決算委員会 第28号
- 発言数
- 190 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/05/06
会議録
○田中委員長 これより決算委員会を開会いたします。 まず目下審議中の昭和二十六年度決算検査報告、農林省所管事項中、報告番号五〇八ないし五一三に指摘してあります、直轄工事の経理が紊乱している事項、すなわち印旛沼、手賀沼における干拓事業及び番号五三三銚子における漁港災害復旧に名をかり、不当に改良工事を施行したもの等、その総建設事業費が厖大なる額であるにもかかわらず、その設計が放漫のきらいあるのみならず、これに要する機械及び工事用材料の購入、使用、保管状況等、きわめてずさんであると思われる点が多々あり、直轄工事の経理としてはなはだ適正を欠くように見受けられますので、その実情並びに工事の進捗状況をもあわせてしさいに検討する必要があろうかと存ぜられます。 つきましては過般理事会におきまして協議了解を得ました通り、現地調査のため委員派遣をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 つきましては委員派遣承認申請の手続についてはこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認め、委員長から議長あて申請の手続をとります。 それでは午後一時から農林省所管事項について審議いたすこととし、それまで暫時休憩いたします。 午前十一時二十二分休憩 ————◇————— 午後一時三十七分開議
○安井委員長代理 それでは休憩前に引続いて再開いたします。 委員長が委員長会議で不在でありますから、私が代理をいたします。 前会に審議未了となりました農林省のうち食糧庁を除く他の決算検査指摘事項について審議を行います。前会は主として補助金交付の問題についての質疑応答がなされたのでありますが、すでに御承知の通り農林省に対する会計検査院の指摘批難件数は逐年増加して参り、二十六年度においては三百二十六件でありましたが、二十七年度におきましては実に九百十四件という増加を示し、累年あまり芳ばしくない傾向をたどりつつあると同時に、国の損となる金額も巨額なものとなり、これが対策を考究いたしまして改善いたさぬ限りその前途にきわめて憂慮すべき事態に立ち至つておるといわなければなりません。従いまして以上の見地から、その欠陥の那辺にあるかを、あらゆる再度から慎重に検討する必要があると考える次第であります。委員各位におかれましては、この趣旨に立脚いたされまして、一段の御努力を願う次第であります。 それではこれよりただちに質疑を許します。
○杉村委員 議事進行に関して。これは田中委員長にさつきちよつと話したので、田中委員長が来られてからの方がよいかとも思つたのですが、今会期も明日、明後日で終るのであります。そこでやがて会期の延長問題が出て、自由党や改進党が多数で押し切るということになつて、会期は延長されるとは思いますけれども、しかしさようなことを今からわれわれが考えるべきではなくて、ただいま議題になつておる審議事項その他については、合法的に審議を進めなければならぬ。ついては会期が延長になつたならばなつたときといたしましても、われわれは会期を終了するものとして審議を進めなければならない。そういうことになりますと、この農林省の批難事項、あるいは特にそのうちの印旛沼の開拓事業に関する件、あるいは造船関係、国鉄関係等を継続審議をするということの決議を一応しておく必要があるのじやないかと私は思うのです。そうすれば会期が延長しようがすまいが、延長されてもさしつかえなし、されなかつた場合においてもそれをやることができる、そういうことを合法的に、今からあらかじめきめてかかつておく必要があるのではないかと思うのです。このことは先ほど委員長とも話しておつたのですが、委員長が今来られる前にあなたが委員長代理をやられるとするならば一応私はこれを主張しておきたいと思います。 さらにそれについて先般造船関係についての資料の提供を要求しておりますけれども、今までに遂に提供されないのです。そこで私は先般要求した通り、いわゆる各船会社に対するところの開発銀行の融資関係、その融資に対するところの償還関係、担保関係等に関することをあらためてまたここに提出要求をいたす次第です。先般銀行局長が私に会つてぜひこの問題はかんべんしてもらいたい、こういうことを言うのです。私は銀行局長は何ゆえにこの造船関係の担保関係、あるいは未償還関係等の資料を提供することをかんべんしてもらいたいと言うか。そんな必要はごうまつもないと思うのです。しかしそれが船会社に対して影響するところが大きいのでありますれば、われわれはこれを何も社会一般に公表しようとはいたしません。しかしながらこの決算委員会は貸した金がどういうふうに償還されておるかということ及び担保がどういうような手続でとられておるのか、共同担保があるならばその共同の債権は幾らであつて、担保の順位がどうであるかということは当然われわれが知らなければならない。それを大蔵当局は出さないというのは、私どもから見るとそこに疑わしい点があるからこのようにして出すことを拒んでおるのだと思います。それでこの点をなお一応本委員会において提出方を要求してもらいたいのであります。 以上は田中委員長が来てからと思つたのですが、議事進行の都合上、質問をいたしますについても、会期も今明日、明後日ということになつておりますから、これらもあらかじめひとつ合法的に継続審議を諮つてもらつて、そうしてやつていただきたいと思います。以上を申し上げます。
○安井委員長代理 ただいまの動議は二つでありますが、継続審議の問題は五月八日まで会期があります。きようは田中委員長が今それらの問題について委員長会議を開いておるようでありますから、田中委員長が出席のもとで御協議を願うこととし、資料の問題については、これはこの前からだんだん御意見もあるし、一応これは理事会に諮つてもう一応こちらの態度をきめて行く、こういうふうにして行つた方がよかろう、こういうふうに思うのです。
○柴田委員 関連して。今の杉村委員の資料の要求に対しましては、日にちは記憶しておりませんが、前回の委員会で満場一致で決定しておつたのでありますから、ただその資料を出す相手方が何かの都合で出さないでおるという、これだけの問題でありますから理事会の必要はないと思います。これはやはりあの問題を徹底的に追究をしなければならぬので、資料の要求を強力に進めてもらいたい、こう思います。
○杉村委員 その問題はこの前開発銀行が秘密会を要求したのでありますが、委員会において秘密会の必要なしということで本委員会で決議されたのであります。それにもかかわらず出さないのですから、私どもがはなはだこれを遺憾しごくと思つておるのみならず、われわれはかくのごとくしつこく提出することを拒否するにおいては、あるいは担保をとらずに貸しておることがなきにしもあらずと思われるのです。あるいは担保はつけておつてもほとんどからの担保、共同担保になつておる、価値のないようなものを担保をとつておるのか、それらのことに非常に疑惑を抱くのです。何ゆえにそれを出さないのか、こういうことなのですから、これは私は理事会の必要がないと思うのです。但しきようはあまりにも数が少いかう、実は開会もどうかと思つたのですが、今すぐの決議でなくてもけつこうです。この通り委員が少いですから、時期を少しずらしてもそれはけつこうですが、ぜひお諮りを願いたい。
○柴田委員 関連してもう一つ。この問題は当委員会に対してはそういうような資料を出すことを非常に躊躇しておるのですが、予算委員会に対しましては別個に資料を提出しておるのです。予算委員会には提出できる資料を何を好んで決算委員会にだけは渋るのか、こういう問題でこの前も大いに議論したわけですが、そういう経緯もございますので、ぜひこの資料の提出をあとでけつこうですから、お諮り願いたいと思う。
○安井委員長代理 ただいま両君の御発言の点は、この前杉村理事がこの問題のときに御欠席になつたようであります。それで資料の内容についてなお検討を要するというようなこともあつたのですが、今のお二人の御意見のように委員長が来られましてから、そこできめるように、しばらく委員長の来るまで留保していただきたいと思います。 それでは質疑を許します。柴田君。
○柴田委員 農地局長がお見えになつておりますので、伺いたいと思いますが、印旛沼の問題と手賀沼の干拓事業のことでございますが、前に大きな問題をかもしまして、当時の現場の事務所長の鈴木義春氏でございますか、また工業課長あるいは庶務課長等は何かその当時辞任されたと聞いておりますが、辞任されたのかどうか、これを一点伺いたい。なお辞任された後に三氏はどういう仕事をやられておるか伺いたいのでございます。われわれが聞いておりますのは、責任をとつて三氏が辞職をしたけれども、現に佐倉市に居住しておつて、干拓事務に関係のある請負会社に職を奉じておる。そうして現在に至つても干拓建設事務所べの出入をほしいままにしておるということを聞いておるのですが、そういう事実があるかどうか承りたいと思います。
○平川政府委員 これらの人々はいずれも刑事事件で起訴になつておりますので、現在休職処分にいたしているわけであります。判決を待つて懲戒処分に付したいと考えております。そういう関係でございますから、当然役所の印旛沼の仕事にはもちろん役所としては関係させておりままん。お話のような事実については私も全然聞いておりませんので、よく調査いたします。
○柴田委員 表面的には関係させておらぬと農地局長はおつしやるが、現実にそれが何かの請負会社におるといたしましたならば、いかなる責任をお負いになりますか。
○平川政府委員 全然そういう事実を存じませんので、ただいまどうするということもはつきり申し上げかねますが、要するに休職中でありますから、そういう請負業者等に関係しておるとすれば、これは当然不都合なことでありますから、さしとめるようなことでもいたすべきかと存じます。
○柴田委員 起訴されておる人間に対する休職というような制度は、常に諸官庁はとつておる制度でございましようか。われわれは少くとも起訴された場合には解職してしかるべきだと思うのですが、これに対するご意見を伺いたいと思います。
○平川政府委員 起訴されました場合に有罪でありますと、他の依願免でなしに懲戒処分にする場合があります。そういう関係で休職にしておる場合が相当あるわけであります。
○柴田委員 それでは次に移ります。が、われわれはどうもこの問題はちよつと納得しかねますので、規定上の問題等は研究したいと思います。 次に印旛沼と手賀沼の問題は建設省がやつておる面があると聞いておりますが、何か建設省でやつておる面と農林省の農地事務局がやつておる面と、どういうことが相違しておるのでございましようか、この点を承りたいと思います。
○平川政府委員 建設省はただいまの印旛沼、手賀沼の干拓工事をやるということは全然ございません。お話の意味が必ずしも明瞭でないのでありますが、建設省の方で利根川の分流を考えまして、洪水時の水を一部東京湾の方に落すというために、現在農林省でやつております印旛沼の干拓のための水路と並行したようなところに排水のための分水路をつくりたい、そしてそれを印旛沼の干拓と共通に使えないかということを考えられたことが一部あるようであります。しかし、これはもちろん公の話ではございません。そういう考えがあつたということであります。建設省のお考えは、河川の管理のために利根川の洪水量を一部東京湾に落すということでありますから、当然かなり高い水位で東京湾に落すということになりますし、のみならず排水を必要とするようなときたは利根川の水でその水路は一ぱいになつてしまいますから、印旛沼、手賀沼の干拓のための水路と共通に使うことは、技術的に不可能なわけであります。印旛沼、手賀沼の非常に低い水を東京湾に落すというのが、今農林省のやつておる仕事でありますし、特に利根川が一ぱいになるようなときには、当然手賀沼、印旛沼も水が多くなるわけでありまして、それを兼ねてつくるということは、技術的に非常にむずかしいということを聞いておるわけであります。
○柴田委員 それはあとに譲りますが、昭和二十一年に起工式が行われて、この手賀沼と印旛沼の工事が着手され、昭和二十四年か二十玉年ごろまでは見返り資金によつて特別会計が設けられて、その国庫負担で行われた、こういうように聞いておるんですが、その後現在はどういう状態で国庫が負担し、あるいは地元民に対しても負担がどういう比率で行われておるのでございましようか、見返り資金がなくなつたあとの措置については、農林省はどのような御計画でございましようか、それを承りたいと思います。
○平川政府委員 見返り資金がつきましたのは二十五年度でありまして、このときは四億八千万円ほどつきました。そのために事業の規模を拡大いたしまして、大体その程度の仕事をやつて行くような万事の段取りができたわけであります。その後見返り資金がなくなりましたけれども、それだけ拡充いたしました段取りを急に縮小することは非常に不経済でもありますので、その後予算の中から特に——見返り資金のつきましたほかの地区も同様でありますが、比較的大きな事業費をつけております。これは一般予算の中からつけておるのでありまして、二十六年、二十七年それぞれ二億五千万ないし七千万程度の金額であります。
○柴田委員 私ども記憶しておりますところでは、昭和二十五年には見返り資金はもうなくなつたんじやないですか。今の農地局長のお答えでは、二十五年から見返り資金がついたということですが、その点はちよつとふに落ちないような気がします。その見返り資金はいつから出ていつ廃止されたか、この日にちを明確にしていただきたいと思います。
○平川政府委員 ただいま目にちまではつきり覚えておりませんが、二十五年の秋でありまして、秋から二十六年の春にかけて年度の途中に見返り資金が急についたということであります。
○柴田委員 それはほんとうですか。私ども二十四年に見返り資金が出て二十五年にはもう廃止になつたと記憶しておるんですが、それは間違いでしようか。今の農地局長のお答えは真実かどうか、何もこの問題で議論しようとは思いませんけれども、ここが非常に重要なポイントになると思いますので、承つておきたいと思います。
○平川政府委員 間違いありません。二十五年八月か九月であつたと思います。二十五年度限りで廃止であります。これはその当時の事情を御説明申し上げるとわかると思うのでありますが、司令部の方の係に農事の方に非常に熱心な人がおりまして、見返り資金の使い方についても、こういう食糧増産、農業開発にも使うべきじやないかということを非常に熱心に部内で主張してくれたようであります。そのために二十五年度に至つて初めてつきました。その後は廃止になりました。
○柴田委員 廃止になつたあとを先ほども伺つておるのですが、今後はやはり国庫の全額負担で遂行なさろうというお考えなのか、あるいは一般の予算からできるだけの予算をとつてこれに使い、そして地元に対しても負担をさせようというお考えかどうかを承りたいのです。
○平川政府委員 現在の制度におきましては、干拓の仕事は全額国庫負担ということになつておるわけであります。従いまして、この事業そのものは干拓として全額国庫負担で実施するはずのものでありますが、ただ、先般も申し上げましたように、この印旛沼の干拓事業によりまして新しい干拓田ができ、ほかにいわゆる既墾地に対する土地改良の効果が同時に発生するわけです。そこで私どもといたしましては、相当巨額の事業費でもあることであるし、それによつて付近の既耕地が恩恵を受ける場合においては、それ相応の負担をすることもよいではなかろうか、これについては、現在すでに干拓事業としてやりかけておることでありますから、地元の方の賛成を得なければできないと考えておりまして、地元の方で既墾地の土地改良のための土地改良区を設立しまして、その改良区の同意によりましてこの程度の負担をするということが決議されれば、その程度を負担してもらつたらどうか、これはもちろんそう大きな金額を期得するわけには参りませんが、一般の土地改良事業、たとえば国営の土地改良事業でありますと、六割を国が負担し、四割を県及び地元が負担する、県が二割あるいは二割五分程度を負担しておるのが通例でありますが、そういう程度あるいはそれよりも少し軽い程度のものを考えたらいかがか、こういうふうに考えております。
○柴田委員 もう一つ伺います。印旛沼、手賀沼の治水開発協会という外郭団体があるように聞いておりますが、これは農林省とどういう関係にある団体か、お知りになつている範囲でお答え願いたいと思います。
