところでありますけれども、その進み方によつて大分数字はかわつて来るというふうに考えております。そういたしますと、三、五、二と離れてはいるけれども、そうめちやくちやな離れ方でない線といいますか、感覚も生れて来るのではなかろうか。もちろんそれにいたしましても、はつきり三、五、二にはなつていないわけでありますが、その辺のところは、苦しいときは、俗に言うしわが寄るというような、たいへん申し上げにくいことでありますが、しばらくがまんしながらやつていただくよりしかたがないということで、われわれも今度の予算では非常に災害について申訳ない思いで苦労したのでありますが、問題は比率の問題よりも、現地側の考えられております基本が非常に違いますために狂つて参る。事実その後再査定をやりました結果によりますと、農林関係の被害は当初の数字の六割に落ちております。と申しますことは、当初三割しか復旧にならないと言うたのが五割の復旧にはなるということになるわけであります。建設関係はまだ再査定の過程には進んでおりませんし、今までの結果に見ましても、へこみ率が農林関係より少いようでありますけれども、依然そういう問題があり、それらについてどういたすかという点を、いろいろ建設省と折衝しながら進めておるというような状態であります。

内海安吉自由党

○内海委員 昨日の委員会におきましても東北並びに北海道、九州方面の各委員より御報告になりまして、その中において最も大きな問題は、何と言つても災害復旧であつたようであります。そこで、当局の御苦心のほどもよくわかるのでありますが、ここに具体的にひとつ承つておきたいのは、初年度である二十八年度に三〇%の国庫補助があるものとしてあらゆる手段を講じて資金を調達し、三〇%の復旧工事を施行したにもかかわらず、二十八年度は約一五%、二十九年度は一七%、合せて三二%程度の補助交付しか承認されておらないのであります。二十九年度はほとんど新規事業は着工できない、このままで行つたならば、これは具体的な問題でありますが、災害復旧というものはほとんど自信を失つてしまうというような結果になるのであります。おそらくこういう問題を各都道府県知事が聞いたならば、これを取上げて、ただちにこの問題をもつてきようあたりは紛糾するのじやないか、こう思われるような情勢にあるのでありますから、せめて本委員会を通して御決心のほどをごひろう願いたい。なお河川局長にぜひ……。

原純夫大蔵事務官(主計局次長)

○原説明員 先ほど来申しましたように、もちろん大蔵省もあらゆる力をあげてその点を考えるという努力はいたします。同時に、災害の復旧所要額あるいは工事のやり方、どの程度のものをやるかというような点についての、制度的なまた行政的な改善ということも抜本的にお願いしたいということで、実は建設省あたりとも、ひざつき合せて今問題をしげく研究しておるというようなわけでありますから、その成行きをごらんいただきたいと思います。

米田正文建設技官(河川局長)

○米田説明員 私ども、実は先ほどちよつと申し上げたのは、災害の査定の問題でありますが、数十年にわたつて査定を行つて来ております。事務的には完璧といつていいほど内規等も整備いたしておる、かつ府県側もこの災害の事務について非常に熟練をいたしておる。大蔵省側の今のお話では、農林省では四割が圧縮できたということでございましたが、われわれの方では、とうていそういう余地はない。先ほど申し上げましたように極力災害復旧金額の圧縮をはかろうと努力はいたしておりましたけれども、とうていそういう同割というような数字になる見込みはございません。その程度が幾らになるか、五%になるか一〇%になるか、これは仮定の数字ですが、そういうところがせいぜい一ぱいのところであろうと私どもは想像いたしております。そこで大蔵省側の言われておりますように六割、今年度で五、六割できるというような近い線に行くであろうとは、私どもはとうてい考えられません。というのは、査定がほかの省あるいはほかの部門とわれわれのところとは非常に違うという点は、十分ひとつ御認識卒お願いいにしたい。特にその点を、私は皆様にも、河川関係の査定は特に厳重であつて、長い熟練をしておるということを御認識願いたいと思います。

原純夫大蔵事務官(主計局次長)

○原説明員 ここで政府部内でやり合うということになりますとおもしろくございませんのですが——私ちよつと時間がございませんから、失礼させていただきたいと思うのででありますが、一言申し上げておきたいのは、確かに建設省関係は、長年の伝統を持たれた精鋭なる査定官の陣容をそろえておいでになられて、しつかりした査定をやつておられるということについては、私ども常々敬服いたしております。問題は、先ほど申した超過工事に大きくあると思います。この点におきましては、ただいま言われたような程度の問題ではなくて、もつと大きな問題があろうとわれわれは実は感じております。これ詰めてみないとわからない問題でありますし、また先ほど申しました原形復旧という言葉を機能復旧という意味に解するか、あるいはさらに再度災害防止というようなことで、再び災害にやられることがないという理想的な線を考えるというようなことについては、相当根本的に議論のいる点であります。これは政府部内のことでございますから、その議論の内容を御紹介する必要はございませんが、それらについてわれわれは各省にも相当お考え願い、また十分研究して参りたいと考えておるところでございますから、どうぞ御了承願いたいと思います。

内海安吉自由党

○内海委員 ちよつともう一つ承つておきたいのです。二十八年度の町村の仕越し工事でございますが、これに対する利子補給の道を非常に待つておられるわけです。もしこれができないとすれば、まつたく現在の市町村の財政というものは塗炭の苦しみをしておるのでございますが、これに対して大蔵当局としての御意見をひとつお聞きしておきたいと思うのであります。

原純夫大蔵事務官(主計局次長)

○原説明員 研究問題ではありますが、ただいまのところ利子補給をいたす考えは持つておりません。

久野忠治自由党

○久野委員長 ただいまの内海君の発言について、私もちよつとお尋ねをしたいことがあるのでございますが、ただいま建設省側、大蔵省側から超過工事の見解についてお話がございました。しかしながら台風期を前にして、すでに工事は着々として進捗いたしております。そこでこの超過工事の問題が未解決のまま参りますと、一部には予算上の措置が遅れたためは、未着工の区域が今日まだ残れておると思う。そこでいつまでも政府部内で意見がまとまらないということで延ばされるということは、私はいいと思うのでありますが、しかしながらその結果被害をこうむるのは地方でございまして、地方ではすでにこの未着工分についての予算づけ、あるいは融資の措置をどうしてくれるかということで、非常に大きな声が高まつて来ております。それを漫然として、この台風期を前にして、まだそれとも手がつかないような実情ではなかろうかと思うのです。そういうことから、この超過工事の見解についても、早急にひとつ結論を出していただきたいと思うのでございます。ここで議論倒れになつて時期を失するおそれがありますので、当然この問題については、私は資金上の措置をしてやらなければならぬのじやなかろうかと思うのです。それが昨年度の三・五・二の三比の率を貫くために、一だけは応急融資の措置を講じようということで応急融資がなされたのでございます。この金額は私忘れましたが、とにかくその応急措置の金額が本二十九年度の予算措置によつて消されます。消されると、実質はせつかく二十九年度に配分されました予算が実行不可能だ、借りた金を返しただけで、実際には工事が進まないというような現地が私ははたくさん出て来ておるのでございます。そこでその問題について、きようは資金課長にも御出席をいただいたのでございますが、昨年度出された三・五・二の一割の分については、これをたな上げすると申しまするか、二十九年度もこのまま継続して、この資金流用を許していただけるかどうかということ、さらに許されるものといたしますならば、昨年とられたと同じような方法によつて、この借入金の利払いは政府側で補償してもらえるかどうかということ、この二点についてまずお伺いをいたしたいと思います。

牧野誠一大蔵事務官(理財局地方資金課長)

○牧野説明員 お答えいたします。ただいまの昨年度とられました措置と申しますのは、おそらく一般の資金運用部からの短期の貸付ということから少しはずれまして、年度を越しまして、二十八年度から二十九年度へわたつて災害の防除のために公共団体に貸し付けた金のことだと存じます。これにつきましては、契約の条項などでは、二十九度に国から交付されます補助金というものが予想されるわけでありますが、それが入りましてから返済をするという契約で貸付をいたしておる次第でございます。それがわれわれの方といたしましては、その金は二十九年度に返済に相なるものといたしまして、二十九年度の投融資計画と申しますか、資金運用部の運用計画というようなものを立ててやつておる次第でございます。それでこの資金が返つて参りませんと、投融資計画、運用計画というものが若工狂つて来ることに相なるわけでございます。それでわれわれの方といたしましては、今それの回収が思うように行きませんので現在苦慮いたしておるところでございます。しかもそれを年度の終末にはどういうふうに解決するかということで、今いろいろ苦心いたしております。さらにそれにつけ加えまして、二十九年度からは——ただいまのお話はおそらく同じような方法で三十年度べ追加して若干の同じような融資をしたらどうかというお話のように伺います。これをさらにつけ加えてやるといたしますと、二十九年度の運用計画というものは、相当大幅に変更せざるを得ないというような状況に相なるような次第でございます。それで、ただいまわれわれの方といたしましては、二十八年から九年へかけてすでにお貸ししました金は、契約通り返済していただきたいという方針でおります。それからまた二十九年度の分につきまして、年度内の短期の金繰りは、時期によりまして若工余裕が出たり苦しくなつたりいろいろいたしますので、年度を通じますもの、二十九年度から三十年度にわたりますものとしては、これは長い長期の融資になります。この問題としては計画の線に沿つてこれは千五百八十億というものを融資する計画を立てております。その線に沿いまして実行いたしたいというふうに考えておる次第でございます。

