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19回国会衆議院1954/03/05

決算委員会 第13号

発言数
112
登壇者
11
会派数
3
開催日
1954/03/05

会議録

田中彰治自由党

○田中委員長 これより決算委員会を開会いたします。  本日はさきに付託されました昭和二十七年度国有財産増減及び現在額総計算書、昭和二十七年度国有財産無償貸付状況総計算書を一括議題といたしまして審議いたします。まず右案件に対する大蔵当局の説明を求めます。植木政務次官。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 ただいま議題となりました昭和二十七年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況総計算書について、その大要を御説明いたします。まず昭和二十七年度国有財産増減及び現在額総計算書の内容について御説明申し上げます。昭和二十七年度中に増加しました国有財産は、行政財産六百二十六億四千四百三十九万円余、普通財産千七百五十四億九千四百八十七万円余で、総額二千三百九十一億三千九百二十六万円余であります。また本年度中に減少しました国有財産は、行政財産八百五十九億五千八百六十五万円余、普通財産百二十九億八千八百五十九万円余で、総額九百八十九億四千七百二十五万円余でありまして、差引総額において千四百一億九千二百一万円余の純増加となつております。これを別年度末現在額二千七百六十二億六千二百七十二万円余に加算いたしますと四千百六十四億五千四百七十三万月余となり、これが昭和二十七年度末現在の国有財産の総額であります。この総額の内訳を分類及び種類別に申し上げますと、行政財産においては、公用財産五百八十億九千七十八万円余、公共福祉用財産一億四千七百十八万円余、皇室用財産二億三百十四万円余、企業用財産六百二十一億六千九百四十九万円余で、合計千二百六億千六十万円余となつており、普通財産においては二千九百五十八億四千四百十二万円余となつております。また、国有財産の総額を区分別に申し上げますと、土地百六十五億二千七十三万円余、立木竹百三十八億二千七十一万円余、建物七百三十四億二千九百六十九万円余、工作物四百八億八千八百八十万円余、機械器具五十三億四千七百二十二万円余、船舶八十五億千二百二十三万円余、地上権、地役権、鉱業権等の権利四千五百九万円余、特許権、著作権、実用新案権等の権利一億八千五百五十九万円余、有価証券及び出資二千五百七十七億三百六十二万円余で、合計四千百六十四億五千四百七十三万円余となつております。  さらに、国有財産の増減の事由について、その概略を申し上げますと、増においては、購入及び新営工事等により取得したもの二百七十三億九千九百八万円余、所管がえ、所属がえ等の異動によるもの百一億九千三百十六万円余、出資によるもの千六百五十六億五百一万円余、郵政事業特別会計所属財産の価格改定によるもの二百五十八意五千七百二十五万円余、その他のもの百億八千四百七十五万円余となつており、減においては、所管がえ、所属がえ等の異動によるもの九十七億千六百三十一万円余、売払いによるもの二十四億四千五百二十六万円余、出資金回収によるもの六十五億四千七百十四万円余、日本電信電話公社法施行法第七条により同公社へ引継いだもの七百八億九千六百十六万円余、その他のもの九十三億四千二百三十六万円余となつております。  次に昭和二十七年度国有財産無償貸付状況総計算書について、その大要を御説明申し上げます。国有財産法第二十二条及び同条を準用する第十九条及び第二十六条の規定により、地方公共団体等に無償で貸し付けてある国有財産の本年度中に増加した総額は、一億八百二十七万円余であります。また減少した総額は、八千九百八十六万円余でありますので、差引千八百四十一万円余の純増加となつております。これを前年度末現在額一億五千六百七十二万円余に加算しますと、一億七千五百十三万円余となり、これが昭和二十七年度小現在において無償貸付をしている国有財産の総額であります。  この増減のおもなるものを申し上げますと、増加したものは、公園の用に供するもの三千一万円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの五千八百二十七万円余、旧軍用財産の貸付及び譲渡の特例等に関する法律第一条によるもの千九百九十二万円余等でありまして、減少したものは、生活困窮者の収容施設の用に供するもの五千二百二十四万円余、旧軍用財産の貸付及び譲渡特例等に関する法律第一条によるもの二千九百三十五万円余、同第四条によるもの六百七万円余算であります。  以上が、昭和二十七年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要であります。なおこれら国有財産の各総計算書には、各省各庁から提出されたそれぞれの報告書が添付してありますので、これによつて細部を御了承願いたいと思います。  以上、昭和二十七年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況総計算書の大要であります。何とぞ御審議の上すみやかに御承認くださいますようお願い申し上げます。

田中彰治自由党

○田中委員長 ただいまの説明に続いて会計検査院当局の説明を求めます。池田事務総長。

池田直会計検査院事務総長

○池田(直)会計検査院説明員 昭和二十七年度国有財産検査報告につきましてその概要を御説明申し上げます。  昭和二十七年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに無償貸付状況総計算書は、昭和二十八年十月二十九日本院においてこれを受領いたしまして、その検査を終了いたしまして、同年十二月二十二日内閣に回付いたしました。国有財産の昭和二十六年度末における現在額は二千七百六十二億六千二百余万円でありましたが、昭和二十七年度中の増加が二千三百九十一億三千九百余万円となつております。同年度中の減少額は九百八十九億四千七百余万円でありまして、同年度末における現在額は四千百六十四億五千四百余万円となり、前年度末に比べ千四百一億九千二百余万円の増加となつております。  次に、国有財産の無償貸付状況について申し上げますと、昭和二十六年度末には一億五千六百余万円でありましたが、昭和二十七年度中に増加いたしましたのが一億八百余万円ございます。同じく二十七年度中に減少いたしましたものが八千九百余万円でございまして、差引千八百余万円を増加いたしまして、二十七年度末における無償貸付財産の総額は一億七千五百余万円となつております。また国有財産の取得、処分及び管理につきまして、不当と認めましたものは昭和二十七年度決算検査報告に掲記しております。これらの事項につきましては、いずれも昭和二十七年度決算の御審議の際御説明申し上げる予定でありますが、これらの事項をとりまとめて申し上げますと、国有財産の取得に関して不当と認めましたものが六件同じく管理に関して不当と認めましたものが二十四件、処分に関して不当と認めましたものが二十四件、合せまして五十四件になつております。  以上簡単ではございますが、昭和二十七年度国有財産検査報告につきまして、御説明を申し上げた次第でございます。

田中彰治自由党

○田中委員長 右二件に対する質疑を許します。柴田義男君。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 総括的な今のこの資料をいただいて検討いたしましても、なかなか内容に入りませんと非常にめんどうだと思いますが、結局一番問題になつておりますのは、行政財産はいつの間にか普通財産に変更せられまして、普通財産といたしました上に立つて、たとえばニユー・エンパイヤ・モーターの問題のごとくに、当初は行政財産として建設省がそれを所管しておつたが、建設省を経由して東京都がこれを無償で公共用施設として借り受けておつた、それが、いつの間にか普通財産に課目の変更が行われて、不正な貸付が行われておつたということが十六国会、十七国会等でも大きく問題になつたのであります。こういう点で、この今の総体的な問題から二十七年度の決算の検査報告による具体的な問題が入つて来るのであります。順序から申しますると、この具体的な問題を検討いたしませんと、この論議が進められぬわけであると思うのでありまするが、ただこの検査状況の総計算書の問題を審議いたすにあたりまして、どういう角度で審議をするべきであるのか、こういう問題は委員長の御意見もあると思いますが、一応本問題を提案せられました結果、どういう角度でこれを推し進められるのか、それについてまず委員長の御意見を承りたいと思います。

