決算委員会 第55号
- 発言数
- 31 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1954/11/15
会議録
○田中委員長 これより決算委員会を開きます。 この際、理事の補欠選任につきお諮りいたします。去る十月十二日、理事河野金昇君が委員を辞任されました。よつて理事の補欠選任を行わねばなりません。先例によりまして、委員長から指名いたしたく存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認め、再度委員となつた河野金昇君に理事をお願いいたします。 —————————————
○田中委員長 本日は政府関係機関収支のうち造船融資に関する審議に関連して、さきに証言承認を要求いたしました法務大臣の承認拒否の問題を議題といたします。すなわち、さきに証人佐藤検事総長及び検事正馬場義継君の職務上の秘密に関する証言等につき、その承認を法務大臣に求めたのでありますが、これに対し、九月二十一日付法務省刑事秘第四百六十九号をもつて、お手元に配付いたしておきました通り法務大臣から回答があり、加えて承認拒否の理由の疏明がなされたのであります。すなわち、右承認拒否の理由の疏明は、さきにお手元に配付いたしておきました通りでありまして、すでに御参照願つたことと思います。つきましては、右承認拒否の理由を受諾するかいなかその取扱いについてお諮りいたすのでありますが、この際、法務大臣の出席を求めその理由につき質疑応答を求める予定でありましたけれども、出席されないので、その理由を刑事局長から弁明されるそうであります。刑事局長の発言を許します。井本刑事局長。
○井本説明員 小原法務大臣は、本日午前十時のお呼び出しで当委員会に出席される予定でございました。本日午前九時半までに法務省まで到達する予定で自動車が自宅までお迎えに参りましたところが、自動車の運転手に次のような病気で、きようは出頭できないというおことずてでございまして、診断書が秘書課長の手元まで届いたのでございます。診断書は、先ほど委員部の方にお届け申し上げてございますが、東大の田坂内科の吉利和というお医者さんの診断書でありまして、病名は急性腸炎兼急性気管支炎でありまして、右疾患のため数日間安静加療を必要と考えるという診断でございます。おそらく腸を悪くしてかぜを引いているということになると思いますが、本日はさような事情で出頭できないのでございます。 右の通りお答えいたします。
○田中委員長 右に対して……。
○杉村委員 ただいま井本刑事局長から小原法相の出頭できない病気の内容を申されたのですが、おとといまでは出席すると言われておつたことを私どもは承知しておる。しかしながら病気だからやむを得ません。しかし、われわれはこの問題につきましては、もう小原法務大臣が出て来なくとも内閣声明を求めてよろしいのであります。小原疏明なるものはわれわれは納得できないのだから、このまますぐに内閣声明を求めてもいいのでありますけれども、いわゆる法律家であるところの法務大臣のあのような疏明でただちに決算委員会から内閣声明を求めるということはどうかと思う。われわれはどうしてもこれを尋ねて、また小原法務大臣がそれでなるほどこれはわれわれの疏明が足りないということを自覚されるならば、われわれもあえて内閣声明を求めないでいいのでありますけれども、ただここで病気で数日出られない、本日になつてそういうことになりますと、われわれ内閣声明集める時期の関係等もありますので、これについて小原法相の自宅へでも行つて質問応答してはどうかと思うのですが、それらの点について井本刑事局長はどう考えるか、まだあなたはお目にかからぬのでありましようが、なお幾日も出られないということになれば、どうしてもそういうことを考えねばならぬのでありますから、このわれわれの意のあるところを小原法務大臣に問うてみていただきたいのでございます。
○井本説明員 お答えいたします。小原法務大臣は、私が一昨日お目にかかりましたときには、本日定刻にはこの委員会に出頭いたしまして御答弁申し上げると言うておられましたし、本日も九時半までに役所の方へ出るからというお話でございまして、車の手配もさようにいたしておつたのでございます。おそらく急にかぜでも引かれたのではないかと私は考えるのでございます。従つて、医者の診断書には数日と書いてございますが、一両日でおなおりになるのではないかと考えるのでございます。前からもときどき腸を悪くされて、旅行の予定などを変更されることもままあるのでございますが、一両日でいずれも回復しております。従つて、そう長い間御迷惑をかけるようなことはないと私は確信しております。なお法務大臣の疏明につきましては、御自身でも委員会に出席いたしまして説明申し上げるというお気持であつたようでございますから、しばらくお待ちを願えれば必ず御自身で御出頭になつて説明されると考えるのでございます。
