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19回国会衆議院1954/04/13

経済安定委員会 第17号

発言数
26
登壇者
7
会派数
2
開催日
1954/04/13

会議録

加藤宗平自由党

○加藤委員長代理 これより会議を開きます。  金融政策の総合調整に関する件について調査を進めます。御承知の通り政府当局は、目下金融引締め政策を実施しておるわけでありますが、特に中小企業方面につきましては、相当な影響を与えているやに聞いておりますので、この際政府当局よりその実情並びに対策について説明を聴取いたしたいと思います。説明員、中小企業庁振興部長石井由太郎君。

石井由太郎中小企業庁振興部長

○石井説明員 中小企業金融の現状と当面採用いたそうとしております対策について御説明申し上げます。  金融の引締めは昨年の秋以来逐次実施されておるのでございますが、本年度になりますと同時に、財政方面の圧縮も相ともに行われておるのでありまして、インフレの抑制からむしろデフレの方向へと政策が向いつつあるわけでございますが、インフレのときでありますと、中小企業はその内面に包蔵しておりますいろいろな欠陥をやや糊塗することができるのでございますけれども、デフレ政策が行われる段階になりますと、従来持つておりました欠陥が表へ現われて来るというようなことと相なりまして、いわゆるしわ寄せが中小企業にどうしても強くなつて来るという傾向は避けられないかと思うのでございます。現に昨年の秋以来の金融引締めの影響がぼつぼつ中小企業方面に現われて参つておりまして、大企業の下請代金が著しく遅延しておるというような事実、あるいは商取引における手形がだんだん期間が長くなつて来ておるというような事実、ないしは繊維商社といつたようなものの倒産が相次いでおるというような事実、こういう点が表に現われて参りますと同時に、昨年中の著しい傾向でございました不渡り手形が、最近は非常に毎月記録を更新しておる状況でございまして、昨月中におきましても、四万四千件という記録をつくつておるわけでございます。しかもその一件当りの金額は十一、二万円という程度でありますことから察しましても、中小企業が非常な金融難にあるということがわかるわけであります。かかる状況に対応いたしまして、中小企業方面に金融上どういう手を打つて参るかということは、予算の編成と並びましていろいろな方策をめぐらしておるのでございますけれども、そう事新しい施策があるわけではございません。大体従来とも行われておりました施策をさらに強化して参るという以外に手がないと存ぜられます。すなわちまず第一段には、政府関係金融機関を最高度に活用いたしまして、財政資金の許します限り、この方面から財政上の資金援助をやつて参るということが第一点であります。第二点は、これは金融操作といたしましては、やや例外的な扱い方と思うのでありますが、従来とも行われておりました指定預金の操作を通じて、中小企業金融の疎通をはかつて参るということが第二に考えられるわけであります。第三の方策は、中小企業者の金融上の弱点でございまする信用力の劣弱さを補うための信用補完制度を活用して参るということでございます。第四点は、最近町の金融機関がいろいろな事情からその営業を停止しておるような状況でございます。この関係から小口金融方面が非常な逼迫を予想せられますので、この方面の打開をはかるということが第四の策と考えます。第五点は、大企業がみずからの手詰まりを、下請への支払い遅延というようなことで糊塗いたしますのを防ぎまして、下請支払いを促進するための措置を講じて参るということに尽きるかと思うのでございます。  第一の政府金融機関の活用という点につきましては、まず第一が中小企業金融公庫でございまするが、昨年九月十一日に発足いたして以来、三月末までに三千八百余件、百九億円の貸付を行いまして、この公庫の設定された目的を大体達しておると思うのでございます。二十九年度におきましては、一般会計からの出資二十五億円、運用部からの借入れ百五億円、回收金並びに利息六十億円、合計百九十億円を原資といたしまして、これを中小企業者に貸し付けて参ることと相なつておりまするが、その月割の融資額は昨年より若干小さくなると思うのであります。すなわち昭和二十八年度におきましては、十七億円程度が月平均して貸し出されたのでございまするが、今年は十六億九千万円程度でございまして、昨年より若干下まわるのでございまするが、一般に金融を圧縮しておる状況からいたしまして、この程度をもつて満足せざるを得ないかと思われるのでございます。  なお公庫の貸出しの方針といたしましては、不況になりますると、どうしても企業それ自身の持つておりまする内部の合理化をやらねばならぬというので、合理化用の設備資金等を供給いたしますることはもとよりでございまするが、さらに長期の運転資金をも供価し、また非常に不測の大企業の倒産というようなことの余波を受けまして、中小企業が将棋倒しになるというような事態を回避するためには、健全に再建のできまする時分には、長期運転資金を供給いたしまして、積極的にその再建をはかつて参りたいと考えておる次第でございます。  また公庫の運用につきまして、代理店を経由して使つておりまする関係上、その手続が煩瑣であるとか、あるいは従来代理店に八割の回收の責任を持たせまする融資方式だけが採用されて来ましたので、事業の性質上、あるいは企業の実態からしまして、真に財政資金を投入する必要がある面にまわらないというような批判もございましたので、四月から代理金融機関に対しましては、元利回収について三割の責任しか持たせない乙方式というのを採用いたしまして、これを極力円滑に運用いたしまして、信用力の不充分な、しかも事業の将来というものに対して希望の持てる中小企業を伸ばして参りたいと考えておる次第でございます。  国民金融公庫は現在約五十二万件、三百十一億余の融資をいたしておりますが、二十九年度の貸出し資金量は、一般会計の出資二十億、運用部からの借入れが九十一億円、回收金二百六十億円、合計三百七十二億円を予定しております。昭和二十八年が三百二十五億円でございましたので、約一五%の増加と相なるわけでございます。なお後ほど申し上げますように、国民金融公庫の融資の運用にあたりまして、小口の貸付制度を考えまして、零細な企業者方面の資金需要を迅速にまかなう方法を考えておる次第でございます。  なお政府関係の金融機関と申しますか、準政府関係の金融機関といたしましては、ほかに商工中金があるわけでございます。商工中金は御承知のように組合融資専門の金融機関でございまするが、従来は指定預金の操作等によりまして、昭和二十七年中は百三十億余、二十八年中におきましては百五十億の貸増しをいたし得たのでありますが、本年は指定預金が大幅に引揚げられることと相なつておりますために、従来のような順調な貸増しを期待することはできないようでございます。現在のところ金融債発行による手取り九十一億、そのほか預金増等を見込み得ますけれども、政府に対しまして四十一億の指定預金の返済をせねばなりませんので、純増年間六十億程度ということを予想いたしておるのでございます。なおこの点につきましては、後刻申し述べまする指定預金操作におきましては、十分考慮せねばならぬことかと考えておる次第でございます。  第二の金融上の操作といたしましては、財政余裕金を金融機関に預託いたしまして、これを中小企業金融に流させる、いわゆる指定預金の操作でございます。指定預金の操作は金融上から申しますれば、これはいわば変則の扱いかと思われるのでございますけれども、財政の揚超と一般の資金量との不均衡を是正するために、従来とも使われて来た手段でございます。しかしながら昭和二十九年度の予定といたしましては、指定預金の預託されておりまするものが三月末現在で九十九億——百億をちよつとかける程度の数字でございますが、これを九月末までに全部引揚げるということが一応の方針として確定いたしておるのでございます。