久野忠治自由党

○久野委員長 ただいま資金課長の御答弁で、私はどうしても満足できないと思います。私がお尋ねをいたしましたのは、二十八年度で融資されたものと二十八年度で予算化されたものとで、三の比率だけの事業が進んだ。ところが二十九年度は五が約束されておつたのであるが、しかしながら実際には一五%とか二〇%ぐらいしか予算付けが行われなかつた。ところがこれが二十八年度で融資された額で差引をされますと、相殺で全然二十九年度には新規の事業には着工することができないということが現実だ。そういうことから台風期を前にして手をこまねいておるということが、現地の実情ではないかと思われる。そういうことから、この二十八年度に貸したものは、あくまでも二十九年度の予算措置でさつぴいてしまうというような、むごいやり方と申しますか、とにかくそんなひどいやり方というものは、政治としてとるべき措置ではないと私は思います。現に私たちが調査をいたしました九州などでも、佐賀県などではこの差引を受けると新規事業はできない、しかもそのために財政が困難を来して、公務員の給与さえも遅払いをしておるという実情じやないですか。そういう地方の財政の状況を見て、今日も知事会議でそういうような問題がおきておると思うのですが、私は建設委員会としても、そういう問題を黙視することはできないと思うのです。あくまでもこれは資金上の操作でできるごとじやありませんか。どういう措置を講ぜられるか存じませんけれども、今年度も短期融資の措置でできるわけでありますから、それくらいのあたたかい思いやりがあつても私はいいと思います。現に私が伝え聞くところによりますと、事務当局でありまする建設省側から、大蔵省へは申入れをされておるようでありますが、その申入れに対して、何ら今もつて未解決の状況だ。すでに台風期は九月に迫つております。迫つておるにもかかわらず、資金上の措置ができないというので、地方では無理な金繰りを算段いたしまして、市町村あたりでは農協から金を借りるとか、あるいは信連その他から金をくめんいたしまして——これらの利払いは年一割という金であります。そういう金までも無理算段いたしまして、地方では工事を進めておるのであります。進めておるにもかかわらず、その利払いもめんどうを見てやらない、それからその資金上の措置も見てやらないということでは、一割の利息を払うために、五箇年もたちますれば、国庫補助を受けましても、利払いだけでなくなつてしまうということになつてしまう、そういう現状はたくさん出ております。  それからもう一つ、先ほど内海委員からも御指摘された通り、超過工事の問題が問題になつたわけでございます。今日も会計検査院の方に今わざわざ無理に御出席を願いましたことは、会計検査院も盛んに最近災害の事前調査と称して調査をなさつております。その担当官の方にお話を聞きますと、こう言つております。会計検査院は、事後に会計上の支出に不当行為かあつたのではないか、そういうことを調査するのが役目であつて、事前に調査すべき性質のものではない。しかしながら、それらの支出行為について調査に来たから、ついでに見ておるのだ、こう言つておられます。ところが、その際一々係官はいろいろの資料を出しておられます。この工事の施行のやり方は不当だ、例をあげて申しますると、コンクリートの厚みが足らない、栗石の入れ方が足らない、こう言つて事前にこれを査定すると申しますか、事前に調査をされて、これに判こを押しなさい、こう言つておられる事実がある。それでは会計検査院が監査するということは、不当に権利が行使されているのではないかといつて聞きますと、もちろんこれは事後にもう一ぺん調査にやつて参りまして、これらの事実についてもう一ぺん調査するから、まず判こを押してくださいと言う。それからもう一つ超過工事についてのお話がありましたが、超過工事についても、これはあくまでも不当支出だ、災害の超過工事ではない、これはあくまでも原形復旧を逸脱したものであるから、これは普通の一般の公共事業として取扱うべきものであつて、災害工事として取扱うべきものではない、改良工事として取扱うべきものだ、これについても判こを押しなさいといつて要求しているような事実を、私は地方に行つて聞いております。全国に参りましても、たくさんそういうことを闘っております。そういうことについても、会計検査院の方から後ほど御説明をいただきたいと思いますが、先ほど私がお話申し上げましたように、大蔵省の方にお尋ねいたしたいことは、二十八年度に貸し付けられたものが、今日も多少まだ残つているようでございますが、その金額は一体どれくらいになりますか。

牧野誠一大蔵事務官(理財局地方資金課長)

○牧野説明員 ただいま残つております額は、これはたしか七月の中旬くらいに調べた額だと思いますが、三十四億強残つております。

久野忠治自由党

○久野委員長 その額は七月末までに返せということであつたと思いますが、さようでありましようか。

牧野誠一大蔵事務官(理財局地方資金課長)

○牧野説明員 これは七月末までにということではございません、国からの二十九年度に交付されます補助金が見返りでございますから、補助金が交付されたら返すようにということであります。

久野忠治自由党

○久野委員長 建設省側にお尋ねいたしたいのですが、補助金は現在どれくらい渡つておりましようか。

米田正文建設技官(河川局長)

○米田説明員 各事業別にいろいろ違いますが、大体月平均で行つておるものもありますが、災害は特に要請をいたしまして繰上げてやりまして、大体八〇%くらい行つておると思います。愛知、三重のごときは、すでに九%程度、海岸堤防だけについてはそういう措置を実行しております。

久野忠治自由党

○久野委員長 ただいま愛知、三重のお話がございましたが、昨年度の愛知、三重の借入れましたものは十億ずつ都合二十億でありますが、すでに九〇%程度渡つておるといたしますと、この二十億返せる財源はないと思いますが、これを一体どういう方法で回収をおはかりになりますか、大蔵省側にお尋ねいたします。

牧野誠一大蔵事務官(理財局地方資金課長)

○牧野説明員 お話の通り愛知十億、三重十億、両県に合計二十億ございます。これにつきましては、まだ回収されておりません。そこで、私どももこの回収につきましては、非常に苦心いたしております。まだどういう方法でやるかという点については、うまい知恵が浮かばないという段階でございます。

久野忠治自由党

○久野委員長 そうすると、現状では回収の見通しが立たないということでございましようか。

牧野誠一大蔵事務官(理財局地方資金課長)

○牧野説明員 これは先方の金繰りでございますから、はつきりどうということは申し上げられませんけれども、今のところ、愛知県、三重県では容易に返せないという連絡を受けております。

久野忠治自由党

○久野委員長 他にもそういう府県がございましようか。

牧野誠一大蔵事務官(理財局地方資金課長)

○牧野説明員 ございます。

久野忠治自由党

○久野委員長 他にもそういう府県がたくさんあるといたしますと、二十八年度に貸し付けました金額の大部分というものは、未回収のままで残されるということになります。そうすると、資金計画に大きな狂いを来すわけなんですが、狂いを来しても、実質上はやむを得ないということでお見のがしになるわけですか、そうとしか受取れないのでございますが。

牧野誠一大蔵事務官(理財局地方資金課長)

○牧野説明員 これは実質上やむを得ぬととして見のがす、見のがさぬというような点につきましては、まだ結論を得ておりません。本年四月以来資金運用部の資金の運用計画に基きまして、いろいろ今実施をいたしておる段階でございます。この段階で、年度の中途におきましては、先ほど申し上げましたように非常に詰まるときもあり、若干余裕ができるときもあり、いろいろ時期によりまして差はございますが、計画通り行くといたしますと、年度の末には、ただいま申し上げましたようなものが、回収に相ならないといたしますと、これは非常に大きな誤算を生ずるということに相なりまして、その解決の方法というものは、これから一月ごとにいろいろ運用あるいは元本の集まり方の実績がわかつて行く状況をにらみまして、検討して行かなくちやならぬというように考えております。

