決算委員会 第17号
- 発言数
- 171 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1954/03/17
会議録
○大上委員長代理 これより決算委員会を開会いたします。 本日委員長がやむを得ない事情のため出席できませんので、委員長の委嘱を受け、理事の私がその職務を代行いたしますから、御了承願います。 昨日理事会で協議決定いたしました通り、本日は昭和二十六年及び二十七年両年度の決算のうち裁判所、国会、法務省の各所管について順次審議いたしますから、御了承願います。つきましては去る二月一日の委員会でお諮りいたしてあります通り、昭和二十六年、七年度分の決算を並行審議することにいたします。 まず裁判所所管について審議を行います。すなわち昭和二十六年度決算検査報告書第二十八ページ、裁判所不当事項一般会計、工事の項、報告番号一、不正行為の項、番号二、未収金の項、番号三及び二十七年度検査報告書第三十一ページ、一般会計、工事の項、番号二、その他の項、番号三を一括議題として、そのうち審議の促進上二十六年度、番号一、二十七年度、番号二について特に詳細な説明を求めます。会計検査院検査第二局長上村説明員。
○上村会計検査院説明員 最初二十六年度の方から御説明いたします。二十六年度の分は、大阪家庭裁判所の第五期工事を五千万円で請負わせられたのでありますが、その予定価格の立て方がまずかつた、そういう関係上約七百万円くらいが高価になつているのではないか、こういう案件でございます。なぜそういふうになつたのかと申し上げますと、この工事に使う鉄骨の計算の点であります。裁判所では検査報告に記載してありますように、鉄骨の定尺物で結局所要量を計算されその定尺物の数量の六%減ということで四百四十八トンが必要だという計算をとられたわけでありますが、普通一般にこういうふうな鋼材の計算は、図面から見ましてでき上りの鋼材の数量を計算しまして、それにスクラツプ減を加算して計算するのが普通でございまして、そういうふうにして計算しますと、裁判所で見込まれた四百四十八トンに対して三百九十四トンくらいでよろしいという計算になります。なお下請の方を当つてみましても、大体そういう計算で鋼材の注文がなされている。こういう次第でございまして、一般の方法でやられるならば、相当鋼材所要量が少くて済むということでございます。 これは第五期工事でございますが、第六期工事につきましても、あとの方にちよつと書いてありますが、同じような関係で約三十トンくらいが多くなつている、こういうことでございます。一応計算しますと、両方合せて八百万円か九百万円高くなるという計算でございますが、これは業者と裁判所の方と相談になりまして、五百五十円を業者から返させる、こういう措置がとられております。要するに予定価格を立てる場合に、少し鋼材の所要量の計算が甘かつたということでございます。次は二十七年度の二号の案件でありますが、これは裁判所関係の庁舎の整備の全体について一応記述したものでざいます。裁判所庁舎の予算は二十四年度が八億五千万円、二十五年度が八億三千万円、二十六年度が九億八千円、二十七年度が六億九千万円、二八年度が六億幾ら、二十九年度になりますと約三億円ぐらいに減つております。ここで記述をしてありますものは、大阪家庭裁判所ほか七箇所の庁舎新営の点がまず第一点であります。これは二十四年度から二十六年度までで大阪家庭裁判所ほか七箇所に対しまして十一億一千九百余万円をかけておられるのでありますが、庁舎のできぐあい、進行状況を申し上げますと、三通りにわかれておりまして、一つはあと方の表でごらんいただきますとわかりますが、表の(1)のところに福岡高等裁判所、宮崎支部庁舎新営ほか二箇所の点でございますが、これは全体の計画に対しまして――一応計画の例をとて申し上げますと、宮崎支部の分につきましては、鉄筋コンクリート造り地階とも四階の計画でありましたが、これが二十七年度までの状況で申し上りますと、計画を地階とも三階までに変更されて、地下一階までのコンクート打工事を施行されている状況であります。なお他の二件も同じように地上二階までに設計を縮めて仕事をやつておられるような状況であります。それから次のグループに入りますのは、(2)のところに記載してあります。甲府地方裁判所庁舎新営ほか二箇所でございます。これはコの字型の庁舎をそるという全体計画に対しまして、コの字型の一翼をまず完成するということで進めて行かれたものでございます。その次は三のグループに属しておるもので、これは大阪の家庭裁判所、大阪地方裁判所の堺支部と福井地方裁判でありますが、これは全体計画を施せられて、主体工事はほとんど完成ておるというような状況でございます。これを考えてみまするに、いずれも高い建物をつくるということで計画できております関係上、基礎はそれ相応して強固なものができておるわでありますが、実際上できておるもから見ますれば、それほど強固なもはいらなかつたという結果になつてる次第であります。それから第二番目の甲府その他の二所について申し上げますと、一翼をくられた関係上、たとえばボイラー室は全体のコの字型の計画に即応したものができておるが、実際は一翼しかできておらないので効率が非常に低い、あるいはまたでき上りが十分できておらないので、便所その他未使用の部分がある、こういうような状態で効率が必ずしもきちつと行つておらぬというような状況であります。 それから三の福井及び堺支部の点でありますが、これも大体はでき上つておりますがなお未完成であつて、十分全部の効率を上げるに至つていないというような状況でございます。これは結局現在の状況で申し上げますと、裁判所の建物の新営が効率的に運営されていないというような結果になつておるものあります。もともと裁判所の予算は御承知のように単年度予算であります。単年度のものであるから単年度にでき上るということを私の方は必ずしも期待はいたしませんが、翌年度においていかなる予算措置が講ぜられるということは必ずしも見通しがついておらぬ場合でありますから、予算をよく考えられた上広げることがよろしいか、あるいはでき得べくんば少しずつ早く完成し、行つて効率を上げることを考えることが望ましいのではないか、こういうふうにも考えられるわけであります。 次は裁判所の土地の問題でありますが、宇都宮家庭裁判所外三十一箇所の庁舎敷地として四万四千余坪を建物とともに購入しておられますが、これが必ずしも有効に利用されていないという事態になつております。もともと庁舎を建てる場合に、敷地を早期に入手するということは必要であると思うのでありますが、その場合には建物予算との関係を十分勘案して、敷地の入手ということを考える必要があるのではないかと思うのでありますが、その点が結果から見ると必ずしもあんばいして予算が運営されていないというような事態も見受けるのであります。こまかい点はまた御質問について御説明したいと思いますが、要するに予算の使用の効果が必ずしも適切でない。結局繰返して申し上げますが、予算は単年度予算でありまして、どういうふうな変化をして来るかもわからないということを相当強く考慮されて、運営をされて行くべきものだと考えます。結果から見ると、非常に広く手を広げ過ぎられたという感じを強く受けるのでございます。大体以上であります。
○大上委員長代理 ただいまの説明に対し、裁判所当局において補足的説明があれば、この際発言を願います。最高裁判所経理局長岸上説明員。
○岸上最高裁判所説明員 ただいまお話のありました点につきまして、さらに裁判所側としての意見を簡単に申し上げておきます。 まず十六年度の分から申し上げます。本件の工事は、ただいまお話がありました通り、目下大阪市内で建築いたしております大阪家庭裁判所庁舎新築工事に関する問題であります。この工事は、予算の関係上今までの工事を八期にわけまして施行して参つたのでありますが、ただいま検査院から御指摘のありました工事は、そのうちの第五期、第六期の分であります。主として鉄骨を使用する工事であります。裁判所におきましては、当時最初の計画といたしましては、第五期と第六期を一括して施行する予定を立てて、業者から見積りを聴取しておつたのでありますが、当時の工事費の関係から予算が不足いたしましたので、最初の計画をかえまして、五期と六期にわけて工事を施行するということに変更いたしたのでありますが、その後同じ種類の鉄骨工事分として第八期工事に着工する当時になりまして、これはその後のことでありますが、あらためて前の五期、六期分について検討いたしましたところが、その第五期、六期分の工事につきまして、所要の鉄材の数量の積算に誤りがあつたということを発見いたしまして、種々調査を行いました結果、担当係員の計算違いということを確認いたしましたので、その後業者の方と折衝いたしました結果、誤算による後払いの金額五百五十五万四千八十四円を返還させまして国庫に返したという状況でございます。要するにただいま検査院の方で御指摘になりました裁判所側の予定価格の積算にあたつて誤算があつたということは裁判所としても認めるわけでありまして、まことに遺憾に存じておる次第でございます。そこで善後処置といたしまして、ただいま申し上げた後払い金の返還をしたのでありますが、なお監督責任者等の処分ということにつきましては、その後公務員等の懲戒免除に関する法律及びこれに伴う政令の規定によつて行政処分の免除ということになつておりますので、その点は、この事件による行政処分は行つておりませんが、内部的に関係の担当官の配置がえをいたし、さらにこういう積算の関係を一層強化するという方法を講じております。以上で二十六年度分の説明を一応終ります。 その次は二十七年度の工事関係について申し上げます。これにつきましては従来の経過を簡単に申し上げる必要があると存じます。終戦後新憲法の施行によりまする裁判所の制度の改革が行われまして、裁判所の権限というものが戦前よりも大幅に拡張された上に、新しく戦前にはなかつた家庭裁判所、簡易裁判所というものが設置せられまして、事件数も急激に増加の傾向をたどつておる。それに伴いまして、裁判所の機構というものも漸次拡張されて来たという傾向にあるのでございます。ところが一方裁判所の庁舎というものの状況はどうかと申しますと、戦争中に全国庁舎の約四分の一が戦災にかかつたという状況でありますし、なお残りました庁舎も、大半が旧式な日本建築で、木造の耐用年限である三十年以上を経過しておる庁舎も約半数というふうな状況で、裁判所といたしましては庁舎の増新改築ということが非常に差迫つた問題でございました。そこで最高裁判所におきましては、そういう戦災地方に応旧の庁舎を建てる一方、将来の庁舎は鉄筋にする、不燃化するということを、いろいろ研究いたしました結果、裁判所の庁舎を新営する場合の基準というものを一応考えまして、その線に沿つて建築計画を立てて参りました。全国的に裁判所の整備をしなければならないというただいま申し上げたような事情でありますが、一定の予算で短期間にその計画を実施するということはとうてい不可能でありますので、さしあたつては最小限度の庁舎の需要を満たしつつ、なお将来のことも考えて恒久的な庁舎の整備の準備をするという方針で、その都度予算的には大蔵当局とも折衝いたしまして、きめて参つたわけでございます。ところが最高裁判所が発足いたしました後、営繕予算は逐次ふえておりましたが、最近になりまして、その関係の予算が逆に減少になつて来るという関係もありまして、それに加うるに朝鮮の戦乱以後の建築費の高騰というふうな予期しがたい事情もありまして、最初計画しました計画の実現が、その通りできないというふうな状況に立ち至りまして、やむを得ず二十七年当時になりまして一部の計画を延期する、工事を変更するということになつたのでございますが、その結果多少利用価値の低い部分が生じて、ただいまお話の基礎工事に少し金をかけ過ぎておるという結果に相なつたのでございますが、私どもといたしましては、最初計画いたしましたのが、その後のそういう予算の減少、物価の高騰というふうな事情のために、やむを得ずそうなつた結果から見ますと、まことに好ましく」い結果になつておるのでございますが、その当時といたしましては、やむを得なかつたであろうというように考えております。それからなお裁判所庁舎のあり方という点につきまして、ただいま検査院からお話もございましたが、裁判所といたしましては、裁判所の庁舎というものは普通の事務官庁とは違いまして、一般事務室のほかに、法廷、審判廷、調停室、準備室、被告人の控室、証人の控室、公衆控室というような特殊な部屋がいる、しかもそれらの部屋は裁判事務を円滑にやりますための必要な限度において、公衆の利便、建物の恒久化、その他建築的な構造、機能、耐久力というような点から、総合的に研究してきめるべきだという見解でございまして、ただ坪数、経費の点だけから少し大き過ぎるのはどうかという御意見は、裁判所としてはそのままは納得いたしかねる、こういう特殊性も十分に考慮の上判断すべきものであろう、こういうふうに考えております。 最後に土地の問題でございますが、宇都宮家庭裁判所外三十一箇所の敷地四万五千余坪が現在あるということは事実でございます。これは二十四年当時から二十六年ごろまでの間に取得いたしたものでございますが、その当時全国的に地価が上りつつあるという事情にあつたこと、それから、各地の状況によつて多少は異りますが、多く都市計画と関係があつて、適当な敷地を獲得するというためには、その都市計画の機会を失すると、永久にできなくなるというふうな状況もあり、さらに地元の方々から裁判所の敷地として取得いたすについていろいろ協力を得たという事情もありまして、ただいま申しましたような土地を取得することに相なつたわけでございますが、その後その地上の建築予算が、先ほども申しましたように、二十七年以後減少したという事情もありまして、敷地を獲得した当時予定しておつたところに建てられないという事情もございまして、現在建築ができなくて未使用のままになつておるという事情でございます。裁判所といたしましては、もちろんこれは裁判所の庁舎敷地として適当だとして獲得したものでございまして、今後の予算措置によりまして、できるだけ多く、一日も早く建てたいというふうに希望し、かつ努力はいたしておるのでありますが、現状は今申し上げたような事情でございます。ただ二十七年の後期以後は、こういう現状も考えまして、新規に敷地をこれ以上獲得するということは一時差控えまして、現在ある敷地にできるだけ早く建築して使用することにいたしたい。こういう方針で進んでおります。簡単でございますが以上であります。
