経済安定委員会 第6号
- 発言数
- 5 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1954/03/02
会議録
○加藤委員長代理 これより会議を開きます。 本日は電源開発及び電源開発資金計画に関する件及び電力料金政策の総合調整に関する件の両件について調査を進めます。資料が提出されておりますので、まず政府当局よりその説明を聴取することといたします。佐々木政府委員。
○佐々木政府委員 それではお手元に差上げてあります資料に関しまして、御説明いたしたいと思います。お手元に差上げてある資料のほかに電力料金に関する資料と、それから主として水利河川行政に関する資料と、電力普及に関する問題の経過等は、主として通産省並びに建設省の方に主管がございますので、その方に御依頼申し上げまして、私の説明している間にそれぞれ責任者が資料を持つて参る予定になつておりますので、その方から御説明をお聞き取り願いたいと思います。それ以外の提出資料に対しましては漏れなく整備いたしまして一応お出ししたつもりでございますが、きよう御説明した上で、さらにいろいろ資料の整備等が必要でございますれば、さらに勉強いたしましてお出しいたしたい、こういうふうに思う次等でございます。 資料の順序を御説明申し上げますから、できればナンバーを打つていただきたいと思います。一、電力五箇年計画、二、公表事項、三、昭和二十八年度電源開発実績見通し、四、昭和二十九年度企業者別電源開発資金見込、五、昭和二十八年度電力需給見通し、六、電源開発促進法第三条第三項に基く電源開発基本計画の公表事項に関する申出意見及びその措置等の概況について、七、電源開発会社開発地点補償進捗状況の順でございます。 これで先ほど申しました諸問題以外の、経済審議庁として担当しております問題に関しましては、資料が大体全部そろつておりますので、これによつて御説明申し上げたいと思います。 一番始めに電力五箇年計画でございますが、これはこの前の議会でも詳細に御説明申し上げたのでございまして、現在のところ、この前に申し上げました内容はいまだ変更になつておらないのでございまして、あのときの数字のままでございます。あるいは将来の需用量等、二十九年度の新しい経済政策に伴いまして、将来の見通し等もかえる必要もあろうかと思われますが、現在のところではまだかえずに、そのまま前の案を採用してございます。 第一ページからごらん願いたいのでありますが、第一表では、一番初めの欄が五箇年間のそれぞれの開発の予定でございまして、五箇年間で約五百十一万キロワットの開発をいたしたい。年間平均いたしますと、百万キロ平均になつております。それからその所要資金が約八千億でありまして、毎年大体千六百億くらいという平均教字になりますが、年はよつてはもちろん上下がございまして、この表でもおわかりのように、二十九年、三十年が資金的には一番の山になつて、開発の苦しい年になつております。それから需給関係が最後の欄にありますが、需給面で逐年不足量というものが減少して参りまして、三十二年度には需給が完全にバランスするというふうな態勢になつております。本来の計画でありますれば、一割くらいアローワンスを持つておつて、渇水の場合でも大体需給はバランスするというふうに見るが一番妥当な計画のように考えられますが、御承知のように非常に資金その他で苦しいものでございますから、大体とんとんということで、少し無理がありまするけれども、こういう計画で進んでおります。 第三表以下はその細部計画でありまして、第二表ではそれを資金別に、名担当者別にあるいは新規改良工事等にわかちまして、それそれ細部に分折してございます。 第三表は、九電力会社の所要資金でございまして、これを水火力、あるいは送変電、あるいは改良工事第にわけましてそれぞれ詳細に表をつくつてございます。それから第四表は、年度別の設備の増加が水火力別あるいは担当者別にどういうふうに伸びて行くかという点を分折してございます。第五表の方は、水力、火力をそれぞれ詳しく分類してございます。それから第六表に至りまして、先ほど申しました需給関係を、さらに詳しく内訳を出しておるわけですが、第七表もその需給関係のバランス、さらに供給力を詳しく出したものでありますが、ここでちよつと落ちているところがありますからお書取り願いたいと思います。第七表の三十年度の電力不足量のところがブランクになつておりますが、これが二十億七千八十万キロワット・アワー、それからその不足率が三・七でございます。それから最後に、十二月におけるピーク時の負荷バランスを出してございます。それで従来の計画はそのままになつておるわけですが、現在のところでは、先ほど申しましたように、この計画は別に修正してございません。 次に、二十八年度におきます基本計画、促進法にうたつております基本計画を今年度審議会を開いて決定いたしたものでありまして、すでに法の手続に従いまして公表済みでありますのを、全部集約いたしまして出したものがこの数字でございますが、第一表の方は二十八年度の支出予定額、最後の方の欄でございますが、これの千二百三十九億というのが、次のページに入りまして所要資金の内訳の発電部門の千二百三十九億に見合いまして、それに送変電、改良工事を合せまして、全部で千六百五十九億の数字に大体合うようになつております。