建設委員会 第33号
- 発言数
- 64 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1954/05/26
会議録
○内海委員長代理 これより会議を開きます。 ただいま委員長不在でありますので、私が委員長の職務を代行いたします。 お諮りいたします。昨二十五日、地方行政委員会に付託になりました奄美群島復興特別措置法案(保岡武久君外二十四名提出、衆法第四三号)につきまして、地方行政委員会に連合審査の要求をいたしたいと存じますが、これに対し御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内海委員長代理 御異議なしと認めます。よつてさように決します。 次にただいま経済安定委員会において審議中の国土開発中央道事業法案につきまして、経済安定委員会に連合審査の申入れを行いたいと存じますが、これに対し御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内海委員長代理 御異議なしと認めます。よつてさように決します。 —————————————
○内海委員長代理 次に日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用及び漁船の操業制限等に関する法律案を議題といたします。 本案につきまして、先日水産委員会と連合審査会を開会いたしたのでありますが、その結果、御配付いたしましたような修正意見の申入れがありました。この際修正意見につきまして、水産委員会の総意を代表しまして、鈴木善幸君より意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内海委員長代理 御異議なしと認めます。それでは鈴木善幸君。
○鈴木善幸君 委員長の御指名によりまして、先般の当委員会と水産委員会との連合審査会におきまして審査をいたしました結果、水産委員会におきましては、お手元に配付いたしました修正案を、水産委員長名で建設委員長に提出をいたしまして、本委員会の御採択をお願いいたしたい、こう存ずるものであります。 次に、水産委員会から提出いたしました修正案につきまして簡単に御説明を申し上げたいと存じます。 まずその修正案を朗読いたします。 日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用及び漁船の操業制限等に関する法律案に対する修正案 日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用及び漁船の操業制限等に関する法律案の一部を次のように修正する。 附則第三項中第八条の改正規定中「これに伴う損失の補償」の下に「並びに同法附則第三項の規定に基く損失の補償」を、同項中第十二条の改正規定中「法律第二条の規定」の下に「及び同法附則第三項の規定」を加え、同項及び附則第四項をそれぞれ附則第四項及び附則第五項とし、附則第二項の次に次の一項を加える。 3 国は、国際連合の軍隊により日本国との平和条約の最初の効力発生の日から第二条の規定による措置がとられるまでの間に行われた漁船の操業の制限又は禁止により、従来適法に漁業を営んでいた者が漁業経営上こうむつた損失を、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き駐留する合衆国軍隊に水画を使用させるための漁船の操業制限等に関する法律の規定による損失の補償の例により、補償する。 以上の通りでございますが、この修正案の趣旨は次の通りでございます。 すなわち、委員各位がすでに御承知の通り、アメリカ合衆国の軍隊が日本国内に駐留をいたしておりまして、演習その他によりまして漁船の操業等に事実上の制限あるいは禁止が行われまして、そうしてそれらにより漁業経営上漁業者のこうむつた損失につきましては、これは平和条約発効の日にさかのぼりまして補償の措置がとられておるのでございます。今回の国連軍との協定によりまして、また本法案の成立によりまして、その第二条によつて、そういう漁業制限等についての損失補償が行われることになるわけでありますが、問題になります点は、この法律が実施され、第二条の規定の措置がとられる以前におきまして、平和条約発効の日までの間に国連軍のなした行為によりまして事実上漁船の操業ができなかつた、そのためにこうむつた漁業者の損失について補償を要するのだという問題が、ここに起つて来るわけであります。先般の連合審査会におきまして、この点を政府にただしたのでございますが、政府におきましても、平和条約発効の日からこの法律によつて第二条の措置がとられるまでの間の事実上の損害については、行政措置によつて政府が補償することに方針を決定しておると、明確な答弁かあつたわけでございます。しかし、一面その損害をこうむりましたところの漁業者、国民の側からいたしますと、これはあくまで政府の行政措置、恩恵的な救済措置でございまして、これを法律の裏づけによる正当なる権利として主張することができないことに相なるわけであります。そこで、水産委員会といたしましては、政府も行政措置でそれを救済するという方針になつておるのであれば、この際はつきりとこの法律におきまして明文化した方が適当である、こういう見解に立ちまして、右のような修正案を提案いたしたような次第であります。 なお、前段の附則の改正は、これは調達庁の設置法を改正いたしましてそのような仕事をなし得るようにいたした一つの改正であります。 簡単でありますが、御説明申し上げます。
○内海委員長代理 前会に引続きまして質疑を続行いたしたいと思います。質問の通告があります。村瀬宣親君。
○村瀬委員 まず私は、本日の政府委員の側に、前回瀬戸山委員から要求のありました外務大臣の御出席がないことを遺憾に存じますが、委員長におかせられては、今からでも出席を御要求いただけますかどうか、ちよつとお尋ねいたします。
○内海委員長代理 それはただいま手配しておりますから、外務大臣に対する御質問はしばらく保留していただきたいと思います。
○瀬戸山委員 関連して……。外務省関係の出席は、これで三回目でありますが、ないそうでありますけれども、先ほどの理事会で諮りましたように、できれば本法律案をきようの委員会で決定いたしたいとの考えを持つております。しかしながら、もし外務省が出て参らないということになりますならば、少くとも私は本日これを終結することに反対いたしますから、委員長においてよろしくおとりはからい願いたいと思います。
○内海委員長代理 了承いたしました。
