建設委員会 第30号
- 発言数
- 39 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1954/05/13
会議録
○久野委員長 これより会議を開きます。 この際、小委員の補欠選任につきましてお諮りいたします。すなわち岡村利右衛門君が去る四月十五日に、高田弥市君が二十八日に、堀川恭平君が二十一日に、山田彌一君が七日に、安平鹿一君が十日に、志村茂治君が二十七日に、利田博雄君が二十七日に及び細野三千雄君が十二日にそれぞれ委員を辞任され、再び本委員となられました。また有田二郎君が去る三月二十九日に、山田長司君が四月十四日に、佐竹新市君が四月二十七日に、菊川忠雄君が五月七日にそれぞれ委員を辞任され、堀川恭平君、和田博雄君、山下榮二君及び長正路君が本委員となられたのでありますが、以上の諸君はそれぞれ河川、道路、住宅、水道、請願及び陳情書審査小委員でありましたので、これが補欠選任を行わねばなりません。この補欠選任につきましては、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○久野委員長 御異議なしと認めます。それでは 河川に関する小委員に 岡村利右衞門君 高田 弥市君 堀川 恭平君 志村 茂治君 安平 鹿一君 細野三千雄君 山下 榮二君 を、 道路に関する小委員に 山田 彌一君 志村 茂治君 和田 博雄君 長 正路君 細野三千雄君 を、 住宅に関する小委員に 岡村利右衞門君 堀川 恭平君 志村 茂治君 安平 鹿一君 和田 博雄君 長 正路君 細野三千雄君 を、 請願及び陳情書審査小委員に 高田 弥市君 山田 彌一君 和田 博雄君 長 正路君 山下 榮二君 を、 水道に関する小委員に 岡村利右衞門君 堀川 恭平君 志村 茂治君 和田 博雄君 山下 榮二君 以上の諸君をそれぞれ小委員に指名いたします。 —————————————
○久野委員長 先ほどの理事会で決定いたしましたが、先日の北海道における災害について調査を進めます。 まず政府より災害の状況の説明を聴取いたします。石破官房長。
○石破政府委員 五月九日から十日にかけまして、北海道地方を襲いました暴風雪による被害のうち、本日までに建設省として集め得ました被害の状況等につきまして、概要報告を申し上げます。 まず当日の気象の状況から申し上げます。五月九日深更、日本海を横断して北海道の西海岸に九百六十ミリ・バールの低気圧が上陸し、このために瞬間最大風速、浦河において三十六メートル、留萌において三十二メートル、小樽、函館において二十七メートル、 〔委員長退席、田中(角)委員長代理着席〕 札幌において二十一メートルに達する旋風をまじえた大暴風雪となりまして、しかもその後平均風速二十メートルの強風を伴う暴風雪により、ところによつては一尺を越える積雪を見るような状況になつたのであります。 次に一般の被害の概況を申し上げます。網走、釧路、十勝、これらの一部地域は、まだ交通通信杜絶のために状況が不明でございますが、全道各地域にわたりまして、現在まで、つまり昨日まで、ものによりましては今朝までに判明いたしております被害の一般概況は、次の通りであります。 人的被害は、死者三人、負傷者十三人、行方不明一人。家屋の被害は、住宅において七百二十三戸が全壊いたしております。次に水産関係の被害は、漁船の流失、沈没九隻、大破三十七隻、小破七十隻、漁網の流失二億一千万円に上つております。 現在までに災害救助法を適用した町村は、三つばかりあります。 次に土木関係の被害について申し上げます。まだ被害判明次第順々に報告が参つておりますし、もちろん最後の締めくくりには至つておりませんけれども、今朝までに道の方から被害額として報告して参りました額は、道の管理しております河川、海岸、道路、こういうものにつきまして約一億九千五百万円、市町村の管理しております公共土木施設につきまして約一千三百万円、合計二億八百万円という被害報告が現在までのところ参つております。 これに対する措置といたしましては、それぞれによつて措置されるわけでございますが、今回の被害の額は、もちろん最終報告は来ませんから、はつきりいたしませんけれども、建設省といたしましては、特別の措置を講ずるまでの必要はなかろう、現在ありますところの法律によつて、それぞれ措置すればよかろうと考えております。
○田中(角)委員長代理 ただいまの説明に対し、何か御質問がありましたら、これを許します。——質問なしと認め、次の議題に移ります。 —————————————
○田中(角)委員長代理 日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用及び漁船の操業制限等に関する法律案を議題といたします。 —————————————