田中彰治自由党

○田中委員長 これは皆二十七年度批難事項に載つておるでしよう、だからきよう別に質疑をやらなくても、いずれ二十七年度の批難事項でやつて行きますから、それで出て来るわけであります。ただこれは造船疑獄をやるのであとに残した問題で、それでこんな行き違いがあつたのですから……。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 わかりました。そういたしますと総括的に概念的に伺いたいと思いますが、たとえば神社仏閣が終戦後に廃止せられまして、ほとんど無償で大蔵省所管に移つている財産は全国至るところに見受けられるのであります。こういう財産の科目は、どういう大蔵省の普通財産というものになつておるのか、その点を伺いたいと思います。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 これは大蔵省所管の普通財産として計上いたしてございます。お手元に配付いたしました厚い分でございますが、報告書の二百四十八ページに増減の状況が記載してございます。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 わかりました。現在たとえば神社の境内が大蔵省に移つて、大蔵省の普通財産となつておる。そうしてその神社の境内が、たとえば商店街にかわつておるというものが随所に見受けられるのであります。引揚者がそこに商店街をつくつて、境内という実態が失われておる。そうした場合にその財産の払い下げるべき目標がどこにあるのか、こういう点を伺いたいと思います。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 これは昭和十四年からある法律でありますが、社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律がございますことは御承知の通りでありますが、その法律によりまして明治の初年に社寺上地とか地租改正とか寄付等で、従来神社仏閣の財産であつたものが国有に移つて、その後もなおかつずつと無償で境内地として貸し付けてあるというものについて、それが宗教活動上必要であり、かつ神社にそれをやることが公益に反しないというものにつきましては、無償で譲与をするということに相なつておるわけであります。今お示しの商店街になつておるというものにつきましては、宗教活動上必要とは認定できませんので、これをこの法律に基いて無償で神社に譲与をいたすということはできないと思います。従いましてそれは普通財産の普通の処分の方法によりまして、それを利用しておるものに適正な値段で払い下げるということに相なろうと存じます。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 私どもは現実に地方におきまして今質問しておりますような問題にぶつかつたのですが、そういう場合には、たとえば坪数とかあるいは金額によつて地方財務当局に一切をおまかせになつておるのかどうか、大蔵省の一つの一貫した御方針があつて、それに基いておやりになるのかどうか、その点を承りたいと思います。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 これは仕事の関係から申しますと、地方の財務局長に大蔵大臣から権限を委任しております、と申しますか、処分は各財務局長がやることに相なつておりますが、その処分をいたします場合に、財務局長の全責任でやつてさしつかえないものと、それから処分いたしますについては大蔵省本省の承認を要するという二つの取扱いにわかれております。本省の承認を要しますものは、相当大きな面積でありますとか、あるいは金額が相当大きくなるというふうなものにつきまして、本省の承認を得るということになつております。なお手続といたしましては、社寺境内地処分審査会というのが東京に一つ、各地方の財務局の所在地ごとにそれぞれございまして、審査会の議を経まして大蔵大臣が処分をするというふうな手続に相なつております。

山田長司日本社会党(左)

○山田(長)委員 ただいまの柴田委員の質問に関連して大蔵当局にちよつと伺います。たとえば大きな神社の境内の中に宿屋を経営する場合があるわけですが、これらの場合には、この審査会の議を経ておりますか。神社の中にパン助宿屋に似たものを経営されておるわけですが、これらの場合には、どこを経由して許可を与えておるのか、参考にちよつと伺つておきたいと思います。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 具体的に場所がわかりませんので的確にお答えできないかと思いますが、神社に譲与いたします場合には、すべて審査会の議を経てやることになつておりまして、審査会の議を経ないで譲与することはできない建前になつております。

山田長司日本社会党(左)

○山田(長)委員 しからば大きな神社が山林を持つている場合、あるいはその神社の威信を保つために松並木なり杉並木を持つている場合、それを神主なりあるいは神社の管理の衝に当つている者が伐採して売却した場合には、どう処分されますか。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 これは社寺境内地の処分に関する法律によりまして、宗教活動に必要だということで一度神社に譲与したものにつきましては、国はそれには関与をいたさないという建前になつておるわけであります。これは憲法による政治と宗教との分離という趣旨からそういうことに相なつておるのでありまして、この法案を御審議願いました際に、国会におきましては、神社仏閣がこれに基いて譲与を受けた財産については、本来の目的に沿うように運用されるよう期待するというような御決議がありました。その趣旨に従つて神社仏閣がやるという建前であります。従いまして一度譲与をすると、その後の処理につきましては政府は関与しないという建前になつている次第であります。

山田長司日本社会党(左)

○山田(長)委員 どうもただいまのお答えでは満足できないのです。たとえば数億の財産を持つている神社がかりにあつて——かりではない、これはありますが、その神社の神主が、どんな大きな松でも杉でも自分かつてに処理して、それを国家がこれに何ら関与しないでそのまま放任しておくということ、それからまた御承知のように今までは別格官幣社とか、別格の神社は全国に幾つもあつて、その神社に国が関与しないでおつたばかりに、その山の木を二、三の神主あるいは神社を管理する衝に当つておる者がやたらに売りとばしても、それを国家がかまわずにおくということは、無償で与えた宗教活動上における趣旨に反すると思いますが、そういう点についてもう一ぺん伺います。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 これはもちろん神主さん個人の所有になるべき筋合いではないのでありまして、それぞれ宗教法人が設立されておるわけであります。それによりまして処分をいたしました代金は、宗教法人の収入に相なりまして、それが宗教法人の宗教活動に必要な経費に充てられることに相なるわけであります。神主自身の個人的な収入になるということではないのであります。

山田長司日本社会党(左)

○山田(長)委員 さらに伺いますが、それでは神社の財産を処理した、そういう者があつた場合にどういう監督をされておるか。大蔵当局が今までされている例をひとつ承りたいと思います。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 これは建前といたしましては、譲与いたしました後は、政治と宗教との分離という建前から、大蔵省としては監督をしないということに相なつております。ただ文部省におきましては、宗教法人全般の問題として、いろいろ指導なり何なりはいたしておるかと思います。

山田長司日本社会党(左)

○山田(長)委員 それでは今まで神社が威信を保つような大きな松山やすぎ山があるその神社が、せつかくその宗教活動上品位を保つために与えられているものが、神主によつて、あるいは氏子によつてやたらに伐採された場合、国が何らかまわずにおくという事態であれば、しかもその監督が完全になされていないとするならば、せつかく今まで威信を保つためにりつぱに立てられていた大森林がみな伐採されてしまうと思うのです。宗教活動に支障を来さないように与えてやつて品位を保たせてやる。それが二、三の神主なりあるいは氏子なりによつてかつてに処理されても、国家がかまわずにおくというのは実に私には心外です。そういう点が監督されずにあるということは、どうも理解できないのですが、そんなことでいいのですか、もう一ぺん伺います。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 御質問ごもつともな点がございますが、この無償譲与の法律の趣旨が、明治維新前におきましては、それぞれ社寺仏閣の所有の財産であつた。それが明治の改革によりまして国有に編入された。それが今度の憲法によりまして、政教分離という思想から元社寺仏閣のものであつたものは、この際昔の状態に返してやつて、国と宗教との関係を断ち切ろうということからこの法律が制定されましたような趣旨でございますので、一度やりましたあとは、国はその財産の管理については関与いたさないという建前に相なつておるような次第であります。それでは今仰せのようになります場合があり得るかというふうに考えられますので、国会側におきましては、社寺仏閣は良識をもつてその財産を運用するようにというふうな附帯的な御決議をなさつたように拝承いたしておる次第でございます。