○大上委員長代理 質疑を許します。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 私は三十一ページの、「裁判所関係庁舎の整備について処置当を得ないもの」について、まず質疑したいと思います。この別表の各八つの建物でありますが、この建築物は、最近たとえば二十八年末でもう使用に至つておるのかいなや、その点をちよつと聞いておきたい。
○岸上最高裁判所説明員 ただいまの点をお答えいたします。表に従つて申し上げますと、一番最初の宮崎支部の庁舎でございますが、これは二十八年度の予算で一応現在の規模を仕上げて使う予定でございまして、大体できておりますが、現実に使えるのは本年の七月ごろの予定でございます。大阪家庭裁判所、これも二十八年度の予算と二十九年度に数百万円の予算で、これはただいま二十九年度予算要求書に載つておりますが、その予算で仕上げて使えるという予定でございまして、現実に使えるのは本年の秋ごろを予定しております。仙台家裁も計画で、これは本年度の予算で現在の計画を全部仕上げて使う。完成はやはり今年の六、七月ごろの予定でございます。次の甲府地方裁判所は、これは現在すでに使つておりまして、もう一年くらい前から使用いたしております。小倉の支部は二十八年度の予算で完成の予定でございまして、現在の計画について完成する。そしてやはり六、七月ごろから現実に使い得る予定でございます。静岡家庭裁判所、これはすでに使用しております。それから堺支部の庁舎、これは同じく二十八年度予算で全部仕上げるということで、これも五、六月ごろから現実に使用ができる予定でございます。福井地方裁判所、これは現に使用しております。
○吉田(賢)委員 裁判所の庁舎等の建築については建築の基準あるいは具体的裁判所の建物の建築の規模、計画方針というものはこれはどこできめるのですか。あなたかきめるのか、どこかきめるのですか。
○岸上最高裁判所説明員 全体のこういう新営庁舎の実施計画といいますのは、事務局の経理局が主管でございますが、経理局におきまして案をこしらえまして、それを事務総局会議にかけまして、プランをきめていただいて、なお一般的なあるいは全国的な根本的な問題につきましては、裁判官会議に報告いたしまして御了解を得る、個々の具体的な小さい問題につきましては裁判官会議まで々かけるということはいたしておりません。ただ予算的には毎年営繕費予算を組む、これを大蔵当局との間に事務的に数額をきめる際には、予算内容を概要説明しまして裁判官会議の承認を得ております。
○吉田(賢)委員 そうしますと、こういうことに了承していいのですか。一般的な新営庁舎の新築方針というものは事務総局で案を立てて、最終決定は裁判官会議にかけるのですか、そういうふうに了解してよろしいのですか。
○岸上最高裁判所説明員 この点につきましては、別に内部のはつきりしたきまりといいますか、規則というものは存じておりませんが、従来の運用は一般的な問題、あるいは根本的な問題につきましてはお話のように裁判官会議にかけております。ただ個々の具体的な問題については、これは一応まかされたと申しますか、その都度かけることなしに事務局会議だけ、あるいはさらにこまかい点は経理局だけできめて実施するというのが実情でございます。
○吉田(賢)委員 そうしますと、たとえばここにあがつております八つの案件でございますが、これはあなたが基本方針の責任者ですか。
○岸上最高裁判所説明員 個々の庁舎を何坪のものをどういう規模で建てるかということにつきましては、具体的にこの八つの箇所が始めます当時、実は私この職務にいなかつたわけで、直接には存じておりませんが、その後聞くところ及びその後の扱い等から見まして、個々の庁舎の建築の計画ということは事務局できめておつた、つまりまかされておつた部類のものとして扱うという扱いであつたと聞いております。
○吉田(賢)委員 これは私があとから聞くべきであつたかわかりませんが、さつきのあなたのお話で、結論的には検査院の見解に納得ができないというような結論が出ておりましたので、それでこれを建築する計画は、経理局長がせられたのか、あなたが当時責任の地位になかつたならば、前任者の責任でこれを計画したのか、こういう点をはつきりしておきたいと思うわけであります。
○岸上最高裁判所説明員 各庁舎の個個の規模、坪数をどうするかということ、その決定等は、ただいま申しましたように、経理局長の権限でありますが、あるいはものによつては事務局会議といいますか、そういうものに事務局の意見は出ておると思います。一々裁判官会議の了承までは得ていないだろうと思います。
○吉田(賢)委員 私の伺つておりますのは、この一般的な例は別といたしまして、具体的に取上げているのが八つの例であります。でありまするから、八つの建築につきましては、これはどこでこういうような方針がきめられたのか、こういうことなんであります。あなたの主宰しておる局できめられたのか、それとも裁判官会議できめられたのか、そうではなくて地元の方で何かきまつて来たのか、こう思いましたので聞いたわけです。だからあなた自身がおやりになつたならそれでもよい、そうでなければそれでもよい、どつちでもよいのですから、それをはつきりしておいていただきたい。
○岸上最高裁判所説明員 はなはだ申訳ないのですが、前任者当時に具体的にどういうふうにきめたかということは、特に今のところ聞いておりません。その点はさらに聞いた上で御返答したいと存じますが、私が現在やつているところ及び聞いておりますところからの判断で申し上げますならば、この個々の建築計画というものは、経理局で立案しまして、おそらく事務局の会議といいますか、事務局としての了解は得ていると思いますが、裁判官会議まで個々の計画についてかけていることはないと思います。
○吉田(賢)委員 くどいようですけれども、そうしますと、こういう新庁舎の建築の根本方針あるいはこの種の、大建築のようでありますから、こういう建築の具体的な案の最終決定は経理局長でするという仕組みになつておるのですか、それとも事務局会議にかけてきめるのかものによつて裁判官会議できめるのか、一体どこで――これは次に聞きたいことのもとになるので、どこでこういう方針がきめられたのかということを知りたいために聞いているのです。だからあなた自身の在任中におやりになつたものなら明確だし、そうでなかつたら前任者でなければわからぬらしいが、どこでこの案が最終的に確定するのかということを聞きたいのですが、ちよつとくどいようですけれども、もう一ぺん御答弁を願いたい。
○岸上最高裁判所説明員 前任者当時に具体的にどうやつておつたかということは、今申し上げましたように、さらに確かめまして御回答いたしたいと思います。
○吉田(賢)委員 これは、きようあなたに出ていただいたのは――前任者といつたところでその前任者がだれであるかは知りませんけれども、もしその前任者が退官しておれば民間に行つておるだろうから、そういうよそに行つておる人にまた尋ねなければならぬ。そうなつては間に合わぬのでありまして、やはり全体として可能な範囲で御答弁願わなくては困るのです。一々調査したり、よそに問い合せた上で答弁してもらうということでは、きようの問答になりませんから、それをひとつ了承しておいてもらいたいのです。 そこで伺いたいのだが、この八つの建物は何年に完成するという当初の予定であつたのか。その完成の時期をまず宮崎支部から順ぐりに言つてください。
○岸上最高裁判所説明員 その点につきましては、お手元に差上げてございます「裁判所営繕について」という資料の二枚目に、この八箇所につきましての年度別の経費が書いてございます。これは、最初の計画は、予算が一年度分でございますので、かかりまして最短距離で予算を入れてやりたいという計画で全部ございましたのですが、実際は予算の関係でそう参りませんものですから、これに書いてありますように、福岡の宮崎支部は二十八年度で完成、それから甲府は二十七年度で完成、福井は二十八年度、堺の支部は二十八年度、小倉の支部も二十八年度、それから静岡の家庭裁判所は二十七年度、大阪の家庭は二十九年度、仙台の家庭は二十八年度、こういうことに相なつております。
○吉田(賢)委員 そこでこういうような建築をする場合には、最高裁判所といたしましてはできるだけ早い機会に使用するということでなければ――数年間もかかつてつくるというのでは経済界の変動、財政の変動その他いろいろな支障等もあつて、立ち腐れになるという危険が民間にはしばしばあることでありますが、大体そういうようなことは当初考慮に入れたのか入れないのか、その辺はどうなんですか。立ち腐れという言葉が悪ければ、できるだけ早く使うためにこれはおつくりになるのだろうと思うのです。芸術品をつくるというものでもなければ、あるいはお寺を建築するというのでもないのですから、非常に重要な仕事の需要に応じようという建物でありますから、数年間も使わずに置くというようなことでは、その数年間のうちにはたとえば各般の情勢も一変するかもしれぬということも考慮に入れなければいかぬと思うのです。そういう意味におきまして、なるべく早い機会に部分的にも使用する、そういう考え方は織り込まれておらなかつたのかどうか。これによつて見ますと、福岡高裁の宮崎支部は二十六年度に着手しておるということでありますから七、八、九とまる三年ということになつております。まる三年使わずにおるということになる。それから大阪の家庭裁判所は、二十四年ですから五年間というようなことになつております。だから三箇年ないし五箇年、足かけ六、七年というような、そういう建築は別荘でもつくるか、お寺でもつくるのならばともかく裁判所といえどもやはり国家の機関としての建物の建築でありますから、そういうような需要、実用という見地から、その方面の価値は相当大きく評価しておかなければならぬはずだと思うのであります。その辺につきまして当初の方針はどういうふうになつておつたのだろうか、これをひとつ聞いておきたい。
○岸上最高裁判所説明員 ただいまの点は、お話の通り裁判所といたしましても着手した後はできるだけ早く使う必要もあり、使いたかつたわけでございまして、普通の無理をしない建築上の技術的なスピードで完成したい。普通の地方裁判所の本庁ぐらいですと、私専門家ではございませんが、大体普通のスピードで一年半か二年ぐらいというところのようでございますが、とにかくできるだけ早く使いたい、また使う方針で着手したことは間違いないと思うのでございます。そうするとなぜ遅れたかということでございますが、これは今から申しまして、結局これらの工事は二十四年から二十六年までの間に着手されておるのでございますが、裁判所の関係の営繕予算というものは、二十四年、五年、六年というふうに一定のわくが入りまして、しかもそのわくは漸次総額としてはふえておつたわけでございます。そこで見込みといいますか見通しといたしまして、大体二十七年、二十八年も同様程度は少くとも予算が認められるだろうという予想のもとに、そうなれば大体所期したスピードでこの程度はできるだろうということで、また仕上げるつもりでかかつたのでございますが、二十七年以後営繕予算の方が議会においてもかなり減少いたしました。のみならず御承知のように、朝鮮事変の勃発後建築資材の騰貴ということを頭に入れますと、その二十七年以後の予算の実質的な価値というものは金額の点よりもさらに下まわるわけでございまして、そういうような関係からまことに残念でありますが、やむを得ず予算の範囲内でできるだけ施行した。その結果現在のような建築期間が延びるという結果になつておりまして、この点はまことに残念に存じておる次第でございます。
○大上委員長代理 吉田委員に御相談申し上げますが、本日は議題が案外多かつたため時間が相当ずれると思いますので、なるべくならまとめて願います。またさいぜんの最高裁判所のごとく、意見あるいは調査をしてもらわなければならぬ点が出て来るかもしれませんので、質問の制限じやございませんけれども、そういう部分は一応あとまわしにして議事が進めるようひとつお願い申し上げます。 なお政府委員並びに説明員等に申し上げますが冒頭に申し上げました通り答弁をなるべく要点のみにして、蛇足はあまり加えないように特にお願いいたします。
○杉村委員 議事進行について。今日の日程はまだ国会があり法務省があるのであつて夜の十二時までやればできるかもしれませんけれども聞いて行けば切りがなくなつて来る。裁利所だけでも、今日さらに説明を求めてわれわれが納得するということになると、これは終えないのではないかと思うのです。大体裁判所でもきよう事務総長が来ないといふのは誤りであります。だからなるべく簡潔にやつて行くということにしたらどうでありましよう。これはやはり今日上げてしまつた方がいいんじやないかと思いますが日をまたあらためてやるつもりですか。
○大上委員長代理 お答え申し上げます。理事会で決定した通り、二十六年、二十七年で約二千件程度の事項がありますので、本日中に予定した事項は本日中に完了したいと思います。そこでただいま杉村委員から議事進行について御意見がございましたが、委員諸君には御異議ございませんか。
