建設委員会 第17号
- 発言数
- 3 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1954/04/06
会議録
○久野委員長 これより会議を開きます。 土地区画整理法案並びに土地区画整理法施行法案の二案を一括して議題とし、前会に引続き逐条説明を聴取いたします。渋江政府委員。 〔委員長退席、田中(角)委員長代理着席〕
○渋江政府委員 前会に引続きまして土地区画整理法の逐条説明を申し上げます。 まず第一に本日御説明申し上げます点は、八十六条から九十七条にわたります換地計画についてであります。御承知のように換地処分とその基礎となつて参ります換地計画は、土地区画整理事業の本体である宅地の区画形質の変更あるいは公共施設の整備を実行する際の具体的手段でありますし、宅地の権利者にとつても、まことに重大なる利害関係のある事項でございますので、この点につきましてはやや詳しく御説明申し上げたいと思います。 まず換地計画とそれに基く換地の具体的処分に関する規定でございますが、これが八十六条から八十九条にわたりまして規定をいたしてございます。まず第一は換地計画の設定の義務でございますが、八十六条におきまして、施行者に対して換地処分を行う前提として換地計画の設定の義務を負わせております。換地計画の決定につきましては、土地区画整理事業の事業計画の際におきますと同様に、これを知事の認可によることにいたしておるわけでございます。なおこの換地計画の決定認可の前提といたしまして、八十八条に掲げてございますように、関係権利者の同意を個人の施行する場合においては必要といたします。この点は事業計画の際に申し上げましたと同様の意味におきまして、その土地区画整理事業の換地処分を実行する具体的な各宅地における関係権利者の同意を必要とする建前にしております。それから個人施行者以外の場合におきましては、八十八条の二項に掲げておりますように、二週間の公衆の縦覧を必要とし、これに対して、さらに利害関係者の意見の提出を許すことにいたしておるわけであります。意見の提出後の処理方法につきましては、八十八条四項に規定しておる通りでございまして、それの採択につきましては、それぞれ個人施行の場合におきましては、施行者自身において、その採択の必要があるかないかをきめて、それぞれ処理することにいたしておりますし、それから個人施行者以外の公共団体あるいは行政機関が施行者に当る場合におきましては、土地区画整理審議会の意見を聞いた上でその処置をきめる、こういう建前にいたしておるのでございます。なお八十八条七項に書いてございますように、これが農地法にいう農地あるいは採草放牧地におきましては、地元市町村の農業委員会の意見をさらに聞かなければならないことに相なつておるわけでございます。 以上が換地計画の設定並びにこれを決定いたします知事の認可方法等についての規定でございます。 八十九条は、以上の換地計画に基きまして具体的換地をいたす場合の一つの基準をきめております。すなわち、従前の宅地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等によつてそれぞれ従前の宅地と新たに換地すべき土地とが照応せられるように決定されなければならないということを明示いたしております。 次に、換地をあえて定めないという場合の特例を九十条から九十二条にわたりまして規定いたしております。すなわちその一は、宅地の所有者の同意があつた場合、つまり宅地の所有者自体が換地を必要としないという申出のあつた場合につきましては、換地をあえてやらないということになつておりますが、これは当然のことだろうと思います。 それから九十一条は、過小宅地におきましては、宅地の地積を適正な規模にするという建前からいたしまして、あるいは増し換地をしてやるという場合もございます。それから増し換地をしましても、なお適正な規模に達しないという場合も想像されますので、さような場合につきましては、換地をあえて提供しないということが規定されておるわけであります。もつとも、これは宅地を提供しないということによつて、権利者の保護を全然考えないというのではございませんで、それに対しましては別途御説明いたしますような清算金あるいはこれに対する補償金という制度が考えられておるわけでございます。 以上が九十条から九十二条にわたります換地を与えない場合の規定でございます。 次に九十三条に、今回の法律案によりまして新しい規定を盛り込んだわけでございます。「宅地の立体化」という表題にいたしておりますが、私どもはこれを立体換地という表現でうたつておるのでございます。