久野忠治自由党

○久野委員長 資金課長はちよつと私の質問が腹に入つていないと思うのですが、すでに愛知、三重両県下、あるいはその他数府県と申されるのですが、その配分された災害の本年度分の予算も使い果しております。もうすでに入札に付して、台風期を前に控えておる時期でございますから、もう猶予できない、そういうことから工事の施行を進めておる。それから昨年度借りましたものも、すでに使い果しておる。そういたしますと、もう本年度の予算上の措置、入つて参りますと金が、先ほど建設省側の御答弁によりますと、一割ぐらいしか残つておらないといたしますれば、返す財源がないのですから、これは当然見のがすということ以外に道はないのであります。それと府県が他の面から借金をいたしております。先ほど申し上げましたように信連とかその他から借金して参りまして、それを返すということで、そういう措置ができれば文句はないわけですが、おそらくそんな措置は、地方財政の困窮をしております現状でございますから、それはできません。その一つの現われが、私が先ほど申し上げました佐賀県の公務員の給料の遅配という問題になつて現われておると思うのです。そういうような点から、今ここで差迫つた問題であります。今ここで二月か三月先になるとか、考慮すればいいとかいう問題ではなくて、もうここで十日とか十五日とか、期間を区切られた差迫つた問題であろうかと思いますので、これが資金上の措置が何とかできるということであれば、早急にひとつ事務当局でお考えをいただきたいと思うのです。しかし、それは政治上の問題であつて、事務的に処理する問題ではない、こうお答えになるかもしれませんが、そういうことであるとすれば、私たちといたしましては、これは政治的に解決をする方法を考え直さなければならぬと思うのですが、どうでございますか。そういうような問題等につきまして、もう少しつつ込んだお答えをひとつお願いいたしたいのです。

牧野誠一大蔵事務官(理財局地方資金課長)

○牧野説明員 この災害の問題も、確かに地方財政を圧迫しておる問題の一部であると存じております。それで、やはり最近新聞などで報道されます給料の遅配、あるいは遅配のおそれがあるというような問題と関連のある問題だというふうに存じます。ただ若干の、あるいはもうすでに大部分かもしれませんが、補助金が出まして、それが現在まだ二十八年度に借りた分で返せないという問題は、これはその問題だけをとりはずして必ずしも考えられないのではないかと思つております。と申しますのは、年度間の時期によりまして、いろいろ地方団体でも金繰りの苦しい時期、あるいは若干楽になる時期、いろいろあるかと存じます。それでただいま第一・四半期、あるいは現在第二一四半期の中途でございますが、こういうような時期というのは、地方団体の財政というものは、概して申しまして非常に金繰りのつらいときでないかというふうに承知しております。それでただいままで現在返つて来ないということは、これが年度末までどうにもならないのだというふうには、私ども必ずしも思つておらないのであります。それからまた、今の金繰りのいろいろ苦しいという面につきましては、先般たしか地方交付税交付金の繰上げ払いを実施するとか、あるいは若干の短期融資をつけるとかいうような方法も講じまして、年度内の金繰りという時期的な調節というものにつきましては、これは不十分かとは存じますが、若干の手はいろいろ打つておるというふうに存じております。

久野忠治自由党

○久野委員長 時期的な調節と言われるのですが、そんなことではもう追いつかなくなつて来ております。例をあげて申しますならば、私たちが調査いたしました福岡県の大福村という村がございますが、これの復旧費は約八千万円でございます。ところがわくづけされたものはわずかに九百七十二万円、起債が八百六十万円で、借入金も六千万円いたしております。これは農協と地方銀行から借りて来たのですが、これをこのまま二年も三年も放任されるということになりますと、年利一割の金を払うということになりますから、実質上の補助率というものは四割ぐらいに下つてしまう。そうすれば、地方財政というものはつぶれてしまう。これは一つの村だけを標準にして申し上げたのですが、一つの村だけではない、こういう貧弱町村は全国にたくさんございます。今困り抜いておるのだから、それらの問題を金繰りだけで処理しようとか、あるいは財政調整資金ですかの短期融資だけで何とかここでやりくりをつけさして、この際乗り切ろうというような甘い考え方ではないと思うのです。みんな金を使い果してしまつて、本年度のわくづけされたものさえ返せないというような状態ではないのですか。ですから、何としてもこの財政上の不足をカバーしてやらなければならない。カバーする道は、予算上の措置は講ぜられないということだから、これが講ぜられないということでありますれば、応急融資以外に道はない。ですから、この応急融資と申しますか、短期融資の形でここで五十億なり百億なり足りない分だけはその措置をとつてでもやりくりをして、他の融資、起債の財源等をしぼつてでも、この際あたたかい思いやりと申しますか、そういつた道を考えてやることが、私たちは一番ありがたいことだと思つております。ですから、今ここで調査するとか、あるいは相談をしてとか、そんなことではないのであります。差迫つた問題ですから、早急にひとつ解決方を強く要望いたします。

内海安吉自由党

○内海委員 今までの答弁を聞いておりますと、この災害工事というものは、ほとんどなつておりませんよ。こんなことでは何もできません。そこで、資金課長さんやなんかでは、これ以上の御答弁はむずかしいと思うので、午後からは大蔵大臣を呼んで、大蔵大臣と対決する以外に道はないと思います。そうして最後の線を出したいと思うので、そのようにおとりはからい願いたいと思います。

久野忠治自由党

○久野委員長 内海君の申入れにつきましては、委員長としても善処いたしたいと思います。

小峰保榮会計検査院事務官(検査第三局長)

○小峰会計検査院説明員 会計検査院で農林省、建設省の検査を担当しております第三局長でございます。先ほど委員長から、会計検査院の検査につきまして二点お話がございました。第一点は、事前検査をやつておるが、本来の会計検査院としてやるべきことは事後検査だけではないか。第二点は、原形超過工事に対して非常に辛い態度をもつて検査に臨んでおる、こういうふうに伺いました。  まず第一点でありますが、会計検査院は、仰せの通り事後検査というものが本分であります。これは国の支出がありまして、あとから検査してまわるというのが、原則的な検査方法であります。しかしながら、これは法律も明記しておりますが、国の財政経理一般を監督する義務を負わされているわけであります。それで、従来私どもが災害復旧、公共事業関係の工事をあとから検査して参りますと、あとから見たのでは、悪いのが明らかだが、何ともしようがないというものも実は非常に多いのであります。またあとから見つけますと、その是正とか、手直しとか、補助金の返還というような問題も起きまして、事業主体、地元に対して非常な迷惑をかけるというケースも、ずいぶんに多く見つかつておるのであります。それで、今申し上げましたように、国の財政経理全般についての監督権もございますし、事前に調査をする、そうしてあとの検査を補うということも、やつても一向にさしつかえないのじやないだろうか。と申しますのは、昨年のあの大災害は、御承知のように未曽有の災害復旧費国費補助が予定される大きな問題であります。従来の査定というようなものを見ますと、今までしばしばこの国会でも問題になりましたように、小さな人口五千くらいの村に、八億も災害復旧費が農林省関係でついた、あるいは五億もついた。それをあとから見てまわりますと、直してもらわなければならぬ、あるいは返してもらわなければいかぬというものも相当に出るというようなことも実例があつたのでありまして、昨年のあの大災害のときに、こういうことが方々でひんぴんと行われるようなことでは、これは非常に大きな問題になるわけでありまして、悪いことがあれば、なるべく早くそれを見つけて、直すべきものならば直してもらう、事前にやめてもらうなり、改めてもらう、この方がいいのではないだろうか、こういう考慮のもとに、すでに昨年の災害復旧費の国費支出が始まりましてから実は一月までは待つていたのでありますが、一月から四月にかけまして事後検査——同じ工事現場に参りますから、先ほども御指摘がありましたように、工事ができていて、コンクリートの量が不足しているとか、あるいはいろいろなできた工事に文句のつくようなケースもあるわけでありますが、それとあわせまして事前の調査も行つたのであります。出先に参りました者の言葉のやりとりが不十分であつたために、あるいはとんだ誤解を生んだのではないかと思いますが、事後検査と併用いたしまして事前の調査もやつたのであります。私どもとしては、同じに参りましたが、事後検査と事前調査というものをはつきりわけまして、あとの処理をしておるような次第であります。そのために、相当に大きな金額も——もしも私どもがやらなかつたならば、またあとになつて工事ができ上つてから文句を言わなければいけなかつたと思うような大きな金額も農林省、建設省ともに出まして、そうして農林省、建設省といろいろ折衝して、直すべきものは直していただいておるのが現状であります。私どもといたしましては、政府の査定なり何なりが厳正に行われまして、法律通りに運用され、そうしてずるい者が得をするというようなことがなければ、こういうことはやらなくても済むわけでありますが、従来の実績、検査経験から見ますと、どうも昨年は今までは変なことになりそうだというような印象も受けておりましたし、初めて実はやつたわけであります。方々からいろいろな御批判を受けておりますが、やりました結果は、今申し上げましたように、私どもが事後検査で見つけます——大きく申しますと数十倍であります。数十倍の金額につきまして事前に直していただく機会を得た、こういうことが御報告できるわけであります。その中には認めるべきものもございます、私ども了としなければならぬものもずいぶんございます。そういうものはどんどんお認めして、ほんとうに法律上、現在の制度でいかぬというものはやめていただく。一番ひどいのは、農林省、建設省両方から査定をとつたというようなケースも相当に出ております。こういうのは、同じ一つの災害復旧工事に対しまして、農林省と建設省と両方で補助金を上げましようという約束をしてしまつたわけであります。こういうものは、ほうつておきますと、工事は一つしかやりませんで、ほかの方に金をまわしてしまうというような例も従来ずいぶんございます。こういうのは一番ひどいものであります。それから設計が非常に水増しになつているというようなケースもずいぶん出ております。こういうものは、やりもしない仕事に対して補助金をやるというような結果になるのでありまして、事前に工事をする前に見つけて直して、適正な補助金に改めてもらうというのは、これは私は当然じやないかと思うのであります。  それから第二点の原形超過の問題であります。これは昭和二十五年度までは、あまり問題が起きなかつたのでありますが、昭和二十五年に法律が改正になりまして、原形復旧と、原形を越えた部分に対して国の補助率を違えるというときもこの問題が出たわけであります。それまではうやむやに、便乗も何もお構いなしに、原形復旧ということでやつていたわけでありますが、当時法律がかわりまして、私どもも原形とは何ぞやということをよく研究する必要があつたわけであります。それ以来今日までいろいろ問題が起きているわけでありますが、この法律がその後かわりまして、現在では原形超過部分も原形復旧と同じに扱う、こういうことになつているのであります。私どもといたしましては、法律上原形超過を当然に原形復旧と同じ災害国庫負担の対象として扱う以上は、これは当然にその通りに取扱つて行かなければいかぬのであります。先ほど委員長のお言葉がありましたが、私ははなはだ意外なんであります。原形超過に対しましては、会計検査院は決してやかましいことを言つておりません。これはもし現場で何かそういうふな御印象をお受けになる向きがあつたとしたならば、それは言葉のやりとりが不十分であつたと思うほかないのでありまして、会計検査院は、決してほかの役所、大蔵省なり建設省なりに比べて、原形超過をやかましく言つている、具体的に申しますと、建設省で原形超過と認めるもの、大蔵省で原形超過と認めるものを、会計検査院がそれはいかぬ、原形復旧の範囲に落せ、こういうようなことは一回も言つたことはございません。これははつきり申し上げておきます。ただ問題は、原形超過なりや便乗なりや、この点であります。便乗工事は、今度の私どもの調査の結果でも、非常にたくさん出ているのであります。災害を受けもしないのに、あるいは堤防なんかで申しますと、すその方をちよつとかすられた、そんなものはほつておいてもよいのであります。それを災害復旧の対象にもぐらしてしまうというようなケースは非常に多いのであります。昨年のあの九割以上国庫負担をしなければいかぬというようなときに、そんなものをどんどんもぐらされたのでは、これはたまらないのでありまして、私どもはそういう面には相当やかましく言つております。これが原形超過をやかましく言うというような誤解を与えた原因ではないか思いますが、私どもとしては、原形超過というものも、これは災害復旧として取上げるのはむしろよいのでありまして、そういうものについてまでやかましく言うということは、絶対にしておりません。