○村瀬委員 本法律案は、その基盤を第十三国会において通過いたしました日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法を基準としておるのであります。これは合衆国軍隊が土地建物等を使用の場合の特別措置法であつたのでありますが、今回はそれをそのまま国際連合の軍隊に当てはめようというにすぎないと思うのであります。もつとも、水産関係は、これは新たに加わつたものでありますが、土地建物については、米軍との間の土地等の特別措置法をそのまま使おうということになつておるのであります。そこで私は、この米軍との関係の土地建物に対する特別措置法自体について、当時岡野大臣との間にいろいろ質疑を重ねたのでありましたが、納得の行く御答弁を得られずして当時は終つたものであります。従つて今回私は、この基本的な問題についてお尋ねをいたすのでありますが、結局米軍との関係において土地建物の使用、収用にあたつて、あの法律を使わねば処理のできなかつた問題が何件あつたでしようか、これをお伺いしたいと思います。
○山中政府委員 お答えいたします。ただいま村瀬委員からの御質問は軍の用に供する土地等の特別措置法によつて使用した件数が、従来どれくらいあるかということであります。その当時も措置法の使用についての精神については、お話したことと存じますが、われわれといたしましては、できるだけ合意による双方の賃貸契約によるものは、すべてそれでやりたい、あるいはまた買収をいたしたいという考えで、この法律の適用につきましては、万全を期しているつもりであります。従来の実績から申しますと、二十七年度におきまして、措置法にかけなければならないというので、一応認定した件数ま六十二件ございます。しかしながら、認定はいたしましたが、その間におきましても相手方といろいろ交渉いたしまして、その間に双方で契約が成立したものが四十一件、従いまして、措置法によりまして完全に収用した件数は二十一件ということになつております。二十八年度におきましては、認定件数が十九件、その中で裁決に持ち込みましたものが十六件ございます。さらにつけ加えて申しますと、この件数と申しますものは、その一帯を一つの件数とせずに、われわれの方では、たとえば一つの施設百坪なら百坪のところに五人の所有者がある、その中で三人が契約に応じられて、二人がかかつたときには、これを二件というふうに件数としては勘定いたしております。
○村瀬委員 私が当時政府にただしましたのは、日本はともかくも独立をしたのである、従つて日本の国内法によつてできる限りの処理をして行くのが、日本人に独立の気魄を新たに振い立たせるために一番大事なことではないか。独立しておりながら、なお日本の一般の法律とは別な法律によつて土地をとられ、家をとられるということは、結果は同じであつても、われわれの自尊心を政府みずからが弱めることになるのではないかという観点に立つて、お尋ねをいたしたものでございます。従つて、日本には、ちやんと土地収用法というものがある、それで毎年相当の処置がなされているのでありますが、特にこの問題に関しまして、特別の法律で、伝家の宝刀を用意してかかるというその態度に、私は非常な疑問を持つたものであります。現に土地工作物使用令という不法な占領法規がありました。これは独立と同時に廃止になつたのでありますが、この土地工作物使用令が廃止になるときに、私は岡野国務大臣に、これで日本人は少くとも土地建物に関する限り、今後占領時代のような何か暗雲におおわれたような圧迫感を受ける法律をつくるおそれはないかとお尋ねをいたしますと、そういうことは考えておらないのだと、こうはつきり御答弁になつておつたにもかかわらず、この日本国とアメリカ合衆国との間の行政協定の実施に伴う土地等の特別措置法が出て参りましたから、これはさきに岡野国務大臣が言明された通り、国内法の改正その他によつて処置ができるのではないかということを何度も念を押したのでありまするが、土地収用法は収用を主にして使用を従にしておる、この外国軍隊との関係のものは使用を主にして収用を従にするのだ。ことに外国軍隊は一時駐留するだけであつて、永久ではないのであるから、テンポラリイにおるものは、それに基本法を改正してかかるのは、政府のとらないところであるという理由のもとに、こういう法律がかつてできたわけであります。それを今度また国連軍にも適用して行こうとおつしやるのでございます。今お答えになりました二十七年度では結局この措置法によつたものが二十一件になつておる、二十八年度は十六件であつたとおつしやるのでありますが、これはどのような理由で土地収用法では処理ができないことになつたのでありまするか。土地収用法によつても、この二十七年度の二十一件と二十八年度の十六件とは、大半処理ができた問題ではないかと思うのでありますが、日本の国内法の土地収用法ではこういう関係で処理ができなかつたという明らかな理由があれば、お示しを願いたいのであります。
○山中政府委員 お答えいたします。ただいまの御質問の根本的な趣旨につきましては、われわれも同感であります。できるだけただいま申し上げましたように本法を適用したくないというのが、われわれの念願としたところでございます。二十一件が具体的にどういう場合に適用したのかという問題につきまして、手元に件数別の具体的な資料がございませんですが、大体今までのところでわれわれが取扱いましたものを一応抽象的に部類わけしてみますと、国できめておりますところの賃貸料の料金問題で話合いのうまくまとまらないもの、それから観念的と申しますか、主義と申しますか、そういう関係で、おれはどういう場合でもそういうものはいやだ、こういうお話がある場合もございます。それも一件で、大体におきまして一つの用途といいますか、完全な目的が達せられる場合には、われわれは代替地でも探してその方の御方針に沿いたいのはやまやまでありますが、ただいまも申しましたように十件、数十件、数百件のものが固まりましてそこの全体の一つの効用を果すという場合に、大部分の方の御承諾を得ておるし、ごく一部の関係でどうしても話合いがつかない、こういう場合に、万やむを得なくこういう法律を適用していることがございます。 それから、国内法で処置したらいいじやないかというお話もございますが、なるほど攻正すればそれでもけつこうだと思いますが、現在の国内法では、駐留軍の目的というような目的のはつきりした収用法のあれがございませんで、大体御承知のように、収用法は列挙主義で行つておるものでございますから、特別措置法の制定で行つた次第でございます。
○村瀬委員 賃貸料の料金等でもなかなか協議がととのわなかつた、こうおつしやるのでありますが、それは鉄道を敷く場合にも、いろいろな場合に、そういうことはとかく起りがちでございまして、何も珍しいことではないと思います。そこで、もう一度お尋ねいたすのでありますが、この二十七年度の二十一件と二十八年度の十六件とはこれは、全部土地以外のものであるというのであるか。あるいは、なるほど土地収用法によりまするならば、建物を収用することはできますまい。従つて、一昨年のこの法律が出ましたときからの問題点は、少くとも土地に関する限りは、土地収用法をちよつとさわるだけで、完全に目的は果されるのではないか。米軍とか国連軍とか、いわゆる日本人の卑屈感を呼びさますような、さわられたら痛い傷口をことさらにえぐるような、鬼面人をおどす法律をつくる必要はないのじやないか。こういう観点に立つて、私はいろいろお尋ねをして参つたのでありますが、この二十一件と十六件は、土地についても行われたのでありますか、建物だけでありますか。