○田中委員長 刑事局長、きようでも行かれてなお一週間もかかるのか、ちよつと知らせてください。 〔「意のあるところを……。出られないというなら、われわれ行つて聞くのですから……。」と呼ぶ者あり〕
○井本説明員 お話の御趣旨もございまするから、私本日法務大臣にお目にかかりまして、杉村さんのお話等をお伝えしてお気持をお確かめしたいと考えております。
○柴田委員 法務大臣の出席をわれわれは国民とともに非常に期待をしておつたのでありますが、遺憾ながら急な病気で出席できない。こういうことはどうも納得ができないのでありまするけれども、東大病院の診断書を添えて出席できないという理由が今明らかにされましたので、私どもは疑いたくはございませんが、昨日前幹事長の佐藤榮作さんが帰つて来ておる。何かお打合せがあつて出席しないのではないか、こうも思われるし、もう一つは十七日に吉田総理が帰つて来られる。そのあとでなければ出席のできないという何か理由でもあるのかという疑いを持たざるを得ません。その問題は別といたしまして、われわれは総理大臣に対しまして出席をしないことに対しまする告訴を提出しておつたはずであります。当委員会が告訴をいたしましたことによつて聞くところによりますると、杉村委員あるいは委員長等が検察庁で取調べを受けたということを聞いておりまするが、当然これは個人の田中氏あるいは個人杉村氏の取調べでなくて、告発者である決算委員会という立場からの取調べであると思いますので、この取調べられました経過を杉村委員から御報告を願いたい、こう思うのであります。
○杉村委員 ただいまの柴田委員の御発言でございますが、実は私の方からこれは当然に当決算委員会に報告をしなければならないと思つておつたのでございまするが、今私がうつかりしている間に柴田委員からそういう御発言があつて、まことにこれは当然なさなければならないことを、むしろ私の方が遅れておつたことを相済まないと思つております。 実は先月の二十八日に東京地方検察庁の神谷検事から総理大臣告発に関して尋ねたいから来てもらいたいという召喚があつたものでございますから、私は東京地方検察庁に出頭をいたしまして、いろいろと取調べを受けました。その内容は当決算委員会の告発いたしました告発状についての趣旨並びに当決算委員会において吉田総理を証人に喚問するに至つた経過等について、こまかく取調べを受けまして、多分時間は六時ごろじやなかつたかと思いますが、午後の一時から夕方まで尋ねられまして、それはすべて調書になつております。 私はその召喚には喜んで出席をいたしました。従つてこれは私の御報告でありまするが、この際私は、この私の取調べを受けたことについて、これは単に杉村沖治郎個人としての問題ではありません。決算委員たる杉村沖治郎として吉田総理告発についての取調べを受けたのでありますから、われわれを地方検察庁が呼びまして取調べをした以上は、吉田総理を当然帰国したならば取調べるものであろうと信じております。新聞等の報道によりますると、最高検察庁も吉田総理を取調べるというような記事もこの間出ておつたようでございまするが、しかしこの際私は委員長にひとつ要望をいたすのでありまするが、当決算委員会はもう委員長もその取調べを受け、私もその取調べを受けた以上は、今度は当然吉田総理の取調べを検察庁はなすべきものであるという、これは私どもは当然のことと考えておるのでございまするから、この際当決算委員会から、委員長ひとつ検事総長に対してさらに念を押すために、これを要請をしてもらいたいと思うことをつけ加えて私の報告を終ります。
○藤田委員 ただいま杉村委員からの御発言がありました。取調べの具体的内容に関しましては、われわれも告発の一員として承知いたしておりますから、詳細な御報告は省略されたと思います。つきましてこの機会に井本刑事局長が出席されておりますので、お伺いしたい。 大体被告発人たる吉田総理の出頭はいつごろ求められる予定であるか、刑事局長として大体のお見通しはどうか、連絡はやつているものと想像をいたします。
○井本説明員 何月何日までに調べるという報告は来ておりませんが、そう遠からざる期間に取調べをすることになると考えるのであります。
○藤田委員 告発側はすでに決算委員長と杉村理事二名まで呼出しを受けまして、委細調査を受けている。遠からずということは、大体常識的にいつごろまでに呼ばれる予定であるかお伺いしたい。
○井本説明員 遠からずということで何月何日までということは、ちよつと申し上げかねます。少くもお帰りになつてから一月もたたぬうちであるということを私は考えるのでございます。
