経済安定委員会 第29号
- 発言数
- 56 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1954/11/26
会議録
○武田委員長代理 これより会議を開きます。 本委員会におきましてはこの閉会中に国土総合開発、電源開発の状況並びに産業経済事情に関して委員を各地に派遣して実地調査をいたして参つた次第でございます。ただいま各派遣委員よりその報告書が委員長の手元まで提出されております。本日はこの報告を、第一班(北海道)は小笠公韶君、第二班(東北)は武田信之助君、第三班(中部近畿)は加藤宗平君、第四班(中国)は楠美省吾君、第五班(四国)は神戸眞君、第六班(九州)は、菊川忠雄君が洞爺丸の不慮の事故で遭難されましたため、三宅正一君より、それぞれ聴取することとなつておりますが、都合によりまして派遣委員の報告の聴取はこれを省略いたし、そのかわりとして報告書は一括して本日の会議録の末尾に掲載することといたしたいと存じまするが、この点御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武田委員長代理 御異議なきものと認め、さように決定いたします。
○武田委員長代理 次に国土開発中央道事業法案を議題といたしまして審査を進めます。 この際発言の通告があればこれを許します。
○三宅委員 ただいまの問題につきましては、事態が非常に大きな問題でもありますし、それで政府側におかれましても、建設省の諮問の形をもちましてそれに関する尋問の審議会のようなものをやられておるようでありますから、その報告を聞きまして、その上でまたきようなり、別の機会なりに議題としてやつていただいた方が段取りとしていいのではないかと思いますが、さようおはからい願います。
○武田委員長代理 ただいま三宅正一君の御希望でありますが、ちようど建設省の道路局長が今間もなくこの委員会に出席をいたしますので、道路局長より説明を聴取をいたしまして、その上で審議を進めたいと考えます。どうかいましばらくお待ちを願いたいと思います。ただいまは経済審議庁の計画部長が出席されております。
○三宅委員 それでは計画部長にお伺いをいたしますが、国土総合開発の関係につきましては、経済審議庁においてもいろいろお考えのこと思うのでありますが、私どもはたとえば人口の問題につきましても、産業政策、道路政策との関連において総合的に考えないと、東京などにおける過大都市の過大膨脹というものはほとんど弊害の極限に達して来ておると存ずるのであります。これを資本主義のおもむくままにまかしておきますれば、これは当然ますます過大都市に人口が集中いたして、ちよつと収拾の余地のないところに行くことはもうきまりきつておることと思うのであります。たとえば人口を分散する方策といたしましても、只見川から東京まで電力を持つて来れば二割ぐらいのロスがあると言われている。それは距離の関係におけるロスでありますから、従いまして電力などに対する計画的な配分を考えて、電源地帯におけるロスの部分だけを切り下げるという、安く提供するというような当然の施策、料金制度を考えれば、人口の地方分散などということはただちに行われるだろうと思うのであります。私どもが最近非常に不経済に考えております点は、たとえば中央線の木曽川の線に丸山のダムができた。木曽川水系を持つておりますから、名古屋においては火力発電の必要がないと言われておつたのが、丸山ダムは名古屋に近接の地にありながら関西に電力を持つて行つてしまう。そのロスというものは非常に大きい。そうしてそのロスはロスとしてだめになつておりながら、名古屋においては新しく火力発電をやるというような、実に貧乏な国において二重施設がやられておる。こういうような点に関しまして、経済審議庁として、道路、電源、いろいろの観点に立つた人口の再配分と産業の再配分を考えた一つの計画というようなものがやられつつあるのかどうか。どんなお考えであるのか、ひとつお教えを願いたいと存じます。