○平川政府委員 これは干拓を推進するための一種の純粋の民間の人々の集まりでありまして、いろいろ村の人々に仕事の内容をよく説明して納得を得るとか、あるいは政府の方にできるだけ早くやつてもらうような運動をするとかいうことをやつておられるようであります。これは法律上のものでもありませんし、役所として別に認可をするとかいうような公のものではございませんで、そういうことをやつておられるようであります。
○柴田委員 ただ私どもはこういう外郭団体はどこの諸官庁にもあつて、そしてこの外郭団体の幹部を調べてみますと、いろいろなトラブルが存在する場合があり得るのです。また干拓工事に対しましてもこういう団体がある、会長さんはどなたかと思つて調べてみましたら、周東英雄さんがなつておられる、あるいは副会長に竹尾さんがなつておられる。こういうことで、これは今の局長のお答えの範囲では、何ら関係のない民間団体で、ただこの干拓工事を推進するための機関だ、こうおつしやつておられますが、これに対しましては、何か請負工事等にこれらの団体が参加したとか、あるいは請負業者との間に何か関係がないのでしようか、その点を承りたいと思います。
○平川政府委員 全然ないように承知いたしております。
○柴田委員 それから次に参りますが、この前の局長のお答えだと、十五億何千万円かがもうすでにあの二つの事業に予算を食つてしまつた。十五億三千万円とか五千万円とかいうことにこの前承つたと記憶しておりますが、この十五億何千万円というのは、見返り資金の先ほどの四億数千万円というものも入つて十五億何千万でございましようか。その点をもう一度承つておきたいと思います。
○平川政府委員 これは見返り資金の分も入つております。
○柴田委員 そうしますとわれわれが現在まで調査いたしました範囲では、まつたくあれが完成されるかどうかということを非常に疑うわけです。今のような二億、三億というような予算を無理にあれに投じまして、あと何十年かかかつて、はたしてこれが完成さ二る見通しがあるのかどうかという疑いを持つておるのです。しかし地元の農民諸君がどういう考えを持つておるへ今後調査を進めてみたいと思つておあますが、良心的な地元民は、この事業がやはり完成されることを目標としておるのでしようか、それともまた単にこれは農林省の農地局がやつておるので、やむを得ないというような感じを持つているのでしようか、お知りになつている範囲で承りたいと思います。
○平川政府委員 これは地元民は非常に熱望いたしております。ただいま申しましたように、あの周辺の既耕地というものが非常に頻繁に水害を受けておるのであります。低い所ほどその頻度が非常に高いし、また被害量も高いわけでありますけれども、もう下の方になりますと、ある程度初めから損害を覚悟して種をまくというようなこともあるわけであります。たまたま余そう来なかつた年におきましては、非常な豊作であるわけです。そういうことを年々見ておりますから、この洪水を排除することが人為的にできるならば非常な増産になるということをみんなよく知つておりますから、従つて地元の方は非常に熱意を持つております。むしろ私どもは予算が少いというので、陳情畠しますか、いろいろおしかりを受けるような状態であるわけです。私どもも、なおこの全体の事業が非常に大きいのでありますから、今のような予算では非常に年数がかかるということは心配をしておりまして、何とかして計画を合理的な効果の高い線に、しかもある程度早く一部分の効果でも発生するような工事の段取りを考えたらどうかということで、今まででもできるだけそういうことを考えております。予算につきましてはもつと増額することにいたしたい。本年度あたりは、新しい地区というものをとらないということを大蔵省が方針をきめて参りまして、これによつて古いものが逐次完成して参りますと、かりに予算の総額がふえませんでも、集中的につぎ込んで行くことができる。できれば予算の額をふやしたいというふうに考えております。
○柴田委員 ただ私が平川農地局長に伺いたいことは、他の府県の、たとえばダム建設あるとかいろいろな問題がございまする場合に、一反歩当り十万円も十五万円もかかつてすら、農地局長は予算の問題になるときは非常に躊躇されておる。これは現実にわれわれが聞いておる。しかるにこの場合だけは反当り三十二万五千円もかかるのだが、むろん既墾地はそれによつて恩恵をこうむるでありましようけれども、現実にでき上る水田というものは二千町歩だということをこの前の委員会において伺つておる、そうして反当り三十二万五千円かかる、こんなべらぼうな事業費のかかる事業というものは世界のどこを見てもない。食糧増産は、われわれ食糧の足りない日本として非常に望むところでありますけれども、一反歩当り三十二万五千円もかかるようなべらぼうな費用を投じてまでもこの干拓工事を完成しなければならぬか。しかもその反面平川農地局長は他の府県に至つてはもう十万円以上もかかれば、こんなべらぼうにかかることでは農林省としては本腰を入れられないということをはつきり言つておる。この矛盾はどういうところから言われるのか、われわれの納得の行くように農地局長の御答弁を願いたい。
○平川政府委員 私どもといたしましては、予算を効率的に使いますために、非常に割高の仕事はなるべくあとまわしにするという方針をとつております。ただしかし、一反歩という計算だけでは必ずしも適切でないと思うのでありまして、要するに一石の増産をするということに対してどれぐらいの事業費がかかるかということが大切だと思います。印旛沼の干拓の場合には、干拓面積から言いますとお話のように三十万円にもなりますけれども、実は既耕地の改良によるところの増産効果というものが非常に多いわけであります。今申しましたように、年々と申していいぐらいに水害を受けまして、はなはだしきは収穫皆無というようなものがかなり出る。これが完全に防げるということになりますと非常に大きいわけでありまして、先般御説明申し上げました増産量が十三万石にいたしましても、このうちの過半が既耕地の改良から出て来るというようなわけでありますので、そういう点をあわせ考えますと、一石にいたしますと五万円足らずの事業費に相なるわけであります。土地改良その他におきましても一石の増産をするのに事業費が四万円ないし五万円、場合によつては六万円ぐらいのものもございます。大体その辺のところを押えどころとしておりますので、この計画も増産量に対して必ずしも非常に割高と言えないのではないか。なおこれはすでに終戦後着手しておるわけでありまして、中途半端に打切るということももちろんできません。できるだけ計画について、効率的な計画にある程度是正をして行くということは努めたいと思いますが、一応そこは採算に乗らない仕事でもない、かように考えます。
○柴田委員 われわれはひどく奇怪な御答弁を承るのですが、一石当り幾らという御答弁でございますけれども、この地方は二毛作でございましようか。もちろん二毛作でしようが、そういたしますと現在、しからば既墾地からどれぐらいの収穫があつて、今後この干拓が完成することによつて、どれだけの増産をもくろんでおられましようか承りたいと思います。
○平川政府委員 ただいまその正確な、こまかい内訳表を持つて来ておりませんが、二毛作ではございません。つまり二毛作ができないわけであります。水がひたつておるわけです。それから一面、せつかく成長しましても水害によつて収穫皆無になる、五割減になるというようなことが非常に頻繁に起つておるわけであります。そういうことがなくなるという意味で既耕地の増産量というものは非常に高いわけでありまして、これは非常に低い所から高い所では順次増産量というものは違いますけれども、この十三万石のうちのたしか七万石か幾らか、過半は改良によつて増産をはかる、つまり普通の災害のない水田でありますれば、かりに米が二石とれるあの地方はむしろ災害さえなければ三石以上とれるいいところでありますが、それが平均してみると一石あるいはそれ以下であるという場所がずいぶん多いわけであります。それが水害を防ぐことによつて、毎年確実にとれるということで増産になるわけであります。大体十三万石の過半は改良によつておるわけであります。
○柴田委員 農地局長は、われわれが一反歩どれくらいの収穫があるか知らない、小学校の三年くらいの生徒が集まつておるような観念でわれわれにお答えになつておるので、はなはだこの点は遺憾であると思うのですが、しかも今私が伺つておるところは、二毛作であるために十三万石の増収ができるというお答えであるように聞いておつた。しかし今承ると一毛作だ。そうするとなおさら奇怪であると思うのです。二千町歩の新しい田ができ、四千町歩の既墾地があつて、合計いたしますと六千何百町歩ある。六千何百町歩で一反歩当り三石の平均の収穫があつたといたしましても、十八万そこくじやないですか。それを今この干拓が完了することによつて二千町歩の水田ができ、四千何百町歩の既墾地のものも恩恵をこうむつて、この増収が十三万石あるいは十五万石、こういう説明なんです。少しでたらめ過ぎる説明なんですが、しからば今まで既墾地の四千何百町歩というものは、一箇年の平均の産額がどれだけあつたか、そうしてこの干拓が完了することによつて、どれだけ既墾地に対する増産がはかられるか、そういう点について、もう少し親切な御答弁を願いたい。
○平川政府委員 現在は既耕地は用排水の設備が完全でないわけでありまして従つて二毛作をやつておらない。これが完全に排水が人為的にできるということになれば、そこに二毛作もできるだろうということで、増産の収量として予想はしておりますが、現在はやつておらない。それから、今現在の収量の正確な資料を持つておりませんが、これはすぐ取寄せまして差上げます。増産量としては、十三万石のうちの過半の七、八万石がこの改良による分で、それは一毛作の、表作の方の米の収量を、災害によつて減つておる分をなくするということと、それから一部用排水の改良による二毛作可能という麦の生産、両方を計算しております。その現在の収量につきましては、資料を持ち合せませんので、取寄せまして申し上げます。
○柴田委員 私どもはもう少し率直にこれを承りたいのですが、たとえば、そうしますと今までは一毛作上りできなかつた、これが完成することによつてその既墾地も二毛作、それから二千町歩の新しくできる水田も二毛作が可能だ、こういう御計画なんですか、それをはつきりと承りたい。
○平川政府委員 そういう考えでおります。もちろん全部というわけではございませんけれども、そういう面積を相当見込んでおるわけでございます。
○柴田委員 それから次に、そこに印旛沼の土地改良区というものが設立されておるようでございますが、これはどういう関係にあるものでしようか、承つておきたい。
○平川政府委員 これは土地改良法に基きまして、改良地区全体のあとの管理等をいたす必要があるわけであります。それからなお事業そのものにつきましても、先ほど申しましたように、土地改良の効果を合せて持つという関係で、地元においてある程度の負担をするということになりますと、やはりこの土地改良区なる団体がその負担をきめて行くことになるわけであります。そういう意味で、干拓事業でありますけれども、それに伴つて土地改良の効果があがる。そこでその部分について負担をし、あるいは爾後の管理をして行くという意味においての土地改良区というものが設立されておるということでございます。
○柴田委員 それから今の干拓によつて、排水を工業用水として利用する、こういう面もあると思いますが、この工業用水として利用いたしまする場合に、何か特定の会社がすでにこの水を確保したいという運動が農林省等に猛烈に行われておるとわれわれは聞いておりますが、そういう事実がございましようか
○平川政府委員 これは千葉県の、ことにはつきり聞いておりますものは、川崎製鉄の工場がございます、これが相当の工業用水を必要とする。これは当初はこの事業でできますところの疏水路から水を取るという計画であつたようであります。そうなりますとわれわれの方と直接非常に関係して参るわけでありますが、ただいまは印旛沼から直接に水を取るという計画になつているようであります。そうなりますと、つまり水利権の問題になるわけでありまして、従来の既墾地で印旛沼から用水をとつておりました農業者の水利権と、それから新しく干拓事業によつてできます農地に対する用水供給の水利権、それから川崎製鉄の工業用水の水利権というものがそこに競合いたすわけでありまして、これについてはただいま千葉県庁の方でいろいろ調査いたしておりまして、それらの全体の水が不足しないようにするには、どういう条件でこれを認めて行くのがいいかということを調査しているようであります。そういう希望が川崎製鉄にあるということは聞いております。これについては結論が出ておりません。
○柴田委員 千葉県が大わらわになつて調査をやつておられるでしようが、もう数年この問題がかかつているのですが、まだその調査が完成しておらぬでしようか。これは千葉県のことでございますから、別個でございましようけれども、少くとも千葉県当局は農林省に連絡なくしてこの調査等は行わないと、われわれ常識で判断されるのですが、それはまだ調査中という形でございましようか。
○平川政府委員 結局この関係の調査と申しますと、累年の水位の状態の統計が基礎になるわけであります。そういう統計は、いろいろ現在までに調べられたものもあるわけでございます。ただそれを農業及び製鉄の方で使用いたしますところの水量をわけ合うという場合におきまして、年によつて、非常に水の不足な年が当然出て来る、そういう場合にその不足を補うためには、かりに全部を満たせるといたしますと、相当の設備をしなければならぬ。たとえば相当の水量をあそこにためておくというような設備をする、あるい取るについてのいろいろな条件を付するとか、いろいろな複雑な問題が出て来るわけでありまして、そういうことについて従来からある資料を整理してそれを検討し、また新しい調査も続けておりますけれども、それを基礎にして、どういう条件でどれだけの水量をそれぞれに集めればいいかということを技術者が集まつて検討している段階でございまして、これにつきましては、農林省といたしましても、東京農地事務局をしてこれに参加せしめて、現在はまだ技術者同士の間でそういう基礎的な検討がされているという段階であります。
○柴田委員 他の委員の質問もございますので、あまり独占してもならぬと思いますが、ただ最後的に伺いたいのは、どこの県でも各町村の土地改良区というものがあつたり、県営の土地改良事業が行われておるのですが、千葉県にもおそらくこういう団体もあると思いますが、地方の土地改良区あるいは県営の土地改良事業、これらとの関連性はございませんでしようか。
○平川政府委員 これはそれぞれの事業の大きさによりまして、その事業のかぶさる範囲を一つの単位として土地改良区をつくるということは行われております。印旛沼の場合におきましては、非常に規模が大きいのでございます。それらの全体を一丸とする改良区が設立されておるわけであります。但し末端の方において、別に農業用水の関係でたとえば村の土地改良区をつくるということももちろん可能なわけでございます。ただ印旛沼の干拓事業の関連のある大きな問題については、全体の印旛沼の土地改良区が扱うということになつております。
○柴田委員 そうしますとこの土地改良区というものは、地元民が相当の負担をしてこういう事業をやつて行くのでしようか。局長の答弁を前から承つておりますると、この干拓事業に関する限りは国庫一本だけで行かれる、こういう御方針はかわりありませんね。この点をもう一度念を押しておきます。
○平川政府委員 先ほど申し上げましたように、純粋に干拓事業が行われて干拓地ができるだけであるという場合には、当然全額国庫負担でやるわけでありますが、ただ干拓事業と土地改良の効果が発生する土地改良事業をあわせて行うという場合には、これに対して負担をせしめることもできるようになつておるわけであります。そこでただいまの印旛沼の場合については、ちようどその場合に該当いたします。しかしこれはもちろん地元の農民の同意を得てやることでございますので、農民が同意をいたしますれば、土地改良事業を含んでおると考えられます部分について一部の負担をさしたらどうかというふうに考えております。
○柴田委員 そこが重大なポイントになるとわれわれは思うのですが、土地の農民でもあるいはボスが集まつて、農林省にいろいろな関係があつて簡単に同意するという場合もあり得るでしようし、ほんとうに全体の農民が民主主義的に会議をもつて、そこから協力するという形で行われる場合もあると居りのでありますが、印旛沼を中心といたしましたあの地方の農村は、特別に経済的な余裕のある農村だとはわれわれは考えておらぬ。やはりどこの農村にも見られるような、経済的に行き詰まつておる農村だと考えざるを得ないのですが、こういう場合におきましても、今の農地局長のお考えのように、別個な改良事業が行われる場合は、地元負担はやむを得ない、こういうようにお考えでしようか、この点をもう一度伺いたい。