○藤田委員 現在の刑事訴訟法におきましては、告発者に対しまして告発事件の処理状況は検察庁から連絡の必要があります。これは法律の明示するところであります。従いまして告発者たるわれわれとしましても、荏苒日を送るような態度がありましたならば、さらにこれは何らかの具体的手を打つ必要があるわけでありますが、ただいまの刑事局長の御答弁によれば、大体一箇月以内というふうな御答弁であります。その一箇月という基準を出されました理由がありましたら、お伺いしたい。
○井本説明員 別に基準があつて申し上げたのではございませんが、遠からずというのが一番適当な表現と思いますけれども、しいて申し上げれば、さようなことでも申し上げれば御納得が行くと思つて申し上げたのでございまして別に根拠があつて申し上げたのではございません。
○藤田委員 そうしますと、あなたは法務大臣を輔弼する責任のある刑事局長でありますが、本問題に関しまして何か打合せをやつておりますかどうかお伺いしたい。
○井本説明員 告発事件につきましては、その大綱につきまして調べの経過は正式に報告を受けております。なお最高検察庁におきましては今週中にある程度調べの方針を協議いたしまして決定するというように聞いております。
○藤田委員 だんだんはつきりして参りました。今週中に最高検察庁で取調べの具体的方法を決定するということでありまして、了承いたしました。 最後にこれは刑事局長の一身上の問題をお伺いしますが、近く刑事局長は東京地検の検事正になるといううわさがあります。その真偽に関しましてこの際刑事局長の御発言があればお伺いしておきたい。
○井本説明員 私の一身上のことでございますので、御答弁は差控えたいと考えます。
○鍛冶委員 私はこの告発の問題については反対いたしておつたことは明瞭でありますが、しかし当委員会として告発状を出された以上は、今お話にもあつた通り刑事訴訟法の命ずるところによつて告発人の取調べのあることは当然でありまして、出頭してお述べになること、またさらに告発人として早くやつてもらいたいとおつしやることも無理からぬと思います。おそらく取調べの際言われたことと思うのであります。ところが今杉村君の言うのを聞いておると、さらにこの上委員長は正式に早くやるような要求をせよということで、これはまことに遺憾千万だと思う。今日この告発事件に対しては、あなた方はどういうことを言われるか知らぬが、世間には、この告発をまつたく政争の具に供しておるということは明瞭なことなのです。さようなことを今からもう一ぺん、この間正式のときに言うたその上にまたやつてくれということは、これをもつて委員会自身が政争の具に供するということを天下に公明することになる。私はその意味において、さようなことはなかろうと思うが、杉村君の言葉に惑わされて委員長がさようなことをされては、当委員会の名誉に関するものと思いますから、さようなことをなさらぬことを私はここに御忠言申し上げておきます。
○田中委員長 鍛冶君にお答えいたします。あなたも弁護士で、法律はよく御存じでしようが、証人に呼ばれて出頭しないから告発されることは当然であつて、告発したことについて、相手が総理大臣だから、やはり国民一般としてもまた当委員会としても、この取調べに対して公正を期するため、早くするためには、杉村君の私に対する要求は何でもありません。これをまた何のために政争の具に供するのですか。証人に呼んで出ない者を取調べるのは当然であり、告訴するのは当然であるから、それによつてしたのだから、政争の具には供しておりません。自由党と違う。
○片島委員 私は、馬場検事正が証人としてこちらに出頭された、その証言拒否の件について新たなる問題がわかりましたので、この際明確にしていただきたいと思うのでありますが、去る九月七日馬場検事正がこちらに証人としてお見えになつておる日に、小原法務大臣が丸の内の飯野海運のビルの地下室の中村理髪店に行かれたわけでありますが、それがこの委員会で問題になりました。その後田中委員長の特使として内田健一君が調査されたところによりますと、中村理髪店の戸田豪君なる者の話によりますれば、床屋に行つて、その床屋で小原法務大臣は、昨日の佐藤検事総長に対しては手放しで証言をさせて、多少言い過ぎがあつた。しかしながらきようは馬場検事正に対しては相当の口どめがしてあるから、決してよけいなことは言わないということを戸田豪君に言われたそうであります。これは私は重大な問題であると思う。証言は、あくまで本人の常識によつて証言を拒否するかしないかということを決定するということを小原法務大臣は言つておきながら、ちよつとした軽はずみであつたか知りませんが、中村理髪店において、しかも馬場検事正が証言をしておる日にかようなことを言つておられるということを、内田健一君が調べに行つたときに、戸田豪君というそこの店員が話しておるのであります。