○佐々木説明員 たいへん広汎な問題でありますが、まだ国土総合開発審議会で最終決定をしたものではありませんが、事務当局といたしまして中間報告をその問題に関しましてつくりまして、前提条件としては昭和四十年を一応の目標にいたしまして、それまでの人口の伸び、あるいは貿易の伸び等を一応想定をし、各般の経済要素を織り込みまして、それをそのまま実施するというのではなくて、かりに将来の姿を見ればどういう問題が生ずるであろうかということで前提を設けまして、その中から八つの大きい問題を取上げたわけでございます。一つは食糧増産と経済性の問題、二番目は森林の確保の問題、三番目には総合エネルギーの問題、四番目には産業立地の問題、それから今話題になりました過大都市の是正の問題、それから災害復旧等の問題、それから輸送の総合化の問題、こういうものが主でありまして、そのほかに新技術、新科学と申しますか、今後新しい産業、新しい技術を国として取上げる問題にはどういうものがあろうかというような点を中心にいたしまして、それぞれ資料をある程度整備をいたしまして、問題を整理したのでございます。その結果予想外に大きい問襲いろいろ出て参りまして、まだ問題を提示した段階でありまして、今後深い解決策と申しまするか、そういうところまで入らなければならないと思つて、今進め方等の研究をしておるのでありますが、この次でもよろしければ、まだほんの中間報告でございますけれども、その中に問題の大半を織り込んでありますので、機会があれば御説明いたしたいと思います。
○三宅委員 これは総合開発審議会に提出する基礎資料として部内で今企画されているプランですか。
○佐々木説明員 部内と申しますか、事務局といたしまして審議庁内部で一応そういう問題を選びまして、そうして審議会の方に御報告申し上げるのでございます。そこで審議会は御承知のように民間の方ばかりでなしに、衆参両院からたくさんの議員も委員になつている関係上、各党の方がたいへん御関心を持ちまして、問題が非常に広範囲でありますから、今すぐにこれでよろしいというような問題、あるいは時期でもありませんので、こういう問題を中心に研究を進めようということで、研究を進めるための一つの基礎資料というふうなかつこうになるのでございます。
○三宅委員 これは非常に参考になるものだと思いますので、われわれまだいただいていなければ、いただきたいし、なお説明も求めたいと思います。
○佐々木説明員 まだ議会の方には出してございませんが、いつでも出せるようにいたしたいと思います。
○三宅委員 それではそれをいただくように委員長にお願いいたします。
○武田委員長代理 承知いたしました。
○三宅委員 この八つの問題は実に大きな問題でありますが、たとえば日本の電力資源などについて考えてみましてもエネルギーの資源とすればさらに原子力の利用とかいろいろな点をお考えになつておることと思うのでありますが、たとえば電力開発が相当程度進んで行く、そうすると電力を利用して第一にどういう産業を興し、第二にどういう産業を興すというような、そういう意味の企画のようなものがある程度できておりますか、どうですか。
○佐々木説明員 電力プロパーの問題に関しましては、電力五箇年計画が御承知のようにございまして、それを毎年改訂いたしまして、今年になりますと、また一年延ばしました計画をつくつて電源開発調整審議会で審議することになつております。来年度と申しますか、新しい五箇年計画に関しましては、ただいま作案中でありまして——来月の初めに審議会におかけしたい、こういうふうに考えてせつかく準備中でございます。その内容の主たるものはやはり一応将来の産業構造というものを想定いたしまして、その産業構造あるいは民需の中でどういうふうな、またどういう地方でどういうふうに電力の需用が起きるか、またどういう質の需用が起きるかという点を想定いたしまして、その結果現状の発電力と将来の需用量をにらみ合せまして、そうしてその間新規に、どれほど開発しなければいかぬとか、開発するとすればどういう設備が一番必要だといつた点をにらみ合せまして、開発計画を立てておる次第でございます。
○三宅委員 そうしますと、たとえば石灰石を利用してのプラスティックの工業というのは、たとえば日本とすれば技術的に、それから電力さえあればどれだけは行ける、それでこれをどういうふうに開発したい、それから化学繊維にどういうふうに持つて行きたい、鉄道の電化はどういうふうにやつて行きたい、それから森林資源を薪炭などに使うのはどういうふうに減らして行きたい、そういうようなもの、これは今の幹事案の方などはもつと進んだものが、きつと一応予算とか何とかいうことを考えずに考えておれるだろうと思いますが、そういう点についてのある程度の案というものはできておるのですか。