それから地点別の方は、開発会社に関しては、これは審議会の審議事項でありますから、その審議を経て公表するわけでございますが、その他の担当者の地点に関しましては、添付資料といたしましてこれを公示し、そうして関係者の意見の提出をし得るようにしているのでありますから、その添付事項もあわせてここに掲げてございます。 三番目の資料は「昭和二十八年度電源開発実績見透」でございまして、今年度の実績はどうかという点でございますが、今年度の予想は計画よりも非常に良好でございまして、この表の最後のところにありますように、本年度は約百二十五万キロワットを出したいという計画でありましたが、実績は百三十九万キロワット、約一二%計画よりも実績の方が上まわつております。その上まわつた主なるものは、上の欄でごらん願いたいのでありますが、電力会社の進捗率が非常によくて、予定よりも十八万キロよけい出る予定でございます。これは主として丸山ダムと神通ダムが、完成が予定よりも早まつた関係上、今年度予想以上に実績がよろしいという結果になつております。それから、開発会社の分が若干減つておりますが、これは岩手県の猿ケ石という地点が、本年二月くらいに完成の予定であつたのですが、若干遅れまして、五月か六月くらいになり、三箇月ぐらい延びるのではないかと思いますので、その点が見通しよりは延びるというかつこうになつております。いずれにいたしましても、全体的に見ますと、計画よりも実績が非常に上まはつて、おそらくこの百三十九万キロ、約百四十万キロという実績は、日本にとつては古今未曽有でありまして、戦時中満州、朝鮮、台湾あるいは樺太全部を合せましても、最高時たしか九十万キロ程度じやなかつたかと思いますが、それが百四十万キロになつておりまして、画期的な実績でございます。 それから四番目の表が、「昭和二十九年度企業者別電源開発資金見込並びに二十八年度計画との比較」でありますが、これは実はまだはつきりきまつておりません。そこで表の文句を若干訂正したいのでありますが、「昭和二十九年度企業者別電源開発資金見込」というのを「調達需要資金見込」というふうに御訂正願いたいと思います。これは仮案ということになつております。それから二番目の表も、「昭和二十九年度電源開発設備資金所要額見透」いうのは、「需要額見透」というふうに御訂正願いたいと思います。第一表の方から説明いたしますと、これは実際工事でこのくらいの金の調達はできるという見通しの表でございまして、二十八年度に関しましては、全体で金の調達はこのくらいになるだろうという需要見込みの表でございますが、ここにありますように、大体千六百七十九億の需要が満たされるのではなかろうかという見通しでございます。それに反しまして二十九年度は、これは先ほど申し上げましたように、まつたくいまだ固まつた案でございませんので、単に仮案でございまして、今後各省との話合い、あるいは予算の決定等と相まちまして、当然修正その他行われるわけでございますが、一応現在あります需要の見通しというものをある程度勘案しながら考えてみますと、大体この程度ではなかろうかという表でございますので、そのつもりでごらん願いたいと思います。今年度は二十八年度に比較しまして、約七十億近くふえることになつております。但しこの中で政府資金の内訳をとつてみますと、二十八年度は七百十億なのに反しまして、二十九年度も大体七百五億から七百十五億といつたような量を見込まれてございます。もちろんこの政府資金に関しましては、先ほど申しましたようにまだ不確定の問題でありますので、はつきり何とも申し上げられないのであります。今のところは大体こんな需要想定になるのではなかろうかという感じでございます。従いまして二十八年度よりも減つておりますのは、市中の分が相当削減される見通しでありまして、増資、社債その他市中銀行あるいは債券発行銀行、これは長銀、興銀でございますが、あるいは貸付信託等からの調達資金というものは去年に比較しまして相当きゆうくつになるのではなかろうかというふうな見通しでございます。 その次の裏の表は、そういう需要見込みが実際に工事においてはどういうふうになるかと申しますと、二十八年度に関しましては、調達見込みよりも工事の方は、特に開発会社でございますが、若干余裕がございまして、その金は二十九年度の方にキャリーオーヴアーするといふうな考え方で一応資料をかりにつくつてみたわけでございます。従いましてこの前の表と二番目の表とは資金量が必ずしも一致しておりませんが、それはそうい関係からでございます。この内訳は一応新規というものをほとんど考えずに組んでおります。本年度の建前はどうしてもこういうふうにならざるを得ないような資金状況でございますので、そこで継続に重点を置きまして、今までやりかけたものを早く完成するというところに重点を置こうというふうな態勢で考えてございます。この内訳等もまだ十分に検討が進んでおりません。