と申しますのは一般に金融を引締めるという方針にのつとりまして、日本銀行を通ずる貸出しはできる限りこれを圧縮して参るというのが方針でありまするさ中に、財政面から預託金の預託を通じまして、これをくずして参ることは、金融と財政との歩調が合わないということになるきらいがあるというのがその根拠でございます。しかしながら考えてみますると、昨年三月末には中小企業向けの指定預金は、約二百四十億あつたのでございます。それがただいま申し上げましたように、本年三月末では約百億程度で、すなわち百四十億というものはすでに引揚げられておるわけでございます。一方、日本銀行の市中に対する貸出状況を見ますると、昨年の三月と今年の三月との間では、むしろ百八十億程度ふえておるということになつております。これらの状況を勘案してみますると、財政の方面からする財政資金の引揚げによる金融の引締めと申しますか、ことに中小企業方面に対する金融の引締めは、若干先走つているやのきらいすら感ぜられるわけでございます。このような状態でございまするので、指定預金操作はもちろん銀行に対する貸出しの手かげんとほぼ同じ歩調で進まねはならぬ時期合いにございますので、この辺も十分考慮いたしまして、九月までに引揚げる予定の約百億の指定預金操作につきましては、一般の金融情勢、ことに中小企業金融にしわ寄せされる程度といつたようなことを考慮いたしまして、その操作に手かげんをやつて参りたい、このように考えておるのでございます。  第三番目の金融上の施策といたしましては、信用補完制度の活用でございます。中小企業の信用力の補強のために、政府がみずから行つております信用保険制度、それから府県が中心となつてやつております信用保証協会の制度、この両制度はともどもに逐次強化されて参つておるのでございますが、昭和二十九年度におきましては、政府の信用保険特別会計において金融機関の融資に対する保険を三百億、保証協会の保証に対する再保証を百八十億、さらに金融機関を相手方といたします保証保険を八十四億行いまして、中小企業金が、少くとも信用力不十分という角度から妨げられることなきようにいたしたいと考えたのでございます。なお小口の信用保険につきましては、別に三十六億を予定いたしまして、一件十万円程度までの融資が円滑に行くことをはかるつもりでございます。また信用保証協会は、昨年特別法制をしきまして、これを法制化いたしたのでありますが、現在各府県にございます信用保証協会の数五十一、出資総額四十五億、現に保証をいたしております金額が三百億を越えておるという状況でございます。この保証協会に対しましては昨年の信用保険法の改正によりまして、政府が保証協会の保証責任の六割をさらに再保証する、従来五割でありました保証限度を六割まで引上げ、かつ昨年中途におきまして、従来三%でありました保証料を二%に引下げるという措置を講じましたので、政府の行つております再保証制度が地方の保証協会におきまして、より容易に運用し得るようになりましたから、この方面からも融資の円滑化が相当期待し得るものと考えておる次第であります。  第四番目には、小口金融の円滑化をはかる必要があると考えるのでございます。従来中小企業金融の対策と申しますと、ともすれば上の方、すなわち金額の大きいないしは従業員数の多い部面に押し上げられる傾向があつたのでございますが、実は中小企業金融で最も困難を感じておりますのは、高利の町の金融機関に走るといつたような零細な小口金、の方面でなかろうかと思うのでございます。それも先ごろ来のこれら町の金融機関の混乱といつたようなことのために、非常に末端の金融方面が困難を感じておると思われるのでございます。そこで国民金融公庫におきましては、新たに一口五万円程度まで、貸付期間三箇月程度のものを、約八億の資金をもちまして、きわめて簡略に貸しつけて参るという措置を講ずることといたしたのでございます。すなかち担保条件でございますとか、あるいは事実の調査でございますとかいうような諸手続といつたようなものを、非常に簡素にいたしまして手取り早く五万円程度までの融資が行われるようにいたそうと考えておる次第でございます。予定といたしましては、八億の資金をもちまして年間二十三億程度を貸しつけたい、三回転程度を予想いたしておるのでございます。  第二には、小口保証保険制度を新設いたしたことでございます。これもねらいといたしましては、ただいま申し上げました国民金融公庫の小口貸付制度とほぼ同じような点をねらつておるわけでございますが、中小企業者のための信用補完制度といたしまして、二十九年度以降小口保証保険制度を創設したわけでございます。一口十万円までの融資に対しまして、府県の信用保証協会が保証を引受けました時分には、政府が通常は六〇%の再保証の責任を負うのでございますが、これを八〇%まで負けということにいたしまして、事実上保証協会におきましては、事後承認ないしは現地調査等を省略するという程度の手続で保証をいたす。そうして金融を受けるような道を講じ、同時に政府といたしましては、信用保証協会に対しまして八〇%までを再保証いたしましては、信用保証協会支払いの基礎を強固にしてやるという措置を考えた次第であります。これは今国会におきまして、すでに法案の御承認を得ましたので、四月一日公布いたして実施に移つている次第でございます。  第五番目の方法といたしましては、これは消極的な方法でございますが、下請中小企業者の金融上の地位をよくいたしますためには、協同組合をつくりまして融資するといつたような方法ももとより必要でございますが、同時に下請払い自身を迅速にするということが必要かと考えるのでございます。この点につきましては、昨年来いろいろな措置を考えておつたのでございます。すなわち、たとえば政府支払いにつながるものにつきましては、各調弁官庁におきまして、契約の相手方に下請払いの迅速化を勧告したり、あるいは元請の契約者から委任状を取寄せまして、下請に直払いをするというような措置を、各庁の協力を求めてやつて参り、また金融機関に対しましても、大企業に対して融資をいたします時分に、下請に払います融資わくは特にしぼらないというような協力をも求めておつたのでございますが、この程度をもつてしてはなお足りないという見地から、昨年来公正取引委員会を煩わしまして、下請払い等に不当に遅延いたしておりますものは、これは独占禁止法第十九条の、不公正取引の一態様という態度を明らかにいたしまして、昨年暮れにおきましては、中小企業庁と公取の共同調査の結果に基き、約十社ほどの支払い状況不良なる企業に対しまして警告を発しまして、改善方を求めたのでございます。この措置は想像以上の効果があつたと思うのでございます。すなわち大企業の責任者が、そのような経理状況を全然知らなかつたというような事実もわかりまして、かえつて関係大企業方面の経営の着実化ということにも相当役立つたように思われるのでございます。今回公正取引委員会におきまして、下請払いの基準を明らかにいたしまして、その基準よりも遅れることは、不公正取引になるということを発表いたしました。これは間接的な方法でございますが、下請払いがこれによつて促進されれば、関係の中小企業者の金融上の地位は、相当改善されるのではなかろうかと考えている次第であります。  以上のいろいろな措置をとりまぜて行いまして、中小企業者の金融上の地位を改善したいというのが考え方でございますが、なお、何と申しましても市中銀行が、中小企業に対する金融の大宗でございますので、この市中銀行からの中小企業向けの貸出しというものを、より以上に円滑化するために、金融機関方面に対しましても協力を求め、また日本銀行等に対しましても、少くとも現在行われております金融引締めのしわが、直接に中小企業者の金融のポジシヨンに影響のないような措置を求めているのでございますが、現在のところまだ取立てて言うほどの名案がございません。なお十分に大蔵省方面とも相談をいたしまして、少くとも直接に中小企業者に対しまして融資のわくが減らされたり、あるいは従来よりも非常に厳重な融資条件になるようなことのないように努力いたす考えでございます。