○佐々木説明員 全産業にわたりまして詳細なものというところまで、これは毎年かえるのは作業量も非常に厖大でございますのでなかなかそこまでは行きませんけれども、ただいま御指摘になりました鉄道電化の問題とか、あるいは合成繊維の計画とか、あるいは鉄鋼業とか、一番電気を食うような主たる産業に関しましては、各省でも計画を立てておりますし、そういう計画をあんばいいたしまして、その結果どれほど電気を必要とするというふうにいたしております。ただもう一つ御指摘のありました、まだこれから非常に伸びるだろうたとえば合成樹脂とかいつたような、ほんとうの新規産業について、今後どういうふうな進め方をするかわからない、まだはつきりきまつておらないものはそれほど深く吟味して織り込んではございません。
○三宅委員 過大都市の抑制、人口の配分等に関しまして、それがさらに進んで人口構成で中間の配給業者のようなものがばかに多くて生産関係が少いとか、過小農が多くて農業生産の上からいつても、もつと他の生産的な仕事が振興できれば、そつちへ配置転換をしなければ日本の産業の構造としてまずいとかいう、人口と産業と過大都市の抑制等について、今まで経済審議庁でその問題について持つておられます案というものがございましたならば、それもひとつゆつくりお開かせ願いたい。
○佐々木説明員 その問題は実は最もむずかしい問題でありまして、先ほど申しました国土総合開発の方でやつております段階では、こういう問題点があるという問題点を指摘しただけでございまして、その解決をどうすればいいのかという点はまだ不十分でございます。たとえば過剰都市の問題等になりますと、今東京の人口は年たしか三十万か三十五万程度ふえておりますが、その中で東京都民の毎年生みますのは七、八万人でございます。それ以外は全部流入して来るわけでございますが、そうしますと自然都市も厖大になりますし、いろいろな通交、文化、水道その他諸般の問題で、過大都市から来る一つの弊害と申しますか、あるいは消費経済的な要素というものが強くなるものですから、そういう点をやるのには、たとえば住宅政策をどうすべきかとか、ロンドンのように、東京とほぼ同じ八口であつても面積は約三分の一といつたような部分の点は、むしろ住宅そのものの構成といつた点も非常こ影響するわけなのでございまして、住宅政策なりあるいは人口の抑制政策と申しますか、そういうものをどうすべきかという点は、非常にむずかしい問題であります。こういう問題がありますというところまでは一応考えてございますが、その問題を、どういう手段によつて解明するかということになりますと、いろいろ法律問題がありあるいは資金の問題があり、実施の段階に入りますと問題が非常にわかれるものですから、まだそこまでは深く入つておりません。
○三宅委員 きようは予告もせずにお伺いして恐縮でございますが、それらの問題点の要約したようなものでも、きようお持ちでしたら一つお話を願いたいと思います。
○佐々木説明員 きようは中央道路のお話ということで、今係官の方に聞いてみましたけれども、持つて来ておりませんので、私頭で覚えている点だけお話申し上げた次第ですが、至急お届けいたしたいと思います。
○武田委員長代理 それではただいま富樫道路局長が出席されましたので、先ほどの国土開発中央道路事業法案についての説明を聴取することにいたします。
○富樫説明員 国土開発中央道につきましては、建設省におきまして、この国土開発中央道を審議するために、本年の六月に国土開発中央道調査審議会を設けて検討することになつたのであります。この調査審議会は本年の六月三十日に第一回の審議会が開かれまして、爾後八回にわたつて審議したのでありますが、現在持つております資料に基く審議は一応終りまして、今後はさらに詳細な資料を作成して、その資料ができるまで暫時休会することになつております。 次にこの審議会がどういう経過をたどつたかを御説明申し上げます。第一回の審議会におきましては、田中清一氏から国土開発中央道の構想、計画の概要について説朗がございました。この審議会におきまして、審議の方法として、第一に技術的の可能性を審議する、第二に建設費について審議する、第三に経済効果について審議するという順序をきめられたのでございます。