○吉田(賢)委員 これは裁判所の問題のみならず、他の批難事項についてもそうでありますが、今国会中に今年度の批難事項全部の審議を終ろうというわれわれの努力に対しましては、やはり政府及び裁判所その他の側も協力の態勢にならなければいかぬと思います。第一法務省などにしましても、きようは法務大臣に来てもらう筋でありますし、裁判所にしましても、経理局長一人来て全部片づけようという態度は、これはもつと国会の立場をお考えくださらなければいかぬ。私どもは何もだれを処罰しておるからどうとかいうようなことを聞こうとしておるのではないのです。そうではなしに、今質疑しておる建築物の経理につきましては、裁判所全体としての今日及び今後の庁舎の建築方針の根本に触れておる問題と思つております。それなるがゆえに基本方針を尋ね、基本方針をきめる機関を尋ね、責任がどこにあるかを聞く等々しておるのであります。大体私どもは一見してこのだらしなさに驚いておるのであります。今日民間においては三百万以上の住宅の不足を訴えておるときなんでありますから、建築問題につきましては相当深刻な考え方で取扱つて行きたい。こういうことでありますので、私は質疑の要点に触れて答弁してくださるならば、何もごたごたと多くの時間はいらないのであります。どうぞそのつもりであなたの方もまわりくどく御答弁なさらずに、簡潔にやつてもらいたいと思います。お互いにできるだけ時間を有効に使いたいと思います。それで今委員長の御指示もありましたので、私もできるだけそういうふうに運びたいと思います。 裁判所の庁舎の特殊性ということはわかりますし、二年、三年たたなければ完成しないということもわかりますけれども、たとえば二十四年に着手した二、三の裁判所庁舎についてみても当時はインフレの絶頂に近いときで経済界が相当混乱しておつた。こういうときには将来のこともお考えになるのが当然だと思うが、現にまだ使わずにおるものが大部分だ。これを調べた当時に、国の庁舎も四億六千万円を投じてほぼ竣工という段階にすぎない。ほかはほとんど使つておらないというような状態でありますので、このように数年間経過する場合においては、自分が金を出して、利息でも払うような金でも使つて家を建てるときのつもりになつたならば、もつと効率的な使い方をしつつ建築するくふうがありそうなものだと思う。私の臆測をもつてすれば、そういうようなことが根本方針ではないかと思う。終戦後アメリカの方式が輸入されまして、裁判所の庁舎のくふうとか、設備の状況について、相当大きな規模をすべての係員が持つておつた。そういうことが織り込まれて、あれもしなければならぬ、これもしなければならぬということで、国全体の財政にもつり合わないような結果を今日来して、検査院に指摘されるようになつたのではないか。言いかえれば、こんな貧乏国であるからという前提に立つたらもつとくふうがあつたのではないか。そこを突いてみたい。こういうことがあつたら今後は是正していただきたい。りつぱなものをつくるに越したことはないがこんな財政の実情ですから、その辺についてあなたの方にも何らかの御発言があろうと思いますので、これをひとつ述べていただきたい。
○岸上最高裁判所説明員 ただいまのお話の点は、過去を振りかえつて私ども考えたいと思います。仰せの通り見通しが悪かつたのではないか、その結果こういう完成までに何年も期間が延びる結果になつたことは残念に存じております。そこで二十七年及び二十八年におきましては、予算の関係ももちろん考慮いたしまして、たとえば福井の裁判所程度のものを建築することは理想ではありますが、現実問題として相当困難だということは考えております。さらに今裁判所のあり方といたしましても、その程度がよいかあるいはもう少し小さくてよいかということはいろいろ御批判もありますので、私どもとしては慎重に検討しております。現実の問題といたしましては、最近は予算の裏づけという点を十分考えまして、さしあたり必要最小限度のものをまず建てる。そうして全国的に相当改築を要するものが多いので、それを順次建てて行くという方針であります。一箇所に集中してりつぱなものを数少くやるか、あるいは場所を多くして一つの場所は必要最小限度でがまんするか、このどちらかという点については、後者の方をとつてやるのが実際問題として適当だろう、こういうふうに考えまして、二十七年及び二十八年度はそういう方針で来ております。ですから現に二十八年度におきましては、ただいま問題になりました大阪の家庭、それから仙台の家庭等につきまして、最初の計画を変更いたしまして、規模を縮小して、とにかく二十八年度で使えるようにするという方針にいたしたわけであります。
○吉田(賢)委員 そうしますと二十七、八以降はこういうふうに、たとえば福井のごとき、四億六千万円を投じて鉄筋コンクリート地階とも四階さらに四階塔屋つきというような、これは理想か何か知りませんけれどもそういつたような考え方でなしに、もつと実用的な方へ行くというふうに、また老朽庁舎の改善などもあるからそういう方面に力を入れる、こういうような御方針になつている、こう解してよいのですか。そうしますとやはりこの問題につきまして指摘されておる案件につきましては、国の財政事情から考慮し、もしくは裁判所のこういう建築の計画といたしましては、これは相当過誤もあつたと指摘せられておる点は同意されていいのじやないかと思うのでありますが、これはひとつおきまして次に行きたいと思います。ここに指摘されております土地及び庁舎、建物が三十一箇所、土地にしまして四万四千余坪というものがほとんど使われておらぬということになつておりますが、こういうもの、あるいは東京におきまして、研修所の施設として文京区及び台東区所在の土地一万四千坪、建物二千坪は元個人所有の邸宅でまつたく新営の建築物、延千六百坪が計画されている、利用度がきわめて低い、こういうようなものですが、こういうことにつきましても、やはり建物を入手するとか土地をとるとかいうことについては、土地計画とにらみ合せて先にとつておかなければならぬというような、一つの投機的なものが潜在して、おるお考えも入つておつたようですけれども、少くとも裁判所の財政の計画としてはどうもこれは堅実でないということはこの数行を一見してわかるのです。それから宇都宮の家庭裁判所ほか三十一箇所の厖大な土地、厖大な建物が、ほとんど使われずにこれが裁判所の所有になつておつて、何ら過誤なしというようなお考え方なのですかどうなんです。
○岸上最高裁判所説明員 ただいまのお話の土地四万四千坪が現在建たないでおるという現状から見まして、それは私どもとしましてまことに遺憾に存じております。ただ私どもとして申し上げたい点は、この土地は主として家庭裁判所及び簡易裁判所の敷地が大部分でございますが、当時家庭裁判所、簡易裁判所が新設された、その庁舎がいる、それにはまず土地を確保しておくのが先決だというふうな感じから、しかも裁判所の適地というものはそう簡単に手に入らないというところから、土地の入手を急いだと申しますか、いいところがあれば急いで確保したわけであります。その当時の建築予算は、先ほども申したように、現在よりも相当よかつた、それから考えるともう少し建つというつもりであつたのでありますが、計画的には建たなかつた、こういうことになつておりますので、現在から見ましてまことに遺憾でありますが、その当時としてはある程度の事情はあつたものと思います。今後の問題といたしましては、でぎるだけ早く建てることがもちろん問題でございますが、それも一時には参りません。この土地をどういうふうに処置するかという点については、いろいろ頭を痛めておるのでございますが、あるいは一部は大蔵省の了解を得て官舎敷地に利用する、あるいは他の適地と交換する等の方法で、できるだけこういう状態を消化したい、こういうふうに考えております。
○杉村委員 あなたは先ほどから、吉田委員の質問に対して率直に答えずに、とがめでも受けやせぬかというような、何だか警戒的にしておられるけれどもそんな心配をする必要はない。あなたは建築についてだれが最終的に決定するかということについて、きわめてわからないように答えておるのですけれども、これは地方裁判所が大体において計画をして、それを高等裁判所を通じて最高裁判所に出して最高裁判所の裁判官会議で最終的決定をするのじやないんですか。それから土地を買い入れたのは、今は法務省と裁判所とが全然別になつて――われわれから見ると、あれが非常に不経済なんだ。従来は裁判所の構内に検察庁があつて、民間の人は非常に便利だつたのです。ところが三権分立の建前から、裁判所は別個の建物を使おうということになつたので、最近になつてはみな、簡易裁判所に至るまでも、裁判所から検察が分離されて来るようになつた。その前は裁判所構内に検察もあつたので非常に混雑して狭かつた。そのために当時土地を買つたんじやないですか。それが検察が出て行つたために今度は裁判所が非常に広くなつたので、今まで買つたところを使わなくてもいいような状態になつておるように、われわれ職業的に各裁判所をまわつて歩いてわかるのだけれども、そういつたようなことがあなたの答えはきわめて不十分である。私は別に補足してやるわけじやないが、大体きようはあなたが来て事務総長が来ないということはとんでもない誤りですよ。あなたはよくわかつていないのです。まあそれならそれでしかたがないが、今裁判所の予算について決算委員会でこんな問題になるということは、われわれから見て遺憾しごくである。従来裁判所の予算きわめて少い。われわれから見ると裁判所の人は予算をとることが下手で、もうきゆうくしているのです。それで裁判所の人は困つておるのだが、困つておるにもかかわらず、その困つておる予算の使い方が悪いから、こんなわずかばかりの批難事項が出て来るということになるのですが、これはいま少しく事務総長あたりが熱心にならなければならないのであつて、決算委員会にも当然出て来なければならないのだが、いろいろな裁判所の建物については、たとえば簡易裁判所にしても、地方に行くと閑古鳥が鳴いておるようなものがあるのです。事件なんか一つもない。事件の依頼者が来たら旗を立てる。そうすると釣をしておる裁判官が出て来るというような、きわめて簡単な簡易裁判所がある。これはこういう制度をつくつたためにそつちの方に費用がかかるのだがこれなども少し研究する必要がある。簡易裁判所の制度ができたからといつてどこへでも簡易裁判所をつくつてしまつて、ほとんど何にもなくて、判事も検事も書記も何もしていない。小川の裁判所に行つてごらんなさい。一日に何も来やしない。そういうところがたくさんある、しかしそれも制度の上からそこへ費用を使つておるのだが、これはほんとうにいらないですよ。そこいらはもう少し研究されて、使うべきところに使わなければいけない。それはひどいところがある。こういうように七つのコンクリートの建物をつくつておる、これはけつこうなんですが、こういうような建物。それから最高裁判所のああいうりつぱな建物、あれもけつこうです。司法部の最高のところだから。けれども地方の裁判所に行くと、実にひどいところがある。建物が明治の初めにつくつたそのままの建物であつて、腐朽しておるものもある。こういうふうに会計検査院がここに指摘するように、まつたく予算の使い方はもつと効率的でなければならぬというのはきわめて適切な批難だろうと思うのです。それについて十分研究をされること、それといま少し事務総長あたりが当然出て来なければならぬ。実際においてとんでもないことだ。 そこで私は立つたついでにただ一点だけ伺つておきますが、この批難事項の三の「保管金の処理が当を得ないもの」これは非常に重要なことでありまして、この昭和二十七年の保管金で当を得ないもの、長期間そのままとなつたものが二千四百十六万一千五百四十四円。これは保管金です。これはいろいろな事件の性質によつて違うでしようけれども、いずれにしてもこの保管金の扱いが当を得ていないというのです。関係書類との連繋上これが不正に使われておるとは思いませんけれども、二千四百十六万円という莫大な金は、国民から預けてある保管金です。ところが保管金は私どもも三百円あるいは五百円というような、つまらない事件で会計に預けたことがあるのです。そういうわずかの金になつて来ると、一日ひまをつぶして裁判所に行つてその保管金三百円もらうということになると、もらいに行かない方が経済上から言うと得になるということからついばかばかしいので行かないでほつておけということになつて来る。そういうのが積り積つて二千四百十六万円の中に入つておると思う。それですから、こういうことをこのままにしておくということは第一国民に対しても当を得ておらないことである。これがいわゆる犯罪の温床になるのですよ。そういうことをしておくと、この金をつい書記さんあたりがひよつとした何かの間違いから、これに手を触れるというようなことが起る。だから裁判所としてはすみやかにこういうことで会計検査院から二度と再び批難されないようにせぬといかぬと思うのですが、この保管金は大体どんなふうになつておるのでございますか。きわめて簡単でけつこうでございます。
○岸上最高裁判所説明員 ただいまお話の点はまことに私どももその通りだと存じます。東京地方裁判所におきましては、現在約一億ばかりの保管金がございまして、そのうちこの部分が未整理――未整理と申しますものは、この関係事件が四万件近くもありまして、その異動等の記入の未整理のものがまだこれだけ残つておるということでございます。これはまことに申訳ないので、現在人員等も若干ふやしまして整理中でございます。
○杉村委員 それで保管金の保管の必要もなくなつたものは、提供者が行かなくても、裁判所の方から何らか郵便送達をしてやるとか何とかして返してやるというようなことをすれば、こういう金がたまるということはないのです。 (「その郵送料がたいへんなんだ」と呼ぶ者あり)そのうちから郵送料を引いてやればいい。あなたの方は親切心が足らない。三百円の金をもらいに裁判所へ行くと、一日立たせられてひまをつぶしてたいへんだからだれも行かぬ。だからその三百円のうちから為替料五十円なり何なりを引いて送つてやればこんなに金はたまりもしないし、悪いことが起つて来ることもない。そういうことを私は特にやつてほしいと思う。われわれも過去において事件をやつた覚えがある。私らも会計へ預けつばなしのやつが今でもあるけれどもとりに行かない。そんなことですから、いま少し積極的にあなたの方から差引いて送つてやる、こういうふうにすればいい。裁判所で送つてやるのが悪いと思つたら、はがきでそういうふうに引いて送つてやつてもいいかということを聞けば、向うは喜んで承諾するだろうと思う。どうかいま少しこういうことの批難を受けないようにしてほしいですね。私は御注意だけ申し上げておきます。別にお答えはけつこうです。
○山田(長)委員 これは批難事項の中に載つていないので質問するのはどうかと思つておりますが、実は地方自治体の現状から考えまして、一応最後に伺つておかなければならないと思うのでお伺いいたします。 実は裁判所の庁舎建設にあたつて、各町村に寄付金の割当をしておるわけです。それで村長ないし町長から、裁判所ともあろうものが自治体に寄付金割当をするということではまことに困るという抗議を実は私は申し込まれたわけです。何かの機会があつたらば一心これは聞いてみようと思いまして時機を待つておつたわけですが、そういう例があるかどうか一応参考に伺つてみたいと思います。
○岸上最高裁判所説明員 ただいまのお話の点は、裁判所が主体になつて、あるいは積極的に寄付を集めるということは絶対にいたしておりません。ただ地元の市町村等から、庁舎につきましては最近ほとんどございませんが、官舎等については一、二寄付を受けたことはございます。しかしそれがどういう関係でそうなつておるかという点はもちろん私どもはそういう無理はしないものと承知しておるわけでございますが具体的な例をお示し願えばさらに調査はいたしてみます。