加藤宗平自由党

○加藤委員長代理 この際質疑の通告がありますので、これを許します。杉村沖治郎君。

杉村沖治郎日本社会党(右)

○杉村委員 いろいろお話を承つてたいへん参考になるのですが、どうも自由党内閣が今までやつて来たところを見ますと、国民の金を貸しておる先が、非常に大きな財閥のやつておる方には、たくさんな金がきわめて簡単に貸し出されておるのです。もつともそれが船舶あるいは電気事業というようなことですから、これは何と申しても日本の経済の振興をはかるためには重点的にきわめて必要な金でありますが、これに対する貸出し並びに取立て、こういうことは非常にルーズに行われておるのです。たとえば船舶会社に対しまして昭和二十四年から今日まで貸し出されておる政府の金は、九百九十二億一千九百万円も貸しておる。そしてその利息すら満足に払つてない。さらにその上に、御承知のように昨年十六国会で利子補給法を通して、昭和二十六年まで逆にさかのぼつて行つて利子の補給をしてやる、こういうようなばかばかしい法律をつくつた。しかしそれも外航船舶の必要性から来たのでありまして、われわれは必ずしもそれが全部悪いとは申しませんが、このように非常にルーズにやられておる。従つてこれが今日の造船疑獄となつて現われておるのであります。また電気事業にいたしましても、莫大な金が今日までここに貸し出されておるわけであります。そうしてせんだつても電気料金の値上げ問題について、電気事業者がここに来ていろいろな説明をしておるのでありますが、電気事業の利益配当等を見ますれば、一割五分も配当しておる。この間電気事業の方がここに見えて、運転資金を十分に融資してもらえなければ、どうも開発に支障を来して、一割二分の配当が困難だ、こういうようなことを平気で言つておる。このように莫大な政府の資金を貸りてやつておる電気独占事業が、大体一割五分も配当しておるというようなことは、われわれから見ればはなはだ不都合なことです。そしてもし資金が得られなければ、一割二分でとどまらなければならぬというようなことを言つておるので、われわれはあきれ返らざるを得ないのです。このような莫大な、半分も政府の金を使つておつて、それで一割二分の配当なんということは、今日ではとんでもないことだと思うのです。それで平気でおる。それにもかかわらず、中小企業への金融は今御説明のようにほんのわずかなんであります。しかもただいま申されたように、下請、いわゆる大企業とつながりのあるボス連中には、この中小企業に対するわずかの資金が、きわめて簡単に貸し出されておる。ところが今お話になつたような、一口五万円というような金を融通してもらえば非常に助かるというところでは、ちよつくらちよいと借りるわけには行かない。五万円ぐらいの金を借りるために、それこそ非常な煩瑣と日数を要するので、借りても、実際最後に借りたときには、もう時期を失するようなことになる。今お話のように五万円の金を三箇月の期間で回收するということを言つておるが、そもそも中小企業に対して五万円や十万円の金を貸してやろうというところまでの親心があるなら、こんな三箇月の期間で回收なんということは、私はどうかと思う。もちろんわれわれは外航船や電気と同じようにやれとは言いませんけれども、外航船舶の貸出金などは、貸付後三年間すえ置きでございましよう。そしてそれを船舶の種類によつて十年あるいは二十年という長期にわたつて分割支払い——電気においてもそうです。しかも一方に一割二分というような配当をしておる。また外航船舶の方では、船舶業者あたりも政府の金をたくさん使つておるにもかかわらず、一方には非常に莫大な遊興費を使つて、豪勢な生活をしておる。中小企業の実態をほんとうによくお調べくださつたなら、取立てる方を五万円、三箇月などと言わないで、むしろ最小限三年くらいに取立てるくらいにしてやつたならば、ほんとうに中小企業者が救われるのじやないかと思う。五万円ぽつちの金を借りて、自分の商売を何とかしようという人が、三箇月というと、今月借りれば再来月にはとられることになる。三箇月でもうかれば世話はない。どうもそんなことはできつこないのです。だから中小企業者に対する金融関係を、必ずしも電気事業や船舶業者に貸すようなふうでなくとも、何とかいま少し長期間にわたつて取立てればいいようにしていただきたい。それから中小企業に対する融資関係でもあるいは国民公庫や住宅金融公庫、こういうものは、政党まで言うとぐあいが悪いのですが、自由党とかあるいは役人につながつておる者の方ではきわめて簡単に借りられる。われわれは住宅金融公庫の関係等についても、決算委員会においし調べてみたいと思つておるのですが、われわれが知つている範囲においては情実関係が非常に多い。そういう方面には非常に簡単に貸されておるのですが、一般にほんとうに何ら関係のない人には、法律がいくらできても、こういう制度ができても、ほとんど貸されないのです。だから実際にこれが運用されて行く場面をいま少しよく御調査になつていただきたいと思うのですが、これらについての御所見はいかがでありますか。

石井由太郎中小企業庁振興部長

○石井説明員 杉村先生からいろいろと御忠告があつたわけでありますが、私の説明が若干不十分なところがございました。三箇月と申しましたのは、国民金融公庫の金は原則として長期金融でございまして、普通二年間の分割払い条件の貸付になつておるのでございます。短期のものは従来やらないというので、小口の融資の面でいろいろと不便がありましたものですから、特に三箇月ないし六箇月程度の短期の金融も今度やるようになつたというのでありまして、本来の行き方はやはり二年ないし三年程度を目途といたします長期の金融が原則でございます。その例外を設けたというのが今回の制度でございますことを御了承願いたいと存じます。  それから貸付先に対しまして、よく監督をするよりにというお話でございますが、これはまことにごもつともなお話でございます。金融機関との情実ないしその他の好ましくない勢力によつて融資が左右されることは厳に慎まねばならぬところと存ずるのでありますが、私ども自身も事あるごとに融資先等について調査をいたしております。また先ごろ会計検査院が静岡県、愛知県方面にも中小企業金融公庫の融資先を御監督くださいまして、その結果やはり一、二好ましくない事例がございました。しかし調査されました件数約五十件の中に一、二件、これも代理金融機関がやや理解不十分というような理由に基いたものと思うのでございますが、御指摘を受けた点もあつたわけでございまして、それらにつきましては、ただちに善後措置を講じております。なお御指示のごとく最終的には会計検査院の検査を受ける点でございますけれども、公庫自身におきまして、また監督官庁でございますわれわれといたしましても、十分御指示の点は注意いたしまして、監督と申しますか、監査と申しますか、こういう点には万遺憾なくやるつもりでございます。