換地の原則は、従前の土地にかわる新しい換地を与えるという原則に立つておるのでございますが、しかし、施行者は御承知のように過小宅地におきましてはとうてい全部の宅地に新しい換地を与えるという方法によつては、満足させられない場合が想定されるわけでございましてかような場合におきましては、建築物の一部を従前の宅地の所有者あるいは借地権者にかわつて与えることによつて、その権利を満足させてやるという方法も考えられるわけでございます。さようなことが、この過小宅地の場合のごとく地積のきわめて狭い施行地区に対しての措置として必要であるという点に立ちまして、新しく規定を盛り込んだのでございます。もつとも、この場合につきましては、九十三条に規定してございますように「第三条第三項又は第四項の規定による施行者」というふうにしぼつてございます。すなわち、第三条の三項あるいは四項と申しますのは、公共団体あるいは行政庁が区画整理事業の施行者に当る場合でございまして、さような場合に限る建前にいたしておるわけでございます。しかしてこの場合につきましては、土地区画整理審議会の同意を得た上で、かような換地計画の特例といたしまして立体的換地の方法を許すということにいたしておるのでございます。なお、かような建築物の一部を与える場合の方法といたしましては、施行者が処分する権限を有する建築物の一部あるいはこの建築物の存する土地の共有部分、これを与えることによつて、換地に対応する方法とすることができるという形にいたしておるのでございます。以上が立体的な換地の規定でございます。 次に、九十五条に移ります。九十五条に規定いたしておりますことは、鉄道あるいは軌道、港湾、学校、官公衙等の施設の用に供しておる土地、あるいは史跡地あるいは名勝地その他特別の事情のある土地につきましては、換地計画の上で特別な措置をとることができるということに規定をいたしておるのでございます。すなわち、ここに規定しておりますような鉄道、病院あるいは国、公共団体が設置する庁舎等の場合につきましては、個人の宅地と違いまして、それぞれ一つの公益的な目的に提供せられておる土地であるという観点に立ちまして、これにつきましては、特にその位置あるいは宅地の規模、これらを公益的な用地であるという意味合いにおきまして、ある程度の弾力性を持たせる余地があろうかと思います。さような点につきましては、一般の換地処分の場合と異なる特例を立てることが、施行者に許されるようにいたす必要があるのでありまして、さような観点に立ちましてこの規定を置いておるわけでございます。 次は九十六条。九十六条は保留地の制度でございますが、まず九十六条の一項におきまして「第三条第一項又は第二項の規定により施行する土地区画整理事業」と申しますのは、個人が土地区画整理事業の施工主体に当る場合、あるいは土地所有者の組合が土地区画整理事業の換地に当る場合を言つておるわけでございますが、さような場合におきましては、事業の施行の費用に充てるため、あるいは規約あるいは定款の定める目的に応じまして、一定の土地を換地の線からはずしまして、保留地としてこれを換価処分し、しかしてかようなそれぞれ規約定款で定められた目的の費用の用途に供することができるということにいたしておるのでございます。 第二項に掲げてございますのは、ただいま申しました個人ないしは組合が施行主体である場合以外の公共団体あるいは行政庁がそれぞれ土地区画整理事業の施工主体である場合でございますが、かような場合におきましては、一定の保留地をとるという条件をしぼつております。すなわち土地区画整理事業の施工後の宅地の価額の総額と施工前の宅地の価額の総額との比較から見まして、施工後の宅地の価額の総額が、施工前に比しまして、相当宅地の整理改善によりまして値上りを来したという場合におきまして、その差額の限度内におきまして区画整理事業の施工の費用に充てるために、かような保留地の規模をきめることができるというふうなことにいたしておるのでございます。かようなことによりまして、いわゆる換地の線からはずしまして保留地をみだりにとるという濫用を戒める意味におきまして、一つの制限を付しておるわけでございます。以上が保留地の制度でございます。 九十七条は、換地計画の変更の場合でございますが、これは換地計画の設定の場合と同様な手続規定でございますので、説明を省略させていただきます。 次に、第三節に移ります。第三節は仮換地の指定でございます。従来の特別都市計画法におきましては、いわゆる換地処分の最終的な決定に至ります事前の行為といたしまして、換地予定地を一応換地方法の事前の行為として許すことにいたしております。これを今回の法律におきましては、仮換地という制度によりまして、いわゆる換地予定地の制度にかわる方法にいたしたのでございます。 まず九十八条でございますが、換地処分を行う事前の仮換地の指定の方法といたしましては、二つの場合を想定いたしております。