久野忠治自由党

○久野委員長 ただいまの御説明で、大体了承はいたすわけでございますが、しかし現地に行つておられる方に十分御注意いただきたいことは、すべての、何といいますか、工事の査定権といいますか、会計上の支出についての検査をするという権能のために、いろいろ現地と摩擦が起きているようでであります。しかも技術屋との間に摩擦が起きておりまして、それが未解決のままで今日も残されているというようなケースもたくさんあるようでございますから、できる限りその事前審査をやられる場合は、現地の技術官とも十分緊密な連絡をとつて、できる限りそういう問題が急速に解決するように、しかも摩擦が起きないように御注意をお願いいたしたいと思います。  他に御発言ありませんか。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 会計検査院にちよつとお尋ねいたしますが、国家資金を厳正に使用されるべきであるという御意見は、たいへんけつこうなことでございますけれども、このたび農林補助金の調査をせられた。その抽出に私の県が入りまして、お宅の係員がおいでになつた。ところが、大分町村当局の人がやられた。どういうことでやられたかということを聞いてみますと、農薬の補助がまだ村役場に保留されている。それは五月二十五日に来ている。その他二、三あるのですが、出納閉鎖後補助金が来ておるので、ちよつと処置がなくて保留しておつた。この件を取上げまして、これは不当な所得である、こういうわけで大分やられた、こういうことなんです。一体そういうぐあいに会計検査院ではやらるのですか。これは厳正を越えておるのではないかと思うのですが、そういう場合には一体どうすべきであるというお考えを持つていますか、お答え願いたい。

小峰保榮会計検査院事務官(検査第三局長)

○小峰会計検査院説明員 私どものところでは、従来農林関係の検査につきましては、補助金の検査で、災害復旧とか土地改良とか、こういつた公共事業以外には手がまわらなかつたのでありますが、本年度見ておりますと、公共事業以外の、今お話がありました農薬関係の補助、あるは冷害対策、そういうようなものの補助金が、農林省は百数十種類出ておるのでありますが、これは全然検査ができなかつた。ところが、これについていろいろな問題が多いということも聞きましたし、今年初めて今までに全国のうち九府県を選びましてやつております。その中にたまたまお入りになつたことと思いますが、九つの府県に対しまして、町村におじやまして、実際の百数十種類もある補助金が末端でどう使われておるか、こういうことを実態調査してみたわけであります。そういたしますと、今おつしやつたように、町村までは金が行つているが、実際に仕事をしたところに金が行つておらぬ、こういうようなケースが相当にある。いろいろな農薬もその一つでありますが、これ以外にも相当に多いというので驚いたのであります。そのと差、たまたまどういう態度を出先の者がとりましたか存じませんが、農薬のあるものについては、農林省からの補助金の行き方が非常におそかつたというものもあつたようであります。目下検査中で、全部の結果の御報告はちよつといたしかねますが、そういうものについては、それを返せとかなんとかいうことは、決して私どもとしては申すつもりはありません。農薬にかえていただいて適当にお使い願うほかないのであります。それからまた、ところによつては、もうすでに農薬は買つてしまつた、こういうところもあります。こういうものは、あとから補助金が行くということもありますから、個々のケースによつて判断をかえなければならないわけであります。何か出先の者が、そう町村当局をどうというようなことは、なるべく私どもとしてはさせないつもりでおるのでありますが、そのためにもし御迷惑をかけたというようなことがありましたら、これは十分に注意しなければいかぬと考えております。     —————————————

久野忠治自由党

○久野委員長 他に御質問がなければ、この際日程を追加して、建設行政に関し調査を進めるに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久野忠治自由党

○久野委員長 異議なしと認め、さよう決しました。  西村力弥君より発言の申出があります。これを許します。西村君。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 まず委員長にお尋ねしますが、私、次官とそれから道路局長に出席を要求してありましたが、本日お見えになりませんが、どういうわけでありますか。  それから建設省当局にお尋ねしますが、資料の要求を出しましたところが、このなまのままの建設省に保管しておる資料を私に貸してくださいましたが、私が今問題にするのは、ごく一局部の問題でございまして、山形県の北村山郡西郷村の軍事道路に関係する問題であります。これはやはりあなた方の持つていらつしやる法の権限というか、そういうものが、農村の所有権なり、あるいは耕作権なり、そういうものを剥奪する段階に至つておる、こういう重要な問題でありまして、これはやはり全員の了解の上に審議が進められる性質のものである。昨日お渡しいただいたダム建設に伴う土地収用の問題なんかについては、今後実施上の手続を簡素化して、そういう方向をスムーズにというか、手早くできるようにしようというぐあいに聞いておるのであります。これは結局国民の権利というものに関連する問題でありますので、やはり資料を十分に用意していただきたかつた。これができなかつたということはどういう事情にありますか。その二点についてお答えを願いたいと思います。

澁江操一建設事務官(計画局長)

○澁江説明員 資料の点でございますが、御要求になりました資料は、事業認定書と現地の図面とそれから裁決申請書、そのほかに事業計画書、これだけの御要求があつたのでありますが、通常国会と違つて、この際時間的な関係が十分ございませんでしたので、そのうちの裁決申請書——これは実は県に保管されておるものでございまして、建設省にはございません。従いましてそれ以外の分につきまして、写しないしは原本をお見せすることにいたしまして、御審議を願う、こういうことにいたしたわけでございます。もちろん時間の余裕がございますれば、その写しをつくりまして差上げることは、十分考えておる次第でございます。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 次官は……。