私はこれが事実か事実でないかということはわかりませんが、幸い小原法務大臣と戸田豪君、内田健一君の三人を証人としてここに喚問をしてもらうならば、そういうことを言われたか言われぬかはつきりとわかる。私どもはただ床屋の問題をどうこう言うのではなくして、この重大なる委員会における証言拒否が、このようなちよつとしたことで——小原法務大臣が口を滑らしたことが事実であつたとするならば、これは重大な問題でありますから、ひとつこの三氏を証人として喚問してもらうように、委員長の方からお諮りを願いたいというのが一つ。 第二には、飯野海運から、九月七日のその日に小原法務大臣が弁護料として三十万円を受取つたという投書が当委員会に来ておる。これは投書であるから大したことはないといわれるかもしれませんが、一応投書がある以上はやはり調査をしていただきたいと思う。この調査につきましては、当委員会の資料として委員長の方から読み上げて披露していただけばけつこうでありますが、この問題について委員長はこれから先調査を進められるかどうか、この二つの問題について提案をいたします。
○田中委員長 片島君にお答えいたします。小原法務大臣と内田建一君とそれから今の戸田君の証人喚問については、きようは自由党のものも採決しないということにしておりましたから、一応理事会にお諮りしてそれをきめる、こういうことにいたしたいと思います。それからもう一つの、三十万円の問題については、委員長のところに投書が四、五通来ておりますから、これについて徹底的な調査をし、もしこの問題の、ときの法務大臣がそういうような金をとつたというような問題、あるいは金ぐつわをはめたというような問題か事実とすれば、これは徹底的に調べてやらなければなりませんから、これは一応理事会できめまして、それからこの問題を取上げたいと思います。
○鍛冶委員 さようなことは、あなた、常識で考えて、あろう道理がないじやないですか。小原氏は弁護士じやありませんよ。やたらそういう投書をこさえてはそういう問題を起すということになつたら、この委員会はめちやですよ。そういうことは問題にせらるべきものではない。私はこういうことをいわれるならば、今日これ以上この忙しいのに、ばかばかしいものに相手になつておられませんから、きようは定数もありませんから、われわれは退席いたします。
○田中委員長 鍛冶君にお答えいたします。小原さんは法務大臣になる前に弁護士としてこの事件に携わつて、たとい飯野海運でなくても、ほかの事件に弁護士として依頼を受けたことがあります。(発言する者、退場する者あり)調べることはいいじやないか。常識がどうしてはずれておるのです。鍛冶君、どうして常識がはずれておるのですか。こんな重大な事件をやみからやみに葬つたということが常識にはずれておるのじやないか。
○杉村委員 私は先ほどの問題を、ひとつこの決算委員会終了後、食事をしたら、そう時間もかかりませんから、本日検察庁や検事総長を訪問して、そうしてさきの私の申し上げました趣旨を検事総長にひとつ伝えてもらいたいと思うのでありますが、どうぞお願いします。
○田中委員長 それではお諮りいたしますが、午後一時から検事総長のところに行つて——私は吉田総理大臣を呼び出して調べることはやはりやると思うのですが、しかしそれを拒むことは、やはり法務大臣の職権において拒めますから、これを念を押すためにも、きよう午後一時から検事総長を訪問しようじやないですか。そういうぐあいにきめましよう。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 それではそういうぐあいに決定します。 次に、本委員会においてかねて証人に決定いたしました東京地方検察庁検事河井信太郎君の出頭要求につきましては、さきに証人佐藤検事総長同じく馬場検事正の各証言が職務上の秘密に藉口されて十分な調査目的を達することができず、一時その喚問を延期いたして来たのでありますが、ただいまこの問題について政府の声明を要求することになるのでありますが、ここにあらためて証人河井信太郎君を喚問することにいたしたいと思います。つきましてはその期日を来る十一月十六日午前十時とし、同日出頭を求めることにいたしたいと思いますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔総員起立〕
○田中委員長 起立総員。よつて証人河井信太郎君を十一月十六日午後一時本委員会に出頭を求めることに決しました。なおこの手続については委員長に御一任願います。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十分散会