決算委員会 第58号
- 発言数
- 70 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/11/29
会議録
○田中委員長 これより決算委員会を開会いたします。 この際理事の補欠選任につきおはからいいたします。去る二十五日理事高橋英吉君及び柴田義男君が委員を辞任いたされましたので、理事の補欠選任をいたしたいと存じます。先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議ないものと認めます。よつて委員に再び選任された高橋英吉君及び柴田義男君を理事に指名いたします。 —————————————
○田中委員長 前会に引続き政府関係機関のうち、造船融資に関する件を議題として審議、調査を進めます。 前会の決定に基いて証人吉田茂君に対し本委員会に出頭されるようその要求手続をいたしておきましたが、本日同証人から前回同様病気のためとの理由により出頭いたしがたい旨書面をもつて届出がありましたから、朗読をいたします。 本月二十九日貴院決算委員会に証人 として出頭すべき旨御要求がありま したが、私は病気のため医師の診断 によりなお休養を要する状態にあり ますので、出頭いたしかねます。 右お届けいたします。 昭和二十九年十一月二十九日 吉田 茂 衆議院議長堤康次郎殿 診断書は、 吉田 茂 七十六年 病 扁桃腺炎 附鼻咽頭加答児及 神経痛 附記 尚当分の間(約三日間)静養を要す 右の通り診断します 昭和二十九年十一月二十七日 東京都港区赤坂新町三丁目一五番地 医師 馬場辰二 よつてこの際、証人の主治医である馬場辰二君を参考人として招致いたしましたので、証人吉田茂君の病状並びにその経過について説明を聴取いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。 それでは馬場参考人に発言を許します。
○馬場参考人 まず前後の事情から簡単に申し上げます。 二十四日の夜秘書官から電話がありまして、総理が少しぐあいが悪いから、かぜだろうと思うが明日衆議院の決算委員会に出席されてもよいだろうかということでありました。体温はと尋ねると三十七度二分ぐらいという話で、自分は御旅行の疲労もあるのだろうと思うし御老体でもあるから、明日の出席はお見合せ願いたい、明日診察の上で診断書がいるようなら差上げますけれども、とにかく療養の手続をしてもらいたいと答えておきました。 総理が外遊から帰られましてから初めて拝見したのが十一月十九日でありました。そのときの御容態は、別に病気というほどのことは見えませんでした。お話を聞きますと、ホノルルで戦没者の墓に参詣して無帽で炎天に照らされたために気持が悪くなつて嘔吐を起した、そのために寝込んでしまつて予定の出発の時間が少し遅れたという話でありました。これが日本時間の十六日に当ると思います。それでドイツのボンというところで同じようなことがありまして、お吐きになつたそうです。それから英国に行かれてから時候が冷えるので神経痛を起して、神経系統の病気の大家といわれるドクトル・コープマンという人に診察を受けられまして、その人の紹介で整形外科のドクトル・カージナルという人にエツクス・レイの検査をやつてもらつた。それから腰の骨が少し曲つておるという診断で、コルセツトをはめてくれたそうです。今でもそのコルセツトをはめておられます。 話は本筋にもどりまして、二十五日の朝大磯に参りました。拝見しますと体温は三十七度五分、つばをのみ込むとのどが少し痛いと言つておられる。のどを拝見しますと扁桃腺が少し充血してはれておりますという状態で、きようは神経痛の方も少し痛いと言つておられました。これは英国で痛かつた神経痛と同様なもので、ことしの二月から三月にかけて歩行困難に苦しまれたときの神経痛とは別ものと見るべきものであります。あれは性質が違うと思います。神経痛は冷え込んだり熱が出たりしますと、少し増悪するのが普通であります。自分が静養を勧めたのは上述のような容態によつてであります。 それから二十七日に診察しましたときの容態は、体温は三十七度二分に下つておりました。充血は、少し程度は減つておつても場所は広がりましてのど全体が赤くなつておりました。またときどきくしやみが出ております。これはかぜの普通の経過であります。気分は大いに軽快で来客などと話しておられました。まだ扁桃腺の痛みが少し残つております。 これを要するに大した御病気ではありませんけれども、まあ注意を要するという御容態であります。そういう御容態でありました。