今各省間で検討しておる最中でございますので、この表は先ほどから繰返して申し上げますように一応の試案でございまして、まだまだこれから変化するだろうという見通しでございます。 それから五番目の表でございますが、これは本年度の電力の需給見通しでございまして、今月一ぱいで二十八年度が終るわけでございますが、大体今までの足取り等から考えまして、今年度はこういうふうな需給見通しになるのではなかろうかという想定でございます。初めの計画は五百八億キロワット・アワーでございましたのが、実績は五百四十七億キロワット・アワーというふうにふえておりまして、その差が三十九億ばかりになつております。これは非常に予想以上に豊水だつたというのが主たる原因でありまして、こいうふうにふえておるのでありますが、それでは計画量を上まわつておるから需給のバランスがほとんどとれておるのじやなかろうかというふうな御不審のほどもあろうかと思いますが、先ほど五箇年計画の際にも出て参つたのでありますが、二十八年度の需用想定は約五十一億キロワツト・アワーでございますので、これくらい豊水期でもなお相当電力は不足しているというふうな事情になつておるのでございます。 それから次は補償の問題でありますが、第六番目、七番目の資料でそれぞれ出ておるのでありますが、先ほど申しましたように、促進法では審議会で決定しました事項を、基本計画を公表いたしまして、その公表に対してそれぞれ利害関係者が意見を申し立てるわけでございます。その意見を申し立てた事項がここにありますように、二十七年、二十八年度両年度を通じまして公表地点が九十地点あるうち、申出が二十五地点ございまして、そのまた一箇地点にそれぞれたくさんの件数があるのでございます。そういうのを第一次的には各省単独で、あるいは各省間で一次的な主務官庁が相談の上処理をいたしまして、どうしても処理のつかないものは審議庁を通じ審議会でこれを採決するというふうな建前になつておるわけでございますが、いまだ審議会方にこの調停を依頼して来たものはございません。今までの申出た件数並びにその処理した件数、それから申立て事項の内容を、一般施策事項と、それから特に補償問題が中心でございますので、補償問題とにわけまして、その件数を載せてございます。これは後ほどごらん願えればけつこうかと思います。 それから開発会社自体の開発地点に関しまして非常に補償の問題が中心になりまして、開発が遅れるんじやなかろうかという御質問が多うございますので、念のためにこれをつくつて参つたのでありますが、ごらん願えばわかりますように、開発会社の地点は、補償問題が非常に複雑でございます。こういう複雑な補償関係を持つておりますがゆえに、ああいう数県にまたがる水利権であるとか、あるいは総合開発的な任務を持つている地点でありまするから、単独の会社ではなかなか開発ができなかつた地点を主として開発会社で選んでおるわけでございまして、開発会社ができた一つの大きい理由もそういう点にあるわけでございまするから、こういう補償問題が非常に錯綜しているのは、あるいは当然のことかとも存じますが、そういう補償問題が現在主要な地点に関してどういうふうに進捗しているだろうか。どういう問題があるだろうかという点を全部漏れなく、現在までにわかつているもの、――二月二十五日現在までにわかつている点を漏れなく出してございます。これもごらん願えればけつこうかと思います。概略的に申し上げますと、ここで一番問題になるのは天竜の佐久間地点かと思いますが、これも大きい問題は、道路の処理の問題と、もう一つは治水と用水あるいは利水相互間の調整問題をどうするかという問題が一番大きい問題でありましたが、実はきのう国土総合開発審議会の地域部会を開催いたしまして、ほぼそういう問題に対しても、ある程度の原則をきめまして、地域部会としては決定したわけであります。まだ細部の点でいろいろ問題はありますけれども、おそらくこの問題も近くはつきり結論を見るをではなかろうかというふうに考えております。その他の地点に関しましてもいろいろ補償の進捗状況がございますので、ごらん願えればけつこうかと思います。 経済審議庁に関しまして、いろいろ御要求のありました資料は以上の通りでございますが、先ほども御説明いたしましたように、電力料金の問題あるいは、河川行政の問題、あるいは電力復元問題第に関しましては、通産省並びに建設省の方から、それぞれ御説明願うことにいたします。私の持つて参りました資料に関する説明をこれで終りたいと思います。
○加藤委員長代理 中島政府委員。