久野忠治自由党

○久野委員長 次官はちよつと重要な会議がありまして、どうしても来られぬということであります。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 それでは官房長にお尋ねいたしますが、次官はおいでにならなくとも、答弁は責任を持つてお願いできますか。

石破二朗建設事務官(大臣官房長)

○石破説明員 御質問をいただいてみませんと、私御答弁申し上げられることかどうかわかりませんが、ただここに計画局長、河川局長、道路局の課長も参つておりますので、それでよろしゆうございましたら、お答えしたいと思います。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 どうもあなたは責任を持つて来られたのかどうかわかりませんが、それでは第一番にこの問題を御答弁願えるかどうか、ためしてみたいと思います。それは土地収用をやられると困るという関係者と、それから私の方の上林與市郎代議士とが、本年一月八日に建設省に参りまして、そうして稲浦次官並びに戸塚当時の大臣に事情をるる訴えた結果、建設省において省議を開いた。この計画は確かにあまり現状を無視しておる、だから事業認定はしないということを上林代議士に言うた、こういうことになつておる。ところが実際には、その後一月二十一日に事業認定が行われておる。このことは、私は上林代議士からじかじか聞いたのでございまして、これはうそではない、確かにその通りと思いますが、この件に関して官房長はどうお答え願いますか。

石破二朗建設事務官(大臣官房長)

○石破説明員 私の記憶では、その省議に出席した覚えもございませんし、次官が上林代議士にどのように申し上げておるか、わかりません。従いまして後刻次官に出席していただきまして、御答弁していただくことにしたいと思います。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 では、その点は次官が出席してからお尋ねいたしたいと思います。このことは、上林代議士は今外国に行つておりますので、当分解決はできませんけれども、帰つて来ればはつきりする問題であると思います。そのときになつてから、ありまトラブルが起きないように、御配慮をお願いしたいと思うのですが、しかし上林代議士にそういうことを明言されたとすれば、それについての責任というものは、政治的に相当重要なものと考えます。それは次官のおいでを願つて、その答弁に基いて、上林代議士が帰国後、これを問題にした方がよかろう、かように考えております。  それで、建設省において、山形県知事からの事業認定の申請書を許可するまでの経緯でありますが、それには書類の審査もあつたでありましようし、あるいは県側のいろいろな陳情を聴取したり、あるいは係員を現地に派遣して調査をしたりした結果、これが最も妥当である、かように判断せられたもの思うのです。ところが、われわれから見ますと、実にそこにはあまりに徹底を欠くうらみが多いのであります。まず書類についてでありますが、この新道路を建設して、農地をつぶし、あるいは部落を帯状の二つの並行路線の中に入れて、農業経営その他に非常な不便を与えるということは、常識的に考えて、これは農民が反対するのは当然であります。その関係住民八十七名、こういうぐあいになつておりますが、建設省の調査では、土地を収用される関係住民は八十七名であるかどうか、はつきり調査せられておるかどうか。そうして申請書には八十七名中四十四名の土地売渡しの承諾書を出した者がある、こういうぐあいに言つておりますが、実際は全然関係のない人々から承諾書をとり、あるいは関係ある人でも、この中の数名の人からあとでその承諾書を破棄するという書類を正式に出しておる者がある。だから、その関係住民の調査、あるいは承諾、不承諾、そういう問題についての調査は一体どういうぐあいになつているか、はつきり数的に示してもらいたいと思う。

澁江操一建設事務官(計画局長)

○澁江説明員 経過でありますが、御承知のように昨年の十一月六日に県知事から認定申請を私どもとしては受け、二十九年、すなわち本年の一月二十一日に事業認定の処分行為を行つております。その間におきます調査でありますが、普通の事業認定でございますれば、おおむね県からの申請による資料等を中心にいたしまして、書面審査で事業認定をいたす建前にいたしておりますが、本件に対しましては、特に先ほど来お話がございましたような、地方で相当これに対する異論、反対等があつた経緯等にかんがみまして、十二月中ごろでございましたが、私どもの係官を派遣いたしまして、現地で調査をいたしております。その結果の報告書等を調査しまして、最終的な決定をいたしたわけであります。  反対、賛成の人数の調査でございますが、これは知事の申請におきましては八十七名中四十三名の賛成、こういう申請書になつております。この人数が正確なものであるかどうかという点については、十分な調査をいたしておるわけではございませんが、その関係町村であります西郷村の村会議員あるいは村長、こういう人々につきまして、この地方全体の反対、賛成の意見を持つておられる人々の趨勢というものを大体聴取いたしたような次第でございます。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 これはまことに重大な問題で、私たち現地に行つての調査では、この新道路をつくるために、被害を受けるというか、関係する農民は五十六名、ところが現在土地収用委員会が開かれまして、それに反対をして意見書を提出しておる者が四十六名、だからあとの十名だけが賛成とか、あるいはどうでもよい、こういうぐあいになつております。五十六名中四十六名ははつきり反対であります。意見書に署名しておる。しかるにこの書類においては、総員が八十七名で、その中において四十四名が土地売買の売渡しの承諾を出しておるというぐあいに記載されておる。これは明らかに施行者の不正記載だ。こういうところは、実際に被害を受けるその人々のほんとうの真意を確かめるために、建設省は十分に調査しなければならないはずだ。それを村長とか、村会議員とか、そういう者の立場だけから賛成、反対を漠然ととつて、そして住民の意向は賛成であるからと、この場合判断するというようなことは、あまりに行政としてよろしくないじやないかと私は思うのであります。承諾書を出されたと言われますが、この件に関して地元関係民がときどき参りまして、るるその点の実情を訴えておるはずです。結局それを知らなかつたということは、地元民の陳情というものに対して耳をかさなかつたということになるのじやないかと思います。私が今言つたことに対して、何か反論でもございましたらお答え願いたいと思います。

澁江操一建設事務官(計画局長)

○澁江説明員 反対、賛成の数の問題であります。これにつきましては、私どもの調査が村長あるいは村会議員の意見を中心として聞いた点についてのおしかりがあつたわけでありますが、大体におきまして、地元民の意向を反映するのが村会議員あるいは村長の立場であろうというふうに私どもは考えておりましたし、そういう点から特別の事情のない限りは、そういう方法において、最終的に国、公共団体との関係において意見を確かめる場合においては、従来そういう方法をとつております。他の行政処分等におきましても、地元の意向を聴取するという場合においては、村長または村会の議決というものを裏づけにいたしまして、聞き取るという立場をとつておりますので、それに従つたわけであります。  なお、事業認定との関係でありますが、事業認定は、御承知のように、収用法等法律上規定された一つの条件にこの認定行為が合うかどうか、条件を満たしておるかどうかということを判断するのが、収用法の運用に当る建設省の立場であるわけであります。そういう点につきまして、はたしてこの賛否というものが、条件を判定する上においてどういう影響を持つかということは、もちろん考えなければならぬ問題でありまして、西村委員の御指摘になりました点も、その賛否の帰趨というものが認定条件を左右する一つの大きな影響力を与えるのではないかというように考えるわけでありますが、公益事業をいたす場合におきまして、補償問題あるいはその事業の着工について、地元が全員賛成であるとは必ずしも考えられないことが間々ございます。相当の反対論がありましても、公益事業の遂行上、収用権を発動しなければならない、こういうのが、場合によつては収用法を発動しなければならない一つの大きな原因になつているわけであります。従つて、その上の認定でありまして、さような点におきまして私どもが特に注意を払いました点は、はたしてその路線が道路事業としてやる価値があるかないか、具体的な路線が比較線との関係において適当であるかないか、県の申請はそれに合つているかどうか、こういう点につきまして、土地収用法の考えで命ぜられて、規定せられている条件に合うものかどうかということを中心にしまして判定いたしたわけであります。従いまして、賛否の問題は、もちろんゆるがせにすべき問題ではございません、法律上に命ぜられている条件を判定する上において、その一部にはなりますけれども、全部になるものではないというふうに考えてこの裁決認定をいたしたような次第であります。

久野忠治自由党

○久野委員長 暫時休憩をいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久野忠治自由党

○久野委員長 午後は二時から再開いたしたいと存じます。  暫時休憩いたします。    午後一時十二分休憩      ————◇—————    午後二時三十四分開議