第二回の審議会におきましては、技術的な面につきまして全面的に検討されたのでございますが、この概要を申し上げますと次のようになります。田中清一氏がこの道路を計画する際に基礎とされたものは、五万分の一及び二万五千分の一の地形図及び二十万分の一、それから五万分の一の模型地図でございまして、そのあとは、御自分で現地測量をされたということでございまして、縦断図等は作成されたものがないということでございます。 第二は山岳地帯におきまして、田中さんの規定されております最小曲線半径これは百八十メートルとされております。及び最急勾配、これは四%とされております。この条件で中央道の中心線が引けるかどうかにつきましては、五万分の一の地形図の程度では検討できないのでございまして、また建設省の方で作成いたしました一万分の一の地形図も、一部を除きましては田中さんの言われる中心線とは違うもので亙りますので利用できない、全般的に線形あるいは工事費等の検討のためには資料が不十分であるということがわかつたのであります。 それから第三には、長大墜道についてでございます。道路トンネルとしては五キロ以上のものは世界においてもその例がなく、掘ることは可能でありますが、自動車の通行によります排気ガスの換気ということの問題が起つて参りますので、これらの問題について述べられたのでありますが、これらのことが次会に検討されることになつたのであります。 以上が第二回の審議会において検討されました内容でございますが、第三回の審議会におきましては、その長いトンネルの換気設備について検討が行われたのであります。これについては建設省の方から専門の技術官も出まして、長いトンネルの換気について検討されたのでありますが、この第一回の検討によりますと、全体の馬力数が二千馬力もいるというようなことになり、また九キロのトンネルの工費は百十四億にもなるというようなことが述べられたのであります。 第四回の審議会におきましては、まず建設省の持つております一万分の一の地図が、神奈川県の千木良村から山梨県の大月町の間は利用できますので、この一万分の一の地形図によつて概算の設備の検討を行いまして、この第四回の審議会でその検討の結果が述べられたのでございます。この結果から見ますと、田中さんの見積りよりは相当上まわる額になつたのでございますが、この席上でまた出中さんも、初めの見積りの一千億というのは、これは前にやつたものであるから、さらに検討さるべきものであるということを明らかにされたのであります。 第五回の審議会は千木良、大月間を基礎にしまして、東京、神戸間の全区間にわたりまして、推定に基くものでありますが、建設省において検討した結果を発表されたのであります。また田中さんの方からも、この区間の建設費の見積りが発表されたのでありますが、両者の間には約五百億近い差が出て、この差について次の審議会で検討されることになつたのであります。 第六回の審議会におきましては、田中さんの方で作成されました平面図、縦断図並びに土量の計算書等に基きまして、千木良、大月間、それから大月、中津川間の工事費の検討が行われました。建設省においては、大体千九百六十億から二千百億と見積つたのでありますが、田中さんの方は総工費千四百四十三億であるということを言われたのであります。両者の間で意見の一致が見られなかつたのでありますが、現在持つております資料では、これ以上こまかく検討することはむずかしいということになりまして、ここでさらに一万分の一の地図を全線についてつくる必要があるということが明らかにされたのであります。 第七回の審議会では、建設省の計画局の方で、中央道の経済効果について検討したものがございますので、この結果について説明されたのであります。同様に田中さんの方からも経済効果について御説明がございました。この経済効果の見方につきましては、両者の間に相当の差がございまして、田中さんの方で計算されたものが、建設省のものより大体大きな数字になつておつたのでございます。たとえば予想交通量でございますが、建設省側では、これは区間ごとに算出されておりますが、まず三千台から五千五百台ということになつておりますが、田中さんの方では同じ区間についても平均七千二百台というふうに見積られておりましたので、この間に相当の差があつたのでございます。 