○平川政府委員 これは土地改良事業に対する全体のやり方を総合的に考えなければいかぬと思います。たとえばかりに純粋に既墾地の排水を改良するために、そこにポンプをつくつて排水する、こういう工事が全国にずいぶん行われておりますが、そういう場合におきましてはかりに国営でありましても、国が六割の負担をし、四割は県及び地元が負担するということになつておるわけであります。純粋に干拓の場合には新しい土地がそこに造成されるということであり、その所有者というものは今ないわけであります。また干拓の堤防をつくるということは非常に金のかかることでもありますので、一応全額国庫が負担する、こういうことに現在はなつております。しかしただいまの印旛沼の場合におきましては、ちようどその中間のようなことでありまして、排水工事をやることによつて、干拓地もできるし、同時に既墾地もできる。印旛沼の周辺の農民がもちろんそうゆたかな農民だとは思いませんけれども、しかし全国で特別に悪いとも思えません。従つて全国の農民が四割の負担をして排水工事をやつておるという場合においては、印旛沼の農民もその程度のことはやつてもいいじやないか。但しそれが国全体、農民全体から見て適当であるかどうか、四割の負担が多過ぎるのじやないかということは別問題といたしまして、現在はそういうことになつておりますから、あそこの干拓地の人々も、ほかの全国の普通の農村並の負担をしてもらつていいのじやないか、こう考えております。
○安井委員長代理 杉村沖治郎君。
○杉村委員 先ほど柴田委員より、地方民も希望しておるのかどうかという質問があつたのに対して、局長は予算のことを言われた。予算が何分にも少いので、効率的に使つておる、こういうお答えであつたが、あなたはどれくらいの予算があればいいとお考えになりますか。それをひとつ聞かしてもらいたい。
○平川政府委員 私どもの理想的な考え方といたしましては、五箇年計画でも計算をいたしましたように、大体今の二倍半程度の予算がありますと、事業が非常にスムースに行くだろうというふうに考えておるのであります。
○杉村委員 ただいま今の二倍半の予算があればということなのですが、さてそこで私が伺いたいのは、この印旛沼、手賀沼の工事の経理が非常に紊乱しておるようですが、これはあなたもお認めになるだろうと思う。何ゆえにこんなにこの工事の経理が紊乱しておるか、その原因は何でありましようか。
○平川政府委員 これはまことに申訳のないことでございますが、この事業所の所長以下が特に悪かつたと思います。全国におきましてやはり似たような工事をやつておるわけでありますけれども、経理面においてこれほどのところはないわけであります。特に刑事問題を引起すような結果になりましたことは、はなはだ申訳がないのでありますけれども、この印旛の場合は特別であつたと思います。従いまして所長の問題が表に出、また検査院の批難をいただきました後、急速に人をかえ経理を改善いたしましたので、その後はそういうことは印旛沼についてもないと思います。
○杉村委員 経理の紊乱について、どうした原因でということを伺つたら、所長が悪かつた、こういうようなお答えなんですが、所長だけが悪かつたんでしようか。ほかには原因はないでしようか。所長だけが悪かつたから、こういうふうになつたのか。いま一度その点を伺いたい。
○平川政府委員 もちろんこういう事業につきましては、現実に事業が動いておるのでありますから、それに対していろいろ予算、規則等で縛られておりますと、事業そのものだけを理想的に行うという面から見れば、多少不都合の点があるわけであります。しかしそこは各地の所長はそれぞれくふうをして、予算の範囲内において、また規則の命ずるところに従つて運用いたしておるわけであります。そういういろいろな困難はありますけれども、一般にはそうやつて経理が乱れるという結果にはならずに済んでおるわけであります。たまたま印旛沼の、しかもこの年度において非常に紊乱しておる。その以降においてはそういう事態は出ておらないというところから見ますと、やはりこれは所長及びその補佐役にその責任があつたと思います。
○杉村委員 どうも私はあなたの御答弁がきわめて満足できない。というのは、この大きな国の経費がこれだけ乱れておつたことは、所長だけ、所長だけと言われておる。それがはなはだどうもわれわれは満足できない。第一あなた方にその責任があるのじやないですか。それだから私は聞いたのです。ところが、先ほどの柴田委員の質問に対して予算が少い。いま少しく予算があればと言う。予算を効率的に使つておるのだ、こういうことをおつしやられておる。しからばどれくらいの予算があつたらあなたは御満足なのか、理想的にできるかと言えば、この二倍半だという。この二倍半の費用はどこから出て来るのです。少くとも今までこれだけ莫大なる費用を使つておるものが、正しくこの印旛沼、手賀沼の干拓工事に使われて、それでこれだけが不足だ、こういうことであれば、あなたの言うように二倍半というような数字を出してもよろしいと私は思う。ところが、今までこれだけ紊乱しておる経理を基準にしておつて、あなた方が今二倍半なんと言うのは、私は聞くだけおかしいのです。あなた方が机の上だけでそういうことを言つておつて、実際において自分たちが組んだ予算において、現場に行つて見て、はたしてこれがあなた方の計画に基いて行われておるかどうかということをつぶさにごらんになれば、こんなばかばかしい経理の紊乱は起つて来ないと思う。それをあなた方がただ局長室に納まつておつて、実際において見ておらないから、こんなことになるのだと思う。 そこで私は前々会の決算委員会に、母が死亡いたしましたために出なかつたので、あるいは他の委員がお聞きになつたことと重複するのではあるまいかと思つて、実はお聞きすることはどうかと思つておるのですが、あるいは重複すると、時間の関係もありますから、あれですが、昭和二十六年の十月までの間に、六千五百十七万二千九十六円、こういう架空の人夫賃やなんかをつくつて、これを離作農民に対する離作料として支払つているのですが、離作料というものは、当然に予算に計上されて離作するときにその以前に離作料というものを払わなければならない。それを払つておらぬから——私はまだ現地に行つて聞きませんから、わかりませんが、多分現地の農民から問題が起つたので、こういう架空の人夫賃を——こういう莫大な架空なものをつくり出して、今まで支払うべきものを支払わなかつたところに支払つたわけです。従つて前に離作料として払うべき金を払わないで他に流用しておつたものだろうと思う。それは昭和二十五年度の決算のときた、多分私はそういうふうに記憶しているのですが、これらの関係はどういうのですか。前会にもしこの点について他の委員の御質問があつて、あなた方がお答えになつておるのであれば、私は速記録を見ますから、前会にお答えになつたというだけでけつこうですが、もし前会にこの点についてあなた方のお答えがないのであつたならば、ここであらためて、そのいわゆる離作料関係を——百姓の土地を取上げて、それに政府が当然払うべき金を払わずにおいた。そこで昭和二十六年になつて農民が騒ぎ出したから、しかたがない、架空の人夫賃をつくつて、そこに六千五百何十万円という莫大な金を架空につくつてやつているのですが、この関係はどうなんですか、ちよつとひとつこれについてこまかく答えていただきたい。
○平川政府委員 この用地の補償費というものは、当然この事業をいたしますについて支払いをいたすことになつているのでありまして、その費用というものは正式に予算に組まれて支出してさしつかえないわけであります。いわゆる補償費というものは規則できまつておりまして実際上はその補償費でなかなか話がうまくつかないといつたような場合もあるようであります。たまたまこの場合、そのために苦労して、所長としてはいろいろほかの方面から流用するといつたようなことをやつたのだろうと思うのでありますがこの案件につきましては明らかに不当なことである。これはまことに申訳がないと申し上げるよりいたし方がないのであります。ただ六千数百万円という数字は、これは会計法から申しますと、いわゆる架空の工事ということになるわけで、明らかに不当なことでございますが、その使途は、五〇八号にございますように、つまり実体は請負契約ですが、それを直営工事の形にいたした、それが架空である。そうして請負の代金といたしまして五千数百万円、それから実際の直営の工事費等に九百万円ということでありますから、この六千数百万円の大部分はもちろん用地補償費になつたのではありませんで、事業には使われているわけです。ただその形式が、実体は請負であるにかかわらず、直営のような形式をとつており、そうして架空の人夫を使つたようにして、そうしてこの二百万円ほどの用地補償費を捻出した。これがいけないことはもちろんであります。金額的には六千万円全部が用地補償費ではありません。しかしこういうことは明らかに不当でありまして、用地補償費そのものにつきましては、初めからそういうことで政府としてもはつきりした支出ができるようになつておりますので、従つてこういうケースが常にあるわけではございません。一般的にはちやんとした補償費からちやんと払つているわけです。そこが所長の運用が悪かつたと思うのであります。なお私どももちろん監督の責任は十分あるわけでございまして、御指摘の通りこれはまことに申訳ないと考えております。
○杉村委員 あなたの答えを聞いていると、ほかの六千五百幾らが全部どうとかこうとか言いますけれども、それはほかの工事に使つたつて、やはりこういうふうに捻出しているんですよ。ことに今あなたは、離作料というものは計上してさしつかえないというような言葉を使われているが、あなたのようなことを言われたら、百姓はたまつたものじやない。さしつかえないというものじやない。百姓の農地を取上げたら当然に支払わなくちやならぬ義務があるでしよう。払うことがさしつかえないなんという言葉自体、百姓の農地に対する観念が、あなたは農林省の責任者としてきわめて遺憾しごくです。だから私が聞いているのは、こういうふうにして昭和二十六年度に支払わなければならないのを、どういうわけで支払わなかつたのか。少くとも前年度において払うべきものを払わなかつたのでしよう。百姓の離作料を払うのに、何も架空の人夫賃をつくつてまで払わなくてもいいじやないですか。当然国家の義務として支払わなくてはならない。支払わなくてはならない義務があるものを、架空の人夫賃で金をつくり出してそれで払うということは、はなはだおかしいことじやありませんか。だから、その前に何か悪いことがあるんでしよう。そういうことを聞きたいのです。私はあなたのように、言葉のあやでうまいぐあいにはなかなか言えないのです。あなたは、ここに六千五百幾らという数字をあげた、その数字が全部悪いんだと言われるのを防ごうとして言うておるのかもしれませんけれども、われわれはただ金額が大であるから、小であるからというばかりじやないのですよ。その精神的な問題がきわめて大きいのです。ことに農民の離作料というものをこんなふうにしておつたというのは、はなはだ不都合であるから、特に私は取上げて、前回にどうして離作のときにちやんと払つてなかつたのかということを聞いておる。払つてなかつただろうと思うんだ。払つてなかつたから、ここでこういうような架空の人夫賃なんかをつくつて払わなくちやならないようなことになつたと思うのです。それは当然払う義務があるんじやないですか、ないのですか、どうですか。それと前回はどうなつておつたのですか。
○平川政府委員 補償はお話の通り、支払うべきものであることは当然であります。そこでもちろん、一定の基準によつて離作をする場合には、これに対してこういう補償をするというような内規があるわけであります。これに基いて補償をする。但しその補償の交付の時期につきましては、これは実際にはほんとうに立ちのくより前に交付するわけであります。実際にこの事案について農民が騒いだということはないと思うのでありますけれども、この前の年に払うべきものが払い切れながつたので、それを埋め合せるためにこういう非常に妙な手段を用いたのでありまして、これは当然、本省の方の基準に当てはまるものにつきましては、本省の方に請求があれば、それだけの予算を交付することになつております。それをこういう便宜の方法をとつたということが会計法に反するわけであります。
○杉村委員 あたたは支払いの時期は云々と言うて、まだ言い訳をなさつておるけれども、それがそもそも間違いだ。いくら言い訳を言つても、私はどこまでも追究して行く。支払いの時期がどうであろうが、こうであろうが、離作料というものは一反について幾ら、一畝について幾ら、そして土地の等級によつて幾らというふうに、ちやんとあなた方が予算の上で計上して支払うべきものなんです。それを不足だつたから、今度こういうふうにして出したというのはどういうわけか。不足だつたならば、なぜ正式に離作料を計上して請求しないのですか。何ゆえにこういう架空の人夫賃をつくつて払つたのか。私はそれを聞きたい。どうしてこういうことをしたか。正しく支払われるべき性質の金を、こういうことをしてやるというのは正しくない。あなたは今農民が騒いだからどうとか、騒がないとかいうことを言つておるけれども、騒ぐ騒がないは別個の問題です。私は騒いだか騒がないかということは現実に調べておりませんということを先ほど言つたけれども、農民に当然正式に支払うべきものを、こんな架空の人夫賃で支払わなければならないように立ち至つたということは、少くともそれ以前に不正が行われておつたから、こういうことをやらなければならなくなつたのだと思う。だからそれをいま少しくはつきり聞きたいのです。このとき支払うべき離作料は幾らであり、農民は幾人であつて、何反歩であるかということを、あなた方は調べておらなくちやならない。それだから、私が先ほど何ゆえに印旛沼、手賀沼の工事費がかくのごとく紊乱しておるかと尋ねたら、局長は、所長が悪かつたと言うけれども、あなたは二倍の費用を受ける必要性を認めておる。あなたはそれでなければ、調べてそういうことは知つておらなければならない。農民の離作料というものは最も大きな問題である。あなた方がやつておるのは何のためか、農民に増産をさせようというので、手賀沼、印旛沼の干拓事業をやつておるのでしよう。それにもかかわらず、農民の離作料をいいかげんなものにしておる。一体どんな観念でやつておるのか。あなたははつきり答えてください。それは前にこういうことがあつたために、それで不足になつたのだというが、そんないいかげんなことでは私は納得できない。支払いの時期がどうであろうが、こうであろうが、正式に払うべき金をどういうわけでこうしたのか。そういうことを少しはつきり答えてください。
○平川政府委員 非常に詳細については、ただいまちよつと資料を持つておりませんが、要するに正当に支払い得る金額でありますから、本省に対して用地補償費としてこれだけのものを払いたいと正式の手続を求めれば当然出たものであります。それを成規の手続を経ずにこういう便宜というか、違法の方法によつて捻出をして支払つてしまつたということでありますから、そういう意味においてははなはだ不当な措置であるわけであります。但しこういう報告に現われたことについて、何か前に不正があつて払われなかつたのじやないかということでありますが、そういうことはないと思います。ただ当該年度に一応の割当てられた予算というものが十分でなかつた。用地補償費用としてはこれくらいでよかろうという一応の査定をいたし、それに対して事業所長が、それでは不足であるということで、正当にこれだけの補償は支払うべきものであるということで本省あるいは農地事務局とよく打合せをして、成規の手続を経て支出すれば少しもさしつかえなかつた事柄であります。それをいたしませんでしたところに不当なところがあるのでありますが、さればといつてその前にこれに関連して他の不正なことがあつたのじやないか、そういうことはないと思います。
○杉村委員 そうすると前に離作料として支払うべき金を、他に何か流用して支払わなかつたという事実はございませんですか。
○平川政府委員 そういう点はございます。二百四十万円補償費として支出できる金額を所長が保留しておりましてそれを何か他に流用したということがございます。これにつきましてもし経理の詳細が御必要でありますれば説明員から御説明いたさせます。