○山中政府委員 お答えいたします。件数につきまして現在土地と建物とわけたものはございませんが、土地と建物両方にわたつてあることは事実でございます。それから先ほどの部類わけのところで、相手方の不明な場合が数件あるようでございますから、ここにつけ加えさしていただきます。
○村瀬委員 次に、外務省がまだ見えぬようでありますが、漁船の操業制限等に関する点についてお尋ねをいたしたいと思うのであります。これはさきに申しました米軍の土地等の使用等に関する特別措置法には全然なかつたものでありまして、今回はこれが新たに加わつて、国連軍の軍隊の関係を明らかにしようとするわけでございますが、漁船の操業制限という問題は、非常に大きな問題であり、また範囲のきめがたいものであります。と同時に、操業制限の区域を指定した範囲内におけるいろいろな損害は、ただちにわかるわけでありまするが、この法案をお出しになる根本的なお考えの中に、たとえばビキニの水爆実験の付近を航行したとかしないとかいう議論がいまだにあるわけでありますが、それらの点については国連軍とは関係はないかもわかりませんが、あるいは将来どういう形で国連軍もそれに携わつて来るかもわからないと思うのでありまして、どの程度の用意と心がけをもつてこの法案をお出しになつたか、それらに対する政府側の御所見を承つておきたいのであります。
○福島政府委員 ただいまの御質問の点でございますが、漁業の制限の法律にいたしましてもまた特別損失の法律にいたしましても、国連軍ないしはアメリカ合衆国軍隊の行為に基くことが必要になるわけでありますが、そのもとは、漁業制限法律におきましては日本国並びにその附近に配置された軍隊ということに限つておりますので、附近というのはどの辺までかということでございまして、ビキニその他の関係は、含まれていないわけであります。
○村瀬委員 この法律でビキニその他の附近が含まれていないのは当然であります。 〔内海委員長代理退席、委員長着席〕 それは読めばすぐわかりますけれども、それらに対して、どのような配慮を加えた上で、こういう原案が固まつたのであるか。こういう法律が固まるまでには、そこまでいろいろ苦心をしたのかしないのか。それにはこういう対策もこうしたらよかろうというようなことまで一応配慮の上で、結局ここまでしぼつて参つたというのであるか。そういうことは全然考えないで、ただ当面の国連軍との土地等の使用の法律が出るから、それに漁船の操業もちよつとくつつけておこうという簡単な気持でお出しになつたのかどうか、その経過を承つておるのであります。
○福島政府委員 今回この法律をつくりますに際しましては、従来アメリカ関係の損害その他に適用しておりました特別措置法、漁業制限に関する法律、特別損失に関する法律を、国連協定ができましたのを機会に、今日その法律的関係が必ずしも明らかでなかつた国連関係の損害のためにこれを均霑させるという目的で、この案をつくりましたので、最近ありましたビキニの関係その他は、考慮に入れずに、この案を作成したわけであります。
○村瀬委員 何度も申します通り、この法律は国連軍を対象にした法律でありますけれども、もともと日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等の特別措置法をそのまま適用しようというのでありますから、自然米軍との関係が明らかになれば、国連軍との関係はお尋ねをせぬでもよいという結果になりますので、その観点から私はお尋ねを続けて参つておるのでありまするが、前会も瀬戸山委員からお尋ねになつておるのでありまして、これはやがて外務大臣がお見えになるでありましようが、国連にはまだ加盟の時期に至つておらない、希望いたしておりますけれども、いろいろ拒否権の問題が片づかない限り、いつの日にわれわれの希望が達成されるかわからない現状にあるのであります。ところが、この日本の国民を制限するこういう法律を今お出しになつて来ておるのでありますが、国連に入り得る見通しは、条約局長にお尋ねいたしますが、あなたのところでわれわれ以上に何か新しい情報がおわかりになつておりますか。われわれの了解しておる範囲であるといたしますならば、入れるか入れぬかわからないのに、こういう法律をつくつて、日本の国民をはなはだしく制限をし、その生活までも脅かすおそれのある法律をつくるという根拠は、どこにあるのであるか。外国等の例もお示し願えれば、この際明らかにしておいていただきたいのであります。
○下田政府委員 国連加入の見通しにつきましては、御承知のように、九月十八日のソ連の拒否権の行使によりまして、他の国全部は賛成であつたのでございますが、ソ連一国の反対によりまして、加盟が実現いたしませんでした。その後主としてニユーヨークにおります澤田大使におきまして、米国代表部その他と継続して折衝を続けておるのであります。見通しにつきましては、ただいま確然たることは申し上げられませんが、目下のところで、事態が転換し得る一番大きな可能性は、ジユネーヴ会議後の中共に対する列国の見方の変化というようなところから糸口が開かれる可能性が——決してこれも多くはないのでありますが、可能性が絶無ではないということが申し上げられるのではないかと存ずるのであります。 第二に、国連の加盟国でもないのに、なぜ日本側の負担においてこういう便宜の措置をとるのかという点でございますが、これは御承知のように、平和条約の第五条におきまして、国際連合が国連憲章に従つてとつておるいかなる行動についても、あらゆる援助を与えるという義務を日本は引受けております。つまり講和発効、独立国となるとたんに、日本がすでにそういう義務を引受けておるのでありまして、従つて国連協定の締結並びに国連協定に伴う諸般の便宜の供与というものは、源をたどりますと、全部この平和条約の規定に帰着するということになると考えております。
○村瀬委員 私はこういう国内法によつて、日本の国民の生命財産をも制限するような法律ができる以上は、政府においても、当然国連に加入の見通しがついたから出されたのであろうと期待をしたのでありますが、ただいまの政府委員の御答弁によりますと、ジユネーヴ会議において中共に対する各国の態度がきまつた場合、すなわち中共でも国連に加入さすか、あるいは中共を認めるかするような事態が起つたあとにおいて、日本は国連に加入の機会が絶無ではない、こういうことであります。そういたしますと日本が国連に加入できるかできないかということは、ジユネーヴ会議において、世界の各国が中共をどうするかという点に、むろんかかつておるのでありましようが、何よりも日本が中共をどうするかということが、国連に入れるか入れないかというような一つのキー・ポイントになるのではないかと考えるのでありますが、政府においては、これらの間の御方針をおよそどの方向にきめられつつあるのでありまするか、伺いたいのであります。