久野忠治自由党

○久野委員長 休憩前に引続き会議を開きます。西村力弥君

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 先ほどの御答弁では、まず地元民の意向というものが、認定を左右する重大なる根拠ではあるが、建設省としては、認定をする場合には法的な具備すべき条項だけが備わつておればそれでやるのだ、すなわち優先するものは道路の公益性であるのだ、こういうような御意見でございましたが、こういう考え方に対しまして、私たちはどうもあまりに役所的な考えが多過ぎるのではないか、こういうぐあいに思われるわけであります。しかし、それは今の御答弁であつて、建設省としての真意はそんなものではないだろう、かように私は思いたいのであります。それはなぜかといいますと、神町から大高根に来る最短距離は、あそこのたんぼの中に一本道路を通して弾丸道路をつくれば一番簡単なのに、楯岡町の人口樹密な道路の狭いところを通つて、今問題になつている西郷村を通つて行くという路線を選定しておる。こういう点からいつても、あながちそれは建設省の真意とは考えたくないのでありますが、しかし、もう一段と住民の意向というものを十分に尊重せられるべきではないか。これは軍用道路であるから、絶対に頭から反対だというような地元民の意向ではない。それをどこからお聞きになつたか知りませんが、昨日のお話では、計画局長、道路局長は、軍用道路だから有無を言わさずてんから反対だ、こういうような地元民の出方に対しては、われわれもちよつと考えざるを得ない、こう申されたのでありますが、実際に建設省においては地元民の意向、すなわち現道を拡幅されたいというような意向が具体的に現われたことを県から聞いており、その点に関して調査なさつておるかどうか、ひとつお聞きしたいと思います。

澁江操一建設事務官(計画局長)

○澁江説明員 土地収用法の事業認定事項に関連いたしまして、ただいま公益優先という考え方のもとに出発しておるのではないかという点を御指摘になつたのでございますが、これは収用法全体の命ずるところによつて私どもはやはり処分行為をやつて行かなければならないわけでありまして、土地収用法そのものは、国会で制定当時御審議になりましたように、また憲法上もその点をはつきり明示しておりますように、公益と私益との調整というものを中心にいたしまして、この法律の精神といいますか、立法精神は貫かれているはずでございまして、さような点が、具体的なこの場合の認定処分の場合におきましても、やはり私どもとしては十分考えて行かなければならぬ点であるというふうに考えておるのであります。もちろん道路事業をやる以上は、他人の土地をつぶさずして道路の拡幅、道路の改良が行われるということはほとんど考えられないといつてさしつかえない。そういう点をもつて私権を侵害するということになりますならば、道路の整備ということはおそらく不可能に近いという結果になるおそれがございますが、さような意味ではなくて、一方には道路の改良も行い、一方にはこれに伴う私有地の犠牲も最小限度にとどめる、こういう配慮のもとに結局事業認定、事業計画が行われることが理想であるわけであります。さような観点に立ちましてこの場合の処置を考えてみたわけでありまして、具体的に申しますならば、先ほども申し上げましたように、またただいまお話もございましたように、現在道路の拡幅と、新しいここに問題になりました路線の設定、改良と、いずれが道路計画の目的にもかない、また私権の犠牲といいますか、制限等が比較的少くて済むか、こういつたような配慮のもとに私どもとしましては十分な調査もし、慎重に考えたつもりであります。その点につきましては、単なる公益優先、道路事業優先ということだけで問題が解決しているのではないということを御了承願いたいと存じております。  なお拡幅の要請その他があつたことにつきましては、道路局長から御説明申し上げたいと思います。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫説明員 この線の選定にあたりましては、地元におきましていろいろな意見の相違も見られまして、われわれといたしましては現道を拡幅する案も考慮したらということを考えまして、これは県にも相談いたしまして、現道を拡幅する案も立ててみたのでございます。ところが現道を拡幅する案につきましては、相当移転の戸数も多いし、また現道そのままを拡げて行くというわけには参りませんで、一部は線をかえなければならないという状態にもなりますし、でき上つた線がまた非常に屈曲、それから曲線の多い道路になりますので、どうも原案ではまずいということになつたのでございます。それで県の立てました原案とこの現道を拡幅する案との折衷案も考えてみたわけでございます。この案は一部原案によりまして、その他の一部は現道を拡幅せんとする線に乗せたわけでありますが、この折衷案につきましてもなかなか地元のまとまつた御意見が得られなかつたわけでございまして、そこでわれわれといたしましては原案の道路が道路交通のためには最もよろしいという結論に達したわけでございます。県からのこの選定にあたりてましは、いろいろわれわれの方に御相談がございました。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 御答弁がないからお知りないと思うのですが、現在道を拡幅してやつてもらいたいというならば全面的に協力するという人々は、関係者百十名中八十五名の署名をもつて訴えている、こういうことを全然調査なさらないということは、少し粗漏ではないかと思われる。先ほど住民の意思については、県の認定申請書には八十七名中四十四名が土地の売渡しを承認したと言つているが、これだつて実際には土地の売渡しに関係するのは五十六名、八十七名もいるはずはない。しかもその五十六名中現在土地収用委員会にかけられまして、それでもなおかつ希望を捨てずに、自分たちのよりよい生活あるいは農業経営を守らんがために反対しておる人で、署名しておる人は四十六名、売渡しを承認するあるいはそれを黙認する人はわずかに十名だ。しかるに一方においては現在の道路拡幅に賛成する人は、百十名中八十五名がそれに賛成して陳情しておる。こういう事情を全然顧慮せられずに、ただ公益優先々々々々という場合に、一方的に道路網がよくなればよいということは、それはよくなればいいのでありますけれども、現実に国民が生活し、国が、あるい村が運行して行く限り、建設省の道路だけの観点から問題を判断されるということは、これは明らかに住民の利害というものを無視する立場になるのではないかと思われる。私たちは基本的には人間の基本的権利と公益優先というものは同一のものではない、基本的権利の下に公益優先というものがあるのだ、こういう考え方を持つのだが、その論争はとにかくとしまして、今の考え方を見ますと、どうも実情に対する調査がまことに形式的であり、思いやりが少い、かようにいわざるを得ないわけなんです。もともと具体的に、認定申請書について調査をせらるべきではなかつたか、かように思われる。しかも公益優先と言いますが、あの道路で交通事故が頻発しているというようなこともいわれておりますけれども、その点われわれの調査では交通事故の頻発はない。ただアメリカ軍が通行するに、現在道路拡幅よりは、新路線の方がなおいいにきまつている、そういう点だけによつて住民が犠牲にせられているわけなのであります。住民としては、そのいう点は、こういう日本の現状からやむを得ない、現在路線の拡幅には協力する、こういつている。それを全然無視して県側の申立てだけを尊重せられて行くとういやり方は、どうも納得いたしかねるものがあるわけであります。公益優先といいますと、あの道路を建設することによつて、産業開発や何かに寄与するその具体的なデータ、そういうものについて御調査ありましたかどうか。米軍の交通に便利だという点は抜きにしまして、産業開発上あの新道路によつてどれほどの有効な経済効果を現わすかという点について調査がありましたかどうか。県の申請には、亜炭が出る、木炭が出る、石油が出る、あるいは農産物があるんだということをいいますが、亜炭はあの部落からも出ますが、全然別の所から出る。石油は現在その近くの横山という所に試掘はやつておりますけれども、それはその線を通るものではない。木炭といつても、それは大したことはない。現在の路線をたどることによつて、その経済効果は、道路面においては何ら障害を与えない。こういう点についての調査はありますかどうか、この点についてひとつお答えを願いたい。

澁江操一建設事務官(計画局長)