○中島政府委員 それでは通産省の方から提出いたしたました資料につきまして、御説明申上げます。 まず電気料金に関する資料といたしまして番上に図表が書いてありますが、これにつきまして、簡単に御説明申し上げます。 これは電源開発の電気料金に及ぼす影響としまして一括してございます。まず電気料金の引上げの理由の一番大きなものとなつております資本費の高騰というものにつきまして、それがどういうふうな状態になつているかということが、この表で一応わかるのでございますが、その第一表の上の方は実数で示してございますが、下の図面をごらんになりますと、上の方が発電関係の資産額でございます。これは配電等も含んでおりますが、大体電力の生産設備の資産額、それから下がそれの実際の生産力でありまして、白いところが現在の料金のベースになつております資産額であり、出力であります。現在の料金は、二十七年五月に改訂されておりますが、二十七年末までの設備の増加の状況を推定いたしまして、計算をいたされておりますので、従つてここにありますように、二十八年三月三十一日現在までの姿が現在の料金のベースになつておる、こういうわけであります。それと比較いたしますと、出力におきましては、このように年間大体八十万キロワット以上ふえております。二十八年度と二十九年度と二つ加えたものに対する金額は、この図でごらんになります通りに、白い部分との比較において、非常に大きくふえております。さらに点の部分で示されておる通りに、かりに現在許されております第三次評価を一ぱいやりますと、さらにそれだけふえる。従つて実際の出力の増加に比べて、資産額は非常に大きな割合を占めておるということを、この図面で示しておるわけであります。実数は、上部の表にある通りであります。 それから二枚目、三枚目の表が、水力と火力の新旧別の原価の比較でございます。これには前提がございますが、水力につきましては、五箇年計画を策定いたしましたときに、五箇年間の建設費が、平均して一キロワット十万円ぐらいであろうという想定をいたしました。その前提を取入れまして、新設する分についてはキロワット当りの建設費十万円、それで大体二万キロワット・アワーの発電量を標準のものといたしまして、それによつて発電原価をはじいておるわけであります。そういたしますと、既設のものと比較いたしまして、パーセンテージをとりますと、既設の分が四〇%直接費で占めておりますけれども、新設の水力発電所におきましては、直接費はわずか六・九%にすぎない。実数においても、既設の分がキロワット・アワー当り三十三銭四厘であるのに対しまして、新設の分は二十銭二厘というように減少いたしております。これは設備の能率、その他からいつて当然であります。それに対しまして、間接費――表には間接税となつておりますが、間接費の誤りであります。間接費におきましては、既設の水力発電所においては全体の六〇%であるのに対しまして、新設のものについては九三%を占めておる。間接費の内訳は、ここにごらんになります通り、減価償却、金利、諸税というもので、特に金利が全体の費用の五七%以上を占めておるということが、非常に大きな問題であります。こういうように新設の分につきましては、間接費つまり資本費にあたりますものが、既設のものに対して比率も非常にふえ、また実数もふえておるということであります。こういうような実情が先ほど御説明しました第一表のああいう資産増加の比率が非常にふえておるということと対応いたしまして、全体の総合原価が非常に上るという理由になるわけであります。この想定によりますと、結局において現在の発電原価が、二十七年度原価想定のときにおきます既設分の水力発電所の原価八十三銭六厘に対しまして新設のものが二円九十一銭二厘という、非常に高くなつております。 それから火力発電所につきましては、事情がちよつと違います。その次のページにございますけれども、合計欄で見ますと、キロワット・アワー当りの単価は、既設の分が七円八銭三厘であるのに対しまして、新設分は六円二十五銭八厘となつておつて、実際上は低くなつております。これは実際の姿がこういうふうになるわけでありますが、ただこの場合の想定が、既設のものは大体稼働率を三五%程度に見ております。ところが新設のものにつきましては新設火力発電所は能率も非常に優秀であります関係上、ベース・ロードに使うという趣旨からいたしまして、稼働率を五八・五%と見ておりますから、その関係において、すでにスタートの違いがあるということと、それから石炭費におきまして、実数もかなり減つておりますけれども、既設の分につきましての石炭費五円六十銭というのは、当時の原価査定をいたしましたときの炭価を算入いたしております。それをそのまま動かさずにとつておりますので、その点で比較する上においては若干適当でない点がございますが、新設の分につきましては、最近の石炭費単価から比べまして石炭費を想定いたしております。従つてこの点は比較するベースが違つております。その関係からいたしまして、新設分と既設分との比較は、第一に運転時間の相違があるということと、石炭費が新設のものは安くなつておる、こういう点からいたいたしまして、普通に同じような條件で運転いたした場合と比べると、新設分は比較的に安くなり過ぎておる、こういうことは申し上げられると思います。それを生の、裸のままで比較いたしますとどういうことになりますか、まだ数字が出ておりませんが、おそらく大体似たような数字になるのではないかと思われます。少くともその表におきましては、新設の分につきましては、既設のものよりもかなり安くなつておる。これは実際におきましても、新しいものをつくれぱ新しい炭価でできるだけ長時間運転いたしますから、こういうふうなコストになるわけでありまして、数字的に違つたわけではございませんけれども、比較いたしまするときには、そういう点は一応考慮に入れる必要があるわけでございます。