○田中委員長 並木君。
○並木委員 ちよつと質問しておきたいと思います。 過去にさかのぼつて、この前召喚をしたときに出られなかつた理由、それに当るかどうかということについては他の委員からまた質問があろうと思いますので、私はあしたから始まる臨時国会に関連して馬場さんと官房長官にはつきりお尋ねしておきたいと思う。きようの診断書は昨日お書きになつたのですか、それともけさあらためて診断をしてその結果お書きになつたのですか。
○馬場参考人 第一回は二十五日に差上げました。第二回の診断書は二十七日の晩に差上げました。
○並木委員 きようの診断書は……。
○馬場参考人 二十七日の晩……。
○並木委員 二十七日の晩ですか。
○馬場参考人 ええ。
○並木委員 そうするときようは二十九日ですから、おとといの二十七、八、九と三日間ですか、うまくできてますな。そうすると昨日は全然診察しなかつたのですか。
○馬場参考人 きのうは診察しません。二十五日から、先ほどお話する通り大した御病気じやないから、二十五日診察してその次が二十七日です。それから診察しません。
○並木委員 そうすると委員長がさつきそこで読まれた診断書は、日付は二十九日になつておりますね。
○田中委員長 いや二十七日になつていますよ。
○並木委員 そうすると、二十七日の診断ですと、きのう、おととい二日間あつたわけですが、それで今の馬場さんのお話ですと、熱は三十七度そこそこで、前後を通じてみるときに、結局は大したことはなさそうだ、こういうことですか。
○馬場参考人 ええ、そうです。
○並木委員 そうするとずいぶん無責任じやありませんか。こういう重要な決算委員会に出られるか出られないかを診断をされるのに、二十七日に診断した結果だけで三日間というものを出して——もう一度慎重に夕ベなりけさなり診断をしてから出さるべきではなかつたかと思うが、その点についてお医者さんとしてどうですか。 〔発言する者あり〕
○田中委員長 御静粛に願います。
○馬場参考人 先ほどからお話します通り御老人でありまして、御老人のかぜというものは大した御容態でなくとも要心しなければならないものですから、それでおとといの診断で診断書をというお話でしたから上げたのです。別にその日に診察して診断書を出さなければいかぬということは伺つておりませんから。
○並木委員 そうすると、あしたから始まる臨時国会にまだ出て来ることができないというおそれもあるのですが、その点はどうですか。 〔発言する者あり〕
○田中委員長 自由党の方黙つておつたらいいじやありませんか、人が質疑しているときに……。
○馬場参考人 診断書というものはそのときの容態で医者の方で必要と認めることを書くのですから、それにかかわらず御自分で出席されればこれは別なんです。
○並木委員 それにしても、この際医師の診断ということはわれわれは非常に尊重する立場にあるので、私は今すぐにでも馬場さんに大磯へ電話をかけてもらつて、きようはどうだとそれを確かめる、あるいはすぐ飛んで行つてもらつて、そしてきようの診断をわれわれに見せてもらわなければ、ビールの気がぬげたような診断書です。この大事な会議に出られるか出られないかというのに、重態でとてもこれは三月とか三週間——私さつき三週間と聞いたから聞き違いじやないかと思つたのですが、そうではなく向う三日間くらいの静養を要するということを聞きますけれども、このくらいの程度で——この間緒方さんとか何とかいう者を呼んでお家の一大事と二時間も三時間もおそこでぺちやくちややつているのです。そういう状態のものを三日先の先付小切手のように出してあと診断もしないで、ここであぶないというふうに押えつけるのは、私は国会を軽視していると思うのです。ですから私は委員長において至急手配をとられるように進めていただきたいと強く要望いたします。
○田中委員長 馬場参考人に伺いますが、診断書は総理大臣の方から三日間と書いてくれと言われたのですか。
○馬場参考人 それは私の意見でやりました。
○田中委員長 しかしふしぎですね。あした臨時国会に出なければならぬが、きようは休んでというふうにちようどよく三日と合いますね。何か医者のほかに易学の学問でもされておるのですか。
○馬場参考人 医者の方としては、やはり三日間静養させた方がいいという意見なんです。