杉村沖治郎日本社会党(右)

○杉村委員 いま一点お伺いしておきたいのは、地域的にたとえば埼玉県なら埼玉県、静岡県なら静岡等、地域的の預金と、いわゆる還元貸出しとの割合はどんなぐあいになつていますか。

石井由太郎中小企業庁振興部長

○石井説明員 国民金融公庫につきましては、御承知のごとく各府県に支所がございます。従つてその府県内の中小企業階層の資金需要というものに大体合せて資金を配付し、貸出しが行われておるわけでありますから、商工業方面の経済の実勢にほぼ即応した融資を行うものと存じております。中小企業金融公庫の方におきましては、これは代理店を使つて融資をいたします間接金融でございますので、それぞれの代理店の中小企業向けの各地域における融資の実績、こういうものをペースといたしまして、各代理店に取扱いをお願いいたします業務量、すなわちいわゆるわくというものをきめておるわけでございます。従いまして大体各地における中小企業の資金需要に応じた貸付が行われておるものと考えておるわけでございまして、現に公庫発足以来きわめて日は浅いのでありますけれども、各種の角度から見ました各府以の実勢と申しますか、経済上ないしは中小企業者の実勢というものにほぼ比例いたした貸付のように、私どもは理解いたしておるのでございます。しかし一、二の府県におきましては、金融機関の公庫の代理業務を扱います関心と申しますか、意欲と申しますかそういうものが非常に薄くて、どうも貸付がはかばかしく進歩していないという県もございます。これらの府県に対しましては、公庫の方面からも各代理店に注意を促し、何とか代理店としてその職責を果して、県内の中小企業者の要望にこたえるようにということを、公庫自身からも勧奨し、また大蔵省方面からもそれぞれ御勧告を願つておるという状況にございます。

杉村沖治郎日本社会党(右)

○杉村委員 ただいま一般に中小企業者の関心が薄いというのですが、実際は関心が薄いどころではない、うんと関心を持つているのですが、もうあきらめてしまつて借りられないくらいに思つている。それから出先機関があまりにも回収のことのみを考えて、回収に一生懸命になつてしまつているものだから、それを警戒するために結局は貸出しが鈍る、こういうことになるのです。元来これは金貸業として貸すのではないのですから、救済というか、いわゆる振興という意味において貸すのですから、出先機関が回収々々ということのみにあまりに神経質にならないように、ひとつ私は注意をしてやつてほしいと思うのです。  それからいま一つお伺いしたいのは、中小企業の限度ですね。今あなたがただ中小企業といつても、それがどの程度まで、どの範囲までを言うのかなかなかむずかしいので、あなたがおつしやられる中小企業という、その程度をちよつとお伺いいたしたい。

石井由太郎中小企業庁振興部長

○石井説明員 ちよつとこれも説明が不十分でございまして、関心が薄いと申しましたのは代理金融機関がどうも熱意がない、それを大いに促しておるということでございますから御了承を願います。  それから回収につきましてあまりやかましい条件をつけておる、これでは融資が促進しないのじやないかということでありますが、われわれといたしましてもそのような傾向があるものと考えまして、先ほども説明の中でちよつと申し上げましたように、乙方式といたしまして、金融機関の元利回収についての責任は三割である。あとの七割については公庫が直接に責任を負うという、いわゆる乙方式という融資方式をこの四月一日より採用いたすことによりまして、代理金融機関といたしましては回收についての責任は、相当軽減された責任で融資ができるようにということをねらつておるわけであります。  それから中小企業の限度はどうかというお尋ねでございますが、中小企業金融公庫法、中小企業信用保険法、中小企業等協同組合法、この三つの法律におきましては、中小企業と申しますのは、個人でございますれば従業員を製造業の場合は三百人、商業でございますと三十人までを使用しておるものでございます。それから会社でございますと資本金一千万円までということが一応この概念規定に相なつております。そのほか協同組合でございますとか各種組合はもちろん入るという考えでおりますが、基本的な考えといたしましては、従業員三百人、商業にあつては三十人までの規模のもの、ないしは資本金一千万円までの法人ということに相なつております。

杉村沖治郎日本社会党(右)

○杉村委員 今おつしやられた五万円程度のものを貸し出すというのは、どの程度のものにお考えになつておるか。

石井由太郎中小企業庁振興部長

○石井説明員 国民金融公庫の方で五万円までを貸しますのは、これは金額そのものから申しまして、きわめて零細な階層であろうと想像されます。中小企業信用保険法で今度小口保証保険を行うことにいたしましたが、この対象としての小企業者という観念が今度新しくできたわけでございますが、これは従業員の数が五人まで、商業でございますと二人までの従業員をかかえておる規模の経営者ということにいたした次第でございます。

杉村沖治郎日本社会党(右)

○杉村委員 あなたから伺つておるところでは、それが実際にそういうふうに行われて行けばけつこうなんですが、私どもはそれでも先ほど言つたように二年、三年という期間がまだ短か過ぎると思うのです。これをもう少し長くしてやつてほしいということと、いま一つは、もつと重要なことは出先機関をあなたのような気持にせしめるように徹底してもらいたいことであります。昨年私どもが凍霜害の問題で、その補償関係を国会で大騒ぎをやつて支出することになつたのですが、われわれがその国会でやつたときには何も保証人をつけるとかつけないとかいうことは問題にしていなかつたのですが、いざとなつたところが、末端へ行くに従つてめんどうくさくなつてしまつて、昨年四月の凍霜害のいわゆる救済金が暮れになつてもまだ百姓の手に入らないという、その手続たるや県の下の方の役人がいろいろむずかしいことを言つておつて、しまいには二人の保証人がいるという、保証人がなければその融資は受けられないということになつてしまつたので、どうも国会できめたことでも、あるいは役所できめたことでも、上の方できめたことがほんとうに下へ徹底しない。でありますから、この中小企業関係におきましても、どうかあなた方が考えておるこの法律の精神なよく言つて聞かせて、下の方の出先にほんとうにあなた方の考えておる意思が徹底して、国民に接して、それがほんとうに運用されるように、ひとつ私はぜひ出先の者をよく指導してもらいたいということをお願いをしまして、私の質問を終ります。