○山田(長)委員 具体的な例を申し上げられる資料は持つております。いろいろこれには行きがかりもあると思いますので今ここで申し上げることを差控えますが、実は町長ないし村長から、村の財政、町の財政が非常に逼迫しておるときに、裁判所の建設にあたつて寄付を申し出て来るなどということはまことにけしからぬことだと言いながら、実は泣き寝入りして出しておるわけです。これはあなたの方へ資料を差し上げますから、こういうことが次々ないように御注意願いたいと思います。
○岸上最高裁判所説明員 ただいまのお話の通り、できるだけそういうことのないようにもちろんいたします。また調査もいたします。
○大上委員長代理 お諮り申し上げます。裁判所につきましては事務総長の御出席もなし、なおまた岸上説明員から調査してお答えしたいという発言が特にございました関係上、一応この程度にして次会に譲りたいと思います。 ―――――――――――――
○大上委員長代理 次に昭和二十七年度国会関係歳入歳出決算を議題とし、特に同年検査報告三十ページ、番号一につき検査院当局の詳細な説明を求めます。
○池田会計検査院説明員 ただいま議題に上りました参議院の架空経理でございますが、二十四年、二十五年、二十六年と従来架空経理が方々にございまして、二十七年度は総論にも書いてございますように、若干架空経理も減つておる状況になつておりまして、私ども国のためにむしろ喜んでおつたわけでございますが、参議院の方でこういう架空経理を発見いたしましてまことに遺憾に存じておる次第でございます。その使いました経費の内容そのものは、もしこれが正当予算から出ておるものでありますれば、そう悪質なものとは思いませんが、とにかく予算にない、正当予算として認められない経費を架空に出しまして、これをそれ以外の目的に使われたということを非常に遺憾に存じておる次第でございます。
○大上委員長代理 ただいまの説明に対して国会当局において補足説明があれば発言を許します。参議院庶務部長渡辺説明員。
○渡辺参議院参事 本日事務総長が参るべきでありますが、ちようど本会議とかち合つておりますので、私がかわつて参つた次第でございます。 私は本年の一月庶務部長を拝命いたしました。本件はまことに遺憾な事件でありまして、当時の直接の責任者である会計課長に対しましては、ただちにこれを懲戒処分に付し、さらに本年一月末をもつて同人の待命を承認し、会計課長の更迭を行つたのであります。その他関係職員に対しては配置がえを行い、部内の刷新をはかりました。それと同時に会計事務担当職員に対し、今後このようなことを絶対起さないように、会計法規を遵守して厳正に職務を行うよう十分に注意を与え今日に至つておるのであります。 本件は会計検査院の指摘のごとく、参議院会館倶楽部外五名の名義をもつて会議費、交際費の予算残額九十七万五千二百六十円を架空支出し、そのうちから交際、会議等のため株式会社谷川外六名に対し四十六万二千七百円を支払い、残額五十一万二千五百六十円を昭和二十八年八月二十九日歳入に納付したものであります。 以上あらまし御説明いたしました。何か御質問がございましたらそれによつてお答えいたしたいと思います。
○吉田(賢)委員 一、二伺つておきたいと思います。この参議院から提出されました事件の概要のことでありますが、この第二項に会議費、交際費予算残額九十七万何がし、こういうことになつておりますが、大体この文書はよくわかるのでございまして、批難事項の文章と大同小異でありますが、やはりこういうようなことになるのは、いろいろな実情から来たものだと思うのでありまして、そういう実情をこの際――きようは公開の席上でありますけれども、私どもも実は国会の末席におりまして、国会内部のことでありますと実に自分の身を切られるようにつらいのでございますから、できるだけ健全なからだにするということは大事な問題でありますが、何かこういうようなことが起るに至るいろいろな事情がからみ合つておるのじやないだろうか。これはそういう担当の諸君によつてはどうにもならぬような事情もあるのじやないだろうか。会計課長が責任を負つて待命になり、職を転じたということになつておりますが、何かやはりそういうような雰囲気とか事情というものが相当あるのじやないだろうか。こういうところをむしろしやんとしてきれいにすることが、こういうことの発生をまつたくなくするに至るゆえんではないだろうかと思いますが、私どもにはわからぬので、その辺についてなぜこういうことが起るに至つたかの原因とか、遠因とか、事情を少し聞かしてもらいたい。もしおさしつかえがあるならばまた別の方で聞くこともしますけれども……。
○渡辺参議院参事 それでは率直に申参し上げますが、従来国会の役員が改選等になりますと、その際の会議費、交際費等が相当多額にのぼつたわけでございますが、実はその抑制もなかなか困難であつたわけであります。ちようど昨年の五月には、御承知の通り参議院議員の半数改選がございまして、当然国会役員等の更迭が予想されておつたわけであります。たまたま昭和二十七年度におきましては、当初から交際費、会議費等の使用を相当抑制して参つたのでありますが、年度末に至りまして予算に余裕が生じたということが判明いたしましたので、それを改選の時期に、またこのような経費がいるであろうということで、この経費に充当する、こういう措置をとつたわけであります。そうして二十八年度の会議費、交際費等の余裕が生じましたならば、これを不用額として処理するということでこういう措置をとつたわけであります。しかしいずれにいたしましても、このような措置はまことに遺憾な措置をとつたわけでございますから、今後はこういうものが絶対に起らないように注意いたして参りたいと思つております。
○吉田(賢)委員 その会議費等というのは大体どういうことなんでございましようか。私ども会議費という場合は、やはり公式の会議費が国会に出るということになつておりますから、それには余分なものがいるまい、こうも存ずるのですが、その辺は参議院が特別にそういうことになつておるのかどうか、それはわかりませんけれども、そういうものが多額にいるということになるので、これを予定するということになつたんですか、その辺の事情を――もう明けすけのところをお伺いしたい。
○渡辺参議院参事 交際費と申しますのは、大体議長、副議長、それから会議費と申しますのは、各常在委員会に、これも年度当初に配分いたしまして、常任委員会の会議等が夜遅くまでかかつたといつたような場合に簡単な茶菓を出すというような費用に充てておるわけであります。
○吉田(賢)委員 常任委員会の会議費というものにつきましては、――これはあえて私ども参議院に干渉するつもりはないのですけれども、私どもの経験では常任委員会あるいは会合というようなものにつきまして、そういうことはないと思うのでございます。参議院においてそういう風習があるのか存じませんけれども、どうもこれははつきりしないことをこれ以上追究するのもどうかと思いますので、これはこのくらいにしておきます。 それから衆議院の方が見えておりますね。ついでですから少し聞いておきたいと思いますが、衆議院におきましては、予想しないような経費がいろいろいるとかいうような、――そういうように抽象的に言つてはわかりませんけれども、今御説明になつたようなそういうようなものについて、相当多額にいるものがあるでしようが、もつともこれは議長、副議長の交際費というお話でありましたので、議長、副議長の交際費がどういうふうにして出ておるのか存じませんが、それはそれでいいとしまして、今の後段はどうも常任委員会らしい。常任委員会が足を出して埋めたという結果になつているのですが、衆議院においてそういう事態があるんでございましようか。われわれも責任の一員でありますから、ひとつその辺も聞かしてもらいたい。
○久保田参事 お答えいたします。会議費につきまして常任委員会に割当てる分というのは、私の方でもやつております。但しその予算の額が非常に少いために十分なこともできませんので、足りない分は委員長のポケット・マネーその他でまかなつておりまして、まことに申訳ないことと思つております。従つて予算超過ということもあまりございません。
○吉田(賢)委員 そうしますと非常に少いので不足だろうと思うことがあつた場合には委員長のポケツト・マネーでまかなつているだろう、こういうお話なんですか。委員長のポケツト・マネーで何をまかなうのだろうか。
○久保田参事 委員長のおかわりになつたときとか、あるいは国会が終りましたときに委員長招待というのがございまして、そのときに出します分は委員一人で幾らという程度で差上げておりますが、とうていそれでは実際にはまかないきれない。しかし予算がございませんので、その点ははなはだ申訳ないのですが、委員長の方で御負担になつておられる方もありましようし、あるいはそれ以内でおやりになる方もあろうかと思いますが、その内情は私どもとしてはちよつとわかりません。
○吉田(賢)委員 たとえば常任委員長が就任したとき、あるいは会期が終了したときに委員長が招待するようなことがある。その場合に一人に幾らということで会議費を出しているが、僅少であるから委員長のポケツトから出ているだろうと思う、こういうことなんですか。
○久保田参事 不足の分についてはということでございます。
○吉田(賢)委員 それはそのくらいにして、いい機会ですからこれも関連してちよつと聞いておきたいのですが、国会としましてはみずからの収入はないのでございますか。たとえて申しますと建物の使用とか部屋の使用とかについては収入はないのですか。
○久保田参事 議員宿舎の宿舎費と職員の入つております官舎の部屋代、その程度のものが収入になつております。
○吉田(賢)委員 部外者からの収入はないのですか。宿舎の議員が支弁するものは実費的に支払つているという意味だと思いますが、それ以外に事業的な収入、不動産の使用料とかいうものはないんですか。
○久保田参事 今のところはございません。
○吉田(賢)委員 もう一つお聞きしますが、食堂とか理髪店のような設備がいろいろありますけれども、これの根本趣旨はどういうことで設備されたのですか。
○久保田参事 あれは議員さんその他の福利施設でございます。できるだけこの中におられます議員さんを主といたしまして、職員その他の福利施設としてやつております。
○吉田(賢)委員 福利施設ということを聞きますので進んで聞いてみたいと思いますが、私ども旅から来て東京に滞在しております。東京に参りまして栄養とか健康とか――まことに超重労働といいますか、お互いに激務に携わつておりますので非常に注意しているのであります。あなたが福利施設とおつしやつたのだが、たとえば各会館の食堂とか院内の食堂があります。こういうところで栄養価とか、議員の労働に対する食物の関係とか、経済的な負担――価格、分量、そういうようなことは基準とか方針とかいうものがあるかどうか、調査しているかどうか。というのは私ども地方へ旅行しますときに食堂列車を利用する。食堂列車というのが今一般に、どこで聞いても不評判なんです。あんなものはやめてしまえという声がずいぶんあります。これにはいろいろな原因があります。そこで福利施設であれば、今私が申しましたような点も相当考慮されているだろうと思うが、そういう点について研発するとか、調査するとか、指揮するとか、指導するとか、干渉するとか、そういうことはありますか。
○久保田参事 ただいまのお話の食堂問題につきましては、目下議院運営委員会においても盛んに論議されておりまして、具体的に研究も命じられております。平素の監督は、警務部におきまして、値段の点その他内容につきまして監督いたしております。
○吉田(賢)委員 そういう議運が研究しているとかなんとかいうことを聞いているのではない。また価格をどうとかいうことではなくして、私の言うのは、福利施設とおつしやる以上は、福利施設としての各般の措置をとつているのかどうかと聞いている。それはしていなければしていないでいいですよ。
○久保田参事 科学的調査その他はやつておりませんができるだけ皆様の御趣旨に沿うように監督はさせております。
○吉田(賢)委員 それならばよろしい。これはあなた方どう考えているか知らぬけれども、われわれ地方の郷里へ行き来するものにはとても大きな問題なんですよ。それでありますから、そういうことをなぜしないのかということです。それはあなたらする責任がないんだと言うなら、それでいいんですよ。それはするべき立場にないと言うなら、それもいいです。一体そういうことは議員にまかす問題でなしに、衆議院自身がやることじやないかと思う。たとえばイギリスの例とかアメリカの例をいろいろわれわれは聞くのですが、そういうことはみなずいぶん関心を持つてやつているらしいが、全然やらぬというのはどういうわけなんだろうか。
○安井委員 吉田さんのお話はごもつともだと思う。吉田さんにお答えするようになりますが、実は厚生委員会で、今のカロリーの問題、あるいは学校の給食の問題、食堂車の問題等、小委員会を開いて、根本的に満腹主義でなくもう少しカロリー主義で行こうというので非常に熱心にやりかけている。これは厚生委員が食生活の問題として非常に熱心に取上げている問題ですから、ちよつと申し上げておきます。
○杉村委員 関連して。そうするとあれは無償で貸しているわけですね。
○久保田参事 さようでございます。
○杉村委員 その問題はその程度で……。 次に会計検査院にちよつと伺いたいのですがこの国会の予算は相当大きいと思うのですがこれは会計検査院で検査してみな完全であつたということなんでしようか、一応念を押すのです。
○池田会計検査院説明員 ここに書いてございます参議院の不当事項以外は正当でございます。
○杉村委員 われわれは決算委員だから、単に批難事項だけやるのではなくて、われわれの方が批難すべき点があれば批難していいだろうと思うのです。私はそういう意味で、批難事項にありませんけれども、国会の自動車の問題、これは民間からわれわれ非常に非難をされておるのですが、われわれほとんど自動車に縁がない、きようも朝ちよつと借りて乗つて来たのですが、衆議院には何台自動車があるのですか。それから種別はどういう種別で、ガソリンは一日一台につきどれだけという何か制限があるのか、ないのか。聞くところによると一日のガソリンにも制限があるそうで、私が九十九里へ射撃事件の調査に行くときもなかなかどうもやかましいらしいのです。だからそういうことをこの際聞いておきたいのです。