○田中委員長 ただふしぎに思うのは、あした臨時国会で出て来なくちやならぬ、あした出られるものならきよう出られる。それをぴしやつと三日間にして、あした出て来られるように、三日と当てられたということは、あなたは二十七日に診察されたのでしようが、それをぴしやつとあてられたということは、医学だけでなくて、何か易学でもやつていらつしやるのですか、あなたの勘であてたのですか。
○馬場参考人 かぜの容態で、大体三日ぐらいでなおる、約と書いてあるのです。病気のことは占いでははつきりわかりません。
○田中委員長 それではあなたの勘で当てたわけですね。
○馬場参考人 勘でなくて私の経験上したのです。
○並木委員 官房長官にお尋ねします。どうなんですか、あしたからいよいよ臨時国会が始まる、そして吉田さんはやめるとか、やめないとか言つておる、今のところはやめないで、臨時国会の初日には出て来られて、施政方針だか、外遊の報告だかやることになつておる。今お医者の話を聞くと、かなり重態、それがきようを境にしてあしたは出られるということは、これはずいぶんマジツクですよ。ほんとうに陰謀だと言われても返す言葉はないと思うのですが、官房長官としては、あした必ず吉田首相は出て来てやるということを言明できるのですか、できないのですか、どうなつておるのです。
○福永国務大臣 医師の診断等についてはただいまお聞きの通りでございます。明日から臨時国会が始まるわけでございますが、明日は開会式並びに総理大臣あるいは大蔵大臣の演説も予定されております。従つて私の立場においては是が非でも明日は総理大臣に出席を願いたいと存じておりまするし、また病気ではございまするが、どんなに無理をしても本人も出て来べきものであるし、来るであろうと私どもは思います。
○吉田(賢)委員 官房長官に伺いますが、今馬場医師は、当分の間(約三日間)静養を要す。そこで当委員会には本日出頭はしておらぬし、出頭できない、こういう診断の結果の御発言なんです。あなたは明日の開会式もあるし、総理の議院における演説の予定もあるから、是が非でも出席しなければならぬという御見解でありましようし、そうきすべき御予定らしい。そういたしますと、この委員会はすでに前後三箇月ほどにもわたつて、吉田首相の出頭を要求いたしておりますので、そういう経緯から考えますと、やはりあなたもこの委員会にきようはぜひとも出るようなお手配を——なおあす出る、出さすべく御予定になつておるごとくですが、そういうような十分の手配をせられなくちやならぬと思います。その点について、現に昨日は診断も重ねてすることなく、今医師がおつしやつたような、あの程度のきわめて簡単な文句をそのままとつて、きようは出頭しない、こういうことになつておりますので、やはりこの点は非常に決算委員会を無視されておる行為としか思えぬのであります。あすは是が非でも出さすべく決意しておるのだが、きようは是が非でも出なければならぬというふうに、どうしてなさらぬだろう、こう思うのですがいかがでしようね。
○福永国務大臣 病気のことは私はよくわかりません。ことに高齢のものでございますから、あまりむちやをしいるわけにも参らないわけでございます。吉田さんの御説にもありまするごとく、明日の国会出席もさることながら、本日も出られるということになりまするならば、そのことはなお望ましいと私も思います。でございますけれども、明日の国会出席ということにつきましては、これは政府といたしまして所信を明らかにすることでもあり、まさしく私の直接関係することでございますので、前々から非常に心配をいたしまして、是が非でもと考えております。同じようなことは本日の場合も言えるわけではございますけれども、これは今まで医者も言われたような健康上の理由であり、また証人喚問と申しますることは、若干個人吉田茂に対する要求でもございます。さりとて総理大臣たる吉田茂個人に対することでございますから、もとより私は重大な関心を持ち、出られるならば出てもらいたいと思つておるわけでございます。しかし医者が先ほどもるる申しておるようなわけでございまして、健康上のことにつきましては私どももしろうとであります建前上、医者の意見を尊重しなければならないのであります。決してしろうとが無理をしいるべきものではない、かように存じます。