加藤宗平自由党

○加藤委員長代理 小笠公韶君。

小笠公韶自由党

○小笠委員 私は一、二お伺いしたいのですが、第一点は最近の金融の引締めの影響を受けまして、預金の増勢率が相当減つて来た。各種金融機関の中でも、特に中小企業専門の金融機関と見られる信用協同組合あるいは信用金庫あるいは一部の相互銀行等における貯金の延びというものが相当減つて来ておると思います。これに反しまして郵便貯金が相当強い増勢をたどつておる、これが現在の一般的傾向だと思うのであります。そこで先ほど杉村先生もちよつと触れておりましたが、このような行き方で参りますと、中小企業金融機関の中におきまする相互金融という点がますますむずかしくなつて、郵便貯金によつて吸い上げられた金は、いわゆる大きな公共企業の方向に流れて行くという傾向を非常に見せておるのじやないかと実は私は思うのであります。その結果は、一面から申しますと、信用協同組合あるいは信用金庫、相互銀行等の一連の中小企業相手の金融機関の弱体化が伝えられて来ておると私は思うのであります。町の金融機関であつた保全経済会あるいはその他の投資金融会社というものがだんだんにしつぽを出して参りましたが、これがある意味におきまして、零細な中小企業金融機関の弱小金融が大きな役割を持つておつたという事実はやはり私はいなめないと思うのであります。それで今申し上げましたような中小企業専門のこれらの機関が弱化して行くということになりますと、いよいよもつて私は中小企業金融が困難になつて行くと思うのであります。そこで今後の金融の引締めの方向との関連においてもこういう信用協同組合あるいは信用金庫というものの基礎の強化というものを私ははかるべき時期ではないかと実は思うのであります。卒直に申しますと、戦後今日まであまりにも金融機関というものが弱小なものが多くでき過ぎておるという感じを私は禁じ得ないのであります。そういう意味におきまして、今申し上げましたような状況でありますので、これらの正規の中小企業専門の金融機関の強化方策というものについて、どういう考え方をとつておるかということをお伺いいたしたいのが第一点であります。

大月高大蔵事務官(銀行局総務課長)

○大月説明員 ただいまお話のございました預貯金の伸びでごぢいますが、御指摘のように最近金融の建締めが浸透いたして参りますに伴いまして、預貯金の伸びも全体としては低調でございます。具体的には昭和二十八年度の貯蓄目標といたしまして、九千三百億を予定いたしておるわけでございますが、ただいまの推計によりますと、三月末におきまして大体七千二百五十から七千三百億程度になるであろうか、そういたしますと、貯蓄の目標に対しまして約七八%ないし七九%こういう数字になると見込んでおります。これは郵便貯金も含む字数でございますが、各金融機関別の目標に対する達成率は区々でございまして、ただいまお話のございましたように、郵便貯金の成績は比較的良好でございます。成績が最も振いませんのは一般の銀行でございまして、都市銀行、地方銀行なべまして増加率が非常に減つております。これは主としてこういう情勢になつて参りますと、貯蓄性の預金が伸びて、営業性の法人預金、短期の当座預金が、減る、こういうことから参つておるわけであります。従いまして、そういう短期の預金を扱つております銀行に最もそれが多くして、貯蓄性の預金の主として集まつております郵便局その他今お話がございましたが、信用金庫は相互銀行は比較的よい方に入つております。これは長期の安定性の貯蓄性預金を主として扱つておる、そういう意味において御了解願えればよいかと思うのです。従いまして総体的な比重といたしまして、信用金庫あるいは信用協同組合はその基礎が弱くなつておるか、あるいは比重が軽くなつておるかと申しますと、資金量の面から見ればむしろ多くなつておる、こう申し上げてよいかと思います。ただ問題はこういう中小金融専門の金融機関が相当数が多いわけでございまして、信用金庫は全国で約三百、信用協同組合が約五百ございます。相互銀行が約七十ございますが、こういうものにつきましては、一般のいわゆる街の利殖機関と異なりまして、それぞれ免許制度をとつておりますので。極力乱立を避けて運用して参つておりますので。基礎あるいは内容自体については御心配になるようなものはそうないと存じております。ただ今後こういう情勢が進展いたしますと、やはり貸出しの審査に当りましても、あるいは監理、回收に当りましても、相当慎重にやらなければいろいろ貸出しができぬ、これは一般論として申し上げられると思いますので、そういう面の指導につきましては、今後検査の重点を都市銀行あるいは地方銀行でなくして信用金庫なり、あるいは相互銀行なり、そういうような中小の専門の金融機関の方に向けまして、そういう金融機関の基礎が薄弱にならないように事前の措置をとりたいと存じております。

小笠公韶自由党

○小笠委員 お話わかりましたが、先ほど申し上げましたのは、こういうような金融行政で参りますと、たくさんの信用協同組合あるいはその他の中小企業金融機関の中に経営の基礎があぶなくなるというおそれを多分に実は予感いたしておるのであります。そうい意味におきまして、これらの正規の金融機関にもしも万一のことがありますと重大問題でありますので、特に今のうちから相当強化方策を講じていただきたい。検査というふうな手によつてこれが強化方策を講ずるのも一つの方法でうありますが、また他の面から経営の基盤自体を強化して行くという方にも御配慮を願いたいと実は思つておるのであります。  第二点として伺いたいのは、中小企業金融公庫の運用問題でありますが、その運用に関連して第一点は中小企業金融公庫が代理貸しの制度をとつておる、この代理貸しをやる場合に、いろいろな事情から代理店の数が多くなり過ぎておるのではないか、細分化されておる、細分化されておるということは、真に必要な方面への適正なる資金融通を困難にしておる面が多分にあるのではないか、先ほども杉村先生からもちよつとお話がありましたが、細分化されるだけに、ボスなり顔が介入する余地を多く残しておるのではないかと私は実はそう思うのであります。この点につきまして、代理制度の可否の問題もありましようが、その支店の細分化の点について、あらためて検討を加える時期ではないかと私は思うのであります。おそらく先ほどもちよつとお話がありましたが、昨年度におきましてわずか百九億の貸出しに対して、取扱いの代理店がおそらく数百に上つておるのではないかと思うのであります。これは資金効率を非常に悪くすると同時に、今申し上げましたような弊害も出て来はせねかというので、御検討と言いますか、御反省を願いたいと実は思うのであります。それと同時に、この代理店の貸出し運用のいま一つの基本は、非常に物的担保主義に流れ過ぎているのではないかと思うのであります。人の金でありますから回収の確保ができる物的な不動産担保があれば必ず貸してやり、事業内容の審査というものがおろそかになるという傾向を馴致しやすいのであります。その弊害が出て来ておるのではないかと私は思うのであります。先ほど百九億の貸出しに対して、八百余件の取扱いをせられておると申しまするが、中小企業の実態から申しますと、五十万の長期運転資金がほしい、あるいは設備合理化資金がほしいと申しましても、物的な設備がない、担保力がないがために、この金が借りられなくてせつかくの合理化意欲が挫折することが多々あろうと思うのであります。中小企業に物的担保を中心にした金融をするということ自体が私は無理だと思うのであります。そういう意味におきまして、これはその場合々々によつて事情はありましようが、原則的な考え方として、ここに今日の公庫運用の一つの画一的な運用の弊害が出て来ておることを感ずるのでありまして、この物的担保中心主義の考え方に対して、ひとつ反省を加えてほしいと思うのであります。  次は、公庫の供給する金の中に、合理化資金としての設備資金と長期運転資金があるというお話がございましたが、長期運転資金の問題につきましては、いわゆる中小企業にとりましての最近の実情は、おそらく手形の不渡りです。不渡り手形の大きい原因はつの企業が預金の倍額——百万円の預金があればピークで二百万円の手形を割つてくれぬところに不渡り原因がたくさん出ておるのであります。従来は三倍あるいはいいのは三倍半、二倍半から三倍半という割引が通常であつたのであります。今日おそらく中小企業を相手とする金融機関におきまして、ピーク時において倍額の割引をしているところは少いと思うのであります。ここに不渡りの大きい原因が出て来ておるのであります。私はそういう意味から見まして、中小企業金融公庫の運用は、中小企業の合理化はもとよりでありますが、中小企業存つぶさないこの契約に対して耐え忍んで持続せしめるという意味から考えましても、長期運転資金を貸してやつて手形割引の中をつくつて行くという方向に、これからひとつ重点を置いていただきたいということをお願いいたしたいのであります。質問といたしましては、長期と設備との今日貸出されておる実績がどうなつおるかということをひとつ伺いたいのであります。  その次にきようの金融公庫につきましてひとつお願いいたしたいと思うのは、新しく五万円の小口短期金融を始める。従来の実績がおそらく平均十二、三万円くらいの件数ではなかろうかと私は思うのでありますが、この国民金融公庫が中小企業金融に果しておる役割は実に大きいのでありますが、現在の情勢から申しますと、今日連帯して、しかも物的担保があるときには二百五十万まで一企業に貸しつけ得ることになつておりますが、これをもう少し下げて数多く行けるような考え方ができないものかということを、まず伺いたいと思うのであります。