○久保田参事 はなはだ申訳ないのでございますが、その数字を私今持つておりませんので、あとからすぐつくらせてお出しします。
○村瀬委員 私は本題に帰りまして、架空の名義により支出した参議院のことをもう少し聞きたいのですが、九十七万五千二百六十円を架空支出しというものでありまして、ただやめられた会計課長一人でやれるわけには行かないのです。ところでこういうことは、予算外に正しく使えば大して悪いことはないというふうな誤解を招く面が非常に多いのでありまして、かつて寒冷地帯の、あたたかいときでないと工事のできないところでは、冬の予算が使えない関係からいたしまして、人夫賃その他で一応とつておいて、そうして工事自体はかなり良心的にやつておつたが問題になつたという先例もあるわけであります。これは非常によくきわめておきませんと、どうも最も陥りやすいところの、予算を別の方面に使おうというような誘惑を感ずるできごとなんでありまして特にお聞きいたしますが、そういたしますと、架空の支出はだれの領収書で支払つたのですか。またそれは決裁のときにそれぞれの判をつくものが盲判であつたということになるのでありますが、将来こういうことをしないという御答弁がありましてわれわれ安心いたしますけれどもさらに制度上もそれができないようなことにしておかねば、これは非常に陥りやすい一つの問題なのでありまして、特にお伺いいたします。
○渡辺参議院参事 もちろん支出をする際につきましては会計法上の所要の手続をいたすわけでありますが、この架空支出の際には会計課長が支出官になつておりまして、認証官としての決裁をいただいたわけでありますけれども、これはたいへん申しにくいのでございますが、すでにやめました会計課長の話によりますと、事前に本人が一応そういう会議等を開くという名義で出したのであつて、それで上の方でもそういうことを信じて判を押した、こういうことになつております。率直に申し上げますれば、上の方の者はあまりよく知らなかつた、こういうような事情で、おつしやる通り盲判であつたというような事情にあつたわけであります。今後はそういうことのないように十分注意したいと考えております。
○村瀬委員 私は将来こういうことがない一つの仕組みにしておかねばならぬと思うのでありまして、今の御答弁ではいずれ会議するからというので次々と判をとつたというのでありますが、やはり領収書があつてからそれに稟議がつくという性質のものではないかと思うのでありますが、だれが領収書を書いておつたかということを、さしつかえなければお聞かせ願いたい。 それからこれは会計検査院の方に聞くのでありますが、こういうやり方はかなり各方面にあるのではないかということを私は想像するのであります。しかもそれがほんとうに良心的にやらねばならない場合も事実あるのであります。予算を厳重に削減されまして、たとえば自治体等においてどうしても急な交際費がいる、市町村にとつて大事なお客さんが来て、どうしても支出しなければならぬというような場合に、それぞれの手続あるいは予算の組みかえというものは困難であつて、ほんとうに係りの者は気の毒なような苦心をしてやるのであつて、責めるよりも、まことに御苦労さんと言いたいような場合すら市町村にはよく起るのであります。でありますからこれはまた発見しにくいのであります。しかしこういうことは幾ら気の毒な場合であつても明らかに会計法違法であります。 そこでこれはよく見つかつたものだと感ずるのでありますが、どういう関係でこれはおわかりになりましたか。将来他の会計検査の参考にもなりますので、この二点についてお聞かせ願いたいと思います。
○渡辺参議院参事 領収書は結局業者の方から会計課長が徴収した、こういうことであります。
○池田会計検査院説明員 ほかにもあるかという御質問でございますが、これは二十七年度にもございます。それはちよつと金額を探しましたが発見できませんでした。二十六年度にもありましたし、二十五年度にもほかのところで相当ありました。二十七年度は翌年度よりも幾らか減つておりまして、それは委員長の外遊のときにもちよつとあつたと思います。金額はあとで探せばわかると思います。 それからどうして発見したかという問題でありますが、私どもは書面ではなかなかわかりませんが、実地検査に参りまして、向うの書類その他を見て参りまして、だんだんに見て行くうちに、こういう支出が四月の二十八日にだけ一ぺん出ております。そういうふうなことで、一日でそういう経費が出るというふうなことをいろいろ勘案しまして、これは実地検査に行つた腕で自然にわかるわけであります。
○村瀬委員 領収書をつけてなければ、当然稟議の決裁にならないのでありますが、業者等に仮りの領収書を書けというようなことは非常に権威を失墜することでありまして、ほかにもうまくやつているのだということで、はなはだ当事者としてはずかしい話なん でございますから、そういう点支出稟議の決裁にあたつて十分厳重にする、それ以外には方法はないと思いますから、そういう仕組みをはつきりして、おいていただきたいということを特に強調しておきます。
○渡辺参議院参事 ただいまの御注意もありまして、従来は会計課長が支出官でございましたが、支出官を庶務部 長として制度上にこういうことが起らないように十分注意をいたしておるわけであります。
○河野(金)委員 会計検査院にお尋ねしたいのですが、結局今の参議院の問題は、何に使つたかということで問題 になつて来ると思うのですが、あなたの方が前に指摘されたので、海上保安庁で今裁判ざたになつておると思いますが、経費がないということで、業者から二割よけいの領収書を書かして、そして大蔵省から支出さして、業者から二割だけ払いもどさして、それをいついろな経費に使つておつた。これは着服したとか何かでないために、第一審では無罪か何かになつて、今最高裁判かどこかにかかつておるはずなんですが、私はこういうこと自体もおかしいと思うんです。公の機関が業者に二割よけいの領収書を書かしておいて、そしてその二割をいわゆる払いもどしを受けてほかの経費に使つておつたということは、法律上どうであろうと、私はなすべきことでないと思うか第一審ではなぜか無罪になつておるそうです。結局この参議院の問題は、責任は会計課長がとつたが、今話を聞いてみると盲判だとかいう。一体だれに使つたんです。ざつくばらんに言えば、たとえば去年改選があつた、だからこの次出て来ないであろうと思われるような委員長なんかが、いいかげんに着服するためにこういうことをやらして、結局会計課長が盲判を押して出したがために、最後の責任を負う結果になつたんですか。これは参議院でも衆議院でも、参議院は解散はないにしても改選があるし、衆議院は解散がある。だからそういうことが許されるとすると、そういうときこそ非常に警戒をしなければならぬときだと思うが、一体この架空支出したのは、会計課長は知らずに判を押した、知らなかつたというならば、会計課長がやめたことは非常にお気の毒だと思うけれども、そういう扱いをさせたのはだれかいるはずだ。だからそういういいかげんの領収書を業者からだれかとつて来たとすると、ほんとうは料理屋で使つのか、使つたなら文句はないのでありまするが、結局委員長なり、あるい委員長とぐるになつただれかが使つんじやないですか。もしほんとうに会議費なり交際費なり、たとい実際は料理屋か何かに払つたものにしても、それはかつこうが想いから、何かほかにみんなで使つたとかなんとかいうなら、海上保安庁の経緯から言つても、こういう問題にはならないんじやないかと思うのですが、何に使つたんですか、だれが着服したか。これが問題だと思うんですが、どうなつていますか。その前に海上保安庁の経過がわかつておつたら……。
○池田会計検査院説明員 海上保安庁は、実は所管が違いますのではつきりはわかりません。 その次は、私たち参議院の方に行きまして、向うで説明を聞きましたことをまず正しいと認めて、会議費等に使つた、こう考えておるわけでございます。それを実際にだれがどう着服したかということは、それ以上の捜査する権限がないものですから、わかりませんので、参議院側の説明を良識ある答弁として信頼しております。
○渡辺参議院参事 これは実際に会議費、交際費等のために使用したのでありまして、着服したといつたような不正の事実は毛頭ございません。
○河野(金)委員 そうすると結局参議院が改選になるというようなことで経費も余つているそうだからということで実際は宴会か何かやつて使つた。それでは谷川とかなんとかいう名が出ているが、こういうところで飲み食いに使つたのですか。会議といつても、会議などではそう使いようがないのです。会議をやつても、そのときに出るのはせいぜいお茶くらいなもので、この何万円というものが出るはずはない。結局料理屋や待合へ行かなければ、こんな金はいりはしないと思う。正式な会議に使つたのなら私は批難事項に当らないと思うわけです。しかし批難事項になつている以上は、ほんとうはそうじやないんじやないですか。
○渡辺参議院参事 まあ会議そのものというよりも、むしろ外で結局やつたということになるわけなのでございます。これはたいへん申しにくいのでございますが、議長、副議長が更迭されたこともございまして、外で会合をお開きになつた。それからその際ちようど国会が閉会中でございましたので、事務局等におきましても、平素いろいろと仕事の上で密接な関係のあるところへ、平たい言葉で言えば懇親をはかつた、そういつたことにも使われておるわけでございます。これは率直な話であります。
○河野(金)委員 議長、副議長が交代したから外でやつたというが、それは議長の交際費か相当あるはずなんです。正式のものなら、やつぱりどの役所だつて、交代があつたときには何かやるから、それは正式に出せるものであつて、その正式の交代で正式に会議をやつたやつなら、それは出しても、それを会計検査院が批難するというのなら、批難する方がおかしいのであつて、そこに批難事項に当るというからには、正式の会議でないわけじやないのですか。
○渡辺参議院参事 これは会計検査院の方から御説明があると思いますが、会計検査院の方で批難事項として御指摘になりましたのは、そういう架空名義で支出して、それを年度区分を誤つて、二十八年度で使用いたしたことが不当であるということで指摘されたわけであります。
○杉村委員 この交際費というものはだれの交際費ですか。上に交際費と書いてありますね。この交際費というのはだれの交際費なんですか。
○渡辺参議院参事 これは議長、副議長――まあ国会役員のものでございます。
○杉村委員 そうするとこの一番上の株式会社谷川というのは何ですか。ただ株式会社谷川ではわからない。その次は日活ホテル、その次は大橋茶寮、その次は万寿山、その次は株式会社松屋、その次は株式会社東洋軒、その次は黒田和子、こうなつておるが、これは何なんです。ここで飲んだり食つたりしたということなんですか。これは資料をもらつたから、この資料だけではわからないから聞くのです。
○渡辺参議院参事 それは先ほどちよつと御説明いたしましたようなことに使つたわけなのでございます。
○杉村委員 今私が言つたこの人が使つたのですか。(「ここで使つたんだろう」と呼ぶ者あり)わかるように話してくださらなければ困る。下の方から言いましよう。この黒田和子というのは何です。
○渡辺参議院参事 これは料亭の経営者の名前でございます。
○杉村委員 その次の株式会社東洋軒、これはやはりここで飲んだり食つたりしたというわけですか。
○渡辺参議院参事 そうでございます。これは参議院の議員食堂を経営しておる。
○杉村委員 株式会社松屋は……。
○渡辺参議院参事 これは品物を買つたように存じます。
○杉村委員 その次の万寿山というのは、品川の北京料理ですか。
○渡辺参議院参事 さようだと思います。
○杉村委員 大橋茶寮というのはどこですか。
○渡辺参議院参事 これは私もよく知りませんのですが、聞いてみますと、何か芝の方にあるようです。
○杉村委員 そうすると一番上から順順に聞きたいのだけれども、これは一活して人が使つたわけですか。一、二、三、四、五、六、七口ありますが、これは七人みな人が違うのですか。責任者はどうなんです。
○渡辺参議院参事 これは先ほど御説明いたしました通り名前を出して恐縮でございますが、議長、副議長それから事務総長、そういうものがここで会合いたした、こういうことでございます
○杉村委員 そうすると議長、副議長では議員が二人入つているんだが、そのほかに議員は入つておりませんか。名前は言わなくてもいいから、そのほかに議員が入つているかどうかということです。
○渡辺参議院参事 そのほかはないように記憶しております。
○山田(長)委員 参考に伺つておきますが、大分議員食堂の名前が出ていますから伺うのですが、実は衆議院の議員食堂の一箇月のガス代が五十万を下つておらないそうですが、それは全部国庫で負担しているわけになると思うのです。そういう点が参議院の場合においても、議員食堂で使用されるガス代とか、そういう諸がかりは相当な金額になると思うのですけれども、これらの中で知つているものがあつたら参考にちよつと言つていただきたいと思います。
○渡辺参議院参事 この中では東洋軒というのは参議院の食堂の中に洋食の方を経営いたしております。この分につきましては先ほどからのお話の通り光熱水料その他は事務局で負担している、これは従来も同様であります。
○山田(長)委員 事務局で負担するものは月どのくらいの金額になつておりますか。
○渡辺参議院参事 その経費の額につきましては後ほど調べた上でお答えいたします。