第八回の審議会につきましては、第七回で説明いたしました経済効果について、どうして両者の間でそういう差があるかということの原因が検討されたのであります。その結果は田中さんの言われる計画によりますと、中央道の目的が、資源の開発、工場誘致が主たるものでありまして、初めから高速自動車道路として計画したものではなくて、開発という観点から出発しておる。こういうことからそういう差ができたということが明らかにされたのでございます。 かようにいたしまして、第八回まで審議会を重ねたのでございますが、結論といたしまして、現在中央道について調査し得る資料というものは、はなはだ不備である。少くとも概算の工事費を見積るためには、全線について一万分の一の地形図が必要であるということになりまして、この地形図をつくるべくただいま予算も用意いたして、本年度中にはつくり上げることができるようになつております。この地図ができませんと、さらに詳細な検討には入れないわけでございまして、この地図のできるまで暫時休会ということになつておるのでございます。
○武田委員長代理 ただいまの説明に対して御質疑があればこれを許します。—三宅君。
○三宅委員 二、三点お伺いいたしますが、要するに結論としては、全線にわたつて一万分の一の地形図が少くとも必要だ、そうしないと正確な建設費とか、技術的な面においてもいろいろ結論が出ない、こういうことですか。
○富樫説明員 さようでございます。少くとも一万分の一の地図、実際には工事の見積り等には一万分の一の地図でもはなはだ不十分でありますけれども、まず一万分の一の地図くらいはほしいということでございます。
○三宅委員 そうするといわゆる正確な実施設計とかなんとかいうことになると、少くとも一万分の一の地図がいるし、そうしてだんだん固めて行かなければならぬわけです。要するに今までの結論におきましても、建設費の面において田中さんの計算と建設省側の計算とでは相当の食い違いがあることは確かだけれども、建設費などについては、大まかにおいてどれくらいでできるという見当になつておるのか。それからトンネルの長いのがある、それの換気の問題が大きな問題だというが、もちろん日本の技術においてこんなことが解決つかぬことはないと思います。要するに技術的には可能であり、建設費についてはもう少し精細な調査がないと、きちつとしたものが出ない、こういう程度であとに延ばしておるというふうに了解してよろしゆうございますか。
○富樫説明員 審議会で出ました建設費の見積りは、田中さんの方が約手四百四十億で、それから建設省の見積りましたのが千九百から二千百億というようなことでございます。これらの工費につきましては、これはいずれも現在ある資料に基いたもので、しかも全線にわたつて同じ精度の資料に基いたものではなくて、ある部分は一万分の一の地図により、ある部分は五万分の一の地図から推定しておるというようなことでございまして、建設費は実測いたさなければ正確な数字が出るものではございませんが、概算するにいたしましても、一万分の一の地図が必要であるわけであります。それで差が出て来ますが、これらは資料の誤差がありますので、かような建設費の見積りの差が出て来るわけでございまして、さらに詳細に一万分の一の地図が必要であるということでございます。 それから長い九キロ程度のトンネルもあるのでありますが、これが技術的に不可能であるとは申せないのであります。ただこれが経済的にどうかという問題があると思いますけれども、技術的に不可能とは申せないわけであります。
○三宅委員 そうしますと、千四百四十億、一番高い計算が二千百億ということですが、これは何ですか。全線の幅は結局どれだけですか。そうして全面舗装のハイ・ウエーということになりますか。
○富樫説明員 ちよつと申し落してはなはだ恐縮でございますが、幅につきましてはこの見積りと一部違つたところがございます。田中さんの案では長いトンネルはとりあえず一車線を通そうということでございますが、建設省の方の案では二車線を通すということになつておるのであります。それで道路の幅員といたしましては十八メートルをとつておりまして、舗装の幅としては七メートルの幅の道路を二つ考えておりまして、これは四車線でございますが、二車線ずつ二つということになつております。それから橋梁の幅が七メートル半のものを二つ、それからトンネルは八メートルのものを二つ、但し延長が五キロ以上のものは九メートルのものを一本ということにしております。それから最急勾配は四%でございまして、最小曲線半径三百メートル、時速百キロメートルということにしております。