○杉村委員 これは詳細が必要であれば、なければということではないのですよ。そういうことがあるであろうということを先ほどから私が警告し、質問しておるのに、あなたはなぜいま少し率直に答えられないのですか。われわれは決してあなた方を責めるのではない。あなた方も反省しなければならないでしよう。かくのごとき経理紊乱がなされるというのは、ひとり所長だけの責任じやありませんよ。あなた方がきわめていいかげんなことをやつておるからこういうようなことになる。われわれはただ事がどうなつておるかという経緯を確かめればよいのです。あなた方を追究して何も刑事上の処罰をしようというのではない。事を明確にしようと思うから私は聞いておる。どうもおかしいということはすぐに見てわかるでしよう。払うべき金であるなら、何も架空の人夫賃で払わなくてもよい。しかるにかかわらず架空の人夫賃で払うということは、前に何か当然支払うべき金を他に流用しておつたためにこういうことになつたと思う。私はそういうことがわからなかつたからさつきから聞いておつたところが、今になつて遂にそういうことをあなたは言う。これほど私から追究されない前に、実は支払うべき金を他に流用しておつた、こういうことでやつたのだ、まことに相済みませんでした、これで終りじやありませんか。それをあなた方がごまかそうたつてごまかされませんよ。そういうことはいけませんね。答弁はいりません。
○柴田委員 関連でちよつと一つだけ。こういう問題は、ひとり手賀沼やあるいは印旛沼だけに限らないのであります。事業量を決定する場合、あるいは補償料を決定する場合、地元の農民とかあるいは地元の改良事業団体とか、農林省等が民主的な方法で決定しておらぬでしよう。大体われわれは、そういう民主的な、納得の行けるような方法で補償料を決定しなければならぬ、こう思うのですが、この場合、こういう措置を講じないで、単に農林省がどれだけの補償料をやるのだ、こういつて一方的にきめた結果として、農民から、それじや不足だという問題が起きて、予算に計上した以外に支払わなければならぬというところから、指摘されておりまする五〇八のような問題が起きたのじやないかと思うのですが、その点はどうなんでしよう。
○平川政府委員 補償の金額につきましては、一応の基準的なものがあります。しかしこれは個々の具体的なケースに当てはめまする場合には、地元の当該の農民自体とよく懇談をいたしまして、話合いをつけていたすことにしております。ただ、その話合いをする場合の基準的なものはあるわけであります。
○柴田委員 基準はございましようが、やはりその地元の農民の納得の行けるような方法で民主的に相談して、それで補償料を幾ら出すのだ、それから樹木の伐採等による損失補償をどれだけ出すのだという、いろいろな角度からの計算の基礎があると思うが、それで納得した場合には、こういう苦肉の策をもつて、たとえば工事請負人から寄付を受けた分まで加えてこれを補償料に支払うというようなことはあり得ないと思う。だからやはり根本の問題は、地元農民の考え方を全然無視して農林省が一方的にきめた補償料——それが今度補償料をくれたのだけれども不満が爆発しまして、その結果その不満を押えるためにいろいろな苦肉の方法を講じて、また追加の補償料を出した、こういう結果がここに現われているんじやないでしようか。その点はここだけの問題じやないと思う。全国至るところにこういう問題ができやしまいかと思つてこの機会に承るのですが、納得の行けるような方法で農民に対する補償を考えているのかどうか、この点を承りたいと思います。
○平川政府委員 これはあくまでも地元の同意を得ませんとできないわけであります。従つて、お話のように民主的に話合いをして、そうして具体的にとりきめをして参るということになつておるわけであります。従いまして、ただいまの場合におきましても、農民の意向を無視して、こちらから押しつけるというような結果出ておるものではございません。そういうことは今後といえどもないと思います。またそれでは実際の仕事にならないのであります。補償を受けるべき損害を受けた農民が反対を唱えておるのに対して、それを納得せしめずして事業をすることはできません実情でございます。これは完全に話合いをつけて、そうして調印をして金額をきめて参るわけであります。ただ印旛沼で問題になりましたのは、そういうことでなしに、支払うへきものとしてきまつた金額を、所長が一部他に流用してしまつたというようなことからこういうようなことが起つて来ておるのであります。
○安井委員長代理 吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 私は、前会に継続いたしまして、きようは主として昭和二十七年度決算報告の漁港施設、及びこれに関連いたしまして農林漁業資金融通特別会計、すなわち農林漁業金融公庫の融資問題の質疑を申し上げたいと思うのであります。これは前回からだんだん明らかになりつつありますごとくに、補助金を受けることにしてかかる各般の事業を営むに至りましたその経路、前後のいろいろないきさつを究明してみたいと思うのであります。そこで二十七年度決算報告の漁港施設として例示してあります案件を中心に、質疑を試みようと思うのであります。 まず検査院当局もしくは水産庁いずれでもけつこうでありますが、二百五ページの(1)、すなわち番号から言えぱ一四一二、二百六十三ページの愛媛県東宇和郡高山村の高山漁港災害復旧工事の問題であります。要するにこれは設計過大、事業主体の負担不足ということで、相当架空の内容を持つておつたことく指摘せられているのであります。この概要をまず伺いたい。便宜上次の一四三〇、福岡県築上郡西角田村西角田漁港災害復旧工事及び一四三五の佐賀県東松浦郡呼子町小川島漁業協同組合が施行いたしました小川島漁港災害復旧工事、これもあわせて御説明願いたいと思います。あまり詳しいことは時間をとりますから、要点を御説明願います。
○林説明員 私からお答えを申し上げたいと思います。まず一四一二、愛媛県東宇和郡高山村高山漁港の問題でありますが、これは昭和二十六年度の災害復旧事業の問題でございます。二十七年度におきまして、工事費五百五十万円をもちまして防波堤を改築することになつておつたのであります。これに対しまする国庫負担金は四百九十一万七千円、こういう査定をしておつたのであります。この事業の実施にあたりまして、工事に使います中詰ぐり石、ならし石等の問題で施行がよろしくなかつた、その使い方も少かつた、こういうことで検査院からの御指摘を受けたわけでありますが、実はこれはその後の二十八年度においても継続してやることになつておりましていわゆる一部仕越し工事的な考え方もあつたようでありますが、とにかく現実には検査院の御検査を受けましたときに、でき高が非常に不足しておつたということで御指摘を受けたわけであります。そして地元の負担もしてないじやないか、こういう御指摘を受けたわけでございますが、私の方といたしましても、これは大臣の依頼によりまして府県が監督しておるわけでありますが、府県当局とも十分協議をいたしまして、この措置につきましては所定の計画通り実施できまするように手直し工事及び補強工事というものを施行させることにいたしました。それに要しまする工事費が三百九十五万円ばかりでありますが、これによつて手直し工事をやりまして、昭和二十八年の十一月五日に手直し及び補強工事が全部完了を見たわけでございます。そういう措置を講じた次第であります。次の一四三〇号、福岡県の築上郡西角田村の西角田漁港の問題でありますが、これはやはり村営の昭和二十五、六両年度の災害復旧事業でございます。二十七年度におきましては工事費が七百五十八万八千円をもちまして防波堤を施行したわけであります。これに対する国の負担金が六百五十二万五千六百八十円という金になつております。これにつきましても使用いたしました材料の問題あるいは練積で施行すべきをから積で施行した、こういうような施行上におきまするおもしろからざる実際の問題がございまして、検査院の御指摘を受けたわけでございます。つまり粗漏工事だということに御指摘を受けたわけでございます。これに対しましては、ある程度でき主つた後でありまするので、手直し工事を施行せしめることといたしました。これに要する工事費は三百三十二万六千円、こういう金をもちまして手直し工事を施行させることにいたしました。これはまだ完成はいたしておりませんが、目下工事中でございます。 それから一四三五号佐賀県東松浦郡呼子町におきまする小川島漁港の災害復旧の工事であります。これは漁業協同組合の事業でございまして、昭和二十七年度におきましては四百三十六万一千円、これに対する国庫負担金が二百五十六万六千四百五十円、これで船を引揚げますそいわゆる船掛場及び護岸等を復旧することとなつておる。そういう査定になつておるわけでありますが、この工事につきましても、使用いたしました材料が不足している、あるいはでき高が不足している、こういうような御指摘を受けまして、これに対する措置といたしましては、でき高不足につきましては手直し工事を施行せしめ、その手直し工事に要する費用百五十六万三千円をもちましてやつておるわけでございます。これもまだ完成はいたしておりませんが、目下工事中でございます。簡単でありますが御説明といたします。
○吉田(賢)委員 それでは水産庁に伺いますが、漁港の管理は農林大臣がするのか、あるいはそうでなしに地元の公共団体かあるいは協同組合がするのか、いずれになるかという標準はどういうことになるのでしようか。それからこの例にあがりました第三番目の小川島漁港はいずれに属しておるのか、この点はどういうことになつておりますか、御説明願います。
○安井委員長代理 水産庁長官が来ておりましたが、用事で帰りました。次長が近く見えますが、今漁港課長から説明します。
○林説明員 漁港の管理の問題につきましては国が管理するという建前はとつていないのであります。これは漁港そのものの管理という面から申し上げておるのです。管理者がきまるわけでありますが、その管理者は地方公共団体または水産業協同組合、こういうことに法律上きまつておるわけであります。国が管理するということはきまつておりません。
○吉田(賢)委員 そこで具体的にこの場合の第三の佐賀県の東松浦郡の小川島漁港はどこの管理に属しておるのですか。それから公共団体、協同組合、いずれに属するかはどういう標準できめておるのか、全国的にもう決定しておるのか、その点はどうですか。
○林説明員 管理者の指定は全国的に一つの大まかな基準をつくりましてやつておるわけであります。現在のところ漁港の指定をいたしましたものの管理者が全部きまつておるという段階までは行つておりませんが、相当進んでおります。ごく端的に申しますと、利用漁船の関係が広範囲にわたるというようなところは都道府県の管理、中くらいのところは市町村の管理、部落単位に主として使用されておる——もちろんよそからも参りますが、主として部落単位に使用されておる、そういうところは協同組合の管理というような大体の基準でやつておるわけであります。ここに出ました小川島漁港は協同組合の管理ということになつております。従つて災害復旧の事業も協同組合事業として施行しておるわけであります。 それから西角田と高山は村の管理になつております。従つて事業を村営でやつておるわけであります。
○吉田(賢)委員 全国の漁港はそうたくさんにないと思いますが、まだ決定していないところがあるというのはどういう事情にあるのですか。
○林説明員 全国の漁港は大体漁港の指定の問題から見まして二千六百ばかりあるわけであります。これは御承知のように、法律ができまして漁港というものと一般港湾というものを分離することになりまして、漁港指定という行為でやつておるわけでありますが、その漁港の指定は、先ほども申し上げましたように、二千五、六百あるわけであります。その漁港の指定が終りますと、扱いとしていわゆる農林省所管の漁港になるわけであります。それについて漁港管理者の指定をするわけでありますが、漁港管理者の指定をいたしますには、先ほどのような大体の大まかな基準はきめておりますが、具体的には府県の管理にするのがいいのかあるいは町村の管理にするのがいいのかというような問題は地方でいろいろ論議もあるわけであります。農林省といたしましては必ずその通りに強制する……。
○吉田(賢)委員 ちよつと途中ですけれども、やはり地方でいろいろな議論があるというような問題は、農林省の、少くとも水産庁の基本的な一つの大きな方針になりまするので、あなたに御自身でいろいろなことを御説明できなければ、代表者に来てもらわなければいかぬのです。おできになるならよろしゆうございますけれども、それはどうですか。やはりここから入つて行きませんと、こういう問題の責任の帰属等についても究明が非常に困難であります。二千であろうと三千であろうと、農林省というものがあるのです。水産庁というものがあるのですから、二千や三千のそのくらいのものは——法律ができたのはもう古いことではないのでしようか。たとえば農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律施行令にいたしましても昭和二十五年であります。公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法にいたしましても昭和二十六年で、数年経過しておる。数年経過しておるのにまだ管理者が決定しないものもあるということは、一体どういうわけなんですか、ということなんですが、それを完全にあなたで御答弁ができなければ、ひとつほかの方に進んで行きますが、どうですか。こういう大事な問題をあなた一人で引受けることは無理じやないのですか。
○安井委員長代理 今次長が見えますから次長から答弁します。
○吉田(賢)委員 あなただけですか、今水産庁は……。それではしかたがないからあなたに伺いますが、この不足工事で手直しをさせて解決しておるものがあるのです。手直しをさすという措置についても、一応われわれは疑義を持つておるのですが、どういう標準で手直しをさすのですか、まずそれを聞きましよう。手直し工事をするということですね。あるいは手直しというようなことで、たとえば今の一四三〇号の福岡県の場合は、三百三十二万円の経費を新たに要しておりますが、及び他の爾余の問題一四一二号、一四三五号、いずれもこれは手直し手直しと言つて相当経費をかけておりますが、その経費はどこが負担したことになつて、どういう割合で補助を出したのか、補助を出さずに事業主体が負担したのか、それとも会計検査院に指摘されて全額国庫負担ということにでもしたのかどうか、その点はどうです。
○林説明員 会計検査院から御指摘を受けました当時におきましては、報告にもございまするように、査定金額以下で一応仕事をしたということになつておるのであります。そのためにでき方が疎漏であり、不足をしておる、こういうことに御指摘を受けたのであります。それでその後の処置といたしましては検査院とも十分御連絡を申し上げまして処置をきめたわけであります。この手直し工事に要しました、たとえば一四三〇号につきましての三百三十二万六千円、これは査定工費に対しまして当然国が負担するとなつておりました額も含まれておるわけでありますし、地元の所定の負担金もその中に含まれておるわけであります。そういういわゆる御指摘を受けました当時においては残余額というような形になつておつた金をもつて、所定の計画通りに手直し工事を命じた、こういうことになつております。
○吉田(賢)委員 これは私が現実のこの工事の状況を見ておりませんのでよくわかりませんが、しかし疎漏工事ということであれば、おそらく所期しておつた効用を達成しないような工事でありますので、そういう場合の手直しというようなことになれば、これは実情がよくわからぬとこの質疑はできないのかもしれませんけれども、しかし根本的にこれは考え直すということになさねば、一旦疎漏工事で、いわば従来の数百万円が無意味に使われたのを、またその上追加して工事するということになるのでありますから、無意味なものがほんとうに生かされるということには、根本から計画を立て直すとか、考え直すとか、責任の所在を究明するとか、何か抜本的な処置が行われて、それから再出発するというべき筋ではないであろうか。手直しの趣旨がどういうふうな実情で進められたのか存じませんが、私は少くとも全部向うから投資がせられておるというような事業に対しまして、それは何か根本的に考え直さねばいかぬというべき案件になるのではないか、こう思うのであります。それは実際はどういうことにしておられるのでしようか。
○林説明員 ここに御指摘を受けましたような事件が起らないようにする第一の方法は、査定を厳重にするということで……。