すなわち土地の区画形質の変更あるいは公共施設の新設、変更にかかわる工事のために必要がある場合、換地処分をいたす事前におきまして、ここに掲げましたような工事をするためにどうしても現在の宅地所有者に一応立ちのいてもらう、あるいはその権利の執行を停止してもらうという必要が生じて参ります。さような場合に、この仮換地を与えることによりまして、宅地所有者の権利を一方に保証しながらかような工事を行うという必要が出て来るわけでございまして、さような意味におきまして仮換地の指定を許しております。第二段の方法は、「換地計画に基き換地処分を行うため心要がある場合においては」というふうに規定いたしておりますが、これは本来の換地処分に移ることを一応想定いたしまして、すなわち仮換地が本換地にかわるという想定のもとに、かような仮換地の指定をすることができる、こういう趣意であります。かような二つの場合につきまして、指定の方法を施行者に許すことにいたしております。 なお百一条をごらんいただきますと、仮換地を指定する場合の補償手段を書いてありますが、通常ただいま申し上げましたような仮換地の指定は、順を追いまして仮換地の使用収益が開始できるのを待つて指定を行うというのが原則であります。それに対応いたしまして、従前の土地に対する使用収益を停止する、それをまつて先ほど申し上げました公共施設の整理に関する工事を行うという方法に移るわけでございますが、時に応じまして仮換地の指定につきましては、一定の条件あるいは期日を定めまして、その間に従前の宅地所有者の権利収益というものを一時停止されるような場合がなきにしもあらずということに相なつて参ります。かような場合におきましては、百一条におきまして、それらに対する権利者の補償を行う旨を規定いたしたのでございます。以上が百一条の趣意であります。 次に、第四節の換地処分に移ります。換地処分の意味といたしましては、まず土地に関する権利を変更する一つの権利の形成的な行為と、それから清算に関する金銭の給付の義務を課する処分と、この二つの性格を換地処分の内容として持つておるわけでございますが、その点を第四節には手続といたしまして規定をいたしております。 百三条は、換地処分の具体的方法でございますが、これはここに掲げてございますように、関係権利者にただいま申し上げました権利の変更に関する事項と、それからもう一つは、清算に関する金銭の給付の方法と、これらのことを通知しましていたすという点を明らかにいたしておるのでございます。なお建設大臣、国あるいは公共団体、都道府県知事が換地処分をした場合におきましては、この換地処分を終了した結果をそれぞれ公告することを規定いたしております。それからそれ以外の個人施行者あるいは組合、府県以下の下級公共団体であります市町村ないしは市町村長が換地処分をいたす場合におきましては、府県知事までその結果を届け出ることにいたしております。 百三条の第五項におきましては、換地処分の結果といたしまして、市町村の区域内の町、字の区域または名称につきまして、変更、廃止が必要となつた場合におきましては、これもあわせて公告をしなければならないということに規定をいたしております。 百四条は、換地処分の効果であります。換地処分の効果といたしましては、先ほど申し上げましたように、換地処分の公告のあつた日の翌日から、新しく定められた換地は従前の宅地とみなされることになりまして、従来の土地の上にありました権利がそのまま同一内容をもつて新しい換地の上に存続することに相なるわけでございます。なお換地を定めなかつた場合におきましては、従前の宅地の上にあつた権利は、公告の日以後当然消滅する、こういう効果が出ることを明らかにいたしておるわけでございます。 次に、第五節に移ります。第五節は、減価補償金の規定でございます。土地区画整理事業本来の目的は、健全な市街地の造成にあるわけでございます。従つて事業の施行後におきましては、宅地価格の値上りがあるというのが原則になるわけでございます。しかし、特殊の場合におきましては、ことに広い面積の駅前広場を造成する場合でありますとか、あるいは広幅員の街路を建設する場合のごときにおきましては、これらの用地に土地が提供せられる結果といたしまして、宅地価額の総額が施行前よりも減少する場合が想定せられます。かような場合におきましては、百九条におきまして、それらの権利者に対して、差額に相当する金額を減価補償金として交付しなければならないということを義務づけておるのでございます。 第六節は、清算の規定でございますが、これにつきましては、従来の法律に定められておつたものを、大体踏襲いたしております。これに対する説明は省略させていただきます。 〔田中(角)委員長代理退席、委員長着席〕 次に第四章の百十八条以下、費用の負担及び補助の関係に移ります。 