○三宅委員 これは予定の線路で、岐阜県の東濃までは大した意義はないようですが、やはり滋賀県を通つて行く線になりますか。あるいは三重県のあすこを通る線になりますか。これでは滋賀県を通る線ですね。
○富樫説明員 田中さんの案では、一番問題になりますのは、山梨県から岐阜県に出る例の赤石山脈をよぎる線が問題でございます。その他の線につきましては建設省の案と一緒でよろしい、こういうふうに言つておられるわけであります。ただいま申し上げましたのはこれは滋賀県を通る案で積算して申し上げております。
○三宅委員 時速百キロ出せる道路、この程度の規格の道路で、日本で今都市以外のところで通つておる道路はこれが初めてですか。どこかに長いものがありますか。
○富樫説明員 これは瞬間的と申しましようか、ある短時間百キロ出せるところはございますけれども、長距離にわたつて百キロ出せる道路はございません。
○三宅委員 これはたいへん御研究願つて感謝しておりますが、この中央道路の議論等の際に並行して、東京、神戸間の資源開発を兼ね、人口の分散を兼ね、そうしてしかも表日本、裏日本の支線道路の関係等も、脊梁を通るので、そういう意味における経済効果も大きいと考えておるのであります。これはしかしながら日本における一部分の中央道路開発計画であつて、田中君自体もずつと青森に行き、中国を貫いて九州に行き、それに支線道路を出しました総合的な幹線道路開発計画という一つのものの第一着手という観点で——これはこれとして非常に大きな問題でありますから、慎重御調査願わなければならぬが、そういう意味の骨格道路網の一部であり、日本全体の幹線道路開発網の計画の一環であるというような立場に立つての総括的な議論というものはあつたのですか、なかつたのですか。それを承つておきたい。
○富樫説明員 総括的な議論は出なかつたのであります。この中央道路に限りまして、この建設費なりあるいは経済効果ということが論ぜられたのであります。たまたまそういう日本全土をおおう骨格幹線道路のようなものが、話にちらつと出たことはございまするが、それによつて論議されたことは、ございません。 それから先ほどちよつと申し落しましたのでつけ加えさせていただきますが、百キロ出せるかどうかの問題でございます。道路の規格としては、これは百キロ出せる規格はあるのでございますが、日本の道路は、御存じのように混合交通であり、平面的な交通でありますので、その点から百キロ出せないというわけでございます。これが分離されました高速道路として混合交通がないということになればこれは別でございますが、規格としては持つておるけれども、交通状態として出せないのであるということを申し上げたいと思うのであります。
○三宅委員 しろうとの質問で、むしろお教えをいただきたいのでありますが、この道路の計画は、やはり立体交叉でしようね。
○富樫説明員 これはすべての道路、鉄道、陸上の交通というものとは立体交叉するように考えております。
○三宅委員 立体交叉で七メートルの幅員のものが四本完全鋪装で通れば百キロ走ることはむずかしいことはないじやないですか。
○富樫説明員 幅が十八メートル、中へ分離帯を設けまして、その片側に七メートルずつ二本……。
○三宅委員 だから向うへ行くのは向うへ行く、こつちへ来るのはこつちへ来るということになるのだから、正面衝突はない。そうして立体交叉ですから百キロ以上出やしませんか。
○富樫説明員 この計画は百キロです。
○三宅委員 それは具体的には百キロ行くのじやないですか。
○富樫説明員 先ほど申し上げましたのは現在ある道路でございます。
○三宅委員 わかりました。まだ一万分の一の地図が出ませんから何ですが、東海道の弾丸道路とのいろいろの比較というようなものは出ませんでしたか。
○富樫説明員 この中央道は、東海道に沿う高速道路との比較において調査されたものではございませんので、中央道として別に調査されたわけでございます。