○吉田(賢)委員 しかしあなたは、委員会のこの問題は吉田茂個人に対する要求も含んでおるというようなお話で、従つてあすの本会議におけるその方がより重大だというような考え方から扱つておるらしい。しかしながら当委員会における出頭の義務は、私が申し上げるまでもなく、国会証言法に基いておるものであります。かつ九月十五日、十八日以降、外遊に出発せられるまでのさしつかえ理由というものは、政府におきましても差控えることのできない重要な公務の支障のために出頭できなかつた、こういうふうにあなたの方では用意もせられ、また弁解もせられる等々して来たのであります。しかるにこのたびに限つては、単に馬場医師の一昨日の夜診断した結果に基き、当分の間静養を要するというきわめて簡単な、そういうことのみにたよつている。前回のごとく吉田総理がここへ出頭して、そして応答するという義務を尽すことの可能のいかん、また今日十時現在における病状の程度いかん、そういつたことを詳細に、やはりあなたとしては十分に調べ尽して、そして国会に臨んでもらうべきはずであります。今日あなたに出頭願つたことも、官房長官に対しまして吉田首相の出頭しない理由について、その理由の妥当性の有無をわれわれ当委員会として明らかにすることが目的でありますが、外遊前の当委員会に対する態度の慎重さと、帰国後の今日の病気を理由に出頭しないあなた方の態度の疎漏さとは、実に雲泥の違いになつておる。これは要するところ、やはり国会軽視の現われだと思います。私ども決算委員会は、国会の重大なる任務遂行の委員会でありますので、数箇月にわたつていろいろともみにもんで来た経緯もあるわけであります。今日出られないことについてあなたの方で十分な調査をしないということはもつてのほかだと思います。吉田さんの出頭を求めるということは、同時に総理として出頭していただいていろいろと聞かなければならぬことがあるからであります。きようあなたはお越しになつて、医師がるる述べておると言われるが、別に医師はるると述べておるのではない。きわめて簡略したことを数行医師が書いて述べたにすぎないのであつて、きようの現在の病状は、馬場さん、あなたは知らぬ、十時現在の病状は知らぬのですね。——そういうことを確かめることもしないで漫然とするということは、やはり委員会軽視のそしりを免れないと思います。あなたとしては責任を尽しておらぬと思うがどうですか。
○福永国務大臣 海外出張の前に当委員会に私はお呼出しを受けまして、当時の状況を詳細に申し上げました。そのときの事情とただいまと違うとおつしやるわけでございますが、あの当時は詳細に申し上げましたごとく、公務輻湊いたしておりまして、いかんとも出席いたしがたい事情にございました。内閣官房長官は総理大臣の公務錯綜の状況につきましてはもとよりみずから関係することでございます。ことに第一義的に、さようなことにつきましては詳細に承知いたしておる責任があると存ずるわけであります。従つてさような見地におきまして詳細に申し上げました次第でございます。 病気につきましては、病気は医者というふうに、その点はそれぞれ担当があるのであります。ただいま私がこのことにつきましてあまりに詳細に申し上げないということでおしかりをいただいたようでありますけれども、しろうとの私が病状につきまして詳細に申し上げること自体が、これが考えを要するところでございます。私どもは病気等につきましては、確信をもつて申し上げられるだけの知識もないわけであります。ただ先ほどお話のごとく、このことにつきましてはもとより関心をもちまして医者の話を伺い、その意見を尊重いたしておる次第であるわけであります。
○吉田(賢)委員 しかしあなたは明日は本会議におきまして総理の演説をぜひ求める、ぜひそれはしてもらわなければならぬという強い決意をここで表明しておられるのであります。それならば、医者はおとついの診断の結果、きようは出頭しないことが相当だという意見を出しておる、その医者に聞くこともせずにあなたが明日のことを判断するということは、これは少し冒険であると思う。明日出られるということが確実であるということであれば、きよう及びきのう適当に医者は診断して報告もしなければならぬ。おとといの診断の結果診断書ができておるにすぎない。その診断書によつて医者は述べておるにすぎない。あなたはそれ以外に、医者は医者の領域によつて言うのであつて、しこうしてあすの出頭はぜひともというふうに今お述べになつておる。ここはまつたく一面において医者の立場を無視し、あなたの独断によつて本会議の方だけは何とかしようとしておる。当委員会だけは医者にまかして、医者の言うことはもつともだということであるならば、あなたは十分弁解し、説明されたようでありますけれども、これは半分の説明しかできておりません。あなたは十分に事をわきまえてやつておられる人でありますけれども、実にあなたの言うことは論理矛盾して、まつたく筋の通らない説明になつておる。