石井由太郎中小企業庁振興部長

○石井説明員 中小企業金融公庫の運用につきまして、いろいろと御注意並びに御質疑があつたわけでありますが、代理店の数が多過ぎるということは、われわれもこの公庫の代理店を指定いたしまする時分から、十分考えたつもりでございますけれども、この公庫の代理店につきましては、まつたく相反した二つの要請がございます。一方はなるべく集約化いたしまして、効率的運用を期せよという御意見で、これはただいまの小笠先生の御意見もその範疇に属するかと思うのでありますが、他方には何しろ全国に三百万を越える中小企業者が散在し、かつその取引機関も多種多様であるから、これらの金融機関とのつながりを十分活用してほしいという、まつたく相反する御意見がございまして、それらを彼此勘案いたしましたものが、現在の代理店の数——四百を越える、盛況と申しますと語弊がありますが、そういうありさまになつておるわけであります。しかしここ約半年の間の取扱い実績を見ますと、約八つほどの中小企業金融公庫の代理店は全然取扱いをやらなかつたというような事実もございます。またこれは信用金庫でございますが、八信用金庫は全然扱いをいたしておりません。こういうような点並びに住宅金融公庫につきまして代理業務をいろいろな金融機関がわれもわれもで当初やつたのでありますが、逐次整理されまして数が減つて参つております。これらの事実を考え合せますと、今急に数を集約化することは困難にいたしましても、将来は扱いの実績でありますとか、あるいははなはだ好ましくない融資態度をいたしましたとか、こういうものにつきまして逐次収縮いたして参ることはぜひやりたしと考えておるのであります。若干の日時をおかし願いまして逐次集約化に向いたいと考えております。  それから第二に、公庫の融資方針が物的担保偏重主義になつておりはせぬかというお話がありました。これもしばしば指摘される一つの画一的な——悪く言えば官僚的なとでも申しますか、扱い方の現れかと思うのでありますが、私の方といたしましては中小企業者が適当な物的担保に欠けておるという点もお説の通りでございますので、結局長期金融をやる、その長期金融をやるのに対しまして、少くとも誠実なる履行の意思を何らか有形的に表示するという程度に物発担保の意味をとつておるのでございまして、これを換価して元本の回収をはかるというところには重点を置いてないつもりでございます。しかし数ある代理店の中には、これらの趣旨を踏み違えておるものもうかがわれますので、これらは逐次業務の実施面において改善して参りたいと思いますが、国会におきましても何べんも衆議院通産委員会等で私どもも金融公庫の責任者も申しておりますごとく、誠実なる債務の償還を誓約するいわば現われとしての物的担保ということでございまして、あくまでも当該業者の人間的な誠実性を尊重すべきものとして重点に考えるべきものであることは御説の通りでございますから、扱い面では画一性を逐次打破して参りたいと考えております。  それから第三番目に長期運転資金の供給状況でございますが、二月二十九日現在で——一箇月遅れておつて申訳ございませんが、運転資金の件数が百四件億六千万円ということになつておりまして、現在のところ全運用量の三%程度という状況かと思うのでございます。これは運転資金の供給を始めました時間がずれましたことが一つの理由と、それから長期の運転資金の貸付管理というものが代理金融機関といたしましてなかなか困難である、設備資金でございますれば、有形的なものが加わつて参りますから、これに金が入つたのだということがわかるのでありますが、長期運転資金というものはどうも管理に非常に骨が折れるというところから、金融機関が若干消極的ないし躊躇いたしておる節がありはせぬかと思うのでございますが、今後の経済情勢は、御指摘のごとくむしろ今日の波の中でどうして中小企業を護衛するかということになるわけでございまして、長期の運転資金を供給して、その経営を安定させるということは特に必要かと思います。ことに最近ひんぴんとして起りますように、大企業が大規模な不渡りを出す、そしてたくさんの関連中小企業が一ぺんに莫大なまつたく紙ほご同様の手形を手に入れてたな上げされるということになりますと、彼らにして、もしその後の二年なり三年なりの期間をかしてやれば事業が十分再建できるというような場合には、それらの中小企業者にどうしても長期の資金をめんどう見まして、再建のチヤンスを確保してやらなければならぬと思うのであります。これらの点につきまして、現在公庫の行つております運転資金の融資準則の中に、企業の再建整備に必要とする資金であつて、関係者の協力が十分得られ、かつ企業がその再建をやろうという意欲がはつきりしているもの、計画が立つているもの、こういうものに対しては再建貸金というようなものを、長期運転資金の一体様として供給することになつておるのでございますが、今後はこういう形での供給、これは単純なる救済融資ではございませんけれども、こういうような資金の供給がより重要になつて来るのではないかと考えまして、漫然たる長期運転資金というよりは、むしろ再建するための資金というようなものを重点に置いて融資をやつて参りたい、このように考えております。