○三宅委員 その点はよく承知しておるのですが、実際問題といたしますと日本の富の段階とかいろいろの点から行きまして、一ぺんに両方つくるということができないような面もありますし、それから私どもは、やはりこの道路自体についても非常な意義を認めておりますが、同時に東北、それから関西等の脊梁等を通ります日本の総合開発の筋肉系統になる道路網計画の一環として、非常な大きなアイデアの上におもしろみがあると痛感しているのです。ただいま道路局長から、田中君のいろいろの調査が種々不備の点のもることを指摘されました。まことに当然だと思うのです。一民間人がともかくこれだけの犠牲を払つて努力をいたしましたことについては、そのアイデアにおいて、その努力において私どもはすなおに感謝する立場において、どうせ技術的に足らない点は国の機関をもつて直して行けばいいのでありますから、その感覚で考えておるのであります。要するに私は道路局長にお伺いたしたいのは私どもは中央道路としては非常におもしろいアイデアだと思うのですが、やはり日本全体の骨格道路、総合開発道路網の一環として考える、そこに理念の中心を置く、そうして今日以後平坦地において先ほども経審の方から御意見がありましたが、たとえばロンドンの人口と東京の人口とは同じでありながら、東京は六倍の大きさを持つておる。そのために武蔵野の沃野がほとんどつぶれてしまう。イージー・ゴーイングで行きますと美田はつぶれ、山間の地帯だけは残るという形になります。そこで私は日本の脊梁山脈に沿いまして、道路をつくり、表日本と裏日本とはその側線においてつなぎ、土地をつぶさないと同時に奥地の開発ができ、電源開発等とも関連するこのアイデアは非常に尊重すべきものであつて、そのアイデアに肉をつけてやるのは技術者の仕事でありますから、そういう観点でこの審議会の審議の模様を見ておつたわけであります。この審議会においては、全体のそういう意味の道路計画についての議論はなかつたといたしまして、道路局長自体がそういう意味の大きな観点に立たれまして、どういうふうにお考えになつておるか、この機会にちよつと承つておきたいと思います。
○富樫説明員 脊梁山脈、山地、奥地を開発することは必要であると私も考えておるのであります。ただ日本の道路の現状が、あまりにも悪いのでありますから、これを直すことに汲々としておりまして、またその直すのも交通量に応じて直して行くという考え方を持つておりまして、大きな日本をおおう高速幹線道路というふうなものは一応は描いておりますけれども、これの具体化につきましては、なかなか自信もございませんので、今のところは現在の道路を一日も早く直したいということで一ぱいでございます。
○三宅委員 現状はまことにその通りでありまして、しかもおそらく道路、局長として直したい半分の予算も出ないということで御苦心になつておる点はよくわかります。わかりますが、私はかつても申しましたように、たとえば埼玉県のまん中を通つておる高崎に行く道路にいたしましても、これを三倍に広げるとか四倍に広げるとかいうことになりますと、たんぼはつぶす、家は直さなければならないというようなことでありますから、補償の問題も非常に大きく関係をいたしますので、そこらの道をある程度直して、どうしてもしようのないところは一部分広げるとかいう方策において直して行きながら、根本的には長距離のものは脊梁山脈を通る、そして側線から入つて行けば、どこからでも入れるようにする。そういうアイデアの上に立つて、もちろん予算の許す範囲しかできないし、国力の許す範囲しかできないが、やつて行かなければならないと考えておるのですが、そういう点について私どものこのアイデアをどうお考えになるか、これをもう一ぺん念を押しておきたいと思います。
○富樫説明員 よく御意見はわかるのでございますが、私の考えといたしましては、用地等の問題がありますので、用地はなるべくつぶしたくない、といつて山のてつぺんには上りたくないというので、できるだけ平地に近いところを、用地の安いところを通る方が交通の上から行けばベターであると考えておるわけでございます。