○田中(角)委員長代理 お諮りいたします。本案につきまして、所管上特に深い関係を有します水産委員会より連合審査会開会の申入れがありましたが、連合審査会を開くに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中(角)委員長代理 御異議なしと認めて、さよう決定いたします。 なお開会の日時等につきましては、両委員長に御一任を願います。 —————————————
○田中(角)委員長代理 これより本案につき、質疑に入ります。質疑は通告順によつてこれを許します。瀬戸山三男君。
○瀬戸山委員 一点だけお尋ねしておきます。これは私が勉強不足のためでありますが、参考までにお伺いしたいのであります。この法律案は、アメリカ駐留軍との関係のこの種の問題解決のための法律案と、内容がほとんど同一でありますので、それについては、すでに法律ができておりますから、内容はアメリカ駐留軍との関係で大体わかるわけであります。この際お尋ねしておきたいのは、御承知のように、日本はまだ国際連合に加盟を許されておりませんし、また加盟を拒否されているのであります。そこでアメリカ軍との関係は、条約によつて規定され、国際連合軍との関係も、条約によつて規定されておりますけれども、国際連合に加盟を拒否されている国で、しかも国際連合の軍隊がその国に駐留して、かような協定あるいは措置を講じている国が、世界にどのくらいあるかということを明らかにしてもらいたいと思います。
○山中政府委員 ただいまの御質問でございますが、協定に関しましては、外務省の方でもつぱら所掌いたしておりますので、ただいま御質問の国際連合に加盟せず、こういう援助をいたしておる国の現在数がどれだけあるかということは、私どもとしては、現在つまびらかにいたしておりません。ただ私どもの方としては、この点につきまして一九五一年九月八日の吉田・アチソン交換公文によりまして援助をやるということと、このたび両院において御審議になつておりますところの国際連合の行政協定に一応根拠を持ちまして、本法案を提案して御審議を願つておるようなわけであります。
○瀬戸山委員 その方の係でないので、おわかりにならないそうでございますが、すでに今お話の通り、連合軍との協定を結んでおることでありますから、それについて私としては異議を申すのではありません。ただ、国際連合に入ることを希望しても許されないという国であつて、国際連合軍がその国に駐留して、しかもそれによつて国民の権利義務が制限されるということは、私はあまり喜ばしくないのであります。そこで、そういう国がほかにあるかどうかということを一応確かめたい、こういうつもりでありますから、この次の機会にでも明らかにしてもらいたいと思います。それだけであります。
○赤澤委員 この法案について、二点だけ明らかにしておきたい点がございますので、ひとつお答え願います。 この法案の附則の一項、二項におきまして、日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失の補償に関する法律の改正案のみを、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約の効力発生の日から適用することとし、第一条及び第二条における日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法及び日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き駐留する合衆国軍隊に水面を使用させるための漁船の操業制限等に関する法律の改正案は、本法公布の日より適用することとなつておるが、その理由いかん。 もう一点は、従つて本法案においては、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約の効力発生の日からこの法律施行の日までの間において、日本国における国際連合の軍隊により行われた実質的な土地の使用、あるいは漁船の操業制限に伴う損失については何らの規定もない、つまり空白になつておりますが、これをどういうふうに措置なさるか。どうも法案の名前が長いものでありますから、こういうふうに申し上げると、何か要点がつかめないようでございますけれども、あなたは御専門ですからつかんでいらつしやると思うのですが、明らかに妙な空白になつておると思うのです。それについて一応御説明をお願いいたします。