○河野(金)委員 久保田さんに伺うけれども、先ほど自動車の資料を出してくれということでしたが、自動車は議長、副議長それから委員長これは当然であると思う。それから各政党に大体七、八人に一台ずつくらいの割合で政党に配属してあるはずであります。それはよくわかつていますがそのほかに議員に出しているかどうか。委員長とか正式の議長、副議長、それから党へ人数割で出してあることは私は承知しておりますが、そのほかに出ておる事実を私は知つておる。それがどういう人にどういう理由で何台くらい出しておるか。それと事務総長とかその次の部長などが自動車を持つておられるのはわかつておるが、一体衆議院の事務局はどの辺までが自動車を専属的に使用しているか。国会の下の方の職員の宿舎などは非常に悪いにかかわらず、課長クラスはたいてい三間から四間くらいある宿舎を建てておるようであります。国会議員はたいてい部屋あるいは最近のは小さいのがついて二部屋あるのに対して非常にごうごうたる非難を受けおります。これはわれわれ議員として考えるべき問題でありまするが、国会の予算の相当の部分が国会議員の非難の陰にかくれて、ほかの方に使われておる事実を私はたくさん知つておるわけなんであります。すばらしい官舎を持つているような連中も何人かあるわけなんであります。だから事務総長やら次長やらが持つていることはよくわかつておるが、課長のどの辺までが大体どのくらいの宿舎に住んでおるか。それから自動車は議員の場合、はつきりしてもらいたい。あなたが知らぬというなら私が指摘してもいいけれども、ごまかして、――ごまかしてと言うと失礼かもしらぬけれども、われわれが正式に報告を受けているもの以外に出しておるはずです。そういうものは、人の名前を言うのは失礼だから、あなたも人の名前を言わなくてもいいが、各党に何台、自由党にそういうわけのわからぬやつを何台なら何台、改進党に何台、社会党両派に何台なら何台、そういうことをはつきりしておいてもらいたいと思う。そうでないと何か一部の人の特権的に国会の運営を誤ることになると思いますから、これは遠慮なしに言つていただいてけつこうだと思います。
○大上委員長代理 今のは資料要求ですね。
○河野(金)委員 そんなことぐらいはわかつているのだから答えてもらいたい。
○久保田参事 お答えいたします。今自動車をだれに何台出しておるかというお話でございますが、今議員用の車は委員長用と各政党用、各駅へ出しておりますバス代用と修理その他の関係で予備軍を二、三台用意しております。その予備軍をちよつと貸してくれというお話で、その都度貸すような手配はいたしておりますが、特にその人に専属に貸せという命令はしてございません。それから部課長、職員はどこまでが乗つておるかというお話でございましたが、事務総長、事務次長、それから部長、課長では秘書課長一人であります。 それから職員宿舎でございますが、正式の無料官舎を持つておりますのは、事務総長一人であります。あとは全部有料になつておりまして、大体公務員宿舎、あれと同程度のものになつております。それから部長、課長にも入つていないものが相当ありまして、職員の相当下の面までも入れるような措置をとつております。上級だけが入つているということにはならないと思います。
○河野(金)委員 いろいろ考慮してあなたもほんとうのことを言えないかもしれないけれども、自動車はそうではない。なお事務総長、議長と相談して、あるいは議運の委員長と相談して、次の機会に報告してもらいたい。予備車のあることぐらい私も知つておるけれども、予備車はあくまでも予備軍であつて、専属的に、毎日とにかく委員長以外で使つている自動車が、何台かある事実を知つている。もし知らずにやつているとすれば、あなたは衆議院の会計の責任者としてけしからぬことです。いいにくければ今言わなくてもいいけれども、よく相談してやつてもらいたい。そういう事実は絶対ないですか。絶対ないと言い切れますか。ないというならば、あなたの職務上の怠慢ですぜ。ないならない、あるけれどもここで名前を出すのは遠慮したいというなら遠慮してもらつてもいいけれどもその点ははつきりしておいてもらいたいと思います。
○久保田参事 表向き私の方で……(「表向きじやない実質上のことを言いたまえ」と呼ぶ者あり)私の方で専属にしろという命令は出しておりません。ただ、特に使用がはなはだしいという人は私も聞いております。
○河野(金)委員 これは久保田君として言いにくかろうから議長、議運の委員長、事務総長と相談して、こういう質問が決算委員会であつた。発表していいかどうか聞いて来て、発表してもらいたい、あなたがあくまでも発表しないなら、次の機会に私の方から資料を提供してもいい。しかしそれは不見識なことであるので、あなたの方から資料を出すべきなのに、私の方から出すとなると、あなたの立場もあろうから……。
○杉村委員 関連して。なおそれにつけ加えるのだが、自動車は自分の自動車で、ガソリンと運転手を、国会のものを使つておる人があるかないか。大体これも河野君と同じようにあなたの下の方の仲間から聞いているのだから、はつきり答えてもらいたい。
○久保田参事 その点は私はなはだ何でございますが、知つておりませんので、よく調べてからまた……。
○山田(長)委員 ついでに伺つておきます。さつき私が発言いたしました食堂の燃料の問題ですが、議員食堂のガス代だけで月に五十万円は下つてないという話を聞いているのですが、これが事実であるかどうかということです。それからこれらはどういう契約によつて一体入つているものか。あるいはその他の食堂、あるいはその他のたとえば床屋さんであるとかその他いろいろありますが、これらの契約はどういうふうな公平を期せられた契約がなされておるのか。きよう資料をお持ちでなかつたら、次会でいいですから、出していただきたい。わかつておつたら答弁してください。
○久保田参事 ただいま五十万円というお話でございましたが、それは全部のあれじやないかと思います。それから契約につきましては会期ごとに契約をいたしまして、入るときには、前に議運に庶務小委員というものがございまして、庶務小委員の決定で、それから議運にかけまして入れております。
○吉田(賢)委員 ただいま各同僚委員から本院の各般の問題につきましていろいろと質疑が出ました以上は、これをできるだけ解明しましてすつきりしておいた方がいいと思いますから、次の機会にやはり事務総長に適宜必要な資料を持つて来ていただいて、そしてよく答弁していただきたい、こういうふうにしてもらいたいと思います。
○大上委員長代理 お潜り申し上げます。お聞きの通りただいま吉田委員から、次の機会に事務総長に御出席願つて、それぞれお聞きなりあるいは確認したい、このような御発言がございますが、これについて御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○杉村委員 なお事務総長が来てまたどうもちよつと調べて来なければわからないからという答弁をされると、決算委員会の審議が非常に遅れますから、少くともわれわれは自分のおるところのこの国会の経理については、国民から相当いろいろな疑惑をもつて見られており、非難されておるわけですが、いい悪いは別としまして、濫費すると言われておるのでありますから、この際われわれはこの国会の経費についてははつきりとして、これを国民の前に示して了解を得ることが必要だと思う。それがためには事務総長に出てもらつてそうして会計に関すること何を聞かれても、調べて来なければわからないというような答えがないように、準備をして来ていただきたいと思うのでありますが、そのことを委員長からよく告げておいてもらいたい。
○大上委員長代理 委員長から申し上げますが、ただいまの杉村委員の御発言よく御了承のことと思います。万全を期せられんことを特に申し添えておきます。 ―――――――――――――
○大上委員長代理 次に法務省所管のうちで、昭和二十六年度決算検査報告六十三ページ、法務府、不当事項、報告番号四六ないし五五、及び昭和二十七年度決算報告六十五ページ、法務省関係、報告番号四二ないし五七を一括議題とし、特に昭和二十六年度のうち番号四六、昭和二十七年度のうち番号四二については詳細な説明を会計検査院当局から伺います。
○上村会計検査院説明員 二十六年度の四六号、二十七年度の四二号、いずれも船舶の登録税に関する事項でございます。できるだけ簡単に要点を申し上げます。 登録税につきましては、各法務局で課税標準価格を決定されて、それによつて登録税をとつておられるわけでありますが、この船舶につきましては、東京法務局では二十五年の十二月に一応の認定基準というものを設けられて、それによつて各船舶の課税標準価格を決定し登録税を納めさせておつたわけであります。ところが実際の船価から申しますと、その基準がいかにも低いようにも見受けられるわけでありまして、二十六年の十月に法務省の民事局長から、評価基準というものをつくられて、各法務局に流しておられるわけでありますが、これはちようど二十六年度当時におきましては、私の方で調べましたいわゆる船価、艤装の一部分が入つていないものもあるかと思いますが、それと大体同じような基準を示して法務局に流しておられるわけであります。法的には必ずしもこれによらなければならぬということは出て来ないかと思いますが、行政的な措置としてそういうふうに流しておられるわけであります。ところがその民事局長の通牒なりあるいは時価と比べまして、東京法務局で二十五年十二月につくつておられるものは半分以下というような形になつておりまして、従つて登録税につきましては、現実にとられたのが千四百万円ぐらいでございますが、法務省の流された通牒、あるいは当時の時価と思われるものから考えますと、その倍の約三千余万円というふうになつておるわけであります。いわゆる登録税の課税標準価格が安いということを申しておるわけであります。 それから二十七年度も同じ事態でございますが、これが取上げておりますのは東京、大阪でございます。東京ではどういうふうにやつておられるかと申しますと、実際に見ますと、二十七年度になりますと、民事局長が流された通牒から計算した価格と、それから当時の契約された船価とを勘案しますと、四割ほど民事局通牒の方が安くなつておるわけでありますが、法務局では大体それを基準としてとられまして、その五割引で登録税を課税するという処置をとつておられるのであります。それから大阪の方では、全体から申し上げますと民事局の通牒よりは少し低い価格から、さらに半減した五割引を基準にして登録税を納めさせる、こういうふうな処置がとつてあるわけであります。船価から申しますと、今の民事局の通牒が大体四割ぐらい安いわけでありますから、相当低価になつておると考えられるのであります。東京、大阪はそういうふうになつておりますが、一方神戸の方を見ますと、どういうふうになつておるかと申し上げますれば、民事局の通牒よりも一割高いものを基準として、これで登録税を納めさせておられる。こういうふうな状況になつておりまして、低いばかりでなく、神戸なんかから比べますと、各法務局が非常にまちまちになつておる課税の均衡から申してもはなはだ穏当でないのではないか、こういうふうにも考えられるのであります。こういうものがどういうふうにしたらなくなるかということになりますと、何か簡単な、わかりよい方法でたとえば簡単に申し上げますと、こういうふうには行かぬと思いますが、船が一隻何トンであれば幾らというふうなきまりでもはつきりありますれば、こういう間違いは健らぬと思いますけれども、これは必ずしもそういうふうなやり方にも参らぬかと思いますが、現在のようた方法であるとしたならば、中央あたりからなるべく頻繁に基準になるものを定められて地方に流され、地方もなるべくこれによつて行く、そうして均衡をとつて行くということが至当ではなかろうか、こういうふうに考えております。
○大上委員長代理 ただいまの説明に対し、補足説明があれば法務当局に発言を許します。
○竹内政府委員 私の方からお答えを申し上げます。ただいま御指摘の点につきましては、事実その通りでございまして、まことに遺憾に存じておるところでございます。なお先ほどの会議の進め方等拝聴しておりまして、御質問によりまして詳細な点をだんだんお答え申し上げたいと思います
○大上委員長代理 以上法務省所管事項に対して質疑を許します。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 これは二十六年、二十七年通じて趣旨同一の案件であると考えられますので、一括してお尋ねを申し上げたいと存じます。そこでまず伺つてみたいことは、法務省におきましては、船舶の登録税を課する場合に、一体登録税というものは、やはり税の種という考え方でこれをお扱いになつておるのかどうか、これを聞いておきたい。
○竹内政府委員 お尋ねの通り、登録税を税の一種と考えております。
○吉田(賢)委員 もう一つ。登録税法には第三条に船舶の価格、こういうふうな字が使つてあつたと思います。この船舶の価格というのはそもそも何をさすのか、ここに問題がいろいろと起つて来るもとがあるんではないだろうかと思いますので、価格とは体何ぞや、これをどういうふうにお考えになつておるのかひとつ聞きたい。
○竹内政府委員 船舶の価格という意味は、具体的な船舶の時価と申しますか、そういうものを考えております。
○吉田(賢)委員 船舶の時価とおつしやいましたね。時価というとそのときの価格、そのときの価格というと具体的にこの場合は計画造船の新造になつております。計画造船の新造ならば、すべて見返り資金等によつておりますから、これは船価は運輸省においてわかつております。そういうふうにいわば公知の価格があるわけですね。それはそういうものをさしておるのかどうか。一体時価とはまた何ぞやということにもなるんですか、それはどうなんでしよう。
○竹内政府委員 新造船のような場合には、契約価格がそのまま今申しました時価という概念に当る場合があるかとも思いますが、同じ不動産でございます建物をちよつと例にとつて申し上げますと……。
○吉田(賢)委員 建物だと話が混雑します。
○竹内政府委員 ただ時価というと、契約なりあるいはそういう価格との関係について、建物の方がおわかりやすいんじやないかと思いまして……。
○吉田(賢)委員 ちよつと途中で失礼ですけれども、建物となりましたら、建物は千種万態であります。建物とか土地とかいうことではなく、船が問題になつておるから、他の例を引かずに具体的に船舶の価格を検討する方が問題を究明する上において適切だと思います。
○竹内政府委員 先ほどお答え申し上げました通り、船舶の価格というのは、契約価格である場合が新造船の場合には多かろうと思います。
○杉村委員 関連して。先ほどの吉田委員の質問に対しては、登録税を課す場合は税と考えるかどうかというのに対して税と考えるということだつた。登録税は、今あなたが言わんとしたところの建築物であろうが、船舶であろうが、かわりがないということになる。そこで時価ということを言われたが、あなたの答えが間違つておるのではないですか。あなたは建物のことを言わんとしたけれども、建物にしても土地にしても、時価ではないでしよう。そこをいま一度考えてみて答弁してください。
○竹内政府委員 ただいまの点でございますが、お尋ねになる御趣旨がちよつとわかりかねますけれども……。