山田長司日本社会党(左)

○山田(長)委員 関連が非常に長くなつて申訳ないのですが、どうしても私には理解できないのです。せつかく今までその威信が保たれておつた神社が——これは実例があるから申し上げるのですが、その神社の周辺に、一応財産管理の見地からまつたくその神社の人にまかされておる形ではあるけれども、その神社に宿屋ができたり、それから繩張りで山にやたらに人を入れないようにさせてしまつたり、実に理解のできない点があるから伺うのです。こういう点について監督の衝に今まで当ることがなかつたとしても、何かここのところで維持することで考えたことはなかつたかどうか。そういうことを考える必要がないかどうかということです。ちよつと伺います。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 譲与されました財産が本来の宗教活動に必要なように運用されるということはまことに期待さるべき事柄であります。ただ政府といたしましては、これを目的外に使用いたしております場合に、譲与を取消して国有にもどすとか、あるいはまたその上に建てております建物を排除するとかいうふうな権能はないわけであります、もつぱら神社仏閣の管理者の良識に訴えるという以外には今のところ道はないのであります。これは憲法の政教分離の建前からしましてやむを得ない状態ではないかというふうに考えております。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 もう少し概括的なことを伺いますが、たとえば日本電信電話公社法施行法第七条により、同公社へ引継いだものが七百八億九千六百十六万円余、こうございますが、これは公社法施行と同時に引継いだ財産であつて、現在の電信電話公社が持つておる財産の全部であつたのかどうか、こういう点を承りたい。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 これは電信電話公社ができました当時引継ぎました金額の中で、国有財産の扱いをいたしておりましたものがその分でございます。そのほかに消耗品的なものが当然引継ぎをされておるわけでありますが、これは法律に基いて、その財産の移しかえには相なつておりますけれども、国有財産の整理はしておらないのでございますから、そういうものはほかに別に若干ございます。それからなおその引継ぎをいたしましたあとで、電信電話公社の自分の資金で建設なり改良を加えたものが、今日はその金額のほかに増加いたしておるということに相なります。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 私はただ、ちよつと不審の点がここの中に含まれておるので申し上げておるのです。私のこれを指摘しております大きな問題は、たとえば日本電信電話公社の中でもう一つ国際電話が分離されておる。その国際電話が分離されまして非常な利益をあげておる。三十何億かで国際電話会社が別個に設立されたのでありますが、その国際電話という一つの設備までこの中に含まれておつたかどうかという点を伺いたい。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 これは日本電信電話公社ができました際に、従来の政府の特別会計の所属財産が、一応日本電信電話公社に移りまして、その移りましたものの中から、今度は国際通信部門の財産が国際電信電話株式会社にまた出資に相なつておる。こういうかつこうになります。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 その経過は知つております。国際電話がそれでは別個になりました場合に、しからば国際電話に対する日本政府としての持株があつたと思いますが、その持株が現在あるのかどうか。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 国際電信電話株式会社の財産は、日本電信電話公社から引継いだのでありますが、それに対します国際電信電話株式会社の株式は、一応一般会計の所属に相なつております。そこで一般会計でその株式を処分いたしました代金を、日本電信電話公社に交付金として渡す、こういう経緯に相なつておりまして、現在所有いたしました株式の総額は約三十二億程度でございます。そのうちで一般会計で処分をいたしましたのが今日までに十八億程度ございます。なお残りの十二億程度のものは今日まだ一般会計で所有をいたしております。それはいずれ法律の定めるところに従いまして、適当な機会に処分をいたしまして、その代金を日本電信電話公社に交付金として支払うということに相なるわけでございます。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 そういたしますと、今提示されておるこの有価証券及び出資金という二千五百七十七億の中にそれは含まれておりましようか、重ねて伺います。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 国際電信電話公社ができましたのが、二十八年度に入つてからでございます。その株式の現在高は二十八年度の増減計算書に出て参ります。従いまして二十七年度末の増減計算書にはまだ出ない時期でございます。これは二十七年度末の現在でございますので、その中には計上されておらないということであります。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 年度は、私は調べてからじやないとわかりませんので、この問題は留保いたします。ただ問題となりますのは、その国際電話会社の株式の処分の問題であります。大体大蔵省当局はこれを処分するに当つて、特定の銀行、会社、信託会社、こういうほとんど特定の人だけにこれを分布しておる。こういう現状をわれわれは知つておる。そして実際は、現在五百円の払込みのものを五百円の額面で特定の業者だけに分布しておる、こういう事実がございませんか。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 これは電信電話公社ができました際に、経営の安定を期するという趣旨から、先ほど申し上げました十八億の大部分というのは、まだ株価が一体どういうふうになるかも見当がつかない状況でございましたので、額面の金額をもつて金融機関、電信関係の事業部門その他従業員等に、額面で割当をいたしておることは、仰せの通りでございます。  なお今後の処分につきましては、すでに経営の安定を期するためにそういう処置をするという必要もないかと思いますので、一般入札によつて処分するのが適当であろうというふうに考えております。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 会計検査院の池田事務総長もお見えになつておりますので、これは希望として申し上げておきますが、実際この国際電話の問題は非常に利益が伴うことは、経済人であればだれしも知つておる。だからこんなものを五百円の払込み価格で処分するということは、またそこに必ずや汚職問題が誘発される原因になるとわれわれは思うのであります。関西なんかの経済人でありまするならば、五割くらいのプレミアムがついても、みな買いたいというのがたくさんあります。そういう状態の場合に、大蔵当局はどういう考えであつたか、五百円でこれを特定の銀行、会社にだけ分布しておりますが、そういう点は、でき上つて損をしたあとばかり追いまわして、決算委員会がそれを論議しておりますが、ひとつ損をしないように御監督を願いたい。次官もお見えになつておりますので、こういう希望条件をこの問題に附加して申し上げたいと思います。

田中彰治自由党

○田中委員長 窪谷政府委員、その株券をどこへやつたか、それをひとつ明細に書いて、あとで資料を出してください。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 これは第一回の処分でございますので、委員長から御要望がございました資料は、文書で御提出いたしたいと思います。