○吉田(賢)委員 そんなことを聞くのではないのです。それはまた別に聞きます。
○林説明員 それから工事施行の途中におきまする中間的な検査監督という問題が具体的には一番是正する方法であろうと考えておるわけであります。できるだけ中央におきまする中間の監督検査という問題を励行いたしまするとともに、直接の監督の立場にありまする府県を督励いたしまして、こういう問題の起りませんように十分注意はいたしておるのでありますが——まあ弁解がましくはなりまするが、なかなか全部にわたりまして少人数をもちましてやることは容易でないというような実情にもありまするので、極力そういう方面に力を入れて参るつもりではございますが、遺憾ながらこういう事態が生じたわけであります。
○安井委員長代理 吉田委員にちよつと了解を得たいのですが、大分お長いようですが、大上委員と片島委員が、簡単だから中にはさんでほしいということですが……。
○吉田(賢)委員 水産庁も見えるのでしよう。それでは……。
○安井委員長代理 では見えるまで。大上委員。
○大上委員 きわめて簡単に二、三お尋ねいたします。この会計検査院の検査報告を昭和二十六年度と七年度を見せていただいております、そこで二十六年はいまさら申すまでもなく、千百九十八件のうち約三五%ばかり批難事項が出ておる。二十七年が千八百十三件のうち約五〇%近い批難事項が出ております。そこで毎回本決算委員会で申し上げるのですが、特にただいま農地局長等の御説明を伺つておつたのですが、問題を限定いたしまして、昭和二十七年度のうち批難事項の百七十ページにいろいろ出ておりますが、特に大体百六十九ページから関連を持つておりますが、いわゆる架空工事とか出来高不足とか設計過大とか事業主体負担不足、次の項においては二重査定、設計過大、事業主体負担不足、同じく次は設計過大、出来高不足、事業主体負担不足、あるいはさらにその次の四項の大阪府南河内郡の工事につきましては、いわゆる疎漏工事というようなことでずつとあげております。そこで、国の予算の執行面においては相当慎重に扱われると思うのですが、なぜこのような事態ができたのか。ただいま議題になつておりました印旛沼の問題は二十六年の決算報告の中にもあつたように記憶しておるのですが、こういうふうなものが連続的に出るというのは一体どこに原因があるのか、私は毎回非常に苦しむのです。会計の監督上の不足にあるのか、一体施行してしまうと、その中間における現場職員、たとえば京都なら京都の農地局にまかし切つてしまうのか、この責任の所在は、予算執行の面について最後はだれがお持ちですか、まずその点をお聞きします。
○平川政府委員 これは最終的の責任はもちろん農林省にあるわけであります。ただ、これらの災害復旧の補助工事につきましては、府県に委託するような形になつております。この制度が非常に複雑でありますために、これについては改正をいたしまして責任の分担をはつきりさせたいということを考えておりまするが、現在では直接に農林省が補助をいたしますけれども、その事業については府県に実際の監督をさせるというような関係になつておるわけであります。
○大上委員 会計検査院にお尋ねしますが、いやしくもこの農林省所管の中で会計検査院の批難事項として出て来るのは、機関上あるいは組織上、行政上懸案云々というような言葉もわからぬこともないのですが、そういうものであるならば、もう少し率直に早く機構を改正する必要があると思いますが、どの点に欠点があつたのでございましようか、お尋ねいたします。
○小峰会計検査院説明員 農林省の批難事項がほかの省に比べまして最近非常にふえているわけでございますが、その点に関連しての御質問かと思いますが、私どもの局で農林省は二年ほど前からやつておりまして、同時に建設省、運輸省も担任しているわけであります。同じ方針でいろいろ検査して参りますと、最近になりましてことに農林省の批難事項が検査報告でも一番大きな数を占めるようになつたわけでありますが、補助関係の件数が非常に多いのでございます。これは建設の補助も同一の補助でありますが、全国同じ方針で検査しているわけであります。一年間を全国まわりまして最後に締め上げてみますと、こういう結果を来すのであります。私どもといたしましては一体原因がどこにあるのであろうか、こういうことも最近もちろん一生懸命研究しているわけであります。一番多いのは、何といつても補助工事の数が建設に比べまして非常に多い。それで、災害復旧が一番問題になるのでありますが、災害復旧は査定ということがいろいろな問題が起きるか起きないかの上におきまして相当大きな要素になるわけであります。査定なども建設省あたりに比べまして機構が貧弱と申しましようか、ともかくも実際に現場を見た上で査定をする率が非常に低いのであります。具体的な例を申し上げますと、昨年二十八年の大きな災害、これは未曽有の災害でありますが、建設省はあの分につきましては約八〇%の現場についての現地査定をやつております。現地査定と申しますと現場を見た上で査定をする、これは見方もいろいろございますが、ともかく一応見ておるのであります。ところが農林省の方は逆でありまして、実際において現場を見た上で査定をしたところが約二割、八割は机上査定でありまして、現場を見ない、こういうふうになつているのであります。こういうような辺にも大きな原因があるのじやないだろうか。 それから事業主体でありますが、ここにも大きな原因がひそんでおるように思うのであります。建設省と農林省の比較ばかり申し上げて恐縮でありますが、建設省で申しますと府県営、府県が事業主体になるのが非常に多いのであります。あるいは市町村営というのがございますが、府県営に比べて比較的少い。ところが農林関係で申しますと一番問題の多い農地関係、これなんかになりますと、府県営というのは全国でほんの数えるほどしかありません。町村営、それから一番多いのは町村垣下が事業主体になる場合でありますが、これがほとんど全部であります。それで町村なりあるいは農業協同組合、あるいは先ほどお話がありました漁業関係の協同組合、あるいは土地改良、こういうような小さな事業主体のものが非常に多いのであります。これは建設だとか運輸では見られない現象なのであります。こういう辺にもいろいろ問題の種を包蔵しておるのではないだろうか、今私どもの申し上げられるのはこの程度でありますが、大体その辺にいろいろな原因があるように思います。そうして直すにはやはりその辺のところを、たとえば机上査定をなるべくやめて、現地査定をやる。それから事業主体の小さいのにあまり大きな工事をやらせない。小さな農業協同組合に何千万円というような工事をさせるところに無理があるのでありまして、いろいろな問題が起きてまいりす。こういうような辺も調整する余地があるのではないか、こう考えておるわけであります。
○大上委員 会計検査院のお話で大体の要点をつかめたのですが、元へもどして農林省の農地局長にお尋ねします。よく事情はわかりましたが、そこでこの机上の査定というものは、大体それの専門家であり、あるいは災害復旧なら災害復旧それ自体の事業量というものと性質というものは特別によく協議なさつておると思うのですが、まあ一般にいろいろなケースもありましようし、いろいろな工事もあろうと思いますが、査定基準というものがあるはずです。そこで査定基準というものはどのような指導方針をなさつて、どのようにきめられておりますか、その点をお示し願いたいと思います。
○平川政府委員 査定基準につきましては、これは要するに損害の程度、すなわち災害前の状態に比較しでどの程度の基準で査定して行くかということでありますから、純技術的の問題になります。従いましてこれは技術的にこまかいその基準があるわけであります。御質問の趣旨がもしそういう点にありますならば、ひとつ災害復旧課長から御説明いたします。
○大上委員 よくわかりました。そこで技術的のものはただいま本委員会においても相当時間がかかりますし、これは毎年度出て来ることであろうと思いますから、資料で要求いたします。従つてその資料が出てからさらにお尋ねしたいと思いますが、時間がないので次の委員に譲ります。
○安井委員長代理 片島港君。
○片島委員 二、三お尋ねしたいと思います。会計検査院に先にお尋ねしたいのですが、私が承知いたしておりますところでは、こういうふうに検査の報告に載つておりますのは全面的に検査したのではなくして、抜打ち的に各工事を調査をなすつたということを私は聞いておるのであります。というのは地方に参りまして、あの村は検査に当らなかつたから助かつた、こういうことを言つておるので、その助からなかつた、運の悪いところがこういうふうにみんな指摘をされておるのである。すべての工事を全部会計検査院が検査をするということは困難であると思いますが、しかしながらここにこの二十七年の分だけについて見ましても五億九千万、約六億からの金が実際上疎漏工事、設計過大、事業主体の負担不足、こういつたような形で出ておりますし、三十一億もの大きな金が二十八年度以降減額を要する額というふうに計上してありますが、もし全面的に会計検査院が検査をしたとするならばどの程度になるとお考えになりましようか。その点は会計検査院の方では予想はつきませんか。
○小峰会計検査院説明員 お答えいたしますが、二十七年度の検査報告書の百六十五ページにもございますように、今お示しのように、箇所数で申しますと、全体の工事の約五・八%、六万五千九百余り工事がありますが、そのうち三千八百三十しか見ていないのであります。パーセントにいたしますと五・八%になります。しかし比較的大きな、たとえば百万円以上の工事というものをよつてみますと、金額にいたしますと一三・四%、これは農林省の補助工事の現場だけについて申し上げているのであります。ほかのものはこれほどひどくございませんが、とにかく農林省は非常に数が多いものでありますから、お示しの通り実は非常に行つているところが少いのでありまして、あるいは私どもが参りましたところが運が悪いということになるかもしれませんが、先ほど御発言のようでありますが、どうも私ども現在の農林検査の能力から申しますと、この程度しか見られないというのが実情なのであります。ただ私の方といたしましてはこれだけ見てたくさん批難事項があるし、金額もかさんでいるが、全体を見たらどうか、非常に大きな推定が入るわけでありまして、よその役所ではよく、たとえば六%しか見ないからというので、この逆算をしたり何かして計算を出すようなところもあるようでありますが、会計検査院としてはこれだけしか見ないで、全体としてかりに見たらどれくらいのものが出て来るかということはちよつと申し上げかねるのでありますが、その辺でひとつ御了承願いたいと思います。
○片島委員 大体会計検査院で件数にして五%ないし六%、金額にして一三・四%、こういつたところを見ておられるのでありますが、そういう見られるときには、前もつてあそこは多少臭い、少し怪しい、こういうところを幾らかでも目星をつけて行かれるのか、それじやなくてただ抜打的に行かれたのか、この点はどうですか。
○小峰会計検査院説明員 これはまず県庁に参ります。その上でいろいろ調書をつくつてもらいまして、百万円以上とか、あるいは二百万円以上というところで一応の線を引きまして、それで大部分が線の上に浮んだものを見るわけであります。私どもといたしましては町村に前年度に幾ら補助金をやつたかということはなかなかわからないのであります。向うべ行きませんとわかりませんので、そういうような方針で現在やつております。それからいろいろ問題があるところは、毎年同じようなところを歩いておりますので、どういうところにはたくさん災害があつたかというようなことも大体わかつておりますわけで、そういうところに重点を置いて検査をする。それからいろいろのうわさも聞くこともございますので、そういうようなときにはそういうところを必ずほかの方面を見合しても検査をするということをやつております。
○片島委員 大体県庁に参られますならば、県庁としては人情としてできるだけあまり大きな事故のないようなところを調書をつくるということになりはしませんか。それとも百万円以上であるならすべて金額でよつてからそのところは全部を見る、こういうふうになるのでありましようか。
○小峰会計検査院説明員 県がぐあいの悪いところを隠すというような御疑念でありますが、これはないと思います。と申しますのは、一定金額の全部の調書を出しております。それで一定金額以上のところを私どもの方で拾うのであります。そうして村に対しましても、県庁に行くまでは全然あらかじめ御通知できないわけであります。今申し上げました通り、私どもの方として検査に行く前にどこの村に幾らの補助金を前年度に交付したかということはなかなかわかりかねるのでありまして、県庁に参りましてからその調書を見まして、こことこことここというふうに指摘いたします。あらかじめぐあいの悪いところを隠しておくということは実際問題としてはこれはできないんじやないだろうか、こう思つております。
○片島委員 そういう不当事項が大きいものは多くの人がみな見ておりますので、あまり悪いことはしにくい。小さいものはその率からいつたら不当事項は多いのではないかとも考えられます。そういたしますと、ここに不当事項として計算されておる約六億ぐらい、この農業施設、漁港施設、山林施設の合計六億ぐらいの金額というものは、そのままこれをやはり十三%というもので逆に割りましてから出たものが、そのくらいの不当なものが出て来るのじやないかということが推察せられるのでありますが、その点あなたの方ではどうお考えになりますか。
○小峰会計検査院説明員 ただいまの御質問でありますが、これはなるほど小さいところほど比較的こまかい事項が多いのであります。私どもとしてなかなか今の能力をもつてしては手がまわりかねるので、大きいところをよつて歩くわけでありますが、どうも今の逆算したならばという推定につきましては、私どもの方としましては実は何とも申し上げかねるのでございまして、これはお立場によつていろいろ計算の仕方があると思いますが、会計検査院といたしましては推定金額で大きく申し上げるということは、ちよつといたしかねるのであります。
○片島委員 今のお答えでありますが、大体推定する場合には大きいところほど事故が多くて、小さいところほど事故が少いということにならないのでありますから、やはりこれに逆算して行つても、そのくらいの大きな金額になるのではないか。これは大体私の考えでそう推算ができるのであります。先ほどから疎漏工事、設計過大及び事業主体の負担の不足、こういう三つの問題が出て参りますが、先ほどからの会計検査院のお話では、非常に形式的に、たとえば事業主体が小さいから、そういうような事故が多くなつて来るとか、あるいは実地検査が十分に行き届かないから農林省関係は多いのではないか、こういうことが言われておりますか、しかし事業主体が大きく、金額が大きくても、国全体が注目いたしておりましても、造船疑獄のような大きな問題が出ているのでありまして、私は特に農業施設、漁港施設、あるいは山林施設というものは、地元の人が非常な熱意をもつて当局に陳情をして、ようやく願いがかなつてこの工事があるというので、地元の人は比較的良心的な仕事をやつているのではないかと思う。にもかかわらずこういうようなことが出て来たということは、その工事主体が小さいとか、あるいは実地検査が十分に行かぬということのほかに、なお実質的な原因があるのではないか。たとえば地方ではもうきまり切つたような人がこの工事を受取る。その結果それに原因していろいろな醜聞などもあります。ほかに原因を申しますならば、たとえば一つの工事についてあまりにも飲み食いが多い、あるいは人知れずリベートというようなものが出て来る。これは現実に私の方では刑事犯として上つて参つたことがあります。もう一つは事業主体の負担ができないために国家補助をもつてごまかして行くということが、こういうような事故として上つた場合に多いのではないかと思う。先ほど会計検査院の方ではただ形式的な原因だけを述べておられますが、その点についてあなた方お気づきになつたことはございませんか。