小笠公韶自由党

○小笠委員 御説明で大体わかつたのでありますが、いわゆる物的担保を基本にしておる貸付方針というものが、支払いに誠実性を示せばいいという表現をとられた。誠意さえ認められればいいということは、誠意は何で見せるが。誠意は物的な担保でなければ誠意と認めないのかどうかと私は言いたいのです。ここにいわゆる指導しておる人々と末端の代理店の考え方の食い違いが、出て来ておると私は思う。はつきりしなければ、支払いの誠意さえ十分認められる程度でよろしいということは末端から、言えば物的担保が十分でなければできぬということです。私はそこに食い違いがあると思うのであります。ここに中小企業金融というものが、純粋の金融と違う特色があるのでありまして、ここに中央の指導層において相当踏み切つておつても、末端へ行けば比較的小さくなりがちなのであります。国民金融公庫の責任者が、そういう表現をもつて糊塗せられるならば、私は非常に遺憾に存ずるのであります。その点はぜひお願いしたいのであります。  最後に一つ伺いたのは、指定預金のお話がありましたが、指定預金の操作の問題につきましては、今後の金融情勢とにらみ合して考えて行きたい、こういう御説明であつたのでありますが、中小企業の金融の現状から見まして、九月で一応引揚げるという予定を、早期に新しい方針を決定していただかないと、一度に九月になつて引揚げてしまつてからぼつぼつ考えるというのじや、いわゆる間が切れてしまつて、そのとき困るのは中小企業でありますので、特に早目に指定預金活用操作の基本方針を立てていただきたいということをお願い申し上げて、私の質問を終ります。

加藤宗平自由党

○加藤委員長代理 武田君。

武田信之助自由党

○武田委員 私は中小企業金融公庫、それから国民金融公庫この二つの公庫に対する借入れの申込み件数、それからその借入れ申入れの総件数に対する借入れ申込みの総金額、それに対して貸付条件が合致しておるというところで、それらの公庫が実際に貸付を行つた件数と貸付の総体の金額、つまり申込みに対して何ほどの割合の貸付を実際においてやつておるか、この点を知りたいわけなんです。  それからおのおの公庫の貸付の最高限度はどの程度の取扱いをいたしておるか、そ還れから償期限をお伺いいたします。  それからその次は国民金融公庫において、恩給を担保として金を出しておるということを伺つております。その場合その恩給なるものは、国費の関係分の恩給あるいは地方の公共団体の恩給証書あるいはまた学校員員の恩給証書、いろいろ恩給の種類が違つております。それらの異なつた恩給の証書に対して、取扱いを二、三にいたしておるかどうか、同様にこれを取扱つておるかどうか。また恩給を担保として貸付する場合には二年分とか三年分とかいう大体の取扱いのあれがあると思いますが、何年分まで実際に貸付しておるか。それから恩給を担保とする場合に、生活資金とか、あるいは事業を行うための事業資金とか、いろいろ資金の用途というものがあると思います。その用途のいかんによつて貸付するとかしないとかいうような取扱いを実際にやつておるかどうか。そういう点についてひとつ御説明を伺つておきたいのであります。

石井由太郎中小企業庁振興部長

○石井説明員 中小企業金融公庫の資料として御提出申し上げてもけつこうだと思いますが、三月のものはまだ集計できておりませんが、二月末までの実績は、貸付申込みの申請が四千八百五十九件、百三億二千六百万円。それから貸付決定をしましたものが二月末までで三千八百八十三件、八十四億四千二百万円ということになりますが、申込みに対しましては八四%の実行率ということになつております。なお一件当りの貸付金額は、最高三千万円、これは協同組合でありまして、協同組合は三千万円まで貸し付け得るということに、なつております。最低は二十万円でありまして、二十万円より三千万円までというのが限界になつておりますが、一件当りの平均は、やや古い資料で恐縮でございますが、約二百三十万円程度になつております。これは後日資料をもつて提出いたしたいと存じます。

武田信之助自由党

○武田委員 国民金融公庫の方はどうですか。

河野通一大蔵事務官(銀行局長)

○河野政府委員 私から申し上げます。今お話の国民金融公庫の申込みと貸付実行との状況でありますが、昭和二十四年六月に公庫は発足いたしております。爾来二十八年十二月末までをとりました数字がございますので、累計額を申し上げたいと思います。その間における申込み金額の累計が千八百六十八億、それに対して貸付をいたしましたものが六百九億、その申込みに対する割合が三二、六%ということになつております。もちろんこの申込みの中には、いろいろな観点から貸付資金がかりにあつたにしても貸付を行うことができないというようなものも入つておりますが、それにいたしましても申込みに対して三二%程度しか貸出しが行われてないということは、決して満足すべき状態でないことは私ども十分に感じておるところであります。なお本年度にきましては財政を非常に締めて行くという関係もありまして、中小金融関係の資金の増加につきましては、そのわくの中でできるだけ確保するように努めて参つたのでありますが、それにいたしましても現在までのところでは、予定されております貸付に充て得る資金と申込みが非常にふえております事情とにらみ合せまして考えますと、やはり申込みに対しまして三二・六でありますか、その数字まで持つて行くということはなかなか困難ではないか、かように考えておるのであります。資金源の充実につきましてはさらに今後財政の状況の許す限り考慮いたして参りたい、かように考えておる次第でございます。  それから第二には、国民金融公庫の貸出しの金額、限度でございますが、これは個人の貸出しで最高は五十万円ということになつております。連帯で貸し出します場合には二百万円貸せるようになつておりますが、これはほとんど百万円以下であります。百万円以上二百万円までというものは、これは物的担保をはつきりとらなければいかぬことになつておりますが、連帯で貸しますものの大部分は百万円以下ということになつております。新規の貸付の平均金額は、最近非常に一件金額が上つて参つておりまして、約十一、二万円になつておりますが、今後の状況から見ますと、私どもといたしましてはできるだけ小口の貸出しということに、国民金融公庫の使命から見て、重点を置いて参りたい。本日もその問題について発表いたしたのでありますか、この二十九年度から新たに小口の貸出しということを別口でやつて参るようにいたしたいのであります。これは大体五万円まで、そして短期の大体三箇月ということで、小額の企業の運転資金を中心にいたしまして小口の貸出しを行つて参りたい。これに充てますわくと申しますか、大体予定をいたしております資金は、三箇月でありますから、三回転ないし四回転するとしまして約三十億程度のものをそれにまわして行きたいと予定いたしております。決して金額として十分とは思つておりますが、現在そういうようなシステムをできるだけ活用することによつて、小口の方に重点を置いて参りたい、かように考えておる次第でございます。  それから第三のお尋ねは恩給の問題でありますが、恩給担保の貸出しはすでに昨年来行つて参つておるのでありますが、さらにこの制度を法律的にはつきりしたものに確立いたしたいということで、目下国会に法律案を提案申し上げております。これは二つの点で大きな差異が——三つと申し上げたい方がいいかもしれませんが、あるのであります。第一は従来は一種の恩給の受領権を委任する受領委任という形でやつておつたので、一種の担保物件としての性格を持つていなかつた、これを担保物件としての性格を持つような制度にはつきり制度化したというのが第一点であります。それから第二点は、従来は国民金融公庫の本来の業務の一部として行つて参つておつたのであります。従いましてその資金の用途はさきにお話いたしましたように、生業資金と申しますか、要するに広い意外の事業資金に限つておつたのでありますが、今度法律を改正することによりまして、恩給受給者の金融の特殊性から見まして、これをある程度消費資金にも使えるように、この金融の対象を広げたいというのが第二点であります。第三点は、今お話もありましたが、従来は大体国家公務員あるいは旧軍人遺家族といつた方々の恩給受給者を対象にいたして参つておつたのでありますが、今度はそれを近く法律案が提出されるように聞いておりますが、地方公務員でやはり恩給制度ができておるものにつきましてもこれを拡大いたしたい。それから国家公務員の中で、恩給法の適用を受けないで、いわゆる非現業の傍済組合からそういう年金をもらう制度ができておりますが、これらの方々にもこの恩給担保金融の恩典を広げて行きたいと考えております。そういつたことで、恩給担保金融の対象になりますものを、今申し上げました三点において、従来よりも広げて参りたい、かように考えております。  なお昭和二十九年度において恩給担保に充て得る資金といたしましては、大体二十億を予定いたしております。それから恩給担保金融の年限等は、とりあえず最高三年分を予定して参りたい。これは御承知のように恩給受給者の生存年限というといろいろ見方もありますが、これをとりあえず、恩給金庫時代にやつておりましたのと同じような建前で、三年を最高ということで出発いたしたいと考えております。