田中彰治自由党

○田中委員長 吉田賢一君。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 まず大蔵当局にお尋ねしたいのですが、国有財産関係を伺つてみます。国有財産のうち船舶関係につきまして、わが国の第一次ないし第四次までの計画造船は、申すまでもなく船舶公団関係の分であります。これはその後どうなつておるのかについて伺いたいのですが、船舶公団は船会社と共有しておつたはずであります。共有しておつた船舶は、当然国有財産法によつて国の所有財産とわれわれは考えるのでありますが、こういつた前提から、一次なし四次の船舶公団と船会社が共有しておる船並びに船会社名、トン数などを伺いたい。それはどのような内容になつて記載されておりましようか、これも伺つておきたい。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 今仰せになりました各船主と申しますか、共有の相手先別の船名、トン数等につきましては、相当複雑になりますので、すみやかに文書で資料として御提出申し上げたいと思いますが、これは船舶公団が廃止になりました際に、大蔵省にその持分を引継ぎまして、今その持分の整理をいたしておるわけでございます。その整理の方法は、当初船舶公団が支出をいたしましたうちで、それを償却の部分と金利の部分とにわけて、順次整理をいたしておるのでありますが、金利の部分につきましては、これは一種の債権的なものであることが明瞭でございます。ところが持分の点につきましては、従来この持分と申しましても、これがどうも共有契約の内容から見まして、債権的なものであるというふうな考え方から、この国有財産の増減計算には計上いたしませんで、債権的なものとして、政府の財産として管理をいたしておるような状況でございます。詳細につきましては、各船別に資料で御提出をいたしたいと思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 トン数とか船名とか、あるいは価額、船会社、時期などは詳細資料でいただきますが、詳細でなくても概略はすでに、国有財産の増減について今日は審議を求めておられるのだから、おわかりであろうと思いますから、概略の御説明を願いたい。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 当初船舶公団が持ちました金額が、総額で……。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 ちよつと御発言中ですけれども、当初とかなんとか、そういう言い方でなしに、何年とかあるいは第何次とか、そういうふうに説明してもらいませんとわかりません。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 はなはだ恐縮でございますが、きようは実はその資料を手元に持ち合せておりませんので、次の機会に譲つていただげませんでしようか。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 けれども、大きな国有財産の増減の書類が出ておりまするが、何かそれを形成しました資料は持つておるのじやないのですか。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 今手元に持つておりますのは、総体の隻数、トン数、それから船の型別という程度でございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 それなら、その順序でよろしいから御説明してください。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 これを隻数で申しますと、ほんとうに新しくつくりました船が、B型船というのが八隻でございます。C型船が十六隻、D型が二十八隻、E型が三十二隻、それから続行船というのが一つございます。船舶公団ができましたときに、すでに起工をいたしておりました船を船舶公団で引受けたのがございますが、その続行船がA型が三隻、D型が二十二隻、E型が二十三隻、そのほかに戦争中に戦時標準型という船をつくりました。相当能率も低いのでありまして、これを改造いたします費用を船舶公団で持つておつたのがございます。その改造の船でありますが、改Aというのが十一隻、改Dというのが四隻、改Eが六十五隻、改TLというのが八隻、改TMというのが五隻、改ETというのが二隻ございます。なおそのほかに、在来船で船舶公団で改造等を加えました船が二十九隻ございまして、それらを合計いたしますと、隻数で二百四十六隻に相なつております。それの総トン数が五十六万トンということに相なつております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 そうすると、以上お述べになりましたものは、全部船舶公団と船主の共有船舶、こういうふうに了解していいのですか。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 仰せの通りでございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 さきの御説明では、持分として債権的な国の財産のような御説明であります。共有といつたら、われわれ常識で考えまして、やはり所有物を共有と言つておるのであります。共有者は半分の持分があるとか、七割、三割の相互に持分があるとかいつて、持分の関係が生じておるのであります。だから基本関係は共有であります。所有権であります。だからそこに国の所有権なしという解釈の余地はないわけです。そうすると、対象は船舶でありますから、当然国有財産法によりまして、これは国有財産法第二条、第二号の船舶に該当すべきです。それならば、やはり国有財産として処理されて、但し持分関係があるという注釈、つまり百パーセント国のものではない、七〇%は国のものである、こういう関係に持分がなるということは、これは説明であります。その点は、あなたが持分として別の関係で保管しておるとおつしやるのが、われわれどうも理解できないのです。これはどういうことになるのですか。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 御質問まことにごもつともでございまして、従来の扱いは、共有契約の内容が、本来の商法に規定しておりますような意味の持分と、若干違つた内容になつておりますので、これは債権的な扱いをした方が適当であろうというふうに考えて処理をして来たのでございますが、御質問を伺つておりましてまことにごもつともな点がございますので、それらの扱いにつきまして、至急研究をいたしまして結論を出したいというふうに考えます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 ただいまの二百四十六隻の船舶は、全部存在しているのかどうかを伺いたいことと、それからその船はだれが使用して、だれが占有しておるのか、それからその現在の価格は何ほどに評価しておるのか、これを御説明願いたい。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 この中ですでに沈没をいたしましたものが若干ございます。それから終戦後初期につくりました船は相当低性能でございますので、これをつぶしまして、船質改善というふうな法律によりまして処理をいたしたものも若干ございます。従いまして、この全部が現在存在しておるというわけではないのでございます。なおこれの持分の価格でございますが、これは現在総体で約百億ということに相なつております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 まだ残つております。現在だれが使用し占有しておるか、それから沈没とおつしやつたが、その沈没の数はわずかだろうからおつしやつていたたきたい。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 これは現在それぞれの共有の相手方が、運航をいたしているのが大部分であります。中には実際の運航は、さらにチヤーターされているものもあろうかと思いますが、国でこれを運航いたしているというものは、一隻もございません。  それから沈没船につきましては、今ちよつとはつきりした数字を手元に持ち合せておりませんので、記憶だけで、あるいは間違つたことを申し上げてもいかがかと思いますので、先ほどの資料にあわせて御報告をいたさせていただきたいと思います。

田中彰治自由党

○田中委員長 窪谷政府委員、今共有している船を、使つている会社の名前は全部わからないのですか。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 ただいまちよつとその資料を持つておりませんので、はなはだ恐縮でございますが、今記憶ではちよつと申し上げかねるような状況でございます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 百億に達すると称しておられるのですが、百億が相当かどうか、これは別問題といたしまして、かりに百億の評価といたしましても、百億に達する船舶の大体七割でないかと思いますが、それを今国の財産として、国会に増減関係等の審査を受けることにしないということは、これはまことに大きな手落ちではないかと思う。ことに船舶関係は、昨年来非常に重要な国会の問題になつて来ているのでありますが、この際債権であるやら、所有であるやらはつきりしない態度では、これは実に心もとないと思いますが、そうすると、あなたの方ではどこに保管して、どこに登録しているのでしようか。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 財産の原簿は、それぞれ各所管の財務局にあるわけでございます。それの全国をとりまとめましたものが、これは一種の補助簿的なものでございますが、それは本省にあるのであります。なお国有財産に計上すべきだという御意見、まことにごもつとものように考えますので、一応従来の扱いを再検討いたしまして、至急に結論を出したいと思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 この問題は、やはり事務当局の算弁だけではわれわれ了承できません。大蔵省の責任ある答弁を求めなければならぬと思うが、今大蔵大臣が見えておらぬので、この際やむを得ませんから政務次官から一応の答弁を伺つて、あとで大蔵大臣から責任のある答弁を求めたいと思います。なぜならば、今の御説明によりますと、五十六万トンあつて、沈船というのは、おそらく数隻に過ぎないだろう。改造して影がなくなつたのも、おそらくそうだろうと思います。そうしますと、二百数十隻、五十余万トンの厖大な船舶が、国の所有の船舶として登録されておらぬ、全国の財務局にばらばらに原簿がある、それを握つているだけだというのでは、これはどうも納得できぬのであります。大蔵省あるいは大蔵大臣の立場において、これはやはり即刻処理しなければならぬ問題だと思います。なぜこんなことをしておつたか、やはりそこに船会社の利益でもはかるような事情があつたのじやないか。なぜならば、全部船会社が使つて、どういうような経理、会計になつているかということも国会に報告してない。どういうわけなんですか、大蔵省として責任のある御答弁を願いたい。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 国の共有にかかわる船舶の、国有財産法上の取扱いにつきましては、その共有の性質が、はたして所有権の共有であるか、あるいはまだ単なる債権の状態であるか等の問題につきまして、非常に研究が不十分であつたことは、はなはだ申訳ございません。ただいま窪谷政府委員より御答弁申し上げましたように、大至急研究をいたしまして、最善の整理をいたさせたいと存じます。

田中彰治自由党

○田中委員長 吉田委員どうですか。今あなたの質疑に重要性を感じておりますから、大蔵大臣から来てもらい、また一回資料を出してもらつたらどうですか。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 さようにおとりはからい願います。