○澁江説明員 問題になつております路線は、一つの交通網といたしましては県道と認定されておる場所でございまして、具体的なこの西郷村の路線通過地点としましては、今御指摘になりましたように、西郷村の部落内を通過すべきか、あるいは部落をはずして通過すべきかということが、この際の問題になつたわけであります。私どもの考え方といたしましては、すでに重大な魔道として認定されておるという路線であります以上、その県内の経済的な重要性から見たこの道路の価値というものは、その点については、すでに県道として認定もせられ、それだけの重要性を備えておる意味からいたしまして、十分この路線の改良の価値はあるということは、これは認めざるを得ないというふうに考えておつたわけであります。なお技術的な詳しい点につきましては、道路局長からつけ加えて申し上げたいと存じますが、さように考えおつたわけであります。  もう一つは、規格線の関係におきまして、この部落内を通過する路線を選ぶべきか、部落外を行くべきかということにつきましては、一般論といたしましては、やはり交通事故その他の関係は、部落内を通過する場合の方が多いということが一つの定則でありまして、そういつたような点からいたしまして、この重要な路線網につきましては、部落外の地点を通過して、そういう交通事故、交通上の障害というものをできるだけ少くするという方法の上に線形をとつて行くという考え方に立つておるのでありまして、西郷村の場合につきましても、同様の考え方が適用し得るのではないかというふうに考えておつたのでございます。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫説明員 現在の道路は、総幅でいいまして一番狭い所は三メートル四十、広い所が五メートル五十あるのでございますが、現在の道路の規格からいいますと、二つの自動車が行き違いをするためには、まず六メートル半の道路がほしいということでございます。そこで現在の道路が、自動車の行き違いもできないような道路であります。その上に、デス・カーヴが多い、またほとんど直角に近い曲りもあるというようなことで、現状ではこの道路の交通効率というのは非常に悪いわけであります。そこで規格に合せた改良を企図したわけでございまして、こうすれば、経済的にどのくらいの金が見積られるのかという点についは、まだ見積つてはおらないのでありますが、現状がこういう状態であるということで、少くとも二車線の道路にはしたいということで、この改良の計画ができたものでございます。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 これはもう交通事故を防ぐには、無人の野原を行けばいいということはわかりきつております。しかし道路をつくる以上、それを中心として、その村落なり住民たちの生活環境というものは整備されて行くという将来の見通しも持たなければならないと思うのであります。交通事故云々だけが理由になるわけではない。ところが、現在の路線がこうあつて、この新路線がこうなつて、一番狭いところで十メートル、その間に部落がはさまつておる。しかも新路線と数メートルを離れずに大旦川という川があつて、全然発展の余地はない。新道路つくるには、しかもこれが並行して部落をはさんで、千メートルも離れておる。これはどうにもならない。これではその部落の将来の発展性というものは全然考えておらない。公益性というものは、その一点だけでも否定さるべきではないかと思うのです。道路の現状は、今道路局長がおつしやつた通りであります。またS道路をまつすぐにするについても、住民一般は、それについては何ら異存はないということを言つておる。だから、そういうことを全然当りもせずに、新道路はこういうものだ。これは日米行政協定に基く至上命令であるから承認しろ、あさつて請負契約をやるというので、二日前に承認を求めて来ておる。そういう頭ごなしでやられる。しかも、それに反対したところが、現在の別途線の計画に対する実際のはじき方もやらない。経費がどれだけかかるかもやらないで、そうしてこの新計画を押し切つて行くということは、あまりにも一方的ではないかと思われる。私ども今お聞きしようと思つて、経済的な資金の面から計算してみたところが、新道路はかくかくの金がかかつてだめだというようなことを断定されたんだろうと思うのですが、それも実際的にはなされていないということでございましよう。それではどうもおれたちとしては、また犠牲を受ける農民としては、これでは納得できないことがある。県ではいろいろその折衝を重ねたと言つておりますが、今言つたように、最初の出方は、そのいう場合にあさつて請負契約をやるから承諾をしろと言つて承認を迫つて来た。そして至上命令だと言つて、そのあといろいろなだめたりすかしたりしたのでありますが既往の道路をやるのだと言つておるだけで、現在それに対する計画とか、あるいは費用の算定等は、今に至るまでせずにおるわけだ。建設省がそういうところを認定される場合には、もつと広汎なる検討をされた結果なされるべきではないか、かように思う。こういう現状の行き方を見ますと、やはり今言つたように、これは行政協定の一環としての道路であるから、もうこれ以外にないのだというような考え方に立つて最後まで持つて来られたのではないかと思う。そういう場合になりますと、これは行政協定に基く土地の収用という関係になりますので、行政協定に基く特別措置法ですか、あの法律に基いて収用の手続がなされるべきではないかと思う。そういうような全然別な方法で今なされておるわけだ。そういう法律的は問題についての見解をひとつただしたい。  それから重要道路、産業道路と言いますが、きのう問題になつた防衛道路との関連性、小沢大臣のお話によりますと、現在まだ具体的なものは進められていないというが、そういうものを見通した、それに関連する一つの重要性というものを考えておるかどうか、その二点について答弁を願いたい。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫説明員 先ほど御説明が足らなかつたと存じますので、つけ加えさせていただきたいと思います。この県の原案とそれから現道を拡幅する両案につきましては、詳細な計画を立てて比較しております。原案によりますと総体の経費が一千六百七十一万円でありますが、現道を拡幅する場合には二千百十五万円でございます。このうち物件移転並びに補償費が原案では二百五十一万円でございますが、現道を拡幅する案でありますと、九百万円かかることになつております。先ほど申しました広くなればどのくらいの経済的効果があるかということにつきましては、まだ勘定いたしておりませんので、先ほどはそのことを申し上げたわけでございます。  それから、いわゆる防衛道路とこの道路との関連性でございますが、ただいままで折衝いたしましたところによりますと、防衛道路というものは、もつと幹線を対象にいたしておるように感ずるのでございまして、いわゆる一級国道、二級国道が対象になつており、本路線のような県道はその対象になつておらないように見受けております。

澁江操一建設事務官(計画局長)

○澁江説明員 法律問題として御指摘になりましたこの際の認定行為は、安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法に基いて認定行為を行うべきではないかという点でございます。この点は現在この路線について、通称防衛道路々々々々ということを言われておるわけでございますが、実感はアメリカ軍が一応使用し、また一般の道路としての効用も相伴うという場合を、たまたま予算的な措置の上で防衛諸費の中からこの道路整備財源が支出されるという意味合いにおきまして、防衛道路と称されておるのでありまして、この道路としての施設そのものは、やはり法律上の取扱いといたしましては、道路法の道路というふうに私どもは考えておるわけでございます。御指摘になりました安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法による認定行為と申しますのは、従来言われておりましたアメリカ軍が接収いたしまして、いわば土地の管理権をアメリカ軍あるいはアメリカの機関そのものが持つ場合の土地の収用という場合におきまして、ただいま申し上げました特別措置法の事業認定行為が、これは特別立法として制定されたわけでありまして、その限りにおいて一般土地収用法の特別規定としまして発動するわけでありまして、この点はあくまで一般法である土地収用法の第三条に掲げてあります道路法に基く道路という事業として認定して何らさしつかえないものであるというふうに考えておる次第でございます。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 先ほど道路局長の御答弁で、この新道の費用が千六百万円とかいうことをお聞きしましたが、県が出しておる事業計画書には二千五百五十七万円と出ておる。この開きはどうしたことですか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫説明員 二千五百余万円の分は、楯岡を含めての分であります。先ほど申したのは河島部落地内のものであります。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 しかし、この事業認定申請は、これは楯岡から西郷を通つて全体の路線の認定を求めているのではなくて、係争中の西郷部落だけの事業認定の申請なんです。この文書をずつと読んでみますと、これは国道から西に分岐して云々と書いてありまして、それの費用を概算こうだ、こう書いてある。だから、これは明らかに西郷地内の県道建設に関する費用である、こういう算定になつているはずです。これは今の御説明とちよつと違うように思うのでありますが、いかがでございますか。

富樫凱一建設技官(道路局長)

○富樫説明員 事業認定申請書は、楯岡も含めたあの線一本にして出しておるのでございます。私の申し上げましたのは、西郷村地内の分だけの比較を申したわけであります。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 そういうぐあいになれば、そうかもしれません。詳しいことは、形式上の問題だから私にはわかりません。  そこで、大体これで終りにしようと思うのですが、稻浦さんがおいででございますので先はどのことを繰返しますが……。

久野忠治自由党

○久野委員長 次官は会議がありまして、おいでになりません。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 それではその点はきき申し上げたようなぐあいで、上林君が帰られた後の問題にいたします。  とにかく、いろいろ先ほど来申し上げました通り、現在路線を拡幅することには協力すると言つている住民が百十名中百余名という多数であり、新道路建設に対しては関係者五十六名中四十六名が今もつて反対しておる。いかなる説得によつても屈しない。これは住民の強い意思であり、住民の生活に根ざした叫びなんです、その意思なんです。それを法律によつて乗り越えることができるかといつて、あまりにも調査がずさんであり、形式的な申請書の形態を整えればそれでよかろうというようなぐあいになされておる、こういうことに対しては、私たちはどうも納得できない。今収用委員会にかかるのでありますが、私が今申し上げたことを信ずるならば、事業認定申請書の記載事項に不実がある。すなわち八十七名品四十四名か四十五名、まあ四十余名がこの土地売渡しに賛成しておるというふうな不実の記載があるというようなところ、あるいはそのあとそれの取消しを求めた者が数人あるというような点、あるいはまたそれによつてつぶれる土地が一町二畝とこれになつておるが、実際には二町歩を越すというようなこと。それはなぜかというと、つぶれる分は、実を言うと、十畝以上新道路をつくるから勾配がついて北の方がつぶれるということは、実際これはもうわかりきつておる。そういうことを考えずに、現在の土地だけをつぶれるものとして、その地積の測量が非常に過小になされている。こういうぐあいに事業認定申請書には不実の記載がある、調査不十分の記載がある。こういう点もはつきりいたしてその住民の意思も、私の申すことを信じてくだされば、いずれにあるかということがおわかりくださると思いますので、あらためて建設省としてはこの問題について県側に勧告するなりあるいは話合いをするなり、こういう方向に行く意思はないかどうか。  それからまた、こういう収用にかける場合には、その前に調停とかあつせんとかいう働きというものが当然考えられなければならぬが、そういう一切のものを飛び越えて最後の伝家の宝刀、だんびらである収用法に行くというこの行き方に対して、建設省としては賛成であるか、反対であるか。そういう点からいつて今後の処置について建設省の御見解を伺いたい、こう思つております。