○山中政府委員 ただいまの御質問の第一点につきまして、お答え申し上げます。第一条の特別措置に関する規定と第二条の水面提供並びにこれに関連します補償の規定につきましては遡及を認めておらない、附則の特別損失補償について遡及を認めておるということにつきましては、第一条、第二条は、すでに過去の講和発効後から本法律案が御審議になつて、もしこれが施行されます間は遡及を認めることは理論的にちよつと困難じやないか。権利の制限その他につきまして、過去の漁船の操業を制限するということもできないじやないか、こういうことにおきまして、もし損害があるものにつきましては、行政措置あるいは予算措置においてこれをカバーして行きたい、こういう所存でおるわけであります。 附則の方の特別損失補償法は、このもとの法律でありますところの日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の行為による特別損失の補償に関する法律(昭和二十八年法律第二百四十六号)も遡及を認めたわけでありますが、これにつきましては、過去から現在まで事実行為が集積しまして、その被害が現在ある、これを救済することが相当大きな意味を持つじやない小、こういう意味において、母法と申しますか、原法と申しますか、これにならいまして遡及を認めて実施をしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○赤澤委員 これは略してどう言つておられるのですか、題名が長いのですが。特別損失の補償に関する法律の分ですけども、私はこれの改正の状態を調べてみたのですが、結局実質的には、取上げられておる問題は施設のように私は理解しているわけです。ところが、一方米軍が、かりに大砲を撃つ演習をするというようなことで危険区域を指定するような場合に、漁業の方で非常に不利益をこうむるという場面が出て来ると思うのです。そういつた場合に、本法の前に起つたことについては、今行政措置あるいは予算措置において考慮するというようなことをおつしやつたようですけれども、やはりこういつた問題についても、法律の面で空白ができるということはまずいじないか。今までこういう損害がずつとあつて来たものは、あとになつても請求することができると思うのですが、そういう場合に、法に根拠がないと救済措置がとれない。いくら官庁の方で、そういうことがあつた場合には行政措置で何とか考慮するとおつしやるけれども、今まで被害漁業者が陳情に行つた場合でも、おおむねはねられておるという実情があるのでございまして、やはりこういつたものについては、空白を置かないで遡及するといつた形をとつた方が正しいのじやないかと思うのですが、ひとつ御見解を伺いたいと思います。
○山中政府委員 お話のように、非常に題名の長い法律でございまして、われわれも、これにつきましては、当委員会において御審議を願いました日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法を俗に「特別措置法」というふうに申しております。同じような意味におきまして漁船の操業に関するものは「操業制限法」というふうに略称しております。それから特別損失法も長い名前でありますが、これは「特損法」というふうにわれわれは俗に呼んでおるのでございますが、ただいまの漁船の操業制限に伴う遡及の問題につきましては、原法ができました場合にも、これは法律面では遡及をうたわずに事実上やつた線でございます。それからも三つは、われわれが文理と申しますか、理論的にいやなものは補償するという前提に立つ場合は、漁船操業制限という一応法律行為を伴うわけであります。これを過去二年にさかのぼつて法律上制限をするということの告示あたりは、ちよつと出しにくいんじやないか。こういう点に非常に難点がございまして、事実問題としてやれば、先例もあることだし、現にやろうということで、関係各省あるいはまた国連軍との話合いも進んでおりますので、この面で行きたいと考えておるわけであります。
○赤澤委員 実質的な損害が過去においてあつた場合は、新たに先例もあるし、行政措置によつて救済なさるわけですね。
○山中政府委員 さようでございます。
○赤澤委員 今特損法という言葉が出たのですが、この特損法については、先般の予算審議の際に、たしか一億数千万か、——特損関係の一部か知りませんけれども、予算措置がしてあつたように記憶します。これは、なぜ私がそういうことを言うかといいますと、例の学校の、飛行機なんかによる騒音の場合に、移転あるいは防音装置をすることのために経費として確保してあつたはずでございますけれども、簡単に特損法といいますと、いろいろこれと同じ内容のものがあるのですか、予算関係を含めてひとつ御説明願います。
○山中政府委員 特損法の中には、法律で救済する事項を規定しておりますものと、政令によつて規定しておるものといろいろございますが、例示的に申し上げますれば、ただいまお話の学校関係の騒音防止対策というものもございます。また漁業関係につきましては、防潜網関係がございます。それから農地関係につきましても、水源関係、農道関係、そういう男がいろいろございます。こういうものをひつくるめまして、一応二十九年度の予算区分といたしましては、現在約五億ほど引当てにしてございます。その中で、これもまだ騒音の度合いその他につきまして、文部省その他関係方面と具体的な打合せをいたしましてはつきり結論には達しておりませんが、大体二億四、五千万円の金がいるんじやないかというように考えております。その他のものにつきましても、現在都道府県知事を通じまして、申請書は三十数件来ておりますが、現在まで実施したのが約十一件でございます。その他のものにつきましては、現在調査しておるところでありまして、この金額は、予算では一応区分的には計上しておりますが、はたしてこの金額が妥当であるかどうかという点につきましては、まだ確認の段階には至つておりません。