武田信之助自由党

○武田委員 ただいまの御説明で大体わかりました。それで中小企業に対する金融の方は、その要求に対して大体八四%までの成績を上げておりますので——もちろんこれは十分とは申しかねますけれども、おおむねその設立の目的を達成いたしておるという感じがいたします。ところが国民金融公庫の方は、千八百六十八億円の申込みがあつて、それがわずかに六百九億円、三二、六%の貸出しである。多くの国民がこの国民金融公庫の金融面に期待をいたしておるということは、この事実をもつてきわめて明瞭であります。しかるに大多数の人々が失望を感じて、むだな労力と時間を費して国民金融公庫にいろいろな折衝をいたしておつたのがこの数字ではつきりわかるわけでありますが、多くの零細なる企業者あるいは一般国民大衆と申しますか、それらの人々が国気金融公庫に期待するものが大なるものがあると思うので、これは何とかしてもつと改善をして、多くの希望者に満足を与える方向に持つて行く必要があるのではないかということを痛切に感じます。この点については関係当局における特段の御尽力を要望して私の質問を終ります。

杉村沖治郎日本社会党(右)

○杉村委員 議事進行について。私は実はきよう時計を間違えまして一時間遅れて、これはたいへんなことだ、話を聞けないでしまつたと思つてあわてて出て来たところが、まだほとんど始まつておらない。人も見えておらない。さて始まつてみてもごらんの通りの状態であります。私はかねがね常に主張しておるのでありまするが、この経済安定委員会というものを私は非常に重要視しておるのであります。これはおのおの人によつて観点に相違があるかしれませんけれども、私この経済安定委員会というものは一省一庁に偏しないで、真に日本の経済をいかにして安定せしむるかということを研究するのは、この経済安定委員会なおいて他にないと思つておる。それにもかかわらずこの経済安定委員会の振わざること実に今日かくのごとしであります。これはもとより委員の不熱心にもありましようけれども、これを一口に言いますなれば、政府当局はきわめてこの経済安定委員会というものを軽視しておる。なお具体的に申し上げますなれば、審議庁の長官がきわめて不熱心だからこういうことになるのじやないかと思うのです。私はいま少しほんとうにこの経済安定委員会において日本経済の安定ということを研益して国家のためにという考えがありますなれば、こんなことであつてはならないと思うのであります。ことにわれわれは昭和二十九年度の経済上のことぐらいを聞いておつたのでは、日本の経済を将来ほんとうに安定せしむることなどはできないのじやないかと思う。昭和二十九年度の予算が衆議院を通過しておる今日においては、三十年度の経済関係あるいは三十一年度、少くとも将来の五箇年くらいのことはこの経済安定委員会で経済審議庁の長官が自己の抱負を語るくらいでなければならぬのじやないかと思う。これに対して委員が質問をするくらいの意気でなくてはならないかと思うのであります。さらに大きく考えますならば、日本がはたして将来いかなる状態で進んで行くか、すなはち農業立国として日本が立つて行くのであるか、あるいは工業立国で立つべきであるか、現在年年歳々百二、三十万の人口が増加して行きますけれども、いかに増産、開拓と申しましたところが、はたしてそれが人口の増加と、いわゆる国際経済の関係からいつて、自給自足なんというようなことで行けけるのかどうか、それよりも少くとも国際的の貿易という観点に立つて、日本は工業立国として立つべきである、あるいは農業立国として立つべきでああるとか、ただ輸入が多くては困る、輸入が多くては困るというようなことをのみ小さく考えるのではなくして、輸入すべきものはどんどん輸入し、また輸出すべきものは輸出すればいいのでありますから、そういうような観点に立つてわれわれ研究しない限りは、日本の経済の安定なんと、うことはとうていあり得ない。こんなざまでは日本の経済の安定なんということはとうてい望めないと思うので。かくのごとき状態は、すなはち政府当局がふまじめきわまる、これを具体的に言えば審議庁長官がきわめて不熱心である。先ほど委員長が言われたように、銀行局長が、午前十時からの委員会にもかかわらず十二時の時計が打つてからここへひよこひよこやつて来て、前の説明員と重複したような説明をしてみたり、そんなことではとういてこの経済安定委員会の真の目的を達することはできないと思うのですありまするから、どうか委員長からこのことを長官によく伝えてほしい。そうしてやめるならやめてしまつた方がいい。法的に言つたならば、はたして今日の経済安定委員会が成立しておるかどうか疑わしいではありませんか。こんなことならばよすならよした方が私はいいと思う。どうぞ委員長からしかるべくおとりはからいを願いたい。

加藤宗平自由党

○加藤委員長代理 杉村君のただいまの発言はもつともだと思います。当局にしかるべく要請をいたしましてその趣旨に沿うようにいたします。なお今後河野銀行局長には出席を再び要求いたしますが、今日のごときのないように強く要請をいたします。  大分時間も経過いたしましたので、本日はこの程度にとどめまして散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。     午後一時六分散会

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