○福永国務大臣 明日のことにつきましては、ぜひそうありたいという私どもの希望を申し上げた次第であります。
○吉田(賢)委員 私は明日のことを約束すべくあなたに発言を求めるのじやありません。しかしながらやはりこれは全国の報道機関の環視の中の答弁でありますから、軽々にあなたが明日のことを云々することはいかぬことだと思うのであります。なぜならばあしたの国会の運営ということも事非常に重大でありますので、その点を医者に十分に確かめることなくして独断でおやりになり、独断でお述べになつておるということになると……。 そこで馬場さんに聞きますが、あなたは——失礼ですが、きようこういう重要な御発言を願うのに、きよう朝十時現在の総理の病状を調べる必要をお感じになりませんでしたか。またきよう出頭してここの質疑応答に耐えられるかどうかということは、御承知であつたのか、どうなんですか。
○馬場参考人 さつきもお話しました通り、二十七日に見た結果、どうしても二、三日は静養された方がいいという診断ですから、きようわざわざ見るといつても、大磯と離れておりますから、それほどの大した病気と思いませんし、しかしきよう静養された方がいいということを申し上げておいて、そして出られるか出られないかということは、御本人の自由になるわけです。医者の方としては、それほど毎日見なければいかぬというほどの病気と思つていないのです。
○吉田(賢)委員 そうしますと、馬場さん、重ねてあなたにお確かめしますが、きよう当委員会へ出て来て委員の質問にも答えることが、吉田さんとして病状から見て可能であるかどうかということは、それは本人の意思次第でできることである、気が向いたら別に出て来てもさしつかえない状態とお思いになるこういうことですか。
○馬場参考人 医者の方では御病気がまだ残つているのですから、静養された方がいいに違いない。
○吉田(賢)委員 静養された方がいいというようなことを聞くのじやないのであります。やはりここへおでましを願つて、そして質疑応答に応じることが、あなたの見解によつて可能であるのかどうかということを聞くのであります。今お聞きすれば、それは本人の意思次第というようにおつしやつたが、しからば病状には別にさしつかえないけれども、気が向かなかつたら出て来ないだろう、こういうように解していいのですかと聞いているのです。
○馬場参考人 それは御病気の養生については、十分こつちは注意を申し上げているのです。それ以上の行動は私の力の及ばないところです。
○吉田(賢)委員 あなたに伺いまする趣旨は、総理がここへ出て来て質問応答に答えられるには耐えられるようなのか、不可能のような状態であるかということについての、あなたの所見を聞いているのです。ただきよう本人の気が向けば来てもよかろうというようなことであれば、別に病気は不可能とは思わぬというふうに了解してよろしいかと聞いているのです。
○馬場参考人 私の言うのは、可能不可能の問題ではなくてどつちがいいという問題です。出る方がいいか、出ない方がいいかという問題です。それはからだのために出ない方がいいということです。
○吉田(賢)委員 そうしますと、重ねて聞きますが、明日は出た方がいいのか出ない方がいいのか、あるいは可能か、その点についてはどうですか。きようのところはそういうように断言になつたのですが、重ねて明日のことを伺います。
○馬場参考人 私の判断では、明日まで静養された方がからだのためにはいいと思う、私はそう思います。
○吉田(賢)委員 明日も養生して出て来ない方がからだのためにいい、しかし出て来て来れぬことはないということですか。
○馬場参考人 まあそういうことです。
○吉田(賢)委員 そうすると、きようも出て来て来れぬことはない、しかし静養した方がいい、そういう意味ですか。
○馬場参考人 そうです。
○田中委員長 官房長官、ちよつと聞きますが、どうもあなたはきよう出て来て、言い訳さえすればいいように簡単にお考えになつておるが、国民は吉田総理を決算委員会に是が非でも呼び出してただしてくれという声が非常に大きいとわれわれは信じておるのだから、あなたも国会議員の一員として、ひとつなるべく総理大臣を出すように努力しなさいよ。あなたの選挙区だつて、あれだけ大きな犠牲を払つてあなたを出しておるのじやないか。あなたの選挙区に行つてもあなたの考えと違いますよ。出すように努力しますか、どうですか。