これによりますと、新設のものの設備費が非常に下つて来る。従来は水力の場合と逆に、火力におきましては直接費、つまり人件費あるいは石炭費といつたようなものが、全体の経費の九三%を占めておりましたのが、今度の新設の火力におきましては、六八%というふうに下つております。つまり能率がよくなり、石炭費も下る、こういう関係からいたしまして、新しい火力発電所のコストが下るということは当然であります。しかし間接費はパーセンテージにおきましてすでに五倍近くなつております。実数におきましても既設分が四十五銭に対しまして、新設の分は一円九十四銭九厘というように、かなり大幅に、四倍以上上つておりますから、これはやはり比率においては水力ほどの大きな割合を占めておりませんけれども、資本系統といたしまして、水力と同じように、金利、税金等の負担をここでかなり多く見ておるということになるわけであります。 次の表は新旧原価比較表でございますが、これらを総合いたしました比較表でございまして、ここに現行料金織込原価と、二十九年度申請原価とありますが、現行料金織込原価は、先ほど申しましたように、二十七年五月に改訂されましたときの査定原価であります。申請の原価は現在一月二十日に政府に提出されております電力会社の申請原価そのままでありまして、合計総括原価二千百億というのは、電力事業者の申請いたしております原価を全部総計いたしました生の数字であります。これは査定の問題が起りますので、生のままで比べればこういうことになるということを御了解願いたいのであります。これによりますと、現行料金織込原価は、すでに二年前の数字でありますので、その開きが非常に大きくなつておりますが、二十七年度の数字と比べますと、資本費におきまして約四百億程度それから一般経費で百七十九億ふえておりますが、この中で燃料費が四十五億ふえておる。これは石炭の単価が下つておりますけれども、火力発電設備の増強等によりまして、火力の実際に発電する数量もふえますので、従つて使用する石炭の量がうんとふえるという関係からふえておるわけであります。維持費等も設備の増加によつてこの程度ふえる。それから人件費が八十八億ふえておりますが、これは一昨年ベースアップした関係で相当ふえております。そういう関係から一般経費としても百七十九億円、その他の経費は、次にありますように電力用水費、電柱敷地料、道路占有料、こういうものを当然今後は一般設備の拡張のほかに、ある程度その単価も引上げるというような問題もございまして、若干引上げることになつおります。それから他社購入電力量の増は、これは当然自家発その他卸売業者から、その方面で建設せられたものの電力を購入することによつて供給力をふやすためにこれだけの増があるということであります。結果総額におきまして六百五十四億の純総括原価の増となりまして、これが収入の想定とうらはらになりまして、その差額がどの程度になるかということなりますと、この事業者の申請の教字によりますと、收入の方でもかなりふえますから、差引約三百億というものが原価的に、現在の料金で行くとマイナスになる、その三百億を上げたいというのが申請の内容でございます。 次は外国との電気料金の比較表がごいますが、外国、ことにアメリカにおきましては非常にたくさんの電気会社がございまして、料金の建て方等も非常にまちまちでございますので、一括して比較することが非常に困難であります関係上、大体代表的だと考えられます五社だけを抜き出しております。それからイギリス、スコットランド、ギリシャなどをあげておりますが、その他のところの数字はまだ私どもの手でははつきりわかつておりませんので、不十分ではありますが、一応この表だけを提出したわけであります。これによりますと、従量電灯につきましては地区によつて内地でもいろいろ違いますが、最高は九州の十三円七十銭、最低が北陸電力の八円八十九銭、これは二十キロワット・アワーを使つた場合の単価がこういうふうになつております。アメリカでは最高が二十二円五十銭、最低が十三円五十銭、日本の三割ないし二倍高いというふうになつております。それからイギリスその他が大体日本よりか、五、六割高いというふうな状況であります。こういう外国の大体の例といたしましては、よけい使うと比較的に割引率が高くなるという関係からいたしまして、たとえばこの欄の右の方を見ますと、百キロワット・アワーを使つた場合の比較は、アメリカでは最高が日本の六割九分の増であり、最低では八%しか高くない。それからイギリスの場合は日本は比べるとむしろ四割くらい下るという事例もあるわけであります。以下小口電力、業務用、大口電力とありますが、最後の大口についてちよつと申し上げますと、これは大口のいわゆる電力料金と電力量料金、両方含めての金額比較になつておりますが、二十万キロワット・アワーを使つた場合の大口電力の比較がこの一番左の欄にあります通り、日本と比べましてアメリカでは最低が一割四分高、最高が三・七倍程度になつております。それからイギリスが七、八割高いという状況であります。これ以上の外国との詳しい比較表は今設査中でありまして、いずれまたはつきりするだろうと思います。 