○下田政府委員 中共に対する考え方は、私どもから申し上げる筋合いでもございませんと思いますが、事務当局として了解いたしておりますところは、御承知のように吉田・ダレス書簡交換というのがございます。その書簡の中で吉田総理は、日本は隣邦中国と究極において善隣関係を樹立することを熱望するものである。しかしながら、現在の事態においては中共と、つまり国際連合から侵略者の烙印を押されておつて、そうして国際連合の行動の対象となつておるような国とただちに関係を設定するわけには行かない。その反面、台湾の国民政府は、国連によつて中国を代表する政府と認められておるので、これとの間には、ただちに関係を設定する用意があるという趣旨の書簡が出されております。結局、自由世界全体の中共に対する見方に同調されておるわけであります。但し、そこで隣邦中国と究極において、善隣友好の関係を設定する希望を持つということを、明確に表明されておるわけでありまして、結局は、事態の動きによつて、いずれの中国と関係を設定するかという点は、変化し得る問題であるということを裏に含んでおられる意見の表明だろうと存ずるのであります。
○村瀬委員 あなたにこういう問題の最後の確定的な御答弁を要求するのが無煙であることは、承知しておりますので、従つて私は、瀬戸山委員とともに最初から外務大臣の御出席を要求しておるのでありますが、まだお見えになりませんから、私は質問を続けます。 何と申しましても、この法律を安心して通すというのには、やはり日本は国連に加入の見通しがついたから、自然この平和条約第五条による援助等の意味もあつて、一時漁業者等には困るかもしれないが、操業制限等も忍ばねばならない、こういうことになるならば、立法府のわれわれも、国民の負託にこたえる上に非常に楽なのであります。そこで、国連に入れるか入れぬかということは、直接にはこの法律を通す上の必要な大事な見通しであり、また日本全体の今後の世界における方向をきめて行く上におきましても、国連との関係において、日本が今どういう立場に立つておるかということが、何より重大な問題なのであります。昨日本会議で満場一致可決をいたしましたビキニの灰の問題、あるいは水爆、原爆の実験その他についても、長崎、広島で洗礼を受けた日本が、特に声を大にして世界に要求し得るその権能を発揮する上におきましても、国連に入つてでなければ、ただ犬の遠ぼえに終るのでありまして、この点私はきわめて重要な問題と思いますがゆえに、もう一度お尋ねをいたすのであります。今の御答弁によりますと、吉田総理は、究極においては善隣友好の関係を中国とも持ちたいと思うけれども、現在のところは自由世界の各国の見方と同一の見方をして、ことに中共が国連から侵略国と烙印を押されておるような間は、どうすることもできないという方針のようだと御答弁になつたのでありますが、侵略国と見ておつたのは、確かに朝鮮戦争時代はそうであつたと思うのでありますが、現在もなお国連は中共を侵略国と認めておると、外務省はお考えになつておるのでありますか。
○下田政府委員 中共に対して直接侵略者の烙印を押したわけではない。国連の決議案は、北鮮の方に対して侵略者の烙印を押したのであります。それを援助するものとみなしておるわけであります。従いまして、これもジユネーヴ会議の動向によることでありますが、朝鮮の事実上の敵対行為は終止いたしましたが、朝鮮問題の解決はいたしておりません。将来朝鮮問題が解決いたした場合には、国連が押した侵略者の烙印も撤回されることもあり得るわけであります。そうなりましたならば、この平和条約との関係におきましても、国際連合が憲章に従つてとつておる行動というものが、つまりなくなるわけであります。その際には、国連軍というものが朝鮮からも撤退けるわけであります。そうしますと、撤退することになつておりますときから九十日後に、国連協定も終了いたすわけであります。従いまして、国連軍に対する一切の便宜供与も必要でなくなるわけでありまして、ただいま御審議になつておる法案等も、もはや必要でなくなるわけであります。私どもといたしましては、一日も早くそういう時期の来ることを期待するのであります。しかし、先ほども申し上げましたように、日本側が国連に入れないから、日本の国連加入を条件として国際連合に協力するというのではなくて、日本が独立国になりましたとたんに、平和条約でこういう義務を負わされておるのでありますから、この日本の国連加盟の問題とかけひきして、それと取引で国連軍に便宜を供与するかしないかという問題ではございません。独立したとたんに背負つた義務でありまして、この義務を引受けたからこそ、日本は独立国として世界の国際社会に回復し得たのでありますから、その点はかけひきの具に使うべきものでないと存じておるわけであります。
○村瀬委員 ただいまの御答弁だけを区切つて拝聴いたしますならば、それはそれでけつこうであります。確かにその通りであります。しかし、そういたしますと、平和条約でそのような片務的な義務をなぜ負わねばならなかつたかというような議論にもなりますから、これは在外資産問題等の条項とも関連いたしまして、後世の歴史家が平和条約を論議する場合に、非常な批判の対象になる点であろうと思うのであります。そこで私は最後に一点伺つておくのでありますが、たとえば漁業の操業制限等によつて損害をこうむる、その補償問題、その場合に、国連協定第十五条によつて、一応国連で補償するということになつておりますが、まわりまわつて、日本はどれだけの負担をそれらの補償についてするのでありますか、ひとつ簡明に国連と日本の財政との関係を伺つておきたい。
○下田政府委員 この国連軍協定と日米行政協定との最も大きな相違は、日米行政協定におきましては、日本は防衛分担金を払うという義務を負つております。これに比しまして国連協定におきましては、御指摘の第十五条の通り、国連軍を維持するにことに伴うすべての経費は、日本国に負担をかけないで国連軍が負担しなければならないということになつております。日本が負担するのは、ただ国有財産を無償で提供する、もし有償で提供する場合には、その借料を免除するという消極的の義務を負つておるにとどまるわけであります。これが国連協定の根本的な規定でございますので、御指摘のような損失がかりに起りましたようなときも、それが国連軍を日本に維持するために必要のものでありましたならば、これは当然国連軍に負担せよというべき筋合いのものだろうと思います。結局私は実務には当つておりませんが、個々の場合に、これは国連軍隊を維持しておるからこそ起つた損失であるとして、先方に負担せしむべきか、あるいは必ずしもそうではないから、日本側でも負担しようということは、具体的問題が起りました都度、合同委員会できめるべき筋合いであろうと思います。ただ根本精神は、あくまでも先ほど申しましたように、国連が軍隊を維持するためにとつたものでありますならば、先方が負担するというのが協定の根本的の建前であります。