○小峰会計検査院説明員 農林関係の補助工事にまつわると申しますか、そういうような事故でありますが、これはたとえばいろいろな補助工事を獲得するためにいろいろな雑費がかかる、あるいは請負人がごまかすというような問題もあるのでありますが、私どもとしてもいろいろ雑費がかかる面になりますと、これは補助工事費からその雑費が出ているかどうか、あるいは県庁に陳情に行くとか、いろいろ経費もかかるわけでありますが、そういうような面が必ずしもその当該補助工事から出ておるとは言えないのであります。これは町村なり、何なりの一般の経費の方から支出されておるのであります。補助工事だけの経理を私どもとしては見ているわけでありますが、その範囲に限定されます関係で、今の点はちよつとわかりかねる場合が多いのであります。それから請負人がごまかすというような面も、これは相当あるように思います。 〔安井委員長代理退席、大上委員長代理着席〕 これは出来高不足とか、あるいは設計過大、こういうようなものがありますと、当然に請負人に払うべき以上の金が行つていることになるのであります。私どもといたしましては、この請負金額が補助基本になるわけでありますが、補助金の対象になりました請負金額と、実際に幾らかかつたかということを一つ一つの工事について検討しておるのであります。それをさらに押し進めまして、先ほどの地元が財政不如意というような理由から自己負担ができなかつたのじやないだろうかという御質問でございますが、この点にも触れて検査しておるのであります。それでこの中で正当な自己負担をしていなかつたという結論になつたものがたくさんにあります。これが先ほどお話がありましたいわゆる実質的原因と申しますか、実質的な面にからんで来る大きな原因と申しますか、結果と申しますか、ともかくも法律上三割五分なり幾らか負担しなければいけない地元が、それを負担しない。そうして請負人と裏契約を結んでおる、こういうようなことが検査の結果たくさんにわかつておりまして、十万円以上で申しますと、千七百件ほどありますが、そのうち千五百件くらいは、そういう自己負担にからんだ実質的な問題、こういうことになつておるわけであります。
○片島委員 この補助工事費から除外すべき額、同上に対する補助金相当額、この(一)、(二)、(三)について約六億円くらいあります。これの措置、それから二十八年度以降交付予定額中減額を要する額、(一)、(二)、(三)について合計約三十一億、これに対する処理は農林省としてはどういうふうにやつておられるのでありますか。
○平川政府委員 これは不当の種類によつて、またその事業の実態に応じまして、出来高の不足である場合には、手直しを命ずるという措置をとつております。それから架空の工事でありましたり、あるいは設計が過大であるというようなものに対しましては、これを返済させる。それから返済の一つの方法でありますが、災害復旧の工事は、たいてい数年かかつてやつておりますので、まだ残りの仕事のあります場合には、翌年度の補助金を差引くというような措置をとりまして、足りないものについては返済を命ずるというような措置をとつております。 〔大上委員長代理退席、安井委員長代理着席〕
○片島委員 なおそのほかに事業主体の負担の不足については、事業主体に負担を補わせる、こういうことでございましような。
○平川政府委員 そういうことでございます。
○片島委員 そういたしますと、手直しあるいは架空設計、過大設計については、これを返済する。あるいはそれを翌年度から差引く。事業主体負担の不足の分は、それを補給させる、こういうような方法があるというわけでありますが、これは方法なんでありまして、実際上この三つの方法は実行しておられますか。
○平川政府委員 実行しております。
○片島委員 それはあなたの方の指示があれば、すぐに手直しをし、あるいは架空設計、過大設計等については返済をするというが、これもなかなか向うは困つておるから、こういうような工事をやつて、そう向うとしても手持ちでもつてすぐにこの工事にとりかかつて、実行するということは実際上困難である。翌年度以降の交付金の差引をやるということは、あなたの方の考え方一つでやれますが、ほかの方は事業主体の負担を補うといつても、県議会においてやはり予算を編成してやらなければならぬので、そう簡単に行くわけはないと私は思いますが、あなたは実行しておると簡単におつしやいますが、実際にそう簡単に実行できますか。
○平川政府委員 今のような場合につきましては、一々地元の方とよく話合いをいたしまして、そうして手直しをするというようなことをやつておりますので、もちろんお話のように非常に簡単であるということはございませんけれども、しかしこれは会計法上からいつてどうしてもこうしなければならぬ問題だということで実行させておるわけであります。
○片島委員 そういうふうにしてやはり法的に手直しなりあるいは返済なり地元負担ということを実行させる、どうでもこうでもこれはやらなければならぬからやらせる、まことにけつこうでありますが、そういたしますと、先ほど会計検査院の方の御説明では、件数にして五、六パーセント、金額にして十三、四パーセント、この程度しか実際上検査をしておられない。ほかのところはそれでは私が先ほどお伺いしたように臭いようなところばかりよつてやつたかといえば、そうでなくして、あたりまえにやつたということでありますれば、やはり件数にしては九〇%、金額にしては八十パーセントというものは、これは会計検査院が行かなかつたために、調べなかつたために助かつたわけだ。これを私たちは地方に行くと実際は非常につかれるのです。自分たちの方は運悪く検査にひつかかつてたいへんな目にあつておる。隣村はひつかからぬで助かつた。こう言つておる。これは私は非常に不公平なことだと思う。やはりあなたたちが調べられるときに、全部を調べるとか何かの方法によつて、この調査の方法があるとすれば別でありますが、全国的に同じようなことをやつておるのに、たまたま会計検査院行つてちよつとつつついたところだけが、今農林省の農地局長の言われるようなことの実行を迫られる、地方に負担をさせなければならぬということになれば、これは非常に不公平なことができ、しかもその不公平なものの方が数が多い。この検査にかかつたものの方が金額にしても件数にしてもきわめて少いのであります。これに対しては私は何らかの公平な取扱いを行政的に実行すべきであると思いますが、これはどなたかわかりませんが、農林省の方からでも何とかこれは救済をするなりしなければならぬと思う。一方悪いことをしたのを押えるのならば、ほかのやつも押えるとか、またほかの方のやつが助かつておるのならば、一方のやつもかんべんしてやるとか、何か公平な方法を講じなければならぬと思うが、それについては何も考えないで、ただ会計検査院が調べたのを、これは法律上やらなければならぬというので、あなた方はとつちめられておるのかどうか。この点はもう少し公平な手を打たなければならぬと私は思う。
○平川政府委員 これはもうお話の通り、確かに検査に当つたところとしからざるところとの不公平といいますか、あると思います。ただそれに対してわれわれといたしましても、検査院の検査を受けないところに対しましても再査定をする。つまり災害の当時におきましては、非常に大量の災害地が一斉に発生いたしますので、先ほどお話のように二〇%ですか、そのくらいしか実地検査ができないというような状態であります。これはやむを得ないと思います。追つかけまして各現地について再査定をやりまして、でき得る限り——まあ仕事は始まりますけれども、検査院等の見られるのと同じ尺度で各事業地とも査定をやり直すという措置をとつております。これももちろんそれによつて完全にすべてが公平になるというわけには行かないかと思いますけれども、しかしとにかくそういう方法によつて非常な不公平を是正して行くということだけはやつておるわけであります。
○片島委員 それは会計検査院が指摘した以外のところは、これは会計検査院が専門的に調査をしたのだからこれでいいとして、その調査をしておらない、会計検査院の検査をのがれたものについてだけ、もう一回農林省の方で再査定をするために現地調査をしておる、そういうことでございますか。
○平川政府委員 そういうことでございます。
○片島委員 これはやはり会計検査院が専門的な立場からこういうふうな大きな金額を不当事項として、あるいは不正な問題として掲上せられておるので、あなた方が、ただ会計検査院の立場でなく、農林行政の立場からいつてそういう調査が十分できるものならば、会計検査院がこういうふうに抜打ち的な検査をやつたものがたくさんひつかかつて来るわけはないのでありまして、それができないから、結局大きな、百万円以上といつたような工事について、このような事故が出て来ておるのだ。いわんやそれよりも多く、会計検査院が件数にして五、六パーセント、金額にして百万円以上という大口だけを取上げたにしても十二、四パーセント、その残りを農林省が是正するために再査定をやれば、それで何とかけりがつくというふうに考えられたら私は大きな間違いではないか、やはり会計検査院が調査をしたと同じような不正なことがあつたのじやなかろうかという前提に立つて、今までの済んだことはしようがないといたしましても、その後の行政的な措置をやるべきであります。この点についてあらためてお伺いします。
○平野政府委員 公共事業費の費途に関しまして、たくさんの不当事項がございますることは、まことに申訳ないと思つておるわけでございます。今後はこういうことのないように、適正を期するようにいたしたい。特にまずこれらの綱紀の粛正をいたし、監督を厳重にするということは当然でありますが、特に農地局の災害復旧の関係の不当事項が多いのでございます。これはただいまの御質問の点でございますが、これにつきましては何分にも国会の特別立法等の関係もありまして、昨年度のごときは六万件以上の災害がことごとく国庫補助の対象になつており、件数が非常に厖大な数に上つておるわけであります。従つてどうしても机上査定をせざるを得ない。またその間に目の届かないところも出て来る、こういうことでございますので、こういう点を制度的にも是正をしなければこの問題は解決できない。さような観点のもとに今回これらの災害復旧に関しまする公共事業費の補助に関する特別立法をいたしまして、ただいま御審議をいただいておるわけでございます。あの法律が成立いたしますならば——県が補助するものについて補助する、こういう間接補助の規定でありまして、これをもつで行けば公正を期し得られるのではないかと思います。ということは今までの補助の対象が、県営はもちろんよろしいのでありますけれども、県営以下の小さいものにつきましては、ただ県が仲介者のような形でやる。従つて不正があるというような場合におきましても責任がはなはだ不明確になつておるわけであります。今回は地方公共団体の県に全部責任を持たして、抜き打ち検査等によつて不正が発見されました場合は、県全体の補助金の中からこれを返還せしめる、こういうことにいたしますれば、県としても責任を持つて厳重な監査もいたすでありましようし、自動的にそういう点が解決できるのではないか、かような考えのもとに今特別立法を御審議いただいております。もちろんそればかりではございませんが、全体にわたつて監督を厳重にし、同時に綱紀の粛正をはかつて、今後再びかくのごときことのないようにいたしたいと存じておるわけでございます。
○片島委員 これは悪かつたとか、これから気をつけるとかいう問題ではない。私が言うのは公平の原則を言つておるのです。悪かつたのは前から悪かつたのできまつておるのです。会計検査院が検査をしましても、検査した中に事故のないところもあつたので、ございましよう。事実何ともなかつたところもあつた。ところが会計検査院が検査した中に、これだけの大きな不当事項があり、これを返済させるとかあるいはこれらの交付金を減らすとか、こういう措置をとつておられるが、これは今後農林当局がいかに、また農林次官がいかに綱紀の粛正をはかられても、会計検査院が調査すればまた出て来るのです。だから会計検査院の方では大きいところ小さいところにかかわらず、ことし調査しなかつたところを来年やるということになれば、ことし調査にかからないところは、ことしは検査がないというので手抜かりをやる、これは将来ずつと出て来る。こういうのに対してもう少し積極的に、公平に行くようにしないと、隣の村はもうけた、うちはたまらぬという事情が現実にあつて、現に私たちは陳情を受けてこれを何とか公平に、たとえば五十万円私の方ではもどさなければならぬというのなら、ほかの方は三十万円とか何とかわけぶちをさせるとか、公平な行政的な手を検討せられる必要があるということを私は言つておる。それをただ今までのことは悪かつた、これから綱紀粛正をしますということではどうにもならぬのであります。今後のやり方について行政的な打つ手は考えられないか、検討する必要はないか、こういうことを念を押しているわけです。
○平野政府委員 ただいまその点申し上げたつもりでございますが、何分にも件数が多いので、会計検査院におかれましても、全部にわたつて検査をするということが事務能率の関係上困難であろうと思うので、従つてそのうちでひつかかつたところは不幸であるが、たまたま検査に漏れたところがうまくやつておるというようなことは、いずれにしてもそういうことはあるべからざることなのでありますから、全部なくするということに行くべきでありまして、そのためにはただいま申し上げましたような特別立法によりまして、災害の関係についてはもしそのうち一つでも不正があつた場合においては県の全体の補助金の中からこれを返還せしめるという方法をとりますれば、従つて全部の不正が一掃される、こういうことを考えておるわけでございます。
○片島委員 もう一点、今後の問題は、そういうふうにしてせつかく御努力を願いたいと思いますが、今までの分については少くとも法律がさかのぼるわけじやないでありましようが、今までの分については、今までのひつかかつたところは運が悪かつた、これでお見のがしでございましようか。
○平川政府委員 その点を完全に公平にいたしますためには、お話のように検査院が全部調べるということ以外には方法がないと思うのでありまして、そういうふうに完全には参りませんけれども、調べる人間も違いますし、従つて見る目も、考え方が多少違いますので、完全に公平を期するというわけには行かないだろうと思いますけれども、ともかく再査定によつて、基準に違反して、たとえば架空工事というような場合にはこれを削除いたすということにいたしたいと思つております。
○片島委員 それでは納得行きませんか、一応やめておきます。
○杉村委員 今の査定の問題でありますが、今農林次官の答弁では、机の上で大体やつた、こういうお話でありますが、どういう経路でこれを査定されたか、それをちよつと伺いたいのですが、どういう順序でこれを査定されたか。
○平野政府委員 机上査定ということはごく小さいものについてでございますが、大きいものはもちろん全部やるわけですけれども、何分にも何万件というふうなものですから、従つて事実上一々を係員が見てやるということはできませんので、災害の分につきましては、写真を十分に、あらゆる角度からとつた写真をつくらせまして、これを机上査定する、こういうことをやつておるわけであります。
○杉村委員 この査定について自由党の大幹部どころの意見が入れられて、非常な不当な査定をしておるというようなことが多分に見受けられるのです。それは佐藤幹事長の選挙区の山口県佐波郡出雲村の七億八千四百余万円というものが補助金で出ております。これは会計検査院が検査したうちで最も不当なるものとして、標本的にここに出されたのでしよう。それが佐藤幹事長の選挙区なんです。こういうことは大ボスがこの補助金の査定にいろいろな手かげんを加えたためにこういうことになつたのではなかろうかと思うのですが、補助をするに至つたこの出雲村の工事は、どんな工事であつたか、その点を局長から伺いたい。
○平川政府委員 これは山くずれの性質のものでありますから、農地が流失埋没するとか、農業施設が破壊されるとか、あらゆる災害をひどく受けておるわけてあります。大体において山地帯の災害というのは、平野部に比べまして、農地に大きな石が入つてしまうとか、あるいはすつかり洗われてしまうとかいうような、災害としては非常に大きな復旧費を要するような災害が起るわけであります。これはそういう種類のものなのであります。それで査定そのものにつきましては、純技術的に……。
○杉村委員 ちよつと待つてください、発言中ですが……。そういうことを言うのではない。出雲村の災害復旧費としてこれはやつたのだから、出雲村でどれだけの水田がどうなつたとか畑がどうなつたとかいう、そのことを聞きたいのですよ。そういう漠然たることではなくて、これは出雲村で七億八千余万円行つておることは間違いないのだから、これだけの、七億という金を一村に出したのは、どういうわけで出したのか。それをいま少し、出雲村の水田がどれだけどうなつたとか、畑がどうなつたとか、そういうことを聞きたいのです。それが今ここでわからなかつたら、資料でもいいからひとつ出していただきたい。わかつているだけ答えてください。