まず百十八条におきましては、土地区画整理事業の施行に要する費用は、施行者が負担するのを原則とするという、原則を明らかにいたしておるのでございます。二項におきまして、行政庁施行、つまり行政機関たる都道府県知事あるいは市町村長が施行する場合におきましては、それらの費用は、所属する地元公共団体である都道府県あるいは市町村が負担するということを規定いたしまして、さらに国の機関としての建設大臣が施行する場合におきましては、当然国が負担することを規定いたしたのでございます。それから建設大臣以外の行政庁が施行する土地区画整理事業については、政令で定めるところによつて費用の一部をそれぞれ国が負担することも、あわせて第三項に規定をいたしております。 百二十条におきまして、受益者負担金の規定を置いております。すなわち、公共団体あるいは行政庁が施行者である場合におきまして、施行地区内の宅地の所有者あるいは地区内の宅地の借地権者に対しまして、事業の施行による受益の限度におきまして、それぞれ政令の定める基準に従いまして、費用の一部を受益者負担金としまして負担させることができる旨を規定いたしたのでございます。 第百二十一条は、区画整理事業に対する補助金の規定でございます。これはここに規定してございますような大規模な公共施設の新設、変更あるいは災害その他の事情によりまして、必要と認める場合におきましては、国が土地区画整理事業の費用の二分の一以内を補助金として交付することができる旨を規定いたしたのでございます。現在におきましても、戦災復興事業等におきまして、国からそれぞれ公共団体に対しまして二分の一の補助をいたしておりますが、さようなことを規定の上で明らかにいたしておるのでございます。 第五章、監督の章——監督につきましては、まず事業計画において定められる設計につきましては、従来は、すべてこれは建設大臣の認可を要するという建前になつておつたのでございますが、今回の法案におきましては、これを改めまして、軽微なものはその権限を都道府県知事に委譲するということを明らかにいたしております。なお施行者に対する監督規定をそれぞれ整備いたしまして、ことに組合が施行者である場合におきましては、組合に対しまして職権監督のほかに、組合員の請求に基きます都道府県知事の、組合の費用あるいは会計検査、総会召集等の権限、義務に関しまして、それぞれ規定を新しく設けることにいたしております。 なお第三の問題といたしまして、組合、地方公共団体、行政庁がそれぞれ施行者としましてなした処分につきましては、訴願の道を開くことにいたしております。 以上が監督に関する内容でございます。 罰則につきましては、省略させていただきます。 以上をもちまして、土地区画整理法案の逐条説明を終りまして、次に、土地区画整理法施行法案の内容につきまして、御説明を申し上げます。 土地区画整理法の施行法案の中で、特に御留意を願いたいと思います点は、旧法から新しい法律に切りかえる方法といたしまして、まず第三条におきまして、従来の土地区画整理組合あるいは土地区画整理組合連合会で、それぞれ事業を施行いたしておりました場合におきましては、この新法の施行の日から五年間というものは、一応従前の組合あるいは組合連合会がそれぞれ施行主体である関係を認めることにいたして、五年経過後におきましては、当然この新法によるほかは、従来の組合は組合としては存続の権限を失うという規定にいたしておるのでございます。 それから第四条におきまして、公共団体が従来の都市計画法の十三条の規定——この十三条の規定と申しますのは、建設大臣の命令に従いまして、公共団体がその区画整理の事業の施行者となつておる場合の規定でありますが、これは今回の改正におきまして、さような場合におきましては、公共団体が命令を待たずして自発的にかかる整理事業を行うことに切りかえられておりますが、これらの場合におきましても、新法施行の耳から五年を経過した日においてかかる事業を現に施行しておるものは、その日において廃止されるということにいたしまして、五年間に限りこの事業の存続を認めておる、かようなことに相なつております。 第五条は、行政庁が施行しておる土地区画整理に対する新法と旧法との関係でございます。旧法によりまして行政庁が施行しておる土地区画整理事業は、それぞれ新法施行の日におきまして、この新法の根拠によりまして、それぞれ土地区画整理事業を施行することになるというふうに規定をいたしております。すなわち新法施行によりまして、当然新しい土地区画整理法に基く事業に切りかえられるということに規定をいたしておるわけであります。 以上が、施行法案につきまして御留意を願います内容のあらましであります。 以上をもつて一応の御説明といたします。
○久野委員長 両案に関する質疑は次会に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十七分散会