○福永国務大臣 出られるような状況なら、なるべく出ることを終始私は望んでおる次第であります。
○杉村委員 本日はもうこの程度にして——どうも吉田総理は診断書を出して、きようも出て来られない。しかも主治医の話を伺つておれば、出て来られば出て来られないことはないということは、先ほど言われたのであります。それは七十六歳の人で、こう寒くなつておるから、毎日寝ておればいいに違いないが、そんなことを今ここで論議してもしかたがありません。第十九国会はもう本日でわれわれがやつて来たことは終りになるのですが、第二十国会が明日から始まるのですから、すぐさま二十国会の冒頭において、吉田総理を証人として喚問するということを決議して——その決議が有効であるか無効であるかは別としましても、少くともわれわれ二十国会において開会早々、吉田総理を証人に喚問して調べるということだけ、本日ここで決議をしていただきたいと思います。 〔「賛成」「採決々々」「ちよつと待て」と呼び、その他発言する者多し〕
○田中委員長 御静粛に願います。
○柴田委員 十九国会はきようで終ります。明日からは二十国会に入るのでありますから、明日からの二十国会におきまして、この問題を論議されることがいいと思いますので、採決の要はあるまいと思います。 〔発言する者多し〕
○田中委員長 御静粛に願います。
○並木委員 議事進行について発言します。きようは重要な決算委員会があるので、われわれの方の責もそろつておるのでありますが、あすの臨時国会を控えて総務会やら国会対策委員会を急速でやつておる。いざ鎌倉というときにはいつでも来るから、呼び出してくれというので、待機しておりますから、ほんの五分間休憩してください。
○田中委員長 杉村君の動議に対して、十分間休憩後にこれを採決いたします。 午前十一時五十八分休憩 ————◇————— 午後零時二十五分開議
○田中委員長 休憩前に引続き再開いたします。 先刻の杉村沖治郎君の動議についてでありますが、本日をもつて閉会中の審議の期間が終了いたしますので、証人吉田茂君の喚問については、臨時国会においてあらためて成規の手続を経て決定いたしたいと思いますから、これに賛成の諸君の起立を求めます。——押谷君。
○押谷委員 杉村君の動議がありましたが、さような決議は議事法の関係から見まして有効なものとは考えられませんから、自由党を代表して反対の意思を表明いたしておきます。
○杉村委員 私のは議事法の論議ではありません。少くとも第十九国会のこの国政調査権に基きまして、総理大臣吉田茂君を証人として喚問して、本日来れば来れないこともないという医師の供述があるのにもかかわらず、ただこのまま散会いたしましたのでは、この十九国会において吉田茂君を証人として喚問することについての結末がついておりません。そこで本委員会は、その決議が第二十国会において有効か無効かは別といたしましても、本委員会の意思としてそのような決議をもつて結末をつけるという意味合いにおいて、私は動議を出しておるのでありまするから、何ら法律論を論議いたしておる必要はないと思うのであります。
○押谷委員 杉村君自身が、この決議が有効か無効かに疑問を持つて出されておるようでありますが、次の国会において決算委員会がいかなることを取調べるかということは、その国会においてその委員会がそれぞれの権限に基いて決定をせらるべきでありまして、次の国会の決議事項あるいは調査事項をこの委員会において今きめられるということは、議事法の関係からはなはだおもしろくないことであつて、そういう有効無効の疑義あることをみずから知りながら、さような動議を出されるということはおもしろくございませんし、この決算委員会の権威においてさようなことはせられない方が適当だと考えますから、私は反対の意見を申し述べます。
○柴田委員 杉村沖治郎君の動議に対しまして賛成をいたすものであります。ただちに採決をされたいと思います。
○田中委員長 杉村沖治郎君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田中委員長 起立多数。よつて右の通り決定いたしました。 本日はこれで散会いたします。 午後零時二十八分散会