○杉村委員 時価といえば、その当時の相場ということだ。時価ということになれば、きようの相場もあすの相場も出て来る。そんなに登録税は毎日々々かわるものではない。もう少し適切な答えがあるのではないかと思うから念を押してみるわけですが、それでも時価というなら、私の方から聞いて行きます。
○竹内政府委員 ただいまおつしやる意味はよくわかりました。私の申し上げた時価は、登録を申請するときの価格、こういう意味でございます。
○杉村委員 そうするとその申請するときの価格でしよう。船舶の場合は、時価できめることになるかもしれないが、他のものについては時価ではないと思う。その点はどうですか。あなたが吉田委員の問いに対して、船舶の場合は時価であるという答えであれば納得しますが、不動産のごときは時価ではないでしよう。われわれは弁護士として今までやつておつたのでみなわかつておる。土地の登記は時価よりもずつと安い。時価で登記されたらたいへんなことになる。どうですか。それでもあなたはそうだと言うならけつこうです。
○竹内政府委員 法律の建前といたしましては、私申し上げましたように、登記をするときの時価ということに考えております。実際に低く取扱われておるということにつきましてはこれはまた税額をどういうふうに扱うかという別個の問題だと思います。
○杉村委員 それはあなたが事実を一つも知らないからです。もうきまつていますよ。あなたは調べたことはありませんか。すぐに登記所に行つてごらんなさい。ここの土地は幾らと言つたら登記所では幾らときまつていますよ。賃貸価格に九百倍じやありませんか。賃貸価格の九百倍という価格は時価とは言わないでしよう。それはいかがですか。だからあなたの答えが悪いのです。登録税を払うときは賃貸価格の何百倍ということでそれを土地の価格とするでしよう。そうじやないでしようか。一般の売買価格ですか。
○竹内政府委員 ただいまの御質問で焦点がだんノわかつて参りました。お尋ねは登録税の対象になる価格は何かという御質問でありましたので、そうやりましたのですが、今実際には、こうだとおつしやるその意味は不動産の登記、つまり価格を評価いたします基準というものがあるのだろうということの、だんだんお引き出しの質問だろうと思いますけれども、そういうものがありまして、その基準によつて算出した価格ができれば、それが私の申しました時価に一致すべき性質のものである、こういう意味なんでございます。
○杉村委員 そんなことはあなたのごまかしだ。われわれが言つておるのは、登録税の対象になる価格は何かといつたらあなたは時価だというが、それは適当な言葉じやないでしよう。船舶については新造したときの、いわゆる契約価格をもつて価格とする。不動産については、賃貸価格の何百倍ということについて、これを価格として、これに対するところの何パーセントを印紙代として張る。こういう答えでなくちやならぬ。時価というからさつき念を押したのです。あなたが、答えは不十分であつた、どうもすみませんといわれるなら私はそれ以上言わぬけれども、私どもの質問が悪いかのごとくあなたは答えておる。とんでもない。そんな考え方だつたらだめですよ。登録税というものは印紙を張るのでしよう。その貼用価格というものはその対象となるところの価格なんです。その価格は何で出て来るかといえば、不動産については賃貸価格の何百倍、船舶については新造契約の価格、こういうふうにきまつているのでしよう。それをただ総論的に時価というが、時価といえば毎日違つて来るのです。それはあなたの答えが悪い。人の質問が悪いようなことを言つて、いいかげんなことを言つてはいかぬ。
○竹内政府委員 お答えいたします。ごまかすつもりはございませんのですが、ただいまの標準になります価格でございますが、時価と私の申しましたのは、時価は極端に言えば時々刻々かわつて参りますので、それらの適正な時価を発見することが非常に困難でございますので、今申しましたような標準というものを定めて、それを私ども時価と考えておるわけであります。
○大上委員長代理 ちよつとお知らせいたします。大蔵省の主税局長渡辺政府委員も出ておられますから、関連質問がありましたら……。
○吉田(賢)委員 この問題はそこにも指摘されておりますがごとくに、あなたが登録税は税である、それから船舶の価格とは何ぞや、これは価格であつて、そうしてこれは時価である、こういうふうにお述べになつた。時価とは何ぞやということになると、契約価格であります。計画造船に契約価格というものは公表されて公認されておる価格がありますから、海運局長もちやんとよく知つておりますから、客観的にはいわばそれはさまつておる。ところが現実には民事局長から価格基準という趣旨で通知が法務局に流されておる。その流されておるのは実際の価格よりも現実には四割低いというものが流されておる。さらにそれよりも法務局は一割低い価格を価格としておるということになつておりますから、そうするとあなたのお述べになりました契約価格というもの、それから民事局長の通牒というもの、それから法務局の一割低いというもの民事局の通牒のみは価格基準というものを流しておりますが、最終の法務局は価格をきめておる。あなたのお説によれば法の建前ですよ。そうしますとそれはまつたく相違つたものを一つの価格と称して通用されておるというところに、この間違いが起つて来たのではないかと思うのであります。それからもう一ぺんまたもとへもどさなくてはならない。そうなると価格とは何ぞやということになるのですが、そうすると時価なりといつてまたぐるぐる問答をしておるというと、解決のしようがなくて年中このことを繰返しておることになります。去年も批難されております。今年もまた一昨年も批難があつたと思います。二十五年にも同じ趣旨のことがあつたと思います。だからあらゆる不動産についてこの種の問題が起つておるのであります。そこで、突きつめて、この場合具体的な船舶の価格ですから、不動産の価格と同じことでしよう。そういうものをどう解することが第一法律的に正しいのであろうか、もしくは法律的にはかくかくの考え方が正しい解釈であるけれども、そうしないことが税の建前から見て妥当であるということも考え得るので、たとえばわれわれの立場からすれば、今のような苛斂誅求からなるべく免れたいのでありますから、あらゆる意味において税は軽からんことを欲しております。どんどんとよけいとられては困りますから……。そこでさらに税をとりなさいという意味じやないのです。ここは何とか筋を通さないと、この問題に対する回答は私は出て来ないと思う。部分的に価格はこうでありますとか、部分的に言つておりましてもこの問題に対する回答にならぬと思います。 そこであなたのお立場は一応ちよつと横にのけておきまして、いずれ税という建前からすると、大蔵省主税局長の立場もあるのでありますが、税としてとらなければならぬというので、なるべくよけいとろうというお気持でなしに、これはいろいろな角度からお考え願いたいと思うのだが、一体この問題はどういうふうにお考えになつておるのでしようか。
○渡辺政府委員 われわれの考え方としましては、登録税は税である。今お話になつたように登録税の課税標準、これは前から相当古い沿革を持つておりますが、価格の何分の幾つということできめておるわけでございますが、その価格という概念につきましては、一応社会通念にまかせておるわけでございます。そこに今言つたようないろいろなトラブルが起きやすい原因があるのじやないかと思つております。それで新造船のような場合におきましては、大体契約価格がわかりますから、従いましてそれによつて課税して行くこと、それを価格と考えることはそう不自然でもございませんし、社会通念上も許されますし、従つてそれがここに税法に言う価格というふうに解釈される。同時にそれを標準に考えて行けるのじやないかというふうに思います。問題は、吉田委員そこまで御質問になつておるかどうか存じませんが、たとえば古い船が移転された、こういつたような場合、これは先ほどもちよつと御議論がありましたが、土地の売買とかなり似たようなことでありまして、具体的に取引された価格が一応ありましても、はたしてそれが非常に安すぎる値段か、あるいは高すぎる値段か、いろいろ見方がございますが、現在の時期におきましては、大体一トンあたり幾らくらいのものを標準にすべきだというような標準を、法務省の方で一応お立てになることも、取扱いの便利から申しますと一つの考え方じやないか、かように考えております。
○吉田(賢)委員 やはり問題はなお平行的に議論があるだけでありまして、これはまだ解明になつておらない。今主税局長のお話では、新造船の場合は契約価格がはつきりしておるのだから、それに課したらよいというよりも、それに課すことによつて問題はなく、古船、中古船というようなときには、これは土地のごとく、家屋のごとく判定がしにくいというようなお考え、それは要するに、たとえば船で言うと契約価格、造船所に支払つた価格というようなものを厳格につかもうとする考え方なんですね。ところが法務省ではそれはわかつておるんです。たとえばここにも出ております新造船の昌島丸、これは飯野海運の船で、第七次船と思いますが、これが何ぼであるかということはよくわかつておるのであります。けれどもあなたの方で流しておられるのは、こういう物件も含んでおるはずでありまするが、価格基準としてとにかく実際の船価よりも四割低いものを流しておられる。そうすると実際の船価、契約価格より四割低いもので課そうという具体的方針を法務省は示しておられる。大蔵省はそうでなしに、契約価格がはつきりしておるんだから、それをつかめばいいじやないか、こうなつておる。そこは矛盾しております。お互いが一致しませんが、これは法務省どうですか。
○竹内政府委員 御質問の趣旨はよくわかりました。先ほどはちよつと観念的な議論になりましたが、契約価格と申しますのは、登記官吏にはわからないわけでございまして、登記官吏は申請をして来た書類等を見まして、結局そこで判断するということに相なりまするものですから、一応契約価格から離れて、そして今おつしやつた実際の価格、私どもが先ほど申しました時価というような観念になるかもしれませんが、そういう価格をここで評定するということにしております。
○吉田(賢)委員 あなたは私の問いに答えておられない。私は今、末端の法務局の登記する価格を押えておる、それを言うておるんじやないんです。それのもう一つ前なんです。大蔵省では、新造船の場合には問題がない、こうおつしやつておる。なぜならば契約の価格がよくわかつているから、それに課せばいいじやないかというお立場らしいんです。あなたの方も政府なんだから、新造船の場合もよくわかつている、わかつているけれどもそれより四割低い価格を基準として法務省へ通知をしておられる。そうすると実際の価格かわかつておりながら、政府間では法務省の考えと大蔵省の考えと一致しないじやないか、問うておるのはそういう点ですよ。最後の法務局が実際つかんでおる価格を言うとるんじやない。もう一つ前の段階における通牒と大蔵省の見解が食い違つたままになつておる、それを聞いておるんです。私の言う趣旨がわかりますか。――それでは検査院の方にお尋ねいたします。ただいま私が尋ねました点、法務省の見解というのは、二十六年十月法務府の民事局長から通知されております。それは価格評定基準から割出した実際の船価と比較したら、四割低い価格で流しておる。大蔵省は新造船の価格はわかつているじやないか、それをつかんだらいいじやないかと言う。そうするとどつちも政府でありながら、そこにえらい矛盾があるんじやないかと問うておる。
○上村会計検査院説明員 法務省も大蔵省もおつしやつていることは大体同じだと思うんです。というのは法務省の方も契約船価でやるという考え方なんですが、この通牒を流されたのは二十六年の十月なんです。時期的のギヤツプがずつと引いて、それが二十七年に現われておるということで、考え方は同じもので、二十六年の十月に実際に流された、しかし船価がだんだん上つて来た、そこでギヤツブが出て来たということです。それだから考え方はおそらく同じ考え方をとつておられると思います。
○吉田(賢)委員 それは考え方が違います。船価はずつと上つて来たとは申しましても、新造船を登記するときはおそらく何年も後にしないと思う。新造船の契約価格というものは公のもので、海運局も知つておれば、大蔵省も日銀もみなわかつておるわけでありますから、その新造船の契約価格よりもさらに四割も低いもので法務省が流して行くということは、考え方が一つじやなしに二つになつておると思います。これは法務省の方はどうですか。あなたの方の考えと今の大蔵省の考えと違うのでしよう。こういつたところにこの問題が起るのでしよう。だから私は結論を申せば、この問題も解決をせなければいかぬと思つておりますので、間違いは間違い、矛盾は矛盾、食い違いは食い違いがあることを一応さらけ出してもらつて、しからばどうすることによつて年々批難されるようなことなしに済む方法がありやというところへ持つて行きたいのです。だからあなたを責めようとするのじやないのです。なぜ税をもつとよけいとらぬのかといつて大蔵省を追究しようとしておるのじやない。このことの現われ方そのものも違つておりますから、それについてあなたの御意見を聞いておるのであります。それを言うてもらいたい。
○竹内政府委員 考え方としましては、大蔵省で御説明くださつたのと大体同じなのであります。ただ持つて行き方が、こちらの基準を定めておりましたその基準か、この昭和二十六年ごろには契約価格というようなことはわかつていなかつたわけです。それで、基準をつくります際に、固定資産税の基準というものを参考にして行こう、そういうことから出発いたしておりまして、できました結論としましては、同じことに帰着するのじやないかというふうに考えております。
○杉村委員 関連して……。そうすると結局大蔵省の方と結論においては同じであつても、あなたの方の価格の基準というものが、大蔵省とは少し違つた、いわゆる固定資産税を割出すような方法で基準にしたために、そこにそういうずれができた、こういうことになるわけですか。つまり大蔵省では契約価格であり、あなたの方では契約価格がわからないから、ほかの固定資産税をかけるときの財産価格を定めるような価格の基準をやつた、そういうことでずれができた、こういうふうに伺つていいのですか。
○竹内政府委員 お尋ねの通り、そういうふうに考えております。