田中彰治自由党

○田中委員長 それではこれに対する資料を出してください。それから大蔵大臣に出てもらつて説明を聞きます。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 それではこれは一応大蔵大臣との質疑応答に譲ることにいたしまして、次に進みたいと思います。  検査院の御提出になりました報告書によりますと、最後に、見返り資金の特別会計から開発銀行に貸付財源の二十六年度分百億円が記載されておらない、こういうような記事があります。開発銀行に対する百億円の見返資金の貸付が登録されておらないような、そんな大きな手落ちが、またしてあつたのだろうかどうか。それをひとつ御説明願いたいのであります。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 これははなはだ恐縮に存ずる次第でございますが、国有財産法の解釈につきまして、若干解釈の誤解と申しますか、がございまして、計上漏れに相なつたのでございます。当時、これは大蔵省の中でございますか、理財局におきまして、見返り資金の運用だというふうな考え方から、国有財産法にいう出資には当らないのではないかということから、計上をいたしておらなかつたのであります。しかしその後検査院からの御注意もありまして、私どもで検討をいたしました結末、これはやはり国有財産として計上いたすべきものだということに考えております。これはすでに二十七年度の消滅計算書を御提出いたしましたあとでございましたので、訂正の余裕がございません。二十八年度からは、これを正規に計上いたしたいというふうに存えております。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 その百億円の中には、いわゆる計画造船の融資に使われたものがあることになりますか。その辺の御説明を願いたい。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 これは開発銀行に対します出資でございますので、全体として出資をいたしておるということでございますので、その中の一部が計画造船に使われたともいえましようし、必ずしも色合いをつけて出資をいたしておるというわけではございません。開発銀行全体の資金として出資をいたしておるわけでございまして、ほかの一般の開発銀行に対する出資が、計画造船と関連を持つ程度においては、やはり同様の関係に立とうかというふうに考える次第であります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 しかし開発銀行の資金の費目について予算を作成して、政府の承認を得て国会に出すという順序になるのでありまするから、それは出資したものの使途が、百億円が造船融資にまわつたかどうか、必ずしもわからぬとも思いますけれども、この点はやはりあなた方の立場からすれば、それは造船融資にまわすべきものであつたか、そうでないために出資したか、そういう点は相当はつきりと予定されておつた次第ではないかと思うのですが、いかがですか。

窪谷直光大蔵事務官(管財局長)

○窪谷政府委員 私はちようどそのあたりの事情は、別の局でやつておりました仕事を引継いだようなこともありまして、実はただいま詳細に承知いたしておりませんので、調査いたしまして御報告申し上げたいと思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 それではこれはまた調査の上でないと御答弁が願えないそうですから、やむを得ず次に予備費の問題に移ります。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 議事進行……。今予備費の問題に入るようでございますが、一般的な概括的な質問は、ほぼこれで終了することになりますか。

田中彰治自由党

○田中委員長 終了しません。今吉田委員の出された問題はなかなか重要ですから……。     —————————————

田中彰治自由党

○田中委員長 次に昭和二十八年度一般会計予備費使用総調書(その1)、昭和二十八年度一般会計災害対策予備費使用総調書(その1)、昭和二十八年度特別会計予備費使用総調書(その1)、昭和二十八年度特別会計予算総則第九条に基く使用総調書(その1)、以上四件の承諾を求める件を議題とし、まず大蔵当局の説明を求めます。植木政務次官。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 ただいま議題となりました昭和二十八年度一般会計予備費使用総調書外三件の財政法第三十六条第三項の規定に基き、国会の事後承諾を求める件につきまして御説明申し上げます。  昭和二十八年度一般会計予備費予算額は三十億円でありまして、このうち財政法第三十五条の規定により、昭和二十八年四月二十五日から同年十二月二十八日までの間において八億二千九百五十余万円を使用いたしました。  そのおもな事項は、海外引揚者携行証書等返還に必要な経費、在日華人の送還に必要な経費、災害救済物資処理に必要な経費、北太平洋鮭鱒漁場調査に必要な経費、拿捕漁船乗組員救済に必要な経費、帰還輸送に必要な経費等であります。  次に、昭和二十八年度一般会計災害対策予備費予算額は百四十五億円でありまして、このうち昭和二十八年五月三十日から同年十二月二十五日までの間において百十五億千五百六十余万円を使用いたしました。  そのおもな事項は、冬期風浪及び融雪災害復旧事業に必要な経費、凍霜害対策に必要な経費、第二号台風災害復旧事業に必要な経費、西日本水害及び和歌山地方水害復旧に必要な経費、第十三号台風災害復旧に必要な経費、第十三号台風等による風水害に伴う災害救助に必要な経費、冷害対策に必要な経費等であります。  次に、昭和二十八年度各特別会計の予備費予算額は、四百十億八千九百余万円でありまして、このうち昭和二十八年七月三十一日から同年十二月二十五日まての間において使用いたしました総額は、四十六億八千六百二十余万円であります。  そのおもな事項は、食糧管理、国有林野事業、労働者災害補償保険、失業保険者特別会計における西日本及び和歌山地方水害復旧等に必要な経費、農業共済再保険特別会計における再保険金の増加に必要な経費等であります。  次に昭和二十八年度特別会計予算総則第九条の規定に基き、予備費使用の例に準じて予算を超過して支出いたしました特別会計は、印刷局特別会計でありまして、日本銀行券の製造数量増加に必要な経費五億八千二百二十余万円であります。  以上、昭和二十八年度一般会計予備費使用総調書外三件につきまして、事後承諾を求める件の御説明をいたしました。  何とぞ御審議の上、御承諾くださいますようお願い申し上げます。

田中彰治自由党

○田中委員長 以上予備費四件に対する質疑を許します。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 この政府提出の予備費使用総調書以下集録してあるのによりますと、それぞれ使用をせられた金額が各省別に書かれておるのであります。そこで伺いたい点は、たとえば例をあげますれば農林省における昨年の災害復旧に関する法律に基きまして各般の災害復旧事業が行われておりますが、現実にはいろいろの災害復旧工事が終了いたしまして、いまだ検査が終らず、その経費を事業主が負担して利息まで支払つて、工事はもちろん完了しておるのに、補助金の交付も受けておらぬ、こういう例がずいぶんとあるのであります。そこで、これは例にあげたのであつて、農林省における災害復旧予算の状況を私は糾明しようとするのじやないのであります。かくいたしまして、各種の予算がずいぶんと、使用せられておらぬものが、おるがごとくにここに報告せられておるのではないかという疑いを持つのであります。それでこれを明らかにしたいのであります。そこで聞きたいのですが、ここにあげられましたところの一般会計、特別会計その他の朗読されましたところの予備費の使用というものは、実際に使用した金額をあげておるのであろうかどうであろうかということを疑いますので、御説明を願いたいと思います。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局事務長)