○村瀬委員 お急ぎのようでありますから、私はもうこの質問で終りますが、二点だけひとつ明確にお答え願いたい。それは今御答弁を伺いますと、北鮮の関係、すなわち朝鮮問題が完全な解決を見るならば、国連軍は日本にいなくなるであろう。従つて、この法律も、そうなれば適用する必要はなくなるんだという御答弁でありましたが——吉田さんは秘密外交が好きでありますから、われわれでは容易にうかがえない事情もあるのでありますが、あなたは外務省にいられて、国連軍が日本から撤退し得るような世界情勢、特に東洋の情勢が好転するのは、いつごろであるか、大体この法律が適用される期間はどのくらいとごらんになつておりますか。米軍がいつ撤退するかということはむずかしいと思いますが、あなたは外務省でそれを本職としておられるのでありますから、それくらいの見通しは、おつきになつてよろしいのであります。米軍は、日本の自衛態勢が整つて、東洋平和が保たれなければなかなか帰れないでありましようから、それを聞くのは無煙でありましようが、国連軍はそういう性質のものではないのでありますから、それくらいの見通しは、外務省でお立てになつておると思いますので、これに対する詳細な御答弁を伺いたい。 それから第二点は、国連協定第十五条では、国有財産を無償で出すけれども、その他の経費はすべて国連で負担することになつておるとおつしやるのであります。なるほど日米関係は、防衛分担金を支払うことになつております。しかしこの防衛分担金も、もうそろそろここらで支払わなくてよいように、ひとつ外務省はお働き願いたいと思うのであります。この防衛分担金は、やがて支払わなくていいような方向に進んでおるかどうか。それから米軍との関係は、日米合同委員会でいろいろな問題をきめて、たとえば補償問題等をきめて、そうして日米折半で経費を負担するように、すなわち、防衛分担金との関係もありましようが、そういうことになつておるわけであります。国連軍の方は、経費は全部国連の方で負担する、と今御答弁になつた通りであります。そういたしますと米軍との関係において、漁業制限によつて、ここに百万円の補償をすべきであるということになりましたときには、そのうち幾らかは日本の国費も使うわけであるから、非常に交渉もしやすいということも考えられますが、国連軍の場合、その百万円の漁業制限の補償費は、全部国連で出してもらわねばならないということになりますと、その間に何らか交渉の難易が予想されるのではないか。交渉のしやすい、むずかしいということは、一方では百万円を要求できるが、一方では九十万円くらいに下げて要求せねばならないという事態が、実際問題として起る心配はないかどうかという点であります。すなわち、経費の分担との関連になるのでありますが、この二点について、ひとつ詳細な御答弁をお願いいたします。
○下田政府委員 第一の、朝鮮から国連軍が撤退する時期についての見通しを言えというお話でございますが、これはまことにむずかしいことでございます。ただ、考えられますことは、国連軍自体が、それぞれ本国の莫大な犠牲において、財政負担においてはるばる派遣されている軍でありまして、それぞれの国は一日も早く引下りたがつております。ただ一方、米比相互防衛協定式のものを米韓で締結するというような考え方もあるように伝えられておりますので、朝鮮から外国軍隊がすべて撤退するという問題と、国連軍だけが撤退する問題は、わけて考えられると思うのであります。そこで米比協定のようなものが米韓にできますと、一切の負担をアメリカ側に押しつけて、他の国連軍は引下るという事態も理論的には考えられるわけであります。それも国連軍撤退の一つの形式として考えられることであろうと思います。しかし、そういうことになりますかどうか、またいつなるかという時期につきましては、何とも申し上げられません。 第二の、日米行政協定に基く防衛分担金を支払わなくてもよくなる時期はいつかという御質問でございますが、これは、完全に支払わなくてもよい時期は、米軍撤退の時でございます。この米軍撤退の時と申しますのは、安保条約の前文に予想されました通り、日本国がみずから自国を守る責任を完全にとり得る時期でございますから、日本が防衛力の漸増方針に従いましてだんだん防衛力を強化して参りまして、自分だけで完全に守れる日はいつかという御質問と同じことでございまして、政府の最高首脳部におかれましても、その時期につきましては、財政その他諸般の関係から、まだ明言をされておられません状態でございますので、私どもから何とも申し上げるわけに参りません。ただ減少の方向にありますことは、すでに昭和二十九年度の防衛分担金におきまして、日本側からの要求に応じまして——日本側からの要求と申しますのは、日本は二十九年度予算で、すでに防衛力漸増の一歩を進めている、従つて日本の責任がそれだけふえておるのである、日本の財政負担がそれだけふえておるのであるから、防衛分担金を減らしてくれという要求をいたしまして、御承知のように、先般報道されました通りの減額に米側が応じまして、すでに減少の第一歩は実現しておるわけでございます。 第三の点につきましては、条約局では全然関知いたしておりませんので、調達庁の方から御答弁願いたいと思います。
○福島政府委員 第三点の補償の最終的取立ての問題であります。アメリカの場合には、日本政府の予算という面が一応出て参りますが、国連軍の場合には、先方で全部持つということであるから、これが取立てについては、自然被害者に対する補償も少くなるではないか、こういう趣旨であろうと思いますが、アメリカ側に使つております法律が、国連関係の事案にも適用されるのでございまして、漁業の制限その他につきましての算定基準も、同じ基準に従つてやるわけであります。そういう方式は、あらかじめ国連側にも十分了解させてあるわけでありますし、またそういつた問題の共同調査も行われておりますので、同じ方式同じ基準に基きます補償金額の償還を究極においては国連軍側から受けるということが私どもの任務になりますが、その点につきましては、支障がないというふうに自信を持つて考えておる次第でございます。
○久野委員長 瀬戸山君。
○瀬戸山委員 村瀬委員から詳細に質疑いたしましたので、私はごく簡単に一点だけお尋ねいたしておきます。この際条約局長にお尋ねしておきますが、国連軍々々々と言うておりますが、日本にどういう国の軍隊が、どのくらい駐留しておるか、まずお伺いしたいと思います。
○下田政府委員 ただいま国連軍を構成するものとして、現実に朝鮮に、衛生兵等も含めまして兵を出しております国は、アメリカ——アメリカは国連の一部としても行動しておりますが、アメリカとイギリス、カナダ、オーストラリア、ニユージーランド、ベルギー、ルクセンブルグ、コロンビア、エチオピア、フランス、ドイツ、ギリシヤ、イタリア、オランダ、ノールウエー、フイリツピン、スエーデン、タイ、トルコの十九箇国でございます。これは本年二月十五日現在でございます。兵数につきましては、やはり軍の機密になつておりまして、正確には日本政府は把握しておりませんが、国連軍が創設されてから本年に至るまで、最高、大体日本におりますのは一万くらいでありまして、最低四、五千ぐらいであります。現在でも呉方面に四、五千の軍隊が来ておるという実情であります。