○吉田(賢)委員 そうすると、私がもし問題を誤解しておるのなら、おわびしたいのですが、どうも私はもうひとつ理解しにくいのです。といいますのは、たとえばここに民事局長の通牒は二十六年の十月に出されておるわけであります。そこでこの新造船の昌島丸というのは、私の方が開発銀行からとつた資料によりますと、第七次前期の計画造船でありまして、これは貸付を実行したのが二十六年の六月で、その数箇月前なんです。貸付を実行いたしましたのがそのくらいでありますから、竣工もその前後だろうと思うのであります。そういたしますると、あなたの方ではこういうような大きな新造船などは全然想像に入つていなかつたがというのじやなしに、やはり船価の評価基準について通牒されたと思うのであります。しからば当時の計画造船というものの価格は政府としてわかつておつたと思うのであります。ところが実際の通牒はそれより四割も低いというのでありますから、それよりもというのは契約価格と実際価格、それが大蔵省と考え方が一つだというのは、どうも私には合点がしにくいのですが、それでもなお一つなんでしようか、いかがです。
○竹内政府委員 御指摘のように、政府といたしましては、その価格がわかつておつたと思うのでありますが、法務省、つまり登記所といたしましてはわかつておらないのでございます。
○吉田(賢)委員 登記所ではわからなかつたとおつしやるのですか。
○竹内政府委員 法務省側ではわかつておらなかつたのであります。
○吉田(賢)委員 法務省はわかつておつたでしよう。やはり船舶の価格の基準を全国に通牒する場合に、一体外航船のようなものはどこにもありやしないのですから、外航船の建造というのは、運輸省へ一本電話をかければ全国のやつがわかるのですから、そういうものを通牒するのに、価格がわからなかつたとは私は思えぬのです。その価格というのは契約価格であろうと思う。契約価格というのは具体的にはつきりきちつときまつているのですから、そこでそれよりも低い四割という通牒を出しておられる。そうすると現実には契約の価格にあらざるものを登記価格として通牒されたのではないか。従つてまた末端の法務局もさらに一割低い価格で登記をする、こういうことになつているのが実際じやないか。その実際から聞きましよう。
○竹内政府委員 所管の民事局の者の話によりますと、民事局としても承知をしておらなかつたということでございます。それから通牒と申しますのは、これは前の準備委員会のときにも回答しておりますが、これは通牒じやありません。こういう価格を参考にして基準を協議せられることが望ましいという趣旨のものであつたのでございます。
○吉田(賢)委員 そうしますと、やはり問題は解明せられないままにあなたの方では流しておられる。なぜならば、一体価格というものを、大蔵省が税の立場から考えておるがごとく厳格に解するならば、相談してきめ合うというのが第一ふしぎであります。またそういうふうに厳格に考えるならば、さつき杉村委員から質問しましたごとく、土地の価格につきましても、賃貸価格の何百倍という形式の線で筋を引くということもふしぎであります。ですからこれらはいずれも事のよしあしは別として、現実に行われておる価格ではなく、課税標準価格ではないか。だからこの課税標準価格という一つの事実と、いわゆる契約価格なるものは別のものじやないか。別のものだというならまだそれでもいいですが、われわれは一つであるならばこういう問題は起らぬと思います。不公平ないろいろな解釈が生ずる余地もなかろうと思うのであります。けれども幾つもに解釈せられるような現実とそれから考え方と、税の立場という、いろいろなものがこんがらがつておりますので、実際におきまして幾つもにもなつておるのではないか。それでありますから、民事局はそれを知らなかつた、通牒というのでなくして、これを基準にして、いわば登記申請者との間で相談をしてきめろということを今おつしやつておりましたが、ますますこれはわからなくなつてしまつたのであります。でありますので、やはりこの際はもつと大きな立場から、法務省としてひとつ見解を述べていただいて、そうして一体この価格はどういうふうに考えればよいのか、どういうふうにこれを用いればよいのか、この辺について聞いておかなければいかぬと思います。
○竹内政府委員 申請者と相談の上で価格を決定するというのではなくて、先ほど私が申しましたのは、こういうものを参考にして、つまり固定資産税の評価基準を参考にして価格をきめるのが相当だ。それを法務省部内で協議して、そういう基準をつくるようにと、こういう趣旨の通牒であつたわけでございます。それでその法務省側の考え方としましては、登録税法の建前で、船の価格というものは、登記手続をする際に、その価格申請をしたときの船の値段というものを、登記官吏がきめるという法規の建前になつております。そこでその登記官吏がきめます船の価格が何かということが、先ほど来お話の焦点でございますが、この価格を契約価格ですぽつときめる――この契約価格というのは、一応私どもが考えております申請時の価格に一致する場合が多いと思うのでございますが、観念からすれば、契約価格が即申請時の価格というのには一致しないのでありまして、多くは一致するでございましようけれども、観念としては違う観念ではなかろうか、こう思うのであります。それでこの申請時の価格をどうして出すか、これが私どもとしては非常にむずかしい問題でございます。それで固定資産税と比べてみますと、固定資産税の方は実地へ行つて当りまして、そうして価格をきめるようになつているのでございますが、この登記官吏の方は書面審理で、書面を見ただけで判定をする、こういうことになつておりますので、なおなおその点がむずかしくなつて参ります。そこで申請通りのものによるということになるとこれは場合によつては私流に流れるおそれもありますし、また上の方からこれを強制して、頭からこうやれというふうに言う法律上の建前にもなつておりません。そうしますと、その基準というものを、船価の変動に応ずるような、そういう指導要綱といつたようなものをつくつて、しかもそれは登記官吏にもわかりやすいような方法で、そういう基準となるようなものを渡しておくことによつて、そうして東京、大阪あるいは神戸との間に、アンバランスが犀らないような処置をとらなければなりませんし、かつまたそれが不当に低くならないようにしなければならぬ。そういうような基準はどういうものをもとにしてつくるべきかということを、一応法務省の民事局といたしましては、固定資産税の課税標準とか、そういつたようなものを中心に考えまして、お手元に差上げてあると思いますが、通牒でなく通知をつくつてあるのであります。価格とは何ぞやというところから議論が入つて参りましたものですから、前後いたしましたけれども、これを結論的に申せば、大蔵省で御説明になつたのと一致するだろうと思いますが、観念としてはちよつとそこに違いがあるのですから、私の議論と何かちぐはぐになつたように思います。
○吉田(賢)委員 私はやはり法律の建前から、厳格に価格を追求して行くという建前と、それから現に行われております、たとえば売買あるいは建造費といつたようなものよりも、はるかに低いという全国の慣例ですか、そういつたようなもの、そうしてそういうものに大体相応するような一つの基準が、通常に法務省において用意されているいろいろ基準のものさし、そういうようなものとは、これはやはり全体を、法律の建前と現実の行われている慣例と、それから税というものと、また税にしましても、苛斂誅求にならないという建前も考えなければなりませんし、さりとてやはり法律にきめておるそれも維持して行かなければなりませんから、これらのあらゆる角度から何とか統一しなければ、この問題は年年起つて来ると思います。これは毎年繰返すと思うのです。たまたま東京と大阪が違う、また民事局長の通達と地方の法務局の解釈が違うということですけれども、契約価格という問題もありますし、あるいはまた昭和二十二年以降の第一次ないし第四次計画造船につき、船会社と国の共有部面もありますし、所有権が船会社に移転するときの問題もあるわけであります。そういういろいろな場合を想定しております。この委員会に出て来ておりますものでも、大分あるわけであります。このままでは、やはりいろいろな不都合が生ずると思うのです。一片の通牒や一片の方針だけではいけないと思います。今申しましたよりないろいろの角度から、統一して行く方向を、法務省なり大蔵省なりが中心になりまして、検査院とも御協議になるなりして、ここにこれを根絶すべく――根絶することが目的でなくても、あのずから根絶されるべき新たなる調整が、法律と実際と通牒との間にとられて、結論を得なければならないと思います。この点について、あなたの方と大蔵省の方の、両方の御見解を伺いたいと思います。
○竹内政府委員 お尋ねの通り、年々歳々同じ問題が起つておりますので、法務省としても、何らかの方法で根本的対策を講じなければならないということで、二、三年来、特に昨年来いろいろ考えて参つたわけでございます。実は昨年の八月二十七日に、法務省民事局長から、地方法務局長あてに、登録税の課税基準たる船舶の価格の認定についてという新しい通達を出しております。これは船の値段が上つて参りますと、この通達を変更することによつて、経済的変動に応ずるような仕組みになつた通達でございまして、今後はこの通達の趣旨をよく登記官吏が参酌して執務をいたしますならば、重ねてこういう問題は起つて来ないのじやないかというふうに確信いたしておるのでございます。もし内容が御必要でございましたならば、資料としてお出しいたしましよう。 それからなお、この問題に関連いたしましては、一体登記官吏に価格の認定までもさせることが、そもそも無理ではないかとしりことも実は考えられるのであります。昨年の八月初め、この通牒の前でありますが、登録税法の改正について、大蔵省に御考慮していただく余地はないだろうかというようなことで、実は大蔵省と法務省との間にいろいろ協議を重ねたわけで言います。何と申しましても、登録税と申しますのは、登記申請の際にとるのが一番とりいいわけでありますし、実は長い間やつておる制度でありますので、歳入といたしましても相当大きな数字になつておりますし、実は私の方は価格をきめることが非常にむずかしいので、その方面から何とか改正をということを申したのであります。しかし大蔵省側では、この際運用の面でもつと考慮をした方がいいのじやないかという御意見も出まして、実は両省間の協定はそういう意味においてはまだ解決しておらないのでございますが、結局困つておる実情はよくわかる。運用面で、たとえばどういう点かと申しますと、実地を見聞する予算はないわけでございますし、そういうことを均衡を保つために登記官吏が会同を催して話し合うといつた費用も非常に少いのでございまして、そういう意味において今後処して行こうということで、二十九年度の予算におきましては、わずかでございますけれども、そういう方面の費用をお認めいただいたわけでございます。結局ただいまのところでは、今の八月二十七日の通達をうまく運用するということと、さらにつけ加えまして運用面で予算をいただいて、運用の適正を期して行くという二本建で問題の解決に当りたいと考えておる次第でございます。
○渡辺政府委員 大蔵省としてお答えいたします。今法務省の方からの御答弁がございましたように、価格の協定でございましてなかなかむずかしい問題でございます。従いまして現在のように登記官吏が人数の上からいいまして、経費の上からいいまして、実地について一々協定もできない、こういうことのゆえに何とか登録税の建前そのものを考え直すことはできないだろうか、昨年こういうお話がございましたが、今法務省からお話もございましたように、相当古い沿革のある制度でございますし、登録税として納めていただきますのは、やはり登記の機会にお納め願うのが一番確実にお納め願う道なものでございますから、根本的に考え直すという点は一つございますが、これに対しまして何とか現在の建前をそうこわさないで、運用の面で今のようにあまり非難を受けないように持つて行けないものか。その後具体的にいたしました事項は、今お話のあつた程度でございます。われわれの方といたしましては、法務省とも御相談申し上げまして、われわれの方に、たとえば税務署とか、国税庁関係の一応の機構もございますので、その辺でいろいろな協定の資料なども出ないでもございませんから、そういうものもたとえば法務局の方にお目にかけていろいろ参考にしていただくとか、ないしはその両者の間でできるだけ連絡会議のようなものも持ちまして、その協定があまりへんなものにならないように努力するとか、とにかく運用の面で両省協力しまして、こういう非難の繰返されないように措置してみることに、努力して行きたいと考えております。ちようどわれわれの方もいろいろ法案の改正の時期にぶつかつてしまつたものですから、具体的に話を進める時間がございませんでしたが、近く法務省とも御相談申しまして、何とか運用の面で措置して行きたいと思つております。 それから先ほど御答弁した中で、ちよつと訂正させていただきたいと思います。船舶の価格というのは、われわれも契約価格がそのまま税法にいう価格と解するのはちよつといかがかと思います。ただ契約価格がわかりますから、そのときの船舶価格は、それとそうかけ離れたものと考えるべきじやない。たとえば特殊の契約において安くできることもありましようし、いろいろございますから、やはり船舶価格というものは客観的に見るべきものではないか。大体契約価格がございますから、客観的に見た価格が一応つかみ得ますし、大体契約とそうかけ離れないものが通常ではないだろうか。そういうふうに申し上げまして、法務省のおつしやいますように観念的に契約価格は船舶価格とそのまま同じではない、これもわれわれもやはり同じように考えております。先ほど唐突に立ちましたものですから、多少その辺が誤解を受けるような言葉があつたと思いますので、その点だけは訂正させていただきます。
○山田(長)委員 本日はこの程度にして、次会にまた行うことにいたしたいと思います。
○大上委員長代理 ただいま山田君から議事進行について動議が出ましたが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大上委員長代理 御異議なしと認めます。次会は三月十九日金曜日牛後一時から、本日審議いたしましたもの並びに総理府所管事項につき審議いたす予定であります。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十一分散会