○三鍋委員 私はこの際当局に資料の提出をお願いしたいと思うのでございます。日本が安全保障条約あるいは行政協定を締結いたしました関係上、当然今審議されようとしているこういう法案も出て来るのでございますが、現在まで米軍、国連軍に対して、日本の原野、山林、田畑は、どれくらいな面積を提供しておるのか。また水面における提供の箇所、面積、これらから受けておるところの損失、これらに対する補償はどの程度に行われておりますか、こういつたことを、米軍の場合、国連軍の場合にわけて資料を提出していただきたいと思います。これは大きな私たちの関心事でありまして、なるべく最近までの資料を、たいへんごめんどうかもしれませんが、御提出を願いたいと考えております。
○田中(角)委員長代理 三鍋君発言の資料の点につきましては、委員長において早急にとりはからいます。 本件に関する質疑は次会に続行いたします。 —————————————
○田中(角)委員長代理 この際お諮りいたします。 住宅に関する小委員会において、目下宅地建物取引業法の改正について調査中でありますが、本件につきまして、 須永伊之助君 細川 清君 藤川豊次郎君 川船 勳君 の以上四人を参考人として小委員会に招致をし、意見を聴取いたしたいとの申出がありましたが、これを許可するに御異議ありませんか。 [「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中(角)委員長代理 御異議なしと認めて、さよう決定いたします。 —————————————
○田中(角)委員長代理 この際日程を追加して、河川に関する件、特に電源開発に関し、ダム用地の取得に伴う補償の問題につきまして調査を進めるに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中(角)委員長代理 御異議なしと認めて、さよう決定いたします。 発言の通告があります。順次これを許します。内海安吉君。
○内海委員 中島公益事業局長にちよつと聞きたいのですが、田子倉ダムの建設にあたつて、土地に対する補償問題が、今非常な輿論となつております。この問題に対しては、中島さんみずからが、監督官庁としていろいろな施策をされたと思うのですが、いかなる方法なり手段なりあるいは交渉なりによつて、こういつたような結果を引起したのか、それをひとつ詳細に御報告を願いたいと思います。
○中島政府委員 只見川の田子倉地点の開発につきましては、昨年の七月、審議会におきまして多年の懸案を片づけまして決定いたしたわけであります。これによりますと、田子倉で二十二万五千キロワットの開発をやる計画になつております。その計画決定以来、用地の補償につきましては、それ以前から若干の準備交渉はあつたのでありますが、本格的な電源開発会社の方で交渉を始めておるわけであります。あの地点が、非常に他と違つて天恵に恵まれた土地であるという関係から、立ちのきあるいは補償につきましては、非常に問題がたくさんあつたようであります。従つていまだに全面的解決を見ておりませんで、中には依然としてダムの建設に対しまして反対を唱えているところもあるようであります。そういう関係からいたしまして、この補償問題も非常に難航を続けておりましたために、地元の県でも非常に憂慮いたしまして、せつかく懸案を片づけました関係から、できるだけ早くこの開発を実行したいということで、最近に至りまして知事も本腰を入れまして、このあつせんに乗り出したわけであります。現場の電源開発の建設事務所長とそれから県が、この両者でもつて共同して交渉いたしておりましたが、四月の半ばごろにおきまして、県知事の勧告案としての一つの案が出されまして、これが先般新聞で報道されました内容であります。われわれもその間の経過は十分詳しくは聞いておりませんでしたが、新聞に報道せられまして以来、非常に内容が重大でありますので、種々調査をいたしております。会社の方といたしましては、現在関係の五十戸のうち九戸は、その案にもまだ賛成しておらぬという関係からいたしまして、全面的に片づいたわけでもないというふうな見解をとつておつて、従つてこの勧告案に対します正式な意思表示は、明確にはいたしておりません。ただそれ以来通産省の方といたしましても、従来きめております損失補償要綱の基準に照しましても、かなり多額のものと考えられます。また現在進行いたしております、割合に補助額の高いと言われております佐久間ダムの補償に比べましても、若干高いというふうな感じもいたしまして、単純に勧告案そのものが受入れられるということでは、他に対する影響も非常に大きいと考えまして、一応会社の方に対しまして、そういう意味の警告をいたしたのであります。