○正示政府委員 お答え申し上げます。ただいまの御質問は、本日ここに出しました調書には幾ら幾らの災害対策予備費あるいは一般予備費を支出したということになつておるが、現実に災害の復旧その他においては、むしろ公共団体とか災害を受けられた農家の方々はたいへんな金を使つておるが、国の金はあまり来てないのじやないか、こういう御趣旨のように拝聴いたしたのでありますが、私どもまずここに出しました予備費の支出額と申しますのは、国が現実に支出したものでございまして、この金がある場合にはいわゆる補助金として府県の予算に入りまして、府県から現実に支払われるものもございます。またある場合には直接に、災害救助費のごときものは、吉田委員も御承知のように、やはり府県を通ずる応急的なものもございますが、中にはお話のように、工事の検査が終りましてから払われるようなものもございます。そういうふうになつておりますので、ここに出しました予備費の支出額というものと、現実の使用額というものとは必ずしも一致をいたさない場合があることはやむを得ないと存じます。いずれにいたしましても、私どもとしましては、災害等の場合におきましては、むろん大切な国費でございますから、その支出につきましては、御承知のように監査等もたびたび励行いたしまして、査定は厳重にいたしておりますが、きまりました場合には、国としてはでぎるだけすみやかに予備費支出等の手続をとつておるわけでございます。そうしまして、それぞれの機関から所定の手続によつて支払われるようにいたしておるのであります。繰返し申し上げますが、予備費の支出の手続として出しましたものを計上しまして御承諾を求めておる次第であります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 ところでこの印刷物を読んで見ますると、たとえば十ページ総理府の予備費の説明の末尾に、「昭和二十八年八月二十五日閣議の決定を経た。」それ以後は書いてない。それから十一ページの、同じく「昭和二十八年十一月三十日閣議の決定を経た。」全部これは閣議決定を経たというのであつて、それから最後の支出して行くべき段階がどこまで行つたかわからない。閣議決定を経ただけじやないか、こういうふうにも考えられるのであります。そういたしますと、一体ほんとうには使用しておらぬのじやないか、使用すべき状態において使用していないのじやないか、こう考えられる。ところが財政法の第二条によりますと、「支出とは、国の各般の需要を充たすための現金の支払をいう。」、もつとも第三項におきましては「会計間の繰入その他国庫内において行う移換によるものを含む。」、こういうことにはなつておりますけれども、要するに実態は、支出の趣旨は、やはり厳格に各般の需要を満たすための現金の支出ということでなければならぬ。予備費というものは大体そういうことで国会の承認を得るので、そうでなければ一般の使い道がわからぬ。ちやんと使つたあとを事後承諾——憲法でも、あなたの御説明でも事後承諾を求めるとなつておるのですが、事後承諾という以上は、使つたあとの承諾なんです。ところがこの説明によると閣議決定を経たとあるだけで、実はまだ使つておらぬのじやないかという疑いが多分にある。だからその閣議決定以後の段階はどうなつておるかわからぬままに国会の承認を得ようとしておるのじやないか、こう思うのですが、その点を御説明願います。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局事務長)

○正示政府委員 お答えを申し上げます。ただいま吉田委員が引用されました財政法の第三十五条に、予備費の管理、使用という規定がございまして、その予備費の使用の手続に、閣議決定をして出すということになつておることは御承知の通りでございます。私どもは通常閣議を経まして、予算をつけると俗に言つておりますが、予算をつけ得ますと、あとは支出官の責任になつております。支出官は御承知の通り各省に置かれておるわけでありまして、大蔵省といたしましては、閣議の決定を経ますと、各支出官にすぐ予算の支出権をつけまして、会計検査院にも御通知を申し上げておるのでございます。あとは各支出官がそれぞれ経理の所定の規定に従いまして、たとえば、先ほどお話になりましたような事項につきましては、検収ということをいたしまして、正規の工事がなされております場合には、この工事の代金を支払う、こういうことになるのであります。閣議決定を経まして、大蔵省が金を留保しておるというようなものは一銭もございませんから、その点は御安心を願いたいと思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 それはあなたの方はそういうことに基いて予備費は大蔵大臣が管理し、そうして支出官に支出をなすべく手続をなさる、支出官が支払つたかどうかわからぬというのに、国会の承認を求めるということはできるでしようか。やはり国会は、ことに決算委員会においてこれを審査するということになつておるのは、決算の段階でなければならぬ。まだ使つておらぬというものならば予算なんですから、使つたか使わぬかわからぬというのではこの事後承諾を求めることはできな  い段階です。そうしてその金はすぐに来年へ繰越すかもわからぬ。現に昨年、二十八年三月三十一日現在において各省の繰越しが千百八十億円もあるわけであります。その繰越しの中に入るかわからぬ。私は現に各省の昨年十二月二十五日現在の支出総額をとつて調べてみました。ほんとうの支出というものは、あなたのおつしやるように、大蔵大臣から支出官の方へ何か通知をしてそれで支出したのでござい、といつて支出済みとして、事後承諾を国会に求めるということはどうもりくつが通らぬ、憲法蹂躙であります。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局事務長)

○正示政府委員 お答え申し上げます。今回出しました予備費の使用に関する使用調書その他の調べは憲法第八十七条によりまして国会へ提出いたしたのであります。憲法第八十七条の第二項はこれはいまさら申し上げるまでもなく「すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。」こういうことに規定されております。私どもといたしましては、できるだけすみやかにこれを国会に出すという趣旨をもちまして、二十八年の四月二十五日から十二月二十八日までの分の支出につきまして、調書を作成いたした次第でございます。なお吉田委員ただいま御指摘の点につきましては、財政法の第三十六条の規定があるのでございまして、これは「予備費を以て支弁した金額については、各省各庁の長は、その調書を作製して、次の国会の常会の開会後直ちに、これを大蔵大臣に送付しなければならない。」というふうに手続の規定があるわけであります。私どものただいま出しておりますのはこの憲法第八十七条第二項による規定の分でございますから、その点御了承を願いたいと思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 あなたの御答弁では何も解決しない、憲法第八十七条は第二項として、すべて予備費の支出については、内閣は、事後に——ここにひとつ力点を置かねばなりません。事後に国会の承諾を得なければならぬ、支出については事前にとか、途中にという解釈の余地はないのであります。決算委員会において事前の承諾を求むるという余地もない。その事後にということであれば財政法三十六条の一項の前段にも「支弁した金額については、」のごとくに、現在でもなし将来でもない、これは過去のことです。でありますから支出すべき予備費について国会の決算委員会の承認をまつのではない。でありますから繰返すようですけれども、憲法の八十七条の第二項によりまして、何ら支出の趣旨が明確になつて来ない、支出というものはまだ使わない状態を支出とあなたは認めておるのであるかどうか、使つたというのであればもう過去であります。過去であるというのであるならば、使つたということにしなければならぬが、あなたは支出官の方へ使うべき予算を執行すべく通知したから、もうそれで支出したことになるというのでは、これはやはり日本流の常識で考えて理解はできません。やはりこういう問題は事務当局が御自分がやつておられることを弁解しようとしても、それはいけません。根本の問題ですから、やはり大臣に来てもらつてここで答弁させなければ……。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局事務長)

○正示政府委員 ただいしまの御質問は文出ということの法律上の意義ということに相なろうかと存じますから、主計課長から詳しく御説明を申し上げます。

柴田義男日本社会党(左)

○柴田委員 今この大きな問題にぶつかつているのですが、私はやはり吉田委員が御質問になつている趣旨がわれわれにはぴんと来た、まつたく今の問題は単に憲法論議を重ねようとしているのではない。私どもはしかも国会の決算委員会の立場から考えまして、政府当局は予算を計上いたしまして、予算を提出いたしまして、予算委員会におきましては総理大臣以下閣僚が全部そろつてこの問題を大いに論議しておる。しかし決算委員会に対してはわれわれが強く要求しなければ総理大臣は御出席になつたことがない。去年も数回大きな問題をひつ下げて要求した場合に、やつと三分か一分ちよつと顔をお見せになつたというような非常に無責任な状況をわれわれは知つおる。少くとも今の問題のすでに使つたと称する分ですらも百七十四億二千九百余万円あるのであります。こういう予備費の問題にいたしましても、現在まつたく窮乏の日本経済から見まするならば、莫大な金額であります。こういうような問題を審議いたします場合には、各党におきましても、ほんとうに国民大衆のためにやる審議であるのだから、そういう立場から感情等で申し上げておるのではありません。やはり総理大臣あるいは大蔵大臣等が出席されて、われわれが納得の行けるような御説明と御方針を御明示願いたい。各党に御相談を申し上げたいと思いますが、おとりはからい願いたいと思います。