○平川政府委員 ただいま面積が出ておりませんが、この一村でもつて損害を受けました地区の数が四百八十二件あるわけであります。今面積が出ておりませんから、これは調べまして御報告申し上げます。
○杉村委員 それでは、そのほかにまだたくさんあるのですが、この山口県佐波郡出雲村とか、それから同郡の八坂村に五億三千五百余万円、これはともに佐藤幹事長の選挙区です。ですからこの二箇村に対するところの詳細なる資料をひとつ出していただきたい。
○柴田委員 今の関連なんですが、今ちようどいいあんばいに農林次官と大蔵次官がお見えでございますが、この問題は私は大きく注目しておつたのであります。山口県の出雲村というのは、人口が五千何百のところです。その一箇村に対しまして、今同僚杉村委員からも質問がございましたけれども、工事はどういう工事をやつたかということは第二の問題といたしまして、七億八千四百余万円の補助を出しておる。そういたしますると、人口五千何百の村で赤ん坊から年寄に至るまで十数万円の金を出して来なげれま、この補助を受入れられない。こういう現実がこの数字的計算からいつてもわかるわけなんです。なるほど十数億あるいは二十億の補助を与えても、その村一村の復旧ができなかつたかもしれません。どんな災害であつたかわかりませんけれども、現実の数字面から計算いたしまして、その村でオギヤーと生れた赤ん坊から、あした棺桶に入つて行かれるおじいさん、おばあさんまで、一人当り十数万円の金がはたしてこの村で出し得たのかどうか。それを出し得る能力がなければ、この補助を受入れられない。この現実の状況を農林次官並びに財布のひもをがつちりと握つておられる大蔵次官は、どのようにお考えになるのか、これを両次官から承りたいと思います。
○植木政府委員 ただいまの御質問の件につきましては、具体的な案件は私は存じませんが、予算当局の立場としてのお答えを申し上げます。人口の少い、また村の経済力のきわめて貧弱なところに大きな災害が起つた、しかもこの災害はどうしても復旧して行かなければならないというような実情が起つたといたしました場合には、国といたしましてやはりこれに対しましてでき得る限り多額の補助を与えて、そうして地元の負担はできるだけ少くするということは、これはやむを得ぬ結果であろうと思います。昨年の非常な災害のときにも、国会におかれまして、やはり最大限度まで災害のひどいところは国が補助をしようじやないかという立法をしていただいたのも、そのことの結果であろうと思うのであります。しかしながら、いかに多額の補助を出しましても、たとえば九割補助を出しましても、あとの一割というものが相当大きな金額になつて、しかもその金額を当該町村においてただちに醵出することが困難であるという場合がもちろん起ろうと思います。そうした場合におきましては、御承知のような、いわゆる農林漁業金融公庫というような施設がございますが、こういう方面からさしあたつて彼らのただちに負担し切れない部分については融資をいたしまして、そうして長い間かかつてこれを返済して参るというような措置を講じて行く、これより方法はないじやないか、かように私は考えます。しかしながら国といたしまして農林漁業金融公庫に必要なる、所要の、いわゆる公共事業、復旧事業等に伴う裏づけになる資金の調達を十二分にしておるかというと、必ずしも残念ながら今日のわが国の経済力ではこれまた十分とは参つておりません。従つてかような部分につきましては、災害のあつた町村においては、もちろんでき得る限りやはり労力を提供して、それによつて賃金を求め、これによつてできるだけ自己負担の金を編み出すというような努力をぜひともやつていただきたい、かように大蔵当局としては考えておる次第でございます。
○柴田委員 私どもは今まで大蔵政務次官の植木さんは非常に良心的で、われわれも非常に好意的であつたのでございますが、今のお答えを承りますると、お言葉は非常にきれいなんだが、この国庫補助を与える場合の暫定措置に関する法律というものは御存じでございましようか。この暫定措置の法律によりますと、国庫が全部を負担して復旧をやる、こういうことじやないんです。やはり地元に相当能力があつて補助を与えて復旧をやるということが、この措置法にうたわれておる。こういう場合を私は対象として今議論を進めておるのです。この村一村で七億幾らの補助を受けて、この村からまた同額の金額をもつて復旧をやれるのかどうか、その村に能力がない場合にはその補助だけをもつてこの事業をやつたのではないか、しかもこの村を調べてみると、たとえば自由党の佐藤榮作氏が選出されておる、岸信介氏が選出されておる、こういうことを具体的に、しかもその村から何票票が入つておるかという調査までやつてみた。こういうことによつて国民大衆が非常な疑惑を持つのではないかということを伺つておるのです。もう一度承りたいと思います。
○植木政府委員 お答え申します。私の申し上げますのは、なるほど仰せの通り、一般的の場合のことを申し上げておりますので、具体的のこの村の問題につきましては、農林省の政府委員からお答え申し上げた方が適切かと思います。
○平野政府委員 この災害復旧の査定等に関しましては、政府としては法律の定めるところによつて自動的にやるということでありまして、決して一部の政治家の圧迫とかさようなことは聞いたこともございませんし、またそういう運動をしたところが、そういう余地は全然ないわけでございます。ただいまの山口県の出雲村の件も、別に自由党の幹事長佐藤榮作君から何ら話のあつたこともないし、またありましても政府としては何ら関知いたさないことで、たまたま佐藤君の選挙区にそういう厖大な災害があつたということでありますから、この点御了承願いたいと思います。なお今お話の点は大蔵政務次官からお答え申し上げましたので尽きておると思うのでありますが、政府としてはやはり、財政の貧弱な地方公共団体に非常な災害が起つたという場合に、地元負担が多くて耐えられないということになります。昨年の災害につきまして国会において特別立法を制定せられました趣旨も、そこにあると存ずる次第でございます。それによつてその点の問題は解決するわけであります。しかしながら、かような一村で七億というような特別のケースにお吾ましては、高率の国庫補助になりましても、なおかつ地元は負担に耐えられないというような場合があるわけでございまして、これらにつきましては融資措置等によつてその点を解決して参りたいと思つておるわけでございます。
○杉村委員 資料のことですが、先ほど農林当局から出雲村と八坂村については出してもらうことになつておりますが、会計検査院からもひとつお出し願いたい。
○柴田委員 結局こういう不当な補助が出されるということは、そういたしますると、何ら政治的圧力がない——あるとはおつしやられないだろうから、ないとわれわれも聞いておきましよう。しかしてこういう莫大な補助をその村、たとえば八坂村に対しては五億三千五百余万円やつておる、この二箇村でも十三億何がしかをやつておる。しからばこういう査定はだれの責任においてやるのか、こう聞きたくなる。農林大臣はこんなでたらめな査定を承認されるのですか。農地局なりあるいはその他の局長から資料さえ出れば、農林大臣は何らそれに躊躇せずに査定をなさるのか。なした場合に、しからば大蔵省はそれに対して、財政の困難な日本において、農林省からさえ来れば何でもうのみに、それに対して承認を与えるのかどうか、これまた御両方から承りたいと思います。これで私は質問を終ります。
○平野政府委員 この査定の問題でありますが、これは決して放漫に、ただ被害者の申告をそのまま採用するというようなことはしておらぬわけでありまして、きわめて少数の人員でありますけれども、全能力を発揮して厳重にやつておるわけでございます。もとよりこれは府県あるいは市町村等から厖大な被害報告があるわけでございますけれども、これは直接係官を派遣いたしまして、そうして精密に調査をいたし、また大蔵省と責任省である農林省とが十分協議をいたしましてやつておるわけでございますから、しいて過大にこれを見積るというようなことは一切ないようにやつておるわけでございます。
○植木政府委員 柴田委員の御質問は、人口三千数百の小さい寒村に対して、六億数千万の大きな補助、国費を投ずる、これがはたして公正な査定に基くものであるかどうかというようなお疑いの点でおありのようでございますが、大蔵省といたしましては、災害査定の場合には農林当局とできるだけ細目にわたつてお打合せはいたしますけれども、しかし各村別一々全部について大蔵省が関与するわけではございません。おおむね地区数でございますとか、あるいは災害の程度の報告等々を参考にいたしまして、そうして総額として幾ら幾らというふうに積算はいたします。でき得る限り詳細に入ることには努めてはおりますが、あまり詳細に入ることによつて、かえつて相手の省の仕事に非常に妨げになるというような場合も考えられますので、そこのところ財政当局としてほどほどに適当にやつて参る。しかし国費が濫費されないためには、時間の許す限りは詳細に入るということに努めております。 ちようど資料が手元にございましたので、出雲村の例で申しますと、なるほど御指摘の通り六億八千九百万円の工事費という大きな事業でございますが、しかしこれに対しましては、補助率が農地関係の分については七割七分の補助になつております。施設関係については八割八分の補助になつております。従いまして当該町村の出雲村の実際の地元負担といたしましては、農地については二割三分、施設につきましては一割二分というだけが地元負拍になりますので、六億八千九百万円の総工事費のうち、補助金でまかなえる部分が五億八千万円、地元で負担したければならないものが一億八百万円、こういうふうな数字に相なつております。この一億八百万円が、いわゆる出雲村の住民の三千数百に対して非常に負担が大きいじやないかというお話でありますが、これに対しましては、先ほど来お答え申し上げた通りであります。査定総額の六億八千九百万円に対しましては、当時の当該町村の御要求はもつともつと大きかつたようでありますが、いろいろ相談もし、研究いたしまして、この程度で折合いがついたという数字でございます。
○村瀬委員 関連いたしまして二、三点お尋ねいたしますが、今の大蔵政務次官のお答えになりました数字と、ここに会計検査院が出されておりますこちらの数字がちよつと違うようでございます。それはともかくといたしまして、すべて査定は全国公平になされないと、佐藤幹事長が例に出て参ります。と申しますのは、この資料によりますと、耕地一反当りの災害復旧事業費が十四万五千円となつております。そうして村税に対比いたしますと、七億八千四百何万というのは、村税の五百十六万円の百五十二倍ということになるのであります。そういう表がここに出ております。かつて南海大震災がありまして、地盤沈下が四国並びに和歌山地方に顕著に現われたときがあるのですが、当時査定にあたりまして特に言われましたことは、経済効果も考えねばならない、四国の寒村であるから、土地をかわるということもなるほど困難であろうけれども、しかしむちやくちやな金を投ずるということはできないから、経済効果という点から査定をするということをたびたび言われたものであります。ところがこの出雲村にいたしますと、耕地一反当りに十四万五千円出しておる。これはおそらく一律ではないのであろうと思うのでありまして、十四万というのは平均でありますから、五、六万で復旧のできたところもあるでありましようし、また三十万円近くもかかつたところもあるのではないかと思うのでありますが、一体農林省の査定はどういう御方針であつたが、経済効果を無視して、その村に、田がつぶれたならば百万円かかろうとそれを復旧するという御方針なのか。そうしますと昨年のあの奈良、和歌山地方等は、おそらく一反当り二百万円かけても復旧できないようなところを私は見て来ております。そういう場合に、幾らまでならばこの災害復旧の査定を認めるのであるか。これはおそらく全国一律にすべきであつて、佐藤幹事長のところだけ一反当りいくらかかつても復旧するというのでは、天下の政道が成り立たぬと思いますが、どういう御方針でありますか、それを伺つておきます。
○平野政府委員 査定の基本方針といたしましては、原則としては原形復旧ということでやつているわけでございます。お話のような経済効果という点も考えなければならぬわけであります。従いまして査定にあたつては、非常に多額の復旧費を要し、結局採算上適当でないというような点もあるわけでありますから、そういうところについてはお話のような点も考慮してきめて参るというようにやつているわけであります。しかしこれは個々のケースケースで皆事情が違いますので、その場合々々にあたりまして最も妥当適切な査定方針で行つて行くわけであります。
○村瀬委員 はなはだ抽象象的な、つかみどころのない御答弁でありますが、そういたしますと実際一反当りどのくらいまでは、災害復旧の場合は金をかけてもよいというお考えでありますか。標準をお示し願いたい。
○平川政府委員 これは大体前年度、つまり新しく開拓するという場合を想定いたしまして、その開拓の一戸当りのいろいろな費用を算出いたしまして、一反歩当り幾らかかるということを算出いたします。その限度までは最高額として認める。そうすると一反歩当り十万円とか十五万円とかという程度になるのであります。それを最高の限度としております。ですから百万円とか二百万円というものはこれはオミットする、こういうことであります。
○村瀬委員 この資料によりますと出雲村は一戸当り平均して八十八万六千円となつております。そうすると一反当りは十四万五千円というのであります。一体農地の売買その他につきましては、政府はかなりいろいろな意見をときどき発表なさるのでありますが、日本の農地の一反は最近はどのように見当を立てておられますか。これは一体畑であるか田であるか、陸田であるか水田であるか、資料ではわかりませんが、日本の今日の田、畑は農林省においてはどのくらいの価値と考えておりますか。
○平川政府委員 説明が不十分でございましたが、ただいまの開拓等と比較いたしますのは、農地災害であります。そのほかに施設の、たとえば水路であるとか、ため池であるとかそういうような災害は、原形に復旧するだけのものを認める、こういうことになつております。たとえば出雲村の場合をとりますと、先ほどの検査院の報告と数字が違いますのは、先ほど申しましたように、再査定をいたしまして検査院の検査の当時からずつと一億くらい減らしておるわけであります。それで金額が違うのであります。この六億八千九百万円という再査定の額のうちで、農地の災害に充てるものは二億二千万円、それから水路等の共同施設の災害に充てるものが四億六千万円、それでこれはただいまのような最高限度というものがございませんで、原形に復旧するまでは損害額として認めるわけであります。そういう関係で、これを全部で割りますと、一戸当り非常に多くなる。農地そのものにつきましてはただいまお話のようなことで、最高としては開拓関係から押えております。 それから農地の価格そのものにつきましては、農林省といたしましても、これは幾らであるということをちよつと申し上げかねるのでございます。価格は押えておりませんで、自由価格にいたしております。勧銀等の調査によりますと、数万円とかいろいろの調査も出ております。場所により、場合によつて、非常に違つておるようであります。実際は十万円を出るようなことも水田ではあるようであります。出雲村の災害は大体水田のようであります。
○杉村委員 私は先ほど申しましたように、資料を出していただいていま少し質問をしたいと思つているのに、皆さんがたいへん質問をなさつたので、それはけつこうだと思つているのですが、ただここで先ほどからの政府側の答弁を聞いていると、次官初め、大蔵次官も局長も、少しも悪くないというような答弁です。私はただその一点を聞くのですが、出雲村と八坂村のこの査定は、あなた方はこれでさしつかえないとおぼしめしになるのですか、どうですか。いいか、悪いか、それだけ伺つておきます。
○平川政府委員 法律に基いてその通りやつたことでありますから、査定そのものとしてはよろしいと思つております。
○杉村委員 会計検査院に聞きます。今お聞きの通り農林当局はさしつかえないと言うのだが、あなたの方ではこれは標本的に悪いと書いてあるのだが、会計検査院の意見はどうですか。