○瀬戸山委員 そこで、先ほど村瀬委員からもいろいろ聞かれたのでありますが、ただいま審議しております損失補償に関する法律案、これは私どもの立場とすれば、平和条約に基き、日本としてはこの際国連協力の態度をとつておりますから、これについてこういう法律をつくらなくちやならないというても、やむを得ない事態だと考えております。しかし、御承知のようにアメリカ軍との関係は、日本を防衛するためにおるという趣旨が含まれておりますので、それによつて財政負担もし、あるいは国民の権利義務に関する制限も万やむを得ないものだということで、国民一般もある程度これを了承しておる、こういう事態でありますが、国連軍については、それほど了承しておらないというのが、私は日本国民の気持であろうと思う。それも平和条約や、日本の現在とつております国連協力の態勢から、やむを得ずそういうふうにやるのでありますが、国連軍そのものは、日本とは大して直接は関係がない。なるほど朝鮮事変その他で、日本の防衛といいますか、安全ということについて、間接の関係はあるかよしれませんが、直接の関係はないわけです。しかもこうやつて特別なる法律をつくつて、日本の国民の権利義務に制限を加えなくちやならない。そうかと思うと、国連には今日加盟を許されておらない、のみならず、今聞いた十九箇国のうち、全部であるかどうか、私は詳細知りませんが、今述べられたうちのオーストラリア、こういうところは日本国民は一人も入れないということを公に宣言いたしておる。こういう国の軍隊が来て、日本の領土の一角におつて、そして日本の国民の権利義務を制限しなければならぬ。敗戦国であるからしかたがないといえば、しかたがないのでありますが、あまり気持のいいことじやない。そこで私が聞きたいのは、一体国際連合に加盟を許されないでおいて、国際連合の都合によつて、加盟を許しておらない国に駐屯して、そしてその国の国民の権利義務を制限しなければならない。そういう法律をつくつておる国が世界のどこかにありますかということだけ、この際聞いておきたいのであります。
○下田政府委員 国際連合が国際連合の行動として軍事行動に出ました例が、実は朝鮮動乱のときが唯一の例でございます。それで、こういう協定によりまして日本は一定の義務を負うわけでありますが、もし世界の他の方面に同様な動乱が勃発しまして、そうして国連が決議をいたしまして多数国の共同行動によつて侵略を防ぐという事態が発生いたしましたとするならば、その軍隊の置かれる地位あるいはその後方の基地となるべき国におきましては、これは同じような条約が結ばれて便宜供与をいたすだろうと思います。実はNATO協定も、どういう場合にどこの国で、どこの方面で動乱が起つても、お互いに便宜供与をし合うという協定であります。そうして日本の場は、日本は兵力を出す義務は負わないけれども、兵力を出して戦つておる国に便宜を与えようという反面的義務を負つておるわけでありますから、考え方はNATO協定とまつたく同じ考え方であります。現案には日本一国でありますが、将来他の方で同様な国連の行動が行われましたら、当然それらの国は、これと同様な義務を負うことになると思うのであります。
○瀬戸山委員 今の御説明で大体、西ドイツはまだ占領下でありますから、日本くらいのものだと思つておりましたが、そういう事態になつておることは、私としてはこれはやむを得ない。それは最初から申し上げておるのであります。そこで、そうやつてお互いにいわゆる国際連合をつくつて、各国が共同して共同の防衛をはかりたいという思想は、これは世界中の各国が欲しておるところであります。にもかかわらず、軍事行動ばかりが私は国際連合の精神ではないと思うのであります。先ほど申し上げたように、ほかにもあるかもしれまませんけれども、オーストリアあたりは、日本国民は一人も入れないということを言明しておると思うのでありますが、こういう事態に対して外務省はどういう措置をとられ、またどういうお考えを持つておられるか。これはいわゆる国際連合の精神であるかどうかということを、御回答願いたいのであります。
○下田政府委員 濠州のような対日敵対心は、決して国際連合の精神ではございません。ただ実際問題としまして、もう終戦後年数を経ておりますので、非常に緩和しては参りましたが、なお対日敵慨心と申しますか、恐怖心と申しますか、英連邦の中では、最も濠州において強いというのが実情でございます。これはまことに遺憾と存じまするが、しかしながら、政府自身あるいは識者におきましては、もうよくわかつておるのでありまして、たとえば日本の防衛力増強の問題につきましても、対日敵慨心あるいは恐怖心があるにかかわらず、日本政府として当然のことである、むしろ日本が防衛力を持つことは、濠州の利益であるというような理解を示すに至りまして、これらの点は時日の経過とともに、本来の国連憲章にのつとつたような日濠関係が回復されるということが希望にたえませんし、またその方向に向つて外務省はあらゆる施策を進めておるわけでございます。
○久野委員長 志村茂治君。
○志村委員 土地の買入れとか借受けの場合に、権利者とか所有者との間に交渉が不調になつた場合、この場合には、行政協定の実施に伴う土地等に関する特別措置法によりまして、これの第五条によりまして総理大臣がその使用あるいは収用の認定をしなければならないということになつておりますが、第六条には「内閣総理大臣は、土地等の使用又は収用の認定に関する処分を行おうとする場合において、必要があると認めるときは、関係行政機関の長及び学識経験を有する者の意見を求めることができる。」こういうことになつておるのであります。そしてここに「必要があると認めるときは」ということが書いてありますが、これは同時に、必要がないと認めれば意見を聞く必要がないということではないというふうに、私たちは解釈しておるのであります。それは、たとえば了解事項として、内閣総理大臣が第六条の規定により土地の使用または収用の認定に関する処分を行う場合においして当該土地等が農業用地であるときは、必ず農林大臣の意見を求めることというふうふうになつておる。この点から見て、影響がないと認めるときは意見を聞く必要がないとなつておるのでありますが、従来こういう場合におきまして、内閣総理大臣が学識経験者の意見を聞いたという例はあまり聞きませんでしたが、それはどういうふうになつておりますか。
○山中政府委員 お答えいたします。ただいまの御質問の点でございますが、万やむを得なくて特別措置法によるところの使用、改用をいたしますときは、その前提行為といたしましてその施設を駐留軍の用に供することに関しまして同様な規定があるわけであります。そのときは、御承知のように閣議の決定を見ましてやるのでございますが、その際に、その関係の学識経験者あるいは行政機関の長に全部聞きまして、そのときに、もしこういう事態が発生する場合の措置につきましても、事前にいろいろと了解をとつておるわけであります。また現場の方の各地方局で具体的な措置をやるのでありますが——その際は、直接内閣総理大臣とは関係がないのでありますが、事前の予備調査のときに、そういう問題につきまして、関係する方々のすべての意見を徴したものが、予備調査の調査書に出て来るわけであります。従いまして、この点につきましては、農林大臣の御意見も関係機関の長の意見も、学識経験を有する方の御意見も、一応全部徴した後に措置することになつております。