杉村沖治郎日本社会党(右)

○杉村委員 今の柴田君の御意見には私はまつたく賛成であります。予算のときだげはみんな各省大臣がそろつて出ておつて、いろいろ算定をしておるのだが、予算はなるほどこれから先使うところの必要なこともありましようけれども、予算というものは少くとも過去の、前年度の予算がどういうふうに使われたか、この前年度の予算を使つた結果においてこういうような不足があつた、こういうようなことがあつた、こういう欠点があつた、これを資料として翌年度の予算を編成しなければほんとうの予算の編成はできない、ところが今日のこの予算の編成というものは、決算の状態などはおかまいなしですよ。本年わずか百億足らずの予算のことについて、三党がいろいろ夜を徹して相談したというけれども、われわれお互いがこの決算委員会において、この会計検査院の批難事項を見ただけでも、そんなものは百億や二百億や五百億の金はたくさん出て来るじやありませんか。このように五百億も一千億も金が出て来るような、こんな国の財政の取扱いをやつておつて、これを国会に承認を求めておるときに、ここに総理大臣も出て来ない、大蔵大臣も出て来ない、保安庁長官も出て来ない。こんなことではいつまでたつたつて、この日本の健全なる財政を確立することはできないのです。私はこの意味においてこれからわれわれは逐条的に審議いたすべく努力いたしますから、政府当局もほんとうに国会に承認を求めようとするのでありまするなれば、総理大臣以下出席してもらいたい。それでなければわれわれはこれを審議しないというくらいの態度をもつて臨みたいと思います。

田中彰治自由党

○田中委員長 どうです、自由党の方の御意見はありますか。

大上司自由党

○大上委員 ただいま吉田委員並びに柴田委員、なおまた杉村委員のお話、ごもつともでございますが、ただそこで、特に予算の場合は原則として政府が提案されて、これを審議する期間が一定期間に集中しておる。もちろん本日の議題になつておるものは当然そうあるべきですが、いわゆる会計検査院等の批難事項によりますと、相当長時間これをかけなければならぬという問題で、出てもらうところの総理あるいはそれ以下の各省の所管大臣は、いずれ理事会に諮つて、次の議案はこういうものであるから、従つてこの大臣に事前に通告をしておく、こういうようにはからわれるなら賛成する。ただ何でもかんでも出て来いということでは困る。これをよく御了承願いたいと思います。

田中彰治自由党

○田中委員長 私は委員の方にお諮りします。大上君の言われる通り、決算委員会というものは始終やつておるのだから、始終総理とか副総理ということは困難と思います。しかし予備費の承認を与えるときだけは総理大臣の出席を求める。それもしなかつたならば予備費の承認をしないというぐらいのことはきめていいと思いますが……。

杉村沖治郎日本社会党(右)

○杉村委員 今の委員長の言葉が全然悪いとは思わないが、大体本日この説明をするのに政務次官が来てやつておるということは、決算委員会を無視している。何と考えているか。私は大蔵大臣が当然出て来て説明すべきであると思つておる。私は見たこともないような人であるから、だれかと聞いたところが、政務次官だという。とんでもない話だ。何を承認を求めておるのか全然わからない。承認を求めておるが、どういうことを承認を求めておるのか。こういうところが決算委員会を無視しておる。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 先ほど来一般会計その他特別会計におきましての予備費使用総調書外三件の財政法第三十六条第三項の規定に基き国会の承諾を求めるの件、こういうことでいろいろ御審議を願つておるのであります。なるほど御指摘の通り、憲法八十七条に言いますところの「すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。」これは憲法の規定に基くものでありますことは申すまでもございません。そうしてこの八十七条の規定を受けまして、財政法第三十六条でもつて、どういう方法で国会の承認を求めるかということをきめておるのであります。この三十六条によりますと、先ほど来御説明申し上げました通り、各省大臣が調書を作成して大蔵大臣に送付し、大蔵大臣はその調書に基いて総調書を作成して、総調書及び調書を会計検査院に送付する、それから国会に提出してその承認を求める、こういう承認を受ける手続になつておるのであります。すなわち予備費は御承知の通り、予算の全然予見すべからざる事態のために起りました事項のために閣議決定を経て、そうして予備費の支出をいたすのであります。予備費というものは、包括的に何に使われるかわからぬ、議会の協賛権に対して大きな一つの容認を求めている大きな科目でございます。その科目からどういうものとどういうものに使つたかということを、なるべく早い機会に国会に報告をして、その承認を求めよう、すなわち予算の審議権を尊重しようという建前からのものであります。現実に予備金がどういう費目に支出されて、そしてその現金の支出がほんとうに幾ら行われたかという最後の決定のところは、これは決算のときに御審議を願うことになつておる。とりあえずまず予備費がどういう事項に使われたかということを、なるべく早い機会、すなわち次の常会において提出をして、そうして議会の御承諾を得る、こういう建前のものであります。従つて今日こうして従来慣例通りお願いしておりますところのこの予備費の使用というものについて承諾を求めるのは、これは予備費の支出をしてしまつたことについて承諾を求めるのじやなくして、どういうことに支出することになつたか、いわゆる支出してしまつた分ももちろんその中にあります。だからこの承諾を求める件も、いわゆる使用と申しておりますが、使用の総調書、予備費をどういうことに使用したか、どういう科目に使つたかということをまず国会に御承認を求める。その現実の金が、現金支出がどういうことになつたかということは、これは決算のとき、他の決算と同様に、そうして決算の詳細な内容については、予備費から出た分が幾らということは詳細にやはり決算に現われることになつております。かような状況によるところの承諾を求める件でございますから、さよう御了承願いたいと思います。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 これはあなたの御説明もありますけれども、それは予備費の使用の後に国会の事後承諾を求めるということは、これは今御説明になりました三十六条によりましても、この三十六条というのは、別のいろいろな手続の規定もこの中に包含されておりますけれども、要するところは支弁した金額、この支弁した金額についての調書をつくらなければならぬという趣旨であります。憲法第八十七条によりましても、国会の事後承諾を求めるとある。私はここに参考に持つて来ておりますが、法学協会で出しております日本憲法の註釈によりましても、財政法三十六条の規定の趣旨、それから憲法八十七条の予備費について国会の承諾を求める趣旨につきましても、要するにまず承諾を求める時期は予備費の使用後初めての常会とされている。これは定説です。ですからそういうことはいろいろ陳弁なさつても、まだ使つたか使わぬかわからぬ費用だけきめたというのでは、事後承諾ということに当らぬ。だからこれはやはり国会の承認を求めようとすれば、内閣として、まず当面の大蔵大臣は責任をもつてこの関係を明確にしなければならぬ義務があると思う。委員長においては、さようおはからい願いたい。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 お説ごもつともな点もございますけれども、いずれ大蔵大臣からも御答弁申し上げる機会があろうと存じますが、三十六条にいいますところのこの法文の趣旨は、いわゆる後に国会の承諾を求める、その方法をここで明らかにしているのであります。それは、支弁したといつておりまして、支出したとはこの三十六条ではいつておらぬ。もしそうでないとしますならば、たとえば十二月二十八日あるいは十二月二十五日にも、いわゆる予備費の使用をなす場合が起ろうと思います。そうした場合、現実に金を出してしまわなければ承諾を得られぬということにいたしますと、結局次の常会で承諾を求めようとしても求められぬことになつてしまう。だから私はこの点、あくまでも予備費をどういうことに使用したか、その状況を国会に報告をして、その承諾を求める、こういうふうに考えるものであります。