その次の表は、これは先ほど御説明いたしました資本費の増加関係と関連があるわけでありますが、この図表のうちで左の方の四角い図面が、電力設備の償却の状況と再評価との関係を示しておるものであります。現在電気事業につきましては、税法上は定率償却をやるということになつておりますが、実際上は定率償却をやるだけの余力がありませんので、従来やつと定額の限度まで償却しておるというのが現状であります。従つて再評価限度は税法上の償却を一つの目標にしておりますので、従つてこの一番右のところにございます現行再評価限度額というのは下の方の二十九年度の線上にあります、これが再評価限度額であります。ところが本来から言えば、定率償却はいたしておりませんので、実際の姿に合せて行くならば、その上に追加再評価必要額を――定額償却に合せるためにはその部分だけ追加をして再評価をする必要があるんだ。ところが実際上は下の段にあるようにしかできないのだ。従つてそこの料金の制度上の問題からいたしまして、実際上再評価の限度額までいたしましても足りないということをここで示しておるわけであります。 それからその右の方に線が五、六本並んだものが二つございますが、左の方が水力で、右の方が火力でありまして、再建設費と三次評価額等との比較表でありますが、一番左の水力の一番でありますが、これが新しい建設をした場合の建設費でありまして、キロワット当りが十万円ということになつておるわけであります。それからその次の少し低い線の二番目が資産再評価法上の建設費、これが七万七千円ということになつております。ところが今度の再評価限度額といたしましては、ただいま申しましたような関係で、本来から言えばその次の三次の定額法による限度額になるわけでありますが、これは五万七千円であります。ところが税法上の償却の方法が定率法ということで申告してありますために、(4)の線までしか実際上はできない、これは四万二千円。それで現在どうなつておるかというのが五番目で、これが二万八千円。従つて今度第三次評価をいたしましてもこの二万八千円が四万二千円になり、本来ならば少くとも五万七千円まで持つて行きたいのであるが、四万二千円までしかできない。しかるに実際の建設費というものは、新しいものは十万円かかる、現在ではもうすでに十二万円ぐらいが常識のようであります。但し古い設備はある程度償却いたしておりますから、それで比較いたしますと、残存額といたしましては、(6)に、あります通りに、少し大きくなりますが、七万四千円、少くとも七万四千円の残存額があるものに対しまして、現在では四万二千円、これを定額法の限度まで行きましても五万七千円までしか、再評価ができない、こういう点に問題があるのであります。同様に火力におきましては新設の分を五万五千円としております。これに対しまして二番目が資産再評価法上の建設費三万円、それから定額法による限度額を見ますと一万七千円であり、実際の定率法に基けば一万円にしかならない。現在これが七千円になつて、残存額といたしましては一万七千円、こういうことになるわけであります。 それから次の表は、結果的な数字になるわけでありますが、地域差の比較であります。総括原価の地域差の比較表が一と二とございますが、第一番目の表は現行料金の比較でありまして、単価を見ますと、一番にあります裸原価単価というのが、地域差調整をいたしません前の各地域別の単価であります。その中でもつて比較いたして見ますと、二番目のわくの中の一番上にあります裸原価単価のパーセンテージの比較でございますが、最高が中国の全国平均一〇〇に対する一四八・三になり、最低が北陸の四六・三ということになつておりまして、三倍余りの開きがあるということになります。ところがそれに対しましていわゆる水火力調整を行しました結果若干差が狭まりまして、その姿が第二番目の現行料金単価というところに出ております。これをパーセンテージの持較によりますと、中国の一四八・三が一四一・一北陸の四六・三が四九・七というふうに両者の開きが狭まつております。しかしながらこれは三倍以下にはなりますけれども、なおかつ二倍半余りの開きがあるという現状でございます。 それからそれを今度の料金の申請に基くもので比較いたしますと、どういうことになるかというのが一番最後のところにございます。地域差比較表(Ⅱ)というところでございます。これもむろん申請の料金単価をそのままとつておりまして、これはこのまま実現するというふうに考える必要はございませんが、かりにそういう前提で比較いたしますと、前表に比べまして最高最低の開きがさらに小さくなつておるということになるわけであります。この場合におきましては、従来中国が最高でありましたのが四国が最高になりまして、最低はやはり北陸ということであります。この関係につきましては一応これで終ります。 次に川河行政に関する問題といたしまして、電源開発に伴う河川行政上の問題点という薄つペらな資料がございます。これは現在までに特に水利権等を中心といたしまして、電源開発に伴ういろいろな問題が起きております。これにつきましては、問題は農林省、建設省その他いろいろな関係省が多くて、その都度協議はいたしております。