○三宅委員 経審についでに承つておきたいのでありますが、電源開発、奥地の森林資源の開発、その森林資源の開発も、単にこれを建設材だとか燃料等にするのでなしに、化学工業の原料にする、そうして電力の開発にも関連するという見地に立ちますと、私は道路計画がこれの一番の基礎になるものじやないかと思うのであります。いま一つ大きな問題となり、法案もすでに提出されておるという段階にまで熱意を朝野があげて持つて参りましたこの関係について、第三者的な立場でごらんになつておるということでなしに、経審自体も何かお考えになつているのではないかと思つておりますが、どの程度道路政策について、特にこの問題について関係をしていられるか、そのお考えを承つておきたいと思います。
○佐々木説明員 先ほど申し上げましたように、交通体系の総合化と申しまするか、鉄道、道路、自動車あるいは沿岸航路と申しますか、あるいは港湾等までも合せまして、総合的な政策が今日本において立つているかといいますると、実はまだ不十分でありまして、その間の連繋等は必ずしもないんじやなかろうかというような感じを持つております。そういう観点に立ちまして、今後それぞれその分野で問題を進めるよりも、もう少し相互の関係なり経済効果の優劣などを考えまして、そうして国の資金等の効率化、むだでないように、しかも将来効果的に開発できるようにという観点から、その総合政策というものが非常に重要でないかと考えるのであります。本件のみに関しまして審議庁で考えております点を申し上げますと、大体三点にわかれるのではないかと思います。第一点は先ほど道路局長の方から御説明いたした通りでありまして、ただいま審議会で審議しております技術的な問題あるいはそれに伴つてのコストあるいは経済効果の問題等が一つの問題かと思います。 それから第二点は、特定地帯というのがございまして、全国で十九ございますが、その中で二つこの問題に関連して来る地区があります。一つは木曽の特定地帯、これは例の愛知用水の問題等が中心の地区でございます。それからもう一つは東三河特定地帯であります。これは長野、静岡、愛知の三県にまたがつておりまして、主として天竜川を中心とした開発地帯でございますが、この二つの問題に関連を持つて来るわけでございます。そういう観点から、この道路が一体その計画とどういうふうな総合発展的関係を持つているかという点を十分検討しなければなりませんので、この観点から検討を進めつつございます。 最後の点は、先ほど三宅先生からも御指摘がありましたように、この道路のみの開発も必要でございますけれども、全国的な視野から、はたしてこの線が諸般の目的に合致するものなりやいなや、ほかにまだこれより重要なと申しますか、効果の高い、あるいは緊迫性を持つた道路がありはしないか、しかもそれは、先ほど申しましたように、その他の交通体系との総合的な観点から進めまして、実際の着手なり計画について、最後的にはそういう大きい観点から問題の価値判断をしなければならぬというので、建設省の方でせつかく技術的に計算をなさつている最中でございます。
○三宅委員 中央道路審議会の御報告を承つたのですが、これも資料としてどうせおつくりになつているでしようから御提出を願いたいと思います。 それから、そのほか資料の要求を私からもいたしてありましたし、ほかの委員会からもいたしておきましたが、まだ手元に来ておらぬようでありますので、委員長はどういう事情で来ておらぬのかお調べの上、出るようにお願いしたいと思います。
○武田委員長代理 ただいまの御質問、ちよつと私から申し上げておきたいと思います。この委員会としましては、六日十八日付で、委員長名をもつて中央道に関する調査事項を掲げて調査を依頼しておきました。さらにまた八月十日、関係各省係官の参集を得て事業計画の説明を行い回答を督促いたしましたが、昨日までに資料を提出いただきましたのは建設省、厚生省、郵政省、農林省、経済審議庁でありまして、いまだに御提出いただいておらないのは運輸省と通産省、こういうことになつておりますので、これら未提出の各省に対しましてはさらに提出を督促いたしまして、これを皆様のところにお配りしたいと思つております。どうぞ御了承願います。
○富樫説明員 ちよつと訂正さしていただきたいと思います。先ほど建設省の検討しました建設費を申し上げまして、この建設費は長いトンネルを二本と申し上げましたが、これは田中さんと同じく一本にして計上したものでございます。訂正さしていただきます。
○武田委員長代理 ほかに御質問、ございませんですか。それでは御質疑はないようでございますので、これをもつて散会いたします。 午後零時七分散会