ちようどそれと前後いたしまして、各方面から、すでにこの補償問題に手をつけております他のダムその他の建設現場から、田子倉ダムの補償額があまり高いために、せつかく解決しかかつておつた別の方の補償問題がそれで頓挫を来したというような発言もちよいちよい出て参つております。特に建設省からは、他に対する影響も十分考えて慎重にやつてもらいたいというふうな公文も、通産省に参つておりまして、われわれといたしましても、十分慎重に考えなければならぬというふうな態度を持つております。 ただ具体的に今出ております補償額九億二千万円程度でありますが、この金額がどの程度のものであればよろしいか、あるいは単価にして一つ一つにつきまして、具体的にわれわれとして意見を表明するにはまだ時期尚早でありますので、そういう点につきましては、何ら意見を持つておりませんけれども、全般的に言つてとにかく安くないことは事実であります。またほかの方に対して、かなりの影響を与えていることも事実でありますので、現在の勧告案そのままではちよつと困るということは、会社の方でも言つております。また会社といたしましても、その後そういうふうな趣旨をもつて、現場の所長には指示をいたしておるはずであります。 それから将来の問題でございますが、われわれとしましては、すでに昨年きまつております補償基準というものもございますので、この補償基準を一応の基礎といたしまして、現在までの各地の建設のための補償額等も参考にいたしまして、妥当な線でこれをさらにもう一度検討し直してきめてもらうというような措置を期待いたしております。そういうことでもつて片づけばたいへんけつこうでありますが、最悪の場合、すでに出ました案が固まつてしまうということになりました場合の取扱いにつきましては、これは他に対する影響ということが一つと、反面におきましては、田子倉の開発がこれでできるかできぬかという問題になりますので、その扱いは慎重にすべしとの考えから、ある時期におきましては、あるいは電源開発調整審議会等にも諮りまして、あとの処置をしなければならぬと考えておりますが、現在までのところはまだそこまでのつもりはいたしておりません。ただ全般的なこういうふうな内容あるいは意見等につきまして、各省それぞれこれにつきましては相当の関心を持つておりますかつ、現地で各省の連絡会議を開きまして、政府の態度につきましても十分打合せをしたい。大体現在のところそういうふうに考えております。
○内海委員 開発を早くやりたいという念願から、とにかく田子倉ダムの補償も、政府の方で決定いたしておるということでありますけれども、一体補償価額を決定するときの基準なりお考えなりの基本を、どこに置いてかかられたのであるか、それをひとつ承りたい。
○中島政府委員 田子倉補償問題、あるいは全般的に申してもさしつかえないのでありますが、補償問題につきましては、通産省自体が具体的に一つの方針を指示するということはいたしておりません。ただ昨年の春に、水没等に対します補償要綱というものを各省で打合せまして、一つの補償基準を閣議決定の形で要綱としてつくり上げてあります。これに基いて各地区の補償をやつてもらいたいというふうな考え方が、一応政府の考え方として出ておるわけでございますが、実際問題としまして、その補償の要綱の基準というものが、これは一つの基準でありますから、どうしてもそのままにはやりがたい。従つて実際には、要綱が決定以後におきましても、若干ずれたようなかつこうできまつておるのであります。田子倉の場合におきましても、もちろんそういうふうな趣旨に基きまして、この補償要綱に基いた措置をするのが適当であるのでありますけれども、先ほど申しましたように、土地の特殊性から申しまして、いろいろな点で別の考え方をもつて交渉を進められておつたようであります。案ができましたあとにおきましては、一応各府県別の単価等も出ておりますが、その高い安いの問題は別にいたしましても、当初のすべり出しは、必ずしも一つ一つの補償物件の単価をきめて、それで総額を出すというふうなことでなくして、むしろ総額を先にきめてしまつたのではないかというふうな感じすら、しておるわけであります。従つて、こちらで検討いたします場合には、十分妥当な線でまず単価をきめて、それで補償を要すべき面積等をさらに洗い出しまして、妥当な基準に持つて行くということが順序であります。現在までは、会社の方で主として現場で一応補償基準というものを頭に置いておつたかもしませんけれども、実際問題としては、そういうふうな大ざつぱなすべり出しから始めておつたような実情であります。