吉田賢一日本社会党(右)

○吉田(賢)委員 それは何べんあなたが繰返しても、予備費をどういうように使用したかということは過去です。将来どう使用すべきかということじやない。しからば使用したということをお出しにならなければ、内閣できめた、閣議できめた、そうして各省に指令した、流したということでは、使用したかしないかわからない。それで会計検査院が昨年も報告したごとく、千百八十億円は次の年度に使わずに繰越した、こういう問題を起している。本年また千億近いものを繰越すらしい。これはたいへんなことです。そんなら急いで税金をとらなくてもいいじやないかということになる。同じことです。これも支弁した、使用したということになれば、それはやはり過去のことですから、過去のことであるという以上は将来のことでないのですから、まず使用済みのものの承認を求めることが趣旨ですよ。何ぼ支弁と支出と意味が違うのだとおつしやつても、それはやはり曲解であり、曲弁であり、あなたの立場を弁解するだけですよ。それではいけない。やはり国会はもつと筋の通つたことにしなければならぬ。憲法の大精神は事後承諾ということになつております。だからこれを遵奉してもらわなければならぬ。あなたの立場は尊重しますけれども、これは大蔵省として、もつと確固たる態度をもつてこれを明確にしてもらわなければ困る。でありますから、事務当局の法律上の御見解はあるといたしましても、これはこれとして、やはり政府としての代表的なこれに対する御答弁を、委員長おはからい願いたいと思います。

田中彰治自由党

○田中委員長 それでは本日はこの程度にして……。

杉村沖治郎日本社会党(右)

○杉村委員 ちよつと一つ。今の問題の解決の資料になるかもしれませんからお伺いしますが、この十六ページの深田サルベージに対する払いもどしをすることについての七百二十万円は、これを錯誤に基いて云々ということがありますが、これは売買契約にどんな錯誤があつたので金を返すことになつたのであるか。あるいは今吉田委員が聞いたように、まだ返さないのか。これはただ大蔵大臣が決定をしたというだけなのか、大蔵大臣の代理に伺います。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 お答え申し上げます。この分は支払いが終つておるそうであります。

杉村沖治郎日本社会党(右)

○杉村委員 支払いが終つているというのは一番しまいの答弁です。どういう錯誤で契約を解除したのか、そういうことを伺つておるのです。

植木庚子郎自由党大蔵政務次官

○植木政府委員 それは事務当局をして答弁いたさせます。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局事務長)

○正示政府委員 お許しを得まして御説明申し上げます。「契約解除に伴う国有財産売払代の払戻に必要な経費七百二十万円」でありますが、これは伊予灘海域における沈没潜水艦をサルベージ業者に現状を調査せしめました結果に基いて、指名競争入札をいたしました。二十七年の一月十日深田サルベージ株式会社にこれを引揚げさせることになつたのでありますが、そのときの見込みでは潜水艦が三隻でございまして、それはろ型——ろ型と申しますと杉村委員お詳しいのでありますが、九百九十六トン、ゆ型というのが二百七十三トン、ろ型が一隻、ゆ型が二隻であるという報告であつたのであります。そこで同年六月十九日に指名競争入札の結果、現実にこれを深田サルベージが落札をいたしまして売買契約をただいま申し上げましたような三隻という想定のもとに締結いたした。ところが十月二十八日にゆ型一隻を引揚げ、さらに八月十日にろ型について引揚げましたところ、事実はこれがゆ型であつたのであります。すなわちその調査の予想が間違つておつたわけであります。そこで八月十四日に財務局の係官が現地に調査に参りまして、すべてゆ型であるということを認めたのでありますが、すでに代金が納入済みでございましたので、この契約につきましていろいろ研究いたしました結果、民法第九十五条の錯誤によるものといたしまして、本契約はこれを無効といたしまして、既納代金七百二十万円はただいま申し上げた予備金支出をもつて払いもどしをいたしました。新しくゆ型潜水艦として深田サルベージ株式会社に売り払つたような次第であります。

杉村沖治郎日本社会党(右)

○杉村委員 そうすると引揚げてから、引揚げた目的物に相違があつたというのでその契約を解除した、こういうことでございますか。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局事務長)

○正示政府委員 さようでございます。

杉村沖治郎日本社会党(右)

○杉村委員 そうするとその引揚げた船は、引揚げた後について何か契約でもなさつたのですか。違つた目的物の船を引揚げるについては、契約なしに引揚げたということになる、その方の法律関係はどうなんです。それは引揚げてから契約したのですか、どうなんですか。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局事務長)

○正示政府委員 先の契約は、ただいま申し上げましたように、錯誤に基く無効といたしまして、現実に引揚げました三隻、これはゆ型ばかりでございますが、その分につきまして契約をいたしたわけであります。

杉村沖治郎日本社会党(右)

○杉村委員 それは引揚げてからあらためて売買の契約をしたわけですね。

正示啓次郎大蔵事務官(主計局事務長)

○正示政府委員 さようでございます。

天野公義自由党

○天野委員 ちよつと委員長に二、三点お伺いをしたいと思います。これは調査員の行動その他についてでありますが、調査員の調査行動については、私は委員長の命令ないしは委員会内の意思に従つてその範囲内で調査をするのが当然であると考えておるものであります。仄聞するところによると、委員長の命ないし委員会の命を受けた範囲を出ておる点が多々あるやに聞くのであります。その点が第一。  次に第二点といたしまして、調査員が調査をいたしましたものを、委員長なり委員会に報告する前に、ほかのところに漏らしてはいないかという疑いを持たざるを得ないのでありますが、これは一体どういうことになつておるか。  また荻野調査員が調査の結果を先般の理事会に持つて参りました。その際に一番最初に結論を書いてあります。調査員は調査をするのが主であつて、軽々に重大な結論をつけるようなことは大いに慎まなければならない点であります。このように私は考えておりますが、こういう点について委員長はどういうふうにお考えでありましようか。

田中彰治自由党

○田中委員長 天野委員にお答えいたします。第一点は、調査は理事会できめまして、理事会の承認を得た範囲内で調査する。もしそれを出ておりますれば委員長がそれを必ず取締るようにいたします。  それから第二点は、調査が非常に漏れるという点でありますが、これは前の自由党幹部会でも私ら相当指摘された問題でありますから、それにつきましては目下調査中でありまして、調査でき次第理事会に御報告いたします。  それから第三点は、調査員が結論を出したと申しますが、それは悪意でやつたことじやないと思いますが、そういう点につきましても委員長としてよく調査しまして、その意思がどういう点にあつたかということをあれしまして、善処したいと思つております。もうしばらく時間をかしていただくようにお願いいたします。

天野公義自由党

○天野委員 調査員が調査に行く場合には非常な権限を持つて行くわけであります。従つて調査員の行動なり調査の結果は、非常に重大な影響を各方面に及ぼす場合が多々あると考えるのであります。調査員の言動については、十分委員長において御監督を願いたいと思います。この調査員の調査の範囲を出るような場合、もしくは委員長あるいは委員会の命令の範囲を出るようなことが万一あつた場合には、委員長においては勇敢に処分をしていただきたいと強く要望いたす次第であります。

田中彰治自由党

○田中委員長 よく調べまして善処いたします。  それでは他に質疑がなければ、本日の質疑は一応これで打切りまして、右案件に対する討論等に関しましてはこれを次会に譲ることとし、本日はこの程度とし、これで散会いたします。     午後三時三十一分散会

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