大部分のものはその協議のとりきめによりまして片づいておりますけれども、制度上どうしても問題が残るといふこともございまして、そういうものを多少誇張的に書いておりますので、この資料は若干そういう点におきましては書き過ぎた点もあろうかと思いますが、その点はお許しを願いたいと思います。大体問題の主要点だけを申し上げますと、電源開発の関係から見ました場合に、水利権の許可は現在では河川法上都道府県知事がやる。知事が許可いたしますときには建設大臣にお伺いを立てる。建設大臣が認証いたしましたときにその認可を得て正式に許可する、こういう順序であります。ところが公共事業令に基いて知事が許可をするときは一応通産大臣にも届出をする、通産大臣の意見を聞く、こういうことになつております。通産大臣がこの意見を述べるときには、建設大臣に一応協議してから、意見を県知事に対して出す、こういうふうな制度になつておるわけであります。これにつきましてまず問題になりますのは、この水利権の許可権が都道府県知事にあるということのために、いろいろな点で問題を生ずるおそれがあります。第一には水利権が二つ以上の都道府県にまたがつておる場合、これはその関係の府県知事の許可がいるわけでありますが、その両者の利害が一致しない場合には、水利権の許可が円滑に行われないということであります。それから水利権の許可を行おうとする県でみずから発電事業等を行う計画がある場合には、別の方の電気事業者その他の水利権の許可申請者に対しまして公正な決定ができないことがあり得るわけであります。それから水利権の許可をする場所と、その水が実際に利用され、発電をされ、さらに電力として使用される地区が非常に違つております場合には、水利権を許可するところとしては何ら思恵をこうむりませんので、その関係上またいろいろな問題が起るというわけであります。それから府県知事が許可する場合には、これは一面からいえば当然でありますけれども、地元の補償問題も水利権の許可が関連して、地元が水利権の許可によつて損害を受ける場合の補償請求書問題が完全に解決されない限りは、知事は水利権を許可することに非常に躊躇するわけであります。そのために一面におきましては補償金額はどうしても高くなるという傾向になります。またかりに許可するとしても、土地収用等法によりますと、水利権がまだ許可されておりませんために、土地収用法の発動もできないということになりまして、こういう関係で補償問題がきまらず、水利権の許可に日数をかけるという事情があるわけであります。 それから地方との関係はそういうことになりますが、建設省との関係は大部分のケースにおきましては、もちろん十分な連絡は双方からいたしておりまして、大して問題はないわけでありますが、ときたま制度上の欠陥があるために問題が起ることがあるわけであります。たとえば現在では、建設省が府県知事に対しまして水利権許可の承認を与えるときに、通産省に対しまして法律上連絡する義務はありません。ところが逆に通産省は、実際上の意見を述べる場合に建設大臣を協議するということになつておりまして、その辺の関係が一方的になつている点がありますために、制度上からいいますと、通産省の方と連絡なしに建設省だけで許認可の決定を府県に対して与えることが起り得るわけであります。実際のケースもないわけではありませんけれども、そういうことが制度上問題になるわけであります。そういうことを離れましても、本来電力の主務官庁として、過去においては逓信省でありますが、現在通産省におきましても、この主要河川についてはいろいろ水力調査を実施いたしております。従つて河水の調査も、発電用としての調査とそれ以外の調査といろいろ内容が違つて来るわけであります。従つて利用面からいたしましても、電源開発のための水力調査ということになりますと、重点的に通産省の方でどうしてもやらざるを得ない。従つてそういう関係からいたしまして、水利権の許認可も、電力に関するものは、電力の主務官庁が専門的な立場から行うのが適当であるというような考え方も出て来ます。そういう点を考えまして、現在の河川法の制度はいろいろ問題を起す可能性があるという点を申し上げておるわけであります。これはある程度手前みそ的な点もございますが、通産省としての見解を言うことでありますので、いろいろな問題点を並べましたが御批判を仰ぎたいと思います。 次に電源開発に伴う補償問題については、先ほど佐々木部長の方から説明かございましたが、こちらから出した、ただいま申し上げた資料はごく簡単な抽象的なものでありまして、要するに電源開発が進むに従つて補償問題がだんだん大きくなりつつあり、しかもこれが電源開発の単価を非度に上げつつある傾向にあるということをうたつてございます。このために昨年四月の閣議了解事項といたしまして、損失補償の適正基準を定めておりますけれども、これが実際に行われることははなはだ容易でない。土地収用法等の関係におきましても、先ほど申しましたように、水利権の許可が並行しなければならぬ関係上、これも円滑に行われない。従つて将来この補償問題を解決し、できるだけ円滑にかつ低廉な電力を供給するためには、いま少しく補償問題についての対策を講ずる必要があるということを考えております。