澁江操一建設事務官(計画局長)

○澁江説明員 申請書に関する不実の記載云々の問題でございますが、全体、認定をいたす場合に、不実の記載が決定的な要素であるかどうかという点についての意見は午前中に申し上げたかと思います。しかしながら、いやしくも県からの認定申請書に対する記載に不実があるということが真実であるとしますならば、その点については十分訂正の措置あるいはそれに対する調査の措置はとるべきであるというふうに考えております。ただ私どもは、書面上の審査だけではなしに、これについては、先ほども申し上げましたように、現地に担当係官を調査に出させまして、実態を十分調査の上で、事業認定をすべきかどうかということを判断して参つた経過になつておりますので、その点については、かなり慎重に取扱いをいたしたわけであります。八十七名の員数は、これは先ほど来問題になつておりますように、楯岡町それから西郷村両方を含めて、この員数を一応基礎にいたしまして記載しておるようでございます。そのうち四十四名が賛成、四十三名が反対という内訳も、これは楯岡町、西郷村両方を含めての数字を記載したように言われております。なおその点につきましては十分調査をしてみたい、かように考えております。  それから、もう一点の事業認定行為を、地元の意向いかんにかかわらず行うかどうかという点、それからあつせんその他の土地収用法上認められた方法を利用するかどうかという点でございますが、この点はもちろん建設省といたしましては、求めて土地収用法の一方的な法律の適用ということはいたしたくないと思つております。事実県の申請がありました後におきましても、県の土木部長に対しましては、大臣初め首脳部からも、地元と円満な話合いがつくように最善の努力を払つてもらいたいということは、何回か繰返し申し伝えて指示されておるような実情でございます。やむを得ざる事情におきまして、これは法律の命ずるところに従いまして処置せざるを得ないというふうには考えておる次第でございます。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 いいかげんな答弁をされると困るのです。この申請書にもはつきりこう書いてある。「本事業は山形県北村山郡楯岡町地内を第一施工区、同郡西郷村地内を第二施工区に区分して昭和二十七年十二月十八日着工し工事進捗状況は第一施工区に於ては昭和二十八年十月完了しましたが第二施工区に於ては昭和二十七年十二月十日頃より起工承諾書並に用地買収の交渉を始めました処昭和二十八年十月迄に総地積一町五反一畝十歩の内四反九畝八歩人員にして総員八七名の内四四名の土地売渡承諾書を得ましたが」、こういうぐあいになつておる。楯岡地内については、もうとつくに終つてしまつて、土地収用法の必要も何もない。この楯岡を含めて八十何名名という、そういう御答弁は困ります。  それではもう一つお聞きしますが、現地調査に行かれた人は何名であつて、その人が、、だれの案内で、どういう人々と会われましたか、こういうことについて詳しくお願いします。この現地調査に行かれた人は、ほんとうに客観的な立場に立つて、建設行政あるいは国民の福祉というものを十分考えて、一体的に判断する重要なる任務を帯びて行つた方であると思うのです。どういう行動をされましたか、ひとつ隠さずに御答弁願いたい。

澁江操一建設事務官(計画局長)

○澁江説明員 参りました担当官は、土地収用法の事務を担当しておりました主任の事務官でありまして、参りました日にちは、先ほども申し上げましたように、昨年の十二月十五日に現地に参つております。関係人の意見を聴取いたしました機会において、どういう出席者があつたかということも報告書に出ておりますが、出席者といたしましては関係の地主、権利者五名、それから間接利害関係者二名、それから県並びに村の当局者数名、傍聴者といたしまして上林衆議院議員等も列席しておられたわけであります。そういつたような会合のもとに、県側の意向、村側の意向、地主、関係人、その他の反対意見それぞれ聴取いたしまして、帰つて参つたようなわけでございます。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 それではこれで終りますが、いずれにしましても、私が申し上げました通り、住民は非常な苦境に陥れられておる。これは日本の不幸な現実だと思う。しかしこういうことはやはりお互いみんなが、役人であろうと、われわれであろうと、住民の不幸を少からしめるように努力することが一番大事じやないかと思う。これは政党政派を越えてやるべきである。アメリカ軍に占領されておる今の状態から、情ない事態ではあるけれども、住民も現在の最大限の犠牲を払つて協力する、こういうことを言つておる。それを面子にこだわるか、何にこだわるかわかりませんが、もうまるで一方的に押しつけて来ておる。そういう県の態度、またそれに拍車をかけて建設省がやつておるのじやないか、こう思われる。収用委員会にもかけてさつさときめてしまつて、十月ごろから着工しようと県の方でも考えている。しかし、決してそういうことは喜ばしいことではない。こういう件について、建設省は、調査検討が不徹底であつたということを率直に認められまして、この事態の解決のためになお一段の努力あつてしかるべきであると思います。その点に関する御答弁いただいて、私の質問は終りたいと思います。

澁江操一建設事務官(計画局長)

○澁江説明員 私どもといたしましては、起業者である県の工場、すなわち起業者の立場一方に偏した取扱いはしたくないと考えております。従いまして、あくまでやはり先ほども申し上げました収用法の建前から行きましても、公益、私益両方の調整をはかりながら、公正な判断のもとに法の運用をやつて行かなければならないと存じております。そういう点について、御叱正を受けるべき点は十分御叱正を受けて善処して参りたいと存じておりますか、本件に関する取扱いについては、さような観点から、ただいままでのところは相当慎重に、今申し上げましたような法の精神なり、私どもの立場から、まず可能な限りにおいて努力を払つたつもりでございます。その点についてあるいは御不満の点があるかもしれませんけれども、御了承を願いたい、かように存じております。     —————————————

久野忠治自由党

○久野委員長 次にお諮りいたしますが、昨日河川に関する小委員会の参考人として朝倉剛介君を決定いたしたのでありますが、朝倉君のかわりに田瀬ダム田瀬更生会委員横田徳隣君を参考人として招致し、その参考意見を聴取するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

久野忠治自由党

○久野委員長 御異議ないものと認めまして、さよう決しました。     —————————————

内海安吉自由党

○内海委員 先ほどの私の報告に対して、道路関係の方から答弁があるはずでございますが……。

貝嶋太三郎建設技官(道路局地方道課長)

○貝嶋説明員 徳島県の美馬橋と不動橋は、吉野川にかかつております長大橋でございます。美馬橋は四百十七メートル、不動橋は三百メートルございまして、二十六年から工事を開始しておつたわけでございますが、従来遅遅として進まないので、これがいつ完成するかということのお尋ねでございます。  現在美馬橋と不動橋と合せまして、残事業がまだ二億四、五千万円になる状態でございます。それで五箇年計画で取上げまして、今のところおそくとも三十一年までには完成したい、かように考えております。従来こういう長大橋にかかります際には、箇所を一箇所に限定いたしまして、それに重点的にやればいいのでありますが、なかなか県の事情などありまして、二本同時にかかつたりしますので、二十六、七、八の三箇年で、全工事費のわずか二割足らずしか金を投じてないような状態でございます。それで今後は重点的に施工いたすように考えております。  それから、その次にお尋ねのございました愛媛−高知間の西条高知線の道路でございますが、現在高知県側に約十キロ、愛媛県側に二十キロ、合計三十キロの道路の改良工事でありまして、それの総工費は四億三千万円でございます。その県界にちようど約一キロ程度の隧道がございます。五箇年計画にはこれを取上げまして、一応約全工事費の六〇%程度を五箇年計画で仕上げるように考えております。それで結局五箇年計画では隧道までには到達しないのでございまして、その隧道工事と、なおその前後の工事は、第二次の五箇年計画に入ることになるだろうと考えております。以上簡単でございますが……。

久野忠治自由党

○久野委員長 他に何か御質疑はございませんか。——御質疑がなければ本日はこの程度にて散会をいたしますが、昨日と本日と両日にわたつて暑いさ中を御熱心に御討議をいただきまして、たいへんありがとうございました。  なおこのあとで、引続き河川に関する小委員会を開会する予定になつておりまするので、よろしくお願いいたします。  本日はこの程度にて散会いたします。    午後三時二十分散会

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