○志村委員 私の聞きたいことは、第六条に内閣総理大臣が学識経験を有する者の意見を求めることができるということになつておるが、従来そういうことを聞いていないその事前の問題ではございません、第六条の問題にかかつた場合に、内閣総理大臣が学識経験者の意見を聞いたかどうか、こういうことを聞いておるわけであります。
○山中政府委員 ただいまの問題、第六条の適用でございますが、御説明申し上げましたように、施設提供に関して手続規定で、機関の意見をすべて聞いておるので代用しておるのが、現況のようであります。
○志村委員 土地収用法によりますと、所有者または権利者の意見はもちろんのこと、公聴会を開き、専門的学識経験者の意見を聞き、公告通知の手続を経るということになつておるのであります。ところがこの場合は、国連軍が緊急な必要があるから、そういうふうな手続を省略してもよいというふうに解釈されるのでありますが、たとえば内灘の問題のように、問題の解決が非常に長期間にわたつたという事実もあるのであります。ですから、やはり問題解決の順序としては、土地収用法に規定されているような手続をとる方が、かえつてすみやかな場合もあつたろうと思う。政府の圧力によつてその問題を解決しようというような場合には、国民の権利が非常に蹂躙されるというようなことにもなるので、この第六条の規定はなるべく適用してもらいたい、こういうふうに私どもは思つておるのでありますが、問題がすでに第六条にかかつた場合には、今までのことは成立しなかつたという状態になると思うのです。従つて、今まで考えられたことは、すでに問題が不成立になつた条件のときにおいて出て来たいろいろな意見をそのまま持つて来るよりも、六条を適用しなければならない段階になつてから学識経験者の意見を聞くことの方が適当だと私たちは考えておるのであります。それは今までの前のことを適用すると言われておりますが、それから推察しますと、総理大臣が六条の段階に聞いて来たことはないように思いますが、そう解釈してよろしゆうございますか。
○山中政府委員 お答えいたします。ただいまの御質問の要旨のように、現在までは同一のような手続で、土地収用法と違いまして、そのもの自体の収用ということの目的をいろいろと聞くのが前の段階に終つておりますので、それで一応代用していたようでありますが、さらに御承知のようにあつせんの制度もできておるしいたしますから、われわれといたしましては、さらにこの点についても、運用に十分気をつけて行いたいと考えております。
○志村委員 もう一点、六条の適用があつたかなかつたか、その点を聞いておきたい。
○山中政府委員 代用しましたので、現在までのところはないのが常態であります。
○久野委員長 これにて質疑は終了いたしました。 ただいま委員長の手元に、瀬戸山君より本案に関しまする修正案が提出せられております。この際修正案につきまして説明を求めます。瀬戸山君。
○瀬戸山委員 ただいま審議いたしております法案についてこの際修正案を提出いたしたいと存じます。 まず修正案を朗読いたします。 日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用及び漁船の操業制限等に関する法律案に対する修正案日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用及び漁船の操業制限等に関する法律案の一部を次のように修正する。 附則第三項中第八条の改正規定中「これに伴う損失の補償」の下に「並びに同法附則第三項の規定に基く損失の補償」を、同項中第十二条の改正規定中「法律第二条の規定」の下に「及び同法附則第三項の規定」を加え、同項及び附則第四項をそれぞれ附則第四項及び附則第五項とし、附則第二項の次に次の一項を加える。 3 国は、国際連合の軍隊により日本国との平和条約の最初の効力発生の日から第二条の規定による措置がとられるまでの間に行われた漁船の操業の制限又は禁止により、従来適法に漁業を営んでいた者が漁業経営上こうむつた損失を、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き駐留する合衆国軍隊に水面を使用させるための漁船の操業制限等に関する法律の規定による損失の補償の例により、補償する。 以上であります。 この修正案の説明はこの際省きますが、先ほど水産委員会から特に出席いたしまして、この修正の意味をよく説明いたしておりますので、この際御了承をお願いいたしたいと思います。
○久野委員長 修正案に関しまして何か御質問はありませんか。——ないようですから、本案並びに修正案を一括して討論に付します。瀬戸山三男君。
○瀬戸山委員 討論するまでもないことでありますが、私ども自由党の立場といたしまして、代表して簡単に申し上げます。 これは審議のうちに現われましたように、私どもの立場としては、国際連合に協力をするという態度をとつております。そのために、国際連合軍が日本に駐屯いたしておる、ある程度のかような制限をしなければならぬ。それに対する損失を補償するためにこの法律を制定する、これは賛成であります。ただ、今修正案の動議を出したのでありますがこの法律の効力発生と、それから実際に国連軍が駐屯いたしておりまして、それによつて実際上制限をし、あるいは漁業について損失をこうむらせた場合の経過における空白がある状態であります。そういう意味において、政府の方では、事実上の行政措置によると申しておりますけれども事は明確にいたした方がよく、いわゆる国民の利害関係に直接影響のあるところでありますから、その部分についてはこの修正案に同意をいたしまして、この修正部分を除く原案も賛成する次第であります。
○久野委員長 志村茂治君。