特にこの点に関しましては何らかの立法措置ができるのではないかというような御意見もときどき伺うのでありますが、こういう点につきましても将来のこの研究問題として考えなければならぬであろうと考えます。 それから最後に復元問題について資料をお配りいたしております。これは非常に長い経緯がありまして、大体その経緯はこの資料に書いてございますが、要するに復元に関しましては六ページのところにございますが、電気事業再編成要綱という、二十五年の十月三日に閣議了解が行われております。これによりますと、従来接収されたものの電源の復元については「関係地方の電力需給に著しい悪影響を及ぼすと一認める場合の外は、これを認めるものとする。」こういう意味の閣議了解があるわけです。これによつていわゆる公益事業法というものの立案を進めておつたわけでありますが、それに対しまして当時の占領軍の方から同意が得られませんで、いわゆるポツダム政令による現在の公共事業令が適用されておるのでありますが、従つてこの閣議了解というものはそのままになつてしまつた。その後公共事業令に基きましての方針は、公益事業委員会の方針といたしまして、九ページ以下に書いてございますが、公益事業委員会といたしましては、いかなる申出があつても委員会としてはこれを決定するとかあるいはこれを考慮するとかいうことは不可能であるというふうなことを声明いたしております。この関係は十ページから十一ぺージにかけまして、特に今の点は中ほどに書いてございますが、再編成の途上においてはこういう問題は取上げるわけにはいかない、従つて返還希望者は再編成が済んでから新しい電力会社と交渉すべきだ、こういう態度をとつておるわけです。その後去る国会におきましても、復元に関します法律案が議員提出の形で提出されておりますが、昨年の二月からこの電気ガス関係の法令の改正いたしますために、改正審議会を設けましていろいろな点で問題の討議を行つたわけでございますが、その審議会におきましても、一応この復元あるいは公納金制度は認めるべきでないという結論を出しておるのであります。従つて現在通産省で立案中でありまする電気事業法案におきましては、現在のところは復元に関します條文が入つておりません。またこれはかりに入れるといたしましても、恒久法の形であります電気事業法の中に入れるべき性質のものではない、こういうふうに考えております。少くとも現在そういうものは政府提案の法律の中には入つていない、こういうわけであります。それから設備の復元と並行いたしまして、別に公納金の問題があるわけでありますが、公納金の方はこれは主として配電関係の設備に対する問題であります。復元は主として発電関係、配電統制令によつて統合されました設備に対しましては、統制令の第三十四條によりまして、十年を越えざる期間に対しまして一定の金額を電力会社から公共団体に支払う、こういうことになつております。この設備については一応の補償はなされておるわけでありますけれども、そういう設備から上げております地方団体の收入がかなり大きなウエートを占めまず関係上、急激な変化を与えることを避けるために、暫定的にそういう処置を講じたいことがその趣旨のようでありますが、それが二十七年にその期限が切れるにあたりまして、この国会でさらにそれを延長するという法律が出ております。設けました当初は、こういう公納金というようなものについては、本来電気事業者が負担すべき義務はないものである、つまりその設備に相当する金額は補償をいたしておりますので、それ以上の義務はないはずであるけれども、ただ先ほど申したような見地から政府が特にそうしたのであるから、従つてそれに対する税金は免除する、こういうふうなことになつております。従つてこの十年間はそういう免税措置がなされておりました関係上、一応問題はなかつたのでありますが、その後それが延長されまして、延長されますときには免税規定が落されております関係で、その点につきましてはいわば憲法上の疑義があるとすら言われておる問題であります。ところが現実には、この改正以後におきましては電力会社は一割五分程度の配当をいたしております。八分以上の配当をします場合には、大体公納金は納めなくてもよろしいというような定めになつております関係上、延長以後は実際上公納金は納められておりません。従つてそれに対しての問題は、免税規定がなくなつてこういう現実が残されておるという点が一つの問題であります。従つてこれは今後の新しい法律においては認むべきではないということで、現在ではこういう制度は討議これておりません。しかしこの復元とか公納金の問題につきましては、関係の府県公共団体とか自家発電業者におきましてもいまだ問題が残つておりまして、特に復元問題につきましてはいろいろな御意見のあることは御承知り通りであります。その点につきましては概略の説明をこの資料に書いてありますので、これにて私の御説明を終ります。
○加藤委員長代理 質疑は次会に譲ることにいたします。次会は来る五日午前十時より開会することにいたしまして本日はこれにて散会いたします。 午後零時十七分散会