○内海委員 どうも大ざつぱな基準によつて、監督官庁が会社なり何なりの書類によつて決定するというようなことでは、はなはだ影響するところが大きい。現に北上総合開発も、昨年より閣議決定によつて工事を行つておるのでありますが、この田子倉ダムの補償問題が決定いたしましたので、非常に急いでやらなければならぬところのこの花山ダムの土地買収問題につきましても、ほとんど根底からくつがえされてしまつて、どうにもならぬというような現状は、少くともこの田子倉ダムがこういつた補償基準価額を決定したために、こういうような悪影響を来しておるのであります。これらの影響する点に対しての局長としてのお考えは一体どんなものであるか。これはひとり田子倉ダムの問題だけではなく、影響するところが大きいのであります。その補償の基準を決定するのではなくして、こういう点も十分お考えにならなければいけないと思うのでありますが、この点に対してどんなお考えを持つておりますか。
○中島政府委員 ただいまの御意見、われわれもまさにその通りに考えておるわけであります。かりに田子倉の地点だけ考えました場合には、五億、十億という補償金額も、全体の開発費が二百億からに上つておりますので、必ずしもそれによつて開発するんだという性質のものではないかもしれません。しかし、われわれとしましては、かりにこれが田子倉の発電のコストにそう響かないといたしましても、やはり他に対する影響も非常に大きいのでありますので、そういう見地から、これに対しては十分慎重にやりたい。従つて、ほかの方に影響を与えないような線で、つまりどこへでも妥当するという基準のもとに、この金額をきめるということについては、そういうふうな見地から、もう一度これを再検討するように指示をしているわけであります。もし現場の方で、さらにそういうふうにこれが訂正になればけつこうでありますが、訂正にならない場合には、やはり政府としても、この点につきましてもう一度根本から考えなければならぬと思います。
○内海委員 再検討の上できめられるということであれば、それで私も満足いたします。十分検討していただいて——これは影響するところが大きいのでありますから、すみやかに再検討して、最後の決定をしていただきたい、こう望むわけであります。
○岡村委員 これは実は岐阜県の御母衣ダムのことなんでございますが、これが二百八十軒水没するのでありますが、その地域の者は、死守同盟をつくりまして絶対動かぬというので反対しておるのであります。それにつきまして補償措置の問題になると思いますが、どんなふうなことをお考えになつておりますか。
○中島政府委員 御母衣の地区におきましては、ここも一部には、すでにもう賛成をいたしまして仮調印をしたものもございます。そういう向きに対しましては、すでに一部補償金も支払つて移転を開始しておるという、状況であります。残りの反対をしておる地域のものは、これは金額の交渉まで行かないで、ダム建設そのものについての反対の立場におるという関係でございます。しかし、これもだんだん事情がわかりまして、進行いたしますにつれ、軟化する傾向にあると考えられますが、一方におきまして、現在ダムの建設地点そのものにつきましても、地質の問題に非常にむずかしい問題がございまして、その結果、計画そのものが設計上もまだ十分確信を得ていないという関係から、補償問題も必ずしもそう今急がれておりません。近くその設計の問題も片づく、だろうと思いますが、その場合におきましては、現在反対をしておる死守同盟方面の方々にも、十分納得の行くように説明をいたしまして、金額を定めるようにしたい。しかし御母衣につきましては、現在すでにある程度きまつております補償額は、むろん田子倉のような多額なものでなくして、大体妥当な線できめられておると思います。
○岡村委員 地元の話を聞くと、ダムの建設箇所につきまして非常に難点がある、はたしてこれができるかできぬかわからぬ、大体できない方が多いんじやないかというような意見があるのでございますが、もしもこれができなかつた場合、工事しておつた方はどういうふうになりますか。
○中島政府委員 これはもう一部金を支払つて他へ換地を求めて、その準備をしておるところもございますが、そういうものをまた元へ返すということは、おそらく不可能でございましよう。従つて、もういよいよダム建設不可能だということになりました場合におきましては、すでに一応支払つたものはそのまま打切つて、会社の所有として土地が残る、その土地の処分の問題がまたあらためて起る、こういうことになると思います。 —————————————
○田中(角)委員長代理 この際お諮りいたします。本件は将来の公益事業遂行に重大なる関連を有するものでありますので、次会に審議を続行し、通商産業大臣の出席を求め、事情を聴取するとともに、高碕電源開発総裁を参考人として出席を求めたいと存じますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中(角)委員長代理 御異議なしと認めます。よつてさよう決定いたしました。 では本日はこの程度といたし、次会は公報をもつて御通知申し上げます。 本日はこれをもつて散会いたします。 午前十一時五十五分散会