○志村委員 日本社会党を代表いたしまして、本案に反対の討論をいたします。 われわれは今の国際情勢から考えまして、日本がアメリカ軍であろうと国連軍であろうと、そこに基地を提供するということにつきましては、日本の本土が戦場となるであろうというふうな危険を感じますので、絶対に反対して参つたものであります。特に最近におきましては水素爆弾あるいはリチウム爆弾というような、無差別殺戮の強力な兵器ができました場合におきまして、世界各国の人たちも、人類の危険が近い将来に差迫つておるのである、しかも、みずからを救い出すべき残された時間はきわめて短かいのであるというふうな切迫した状態にあるときであります。そのときでありますから基地を提供することはわれわれ絶対反対を唱えておつたものであります。これに対しまして、自由主義国家群の利益を守る方法は、この強力な水爆によつて初めて守れるのだというふうな、戦略的な考え、一つの権力あるいは実力外交によつて問題を解決しようというふうな態度には、米ソ両国の間にはさまつておるこの地理的条件から見ましても、われわれは絶対反対を唱えなければならなかつたのであります。根本的にはそういう意味から基地提供には反対するのでありますし、そのための法律には反対せざるを得ないのであります。 さらに、この内灘の問題等におきまして、われわれが見ましたように、この法律の適用にあたりましては、政府の圧力によるところの、いわばその権利者、所有者の意思が、ひどく蹂躙されるという場合も、われわれすでに見ておるのでありまして、同一系列のこの法律におきましては、やはり同じことが行われるものとわれわれは考えなければなりません。 水産委員会から提出せられました修正案につきましては、われわれは日本国民の権利を一層明確化させるという意味におきまして一歩前進とは認めますけれども、根本的に基地を提供するということに反対しなければならない立場から、われわれはこの法案に反対するものであります。
○久野委員長 村瀬宣親君。
○村瀬委員 私は改進党を代表して本法案に対し、ただいま瀬戸山委員提出にかかる修正案に賛成をいたし、また修正部分を除く原案にも賛成をいたさんとするものであります。 しかしながら、私は日本が真に独立独歩の気慨をとりもどすためには、できる限り日本人をして真の独立国としての気魄を自覚せしめる方向に、すべての法案を方向づけねばならないと信ずるものでありまするが、本法案の適用されまするものは、国連軍が使用をいたしまする土地と建物並びに漁業者であります。このうち特に土地に対しましては、さきに米軍との間における土地等の使用等に関する特別措置法にあたりましても、これは当然国内法の土地収用法によつて処理できるものであるという見地に立つたのでございまするが、その後米軍との土地等の使用等に関する特別措置法の発動によつて処理された土地に関する事件は、きわめて少数であることも明らかになつて参つておりまするし、今回のこの法案は建物並びに漁業関係についての規定が大半を占めると存じまするので、修正案並びに修正部分を除く原案に賛成をいたすものでございます。ことに漁業関係に及びまする修正部分に対しましては、これは従来実際の法案実施における空白部分を、この修正によつて明確化いたしたものでありまして、法律整備の上にきわめて有効であると存ずるのでございます。 特にこの際明らかにいたしておかねばならないと思いますることは、われわれは平和条約第五条によつて、国連軍に協力することを決意いたしたのでございまするが、この修正案によつて実際に行われまするあるいは漁業関係の補償の問題等は、その補償額が国連協定第十五条によりまして、すべての国連において負担をするということになつておる関係よりいたしまして、これが実施にあたつては、米軍との間における取扱いと、その金額等において寸分もひけ目を感じないような運用をすべきであるということを、特に私は主張いたしておく次第でございます。 なおまた、われわれはいまだ国連に当然定められたこととはいえ、かような日本人権利義務を制約する法律をつくつてまで、国連に協力をしようという決意を明らかにいたします以上は、国連に参加する日の一日も早きを要求し望むことは、日本人として当然でありますから、この法案の成立を契機といたしまして、国連に一日も早く参加のできることを要求、希求いたしまして、本案に賛成をするものであります。
○久野委員長 細野三千雄君。
○細野委員 日本社会党を代表いたしまして、本法案並びに瀬戸山君提出の修正案に賛成をいたします。賛成の理由は省略したいと思いまするがただ日本社会党といたしましては、従来アメリカ合衆国との間の安全保障条約には反対して参りました。従いまして同条約第三条に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法にも反対して参りましたが、われわれはこのアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法が、本法案の観たる法律とは見ないのであります。本法案の親たる法律は、日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定が本法案の親たる法律で、第五条の協定に基いて本法案が制定せられたものであるのであります。この国際連合の軍隊の地位に関する協定につきましては、わが党は賛成をいたして参つたのでありまするから、その親たる法律からできました本法案には、当然賛成する立場にあるのであります。このことを明確にいたしておきたいと思うのであります。 従いまして、かような協定がすでにできておりまする以上、その協定によつて土地を使用せられるものに対して政府が当然補償するということは、これまた当然なことであります。本法案がなければ、政府はあるいは見舞金その他の形で金を出すでありましようけれども、そういう恵みとか恩恵をやるというような形でなしに、正当な権利として法律化することは、これまた当然なことと思うのであります。そういう意味で、水産委員会から出されましたこの修正案というものは、一層そういう権利を明確化したものでありまするから、わが党は両法案並びに修正案に賛成をするものであります。
○久野委員長 只野直三郎君。
○只野委員 私は本日議題となつておる法案に対して、瀬戸山委員の修正案並びに修正部分を除く政府原案に賛成をいたします。 その賛成の理由として、国際連合に対する協力という問題について、私は常にこういう考えを持つております。民主陣営に協力することが、当然に日本国民の義務である。それが国是でもある。そこで、日本の国際的地位をだんだん強化確立するためには、やはり積極的にこういう問題に協力をして行く、その協力の実績によつて、民主陣営から日本の国がだんだん信頼される。それが、国際連合に対するこちらからの要求だけが先になつて、その要求がいれられたならば協力するという行き方は、逆である。そういう観点からこの法案に対しては、全面的に賛成の意を表するものであります。
○久野委員長 これにて討論は終局いたしました。 ただいまより修正案及び修正部分を除く原案につきまして採決いたします。 まず、瀬戸山君提出の修正案につきまして賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○久野委員長 起立多数。よつて修正案は可決されました。 次に修正部分を除く原案につきまして、賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○久野委員長 起立多数。よつて本案は瀬戸山君提出の修正案通り修正議決されました。 この際お諮りいたします。本案に関しまする委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○久野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時四分散会 ————◇—————