○小峰会計検査院説明員 私どもは七億八千四百万円という当初の査定を見まして、これは今までも例を見ない——これは資料としてお出ししておりますが、先ほど村瀬委員が御引用になりましたように、一反歩当り十四万五千円、一戸当り八十八万六千円、これはたいへんな金額でありまして、これはわずかに農家戸数が八百八十五戸であります。農地反別が五百四十一町歩、こういう非常に小さい村であります。日本でも代表的に小さい村だと思いますが、こういうところに七億出したということは、今までも例がありません。それから昨年の大災害、これは村壊滅というようなところが熊本県とか和歌山県あたりにございますが、それでもなお、まだ七億ついたことはございません。これを見ましていかに古多いということで、農家戸数が幾ら九とか、反別が幾らかとか、こういうことを実は調べたわけであります。検査資料としてつくりましたものを、御要求によりましてお手元に出したわけであります。それで今まで例がないというほど大きいのでありますが、私どもとしてはこの七億八千四百万円はこれは何ぼ何でも多いのじやないだろうか、そういう想定のもとに、特にこの辺については検査を厳重にしたりでもります。それで最初に検査いたしましたときに、当局に対しまして、これは何ぼ何でも多いじやないか、こういうことを御注意申し上げました結果、先ほどおつしやいました六億八千九百万円に減つたのであります。これは会計検査院の検査の結果、約一億というものが減つたのであります。これは見方によりましては、まだ多いという見方も立つと思いますが、私どもが見つけますのは、査定が済みまして相当あとのことでありまして、工事をやつてしまつたのもありますし、手をつけてしまつたものもあります。便乗工事なんかにつきましては、わかりましても、あまり強気に検査もできない事情があるわけであります。そこであとで再び調べましたのは、たしか二十八年であります。これは二十六年の災害であり、災害が起りまして二年たつてからの再査定であります。そのときにお調べになりまして、従来のもので大体もうできておりますものについては、再査定ということも実際はなかなかなさつておらぬと思いますが、そういうわけでなおかつ一億減つておるのであります。なお先ほどの当局の御説明では、六億八千九百万円が正しいということであつたと思いますが、私どもとしては、この七億八千四百万円の当初のものにつきましては、やはりこれは非常に大きかつたのじやないだろうか、こういうふうに考えて検査を始めたわけであります。
○杉村委員 農林政務次官に伺いますが、会計検査院が、公共事業に対する国庫補助金等の経理当を得ないもの、という表題のもとに書かれて、その一例をあげるならば、最もひどいものとして山口県の云々ということがここに摘示されておりますが、今の局長の話はきわめて無責任ですよ。さしつかえないと思う、こういう答弁ですが、どうも局長じや私どももの足りないので農林政務次官にひとつ伺いたい。これで正しいのかどうか、会計検査院の検査はこれで間違づておるとでもおぼしめしになるのか、会計検査院の方は悪の例としてここにあげてあるのでありますが、さしつかえないとおぼしめしであるかどうか、いかがでありますか。
○平野政府委員 十分注意して善処いたしたいと思います。
○安井委員長代理 吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 ちよつと次官に確かめておきますが、おわかりでなければよろしいのですが、それは漁港の問題で伺うのであります。つまり漁港の管理者の決定はいまだできていないところが相当多数あるのであります。二千数目あるうち何ぼかがまだできていないらしいのであります。この漁港管理者が決定しないということは、つまりこういう災害復旧の事業をやる上におきましてこういう問題が起る、それが一つの原因ではないかというようにわれわれは観測しておるのであります。なぜそんなに漁港管理者の指定が遅れておるのか、その点をひとつはつきりしておいてもらいたいと思います。
○岡井政府委員 お答えいたします。各府県におきましてそれぞれ県独自の内部的の事情がありまして、たとえば町村管理がよいか、あるいは府県管理がよいかという点は、まだ円満な妥結ができていないような向きが残つておりますが、大体今知事の方に委任しておりますので遅れておるわけであります。われわれとしても御説の通り、なるだけ早く管理者がきまることを切望いたしまして、地方へもすみやかに割切つてもらいたいということを督励いたしております。
○吉田(賢)委員 この問題は円満に妥結とかなんとかいうべき問題じやないのでありまして、やはりこの災害復旧を中心といたしまして補助金をめぐつてかように国会で問題になつておる際でもありますので、さかのぼりまして、やはりそういう面に相当深い関心をお持ちになつておると思うから、円満妥結とかなんとかいうべきじやなくて、積極的に適切な、すみやかなる行政指導があつてきあられなければならぬ。これは漁港法によつて管理者を決定することは政府の責任になつておるはずであります。でありますからそういうことについては、これは積極的に措置せられんことを希望申し上げておきます。 それから、具体的な案件を中心にして問答するのでありますが、これは水産庁次長に申し上げますが、今検査院で二十七年度の検査報告に指摘しておりました愛媛県東宇和郡高山村の漁港災害復旧工事、これは検査報告の二百五十八ページであります。それからもう一つは、福岡県築上郡西角田村の漁港災害復旧工事、それからもう一つは、佐賀県の小川島漁業協同組合の災害復旧工事、この案件であります。いろいろ具体的な要点だけの事実関係の説明を伺つたのでありますが、そこでたとえば例を福岡県にとりますと、福岡県の西角田村というところが、みずからまつたく負担しない、そうして疎漏工事をやつておるということの原因はどこにあつたかということを水産庁は確認されたのであろうか、この点だけ伺つておきたい。
○岡井政府委員 お答え申し上げます。御指摘を受けましたところは、われわれとしても地元が不都合だと思つております。従いまして会計検査院の方から御指摘になつた事項を十分に勘案いたしまして、既定の工事に合致するように、私の方ではそれをやらすようにいたしたいと思います。御了承願います。
○吉田(賢)委員 いかに対策を講ずべきやというその跡始末の問題はこれから論じたいのです。そうではなしに、私は前々会のときは農地局の関係について質疑したのでありますが、農地局の関係にしろ、また漁港の関係にしろ、あるいは山林の関係にしましても、一連の複雑な原因が総合されてこういう不当事項ができ上つておるもの、こう観測しておりますので、やはり対策の問題に入る前に、なぜこんなことになつたのだろうという原因について、今の福岡県の西角田村の漁港の問題で特にあなたの方で確認なさつている事実をお示し願いたい、こういうのがお尋ねの趣旨であります。
○岡井政府委員 お答えします。その点は揣摩臆測を加えての御答弁ではかえつて失礼と存じますので、十二分にはつきりした原因を究明いたしまして、適当な時期にお答え申し上げることを御了承願いたいと思います。
○吉田(賢)委員 そういう御答弁では非常に困つたことなんです。実は私どもの方では、前会は皆さんお出になつておつたかどうか存じませんが、大体検査院におきまして、モデル・ケースといいますか、顕著な事実として指摘せられておることを中心に尋ねておるのでありますから、こういうことはすでに相当明らかになつておらねばならぬと思うのであります。それなら漁港課長に伺いますが、たとえば福岡の西角田村ですが、なぜこんな問題が起つたのでしようか。なぜみずから負担することができない疎漏工事ができたのでしようか。その原因はどういうふうにあなたの方では確認したのでしようか、わかりませんか。
○林説明員 的確なよつて来りまする原因については、まだつかんでおりません。
○吉田(賢)委員 まことに不勉強で困りますね。それじや検査院に伺いまするが、検査院におきましては、何ゆえに福岡県の西角田村のこのような災害復旧工事が、全然自己負担をしないで今申しましたようなことになつたのでしようか、その原因はどういうふうに検査院としては確認しておられますか。
○小峰会計検査院説明員 ここに書きました西角田村の漁港でありますが、これは先ほど吉田委員からの御質問のありましたように、管理者というものが明瞭になつていないのであります。この西角田漁港は、事実上は漁業協同組合が管理者と申しますか、やつておるのであります。ところが村を事業主体にした方が国庫負担率が高いのであります。これは御承知のように法律が違いまして、公共事業として国庫補助率が高く、場合によつては高率の国庫負担金が受けられる、こういう関係に立つわけであります。ところが協同組合を事業主体にいたしますと、先ほどもちよつとお話がありましたように、農林関係の臨時措置法というのが適用になりまして、たしか六割五分だと思いますが、固定的な補助になるわけであります。補助率の高い方で申請した方が、今のようにまだ管理者もきまつておらぬというときには得でありますから、地方では村を事業主体として申請しているのでありますが、それに対して水産庁も採択された。ところが実際の工事をやるのは協同組合なのであります。村はただ名義を貸すというとちよつとおかしいですが、名義を出しただけでありまして、実際には組合がやつているという関係に立つわけであります。この組合施行の工事といいますと、とかく自己負担というものをしたがらないと申しますか、そういう傾向が強いように見受けられるのであります。これなどは先ほど、自己負担をまつたくしていないばかりでなく、こういうところを御引用になりました。その次には補助金を二百二万五千円余らしてしまつたということを書いてございます。こういうケースでございますが、事業主体ということの関係も相当大きな役割を演じているのではないか、こういうように私どもは考えております。
○吉田(賢)委員 水産庁にお伺い申し上げますが、これを全然知らぬ存ぜぬではここは通りませんが、このような指摘された村は、自己負担をする意思があるいはあつたかもしれぬ、自己負担をする能力がなかつたかもしらぬが、そういうことについてはお調べになつたでしようか、ならぬでしようか。
○岡井政府委員 われわれが工事を施行さす場合には、その点はあらかじめ十分考えますので、負担がとても負えないとまでは思いません。しかし漁村の常といたしまして豊凶が波を打ちまするので、ちようどこれの施行をするころに大体漁がよくなかつたという点だけはわれわれも気の毒だと思つおりますが、さりとて指摘されたようなことができたことについては遺憾しごくでありまして、この点はわれわれも残念に思つております。
○吉田(賢)委員 そういう抽象的な話じやなしに、この村自身のできたケースを論じておりまするので、工事当時この村におきましては財政能力が不足しておつたのかどうか。一般的の講じやないのでありますから、その点はどうでしようやはりおわかりじやないのだろうか。やはり具体的になつて来ませんと、抽象論を何ぼかわしておつても何にもならぬ。抽象論は大体わかつておるのです。
○岡井政府委員 僅々百万円程度でございますから、負担ができぬとは思いません。
○吉田(賢)委員 僅々百万円程度だから負担ができぬとは思いませんというのではどうも困つたことですね。一体この村の財政能力というものは御承知でしようか、どうでしようか。たとえば年間どのくらいの歳出歳入があるか。漁業組合じやなくて村という公共団体なんだから、この村の財政状態というものはほんとうにお調べになつたのであろうかどうか。その辺が資料がないということであれば、やむを得ませんから資料なしにやりますけれども、いかがでしよう。
○岡井政府委員 ちようど資料を持つて参つておりませんし、ただいま役所においてもそう詳しく個々別々の資料はととのつていないと思います。
○吉田(賢)委員 この点はひとつ大蔵次官に聞きますが、あなたはさきに、農地局の問題で、大蔵省は農林当局と協力しまして事業費を査定すると御説明になつた。ほんとうに大蔵省は、この農地局関係の農地事務局が査定する、決定する、そんなものに関与なさるのでしようか、そういうことともに、漁港問題のときにも関与するのでしようか。ほんとうにそういうことがありますか。
○植木政府委員 その点、ただいまの御質問に対しましてのお答えとしましては、そのときどきにおける状態によつて大分違うと思います。いわゆる年度予算として漁港関係の予算の御要求がある場合に、これを査定し、その内容について一々詳細に入つておるという場合もございます。それから災害等の場合におきまして、漁港の災害復旧の復旧費を査定します場合には、やはり査定のありました当該漁港の大体の状況はもちろん内容を承つている場合が多いと思うのであります。ただ実際問題としまして、それじや必ず一港一港、この港に幾ら、この港に幾らということまで御相談しているかというと、その点は必ずしも全部にわたつて、国会に要求する前に、あるいは予備金支出決定前に、事前にきちんとした相談ができているかと申しますと、その点はできていない場合があると思います。しかし、かような場合におきましても、いよいよ予算の実行にお入りになる前には、農林省の当該所管の長からおおむねの配分計画を大蔵省に御相談いただいて、そうして、もちろん農林省の方が専門のお役所でございますから、その御意見を尊重して、それに御賛成申し上げている。これが実情だと考えております。
○吉田(賢)委員 水産庁に伺いますが、この村なりあるいは組合の事業主体の財政能力というものは、他の能力に比較しまして最も重要視すべき基本的なものだろうと思うのであります。この財政能力を勘案することなくして、大なりと小なりと事業費を決定するということは、ときには非常な無理になるおそれがある。財政能力を査定するということは、現地に臨んで厳密にこれをやるということをなさらぬのでしようか、どうでしようか。そして、もしそれをやつたとするならば、やはり少くとも将来のためにおきましても、現に検査院が指摘しました各村、各事業につきましては、それの各般の調査資料というものをととのえておらねば、私は将来のためにもならぬと思うのです。またそのどこを一体責任の所在として追究するかということがわからぬ。ことに財政能力というものは、こういう貧弱村——ここにあげられたものはわれわれは貧弱村、あるいは貧弱組合というふうに観測するのですが、そういうところというのは、財政能力の判定をするということが最も重要なことでないかとさらに痛感するのですが、その点はどうでしよう。
○岡井政府委員 お答えします。御指摘のように地元の負担能力についての詳細な調査はいたしておりませんが、大体常識的に見まして……。
○吉田(賢)委員 一般論はいいです。一般論は別に聞きますから、ただ具体的事実について御説明願いたい。
○岡井政府委員 具体的と言われるのは、福岡県の例についてですか。
○吉田(賢)委員 福岡県のみならず、私の聞きますることは、原則論、方針、そういうものは当然そうなければならないが、しかしながら、ここにあげた漁港関係は何十件とございますが、少くともこの何十件というものは一括しまして、詳細にそのよつて来る原因を究明せられて、その上で、特にこれは事業主体の経費負担能力というものに重点を置くべきじやないかという観測のもとにその財政上の負担能力というものをお調べになつて、そういうものを集めて資料としてお持ちになつているのじやないか、こういう聞き方をしているのです。一般的にそういう点は重視すべき一つの要項である、そういう議論ではないのです。
○岡井政府委員 将来重々私たちも勉強いたしまして、御指摘のような点はその通りいたしたいと思います。
○吉田(賢)委員 今三つあげましたから、この三つにつきましては、水産行政をあずかつておる首脳部といたしまして、その原因がどこにあるか、どうすればいいか、もしくはどうすればよかつたのかというようなことについて、文書でもよろしいし、御説明でもよろしいから、何らかひとつぜひとも当委員会に出していただきたい。これはひとつ約束をしていただきたい。水産庁次長、よろしゆうございますか、その点今御答弁ができなければ、求めておかなければいかぬと思いますので……。
○岡井政府委員 御指摘の資料は、ととのえて提出いたすことにいたしたいと思います。
○安井委員長代理 吉田さんどうでしよう。きようは本会議がありますが、原則が十分前までですが、五分しかない。答弁の材料もないようですし、引続いて明日やることにして、本日はこの程度にしてはいかがでしようか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○杉村委員 先ほど私が議事進行に関して出した動議につきましては、委員長がきよう見えなかつたから、明日の委員会にさらに諮つていただきたいと思います。
○安井委員長代理 承知しました。次会は明七日午後一時から、農林省所管について審議いたす予定であります。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十九分散会